JP5874649B2 - 画像処理装置、そのプログラム、および画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置、そのプログラム、および画像処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、1の視点から撮影した被写体の画像を用いて、該画像との組み合わせが被写体の立体画像を構成する疑似画像を生成する画像処理技術に関する。
近年、被写体を実際に撮影した視点とは別の仮想視点からその被写体を撮影したときに得られる画像についての疑似画像を、仮想視点からの実際の撮影を行うことなく模擬的に生成する疑似画像生成装置が、立体視可能な立体画像を生成する用途などに活用され始めている。
特許文献1の画像処理システムでは、複数の二次元画像間で、対応点探索を行い、対応点探索の結果に基づいて得られる距離情報から三次元表示用の疑似画像を取得する際に、対応点探索が失敗したことによって距離情報が取得できなかった領域については、対応点探索が成功して得られた距離情報からの平均値を該領域の距離情報として取得して疑似画像を復元し、さらに該疑似画像の平滑化処理を行うことによって、対応点探索が失敗した領域についても平滑性が改善された疑似画像を取得する。
特開2003−317117号公報
しかしながら、特許文献1の画像処理システムによって生成された疑似画像においては、画像の湾曲などの画像の歪みが発生する場合がある。
本発明は、こうした問題を解決するためになされたもので、疑似画像に発生する画像の歪みを低減させ得る技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、の態様に係る画像処理装置は、画像処理装置であって、被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得部と、前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得部と、前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成部と、前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成部と、を備え、前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、前記第1の生成部は、前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記第1の方向についての長さよりも前記第2の方向についての長さが長い縦長形状のブロック領域を前記原距離画像に設定して前記第1の各距離情報のうち該ブロック領域に対応した各距離情報の平均値を取得するとともに、取得した平均値に基づいて前記第2の各距離情報のうち該ブロック領域に対応した各距離情報の値を取得する処理を、該ブロック領域を前記原距離画像に対してステップ移動させつつ行うことによって前記低減処理を行い、当該画像処理装置は、予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域と、前記着目領域よりも前記疑似画像の歪みを生ずる可能性が弱い非着目領域とを検出する検出部を更に備え、前記第1の生成部が、前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域の全体を対象として第1の平滑化フィルタ処理を行うとともに、前記原距離画像のうち前記非着目領域に対応した領域の全体を対象として第2の平滑化フィルタ処理を行うことによって前記低減処理を行い、前記第1の方向についての平滑化強度に対する前記第2の方向についての平滑化強度の比によって平滑化強度比を定義したとき、前記第1の平滑化フィルタ処理についての前記平滑化強度比が、前記第2の平滑化フィルタ処理についての前記平滑化強度比よりも大きい。
の態様に係る画像処理装置は、第の態様に係る画像処理装置であって、前記検出部が、前記基準画像についての幾何学的条件を前記判定条件として前記着目領域を検出する。
の態様に係る画像処理装置は、画像処理装置であって、被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得部と、前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得部と、前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成部と、前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成部と、を備え、前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、前記第1の生成部は、前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記低減処理を行い、当該画像処理装置は、予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域を検出する検出部を更に備え、前記第1の生成部が、前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域を対象として前記低減処理を行い、前記検出部が、前記基準画像についての幾何学的条件を前記判定条件として前記着目領域を検出し、予め設定された数式のパラメータに具体的数値を与えることによって座標空間での形状およびサイズが特定される図形を基本図形と呼ぶとき、前記幾何学的条件が、前記基準画像における輪郭を構成する1種類以上の予め設定された基本図形の割合である。
の態様に係る画像処理装置は、第の態様に係る画像処理装置であって、前記1種類以上の予め設定された基本図形が、直線、2次曲線、円弧、楕円弧、および予め設定されたテクスチャのうち少なくとも1つである。
の態様に係る画像処理装置は、画像処理装置であって、被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得部と、前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得部と、前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成部と、前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成部と、を備え、前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、前記第1の生成部は、前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記低減処理を行い、当該画像処理装置は、予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域を検出する検出部を更に備え、前記第1の生成部が、前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域を対象として前記低減処理を行い、前記検出部が、前記第1の各距離情報の統計的な分布状態を前記判定条件として前記着目領域を検出する。
の態様に係る画像処理装置は、画像処理装置であって、被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得部と、前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得部と、前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成部と、前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成部と、を備え、前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、前記第1の生成部は、前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記低減処理を行い、当該画像処理装置は、予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域を検出する検出部を更に備え、前記第1の生成部が、前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域を対象として前記低減処理を行い、前記第2の取得部が、前記基準画像が撮影された視点とは異なる視点から前記被写体が撮影された参照画像と、前記基準画像との間での対応点探索処理を行うことによって前記第1の各距離情報を取得するとともに、前記検出部が、前記第1の各距離情報についての前記対応点探索処理において取得される各相関値を前記判定条件として前記着目領域を検出する。
の態様に係る画像処理装置は、画像処理装置であって、被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得部と、前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得部と、前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成部と、前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成部と、を備え、前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、前記第1の生成部は、前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記低減処理を行い、当該画像処理装置は、予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域を検出する検出部を更に備え、前記第1の生成部が、前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域を対象として前記低減処理を行い、前記判定条件は、前記歪みを生ずる可能性について定量的な判定結果を与える判定規則を含み、前記第1の生成部が、前記着目領域についての前記第2の方向についての前記ばらつきの低減強度を、前記歪みを生ずる可能性についての前記定量的な判定の結果に応じて変更する。
の態様に係るプログラムは、画像処理装置に搭載されたコンピュータにおいて実行されることにより、当該画像処理装置を請求項1から請求項の何れか1つの請求項に記載の画像処理装置として機能させる。
の態様に係る画像処理方法は、画像処理方法であって、被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得工程と、前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得工程と、前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成工程と、前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成工程と、を備え、前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、前記第1の生成工程は、前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記第1の方向についての長さよりも前記第2の方向についての長さが長い縦長形状のブロック領域を前記原距離画像に設定して前記第1の各距離情報のうち該ブロック領域に対応した各距離情報の平均値を取得するとともに、取得した平均値に基づいて前記第2の各距離情報のうち該ブロック領域に対応した各距離情報の値を取得する処理を、該ブロック領域を前記原距離画像に対してステップ移動させつつ行うことによって前記低減処理を行い、当該画像処理方法は、予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域と、前記着目領域よりも前記疑似画像の歪みを生ずる可能性が弱い非着目領域とを検出する検出工程を更に備え、前記第1の生成工程が、前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域の全体を対象として第1の平滑化フィルタ処理を行うとともに、前記原距離画像のうち前記非着目領域に対応した領域の全体を対象として第2の平滑化フィルタ処理を行うことによって前記低減処理を行う工程であり、前記第1の方向についての平滑化強度に対する前記第2の方向についての平滑化強度の比によって平滑化強度比を定義したとき、前記第1の平滑化フィルタ処理についての前記平滑化強度比が、前記第2の平滑化フィルタ処理についての前記平滑化強度比よりも大きい
第10の態様に係る画像処理方法は、画像処理方法であって、被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得工程と、前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得工程と、前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成工程と、前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成工程と、を備え、前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、前記第1の生成工程は、前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記低減処理を行う工程であり、当該画像処理方法は、予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域を検出する検出工程を更に備え、前記第1の生成工程が、前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域を対象として前記低減処理を行う工程であり、前記検出工程が、前記基準画像についての幾何学的条件を前記判定条件として前記着目領域を検出する工程であり、予め設定された数式のパラメータに具体的数値を与えることによって座標空間での形状およびサイズが特定される図形を基本図形と呼ぶとき、前記幾何学的条件が、前記基準画像における輪郭を構成する1種類以上の予め設定された基本図形の割合である。
第11の態様に係る画像処理方法は、画像処理方法であって、被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得工程と、前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得工程と、前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成工程と、前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成工程と、を備え、前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、前記第1の生成工程は、前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記低減処理を行う工程であり、当該画像処理方法は、予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域を検出する検出工程を更に備え、前記第1の生成工程が、前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域を対象として前記低減処理を行う工程であり、前記検出工程が、前記第1の各距離情報の統計的な分布状態を前記判定条件として前記着目領域を検出する工程である。
第12の態様に係る画像処理方法は、画像処理方法であって、被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得工程と、前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得工程と、前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成工程と、前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成工程と、を備え、前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、前記第1の生成工程は、前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記低減処理を行う工程であり、当該画像処理方法は、予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域を検出する検出工程を更に備え、前記第1の生成工程が、前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域を対象として前記低減処理を行う工程であり、前記第2の取得工程が、前記基準画像が撮影された視点とは異なる視点から前記被写体が撮影された参照画像と、前記基準画像との間での対応点探索処理を行うことによって前記第1の各距離情報を取得する工程であるとともに、前記検出工程が、前記第1の各距離情報についての前記対応点探索処理において取得される各相関値を前記判定条件として前記着目領域を検出する工程である。
第13の態様に係る画像処理方法は、画像処理方法であって、被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得工程と、前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得工程と、前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成工程と、前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成工程と、を備え、前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、前記第1の生成工程は、前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記低減処理を行う工程であり、当該画像処理方法は、予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域を検出する検出工程を更に備え、前記第1の生成工程が、前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域を対象として前記低減処理を行い、前記判定条件は、前記歪みを生ずる可能性について定量的な判定結果を与える判定規則を含み、前記第1の生成工程が、前記着目領域についての前記第2の方向についての前記ばらつきの低減強度を、前記歪みを生ずる可能性についての前記定量的な判定の結果に応じて変更する工程である。
第1から第13の何れの発明によっても、疑似画像の形状的な歪みの主たる原因となる第2の方向に関する第2の各距離情報のばらつきが、第1の方向に関する第2の各距離情報のばらつきよりも小さくなるように第2の各距離情報が生成され、第2の各距離情報に基づいて疑似画像が生成されるので、疑似画像に発生する画像の歪みを低減させ得る。
図1は、実施形態に係る画像処理システムの主な構成の1例を示す図である。 図2は、実施形態に係る画像処理装置の機能構成の1例を示す図である。 図3は、基準画像の1例を示す図である。 図4は、参照画像の1例を示す図である。 図5は、視差の1例を説明するための図である。 図6は、基準画像から疑似画像を生成する基本手法の1例を説明するための図である。 図7は、原距離画像の1例を示す図である。 図8は、平均化フィルタの1例を示す図である。 図9は、同一の平滑化強度で平滑化された距離画像の1例を示す図である。 図10は、歪みが抑制されていない疑似画像の1例を示す図である。 図11は、着目領域の1例を示す図である。 図12は、原距離画像に設定されたブロック領域の1例を示す図である。 図13は、ブロック領域における距離情報の分布の1例を示す図である。 図14は、着目領域の1例を示す図である。 図15は、着目領域の1例を示す図である。 図16は、複数の着目領域の1例を示す図である。 図17は、派生距離画像の1例を示す図である。 図18は、画像の歪みが抑制された疑似画像の1例を示す図である。 図19は、実施形態に係る平均化フィルタの1例を示す図である。 図20は、実施形態に係る平均化フィルタの1例を示す図である。 図21は、実施形態に係る平均化フィルタの1例を示す図である。 図22は、実施形態に係る距離情報のばらつきを低減させる処理の1例を説明する図である。 図23は、基準画像の部分画像と、疑似画像の部分画像とのそれぞれにおける各画素の対応関係の1例を示す図である。 図24は、基準画像の画素座標および距離情報と、疑似画像の画素座標との対応関係の1例を示す図である。 図25は、実施形態に係る画像処理装置の動作フローを例示する図である。 図26は、実施形態に係る画像処理装置の動作フローを例示する図である。 図27は、実施形態に係る画像処理装置の動作フローを例示する図である。 図28は、疑似画像を生成する基本手法の動作フローを例示する図である。
<実施形態について:>
<画像処理システム100Aについて:>
図1は、実施形態に係る画像処理システム100Aの主な構成の1例を示すブロック図である。図1に示されるように、画像処理システム100Aは、ステレオカメラ300と画像処理装置200Aとを主に備えて構成されている。画像処理システム100Aでは、ステレオカメラ300が撮影した基準画像21(図1、図2)および参照画像22(図1、図2)を画像処理装置200Aが取得し、画像処理装置200Aが基準画像21および参照画像22を処理することによって、基準画像21が撮影された第1の視点とは別の仮想視点からの被写体の撮影に対応した疑似画像24(図2)、すなわち第1の視点とは別の仮想視点から撮影した被写体の画像に相当する疑似画像24を生成する。疑似画像24は、基準画像21との組み合わせによって立体視可能な立体画像を構成する。
ステレオカメラ300について:
図1に示されるように、ステレオカメラ300は、基準カメラ61と参照カメラ62とを主に備えて構成されている。また、基準カメラ61および参照カメラ62は、それぞれ、不図示の撮影光学系および制御処理回路を主に備えて構成されている。また、基準カメラ61と参照カメラ62とは、垂直方向に所定の基線長を隔てて設けられており、撮影光学系に入射した被写体からの光線情報を制御処理回路等で同期して処理することによって、被写体のステレオ画像を構成する、例えば、3456×2592画素サイズなどの所定サイズのデジタル画像である基準画像21(図1、図3)および参照画像22(図1、図4)を生成する。また、ステレオカメラ300の各種動作は、画像処理装置200Aから入出力部41および通信回線DLを介して供給される制御信号に基づいて制御される。通信回線DLは、有線の回線であっても無線の回線であっても良い。
なお、基準画像21と参照画像22とのそれぞれの撮影時におけるステレオカメラ300に対する被写体の位置関係が同じであれば、基準画像21と参照画像22とは、同時刻に撮影されていなくても良い。また、ステレオカメラ300は、基準カメラ61と参照カメラ62との同期をとりつつ被写体を時間順次に連続的に撮影することによって、複数の基準画像21および複数の参照画像22を生成可能な構成であっても良い。また、基準画像21および参照画像22は、カラー画像であってもモノクロ画像であってもよい。
生成された基準画像21および参照画像22は、通信回線DLを介して画像処理装置200Aの入出力部41へと供給される。画像処理装置200Aは、基準画像21および参照画像22に基づいて被写体についての距離情報である第1の各距離情報27(図2)を生成し、さらに基準画像21と、第1の各距離情報27から生成される第2の各距離情報28(図2)とに基づいて疑似画像24(図2)を生成する。
画像処理装置200Aの構成について:
図1に示されるように、画像処理装置200Aは、CPU11A、入出力部41、操作部42、表示部43、ROM44、RAM45および記憶装置46を主に備えて構成されており、例えば、汎用のコンピュータでプログラムを実行することなどによって実現される。
入出力部41は、例えばUSBインタフェース、またはBluetooth(登録商標)インタフェースなどの入出力インタフェース、マルチメディアドライブ、およびネットワークアダプタなどのLANやインターネットに接続するためのインタフェースなどを備えて構成され、CPU11Aとの間でデータの授受を行うものである。具体的には、入出力部41は、例えば、CPU11Aがステレオカメラ300を制御するための各種の制御信号を、通信回線DLなどを介して入出力部41に接続されたステレオカメラ300へと供給する。また、入出力部41は、ステレオカメラ300が撮影した基準画像21および参照画像22を画像処理装置200Aへとそれぞれ供給する。なお、入出力部41は、予め基準画像21および参照画像22が記憶された光ディスクなどの記憶媒体を受け付けることなどによっても、基準画像21および参照画像22を画像処理装置200Aにそれぞれ供給する。
操作部42は、例えば、キーボードあるいはマウスなどによって構成されており、操作者が操作部42を操作することによって、画像処理装置200Aへの各種制御パラメータの設定、画像処理装置200Aの各種動作モードの設定などが行われる。また、画像処理装置200Aの機能部は、操作部42から設定される各動作モードに応じた処理を行うことができるように構成されている。
表示部43は、例えば、パララックスバリア方式などの3次元表示方式に対応した3次元表示用の液晶表示画面などによって構成される。また、表示部43は、基準画像21と疑似画像24などとによって構成される立体画像を表示部43における3次元表示方式に対応した画像形式に変換する不図示の画像処理部を備えており、表示部43は、該画像処理部によって必要な変換処理が施された該立体画像をその表示画面に表示する。表示部43における3次元表示方式として、例えば、左目用画像および右目用画像を交互に高速で切り替えて表示部43に表示するとともに、該切り替えに同期して、左目および右目にそれぞれ対応した各シャッター部を交互に開閉可能な専用めがねを介して表示部43に表示された立体画像が観察される三次元表示方式が採用されたとしても本発明の有用性を損なうものではない。なお、表示部43は、ステレオカメラ300から供給される画像、画像処理装置200Aが生成した画像、画像処理装置200Aに関する各種設定情報、および制御用GUI(Graphical User Interface)などを、二次元の画像や文字情報として観察者に視認され得るように表示することもできる。
ROM(Read Only Memory)44は、読出し専用メモリであり、CPU11Aを動作させるプログラムPG1などを格納している。なお、読み書き自在の不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)が、ROM44に代えて使用されてもよい。
RAM(Random Access Memory)45は、読み書き自在の揮発性メモリであり、画像処理装置200Aが取得した各種画像、ならびに画像処理装置200Aが生成する疑似画像、距離情報(距離画像)などを一時的に記憶する画像格納部、CPU11Aの処理情報を一時的に記憶するワークメモリなどとして機能する。
記憶装置46は、例えば、フラッシュメモリなどの読み書き自在な不揮発性メモリやハードディスク装置等によって構成されており、画像処理装置200Aの各種制御パラメータや各種動作モードなどの情報を恒久的に記録する。また、記憶装置46には平滑化情報格納部48が設けられており、平滑化情報格納部48には、被写体の画像情報などの平滑化を行うための種々の平滑化情報が格納されている。平滑化情報は、例えば、平滑化フィルタを規定する情報、すなわち平滑化フィルタの種類、平滑化の強度などを規定する情報、または平滑化処理に対応したプログラムなどの平滑化処理に関する種々の情報、すなわち平滑化規則である。平滑化情報は、第1生成部14A(図2)によって参照されて、第2の各距離情報28(図2)の取得処理に供される。
CPU(Central Processing Unit)11Aは、画像処理装置200Aの各機能部を統轄制御する制御処理装置であり、ROM44に格納されたプログラムPG1などに従った制御および処理を実行する。CPU11Aは、後述するように、第1取得部12、第2取得部13、第1生成部14A、第2生成部15A、および検出部17Aとしても機能する。
CPU11Aは、これらの機能部などによって、第1の視点から撮影された被写体についての基準画像21(図2、図3)から、第1の視点とは異なる仮想視点からの撮影に対応した被写体についての疑似画像24(図2、図18)、すなわち基準画像21との組み合わせによって立体視可能な立体画像を構成する疑似画像24を生成する。また、CPU11Aは、ステレオカメラ300の撮像動作の制御を行うとともに、表示部43を制御して、各種画像、算出結果、および各種制御情報などを表示部43に表示させる。
また、CPU11A、入出力部41、操作部42、表示部43、ROM44、RAM45、記憶装置46等のそれぞれは、信号線49を介して電気的に接続されている。したがって、CPU11Aは、例えば、入出力部41を介したステレオカメラ300の制御およびステレオカメラ300からの画像情報の取得、および表示部43への表示等を所定のタイミングで実行できる。
なお、図1に示される構成例では、第1取得部12、第2取得部13、第1生成部14A、第2生成部15A、および検出部17Aの各機能部は、CPU11Aで所定のプログラムを実行することによって実現されているが、これらの各機能部はそれぞれ、例えば、専用のハードウェア回路などによって実現されてもよい。
<画像処理装置200Aの各機能部の動作について:>
図2は、実施形態に係る画像処理装置200Aの主な機能構成の1例を示すブロック図である。図3および図4は、実施形態に係るステレオカメラ300の基準カメラ61および参照カメラ62が、それぞれ被写体を撮影した基準画像21および参照画像22の1例をそれぞれ示す図である。また、図25〜図27は、実施形態に係る画像処理装置200Aの動作フローをそれぞれ例示する図である。以下では、画像処理装置200Aが、基準画像21と参照画像22とに基づいて、基準画像21が撮影された第1の視点とは別の仮想視点からの被写体の撮影に対応した疑似画像24(図18)、すなわち基準画像21との組み合わせによって立体視可能な立体画像を構成する疑似画像24を生成する場合を例に、画像処理装置200Aの各機能部の動作について図25〜図27の動作フローを適宜参照しつつ説明する。
仮想視点からの撮影に対応した疑似画像の生成の対象となる被写体の撮影に先立って、基準カメラ61と参照カメラ62との両方から該被写体が撮影できるように、ステレオカメラ300の位置および姿勢が調整される。この状態におけるステレオカメラ300の基準カメラ61の位置が第1の視点となる。より具体的には、例えば、基準カメラ61の撮影光学系の主点位置が第1の視点となる。ステレオカメラ300の位置および姿勢が調整された状態で、操作者からの操作などに応答して、ステレオカメラ300に撮影動作を行わせる制御信号がCPU11Aからステレオカメラ300へと供給されると、ステレオカメラ300の撮影動作が行われる。該撮影動作が終了すると、基準カメラ61および参照カメラ62によってそれぞれ撮影された被写体についての基準画像21および参照画像22がそれぞれ生成されて画像処理装置200Aの入出力部41に供給される。
第1取得部12の動作:
被写体が第1の視点から撮影された基準画像21と参照画像22とが入出力部41に供給されると、第1取得部12(図2)は、入出力部41を介して基準画像21を取得するとともに(図25の動作フローS100AにおけるステップS110)、参照画像22を取得する。
図3および図4は、基準画像21および参照画像22の1例をそれぞれ示す図である。基準カメラ61と参照カメラ62との基線長の方向が垂直方向(図3、図4のY軸方向)に沿っているため、基準画像21と参照画像22とには、後述する視差がY軸方向に沿って生じている。また、基準画像21の領域5aには立て看板が撮影されている。該立て看板は、直線などの基本図形要素を多く有して構成された人工物の1例である。また、該立て看板が撮影されている領域の内部には、該立て看板よりもステレオカメラ300に対して近くに存在する木々が撮像されているとともに、該立て看板が撮影された領域の周りの領域には、該立て看板よりもステレオカメラ300に対して遠くに存在する木々が撮像されている。このため、領域5aの各画素におけるステレオカメラ300からの各距離の分布状態は、分布の幅が広く、また、離散的な分布となっている。なお、図3および図4においては、説明を容易にするため座標軸が設けられている。また、本願の他の図面においても座標軸を適宜設けて説明に使用することがある。
図2に示されるように、取得された基準画像21は、第2取得部13、第2生成部15A、および検出部17Aへと供給される。また、参照画像22は、第2取得部13へと供給される。なお、第1取得部12は、予め撮影されて記録メデイアに保存された基準画像21および参照画像22を、入出力部41を介して取得してもよい。
第2取得部13の動作:
図7は、第2取得部13(図2)が取得する原距離画像31(第1の各距離情報27)の1例を示す図である。基準画像21および参照画像22が第2取得部13に供給されると、第2取得部13は、基準画像21と参照画像22とを対象として、相関演算法などを用いた対応点探索処理を行うことによって、基準画像21の各注目画素に対応する参照画像22の各対応画素を特定する。そして、第2取得部13は、相互に対応する注目画素と対応画素とについて、基準画像21の画像座標系における該注目画素の画素座標と、参照画像22の画像座標系における該対応画素の画素座標との差(本願において、「視差」とも称する)を求める処理を、基準画像21の各注目画素に対して行う。
なお、後述するように、視差は、被写体上の点のステレオカメラ300からの距離に関する指標値となっており、本願においては、視差と、距離との総称として「距離情報」という用語を使用する。すなわち、第2取得部13は、基準画像21の各画素にそれぞれ対応した被写体上の点についての第1の各距離情報27(図7)を取得する(図25のステップS120)。また、第1の各距離情報27においては、第1の各距離情報27を構成する各視差が、対応する基準画像21の各画素の画素座標と関連づけられている。このため、第1の各距離情報27は、例えば、基準画像21の画素配列に応じて配列された原距離画像31などとして取得され得る。第2取得部13によって取得された第1の各距離情報27(原距離画像31)は、検出部17Aと、第1生成部14Aとにそれぞれ供給される。また、第2取得部13は、第1の各距離情報27のそれぞれに係る対応点探索処理の過程でそれぞれ算出される相関値を、対応する各距離情報に対応づけて検出部17Aへと供給する。
なお、基準画像21の注目画素に対応する参照画像22の対応画素を特定する対応点探索処理に用いられる相関演算手法としては、例えば、NCC(Normalized Cross Correlation)法、SAD(Sum of Absolute Difference)法、またはPOC(Phase Only Correlation)法などが採用される。また、画像の画像座標系としては、例えば、画像の左上端部(例えば、図3の基準画像21では、画像の−X方向の端であり、かつ、画像の−Y方向の端でもある画像の角部)を原点とし、画像の横方向(X軸方向)および縦方向(Y軸方向)をそれぞれ座標軸とする直交座標系が採用される。
視差の例について:
図5は、基準画像21aと参照画像22aとにおける視差の1例を説明するための図である。なお、基準画像21aは、基準カメラ61によって撮影された被写体の基準画像21(図2)の1例であり、参照画像22aは、基準カメラ61に対して垂直方向(図5の+Y方向)に所定の基線長を隔てて設けられた参照カメラ62によって撮影された該被写体の参照画像22(図2)の1例である。図5おいては、基準画像21aと参照画像22aとは、視差の把握を容易にするため該両画像の上端(下端)のY座標が等しくなるように水平方向(図5のX軸方向)に並べて表示されている。
基準画像21aと、参照画像22aとには、ステレオカメラ300に対して+Z方向に位置する同一の近側被写体についての近景被写体像66aおよび66bがそれぞれ撮影されているとともに、ステレオカメラ300に対して+Z方向に該近側被写体より遠方にある同一の遠側被写体についての遠景被写体像67aおよび67bがそれぞれ撮影されている。図5においては、説明を容易にするために、各被写体像のそれぞれにおける各特徴部のエッジ(輪郭)のみが表示されている。また、近景被写体像66a上の画素68aおよび近景被写体像66b上の画素68bは、近側被写体の同一の点にそれぞれ対応した画素であり、遠景被写体像67a上の画素69aおよび遠景被写体像67b上の画素69bは、遠側被写体の同一の点にそれぞれ対応した画素である。また、視差9aは、画素68aと画素68bとについての視差であり、視差9bは、画素69aと画素69bとについての視差である。ここで、ステレオカメラ300に対する近側被写体と遠側被写体との距離の差異に起因して視差9aと視差9bとは異なった値となっている。より詳細には、近側被写体に対応した視差9aの方が遠側被写体に対応した視差9bよりも視差の大きさが大きくなっている。このように視差の大きさは、画像上の画素に対応した被写体上の点のステレオカメラ300からの距離に応じて変動する。
ここで、基準カメラ61と参照カメラ62とのそれぞれの主点の位置がXY平面に平行な同一の平面状にあって焦点距離が等しく、基準カメラ61と参照カメラ62とのそれぞれの光軸がZ軸にそって相互に平行で、基準カメラ61と参照カメラ62とのそれぞれの撮像素子は光軸に垂直な同一平面上にあり、それぞれの撮像素子間で走査線が相互に平行である。実際の構成においては、通常、上述した基準カメラ61と参照カメラ62との構成条件に対して誤差があるが、基準画像21aおよび参照画像22aに対して画像処理装置200Aが記憶装置46に格納された主点位置、焦点距離情報などのカメラパラメータなどを用いた処理(「平行化処理」とも称する)を行うことによってステレオカメラ300の各機能要素が上述した構成条件を満たす場合と同等の状態を実現することができる。
基準画像21aおよび参照画像22aに対して平行化処理が行われた場合には、基準カメラ61の主点と、基準画像21a上の1の画素に対応した被写体上の物点とのZ軸方向の距離Dは、該1の画素と、該1の画素に対応する参照画像22a上の他の画素との視差d、基準カメラ61と参照カメラ62との焦点距離fr(より正確には、主点と撮像素子との距離)、および基準カメラ61と参照カメラ62との基線長bを用いて(1)式によって与えられる。
(1)式に示されるように、視差は、被写体上の点のステレオカメラ300からの距離に関する指標値となっている。
距離情報に基づいて疑似画像を生成する基本手法について:
次に、基準画像21との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像24を、基準画像21の各画素に対応した各視差、または各距離などの各距離情報に基づいて生成する手法について説明する。互いに立体画像を構成する基準画像21と疑似画像24とが同一の画像空間に立体視可能な配置関係に配置された場合には、互いに被写体上の同一の点に対応する基準画像21の注目画素と疑似画像24の対応画素との該画像空間における位置ずれの方向、すなわち視差の方向は、同一の方向となる。本願においては、該同一の方向を「第1方向」とも称する。なお、基準画像21とそれぞれ立体画像を構成する複数の疑似画像が生成され、該複数の疑似画像のうち2つの疑似画像が互いに立体視可能な配置関係に配置されたとしても、該2つの疑似画像間において被写体上の同一の点にそれぞれ対応した画素間の方向は、該第1方向となる。
図6は、図5に示された基準画像21aと参照画像22aとについての各視差と、基準画像21aとに基づいて、基準画像21aとの組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像24cを生成する基本手法の1例を説明するための図である。疑似画像24cは、基準画像21aが撮影された第1の視点とは別の仮想視点からの被写体の撮影に対応した疑似画像24(図2)の1例である。基準画像21aと疑似画像24cとは互いに立体画像を構成するように、表示部43の画像表示部に立体視可能な所定の態様でそれぞれ表示される。
図6における疑似画像24cに対応した仮想視点は、基準画像21aが撮影された第1の視点に対して、X軸に沿って+X方向に、基準カメラ61と参照カメラ62との基線長を隔てた位置に存在している。従って、基準画像21aと疑似画像24cとにおいては、上述した第1方向は、X軸方向となる。
また、疑似画像24cにおける近景被写体像66cおよび遠景被写体像67cは、基準画像21aにおける近景被写体像66aおよび遠景被写体像67aにそれぞれ対応している。また、近景被写体像66a上の画素68aには、近景被写体像66c上の画素68cが対応し、遠景被写体像67a上の画素69aには、遠景被写体像67c上の画素69cが対応している。なお、図6においても、図5と同様に、説明を容易にするために、各被写体像のそれぞれにおける各特徴部のエッジ(輪郭)のみが表示されているとともに、視差の把握を容易にするため基準画像21aと疑似画像24cの左端(右端)のX座標が等しくなるように垂直方向(図6のY軸方向)に並べて表示されている。
この場合、基準画像21aの画素68aと、疑似画像24cの画素68cとの視差として、図5における画素68aと画素68bとの視差9aが設定されるとともに、基準画像21aの画素69aと、疑似画像24cの画素69cとの視差として、図5における画素69aと画素69bとの視差9bが設定される。図6に示されるように、基準画像21aと疑似画像24cとの間における視差9aおよび9bは、それぞれ、第1方向、すなわちX軸方向に生じている。また、疑似画像24cの他の画素についても同様に基準画像21aの画素との視差が設定されることによって、疑似画像24cの各画素についての基準画像21aの各画素との視差が取得される。取得された視差に基づいて基準画像21aを変形させることによって疑似画像24cが取得される。
次に、基準画像と視差とに基づいて疑似画像を生成する上述した基本手法について詳しく説明する。図28は、基準画像21a(図6)と、基準画像21aの各画素についての距離情報とに基づいて疑似画像24c(図6)を生成する場合における上述した基本手法の動作フローS10を例示する図である。
図28の動作フローS10の処理が開始されると、基準画像21a(図6)の上端(−Y方向端)において、第1方向、すなわち水平走査方向(X軸方向)の1ライン分の部分画像23a(図23)が選択される(ステップS20)。
図23は、基準画像21a(図6)の上端(−Y方向端)の水平走査方向(X軸方向)の1ライン分の部分画像23a(図23)の一部の各画素7a〜7jと、基準画像21aに対応した疑似画像24c(図6)の上端(−Y方向端)の水平走査方向の1ライン分の部分画像23b(図23)の一部の各画素8a〜8jとの対応関係の1例を示す図である。また、部分画像23aと部分画像23bとは、被写体の同一部分にそれぞれ対応している。なお、該対応関係の把握を容易にするために、各画素7a〜7jと、各画素8a〜8jとは、画素値に応じた濃淡によって画素毎に区分されて表示されている。
図24は、部分画像23a(図23)の各画素7a〜7jの画素座標および視差(距離情報)と、部分画像23b(図23)の各画素8a〜8jの画素座標との対応の1例を示す図である。図24の第1行目と第5行目には、部分画像23aの各画素7a〜7jをそれぞれ特定する画素番号と、部分画像23bの各画素8a〜8jをそれぞれ特定する画素番号とが示されている。また、図24の第2行目には、各画素7a〜7jのX座標が第1行目に示された画素番号に対応づけられて示されている。また、図24の第3行目には基準画像21aと参照画像22a(図5)とについて算出された視差(距離情報)のうち各画素7a〜7jに対応した視差が第1行目に示された画素番号に対応づけられて示されている。
図28のステップS20において、1ライン分の部分画像23aが選択されると、選択された部分画像23aの各画素について、疑似画像24cにおいて対応する画素、すなわち部分画像23bの各画素8a〜8jの水平走査方向(X軸方向)の画素座標(X座標)が取得される(図28のステップS30)。
ここで、上述した基本手法は、疑似画像24c(図6)に対応した仮想視点が、基準画像21a(図5、図6)が撮影された第1の視点に対して、X軸に沿って+X方向に、基準カメラ61と参照カメラ62との基線長を隔てた位置に存在している場合の手法である。従って、部分画像23aと部分画像23bとのそれぞれの垂直方向(Y軸方向)の画素座標(Y座標)は同じである。また、図24の第3行目に示された視差は、部分画像23aと、部分画像23bとの視差でもある。
従って、部分画像23bの各画素のX座標は、(2)式によって算出される。図24の第4行目には、(2)式によって算出された各画素8a〜8jのX座標がそれぞれ第5行目に示された各画素番号に対応づけられて示されている。
疑似画像24cの水平方向の1ライン分の部分画像23bにおける各画素の画素座標が取得されると、次に、部分画像23bの各画素の画素値がそれぞれ取得される。すなわち、1ライン分の部分画像23bの画像が生成される(図28のステップS40)。次に、ステップS40における処理を、図23に示された部分画像23aの各画素7a〜7jと、部分画像23bの各画素8a〜8jを例として説明する。
図24の第4行目に示された各画素8a〜8jのX座標によれば、部分画像23aの各画素7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g、7h、7i、7jは、部分画像23bの各画素8a、8b、8b、8c、8d、8d、8e、8g、8i、8jにそれぞれ対応している。すなわち、各画素8a〜8jには、各画素7a〜7jのうち1つの画素が対応している第1種の画素、2つの画素が対応している第2種の画素、および各画素7a〜7jの何れの画素も対応していない第3種の画素の3種類の画素が存在している。
図28のステップS40の処理においては、該第1種の画素の画素値として、該画素に対応する部分画像23aの画素の画素値が採用され、また、該第2種の画素の画素値として、該画素に対応する部分画像23aの2つの画素の画素値の代表値、例えば、平均値が採用される。また、該第3種の画素の画素値としては、例えば、部分画像23aとの対応関係に基づいて画素値が取得された部分画像23bの画素のうち該第3種の画素に最も空間的に近い画素の画素値が採用される。そして、部分画像23bの画像は、部分画像23bの各画素についてそれぞれ特定された画素座標(X座標)と、画素値とによって特定される。
ステップS40の処理が終了すると、基準画像21aの水平方向(X軸方向)の全てのラインについて、対応する疑似画像の部分画像を生成する処理(ステップS30〜S40)が終了したか否かが確認される(図28のステップS50)。ステップS50での確認の結果、水平方向の全てのラインについて処理が終了していなければ、基準画像21のうち、処理されたラインの+Y方向の次のラインが新たな処理対象として選択されて(図28のステップS60)、処理はステップS30へと戻される。また、ステップS50での確認の結果、水平方向の全てのラインについて疑似画像の部分画像を生成する処理が終了していれば、疑似画像24cの生成処理は終了される。
なお、視差に基づいた基準画像21(図2)の変形は、画素サイズを最小単位として行えばよい。従って、画素サイズ単位で視差が取得されれば疑似画像24(図2)を取得できるが、例えば、視差を求めるための対応点探索を画素サイズ以下のサブピクセル単位で実施することにより視差をサブピクセル単位で取得したとしても、視差に基づいた基準画像21の変形の際に、該変形量を画素単位で行えば疑似画像24が取得できるので、本発明の有用性を損なうものではない。
次に、仮想視点と、基準画像21の撮影に係る第1の視点との基線長が、基準画像21と参照画像22とにそれぞれ対応した基準カメラ61と参照カメラ62との基線長とは異なる場合における疑似画像の取得手法について説明する。この場合には、例えば、先ず、基準画像21の各点の視差から(1)式を用いて該各点に対応した被写体の各点の距離を算出し、算出された距離、および仮想視点と第1の視点との基線長に基づいて、基準画像21の各画素と、疑似画像24の各画素との視差を(1)式によって取得し、取得された視差に基づいて基準画像21の画像を変形することによって該異なる基線長に対応した疑似画像24を取得することが出来る。
従って、ステレオカメラ300に代えて、例えば、基準カメラ61と、レーザ光などの形状計測用の各種検出光を被写体へと投影する投光装置とを備えて構成され、三角測量の原理、または、TOF(Time of Flight)方式などによって被写体の基準画像21と、基準画像21の各画素に対応した被写体の各点についての距離情報とを取得するアクティブ測距方式の三次元測定機が採用されたとしても、該距離情報と(1)式とによって、基準画像21に対する疑似画像24の視差を取得し、該視差と基準画像21とに基づいて疑似画像24を取得することが出来るので、本発明の有用性を損なうものではない。
また、通常、被写体を撮影した画像の彩度は、被写体が近いほど彩度が高く、被写体が遠いほど彩度が低くなるので、ステレオカメラ300に代えて、基準カメラ61によって基準画像21を取得するとともに、基準画像21の彩度に基づいて、基準画像21の各画素に対応する距離情報を取得する方式の三次元測定機が採用されたとしても本発明の有用性を損なうものではない。また、例えば、基準画像21(図3)の各画素について、画素のY座標が増加すればするほど該画素に対応した被写体上の点が基準カメラ61に対して近距離であるとの仮定に基づいて、基準画像21の各画素に対応する距離情報を推定して取得する手法が採用されたとしても本発明の有用性を損なうものではない。
なお、基準画像21の撮影に係る視点とは異なる視点から撮影される画像に基づいて被写体についての距離情報の測定を行う三次元測定機と、基準カメラ61とがステレオカメラ300に代えて採用されたとしても、該異なる視点に係る画像と、基準画像21との対応点探索処理を介することによって、基準画像21と測定された距離情報との対応付けを行うことができるので、本発明の有用性を損なうものではない。
平滑化処理の必要性について:
ところで、ステレオカメラ300においては、通常、基準画像21の各画素にそれぞれ対応した参照画像22の各画素を特定する対応付けなどにおいて誤差が発生する。また、アクティブ測距方式の三次元測定機においても基準カメラ61のカメラ視線と、被写体に投影される検出光との交差に関する位置情報、時間情報などについての誤差が発生する。このため、図7に例示された第1の各距離情報27(原距離画像31)には、通常、ランダムノイズ状の測定のばらつきなどの各種の測定誤差が含まれる。
そして、第1の各距離情報27から上述した基本手法によって直接、疑似画像を生成した場合には、該測定誤差に起因して、基準画像21における直線の像が、例えば、直線に対してぎざぎざ状の凹凸成分が重畳された像として疑似画像において再現されるなど、生成される疑似画像はノイズ成分が著しく含まれた画像となる。
従って、該ノイズ成分を除去するために、第1の各距離情報27を上述した疑似画像生成に係る基本手法で直接処理して疑似画像を生成する処理に変えて、例えば、先ず、第1の各距離情報27に対して各距離情報のばらつきを低減させ、次に、ばらつきが低減された第1の各距離情報27から上述した基本手法によって疑似画像を生成する処理などが必要となる。
距離情報などのばらつきを低減させる一般的な平滑化処理について:
次に、距離情報などのばらつきを低減させる一般的な平滑化処理ついて説明する。原距離画像31などの画像データの平滑化処理として、一般的に、例えば、平均化フィルタ、メディアンフィルタ、またはガウシアンフィルタなどの各種の平滑化フィルタを採用した平滑化処理が行われる。該平滑化処理においては、平滑化対象の画像の各画素に対して、平滑化の強度(「平滑化強度」とも称する)が一定である平滑化フィルタが適用される。なお、平滑化フィルタの平滑化強度は、例えば、フィルタのサイズを変更することなどによって変更され得る。
図8は、平均化フィルタ55の1例を示す図である。図8に示された平均化フィルタ55は、各行列要素の値が1であり、図示の都合上、5×5画素(5行5列)サイズとして表示されている。平均化フィルタ55では、X方向およびY方向のそれぞれ画素数を規定するパラメータKの値に応じて、フィルタサイズ、すなわち平滑化強度が変動する。なお、後述する平均化フィルタ56a〜56c(図19〜図21)においても、実際のサイズとは異なるサイズで表示されているとともに、パラメータKと同様の各フィルタの画素数を規定するパラメータが設定されている。
平均化フィルタ55が平滑化処理の対象である画像データに適用される場合には、平滑化対象の画像データに係る画像空間のうち着目画素を中心とした、平均化フィルタ55と同サイズの領域に対して平均化フィルタ55が重ねられる。そして、該領域内の各画素の画素値と、各画素にそれぞれ正対している平均化フィルタ55の各行列要素の値との積和演算が行われ、該演算結果を積和演算の対象となった画素数で除算した値を、着目画素の画素値に置き換える処理が行われる。後述する平均化フィルタ56a〜56cについても同様である。
図9は、値94のパラメータKによって規定された同一強度の平滑化作用を有する各平均化フィルタ55が図7に示された原距離画像31の各画素にそれぞれ適用された結果、原距離画像31が平滑化された距離画像33(第1の各距離情報27が平滑化された各距離情報29)を示す図である。なお、パラメータKの値94は、(3)式における画素数U、画素数V、およびパラメータLの値をそれぞれ3456画素、2592画素、および64として算出される。
疑似画像に生ずる歪みと、その発生理由について:
また、図10は、図9に示された距離画像33(各距離情報29)に対して上述した疑似画像生成の基本手法が適用されることにより生成された疑似画像25を示す図である。疑似画像25の領域5bには、図3の基準画像21の領域5aの画像、すなわち直線などの基本図形要素を多く有して構成された人工物(立て看板)の画像に対応した画像が生成されている。
領域5bに示されるように、領域5bの画像のうち領域5a(図3)において直線状である立て看板の外縁に対応した部分は、ぎざぎざ状の凹凸成分が重畳されてはいないものの、−X方向に凸状に湾曲している。すなわち、立て看板の画像の形状的な歪みが生じている。
ここで、原距離画像31(図7)のうち基準画像21(図3)の領域5aに対応した領域では、領域5aに撮影された立て看板と、ステレオカメラ300に対して該立て看板の前後にそれぞれ存在する木々との相互に異なった距離情報が混在しており、該対応領域における各距離情報の統計的な分布状態は、分布の幅が広く、また、離散的な分布となっている。
このため、値94のパラメータKによって規定された平均化フィルタ55を用いた原距離画像31の平滑化処理、すなわち原距離画像31に対する一律な平滑化処理によって、距離画像33(図9)のうち領域5a(図3)の立て看板に対応した部分においては、Y軸方向(図9)、すなわち第1方向(X軸方向)を横切る方向と、第1方向との何れの方向に沿った部分においても、距離情報がなだらかに変動している。なお、本願においては、第1方向を横切る方向は、「第2方向」とも称される。
ところで、基準画像との組み合わせにより立体画像を構成する疑似画像の生成処理は、図23、図24、および(2)式などを参照しつつ上述した疑似画像の生成に係る基本手法のように、一般に、基準画像の各部を第1方向に沿って空間的にシフトさせる処理、あるいは、該シフトさせる処理に類する処理によって行われる。
従って、原距離画像31における第1の各距離情報27の変動(ばらつき)が、例えば、距離画像33の第1方向(X軸方向)のみに沿って生じている場合には、各距離情報の変動方向と該シフトの方向とが一致するため、第1方向に沿った距離情報の変動(ばらつき)は、疑似画像における各部の第1方向(X軸方向)に沿った伸縮を生ずるだけである。すなわち、生成される疑似画像は、例えば、−X方向への凸状の湾曲などを生ずることなく、X軸方向に沿って平行移動および伸張されるだけである。このため、該疑似画像に対しては、観察者は違和感を覚えることが少ない。
一方、原距離画像31における第1の各距離情報27の変動方向(ばらつき方向)が第2方向に沿っている場合には、各距離情報の変動方向は、該シフトの方向とは異なる方向であるため、距離情報の変動(ばらつき)は、疑似画像における形状的な歪みを生ずる。また、該疑似画像に対しては、観察者は違和感を覚え得る。
例えば、距離画像33のY軸方向、すなわち第2方向に沿った部分の各距離情報が変動する場合には、生成される疑似画像のうち該各距離情報に対応した部分の各画素のX座標が該変動に応じて変動する。疑似画像25(図10)の領域5bにおける−X方向へ凸状に湾曲した歪みも、距離画像33(図9)のうち領域5a(図3)に対応した部分において生じている各距離情報の変動のうちY軸方向(第2方向)に沿った成分に起因して生じている。
疑似画像の歪みへの対策について:
上述したように、原距離画像31における第1の各距離情報27の変動が疑似画像の形状的な歪みに与える影響には異方性があり、最終的に立体画像における形状的な歪みとなる疑似画像の形状的な歪みの主たる原因は、原距離画像31における第1の各距離情報27の変動方向(ばらつき方向)が第2方向に沿っていることである。
従って、疑似画像における形状的な歪みの抑制には、原距離画像31における第1の各距離情報27の第2方向についての変動(ばらつき)の抑制(軽減化)が中心的な役割を果たすこととなり、第1方向についての距離情報のばらつきの軽減化が果たす役割は相対的に小さくなる。
そこで、画像処理装置200Aにおいては、原距離画像31における第1の各距離情報27の変動(ばらつき)の影響が異方的であることに着目して、疑似画像における歪みを抑制するための、本願発明に係る対策が行われている。
具体的には、画像処理装置200Aは、上述した第1方向(X軸方向)を横切る第2方向(Y軸方向)について第1の各距離情報27のばらつきを低減させる強度が、原距離画像31における第1方向について第1の各距離情報27のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように第1の各距離情報27のばらつきを低減させる低減処理を行うことによって第2の各距離情報28を生成する。
該対策の結果、画像処理装置200Aによって生成される第2の各距離情報28においては、第1方向を横切る第2方向に関する各距離情報のばらつき、すなわち疑似画像の形状的な歪みの主たる原因である第2方向に関する各距離情報のばらつきが、第1方向に関する各距離情報のばらつきよりも小さくなる。そして、生成された第2の各距離情報28に基づいて疑似画像24が生成されるので、疑似画像24に発生する画像の湾曲などの歪みが低減され得る。すなわち、上述した対策によって、画像処理装置200Aは、疑似画像に発生する画像の歪みを低減させ得る。
以下では、画像処理装置200Aが、基準画像21に基づいて、該疑似画像における歪みが抑制された疑似画像24(図18)を生成する過程を対象として、疑似画像の歪み抑制処理に係る検出部17A、第1生成部14A、および第2生成部15Aの動作を説明する。
検出部17Aの動作:
検出部17A(図2)は、予め設定された判定条件に基づいて、歪みが抑制された疑似画像24の生成に用いられる第2の各距離情報28(派生距離画像32)(図2、図17)に対応した画像空間、すなわち基準画像21および原距離画像31に対応した画像空間を、疑似画像24における画像の歪みを生ずる可能性が強い領域(「着目領域」とも称する)と、着目領域よりも疑似画像24における画像の歪みを生ずる可能性が弱い非着目領域とに分類して検出する。すなわち、検出部17Aは、所定の判定条件に基づいて、原距離画像31(図2)に対応した画像空間のうち疑似画像24における画像の歪みを生ずる可能性がある着目領域を検出する(図25のステップS130)。なお、本願においては、第2の各距離情報28、すなわち第1の各距離情報27のばらつきを低減する処理によって第1の各距離情報27から派生する第2の各距離情報28が、基準画像21の画素配列に応じて配列された各距離情報を「派生距離画像」とも称する。
基本図形領域に基づく着目領域の検出処理:
図26は、検出部17Aが、後述する基本図形領域を着目領域として検出する動作フローS130aを説明する図である。ステップS130(図25)の処理が開始されると、基本図形領域を着目領域として検出する動作モードが設定されている場合には、図26の動作フローS130aが開始される。検出部17Aは、例えば、Cannyアルゴリズムなどを使用した画像処理を行うことによって、基準画像21(図3)に存在する輪郭(エッジ)を検出する(ステップS131)。また輪郭検出の手法としては、例えば、ソーベルフィルタなどの微分フィルタを用いた画像処理なども採用され得る。
基準画像21に存在する各輪郭が検出されると、検出部17Aは、各輪郭に対してハフ変換を行うことによって、各輪郭を構成する各基本図形を検出する(ステップS132)。ここで本願においては、例えば、直線、2次曲線、円弧、楕円弧、および予め設定された模様の繰り返しパターンであるテクスチャなどのように、所定の数式のパラメータに具体的数値を与えることによって座標空間での形状およびサイズが特定される図形を「基本図形」とも称する。検出部17Aは、検出された輪郭から、これら基本図形のうち少なくとも1つの基本図形の検出処理を行う。
検出された各輪郭について、輪郭を構成する各基本図形が検出されると、検出部17Aは、検出された各基本図形の長さを測定し、検出された各基本図形のうち長さが、例えば、300画素長以上であるなど、所定の基準値以上の長さである基本図形を検出するとともに(図26のステップS133)、検出された基本図形に対して膨張処理を施すことによって、該基本図形の線を太線化する(ステップS134)。
次に、検出部17Aは、検出された各輪郭について、輪郭の長さに対する該輪郭を構成する基本図形の長さの比を算出し(ステップS135)、検出された各輪郭のうち算出された長さの比が、例えば、75%以上であるなどの所定の基準を満たす輪郭を検出して、該輪郭の内部の領域(「基本図形領域」とも称される)を着目領域として検出する(ステップS136)。すなわち、検出部17Aは、基準画像21についての幾何学的条件である、基準画像21における輪郭の長さに対する該輪郭を構成する1種類以上の所定の基本図形の長さの割合を、着目領域を検出するための判定条件として基準画像21における着目領域を検出する。
基本図形領域には、通常、第2方向(図11のY軸方向)に沿った境界を有する基本図形が含まれていることが多い。従って、原距離画像31に対して第1の各距離情報27(原距離画像31)のばらつきを低減させる低減処理が施された場合には、基本図形領域は、基本図形領域以外の領域に比べて第2方向に沿った該境界部分において距離情報の変動が発生しやすい。すなわち、基本図形領域は、基本図形領域以外の領域よりも疑似画像24における画像の歪みを生ずる可能性が強い領域である。
図11は、基準画像21(図3)において検出された着目領域の1例を示す図である。図11では、検出部17Aが行う上述した基本図形領域の検出による着目領域の検出処理によって、着目領域4a、4b、および4cが検出されている。なお、着目領域4aは、基準画像21の領域5a(図3)に内包された立て看板の像に対応した基本図形領域であり、着目領域4bおよび4cは、基準画像21における歩道の像の外縁部に対応した基本図形領域である。なお、図11の基準画像21においては、把握を容易にするために検出された着目領域のみが示されている。
また、検出部17Aは、設定された動作モードに応じて、例えば、基準画像21の輪郭を構成する線分の点列情報から検出される屈折点などのなどの特徴点情報に基づいて、少なくとも3個の基本図形によって構成された三角形、四角形などの各閉図形を検出し、検出された各閉図形を所定の基準値以上の割合で内包する矩形領域などを基準画像21における着目領域として検出する処理を行うことも出来る。
遠近競合領域に基づく着目領域の検出処理:
図27は、検出部17Aが、後述する遠近競合領域を着目領域として検出する動作フローS130bを説明する図である。ステップS130の処理が開始されると、遠近競合領域を着目領域として検出する動作モードが設定されている場合には、図27の動作フローS130bが開始される。先ず、検出部17Aは、原距離画像31に1以上の、例えば、矩形領域などのブロック領域を設定する(図27のステップS141)。図12は、原距離画像31に設定されたブロック領域6aの1例を示す図である。ブロック領域6aは、例えば、320×320画素サイズなど矩形領域である。
各ブロック領域の設定がなされると、検出部17Aは、設定されたブロック領域の1つを選択し(ステップS142)、選択されたブロック領域に対応した各距離情報の統計的な分布状態を取得する(ステップS143)。図13は、ブロック領域6a(図12)における距離情報の統計的な分布状態の1例を示すヒストグラム64であり、ヒストグラム64の横軸には、区分けされた視差(距離情報)が変数として示され、縦軸には、区分けされた視差の各区間に属する画素の度数(個数)が示されている。
ここで、例えば、ブロック領域6aが、基準画像21(図3)の領域5aに設定されているとすると、ブロック領域6aには、立て看板と、該立て看板に対してステレオカメラ300側、またはその反対側に離れて位置する木々とが同時に撮影されている。このようなブロック領域6aの各画素の距離情報の分布を、視差(距離情報)を変数するヒストグラムとして表現すると、該ヒストグラムにおいては、ヒストグラム64に例示されているように、度数分布のピークが離散的(不連続)に現れ、かつ、距離情報の分布幅も広くなる。
なお、ヒストグラム64に示されるように、視差(距離情報)を変数とするヒストグラムにおいて度数分布のピークが離散的に現れ、かつ、距離情報の分布幅も広くなる場合は、ヒストグラムとして表現された対象領域は、通常、基準画像21の領域5aのように、ステレオカメラ300からの距離が相互に離散的である近景被写体と遠景被写体とが混在した領域である。
本願においては、該領域を「遠近競合領域」とも称し、遠近競合領域における距離情報の統計的な分布状態を「遠近競合状態」とも称する。検出部17Aは、原距離画像31の距離情報の統計的な分布状態に基づいて検出される遠近競合領域を、着目領域として検出する。
遠近競合領域は、遠近競合領域以外の領域に比べて、通常、距離情報の分布幅が広く、距離情報の分布状態も離散的である。従って、原距離画像31に対して第1の各距離情報27(原距離画像31)のばらつきを低減させる低減処理が施された場合には、遠近競合領域は、遠近競合領域以外の領域に比べて第2方向に沿った該境界部分において距離情報の変動が発生しやすい。すなわち、遠近競合領域は、遠近競合領域以外の領域よりも疑似画像24における画像の歪みを生ずる可能性が強い領域である。
なお、ヒストグラム64において幅w1は、ブロック領域6aに属する全ての画素のうち、該全ての画素を視差の値が大きい方から順に計数したときにブロック領域6a内の全画素数の上位5%および下位5%に入る画素以外の各画素に対応した視差(距離情報)の分布幅である。なお、該上位5%および下位5%に入る画素の除去は、基準画像21と参照画像22との対応点探索の誤りに起因して、取得された距離情報が実際の距離情報とは大きく異なっている画素を除くために行われる。
また、ヒストグラム64における幅w2およびw3は、度数についての所定の閾値th1よりも度数が低くなっている各視差区間のうち連続している区間に対応した視差(距離情報)の分布幅である。幅w2またはw3が大きい場合には、ブロック領域6aの視差の分布は離散的である。
そこで、検出部17Aは、例えば、ヒストグラム64における幅w1と、幅w2(w3)との少なくとも1つを、原距離画像31のブロック領域についての各距離情報の統計的な分布状態を表現する指標値として取得する。また、検出部17Aが、例えば、原距離画像31のブロック領域についての各距離情報の標準偏差を、該距離情報の統計的な分布状態を表現する指標値として採用したとしても、該ブロック領域が遠近競合領域であるか否かを判定できるので、本発明の有用性を損なうものではない。
選択されたブロック領域に対応した各距離情報の統計的な分布状態を取得すると、検出部17Aは、取得された各距離情報の統計的な分布状態が遠近競合の度合いを規定した所定の基準を満たすか否かを判定する(図27のステップS144)。具体的には、検出部17Aは、選択されたブロック領域について、例えば、前述した幅w1を各距離情報の統計的な分布状態を表現した指標値として取得し、幅w1が所定の基準値以上であるか否か、すなわち該ブロック領域についての各距離情報の統計的な分布状態が遠近競合の度合いを規定した所定の基準を満たすか否かを判定する。
該判定の結果、該ブロック領域についての各距離情報の統計的な分布状態が遠近競合の度合いを規定した所定の基準を満たす場合には、検出部17Aは、該ブロック領域を遠近競合状態にある着目領域として検出する(ステップS145)。
次に、検出部17Aは、原距離画像31に設定された全てのブロック領域について、ステップS145の判定が終了したか否かを確認する(ステップS146)。該確認の結果、全てのブロック領域について、ステップS145の判定が終了していなければ、検出部17Aは、処理をステップS142へと戻し、ステップS146での確認の結果、全てのブロック領域について、ステップS145の判定が終了していれば、検出部17Aは、原距離画像31の着目領域を検出する処理を終了する。上述したように、検出部17Aは、原距離画像31における各距離情報の統計的な分布状態を判定条件として原距離画像31における着目領域を検出する。
図14は、原距離画像31において検出された着目領域の1例として着目領域4dを示す図である。着目領域4dは、選択されたブロック領域についての各距離情報の統計的な分布状態として前述した幅w1を採用した検出部17Aによって検出されている。着目領域4dには、遠近競合領域であるブロック領域以外に、距離情報がなだらかに変動し、かつ、距離情報の分布幅が所定の基準を満たすブロック領域も含まれている。また、既述したように、検出部17Aが、選択されたブロック領域についての各距離情報の統計的な分布状態として、前述した幅w2(w3)、該ブロック領域について各距離情報の標準偏差、またはこれらの組み合わせ、または該組み合わせと幅w1との組み合わせなどを採用すれば、原距離画像31において検出される着目領域のサイズは、着目領域4d(図14)よりも小さくなり、遠近競合状態にある着目領域の検出精度を高め得る。
図15は、着目領域の他の1例として着目領域1aを示す図である。検出部17Aは、基準画像21(図11)において検出された着目領域4a〜4c(図11)と、原距離画像31(図14)において検出された着目領域4dとの相互に重なり合う領域を画像空間57(図15)における着目領域1aとして検出している。非着目領域3aは、画像空間57のうち着目領域1a以外の領域である。なお、画像空間57は、派生距離画像32(第2の各距離情報28)に対応した画像空間である。画像空間57は、基準画像21(図3)、参照画像22(図4)にも対応するとともに、原距離画像31(図7)にも対応している。
このように、基準画像21において検出された着目領域4a〜4cと、原距離画像31において検出された着目領域4dとの重なり領域に基づいて画像空間57における着目領域1aを検出すれば、基準画像領域であり、かつ、遠近競合領域でもある領域を着目領域1aとして検出できる。
なお、着目領域4a〜4cと着目領域4dとの重なり領域に基づいて着目領域1aを検出する手法に代えて、例えば、着目領域4a〜4cおよび着目領域4dの何れか一方に基づいて着目領域を検出する手法が採用されたとしても、本発明の有用性を損なうものではない。また、該手法によれば、着目領域の検出処理をより高速に行うことが出来る。
また、基準画像21において検出された着目領域4a〜4cと、原距離画像31において検出された着目領域4dとの結合領域に基づいて着目領域を検出する手法する手法が採用されたとしても、基準画像領域と、遠近競合領域とが結合された広範囲の領域が着目領域として検出されることにより、生成される疑似画像における歪みの発生を抑制できる可能性を高め得るので、本願発明の有用性を損なうものではない。
対応点探索における相関値に基づく着目領域の検出処理:
検出部17Aは、基準画像21と参照画像22との間で対応点探索処理が行われて第1の各距離情報27が取得される際に第1の各距離情報27に対してそれぞれ取得される各相関値を判定条件として、原距離画像31に対応した画像空間における着目領域を検出する検出処理を、設定された動作モードに応じて行う。
原距離画像31において、第1の各距離情報27に対応する該各相関値が低い領域は、該各相関値が高い領域に比べて第1の各距離情報27のばらつきが大きい領域である。従って、原距離画像31に対して第1の各距離情報27(原距離画像31)のばらつきを低減させる低減処理が施された場合には、第1の各距離情報27に対応する該各相関値が低い領域は、該各相関値が高い領域に比べて第2方向に沿った該境界部分において距離情報の変動が発生しやすい。すなわち、第1の各距離情報27に対応する該各相関値が低い領域は、第1の各距離情報27に対応する該各相関値が高い領域よりも疑似画像24における画像の歪みを生ずる可能性が強い領域である。
検出部17Aによって検出された着目領域についての領域情報2a(図2)は、第1生成部14Aへと供給される。従って、後述する第1生成部14Aは、領域情報2aを参照することによって原距離画像31において着目領域を検出することができる。第1生成部14Aの動作モードが、領域情報2aを使用する動作モードに設定されている場合には、第1生成部14Aは、原距離画像31の画像空間のうち少なくとも着目領域に対して、着目領域における第2方向についての第1の各距離情報27のばらつきを低減させる低減強度を、着目領域における第1方向についての第1の各距離情報27のばらつきを低減させる低減強度よりも強くなるように第2の各距離情報28を生成する。
第1生成部14Aは、第1方向と第2方向とについての第1の各距離情報27のばらつきの低減強度を相互に異なる強度とするばらつきの低減処理を、例えば、原距離画像31のうち着目領域についてのみ行うことなどによって、着目領域以外の領域についての距離情報の過度の減少を防止しつつ、着目領域に対応した疑似画像の領域における画像の歪みを抑制し得る。
着目領域が疑似画像の歪みを生ずる可能性についての定量的な判定結果の生成:
図16は、画像空間57において検出された複数の着目領域の1例を示す図であり、画像空間57では3つの着目領域1a〜1cが非着目領域3bに内包されて検出されている。そして、着目領域1a〜1cには、着目領域1a〜1cにそれぞれ対応する疑似画像24の画像空間において画像の歪みが生ずる可能性についての定量的な判定結果がそれぞれ付与されている。
次に、検出部17Aが行う該定量的な判定結果の取得について説明する。図26に示された、検出部17Aが基準画像21における着目領域を検出する動作フローS130aにおいて、ステップS133における基本図形の長さの基準値、およびステップS136における基準画像21において検出された輪郭の長さに対する検出された基本図形の長さの比(割合)の基準値の少なくも一方を大きくすればするほど、検出された着目領域における基本図形の存在についての信頼度は高くなる。
同様に、図27に示された、検出部17Aが距離画像33における遠近競合状態にある着目領域を検出する動作フローS130bにおいて、ステップ144における幅w1などの各距離情報の統計的な分布状態についての遠近競合の度合いを規定した基準値を大きくすればするほど、距離画像33に置いて検出された着目領域における遠近競合状態の存在についての信頼度は高くなる。
従って、図26のステップS133、S136、または図27のステップS144における上述した基準値を大きくすればするほど、検出部17Aが検出する画像空間57における着目領域についての信頼度も高くなる。
そこで、検出部17Aは、該定量的な判定結果を取得する動作モードが設定されている場合には、画像空間57において検出された着目領域を検出する際に、着目領域が疑似画像24の画像空間において画像の歪みを生ずる可能性についての定量的な判定結果(信頼度)として、図26のステップS133、S136、または図27のステップS144における上述した基準値に応じた値を取得する。そして、検出部17Aは、取得した定量的な判定結果を検出された着目領域に対応づける。すなわち、検出部17Aは、着目領域が疑似画像24の画像空間において画像の歪みを生ずる可能性についての定量的な判定結果を検出された着目領域に付与する判定規則を、着目領域を検出するための判定条件として用いることもできる。なお、検出された着目領域に付与された該定量的な判定結果は、着目領域についての領域情報2aとともに第1生成部14Aに供給される。
第1生成部14Aが領域情報2aを使用する動作モードに設定されている場合において、さらに第1生成部14Aが上述した画像の歪みを生ずる可能性についての定量的な判定の結果を参照する動作モードが設定されている場合には、第1生成部14Aは、例えば、該画像の歪みを生ずる可能性についての定量的な判定の結果に基づいて着目領域が疑似画像24の画像の歪みを生じさせる可能性が強いと推定される場合には、該可能性が弱いと判定される場合に比べて、着目領域における第2方向についての第1の各距離情報27のばらつきを低減させる低減強度を強くする。歪みを生ずる可能性についての定量的な判定の結果を用いることによって、第1生成部14Aは、着目領域についての距離情報の過度の減少を防止しつつ、着目領域に対応した疑似画像の領域における画像の歪みを抑制し得る。
第1生成部14Aの動作:
低減処理A:
第1生成部14A(図2)の動作モードが、領域情報2a(図2)を使用する動作モードに設定されていない場合には、第1生成部14Aは、原距離画像31の画像空間の全域を対象として、原距離画像31における第1方向(図7のX軸方向)を横切る第2の方向(図7のY軸方向)について第1の各距離情報27のばらつきを低減させる強度が、原距離画像31における第1方向について第1の各距離情報27のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように第1の各距離情報27のばらつきを低減させる低減処理Aを行うことによって、第2の各距離情報28(図2)を生成する。
低減処理Aが行われた場合には、第1生成部14Aによって生成される第2の各距離情報28においては、第1方向を横切る第2方向に関する各距離情報のばらつきが、第1方向に関する各距離情報のばらつきよりも小さくなる。そして、生成された第2の各距離情報28に基づいて後述する第2生成部15Aによって疑似画像24(図2)が生成される。従って、第1生成部14Aが、低減処理Aを行った場合には、第1生成部14Aが、図8に示される平均化フィルタ55、図9、および図10などを参照しつつ上述した一般的な平滑化処理、すなわち、第1方向と第2方向との平滑化強度が等しくなるように第1の各距離情報27のばらつきが低減される一般的な低減処理を行って第2の各距離情報28を生成する場合に比べて、疑似画像24に発生する画像の湾曲などの歪みが低減され得る。
低減処理B:
また、第1生成部14Aの動作モードが、領域情報2aを使用する動作モードに設定されている場合には、第1生成部14Aは、原距離画像31の画像空間のうち少なくとも領域情報2aに基づいて検出される着目領域に対して、該着目領域における第2方向についての第1の各距離情報27のばらつきを低減させる強度が、該着目領域における第1方向についての第1の各距離情報27のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように第1の各距離情報27のばらつきを低減させる低減処理Bを行うことによって、第2の各距離情報28を生成する。
低減処理Bが行われた場合には、第1生成部14Aによって生成される第2の各距離情報28においては、少なくとも領域情報2aに基づいて検出された着目領域について、第1方向を横切る第2方向に関する各距離情報のばらつきが、第1方向に関する各距離情報のばらつきよりも小さくなる。そして、生成された第2の各距離情報28に基づいて後述する第2生成部15Aによって疑似画像24(図2)が生成される。
ここで、原距離画像31における着目領域は、着目領域以外の非着目領域よりも、疑似画像24の対応領域における画像の歪みを生ずる可能性が強い領域である。従って、第1生成部14Aが低減処理Bを行った場合には、第1生成部14Aが、低減処理Aの説明において上述した第1方向と第2方向との平滑化強度が等しい一般的な低減処理を行った場合に比べて、第2の各距離情報28に基づいて生成される疑似画像24に発生する画像の湾曲などの歪みが低減され得る。
さらに、第1生成部14Aが低減処理Bを行った場合には、着目領域以外の領域についての距離情報の過度の減少を防止しつつ、着目領域に対応した疑似画像の領域における画像の歪みを抑制し得る。
上述したように、第1生成部14Aによって低減処理Aと低減処理Bとの何れが行われたとしても、第1生成部14Aが第1方向と第2方向との平滑化強度が等しい一般的な低減処理を行った場合に比べて、第2の各距離情報28に基づいて生成される疑似画像24に発生する画像の湾曲などの歪みが低減され得るので、本発明の有用性を損なうものではない。
そこで、以下では、第1生成部14Aが行う低減処理Bの動作を主として説明しつつ、低減処理AおよびBについて説明する。また、該説明は、検出部17Aによって図15に示される着目領域1aが検出された場合を例として行われる。なお、図25に示された動作フローS100Aは、第1生成部14Aの動作モードが、低減処理Bに対応した動作モードに設定されている場合の動作フローである。
低減処理B(A)の処理内容:
第2取得部13と検出部17Aとから、第1の各距離情報27(図2)と着目領域1a(図15)についての領域情報2a(図2)とがそれぞれ供給されると、第1生成部14Aは、非着目領域3aおよび着目領域1aに対してそれぞれ適用される第1および第2平滑化フィルタにそれぞれ対応した平滑化情報53aおよび平滑化情報53b(図2)を平滑化情報格納部48(図2)から取得することによって、第1および第2平滑化フィルタをそれぞれ取得する(図25のステップS140)。なお、平滑化情報53aおよび53bは、非着目領域3aおよび着目領域1aにそれぞれ適用される第1および第2平滑化フィルタをそれぞれ特定する情報である。平滑化情報53aおよび53bは、予め、平滑化情報格納部48(図1、図2)に格納されている。
平滑化情報としては、例えば、平滑化フィルタの種類、および平滑化フィルタの平滑化強度などが採用される。例えば、第1平滑化フィルタとしてメディアンフィルタが使用され、第2平滑化フィルタとして平均化フィルタが使用される場合には、平滑化情報53aとしてメディアンフィルタというフィルタ種類を指定する変数と、該フィルタの平滑化強度を指定する変数とが採用され、平滑化情報53bとして、平均化フィルタというフィルタ種類を指定する変数と、該フィルタの平滑化強度を指定する変数とが採用される。
図19〜図21は、実施形態に係る平均化フィルタ56a、56b、および56cの1例をそれぞれ示す図である。また、図22は、実施形態に係る原距離画像31(第1の各距離情報27)のばらつきを低減させる処理の1例を説明する図である。
以下では、第1平滑化フィルタとして図8に示される平均化フィルタ55が採用され、第2平滑化フィルタとして、主として、図19に示される平均化フィルタ56aが採用される場合を例として、第1生成部14Aの動作を説明する。
具体的には、第1生成部14Aは、例えば、平均化フィルタ55についての平滑化情報53aとして、平均化フィルタ55の種類を指定する情報と、値94のパラメータKとを取得する。また、第1生成部14Aは、平均化フィルタ56aについての平滑化情報53bとして、例えば、平均化フィルタ56aの種類を指定する情報と、値189および64のパラメータK1およびK2を取得する。なお、第1生成部14Aが低減処理Aを行う場合には、第1生成部14Aは、平均化フィルタ56aに対応した平滑化情報53bのみを取得する。
また、第1生成部14Aは、第1および第2平滑化フィルタをそれぞれ使用した各平滑化処理にそれぞれ対応した各平滑化処理プログラムを平滑化情報53aおよび平滑化情報53bとして平滑化情報格納部48から取得し、取得した各平滑化処理プログラムをそれぞれ実行することによって、第1および第2平滑化フィルタをそれぞれ使用した各平滑化処理を行う構成であってもよい。
値189および64のパラメータK1およびK2によって規定される平均化フィルタ56aを用いた平滑化処理が原距離画像31(図7)に適用された場合には、第1方向(X軸方向)を横切る第2方向(Y軸方向)についての第1の各距離情報27のばらつきの低減強度は、第1方向(X軸方向)についての第1の各距離情報27のばらつきの低減強度の約3倍である。該強度の比は、3倍に限定されず、例えば、1.2倍以上の値のうち任意の値が採用されたとしても本発明の有用性を損なうものではない。
また、平均化フィルタ56aに代えて、平均化フィルタ56b(図20)が採用されたとしても本発明の有用性を損なうものではない。平均化フィルタ56bにおいては、パラメータKとして、例えば、値94が採用される。第1生成部14Aが平均化フィルタ56aを採用した場合には、第1生成部14Aは、原距離画像31における第1方向と第2方向とのうち第2方向についてのみ第1の各距離情報27のばらつきを低減させることによって低減処理B(A)を行う。すなわち、平均化フィルタ56bが適用されたとしても第2方向に関する各距離情報のばらつきの低減強度を、第1方向に関する各距離情報のばらつきの低減強度よりも大きくすることができる。
また、平均化フィルタ56aに代えて、平均化フィルタ56c(図21)が採用されたとしても本発明の有用性を損なうものではない。平均化フィルタ56bにおいては、パラメータK1、K2、およびK3として、例えば、値189、値94、および値95がそれぞれ採用される。また、平均化フィルタ56cにおいては、X軸方向の中央部における各行列要素の値として値3が採用され、X軸方向の両端部における各行列要素の値として値1が採用されている。平均化フィルタ56cにおいては、X軸、Y軸方向の要素数はそれぞれ等しいが、要素の値が中央部と両端部とで異なっているため、重み付きの平均化フィルタである平均化フィルタ56cが適用されたとしても第2方向に関する各距離情報のばらつきの低減強度を、第1方向に関する各距離情報のばらつきの低減強度よりも大きくすることができる。
また、第1生成部14Aが、図22に示されるように、第1方向(X軸方向)についての長さよりも第2の方向(Y軸方向)についての長さが長い縦長形状のブロック領域58を原距離画像31に設定して第1の各距離情報27のうちブロック領域58に対応した各距離情報の平均値を取得するとともに、取得した平均値に基づいて第2の各距離情報28のうちブロック領域58に対応した各距離情報の値を取得する処理を、ブロック領域58を原距離画像31に対して図22に示されるように第1方向および第2方向についてステップ移動させつつ行うことによって低減処理B(A)を行ったとしても本発明の有用性を損なうものではない。ブロック領域58のサイズとしては、例えば、第1方向(X軸方向)の画素数として4が、また、第2の方向(Y軸方向)の画素数として8がそれぞれ採用される。
第1生成部14Aは、動作モードが低減処理Bに対応した動作モードが設定され、かつ、検出部17Aが生成した画像の歪みを生ずる可能性についての定量的な判定の結果を参照する動作モードが設定されている場合には、第1および第2平滑化フィルタをそれぞれ取得すると、第2平滑化フィルタの平滑化強度の調整を行う(図25のステップS150)。該調整は、例えば、該画像の歪みを生ずる可能性についての定量的な判定の結果に基づいて、着目領域1aが疑似画像24の画像の歪みを生じさせる可能性が強いと推定される場合には、該可能性が弱いと判定される場合に比べて、着目領域1aにおける第2方向についての第1の各距離情報27のばらつきを低減させる低減強度を強くする。すなわち、第1生成部14Aは、着目領域1aについての第2方向についての第1の各距離情報27のばらつきの低減強度を、検出部17Aから供給された歪みを生ずる可能性についての定量的な判定の結果に応じて変更する。ステップS150における平滑化強度の調整においては、第1方向についての第1の各距離情報27のばらつきの低減強度に対する第2方向についての第1の各距離情報27のばらつきの低減強度の比は、例えば、1.2以上の範囲で、歪みを生ずる可能性についての定量的な判定の結果に応じて調整される。歪みを生ずる可能性についての定量的な判定の結果を用いることによって、第1生成部14Aは、着目領域についての距離情報の過度の減少を防止しつつ、第2生成部15Aによって生成される疑似画像24において、着目領域に対応した領域における画像の歪みを抑制し得る。
図17は、派生距離画像32(第2の各距離情報28)の1例を示す図である。平滑化フィルタが取得され、必要な平滑化強度の調整が終了すると、第1生成部14Aは、取得した平滑化フィルタを用いた平滑化処理を行うことによって、原距離画像31(第1の各距離情報27)の各画素の画素値の平滑化を行い、派生距離画像32(第2の各距離情報28)を生成する(図25のステップS160)。すなわち、第1生成部14Aは、原距離画像31における第1方向を横切る第2方向について第1の各距離情報27のばらつきを低減させる強度が、原距離画像31における第1方向について第1の各距離情報27のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように第1の各距離情報27のばらつきを低減させる低減処理を行う。
また、第1生成部14Aが、例えば、原距離画像31の全域に対して平均化フィルタ55に示される第1方向と第2方向との平滑化強度が等しい平滑化処理を適用した後、平均化フィルタ56a〜56cなどに示されるような、第2方向についての平滑化強度の方が、第1方向についての平滑化強度よりも強い平滑化フィルタを適用することによって低減処理B(A)を行ったとしても本発明の有用性を損なうものではない。
また、平均化フィルタ56a〜56cにおいては、第1方向に対して第2方向が直交しているが、該直交方向に対して第2方向が、例えば、−30°から+30°の範囲の存在するような平滑化処理に対応した平滑化フィルタが採用されたとしても本発明の有用性を損なうものではない。
第2生成部15Aの動作:
図18は、画像の歪みが抑制された疑似画像24(図2)の1例を示す図である。第2生成部15Aは、基準画像21(図3)と第2の各距離情報28(派生距離画像32)(図17)とに基づいて疑似画像24(図18)を生成する(図25のステップS170)。すなわち、第2生成部15Aは、基準画像21との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像24を、基準画像21と第2の各距離情報28とに基づいて生成する。具体的には、第2生成部15Aは、例えば、図23、図24、および(2)式などを参照しつつ上述した疑似画像の生成に係る基本手法を採用し、第1生成部14Aから供給される派生距離画像32(第2の各距離情報28)の距離情報(視差)に基づいて基準画像21を変形させることなどによって仮想視点からの被写体の撮影に対応した疑似画像24を取得する。
疑似画像24における領域5cは、基準画像21(図3)における領域5aと、画像の歪みが補正されていない疑似画像25(図10)における領域5bとのそれぞれに対応した領域である。領域5cの画像では、領域5bにおいて−X方向に凸状に湾曲していた画像の空間的な歪みが、抑制されている。
上述したように、画像処理装置200Aは、原距離画像31(図7)における第1方向(図7のX軸方向)を横切る第2方向(図7のY軸方向)について第1の各距離情報27のばらつきを低減させる強度が、原距離画像31における第1方向について第1の各距離情報27のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように第1の各距離情報27のばらつきを低減させる低減処理を行うことによって第2の各距離情報28を生成する。
画像処理装置200Aによって生成される第2の各距離情報28においては、第1方向を横切る第2方向に関する各距離情報のばらつき、すなわち、疑似画像の形状的な歪みの主たる原因となる第2の方向に関する各距離情報のばらつきが、第1方向に関する各距離情報のばらつきよりも小さくなる。そして、画像処理装置200Aは、生成した第2の各距離情報28に基づいて疑似画像24を生成するので、疑似画像24に発生する画像の湾曲などの歪みが低減され得る。すなわち、画像処理装置200Aは、疑似画像に発生する画像の歪みを低減させ得る。
<変形例について:>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
例えば、上述した画像処理システム100Aにおけるステレオカメラ300では、基準カメラ61と参照カメラ62との基線長の方向は垂直方向であったが、該基線長の方向は、垂直方向その他の任意の方向でもよい。また、基準カメラ61と参照カメラ62との撮影倍率は、同じでなくても良い。なお、基準カメラ61と参照カメラ62との基線長の方向が水平方向である場合には、例えば、疑似画像24が、基準カメラおよび参照カメラとしての取り扱いをカメラ間で相互に変更することによって各カメラが撮影した画像からそれぞれ疑似画像24が生成されても良い。
100A 画像処理システム
200A 画像処理装置
300 ステレオカメラ
1a,1b,1c 着目領域
2a 領域情報
3a,3b 非着目領域
4a〜4d 着目領域
6a ブロック領域
9a,9b 視差
21,21a 基準画像
22,22a 参照画像
23a,23b 部分画像
24 疑似画像
25 疑似画像
27 第1の各距離情報
28 第2の各距離情報
29 各距離情報
31 原距離画像
32 派生距離画像
33 距離画像
53a,53b 平滑化情報
55,56a〜56c 平均化フィルタ
57 画像空間
61 基準カメラ
62 参照カメラ
w1,w2,w3 幅
th1 閾値

Claims (13)

  1. 画像処理装置であって、
    被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得部と、
    前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得部と、
    前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成部と、
    前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成部と、
    を備え、
    前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、
    前記第1の生成部は、
    前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記第1の方向についての長さよりも前記第2の方向についての長さが長い縦長形状のブロック領域を前記原距離画像に設定して前記第1の各距離情報のうち該ブロック領域に対応した各距離情報の平均値を取得するとともに、取得した平均値に基づいて前記第2の各距離情報のうち該ブロック領域に対応した各距離情報の値を取得する処理を、該ブロック領域を前記原距離画像に対してステップ移動させつつ行うことによって前記低減処理を行い、
    当該画像処理装置は、
    予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域と、前記着目領域よりも前記疑似画像の歪みを生ずる可能性が弱い非着目領域とを検出する検出部を更に備え、
    前記第1の生成部が、
    前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域の全体を対象として第1の平滑化フィルタ処理を行うとともに、前記原距離画像のうち前記非着目領域に対応した領域の全体を対象として第2の平滑化フィルタ処理を行うことによって前記低減処理を行い、
    前記第1の方向についての平滑化強度に対する前記第2の方向についての平滑化強度の比によって平滑化強度比を定義したとき、
    前記第1の平滑化フィルタ処理についての前記平滑化強度比が、前記第2の平滑化フィルタ処理についての前記平滑化強度比よりも大きい画像処理装置。
  2. 請求項1に記載された画像処理装置であって、
    前記検出部が、
    前記基準画像についての幾何学的条件を前記判定条件として前記着目領域を検出する画像処理装置。
  3. 像処理装置であって、
    被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得部と、
    前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得部と、
    前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成部と、
    前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成部と、
    を備え、
    前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、
    前記第1の生成部は、
    前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記低減処理を行い、
    当該画像処理装置は、
    予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域を検出する検出部を更に備え、
    前記第1の生成部が、
    前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域を対象として前記低減処理を行い、
    前記検出部が、
    前記基準画像についての幾何学的条件を前記判定条件として前記着目領域を検出し、
    予め設定された数式のパラメータに具体的数値を与えることによって座標空間での形状およびサイズが特定される図形を基本図形と呼ぶとき、
    前記幾何学的条件が、前記基準画像における輪郭を構成する1種類以上の予め設定された基本図形の割合である画像処理装置。
  4. 請求項3に記載された画像処理装置であって、
    前記1種類以上の予め設定された基本図形が、直線、2次曲線、円弧、楕円弧、および予め設定されたテクスチャのうち少なくとも1つである画像処理装置。
  5. 像処理装置であって、
    被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得部と、
    前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得部と、
    前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成部と、
    前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成部と、
    を備え、
    前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、
    前記第1の生成部は、
    前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記低減処理を行い、
    当該画像処理装置は、
    予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域を検出する検出部を更に備え、
    前記第1の生成部が、
    前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域を対象として前記低減処理を行い、
    前記検出部が、
    前記第1の各距離情報の統計的な分布状態を前記判定条件として前記着目領域を検出する画像処理装置。
  6. 像処理装置であって、
    被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得部と、
    前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得部と、
    前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成部と、
    前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成部と、
    を備え、
    前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、
    前記第1の生成部は、
    前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記低減処理を行い、
    当該画像処理装置は、
    予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域を検出する検出部を更に備え、
    前記第1の生成部が、
    前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域を対象として前記低減処理を行い、
    前記第2の取得部が、
    前記基準画像が撮影された視点とは異なる視点から前記被写体が撮影された参照画像と、前記基準画像との間での対応点探索処理を行うことによって前記第1の各距離情報を取得するとともに、
    前記検出部が、
    前記第1の各距離情報についての前記対応点探索処理において取得される各相関値を前記判定条件として前記着目領域を検出する画像処理装置。
  7. 画像処理装置であって、
    被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得部と、
    前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得部と、
    前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成部と、
    前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成部と、
    を備え、
    前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、
    前記第1の生成部は、
    前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記低減処理を行い、
    当該画像処理装置は、
    予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域を検出する検出部を更に備え、
    前記第1の生成部が、
    前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域を対象として前記低減処理を行い、
    前記判定条件は、前記歪みを生ずる可能性について定量的な判定結果を与える判定規則を含み、
    前記第1の生成部が、
    前記着目領域についての前記第2の方向についての前記ばらつきの低減強度を、前記歪みを生ずる可能性についての前記定量的な判定の結果に応じて変更する画像処理装置。
  8. 画像処理装置に搭載されたコンピュータにおいて実行されることにより、当該画像処理装置を請求項1から請求項7の何れか1つの請求項に記載の画像処理装置として機能させるプログラム
  9. 画像処理方法であって、
    被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得工程と、
    前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得工程と、
    前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成工程と、
    前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成工程と、
    を備え、
    前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、
    前記第1の生成工程は、
    前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記第1の方向についての長さよりも前記第2の方向についての長さが長い縦長形状のブロック領域を前記原距離画像に設定して前記第1の各距離情報のうち該ブロック領域に対応した各距離情報の平均値を取得するとともに、取得した平均値に基づいて前記第2の各距離情報のうち該ブロック領域に対応した各距離情報の値を取得する処理を、該ブロック領域を前記原距離画像に対してステップ移動させつつ行うことによって前記低減処理を行い、
    当該画像処理方法は、
    予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域と、前記着目領域よりも前記疑似画像の歪みを生ずる可能性が弱い非着目領域とを検出する検出工程を更に備え、
    前記第1の生成工程が、
    前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域の全体を対象として第1の平滑化フィルタ処理を行うとともに、前記原距離画像のうち前記非着目領域に対応した領域の全体を対象として第2の平滑化フィルタ処理を行うことによって前記低減処理を行う工程であり、
    前記第1の方向についての平滑化強度に対する前記第2の方向についての平滑化強度の比によって平滑化強度比を定義したとき、
    前記第1の平滑化フィルタ処理についての前記平滑化強度比が、前記第2の平滑化フィルタ処理についての前記平滑化強度比よりも大きい画像処理方法
  10. 画像処理方法であって、
    被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得工程と、
    前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得工程と、
    前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成工程と、
    前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成工程と、
    を備え、
    前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、
    前記第1の生成工程は、
    前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記低減処理を行う工程であり
    当該画像処理方法は、
    予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域を検出する検出工程を更に備え、
    前記第1の生成工程が、
    前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域を対象として前記低減処理を行う工程であり
    前記検出工程が、
    前記基準画像についての幾何学的条件を前記判定条件として前記着目領域を検出する工程であり、
    予め設定された数式のパラメータに具体的数値を与えることによって座標空間での形状およびサイズが特定される図形を基本図形と呼ぶとき、
    前記幾何学的条件が、前記基準画像における輪郭を構成する1種類以上の予め設定された基本図形の割合である画像処理方法
  11. 画像処理方法であって、
    被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得工程と、
    前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得工程と、
    前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成工程と、
    前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成工程と、
    を備え、
    前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、
    前記第1の生成工程は、
    前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記低減処理を行う工程であり
    当該画像処理方法は、
    予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域を検出する検出工程を更に備え、
    前記第1の生成工程が、
    前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域を対象として前記低減処理を行う工程であり
    前記検出工程が、
    前記第1の各距離情報の統計的な分布状態を前記判定条件として前記着目領域を検出する工程である画像処理方法
  12. 画像処理方法であって、
    被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得工程と、
    前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得工程と、
    前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成工程と、
    前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成工程と、
    を備え、
    前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、
    前記第1の生成工程は、
    前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記低減処理を行う工程であり、
    当該画像処理方法は、
    予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域を検出する検出工程を更に備え、
    前記第1の生成工程が、
    前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域を対象として前記低減処理を行う工程であり、
    前記第2の取得工程が、
    前記基準画像が撮影された視点とは異なる視点から前記被写体が撮影された参照画像と、前記基準画像との間での対応点探索処理を行うことによって前記第1の各距離情報を取得する工程であるとともに、
    前記検出工程が、
    前記第1の各距離情報についての前記対応点探索処理において取得される各相関値を前記判定条件として前記着目領域を検出する工程である画像処理方法
  13. 画像処理方法であって、
    被写体が撮影された基準画像を取得する第1の取得工程と、
    前記被写体の各点のうち前記基準画像の各画素にそれぞれ対応した各点について、予め設定された原点位置からの距離情報をそれぞれ表現した第1の各距離情報を取得する第2の取得工程と、
    前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる低減処理によって第2の各距離情報を生成する第1の生成工程と、
    前記基準画像との組み合わせによって立体画像を構成する疑似画像を、前記基準画像と前記第2の各距離情報とに基づいて生成する第2の生成工程と、
    を備え、
    前記基準画像と前記疑似画像とが同一の画像空間に立体視可能に配置されたときに、互いに前記被写体上の同一の点に対応する前記基準画像の画素と前記疑似画像の画素との該画像空間における位置ずれの方向によって前記基準画像に対する第1の方向を定義するとともに、前記基準画像の画素配列に対応した前記第1の各距離情報の配列によって原距離画像を定義したとき、
    前記第1の生成工程は、
    前記原距離画像における前記第1の方向を横切る第2の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度が、前記原距離画像における前記第1の方向について前記第1の各距離情報のばらつきを低減させる強度よりも強くなるように前記低減処理を行う工程であり、
    当該画像処理方法は、
    予め設定された判定条件に基づいて、前記原距離画像に対応した画像空間のうち前記疑似画像の歪みを生ずる可能性のある着目領域を検出する検出工程を更に備え、
    前記第1の生成工程が、
    前記原距離画像のうち前記着目領域に対応した領域を対象として前記低減処理を行い、
    前記判定条件は、前記歪みを生ずる可能性について定量的な判定結果を与える判定規則を含み、
    前記第1の生成工程が、
    前記着目領域についての前記第2の方向についての前記ばらつきの低減強度を、前記歪みを生ずる可能性についての前記定量的な判定の結果に応じて変更する工程である画像処理方法。
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