JP5866700B1 - 潤滑油添加剤および潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦低減効果に優れ、高荷重、低せん断速度での滑り条件であっても、材料の境界面での潤滑油の膜厚の低下を抑制することができ、配合成分数が少なく容易に処方可能であり、リンや硫黄を低減可能で環境にやさしい潤滑油添加剤および潤滑油組成物を提供する。【解決手段】鎖状のポリマーから成る潤滑部12を挟むように、1対の吸着部11が潤滑部12のポリマーの両端にそれぞれ結合されている。潤滑部12は、基油に溶解可能であり、例えば、ポリメタクリレート鎖、オレフィンコポリマー鎖、ポリイソブチレン鎖を含む。各吸着部11は、金属等の材料に吸着可能な官能基から成っている。各吸着部11は、例えば、カルボキシル基やリン酸基、アミノ基、チオール基を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、潤滑油添加剤および潤滑油組成物に関する。
近年、エンジンや一般的な機械などの材料間の摩擦を低減するための潤滑油において、摩擦低減および燃費向上のために、潤滑油の基油の粘度をより低くする傾向がある。この傾向は、特にエンジンの潤滑油などにおいて顕著である。そこで、摩擦や摩耗を低減するために、高級脂肪酸や高級アルコールなどの油性向上剤や、リン酸エステルやジチオリン酸亜鉛などの反応性の耐摩耗剤、有機硫黄化合物などが、潤滑油の基油に配合されている。また、温度による粘度変化を抑え、粘度特性を最適化するために、粘度指数向上剤として、ポリメタクリレートやオレフィンコポリマー、ポリイソブチレンなどのポリマーが、別途、基油に配合されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
特開2010−95664号公報 特開2011−57758号公報 特開2001−19990号公報
しかしながら、特許文献1乃至3に記載のような低粘度の潤滑油は、高荷重、低せん断速度での滑り条件では、材料の境界面から容易に排出されてしまうため、材料の表面同士が接触して摩擦が増大してしまうという課題があった。材料の表面同士の接触を防ぐためには、材料の境界面での潤滑油の膜厚を大きくする必要があるが、潤滑油の膜厚を大きくするためには潤滑油の粘度を大きくしなければならず、やはり摩擦が増大してしまうという課題があった。
また、特許文献1乃至3に記載のような潤滑油は、配合成分数が多いため、処方が複雑であるという課題もあった。また、低温条件では、リン酸エステルやジチオリン酸亜鉛などの反応性の添加剤が反応しにくいため、摩擦低減効果が不十分になるという課題もあった。また、添加剤に含まれるリンや硫黄が環境破壊の原因になるため、これらを低減する必要があるという課題もあった。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、摩擦低減効果に優れ、高荷重、低せん断速度での滑り条件であっても、材料の境界面での潤滑油の膜厚の低下を抑制することができ、配合成分数が少なく容易に処方可能であり、リンや硫黄を低減可能で環境にやさしい潤滑油添加剤および潤滑油組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る潤滑油添加剤は、材料間の摩擦を低減するための潤滑油に添加して使用される潤滑油添加剤であって、前記潤滑油の基油に溶解可能な高分子量の潤滑部と、前記材料に吸着可能な官能基を有し、前記潤滑部を挟むよう前記潤滑部に結合された1対の吸着部とを有し、前記潤滑部がメタクリル酸エステルユニットを含み、各吸着部がカルボキシル基を含む一般式(1)で表される化合物を有することを特徴とする。
(式中、m,n,pおよびqは、1以上の整数である。)
本発明に係る潤滑油添加剤は、高分子量の潤滑油添加剤(ポリマー)であり、潤滑油の基油に添加して使用される。その潤滑油を材料間に使用したとき、1対の吸着部が材料に吸着し、各吸着部に挟まれた、基油に溶解可能な高分子量の潤滑部も材料間に残る。この材料間の潤滑部や各吸着部が油性向上剤としての役割を果たすことにより、摩擦や摩耗を低減する効果を発揮することができる。また、それと同時に、未吸着の潤滑部が基油中に溶解しているため、温度による粘度変化を抑え、粘度特性を最適化する粘度指数向上効果を十分に発揮することができる。このように、本発明に係る潤滑油添加剤によれば、優れた摩擦低減効果が得られる。
また、潤滑部が各吸着部に挟まれて結合しているため、高荷重、低せん断速度での滑り条件であっても、材料の境界面から排出されにくく、材料の境界面での潤滑油の膜厚の低下を抑制することができる。このため、高荷重、低せん断速度での滑り条件であっても、摩擦の増大を防ぐことができ、摩擦低減効果を維持することができる。
本発明に係る潤滑油添加剤は、材料に吸着して効果を発揮する吸着系の添加剤であるため、反応系の添加剤が効きにくい低温条件(常温付近)でも十分に摩擦低減効果を発揮することができる。また、従来の油性向上剤や反応系の添加剤、粘度指数向上剤などを基油に別々に配合する場合と比べて配合成分数が少なく、容易に処方可能である。また、リンや硫黄を極力使用せずに摩擦低減効果を得ることができ、リンや硫黄を低減可能で環境にやさしい。
本発明に係る潤滑油添加剤、前記潤滑部がメタクリル酸エステルユニットを含んでいるため、優れた粘度指数向上効果を得ることができる。また、各吸着部、カルボキシル基を含んでいるため、各吸着部が油性向上剤としての役割を果たし、優れた摩擦低減効果を得ることができる。
本発明に係る潤滑油添加剤、前記潤滑部鎖状のポリマーから成り、各吸着部前記ポリマーの両端にそれぞれ結合されているため、高荷重、低せん断速度での滑り条件であっても、鎖状のポリマーから成る潤滑部を材料間に留めることができ、優れた摩擦低減効果を得ることができる。
前記一般式(1)中のmは100〜1000の整数であることが好ましい。また、nは11〜21の整数であることが好ましい。また、pは2〜10の整数であることが好ましい。また、qは5〜18の整数であることが好ましい。これらの場合、さらに優れた摩擦低減効果が得られる。
本発明に係る潤滑油組成物は、前記潤滑油の基油に、本発明に係る潤滑油添加剤が添加されていることを特徴とする。
本発明に係る潤滑油組成物は、本発明に係る潤滑油添加剤が添加されているため、摩擦低減効果に優れ、高荷重、低せん断速度での滑り条件であっても、材料の境界面での潤滑油の膜厚の低下を抑制することができる。また、容易に処方可能であり、リンや硫黄が少なく環境にやさしい。
本発明に係る潤滑油組成物は、前記潤滑油の基油100質量部に対して、前記潤滑油添加剤が0.1〜10質量部含有されていることが好ましい。この場合、特に優れた摩擦低減効果が得られる。
本発明によれば、摩擦低減効果に優れ、高荷重、低せん断速度での滑り条件であっても、材料の境界面での潤滑油の膜厚の低下を抑制することができ、配合成分数が少なく容易に処方可能であり、リンや硫黄を低減可能で環境にやさしい潤滑油添加剤および潤滑油組成物を提供することができる。
本発明の実施の形態の潤滑油添加剤を示す化学式である。 本発明の実施の形態の潤滑油添加剤の、平滑表面間のナノ摩擦特性を評価するための試験方法を示す側面図である。 図2に示す平滑表面間のナノ摩擦特性を評価するための試験の(a)せん断速度V=0.011μm/sのとき、(b)せん断速度V=1.1μm/sのときの試験結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態の潤滑油添加剤の、凹凸表面間のマクロ摩擦特性を評価するためのボールオンディスク試験の試験方法を示す斜視図である。 図4に示すボールオンディスク試験の試験結果を示すグラフである。
図1乃至図5は、本発明の実施の形態の潤滑油添加剤を示している。
以下、摩擦特性を評価するための試験の結果に基づいて、本発明の実施の形態の潤滑油添加剤について説明する。
[試験に使用する潤滑油添加剤]
摩擦特性評価試験に使用する本発明の実施の形態の潤滑油添加剤として、図1の(2)式に示すABA型のブロックコポリマーを製造した。図1に示すように、本発明の実施の形態の潤滑油添加剤は、「A」に該当する1対の吸着部11と、「B」に該当する潤滑部12とを有している。各吸着部11は、金属などの材料の表面に吸着可能なカルボキシル基を含む分子から成っている。潤滑部12は、基油に溶解可能であるメタクリル酸エステルユニットを含む鎖状のポリマーから成っている。本発明の実施の形態の潤滑油添加剤は、1対の吸着部11が、潤滑部12を挟むようそれぞれ潤滑部12の両端に結合されている。
試験には、表1に示す4種類の潤滑油添加剤を使用した。表1には、各潤滑油添加剤の図1の(2)式中のm(潤滑部12の鎖長)およびn(潤滑部12の側鎖アルキル基の鎖長)、ならびに、数平均分子量(Mn)および、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である多分散度(Mw/Mn)を示す。
これらの潤滑油添加剤は、二官能性マクロ連鎖移動剤(PAaU10)とアルキルメタクリレートとの重合により製造された。具体的には、(3)式に示すBMATを連鎖移動剤として使用し、ラジカル重合開始剤を用いて、11-アクリルアミドウンデカン酸を、メタノール中、アルゴン雰囲気下、70℃で重合を行って、吸着部位となるPAaU10を合成した。続いて、このPAaU10を連鎖移動剤として用いて、メタクリル酸エステルのラジカル重合を行うことにより、目的の潤滑油添加剤を合成した。
なお、比較のため、(4)式に示すホモポリマー(以下、「PSMA174」と示す)、および、(5)式に示すランダムポリマー(以下、「p(S/A4)184」と示す)についても試験を行った。なお、PSMA174は、吸着部11がないポリマーであり、Mn=59,200、Mw/Mn=1.86である。また、p(S/A4)184は、吸着部11と潤滑部12とがランダムに結合されたポリマーであり、Mn=61,900、Mw/Mn=1.79である。
[平滑表面間のナノ摩擦特性評価]
本発明の実施の形態の潤滑油添加剤による摩擦低減効果の極限を把握するために、表面力測定装置(SFA)を用いて摩擦力を測定する試験を行った。試験では、図2に示すように、平滑な表面を有する1対の雲母21a,21bの間に試験試料の潤滑油(潤滑油組成物)を挟み、各雲母21a,21bの間隔を狭める方向に荷重Lをかけた状態で、一方の雲母21aをせん断速度Vで滑らせたときの、他方の雲母21bにかかる摩擦力Fを測定した。荷重Lは、5〜40mNの範囲とし、せん断速度Vは、0.011μm/s、1.1μm/sの2種類とした。面積Aは、1200〜4000μm2程度である。
試験試料の潤滑油としては、ポリアルファオレフィン(PAO)から成る基油に、表1のA5S992A5を添加した潤滑油(「PAO+ A5S992A5」)、(4)式のホモポリマーPSMA174を添加した潤滑油(「PAO+ PSMA174」)、および、汎用の潤滑油添加剤であるパルミチン酸(PA)を添加した潤滑油(「PAO+PA」)を用いた。これらの濃度は、0.5wt%である。また、基油のみの場合についても試験を行った(「PAO」)。
試験結果を図3に示す。図3には、試験結果から得られた各潤滑油の摩擦係数μも示している。図3(b)に示すように、V=1.1μm/sのとき、本発明の実施の形態の潤滑油添加剤A5S992A5を添加した潤滑油PAO+ A5S992A5、および、ホモポリマーPSMA174を添加した潤滑油PAO+ PSMA174で、摩擦係数μが0.01よりも小さくなっており、優れた摩擦低減効果を有することが確認された。これに対し、図3(a)に示すように、V=0.011μm/sの低せん断速度のときには、PAO+ PSMA174では摩擦係数μが大きくなっているが、PAO+ A5S992A5では摩擦係数μがほとんど増大せず、依然として0.01よりも小さく、優れた摩擦低減効果を維持できることが確認された。
なお、せん断速度Vで滑らせる前の静的な膜厚Dを、荷重L=5mNにおいて測定したところ、PAO+ A5S992A5で20nm以下、PAO+ PSMA174で5nm以下、PAOのみで1.4nm以下であった。このように、本発明の実施の形態の潤滑油添加剤PAO+ A5S992A5は、材料の境界面から排出されにくく、材料の境界面での潤滑油の膜厚の低下を抑制することができるといえる。これにより、PAO+ A5S992A5は、高荷重、低せん断速度での滑り条件であっても、優れた摩擦低減効果を示すものと考えられる。
[凹凸を有する実用表面間のマクロ摩擦特性評価]
実用に近い材料および条件での、本発明の実施の形態の潤滑油添加剤の摩擦特性を評価するために、トライボメータを使用してボールオンディスク試験を行った。試験では、図4に示すように、スチール(SUJ2)製のディスク22の上に試験試料の潤滑油(潤滑油組成物)を載せ、その上からスチール(SUJ2)製のボール23を荷重Lで押し付けた状態で、せん断速度Vで往復運動させて測定を行った。荷重Lは5mNとした。この荷重は、圧力がエンジンのピストンリングにかかる圧力と同程度の119MPaになる荷重である。また、せん断速度Vは、3×10−3、10−2、3×10−2、10−1、3×10−1、1、3mm/sの7種類とした。
試験試料の潤滑油としては、ポリアルファオレフィン(PAO)から成る基油に、表1の4種類の潤滑油添加剤を添加した潤滑油(「PAO+ A5L216A5」、「PAO+ A5L946A5」、「PAO+ A5S170A5」、「PAO+ A5S992A5」)、(4)式のホモポリマーPSMA174を添加した潤滑油(「PAO+ PSMA174」)、および、(5)式のランダムポリマーp(S/A4)184を添加した潤滑油(「PAO+p(S/A4)184」)を用いた。これらの濃度は、0.5wt%(0.5質量部)である。また、基油のみの場合(「PAO」)についても試験を行った。
試験結果として摩擦係数の速度依存性を、図5に示す。図5に示すように、本発明の実施の形態の潤滑油添加剤を添加した4種類の潤滑油PAO+ A5L216A5、PAO+ A5L946A5、PAO+ A5S170A5、およびPAO+ A5S992A5は、せん断速度Vが3×10−3〜3mm/sの範囲で、ホモポリマーやランダムポリマーを添加した潤滑油PAO+ PSMA174およびPAO+p(S/A4)184よりも摩擦係数が小さくなっていることが確認された。また、基油のみの場合PAOと比べて、25〜70%程度まで摩擦係数が小さくなっており、優れた摩擦低減効果を有していることが確認された。この結果から、潤滑部12の両端に吸着部11が結合していることにより、摩擦低減効果が顕著に向上するものと考えられる。
また、図5に示すように、本発明の実施の形態の潤滑油添加剤を添加した4種類の潤滑油のうち、PAO+ A5L946A5よりもPAO+ A5L216A5の方が、またPAO+ A5S992A5よりもPAO+ A5S170A5の方が、摩擦係数が小さくなっていることが確認された。このことから、潤滑部12の鎖長が短い方が、摩擦低減効果が高いといえる。また、PAO+ A5L946A5よりもPAO+ A5S992A5の方が、またPAO+ A5L216A5よりもPAO+ A5S170A5の方が、摩擦係数が小さくなっていることが確認された。このことから、潤滑部12の側鎖アルキル基の鎖長が長い方が、摩擦低減効果が高いといえる。
また、図5に示すように、本発明の実施の形態の潤滑油添加剤を添加した潤滑油のうち、PAO+ A5L216A5、PAO+ A5S992A5およびPAO+ A5S170A5では、摩擦係数の最小値が0.04程度になっている。従来のMoSなどの無機系の添加剤を使用した潤滑油では、摩擦係数の最小値は、高温・高圧のときに0.05程度であることから、本発明の実施の形態の潤滑油添加剤を使用することにより、無機系添加剤よりも摩擦低減効果を高めることができると考えられる。また、無機系添加剤では、硫黄などを含んでおり、環境破壊の原因となるおそれがあるのに対し、本発明の実施の形態の潤滑油添加剤は、連鎖移動剤として用いたBMAT由来の硫黄原子を3個含むのみで、リンは含んでおらず、環境にやさしいといえる。
以上の試験結果から、本発明の実施の形態の潤滑油添加剤の作用について説明する。すなわち、本発明の実施の形態の潤滑油添加剤は、潤滑油の基油に添加して使用され、その潤滑油を金属等の材料間に使用したとき、1対の吸着部11が材料に吸着し、各吸着部11に挟まれた、潤滑部12も材料間に残る。このため、潤滑部12や各吸着部11が油性向上剤としての役割を果たすことにより、摩擦や摩耗を低減する効果を発揮することができる。また、それと同時に、未吸着の潤滑部12が基油中に溶解しているため、温度による粘度変化を抑え、粘度特性を最適化する粘度指数向上効果を十分に発揮することができる。このように、本発明の実施の形態の潤滑油添加剤によれば、優れた摩擦低減効果が得られる。例えば、基油のみの場合と比べて最大で70%、従来の高級脂肪酸や高級アルコールなどの添加剤と比べても最大で50%程度まで、潤滑油の摩擦係数を低下させることができる。
また、潤滑部12が各吸着部11に挟まれて結合しているため、高荷重、低せん断速度での滑り条件であっても、金属等の材料の境界面から排出されにくく、材料の境界面での潤滑油の膜厚の低下を抑制することができる。このため、高荷重、低せん断速度での滑り条件であっても、摩擦の増大を防ぐことができ、摩擦低減効果を維持することができる。
本発明の実施の形態の潤滑油添加剤は、材料に吸着して効果を発揮する吸着系の添加剤であるため、反応系の添加剤が効きにくい低温条件(常温付近)でも十分に摩擦低減効果を発揮することができる。このため、例えば、ハイブリッドカーなどではエンジンの温度上昇が小さく反応性の添加剤は効きにくいが、本発明の実施の形態の潤滑油添加剤を使用することにより、潤滑油の摩擦低減効果を十分に発揮することができる。
本発明の実施の形態の潤滑油添加剤は、2つの吸着部11と1つの潤滑部12とが結合した1つの成分が、油性向上剤および粘度指数向上剤などの複数の機能を有するため、従来の油性向上剤や反応系の添加剤、粘度指数向上剤などを基油に別々に配合する場合と比べて配合成分数が少なくなり、容易に処方可能である。また、リンや硫黄を極力使用せずに摩擦低減効果を得ることができ、リンや硫黄を低減可能で環境にやさしい。
なお、本発明の実施の形態の潤滑油添加剤で、潤滑部12は、ポリメタクリレート鎖に限らず、オレフィンコポリマー鎖やポリイソブチレン鎖を含んでいてもよい。これらの場合にも、優れた粘度指数向上効果を得ることができる。また、各吸着部11は、カルボキシル基に限らず、リン酸基やアミノ基、チオール基を含んでいてもよい。これらの場合にも、各吸着部11が油性向上剤としての役割を果たし、優れた摩擦低減効果を得ることができる。また、一般式(1)中のmは100〜1000の整数であることが好ましい。また、nは11〜21の整数であることが好ましい。また、pは2〜10の整数であることが好ましい。また、qは5〜18の整数であることが好ましい。これらの場合、優れた摩擦低減効果が得られる。
21a,21b 雲母
22 ディスク
23 ボール

Claims (7)

  1. 材料間の摩擦を低減するための潤滑油に添加して使用される潤滑油添加剤であって、
    前記潤滑油の基油に溶解可能な高分子量の潤滑部と、
    前記材料に吸着可能な官能基を有し、前記潤滑部を挟むよう前記潤滑部に結合された1対の吸着部とを有し、
    前記潤滑部がメタクリル酸エステルユニットを含み、各吸着部がカルボキシル基を含む一般式(1)で表される化合物を有することを
    特徴とする潤滑油添加剤。
    (式中、m,n,pおよびqは、1以上の整数である。)
  2. 前記一般式(1)中のmは100〜1000の整数であることを特徴とする請求項1記載の潤滑油添加剤。
  3. 前記一般式(1)中のnは11〜21の整数であることを特徴とする請求項1または2記載の潤滑油添加剤。
  4. 前記一般式(1)中のpは2〜10の整数であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤。
  5. 前記一般式(1)中のqは5〜18の整数であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤。
  6. 前記潤滑油の基油に、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤が添加されていることを特徴とする潤滑油組成物。
  7. 前記潤滑油の基油100質量部に対して、前記潤滑油添加剤が0.1〜10質量部含有されていることを特徴とする請求項6記載の潤滑油組成物。
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