JP5863542B2 - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents
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Description
そこで、シートを順送りの反対方向に逆送りして1つの刷版で重ね印刷を実施することが考えられる。
また、シートを逆送りして、絵柄間に余分なスペースを形成することなく繰り返し印刷を実施する印刷装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ダンサローラを用いる印刷装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1に記載の印刷装置は、印刷ユニットで印刷を施した後、版胴が連続回転して次の印刷位置まで回転する間に、間欠送り装置によりシートを逆送りして繰り返し印刷を実施している。
特許文献2に記載の印刷装置は、連続多色スクリーン印刷装置で、印刷ユニット間に自動的に上下動するダンサローラを設けている。このダンサローラにより、シートに一定のテンションを与えるとともに、前後の印刷ユニットにおけるシートの若干の位置ずれを防止している。
また、本発明の印刷装置では、前記シート戻し手段によりシートを逆送りさせている間、前記印刷手段による印刷を回避する印刷回避手段を備えている、ことが好ましい。
さらに、本発明の印刷装置では、前記印刷手段は、前記シートの搬送方向に沿って複数配置されており、これら印刷手段のうちの少なくとも1の印刷手段に印刷を実施させる制御手段を備えている、ことが好ましい。
そして、本発明の印刷装置では、前記シートに施された印刷の濃淡を検出する濃淡検出手段を備え、前記シート戻し手段は、前記濃淡検出手段の検出結果により、前記シートの一部を逆送りさせる、ことが好ましい。
また、本発明の印刷装置では、前記シート搬送手段は、前記印刷手段によりシートに施される印刷の間隔を狭くするために、前記重ね印刷を施すための逆送りと異なる長さで逆送りを実施可能である、ことが好ましい。
そして、重ね印刷のためにシートを逆送りさせている間、印刷回避手段により印刷を回避させるので、シートの逆送りが完了した後に印刷用送り処理で重ね印刷を実施することで、確実に重ね印刷できる。
また、シートの搬送方向に沿って印刷手段を複数配置し、印刷制御手段がこれら印刷手段のうちの少なくとも1の印刷手段による印刷を実施させることで、重ね印刷や多色印刷など、多様な印刷に対応できる。
また、濃淡検出手段により印刷の濃淡を検出する構成とすれば、印刷が薄い場合のみに重ね印刷を実施すればよく、例えば十分な濃さで印刷されているときには、重ね印刷をすることがなくなるので、より効率よく適切な濃淡の印刷が得られる。
さらに、印刷の間隔を狭くするためにシートを逆送りさせることで、シートの印刷されない余白分を狭くでき、シートを無駄に消費することを防止できる。
また、印刷手段に対するシートの順送り方向の上流側および下流側に定着手段を設けることで、確実に定着した像の上に重ね印刷を行うことができ、きれいな印刷物を製造することができる。
なお、本実施形態において基準となる図を挙げることなく、例えば、上、下、左、右、または、手前、奥といった方向を示した場合は、全て図1を正規の方向(付した番号が適切な向きとなる方向)から観た場合を基準とし、上、下、左、右方向が紙面に平行な方向であり、手前、奥方向が紙面に直交する方向とする。
図1において、印刷装置1は、帯状のシートである原反RSに印刷を施すものである。
原反RSは、図1中部分拡大図(丸で囲った部分)に示されるように、基材シートBSの一方の面に接着剤層ADが積層された接着シートASと、接着シートASの接着剤層ADに仮着された剥離シートRLとによって帯状に構成され、ロール状に巻回されている。
ここで、回動モータ21A、21C、22Cおよび22Aは、駆動トルク、回転速度および回転方向を制御可能であり、原反RSを駆動ローラ21Dと駆動ローラ22Dとの間で所定の張力となるように張力制御が可能となっている。
次に、上述した印刷装置1における印刷を施す工程について説明する。
まず、図1に示すように原反RSを通紙してセットする。そして、制御手段8を介して起動の指令が入力されると、制御手段8がシート搬送手段2に対し順送りする指令を出力するとともに、印刷回避手段4に対し印刷可能状態を採るように指令を出力する。指令を受けたシート搬送手段2は、回動モータ21A,21C,22C,22Aを同期駆動して所定の張力を作用させた原反RSを左から右方向へ搬送するとともに、印刷回避手段4は、全ての直動モータ41Aを駆動して上側フレーム36Aを下方に移動させた状態を維持する。原反RSが順送りされると、制御手段8は、印刷手段3に対し印刷を行う指令を出力し、指令を受けた印刷手段3は、図示しない回動モータを駆動して版胴32、圧胴33、インキ出しローラ35および図示しないローラ群を回転駆動させて印刷を開始する。
そこで、間隔縮小用逆送りでは、刷版31の印刷終了位置31Bが原反RSから離間する離間位置EPを過ぎてから、当該刷版31の印刷開始位置31Aが次に原反RSに接触する接触位置SPに到達するまでの不印刷時間内に、空白スペース(Lπ−PL)から所望とする印刷ピッチCCを減算した距離(Lπ−PL−CC)分原反RSを逆送りさせることで、原反RSを無駄に消費することを抑制する。
そして、以降上記同様の動作が繰り返され、第1印刷ユニット3Aで印刷された像37に合わせて第2、第3印刷ユニット3B、3Cで次々に像37B、37Cが印刷され、原反RSに所定の3色印刷が行われることとなる。
このシート戻し手段5による逆送り中、刷版31が何周回転したとしても、印刷回避手段4によって印刷手段3が印刷回避状態とされているので、原反RSにおける希望しない位置にインキが付着することはない。
そして、以降上記同様の動作が繰り返され、第1印刷ユニット3Aで印刷された像37に合わせて第2、第3印刷ユニット3B、3Cで次々に像37B、37Cが印刷され、原反RSに所定の3色印刷が行われることとなる。
以上のような実施形態によれば、複数の各印刷ユニット3A〜3Cにおけるいずれかの各印刷ユニット3A〜3Cに対応して、原反RSの一部のみをシート戻し手段5で逆送りさせることで、いずれかの各印刷ユニット3A〜3Cのみ選択的に重ね印刷させることができ、効率よく重ね印刷できる。
また、シート戻し手段5による逆送りを行ったときに、先に印刷された像37は、定着手段6が作用する位置を合計で4回通過した後に重ね印刷されることとなり、確実に先に印刷された像が定着されてから重ね印刷が行われることとなるので、印刷された像37の表面が荒れることなくきれいな印刷物を製造することができる。
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
さらに、離間手段41としては、版胴32自体や圧胴33および原反RSを直接移動させて刷版31を原反RSに接離させてもよい。
さらに、シート戻し手段5として、例えば、第1折返手段5Aを用いず、繰出手段21により原反RSの一部を逆送りさせて重ね印刷させたり、第4折返手段5Dを用いず、巻取手段22により原反RSの一部を逆送りさせたりしてもよく、重ね印刷を施すために原反RSを逆送りさせる他の公知の手段を用いることができる。
また、上述の実施形態では、印刷ピッチを狭くするために間隔縮小用逆送り処理を実施しているが、例えば、印刷ピッチを狭くする必要がない場合には、実施しなくてもよい。
さらに、定着手段6は、原反RSの順送り方向における版胴32の下流側だけに設けたり、同上流側だけに設けたりしてもよい。
具体的には、剥離シートRLに接着シートASが仮着された上記実施形態の構成に限らず、基材シートBSのみ、あるいは基材シートBSと接着剤層ADとの間に中間層を有するものや、他の層を有するなど3層以上のものでもよい。
さらに、接着シートASは、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、その他の任意のシート、フィルム、テープなど、任意の用途、形状のシートなどが適用できる。
2……シート搬送手段
3……印刷手段
3A…第1印刷ユニット(印刷手段)
3B…第2印刷ユニット(印刷手段)
3C…第3印刷ユニット(印刷手段)
32……版胴
4……印刷回避手段
5……シート戻し手段
5A…第1折返手段
5B…第2折返手段
5C…第3折返手段
5D…第4折返手段
6……定着手段
7……濃淡検出手段
8……制御手段
RS…原反(シート)
Claims (7)
- 帯状のシートをその延出方向における一方向へ搬送する順送りを実施するシート搬送手段と、このシート搬送手段で順送りされる前記シートに印刷を施す印刷手段とを具備した印刷装置であって、
前記印刷手段により重ね印刷を施すために前記シートの一部のみを前記順送り方向の反対方向へ逆送りさせるシート戻し手段を備えていることを特徴とする印刷装置。 - 前記シート戻し手段は、前記印刷手段に対して前記順送り方向における上流側に、前記シートを順送り方向に対して交差し、かつ前記シートの厚み方向に折り返す折返手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
- 前記シート戻し手段によりシートを逆送りさせている間、前記印刷手段による印刷を回避する印刷回避手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
- 前記印刷手段は、前記シートの搬送方向に沿って複数配置されており、
これら印刷手段のうちの少なくとも1の印刷手段に印刷を実施させる制御手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の印刷装置。 - 前記シートに施された印刷の濃淡を検出する濃淡検出手段を備え、
前記シート戻し手段は、前記濃淡検出手段の検出結果により、前記シートの一部を逆送りさせることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の印刷装置。 - 前記シート搬送手段は、前記印刷手段によりシートに施される印刷の間隔を狭くするために、前記重ね印刷を施すための逆送りと異なる長さで逆送りを実施可能であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の印刷装置。
- 帯状のシートをその延出方向における一方向へ搬送する順送りを行って版胴により前記シートに印刷を施す印刷方法であって、
前記シートを順送りして印刷を施す印刷用送りを実施する工程と、
前記版胴により重ね印刷を施すために前記シートの一部のみを順送りの反対方向へ逆送りさせる重ね印刷用逆送りを実施する工程と、
前記逆送りさせたシートの一部を順送りして前記版胴により重ね印刷を施す重ね印刷工程とを実施することを特徴とする印刷方法。
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