JP5863182B2 - ヘッドホンユニットおよびヘッドホン - Google Patents
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そして、前記ボイスコイルに音声電流を流すことによって前記振動板が振幅し、この振動板の振幅に基づいて音声が再生されるようになされる。
すなわち、前記音響抵抗材によって前記貫通孔を選択的に塞ぐことで、ヘッドホンユニットの周波数特性および低域特性の調整を図るようになされている。
図17に示す断面図において、符号1は有底筒状に形成されたヨークであり、このヨーク1内にマグネット2およびポールピース3が配置され、前記ヨーク1の開口縁と前記ポールピース3の外周縁との間に磁気ギャップ4が形成されて磁気回路5が構成されている。前記磁気回路5を構成するヨーク1の外周面には、環状に形成されたフランジ部材7が取り付けられ、このフランジ部材7によって、前記磁気回路5が中央部に支持され、前記フランジ部材7の前面側には振動板8が取り付けられている。
なお、符号9は前記振動板8の前面を覆うプロテクタを示している。
図16に示されているとおり、前記した環状のフランジ部材7には、周方向に沿って多数の円形状の貫通孔11が形成されている。この貫通孔11は前記振動板8の背面側、すなわち、振動板8のサブドーム8bの背面側に連通するように形成されている。
すなわち、図16および図17で示す例は、音響抵抗材13で覆われない1つの貫通孔11を除いて、他の貫通孔は音響抵抗材13で覆われた構成にされている。
なお、以下においては説明の便宜上、音響抵抗材13で覆われない貫通孔を符号11で示し、音響抵抗材13で覆われた貫通孔を符号12で示すことにする。
また、音響抵抗材13によって覆われない孔11の大きさと数は、振動板8の最低共振周波数f0の振幅量を調整する機能を果たし、低音域の音圧と制動力にも大きく影響するために、重要な役割を持っている。さらに、音響抵抗材13によって覆われない孔11の大きさと位置は、振動板8のローリング作用にも大きく影響することになる。
図18に示す等価回路図において、muは周波数特性上においてローパスフィルターとして機能し、ruはハイパスフィルターとして機能することになる。
このf0付近の山の出現は共振のピーク値Qが大きくなるために生ずるもので、これは振動板8の制動力が減少したことに起因するものであり、いわゆる「ポン付いた」傾向の音になるために、音質上において好ましいものではない。
この構成によれば、フランジ部材に形成されて、第1の音響抵抗材によって覆われない貫通孔を出入りするf0前後の音波は、スリット状の音道空隙を通ってユニットの背面に放射されると共に、リング状に形成された第2の音響抵抗材を介してユニットの背面に放射される。
これにより、前記したf0付近に発生し易い山(共振のピーク値Q)が抑制され、低音域の量感とバランスの良い周波数特性を備えたヘッドホンユニットを得ることができる。
なお、以下に説明する各図においては、すでに説明した図16および図17に示した各部と同一の機能を果たす部分を同一符号で示しており、したがってその詳細な説明は適宜省略する。また以下に説明する各図においては、それぞれ代表的な部分に符号を付けて、他の符号は記載を省略する場合もある。
ただし、従来のヘッドホンユニットの構成に比較して、音響抵抗材13で覆われない貫通孔11の数を増加させるようになされる。すなわち、図1に示す実施の形態においては、音響抵抗材13で覆われない貫通孔11は、周方向に等間隔となる3か所に配置されている。
そこで、この第1の実施の形態においては、図2に示すようにフランジ部材7の裏面側にさらに音響抵抗材15が配置された構成にされている。なお、以下においては、フランジ部材7に形成された貫通孔を選択的に塞ぐ不織布等による前記した音響抵抗材13を第1の音響抵抗材と呼び、前記フランジ部材7の裏面側にさらに配置される音響抵抗材15を第2の音響抵抗材と呼ぶことにする。
そして、図3に要部を拡大して示したとおり、前記フランジ部材7は全体が環状に形成されると共に、その周縁部の断面がコ字状に形成されて、外向きの湾曲面7aと内向きの湾曲面7bが対向するようにして形成されている。
また、前記第2の音響抵抗材15は、フランジ部材7の裏面に対して、所定の距離Hをおいて配置されている。なお、図3においては第2の音響抵抗材15の厚さをTで示しており、貫通孔11の孔の面積をAφで示している。
なお、図3において符号21は、ヘッドホンユニットの前記フランジ部材7を支持するバッフル板の一部を示している。
前記バッフル板21の周縁は断面がU字状に形成されて、環状の溝部21bが形成されており、この溝部21bを利用してヘッドホンユニットの前面側にイヤーパッド22が装着される。また、バッフル板21裏面側にはヘッドホンユニットの背面を覆うハウジング23が取り付けられ、これによりヘッドホンが構成されている。
この際、前記ヘッドホンユニットのフランジ部材7は、ユニット固定ホルダー25に形成された前記係止段部25aに係止され、図8(a)に示すようにヘッドホンユニットはバッフル板21に固定される。この構成により、第2の音響抵抗材15の内周縁と前記フランジ部材7との間で、スリット状の音道空隙16bが形成される。
すなわち、第2の音響抵抗材15の内周縁と前記フランジ部材の7の外向きの湾曲面7aとの間に幅Wを有するスリット状の音道空隙16bが環状に形成されている。
また、前記第2の音響抵抗材15は、すでに説明した図3に示す例と同様にフランジ部材7の裏面に対して、所定の距離Hをおいて配置されている。なお、図9においても第2の音響抵抗材15の厚さをTで示しており、貫通孔11の孔の面積をAφで示している。
すなわち、図7〜図9に示す第3の形態のヘッドホンユニットにおいても、すでに説明した図5に示す音響的な等価回路図と同様に表すことができ、同様の作用効果を享受することができる。
なお、図11〜図13に示すヘッドホンユニットにおいては、前記した磁気回路部分は図示が省略されており、この図においては主にフランジ部材7の構成と、これに取り付けられる第2の音響抵抗材15の構成について示している。
図11(b)および図11(c)は、フランジ部材7を裏面から見た状態およびそのA−A線より矢印方向に見た断面図であり、この実施の形態においても第1の形態と同様にフランジ部材7に、第1の音響抵抗材13で覆われない貫通孔11が、周方向に等間隔となる3か所に配置されている。
なお、図11(b)に示す符号7fは、ボイスコイルに音声電流を供給するための接続端子が配置される端子エリアを示している。
また、前記フランジ部材7における第1の音響抵抗材13で覆われない貫通孔11の位置に対応する3か所には切欠部15aが形成されている。
すなわち前記切欠部15aは、全体がC字状に形成された第2の音響抵抗材15において、第1の音響抵抗材13で覆われない貫通孔11の位置において、その外周縁を円弧状に切り取るようにして形成されている。
また、第1の音響抵抗材13で覆われない貫通孔11に対応する部分には、フランジ部材7に形成された凸状のリブ7eにより形成される空間部を介して、第2の音響抵抗材15が対峙した状態になされると共に、第2の音響抵抗材15に施された前記切欠部15aによりスリット状の音道空隙16cが形成された構成になされる。
したがって、第2の音響抵抗材15の厚さや前記音道空隙16cのスリット幅などを調整することで、ヘッドホンユニットの低音域の量感や周波数特性などを制御することができ、これにより前記した第1〜第3の形態と同様の作用効果を得ることができる。
従来例として示したヘッドホンユニットにおいては、図15に示された特性からも理解できるとおり、f0前後の低域特性を抑制すると第2高調波歪(非直線歪)が発生し易いことが理解できる。
したがって、従来例と示した図16および図17に示す構成のヘッドホンユニットにおいて、良好な低音域特性を得るために第1音響抵抗材13により塞がれない貫通孔11の数を少なくする調整は、第2高調波歪特性を悪化させることになり、好ましくはないことが理解できる。
さらに、第2の音響抵抗材15により、振動板8に適度な音響負荷が追加されるので、音響インピーダンスが上昇し、結果としてc1,c2で示されたように、1〜5kHzの音域の音圧を上昇させることにも寄与する。
2 マグネット
3 ポールピース
4 磁気ギャップ(ボイスコイル)
5 磁気回路
7 フランジ部材
7a 外向きの湾曲面
7b 内向きの湾曲面
7d 凹部
7e 凸状リブ
7f 端子エリア
8 振動板
8a センタードーム
8b サブドーム
9 プロテクタ
11 貫通孔(第1音響抵抗材で非閉塞)
12 貫通孔(第1音響抵抗材で閉塞)
13 第1音響抵抗材
13a 抜き孔
15 第2音響抵抗材
15a 切欠部
15b 糊付け部
16a〜16c スリット状音道空隙
21 バッフル板
21a 開口部
21b 溝部
22 イヤーパッド
23 ハウジング
25 ユニット固定ホルダー
25a 係止段部
25b 貫通孔
26 取り付けビス
Claims (6)
- 磁気ギャップを備えた磁気回路と、前記磁気回路を中央に支持するフランジ部材と、前記フランジ部材の前面側に取り付けられた振動板と、前記振動板の一部にボイスコイルが取り付けられると共に当該ボイスコイルが前記磁気回路の磁気ギャップ内に配置された構成のヘッドホンユニットであって、
前記フランジ部材には、前記振動板の背面側の空間をフランジ部材の裏面に連通させる多数の貫通孔が形成されると共に、前記貫通孔を選択的に閉塞する第1の音響抵抗材が配置され、さらに前記フランジ部材の裏面に対して所定の距離Hをおいて第2の音響抵抗材が配置されると共に、前記第2の音響抵抗材と前記フランジ部材との間に幅Wを有するスリット状の音道空隙が形成されていることを特徴とするヘッドホンユニット。 - 前記第2の音響抵抗材はリング状に形成されて、その内周縁が前記フランジ部材の一部に形成された外向きの湾曲面に取り付けられ、前記第2の音響抵抗材の外周縁と前記フランジ部材の一部に形成された内向きの湾曲面との間で、前記幅Wを有するスリット状の音道空隙が形成されていることを特徴とする請求項1に記載されたヘッドホンユニット。
- 前記第2の音響抵抗材はリング状に形成されて、その外周縁が前記フランジ部材の一部に形成された内向きの湾曲面に取り付けられ、前記第2の音響抵抗材の内周縁と前記フランジ部材の一部に形成された外向きの湾曲面との間で、前記幅Wを有するスリット状の音道空隙が形成されていることを特徴とする請求項1に記載されたヘッドホンユニット。
- 前記第2の音響抵抗材はリング状に形成されて、その外周縁が前記フランジ部材を囲むようにして配置されたユニット固定ホルダーに取り付けられ、前記第2の音響抵抗材の内周縁と前記フランジ部材の一部に形成された外向きの湾曲面との間で、前記幅Wを有するスリット状の音道空隙が形成されていることを特徴とする請求項1に記載されたヘッドホンユニット。
- 前記フランジ部材の裏面には、当該フランジ部材に形成された各貫通孔をそれぞれ囲むようにして凸状のリブが突出形成され、前記第2の音響抵抗材が前記凸状のリブを介して前記フランジ部材に取り付けられると共に、前記フランジ部材の一部と前記第2の音響抵抗材に形成された切欠部との間で、前記幅Wを有するスリット状の音道空隙が形成されていることを特徴とする請求項1に記載されたヘッドホンユニット。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載されたヘッドホンユニットを備えたことを特徴とするヘッドホン。
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