JP5855657B2 - 化粧品のための加熱塗布デバイス - Google Patents

Description

本発明は、化粧品を塗布するためのデバイスに関する。

より詳細には、本発明の主題は、加熱エレメントを備える塗布具を備えるデバイスである。

「化粧品」とは、1993年6月14日の理事会の指令93/35/EECにおいて定義される任意の組成物を意味する。

たとえば、製品をより容易に塗布および/または除去するため、または塗布のための新しい特性を得るために、比較的均一に加熱することを可能にするのに有用であり得る塗布エレメントを有するデバイスが存在する。

特許文献１から、塗布ヘッドの中に位置し、塗布ヘッドをストッパに接続するロッドの中に設置された導体によって電気を供給される、単一の抵抗性加熱エレメントを備える、化粧品を塗布するためのデバイスが知られている。加熱エレメントは、ロッドの中および塗布ヘッドの中に成形された導電線によって接続された、巻かれた金属線かまたはセラミックエレメントである。したがって、欠陥のある加熱エレメントまたは導電体は、ひとたび塗布具の中に成形されると、交換することはできない。その上、このタイプの加熱エレメントは、多くのエネルギーを消費する。

特許文献２から、塗布具の末端部の中に位置し、塗布ヘッドをデバイスのスリーブ上の保持リングに接続する中空ロッドの中に設置された柔軟で高価なプリント回路によって電気を供給される、単一の抵抗性加熱エレメントを備える、化粧品を塗布するためのデバイスが知られている。とはいえ、加熱エレメントは、十分な加熱温度を得るために長い長さを必要とする、プリント回路の抵抗性線路かまたは巻かれた抵抗線であり、したがって非常にかさ高くなり、小型の塗布部材にとってあまり適さない。また、これらの加熱エレメントは、多くのエネルギーを消費する。その上、抵抗線または抵抗性線路の切断などの故障が、加熱エレメントの動作を停止させる。

仏国特許発明第2913319号明細書 国際公開第2007/143430号パンフレット

比較的簡単な設計であり、信頼性が高く、スペースをあまり必要とせず、かつ容易に取り除かれる加熱塗布具を用いて、化粧品を塗布することを可能にする必要性が存在する。

それゆえ、本発明の目的は、前述の欠点を緩和するために、化粧品を塗布するための改善されたデバイスを提供することにある。

したがって、本発明は、保持部材と、製品を塗布するための表面を有する塗布部材と、加熱電気エレメントとを備える、化粧品のための塗布デバイスを提案する。

本発明によれば、加熱電気エレメントは、少なくとも部分的に塗布部材の筐体の中に挿入されるか、または、少なくとも部分的に塗布部材の塗布表面と反対の表面と面するかもしくは接触して配置されるプリント回路上に搭載された、少なくとも1つの抵抗器から形成され、プリント回路によって画定される平面上の抵抗器の正射影の表面積は、10mm²以下であり、さらに良いのは6mm²以下である。

有利には、本発明は、作り出すことが簡単なデバイスを得ることを可能にし、塗布具の中の加熱システムの組立は、塗布部材を製造するための方法とは無関係に遂行される。

その上、有利には、本発明は、スペースをあまり必要とせず、小型の塗布部材にとって好適なデバイスを得ることを可能にする。

本発明の他の特徴によれば、加熱エレメントは、並列に搭載された少なくとも2つの抵抗器を備えることができる。

塗布部材の塗布表面の少なくとも一部分は、金属および/またはシリコーンで作られてもよい。

プリント回路は、剛体であってもよい。

抵抗器は、プリント回路の両面に搭載されてもよい。

5W・m^-1・K^-1より大きい熱伝導率を有する熱伝導性ペーストまたは熱伝導性接着剤が、抵抗器と塗布部材との間に挿入されてもよい。

加熱電気エレメントは、少なくとも1つのSMD(表面実装型デバイス)タイプの抵抗器から形成されてもよい。

塗布部材は、送出導管を形成するために、一方では塗布表面に開口し、他方では化粧品を入れるための容器の中に開口する導管を形成する、少なくとも1つのチューブを備えることができる。

抵抗器は、送出導管を加熱するために、チューブの近くに配列されてもよい。

本発明は、非限定的な例示的実施形態の以下の説明を、添付された図面を参照しながら読めば、より良く理解することができるであろう。

本発明による、化粧品を塗布するためのデバイスの一例を示す図である。 図1のデバイスの縦断面を示す図である。 図2の詳細を示す図である。 図2の軸IV-IVに沿った横断面を示す図である。 図1のデバイスの抵抗器の取付けの変形形態を示す図である。 図1のデバイスの抵抗器の取付けの変形形態を示す図である。 図1の塗布部材の変形形態を示す図である。 図1の塗布部材の変形形態を示す図である。 本発明による、化粧品を塗布するためのデバイスの変形形態を示す図である。 図7のデバイスの縦断面を示す図である。 図7の塗布部材の変形形態を示す図である。 図7の塗布部材の変形形態を示す図である。 本発明による、化粧品を塗布するためのデバイスの変形形態の縦断面を示す図である。 本発明による、化粧品を塗布するためのデバイスの別の変形形態を示す図である。 図10のデバイスの縦断面を示す図である。 図11の軸XII-XIIに沿った横断面を示す図である。

図1は、化粧品を塗布するためのデバイス1の一例を示す。

この塗布デバイス1は、保持部材2と化粧品Pのための塗布部材3とを備える。たとえば、製品Pの配合物は、温かい、たとえば40℃より高い温度で塗布されるのに適しており、製品は、たとえば熱源に反応性のある成分を含む。

製品Pは、たとえば、図示されていない容器の中に含まれる。したがって、塗布デバイスは、この容器に取り付けられるように構成されてもよく、または構成されなくてもよい。たとえば、容器は、ネックによって画定される出口オリフィスを備えることができ、ネックの外壁は、保持部材の相手ねじ山と相互に作用し得るねじ山を備え、それによって、閉位置において保持部材が容器のためのストッパを形成し、塗布部材が、容器の中に位置するように出口オリフィスの中に挿入される。

図1および図2を参照すると、デバイスの保持部材2は、主に縦軸Xに沿って延びる中空体である。保持部材2は、たとえば円筒形であるが、当然ながら他の断面形状が想定されてもよい。

保持部材は、一端において、底5によって閉じられる。この底5は、場合によっては着脱可能である。特に、保持部材の内部へのアクセスを得ることを可能にするために底5が着脱可能である場合、底5は、スナップ篏合、ねじ止め、またはスリーブ嵌合によるなど、任意の知られている着脱可能な取付け手段によって取り付けられてもよい。

底5に対向する端部は、塗布部材3を受けるように設計される。

したがって、たとえば、塗布部材のリブ33が保持部材2の溝21の中にスナップ嵌合することで、塗布部材3は、その近位端31によって保持部材2に接続される。塗布部材は、しまり嵌め組付け、接着、ねじ止め、または他の手段など、任意の他の取付け手段によって、同様に保持部材に接続されてもよい。

塗布部材3は、たとえば縦軸Xに沿って保持部材から延びる中空ロッドの形態をとることができるが、同様に、たとえば軸Xに平行な別の軸に沿って延びてもよい。

ロッドは、たとえば円形の横断面を有するが、断面は、同様に、多角形、楕円形、または任意の他の形状であってもよい。

中空ロッド3は、中空の保持部材2の中に空洞開口を画定し、塗布部材の遠位端32まで延びる。

空洞の断面の最大横寸法、たとえば空洞が円形の場合の直径は、たとえば3mmと10mmとの間、さらに良いのは4mmと7mmとの間である。空洞の周りの壁の厚さeは、たとえば0.1mmと3mmとの間である。

塗布部材3の遠位端32の表面は、製品Pの塗布の表面を画定し、塗布に適した形状を有する。したがって、表面は、リップスティック、リップグロス、マスカラ、またはファンデーションなどの化粧品の使用に適合されてもよい。図1は、たとえば製品を唇に塗布するために、斜めになった遠位端32を備える、円筒形の塗布部材3を示す。

塗布部材3は、金属、シリコーン、熱可塑性材料、または任意の他の材料で全体的または部分的に作られてもよい。好ましくは、塗布部材3は、良好な熱伝導率（すなわち1W・m^-1・K^-1より大きい）を有する材料を含む。たとえば、塗布部材は、全体的にアルミニウムなどの金属で作られてもよい。また、塗布部材は、部分的に熱可塑性材料で作られ、その遠位端32が、残りの塗布部材より大きい熱伝導率を有するシリコーンで作られてもよい。したがって、塗布部材は、二重射出法によって製造されてもよい。

塗布部材3の塗布表面は、サステインド成形(sustained shaping)および/または表面処理されてもよい。たとえば、図6aは、たとえば磨かれ得るコルゲート形状34を有する塗布部材を示す。また、溝付き(striated)、平坦、凹面、または凸面の形状など、他の形状が想定されてもよく、フロック加工、または表面を粗くするかもしくは多孔質にするように設計された処理など、他の処理が想定されてもよい。

また、たとえば随意に塗布エレメント35を取り付けられたスリーブなどの塗布表面上に、被膜が置かれてもよい。

塗布エレメント35は、たとえば図6bに示される歯であってよいが、本発明は、そのような塗布エレメントの一例に限定されるものではなく、また、塗布部材3上の塗布エレメント35の特定の配列に限定されるものでもない。同様に、塗布エレメントは、特にスリーブによって塗布面に固定されてもよいが、塗布部材3の遠位端32と一体に作られてもよい。

本発明によれば、デバイス1は、加熱エレメント11を備える電気デバイス10を備える。

電気デバイスは、少なくとも1つの加熱抵抗器11が搭載されたプリント回路12からなり、プリント回路12の導電素子および/または導電性線路13によって電力源14に接続される。

したがって、抵抗器11は、電流が抵抗器11を通って流れると熱を発する。

有利には、より高い温度を得るためおよび/または温度閾値に、より速やかに到達するために、いくつかの加熱抵抗器11が、プリント回路12上に搭載される。

電気デバイスのバルクを最小化するために、特に塗布部材を最小化するために、抵抗器は、プリント回路によって画定される平面上の各抵抗器の正射影Sの表面積が10mm²未満、またはさらに6mm²未満となるように選択される。

有利には、抵抗器11は、「表面実装型デバイス」(SMD)タイプであってもよい。このタイプの直方体コンポーネントは、安価でかつ極めて小さいという利点を有する。

したがって、1206標準サイズの「SMD」タイプの抵抗器は、約3.2mmの長さと約2.5mmの幅とを有する。それゆえ、プリント回路によって画定される平面上の抵抗器の正射影Sの表面積は、約5.1mm²である。他の標準サイズ、たとえばそれぞれ約8mm²、2.5mm²および1.3mm²の投影表面積を有する1210、0805、0603が使用されてもよい。

また、「SMD」タイプの抵抗器は、搭載するためにプリント回路を貫通する必要はなく、回路の両面に搭載することができ、それによって縮小された電気デバイスのバルクをもたらすという利点を有する。

抵抗器11は、電源14によって直接に、または、たとえば電流の強さを調整する制御器15を介して、DC電流を供給されてもよい。

その上、抵抗器は、直列または並列に搭載されてもよい。変形形態として、抵抗器11は、図5bにおけるように、直列に搭載された抵抗器11を備えるすべてまたはいくつかの分岐と並列に搭載される。反対に、図示されない変形形態によれば、抵抗器11は、並列に搭載された抵抗器11を備えるすべてまたはいくつかの部分と直列に搭載される。

並列に搭載することの利点の1つは、ある抵抗器または回路のある分岐の故障にもかかわらず、電気回路の連続性を有することである。この場合、制御器15は、回路に供給される電力を適合させるために、たとえば電流の強さの変化を走査することによる故障検出手段を有することができる。

抵抗器11は、すべて同一であってよいが、そうでなくてもよい。たとえば、塗布具の形状に対して最適化されるために異なる大きさの抵抗器を使用すること、および塗布具のゾーンの関数として熱の発生を適応させるために異なる抵抗率の抵抗器を使用することが可能である。この場合、異なる温度のゾーンを得るために、加熱ゾーンの関数として抵抗器を埋め込む密度を変化させることも、可能である。

その上、抵抗器11は、所望の温度を有しながら、大きすぎる電流を吸収しないように選択される。

たとえば、直列に設置され、1.5Vのバトン(baton)電池に接続された12個の0.5Ωの抵抗器を使用することが可能である。抵抗器は、たとえば、TYCO ELECTRONICS(登録商標)社のCRGシリーズ、サイズ1206の「表面実装型デバイス」(SMD)タイプである。この設定は、プリント回路上で使用される表面積61mm²に対して2分で、塗布表面に約100℃の温度を得ることを可能にする。

比較として、直径0.5mm、長さ150mm、抵抗率22.5Ω・m^-1のNichrome(登録商標)製の抵抗線を用いて同じレベルの加熱を得るためには、それゆえ、プリント回路によって画定される平面上の抵抗線の正射影Sの表面積は、約75mm²となる。

抵抗器11を備えるプリント回路12の部分は、塗布部材3の空洞の中に挿入されるように構成される。

図1〜図5の例では、抵抗器11を備えるプリント回路12の部分は、狭い、すなわち円筒形の塗布具の空洞の直径より小さい幅を有する、矩形の細片である。直径5mmの空洞に対して、プリント回路の幅は、たとえば3mmと4mmとの間になる。

抵抗器11は、塗布部材3の全長にわたって取り付けられてもよいが、塗布表面だけを加熱して、化粧品を塗布するために必要なエネルギーだけを消費するように、遠位端32だけに位置することが好ましい。

さらに、加熱エレメントによって生み出された熱の放出への影響を避けるために、たとえば高い熱伝導率、言い換えれば1W・m^-1・K^-1より大きい、さらに良いのは5W・m^-1・K^-1より大きい熱伝導率を有するサーマルペーストまたは熱伝導接着剤が、電気回路と塗布部材の内壁との間に設置されてもよい。また、このペーストまたは接着剤は、電気回路と塗布部材の内壁との間に、熱の不良導体である空気を無くすことを可能にする。

一例として、有利には、電気的に絶縁しながら1W・m^-1・K^-1よりも大きい熱伝導率で熱を伝導する、EPOTECNY(登録商標)社の、707で参照される接着剤を使用することが可能である。

電気回路は、塗布具の外側に設置される部分を備えてもよく、たとえば電源が、保持部材に隣接することができる。

電気回路は、電力源14から導電体13を介して抵抗器11に選択的に給電することを可能にするスイッチ16を備えることができる。

たとえば、スイッチ16は、図1および図2に示されるように、ユーザによって作動され得るように、保持部材2の外面に突出する。

デバイス1は、塗布部材3の温度を調整するためのシステム15を備えてもよく、この調整システム15は、たとえばプリント回路12上に取り付けられた制御器である。

調整システム15は、加熱エレメントの電源のプログラムドタイマーを使用することができる。

また、調整システム15は、抵抗器11の近くに位置し、調整システム15内にプログラムされた温度設定点に従って加熱エレメントに電源を供給することまたは供給しないことを可能にする、図5bに示される温度センサ17に接続されてもよい。温度センサは、たとえばサーミスタタイプである。

本発明によるデバイスの変形形態が、図7および図8に示される。

この塗布デバイス1は本体2を備え、それによって、ユーザはデバイスを保持することができる。本体は、たとえば、円筒形の、随意に着脱可能な底5によって一端を閉じられた中空体である。底5の対向端は、開いている。

デバイス1は塗布部材3を備え、塗布部材3の上に化粧品Pが設置されてもよい。塗布部材3は、本体の開口を閉鎖する板を形成する。この板は、板を本体に取り付けるための外周スカートを備えることができる。この取付けは、特に保持部材の内側へのアクセスを得ることを可能にするために、着脱可能であってもよい。この取付けは、スナップ篏合、ねじ止め、またはスリーブ嵌合によるなど、任意の知られている付着手段によって遂行することができる。

有利には、板は、高い熱伝導率を有する材料、たとえばステンレス鋼などの金属で作られる。板の表面は、図7のように平坦であってもよく、図8aのように凹面であってもよく、または図8bのように凸面であってもよい。表面は、このような特定の形状に限定されず、任意の他の形態をとることができることは明白である。

電気デバイスは、本体の内側に設置される。電気デバイスは、前述の変形形態において説明されたように、加熱抵抗器を備えるプリント回路を備える。このプリント回路は、塗布表面を加熱することができるように、板に面して設置される。たとえば、プリント回路は、板の、塗布表面の反対側の表面に接合される。

製品Pは、たとえば、図示されていない容器の中に含まれる。このデバイスを使用するために、ユーザは、製品を加熱するために、製品を指の上に取って加熱塗布表面に運ぶ。次いで、ユーザは、指を用いるか、または加熱された製品を含む塗布表面を皮膚に直接当てることによってデバイスを用いるかのいずれかによって、所望の場所に加熱された製品を塗布することができる。この場合、塗布表面は、特に塗布を改善するために、皮膚をマッサージすることを可能にする起伏(relief)を有することができる。

本発明によるデバイスの別の変形形態が、図9に示される。

この塗布デバイス1は、容器2を備える。容器は、底5によって一端を閉じられた中空体である。対向端は、容器内に含まれる製品Pのための送出オリフィスを画定するネックを備える。

デバイス1は、塗布部材を備える。塗布部材は、オリフィスを有する塗布表面を形成する板である。

塗布表面は、特に塗布を改善するために、皮膚をマッサージすることを可能にする起伏を有することができる。

板は、塗布表面から離れて軸方向に延びる、オリフィス周りの円筒形のスカートを備える。この円筒形のスカートは、容器の送出オリフィスの直径にほぼ等しい外径を有する。したがって、円筒形のスカートは、板のオリフィスを通して、一方では容器の中に通じ他方では塗布表面に通じる導管を形成するように、送出オリフィスの中にスリーブ嵌合されてもよい。

電気デバイスは、板の、塗布表面の反対側に面して設置される。電気デバイスは、たとえば板に接合される。

この電気デバイスは、塗布表面を加熱することができるように、前述の変形形態において説明されたように、加熱抵抗器を備えるプリント回路を備える。

このプリント回路は、板の円筒形のスカートが容器の方向に進むことを可能にする穴を有する。

中間部分が、たとえば外周スカートを備える板の縁、および容器のネックに取り付けられてもよい。この取付けは、スナップ篏合、ねじ止め、またはスリーブ嵌合によるなど、任意の知られている付着手段によって遂行することができる。

したがって、電気デバイスは、中間部分と板との間で保持される。

有利には、板は、高い熱伝導率を有する材料、たとえばステンレス鋼などの金属で作られる。

製品Pは、送出オリフィスが下方に向いているときに、重力の効果によって送出導管を通って流れることができる。柔軟な壁を有する容器の場合、容器の壁を押してその内部容積を減少させることによって、製品が、同様に送出オリフィスを通って流れ、それによって送出オリフィスを通して製品Pを塗布表面上に追い出すことができる。

したがって、ユーザは、製品を含む塗布表面を当てることによって、加熱された製品を所望の場所に塗布することができる。

本発明によるデバイスの別の変形形態が、図10ないし図12に示される。

リップスティック組成物など、液体状、ペースト状、または個体状の粘稠度の製品Pを送出するためのこのデバイス1は、製品Pを含む、一般に円筒形状の貯蔵器4を備える。貯蔵器4は、その上部に塗布末端部3を備える。

この塗布末端部3は、貯蔵器4と連通する多数の送出オリフィス36を備える塗布表面を有する。

デバイスは、製品Pを移動させるための機構を備える。

たとえば、機構は、押し出し機構であってよく、または回転機構であってよい。図示のデバイスは、回転機構を備える。

貯蔵器4は、ねじ式制御ロッド42が通過する中央穴を設けられた円形の底41を備える。内側にねじを切られた通路を備えるピストン43が、ねじ式ロッド42上に搭載され、このピストンは、制御ロッド42の回転動作のもとで、貯蔵器4の内側で平行移動で滑動し、それによって製品Pを排出させることができる。ロッド42は、底41で支持される円筒形のスカートの上で自由に回転するように搭載された、制御サムホイール44によって駆動される。サムホイール44は、円筒形状の中央シャフトを備え、中央シャフトの中にロッド42の自由端が取り付けられる。また、サムホイール44は、底41で支持されるスカートを取り囲む円筒形のスカートを備える。スカートは、互いに相互作用する環状リブ/環状スウェリングの対からなるスナップ篏合システムを設けられ、それによってサムホイール44は、回転が自由なままとなる。

本発明によれば、末端部は、製品を角質物質、たとえば皮膚または唇の上に塗布する前に、加熱エレメントと接触している製品の部分を加熱することを可能にする加熱電気デバイスを備える。

末端部は、塗布表面から離れて軸方向に延び、かつ板のオリフィスを通して、一方では容器の中に通じ他方では塗布表面に通じる、オリフィスおよび導管を備える板から形成される。

電気デバイスは、板の、塗布表面の反対側に面して設置される。

この電気デバイスは、前述の変形形態において説明されたように、加熱抵抗器を備えるプリント回路を備え、それによって塗布表面を加熱することができる。

このプリント回路は、板の導管が容器の方向に進むことを可能にする、板のオリフィスに対応する穴を有する。

また、同様に貫通された中間部分が、容器とプリント回路との間に取り付けられる。

それゆえ、加熱エレメントは、導管の中および塗布表面の上の製品を加熱しながら、容器の中の製品の一部分を5mm未満の深さまで加熱することを可能にする。

加熱エレメント10は、たとえば本体4の中に収納された電力供給源14に接続され、本体4は、たとえば、図10に示されるようにその外周面上に適切な筐体を備える。

加熱末端部はオリフィスを備え、熱の影響で軟化してそれゆえ粘稠性または流体性になった製品Pが、容易にオリフィスを通過することができ、一方で、製品Pは、固体またはペーストの形態においては、通過できないかまたは通過するのが困難である可能性がある。

オリフィスの数は2と100との間であってもよく、それらの断面は5mm²未満、さらには2mm²未満、さらには1mm²未満であってもよい。

また、このデバイスは、必要な製品の量、たとえば唇または皮膚に塗布するための量だけを加熱することによって、電力供給源に貯蔵されたエネルギーを節約することを可能にする。

本発明は、図示された例に限定されない。種々の例の特徴は、特に、図示されていない諸変形形態の間で組み合わされてもよい。

「1つを備える」という表現は、特に断らない限り、「少なくとも1つを備える」ことを意味するものと理解されるべきである。

1 塗布デバイス
2 保持部材、容器、本体
3 塗布部材、塗布末端部
4 貯蔵器、本体
5 底
10 電気デバイス、加熱要素
11 加熱要素、加熱抵抗器
12 プリント回路
13 導電性線路、導電体
14 電源、電力源、電力供給源
15 制御器、調整システム
16 スイッチ
17 温度センサ
21 溝
31 塗布部材の近位端
32 塗布部材の遠位端
33 リブ
34 コルゲート形状
35 塗布要素
36 送出オリフィス
41 底
42 ねじ式ロッド
43 ピストン
44 サムホイール

Claims (10)

1. 化粧品(P)のための塗布デバイス(1)であって、
   保持部材(2)と、
   前記製品を塗布するための表面を有する塗布部材(3)と、
   加熱電気エレメント(11)とを備え、
   前記加熱電気エレメントが、少なくとも部分的に、前記塗布部材の前記塗布表面と反対の表面と面するかまたは接触して配置されるプリント回路(12)上に搭載された少なくとも1つの抵抗器から形成され、かつ、前記プリント回路によって画定される平面上の前記抵抗器の正射影の表面積が、10mm²以下であることを特徴とする、塗布デバイス。
2. 前記射影の前記表面積が、6mm²以下であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品のための塗布デバイス。
3. 前記加熱エレメントが、並列に搭載された少なくとも2つの抵抗器を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の化粧品のための塗布デバイス。
4. 前記塗布部材の前記塗布表面の少なくとも一部分が、金属またはシリコーンで作られることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧品のための塗布デバイス。
5. 前記プリント回路が剛体であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧品のための塗布デバイス。
6. 前記抵抗器が、前記プリント回路の両面に搭載されることを特徴とする、請求項5に記載の化粧品のための塗布デバイス。
7. 5W・m^-1・K^-1より大きい熱伝導率を有する熱伝導性ペーストまたは熱伝導性接着剤が、前記抵抗器と前記塗布部材との間に挿入されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の化粧品のための塗布デバイス。
8. 前記加熱電気エレメントが、少なくとも1つのSMD(表面実装型デバイス)タイプの抵抗器から形成されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の化粧品のための塗布デバイス。
9. 前記塗布部材が、送出導管を形成するために、一方では前記塗布表面に開口し、他方では前記化粧品を入れるための容器の中に開口する導管を形成する少なくとも1つのチューブを備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の化粧品のための塗布デバイス。
10. 前記抵抗器が、前記送出導管を加熱するために前記チューブの近くに配列されることを特徴とする、請求項9に記載の化粧品のための塗布デバイス。

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