JP5855303B1 - スペーサ及びスペーサの設計方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】送電線にサブスパン振動が生じた際に、クランプされている部分に作用する外力を軽減すること。【解決手段】スペーサ(1)は、複数の送電線(10)を個別に把持する複数のクランプ(2)と、各クランプに把持される送電線の間隔をあけた状態で各クランプを支持する支持体(3)と、クランプと支持体とを連結し、支持体に対してクランプを可動とする連結体(4)とを備えており、連結体は、支持体に設けられた筐体(41)と、筐体に回転自在に嵌合し、複数の凸部(42b)を有する軸体(42)と、筐体と軸体との間に設けられた弾性体(43)と、を備え、凸部は、軸体の軸線方向に直交する断面が当該軸線方向において略同一形状である。【選択図】図4
Description
本発明は、複数の送電線を互いに接触しないように間隔をあけて把持するスペーサ及びスペーサの設計方法に関する。
多導体送電線においては、送電線同士の衝突による損傷を防止するために間隔体としてスペーサが用いられる。しかしながら、スペーサ間の送電線は、風によって低周波で比較的大振幅の自励振動であるサブスパン振動を発生する場合があり、送電線やスペーサの損傷の原因となる。
スペーサは、各送電線を個別に把持する複数のクランプと、各クランプを所定の間隔をあけた状態で支持する支持体と、クランプと支持体とを連結する連結体とを備えている。
連結体は、箱状接続部から構成され、箱状接続部はこの接続部の半部を両端に有する複数の棒状体を組み合わせてなり、凹部に弾性体が係合されている。送電線の振動のエネルギーは、弾性体の弾性変形により吸収することができる(例えば、特許文献1参照)。
スペーサは、各送電線を個別に把持する複数のクランプと、各クランプを所定の間隔をあけた状態で支持する支持体と、クランプと支持体とを連結する連結体とを備えている。
連結体は、箱状接続部から構成され、箱状接続部はこの接続部の半部を両端に有する複数の棒状体を組み合わせてなり、凹部に弾性体が係合されている。送電線の振動のエネルギーは、弾性体の弾性変形により吸収することができる(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記のような連結体では、送電線に外力が作用した際に、クランプが線路方向に可動出来ず電線の動きに追従出来ないため、その力を逃がすことができず、送電線のクランプされている部分に大きな力が作用してしまい、クランプが破損するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、送電線にサブスパン振動が生じた際に、クランプされている部分に作用する外力を軽減することができるスペーサ及びスペーサの設計方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、複数の送電線を個別に把持する複数のクランプと、各クランプに把持される送電線の間隔をあけた状態で各クランプを支持する支持体と、前記クランプと前記支持体とを連結し、前記支持体に対して前記クランプを可動とする連結体とを備えるスペーサであって、前記連結体は、前記支持体に設けられた筐体と、前記筐体に回転自在に嵌合し、複数の凸部を有する軸体と、前記筐体と前記軸体との間に設けられた弾性体と、を備え、前記凸部は、前記軸体の軸線方向に直交する断面が当該軸線方向において略同一形状であることを特徴とする。
また、前記軸体は、軸線回りに沿って設けられた複数の凸部を有し、隣接する凸部間に前記ブッシュが設けられていることが好ましい。
また、前記筐体は、前記軸体を軸線回りに回転自在に収容する第1の収容部と、前記第1の収容部に連通されると共に前記第1の収容部の外側に形成され、前記弾性体の一部を収容する第2の収容部と、を有することが好ましい。
また、前記連結体の捻れ剛性値が127〜180N・m/radであることが好ましい。
また、前記弾性体は、ゴムで形成されていることが好ましい。
また、前記弾性体は、JISa型硬度が62〜66であることが好ましい。
本発明は、複数の送電線を個別に把持する複数のクランプと、各クランプに把持される送電線の間隔をあけた状態で各クランプを支持する支持体と、前記クランプと前記支持体とを連結し、前記支持体に対して前記クランプを可動とする連結体とを備え、前記連結体は、前記支持体に設けられた筐体と、前記筐体に回転自在に嵌合し、複数の凸部を有する軸体と、前記筐体と前記軸体との間に設けられた弾性体と、を備えるスペーサの設計方法であって、前記凸部を、前記軸体の軸線方向に直交する断面が当該軸線方向において略同一形状となるように設計し、前記連結体の捻れ剛性値を127〜180N・m/radとして設計することを特徴とする。
本発明によれば、送電線にサブスパン振動が生じた際に、クランプされている部分に作用する外力を軽減することができる。
この発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施形態は一つの例示であり、本発明の範囲において、種々の実施形態をとり得る。
<スペーサの構成>
図1は、スペーサの正面図である。図2は、送電線を把持するスペーサの平面図である。図3は、連結体の構成を示す正面図である。スペーサ1は、複数の送電線10を互いに接触しないようにそれぞれ個別に把持するものである。
スペーサ1は、クランプ2と、支持体3と、連結体4とを備えている。
図1は、スペーサの正面図である。図2は、送電線を把持するスペーサの平面図である。図3は、連結体の構成を示す正面図である。スペーサ1は、複数の送電線10を互いに接触しないようにそれぞれ個別に把持するものである。
スペーサ1は、クランプ2と、支持体3と、連結体4とを備えている。
(クランプ)
図1、図2に示すように、クランプ2は、送電線10を把持するものであり、例えば、支持体3に対して4つ設けられている。これにより、1つのスペーサ1で4本の送電線10を把持することができる。なお、クランプ2は、4つに限らず、把持すべき送電線10の本数に応じて自由に変更可能である。クランプ2は、例えば、鉄、アルミニウム等の金属から形成されている。
図1、図2に示すように、クランプ2は、送電線10を把持するものであり、例えば、支持体3に対して4つ設けられている。これにより、1つのスペーサ1で4本の送電線10を把持することができる。なお、クランプ2は、4つに限らず、把持すべき送電線10の本数に応じて自由に変更可能である。クランプ2は、例えば、鉄、アルミニウム等の金属から形成されている。
各クランプ2は、支持体3に連結される第1の腕部21と、この第1の腕部21に連結される第2の腕部22とを備えている。第1の腕部21及び第2の腕部22の先端側には、断面が円形状の送電線10を収容する半円形状の凹部21a,22aが形成されている。クランプ2が閉じた際、すなわち、第2の腕部22が第1の腕部21に接近した際には、それぞれの凹部21a,22a同士が向かい合い、送電線10を挟み込むことができる。第1の腕部21及び第2の腕部22には、ボルトBを挿通する孔21b,22b(図3参照)が形成されており、送電線10を両腕部21,22で挟み込んだ状態で、両腕部21,22にボルトBを挿通し、ナットNで締結することにより、送電線10を把持した状態を維持することができる。第1の腕部21と第2の腕部22とは、ボルトB及びナットNにより連結されるので、送電線10の太さに応じてボルトBに対するナットNの締結位置を変えることが可能となっている。
(支持体)
図1、図2に示すように、支持体3は、クランプ2を支持するものであり、例えば、4つのクランプ2を支持するために、正面視十字形状に形成されている。すなわち、支持体3は、一つの中心部31と、この中心部31に対して4方向に放射状に延出する延出部32とを有しており、互いに隣接する延出部32は、その延出方向が直交している。これは、各送電線10間に最大距離を保つための構成である。支持体3は、例えば、鉄、アルミニウム等の金属から形成されている。
図1、図2に示すように、支持体3は、クランプ2を支持するものであり、例えば、4つのクランプ2を支持するために、正面視十字形状に形成されている。すなわち、支持体3は、一つの中心部31と、この中心部31に対して4方向に放射状に延出する延出部32とを有しており、互いに隣接する延出部32は、その延出方向が直交している。これは、各送電線10間に最大距離を保つための構成である。支持体3は、例えば、鉄、アルミニウム等の金属から形成されている。
(連結体)
図4は、連結体の斜視図である。図5は、軸体の平面図である。図6は、連結体を断面視したスペーサの一部の側面図である。
図3〜図5に示すように、連結体4は、各支持体3の延出部32の先端に設けられている。連結体4は、捻れ剛性値が127〜180N・m/radとなるように設計されている。連結体4は、支持体4に設けられた筐体41と、筐体41に回転自在に嵌合された軸体42と、筐体41と軸体42との間に設けられたブッシュ43とを備えている。
図4は、連結体の斜視図である。図5は、軸体の平面図である。図6は、連結体を断面視したスペーサの一部の側面図である。
図3〜図5に示すように、連結体4は、各支持体3の延出部32の先端に設けられている。連結体4は、捻れ剛性値が127〜180N・m/radとなるように設計されている。連結体4は、支持体4に設けられた筐体41と、筐体41に回転自在に嵌合された軸体42と、筐体41と軸体42との間に設けられたブッシュ43とを備えている。
図3、図4に示すように、筐体41は、例えば、鉄、アルミニウム等の金属から形成されており、支持体3の延出部32の先端において、支持体3と一体に形成されている。もちろん、筐体41を支持体3と一体に形成する必要はなく、支持体3と筐体41を別個に形成し、締結具より連結してもよい。筐体41には、軸体42を軸線回りに回転自在に収容する第1の収容部41aが形成されている。具体的には、第1の収容部41aは、筐体41に形成された開口面が円形状の貫通孔であり、支持体3の延出部32の延出方向に直交する方向に沿って貫通するように形成されている。筐体41における第1の収容部41aの外側には、ブッシュ43の一部を収容する第2の収容部41bが形成されている。第2の収容部41bは、第1の収容部41aに連通されており、円弧状に外側に張り出している。第2の収容部41bは、その幅方向の中心を通る直線が、第1の収容部41aの中心軸線上において直交するように、第1の収容部41aの中心軸線から見て90°おきに形成されている。
図3〜図5に示すように、軸体42は、例えば、鉄、アルミニウム等の金属から形成されており、正面視略十字形状に形成されている。軸体42は、筐体41に形成された第1の収容部41aに回転自在に収容される。軸体42は、回転軸となる円柱状の芯材42aと、この芯材42aの周方向に沿って等間隔に設けられた凸部42bとを有している。
芯材42aの中心(回転軸心)には、ボルトB2を挿通する孔が形成されており、この孔にボルトB2を通してクランプ2とナットN2にて締結される。
凸部42bは、芯材42aの径方向に沿って外側に延出しており、基端から先端に向かうにつれて幅が徐々に狭くなるように形成されている。凸部42bは、その幅方向の中心を通る直線が、芯材42aの中心軸線と直交するように、芯材42aの中心軸線から見て90°おきに形成されている。凸部42bは、軸体42の軸線方向一端から他端にわたって同じ幅となるように形成されている。すなわち、凸部42bは、軸体42の軸線方向に直交する横断面が、軸体42の軸線方向のどの位置でも同じ形状となるように形成されている。凸部42bにおける軸線方向両端部には、クランプ2の連結時に位置決めをするピン42cが設けられている。ピン42cは、凸部42bに一体に形成されていてもよいし、別個に形成されていてもよい。従って、図6に示すように、軸体42は、その軸線方向両端部をクランプ2によって挟み込まれており、このとき、ピン42cは、クランプ2に挿通されている。そして、一方のクランプ2からボルトB2を挿入し、軸体42及び他方のクランプ2に挿通した後、他方のクランプ2側からナットN2にてボルトB2と締結する。これによって、クランプ2と支持体3とを連結することができる。
芯材42aの中心(回転軸心)には、ボルトB2を挿通する孔が形成されており、この孔にボルトB2を通してクランプ2とナットN2にて締結される。
凸部42bは、芯材42aの径方向に沿って外側に延出しており、基端から先端に向かうにつれて幅が徐々に狭くなるように形成されている。凸部42bは、その幅方向の中心を通る直線が、芯材42aの中心軸線と直交するように、芯材42aの中心軸線から見て90°おきに形成されている。凸部42bは、軸体42の軸線方向一端から他端にわたって同じ幅となるように形成されている。すなわち、凸部42bは、軸体42の軸線方向に直交する横断面が、軸体42の軸線方向のどの位置でも同じ形状となるように形成されている。凸部42bにおける軸線方向両端部には、クランプ2の連結時に位置決めをするピン42cが設けられている。ピン42cは、凸部42bに一体に形成されていてもよいし、別個に形成されていてもよい。従って、図6に示すように、軸体42は、その軸線方向両端部をクランプ2によって挟み込まれており、このとき、ピン42cは、クランプ2に挿通されている。そして、一方のクランプ2からボルトB2を挿入し、軸体42及び他方のクランプ2に挿通した後、他方のクランプ2側からナットN2にてボルトB2と締結する。これによって、クランプ2と支持体3とを連結することができる。
図3、図4、図6、図8のような構造・動きに示すように、ブッシュ43は、連結部4に弾性効果・減衰効果(ダンパー効果)を持たせるものである。ブッシュ43は、例えば、ゴム等の弾性変形自在な材料(弾性体)から形成されており、円柱状に形成されている。ブッシュ43は、例えば、20℃の環境下において、JIS規格のa型硬度(JIS K6301−1975)が62〜66の範囲内にあるゴム材料、特に、同規格の硬度が64であることが好ましい。ブッシュ43は、筐体41の第1の収容部41aに収容されている軸体42における隣接する凸部42bの間に設けられている。従って、ブッシュ43は、凸部42bと同じ数だけ設けられている。ブッシュ43は、第1の収容部41aだけでなく、その一部が第2の収容部41bに収容されている。すなわち、ブッシュ43は、第2の収容部41bに収容されているので、軸体42が自由に回転することを抑えている。
<連結体の捻れ剛性値の算出方法(スペーサの設計方法)>
次に、上記のスペーサ1における連結体4の捻れ剛性値の算出方法について説明する。なお、以下において、変位、荷重の測定値は、IEC61854 7.5.5Characterisation of the elastic and damping properties A)stiffness-damping methodで規定されている剛性減衰試験に基づくものである。
連結体4に求められる捻れ剛性値は、送電線10の振動により発生する力に基づいて算出される。
例えば、図7に示すように、送電線10を把持するスペーサ1の取り付け間隔を70mとし、図8に示すように、クランプ2の振れ角(可動角)を自然状態(支持体3の延出部32の延出方向に沿った状態)を基準として±9.6°として捻れ剛性値の下限値を算出する。
スペーサ1間において送電線が振動した場合において、隣接する送電線が接触しない最大の片側の振幅を100mmとすると、スペーサ1にかかる荷重Fは、以下の式(1)で算出することができる。
F=√2×(A/1000)・π・T・g/L1 ・・・(1)
ここで、
F:スペーサにかかる荷重(N)
A:片振幅(100mm)
L1:隣接するスペーサとの間隔(m)
π:円周率
T:張力(2525kgf)
g:重力加速度(m/sec2)
である。
図9は、上記の式(1)から算出したスペーサ1の取り付け間隔L1とスペーサ1にかかる荷重Fとの関係を示すグラフであり、スペーサ1の取り付け間隔L1が70mの場合のスペーサ1にかかる荷重は、157Nとなる。
次に、上記のスペーサ1における連結体4の捻れ剛性値の算出方法について説明する。なお、以下において、変位、荷重の測定値は、IEC61854 7.5.5Characterisation of the elastic and damping properties A)stiffness-damping methodで規定されている剛性減衰試験に基づくものである。
連結体4に求められる捻れ剛性値は、送電線10の振動により発生する力に基づいて算出される。
例えば、図7に示すように、送電線10を把持するスペーサ1の取り付け間隔を70mとし、図8に示すように、クランプ2の振れ角(可動角)を自然状態(支持体3の延出部32の延出方向に沿った状態)を基準として±9.6°として捻れ剛性値の下限値を算出する。
スペーサ1間において送電線が振動した場合において、隣接する送電線が接触しない最大の片側の振幅を100mmとすると、スペーサ1にかかる荷重Fは、以下の式(1)で算出することができる。
F=√2×(A/1000)・π・T・g/L1 ・・・(1)
ここで、
F:スペーサにかかる荷重(N)
A:片振幅(100mm)
L1:隣接するスペーサとの間隔(m)
π:円周率
T:張力(2525kgf)
g:重力加速度(m/sec2)
である。
図9は、上記の式(1)から算出したスペーサ1の取り付け間隔L1とスペーサ1にかかる荷重Fとの関係を示すグラフであり、スペーサ1の取り付け間隔L1が70mの場合のスペーサ1にかかる荷重は、157Nとなる。
スペーサ1にかかる荷重が上記の157Nとなる場合の捻れ剛性値Gは、モーメントを与えたときの回転角より求めることができるため、隣接するクランプ2の送電線10の把持部間の距離を450mmとすると、以下の式(2)で算出することができる。
G=F×L2/θ ・・・(2)
ここで、
G:連結体の捻れ剛性値(N・m/rad)
F:スペーサにかかる荷重(157N)
L2:クランプされる送電線の中心から軸体の回転軸心までの距離(0.135m)
θ:クランプの振れ角(rad)
である。
図10は、クランプ2の振れ角と連結体4の捻れ剛性値との関係を示した図である。
クランプ2の振れ角±9.6°における捻れ剛性値は127N・m/radとなる。IECの規格では捻れ剛性値のバラツキが±20%まで許容されており、クランプ2の振れ角±9.6°の場合の捻れ剛性値に+20%した捻れ剛性値として160N・m/radを設計値とすることが好ましい。
G=F×L2/θ ・・・(2)
ここで、
G:連結体の捻れ剛性値(N・m/rad)
F:スペーサにかかる荷重(157N)
L2:クランプされる送電線の中心から軸体の回転軸心までの距離(0.135m)
θ:クランプの振れ角(rad)
である。
図10は、クランプ2の振れ角と連結体4の捻れ剛性値との関係を示した図である。
クランプ2の振れ角±9.6°における捻れ剛性値は127N・m/radとなる。IECの規格では捻れ剛性値のバラツキが±20%まで許容されており、クランプ2の振れ角±9.6°の場合の捻れ剛性値に+20%した捻れ剛性値として160N・m/radを設計値とすることが好ましい。
設計値の捻れ剛性値160N・m/radを満たすスペーサ1とするため、連結体4には、上述したように、ゴム製のブッシュ43を使用してクランプ2に減衰効果を持たせている。
図11は、筐体41に形成された第1の収容部41a及び第2の収容部41bの容積から軸体42とブッシュ43との体積を除いた隙間の容積のイメージを示した図である。
図11に示すような隙間の容積を変化させることにより、連結体4の捻れ剛性値を変化させることができる。
図12は、筐体41の両収容部41a,41b全体の容積に対する隙間の容積の割合と捻れ剛性値との関係について示した図であり、実験により得られた値に基づいて、近似線を描いたグラフである。
図12に示すように、捻れ剛性値100の場合の隙間容積を100%とし、算出した捻れ剛性値160N・m/radに達する隙間の容積の割合は70.4%となる。
図11は、筐体41に形成された第1の収容部41a及び第2の収容部41bの容積から軸体42とブッシュ43との体積を除いた隙間の容積のイメージを示した図である。
図11に示すような隙間の容積を変化させることにより、連結体4の捻れ剛性値を変化させることができる。
図12は、筐体41の両収容部41a,41b全体の容積に対する隙間の容積の割合と捻れ剛性値との関係について示した図であり、実験により得られた値に基づいて、近似線を描いたグラフである。
図12に示すように、捻れ剛性値100の場合の隙間容積を100%とし、算出した捻れ剛性値160N・m/radに達する隙間の容積の割合は70.4%となる。
<作用、効果>
以上のようなスペーサ1によれば、軸体42の凸部42bは、軸体42の軸線方向に直交する断面が軸線方向のどの位置でも同じ形状である、すなわち、凸部42bの先端部は、軸体42の軸線方向に沿って一定の幅を有している。これにより、図13に示す現用の軸体100の平面形状のような凸部101とは異なり、軸体42の軸線方向両端部において、ブッシュ43が強く圧縮されることがなく、送電線10に外力が作用した際に、その力を逃がすことができないといった問題を解消することができる。また、軸体42の両端部におけるブッシュ43による押圧力が小さくなるので、クランプ2が図6における矢印Aの方向に動きやすくなり、クランプ2が送電線10の振動に追随しやすくなり、送電線10に無理な負荷をかけることがなくなる。また、凸部42bの形状がシンプルになるので、凸部42bの形成も従来に比べて容易となり、スペーサ1の製造コストを低減することもできる。
送電線10が振動した場合、振動による外力が送電線10を把持するスペーサ1にも作用するが、連結体4の軸体42の凸部42bの間にゴム製のブッシュ43を設けることにより、連結体4に伝わってきた振動をブッシュ43で減衰することができる。
第2の収容部41bには、ブッシュ43の一部だけが収容されるので、送電線10から伝わる振動による外力は、第2の収容部41bの内壁にブッシュ43が接触して変形することにより吸収される。これにより、送電線10を把持しているクランプ2にかかる外力を軽減することができる。
図9、図10、図12のグラフ及び式(1)、式(2)を用いることにより、送電線10の振動から発生する力に基づいて連結体4に必要な捻れ剛性値を算出することができるので、従来のように試行錯誤による設計を行う必要がなくなり、設計効率を向上することができる。
スペーサ1の設計において、連結体4の捻れ剛性値を127〜180Nm/radとすることで、比較的大きいクランプ2の振れ角である9.6°においても剛性を保持することができる。
ブッシュ43を形成するゴムのJISa型硬度を62〜66とすることで、送電線10の振動エネルギーを吸収し、かつクランプ2の破損を低減することができる。
以上のようなスペーサ1によれば、軸体42の凸部42bは、軸体42の軸線方向に直交する断面が軸線方向のどの位置でも同じ形状である、すなわち、凸部42bの先端部は、軸体42の軸線方向に沿って一定の幅を有している。これにより、図13に示す現用の軸体100の平面形状のような凸部101とは異なり、軸体42の軸線方向両端部において、ブッシュ43が強く圧縮されることがなく、送電線10に外力が作用した際に、その力を逃がすことができないといった問題を解消することができる。また、軸体42の両端部におけるブッシュ43による押圧力が小さくなるので、クランプ2が図6における矢印Aの方向に動きやすくなり、クランプ2が送電線10の振動に追随しやすくなり、送電線10に無理な負荷をかけることがなくなる。また、凸部42bの形状がシンプルになるので、凸部42bの形成も従来に比べて容易となり、スペーサ1の製造コストを低減することもできる。
送電線10が振動した場合、振動による外力が送電線10を把持するスペーサ1にも作用するが、連結体4の軸体42の凸部42bの間にゴム製のブッシュ43を設けることにより、連結体4に伝わってきた振動をブッシュ43で減衰することができる。
第2の収容部41bには、ブッシュ43の一部だけが収容されるので、送電線10から伝わる振動による外力は、第2の収容部41bの内壁にブッシュ43が接触して変形することにより吸収される。これにより、送電線10を把持しているクランプ2にかかる外力を軽減することができる。
図9、図10、図12のグラフ及び式(1)、式(2)を用いることにより、送電線10の振動から発生する力に基づいて連結体4に必要な捻れ剛性値を算出することができるので、従来のように試行錯誤による設計を行う必要がなくなり、設計効率を向上することができる。
スペーサ1の設計において、連結体4の捻れ剛性値を127〜180Nm/radとすることで、比較的大きいクランプ2の振れ角である9.6°においても剛性を保持することができる。
ブッシュ43を形成するゴムのJISa型硬度を62〜66とすることで、送電線10の振動エネルギーを吸収し、かつクランプ2の破損を低減することができる。
1 スペーサ
2 クランプ
3 支持体
4 連結体
10 送電線
41 筐体
41a 第1の収容部
41b 第2の収容部
42 軸体
42a 芯材
42b 凸部
43 ブッシュ(弾性体)
2 クランプ
3 支持体
4 連結体
10 送電線
41 筐体
41a 第1の収容部
41b 第2の収容部
42 軸体
42a 芯材
42b 凸部
43 ブッシュ(弾性体)
Claims (7)
- 複数の送電線を個別に把持する複数のクランプと、各クランプに把持される送電線の間隔をあけた状態で各クランプを支持する支持体と、前記クランプと前記支持体とを連結し、前記支持体に対して前記クランプを可動とする連結体とを備えるスペーサであって、
前記連結体は、前記支持体に設けられた筐体と、前記筐体に回転自在に嵌合し、複数の凸部を有する軸体と、前記筐体と前記軸体との間に設けられた弾性体と、を備え、
前記凸部は、前記軸体の軸線方向に直交する断面が当該軸線方向において略同一形状であり、
前記クランプを前記軸体の定位置に連結するピンを備えることを特徴とするスペーサ。 - 前記軸体は、軸線回りに沿って設けられた複数の凸部を有し、
隣接する凸部間にブッシュが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスペーサ。 - 前記筐体は、前記軸体を軸線回りに回転自在に収容する第1の収容部と、前記第1の収容部に連通されると共に前記第1の収容部の外側に形成され、前記弾性体の一部を収容する第2の収容部と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のスペーサ。
- 前記連結体の捻れ剛性値が127〜180N・m/radであることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載のスペーサ。
- 前記弾性体は、ゴムで形成されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載のスペーサ。
- 前記弾性体は、JISa型硬度が62〜66であることを特徴とする請求項5に記載のスペーサ。
- 複数の送電線を個別に把持する複数のクランプと、各クランプに把持される送電線の間隔をあけた状態で各クランプを支持する支持体と、前記クランプと前記支持体とを連結し、前記支持体に対して前記クランプを可動とする連結体とを備え、前記連結体は、前記支持体に設けられた筐体と、前記筐体に回転自在に嵌合し、複数の凸部を有する軸体と、前記筐体と前記軸体との間に設けられた弾性体と、を備えるスペーサの設計方法であって、
前記凸部を、前記軸体の軸線方向に直交する断面が当該軸線方向において略同一形状とし、前記クランプをピンによって前記軸体の定位置に連結し、
前記連結体の捻れ剛性値を127〜180N・m/radとして設計することを特徴とするスペーサの設計方法。
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