JP5854994B2 - 酸性水中油型乳化食品 - Google Patents

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Description

本発明は、解凍後も安定な乳化状態を有した冷凍耐性に優れた酸性水中油型乳化食品に関する。
マヨネーズや半固体状乳化ドレッシングなどの酸性水中油型乳化食品は、日常の食生活で広く親しまれている。このような酸性水中油型乳化食品の代表的な用途としてはサラダがあるが、近年、その用途が拡大され、冷凍惣菜などの冷凍食品でも利用されている。また、各家庭においても、酸性水中油型乳化食品を用いた食品を冷凍保存し、解凍あるいは温めて食することがなされている。
このため、酸性水中油型乳化食品には、冷凍して解凍した後にも安定した乳化状態を維持すること、即ち、冷凍耐性を備えることが望まれており、冷凍耐性の向上を意図した種々の酸性水中油型乳化食品が提案されている。
例えば、酸性水中油型乳化食品の冷凍耐性を向上させるために、脱糖処理および65℃以上の熱蔵処理が施された乾燥卵白であって、乾燥卵白水溶液(乾燥卵白1部に対し清水7部)の加熱凝固物の離水率が4%以下のものと、キサンタンガムなどのガム質を酸性水中油型乳化食品に配合すること(特許文献1)や、油脂成分としてパーム系油脂と特定の脂肪酸組成の油脂を組み合わせて使用すること(特許文献2)などが提案されている。
特開2009-61号公報 特許第2996793号公報
本発明は、より一層冷凍耐性が向上した酸性水中油型乳化食品を提供することを目的とする。
本発明者は、水相に、澱粉を非溶解状態の粒子として特定の粒子径で分散させ、かつ油脂成分として、2種以上の食用油脂を含有させると、意外にも油滴同士の結合を抑制することができ、冷凍耐性が顕著に向上すること、また、非溶解状態の粒子が分散しているにもかかわらず食感に影響を与えないことを見いだした。
即ち、本発明は、酸性水中油型乳化食品であって、水相に、非溶解状態で分散している平均粒子径3〜60μmの澱粉粒子を含有し、また水相中の油滴に2種以上の食用油脂を含有し、該油滴の平均粒子径が1〜20μm、該油滴の平均粒子径と該澱粉粒子の平均粒子径との比が(5〜600)/100である酸性水中油型乳化食品を提供する。
また、この酸性水中油型乳化食品の製造方法として、澱粉粒子が分散した水相の温度を、該澱粉粒子が完全には溶解しない温度以下とする酸性水中油型乳化食品の製造方法を提供する。
本発明によれば、解凍後も安定な乳化状態を有する酸性水中油型乳化食品を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
本発明において酸性水中油型乳化食品とは、食用油脂が油滴として水相中に略均一に分散して水中油型の乳化状態が形成され、pHが酸性に調整されたものである。好ましくは、常温流通を可能ならしめるため、pHは4.6以下に調整される。このような酸性水中油型乳化食品であって、粘度が30Pa・s以上に調整されたものに、マヨネーズ、マヨネーズ類、半固体状乳化ドレッシング等がある。
本発明の水中油型乳化食品では、常温において、水相に油滴が乳化分散しているだけでなく、澱粉粒子が非溶解状態で分散している。ここで、澱粉粒子を形成する澱粉としては、常温(15〜25℃)で水に不溶性又は難溶性で加熱により溶解する生澱粉もしくは架橋澱粉をあげることができる。好ましくは、その略1wt%水分散液を55℃に加熱後20℃に冷却したときの粘度が、同水分散液を90℃に加熱後20℃に冷却したときの粘度の80%未満となる粘度特性を有するものである。
この粘度特性は、より具体的には、澱粉の水分散液を室温で0.1〜3wt%の範囲内に調製し、それを加熱撹拌下で55℃に加熱し、55℃に達温後20℃の室内に静置し、20℃に冷却されたときに測定した粘度と、加熱温度を90℃として同様に加熱冷却後に測定した粘度とから算出される。
このような粘度特性を満たす生澱粉としては、加熱溶解性の生澱粉、具体的には、米澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉等をあげることができる。また、架橋澱粉は、澱粉分子中の水酸基のうちいくつかを架橋処理したものであり、架橋方法としては、アセチル化アジピン酸架橋や、アセチル化リン酸架橋等が挙げられる。架橋澱粉の原料となる澱粉の種類には特に限定はなく、例えば、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ(例えば、スイートコーン由来、デントコーン由来、ワキシーコーン由来のコーンスターチ)、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、米澱粉等をあげることができる。本発明においては、これらの1種又は複数種を合わせて使用することができる。
なお、上述の澱粉であっても、精製法、加工処理方法等によって冷水可溶性ないし常温可溶性を示すものは、その粒子を水相において非溶解状態で分散させることができないので好ましくない。
また、本発明において、澱粉粒子を形成する澱粉としては、上述の架橋処理により、本来の澱粉粒子の糊化温度以上に加熱されても、架橋により澱粉粒の崩壊が抑制されて粒子状態を維持する架橋澱粉を用いてもよい。
本発明において水相に、非溶解状態の澱粉粒子が分散しているとは、水相に含まれている澱粉の全てが非溶解状態で粒子となっていることは必ずしも必要ではなく、一部、好ましくは全てが非溶解状態で分散していればよい。
本発明において、水相で非溶解状態で分散している澱粉粒子の平均粒子径は3〜60μmである。澱粉粒子の平均粒子径がこの範囲より小さかったり、大きかったりすると冷凍耐性を十分に向上させることができず、好ましくない。
ここで、澱粉粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡で酸性水中油型乳化食品を観察し、酸性水中油型乳化食品中の100個の澱粉の粒子について粒子径を測定し、その平均値を算出して計測することができる。
なお、水相に非溶解状態で分散している澱粉粒子の平均粒子径は、原料となる澱粉の種類や架橋方法、さらに架橋度の影響を受ける。即ち、糊化温度以上に加熱されることなく水相に非溶解状態で分散した澱粉粒子の平均粒子径は、主に、原料となる澱粉の由来に依存する。一方、本来の澱粉粒子の糊化温度以上に加熱されても、架橋により澱粉粒の崩壊が抑制されて粒子状態を維持する架橋澱粉の場合、その水分散液での平均粒子径は主に原料となる澱粉の粉粒の大きさと架橋度に依存する。そこで本発明においては、原料となる澱粉の種類、精製法、架橋度等により異なる種々の平均粒子径の澱粉粒子の中から、平均粒子径が前述の範囲のものを適宜選択したり、フルイにより濾別して使用する。
本発明の酸性水中油型乳化食品において、上述の澱粉の配合割合は、当該澱粉の種類にもよるが、無水換算で0.01〜20%が好ましく、より好ましくは0.1〜10%である。澱粉の配合量が少なすぎると冷凍耐性を十分に向上させることができず、反対に多すぎると酸性水中油型乳化食品に滑らかな食感を与え難くなる。
一方、油滴を構成する食用油脂は、2種以上の食用油脂、好ましくは油脂原料の異なる2種以上の食用油脂とする。融点や凝固点が単一の食用油脂の場合、冷凍時に乳化物中の油脂結晶が粗大化して乳化膜を破り、乳化破壊を起こし、特に、乳化膜中の油脂が単一組成であったり、脂肪酸組成が同種であったりする場合には、油脂結晶の粗大化が生じ易いと考えられる。これに対し、2種以上の油脂の混合物では、乳化破壊が起こりにくく、冷凍耐性が向上する。
2種以上の食用油脂としては、双方とも常温(15〜25℃)で液状の油脂とすることが好ましい。常温で液状の食用油脂としては、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油等の植物油又はこれらの精製油、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)等のような化学的あるいは酵素処理等を施して得られる油脂等をあげることができる。常温で液状の食用油脂を使用することにより、パーム油等の常温で固体の食用油脂を使用する場合に比して油滴の粒子径をコントロールしやすい。
2種以上の食用油脂同士の配合割合としては、冷凍耐性を十分に向上させる点から、1種類の食用油脂を、食用油脂の合計配合量に対して少なくとも1%以上配合することが好ましく、5%以上配合することが好ましい。例えば、2種の場合、1:99〜99:1の比率とすることが好ましく、5:95〜95:5の比率とすることが好ましい。また、酸性水中油型乳化食品における油脂の合計量としては、当該油脂の種類にもよるが、冷凍耐性を十分に向上させる点から、50%以下が好ましく、より好ましくは40%以下である。油脂の配合割合が多いほど、冷凍と解凍により油脂が分離しやすくなるためである。また、油脂の配合量が少ないと冷凍と解凍による油脂の分離は生じにくくなるが、少なすぎると酸性水中油型乳化食品のコクがなくなるため、本発明においては、油脂の配合割合は5%以上が好ましい。
また、本発明の酸性水中油型乳化食品では、油滴の平均粒子径を1〜20μmとし、油滴の平均粒子径と前述の澱粉粒子の平均粒子径との比が(5〜600)/100、好ましくは(5〜300)/100である。ここで、油滴の平均粒子径は、光学顕微鏡で酸性水中油型乳化食品を観察し、酸性水中油型乳化食品中の100個の澱粉粒子について粒子径を測定し、その平均値を算出して計測することができる。油滴の平均粒子径が20μmよりも大きく、油滴の平均粒子径と前述の澱粉粒子の平均粒子径との比が600/100より大きくなると冷凍耐性を十分に向上させ難い場合があるので好ましくない。反対に、油滴の平均粒子径が1μmよりも小さく、かつ油滴の平均粒子径と前述の澱粉粒子の平均粒子径との比が5/100より小さくなると微細な乳化状態とするための製造コストの上昇に見合うだけの耐冷凍性の向上効果が得られ難い傾向がある。
なお、油滴の粒子径や、油滴の粒子径をこのように調整する方法としては、食用油脂を乳化するときのミキサーの種類を変更したり、撹拌条件を調整したりする方法等をあげることができる。
本発明の酸性水中油型乳化食品は、乳化材として、卵黄、全卵、液卵白、乾燥卵白、乳蛋白、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、オクテニルコハク酸化澱粉などを含有することができる。ここで、卵黄としては、鶏卵を割卵し卵白と分離して得られた生卵黄、生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、濾過処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、ホスフォリパーゼ又はプロテアーゼ等による酵素処理、酵母またはグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理又は亜臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖類等の混合処理等の1種または2種以上の処理を施したものなどをあげることができる。乾燥卵白としては、脱糖処理および65℃以上の熱蔵処理が施されたものが好ましい。冷凍耐性向上の点から、卵黄と、乾燥卵白及び/又は乳蛋白とを併用することがより好ましい。
また、本発明の酸性水中油型乳化食品は、酸性水中油型乳化食品に通常用いられている各種原料を適宜選択して含有させることができる。例えば、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉等の澱粉、これらの澱粉をアルファ化、架橋などの処理を施した加工澱粉、並びに湿熱処理澱粉などの澱粉類、澱粉分解物などの糖類、食酢、クエン酸、乳酸、レモン果汁などの酸味材、グルタミン酸ナトリウム、食塩、砂糖などの各種調味料、動植物のエキス類、からし粉、胡椒などの香辛料、並びに各種蛋白質やこれらの分解物等をあげることができる。
本発明の酸性水中油型乳化食品は、常温で水相に非溶解状態で分散する澱粉を水相又は油相に分散し、常法により水相原料と油相原料を混合乳化することにより、あるいは水相と油相を乳化混合後に、常温で水相に非溶解状態となる澱粉を混合分散させることにより、製造することができるが、その際、澱粉を非溶解状態で分散させている水相は、その澱粉を完全には溶解しない温度以下で酸性水中油型乳化食品を製造する。即ち、常温非溶解性、好ましくは前述の加熱溶解性の澱粉を、予め水相に分散させた後、その水相と油相と混合乳化しても、その澱粉を予め油相に分散させた後、その油相を水相と混合乳化しても、混合乳化後には、澱粉は水相で分散するので、水相に澱粉が非溶解状態で分散している本発明の酸性水中油型乳化食品を製造するためには、水相と油相との混合前に、澱粉は、水相に分散させても油相に分散させてもよい。また、水相と油相を混合分散させた後の乳化物に常温非溶解性の澱粉を添加し分散させてもよく、それによっても澱粉は水相に分散する。いずれの場合においても、水相に澱粉が非溶解状態で分散している状態では、その水相を澱粉が完全に溶解する温度には加温しないようにする。なお、ガム質が油相に分散している状態では、その油相を加熱してもガム質は溶解もゾル化もしない。
本発明の酸性水中油型乳化食品の製造方法としては、より具体的には、例えば、水相原料として、常温非溶解性の澱粉、好ましくは前述の加熱溶解性の澱粉、乳化材及び調味料を、通常60℃以上に加熱することなく均一に混合し、ミキサー等で撹拌しながら油相原料を注加して粗乳化し、次にコロイドミルなどで仕上げ乳化をした後、ボトル容器やガラス容器などに充填密封する。
実施例1〜3及び比較例1〜4
(1)酸性水中油型乳化食品の製造
表1に示す配合割合で仕上がり100kgの酸性水中油型乳化食品を製した。
ここで、表1の架橋澱粉としては、ワキシーコーンスターチを原料とした架橋澱粉(商品名「ファリネックスVA70WM」、松谷化学株式会社製)、タピオカ架橋澱粉(タピオカ澱粉を原料とした架橋澱粉(商品名「フードスターチHR−7」、松谷化学株式会社製)を使用し、実施例2及び3では、これら架橋澱粉を予め清水に分散し、90℃に加熱して冷却したものを澱粉として使用した。
比較例3では、澱粉粒子の大きさを変えるために馬鈴薯澱粉を用いた。
なお、比較例2では、澱粉として、熱溶解性米澱粉を予め清水に分散し、90℃で加熱溶解して澱粉粒子を消失させた後、冷却したものを使用した。
酸性水中油型乳化食品の調製方法としては、ヒドロキシプロピル澱粉を清水に分散させ、加熱(品温:90℃)により糊化させた後、冷却して糊化澱粉液(品温:20℃)を調製した。この糊化澱粉液と澱粉と植物油以外の原料をミキサーで均一に混合し水相部を調製した。次いで、この水相部を撹拌しながら2種の食用油脂を徐々に注加して粗乳化物を製した。そして、得られた粗乳化物をコロイドミルで仕上げ乳化し、200mL容量のナイロンポリ袋に150gずつ充填密封した。
比較例4では、油滴径の大きさを変化させるために仕上げ乳化を行わなかった。
(2)評価
(1)で得た酸性水中油型乳化食品について、冷凍耐性の評価、非溶解状態の澱粉粒子の有無の確認、非溶解状態の澱粉粒子の平均粒子径の計測、油滴粒子の平均粒子径の計測を次のように行い、さらに、澱粉粒子の平均粒子径100に対する油滴の平均粒子径の比を算出した。これらの結果を表1に示す。
(2-1)冷凍耐性
(1)で得た酸性水中油型乳化食品を、ナイロンポリ袋に充填密封したまま、−20℃の冷凍庫中で2ヵ月保存し、その後25℃の室内で8時間以上静置し、解凍後の状態を目視観察し、油分離の有無により次の基準で冷凍耐性を評価した。
−:油分離なし
±:表面にわずかににじむ程度の油分離が観察される
+:表面に若干の油分離が観察される
++:著しい油分離が観察される
(2-2)澱粉粒子の観察
(1)で得た酸性水中油型乳化食品にヨウ素を添加して澱粉を染色し、光学顕微鏡で観察(倍率:1000倍)し、ヨウ素で染色された澱粉粒子の有無を確認した。
なお、実施例1の酸性水中油型乳化食品を80℃で10分間加熱したものについても同様に顕微鏡で観察した。その結果、澱粉粒子を確認することができなかったため、非溶解状態で分散していた澱粉粒子が溶解したことがわかる。
(2-3)澱粉粒子の平均粒子径
(2-2)で澱粉粒子が観察されたものについては、100個のガム質の粒子について5μm目盛りのスケールで粒子径を計測し、その平均値を求めた。
(2-2)で澱粉粒子が観察されたものについては、無作為に選択した100個の澱粉粒子について、粒子径を計測し、その平均値を求めた。なお、5μm以下の粒子は1μm目盛りのスケールで粒子径を計測し、5μmを超える粒子は5μm目盛りのスケールで粒子径を計測した。
(2-4)油滴平均粒子径
(1)で得た酸性水中油型乳化食品について光学顕微鏡で観察(倍率:2000倍)し、無作為に選択した100個の油滴について1μm目盛りのスケールで粒子径を計測し、その平均値を求めた。
Figure 0005854994
表1から、澱粉粒子が非溶解状態で分散していると(実施例1〜3)冷凍耐性が良好であること、これに対し澱粉が常温溶解性である場合(比較例1)あるいは澱粉が予め加熱されることにより溶解し、水相に非溶解状態の粒子が残存していない場合(比較例2)では冷凍耐性が劣ることがわかる。
また、実施例1と比較例3から、澱粉粒子の平均粒子径が3〜60μmの範囲にあると冷凍耐性が良好であることがわかる。
試験例1-1〜1-4
油相を構成する油脂の種類と比率を表1に示したように変える以外は実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
これらの試験例から、油相を構成する油脂として2種以上の油脂を使用することにより冷凍耐性が向上することがわかる。

Claims (5)

  1. 水相に、非溶解状態で分散している平均粒子径3〜60μmの澱粉粒子を含有し、また水相中の油滴に2種以上の食用油脂を含有し、該油滴の平均粒子径が1〜20μm、該油滴の平均粒子径と該澱粉粒子の平均粒子径との比が(5〜600)/100である酸性水中油型乳化食品。
  2. 2種以上の食用油脂が液状油脂である請求項1記載の酸性水中油型乳化食品。
  3. 澱粉粒子が、常温で水に不溶性又は難溶性の澱粉もしくは架橋澱粉の粒子である請求項1又は2のいずれかに記載の酸性水中油型乳化食品。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の酸性水中油型乳化食品の製造方法であって、澱粉粒子が分散した水相の温度を、該澱粉粒子が完全には溶解しない温度以下とする水中油型乳化食品の製造方法。
  5. 澱粉粒子を水相に分散した状態で60℃以上に加熱することなく製造する請求項記載の酸性水中油型乳化食品の製造方法。
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