JP5854833B2 - ジカフェオイルキナ酸類含有飲料 - Google Patents

ジカフェオイルキナ酸類含有飲料 Download PDF

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Description

本発明は、ジカフェオイルキナ酸類含有飲料に関する。
近年、健康志向の高揚により、クロロゲン酸類による抗酸化作用や血圧降下作用といった生理作用が注目されている(特許文献1)。クロロゲン酸類を含有する代表的な飲料として、例えば、焙煎コーヒー飲料がある。焙煎コーヒー飲料は、焙煎コーヒー豆由来の香ばしい芳香、コク、適度な渋味などを有しており、嗜好性の高いものであるが、苦味が強いため、継続して摂取する上で障害となりやすい。
そこで、焙煎コーヒー飲料の苦味を低減する技術として、例えば、L−オルニチン塩酸塩、D,L−アラニン、L−バリン、グリシンから選択される1種以上のアミノ酸を添加する方法が提案されている(特許文献2)。
また、イソクロロゲン酸は金属のような収斂味のある後味があり、マンノースを主体としたオリゴ糖類でその後味が改善されることが報告されている(特許文献3)。
特開2002−87977号公報 特開2010−148453号公報 特開2009−165498号公報
Molecular Pharmacology October 1996 Vol.50 no.4 P. 846-855 Kaffee und Tee Markt, 1982, 32(21), P. 3-6
ところで、クロロゲン酸類の生理効果は、クロロゲン酸類中のジカフェオイルキナ酸類により高められることが知られている(非特許文献1)。ジカフェオイルキナ酸類は、生コーヒー豆に豊富に含まれているが、生コーヒー豆を焙煎すると分解してしまう(非特許文献2)。したがって、クロロゲン酸類の生理効果をより有効に発現するには、生コーヒー豆の抽出物を利用することが有利である。
そこで、本発明者らは、生コーヒー豆抽出物を利用してジカフェオイルキナ酸類を豊富に含む飲料を開発すべく検討したところ、ジカフェオイルキナ酸類由来の渋味が強いという、焙煎コーヒー豆抽出物には存在しない新たな課題が生ずることを見出した。
したがって、本発明の課題は、ジカフェオイルキナ酸類を豊富に含み、渋味の抑制されたジカフェオイルキナ酸類含有飲料を提供することにある。
本発明者は、ジカフェオイルキナ酸類に特定のアミノ酸を含有せしめ、飲料中のジカフェオイルキナ酸類濃度と、当該ジカフェオイルキナ酸類に対する特定のアミノ酸の含有割合を特定範囲内に制御することで、上記課題が解決されることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B);
(A)ジカフェオイルキナ酸類:0.02〜0.25質量%、及び
(B)L−オルニチン塩酸塩
を含み、
成分(A)と成分(B)との含有質量比[(B)/(A)]が1〜15である、ジカフェオイルキナ酸類含有飲料を提供するものである。
本発明によれば、渋味の抑制されたジカフェオイルキナ酸類含有飲料を提供することができる。本発明のジカフェオイルキナ酸類含有飲料は、生理作用発現に有効なジカフェオイルキナ酸類を豊富に含み、風味が良好で継続して摂取することが可能であるから、ジカフェオイルキナ酸類による生理作用を十分に期待することができる。
本発明のジカフェオイルキナ酸類含有飲料は、(A)ジカフェオイルキナ酸類を0.02〜0.25質量%という高濃度で含有するが、渋味抑制の観点から、上限は0.2質量%、更に0.15質量%、更に0.12質量%であることが好ましく、他方生理活性の観点から、下限は0.03質量%、更に0.04質量%、更に0.05質量%であることが好ましい。渋味抑制と生理効果の両方の観点から、飲料中の(A)ジカフェオイルキナ酸類の含有量は、0.03〜0.2質量%であることが好ましく、0.04〜0.15質量%であることがより好ましく、0.05〜0.12質量%であることがさらに好ましい。
なお、市販のコーヒー飲料にはジカフェオイルキナ酸類が含まれているが、前述の高濃度でジカフェオイルキナ酸類を含有するコーヒー飲料は存在しない。ここで、本明細書において「ジカフェオイルキナ酸類」とは、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸を併せての総称であり、ジカフェオイルキナ酸類含有量は上記3種の合計量に基づいて定義される。
本発明のジカフェオイルキナ酸類含有飲料は、ジカフェオイルキナ酸類以外のポリフェノール類を含有していてもよく、例えば、モノカフェオイルキナ酸類、モノフェルロイルキナ酸類を挙げることができる。モノカフェオイルキナ酸類としては、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸が挙げられ、またモノフェルロイルキナ酸類としては、3−フェルロイルキナ酸、4−フェルロイルキナ酸及び5−フェルロイルキナ酸が挙げられる。ここで、本明細書において、上記3種のジカフェオイルキナ酸類と、上記3種のモノカフェオイルキナ酸類と、上記3種のモノフェルロイルキナ酸類を併せて『クロロゲン酸類』と称する。「ジカフェオイルキナ酸類」の含有量の測定は、後掲の実施例に記載の「クロロゲン酸類の分析」にしたがうものとする。
また、本発明のジカフェオイルキナ酸類含有飲料は、(B)L−オルニチン塩酸塩を含有するが、渋味を抑制するために、(A)ジカフェオイルキナ酸類に対する(B)L−オルニチン塩酸塩の含有割合を特定範囲内に制御する。具体的には、飲料中の(A)ジカフェオイルキナ酸類と(B)L−オルニチン塩酸塩との含有質量比[(B)/(A)]は1〜15であるが、L−オルニチン塩酸塩由来の不快臭抑制の観点から、14以下、更に13以下、更に12以下であることが好ましく、ジカフェオイルキナ酸類の渋味抑制の観点から、下限は2、更に3、更に4であることが好ましい。L−オルニチン塩酸塩由来の不快臭抑制及びジカフェオイルキナ酸類の渋味抑制の両方の観点から、飲料中の質量比[(B)/(A)]は、2〜14であることが好ましく、3〜13であることがより好ましく、4〜12であることがさらに好ましい。
本発明のジカフェオイルキナ酸類含有飲料中の(B)L−オルニチン塩酸塩の含有量は、上記の質量比[(B)/(A)]を満たす量であれば特に限定されないが、L−オルニチン塩酸塩に独特の風味があるため、飲み易さの観点から、3質量%以下、更に2質量%以下、更に1質量%以下であることが好ましい。なお、当該飲料中の(B)L−オルニチン塩酸塩の含有量の下限は、ジカフェオイルキナ酸類の渋味抑制の観点から、0.03質量%、更に0.15質量%、更に0.2質量%であることが好ましい。飲み易さ及びジカフェオイルキナ酸類の渋味抑制の両方の観点から、飲料中の(B)L−オルニチン塩酸塩の含有量は、0.03〜3質量%であることが好ましく、0.15〜2質量%であることがより好ましく、0.2〜1質量%であることがさらに好ましい。なお、L−オルニチン塩酸塩量の測定は、後掲の実施例に記載の「遊離オルニチンの分析」にしたがい、遊離オルニチン量からL−オルニチン塩酸塩量に換算するものとする。
L−オルニチン塩酸塩は、天然由来品でも、化学合成品でもよく、更に市販品であってもよい。天然由来品としては、例えば、シジミからの抽出物が挙げられ、また化学合成品としては、例えば、発酵法により製造したものが挙げられる。これらは、必要によりカラムクロマトグラフィ等により精製してもよい。
本発明で使用するL−オルニチン塩酸塩は、結晶又は結晶性の粉末であることが好ましく、純度は98%以上、乾燥減量は0.2質量%以下であることが好ましい。なお、L−オルニチン塩酸塩の粒度分布は特に限定されない。このような市販品として、例えば、協和発酵バイオ社、プロテインケミカル社のL−オルニチン塩酸塩を挙げることができる。
本発明のジカフェオイルキナ酸類含有飲料は、(C)カフェインを含有していてもよく、苦味抑制の観点から、当該飲料中の(C)カフェインの含有量は0.07質量%以下、更に0.06質量%以下、更に0.05質量%以下、更に0.02質量%以下であることが好ましい。なお、(C)カフェインの含有量の下限値は特に限定されず、0質量%であってもよいが、製造効率の観点から、0.00005質量%、更に0.0001質量%、0.00015質量%であることが好ましい。苦味抑制及び製造効率の両方の観点から、飲料中のカフェイン含有量は、0.00005〜0.07質量%であることが好ましく、0.0001〜0.06質量%であることがより好ましく、0.00015〜0.05質量%であることがさらに好ましく、0.00015〜0.02質量%であることがよりさらに好ましい。
本発明のジカフェオイルキナ酸類含有飲料は、カリウムを含んでも含まなくてもよいが、青臭み抑制の観点から、当該飲料中の(D)カリウムの含有量は0.00001〜0.06質量%であることが好ましく、更に0.0001〜0.03質量%、更に0.001〜0.02質量%であることが好ましい。また、青臭みを抑制するために、(A)ジカフェオイルキナ酸類に対する(D)カリウムの含有割合が特定値以下であることが好ましい。具体的には、飲料中の(A)ジカフェオイルキナ酸類と、(D)カリウムとの含有質量比[(D)/(A)]が0.5以下であることが好ましく、更に0.4以下、更に0.3以下、殊更に0.2以下であることが好ましい。なお、下限は0であってもよいが、生産効率の観点から、0.0005、更に0.005、更に0.015であることが好ましい。青臭み抑制及び生産効率の両方の観点から、飲料中の質量比[(D)/(A)]は、0.0005〜0.5、更に0.0005〜0.4、0.005〜0.3、更に0.015〜0.2であることが好ましい。
本発明のジカフェオイルキナ酸類含有飲料には、必要により、甘味料、苦味抑制剤、酸化防止剤、香料、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、品質安定剤等の添加剤の1種又は2種以上を配合してもよい。なお、これら添加剤の配合量は、本発明の目的を阻害しない範囲内で適宜決定することが可能である。
本発明のジカフェオイルキナ酸類含有飲料は、(A)ジカフェオイルキナ酸類と(B)L−オルニチン塩酸塩とを配合し、ジカフェオイルキナ酸類濃度と、質量比[(B)/(A)]を上記範囲内に調整することで製造することができる。
本発明においては、(A)ジカフェオイルキナ酸類として、ジカフェオイルキナ酸類製剤を使用することが可能である。ジカフェオイルキナ酸類製剤としては、例えば、試薬、ジカフェオイルキナ酸類を含む植物の抽出物等が挙げられ、ジカフェオイルキナ酸類が含まれていれば特に限定されるものではない。
原料ジカフェオイルキナ酸類製剤としては、ジカフェオイルキナ酸類が含まれていれば特に限定されないが、ジカフェオイルキナ酸類を含む植物の抽出物を使用することができる。このような植物抽出物としては、例えば、ヒマワリ種子、リンゴ未熟果、生コーヒー豆、シモン葉、マツ科植物の球果、マツ科植物の種子殻、サトウキビ、南天の葉、ゴボウ、ナスの皮、ウメの果実、フキタンポポ、ブドウ科植物等から抽出されたものから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。中でも、ジカフェオイルキナ酸類含量等の点から、コーヒー豆の抽出物が好ましい。また、抽出に使用するコーヒー豆は、ジカフェオイルキナ酸類含量等の点から、生コーヒー豆及び浅焙煎コーヒー豆から選ばれる1種又は2種が好ましい。浅焙煎コーヒー豆のL値は、ジカフェオイルキナ酸類含有の点から27以上、更に29以上が好ましく、他方L値の上限は風味の点から62未満、更に60以下、更に55以下が好ましい。ここで、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。生コーヒー豆抽出物として市販品を使用してもよく、例えば、長谷川香料(株)の「フレーバーホルダーFH1041」、オリザ油化(株)の「生コーヒー豆エキスP」、東洋発酵(株)の「OXCH100」等が挙げられる。なお、ジカフェオイルキナ酸類製剤の形態には、液体、固体、溶液、スラリー等の種々のものがある。
抽出に使用するコーヒー豆の種類としては、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種及びアラブスタ種のいずれでもよい。なお、抽出方法及び抽出条件は特に限定されないが、例えば、特開昭58−138347号公報、特開昭59−51763号公報、特開昭62−111671号公報、特開平5−236918号公報等に記載の方法を採用することができる。
また、ジカフェオイルキナ酸類製剤として、精製工程において予め特定の処理を施したものを使用することもできる。例えば、原料ジカフェオイルキナ酸類製剤を有機溶媒と水との混合溶液に溶解し、カチオン交換樹脂と接触させて得られた精製ジカフェオイルキナ酸類製剤を、必要によりpH調整して使用することができる。pH調整には、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類等を使用することが可能である。
有機溶媒と水の混合溶液の調製に使用する有機溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール等のアルコール、アセトン等のケトン、酢酸エチル等のエステルが挙げられる。中でも、アルコール、ケトン等の親水性有機溶媒が好ましく、食品への使用を考慮すると、アルコールがより好ましく、エタノールが更に好ましい。
混合溶液中の有機溶媒と水の質量比は9/1〜1/9が好ましく、精製効率の観点から、より好ましくは9/1〜5/5、更に好ましくは8/2〜6/4である。
原料ジカフェオイルキナ酸類製剤を混合溶液に溶解する方法は特に制限されず、原料ジカフェオイルキナ酸類製剤と予め濃度調整された混合溶液とを有機溶媒と水の質量比が上記範囲内となるように任意の順序で配合してもよい。また、原料クロロゲン酸類製剤を水に溶解後、有機溶媒を添加して有機溶媒と水の質量比を上記範囲内に調整しても、原料ジカフェオイルキナ酸類製剤を有機溶媒に懸濁させた後、徐々に水を添加して有機溶媒と水の質量比を上記範囲内に調整してもよい。
原料ジカフェオイルキナ酸類製剤と混合溶液との配合量は、原料ジカフェオイルキナ酸類製剤を混合溶液100質量部に対して30〜70質量部、更に40〜60質量部とすることが、精製効率の観点から好ましい。
カチオン交換樹脂としては、プロトン(H)型のカチオン交換樹脂を用いることが好ましい。これにより、カリウム等の金属イオンの除去とpH調整を同時に行うことができる。カチオン交換樹脂としては、具体的には、アンバーライト200CT、IR120B、IR124、IR118(以上、オルガノ社製)、ダイヤイオンSK1B、SK1BH、SK102、PK208、PK212(以上、三菱化学社製)等を用いることができる。
カチオン交換樹脂との接触は、例えば、バッチ方式、カラム方式等を採用することができる。
バッチ方式を採用する場合、カチオン交換樹脂と、原料ジカフェオイルキナ酸類製剤との接触時間は適宜決定することが可能であるが、0.5〜10時間、更に1〜5時間であることが好ましい。
一方、カラム方式を採用する場合、原料ジカフェオイルキナ酸類製剤の溶液の通液条件は、空塔速度(SV)1〜60/hr、更に3〜30/hrであることが好ましい。
カチオン交換樹脂の使用量は、原料ジカフェオイルキナ酸類製剤の溶液100質量部に対して1〜15質量部、更に1〜10質量部、更に1〜8質量部、更に1.5〜7.5質量部、更に2〜7質量部であることが、カリウム含有量を低減させる点から好ましい。
また、本発明においては、原料ジカフェオイルキナ酸類製剤をカチオン交換樹脂と接触させる前に、吸着剤を用いて接触処理をしてもよい。風味向上の点から、吸着剤として活性炭と接触させることが好ましい。また、カフェインを低減させる点から、吸着剤として活性白土又は酸性白土と接触させることが好ましい。
活性炭を用いる場合には、一般に工業的に使用されているものであれば特に制限されず、例えば、ZN−50(北越炭素社製)、クラレコールGLC、クラレコールPK−D、クラレコールPW−D(クラレケミカル社製)、白鷲AW50、白鷲A、白鷲M、白鷲C、白鷺WH2C(日本エンバイロケミカルズ社製)等の市販品を用いることができる。
活性炭の細孔容積は、0.01〜0.8mL/gが好ましく、更に0.1〜0.7mL/gが好ましい。また、活性炭の比表面積は、800〜1300m2/g、更に900〜1200m2/gであることが、精製効率、風味向上の観点から好ましい。なお、これらの物性値は窒素吸着法に基づく値である。
活性炭は、原料ジカフェオイルキナ酸類製剤の溶液100質量部に対して0.5〜10質量部、更に0.5〜8質量部、更に0.5〜5質量部、更に0.5〜3質量部添加することが、精製効率、風味向上の観点から好ましい。
酸性白土及び活性白土は、ともに一般的な化学成分として、SiO2、Al23、Fe23、CaO、MgO等を含有するものであるが、SiO2/Al23質量比が3〜12、更に4〜9であるものが、精製効率、カフェイン低減の観点から好ましい。また、Fe23を2〜5質量%、CaOを0〜1.5質量%、MgOを1〜7質量%含有する組成のものが、精製効率、カフェイン低減の観点から好ましい。
活性白土は天然に産出する酸性白土(モンモリロナイト系粘土)を硫酸などの鉱酸で処理したものであり、大きい比表面積と吸着能を有する多孔質構造をもった化合物である。
酸性白土及び活性白土の比表面積は、酸処理の程度等により異なるが、50〜350m2/gであることが好ましく、pH(5%サスペンジョン、20℃)は2.5〜8、更に3.6〜7であることが、精製効率、カフェイン低減の観点から好ましい。例えば、酸性白土として、ミズカエース#600(水澤化学社製)等の市販品を用いることができる。
酸性白土又は活性白土は、原料ジカフェオイルキナ酸類製剤の固形分100質量部に対して40〜80質量部、更に45〜70質量部添加することが、精製効率、カフェイン低減の観点から好ましい。
また、活性炭と、酸性白土又は活性白土とを併用する場合、活性炭と、酸性白土又は活性白土の割合は、活性炭1質量部に対して酸性白土又は活性白土が1〜10質量部、更に1〜6質量部であることが、精製効率、カフェイン低減の観点から好ましい。
吸着剤を用いた接触処理は公知の方法を採用することができるが、例えば、バッチ方式、カラムによる連続方式が挙げられる。
バッチ方式を採用する場合、原料ジカフェオイルキナ酸類製剤と、吸着剤の接触時間は適宜決定することが可能であるが、0.5〜10時間、更に1〜5時間であることが、精製効率、カフェイン低減の観点から好ましい。
一方、カラム方式を採用する場合、原料ジカフェオイルキナ酸類製剤の溶液の通液条件は、空塔速度(SV)1〜60/hr、更に3〜30/hrであることが、精製効率の観点から好ましい。
吸着剤を用いて接触処理した後、処理液を固液分離し、ジカフェオイルキナ酸類製剤の清澄液を得る。固液分離の方法としては、例えば、遠心分離、精密濾過、又は珪藻土濾過が挙げられる。
遠心分離に用いる遠心分離機としては、分離板型、円筒型、デカンター型などの一般的な機器が好ましい。遠心分離条件としては、析出した濁り成分の除去の点から、温度が5〜70℃、更に10〜40℃であることが好ましく、回転数と時間は、例えば、分離板型の場合、3,000〜10,000r/min、更に5,000〜9,000r/min、更に6,000〜8,000r/minの回転数で、0.2〜30分、更に0.3〜20分、更に0.4〜15分であることが好ましい。
精密濾過膜による処理条件としては、析出した濁り成分の除去の点から、一般的な濾過条件で処理することができ、孔径は0.1〜30μmが好ましい。
本発明のジカフェオイルキナ酸類含有飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填して提供することができる。
また、ジカフェオイルキナ酸類含有飲料は、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で製造できる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。
(クロロゲン酸類の分析)
クロロゲン酸類の分析法は次の通りである。分析機器はHPLCを使用した。
装置の構成ユニットの型番は次の通り。
UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ)、
カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ)、
ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ)、
オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)、
カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))。
分析条件は次の通りである。
サンプル注入量:10μL、
流量:1.0mL/min、
UV−VIS検出器設定波長:325nm、
カラムオーブン設定温度:35℃、
溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液、
溶離液B:アセトニトリル。
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
HPLCでは、試料1gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
クロロゲン酸類の保持時間(単位:分)9種のクロロゲン酸類
ジカフェオイルキナ酸:36.6、37.4、44.2の計3点。
モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点
モノフェルロイルキナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点
ここで求めた9種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、質量%を求めた。
(カフェインの分析方法)
カフェインの分析は、UV−VIS検出器設定波長:270nm、カフェインを標準物質とした以外はクロロゲン酸類と同様に実施した。カフェインの保持時間は18.9分。
(遊離オルニチンの分析)
アミノ酸自動分析計操作条件
機種:JLC−500/V(日本電子株式会社)
カラム:LCR−6,φ4mm×120mm(日本電子株式会社)
移動相:クエン酸リチウム緩衝液(P−12〜P−15,P−21)(日本電子株式会社)
反応液:日本電子用ニンヒドリン発色液キット−II(和光純薬工業株式会社)
流量:移動相0.50mL/min,反応液0.30mL/min
測定波長:570nm
アミノ酸自動分析では、試料0.5gを精秤後、10w/v%スルホルサリチル酸溶液25mLを加え、さらに、3mol/L水酸化ナトリウム溶液を加え混和する。その後、クエン酸ナトリウム緩衝液でpH2.2に調製し、100mLに定容したものを、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク13A,孔径0.2μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
(カリウムの分析)
カリウムの含有量は、原子吸光光度計(Z−6100形日立偏光ゼーマン原子吸光光度計)により測定した。
(官能試験)
各飲料の渋味について、パネラー4名が下記の基準に基づいて評価し、その後協議により最終スコアを決定した。
渋味の評価基準
5:渋味をほとんど感じない。
4:渋味をあまり感じない。
3:渋味を感じる。
2:渋味をやや感じる。
1:渋味を強く感じる
L−オルニチン塩酸塩由来の不快臭の評価基準
A:不快臭を感じない。
B:ビニール臭のような不快臭を感じる。
製造例1
実施例で使用したジカフェオイルキナ酸類製剤は、以下の手法で調製した。
生コーヒー豆エキスパウダー(固形分2.0g)を20v/v%含水メタノールに溶解させ、中圧ODSカラムクロマト(ULTRA PACK ODS−A−40D、50mm×300mm、山善株式会社製)に展開した。流速10mL/minで100分間20v/v%含水メタノールを通液させたのち、500分間でメタノール濃度を20v/v%から100v/v%へと上げ、クロロゲン酸類を溶出させた。325nmのUV検出で認められたクロマトを指標に分画を行った結果、4つ目のピークを分画した画分であるFr.4に、ジカフェオイルキナ酸類が分画されていることを確認した。本画分を凍結乾燥しジカフェオイルキナ酸類製剤を得た。製剤中のジカフェオイルキナ酸類含有量は75質量%、カフェイン濃度は0.27質量%であった。カリウム含有量は検出限界以下であった。
なお、生コーヒー豆エキスパウダーは、インドネシア産ロブスタ種のコーヒー生豆から95℃の熱水抽出後、スプレードライ方式で乾燥することにより調製したものである。
実施例1〜6及び比較例1〜4
表1に示す割合で各成分を配合して飲料を調製した。なお、L−オルニチン塩酸塩は協和発酵バイオ社製の商品を用いた。得られた飲料の分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0005854833
表1から、飲料中の(A)ジカフェオイルキナ酸類濃度と、(A)ジカフェオイルキナ酸類と(B)L−オルニチン塩酸塩との含有質量比を特定範囲内に制御することで、渋味の抑制されたジカフェオイルキナ酸類含有飲料が得られることが確認された。

Claims (4)

  1. 生コーヒー豆抽出物を配合してなるジカフェオイルキナ酸類含有飲料であって、
    次の成分(A)及び(B);
    (A)ジカフェオイルキナ酸類:0.02〜0.15質量%、及び
    (B)L−オルニチン塩酸塩
    を含み、
    (A)ジカフェオイルキナ酸類が3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸であり、かつ
    成分(A)と成分(B)との含有質量比[(B)/(A)]が1〜15である、
    ジカフェオイルキナ酸類含有飲料。
  2. 成分(B)の含有量が0.03〜1質量%である、請求項1記載のジカフェオイルキナ酸類含有飲料。
  3. カフェインの含有量が0.07質量%以下である、請求項1又は2記載のジカフェオイルキナ酸類含有飲料。
  4. (A)ジカフェオイルキナ酸類と、(D)カリウムとの含有質量比[(D)/(A)]が0.5以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクロロゲン酸類含有飲料。
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