JP5853709B2 - 内燃機関の空燃比検出装置および空燃比インバランス検出装置 - Google Patents
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Description
また、本発明の他の目的は、気筒別に取得した空燃比の情報を用いて精度良く気筒間空燃比インバランスを検出することができる内燃機関の空燃比インバランス検出装置を提供することを目的とする。
内燃機関の気筒の燃焼速度を算出する燃焼速度算出手段と、
前記燃焼速度算出手段で算出される前記燃焼速度がピーク値に達するように、前記気筒の燃料噴射弁を対象に燃料噴射量の変更をする噴射量変更手段と、
前記噴射量変更手段での燃料噴射量の変更開始から前記燃焼速度のピーク値到達までの間に前記噴射量変更手段で変更した燃料噴射量の変更量に基づいて、前記気筒の空燃比に関する情報を算出する空燃比情報算出手段と、
を備え、
前記空燃比情報算出手段は、
前記変更量に基づいて、所定の基準空燃比に対する前記気筒の空燃比ずれを算出する空燃比ずれ算出手段と、
所定の基準空燃比の値と前記変更量とを用いた計算により、前記気筒についての、前記燃料噴射量の変更開始時の空燃比の値を求める空燃比計算手段と、
のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする。
前記噴射量変更手段は、
前記気筒の燃料噴射量の変更に応じて、前記気筒の前記燃焼速度が増加と減少の何れの方向に変化するかを判定する判定手段と、
前記判定手段で燃料噴射量の増加に応じて燃焼速度が増加すると判定されたときは燃料噴射量を増加させることにより、前記判定手段で前記燃料噴射量の増加に応じて前記燃焼速度が減少すると判定されたときは燃料噴射量を低減することにより、前記燃焼速度がピーク値に達するまで燃料噴射量の変更を行う変更手段と、
を備えることを特徴とする。
前記内燃機関の前記気筒には筒内圧センサが取り付けられており、
前記燃焼速度算出手段は、
前記筒内圧センサから出力を取得する出力取得手段と、
前記出力取得手段で取得した前記筒内圧センサの出力に基づいて前記気筒についての燃焼割合を計算する燃焼割合計算手段と、
前記燃焼割合計算手段で計算した燃焼割合の変化率の最大値を、燃焼速度の値として算出する最大値算出手段と、
を含むことを特徴とする。
複数の気筒を備える内燃機関の各気筒の燃焼速度を算出する燃焼速度算出手段と、
前記各気筒の燃料噴射弁のそれぞれについて、前記各気筒について前記燃焼速度算出手段で算出される燃焼速度がピーク値に達するように、燃料噴射量の変更をする噴射量変更手段と、
前記噴射量変更手段での燃料噴射量の変更開始から前記燃焼速度のピーク値到達までの間に前記噴射量変更手段により変化させられた前記各気筒の燃料噴射量の変化量に基づいて、前記複数の気筒の間の空燃比インバランスを検出するインバランス検出手段と、
を備えることを特徴とする。
前記噴射量変更手段は、
前記気筒の燃料噴射量の変更に応じて、前記気筒の前記燃焼速度が増加と減少の何れの方向に変化するかを判定する判定手段と、
前記判定手段で燃料噴射量の増加に応じて燃焼速度が増加すると判定されたときは燃料噴射量を増加させることにより、前記判定手段で前記燃料噴射量の増加に応じて前記燃焼速度が減少すると判定されたときは燃料噴射量を低減することにより、前記燃焼速度がピーク値に達するまで燃料噴射量の変更を行う変更手段と、
を備えることを特徴とする。
前記内燃機関の各気筒には、それぞれ筒内圧センサが取り付けられており、
前記燃焼速度算出手段が、
前記筒内圧センサから出力を取得する出力取得手段と、
前記出力取得手段で取得した前記筒内圧センサの出力に基づいて前記気筒についての燃焼割合を計算する燃焼割合計算手段と、
前記燃焼割合計算手段で計算した燃焼割合の変化率の最大値を、燃焼速度の値として算出する最大値算出手段と、
を含むことを特徴とする。
前記インバランス検出手段は、
所定の基準空燃比の値と前記変化量とを用いた計算により、前記各気筒についての、前記燃料噴射量の変更開始時の空燃比の値を求める空燃比計算手段と、
前記空燃比計算手段で求めた前記各気筒の前記空燃比の値の比較に基づいて前記複数の気筒の間の空燃比インバランスを検出する手段と、
を含むことを特徴とする。
第1の発明によれば、このような燃焼速度と空燃比の関係を利用して、気筒別の空燃比情報を精度良く検出できる。さらに、第1の発明によれば、空燃比情報として、空燃比ずれの大きさや、燃料噴射量の変更開始時の空燃比を定量的に求めることができる。
第2の発明によれば、この傾向を考慮に入れて燃料噴射量の変更方向(増加と減少)を決定することができるので、燃焼速度を確実にピーク値へ到達させることができる。
第4の発明によれば、このような燃焼速度と空燃比の関係を利用して、気筒別に取得した空燃比の情報を用いて精度良く気筒間空燃比インバランスを検出することができる。
第5の発明によれば、この傾向を考慮に入れて燃料噴射量の変更方向(増加と減少)を決定することができるので、燃焼速度を確実にピーク値へ到達させることができる。
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の空燃比検出装置および空燃比インバランス検出装置の概略構成を、これが適用される内燃機関システムの概略構成とともに示す図である。実施の形態1にかかる空燃比検出装置は、図1に示すエンジン10の各気筒のそれぞれについて、所定の基準空燃比からの空燃比ずれの大きさを検出することができ、さらにその「空燃比ずれの大きさ」から各気筒の「空燃比の値」を算出することができる。実施の形態1にかかる空燃比インバランス検出装置は、その「空燃比ずれの大きさ」や「空燃比の値」を複数の気筒の間で比較することによって、気筒間空燃比インバランスの検出を行うことができる。
図2乃至4は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の空燃比検出装置および内燃機関の空燃比インバランス検出装置の動作を説明するための図である。
図2は、本願発明者が見出した、燃焼速度と空燃比の関係を示す図である。以下の説明では、燃焼速度を単に「CS」で表すこともある。また、「燃焼速度のピーク値」のことを便宜上「ピーク燃焼速度」とも称す。本願発明者の知見によると、図2に示すように、「ピーク燃焼速度を取る空燃比が、一定の値となる」という傾向があり、具体的には、空燃比の値が12であるときに燃焼速度がピーク値CSPeakを示すという一定の関係が成立する。さらに、図からは、空燃比の値が12からリーン化しても、或いはリッチ化しても、燃焼速度は低下するという傾向を読み取れる。本実施の形態は、図2に示すこのような物理現象を利用するものである。
以下、実施の形態1にかかる燃焼速度CSを算出する算出処理の内容を説明する。図3は、本発明の実施の形態1における燃焼速度の定義を説明するための図である。本実施の形態では、燃焼質量割合MFB(Mass Fraction Burned)の接線の傾きの最大値を、燃焼速度と定義する。図3にMFBの接線Aを示すが、MFBの接線のX軸(クランク角度CA)に対する角度が最も大きい時、すなわち、燃焼質量割合の単位クランク角当りの変化率(dMFB/dθ)の最大値を、燃焼速度とする。
図4は、本発明の実施の形態1における燃料噴射量変更処理による動作を説明するための図である。ECU50は、燃料噴射量変更処理を備えている。燃料噴射量変更処理は、燃焼速度CSに基づいて、気筒ごとに燃焼速度CSがピーク値CSpeakに達するように燃料噴射量の変更をするための処理である。
ECU50は、各気筒について、燃料噴射量の変化量に基づいて、所定の基準空燃比(A/F=12)からの空燃比ずれの大きさを算出する空燃比ずれ算出処理を備えている。この点について以下説明すると、先ず、図2で説明したように、本願発明者は、鋭意研究を進めた結果、燃焼速度と空燃比との間に、「ピーク燃焼速度を取る空燃比が、一定の値となる」という傾向があることを見出した。上記の燃料噴射量変更処理によれば、任意の気筒の燃料噴射量を変更することによって、その気筒の燃焼速度CSをピーク値CSPeakに到達させることができる。その処理の過程で、ピーク値CSPeakに到達するのに要した燃料噴射量の変更量を示すekcylbが算出される。ekcylbが大きければ大きいほど、「燃料噴射量変更処理の開始時の空燃比」と「ピーク値CSPeakを取る空燃比」との間の空燃比ずれが大きいと判断することができる。
初期A/F = 12÷(1/ekcylb) ・・・(2)
但し、「初期A/F」とは、燃料噴射量変更処理の開始前における空燃比である。例えばekcylb=1.2を代入すれば、初期A/Fは14.4となる。
(i)基準空燃比からの空燃比ずれの大きさや、そこから計算した目標空燃比と筒内空燃比の乖離の大きさ
(ii)空燃比の値
(iii)複数の気筒の間での空燃比の乖離の大きさ
(iv)気筒間での空燃比の相対的な大小の関係
ECU50は、各気筒の空燃比ずれの大きさ或いは各気筒の空燃比の値に基づいて、複数の気筒(本実施の形態では4気筒)の間の空燃比インバランスを検出するインバランス検出処理を備えている。ECU50は、上記の空燃比ずれ検出処理で1〜4番気筒の変更量ekcylbを1つずつ取得し、4つのekcylbの大きさを比較する。4つのekcylbの比較の結果から、基準空燃比(A/F=12)に対して1〜4番気筒の筒内空燃比がそれぞれどの程度乖離していたかを検出できる。或いは、ECU50が上記の式(2)に従って1〜4番気筒の各筒内空燃比の値を算出した上で、それらを比較してもよい。例えば比較した複数のekcylbのうち、最も小さなekcylb(ekcylbmin)と最も大きなekcylb(ekcylbmax)との差が許容範囲を超えた場合に異常と判定したり、或いは複数のekcylbの平均偏差が所定値以下かどうか等の各種判定を行えばよい。
図5は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の空燃比検出装置および内燃機関の空燃比インバランス検出装置においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。図5のルーチンは、エンジン10の運転中において、より具体的には、エンジン10を搭載する車両の走行中(好ましくは定常運転域)において実行される。
実施の形態2にかかる内燃機関の空燃比検出装置および空燃比インバランス検出装置は、実施の形態1にかかるそれらと同様のハードウェア構成を備えている。以下の説明では、実施の形態1との相違点である「燃焼速度変化判定処理」および「変更方向決定処理」の内容を中心に説明を行うこととし、実施の形態1と同様の構成、処理、動作等については説明を省略する。
次に、ECU50が、ステップS202の後に計算した燃焼速度の値が、ステップS202実行前の燃焼速度よりも増大したかどうかを判定する処理を実行する(ステップS204)。ステップS204の判定結果がYESであった場合には、現在、筒内空燃比は図6の領域(ア)に属するものと判断できる。一方、ステップS204の判定結果がNOであった場合には、現在、筒内空燃比は図6の領域(イ)に属するものと判断できる。
12 点火プラグ
14 直噴インジェクタ
16 筒内圧センサ
18 クランク角センサ
20 吸気通路
22 エアクリーナ
24 エアフローメータ
26 スロットルバルブ
27 スロットル開度センサ
28 サージタンク
30 吸気圧センサ
32 排気通路
33 触媒上流排気センサ
34、36 触媒
35 触媒下流排気センサ
Claims (7)
- 内燃機関の気筒の燃焼速度を算出する燃焼速度算出手段と、
前記燃焼速度算出手段で算出される前記燃焼速度がピーク値に達するように、前記気筒の燃料噴射弁を対象に燃料噴射量の変更をする噴射量変更手段と、
前記噴射量変更手段での燃料噴射量の変更開始から前記燃焼速度のピーク値到達までの間に前記噴射量変更手段で変更した燃料噴射量の変更量に基づいて、前記気筒の空燃比に関する情報を算出する空燃比情報算出手段と、
を備え、
前記空燃比情報算出手段は、
前記変更量に基づいて、所定の基準空燃比に対する前記気筒の空燃比ずれを算出する空燃比ずれ算出手段と、
所定の基準空燃比の値と前記変更量とを用いた計算により、前記気筒についての、前記燃料噴射量の変更開始時の空燃比の値を求める空燃比計算手段と、
のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする内燃機関の空燃比検出装置。 - 前記噴射量変更手段は、
前記気筒の燃料噴射量の変更に応じて、前記気筒の前記燃焼速度が増加と減少の何れの方向に変化するかを判定する判定手段と、
前記判定手段で燃料噴射量の増加に応じて燃焼速度が増加すると判定されたときは燃料噴射量を増加させることにより、前記判定手段で前記燃料噴射量の増加に応じて前記燃焼速度が減少すると判定されたときは燃料噴射量を低減することにより、前記燃焼速度がピーク値に達するまで燃料噴射量の変更を行う変更手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比検出装置。 - 前記内燃機関の前記気筒には筒内圧センサが取り付けられており、
前記燃焼速度算出手段は、
前記筒内圧センサから出力を取得する出力取得手段と、
前記出力取得手段で取得した前記筒内圧センサの出力に基づいて前記気筒についての燃焼割合を計算する燃焼割合計算手段と、
前記燃焼割合計算手段で計算した燃焼割合の変化率の最大値を、燃焼速度の値として算出する最大値算出手段と、
を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の空燃比検出装置。 - 複数の気筒を備える内燃機関の各気筒の燃焼速度を算出する燃焼速度算出手段と、
前記各気筒の燃料噴射弁のそれぞれについて、前記各気筒について前記燃焼速度算出手段で算出される燃焼速度がピーク値に達するように、燃料噴射量の変更をする噴射量変更手段と、
前記噴射量変更手段での燃料噴射量の変更開始から前記燃焼速度のピーク値到達までの間に前記噴射量変更手段により変化させられた前記各気筒の燃料噴射量の変化量に基づいて、前記複数の気筒の間の空燃比インバランスを検出するインバランス検出手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の空燃比インバランス検出装置。 - 前記噴射量変更手段は、
前記気筒の燃料噴射量の変更に応じて、前記気筒の前記燃焼速度が増加と減少の何れの方向に変化するかを判定する判定手段と、
前記判定手段で燃料噴射量の増加に応じて燃焼速度が増加すると判定されたときは燃料噴射量を増加させることにより、前記判定手段で前記燃料噴射量の増加に応じて前記燃焼速度が減少すると判定されたときは燃料噴射量を低減することにより、前記燃焼速度がピーク値に達するまで燃料噴射量の変更を行う変更手段と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の空燃比インバランス検出装置。 - 前記内燃機関の各気筒には、それぞれ筒内圧センサが取り付けられており、
前記燃焼速度算出手段が、
前記筒内圧センサから出力を取得する出力取得手段と、
前記出力取得手段で取得した前記筒内圧センサの出力に基づいて前記気筒についての燃焼割合を計算する燃焼割合計算手段と、
前記燃焼割合計算手段で計算した燃焼割合の変化率の最大値を、燃焼速度の値として算出する最大値算出手段と、
を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の内燃機関の空燃比インバランス検出装置。 - 前記インバランス検出手段は、
所定の基準空燃比の値と前記変化量とを用いた計算により、前記各気筒についての、前記燃料噴射量の変更開始時の空燃比の値を求める空燃比計算手段と、
前記空燃比計算手段で求めた前記各気筒の前記空燃比の値の比較に基づいて前記複数の気筒の間の空燃比インバランスを検出する手段と、
を含むことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の内燃機関の空燃比インバランス検出装置。
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