JP5853121B1 - 力覚センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】異常が生じた場合にこれを外部に報知する。【解決手段】円環状の支持部110の内側にダイアフラム部120が設けられる。受力部210に作用した外力は、力伝達部220を介してダイアフラム部120の中央に加えられる。ダイアフラム部120の下面の検出基準円G1上には、4つの検出点P21〜P24が定義される。検出点P21〜P24の外側にはA系統変位電極E21A〜E24Aが配置され、内側にはB系統変位電極E21B〜E24Bが配置される。A系統変位電極E21A〜E24Aとこれに対向する固定電極E11A〜E14AによってA系統容量素子が形成され、B系統変位電極E21B〜E24Bとこれに対向する固定電極E11B〜E14BによってB系統容量素子が形成される。A系統容量素子から得た検出値とB系統容量素子から得た検出値との差分が許容値を超えていた場合には、差分エラーを出力する。【選択図】図16

Description

本発明は、外力を検出する力覚センサに関し、特に、弾性変形部に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出することにより、作用した外力の所定方向成分を検出する力覚センサに関する。
ロボットや産業機械の動作制御を行うために、種々のタイプの力覚センサが利用されている。このような用途に用いる力覚センサには、小型化およびコストダウンを図るために、できるだけ構造を単純にするとともに、三次元空間内での各座標軸に関する力をそれぞれ独立して検出できるようにすることが望まれている。
このような要求に応えるため、一部分に弾性変形部が設けられた検出用構造体を用意し、この弾性変形部に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出することにより、作用した外力の所定方向成分を検出する力覚センサが提案されている。たとえば、下記の特許文献1,2には、ダイアフラム部に生じた撓みをピエゾ抵抗素子を用いて検出する力覚センサが開示されており、特許文献3には、ダイアフラム部に生じた変位を容量素子を用いて検出する力覚センサが開示されている。また、特許文献4には、ダイアフラム部の代わりにビーム構造を有する4本の橋梁部に生じた撓みをピエゾ抵抗素子を用いて検出する力覚センサが開示されている。
一方、同様の原理に基づいて、作用した外力を各座標軸方向の並進力と各座標軸まわりのモーメントとに分け、合計6軸成分をそれぞれ独立して検出可能な力覚センサも提案されている。たとえば、特許文献5には、外力を4本の柱状力伝達体を介して4組の局在ダイアフラムに伝達し、各局在ダイアフラムの変位態様を容量素子によって検出することにより、外力の6軸成分を独立して検出可能な力覚センサが開示されている。また、特許文献6には、1軸まわりのモーメントの検出に特化することにより、トルクセンサとして利用可能な力覚センサが開示されている。
特開平3−202778号公報 特開平4−084725号公報 特開2010−008343号公報 特開2004−069405号公報 特開2004−325367号公報 特開2012−037300号公報
近年、急激な高齢化社会に向け、生活支援ロボットや医療支援ロボットの需要が高まってきており、産業界のみならず、一般市民生活へもロボットの普及が進んでゆくものと予想される。このように、人とロボットとが共存する社会では、ロボットが人に危害を加えることがないように、ロボットの安全性を十分に確保しておくことが極めて重要である。
一方、ロボットの動作制御を行うためには力覚センサが不可欠であり、力覚センサの動作不良はロボットの安全性を損なう要因になる。特に、生活支援ロボットや医療支援ロボットに組み込まれている力覚センサに異常が発生すると、ロボットが正常に動作することができなくなり、要介護者や患者に対して危害を及ぼす可能性がある。
ところが、前掲の各特許文献に開示されている従来の力覚センサは、上述したとおり、弾性変形部に生じた撓みや変位をピエゾ抵抗素子や容量素子などの検出素子によって電気的に検出するものであるため、検出素子の破損、信号線の断線、信号処理回路の不調などの不良要因を皆無にすることは困難である。しかも、これらの力覚センサは、異常が発生している場合にも、何らかの検出値を出力し続けるため、ロボットの制御部が異常発生を認識できなかった場合には、ロボットが誤動作することになり、人に危害が及ぶ可能性がある。
そこで本発明は、異常が生じた場合にこれを外部に報知することができる力覚センサを提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、作用した外力の所定方向成分を検出する力覚センサにおいて、
力の作用により弾性変形を生じる弾性変形部と、この弾性変形部を支持する支持部と、検出対象となる外力を受ける受力部と、この受力部に加えられた外力を弾性変形部の所定箇所に伝達する力伝達部と、を有する検出用構造体と、
弾性変形部の所定位置に定義された複数n個の各検出点の第1の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出するn個のA系統検出素子と、
n個の各検出点の第1の近傍部分とは異なる第2の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出するn個のB系統検出素子と、
を設け、
任意のi(1≦i≦n)について、第i番目のA系統検出素子は、第i番目の検出点の第1の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出し、第i番目のB系統検出素子は、第i番目の検出点の第2の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出するようにし、
更に、
n個のA系統検出素子によって検出された電気的な検出信号に基づいて、受力部に加えられた外力の所定方向成分を示すA系統検出値を出力するA系統信号処理手段と、
n個のB系統検出素子によって検出された電気的な検出信号に基づいて、受力部に加えられた外力の所定方向成分を示すB系統検出値を出力するB系統信号処理手段と、
A系統検出値とB系統検出値とを比較し、両者の差分dを求め、A系統検出値もしくはB系統検出値またはこれら両者に基づいて算出された所定の算出値を最終検出値として出力するとともに、差分dが所定の許容値Tを超えていた場合には、差分エラーを出力する比較手段と、
を設けるようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述した第1の態様に係る力覚センサにおいて、
XYZ三次元直交座標系を定義したときに、検出用構造体が、
Z軸を中心軸としてXY平面もしくはXY平面に平行な平面に沿って延びる薄板状のダイアフラム部によって構成された弾性変形部と、この弾性変形部の周囲を支持固定する環状構造体によって構成された支持部と、を有する下部構造体と、
弾性変形部の上方に所定距離をおいてZ軸が中心軸となるように配置された板状基板によって構成された受力部と、受力部の下面中央と弾性変形部の上面中央とをZ軸に沿って接続する力伝達部と、を有する上部構造体と、
を備えるようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述した第1の態様に係る力覚センサにおいて、
XYZ三次元直交座標系を定義したときに、検出用構造体が、
Z軸上に位置する中央部と、中央部からXY平面もしくはXY平面に平行な平面に沿って放射状に延びる複数本の薄板状の橋梁部と、を有する弾性変形部と、この弾性変形部の周囲を支持固定する環状構造体によって構成された支持部と、を有する下部構造体と、
弾性変形部の上方に所定距離をおいてZ軸が中心軸となるように配置された板状基板によって構成された受力部と、受力部の下面中央と中央部の上面とをZ軸に沿って接続する力伝達部と、を有する上部構造体と、
を備えるようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述した第3の態様に係る力覚センサにおいて、
弾性変形部が、中央部からX軸正方向に向かって延びる薄板状の第1橋梁部と、中央部からX軸負方向に向かって延びる薄板状の第2橋梁部と、中央部からY軸正方向に向かって延びる薄板状の第3橋梁部と、中央部からY軸負方向に向かって延びる薄板状の第4橋梁部と、を有するようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述した第1の態様に係る力覚センサにおいて、
XYZ三次元直交座標系を定義したときに、検出用構造体が、Z軸を中心軸としてXY平面もしくはXY平面に平行な平面に沿って延びる基板によって構成された下部構造体と、この下部構造体の上方に配置された上部構造体と、を備えており、
下部構造体を構成する基板には、複数m箇所にXY平面もしくはXY平面に平行な平面に沿った方向に延びる薄板状の局在ダイアフラム部が形成されており、下部構造体のうち、これらm組の局在ダイアフラム部の部分が弾性変形部を構成し、それ以外の部分が支持部を構成しており、
上部構造体は、下部構造体を構成する基板の上方に所定距離をおいてZ軸が中心軸となるように配置された板状基板によって構成された受力部と、受力部の下面の所定箇所とm組のダイアフラム部の上面中央とを接続するm組の力伝達部と、を有しているようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述した第5の態様に係る力覚センサにおいて、
m=4に設定することにより、下部構造体を構成する基板には、4箇所にXY平面もしくはXY平面に平行な平面に沿った方向に延びる薄板状の局在ダイアフラム部が形成されており、各局在ダイアフラム部の下面は共通の検出基準面に含まれ、
上部構造体は、下部構造体を構成する基板の上方に所定距離をおいてZ軸が中心軸となるように配置された板状基板によって構成された受力部と、受力部の下面と4組の局在ダイアフラム部の上面とを接続する4組の力伝達部と、を有しており、
4組の力伝達部のうち、第1の力伝達部は、正のX軸と交差するZ軸に平行な直線に沿って、受力部の下面の所定位置と第1の局在ダイアフラム部の上面中央とを接続し、第2の力伝達部は、負のX軸と交差するZ軸に平行な直線に沿って、受力部の下面の所定位置と第2の局在ダイアフラム部の上面中央とを接続し、第3の力伝達部は、正のY軸と交差するZ軸に平行な直線に沿って、受力部の下面の所定位置と第3の局在ダイアフラム部の上面中央とを接続し、第4の力伝達部は、負のY軸と交差するZ軸に平行な直線に沿って、受力部の下面の所定位置と第4の局在ダイアフラム部の上面中央とを接続しているようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、上述した第2〜第6の態様に係る力覚センサにおいて、
XY平面もしくはXY平面に平行な平面上に検出基準面を定義し、この検出基準面上にZ軸を中心とした検出基準円を描いたときに、n個の検出点がすべて検出基準円上に配置されているようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、上述した第7の態様に係る力覚センサにおいて、
各検出点について、Z軸から遠い側を外側、Z軸に近い側を内側と呼んだときに、任意のi(1≦i≦n)について、
第i番目のA系統検出素子は、第i番目の検出点の外側の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出し、
第i番目のB系統検出素子は、第i番目の検出点の内側の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出するようにしたものである。
(9) 本発明の第9の態様は、上述した第1〜第8の態様に係る力覚センサにおいて、
n個のA系統検出素子の一部もしくは全部によって検出された電気的な検出信号と、n個のB系統検出素子の一部もしくは全部によって検出された電気的な検出信号と、の双方に基づいて、受力部に加えられた外力の所定方向成分を示す補助系統検出値を出力する補助系統信号処理手段を更に設け、
比較手段が、A系統検出値とB系統検出値との差分dに加えて、更に、A系統検出値と補助系統検出値との差分dAおよびB系統検出値と補助系統検出値との差分dBを求め、差分d,dA,dBのいずれかが所定の許容値Tを超えていた場合には、差分エラーを出力するようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、上述した第9の態様に係る力覚センサにおいて、
比較手段が、dA<dBの場合はA系統検出値を最終検出値として出力し、dA>dBの場合はB系統検出値を最終検出値として出力し、dA=dBの場合はA系統検出値またはB系統検出値を最終検出値として出力するようにしたものである。
(11) 本発明の第11の態様は、上述した第9または第10の態様に係る力覚センサにおいて、
比較手段が、差分d,dA,dBのうちの2つが所定の許容値Tを超えていた場合には、当該2つの差分の算出にともに関与した検出値を誤検出値と推定し、この誤検出値を除く2つの検出値の一方またはこれら両方に基づいて算出された所定の算出値を最終検出値として出力する例外処理を行うようにしたものである。
(12) 本発明の第12の態様は、上述した第1〜第8の態様に係る力覚センサにおいて、
比較手段が、A系統検出値およびB系統検出値について、所定の許容レンジ内であるか否かを判定し、当該許容レンジを超えていた場合は、レンジアウトエラーを出力するようにしたものである。
(13) 本発明の第13の態様は、上述した第12の態様に係る力覚センサにおいて、
比較手段が、A系統検出値のみが許容レンジを超えていた場合は、B系統検出値を最終検出値として出力し、B系統検出値のみが許容レンジを超えていた場合は、A系統検出値を最終検出値として出力し、A系統検出値およびB系統検出値の双方が許容レンジを超えていた場合は、許容レンジ内の所定のダミー値を最終検出値として出力するようにしたものである。
(14) 本発明の第14の態様は、上述した第1〜第8の態様に係る力覚センサにおいて、
比較手段が、A系統検出値およびB系統検出値の平均値を算出し、当該平均値を最終検出値として出力するようにしたものである。
(15) 本発明の第15の態様は、上述した第1〜第14の態様に係る力覚センサにおいて、
任意のi(1≦i≦n)について、
第i番目のA系統検出素子は、第i番目の検出点の第1の近傍部分に配置されたピエゾ抵抗素子によって構成され、当該近傍部分に生じた撓みを電気抵抗値の変化として示す検出信号を出力し、
第i番目のB系統検出素子は、第i番目の検出点の第2の近傍部分に配置されたピエゾ抵抗素子によって構成され、当該近傍部分に生じた撓みを電気抵抗値の変化として示す検出信号を出力するようにしたものである。
(16) 本発明の第16の態様は、上述した第1〜第14の態様に係る力覚センサにおいて、
任意のi(1≦i≦n)について、
第i番目のA系統検出素子は、第i番目の検出点の第1の近傍部分に配置された第i番目のA系統変位電極と、この第i番目のA系統変位電極に対向するように支持部に固定された第i番目のA系統固定電極と、を有する第i番目のA系統容量素子によって構成され、当該第1の近傍部分に生じた変位を静電容量値の変化として示す検出信号を出力し、
第i番目のB系統検出素子は、第i番目の検出点の第2の近傍部分に配置された第i番目のB系統変位電極と、この第i番目のB系統変位電極に対向するように支持部に固定された第i番目のB系統固定電極と、を有する第i番目のB系統容量素子によって構成され、当該第2の近傍部分に生じた変位を静電容量値の変化として示す検出信号を出力するようにしたものである。
(17) 本発明の第17の態様は、上述した第2または第4の態様に係る力覚センサにおいて、
ダイアフラム部または各橋梁部の上面もしくは下面に検出基準面を定義し、X軸およびY軸を検出基準面に投影して得られるX軸投影像およびY軸投影像を定義したときに、
n=4に設定することにより検出基準面上に4個の検出点が定義されており、検出基準面上にZ軸を中心とした検出基準円を描いたときに、第1番目の検出点は正のX軸投影像と検出基準円との交点に位置し、第2番目の検出点は負のX軸投影像と検出基準円との交点に位置し、第3番目の検出点は正のY軸投影像と検出基準円との交点に位置し、第4番目の検出点は負のY軸投影像と検出基準円との交点に位置し、
各検出点について、Z軸から遠い側を外側、Z軸に近い側を内側と呼んだときに、
第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点の外側の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出し、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点の内側の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出し、
第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点の外側の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出し、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点の内側の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出し、
第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点の外側の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出し、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点の内側の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出し、
第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点の外側の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出し、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点の内側の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出するようにしたものである。
(18) 本発明の第18の態様は、上述した第17の態様に係る力覚センサにおいて、
各検出素子はダイアフラム部または各橋梁部の上面もしくは下面に埋め込まれたピエゾ抵抗素子によって構成されており、各ピエゾ抵抗素子は、埋め込まれた位置に生じた撓みを電気抵抗値の変化として出力する機能を有し、
第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点の外側にX軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R1Aからなり、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点の内側にX軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R1Bからなり、
第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点の外側にX軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R2Aからなり、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点の内側にX軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R2Bからなり、
第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点の外側にY軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R3Aからなり、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点の内側にY軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R3Bからなり、
第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点の外側にY軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R4Aからなり、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点の内側にY軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R4Bからなるようにしたものである。
(19) 本発明の第19の態様は、上述した第18の態様に係る力覚センサにおいて、
8組のピエゾ抵抗素子R1A〜R4A,R1B〜R4Bの抵抗値をそれぞれ同じ符号を用いてR1A〜R4A,R1B〜R4Bと表したときに、
A系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1A,K2A,K3Aを用いて、
FzA=K1A×(R1A+R2A+R3A+R4A)
MxA=K2A×(R3A−R4A)
MyA=K3A×(R1A−R2A)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzA、X軸まわりのモーメント成分MxA、Y軸まわりのモーメント成分MyAを示すA系統検出値を出力し、
B系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1B,K2B,K3Bを用いて、
FzB=K1B×(R1B+R2B+R3B+R4B)
MxB=K2B×(R3B−R4B)
MyB=K3B×(R1B−R2B)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzB、X軸まわりのモーメント成分MxB、Y軸まわりのモーメント成分MyBを示すB系統検出値を出力するようにしたものである。
(20) 本発明の第20の態様は、上述した第17の態様に係る力覚センサにおいて、
各検出素子はダイアフラム部または各橋梁部の上面もしくは下面に固定された変位電極と、この変位電極に対向するように支持部に固定された固定電極と、を有する容量素子によって構成されており、各容量素子は、変位電極が固定された位置に生じた変位を静電容量値の変化として出力する機能を有し、
第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点の外側に配置された容量素子C1Aからなり、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点の内側に配置された容量素子C1Bからなり、
第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点の外側に配置された容量素子C2Aからなり、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点の内側に配置された容量素子C2Bからなり、
第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点の外側に配置された容量素子C3Aからなり、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点の内側に配置された容量素子C3Bからなり、
第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点の外側に配置された容量素子C4Aからなり、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点の内側に配置された容量素子C4Bからなるようにしたものである。
(21) 本発明の第21の態様は、上述した第20の態様に係る力覚センサにおいて、
8組の容量素子C1A〜C4A,C1B〜C4Bの静電容量値をそれぞれ同じ符号を用いてC1A〜C4A,C1B〜C4Bと表したときに、
A系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1A,K2A,K3Aを用いて、
FzA=K1A×(C1A+C2A+C3A+C4A)
MxA=K2A×(C3A−C4A)
MyA=K3A×(C1A−C2A)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzA、X軸まわりのモーメント成分MxA、Y軸まわりのモーメント成分MyAを示すA系統検出値を出力し、
B系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1B,K2B,K3Bを用いて、
FzB=K1B×(C1B+C2B+C3B+C4B)
MxB=K2B×(C3B−C4B)
MyB=K3B×(C1B−C2B)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzB、X軸まわりのモーメント成分MxB、Y軸まわりのモーメント成分MyBを示すB系統検出値を出力するようにしたものである。
(22) 本発明の第22の態様は、上述した第2または第4の態様に係る力覚センサにおいて、
ダイアフラム部または各橋梁部の上面もしくは下面に検出基準面を定義し、X軸およびY軸を検出基準面に投影して得られるX軸投影像およびY軸投影像を定義したときに、
n=4に設定することにより検出基準面上に4個の検出点が定義されており、検出基準面上にZ軸を中心とした検出基準円を描いたときに、第1番目の検出点は正のX軸投影像と検出基準円との交点に位置し、第2番目の検出点は負のX軸投影像と検出基準円との交点に位置し、第3番目の検出点は正のY軸投影像と検出基準円との交点に位置し、第4番目の検出点は負のY軸投影像と検出基準円との交点に位置し、
第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点の、Y座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点の、Y座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点の、Y座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点の、Y座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点の、X座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点の、X座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点の、X座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点の、X座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出するようにしたものである。
(23) 本発明の第23の態様は、上述した第22の態様に係る力覚センサにおいて、
各検出素子はダイアフラム部または各橋梁部の上面もしくは下面に固定された変位電極と、この変位電極に対向するように支持部に固定された固定電極と、を有する容量素子によって構成されており、各容量素子は、変位電極が固定された位置に生じた変位を静電容量値の変化として出力する機能を有し、
第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点の、Y座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C1Aからなり、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点の、Y座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C1Bからなり、
第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点の、Y座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C2Aからなり、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点の、Y座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C2Bからなり、
第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点の、X座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C3Aからなり、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点の、X座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C3Bからなり、
第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点の、X座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C4Aからなり、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点の、X座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C4Bからなるようにしたものである。
(24) 本発明の第24の態様は、上述した第23の態様に係る力覚センサにおいて、
8組の容量素子C1A〜C4A,C1B〜C4Bの静電容量値をそれぞれ同じ符号を用いてC1A〜C4A,C1B〜C4Bと表したときに、
A系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1A,K2A,K3Aを用いて、
FzA=K1A×(C1A+C2A+C3A+C4A)
MxA=K2A×(C3A−C4A)
MyA=K3A×(C1A−C2A)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzA、X軸まわりのモーメント成分MxA、Y軸まわりのモーメント成分MyAを示すA系統検出値を出力し、
B系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1B,K2B,K3Bを用いて、
FzB=K1B×(C1B+C2B+C3B+C4B)
MxB=K2B×(C3B−C4B)
MyB=K3B×(C1B−C2B)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzB、X軸まわりのモーメント成分MxB、Y軸まわりのモーメント成分MyBを示すB系統検出値を出力するようにしたものである。
(25) 本発明の第25の態様は、上述した第24の態様に係る力覚センサにおいて、
所定の符号付き比例係数K2C,K3Cを用いて、
MxC=K2C×((C1A+C2A)−(C1B+C2B))
MyC=K3C×((C3B+C4B)−(C3A+C4A))
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のX軸まわりのモーメント成分MxCおよびY軸まわりのモーメント成分MyCを示す補助系統検出値を出力する補助系統信号処理手段を更に有し、
比較手段が、A系統検出値とB系統検出値との差分dに加えて、更に、A系統検出値と補助系統検出値との差分dAおよびB系統検出値と補助系統検出値との差分dBを求め、差分d,dA,dBのいずれかが所定の許容値Tを超えていた場合には、差分エラーを出力するようにしたものである。
(26) 本発明の第26の態様は、上述した第6の態様に係る力覚センサにおいて、
X軸およびY軸を検出基準面に投影して得られるX軸投影像およびY軸投影像を定義し、検出基準面上にZ軸を中心とした検出基準円を描いたときに、
n=4に設定することにより、各局在ダイアフラム部の下面中央にそれぞれ1つの検出点が定義されており、第1番目の検出点は正のX軸投影像と検出基準円との交点に位置し、第2番目の検出点は負のX軸投影像と検出基準円との交点に位置し、第3番目の検出点は正のY軸投影像と検出基準円との交点に位置し、第4番目の検出点は負のY軸投影像と検出基準円との交点に位置し、
各検出点について、Z軸から遠い側を外側、Z軸に近い側を内側と呼んだときに、
第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点の外側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点の内側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点の外側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点の内側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点の外側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点の内側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点の外側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点の内側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出するようにしたものである。
(27) 本発明の第27の態様は、上述した第26の態様に係る力覚センサにおいて、
各検出素子は各局在ダイアフラム部の下面に固定された変位電極と、この変位電極に対向するように支持部に固定された固定電極と、を有する容量素子によって構成されており、各容量素子は、変位電極が固定された位置に生じた変位を静電容量値の変化として出力する機能を有し、
第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点の外側に配置された容量素子C1Aからなり、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点の内側に配置された容量素子C1Bからなり、
第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点の外側に配置された容量素子C2Aからなり、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点の内側に配置された容量素子C2Bからなり、
第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点の外側に配置された容量素子C3Aからなり、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点の内側に配置された容量素子C3Bからなり、
第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点の外側に配置された容量素子C4Aからなり、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点の内側に配置された容量素子C4Bからなるようにしたものである。
(28) 本発明の第28の態様は、上述した第27の態様に係る力覚センサにおいて、
8組の容量素子C1A〜C4A,C1B〜C4Bの静電容量値をそれぞれ同じ符号を用いてC1A〜C4A,C1B〜C4Bと表したときに、
A系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1A,K2A,K3Aを用いて、
FzA=K1A×(C1A+C2A+C3A+C4A)
MxA=K2A×(C3A−C4A)
MyA=K3A×(C1A−C2A)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzA、X軸まわりのモーメント成分MxA、Y軸まわりのモーメント成分MyAを示すA系統検出値を出力し、
B系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1B,K2B,K3Bを用いて、
FzB=K1B×(C1B+C2B+C3B+C4B)
MxB=K2B×(C3B−C4B)
MyB=K3B×(C1B−C2B)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzB、X軸まわりのモーメント成分MxB、Y軸まわりのモーメント成分MyBを示すB系統検出値を出力するようにしたものである。
(29) 本発明の第29の態様は、上述した第6の態様に係る力覚センサにおいて、
X軸およびY軸を検出基準面に投影して得られるX軸投影像およびY軸投影像を定義し、検出基準面上にZ軸を中心とした検出基準円を描いたときに、
n=4に設定することにより、各局在ダイアフラム部の下面中央にそれぞれ1つの検出点が定義されており、第1番目の検出点は正のX軸投影像と検出基準円との交点に位置し、第2番目の検出点は負のX軸投影像と検出基準円との交点に位置し、第3番目の検出点は正のY軸投影像と検出基準円との交点に位置し、第4番目の検出点は負のY軸投影像と検出基準円との交点に位置し、
第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点の、Y座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点の、Y座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点の、Y座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点の、Y座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点の、X座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点の、X座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点の、X座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点の、X座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出するようにしたものである。
(30) 本発明の第30の態様は、上述した第29の態様に係る力覚センサにおいて、
各検出素子は各局在ダイアフラム部の下面に固定された変位電極と、この変位電極に対向するように支持部に固定された固定電極と、を有する容量素子によって構成されており、各容量素子は、変位電極が固定された位置に生じた変位を静電容量値の変化として出力する機能を有し、
第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点の、Y座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C1Aからなり、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点の、Y座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C1Bからなり、
第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点の、Y座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C2Aからなり、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点の、Y座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C2Bからなり、
第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点の、X座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C3Aからなり、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点の、X座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C3Bからなり、
第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点の、X座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C4Aからなり、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点の、X座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C4Bからなるようにしたものである。
(31) 本発明の第31の態様は、上述した第30の態様に係る力覚センサにおいて、
8組の容量素子C1A〜C4A,C1B〜C4Bの静電容量値をそれぞれ同じ符号を用いてC1A〜C4A,C1B〜C4Bと表したときに、
A系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1A,K2A,K3Aを用いて、
FzA=K1A×(C1A+C2A+C3A+C4A)
MxA=K2A×(C3A−C4A)
MyA=K3A×(C1A−C2A)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzA、X軸まわりのモーメント成分MxA、Y軸まわりのモーメント成分MyAを示すA系統検出値を出力し、
B系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1B,K2B,K3Bを用いて、
FzB=K1B×(C1B+C2B+C3B+C4B)
MxB=K2B×(C3B−C4B)
MyB=K3B×(C1B−C2B)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzB、X軸まわりのモーメント成分MxB、Y軸まわりのモーメント成分MyBを示すB系統検出値を出力するようにしたものである。
(32) 本発明の第32の態様は、上述した第31の態様に係る力覚センサにおいて、
所定の符号付き比例係数K2C,K3Cを用いて、
MxC=K2C×((C1A+C2A)−(C1B+C2B))
MyC=K3C×((C3B+C4B)−(C3A+C4A))
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のX軸まわりのモーメント成分MxCおよびY軸まわりのモーメント成分MyCを示す補助系統検出値を出力する補助系統信号処理手段を更に有し、
比較手段が、A系統検出値とB系統検出値との差分dに加えて、更に、A系統検出値と補助系統検出値との差分dAおよびB系統検出値と補助系統検出値との差分dBを求め、差分d,dA,dBのいずれかが所定の許容値Tを超えていた場合には、差分エラーを出力するようにしたものである。
本発明に係る力覚センサでは、検出用構造体の弾性変形部の所定位置に複数n個の検出点が定義され、これら個々の検出点の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を検出するために、A系統検出素子とB系統検出素子との2通りの検出素子が設けられ、2通りの検出値が求められる。そして、両検出値の差分が所定の許容値を超えていた場合には、差分エラーが出力される。したがって、何らかの異常が生じた場合には、差分エラーとして異常を報知することができる。
力覚センサに用いられる一般的な検出用構造体の側断面図(図(a) )および下部構造体100の上面図(図(b) )である。 図1に示す検出用構造体の受力部210に対して、力−Fzおよびモーメント+Myが作用したときの変形状態を示す側断面図である。 力覚センサに用いられる別な検出用構造体の側断面図(図(a) )および下部構造体100′の上面図(図(b) )である。 図1に示す検出用構造体に検出素子としてピエゾ抵抗素子を組み込んだ従来の力覚センサを示す側断面図(図(a) )および下部構造体100の上面図(図(b) )である。 図4に示す力覚センサによる力−Fzおよびモーメント+Myの検出原理を示す側断面図である。 図1に示す検出用構造体に検出素子として容量素子を組み込んだ従来の力覚センサを示す側断面図(図(a) )および下部構造体100の下面図(図(b) )である。 図6に示す力覚センサによる力−Fzおよびモーメント+Myの検出原理を示す側断面図である。 図4に示す力覚センサにおける各ピエゾ抵抗素子R1〜R4の抵抗値の変化を示す表および作用した外力の所定方向成分を求める演算式を示す図である。 図6に示す力覚センサにおける各容量素子C1〜C4の静電容量値の変化を示す表および作用した外力の所定方向成分を求める演算式を示す図である。 図4および図6に示す力覚センサにおける各検出素子D1〜D4の配置を示す上面図である。 図10に示す検出素子D1〜D4から得られる検出信号の値D1〜D4を用いて、作用した外力の所定方向成分を求める演算式を示す図である。 従来の力覚センサと本発明に係る力覚センサとの基本構成の相違を示すブロック図である。 本発明に係る力覚センサにおける各検出素子D1A〜D4A,D1B〜D4Bの配置を示す上面図である。 図13に示す検出素子D1A〜D4A,D1B〜D4Bから得られる検出信号の変化を示す表および作用した外力の所定方向成分を求める演算式を示す図である。 図1に示す検出用構造体に検出素子としてピエゾ抵抗素子を組み込んだ本発明に係る力覚センサを示す側断面図(図(a) )および下部構造体100の上面図(図(b) )である。 図1に示す検出用構造体に検出素子として容量素子を組み込んだ本発明に係る力覚センサを示す側断面図(図(a) )および下部構造体100の下面図(図(b) )である。 図16に示す力覚センサの基本構成を示すブロック図である。 図17に示す比較手段45の具体的な処理手順を示す流れ図である。 図16に示す力覚センサの変形例を示す側断面図(図(a) )および下部構造体100の下面図(図(b) )である。 図19に示す力覚センサにおいて、補助系統信号処理を加えた場合の基本構成を示すブロック図である。 本発明に係る力覚センサの別な実施形態に用いられる検出用構造体の側断面図(図(a) )および下部構造体400の下面図(図(b) )である。 図21に示す検出用構造体の受力部510に対して、力−Fzおよびモーメント+Myが作用したときの変形状態を示す側断面図である。 図21に示す検出用構造体に検出素子として容量素子を組み込んだ本発明の別な実施形態に係る力覚センサを示す側断面図(図(a) )および下部構造体100の下面図(図(b) )である。 図23に示す力覚センサにおける容量素子の配置パターンを変更した変形例を示す側断面図(図(a) )および下部構造体100の下面図(図(b) )である。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
<<< §1. 従来の一般的な力覚センサの構成 >>>
まず§1では、説明の便宜上、前掲の各特許文献等に開示されている従来の一般的な力覚センサの構造および動作を述べておく。
<1−1.ダイアフラム部を有する検出用構造体>
図1は、従来の一般的な力覚センサに用いられているダイアフラム部を有する検出用構造体の一例を示す図である。たとえば、前掲の特許文献1〜3に開示されている力覚センサには、図1に示す検出用構造体に類似した構造体が用いられている。
図1(a) は、この検出用構造体の側断面図である。図示の例の場合、検出用構造体は、下部構造体100と上部構造体200によって構成されている。図1(b) は、下部構造体100の上面図である。下部構造体100は、円盤の下面側に円柱状の溝Hを形成した構造をなし、円筒状の支持部110と、円形薄板状のダイアフラム部120とを有している。ダイアフラム部120の周囲は支持部110によって支持固定され、中央部125には外力が伝達される。一方、上部構造体200は、円盤状の受力部210と、円柱状の力伝達部220とを有している。力伝達部220は、受力部210の下面の中央部とダイアフラム部120の上面の中央部125とを接続している。
下部構造体100と上部構造体200は、金属や樹脂などの一般的な材料によって構成することができるが、ダイアフラム部120は、外力の作用により弾性変形を生じる必要があるので、検出対象となる外力が作用したときに可撓性を呈する厚みに設定する。他の部分は、できるだけ剛体として作用するのが好ましいので、ダイアフラム部120に比べて十分に肉厚の材料によって構成すればよい。
ここで説明の便宜上、図示のとおり、ダイアフラム部120の中心に原点Oをとり、図1(a) の右方向にX軸、図1(a) の上方向にZ軸、図1(b) の上方向にY軸をとり、XYZ三次元直交座標系を定義し、当該座標系を用いて以下の動作説明を行うことにする。図1(a) に示されている下部構造体100は、図1(b) に示されている下部構造体100をXZ平面で切断した断面図に相当する。
結局、図示のような座標系を定義した場合、下部構造体100は、Z軸を中心軸としてXY平面に沿って延びる薄板状のダイアフラム部によって構成された弾性変形部120と、この弾性変形部120の周囲を支持固定する環状構造体によって構成された支持部110と、を有する基板状の構成要素であり、上部構造体200は、弾性変形部120の上方に所定距離をおいてZ軸が中心軸となるように配置された板状基板によって構成された受力部210と、この受力部210の下面中央と弾性変形部120の上面中央とをZ軸に沿って接続する力伝達部220と、を有する構成要素である。
なお、図示の例は、円盤状の部材の下面側に溝Hを掘ることにより、下部構造体100の上層の残存層としてダイアフラム部120が形成されているため、ダイアフラム部120はXY平面に沿って延びる薄板状構造体によって構成されているが、溝Hは、必ずしも下面側に形成する必要はなく、上面側に形成してもよいし(この場合は、下層の残存層としてダイアフラム部が形成される)、上面側と下面側との両方に形成してもよい(この場合は、中間の残存層としてダイアフラム部が形成される)。要するに、弾性変形部120は、Z軸を中心軸として、XY平面もしくはXY平面に平行な平面に沿って延びる薄板状のダイアフラム部によって構成すればよい。
また、図示の例は、下部構造体100と上部構造体200とを接合することにより検出用構造体を構成した例であるが、検出用構造体は、全体が一体構造をなすような構造にしてもかまわない。要するに、この力覚センサに用いる検出用構造体は、力の作用により弾性変形を生じる弾性変形部120と、この弾性変形部120を支持する支持部110と、検出対象となる外力を受ける受力部210と、この受力部210に加えられた外力を弾性変形部120の所定箇所に伝達する力伝達部220と、を有していればよい。
続いて、この図1に示す検出用構造体に外力が作用した場合の変形態様を説明する。ここでは、支持部110を固定した状態において、受力部210に具体的な外力成分が加わった場合の変形態様を示す。たとえば、この検出用構造体をロボットアームの関節部として用い、支持部110をロボットアームの上腕部に取り付け、受力部210を下腕部に取り付けた場合、上腕部を固定した状態において下腕部に作用した外力により、弾性変形部120に変形が生じることになる。
図2(a) は、受力部210にZ軸負方向の並進力−Fz(図の下方への力)が加わったときの検出用構造体の変形態様を示す側断面図である。図示のとおり、力−Fzが力伝達部220を介して弾性変形部120(ダイアフラム部)の中央部125に伝わり、弾性変形部120は下に凸となるように弾性変形する。逆に、Z軸正方向の並進力+Fz(図の上方への力)が加わった場合は、弾性変形部120は上に凸となるように弾性変形する。
一方、図2(b) は、受力部210にY軸正まわりのモーメント+My(図では時計まわりのモーメント:なお、本願では、右ねじを所定の座標軸正方向に進めるための回転方向を、当該座標軸についての正まわりと定義している)が加わったときの検出用構造体の変形態様を示す側断面図である。図示のとおり、モーメント+Myが力伝達部220を介して弾性変形部120(ダイアフラム部)の中央部125に伝わり、弾性変形部120は図示のように、右半分が下に凸、左半分が上に凸となるように弾性変形する。逆に、Y軸負まわりのモーメント−My(図では反時計まわりのモーメント)が加わった場合は、弾性変形部120は、右半分が上に凸、左半分が下に凸となるように弾性変形する。なお、X軸まわりのモーメント±Mxが加わったときの変形態様は、図2(b) をYZ平面で切断した側断面図と考えればよい。
このように、受力部210に様々な方向成分をもった外力が作用すると、当該外力に応じて、弾性変形部120には固有の変形が生じ、各部に撓みや変位が生じることになる。こうして生じた各部の撓みや変位を、検出素子によって電気信号として取り出すことにより、作用した外力を個々の方向成分ごとに検出することができる。
<1−2.橋梁部を有する検出用構造体>
図3は、ダイアフラム部の代わりに橋梁部を有する検出用構造体の一例を示す図である。たとえば、前掲の特許文献4に開示されている力覚センサには、図3に示す検出用構造体に類似した構造体が用いられている。
図3(a) は、この検出用構造体の側断面図である。この例の場合も、検出用構造体は、下部構造体100′と上部構造体200によって構成されている。ここで、図3(a) に示す上部構造体200は、§1−1で述べた図1(a) に示す検出用構造体に用いられている上部構造体200と全く同じ構造をもった部材である。これに対して、図3(a) に示す下部構造体100′は、図1(a) に示す上部構造体100とは若干異なる構造を有している。
図3(b) は、下部構造体100′の上面図である。この下部構造体100′は、支持部110と、4本の橋梁部121〜124と、中央部125とを有している。支持部110は、図1に示す支持部110と同様に円筒状の構成要素であり、4本の橋梁部121〜124の外側端部を支持固定する役割を果たす。中央部125は、図1に示す中央部115と同様に、中心にZ軸が挿通する部材であり、その上面には力伝達部220の下端が接続されている。4本の橋梁部121〜124は、中央部125からXY平面に沿って放射状に延びる薄板状の部材である。
図3(a) に示すように、円筒状の支持部110の内部には、円柱状の溝Hが形成されているが、図3(b) に示す4箇所の扇形開口部を通して、溝Hは下部構造体100′の上方空間へと連なっている。
下部構造体100′と上部構造体200は、金属や樹脂などの一般的な材料によって構成することができるが、4本の橋梁部121〜124は、外力の作用により弾性変形を生じる必要があるので、検出対象となる外力が作用したときに可撓性を呈する厚みに設定する。他の部分は、できるだけ剛体として作用するのが好ましいので、4本の橋梁部121〜124に比べて十分に肉厚の材料によって構成すればよい。
ここでも説明の便宜上、図示のとおり、中央部125の中心に原点Oをとり、図3(a) の右方向にX軸、図3(a) の上方向にZ軸、図3(b) の上方向にY軸をとり、XYZ三次元直交座標系を定義し、当該座標系を用いて以下の動作説明を行うことにする。図3(a) に示されている下部構造体100′は、図3(b) に示されている下部構造体100′をXZ平面で切断した断面図に相当する。
結局、図3に示す検出用構造体は、図1に示す検出用構造体の弾性変形部120(ダイアフラム部)を、4本の橋梁部121〜124に置き換えたものということができ、4本の橋梁部121〜124および中央部125が弾性変形部120として機能することになる。図示の例の場合、4本の橋梁部121〜124は、XY平面の位置に配置されているが、もちろん、4本の橋梁部121〜124の位置はXY平面に沿って延びる位置に限定されるものではなく、XY平面に平行な別な平面に沿って延びる位置に配置してもかまわない。また、図示の例では、4本の橋梁部121〜124が設けられているが、橋梁部は4本に限定されるものではなく、複数本であれば任意の本数にしてかまわない。各部の材質は、図1に示す検出用構造体と同様でよい。
このように、この§1−2で述べる検出用構造体の特徴は、下部構造体100′と上部構造体200によって構成されており、下部構造体100′が、複数本の橋梁部からなる弾性変形部と、この弾性変形部の周囲を支持固定する環状構造体によって構成された支持部110と、を備えている点である。より具体的には、弾性変形部は、Z軸上に位置する中央部125と、この中央部125からXY平面もしくはXY平面に平行な平面に沿って放射状に延びる複数本の薄板状の橋梁部(この例では4本の橋梁部121〜124)と、によって構成されている。
一方、上部構造体200は、弾性変形部(121〜125)の上方に所定距離をおいてZ軸が中心軸となるように配置された板状基板によって構成された受力部210と、この受力部210の下面中央と弾性変形部の中央部125の上面とをZ軸に沿って接続する力伝達部220と、を有している。
特に、図3(b) に例示した検出用構造体の場合、弾性変形部は、中央部125からX軸正方向に向かって延びる薄板状の第1橋梁部121と、中央部125からX軸負方向に向かって延びる薄板状の第2橋梁部122と、中央部125からY軸正方向に向かって延びる薄板状の第3橋梁部123と、中央部125からY軸負方向に向かって延びる薄板状の第4橋梁部124と、を有している。このため、後述するような具体的な検出素子の配置を採用する場合に適した構造になっている。
このように、図1に示す例では、弾性変形部をダイアフラム部120によって構成しているのに対し、図3に示す例では、弾性変形部を複数本の橋梁部121〜124によって構成している。ダイアフラム部120も複数本の橋梁部121〜124も、外力の作用によって撓みを生じる点は同じであり、検出用構造体用の弾性変形部は、ダイアフラム部によって構成してもよいし、複数本の橋梁部によって構成してもよい。
本願では、便宜上、以下の説明において、検出用構造体用の弾性変形部をダイアフラム部によって構成した例を代表例として示すことにするが、これらの例におけるダイアフラム部は、適宜、複数本の橋梁部に置き換えることが可能である。
なお、図3に示す検出用構造体に外力が作用した場合の変形態様は、図2に示す変形態様と同様であるため、ここでは説明は省略する。
<1−3.ピエゾ抵抗素子を用いた例>
図4は、図1に示す検出用構造体に検出素子としてピエゾ抵抗素子を組み込んだ従来の力覚センサを示す図である。図4(a) は、この力覚センサをXZ平面で切断した状態を示す側断面図、図4(b) は、この力覚センサの下部構造体100の上面図である。
図4(b) に示すとおり、この例の場合、弾性変形部120(ダイアフラム部)の上面に、4組のピエゾ抵抗素子R1〜R4(黒塗りの小さな長方形で示す)が配置されている。具体的には、抵抗素子R1,R2はX軸に沿った位置に配置され、抵抗素子R3,R4はY軸に沿った位置に配置されている。図4(a) の側断面図に示されているとおり、各抵抗素子R1〜R4は、弾性変形部120の上面に埋め込まれているため、外力の作用により弾性変形部120が変形した場合、その上面の各位置に生じる撓みを電気抵抗の変化として検出することが可能である。
ここでは、説明の便宜上、図4(b) に×印で示すように、弾性変形部120の上面の各位置に検出点P11〜P14を定義する。4組の抵抗素子R1〜R4は、それぞれ検出点P11〜P14の位置に配置されており、検出点P11〜P14の位置に生じた撓みを電気抵抗の変化として検出することができる。図示の例の場合、抵抗素子R1は検出点P11の位置に長手方向がX軸方向を向くように配置され、抵抗素子R2は検出点P12の位置に長手方向がX軸方向を向くように配置され、抵抗素子R3は検出点P13の位置に長手方向がY軸方向を向くように配置され、抵抗素子R4は検出点P14の位置に長手方向がY軸方向を向くように配置されている。
図5は、図4に示す力覚センサによる力−Fzおよびモーメント+Myの検出原理を示す側断面図である。この力覚センサの場合、図5(a) に示すとおり、受力部210に下方への力−Fzが加わると、弾性変形部120は下に凸となるように弾性変形する。このとき、弾性変形部120の上面に位置する検出点P11,P12には、図に白矢印で示すとおり、X軸方向に関して縮む応力が加わる。同様に、弾性変形部120の上面に位置する検出点P13,P14には、Y軸方向に関して縮む応力が加わる。このため、4組の抵抗素子R1〜R4の抵抗値は減少する。逆に、上方への力+Fzが加わると、弾性変形部120は上に凸となるように弾性変形するので、弾性変形部120の上面に位置する検出点P11〜P14には、X軸もしくはY軸方向に関して伸びる応力が加わり、4組の抵抗素子R1〜R4の抵抗値は増加する。
一方、受力部210にY軸正まわりのモーメント+Myが加わると、図5(b) に示すとおり、弾性変形部120は、右半分が下に凸、左半分が上に凸となるように弾性変形するので、図に白矢印で示すとおり、検出点P11にはX軸方向に関して縮む応力が加わり、検出点P12にはX軸方向に関して伸びる応力が加わる。このため、抵抗素子R1の抵抗値は減少し、抵抗素子R2の抵抗値は増加する。このとき、抵抗素子R3,R4の抵抗値に有意な変化は生じない。
Y軸負まわりのモーメント−Myが加わった場合の抵抗値の増減の態様は上記と逆になる。また、X軸まわりのモーメント±Mxが加わった場合は、抵抗素子R3,R4の抵抗値が増減し、抵抗素子R1,R2の抵抗値に有意な変化は生じない。以上、弾性変形部120の上面に各検出点P11〜P14を定義した場合の動作であるが、弾性変形部120の下面に各検出点を定義し、各ピエゾ抵抗素子を弾性変形部120の下面に配置した場合は、伸縮の形態が逆になるため、抵抗素子の増減も逆になる。これら各抵抗素子の増減を電気的に検出すれば、作用した外力を個々の方向成分ごとに検出することができる。
<1−4.容量素子を用いた例>
図6は、図1に示す検出用構造体に検出素子として容量素子を組み込んだ従来の力覚センサを示す図である。図6(a) は、この力覚センサをXZ平面で切断した状態を示す側断面図、図6(b) は、この力覚センサの下部構造体100の下面図である。図1(b) や図4(b) が上面図であったのに対して、図6(b) は下部構造体100を下方から見上げた下面図であるため、図面上、Y軸の向きが逆転している。
ここに示す例の場合、図6(b) に示すとおり、弾性変形部120(ダイアフラム部)の下面の各位置に検出点P21〜P24が定義されており、これら各検出点P21〜P24の変位を検出するために、4組の容量素子C1〜C4が設けられている。すなわち、図6(b) に示すとおり、弾性変形部120の下面には、各検出点P21〜P24の位置に、それぞれ小さな円盤状の変位電極E21〜E24が固定されている。具体的には、変位電極E21,E22はX軸に沿った位置に配置され、変位電極E23,E24はY軸に沿った位置に配置されている。
一方、図6(a) に示すとおり、円筒状の支持部110の内部には、円盤状の電極支持基板300が配置されており、この電極支持基板300の上面には、4枚の固定電極E11〜E14が配置されている。電極支持基板300は、固定電極E11〜E14を支持するための構成要素であり、その外周面は支持部110の内周面に接続されている。固定電極E11〜E14は、変位電極E21〜E24と同じサイズの円盤状の電極であり、それぞれ変位電極E21〜E24に対向する位置に配置されている。すなわち、固定電極E11〜E14の平面的な配置は、図6(b) に示す変位電極E21〜E24の平面的な配置と同じになる。
こうして、4枚の変位電極E21〜E24とこれに対向する4枚の固定電極E11〜E14とによって、合計4組の容量素子C1〜C4が構成される。すなわち、容量素子C1は変位電極E21と固定電極E11とによって構成され、検出点P21の変位を検出するために利用され、容量素子C2は変位電極E22と固定電極E12とによって構成され、検出点P22の変位を検出するために利用され、容量素子C3は変位電極E23と固定電極E13とによって構成され、検出点P23の変位を検出するために利用され、容量素子C4は変位電極E24と固定電極E14とによって構成され、検出点P24の変位を検出するために利用される。図では、これら容量素子C1〜C4の符号を、各変位電極E21〜E24の符号の近くに括弧書きで示してある。
図示の便宜上、図6(a) では、ダイアフラム部120の厚みと電極支持基板300の厚みとの差があまりないように描かれているが、実際には、ダイアフラム部120は弾性変形部として機能するために十分に薄く、電極支持基板300は剛体として機能するために十分に厚い。したがって、各変位電極E21〜E24は、ダイアフラム部120の変形に応じて変位するが、各固定電極E11〜E14は、電極支持基板300が変形しないため変位しない。このため、外力が作用してダイアフラム部120が撓むと、各検出点P21〜P24が変位を生じ、当該変位を、各容量素子C1〜C4の静電容量値の変化として電気的に検出することができる。
図7は、図6に示す力覚センサによる力−Fzおよびモーメント+Myの検出原理を示す側断面図である。この力覚センサの場合、図7(a) に示すとおり、受力部210に下方への力−Fzが加わると、弾性変形部120は下に凸となるように弾性変形する。このとき、弾性変形部120の下面に位置する検出点P21,P22は、図の下方へ変位するため、これら検出点P21,P22の位置に配置されている容量素子C1,C2の電極間距離は減少し、静電容量値は増加する。検出点P23,P24も同様に下方へ変位するため、容量素子C3,C4の電極間距離も減少し、静電容量値は増加する。すなわち、下方への力−Fzの作用により、全容量素子C1〜C4の電極間距離が減少し、静電容量値は増加する。逆に、上方への力+Fzが加わると、全容量素子C1〜C4の電極間距離が増加し、静電容量値は減少する。
一方、受力部210にY軸正まわりのモーメント+Myが加わると、図7(b) に示すとおり、弾性変形部120は、右半分が下に凸、左半分が上に凸となるように弾性変形するので、容量素子C1の電極間距離は減少して静電容量値は増加するが、容量素子C2の電極間距離は増加して静電容量値は減少する。このとき、容量素子C3,C4の電極間距離は、一部では増加するが、他の一部では減少するため、静電容量値に有意な変化は生じない。
Y軸負まわりのモーメント−Myが加わった場合の静電容量値の増減の態様は上記と逆になる。また、X軸まわりのモーメント±Mxが加わった場合は、容量素子C3,C4の静電容量値が増減し、容量素子C1,C2の静電容量値に有意な変化は生じない。これら各容量素子の増減を電気的に検出すれば、作用した外力を個々の方向成分ごとに検出することができる。
<1−5.信号処理>
これまで、§1−3においてピエゾ抵抗素子を用いた従来の力覚センサの構成を例示し、§1−4において容量素子を用いた従来の力覚センサの構成を例示した。ここでは、これらの力覚センサについて、受力部210に加えられた外力のZ軸方向の力成分Fz、X軸まわりのモーメント成分Mx、Y軸まわりのモーメント成分Myを示す検出値を出力するための信号処理を簡単に述べておく。
図8は、§1−3で述べた図4に示す力覚センサにおいて、3種類の外力成分Fz,Mx,Myが作用したときの各ピエゾ抵抗素子R1〜R4の抵抗値の変化を示す表および作用した外力の所定方向成分を求める演算式を示す図である。上段の表において、「+」は抵抗値の増加を示し、「−」は抵抗値の減少を示し、「0」は抵抗値に有意な変化が生じないことを示している。各抵抗素子R1〜R4について、このような抵抗値変化が生じることは、既に§1−3で述べたとおりである。
したがって、各抵抗素子R1〜R4の抵抗値をそれぞれ同じ符号を用いてR1〜R4と表せば、下段に示す演算式:
Fz=K1×(R1+R2+R3+R4)
Mx=K2×(R3−R4)
My=K3×(R2−R1)
に基づく演算を行うことにより、3種類の外力成分Fz,Mx,Myを算出することができる。ここで、K1,K2,K3は所定の比例係数であり、Fz,Mx,Myを正確な力の検出値として出力するためのスケーリングファクターになる。また、用いるピエゾ抵抗素子の電気的特性が上例とは異なる場合(たとえば、縮む応力に対して抵抗値が増加し、伸びる応力に対して抵抗値が減少するような特性をもっている場合)は、必要に応じて、比例係数K1,K2,K3に負の値をもたせるようにすればよい。
なお、図示の演算式で算出した検出値Fzは、零点が正しく設定されていないため、実際には、何ら外力が作用していないときの算出値Fzが検出値0として出力されるよう零点補正を行う必要がある。検出値MxやMyについては、差分演算値になっているので、理論上は、何ら外力が作用していないときの算出値Mx,Myは0になるはずである。
また、実用上は、上記演算処理を行う代わりに、当該演算処理に相当する信号処理を行うことも可能である。たとえば、MxやMyの値は差分演算値として与えられるので、各抵抗素子を用いてブリッジ回路を構成し、当該ブリッジ回路のブリッジ電圧として、差分演算値に相当するアナログ信号を出力することも可能である。このような具体的な信号処理の手法は、既に公知の技術であるため、ここでは説明は省略する。
一方、図9は、§1−4で述べた図6に示す力覚センサにおいて、3種類の外力成分Fz,Mx,Myが作用したときの各容量素子C1〜C4の静電容量値の変化を示す表および作用した外力の所定方向成分を求める演算式を示す図である。上段の表において、「+」は静電容量値の増加を示し、「−」は静電容量値の減少を示し、「0」は静電容量値に有意な変化が生じないことを示している。各容量素子C1〜C4について、このような抵抗値変化が生じることは、既に§1−4で述べたとおりである。
したがって、各容量素子C1〜C4の静電容量値をそれぞれ同じ符号を用いてC1〜C4と表せば、下段に示す演算式:
Fz=−K1×(C1+C2+C3+C4)
Mx=K2×(C4−C3)
My=K3×(C1−C2)
に基づく演算を行うことにより、3種類の外力成分Fz,Mx,Myを算出することができる。ここで、K1,K2,K3は所定の比例係数であり、Fz,Mx,Myを正確な力の検出値として出力するためのスケーリングファクターになる。
なお、図示の演算式で算出した検出値Fzも、零点が正しく設定されていないため、実際には、何ら外力が作用していないときの算出値Fzが検出値0として出力されるよう零点補正を行う必要がある。検出値MxやMyについては、差分演算値になっているので、理論上は、何ら外力が作用していないときの算出値Mx,Myは0になるはずである。
また、実際には、各容量素子C1〜C4の静電容量値C1〜C4を電気信号として取り出すには、C/V変換回路などを用いる必要があるが、そのような具体的な信号処理回路は公知であるため、ここでは説明は省略する。
結局、§1−3で述べた図4に示す力覚センサの場合は、各検出素子としてピエゾ抵抗素子R1〜R4を用いているため、図8の下段に示す演算式に基づく演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行う手段を用意しておく必要があり、§1−4で述べた図6に示す力覚センサの場合は、各検出素子として容量素子C1〜C4を用いているため、図9の下段に示す演算式に基づく演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行う手段を用意しておく必要がある。
図10は、図4および図6に示す力覚センサにおける各検出素子D1〜D4のダイアフラム部120に対する配置を示す上面図である。図4に示す力覚センサの場合、各検出素子D1〜D4は、ダイアフラム部120の上面に埋め込まれたピエゾ抵抗素子R1〜R4であり、図6に示す力覚センサの場合、各検出素子D1〜D4は、ダイアフラム部120の下面に固定された変位電極とこれに対向する固定電極とによって構成される容量素子C1〜C4ということになる。図10は、ピエゾ抵抗素子や容量素子といった素子を、一般概念としての検出素子D1〜D4として示したものであり、図に符号D1〜D4が付された4組の正方形は、このような一般概念としての検出素子D1〜D4の配置を示すものである。
ここで、第1番目の検出素子D1は第1番目の検出点P1の撓みもしくは変位を電気的に検出する素子であり、第2番目の検出素子D2は第2番目の検出点P2の撓みもしくは変位を電気的に検出する素子であり、第3番目の検出素子D3は第3番目の検出点P3の撓みもしくは変位を電気的に検出する素子であり、第4番目の検出素子D4は第4番目の検出点P4の撓みもしくは変位を電気的に検出する素子である。
この図10に示す例のように、各検出素子D1〜D4を、検出点P1〜P4の撓みもしくは変位を電気的に検出する機能をもった一般的な素子として把握した場合、作用した外力の所定方向成分を求める演算式は、図11に示すような一般式で表現することができる。この式において、変数Fz,Mx,Myは、受力部210に加えられた外力のZ軸方向の力成分Fz、X軸まわりのモーメント成分Mx、Y軸まわりのモーメント成分Myを示す検出値であり、変数D1〜D4は、図10に示す各検出素子D1〜D4から得られる検出信号の値であり、K1,K2,K3は所定の符号付き比例係数である。
ここで、比例係数K1,K2,K3の符号は、各検出素子D1〜D4として実際にどのような検出素子を用いるか(たとえば、ピエゾ抵抗素子か容量素子か)、各検出素子D1〜D4をどこに配置するか(たとえば、ダイアフラム部の上面か下面か)、といった事情により決定される。たとえば、§1−3で述べた図4に示す力覚センサの場合は、実際には、図8の下段に示す演算式が用いられることになるが、当該演算式は、図11に示す一般式において、変数D1〜D4を抵抗値R1〜R4に置き換え、比例係数K3を負の値に設定した式に他ならない。同様に、§1−4で述べた図6に示す力覚センサの場合は、実際には、図9の下段に示す演算式が用いられることになるが、当該演算式は、図11に示す一般式において、変数D1〜D4を静電容量値C1〜C4に置き換え、比例係数K1,K2を負の値に設定した式に他ならない。
このように、K1,K2,K3を符号付きの比例係数として扱うようにすれば、いずれのケースにも図11の一般式を適用することが可能である。そこで、以下の各実施例では、この図11の一般式を用いた説明を行うことにするが、比例係数K1,K2,K3には、個々の実施例ごとに、それぞれ適切な符号が設定されているものとする。
<<< §2. 本発明の基本的な実施形態 >>>
続いて、この§2では、本発明に係る力覚センサの基本的な実施形態を説明する。
<2−1.本発明の基本概念>
はじめに、従来の力覚センサの問題点とともに、本発明の基本概念を説明する。図12は、従来の力覚センサと本発明に係る力覚センサとの基本構成の相違を示すブロック図である。
図12(a) には、§1で述べた従来の力覚センサの基本構成がブロック図として示されている。図示のとおり、この力覚センサは、検出用構造体10と、検出素子20と、信号処理手段30とを有している。検出用構造体10は、図1や図3に例示した機械的な構造体であり、力の作用により弾性変形を生じる弾性変形部を含んでいる。既に述べたとおり、この検出用構造体10に検出対象となる外力が作用すると、弾性変形部に変形が生じる。
検出用構造体10内の弾性変形部には複数の検出点が定義されており、検出素子20は、各検出点近傍の変形を電気信号として検出する機能を有する。§1では、検出素子20として、各検出点近傍の撓みを電気信号として検出するピエゾ抵抗素子を用いた例や、各検出点近傍の変位を電気信号として検出する容量素子を用いた例を述べた。
各検出素子20によって得られた検出信号は信号処理手段30に与えられる。この信号処理手段30は、各素子からの電気的な検出信号に基づいて、検出用構造体10に作用した外力の所定方向成分を示す検出値を求め、これを最終検出値として出力する機能を有する。図11には、4組の検出素子D1〜D4から得られる検出信号の値D1〜D4に基づいて、3種類の外力成分Fz,Mx,Myの検出値を算出する演算式が示されている。信号処理手段30は、このような演算式に基づいて、外力成分Fz,Mx,My等を算出し、これを最終検出値として出力する機能を果たす。
しかしながら、このような構成をもった従来の力覚センサには、様々な要因によって異常が発生する問題があることは、既に述べたとおりである。たとえば、検出用構造体は物理的な構造体であるため、各部が機械的な損傷を受けると、正常に機能しなくなる。同様に、検出素子20も、ピエゾ抵抗素子や容量素子といった繊細な部品を含む部品であり損傷を受けやすい。たとえば、容量素子の場合、電極間に不純物が侵入すると正常に動作しなくなってしまう。また、検出素子20と信号処理手段30との間には信号線の配線が不可欠であるが、この信号線が断線すると、正常な検出信号を得ることができなくなる。もちろん、信号処理手段30を構成する電子回路に不調が生じることもある。
前述したとおり、生活支援ロボットや医療支援ロボットに利用されている力覚センサに異常が生じると、当該ロボットが誤動作することになり、人に危害が及ぶ可能性がある。特に、医療支援ロボットの制御が破綻して暴走を招くと、人命にかかわる重大事に至る可能性もある。
一般に、システムの安全性を確保する方法として、検出系や制御系を多重化して冗長性をもたせ、一方に異常が発生しても他方に正常な機能を維持させるというフォールトレランス(耐障害性)という考え方が普及している。
このような考え方に鑑みれば、図12(b) に示すような力覚センサを構成することが可能である。この図12(b) に示す力覚センサは、図12(a) に示す力覚センサ2組に、更に、比較手段40を付加することにより構成されている。すなわち、図の上段に一点鎖線で囲って示す第1のセンサSAおよび図の下段に一点鎖線で囲って示す第2のセンサSBは、いずれも図12(a) に示す力覚センサと同じものである。検出対象となる外力は、第1のセンサSAの検出用構造体10Aに加えられるとともに、第2のセンサSBの検出用構造体10Bにも加えられる。第1のセンサSAと第2のセンサSBとは、別個独立したセンサであり、それぞれ独立した検出値を出力する。
具体的には、第1のセンサSAでは、外力に基づいて検出用構造体10Aの各検出点近傍に生じた変形が検出素子20Aによって検出され、得られた検出信号を信号処理手段30Aによって処理することにより第1のセンサの検出値VAが出力される。同様に、第2のセンサSBでは、同じ外力に基づいて検出用構造体10Bの各検出点近傍に生じた変形が検出素子20Bによって検出され、得られた検出信号を信号処理手段30Bによって処理することにより第2のセンサの検出値VBが出力される。
こうして、2つの独立した検出値VA,VBが得られたら、比較手段40において、これらを比較し、両者の差が所定の許容範囲内であれば、いずれか一方の検出値もしくは両者の平均値等を最終検出値として出力すればよい。もし、両者の差が所定の許容範囲を超えていた場合には、何らかのエラー出力を行うようにする。そうすれば、エラー出力がない限り、センサSA,SBの双方において近似した検出値が得られていることになり、最終検出値は、一応、信頼できる値として取り扱うことができる。そして万一、エラー出力がなされた場合には、ロボットの制御系は、ロボットの駆動を緊急停止するなどの非常措置をとることにより、人に危害が及ぶことを回避することができる。
しかしながら、図12(b) に示す力覚センサには、2組の独立したセンサが含まれているため、装置全体が大型化し、製造コストが高騰することは避けられない。また、図12(b) のブロック図には、同一の外力が2組の検出用構造体10A,10Bのそれぞれに加えられている状態が示されているが、実際には、検出用構造体10A,10Bはそれぞれ別個独立した物理的な構造体であるため、両者を直近に隣接配置したとしても、両センサSA,SBの検出対象とする外力は同一にはならない。このため、2つの独立した検出値VA,VBの間には、潜在的に誤差が含まれていることになる。
そこで、本発明に係る力覚センサでは、図12(c) のブロック図に示すような基本構成を採用している。この力覚センサの特徴は、検出用構造体については、図12(a) に示す例と同様に単一の構造体によって構成しつつ、検出素子および信号処理手段については、図12(b) に示す例と同様に2組設けて冗長性を確保するようにした点にある。
すなわち、検出対象となる外力は、単一の検出用構造体10に加えられるが、この検出用構造体10の各検出点近傍に生じた変形は、A系統検出素子25AとB系統検出素子25Bとによってそれぞれ検出される。実際には、検出用構造体10には複数n個の検出点が定義され、これらn個の検出点近傍の撓みもしくは変位を検出するためにn個のA系統検出素子25Aとn個のB系統検出素子25Bとが設けられる。そして、n個のA系統検出素子25Aからの検出信号は、A系統信号処理手段35Aによって処理されてA系統検出値Aとして出力され、n個のB系統検出素子25Bからの検出信号は、B系統信号処理手段35Bによって処理されてB系統検出値Bとして出力される。
こうして、2つの独立した検出値A,Bが得られたら、比較手段45において、これらを比較し、両者の差が所定の許容範囲内であれば、いずれか一方の検出値もしくは両者の平均値等を最終検出値として出力すればよい。もし、両者の差が所定の許容範囲を超えていた場合には、何らかのエラー出力を行うようにする。そうすれば、エラー出力がない限り、A系統とB系統との双方において近似した検出値が得られていることになり、最終検出値は、一応、信頼できる値として取り扱うことができる。そして万一、エラー出力がなされた場合には、ロボットの制御系は、ロボットの駆動を緊急停止するなどの非常措置をとることにより、人に危害が及ぶことを回避することができる。
このように、図12(c) に示す本発明に係る力覚センサでは、A系統とB系統との2つの系統を経ることにより、A系統検出値AおよびB系統検出値Bという2通りの検出値を得ることができるので、比較手段45において両者を比較することにより、両者の差分が所定の許容値を超えていた場合にエラーを出力して、何らかの異常が生じていることを外部に報知することができる。
しかも、検出用構造体10の部分は単一の構造体によって構成されているため、装置全体の大きさは、図12(a) に示す力覚センサとほぼ同じになる。検出素子および信号処理手段の部分は2系統を用意する必要があるが、製造プロセスは1系統分でも2系統分でも大差はなく、製造コストも図12(a) に示す力覚センサの製造コストを若干上回る程度に抑えることができる。もちろん、検出用構造体10の部分は単一であるため、A系統検出値AおよびB系統検出値Bは、同一の外力を検出対象とした検出値ということになる。
結局、本発明に係る力覚センサは、図12(c) にブロック図として示すとおり、検出用構造体10と、n個のA系統検出素子25Aと、n個のB系統検出素子25Bと、A系統信号処理手段35Aと、B系統信号処理手段35Bと、比較手段45と、を備え、検出用構造体10に作用した外力の所定方向成分を最終検出値として出力するとともに、比較手段45によって異常が生じていると認識された場合には、エラーを出力して外部に報知する機能を有している。
ここで、検出用構造体10は、§1で述べた従来の力覚センサに用いられていた検出用構造体と同様に、力の作用により弾性変形を生じる弾性変形部120と、この弾性変形部120を支持する支持部110と、検出対象となる外力を受ける受力部210と、この受力部210に加えられた外力を弾性変形部120の所定箇所に伝達する力伝達部220と、を有している。そして、弾性変形部120の所定位置には、複数n個の検出点が定義される。
n個のA系統検出素子25Aは、この複数n個の検出点の、第1の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出する検出素子であり、n個のB系統検出素子25Bは、この複数n個の検出点の、第1の近傍部分とは異なる第2の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出する検出素子である。
ここで、任意のi(1≦i≦n)に着目すると、第i番目のA系統検出素子は、第i番目の検出点の第1の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出し、第i番目のB系統検出素子は、第i番目の検出点の第2の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出する役割を果たす。たとえば、第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点の第1の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出し、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点の第2の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出する。
一方、A系統信号処理手段35Aは、n個のA系統検出素子25Aによって検出された電気的な検出信号に基づいて、受力部210に加えられた外力の所定方向成分を示すA系統検出値Aを出力する。同様に、B系統信号処理手段35Bは、n個のB系統検出素子25Bによって検出された電気的な検出信号に基づいて、受力部210に加えられた外力の所定方向成分を示すB系統検出値Bを出力する。
そして、比較手段45は、A系統検出値AとB系統検出値Bとを比較し、両者の差分dを求め、A系統検出値AもしくはB系統検出値Bまたはこれら両者に基づいて算出された所定の算出値(たとえば、両者の平均値)を最終検出値として出力するとともに、当該差分dが所定の許容値Tを超えていた場合には、差分エラーを出力する機能を有している。
この差分エラーは、A系統検出値AとB系統検出値Bとの間に、所定の許容値Tを超える齟齬が生じていることを示すものであり、力覚センサに何らかの異常が生じていることを示す信号になる。このように、本発明に係る力覚センサには、上記異常が生じた場合に、これを差分エラーとして外部に報知する機能が備わっているため、ロボットなどに組み込んで利用した場合、ロボットの制御装置に異常発生を認識させることができ、ロボットの誤動作により人に危害が及ぶことを防止することができる。
図12(c) に示す本発明の構成を、図12(b) に示す構成と比べると、検出用構造体10について冗長性をもたせる対策が省かれているため、検出用構造体10に物理的な損傷が生じてしまうと、正しい検出値を出力することができなくなってしまう。しかしながら、一般に、検出用構造体10の耐久性は、検出素子20や信号処理手段30の耐久性よりも高いため、図12(c) に示すように、検出素子20や信号処理手段30の部分について冗長性をもたせる対策をとっても、力覚センサの信頼性を十分に向上させることができる。
後の実施例で述べるとおり、比較手段45には、A系統検出値AとB系統検出値Bのうち、より適切な方(信頼性の高い方)を選択的に出力する機能をもたせることが可能である。したがって、図12(c) に示すように、検出素子や信号処理手段の部分について冗長性をもたせ、A系統とB系統とを別個独立させておくようにすれば、一方の系統に故障が生じても、他方の系統の検出値を最終検出値として出力することができ、信頼性を向上させることができる。
特に、検出素子については、実環境での使用により、信号線の断線や異物の混入による不良が生じやすい、たとえば、容量素子を用いた場合、各電極への配線の損傷や、対向する電極間への不純物の混入があると、正常に動作することができなくなる。また、高湿度環境で使用した場合は、結露や微浸水により静電容量値は大きく変動してしまうため、出力される静電容量値は、正しい電極間距離に対応したものにはならなくなる。本発明に係る力覚センサでは、検出素子および信号処理手段の部分を多重化しているため、このような問題を解決し、一方の系統に故障が生じても、他方の系統の検出値を最終検出値として出力することにより信頼性を向上させることができる。
<2−2.具体的な検出素子の配置および信号処理>
続いて、本発明に係る力覚センサにおける検出素子の具体的な配置例と当該検出素子から得られる検出信号についての具体的な信号処理の方法を示す。
前述した§1では、図10を参照して、従来の一般的な力覚センサにおける各検出素子D1〜D4のダイアフラム部120に対する配置を説明した。図13は、この図10に示す従来例と対比させて、本発明に係る力覚センサにおける各検出素子D1A〜D4A,D1B〜D4Bの配置例を示す上面図である。
図10に示す従来例の場合、ダイアフラム部120の所定箇所に4個の検出点P1〜P4が定義され、当該検出点P1〜P4の位置におけるダイアフラム部120の撓みもしくは変位を検出するために、4組の検出素子D1〜D4(実際には、ピエゾ抵抗素子R1〜R4や容量素子C1〜C4)が配置されている。前述したように、図に符号D1〜D4が付された4組の正方形は、一般概念としての検出素子D1〜D4の配置を示すものである。
これに対して、図13に示す本発明に係る例の場合、ダイアフラム部120の所定箇所に4個の検出点P1〜P4が定義されている点は同じであるが、4組の検出素子D1〜D4の代わりに8組の検出素子D1A〜D4A,D1B〜D4Bが配置されている。ここでも、図に符号D1A〜D4A,D1B〜D4Bが付された8組の矩形は、一般概念としての検出素子D1A〜D4A,D1B〜D4Bの配置を図形のシンボルを用いて示すものであり、実際の物理的形状を示しているわけではない。実際には、これら8組の検出素子D1A〜D4A,D1B〜D4Bは、所定の形状をもったピエゾ抵抗素子や容量素子によって構成される。
この図13に示す例の場合、XY平面(もしくはXY平面に平行な任意の平面でもよい)上に検出基準面を定義し、この検出基準面上にZ軸を中心とした検出基準円G1(図では一点鎖線の円で示す)を描くと、4個の検出点P1〜P4は、いずれも検出基準円G1上に位置している。別言すれば、4個の検出点P1〜P4は、いずれもZ軸から等距離の位置に配置されている。
もちろん、本発明を実施する上で、n個の検出点は任意の位置に定義してかまわないが、実用上は、図示のように、n個の検出点がいずれもZ軸から等距離の位置にくるように、別言すれば、XY平面もしくはXY平面に平行な平面上に検出基準面を定義し、この検出基準面上にZ軸を中心とした検出基準円G1を描いたときに、n個の検出点がすべてこの検出基準円G1上に配置されているようにするのが好ましい。これは、そのような対称性をもった配置を採用することにより、各検出素子から得られる検出信号の値にも対称性が見られるようになり、信号処理手段による信号処理(演算処理)を単純化できるためである。
いま、検出点P1〜P4について、Z軸から遠い側を外側、Z軸に近い側を内側と呼ぶことにすると、図13に示されている8組の検出素子のうち、符号末尾にAが付されている4組の検出素子D1A〜D4Aは、検出点P1〜P4の外側に配置されており、符号末尾にBが付されている4組の検出素子D1B〜D4Bは、検出点P1〜P4の内側に配置されていることがわかる。ここで、外側に配置されている4組の検出素子D1A〜D4Aは、図12(c) に示すA系統検出素子に相当し、内側に配置されている4組の検出素子D1B〜D4Bは、図12(c) に示すB系統検出素子に相当する。
第1番目のA系統検出素子D1Aは、第1番目の検出点P1の外側の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出し、第1番目のB系統検出素子D1Bは、第1番目の検出点P1の内側の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出する。
図10に示す従来例の場合、検出点P1の位置の撓みもしくは変位を検出する役割を果たす素子は、検出素子D1のみであるため、検出素子D1を検出点P1の直上に配置することが可能である。これに対して、図13に示す本発明に係る例の場合、検出点P1の位置の撓みもしくは変位を検出する役割を果たす素子として、A系統検出素子D1AとB系統検出素子D1Bとを設ける必要がある。このため、図13に示す実施例の場合、A系統検出素子D1Aについては、検出点P1から若干外れるが、その外側近傍位置に配置し、B系統検出素子D1Bについては、やはり検出点P1から若干外れるが、その内側近傍位置に配置する、という配置方法を採用している。
したがって、A系統検出素子D1AおよびB系統検出素子D1Bは、いずれも検出点P1の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出する素子として機能することになるが、厳密に言えば、A系統検出素子D1Aは検出点P1の外側近傍部分、B系統検出素子D1Bは検出点P1の内側近傍部分についての検出を行うため、両者から得られる検出信号の値は完全には一致しない。
同様に、第2番目のA系統検出素子D2Aは、第2番目の検出点P2の外側の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出し、第2番目のB系統検出素子D2Bは、第2番目の検出点P2の内側の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出する。また、第3番目のA系統検出素子D3Aは、第3番目の検出点P3の外側の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出し、第3番目のB系統検出素子D3Bは、第3番目の検出点P3の内側の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出する。そして、第4番目のA系統検出素子D4Aは、第4番目の検出点P4の外側の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出し、第4番目のB系統検出素子D4Bは、第4番目の検出点P4の内側の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出する。
なお、図13では、n=4に設定することにより、4個の検出点P1〜P4を定義し、各検出点P1〜P4の外側に4組のA系統検出素子D1A〜D4Aを配置し、各検出点P1〜P4の内側に4組のB系統検出素子D1B〜D4Bを配置した例を示してあるが、一般論として、複数n個の検出点を定義した場合、任意のi(1≦i≦n)について、第i番目のA系統検出素子DiAは、第i番目の検出点Piの外側の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出し、第i番目のB系統検出素子DiBは、第i番目の検出点Piの内側の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出するようにすればよい。そうするには、第i番目のA系統検出素子DiAを、第i番目の検出点Piの外側に配置し、第i番目のB系統検出素子DiBを、第i番目の検出点Piの内側に配置すればよい。
ここで、X軸上に配置された検出素子D1A,D1B,D2B,D2Aが、それぞれX軸方向に伸びるピエゾ抵抗素子であり、Y軸上に配置された検出素子D3A,D3B,D4B,D4Aが、それぞれY軸方向に伸びるピエゾ抵抗素子であるとすると、これら各検出素子D1A〜D4A,D1B〜D4Bから得られる検出信号の変化を示す表は、図14(a) ,(b) に示すようになる。
図14(a) は、3種類の外力成分Fz,Mx,Myが作用したときの各A系統検出素子D1A〜D4Aの抵抗値の変化を示し、図14(b) は、各B系統検出素子D1B〜D4Bの抵抗値の変化を示す。具体的には、「+」は抵抗値の増加を示し、「−」は抵抗値の減少を示し、「0」は抵抗値に有意な変化が生じないことを示している。図14(a) ,(b) に示す表は、図8に示す表と全く同じであり、各検出素子がピエゾ抵抗素子である場合に、このような結果が得られることは、既に§1で説明したとおりである。
ここで、A系統検出素子D1A〜D4Aによって検出された抵抗値を、同じ符号を用いてD1A〜D4Aと表し、これらの抵抗値から算出された3種類の外力成分をFzA,MxA,MyAと表すことにすれば、各外力成分は、図14(a) の下段に示すように、所定の比例係数K1A,K2A,K3Aを用いて、
FzA=K1A×(D1A+D2A+D3A+D4A)
MxA=K2A×(D3A−D4A)
MyA=K3A×(D1A−D2A)
なる演算式に基づく演算によって算出することができる(K3Aは負の係数になる)。
同様に、B系統検出素子D1B〜D4Bによって検出された抵抗値を、同じ符号を用いてD1B〜D4Bと表し、これらの抵抗値から算出された3種類の外力成分をFzB,MxB,MyBと表すことにすれば、各外力成分は、図14(b) の下段に示すように、所定の比例係数K1B,K2B,K3Bを用いて、
FzB=K1B×(D1B+D2B+D3B+D4B)
MxB=K2B×(D3B−D4B)
MyB=K3B×(D1B−D2B)
なる演算式に基づく演算によって算出することができる(K3Bは負の係数になる)。
上記各演算式は、図11に示す一般式に対応するものであり、各比例係数K1A,K2A,K3A,K1B,K2B,K3Bは、いずれも符号付きの比例係数であり、各検出値についてのスケーリングファクターとしての役割を果たすとともに、各検出値の正負の符号を正しいものにする役割も果たす。
もちろん、各検出素子をダイアフラム部120の上面に配置するか下面に配置するかといった条件や、各検出素子としてピエゾ抵抗素子を用いるか容量素子を用いるかといった条件により、各比例係数の符号は変わることになる。
また、A系統検出素子D1A〜D4Aは各検出点P1〜P4の外側に配置されており、B系統検出素子D1B〜D4Bは各検出点P1〜P4の内側に配置されているため、各検出素子から得られる検出信号の値の絶対値は、A系統とB系統とで異なることになるが、スケーリングファクターとしての役割を果たす比例係数の値を適切に設定すれば、A系統検出値AとB系統検出値Bとを等しくすることができる。
たとえば、検出構造体にZ軸負方向への外力−Fzが加わった場合、ダイアフラム部120は図5(a) に示すように変形するので、各検出点P1〜P4をダイアフラム部120の上面に定義した場合、各検出点P1〜P4の近傍には、いずれも半径方向への圧縮力が作用し、図14(a) ,(b) の表の「−Fz」欄に「−」が示されているとおり、ピエゾ抵抗素子からなる8組の検出素子D1A〜D4A,D1B〜D4Bの抵抗値はいずれも減少する。しかしながら、各検出点P1〜P4の外側に配置されたA系統検出素子D1A〜D4Aと、内側に配置されたB系統検出素子D1B〜D4Bとでは、減少量の絶対値は異なってくる。
すなわち、外力が何ら作用しない状態において、8組の検出素子D1A〜D4A,D1B〜D4Bの抵抗値がすべて同一になるようにしておいても、外力−Fzが加わった時点において、A系統検出素子D1A〜D4Aの抵抗値とB系統検出素子D1B〜D4Bとの間には差が生じることになる。その結果、A系統検出素子の抵抗値の和「D1A+D2A+D3A+D4A」とB系統検出素子の抵抗値の和「D1B+D2B+D3B+D4B」とは等しくならない。
それでも、比例係数K1AとK1Bとをそれぞれ適切な値に設定しておけば、
FzA=K1A×(D1A+D2A+D3A+D4A)
FzB=K1B×(D1B+D2B+D3B+D4B)
なる2つの演算式によって算出される検出値FzA,FzBが、互いに等しくなるような調整が可能である。
各比例定数K1A,K2A,K3A,K1B,K2B,K3Bの適切な値は、用いる検出用構造体10の形状、材質、各部の寸法、各検出素子の位置、各検出素子の検出特性などに応じて決定されるため、具体的な力覚センサを用いた試験を経て、最適値を設定すればよい。
各比例定数を最適値に設定しておけば、図12(c) に示すA系統信号処理手段35Aから出力されるA系統検出値A(具体的には、上述した演算式で算出されたFzA,MxA,MyA)と、B系統信号処理手段35Bから出力されるB系統検出値B(具体的には、上述した演算式で算出されたFzB,MxB,MyB)とは、理論的には等しくなる。
そこで、比較手段45において、A系統検出値AとB系統検出値Bとを比較し、両者の差分dを求め、A系統検出値AもしくはB系統検出値Bまたはこれら両者に基づいて算出された所定の算出値(たとえば、両者の平均値)を最終検出値(上例の場合、Fz,Mx,Myの3軸成分の検出値)として出力するとともに、当該差分dが所定の許容値Tを超えていた場合には、差分エラーを出力するようにする。この力覚センサが正常に動作していれば、差分dは許容値T内に収まると考えられるので、比較手段45から差分エラーが出力されない限り、最終検出値は信頼性の高い値として取り扱うことができる。
なお、上例のように、3軸成分Fz,Mx,Myを検出する機能をもった力覚センサの場合、差分dは、これら3軸成分のそれぞれについて求めるようにする。すなわち、
d(Fz)=絶対値(FzA−FzB)
d(Mx)=絶対値(MxA−MxB)
d(My)=絶対値(MyA−MyB)
なる式に基づいて、各軸成分の差分d(Fz),d(Mx),d(My)を求め、これらが許容値Tを超えているか否かを判定する。許容値Tとしては、3軸共通の値を用いてもよいし、必要であれば、差分d(Fz)用の許容値T(Fz)、差分d(Mx)用の許容値T(Mx)、差分d(My)用の許容値T(My)をそれぞれ設定しておいてもよい。
3軸成分のそれぞれについて別個に差分を求めるようにすると、たとえば、Error(Fz),Error(Mx),Error(My)のように、3軸成分のそれぞれについて別個に差分エラーを出力することができる。この場合、差分エラーが出力された場合の各検出値の取り扱いについては、当該力覚センサが組み込まれたロボット等の制御装置の運用方針に委ねるようにすればよい。たとえば、3軸成分の最終検出値Fz,Mx,Myとともに、Error(Fz)のみが出力された場合、差分エラーが出力されていないMx,Myについては正常と認識した取り扱いを行うようにしてもよいが、Fzについて差分エラーが出力された以上、安全を期して、すべての検出値を異常とする取り扱いを行うようにしてもよい。
もちろん、比較手段45からは単一の差分エラーのみを出力するようにしてもよい。この場合、各軸成分の差分d(Fz),d(Mx),d(My)のいずれか1つでも許容値を超えていた場合には、共通の差分エラーが出力されることになる。
なお、ここに示す実施例の場合、比較手段45は、差分エラーの出力と最終検出値の出力とを別個独立して行う運用を採用しているため、差分エラーの出力の有無にかかわらず、常に何らかの最終検出値(3軸成分Fz,Mx,Myの検出値)が出力される。別言すれば、差分エラーが出力されている場合にも、信頼性に劣る最終検出値の出力がそのまま継続して行われることになる。これは、信頼性に劣る最終検出値であっても、その取り扱い方法については、ロボット等の制御装置側の方針に委ねるという設計思想に基づくものである。もちろん、必要に応じて、差分エラーが出力された場合には、最終検出値の出力を控える(たとえば、0を示す検出値を出力する)という設計を行うことも可能である。
<2−3.ピエゾ抵抗素子を用いた実施例>
続いて、検出素子としてピエゾ抵抗素子を用いた実施例を述べる。図15は、図1に示す検出用構造体に検出素子としてピエゾ抵抗素子を組み込んだ本発明に係る力覚センサを示す図である。ここで、図15(a) は、この力覚センサをXZ平面で切断した側断面図であり、図15(b) は、この力覚センサの下部構造体100の上面図である。
§1−3では、図4を参照しながら、検出素子としてピエゾ抵抗素子を用いた従来の力覚センサの一例の構造および動作を説明した。図15に示す本発明に係る力覚センサの基本構造および基本的動作は、図4に示す従来の力覚センサの基本構造および基本的動作に準じたものになる。そこで、以下、図4に示す従来の力覚センサと対比しながら、図15に示す本発明に係る力覚センサについての説明を行う。
まず、検出用構造体の部分については、両者間に相違はない。すなわち、図15に示す力覚センサに用いられている検出用構造体は、下部構造体100と上部構造体200とによって構成され、弾性変形部120として、薄板状のダイアフラム部が用いられている。また、この図15においても、説明の便宜上、ダイアフラム部120の中心を原点Oとして、図示のようなXYZ三次元直交座標系を定義する。そして、下部構造体100の上面(ダイアフラム部120の上面)を検出基準面と呼ぶことにする。この検出基準面は、複数n個の検出点を配置するための平面であり、XY平面を検出基準面としてもよいが、図示の実施例の場合は、各ピエゾ抵抗素子がダイアフラム部120の上面に埋め込まれているため、便宜上、ダイアフラム部120の上面(XY平面に平行な平面)を検出基準面に設定することにする。
図15(b) に示すように、この検出基準面上に、Z軸を中心とした検出基準円G1(図では一点鎖線の円で示す)を描くと、4個の検出点P11〜P14は、いずれも検出基準円G1上に位置している。別言すれば、4個の検出点P11〜P14は、いずれも下部構造体100の上面におけるZ軸から等距離(検出基準円G1の半径)の位置に配置されている。しかも、検出点P11,P12はX軸に沿った直線上に配置され、検出点P13,P14はY軸に沿った直線上に配置されている。このような幾何学的な構成は、各検出素子の配置に対称性を生み、検出信号の値にも対称性が得られることになるので、信号処理手段による信号処理を単純化できるメリットがある。
ここで述べるピエゾ抵抗素子を用いた実施例の特徴は、ダイアフラム部120に複数n個の検出点を定義し、このうちの第i番目の検出点Pi(iは、1≦i≦nを満足する任意の整数)の近傍に、第i番目のA系統検出素子DiAを構成するピエゾ抵抗素子と、第i番目のB系統検出素子DiBを構成するピエゾ抵抗素子という2組のピエゾ抵抗素子を配置した点にある。ここで、第i番目のA系統検出素子DiAは、第i番目の検出点Piの第1の近傍部分に配置されたピエゾ抵抗素子によって構成され、当該近傍部分に生じた撓みを電気抵抗値の変化として示す検出信号を出力し、第i番目のB系統検出素子DiBは、第i番目の検出点Piの第2の近傍部分に配置されたピエゾ抵抗素子によって構成され、当該近傍部分に生じた撓みを電気抵抗値の変化として示す検出信号を出力する。
図15に示す具体的な実施例は、n=4に設定した例であり、説明の便宜上、上述したように、ダイアフラム部120の上面に検出基準面を定義し、X軸およびY軸をこの検出基準面に投影して得られるX軸投影像およびY軸投影像を定義すれば、次のような構成を有している。まず、n=4に設定しているため、検出基準面上には4個の検出点が定義されている。ここで、図15(b) に示すように、検出基準面上にZ軸を中心とした検出基準円G1を描けば、第1番目の検出点P11は正のX軸投影像と検出基準円G1との交点に位置し、第2番目の検出点P12は負のX軸投影像と検出基準円G1との交点に位置し、第3番目の検出点P13は正のY軸投影像と検出基準円G1との交点に位置し、第4番目の検出点P14は負のY軸投影像と検出基準円G1との交点に位置している。
そして、各検出点P11〜P14について、Z軸から遠い側を外側、Z軸に近い側を内側と呼べば、各検出点P11〜P14の遠近両側の近傍部分の撓みを検出するために、4組のA系統検出素子と4組のB系統検出素子とが設けられており、これら全8組の検出素子からの検出信号に基づいて、3軸成分Fz,Mx,Myの検出が行われることになる。
具体的には、まず、第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点P11の外側にX軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R1Aからなり、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点P11の内側にX軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R1Bからなる。同様に、第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点P12の外側にX軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R2Aからなり、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点P12の内側にX軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R2Bからなる。これらの各ピエゾ抵抗素子R1A,R1B,R2B,R2Aは、いずれもその長手方向(抵抗素子としての方向)がX軸に沿った向きなるように配置されている。
また、第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点P13の外側にY軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R3Aからなり、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点P13の内側にY軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R3Bからなる。更に、第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点P14の外側にY軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R4Aからなり、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点P14の内側にY軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R4Bからなる。これらの各ピエゾ抵抗素子R3A,R3B,R4B,R4Aは、いずれもその長手方向(抵抗素子としての方向)がY軸に沿った向きなるように配置されている。
なお、図15に示す実施例の場合、ダイアフラム部120の上面を検出基準面とし、各検出点P11〜P14をダイアフラム部120の上面に配置し、各ピエゾ抵抗素子をダイアフラム部120の上面に埋め込むようにしているが、ダイアフラム部120の下面を検出基準面とし、各検出点P11〜P14をダイアフラム部120の下面に配置し、各ピエゾ抵抗素子をダイアフラム部120の下面に埋め込むようにしてもかまわない。いずれの場合も、各ピエゾ抵抗素子は、埋め込まれた位置に生じた撓みを電気抵抗値の変化として出力する。具体的には、図15に示す実施例の場合、3軸成分Fz,Mx,Myの作用により、図14(a) ,(b) の表に示すような抵抗値変化が生じることになる。
そこで、図12(c) に示すように、A系統信号処理手段35AとB系統信号処理手段35Bとを設けておけば、8組の検出素子からの検出信号に基づく演算により、3軸成分Fz,Mx,Myを最終検出値として出力することができる。
具体的には、8組のピエゾ抵抗素子R1A〜R4A,R1B〜R4Bの抵抗値をそれぞれ同じ符号を用いてR1A〜R4A,R1B〜R4Bと表せば、
A系統信号処理手段35Aは、所定の符号付き比例係数K1A,K2A,K3Aを用いて、
FzA=K1A×(R1A+R2A+R3A+R4A)
MxA=K2A×(R3A−R4A)
MyA=K3A×(R1A−R2A)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzA、X軸まわりのモーメント成分MxA、Y軸まわりのモーメント成分MyAを示すA系統検出値Aを出力することができる。
一方、B系統信号処理手段35Bは、所定の符号付き比例係数K1B,K2B,K3Bを用いて、
FzB=K1B×(R1B+R2B+R3B+R4B)
MxB=K2B×(R3B−R4B)
MyB=K3B×(R1B−R2B)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzB、X軸まわりのモーメント成分MxB、Y軸まわりのモーメント成分MyBを示すB系統検出値Bを出力することができる。
そこで比較手段45は、既に述べたとおり、A系統検出値AとB系統検出値Bとを比較し、両者の差分dを求め、A系統検出値AもしくはB系統検出値Bまたはこれら両者に基づいて算出された所定の算出値(たとえば、両者の平均値)を最終検出値Fz,Mx,Myとして出力するとともに、当該差分dが所定の許容値Tを超えていた場合には、差分エラーを出力する。
前述したとおり、本発明を実施する上では、すべての検出点が検出基準円G1上に配置されているようにするのが好ましい。これは、すべての検出点を検出基準円G1上に配置することにより、各検出素子の配置に対称性が得られるようになり、検出信号の値にも対称性が得られ、信号処理手段による信号処理を単純化できるためである。
たとえば、上例の場合、ピエゾ抵抗素子R1A,R2Aは、YZ平面に関して対称性を有しており、ピエゾ抵抗素子R3A,R4Aは、XZ平面に関して対称性を有している。このため、何ら外力が作用していない状態では、
MxA=K2A×(R3A−R4A)
MyA=K3A×(R1A−R2A)
なる演算結果はいずれも0になるので、MxAおよびMyAの出力についての零点補正処理を省略することができる。
同様に、上例の場合、ピエゾ抵抗素子R1B,R2Bは、YZ平面に関して対称性を有しており、ピエゾ抵抗素子R3B,R4Bは、XZ平面に関して対称性を有している。このため、何ら外力が作用していない状態では、
MxB=K2B×(R3B−R4B)
MyB=K3B×(R1B−R2B)
なる演算結果はいずれも0になるので、MxBおよびMyBの出力についての零点補正処理も省略することができる。
<2−4.容量素子を用いた実施例>
続いて、検出素子として容量素子を用いた実施例を述べる。図16は、図1に示す検出用構造体に検出素子として容量素子を組み込んだ本発明に係る力覚センサを示す図である。ここで、図16(a) は、この力覚センサをXZ平面で切断した側断面図であり、図16(b) は、この力覚センサの下部構造体100の下面図である(下から見上げた図であるため、Y軸は下方を向いている)。
§1−4では、図6を参照しながら、検出素子として容量素子を用いた従来の力覚センサの一例の構造および動作を説明した。図16に示す本発明に係る力覚センサの基本構造および基本的動作は、図6に示す従来の力覚センサの基本構造および基本的動作に準じたものになる。そこで、以下、図6に示す従来の力覚センサと対比しながら、図16に示す本発明に係る力覚センサについての説明を行う。
まず、検出用構造体の部分については、両者間に相違はない。すなわち、図16に示す力覚センサに用いられている検出用構造体は、下部構造体100と上部構造体200とによって構成され、弾性変形部120として、薄板状のダイアフラム部が用いられている。また、この図16においても、説明の便宜上、ダイアフラム部120の中心を原点Oとして、図示のようなXYZ三次元直交座標系を定義する。そして、ダイアフラム部120の下面を検出基準面と呼ぶことにする。この検出基準面は、複数n個の検出点を配置するための平面であり、ダイアフラム部120の上面やXY平面を検出基準面としてもよいが、ダイアフラム部120の下方に変位電極が配置される関係上、ここでは、ダイアフラム部120の下面(XY平面に平行な平面)を検出基準面に設定する。
図16(b) に示すように、ここでも検出基準面上に、Z軸を中心とした検出基準円G1(図では一点鎖線の円で示す)を描くと、4個の検出点P21〜P24は、いずれも検出基準円G1上に位置している。別言すれば、4個の検出点P21〜P24は、いずれもダイアフラム部120の下面におけるZ軸から等距離(検出基準円G1の半径)の位置に配置されている。しかも、検出点P21,P22はX軸に沿った直線上に配置され、検出点P23,P24はY軸に沿った直線上に配置されている。このような幾何学的な構成は、前述したとおり、各検出素子の配置に対称性を生み、検出信号の値にも対称性が得られることになるので、信号処理手段による信号処理を単純化できるメリットがある。
ここで述べる容量素子を用いた実施例の特徴は、ダイアフラム部120に複数n個の検出点を定義し、このうちの第i番目の検出点Pi(iは、1≦i≦nを満足する任意の整数)の近傍に、第i番目のA系統検出素子DiAを構成する容量素子と、第i番目のB系統検出素子DiBを構成する容量素子という2組の容量素子を配置した点にある。
図16に示す具体的な実施例は、n=4に設定した例であり、上述したように、ダイアフラム部120の下面に検出基準面を定義し、X軸およびY軸をこの検出基準面に投影して得られるX軸投影像およびY軸投影像を定義し、検出基準面上にZ軸を中心とした検出基準円G1を描けば、第1番目の検出点P21は正のX軸投影像と検出基準円G1との交点に位置し、第2番目の検出点P22は負のX軸投影像と検出基準円G1との交点に位置し、第3番目の検出点P23は正のY軸投影像と検出基準円G1との交点に位置し、第4番目の検出点P24は負のY軸投影像と検出基準円G1との交点に位置している。
そして、ダイアフラム部120の下面には、図16(b) に示すように、8枚の半円状の変位電極E21A,E21B,E22A,E22B,E23A,E23B,E24A,E24Bが配置されており、これら8枚の変位電極に対向するように、支持基板300(外周部が支持部110の内周面に固定された円盤状の基板)上に、8枚の半円状の固定電極E11A,E11B,E12A,E12B,E13A,E13B,E14A,E14B(平面的な配置パターンは、図16(b) に示す8枚の変位電極の配置パターンと同じ)が配置されている。そして、個々の変位電極と、これに対向する個々の固定電極とにより容量素子が形成されている。図16(b) には、こうして形成される8組の容量素子を括弧付きの符号C1A,C1B,C2A,C2B,C3A,C3B,C4A,C4Bで示してある。
なお、変位電極をダイアフラム部120の下面ではなく、上面に設けるようにし、その上方に固定電極を配置する構造(すなわち、容量素子をダイアフラム部120の上方に配置する構造)を採用することも可能であるが、図16(a) に示すように、ダイアフラム部120の上方に受力部210が配置されている検出用構造体を用いる場合は、図示のように、変位電極をダイアフラム部120の下面に設ける構造(すなわち、容量素子をダイアフラム部120の下方に配置する構造)を採用する方が、全体的な構造を単純化することができる。
結局、任意のi(1≦i≦n)について、第i番目のA系統検出素子DiAは、第i番目の検出点Piの第1の近傍部分に配置された第i番目のA系統変位電極と、この第i番目のA系統変位電極に対向するように支持部110に固定された第i番目のA系統固定電極と、を有する第i番目のA系統容量素子CiAによって構成され、当該第1の近傍部分に生じた変位を静電容量値の変化として示す検出信号を出力することになる。また、第i番目のB系統検出素子DiBは、第i番目の検出点Piの第2の近傍部分に配置された第i番目のB系統変位電極と、この第i番目のB系統変位電極に対向するように支持部110に固定された第i番目のB系統固定電極と、を有する第i番目のB系統容量素子CiBによって構成され、当該第2の近傍部分に生じた変位を静電容量値の変化として示す検出信号を出力することになる。
ここで、各検出点P21〜P24について、Z軸から遠い側を外側、Z軸に近い側を内側と呼べば、各検出点P21〜P24の遠近両側の近傍部分の変位を検出するために、4組のA系統検出素子と4組のB系統検出素子とが設けられており、これら全8組の検出素子からの検出信号に基づいて、3軸成分Fz,Mx,Myの検出が行われることになる。
具体的には、まず、第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点P21の外側に配置された容量素子C1A(変位電極E21Aと固定電極E11A)からなり、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点P21の内側に配置された容量素子C1B(変位電極E21Bと固定電極E11B)からなる。同様に、第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点P22の外側に配置された容量素子C2A(変位電極E22Aと固定電極E12A)からなり、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点P22の内側に配置された容量素子C2B(変位電極E22Bと固定電極E12B)からなる。
また、第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点P23の外側に配置された容量素子C3A(変位電極E23Aと固定電極E13A)からなり、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点P23の内側に配置された容量素子C3B(変位電極E23Bと固定電極E13B)からなる。そして、第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点P24の外側に配置された容量素子C4A(変位電極E24Aと固定電極E14A)からなり、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点P24の内側に配置された容量素子C4B(変位電極E24Bと固定電極E14B)からなる。
これらの8組の容量素子は、それぞれの変位電極が固定された位置に生じた変位を静電容量値の変化として出力する。具体的には、図16に示す実施例の場合、3軸成分Fz,Mx,Myの作用により、A系統の容量素子についても、B系統の容量素子についても、図9の表に示すような静電容量値の変化が生じることになる。そこで、図12(c) に示すように、A系統信号処理手段35AとB系統信号処理手段35Bとを設けておけば、8組の検出素子からの検出信号に基づく演算により、3軸成分Fz,Mx,Myを最終検出値として出力することができる。
具体的には、8組の容量素子C1A〜C4A,C1B〜C4Bの静電容量値をそれぞれ同じ符号を用いてC1A〜C4A,C1B〜C4Bと表せば、
A系統信号処理手段35Aは、所定の符号付き比例係数K1A,K2A,K3Aを用いて、
FzA=K1A×(C1A+C2A+C3A+C4A)
MxA=K2A×(C3A−C4A)
MyA=K3A×(C1A−C2A)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzA、X軸まわりのモーメント成分MxA、Y軸まわりのモーメント成分MyAを示すA系統検出値Aを出力することができる。
一方、B系統信号処理手段35Bは、所定の符号付き比例係数K1B,K2B,K3Bを用いて、
FzB=K1B×(C1B+C2B+C3B+C4B)
MxB=K2B×(C3B−C4B)
MyB=K3B×(C1B−C2B)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzB、X軸まわりのモーメント成分MxB、Y軸まわりのモーメント成分MyBを示すB系統検出値Bを出力することができる。
そこで比較手段45は、既に述べたとおり、A系統検出値AとB系統検出値Bとを比較し、両者の差分dを求め、A系統検出値AもしくはB系統検出値Bまたはこれら両者に基づいて算出された所定の算出値(たとえば、両者の平均値)を最終検出値Fz,Mx,Myとして出力するとともに、当該差分dが所定の許容値Tを超えていた場合には、差分エラーを出力する。
この図16に示す実施例の場合も、すべての検出点P21〜P24が検出基準円G1上に配置されているため、各検出素子の配置に対称性が得られ、検出信号の値にも対称性が得られ、信号処理手段による信号処理を単純化できるメリットが得られる。
たとえば、容量素子C1A,C2Aは、YZ平面に関して対称性を有しており、容量素子C3A,C4Aは、XZ平面に関して対称性を有している。このため、何ら外力が作用していない状態では、
MxA=K2A×(C3A−C4A)
MyA=K3A×(C1A−C2A)
なる演算結果はいずれも0になるので、MxAおよびMyAの出力についての零点補正処理を省略することができる。
同様に、容量素子C1B,C2Bは、YZ平面に関して対称性を有しており、容量素子C3B,C4Bは、XZ平面に関して対称性を有している。このため、何ら外力が作用していない状態では、
MxB=K2B×(C3B−C4B)
MyB=K3B×(C1B−C2B)
なる演算結果はいずれも0になるので、MxBおよびMyBの出力についての零点補正処理も省略することができる。
<2−5.信号処理手段および比較手段>
§2−1で説明したとおり、本発明に係る力覚センサの特徴は、図12(c) のブロック図に示すように、単一の検出用構造体10に加えられた外力を、n個のA系統検出素子25Aとn個のB系統検出素子25Bとによってそれぞれ検出し、これらから得られる検出信号を、A系統信号処理手段35AとB系統信号処理手段35Bとによって処理することにより、A系統検出値AとB系統検出値Bとを求め、比較手段45においてこれらを比較する、というものである。
たとえば、§2−4で説明した図16に示す実施例に係る力覚センサの基本構成を、図12(c) にならってブロック図で示すと図17のようになる。この場合、検出用構造体10は、図16(a) に示すように、下部構造体100と上部構造体200との積層構造体によって構成される。また、図16(b) に示されているように、A系統検出素子25Aは、4組のA系統容量素子C1A〜C4Aによって構成され、B系統検出素子25Bは、4組のB系統容量素子C1B〜C4Bによって構成される。
そして、A系統容量素子C1A〜C4Aからは、それぞれ同じ符号で示す静電容量値C1A〜C4Aを示す検出信号が出力され、A系統信号処理手段35Aに与えられる。同様に、B系統容量素子C1B〜C4Bからは、それぞれ同じ符号で示す静電容量値C1B〜C4Bを示す検出信号が出力され、B系統信号処理手段35Bに与えられる。実際には、各信号処理手段35A,35Bの入力段には、各容量素子を構成する一対の電極間の静電容量値を電気信号として取り込むための電気回路(たとえば、C/V変換回路)が備わっている。
A系統信号処理手段35Aは、取り込んだ検出信号C1A〜C4Aに基づいて、図示のような演算式に基づく演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことにより、3軸成分FzA,MxA,MyAをA系統検出値Aとして出力する。同様に、B系統信号処理手段35Bは、取り込んだ検出信号C1B〜C4Bに基づいて、図示のような演算式に基づく演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことにより、3軸成分FzB,MxB,MyBをB系統検出値Bとして出力する。
取り込んだ検出信号をデジタル信号に変換して処理する場合は、論理素子やマイクロプロセッサなどのデジタル回路を用いた演算処理によって、各検出値を求めることができる。実際には、所定のサンプリング周期で検出信号を取り込み、当該サンプリング周期ごとに、検出値A,Bの出力が行われる。取り込んだ検出信号をアナログ信号のまま処理する場合は、必要な演算処理に相当する信号処理をアナログ回路によって実行すればよい。
こうして得られたA系統検出値A(FzA,MxA,MyA)およびB系統検出値B(FzB,MxB,MyB)は、比較手段45に与えられる。この比較手段45も、論理素子やマイクロプロセッサを用いたデジタル回路によって構成してもよいし、同等の処理を実行可能なアナログ回路によって構成してもかまわない。なお、図17のブロック図では、A系統信号処理手段35A、B系統信号処理手段35B、比較手段45がそれぞれ別なブロックとして描かれているが、これらの構成要素をマイクロプロセッサを用いたデジタル回路によって構成する場合は、同一のICチップ内に組み込んでしまってかまわない。
要するに、A系統信号処理手段35AおよびB系統信号処理手段35Bは、それぞれ別系統の信号を入力し、それぞれ別系統の信号を出力する構成になっていればよく、A系統とB系統との信号処理が別個独立して実施されるようにすれば、本発明に必要な冗長性は確保できる。もちろん、冗長性を高めるため、A系統信号処理手段35A、B系統信号処理手段35B、比較手段45を、すべて別々のICチップで構成してもかまわない。
比較手段45の第1の役割は、検出値Aもしくは検出値Bまたはこれら両者に基づいて算出された所定の算出値を最終検出値として出力することである。たとえば、A系統を主系統、B系統を副系統と定めておき、常に、A系統検出値Aを最終検出値Fz,Mx,Myとして出力するようにしてもよい。この場合、B系統検出値Bは、A系統検出値Aとの比較を行うためだけに用いられることになる。もちろん、A系統を副系統、B系統を主系統と定めてもかまわない。あるいは、A系統検出値AおよびB系統検出値Bの平均値を算出し、当該平均値を最終検出値として出力するようにしてもよい。この場合、各最終検出値は、Fz=(FzA+FzB)/2,Mx=(MxA+MxB)/2,My=(MyA+MyB)/2なる演算によって求まる。
比較手段45の第2の役割は、A系統検出値AとB系統検出値Bとを比較し、両者の差分dを求め、当該差分dが所定の許容値Tを超えていた場合には、差分エラーを出力することである。具体的には、§2−2で述べたように、
d(Fz)=絶対値(FzA−FzB)
d(Mx)=絶対値(MxA−MxB)
d(My)=絶対値(MyA−MyB)
なる式に基づいて、各軸成分の差分d(Fz),d(Mx),d(My)を求め、これらが許容値Tを超えているか否かを判定する。許容値Tとしては、3軸共通の値を設定してもよいし、それぞれ別個の値を設定してもよい。また、差分エラーの出力方法も、3軸成分のそれぞれについて別個のエラーを出力するようにしてもよいし、少なくとも1軸成分についてエラーが生じた場合には共通の差分エラーを出力するようにしてもよい。
既に述べたとおり、比較手段45から差分エラーを出力するようにすれば、当該力覚センサが組み込まれたロボット等の制御装置は、当該差分エラーに基づき、適切な制御を行うことができる。ただ、ここに示す実施例の場合、比較手段45には、差分エラーの他に、レンジアウトエラーを出力する機能を併せもたせている。このレンジアウトエラーは、A系統検出値AもしくはB系統検出値Bが、所定の許容レンジを超えていることを示すエラーである。
一般に、何らかの検出値を電気信号として出力するセンサの場合、出力する検出値には所定の許容レンジが設定され、当該許容レンジ内の検出値についてのみ、適正な検出値としての保証がなされる。通常、この許容レンジを多少超える出力がなされたとしても、直ちには、検出用構造体に損傷が生じる事態にはならないよう、余裕をもった設計がなされることが多いが、いずれにしても、許容レンジを超える検出値は、当該センサが保証する適正な検出値にはならない。
そこで、ここに示す実施例では、比較手段45にレンジアウトエラーを出力する機能を付加している。すなわち、比較手段45は、A系統検出値AおよびB系統検出値Bのそれぞれについて、所定の許容レンジ内であるか否かを判定し、当該許容レンジを超えていた場合は、レンジアウトエラーを出力する処理を行う。結局、比較手段45からは、最終出力値Fz,Mx,Myに加えて、差分dが所定の許容値Tを超えていた場合には、差分エラーが出力され、検出値A,Bが所定の許容レンジを超えていた場合には、レンジアウトエラーが出力されることになる。
図18は、図17に示す比較手段45の具体的な処理手順を示す流れ図である。まず、ステップS1において、A系統検出値AおよびB系統検出値Bが入力される。実際には、所定のサンプリング周期で検出値A,Bの入力が行われることになる。上述した各実施例は、3軸成分Fz,Mx,Myの検出機能をもった力覚センサの例であるため、検出値Aは、FzA,MxA,MyAの3軸成分であり、検出値Bは、FzB,MxB,MyBの3軸成分である。
続くステップS2では、入力した検出値A,Bの中から、特定の軸成分が抽出される。上述したとおり、ステップS1では、3軸成分Fz,Mx,Myについての検出値A,Bが入力されているので、ステップS2では、まず、この3軸成分についての特定の軸成分が1つだけ抽出されることになる。ここでは、まず、成分Fzが特定の軸成分として抽出されたものとしよう。具体的には、検出値AとしてFzAが抽出され、検出値BとしてFzBが抽出されることになる。
そして、ステップS3において、入力した検出値A,Bが所定の許容レンジ内か否かの判定が行われる。ここに示す例の場合、FzA,FzBについては許容レンジR(Fz)を設定し、MxA,MxBについては許容レンジR(Mx)を設定し、MyA,MyBについては許容レンジR(My)を設定しており、それぞれ設定された許容レンジ内か否かの判定を行うようにしている。したがって、ステップS2において、検出値AとしてFzAが抽出され、検出値BとしてFzBが抽出された場合、これら検出値A,Bが許容レンジR(Fz)内であるか否かが判定される。もちろん、3軸成分に共通の許容レンジを設定するようにしてもかまわない。
このステップS3において、検出値A,Bの双方が許容レンジ内であるとの判定がなされた場合は、ステップS4へと進み、検出値A,Bの差の絶対値として差分dが算出される。上例の場合、FzAとFzBとの差の絶対値が差分d(Fz)として算出される。そして、ステップS5において、差分dが所定の許容値Tを超えているか否かの判定が行われ、許容値Tを超えていた場合には、ステップS7へ進み、差分エラーの出力が行われる。許容値Tは、前述したとおり、各軸成分ごとに別個に設定してもよいし、共通の許容値を設定してもよい。また、差分エラーには、必要に応じて、エラーが生じた特定の軸成分(上例の場合はFz)を示す情報を含ませてもよい。
続いて、ステップS6において、検出値AもしくはB、またはその平均値を最終検出値として出力する処理が行われる。上述したように、A系統を主系統、B系統を副系統と定めておいた場合、ステップS6では、常に、A系統検出値だけが最終検出値として出力される(上例の場合は、FzAがそのまま最終検出値Fzとして出力される)。一方、両者の平均値を採用する場合、ステップS6では、検出値A,Bの平均値が最終検出値として出力される(上例の場合は、Fz=(FzA+FzB)/2なる演算によって得られた値が、最終検出値Fzとして出力される)。
一方、ステップS3において、検出値A,Bの一方は許容レンジ内であるものの、他方が許容レンジを超えているとの判定がなされた場合は、ステップS8へと進み、レンジアウトエラーの出力が行われる。このレンジアウトエラーには、必要に応じて、エラーが生じた特定の軸成分(上例の場合はFz)を示す情報や、A系統/B系統のいずれがレンジアウトになったかを示す情報を含ませてもよい。そして、ステップS9において、検出値A,Bのうち、許容レンジ内の方を最終検出値として出力する。
また、ステップS3において、検出値A,Bの両方が許容レンジを超えているとの判定がなされた場合は、ステップS10へと進み、レンジアウトエラーの出力が行われる。このレンジアウトエラーには、必要に応じて、エラーが生じた特定の軸成分(上例の場合はFz)を示す情報や、A系統/B系統の両方がレンジアウトになったことを示す情報を含ませてもよい。そして、ステップS11において、検出値A,Bに代えて、所定のダミー値を最終検出値として出力する。
ステップS11で出力するダミー値としては、許容レンジ内の所定の値を予め設定しておくようにする。たとえば、外力が全く作用していないときに出力される検出値(零点を示す値)をダミー値として設定しておけばよい。検出値A,Bに代えて、許容レンジ内のダミー値を出力する理由は、許容レンジを超えた値を最終検出値として出力してしまうと、当該最終検出値を利用する機器(たとえば、ロボットの制御装置)に不測の障害が生じる可能性があるためである。
前述のとおり、許容レンジは、当該力覚センサが保証する適正な検出値の範囲であり、ロボットの制御装置などは、検出値が当該許容レンジ内の値になることを前提とした設計がなされることになる。このため、最終検出値として、許容レンジを超えた値を出力すると、当該最終検出値を受け取ったロボットの制御装置などでは、想定外の事態が生じるおそれがある。
そこで、比較手段45内の処理において、検出値A,Bが共に許容レンジを超えていた場合は、レンジアウトエラーを出力して異常を報知するとともに、最終検出値としては、許容レンジ内のダミー値を出力するようにしている。このダミー値は、もちろん正しい検出値ではないが、ロボットの制御装置などは、レンジアウトエラーの報知を受けることにより、当該ダミー値が正しい検出値ではないことを認識することができるので、問題は生じない。
こうして、ステップS2で抽出した特定の軸成分(上例の場合はFz)についての処理が完了したら、ステップS12を経て、再びステップS2へと戻り、別な特定の軸成分(たとえば、MxやMy)について、同様の処理が繰り返される。こうして、すべての軸成分(上例の場合は、3軸成分Fx,Mx,My)についての処理が完了したら、比較手段45の処理(1サンプリング周期において入力された検出値A,Bに対する処理)は終了する。
要するに、図18の流れ図に示されている実施例の場合、比較手段45は、A系統検出値Aのみが許容レンジを超えていた場合は、B系統検出値Bを最終検出値として出力し、B系統検出値Bのみが許容レンジを超えていた場合は、A系統検出値Aを最終検出値として出力し、A系統検出値AおよびB系統検出値Bの双方が許容レンジを超えていた場合は、許容レンジ内の所定のダミー値を最終検出値として出力する処理を行うことになる。
<<< §3. 本発明の変形例 >>>
これまで、§2において、本発明に係る力覚センサの基本的な実施形態を説明した。ここでは、これら基本的な実施形態に対するいくつかの変形例を述べておく。
<3−1.検出素子の配置を変えた変形例>
図19は、図16に示す力覚センサの変形例を示す側断面図(図19(a) )および下部構造体100の下面図(図19(b) )である。図16に示す力覚センサと図19に示す力覚センサとの相違は、8組の検出素子(容量素子)の配置だけである。したがって、図19に示されている力覚センサの各構成要素の符号は、図16に示されている力覚センサの対応する構成要素の符号と同じものを付して示してある。
図19に示す力覚センサは、図16に示す検出用構造体と全く同じ検出用構造体を有しており、ダイアフラム部120の下面に検出基準面が定義されており、この検出基準面上に4個の検出点P21〜P24が定義されている。各検出点P21〜P24の位置も、図16に示す実施例と全く同じである。そして、これら4個の検出点P21〜P24の近傍部分に生じた変位を検出するために、4組のA系統検出素子と4組のB系統検出素子とが形成されている点も、図16に示す実施例と同じである。ただ、各検出素子の配置が若干異なっている。
図16に示す実施例は、図13に示す検出素子の基本的な配置方針に従って、容量素子を配置した例である。この図13に示す基本的な配置方針は、A系統検出素子を各検出点の外側の近傍部分に配置し、B系統検出素子を各検出点の内側の近傍部分に配置する、というものであった。このため、図13には、4組のA系統検出素子D1A〜D4Aを検出点P1〜P4の外側に配置し、4組のB系統検出素子D1B〜D4Bを検出点P1〜P4の内側に配置した例が示されている。
これに対して、図19に示す変形例における検出素子の基本的な配置方針は、X軸もしくはY軸を挟んだ両側に、それぞれA系統検出素子とB系統検出素子とを隣接配置する、というものである。
具体的には、図19(b) に示すとおり、第1番目のA系統検出素子C1Aは、第1番目の検出点P21の、Y座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出できるような位置に配置され、第1番目のB系統検出素子C1Bは、第1番目の検出点P21の、Y座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出できるような位置に配置されている。同様に、第2番目のA系統検出素子C2Aは、第2番目の検出点P22の、Y座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出できるような位置に配置され、第2番目のB系統検出素子C2Bは、第2番目の検出点P22の、Y座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出できるような位置に配置されている。
また、第3番目のA系統検出素子C3Aは、第3番目の検出点P23の、X座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出できるような位置に配置され、第3番目のB系統検出素子C3Bは、第3番目の検出点P23の、X座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出できるような位置に配置されている。更に、第4番目のA系統検出素子C4Aは、第4番目の検出点P24の、X座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出できるような位置に配置され、第4番目のB系統検出素子C4Bは、第4番目の検出点P24の、X座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出できるような位置に配置されている。
図19に示す変形例の場合、図16に示す実施例と同様に、支持部110に固定された電極支持基板300が設けられており、この電極支持基板300上に固定した固定電極を利用することにより合計8組の容量素子が形成されており、これら容量素子を検出素子として用いている。
すなわち、各容量素子C1A〜C4A,C1B〜C4Bは、ダイアフラム部120の下面に固定された半円状の変位電極E21A〜E24A,E21B〜E24Bと、これら変位電極に対向するように電極支持基板300上に固定された半円状の固定電極E11A〜E14A,E11B〜E14Bと、によって構成されており、それぞれの変位電極が固定された位置に生じた変位を静電容量値の変化として出力する機能を有する。
具体的には、第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点P21の、Y座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C1A(変位電極E21Aと固定電極E11A)からなり、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点P21の、Y座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C1B(変位電極E21Bと固定電極E11B)からなる。同様に、第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点P22の、Y座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C2A(変位電極E22Aと固定電極E12A)からなり、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点P22の、Y座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C2B(変位電極E22Bと固定電極E12B)からなる。
また、第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点P23の、X座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C3A(変位電極E23Aと固定電極E13A)からなり、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点P23の、X座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C3B(変位電極E23Bと固定電極E13B)からなる。更に、第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点P24の、X座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C4A(変位電極E24Aと固定電極E14A)からなり、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点P24の、X座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C4B(変位電極E24Bと固定電極E14B)からなる。
このように、図19に示す力覚センサの検出素子の配置は、図16に示す力覚センサの検出素子の配置とは若干異なっているが、第1番目のA系統検出素子および第1番目のB系統検出素子は、いずれも第1番目の検出点P21の近傍部分の変位を検出し、第2番目のA系統検出素子および第2番目のB系統検出素子は、いずれも第2番目の検出点P22の近傍部分の変位を検出し、第3番目のA系統検出素子および第3番目のB系統検出素子は、いずれも第3番目の検出点P23の近傍部分の変位を検出し、第4番目のA系統検出素子および第4番目のB系統検出素子は、いずれも第4番目の検出点P24の近傍部分の変位を検出する、という本質的な特徴に変わりはない。
したがって、この図19に示す力覚センサの場合も、図16に示す力覚センサと同様の信号処理を行うことにより、3軸成分Fz,Mx,Myを検出することが可能である。
すなわち、8組の容量素子C1A〜C4A,C1B〜C4Bの静電容量値をそれぞれ同じ符号を用いてC1A〜C4A,C1B〜C4Bと表せば、A系統信号処理手段35Aは、所定の符号付き比例係数K1A,K2A,K3Aを用いて、
FzA=K1A×(C1A+C2A+C3A+C4A)
MxA=K2A×(C3A−C4A)
MyA=K3A×(C1A−C2A)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、FzA,MxA,MyAを示すA系統検出値Aを出力することができる。
同様に、B系統信号処理手段35Bは、所定の符号付き比例係数K1B,K2B,K3Bを用いて、
FzB=K1B×(C1B+C2B+C3B+C4B)
MxB=K2B×(C3B−C4B)
MyB=K3B×(C1B−C2B)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、FzB,MxB,MyBを示すB系統検出値Bを出力することができる。
<3−2.補助系統信号処理を加えた変形例>
上述した§3−1では、図19を参照しながら、検出素子の配置を変えた変形例を説明した。この変形例の特徴は、A系統検出素子とB系統検出素子の配置パターンを、検出点の内側か外側かで分けるのではなく、座標軸の正側か負側かで分ける点にある。このように、座標軸の正側か負側かで分ける配置パターンを採用すると、A系統信号処理およびB系統信号処理に加えて、更に、補助系統信号処理を加えることができるというメリットが得られる。ここでは、この補助系統信号処理を加えた変形例について述べることにする。
図20は、図19に示す力覚センサにおいて、補助系統信号処理を加えた場合の基本構成を示すブロック図である。§2−5では、図17のブロック図を参照して、図16に示す力覚センサについての信号処理を説明したが、ここでは、図20のブロック図を参照して、図19に示す力覚センサについての信号処理(補助系統信号処理を加えた例)を説明する。
図20に示すブロック図は、図17に示すブロック図に、補助系統信号処理手段35Cを付加し、比較手段45に、この補助系統信号処理手段35Cから出力される補助系統検出値Cを考慮した処理を実行させるようにしたものである。A系統検出素子25AおよびB系統検出素子25Bは、図19に示す配置パターンを採用した容量素子C1A〜C4A,C1B〜C4Bによって構成されているが、A系統信号処理手段35AおよびB系統信号処理手段35Bにおいて実行される信号処理は、§2−5で述べた処理と変わりはない。
すなわち、A系統信号処理手段35Aでは、図示のブロック内に記載された演算式に基づく演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理が実行され、A系統検出値A(FzA,MxA,MyA)が出力され、B系統信号処理手段35Bでは、図示のブロック内に記載された演算式に基づく演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理が実行され、B系統検出値B(FzB,MxB,MyB)が出力される。
一方、補助系統信号処理手段35Cは、A系統検出素子25Aからの検出信号(静電容量値C1A〜C4A)と、B系統検出素子25Bからの検出信号(静電容量値C1B〜C4B)と、の双方を取り込み、図示のブロック内に記載された演算式に基づく演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことにより、MxC,MyCを補助系統検出値Cとして出力する。この補助系統検出値Cは、A系統検出値AやB系統検出値Bとは異なる演算処理で得られた値であるが、全く独立した第3の系統の検出値ではなく、A系統とB系統とを取り混ぜた演算処理により得られる値である。
具体的には、補助系統信号処理手段35Cでは、所定の符号付き比例係数K2C,K3Cを用いて、
MxC=K2C×((C1A+C2A)−(C1B+C2B))
MyC=K3C×((C3B+C4B)−(C3A+C4A))
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、外力のX軸まわりのモーメント成分MxCおよびY軸まわりのモーメント成分MyCを示す補助系統検出値Cを出力する。
上記演算式に基づいて、Y軸まわりのモーメント成分MyCが得られる理由は、図7(b) の変形態様を参照すれば理解できるであろう。当該変形態様が生じた場合、検出点P21は下方に変位し、検出点P22は上方に変位するので、図19(b) に示す容量素子C1A,C1B,C2A,C2Bの静電容量値は大きく変動する。一方、図19(b) に示す検出点P23およびP24の近傍部分の変位に着目すると、検出点P21およびP22の近傍部分ほど大きな変位ではないものの、Y軸を境にして、図の右側部分(X座標値が正となる部分)は下方に変位し、図の左側部分(X座標値が負となる部分)は上方に変位することがわかる。
したがって、Y軸を境にして、図の右側に配置された容量素子C3B,C4Bの静電容量値は増加し、図の左側に配置された容量素子C3A,C4Aの静電容量値は減少することになる。上述の式MyC=K3C×((C3B+C4B)−(C3A+C4A))は、このような現象を踏まえた算出式である。X軸まわりのモーメント成分MxCが、上述の式MxC=K2C×((C1A+C2A)−(C1B+C2B))によって得られる理由も同様である。
もちろん、補助系統検出値C(MxC,MyC)の算出に用いられる静電容量値の変動量は、A系統検出値AやB系統検出値Bの算出に用いられる静電容量値の変動量に比べて小さいため、補助系統検出値Cの精度はA系統検出値AやB系統検出値Bの精度よりも低くなる。したがって、この補助系統検出値Cは、最終検出値として利用するにはあまり適切とは言えないが、後述するように、比較手段45による差分エラーの判定に第3の値として利用するには有用である。
具体的には、図20に示す実施例の場合、比較手段45には、A系統検出値AとB系統検出値Bに加えて、更に、補助系統検出値Cが与えられるので、A系統検出値AとB系統検出値Bとの差分dに加えて、A系統検出値Aと補助系統検出値Cとの差分dA(検出値Aと検出値Cの差の絶対値)およびB系統検出値Bと補助系統検出値Cとの差分dB(検出値Bと検出値Cの差の絶対値)を求めることができる。そこで、この3通りの差分d,dA,dBのいずれかが所定の許容値Tを超えていた場合に、差分エラーを出力する運用を行うことができる。
このように、3つの検出値を相互に比較して差分エラーを出力する運用を採れば、前述した2つの検出値の比較により差分エラーを出力する運用に比べて、より確実な異常報知を行うことが可能になる。
また、この3つの検出値を相互に比較した結果を利用すれば、比較手段45は、より適切な値を最終検出値として出力することが可能になる。たとえば、A系統検出値Aか、B系統検出値Bか、のいずれか一方を選択的に最終検出値として出力することにしておき、上記差分dAおよびdBを、選択の基準として利用することができる。具体的には、比較手段45は、上述した3通りの差分d,dA,dBを求めた後、dA<dBの場合はA系統検出値Aを最終検出値として出力し、dA>dBの場合はB系統検出値Bを最終検出値として出力すればよい。
別言すれば、検出値A,Bのうち、第3の検出値Cに近い方を最終検出値として出力することになる。dA=dBの場合は、検出値A,Bのいずれを最終検出値としてもかまわない。このような選択方法を採用すれば、検出値A,Bに食い違いが生じていた場合、第3の検出値Cに近い方が最終的に選択されることになるので、より信頼性の高い値が最終検出値として出力されることになる。
あるいは、上述した3通りの差分d,dA,dBを求めた後、これらが所定の許容値Tを超えているか否かを判定し、もし、3つのうちの2つが所定の許容値Tを超えていた場合には、当該2つの差分の算出にともに関与した検出値を誤検出値と推定し、この誤検出値を除く2つの検出値のいずれか一方(またはこれら2つの検出値に基づいて算出された平均値などの所定の算出値でもよい)を最終検出値として出力する例外処理を行うようにしてもよい。
たとえば、上例の場合、差分dは検出値AとBの差、差分dAは検出値AとCの差、差分dBは検出値BとCの差であるから、もし、3通りの差分d,dA,dBのうち、差分dおよびdAの2つだけが許容値Tを超えていた場合は、「AとBの差」および「AとCの差」は大きく、「BとCの差」は小さいことになる。この場合、「AとBの差」および「AとCの差」の算出にともに関与した検出値Aだけが異常値を示している可能性が高い。よって、この場合は、検出値Aを誤検出値と推定し、この誤検出値Aを除く2つの検出値B,Cのいずれか一方(またはこれら2つの検出値に基づいて算出された平均値など)を最終検出値として出力する例外処理を行うようにすれば、より信頼性の高い値が最終検出値として出力されることになる。
以上、図19に示す実施例、すなわち、n=4に設定して4箇所に検出点P21〜P24を定義し、これらの検出点近傍部分の変位を容量素子を用いて検出する実施例について、補助系統信号処理を加える変形例を説明したが、もちろん、当該変形例は、n=4に設定する実施例や、検出素子として容量素子を用いる実施例に限定されるものではない。
要するに、ここで述べた補助系統信号処理を加える変形例では、§2で述べた基本的実施形態に用いられているA系統信号処理手段35AおよびB系統信号処理手段35Bに加えて、n個のA系統検出素子の一部もしくは全部によって検出された電気的な検出信号と、n個のB系統検出素子の一部もしくは全部によって検出された電気的な検出信号と、の双方に基づいて、受力部に加えられた外力の所定方向成分を示す補助系統検出値Cを出力する補助系統信号処理手段35Cを更に設け、比較手段45によって、A系統検出値A,B系統検出値B,補助系統検出値Cを相互に比較して、差分エラーの出力処理や適切な最終検出値の出力処理を実行させるようにすればよい。
もちろん、比較手段45によるこのような処理は、デジタル回路を用いた演算処理によって行ってもよいし、アナログ回路を用いた信号処理によって行ってもかまわない。
<3−3.検出用構造体の変形例>
これまで述べてきた実施例は、いずれも図1に示すように、下部構造体100および上部構造体200を積層してなる検出用構造体を用いたものであり、単一のダイアフラム部120の所定箇所に定義された複数n個の検出点について、その近傍部分の撓みもしくは変位を検出するタイプのものであった。しかしながら、本発明に利用可能な検出用構造体は、図1に示すタイプに限定されるものではない。特に、弾性変形部は、力の作用により弾性変形を生じる性質を有していれば足り、必ずしも単一のダイアフラム部120によって構成する必要はない。
たとえば、図3には、ダイアフラム部120の代わりに、4本の橋梁部121〜124を弾性変形部として用いた下部構造体100′と上部構造体200とを積層してなる検出用構造体の例を示した。もちろん、本発明に係る力覚センサは、この図3に示すようなタイプの検出用構造体を用いて構成してもかまわない。その場合、これまでの説明におけるダイアフラム部120を、4本の橋梁部121〜124に置き換えればよい。この4本の橋梁部121〜124の変形態様は、基本的には、図2に示すダイアフラム部120の変形態様と同じであるので、各検出素子の配置や各信号処理手段の処理内容は、これまで述べた実施例と同じでよい。
ここでは、更に別な検出用構造体の変形例を、図21を参照しながら述べる。図1に示す検出用構造体は、支持体110によって周囲から支持された単一のダイアフラム部120上に、複数n個の検出点をすべて配置する形態をとるものであるのに対して、図21に示す検出用構造体は、支持体によって周囲から支持された複数m枚のダイアフラム部上に、複数n個の検出点を分散させて配置する形態をとるものである。
ここに示す変形例の場合、図12(b) に示す例のように、検出用構造体10がそっくり多重化されるわけではない。ただ、複数m枚のダイアフラム部を用いるため、ダイアフラム部(弾性変形部)については多重化がなされることになる。したがって、検出用構造体に損傷が生じた場合に対する信頼性は、これまで述べてきた基本的な実施形態よりも向上することになる。
図21(a) は、この変形例に係る検出用構造体の側断面図である。この例の場合も、検出用構造体は、下部構造体400と上部構造体500によって構成されている。ここで、図21(a) に示す上部構造体500は、§1−1で述べた図1(a) に示す検出用構造体に用いられている上部構造体200と同様に、円盤状の基板からなる受力部510と、この受力部510の下面と下部構造体400の上面とを接続する円柱状の力伝達部521〜524とを有している。
図1(a) に示す検出用構造体の場合、力伝達部220は、受力部210の下面の中央部とダイアフラム部120の上面の中央部125とを接続する単一の円柱状部材であるが、図21(a) に示す検出用構造体には、合計4本の力伝達部521〜524が設けられている。これは、図21(a) に示す変形例の場合、下部構造体400側には4枚の局在ダイアフラム部421〜424が設けられており、そのそれぞれの上面中央部と上部構造体500の下面とを接続するためである。
下部構造体400の構造は、図21(b) の下面図に明瞭に示されている。図示のとおり、下部構造体400は、全体的には円盤状の構造体であり、その下面の4箇所に円柱状の溝H1〜H4が掘られている。各溝H1〜H4の底部(下部構造体400の上層部)は、肉厚が薄い円盤状のダイアフラム部を構成している。したがって、下部構造体400には、4箇所にそれぞれ円盤状のダイアフラム部が形成されていることになる。ここでは、各ダイアフラム部を局在ダイアフラム部421〜424と呼ぶことにする。下部構造体400のうち、局在ダイアフラム部421〜424を除く部分が支持部410になる。円盤状の各局在ダイアフラム部421〜424は、いずれも周囲を肉厚の支持部410によって支持された状態になっている。
この変形例においても、下部構造体400と上部構造体500は、金属や樹脂などの一般的な材料によって構成することができる。局在ダイアフラム部421〜424は、外力の作用により弾性変形を生じる必要があるので、検出対象となる外力が作用したときに可撓性を呈する厚みに設定する。他の部分は、できるだけ剛体として作用するのが好ましいので、十分な肉厚を確保するようにする。
図21(b) には、破線の円によって、各局在ダイアフラム部421〜424の上面に接続される力伝達部521〜524の位置が示されている。前述したとおり、力伝達部521〜524は円柱状の部材であり、上部構造体500の下面の所定箇所と、各局在ダイアフラム部421〜424の上面中央とを接続する。
図示の例は、4組の局在ダイアフラム部421〜424を設けた例であるが、局在ダイアフラム部の数は任意でよい。ここでも、図示のとおり、下部構造体400の上層部分の中心位置に原点OをとってXYZ三次元直交座標系を定義すると、図21に示す変形例に係る検出用構造体の構造的特徴は、次のように言うことができる。
まず、この検出用構造体は、Z軸を中心軸としてXY平面(XY平面に平行な平面でもよい)に沿って延びる基板によって構成された下部構造体400と、この下部構造体400の上方に配置された上部構造体500と、を備えている。そして、下部構造体400を構成する基板には、複数m箇所にXY平面(XY平面に平行な平面でもよい)に沿った方向に延びる薄板状の局在ダイアフラム部421〜424が形成されており、下部構造体400のうち、これらm組の局在ダイアフラム部421〜424の部分が弾性変形部を構成し、それ以外の部分が支持部410を構成している。
一方、上部構造体510は、受力部510とm組の力伝達部521〜524とを有している。ここで、受力部510は、下部構造体400を構成する基板の上方に所定距離をおいてZ軸が中心軸となるように配置された板状基板によって構成されており、m組の力伝達部521〜524は、受力部510の下面の所定箇所とm組のダイアフラム部421〜424の上面中央とを接続している。
図21の例は、m=4に設定した例であるため、下部構造体400を構成する基板には、4箇所にXY平面もしくはXY平面に平行な平面に沿った方向に延びる薄板状の局在ダイアフラム部421〜424が形成されている。実用上は、この例のように、m=4に設定し、4組の局在ダイアフラム部421〜424を、図示する位置に配置するのが好ましい。
図21(a) に示すとおり、4組の局在ダイアフラム部421〜424はいずれも同じ厚みを有しており、その下面は共通平面に含まれる。ここで、この共通平面上に共通の検出基準面を設定し、この検出基準面上に4個の検出点P21〜P24を配置すれば(図21(b) 参照)、これら検出点P21〜P24の配置は、図16や図19に示す実施例と同等になる。円盤上の各局在ダイアフラム部421〜424は、各検出点P21〜P24が中心位置となるように配置されている。
一方、上部構造体500は、下部構造体400を構成する基板の上方に所定距離をおいてZ軸が中心軸となるように配置された板状基板によって構成された受力部510と、この受力部510の下面と4組の局在ダイアフラム部421〜424の上面とを接続する4組の力伝達部521〜524と、を有している。
これら4組の力伝達部のうち、第1の力伝達部521は、正のX軸と交差するZ軸に平行な直線に沿って、受力部510の下面の所定位置と第1の局在ダイアフラム部421の上面中央とを接続し、第2の力伝達部522は、負のX軸と交差するZ軸に平行な直線に沿って、受力部510の下面の所定位置と第2の局在ダイアフラム部422の上面中央とを接続し、第3の力伝達部523は、正のY軸と交差するZ軸に平行な直線に沿って、受力部510の下面の所定位置と第3の局在ダイアフラム部423の上面中央とを接続し、第4の力伝達部524は、負のY軸と交差するZ軸に平行な直線に沿って、受力部510の下面の所定位置と第4の局在ダイアフラム部424の上面中央とを接続している。
結局、図21に示す検出用構造体の例は、m=4に設定して下部構造体400に4組の局在ダイアフラム部421〜424(弾性変形部)を設け、n=4に設定して、この弾性変形部上に4個の検出点P21〜P24を設定した例ということができる。mとnをいずれも4に設定したため、局在ダイアフラム部と検出点とを1対1に対応させ、各局在ダイアフラム部421〜424の下面中心位置にそれぞれ検出点P21〜P24が定義されることになる。また、各力伝達部521〜524は、各検出点P21〜P24の上方に接続されることになる。
図22(a) は、図21に示す検出用構造体の受力部510に対して、力−Fzが作用したときの変形状態を示す側断面図であり、図22(b) は、モーメント+Myが作用したときの変形状態を示す側断面図である。下部構造体400に対しては、4本の力伝達部521〜524から4組の局在ダイアフラム部421〜424の上面中央位置に外力が伝達されることになるので、変形態様は個々の局在ダイアフラム部421〜424ごとに異なるが、各検出点P21〜P24の近傍部分の変位を検出することにより、作用した外力の所定方向成分を算出できる点に代わりはない。実際、図22に示す検出用構造体の変形態様を、図2に示す検出用構造体の変形態様と比べてみると、各検出点P21〜P24の近傍部分の変形態様の特徴は似通っていることがわかるであろう。
ただ、図22に示す検出用構造体の場合、各検出点P21〜P24の上方に各力伝達部521〜524が接続されているため、各検出点P21〜P24の直近部分については、撓みはほとんど生じない。そこで、ここでは、検出素子として容量素子を用いた実施例を示すことにする。
図23は、この図21に示す検出用構造体に検出素子として8組の容量素子を組み込んだ実施形態に係る力覚センサを示す側断面図(図(a) )および下部構造体400の下面図(図(b) )である。固定電極を配置するため、4組の局在ダイアフラム部421〜424の下方には、所定距離をおいて、4組の電極支持基板601〜604が付加されている。これら電極支持基板601〜604は、いずれも周囲が支持部410に固定された円盤状の部材である。8組の容量素子は、外側に配置された4組のA系統容量素子C1A〜C4Aと、内側に配置された4組のB系統容量素子C1B〜C4Bとによって構成される。
この図23においても、説明の便宜上、下部構造体400の上層部分の中心位置に原点Oをとって、図示のようなXYZ三次元直交座標系を定義することにする。そして、前述のように、各局在ダイアフラム部421〜424の下面を含む面を共通の検出基準面に設定し、図23(b) に示すように、この検出基準面上にZ軸を中心とした検出基準円G2を描けば、各検出点P21〜P24は、いずれもこの検出基準円G2上に配置されている。
図示の例は、局在ダイアフラム部の数mおよび検出点の数nをいずれも4に設定した例であり、各局在ダイアフラム部の下面中央にそれぞれ1つの検出点が定義されている。ここで、X軸およびY軸を検出基準面に投影して得られるX軸投影像およびY軸投影像を定義すれば、図23(b) に示すように、第1番目の検出点P21は正のX軸投影像と検出基準円G2との交点に位置し、第2番目の検出点P22は負のX軸投影像と検出基準円G2との交点に位置し、第3番目の検出点P23は正のY軸投影像と検出基準円G2との交点に位置し、第4番目の検出点P24は負のY軸投影像と検出基準円G2との交点に位置する。
そして、各検出点P21〜P24について、Z軸から遠い側を外側、Z軸に近い側を内側と呼ぶことにすれば、第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点P21の外側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点P21の内側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出する。同様に、第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点P22の外側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点P22の内側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出する。
また、第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点P23の外側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点P23の内側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、更に、第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点P24の外側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点P24の内側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出する。
特に、図23に示す実施例は、検出素子として容量素子を用いた例であり、各容量素子は、局在ダイアフラム部421〜424の下面に固定された変位電極E21A〜E24A,E21B〜E24Bと、電極支持基板601〜604の上面に固定された固定電極E11A〜E14A,E11B〜E14B(各変位電極E21A〜E24A,E21B〜E24Bに対向するように配置された電極)とによって構成され、変位電極が固定された位置に生じた変位を静電容量値の変化として出力する機能を有する。このような8組の容量素子の配置は、図16に示す力覚センサにおける8組の容量素子の配置に対応するものである。
具体的には、第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点P21の外側に配置された容量素子C1Aからなり、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点P21の内側に配置された容量素子C1Bからなり、同様に、第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点P22の外側に配置された容量素子C2Aからなり、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点P22の内側に配置された容量素子C2Bからなる。
また、第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点P23の外側に配置された容量素子C3Aからなり、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点P23の内側に配置された容量素子C3Bからなり、更に、第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点P24の外側に配置された容量素子C4Aからなり、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点P24の内側に配置された容量素子C4Bからなる。
ここで、図22に示す検出用構造体の変形態様の特徴は、図2に示す検出用構造体の変形態様の特徴と、実質的には同じであり、この図23に示す力覚センサにおいても、図17に示すA系統信号処理手段35AおよびB系統信号処理手段35Bを用いることにより、受力部510に加えられた外力のZ軸方向の力成分Fz、X軸まわりのモーメント成分Mx、Y軸まわりのモーメント成分Myを算出することができる。
すなわち、8組の容量素子C1A〜C4A,C1B〜C4Bの静電容量値をそれぞれ同じ符号を用いてC1A〜C4A,C1B〜C4Bと表した場合、A系統信号処理手段35Aは、所定の符号付き比例係数K1A,K2A,K3Aを用いて、
FzA=K1A×(C1A+C2A+C3A+C4A)
MxA=K2A×(C3A−C4A)
MyA=K3A×(C1A−C2A)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、3軸成分FzA,MxA,MyAを示すA系統検出値を出力することができる。
同様に、B系統信号処理手段35Bは、所定の符号付き比例係数K1B,K2B,K3Bを用いて、
FzB=K1B×(C1B+C2B+C3B+C4B)
MxB=K2B×(C3B−C4B)
MyB=K3B×(C1B−C2B)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、3軸成分FzB,MxB,MyBを示すB系統検出値を出力することができる。なお、比較手段45の処理動作は、これまで述べてきた実施例と同じである。
<3−4.変形例の組み合わせ>
これまで、§2−1〜§2−5において本発明の基本的な実施形態を述べ、§3−1〜§3−3においてその変形例を述べた。もちろん、これらの実施形態や変形例は、必要に応じて相互に組み合わせて適用することも可能である。
図24に示す組み合わせ例は、§3−3で述べた変形例(図23に示す力覚センサ)における容量素子の配置について、§3−1で述べた変形例を適用した例である。すなわち、図23に示す力覚センサと図24に示す力覚センサとの相違は、8組の容量素子の配置のみである。
具体的には、図23に示す力覚センサでは、図16に示す力覚センサと同様に、A系統検出素子を各検出点の外側の近傍部分に配置し、B系統検出素子を各検出点の内側の近傍部分に配置する、という方針を採用したものであるのに対して、図24に示す力覚センサでは、図19に示す力覚センサと同様に、X軸もしくはY軸を挟んだ両側に、それぞれA系統検出素子とB系統検出素子とを隣接配置する、という方針を採用したものである。
図23に示す力覚センサと図24に示す力覚センサとは、用いる検出用構造体やn個の検出点の配置に関しては何ら変わりはない。いずれも、局在ダイアフラム部の数mおよび検出点の数nを4に設定した例であり、4組の局在ダイアフラム部421〜424の下面中央に、それぞれ1つずつ検出点P21〜P24が定義されている。また、検出素子を容量素子によって構成するために、4組の電極支持基板601〜604が設けられている点も変わりはない。
したがって、各局在ダイアフラム部421〜424の下面位置に共通の検出基準面を設定し、X軸およびY軸を当該検出基準面に投影して得られるX軸投影像およびY軸投影像を定義し、当該検出基準面上にZ軸を中心とした検出基準円G2を描けば、第1番目の検出点P21は正のX軸投影像と検出基準円G2との交点に位置し、第2番目の検出点P22は負のX軸投影像と検出基準円G2との交点に位置し、第3番目の検出点P23は正のY軸投影像と検出基準円G2との交点に位置し、第4番目の検出点P24は負のY軸投影像と検出基準円G2との交点に位置している。
そして、第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点P21の、Y座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点P21の、Y座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出する。同様に、第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点P22の、Y座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点P22の、Y座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出する。
また、第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点P23の、X座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点P23の、X座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出する。更に、第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点P24の、X座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点P24の、X座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出する。
特に、図24に示す実施例は、検出素子として容量素子を用いた例であり、各容量素子は、局在ダイアフラム部421〜424の下面に固定された変位電極E21A〜E24A,E21B〜E24Bと、電極支持基板601〜604の上面に固定された固定電極E11A〜E14A,E11B〜E14B(各変位電極E21A〜E24A,E21B〜E24Bに対向するように配置された電極)とによって構成され、変位電極が固定された位置に生じた変位を静電容量値の変化として出力する機能を有する。このような8組の容量素子の配置は、図19に示す力覚センサにおける8組の容量素子の配置に対応するものである。
具体的には、第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点P21の、Y座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C1Aからなり、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点P21の、Y座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C1Bからなる。同様に、第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点P22の、Y座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C2Aからなり、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点P22の、Y座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C2Bからなる。
また、第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点P23の、X座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C3Aからなり、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点P23の、X座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C3Bからなる。更に、第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点P24の、X座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C4Aからなり、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点P24の、X座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C4Bからなる。
この図24に示す力覚センサにおいても、図17に示すA系統信号処理手段35AおよびB系統信号処理手段35Bを用いることにより、受力部510に加えられた外力のZ軸方向の力成分Fz、X軸まわりのモーメント成分Mx、Y軸まわりのモーメント成分Myを算出することができる。
すなわち、8組の容量素子C1A〜C4A,C1B〜C4Bの静電容量値をそれぞれ同じ符号を用いてC1A〜C4A,C1B〜C4Bと表した場合、A系統信号処理手段35Aは、所定の符号付き比例係数K1A,K2A,K3Aを用いて、
FzA=K1A×(C1A+C2A+C3A+C4A)
MxA=K2A×(C3A−C4A)
MyA=K3A×(C1A−C2A)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、3軸成分FzA,MxA,MyAを示すA系統検出値を出力することができる。
同様に、B系統信号処理手段35Bは、所定の符号付き比例係数K1B,K2B,K3Bを用いて、
FzB=K1B×(C1B+C2B+C3B+C4B)
MxB=K2B×(C3B−C4B)
MyB=K3B×(C1B−C2B)
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、3軸成分FzB,MxB,MyBを示すB系統検出値を出力することができる。なお、比較手段45の処理動作は、これまで述べてきた実施例と同じである。
この図24に示す力覚センサの場合、図19に示す力覚センサと同様に、§3−2で説明した補助系統信号処理を加えた変形例を適用することも可能である。その場合は、図20に示す例のように、A系統信号処理手段35AおよびB系統信号処理手段35Bの他に、更に、補助系統信号処理手段35Cを加えればよい。この補助系統信号処理手段35Cは、§3−2で説明したとおり、所定の符号付き比例係数K2C,K3Cを用いて、
MxC=K2C×((C1A+C2A)−(C1B+C2B))
MyC=K3C×((C3B+C4B)−(C3A+C4A))
なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のX軸まわりのモーメント成分MxCおよびY軸まわりのモーメント成分MyCを示す補助系統検出値Cを出力する構成要素である。
このように、補助系統検出値Cを算出するようにすれば、比較手段45は、A系統検出値AとB系統検出値Bとの差分dに加えて、更に、A系統検出値Aと補助系統検出値Cとの差分dAおよびB系統検出値Bと補助系統検出値Cとの差分dBを求め、差分d,dA,dBのいずれかが所定の許容値Tを超えていた場合には、差分エラーを出力することができる。また、差分d,dA,dBを利用して、より適切な値を最終検出値として出力することも可能になる。このような処理の詳細は、既に§3−2で説明したとおりである。
以上、本発明に係る力覚センサを、作用した外力のZ軸方向の力成分Fz、X軸まわりのモーメント成分Mx、Y軸まわりのモーメント成分Myの3軸成分を検出するセンサの実施例について説明したが、もちろん、本発明はこのような3軸検出用の力覚センサに限定されるものではなく、たとえば、前掲の特許文献5に開示されているような6軸検出用の力覚センサや、前掲の特許文献6に開示されているようなトルクセンサ(モーメント成分Mzのみを検出する1軸検出用の力覚センサ)に適用することもできる。
なお、図21に示すm組の局在ダイアフラム部を有する検出用構造体は、前掲の特許文献5に開示されている6軸検出用の力覚センサの検出用構造体としても利用可能である。したがって、実用上、当該6軸検出用の力覚センサの製造ラインを利用して、図23や図24に示す力覚センサを製造することが可能である。
10,10A,10B:検出用構造体
20,20A,20B:検出素子
25A:A系統検出素子
25B:B系統検出素子
30,30A,30B:信号処理手段
35A:A系統信号処理手段
35B:B系統信号処理手段
35C:補助系統信号処理手段
40:比較手段
45:比較手段
100,100′:下部構造体
110:支持部
120:弾性変形部(ダイアフラム部)
121〜124:弾性変形部(橋梁部)
125:中央部
200:上部構造体
210:受力部
220:力伝達部
300:電極支持基板
400:下部構造体
410:支持部
421〜424:弾性変形部(局在ダイアフラム部)
500:上部構造体
510:受力部
521〜524:力伝達部
601〜604:電極支持基板
A:A系統検出値
B:B系統検出値
C:補助系統検出値
C1〜C4:容量素子(その静電容量値)
C1A〜C4A:A系統容量素子(その静電容量値)
C1B〜C4B:B系統容量素子(その静電容量値)
D1〜D4:検出素子(そこから得られる検出信号の値)
D1A〜D4A:A系統検出素子(そこから得られる検出信号の値)
D1B〜D4B:B系統検出素子(そこから得られる検出信号の値)
d,dA,dB:差分
E11〜E14:固定電極
E11A〜E14A:A系統固定電極
E11B〜E14B:B系統固定電極
E21〜E24:変位電極
E21A〜E24A:A系統変位電極
E21B〜E24B:B系統変位電極
Fz:外力のZ軸方向の力成分
FzA:外力のZ軸方向の力成分のA系統検出値
FzB:外力のZ軸方向の力成分のB系統検出値
G1,G2:検出基準円
H,H1〜H4:溝
K1〜K3:比例係数
K1A〜K3A:A系統用比例係数
K1B〜K3B:B系統用比例係数
K2C,K3C:補助系統用比例係数
Mx:外力のX軸まわりのモーメント成分
MxA:外力のX軸まわりのモーメント成分のA系統検出値
MxB:外力のX軸まわりのモーメント成分のB系統検出値
My:外力のY軸まわりのモーメント成分
MyA:外力のY軸まわりのモーメント成分のA系統検出値
MyB:外力のY軸まわりのモーメント成分のB系統検出値
O:XYZ三次元直交座標系の原点
P1〜P4:検出点
P11〜P14:検出点
P21〜P24:検出点
R1〜R4:ピエゾ抵抗素子(その抵抗値)
R1A〜R4A:A系統ピエゾ抵抗素子
R1B〜R4B:B系統ピエゾ抵抗素子
S1〜S10:流れ図の各ステップ
SA:第1のセンサ
SB:第2のセンサ
T:許容値
VA:第1のセンサの検出値
VB:第2のセンサの検出値
X:XYZ三次元直交座標系の座標軸
Y:XYZ三次元直交座標系の座標軸
Z:XYZ三次元直交座標系の座標軸

Claims (32)

  1. 作用した外力の所定方向成分を検出する力覚センサであって、
    力の作用により弾性変形を生じる弾性変形部と、この弾性変形部を支持する支持部と、検出対象となる外力を受ける受力部と、この受力部に加えられた外力を前記弾性変形部の所定箇所に伝達する力伝達部と、を有する検出用構造体と、
    前記弾性変形部の所定位置に定義された複数n個の各検出点の第1の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出するn個のA系統検出素子と、
    前記n個の各検出点の前記第1の近傍部分とは異なる第2の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出するn個のB系統検出素子と、
    を備え、
    任意のi(1≦i≦n)について、第i番目のA系統検出素子は、第i番目の検出点の第1の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出し、第i番目のB系統検出素子は、第i番目の検出点の第2の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出し、
    更に、
    前記n個のA系統検出素子によって検出された電気的な検出信号に基づいて、前記受力部に加えられた外力の前記所定方向成分を示すA系統検出値を出力するA系統信号処理手段と、
    前記n個のB系統検出素子によって検出された電気的な検出信号に基づいて、前記受力部に加えられた外力の前記所定方向成分を示すB系統検出値を出力するB系統信号処理手段と、
    前記A系統検出値と前記B系統検出値とを比較し、両者の差分dを求め、前記A系統検出値もしくは前記B系統検出値またはこれら両者に基づいて算出された所定の算出値を最終検出値として出力するとともに、前記差分dが所定の許容値Tを超えていた場合には、差分エラーを出力する比較手段と、
    を備えることを特徴とする力覚センサ。
  2. 請求項1に記載の力覚センサにおいて、
    XYZ三次元直交座標系を定義したときに、検出用構造体が、
    Z軸を中心軸としてXY平面もしくはXY平面に平行な平面に沿って延びる薄板状のダイアフラム部によって構成された弾性変形部と、この弾性変形部の周囲を支持固定する環状構造体によって構成された支持部と、を有する下部構造体と、
    前記弾性変形部の上方に所定距離をおいてZ軸が中心軸となるように配置された板状基板によって構成された受力部と、前記受力部の下面中央と前記弾性変形部の上面中央とをZ軸に沿って接続する力伝達部と、を有する上部構造体と、
    を備えることを特徴とする力覚センサ。
  3. 請求項1に記載の力覚センサにおいて、
    XYZ三次元直交座標系を定義したときに、検出用構造体が、
    Z軸上に位置する中央部と、前記中央部からXY平面もしくはXY平面に平行な平面に沿って放射状に延びる複数本の薄板状の橋梁部と、を有する弾性変形部と、この弾性変形部の周囲を支持固定する環状構造体によって構成された支持部と、を有する下部構造体と、
    前記弾性変形部の上方に所定距離をおいてZ軸が中心軸となるように配置された板状基板によって構成された受力部と、前記受力部の下面中央と前記中央部の上面とをZ軸に沿って接続する力伝達部と、を有する上部構造体と、
    を備えることを特徴とする力覚センサ。
  4. 請求項3に記載の力覚センサにおいて、
    弾性変形部が、中央部からX軸正方向に向かって延びる薄板状の第1橋梁部と、中央部からX軸負方向に向かって延びる薄板状の第2橋梁部と、中央部からY軸正方向に向かって延びる薄板状の第3橋梁部と、中央部からY軸負方向に向かって延びる薄板状の第4橋梁部と、を有することを特徴とする力覚センサ。
  5. 請求項1に記載の力覚センサにおいて、
    XYZ三次元直交座標系を定義したときに、検出用構造体が、Z軸を中心軸としてXY平面もしくはXY平面に平行な平面に沿って延びる基板によって構成された下部構造体と、この下部構造体の上方に配置された上部構造体と、を備えており、
    前記下部構造体を構成する基板には、複数m箇所にXY平面もしくはXY平面に平行な平面に沿った方向に延びる薄板状の局在ダイアフラム部が形成されており、前記下部構造体のうち、これらm組の局在ダイアフラム部の部分が弾性変形部を構成し、それ以外の部分が支持部を構成しており、
    前記上部構造体は、前記下部構造体を構成する基板の上方に所定距離をおいてZ軸が中心軸となるように配置された板状基板によって構成された受力部と、前記受力部の下面の所定箇所と前記m組のダイアフラム部の上面中央とを接続するm組の力伝達部と、を有していることを特徴とする力覚センサ。
  6. 請求項5に記載の力覚センサにおいて、
    m=4に設定することにより、下部構造体を構成する基板には、4箇所にXY平面もしくはXY平面に平行な平面に沿った方向に延びる薄板状の局在ダイアフラム部が形成されており、各局在ダイアフラム部の下面は共通の検出基準面に含まれ、
    上部構造体は、下部構造体を構成する基板の上方に所定距離をおいてZ軸が中心軸となるように配置された板状基板によって構成された受力部と、前記受力部の下面と前記4組の局在ダイアフラム部の上面とを接続する4組の力伝達部と、を有しており、
    前記4組の力伝達部のうち、第1の力伝達部は、正のX軸と交差するZ軸に平行な直線に沿って、前記受力部の下面の所定位置と第1の局在ダイアフラム部の上面中央とを接続し、第2の力伝達部は、負のX軸と交差するZ軸に平行な直線に沿って、前記受力部の下面の所定位置と第2の局在ダイアフラム部の上面中央とを接続し、第3の力伝達部は、正のY軸と交差するZ軸に平行な直線に沿って、前記受力部の下面の所定位置と第3の局在ダイアフラム部の上面中央とを接続し、第4の力伝達部は、負のY軸と交差するZ軸に平行な直線に沿って、前記受力部の下面の所定位置と第4の局在ダイアフラム部の上面中央とを接続していることを特徴とする力覚センサ。
  7. 請求項2〜6のいずれかに記載の力覚センサにおいて、
    XY平面もしくはXY平面に平行な平面上に検出基準面を定義し、この検出基準面上にZ軸を中心とした検出基準円を描いたときに、n個の検出点がすべて前記検出基準円上に配置されていることを特徴とする力覚センサ。
  8. 請求項7に記載の力覚センサにおいて、
    各検出点について、Z軸から遠い側を外側、Z軸に近い側を内側と呼んだときに、任意のi(1≦i≦n)について、
    第i番目のA系統検出素子は、第i番目の検出点の外側の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出し、
    第i番目のB系統検出素子は、第i番目の検出点の内側の近傍部分の撓みもしくは変位を電気的に検出することを特徴とする力覚センサ。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の力覚センサにおいて、
    n個のA系統検出素子の一部もしくは全部によって検出された電気的な検出信号と、n個のB系統検出素子の一部もしくは全部によって検出された電気的な検出信号と、の双方に基づいて、受力部に加えられた外力の所定方向成分を示す補助系統検出値を出力する補助系統信号処理手段を更に備え、
    比較手段が、A系統検出値とB系統検出値との差分dに加えて、更に、A系統検出値と補助系統検出値との差分dAおよびB系統検出値と補助系統検出値との差分dBを求め、前記差分d,dA,dBのいずれかが所定の許容値Tを超えていた場合には、差分エラーを出力することを特徴とする力覚センサ。
  10. 請求項9に記載の力覚センサにおいて、
    比較手段が、dA<dBの場合はA系統検出値を最終検出値として出力し、dA>dBの場合はB系統検出値を最終検出値として出力し、dA=dBの場合はA系統検出値またはB系統検出値を最終検出値として出力することを特徴とする力覚センサ。
  11. 請求項9または10に記載の力覚センサにおいて、
    比較手段が、差分d,dA,dBのうちの2つが所定の許容値Tを超えていた場合には、当該2つの差分の算出にともに関与した検出値を誤検出値と推定し、この誤検出値を除く2つの検出値の一方またはこれら両方に基づいて算出された所定の算出値を最終検出値として出力する例外処理を行うことを特徴とする力覚センサ。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載の力覚センサにおいて、
    比較手段が、A系統検出値およびB系統検出値について、所定の許容レンジ内であるか否かを判定し、当該許容レンジを超えていた場合は、レンジアウトエラーを出力することを特徴とする力覚センサ。
  13. 請求項12に記載の力覚センサにおいて、
    比較手段が、A系統検出値のみが許容レンジを超えていた場合は、B系統検出値を最終検出値として出力し、B系統検出値のみが許容レンジを超えていた場合は、A系統検出値を最終検出値として出力し、A系統検出値およびB系統検出値の双方が許容レンジを超えていた場合は、許容レンジ内の所定のダミー値を最終検出値として出力することを特徴とする力覚センサ。
  14. 請求項1〜8のいずれかに記載の力覚センサにおいて、
    比較手段が、A系統検出値およびB系統検出値の平均値を算出し、当該平均値を最終検出値として出力することを特徴とする力覚センサ。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の力覚センサにおいて、
    任意のi(1≦i≦n)について、
    第i番目のA系統検出素子は、第i番目の検出点の第1の近傍部分に配置されたピエゾ抵抗素子によって構成され、当該近傍部分に生じた撓みを電気抵抗値の変化として示す検出信号を出力し、
    第i番目のB系統検出素子は、第i番目の検出点の第2の近傍部分に配置されたピエゾ抵抗素子によって構成され、当該近傍部分に生じた撓みを電気抵抗値の変化として示す検出信号を出力することを特徴とする力覚センサ。
  16. 請求項1〜14のいずれかに記載の力覚センサにおいて、
    任意のi(1≦i≦n)について、
    第i番目のA系統検出素子は、第i番目の検出点の第1の近傍部分に配置された第i番目のA系統変位電極と、この第i番目のA系統変位電極に対向するように支持部に固定された第i番目のA系統固定電極と、を有する第i番目のA系統容量素子によって構成され、当該第1の近傍部分に生じた変位を静電容量値の変化として示す検出信号を出力し、
    第i番目のB系統検出素子は、第i番目の検出点の第2の近傍部分に配置された第i番目のB系統変位電極と、この第i番目のB系統変位電極に対向するように支持部に固定された第i番目のB系統固定電極と、を有する第i番目のB系統容量素子によって構成され、当該第2の近傍部分に生じた変位を静電容量値の変化として示す検出信号を出力することを特徴とする力覚センサ。
  17. 請求項2または4に記載の力覚センサにおいて、
    ダイアフラム部または各橋梁部の上面もしくは下面に検出基準面を定義し、X軸およびY軸を前記検出基準面に投影して得られるX軸投影像およびY軸投影像を定義したときに、
    n=4に設定することにより前記検出基準面上に4個の検出点が定義されており、前記検出基準面上にZ軸を中心とした検出基準円を描いたときに、第1番目の検出点は正のX軸投影像と前記検出基準円との交点に位置し、第2番目の検出点は負のX軸投影像と前記検出基準円との交点に位置し、第3番目の検出点は正のY軸投影像と前記検出基準円との交点に位置し、第4番目の検出点は負のY軸投影像と前記検出基準円との交点に位置し、
    各検出点について、Z軸から遠い側を外側、Z軸に近い側を内側と呼んだときに、
    第1番目のA系統検出素子は、前記第1番目の検出点の外側の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出し、第1番目のB系統検出素子は、前記第1番目の検出点の内側の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出し、
    第2番目のA系統検出素子は、前記第2番目の検出点の外側の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出し、第2番目のB系統検出素子は、前記第2番目の検出点の内側の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出し、
    第3番目のA系統検出素子は、前記第3番目の検出点の外側の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出し、第3番目のB系統検出素子は、前記第3番目の検出点の内側の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出し、
    第4番目のA系統検出素子は、前記第4番目の検出点の外側の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出し、第4番目のB系統検出素子は、前記第4番目の検出点の内側の近傍部分に生じた撓みもしくは変位を電気的に検出することを特徴とする力覚センサ。
  18. 請求項17に記載の力覚センサにおいて、
    各検出素子はダイアフラム部または各橋梁部の上面もしくは下面に埋め込まれたピエゾ抵抗素子によって構成されており、各ピエゾ抵抗素子は、埋め込まれた位置に生じた撓みを電気抵抗値の変化として出力する機能を有し、
    第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点の外側にX軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R1Aからなり、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点の内側にX軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R1Bからなり、
    第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点の外側にX軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R2Aからなり、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点の内側にX軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R2Bからなり、
    第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点の外側にY軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R3Aからなり、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点の内側にY軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R3Bからなり、
    第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点の外側にY軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R4Aからなり、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点の内側にY軸投影像に沿って配置されたピエゾ抵抗素子R4Bからなることを特徴とする力覚センサ。
  19. 請求項18に記載の力覚センサにおいて、
    8組のピエゾ抵抗素子R1A〜R4A,R1B〜R4Bの抵抗値をそれぞれ同じ符号を用いてR1A〜R4A,R1B〜R4Bと表したときに、
    A系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1A,K2A,K3Aを用いて、
    FzA=K1A×(R1A+R2A+R3A+R4A)
    MxA=K2A×(R3A−R4A)
    MyA=K3A×(R1A−R2A)
    なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzA、X軸まわりのモーメント成分MxA、Y軸まわりのモーメント成分MyAを示すA系統検出値を出力し、
    B系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1B,K2B,K3Bを用いて、
    FzB=K1B×(R1B+R2B+R3B+R4B)
    MxB=K2B×(R3B−R4B)
    MyB=K3B×(R1B−R2B)
    なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzB、X軸まわりのモーメント成分MxB、Y軸まわりのモーメント成分MyBを示すB系統検出値を出力することを特徴とする力覚センサ。
  20. 請求項17に記載の力覚センサにおいて、
    各検出素子はダイアフラム部または各橋梁部の上面もしくは下面に固定された変位電極と、この変位電極に対向するように支持部に固定された固定電極と、を有する容量素子によって構成されており、各容量素子は、変位電極が固定された位置に生じた変位を静電容量値の変化として出力する機能を有し、
    第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点の外側に配置された容量素子C1Aからなり、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点の内側に配置された容量素子C1Bからなり、
    第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点の外側に配置された容量素子C2Aからなり、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点の内側に配置された容量素子C2Bからなり、
    第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点の外側に配置された容量素子C3Aからなり、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点の内側に配置された容量素子C3Bからなり、
    第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点の外側に配置された容量素子C4Aからなり、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点の内側に配置された容量素子C4Bからなることを特徴とする力覚センサ。
  21. 請求項20に記載の力覚センサにおいて、
    8組の容量素子C1A〜C4A,C1B〜C4Bの静電容量値をそれぞれ同じ符号を用いてC1A〜C4A,C1B〜C4Bと表したときに、
    A系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1A,K2A,K3Aを用いて、
    FzA=K1A×(C1A+C2A+C3A+C4A)
    MxA=K2A×(C3A−C4A)
    MyA=K3A×(C1A−C2A)
    なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzA、X軸まわりのモーメント成分MxA、Y軸まわりのモーメント成分MyAを示すA系統検出値を出力し、
    B系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1B,K2B,K3Bを用いて、
    FzB=K1B×(C1B+C2B+C3B+C4B)
    MxB=K2B×(C3B−C4B)
    MyB=K3B×(C1B−C2B)
    なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzB、X軸まわりのモーメント成分MxB、Y軸まわりのモーメント成分MyBを示すB系統検出値を出力することを特徴とする力覚センサ。
  22. 請求項2または4に記載の力覚センサにおいて、
    ダイアフラム部または各橋梁部の上面もしくは下面に検出基準面を定義し、X軸およびY軸を前記検出基準面に投影して得られるX軸投影像およびY軸投影像を定義したときに、
    n=4に設定することにより前記検出基準面上に4個の検出点が定義されており、前記検出基準面上にZ軸を中心とした検出基準円を描いたときに、第1番目の検出点は正のX軸投影像と前記検出基準円との交点に位置し、第2番目の検出点は負のX軸投影像と前記検出基準円との交点に位置し、第3番目の検出点は正のY軸投影像と前記検出基準円との交点に位置し、第4番目の検出点は負のY軸投影像と前記検出基準円との交点に位置し、
    第1番目のA系統検出素子は、前記第1番目の検出点の、Y座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第1番目のB系統検出素子は、前記第1番目の検出点の、Y座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
    第2番目のA系統検出素子は、前記第2番目の検出点の、Y座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第2番目のB系統検出素子は、前記第2番目の検出点の、Y座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
    第3番目のA系統検出素子は、前記第3番目の検出点の、X座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第3番目のB系統検出素子は、前記第3番目の検出点の、X座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
    第4番目のA系統検出素子は、前記第4番目の検出点の、X座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第4番目のB系統検出素子は、前記第4番目の検出点の、X座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出することを特徴とする力覚センサ。
  23. 請求項22に記載の力覚センサにおいて、
    各検出素子はダイアフラム部または各橋梁部の上面もしくは下面に固定された変位電極と、この変位電極に対向するように支持部に固定された固定電極と、を有する容量素子によって構成されており、各容量素子は、変位電極が固定された位置に生じた変位を静電容量値の変化として出力する機能を有し、
    第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点の、Y座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C1Aからなり、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点の、Y座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C1Bからなり、
    第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点の、Y座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C2Aからなり、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点の、Y座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C2Bからなり、
    第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点の、X座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C3Aからなり、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点の、X座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C3Bからなり、
    第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点の、X座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C4Aからなり、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点の、X座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C4Bからなることを特徴とする力覚センサ。
  24. 請求項23に記載の力覚センサにおいて、
    8組の容量素子C1A〜C4A,C1B〜C4Bの静電容量値をそれぞれ同じ符号を用いてC1A〜C4A,C1B〜C4Bと表したときに、
    A系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1A,K2A,K3Aを用いて、
    FzA=K1A×(C1A+C2A+C3A+C4A)
    MxA=K2A×(C3A−C4A)
    MyA=K3A×(C1A−C2A)
    なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzA、X軸まわりのモーメント成分MxA、Y軸まわりのモーメント成分MyAを示すA系統検出値を出力し、
    B系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1B,K2B,K3Bを用いて、
    FzB=K1B×(C1B+C2B+C3B+C4B)
    MxB=K2B×(C3B−C4B)
    MyB=K3B×(C1B−C2B)
    なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzB、X軸まわりのモーメント成分MxB、Y軸まわりのモーメント成分MyBを示すB系統検出値を出力することを特徴とする力覚センサ。
  25. 請求項24に記載の力覚センサにおいて、
    所定の符号付き比例係数K2C,K3Cを用いて、
    MxC=K2C×((C1A+C2A)−(C1B+C2B))
    MyC=K3C×((C3B+C4B)−(C3A+C4A))
    なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のX軸まわりのモーメント成分MxCおよびY軸まわりのモーメント成分MyCを示す補助系統検出値を出力する補助系統信号処理手段を更に有し、
    比較手段が、A系統検出値とB系統検出値との差分dに加えて、更に、A系統検出値と補助系統検出値との差分dAおよびB系統検出値と補助系統検出値との差分dBを求め、前記差分d,dA,dBのいずれかが所定の許容値Tを超えていた場合には、差分エラーを出力することを特徴とする力覚センサ。
  26. 請求項6に記載の力覚センサにおいて、
    X軸およびY軸を検出基準面に投影して得られるX軸投影像およびY軸投影像を定義し、前記検出基準面上にZ軸を中心とした検出基準円を描いたときに、
    n=4に設定することにより、各局在ダイアフラム部の下面中央にそれぞれ1つの検出点が定義されており、第1番目の検出点は正のX軸投影像と前記検出基準円との交点に位置し、第2番目の検出点は負のX軸投影像と前記検出基準円との交点に位置し、第3番目の検出点は正のY軸投影像と前記検出基準円との交点に位置し、第4番目の検出点は負のY軸投影像と前記検出基準円との交点に位置し、
    各検出点について、Z軸から遠い側を外側、Z軸に近い側を内側と呼んだときに、
    第1番目のA系統検出素子は、前記第1番目の検出点の外側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第1番目のB系統検出素子は、前記第1番目の検出点の内側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
    第2番目のA系統検出素子は、前記第2番目の検出点の外側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第2番目のB系統検出素子は、前記第2番目の検出点の内側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
    第3番目のA系統検出素子は、前記第3番目の検出点の外側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第3番目のB系統検出素子は、前記第3番目の検出点の内側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
    第4番目のA系統検出素子は、前記第4番目の検出点の外側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第4番目のB系統検出素子は、前記第4番目の検出点の内側の近傍部分に生じた変位を電気的に検出することを特徴とする力覚センサ。
  27. 請求項26に記載の力覚センサにおいて、
    各検出素子は各局在ダイアフラム部の下面に固定された変位電極と、この変位電極に対向するように支持部に固定された固定電極と、を有する容量素子によって構成されており、各容量素子は、変位電極が固定された位置に生じた変位を静電容量値の変化として出力する機能を有し、
    第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点の外側に配置された容量素子C1Aからなり、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点の内側に配置された容量素子C1Bからなり、
    第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点の外側に配置された容量素子C2Aからなり、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点の内側に配置された容量素子C2Bからなり、
    第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点の外側に配置された容量素子C3Aからなり、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点の内側に配置された容量素子C3Bからなり、
    第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点の外側に配置された容量素子C4Aからなり、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点の内側に配置された容量素子C4Bからなることを特徴とする力覚センサ。
  28. 請求項27に記載の力覚センサにおいて、
    8組の容量素子C1A〜C4A,C1B〜C4Bの静電容量値をそれぞれ同じ符号を用いてC1A〜C4A,C1B〜C4Bと表したときに、
    A系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1A,K2A,K3Aを用いて、
    FzA=K1A×(C1A+C2A+C3A+C4A)
    MxA=K2A×(C3A−C4A)
    MyA=K3A×(C1A−C2A)
    なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzA、X軸まわりのモーメント成分MxA、Y軸まわりのモーメント成分MyAを示すA系統検出値を出力し、
    B系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1B,K2B,K3Bを用いて、
    FzB=K1B×(C1B+C2B+C3B+C4B)
    MxB=K2B×(C3B−C4B)
    MyB=K3B×(C1B−C2B)
    なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzB、X軸まわりのモーメント成分MxB、Y軸まわりのモーメント成分MyBを示すB系統検出値を出力することを特徴とする力覚センサ。
  29. 請求項6に記載の力覚センサにおいて、
    X軸およびY軸を検出基準面に投影して得られるX軸投影像およびY軸投影像を定義し、前記検出基準面上にZ軸を中心とした検出基準円を描いたときに、
    n=4に設定することにより、各局在ダイアフラム部の下面中央にそれぞれ1つの検出点が定義されており、第1番目の検出点は正のX軸投影像と前記検出基準円との交点に位置し、第2番目の検出点は負のX軸投影像と前記検出基準円との交点に位置し、第3番目の検出点は正のY軸投影像と前記検出基準円との交点に位置し、第4番目の検出点は負のY軸投影像と前記検出基準円との交点に位置し、
    第1番目のA系統検出素子は、前記第1番目の検出点の、Y座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第1番目のB系統検出素子は、前記第1番目の検出点の、Y座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
    第2番目のA系統検出素子は、前記第2番目の検出点の、Y座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第2番目のB系統検出素子は、前記第2番目の検出点の、Y座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
    第3番目のA系統検出素子は、前記第3番目の検出点の、X座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第3番目のB系統検出素子は、前記第3番目の検出点の、X座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、
    第4番目のA系統検出素子は、前記第4番目の検出点の、X座標値が負となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出し、第4番目のB系統検出素子は、前記第4番目の検出点の、X座標値が正となる近傍部分に生じた変位を電気的に検出することを特徴とする力覚センサ。
  30. 請求項29に記載の力覚センサにおいて、
    各検出素子は各局在ダイアフラム部の下面に固定された変位電極と、この変位電極に対向するように支持部に固定された固定電極と、を有する容量素子によって構成されており、各容量素子は、変位電極が固定された位置に生じた変位を静電容量値の変化として出力する機能を有し、
    第1番目のA系統検出素子は、第1番目の検出点の、Y座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C1Aからなり、第1番目のB系統検出素子は、第1番目の検出点の、Y座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C1Bからなり、
    第2番目のA系統検出素子は、第2番目の検出点の、Y座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C2Aからなり、第2番目のB系統検出素子は、第2番目の検出点の、Y座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C2Bからなり、
    第3番目のA系統検出素子は、第3番目の検出点の、X座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C3Aからなり、第3番目のB系統検出素子は、第3番目の検出点の、X座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C3Bからなり、
    第4番目のA系統検出素子は、第4番目の検出点の、X座標値が負となる近傍部分に配置された容量素子C4Aからなり、第4番目のB系統検出素子は、第4番目の検出点の、X座標値が正となる近傍部分に配置された容量素子C4Bからなることを特徴とする力覚センサ。
  31. 請求項30に記載の力覚センサにおいて、
    8組の容量素子C1A〜C4A,C1B〜C4Bの静電容量値をそれぞれ同じ符号を用いてC1A〜C4A,C1B〜C4Bと表したときに、
    A系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1A,K2A,K3Aを用いて、
    FzA=K1A×(C1A+C2A+C3A+C4A)
    MxA=K2A×(C3A−C4A)
    MyA=K3A×(C1A−C2A)
    なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzA、X軸まわりのモーメント成分MxA、Y軸まわりのモーメント成分MyAを示すA系統検出値を出力し、
    B系統信号処理手段が、所定の符号付き比例係数K1B,K2B,K3Bを用いて、
    FzB=K1B×(C1B+C2B+C3B+C4B)
    MxB=K2B×(C3B−C4B)
    MyB=K3B×(C1B−C2B)
    なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のZ軸方向の力成分FzB、X軸まわりのモーメント成分MxB、Y軸まわりのモーメント成分MyBを示すB系統検出値を出力することを特徴とする力覚センサ。
  32. 請求項31に記載の力覚センサにおいて、
    所定の符号付き比例係数K2C,K3Cを用いて、
    MxC=K2C×((C1A+C2A)−(C1B+C2B))
    MyC=K3C×((C3B+C4B)−(C3A+C4A))
    なる演算処理もしくは当該演算処理に相当する信号処理を行うことによって、受力部に加えられた外力のX軸まわりのモーメント成分MxCおよびY軸まわりのモーメント成分MyCを示す補助系統検出値を出力する補助系統信号処理手段を更に有し、
    比較手段が、A系統検出値とB系統検出値との差分dに加えて、更に、A系統検出値と補助系統検出値との差分dAおよびB系統検出値と補助系統検出値との差分dBを求め、前記差分d,dA,dBのいずれかが所定の許容値Tを超えていた場合には、差分エラーを出力することを特徴とする力覚センサ。
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