JP5852499B2 - 生体試料の予備凍結装置 - Google Patents

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Description

本発明は、生体試料が保存された生体容器を液体窒素中に浸漬して生体試料を凍結する、生体試料の予備凍結装置に関する。
従来より畜産業界や生殖医療等の分野において、細胞の凍結保存が広く行われている。プログラムフリーザー中で−1℃/分程度の冷却速度で凍結するような方法は、一般に緩慢凍結法と呼ばれ、研究室や細胞バンクなどで良く用いられている。例えば特許文献1には、冷却過程での生体試料生存率の向上を図ることを目的として、ストロー状生体試料封入容器をほぼ氷結状態とし、冷媒ガス中で所定の温度まで下げ、次いで冷媒液化ガス中で目的の温度まで下げる凍結方法が開示されている。特許文献2には、N−メチルアセトアミドを含む生殖細胞の凍結保存剤を用い、***の入ったストローを蓋をして液体窒素蒸気中で30分静置し、続いて、液体窒素保管容器中に移して保存することが開示されている。特許文献3には、***の代謝速度を下げる十分遅い速度で、3段階の温度で凍結することが開示されている。
一方、ヒトES細胞やiPS細胞、受精卵などある種の細胞では凍結の際の細胞内外の氷晶形成によるダメージが無視できず解凍後の生存率が非常に低くなるため、細胞入り容器を液体窒素中に直接浸漬することにより凍結を行うことがある。例えば特許文献4や非特許文献1には、試料容器ごと液体窒素に直接浸漬し細胞を急速凍結させることが記載されている。
特開平5−285163号公報 特開平11−228301号公報 特開2004−505624号公報 特開2010−273549号公報
凍結保存、編集者:酒井昭、朝倉書店発行、1987年5月25日発行、p9
ところで、液体窒素中への直接浸漬を実施する場合、容器のヘッド部を作業者が指やピンセット等の工具で摘まんで液体窒素に浸漬し、保持する方法を取っている。この場合、容器内の試料が確実に凍結され、且つキャップ部分からの液体窒素の混入がないよう、容器に対する液体窒素液面の位置を一定に保つ必要がある。しかしながら、液面位置を目視で確認しながらの作業であるため、凍結処理の成否は作業者の技量に大きく依存し、安定した凍結処理が困難であった。また、液体窒素の液面に作業者の手指が接近するため凍傷のリスクもある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、試料容器の液体窒素への直接浸漬を安全に行うことができ、作業者の技量に依存することなく生体試料の急速凍結処理を安定に行うことが可能な生体試料の予備凍結装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記実情に鑑みてなされたものであり、生体試料を保持部材に保持した、試料容器ホルダーをガイドロッドに保持された状態で液体窒素中に浸漬する際に液体窒素液面近傍に浮遊可能な装置を用いることにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(6)に記載する発明を要旨とする。
(1)液体窒素液面近傍に浮遊可能な、試料容器ホルダーと、それを保持するガイドロッドとを備えた、試料容器を液体窒素に直接浸漬させて試料容器内の生体試料を凍結するための予備凍結装置であって、
(i)試料容器ホルダーには試料容器を保持する保持部材が設けられており、
(ii)保持部材の一部もしくは全部が液体窒素に浮遊可能な部材から形成され、
(iii)保持部材には、ガイドロッドを貫通させるための貫通孔が設けられており、
(iv)ガイドロッドの下端には試料容器ホルダーの落下防止用ストッパーが設けられていて、
(v)ガイドロッドが保持部材の貫通孔を貫通して配置されることにより、試料容器ホルダーをストッパーより上側で移動可能に支持している
ことを特徴とする、生体試料の予備凍結装置。
(2)前記試料容器ホルダーが、試料容器を保持するための保持部材として、1以上の試料容器を貫通して保持するための挿入孔を有する上側保持部材、試料容器の底部を支持する下側保持部材、及び上側保持部材と下側保持部材とを連結する1又は2以上の固定支柱を備え、
前記上側保持部材および下側保持部材の相対する位置にはガイドロッドを貫通させるための貫通孔がそれぞれ設けられており、
ガイドロッドが前記貫通孔を貫通することにより、試料容器ホルダーをストッパーより上側で移動可能な状態で支持している
ことを特徴とする、前記(1)に記載の生体試料の予備凍結装置。
(3)上側保持部材と下側保持部材のいずれか一方又は双方の一部もしくは全部が液体窒素に浮遊可能な部材で形成されていることを特徴とする、前記(2)に記載の生体試料の予備凍結装置。
(4)下側保持部材の下部側に浮力調節手段が配置されていることを特徴とする、前記(2)又は(3)に記載の生体試料の予備凍結装置。
(5)前記ガイドロッドがガラスエポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、もしくはフェノール樹脂、又はこれらの樹脂の繊維強化複合材料であることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の生体試料の予備凍結装置。
(6)前記ガイドロッドの上端が自動昇降機に接続されていることを特徴とする、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の生体試料の予備凍結装置。
本発明の予備凍結装置によれば、試料容器ホルダーが液体窒素の液面近傍で浮遊することによって液体窒素の液面の上下動に試料容器ホルダーが追従するので、試料容器の液体窒素への浸漬状態がほぼ一定に保たれる。よって、作業者の技量によらず生体試料の安定な凍結が実現される。
また、ガイドロッドの上昇及び下降によって試料容器ホルダーごと試料容器の液体窒素への浸漬及び取り出しが速やかに行われるため、作業者の凍傷のリスクを低減し、且つ、作業の安定化を図ることもできる。
更に、自動昇降装置を用いて、ガイドロッド上端部分を自動昇降装置に接続する場合には作業者の凍傷をより確実に防止することが可能になる。
図1は、本発明の予備凍結装置の一例を示す概念断面図である。 図2は、本発明の予備凍結装置の他の例を示す概念断面図である。 図3は、本発明の予備凍結装置のさらに他の例を示す概念断面図である。 図4は、本発明の自動昇降機付き予備凍結装置の概念図であり、試料容器ホルダーが液体窒素中に浸漬されている状態を示す概念図である。 図5は、本発明の自動昇降機付き予備凍結装置の概念図であり、試料容器ホルダーが液体窒素の液面上に持ち上げられている状態を示す概念図である。
本発明の「生体試料の予備凍結装置」は、液体窒素液面近傍に浮遊可能な、試料容器ホルダーと、それを保持するガイドロッドとを備えた、試料容器を液体窒素に直接浸漬させて試料容器内の生体試料を凍結するための予備凍結装置であって、
(i)試料容器ホルダーには試料容器を保持する保持部材が設けられており、
(ii)保持部材の一部もしくは全部が液体窒素に浮遊可能な部材から形成され、
(iii)保持部材には、ガイドロッドを貫通させるための貫通孔が設けられており、
(iv)ガイドロッドの下端には試料容器ホルダーの落下防止用ストッパーが設けられていて、
(v)ガイドロッドが保持部材の貫通孔を貫通して配置されることにより、試料容器ホルダーをストッパーより上側で移動可能に支持していることを特徴とする。
以下、本発明の「生体試料の予備凍結装置」を図1〜5を用いて説明する。尚、これらの図は本発明の具体的態様の例示であり、本発明はこれらの図に示す予備凍結装置の例になんら限定されるものではない。
図1には、本発明の「生体試料の予備凍結装置」の典型例を示す。試料容器ホルダー1中の保持部材は、上側保持部材3と下側保持部材4とから形成されていて、固定支柱7で一定間隔に支持されている。試料容器5は、下側保持部材4によってその底面を支持されるとともに、上側保持部材3に設けられた挿入孔11に差し込まれることによってその直立状態が保持される。
下側保持部材4を、図1に示すように、第1プレート部材15と、該プレート部材に貼り合わされた第2プレート部材16から形成された積層構造にすると、保持部材の製作を容易にすることができる。
また、上側保持部材3と下側保持部材4の略中央部にそれぞれ設けられた貫通孔13、貫通孔14には、所定のクリアランスをもってガイドロッド8が貫通している。ガイドロッド8の下端部には貫通孔14の内径よりは外径のやや大きい部材からなるストッパー9が設けられ、ストッパー9より上側で試料容器ホルダー1がガイドロッド8の軸方向に移動可能に支持されている。
図2は、予備凍結装置の他の例を示す図であり、保持部材2が試料容器5をキャップ6の下側面で保持する例である。保持部材2は、図1に示す第2プレート部材16と同様に、第1プレート部材17と、該プレート部材に貼り合わされた第2プレート部材18から形成された積層構造になっている。
図3は、予備凍結装置の更に他の例を示す図であり、第1プレート部材17と第2プレート部材18から形成されている保持部材2が試料容器5の略下半分を保持している例である。
図4及び図5は、自動昇降機23が配設された、図1に対応する予備凍結装置において、試料容器4が液体窒素21に浸漬された状態、試料容器5が液体窒素21の液面上に持ち上げられている状態をそれぞれ示している。
(1)保持部材
保持部材の材料は、常圧での液体窒素の温度に耐えるものであれば金属、樹脂等特に制限されるものではなく、液体窒素より比重の大きい材料及び小さい材料のいずれも使用可能であるが、塩化ビニル、ポリスチレン等の樹脂の使用が好ましく、これらの樹脂の中でも水分の吸収率の低い樹脂がより好ましい。
また、保持部材の一部もしくは全部が液体窒素より比重が小さく、液体窒素に浮遊可能な部材から形成されることが好ましい。該部材としては、発泡樹脂部材、中空部材等が挙げられる。保持部材内部へ侵入した水分が凍結することによる比重の変動を避けるため発泡樹脂部材の中でも独立気泡構造の発泡樹脂を使用することが好ましい。
尚、保持部材は、図2、3に示すように1つの形状物から形成することができ、図1に示すように上側保持部材と下側保持部材の2つの形状物から形成することができ、更に3つ以上の形状物から形成することもできる。
以下、図1〜図3に示す保持部材についてそれぞれ説明する。
(1−1)図1に示す保持部材
(i)上側保持部材
上側支持部材3には、図1に例示するように、円盤状のプレート部材に、試料容器5が挿入される挿入孔11と、ガイドロッド8を貫通できる貫通孔13が設けられている。
上側保持部材3の材料としては前述の材料が使用できる。上側保持部材3は、1枚のプレート形状物でもよく、また、複数枚を貼り合わせて形成することもできる。また、試料容器5の直立状態を実現可能であれば、フレームに適当な間隔で張り巡らしたワイヤで形成することもできる。
(ii)下側保持部材
図1に示す下側保持部材4は、試料容器5が挿入される挿入孔11及びガイドロッド貫通用の貫通孔14を有する円盤状の第1プレート部材15と、ガイドロッド貫通用の貫通孔14を有する円盤状の第2プレート部材16とを貼り合わせて一体化した積層構造物である。第1プレート部材15及び第2プレート部材16としては、前述の材料が使用でき、また第1プレート部材15は、上側保持部材に用いた部材と同一のものを用いることができる。下側保持部材の一部もしくは全部は、液体窒素より比重が小さく液体窒素に浮遊可能な部材から形成されることが好ましい。
なお、下側保持部材は、2つの部材の貼り合わせた積層構造に限らず、1つの部材からなる構造、又は3つ以上の部材を貼り合わせた積層構造とすることもできる。
図1に示すように、試料容器ホルダー1において上側保持部材3と下側保持部材4の双方で試料容器5を保持することにより、上側保持部材3の挿入孔11のクリアランスを大きめに設計でき、試料容器5の出し入れ作業が容易となる。また、さまざまな形状や寸法の試料容器5への対応が可能となり、汎用性が向上する。また、上下の2か所で試料容器5を支持するので、安定した液体窒素への浸漬が可能になる。
(iii)固定支柱
試料容器ホルダー1は、固定支柱7を備える。図1に示すように、保持部材が上側保持部材3と下側保持部材16からなる2つの部材から形成される場合には、これらの部材を固定支柱7で連結する。該固定支柱7の本数は任意であり、また、固定支柱7の長さは、使用する試料容器5の長さにより適宜決定することができる。固定支柱7の材料は機械的強度を維持でき、液体窒素温度程度の低温に耐えるものであれば特に制限されるものではないが、金属、樹脂等を用いることができ、軽量性の点から樹脂が好ましい。また、樹脂の中でも水分の吸収率の低い樹脂が好ましい。
(1−2)図2、3に示す保持部材
保持部材は、上側保持部材および下側保持部材の2つの部材から構成される場合に限らず、図2、図3に例示するように、1つの部材から構成してもよい。図2においては、試料容器5のキャップ6の外径より挿入孔11の径を小さく設定することにより、試料容器5がキャップ6下側面で第1プレート部材17に支持され、試料容器ホルダー1を上方に引き上げた際の落下を防止することが可能になる。
図3に示す保持部材において、試料容器5とほぼ同一形状の挿入孔11を設け、試料容器5を挿入孔11に押し込むように装着することにより、試料容器ホルダー1を液体窒素中に浮かべた際の試料容器5の脱落が防止される。
(2)浮力調節手段
試料容器ホルダー1を液体窒素中で所望の浮遊位置とするために、図示は省略するが、必要に応じて保持部材とは別に浮力調節手段を装着することにより、試料容器ホルダー1全体の比重(浮力)を調節する。尚、本発明において、浮力調節手段とは、保持部材に直接貼り合わされた形状物ではなく、保持部材とは独立の形状物をいう。
浮力調節手段の設置個所は任意であるが、図1に示す試料容器ホルダー1の場合、下側保持部材4の下部側とすることが望ましい。液体窒素の液面を試料容器5のキャップ6の下端近傍に制御することが可能となるとともに、ガイドロッド8からストッパー9を取り外すことにより浮力調節手段の装着を容易に行うことができ、試料容器の数等に応じた浮力調節を容易に行えるからである。また、試料容器5の出し入れに支障をきたすことがないからである。図2、3の場合、同様の理由から、保持部材2下部側とすることが望ましい。
浮力調節手段の形状は任意であり、例えばプレート状、ブロック状とすることができる。また、浮力調節手段の水平方向の外形形状は、保持部材2、又は下側保持部材4と略同一もしくは小さめであることが好ましい。水平方向にスペースが広がらず装置全体の小型化につながるからである。なお、浮力調節手段の外形形状がプレート状である場合、ガイドロッド8が貫通可能なよう適宜貫通孔を設けておく。
浮力調節手段としては、目的に応じて任意の材料を用いることができ、例えば液体窒素よりも比重の小さい発泡樹脂部材、中空部材等を使用することができる。尚、上記発泡樹脂部材としては、連続気泡の場合水分が内部に侵入し凍結による比重の変化を生じるため、独立気泡構造を有するものを使用することが好ましい。
(3)ガイドロッド
ガイドロッド8は、金属や樹脂等、液体窒素の低温に耐久性がある材料を選択して使用することができるが、ガラスエポキシ樹脂、テフロン(登録商標)、ベークライト(登録商標)等は、液化窒素の冷熱による軸周囲への氷の付着が発生し難く、試料容器ホルダー1の上下方向への移動がスムーズに行われるため、連続使用の観点から好ましい。
また、ストッパー9は、ガイドロッド8に対して着脱自在とされ、ガイドロッド8に例示した材料で形成することができる。ストッパー9の水平方向の外形は、例えば図1、図2、3等に示す貫通孔12、14の内径より大とされる。
(4)自動昇降装置
本発明で使用可能な自動昇降装置23としては、図4、5に示すように、ガイドロッド8の上部先端を保持するアーム24と、任意に設定した上端位置と下端位置との間でアーム24を上下方向に移動させるためのモーター式駆動機構と、上昇・下降釦(図示略)とを有する昇降機とから構成される装置が挙げられる。このような自動昇降装置23においては、下降釦を押すことによりアーム24を下端位置まで下降させ、予め設定した時間保持した後、上昇釦を押し下げることによりアーム24を上端位置まで上昇させるといった動作が行われる。
図5に示すように、アーム24を上端に位置させた状態では、ガイドロッド8の下端部に配置されたストッパー9が下側保持部材16の下面を支えることにより試料容器ホルダー1を吊り上げる。このときストッパー9が設置されていることにより試料容器ホルダー1の落下が防止されて、真空断熱槽内の液体窒素21の液面上に保持される。この状態において、作業者による試料容器ホルダー1への試料容器5のセット、及び後述する凍結処理後の試料容器5の取り出しが行われる。
一方、下降釦を押すことにより図4に示すように、アーム24が下がった状態となる。試料容器ホルダー1がガイドロッド8のストッパー9よりも上部で自在に移動可能となっているため、液体窒素21中に浮遊した状態となる。この状態において、試料容器ホルダー1にセットされた試料容器5が液体窒素21に浸漬するため、凍結処理が行われる。
その後、上昇釦を押すことによりアーム24を上端位置まで上昇させ、試料容器ホルダー1を液体窒素21から吊り上げ、凍結処理後の試料容器5を取り出す。なお、自動昇降機23によりガイドロッド8を上下移動させる場合に限らず、機械的にアーム24の上下位置を位置決めするような機構としてもよい。また、手作業によりガイドロッドの上昇及び下降を行ってもよい。
以上のような凍結処理装置により、凍結処理が施される生体試料は特に制限されるものではなく、ES細胞、iPS細胞、生殖細胞等が挙げられる。また、試料容器の形状は特に制限されるものではなく、チューブ状容器、ストロー状容器、細胞シートを内部に封入可能な袋状容器等、目的に応じて任意のものを用いることができる。また、保持部材の形状も、容器の形状にあわせて適宜変更することができる。ストロー状容器等のように液体窒素中へ浸漬させたとき浮き上がりやすい構造のものを利用する場合は、必要に応じて、ストロー状容器の上端を押さえる部材を配置してもよい。
次に、実施例により本発明をより具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)装置
図1、4、及び5の概念図に示す試料容器ホルダーを作製した。
(i)試料容器ホルダー
・上側保持部材:発泡塩化ビニル板
直径:76mmφ、厚さ:3mm、比重:0.7g/cm
生体容器の挿入孔(14mmφ)が等間隔で8箇所設けられている。
・下側保持部材:下記の第1プレート部材(発泡塩化ビニル板)と第2プレート部材(発泡樹脂板)を使用した。
発泡塩化ビニル板:直径:76mmφ、厚さ:3mm、比重:0.7g/cm
発泡樹脂板:発泡スチロール製、直径:76mmφ、厚み:10mm、
比重:0.015g/cm
上側保持部材と、下側保持部材の中央部に、ガイドロッドを貫通させるための14mmφの貫通孔が設けられている。
・固定支柱:ガラス繊維強化エポキシ樹脂製、本数:4本
サイズ:3mmφ、長さ:40mm
(ii)ガイドロッド:ガラス繊維強化樹脂製、
サイズ:12mmφ、長さ:300mm
(iii)デュワー容器
ガラス製、透明デュワー瓶(サーモス(株)製、D−1000G型φ160mm×H276mm)
(iv)自動昇降装置
モーター駆動方式自動昇降装置(昇降範囲:100mm、昇降速度:100mm/3sec)
(2)試料容器内の生体試料の凍結操作
以下の操作により、試料容器内の生体試料を凍結した。
(i)デュワー容器内に液体窒素を貯留した。
(ii)上側保持部材と下側保持部材のそれぞれの貫通孔を貫通させて配置されたガイドロッドの上部先端は、自動昇降装置のアームと取り付けた。
(iii)試料容器(FALCON社製、内容積:1.8mL)内に生体試料として細胞を採取した後、速やかに試料容器ホルダーに装着し、自動昇降装置の下降釦を押して、約30mm/秒の速さでアームを下降させることにより、デュワー内の液体窒素に試料容器ホルダーを浮遊させた。尚、試料容器の約3分の2は液体窒素に浸漬されていた。30秒間試料容器ホルダーをデュワー内の液体窒素に浮遊させた後に、自動昇降装置の上昇釦を押し試料容器ホルダーを液体窒素中から引き上げた。
(iv)試料容器ホルダーから試料容器を取外し、液体窒素で冷却された移送容器内に保存した。
本発明の予備凍結装置は、バイオメディカル基礎研究、再生医療向けのヒト細胞等の生体試料凍結保存分野の研究で生体試料を予備凍結するのに極めて有用である。
また、バイオリソース(生物遺伝資源)の予備凍結処理工程を迅速、安全かつ簡素な操作で行うことが可能である。
1 試料容器ホルダー
2 保持部材
3 上側保持部材
4 下側保持部材
5 試料容器
6 キャップ
7 固定支柱
8 ガイドロッド
9 ストッパー
11 挿入孔
12 貫通孔
13 貫通孔
14 貫通孔
15 第1プレート部材
16 第2プレート部材
17 第1プレート部材
18 第2プレート部材
21 液体窒素
22 真空断熱槽
23 自動昇降機
24 アーム

Claims (6)

  1. 液体窒素液面近傍に浮遊可能な、試料容器ホルダーと、それを保持するガイドロッドとを備えた、試料容器を液体窒素に直接浸漬させて試料容器内の生体試料を凍結するための予備凍結装置であって、
    (i)試料容器ホルダーには試料容器を保持する保持部材が設けられており、
    (ii)保持部材の一部もしくは全部が液体窒素に浮遊可能な部材から形成され、
    (iii)保持部材には、ガイドロッドを貫通させるための貫通孔が設けられており、
    (iv)ガイドロッドの下端には試料容器ホルダーの落下防止用ストッパーが設けられていて、
    (v)ガイドロッドが保持部材の貫通孔を貫通して配置されることにより、試料容器ホルダーをストッパーより上側で移動可能に支持している
    ことを特徴とする、生体試料の予備凍結装置。
  2. 前記試料容器ホルダーが、試料容器を保持するための保持部材として、1以上の試料容器を貫通して保持するための挿入孔を有する上側保持部材、試料容器の底部を支持する下側保持部材、及び上側保持部材と下側保持部材とを連結する1又は2以上の固定支柱を備え、
    前記上側保持部材および下側保持部材の相対する位置にはガイドロッドを貫通させるための貫通孔がそれぞれ設けられており、
    ガイドロッドが前記貫通孔を貫通することにより、試料容器ホルダーをストッパーより上側で移動可能な状態で支持している
    ことを特徴とする、請求項1に記載の生体試料の予備凍結装置。
  3. 上側保持部材と下側保持部材のいずれか一方又は双方の一部もしくは全部が液体窒素に浮遊可能な部材で形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の生体試料の予備凍結装置。
  4. 下側保持部材の下部側に浮力調節手段が配置されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の生体試料の予備凍結装置。
  5. 前記ガイドロッドがガラスエポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、もしくはフェノール樹脂、又はこれらの樹脂の繊維強化複合材料であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の生体試料の予備凍結装置。
  6. 前記ガイドロッドの上端が自動昇降機に接続されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか記載の生体試料の予備凍結装置。
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