JP5850950B2 - エポキシ基を含むニトリルゴムをベースとする加硫可能な組成物 - Google Patents

エポキシ基を含むニトリルゴムをベースとする加硫可能な組成物 Download PDF

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Description

本発明は、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化された、エポキシ基を含むニトリルゴムおよび特定の架橋剤をベースとする加硫可能な組成物、それらを製造するための方法、それらから加硫物を製造するための方法、そのようにして得られた加硫物、ならびに、全体的もしくは部分的に水素化された、エポキシ基を含むニトリルゴムに関する。
ニトリルゴムは、しばしば略して「NBR」とも呼ばれるが、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル、少なくとも1種の共役ジエン、および場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマーのコポリマーまたはターポリマーであるゴムを意味していると理解されたい。水素化ニトリルゴム(「HNBR」)は、共重合されたジエン単位のC=C二重結合のいくつかまたは全部が水素化された、それらに相当するコポリマーまたはターポリマーを意味していると理解されたい。
NBRおよびHNBRのいずれもが、長年にわたって、特殊エラストマー分野において確たる地位を占めてきた。それらは、優れた耐油性、良好な熱安定性、優れた耐オゾン性および耐薬品性(後者では、NBRの場合よりもHNBRの場合の方がさらに一段と優れている)の形態において優れた性能プロファイルを有している。NBRおよびHNBRはさらに、極めて良好な機械的および実用性能も有している。この理由から、それらは、広く各種の異なった利用分野において広く使用されており、たとえば、自動車分野におけるガスケット、ホース、ベルトおよび制振要素の製造のため、さらには石油製造分野におけるステーター、油井シールおよびバルブシールのため、さらには電気産業、機械工学および造船における無数の部品のために使用されている。数多くの各種のタイプのものが市場で入手可能であって、それらは、使用分野に応じて、各種のモノマー、分子量、多分散性、ならびに機械的性質および物理的性質を特徴として備えている。標準的なタイプに加えて、特定のターモノマーの内容または特別な官能化を特徴とする特殊タイプへの要望が増大しつつある。
(H)NBRゴムの実用においては、ゴムの加硫、すなわち、特に架橋剤系および加硫条件がますます重要となってきている。したがって、何十年にもわたって存在しつづけてきた、ペルオキシドまたは硫黄をベーとする従来からのゴム架橋系に加えて、この数年の間に、代替えとなる架橋についての各種の新しいコンセプトが開発されてきた。そのような架橋コンセプトにはさらに、官能基が原因で、あらゆるタイプの架橋および架橋剤に合わせられる訳ではなく、従って特殊な挑戦課題を構成しているポリマーも含まれている。
(特許文献1)には、モノアミンおよびポリアミン、モノ無水物およびポリ無水物、ならびにモノカルボン酸およびポリカルボン酸を使用することによる、共役C〜C10−共役ジエン、場合によってはさらにC〜C14−オレフィンおよびエポキシ基を含むモノマーのコポリマーもしくはターポリマーの架橋が記載されている。それらのコポリマーもしくはターポリマーを調製するためのモノマーには、アクリロニトリルは含まれていない。
(非特許文献1)には、乳化重合によるメタクリル酸グリシジルをグラフトしたアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS−g−GMA)の調製法が記載されている。次いで、このABS−g−GMAポリマーを使用して、ポリブチレンテレフタレート(PBT)とのブレンド物を製造している。PBTマトリックスの中にABS−g−GMA粒子が良好に分散することが報告されており、これは、PBTの鎖末端のカルボキシル/ヒドロキシル基とGMA単位のエポキシ基とが界面で反応したためであるとさされている。
硫黄化合物またはペルオキシド化合物を用いてエポキシ基を含むニトリルゴムを架橋させることは、自体公知である。(特許文献2)には、官能性のヒドロキシル基またはエポキシ基を有する四元ポリマーの記載があるが、このものは、共役ジエン、ビニル−置換された芳香族化合物、オレフィン性不飽和ニトリル、およびヒドロキシル基またはエポキシ基を含むビニルモノマーから形成されている。それらの四元ポリマーを加硫させるために明記されている架橋剤は、硫黄および硫黄供与体たとえば、ポリスルフィド、たとえばジチオカルバメート類、およびチウラムポリスルフィドである。(特許文献2)の実施例によれば、その硫黄架橋剤は、その加硫可能な混合物の中に存在しているすべてのゴム100重量部を基準にして、1.5重量部の量で使用されている。
(特許文献3)は、不飽和ニトリル、少なくとも1種のアクリル系エステル、エポキシモノマー、少なくとも1種の非共役環状ポリエン、および場合によってはさらなる不飽和モノマーたとえばブタジエンの繰り返し単位を含むゴムに関する。明記されている架橋剤は、硫黄、有機過酸化物、または芳香族もしくは脂肪族カルボン酸もしくはそれらの三無水物の金属塩である。
(非特許文献2)には、メタクリル酸グリシジルをグラフトしたニトリルゴムの記載があり、このものは、ポリマー混合物における相溶化剤として使用される。それらは、NBRゴムに対してメタクリル酸グリシジルを過酸化物開始グラフト反応させることによって、調製されている。
(特許文献4)には、高い使用温度、オゾンおよび酸性の石油またはガソホールに対する良好な安定性が必要とされる、特に自動車分野において利用するための、シアノ−置換されたアルキル(メタ)アクリレート、アクリル酸アルキル、架橋性モノマーおよびさらなる不飽和モノマーをベースとする四元ポリマーの記載がある。使用される架橋性モノマーは、この場合もエポキシ基を含むモノマーであってよい。不飽和ポリマーの場合において明記されている架橋剤としては、硫黄、硫黄供与体、またはペルオキシド、ならびにエポキシド基の存在下では、ポリアミンおよびそれらの塩によるその架橋、アンモニウム化合物、または従来からの架橋系との組合せが挙げられる。
(非特許文献3)には、特定のメタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル/アクリル酸エチルターポリマー(MGE)を使用して、ポリブチレンテレフタレート(PBT)とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンターポリマー(ABS)とのブレンド物中での相溶性を向上させることが記載されている。乳化重合によって調製されたABSの中に残っている残存量の酸が、MGEのエポキシ官能基を含む架橋反応に導かれる可能性があると記述されている。それに続く反応で、ニトリルとエポキシド官能基がオキサゾリンを形成することが可能であるか、または、ニトリルが加水分解されてカルボキシル基を与え、それが同様にしてエポキシ基と反応することができる、と説明されている。それらの架橋がABSおよびブレンド物の機械的性質に悪影響を与えるという証拠が提出され、さらに、MGEターポリマーが存在しているとすると、強い酸が、SANマトリックスの中でゲルまたは架橋されたネットワークを形成する原因となりうるとの結論が導かれている。
米国特許第A−4,094,831号明細書 国際公開第A−02/46254号パンフレット 特開第A−2005−120143号公報 欧州特許出願公開第A−0 160 399号明細書
Polymer 46(2005),p.7632〜7643 European Polymer Journal 37(2001),p.547〜557 Polymer 40(1999),p.3665〜3676
本発明の目的は、エポキシド基を含むニトリルゴムのための熱的に安定な架橋系を提供し、そのことによって、エポキシ基を含むかかるニトリルゴムをベースとする加硫可能な組成物の中におけるペルオキシドまたは硫黄含有架橋剤および毒性の強い重金属含有架橋触媒の使用を、実質的に低下させるかまたは完全に排除することを可能とすることである。
新規な架橋系は、既存の架橋剤の欠点を回避し、加硫可能なニトリルゴム組成物中に容易に導入でき、複雑ではない条件下での架橋反応を可能とし、いかなる副反応、たとえば、加硫可能な組成物の中のさらなる添加剤、たとえば老化安定剤との酸−塩基応も起こさせないようなものとするべきである。使用される架橋剤は、良好な取扱い特性および低い毒性を有しているべきであり、かつ、エポキシド基を含むニトリルゴムに対しておよびエポキシド基を含む水素化ニトリルゴムに対して、同程度の満足のいくレベルで使用可能であるべきである。そのようにして架橋されたエポキシド基を含む(H)NBRゴムは、可能な限りにおいて、特に高温における圧縮永久歪み試験において良好ないしは極めて良好な値を有し、破断時伸びと引張応力の良好な組合せを示し、従って、従来からの系の代替え物になるかまたは改良品となるべきものである。
その目的は、以下のものを含む加硫可能な組成物によって達成される:
(i)エポキシ基を含み、かつ少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル、および場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマー(ただし非共役環状ポリエンは除く)から誘導される繰り返し単位を含む、少なくとも1種の、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム、ならびに
(ii)架橋剤としての少なくとも1種のルイス塩基および/またはブレンステッド塩基、
ここで、前記加硫可能な組成物は、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、2.5重量部未満の量でしか含まない。
驚くべきことには、加硫可能な組成物において前述の架橋剤(ii)を本発明のように使用した場合、熱的に安定なネットワークを形成させることができることが見出されている。その架橋または加硫は、ルイス酸および/またはブレンステッド酸の触媒作用を受ける。
その加硫可能な混合物は、固体の形態であって、好ましくはいかなる有機溶媒もまったく含まない、より具体的には、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、およびそれらの混合物からなる群から選択される溶媒を全く含まない。
架橋剤(ii)の量:
本発明の組成物には、それぞれの場合においてニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、好適には0.01〜30重量部、好ましくは0.05〜25重量部、より好ましくは0.1〜20重量部、さらにより好ましくは0.2〜15重量部、特には1を超えて15重量部まで、特に好ましくは1.5重量部〜10重量部までの、架橋剤(ii)としての少なくとも1種のルイス塩基および/またはブレンステッド塩基を含む。
その他の架橋剤の量:
(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤、たとえば硫黄、硫黄供与体、およびペルオキシドの使用量は、激烈に減らすことが可能であるか、あるいは、その他の架橋剤を完全に使用せずにすますことさえも可能である。一つの実施態様においては、その加硫可能な組成物が、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、最大量で2.3重量部まで、好ましくは最大量で2.25重量部まで、より好ましくは最大量で2重量部まで、さらにより好ましくは最大量で1.5重量部まで、特には最大量で1重量部まで、特に好ましくは最大量で0.5重量部まで、極めて特に好ましくは最大量で0.4重量部までの量で含む。
その加硫可能な組成物が、(i)で特定されたものとは異なる1種または複数のゴムも含んでいる場合には、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤は、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム(i)とその組成物中に存在しているすべてのその他のゴムを合計したもの100重量部を基準にして、1.5重量部未満、好ましくは最大量で1.3重量部まで、より好ましくは最大量で1.25重量部まで、さらにより好ましくは最大量で1重量部まで、特には最大量で0.75重量部まで、特に好ましくは最大量で0.4重量部まで、極めて特に好ましくは最大量で0.35重量部までの量だけで含まれる。架橋剤(ii)に加えてその他の架橋剤も比較的大量に含んでいる加硫可能な組成物に比較して、本発明の組成物は、特に比較的高い温度で、改良された、すなわちより低い圧縮永久歪みを有する加硫物が得られるという利点を有している。
その加硫可能な組成物が、架橋剤(ii)とは別の、その他の架橋剤をまったく含まないということも可能である。さらに、公知の助触媒を使用せずにすますことも可能であって、そのため、重金属フリーの加硫物を得ることができる。一つの実施態様においては、その加硫可能な組成物が、いかなる助触媒も、より具体的にはいかなる重金属含有助触媒も含んでいない。さらなる実施態様においては、本発明の加硫可能な組成物には、架橋剤(ii)とは別のいかなるその他の架橋剤も、あるいは、いかなる助触媒、より具体的にはいかなる重金属含有助触媒も含まない。ニトリルゴム中のエポキシ基の比率を介することによって、架橋密度は広い範囲で、制御および調節することができる。そうして得られた加硫物は、室温から最高150℃の温度までの圧縮永久歪み試験において優れた数値を示す。
一つの実施態様においては、そのニトリルゴムが、そのニトリルゴムの繰り返し単位の中に存在するC=C二重結合の幾分かまたは全部が水素化された、全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴムであってもよい。
架橋剤(ii):ルイス塩基および/またはブレンステッド塩基
使用されるルイス塩基またはブレンステッド塩基は、各種適切な無機塩基または有機塩基であってよい。電子対供与体であるルイス塩基か、またはプロトン受容体であり、−12〜+13の範囲、好ましくは−11〜+12の範囲、より好ましくは−10.5〜+10の範囲、さらにより好ましくは−10〜+9.5の範囲、特には−10〜+8の範囲のpKを有するブレンステッド塩基を使用するのが有用であることが見出された。
本発明の加硫可能な組成物には、好ましくは、架橋剤(ii)として、少なくとも1種の無機もしくは有機のブレンステッド塩基および/またはルイス塩基が含まれる。
ルイス塩基:
電子対供与体である、使用されるルイス塩基のいずれもが、以下のものであってよい:
(a)元素の形態にある遷移金属もしくは半金属、アルミニウム、ガリウム、インジウム、スズ、タリウムもしくは鉛、または
(b)アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属もしくは半金属の、アルミニウム、ガリウム、インジウム、スズ、タリウム、鉛、窒素、酸素もしくはリンの、アルキルもしくはアリール化合物、エステル、塩、錯体もしくは酸化物。
電子対供与体である、使用されるルイス塩基のいずれもが、好ましくは、以下のものであってよい:
(a)元素の形態にある、遷移金属もしくは半金属、アルミニウム、インジウム、もしくはスズ、または
(b)アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属もしくは半金属の、アルミニウム、インジウム、スズ、窒素、酸素、もしくはリンの、アルキルもしくはアリール化合物、エステル、塩、錯体もしくは酸化物。
使用されるルイス塩基は、より好ましくは以下のものである:クラウンエーテル、特には12−クラウン−4、クリプタンド、特には[2.2.2]−クリプタンド、アンモニア、テトラアルキルアンモニウム塩、特には臭化テトラアルキルアンモニウム、ベンジルトリアルキルアンモニウム塩、テトラアルキルホスホニウム塩、ベンジルトリアルキルホスホニウム塩、トリフェニルホスフィン、シアン化ナトリウムもしくはシアン化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ビピリジン、フェナントロリン、テトラヒドロフラン、シクロオクタジエン、ヒドラジン、またはジエチルエーテル。
ブレンステッド塩基:
使用されるブレンステッド塩基は、好ましくは以下のものからなる群から選択される:硫酸塩、亜硫酸塩、スルフィド、リン酸塩、炭酸塩、置換もしくは非置換アミン、置換もしくは非置換の芳香族もしくは非芳香族の窒素含有有機複素環、置換もしくは非置換の尿素誘導体、グアニジンおよびその誘導体、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機もしくは有機スルホン酸、カルボン酸およびホスホン酸の塩、それらのモノエステルもしくはジエステル、ならびにアルカリ金属、リチウム、ナトリウムおよびカリウムの有機金属化合物。
好ましい炭酸塩は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、および炭酸リチウムである。
好ましい置換もしくは非置換アミンは、アンモニア、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、およびトリエタノールアミンである。
好ましい置換もしくは非置換、芳香族もしくは非芳香族の窒素含有有機複素環は、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、テトラメチルエチレンジアミン、ピロリジン、ピラゾール、ピペリジン、ピロール、およびイミダゾールである。
好ましい置換もしくは非置換の尿素誘導体は、尿素、ビウレット、チオ尿素、ジメチル尿素、およびN,N’−ジメチルプロピレン尿素である。
好ましいスルホン酸の塩は、アルキルベンジルスルホン酸ナトリウム、特に、ドデシルベンジルスルホン酸ナトリウムである。
好ましいホスホン酸の塩は、1−ヒドロキシエタン(1,1−ジホスホン酸)、アミノトリメチレンホスホン酸、およびエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)のナトリウム塩またはカリウム塩である。
好ましいカルボン酸の塩は、アスコルビン酸、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、アビエチン酸、ならびに飽和および不飽和の脂肪酸、たとえばステアリン酸およびオレイン酸のナトリウム塩またはカリウム塩である。
好ましいリチウム、ナトリウム、およびカリウム元素の有機金属化合物は、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、およびカリウムエトキシドである。
一つの好ましい実施態様においては、本発明の加硫可能な組成物が以下のものを含む:
(i)エポキシ基を含み、そして少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル、および場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマー(ただし非共役環状ポリエンは除く)から誘導される繰り返し単位を含む、少なくとも1種の、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム、ならびに
(ii)架橋剤としての、少なくとも1種の、クラウンエーテル、クリプタンド、臭化テトラアルキルアンモニウム、特には臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、トリフェニルホスフィンおよびビピリジンからなる群から選択されるルイス塩基、ならびに/または、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、テトラメチルエチレンジアミン、ピロリジン、ピラゾール、ピペリジン、ピロール、イミダゾール、尿素、ビウレット、チオ尿素、ジメチル尿素、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、およびドデシルベンジルスルホン酸ナトリウムからなる群から選択されるブレンステッド塩基、
ここで、前記加硫可能な組成物が、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、2.5重量部未満の量でしか含まない。
架橋剤(ii)の量は、ニトリルゴム中のエポキシ基の濃度に応じて選択することができる。
加硫可能な組成物には、典型的には、以下のものを含む:
(i)エポキシ基を含み、そして少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル、および場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマー(ただし非共役環状ポリエンは除く)から誘導される繰り返し単位を含む、少なくとも1種の、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム、ならびに
(ii)架橋剤としての、それぞれの場合においてニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、0.01〜30重量部、好ましくは0.05〜25重量部、より好ましくは0.1〜20重量部、さらにより好ましくは0.2〜15重量部、特には1重量部を超えて15重量部まで、特に好ましくは1.5〜10重量部の少なくとも1種のルイス塩基および/またはブレンステッド塩基、
ここで、前記加硫可能な組成物が、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、2.5重量部未満の量でしか含まない。
以下のものを含む加硫可能な組成物が好ましい:
(i)エポキシ基を含み、そして少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル、少なくとも1種のエポキシ基を含むモノマー、および場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマー(ただし非共役環状ポリエンは除く)から誘導される繰り返し単位を含む、少なくとも1種の、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム、
(ii)架橋剤としての、それぞれの場合においてニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、0.01〜30重量部、好ましくは0.05〜25重量部、より好ましくは0.1〜20重量部、さらにより好ましくは0.2〜15重量部、特には1重量部を超えて15重量部まで、特に好ましくは1.5〜10重量部の少なくとも1種のルイス塩基および/またはブレンステッド塩基、
ここで、前記加硫可能な組成物が、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、2.5重量部未満の量でしか含まない。
その少なくとも1種の、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム(i)は、この好ましい組成物においては、より好ましくは限定的に、少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリルおよび少なくとも1種のエポキシ基を含むモノマーから誘導される繰り返し単位を有している。
本発明においては、ルイス塩基および/またはブレンステッド塩基を、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴムに対して、その製造後に添加する。したがって、それらの塩基は、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴムの製造過程、特に乳化重合の場合においてはコアギュレーション工程、またはそれらのコンパウンディングの過程において放出されたり、すでに存在していたりするものではなく、別途に計量仕込みされる塩基である。それらは、ニトリルゴムに対して、それが製造された後に添加される。このことによって、ニトリルゴムの製造過程において早々と部分架橋したり、部分ゲル化したりすることが避けられる。
エポキシ基を含むニトリルゴム:
本発明の加硫可能な組成物において使用される、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム(i)は、少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル、および場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマー(非共役環状ポリエンは除く)から誘導される繰り返し単位を有し、エポキシ基を含む各種適切な、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴムであってよい。
エポキシ基は、後からエポキシ基を含む化合物をグラフト反応させることによってニトリルゴムに加えることもできるし、あるいは、ニトリルゴムの製造の際に追加的に使用されるエポキシ基を含むモノマーの繰り返し単位から誘導することもできる。
本発明の加硫可能な組成物において、エポキシ基を含み、かつ少なくとも1種のニトリル、少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のエポキシ基を含むモノマー、および場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマー(いずれの非共役環状ポリエンも除く)の繰り返し単位を含む、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴムを使用するのが好ましい。
エポキシ基を含むニトリルゴムは、典型的には、前述のモノマーを共に重合させて、エポキシ基を含むニトリルゴムを製造することによって、製造される。これは、エポキシ基を含むモノマーを用いてグラフト反応させたグラフトゴムは与えないが、エポキシ基を含むモノマーが、重合の過程で繰り返し単位の形態でポリマー骨格の中に組み入れられているゴムを与える。
したがって、エポキシ基を含むモノマーとは、エポキシ基を含み、典型的には少なくとも一つのC=C二重結合を含み、そのために不飽和であり、そのC=C二重結合を介した重合によりポリマー骨格の中に組み込まれるモノマーである。
エポキシ基を含み、エポキシ基を含むニトリルゴムを製造するために使用されるモノマーは、好ましくは次の一般式(I)を有している。
式中、
mは、0または1であり、
Xは、O、O(CR、(CRO、C(=O)O、C(=O)O(CR、C(=O)NR、(CR、N(R)、N(R)(CR、P(R)、P(R)(CR、P(=O)(R)、P(=O)(R)(CR、S、S(CR、S(=O)、S(=O)(CR、S(=O)(CR、またはS(=O)であるが、ここでこれらの基の中のRは、同一であるかまたは異なっていて、R〜Rとして定義されるものであってよく、
Yは、共役もしくは非共役ジエン、アルキンおよびビニル化合物も含めた、1種または複数のモノもしくはポリ不飽和モノマーの繰り返し単位を表すか、またはポリエーテル、特にはポリアルキレングリコールエーテルおよびポリアルキレンオキシド、ポリシロキサン、ポリオール、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイソシアネート、多糖類、ポリエステルおよびポリアミドを含むポリマーから誘導される構造要素を表し、
nとpは、同一であるかまたは異なっていて、それぞれ0〜10 000の範囲であり、
R、R、R、R、R、R、およびRは、同一であるかまたは異なっていて、それぞれ以下のものである:H、直鎖状もしくは分岐状で飽和またはモノもしくはポリ不飽和のアルキル基、飽和またはモノもしくはポリ不飽和のカルボシクリルもしくはヘテロシクリル基、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アミド、カルバモイル、アルキルチオ、アリールチオ、スルファニル、チオカルボキシル、スルフィニル、スルフォノ、スルフィノ、スルフェノ、スルホン酸、スルファモイル、ヒドロキシイミノ、アルコキシカルボニル、F、Cl、Br、I、ヒドロキシル、ホスホナト、ホスフィナト、シリル、シリルオキシ、ニトリル、ホウ酸塩、セレン酸塩、カルボニル、カルボキシル、オキシカルボニル、オキシスルホニル、オキソ、チオキソ、エポキシ、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、チオイソシアネート、またはイソシアニド。
一般式(I)のR、R〜R基および繰り返し単位Yについての定義はそれぞれ、場合によってはモノ置換もしくはポリ置換されている。
R、R〜Rについての定義から、以下の基が、好ましくはそのようなモノ置換またはポリ置換を有している:アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミド、カルバモイル、F、Cl、Br、I、ヒドロキシル、ホスホナト、ホスフィナト、スルファニル、チオカルボキシル、スルフィニル、スルフォノ、スルフィノ、スルフェノ、スルファモイル、シリル、シリルオキシ、カルボニル、カルボキシル、オキシカルボニル、オキシスルホニル、オキソ、チオキソ、ホウ酸塩、セレン酸塩、およびエポキシ。有用な置換基としては、化学的に安定な化合物が結果として得られるという条件付きで、Rから考えられるすべての定義が含まれる。特に好適な置換基は、アルキル、カルボシクリル、アリール、ハロゲン、好ましくはフッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素、ニトリル(CN)およびカルボキシルである。
エポキシ基を含み、X、R、R〜Rおよびmがそれぞれ先に一般式(I)について定義されたものであり、pとnが同一であるかまたは異なっていて、それぞれ0〜100の範囲である一般式(I)のものである、モノマーを使用するのが特に好ましい。
X、R、R〜Rおよびmが、先に一般式(I)について定義されたものであり、pが0〜100の範囲であり、nがゼロであれば、特別に好ましい。したがって、このエポキシ基を含むモノマーは一般式(Ia)を有している。
[式中、
X、R、R〜R、m、およびpはそれぞれ、先に一般式(I)について定義されたものである。
エポキシ基を含み、X、RおよびR〜Rがそれぞれ先に一般式(I)について定義されたものであり、mが1であり,pが1であり、かつnがゼロである一般式(I)であるようなモノマーが特別に好ましい。
エポキシ基を含むモノマーの好ましい例は以下のものである:アクリル酸2−エチルグリシジル、メタクリル酸2−エチルグリシジル、アクリル酸2−(n−プロピル)グリシジル、メタクリル酸2−(n−プロピル)グリシジル、アクリル酸2−(n−ブチル)グリシジル、メタクリル酸2−(n−ブチル)グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルメチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸(3',4'−エポキシヘプチル)−2−エチル、メタクリル酸(3',4'−エポキシヘプチル)−2−エチル、アクリル酸6',7'−エポキシヘプチル、メタクリル酸6',7'−エポキシヘプチル、アリルグリシジルエーテル、アリル3,4−エポキシヘプチルエーテル、6,7−エポキシヘプチルアリルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、ビニル3,4−エポキシヘプチルエーテル、3,4−エポキシヘプチルビニルエーテル、6,7−エポキシヘプチルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、3−ビニルシクロヘキセンオキシド。
使用されるエポキシ基を含むモノマーが、アクリル酸グリシジル(アルキル)であれば好ましい。アクリル酸グリシジルまたはメタクリル酸グリシジルを使用するのが特に好ましい。
一つの好ましい実施態様においては、本発明の加硫可能な組成物が以下のものを含む:
(i)エポキシ基を含み、そして少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル、エポキシ基を含む少なくとも1種のモノマーであって、アクリル酸2−エチルグリシジル、メタクリル酸2−エチルグリシジル、アクリル酸2−(n−プロピル)グリシジル、メタクリル酸2−(n−プロピル)グリシジル、アクリル酸2−(n−ブチル)グリシジル、メタクリル酸2−(n−ブチル)グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルメチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸(3',4'−エポキシヘプチル)−2−エチル、メタクリル酸(3',4'−エポキシヘプチル)−2−エチル、アクリル酸6',7'−エポキシヘプチル、メタクリル酸6',7'−エポキシヘプチル、アリルグリシジルエーテル、アリル3,4−エポキシヘプチルエーテル、6,7−エポキシヘプチルアリルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、ビニル3,4−エポキシヘプチルエーテル、3,4−エポキシヘプチルビニルエーテル、6,7−エポキシヘプチルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、および3−ビニルシクロヘキセンオキシドからなる群から選択されるモノマー、ならびに場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマー(非共役環状ポリエンは除く)から誘導される繰り返し単位を含む、少なくとも1種の、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム、
(ii)架橋剤としての、クラウンエーテル、クリプタンド、臭化テトラアルキルアンモニウム、特には臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、トリフェニルホスフィンおよびビピリジンからなる群から選択される少なくとも1種のルイス塩基、ならびに/または、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、水酸化カルシウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、テトラメチルエチレンジアミン、ピロリジン、ピラゾール、ピペリジン、ピロール、イミダゾール、尿素、ビウレット、チオ尿素、ジメチル尿素、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、およびドデシルベンジルスルホン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種のブレンステッド塩基、
ここで、前記加硫可能な組成物が、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、2.5重量部未満の量でしか含まない。
一つの特に好ましい実施態様においては、本発明の加硫可能な組成物が以下のものを含む:
(i)エポキシ基を含み、そして少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル、アクリル酸グリシジルおよび/またはメタクリル酸グリシジル、および場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマー(ただし非共役環状ポリエンは除く)から誘導される繰り返し単位を含む、少なくとも1種の、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム、ならびに
(ii)架橋剤としての、少なくとも1種の、クラウンエーテル、クリプタンド、臭化テトラアルキルアンモニウム、特には臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、トリフェニルホスフィンからなる群から選択されるルイス塩基、または、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、水酸化カルシウム、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピロリジン、ピラゾール、イミダゾール、尿素、ビウレット、チオ尿素、ジメチル尿素、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、およびドデシルベンジルスルホン酸ナトリウムからなる群から選択されるブレンステッド塩基、
ここで、前記加硫可能な組成物が、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、2.5重量部未満の量でしか含まない。
エポキシ基を含むニトリルゴム中には、各種の共役ジエンが存在していてよい。(C〜C)共役ジエンを使用するのが好ましい。1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、ピペリレン、またはそれらの混合物が特に好ましい。特に好ましいのは、1,3−ブタジエンおよびイソプレンまたはそれらの混合物である。さらにより好ましいのは、1,3−ブタジエンである。
使用されるα,β−不飽和ニトリルは、各種公知のα,β−不飽和ニトリルであってよいが、(C〜C)−α,β−不飽和ニトリル、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルまたはそれらの混合物が好ましい。特に好ましいのは、アクリロニトリルである。
所望により使用される、さらなる共重合性モノマーは、たとえば以下のものであってよい:芳香族ビニルモノマー、好ましくはスチレン、α−メチルスチレンおよびビニルピリジン、フッ素化ビニルモノマー、好ましくはフルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−フルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレンおよびテトラフルオロエチレン、あるいはそうでなければ、共重合性の老化防止性モノマー、好ましくはN−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、およびN−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリン、ならびにさらに非共役ジエン、たとえば4−シアノシクロヘキセンおよび4−ビニルシクロヘキセン、またはそうでなければ、アルキン、たとえば1−もしくは2−ブチン。
さらに、共重合性ターモノマーは、ヒドロキシル基を含むモノマー、好ましくは(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルであってよい。それに相当する置換された(メタ)アクリルアミドを使用することもまた可能である。
好適なアクリル酸ヒドロキシアルキルモノマーとしては以下のものが挙げられる:(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、モノ(メタ)アクリル酸グリセリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジ(エチレングリコール)、イタコン酸ジ(プロピレングリコール)、イタコン酸ビス(2−ヒドロキシプロピル)、イタコン酸ビス(2−ヒドロキシエチル)、フマル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)、マレイン酸ビス(2−ヒドロキシエチル)、およびヒドロキシメチルビニルケトン。
それらに代わるものとして、さらなる共重合性モノマーは、以下のものであってよい:カルボキシル基を含む共重合性ターモノマー、たとえばα,β−不飽和モノカルボン酸、それらのエステル、α,β−不飽和ジカルボン酸、それらのモノエステルもしくはジエステル、それらに対応する酸無水物、またはそれらのアミド。
使用されるα,β−不飽和モノカルボン酸は、好ましくは、アクリル酸およびメタクリル酸であってよい。
α,β−不飽和モノカルボン酸のエステル、好ましくはそれらのアルキルエステルおよびアルコキシアルキルエステルを使用することもまた可能である。α,β−不飽和モノカルボン酸のアルキルエステル、特にC〜C18アルキルエステルが好ましく、特に好ましいのは、アクリル酸もしくはメタクリル酸のアルキルエステル、特にC〜C18アルキルエステル、特にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、およびメタクリル酸2−エチルヘキシルである。さらに、α,β−不飽和モノカルボン酸のアルコキシアルキルエステルが好ましく、アクリル酸もしくはメタクリル酸のアルコキシアルキルエステル、特にアクリル酸もしくはメタクリル酸のC〜C12−アルコキシアルキルエステルが特に好ましく、アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、および(メタ)アクリル酸メトキシエチルが非常により好ましい。アルキルエステルたとえば上に挙げたものと、アルコキシアルキルエステルたとえば上に挙げた形態のものとの混合物を使用することも可能である。シアノアルキル基中の炭素原子の数が2〜12個のアクリル酸シアノアルキルおよびメタクリル酸シアノアルキル、好ましくはアクリル酸α−シアノエチル、アクリル酸β−シアノエチル、およびメタクリル酸シアノブチルもまた使用することもまた可能である。その中のヒドロキシアルキル基の炭素原子の数が1〜12であるアクリル酸ヒドロキシアルキルおよびメタクリル酸ヒドロキシアルキルを使用することも可能であり、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、およびアクリル酸3−ヒドロキシプロピルが好ましいが、さらには、フッ素置換されたベンジル基を含むアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル、好ましくはアクリル酸フルオロベンジルおよびメタクリル酸フルオロベンジルを使用することも可能である。フルオロアルキル基を含むアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル、好ましくはアクリル酸トリフルオロエチルおよびメタクリル酸テトラフルオロプロピルを使用することもまた可能である。アミノ基を含むα,β−不飽和カルボン酸エステル、たとえばアクリル酸ジメチルアミノメチルおよびアクリル酸ジエチルアミノエチルを使用することもまた可能である。
使用されるさらなる共重合性モノマーは、α,β−不飽和ジカルボン酸、好ましくはマレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、およびメサコン酸であってもよい。
α,β−不飽和ジカルボン酸無水物、好ましくは無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、および無水メサコン酸を使用することもさらに可能である。
さらに、α,β−不飽和ジカルボン酸のモノ−またはジエステルを使用することも可能である。
これらのα,β−不飽和ジカルボン酸のモノエステルまたはジエステルは、たとえば、アルキル、好ましくはC〜C10−アルキル、特にはエチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル、アルコキシアルキル、好ましくはC〜C12−アルコキシアルキル、より好ましくはC〜C−アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、好ましくはC〜C12−ヒドロキシアルキル、より好ましくはC〜C−ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、好ましくはC−C12−シクロアルキル、より好ましくはC〜C12−シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、好ましくはC〜C12−アルキルシクロアルキル、より好ましくはC−C10−アルキルシクロアルキル、アリール、好ましくはC〜C14−アリール、のモノエステルまたはジエステルであってよく、ここでそれぞれの場合におけるジエステルは、混合エステルであってもよい。
特に好ましいα,β−不飽和モノカルボン酸のアルキルエステルは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、アクリル酸2−プロピルヘプチル、および(メタ)アクリル酸ラウリルである。特に、アクリル酸n−ブチルが使用される。
特に好ましいα,β−不飽和モノカルボン酸のアルコキシアルキルエステルは、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、および(メタ)アクリル酸メトキシエチルである。特に、アクリル酸メトキシエチルが使用される。
使用されるその他のα,β−不飽和モノカルボン酸のエステルはさらに、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシメチル)アクリルアミド、およびウレタン(メタ)アクリレートである。
α,β−不飽和ジカルボン酸モノエステルの例には、以下のものが挙げられる:
・ マレイン酸モノアルキル、好ましくはマレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、およびマレイン酸モノ−n−ブチル;
・ マレイン酸モノシクロアルキル、好ましくはマレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシル、およびマレイン酸モノシクロヘプチル;
・ マレイン酸モノアルキルシクロアルキル、好ましくはマレイン酸モノメチルシクロペンチル、およびマレイン酸モノエチルシクロヘキシル;
・ マレイン酸モノアリール、好ましくはマレイン酸モノフェニル;
・ マレイン酸モノベンジル類、好ましくはマレイン酸モノベンジル;
・ フマル酸モノアルキル、好ましくはフマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、およびフマル酸モノ−n−ブチル;
・ フマル酸モノシクロアルキル、好ましくはフマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル、およびフマル酸モノシクロヘプチル;
・ フマル酸モノアルキルシクロアルキル、好ましくはフマル酸モノメチルシクロペンチル、およびフマル酸モノエチルシクロヘキシル;
・ フマル酸モノアリール、好ましくはフマル酸モノフェニル;
・ フマル酸モノベンジル類、好ましくはフマル酸モノベンジル;
・ シトラコン酸モノアルキル、好ましくはシトラコン酸モノメチル、シトラコン酸モノエチル、シトラコン酸モノプロピル、およびシトラコン酸モノ−n−ブチル;
・ シトラコン酸モノシクロアルキル、好ましくはシトラコン酸モノシクロペンチル、シトラコン酸モノシクロヘキシル、およびシトラコン酸モノシクロヘプチル;
・ シトラコン酸モノアルキルシクロアルキル、好ましくはシトラコン酸モノメチルシクロペンチル、およびシトラコン酸モノエチルシクロヘキシル;
・ シトラコン酸モノアリール、好ましくはシトラコン酸モノフェニル;
・ シトラコン酸モノベンジル類、好ましくはシトラコン酸モノベンジル;
・ イタコン酸モノアルキル、好ましくはイタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノプロピル、およびイタコン酸モノ−n−ブチル;
・ イタコン酸モノシクロアルキル、好ましくはイタコン酸モノシクロペンチル、イタコン酸モノシクロヘキシル、およびイタコン酸モノシクロヘプチル;
・ イタコン酸モノアルキルシクロアルキル、好ましくはイタコン酸モノメチルシクロペンチル、およびイタコン酸モノエチルシクロヘキシル;
・ イタコン酸モノアリール、好ましくはイタコン酸モノフェニル;
・ イタコン酸モノベンジル、好ましくはイタコン酸モノベンジル;
・ メサコン酸モノアルキル、好ましくはメサコン酸モノエチル。
使用されるα,β−不飽和ジカルボン酸ジエステルも、上述のモノエステル基に基づいた類似のジエステルであってよいが、ここで、それらのエステル基が化学的に異なった基であってもよい。
有用なさらなる共重合性モノマーはさらに、1分子あたり少なくとも2個のオレフィン性二重結合を含むフリーラジカル重合性化合物が挙げられる。ポリ不飽和化合物の例は、ポリオールのアクリレート、メタクリレート、またはイタコネートであって、たとえば、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ブタンジオール1,4−ジアクリレート、プロパン−1,2−ジオールジアクリレート、ブタン−1,3−ジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、グリセリルのジ−およびトリ−アクリレート、ペンタエリスリチルのジ−、トリ−およびテトラ−アクリレートもしくは−メタクリレート、ジペンタエリスリチルのテトラ−、ペンタ−およびヘキサ−アクリレートもしくは−メタクリレートもしくは−イタコネート、ソルビチルテトラアクリレート、ソルビチルヘキサメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリエチレングリコールの、または末端ヒドロキシル基を有するオリゴエステルまたはオリゴウレタンのジアクリレートまたはジメタクリレートなどである。使用されるポリ不飽和モノマーはさらに、アクリルアミド、たとえばメチレンビスアクリルアミド、ヘキサメチレン−1,6−ビスアクリルアミド、ジエチレントリアミントリスメタクリルアミド、ビス(メタクリルアミドプロポキシ)エタン、またはアクリル酸2−アクリルアミドエチルであってもよい。ポリ不飽和ビニルおよびアリル化合物の例としては以下のものが挙げられる:ジビニルベンゼン、エチレングリコールジビニルエーテル、フタル酸ジアリル、メタクリル酸アリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルイソシアヌレート、またはリン酸トリアリル。
一つの好ましい実施態様においては、本発明の加硫可能な組成物が以下のものを含む:
(i)エポキシ基を含み、そしてa)アクリロニトリル、b)1,3−ブタジエン、c)アクリル酸グリシジルおよび/またはメタクリル酸グリシジル、ならびにd)場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマー(非共役環状ポリエンは除く)から誘導される繰り返し単位を含む、少なくとも1種の、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム、
(ii)架橋剤としての、少なくとも1種の、クラウンエーテル、クリプタンド、臭化テトラアルキルアンモニウム、特には臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、トリフェニルホスフィンからなる群から選択されるルイス塩基、ならびに/または、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、水酸化カルシウム、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピロリジン、ピラゾール、イミダゾール、尿素、ビウレット、チオ尿素、ジメチル尿素、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、およびドデシルベンジルスルホン酸ナトリウムからなる群から選択されるブレンステッド塩基、
ここで、前記加硫可能な組成物は、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、2.5重量部未満の量でしか含まない。
モノマーの比率:
エポキシ基を含み、本発明において使用される、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴムにおけるそれぞれのモノマーの比率は、広い範囲で変化させることができる。
共役ジエンの単独または合計したものの比率は、ニトリルゴム全体を基準にして、典型的には39.75〜90重量%の範囲、好ましくは44〜88重量%、より好ましくは45.75〜87%、特には47.5〜85重量%の範囲である。
α,β−不飽和ニトリルの単独または合計したものの比率は、ニトリルゴム全体を基準にして、典型的には5〜60重量%、好ましくは10〜55重量%、より好ましくは13〜53重量%、特には15〜51重量%である。
エポキシ基を含むモノマーの比率は、ニトリルゴム全体を基準にして典型的には0.25〜35重量%、より好ましくは1〜35重量%、より好ましくは2重量%を超えて35重量%まで、さらにより好ましくは2.25〜30重量%、特には2.5〜25重量%、特に好ましくは2.75〜22.5重量%、極めて特に好ましくは3〜20重量%、さらにより特に好ましくは4〜19重量%、かつ極めて特に好ましくは4.5〜18重量%である。
いずれの場合においても、すべてのモノマーの比率を合計したものが100重量%とならなければならない。
ニトリルゴム(i)中のエポキシ基を含むモノマーの量、架橋剤(ii)の量、およびエポキシ基対架橋剤(ii)の比率は、所望される架橋の程度に応じて設定される。エポキシ基の架橋剤(ii)の量に対する比率を設定することによって、破断時伸びおよび引張強度を特定の要件に当てはめることができる。
任意成分のさらなる共重合性モノマーは、それらの性質に応じて、ニトリルゴム(i)全体を基準にして、0〜50重量%の量で存在させてよい。この場合においては、共役ジエンおよび/またはα,β−不飽和ニトリルおよび/またはエポキシ基を含むモノマーの相応の比率を、追加するモノマーの比率で置き換えるのがよく、この場合もまた、すべてのモノマーの比率を合計したものを、100重量%としなければならない。
そのような、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴムの調製法は、当業者には十分に周知である。エポキシ基を含むニトリルゴムは、典型的には、乳化重合と呼ばれる方法で調製される。これは、典型的にはアニオン性乳化剤の水可溶性の塩である乳化剤、またはそうでなければ電荷を持たない乳化剤の存在下で実施される。さらに、重合は多くの場合、一般的には12〜16個の炭素原子を含むアルキルチオール、好ましくはtert−ドデシルメルカプタン(t−DDM)である、分子量調節剤と呼ばれているものの存在下で実施される。そのようなアルキルチオールまたはアルキルチオールの(異性体)混合物は、市場で入手することも可能であるし、あるいは、当業者にとっては周知の文献に記載されている方法によって調製することも可能である。
重合を実施するには、重合の開始時および/または重合の途中に、重合開始剤系の全部または個別の成分を、計量仕込みする。重合の途中で、全部および個々の成分を分けて添加するのが好ましい。順次添加を使用することによって、反応速度を調節することができる。重合を均質に進行させるためには、重合の開始時には重合開始剤系のほんの一部だけを使用し、残りのものは重合の進行中に計量仕込みする。典型的には、重合開始剤の全量の10〜80重量%、好ましくは30〜50重量%を使用して重合を開始させる。重合開始剤系の個々の構成成分を計量仕込みすることも可能である。化学的に均一な製品を調製することを意図しているのなら、モノマーを計量仕込みする。アクリロニトリルおよびブタジエンは、特に、その組成が、ブタジエン/アクリロニトリルの共沸比の範囲外であるような場合には、計量仕込みする。10〜34重量%のアクリロニトリル含量を有するNBRタイプの場合、および40〜50重量%のアクリロニトリルを有するタイプの場合には、計量仕込みで添加するのが好ましい(W.Hofmann,Rubber Chem.Technol.,36(1963))。重合時間は、5時間〜15時間の範囲であるが、モノマー混合物のアクリロニトリル含量と重合温度に特に依存する。後者は、0〜30℃の範囲、好ましくは5〜25℃の範囲である。50〜90%の範囲、好ましくは60〜85%の範囲での転化率に達したら、典型的には、一般的に公知の停止剤を添加することによって、重合を停止させる。重合において使用する水の量は、モノマー混合物100重量部を基準にして、100〜900重量部の範囲、好ましくは120〜500重量部の範囲、より好ましくは150〜400重量部の範囲の水である。重合は連続的に実施することもできるし、あるいはそうでなければ、撹拌タンクのカスケードでバッチ式で実施することもできる。未転化モノマーおよび揮発性成分を除去するために、その「反応停止させた」ラテックスを水蒸気蒸留にかける。この場合においては、70℃〜150℃の範囲の温度を採用し、温度が<100℃の場合には、圧力を下げる。揮発性成分が除去されるより前に、乳化剤を用いてそのラテックスを後安定化させることができる。この目的のためには、前述の乳化剤を、100重量部のニトリルゴムを基準にして、適切には0.1〜2.5重量%、好ましくは0.5〜2.0重量%の量で使用する。
一つの実施態様においては、本発明の加硫可能な組成物が以下のものを含む:
(i)エポキシ基を含み、そして少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル、少なくとも1種のエポキシ基を含むモノマー、および場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマー(ただし非共役環状ポリエンは除く)から誘導される繰り返し単位を含む、少なくとも1種のニトリルゴム(ここで、そのエポキシ基を含むモノマーの比率は、ニトリルゴム全体を基準にして、2重量%を超えて35重量%まで、さらにより好ましくは2.25〜30重量%、特には2.5〜25重量%、特に好ましくは2.75〜22.5重量%、極めて特に好ましくは3〜20重量%、さらにより特に好ましくは4〜19重量%、最も特に好ましくは4.5〜18重量%である)、ならびに
(ii)架橋剤としての、それぞれの場合においてニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、1重量部を超えて30重量部未満まで、好ましくは1.5〜25重量部、より好ましくは2〜15重量部の、少なくとも1種のルイス塩基および/またはブレンステッド塩基、
前記加硫可能な組成物には、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含むニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、2.5重量部未満の量で、好ましくは最大で2.3重量部以下の量で、より好ましくは最大で2.25重量部以下の量で、さらにより好ましくは最大で2重量部以下の量で、特には最大で1.5重量部未満の量で、特に好ましくは最大で1重量部以下の量で、極めて特に好ましくは最大で0.5重量部以下の量で、さらにより特に好ましくは最大で0.4重量部以下の量で含む。
この実施態様においては、そのエポキシ基を含むニトリルゴムが、全体的もしくは部分的に水素化されていてもよい。この実施態様においては、そのエポキシ基を含むニトリルゴムが、少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリルおよび少なくとも1種のエポキシ基を含むモノマーからの繰り返し単位だけを有しているのが好ましい。
さらに、以下のものを含む本発明の加硫可能な組成物が好ましい:
(i)エポキシ基を含み、かつ少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリルおよび少なくとも1種のエポキシ基を含むモノマーから誘導される繰り返し単位だけを含む、少なくとも1種のニトリルゴム(ここで、そのエポキシ基を含むモノマーの比率は、ニトリルゴム全体を基準にして2.5〜30重量%である)、および
(ii)架橋剤としての、100重量部のニトリルゴム(i)を基準にして、1.5〜25重量部の、少なくとも1種のルイス塩基および/またはブレンステッド塩基、
ここで、前記加硫可能な組成物は、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含むニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、2.5重量部未満の量でしか含まない。
さらなる実施態様においては、本発明の加硫可能な組成物が以下のものを含む:
(i)エポキシ基を含み、そしてa)アクリロニトリル、b)1,3−ブタジエン、c)アクリル酸グリシジルおよび/もしくはメタクリル酸グリシジル、およびd)場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマー(ただし非共役環状ポリエンは除く)から誘導される繰り返し単位を含む少なくとも1種のニトリルゴム(ここで、アクリル酸グリシジルおよび/またはメタクリル酸グリシジルの比率は、ニトリルゴム全体を基準にして、2重量%を超えて35重量%まで、さらにより好ましくは2.25〜30重量%、特には2.5〜25重量%、特に好ましくは2.75〜22.5重量%、極めて特に好ましくは3〜20重量%、さらにより特に好ましくは4〜19重量%、最も特に好ましくは4.5〜18重量%である)、ならびに
(ii)架橋剤としての、少なくとも1種の、それぞれの場合においてニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、1重量部を超えて30重量部未満まで、好ましくは1.5〜25重量部、より好ましくは2〜15重量部の、クラウンエーテル、クリプタンド、臭化テトラアルキルアンモニウム、特には臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、およびトリフェニルホスフィンからなる群から選択されるルイス塩基、ならびに/または、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、水酸化カルシウム、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピロリジン、ピラゾール、イミダゾール、尿素、ビウレット、チオ尿素、ジメチル尿素、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、およびドデシルベンジルスルホン酸ナトリウムからなる群から選択されるブレンステッド塩基、
前記加硫可能な組成物には、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含むニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、2.5重量部未満の量で、好ましくは最大で2.3重量部以下の量で、より好ましくは最大で2.25重量部以下の量で、さらにより好ましくは最大で2重量部以下の量で、特には最大で1.5重量部未満の量で、特に好ましくは最大で1重量部以下の量で、極めて特に好ましくは最大で0.5重量部以下の量で、さらにより特に好ましくは最大で0.4重量部以下の量で含む。
このさらなる実施態様においてもまた、そのエポキシ基を含むニトリルゴムが、全体的もしくは部分的に水素化されていてもよい。そのエポキシ基を含むニトリルゴムが、a)アクリロニトリル、b)1,3−ブタジエン、およびc)アクリル酸グリシジルおよび/またはメタクリル酸グリシジルから誘導される繰り返し単位だけを含んでいるのが好ましい。
以下のものを含む、このさらなる本発明の加硫可能な組成物が好ましい:
(i)エポキシ基を含み、かつa)アクリロニトリル、b)1,3−ブタジエン、c)アクリル酸グリシジルおよび/またはメタクリル酸グリシジルから誘導される繰り返し単位だけを含む、少なくとも1種のニトリルゴム(ここで、アクリル酸グリシジルおよび/またはメタクリル酸グリシジルの比率は、ニトリルゴム全体を基準にして、2.5〜30重量%である)、および
(ii)架橋剤としての、100重量部のニトリルゴム(i)を基準にして、1.5〜25重量部の、少なくとも1種のルイス塩基および/またはブレンステッド塩基、
ここで、前記加硫可能な組成物は、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含むニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、2重量部未満の量でしか含まない。
メタセシスおよび水素化:
エポキシ基を含むニトリルゴムを調製したのに続けて、(a)ニトリルゴムの分子量を低下させるためのメタセシス反応、または(b)メタセシス反応とそれに続く水素化、または(c)水素化のみを実施することもまた可能である。これらのメタセシス反応または水素化反応は、当業者には十分に周知であり、文献にも記載されている。メタセシスは、たとえば国際公開第A−02/100941号パンフレットおよび国際公開第A−02/100905号パンフレットからも公知であり、分子量を低下させるのに使用することができる。
水素化は、均一系または不均一系の水素化触媒を使用して実施することができる。使用される触媒は、典型的には、ロジウム、ルテニウムまたはチタンをベースとするものであるが、白金、イリジウム、パラジウム、レニウム、ルテニウム、オスミウム、コバルト、または銅を金属としてか、またはそうでなければ好ましくは金属化合物の形態として使用することも可能である(たとえば、米国特許第A−3,700,637号明細書、独国特許出願公開第A−25 39 132号明細書、欧州特許出願公開第A−0 134 023号明細書、独国特許出願公開第A−35 41 689号明細書、独国特許出願公開第A−35 40 918号明細書、欧州特許出願公開第A−0 298 386号明細書、独国特許出願公開第A−35 29 252号明細書、独国特許出願公開第A−34 33 392号明細書、米国特許第A−4,464,515号明細書、および米国特許第A−4,503,196号明細書を参照されたい)。
均一相における水素化のために好適な触媒および溶媒は、以下において記述するし、独国特許出願公開第A−25 39 132号明細書および欧州特許出願公開第A−0 471 250号明細書からも公知である。選択的水素化は、たとえば、ロジウム触媒またはルテニウム触媒の存在下で達成することができる。たとえば次の一般式の触媒を使用することが可能である。
(R B)MX
式中、Mはルテニウムまたはロジウムであり、Rは、同一であるかまたは異なっていて、C〜Cアルキル基、C〜Cシクロアルキル基、C〜C15アリール基、またはC〜C15アラルキル基であり、Bは、リン、ヒ素、硫黄またはスルホキシド基S=Oであり、Xは水素またはアニオン、好ましくはハロゲン、より好ましくは塩素または臭素であり、lは2、3または4であり、mは2または3であり、かつnは1、2または3、好ましくは1または3である。好適な触媒は、塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(III)、および塩化トリス(ジメチルスルホキシド)ロジウム(III)、さらにはテトラキス(トリフェニルホスフィン)ロジウム水素化物、式((CP)RhH、およびトリフェニルホスフィンが全体的または部分的にトリシクロヘキシルホスフィンによって置換された化合物である。触媒の使用量は少量でよい。その量を、ポリマーの重量を基準にして、0.01〜1重量%の範囲、好ましくは0.03〜0.5重量%の範囲、より好ましくは0.1〜0.3重量%の範囲とするのが好適である。
典型的には、その触媒を助触媒と共に使用することが推奨されるが、その助触媒は、式R Bの配位子であり、ここでR、mおよびBはそれぞれ、上で触媒について定義されたものである。好ましくは、mが3であり、Bがリンであり、R基は同一であっても異なっていてもよい。その助触媒が、トリアルキル、トリシクロアルキル、トリアリール、トリアラルキル、ジアリールモノアルキル、ジアリールモノシクロアルキル、ジアルキルモノアリール、ジアルキルモノシクロアルキル、ジシクロアルキルモノアリール、またはジシクロアルキルモノアリール基を有しているのが好ましい。
助触媒の例は、たとえば米国特許第A−4,631,315号明細書に見出すことができる。好適な助触媒は、トリフェニルホスフィンである。助触媒は、水素化されるニトリルゴムの重量を基準にして、0.3〜5重量%の範囲内、好ましくは0.5〜4重量%の範囲の量で使用するのが好ましい。それに加えて、好ましくは、ロジウム触媒の助触媒に対する重量比は、水素化されるニトリルゴム100重量部を基準にして、(1:3)〜(1:55)の範囲、より好ましくは(1:5)〜(1:45)の範囲であり、水素化されるニトリルゴム100重量部を基準にして、好ましくは0.1〜33重量部、より好ましくは0.5〜20重量部、さらにより好ましくは1〜5重量部、特には2重量部を超え5重量部未満の助触媒を使用する。
この水素化の実務的な遂行は、米国特許第A−6,683,136号明細書からも当業者には公知である。それは、典型的には、トルエンまたはモノクロロベンゼンのような溶媒の中で、100〜150℃の範囲の温度と50〜150バールの範囲の圧力で2〜10時間かけて、水素化されるニトリルゴムを水素と接触させることによって実施される。
本発明の文脈においては、水素化とは、出発ニトリルゴムの中に存在している二重結合を、少なくとも50%、好ましくは70〜100%、より好ましくは80〜100%の割合で転化させることを意味していると理解されたい。水素化の程度の測定は当業者には周知であり、ラマンまたはIR分光光度法によって実施することができる(たとえば、欧州特許出願公開第A−0 897 933号明細書(ラマン分光光度法による測定)または米国特許第A−6,522,408号明細書(IR分光光度法による測定)を参照されたい)。
不均一系触媒を使用する場合においては、それらは典型的には、パラジウムをベースとする担持触媒であって、それらは、たとえば木炭、シリカ、炭酸カルシウムまたは硫酸バリウムの上に担持されている。
これにより、全体的もしくは部分的に水素化されたエポキシ基を含むニトリルゴムが得られる。これらは、少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル、および場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマー(非共役環状ポリエンは除く)から誘導される繰り返し単位を有している。
これらの、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴムは、典型的には、10〜160、かつ好ましくは15〜150ムーニー単位、より好ましくは20〜150ムーニー単位、特には25〜145ムーニー単位の範囲のムーニー粘度(ML(1+4@100℃))を有している。ムーニー粘度(ML1+4@100℃)の値は、100℃で、DIN 53523/3またはASTM D 1646に従う剪断円板粘度計の手段によって求められる。
エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴムはさらに、典型的には、1.0〜6.0の範囲、好ましくは1.5〜5.0の範囲の多分散度PDI=M/M(ここで、Mは重量平均分子量であり、Mは数平均分子量である)を有している。
エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴムのガラス転移温度は、−80℃〜+20℃の範囲、好ましくは−70℃〜+10℃の範囲、より好ましくは−60℃〜0℃の範囲である。
本発明の好ましい実施態様は、(iii)少なくとも1種の充填剤をさらに含む加硫可能な組成物に関する。この充填剤に含まれるのは、本発明の架橋剤(ii)に既に包含されているもの以外の化合物に限定される。たとえば、カーボンブラック、シリカ、カーボンナノチューブ、Teflon(後者は粉体の形態であるのが好ましい)、またはシリケートを使用することが可能である。
さらなる実施態様においては、本発明の加硫可能な組成物にはさらに、ゴム分野における当業者には馴染みのある1種または複数の添加剤を含んでいてもよい。これらもまた、本発明の架橋剤(ii)の定義でカバーされていない化合物に限定される。これらの添加剤としては、以下のものが挙げられる:充填剤活性化剤、老化安定剤、加硫戻り安定剤、光安定剤、オゾン安定剤、加工助剤、可塑剤、鉱油、粘着付与剤、発泡剤、染料、顔料、ワックス、樹脂、増量剤、遅延剤、およびゴム産業において公知のさらなるその他の添加剤(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,VCH Verlagsgesellschaft mbH,D−69451 Weinheim,1993,Vol.A23,”Chemicals and Additives”,p.366〜417)。
有用な充填剤活性化剤としては、たとえば有機シラン、好ましくはビニルトリメチルオキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシラン、イソオクチルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、または(オクタデシル)メチルジメトキシシランが挙げられる。さらなる充填剤活性化剤としては、たとえば、トリエタノールアミン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、および74〜10 000g/molの分子量を有するエチレングリコールのような界面活性物質が挙げられる。充填剤活性化剤の量は、典型的には、エポキシド基を含む場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム100重量部を基準にして、0〜10重量部である。
加硫可能な組成物に添加することができる老化安定剤は、当業者に公知のいかなるものであってもよいが、それは、エポキシド基を含み、場合によっては水素化されたニトリルゴム100重量部を基準にして、典型的には0〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部の量で使用される。
有用な離型剤としては、たとえば、飽和もしくは部分的に不飽和の脂肪酸およびオレイン酸およびそれらの誘導体(脂肪酸エステル、脂肪酸の塩、脂肪族アルコール、脂肪酸アミド)が挙げられる。それに加えて、金型の表面に塗布することが可能な製品、たとえば低分子量シリコーン化合物をベースとする製品、フルオロポリマーをベースとする製品、およびフェノール樹脂をベースとする製品を使用することも可能である。それらの離型剤は、エポキシド基を含み、場合によっては水素化されたニトリルゴム100重量部を基準にして、0〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の量で使用される。
その他の可能性としては、米国特許第A−4,826,721号明細書の教示に従った、ガラス製の強化材(繊維)を用いた補強が挙げられるし、またそれとは別に、脂肪族および芳香族ポリアミド(Nylon(登録商標)、Aramid(登録商標))、ポリエステル、および天然繊維製品から製造したコード、織布、繊維による補強も挙げられる。
本発明はさらに、成分(i)すなわち、少なくとも1種の、エポキシ基を含み、全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴムと、成分(ii)すなわち、少なくとも1種のルイス酸および/またはブレンステッド酸とを混合することによる、加硫可能な組成物を製造するための方法も提供する。この混合操作は、当業者に馴染みのあるすべての混合装置で実施することができる。典型的には、架橋剤(ii)をニトリルゴム(i)の中に計量仕込みする。1種または複数の充填剤および1種または複数のさらなるゴム添加剤を使用する場合には、それらは、各種所望の順序で混合することも可能である。この加硫可能な混合物の製造においては、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴムを固体の形態で使用する。溶媒は存在させない。
本発明はさらに、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴムをベースとする加硫物を製造するための方法も提供するが、それは、前述の加硫可能な組成物を、高温で架橋させることを特徴としている。その架橋は、好ましくは20〜250℃、より好ましくは50〜230℃の範囲の温度で実施することができる。架橋反応の時間は、1分から数日の範囲である。
本発明はさらに、そのようにして得られる加硫物も提供する。それらは、室温、100℃および150℃における圧縮永久歪み試験で極めて良好な値を示す上に、良好な破断時伸びとあいまって高い引張応力を示す。
実施例:
本発明の、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴムにおけるアクリロニトリル含量(「ACN含量」)を求めるための窒素含量は、DIN 53 625に従いケルダール法により測定する。極性のコモノマーが含まれているために、そのエポキシ基を含み、場合によっては水素化されたニトリルゴムは、典型的には、20℃でメチルエチルケトン中に85重量%を超えて溶解する。
ガラス転移温度ならびに開始点および終了点と呼ばれるものは、ASTM E 1356−03またはDIN 11357−2に従って、示差走査熱量測定(DSC)の手段によって測定する。
個々のポリマーの微細構造およびターモノマー含量は、1H NMRの手段によって測定する(機器:Bruker DPX400、XWIN−NMR3.1ソフトウェア付き、測定周波数400MHz、溶媒CDCl3)。
ムーニー粘度(ML1+4@100℃)の値は、それぞれの場合において、DIN 53523/3またはASTM D 1646に従う剪断円板粘度計の手段によって100℃で測定する。MSR(ムーニー応力緩和)は、それぞれの場合において、ISO 289−4:2003(E)に従って、剪断円板粘度計の手段により100℃で測定する。
MDRにおける加硫プロファイルおよびその解析データは、ASTM D 5289−95に従って、Monsanto MDR 2000レオメーターで測定した。
所定の温度での圧縮永久歪み(「CS」)は、DIN 53517に従って測定した。
ショアーA硬度は、ASTM−D2240−81に従って測定した。
変形の関数として応力を測定する引張試験は、DIN 53504またはASTM D412−80に従って実施した。
以下の表において用いた略称は次の意味合いを有する:
「RT」:室温(23±2℃)
「TS」:引張強度(RTで測定)
「EB」:破断時伸び(RTで測定)
「M50」:50%伸びの時のモジュラス(RTで測定)
「M100」:100%伸びの時のモジュラス(RTで測定)
「M300」:300%伸びの時のモジュラス(RTで測定)
「Smin」:架橋等温式の最小トルク
「Smax」:架橋等温式の最大トルク
「デルタS」:「Smax−Smin」
「t10」:Smaxの10%に達した時間
「t50」:Smaxの50%に達した時間
「t90」:Smaxの90%に達した時間
「t95」:Smaxの95%に達した時間
「TS2」:ムーニー粘度が開始時よりも2単位増大するまでの時間
実施例においては以下の物質を使用した。
以下の化学薬品は、それぞれの場合において特定した会社からの商品として購入するか、または特定した会社の製造プラント由来のものである。
架橋剤(ii):
水酸化カルシウム:(Sigma Aldrich Chemie GmbHからの商品)
Lupragen(登録商標)N700:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン(BASF SEからの商品)
アスコルビン酸ナトリウム:アスコルビン酸のナトリウム塩(Sigma Aldrich Chemie GmbHからの商品)
二塩基性リン酸ナトリウム:NaHPO・12HO(Sigma Aldrich Chemie GmbHからの商品)
臭化テトラブチルアンモニウム:(Sigma Aldrich Chemie GmbHからの商品)
Texapon(登録商標)K−12:ラウリル硫酸ナトリウム(Cognis GmbHからの商品)
重合中または加硫可能な組成物中で使用されたその他の物質:
Corax(登録商標)N550/30:カーボンブラック(Evonik Degussaからの商品)
Displast(登録商標)TM 8−10/ST:メリト酸トリオクチル(Lonza SpAからの商品)
Luvomaxx(登録商標)CDPA:p−ジクミルジフェニルアミン(Lehmann & Vossからの商品)
Wingstay(登録商標)29/Naugawhite混合物:25gのSorbilene Mix(ソルビタンエステルとエトキシル化ソルビタンエステルとの混合物)(Lamberti製)、38gのNauga−white(2,2'−メチレンビス(6−ノニル−p−クレゾール))(Chemtura製)、125gのWing−stay(登録商標)29(スチレン化ジフェニルアミン)(Eliokem製)、および63gの水の混合物
「Fe(II)SOプレミックス溶液」:400gの水の中に、0.986gのFe(II)SO・7HOおよび2.0gのRongalit(登録商標)Cを含む
Rongalit(登録商標)C:スルフィン酸のナトリウム塩誘導体(BASF SEからの商品)
t−DDM:三級ドデシルメルカプタン;Lanxess Deutschland GmbH
Trigonox(登録商標)NT50:p−メンタンヒドロペルオキシド(Akzo−Degussaからの商品)
Vulkanox(登録商標)ZMB2/C5:4−および5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩(LANXESS Deutschland GmbHからの商品)
Vulkanox(登録商標)HS/LG:2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物(LANXESS Deutschland GmbHからの商品)
Vulkanox(登録商標)MB2/MG:4−および5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾール(LANXESS Deutschland GmbHからの商品)
I:ニトリルゴムAの製造
以下における一連の実施例において使用されるニトリルゴムAは、表1において特定される基本配合に従って製造したが、すべての供給原料はモノマー混合物100重量部を基準にした重量部で記述されている。表1にはさらに、それぞれの重合条件も明記している。
ニトリルゴムは、撹拌系を備えた5Lのオートクレーブの中でバッチ方式で製造した。オートクレーブバッチのそれぞれにおいて、1.25kgのモノマー混合物と、合計して2.1kgの量の水とを使用し、EDTAを、Fe(II)を基準にして等モル量で使用した。オートクレーブの中に、最初に1.9kgの量の水を乳化剤と共に仕込み、窒素流を用いてパージした。その後で、安定剤を除去したモノマーおよび表1に規定された量のt−DDM分子量調節剤を添加し、反応器を閉じた。反応器の内容物を所定の温度に上げてから、Fe(II)SOプレミックス溶液およびパラ−メンタンヒドロペルオキシド(Trigonox(登録商標)NT50)を添加することによって重合を開始させた。
転化率を重量分析することにより、重合の進行をモニターした。表1に記載した転化率に達したら、ジエチルヒドロキシルアミンの水溶液を添加することにより重合を停止させた。水蒸気蒸留の手段によって、未転化モノマーおよびその他の揮発性成分を除去した。
乾燥させたNBRゴムについて、ムーニー粘度、そのMSR、ACN含量、およびガラス転移温度によって特性解析した。ターモノマーの含量は、H NMR分析によって測定した。そのようにして得られた固形ゴムは、表2に示す性質を有していた。
II:ニトリルゴムAからの加硫物の製造(本発明の実施例)
下記のようにしてニトリルゴムAを使用して、加硫物V1〜V8を製造した。加硫可能な混合物の構成成分は、100部のニトリルゴムを基準にして、表3、7および11に示す。
混合物は、バンバリーミキサーの中で製造した。この目的のためには、それぞれの場合において、ゴムならびに表3、7および11に記載されたすべての添加剤を、最高120℃までの温度で全部で4分間かけて混合した。この目的のためには、最初にゴムをミキサーの中に仕込み、1分後にすべてのさらなる添加剤を添加し、さらに2分後に反転工程(reversal step)を実施した。合計して4分経過してから、そのゴムをミキサーから排出させた。温度190℃で30分かけてそのコンパウンド物を加硫させた。
そうして得られた加硫物は、表4〜6に示す性質を有していた。
それぞれの最大トルクのレベルおよび架橋速度は、ルイス塩基の比率に一致している。
本発明のポリマーは、それらの加硫物中において、高い引張応力および100%伸びにおける高いモジュラス値を特徴としている。
触媒としてルイス塩基を用いた新規な架橋構造のおかげで、加硫物において、長期間150℃であってさえも並はずれて高い圧縮永久歪みを、良好な破断時伸びおよび最大トルクを伴いながら、何の問題もなく確立することも可能となった。
混合物は、バンバリーミキサーの中で製造した。この目的のためには、ゴムと表6に記載されたすべての添加剤とを、最高120℃までの温度で合計4分間混合した。この目的のためには、最初にゴムをミキサーの中に仕込み、1分後にすべてのさらなる添加剤を添加し、さらに2分後に反転工程を実施した。合計して4分経過してから、そのゴムをミキサーから排出させた。温度190℃で30分かけてそのコンパウンド物を加硫させた。すべての架橋を、触媒としての重金属化合物または各種その他の架橋剤は添加せずに実施した。そうして得られた加硫物は、表8〜10に示す性質を有していた。
触媒としての無機塩基は、室温においては良好な圧縮永久歪みを示すが、150℃では示さない。
そうして得られた加硫物は、表12〜14に示す性質を有していた:
最大トルクのレベルは、ポリマー中のエポキシド基を含むモノマーの、ルイス塩基に対する比率に一致している。すべての架橋を、触媒としての重金属化合物または各種その他の化合物は添加せずに実施した。臭化テトラブチルアンモニウムを使用すると、高い破断時伸びおよび引張強度を達成することが可能である。
この触媒を用いた場合もまた、長期間150℃であっても、並はずれて良好な圧縮永久歪みを確立することが可能である。

Claims (14)

  1. (i)エポキシ基を含み、かつ少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル、および場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマー(ただし非共役環状ポリエンは除く)から誘導される繰り返し単位を含む、少なくとも1種の、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム、ならびに
    (ii)−12〜+13の範囲のpKを有する、架橋剤としての少なくとも1種のルイス塩基および/またはブレンステッド塩基、
    を含む加硫可能な組成物であって、
    前記ルイス塩基が、クラウンエーテル、クリプタンド、アンモニア、トリフェニルホスフィン、シアン化ナトリウムもしくはシアン化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ビピリジン、フェナントロリン、テトラヒドロフラン、シクロオクタジエン、ヒドラジン、およびジエチルエーテルからなる群から選択され、
    前記ブレンステッド塩基が、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩、置換もしくは非置換アミン、置換もしくは非置換の芳香族もしくは非芳香族の窒素含有有機複素環、グアニジンおよびその誘導体、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機もしくは有機スルホン酸、カルボン酸およびホスホン酸の塩、それらのモノエステルもしくはジエステル、ならびにアルカリ金属、リチウム、ナトリウムおよびカリウムの有機金属化合物、からなる群から選択され、
    ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化された前記ニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、2.5重量部未満の量でしか含まない、
    加硫可能な組成物。
  2. ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤が、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化された前記ニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、最大量で2.3重量部までの量で存在する、請求項1に記載の加硫可能な組成物。
  3. (i)エポキシ基を含み、かつ少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル、および場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマー(ただし非共役環状ポリエンは除く)から誘導される繰り返し単位を含む、少なくとも1種の、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム、ならびに
    (ii)架橋剤としての、少なくとも1種の、クラウンエーテル、クリプタンド、トリフェニルホスフィンおよびビピリジンからなる群から選択されるルイス塩基、ならびに/または、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、水酸化カルシウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、テトラメチルエチレンジアミン、ピロリジン、ピラゾール、ピペリジン、ピロール、イミダゾール、およびドデシルベンジルスルホン酸ナトリウムからなる群から選択されるブレンステッド塩基、
    を含む加硫可能な組成物であって、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化された前記ニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、2.5重量部未満の量でしか含まない、
    請求項1に記載の加硫可能な組成物。
  4. 使用される、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化された前記ニトリルゴム(i)が、後からエポキシ基を含む化合物をグラフト反応させることによってその中の前記エポキシ基が前記ニトリルゴムに加えられたものであるか、あるいは、少なくとも1種のニトリル、少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のエポキシ基を含むモノマー、および場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマー(ただし、非共役環状ポリエンは一切含まれない)の繰り返し単位を有するものであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の加硫可能な組成物。
  5. エポキシ基を含み、全体的もしくは部分的に水素化された前記ニトリルゴム(i)が、エポキシ基を含み、かつo−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、3−ビニルシクロヘキセンオキシド又は一般式(I)であるモノマーの繰り返し単位を有することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の加硫可能な組成物
    mは、0または1であり、かつ
    Xは、O、O(CR、(CRO、C(=O)O、C(=O)O(CR、C(=O)NR、(CR、N(R)、N(R)(CR、P(R)、P(R)(CR、P(=O)(R)、P(=O)(R)(CR、S、S(CR、S(=O)、S(=O)(CR、S(=O)(CR、またはS(=O)であるが、ここでこれらの基の中のRは、R〜Rとして定義されるものであってよく、
    Yは、共役もしくは非共役ジエン、アルキンおよびビニル化合物も含めた、1種または複数のモノもしくはポリ不飽和モノマーの繰り返し単位を表すか、またはポリエーテル、ポリシロキサン、ポリオール、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイソシアネート、多糖類、ポリエステルおよびポリアミドを含むポリマーから誘導される構造要素を表し、
    nとpは、同一であるかまたは異なっていて、それぞれ0〜10 000の範囲であり、
    R、R、R、R、R、R、およびRは、同一であるかまたは異なっていて、それぞれ、H、直鎖状もしくは分岐状で飽和またはモノもしくはポリ不飽和のアルキル基、飽和またはモノもしくはポリ不飽和のカルボシクリルもしくはヘテロシクリル基、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アミド、カルバモイル、アルキルチオ、アリールチオ、スルファニル、チオカルボキシル、スルフィニル、スルフォノ、スルフィノ、スルフェノ、スルホン酸、スルファモイル、ヒドロキシイミノ、アルコキシカルボニル、F、Cl、Br、I、ヒドロキシル、ホスホナト、ホスフィナト、シリル、シリルオキシ、ニトリル、ホウ酸塩、セレン酸塩、カルボニル、カルボキシル、オキシカルボニル、オキシスルホニル、オキソ、チオキソ、エポキシ、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、チオイソシアネート、またはイソシアニドである]。
  6. エポキシ基を含み、全体的もしくは部分的に水素化された前記ニトリルゴム(i)が、エポキシ基を含み、かつアクリル酸2−エチルグリシジル、メタクリル酸2−エチルグリシジル、アクリル酸2−(n−プロピル)グリシジル、メタクリル酸2−(n−プロピル)グリシジル、アクリル酸2−(n−ブチル)グリシジル、メタクリル酸2−(n−ブチル)グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルメチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸(3',4'−エポキシヘプチル)−2−エチル、メタクリル酸(3',4'−エポキシヘプチル)−2−エチル、アクリル酸6',7'−エポキシヘプチル、メタクリル酸6',7'−エポキシヘプチル、アリルグリシジルエーテル、アリル3,4−エポキシヘプチルエーテル、6,7−エポキシヘプチルアリルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、ビニル3,4−エポキシヘプチルエーテル、3,4−エポキシヘプチルビニルエーテル、6,7−エポキシヘプチルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、および3−ビニルシクロヘキセンオキシドの群から選択されるモノマーの繰り返し単位を有することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の加硫可能な組成物。
  7. (i)エポキシ基を含み、少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル、エポキシ基を含む少なくとも1種のモノマーであって、アクリル酸2−エチルグリシジル、メタクリル酸2−エチルグリシジル、アクリル酸2−(n−プロピル)グリシジル、メタクリル酸2−(n−プロピル)グリシジル、アクリル酸2−(n−ブチル)グリシジル、メタクリル酸2−(n−ブチル)グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルメチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸(3',4'−エポキシヘプチル)−2−エチル、メタクリル酸(3',4'−エポキシヘプチル)−2−エチル、アクリル酸6',7'−エポキシヘプチル、メタクリル酸6',7'−エポキシヘプチル、アリルグリシジルエーテル、アリル3,4−エポキシヘプチルエーテル、6,7−エポキシヘプチルアリルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、ビニル3,4−エポキシヘプチルエーテル、3,4−エポキシヘプチルビニルエーテル、6,7−エポキシヘプチルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、および3−ビニルシクロヘキセンオキシドからなる群から選択されるモノマー、ならびに場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマー(非共役環状ポリエンは除く)から誘導される繰り返し単位を含む、少なくとも1種の場合によっては全体的もしくは部分的に水素化されたニトリルゴム、ならびに
    (ii)架橋剤としての、クラウンエーテル、クリプタンド、トリフェニルホスフィンおよびビピリジンからなる群から選択される少なくとも1種のルイス塩基、ならびに/または、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、テトラメチルエチレンジアミン、ピロリジン、ピラゾール、ピペリジン、ピロール、イミダゾール、およびドデシルベンジルスルホン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種のブレンステッド塩基、
    を含む加硫可能な組成物であって、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含み、場合によっては全体的もしくは部分的に水素化された前記ニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、2.5重量部未満の量でしか含まない、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の加硫可能な組成物。
  8. (i)エポキシ基を含み、かつ少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリル、少なくとも1種のエポキシ基を含むモノマー、および場合によっては1種または複数のさらなる共重合性モノマー(ただし非共役環状ポリエンは除く)から誘導される繰り返し単位を含む、少なくとも1種のニトリルゴム(ここで、そのエポキシ基を含むモノマーの比率は、ニトリルゴム全体を基準にして、2重量%を超えて35重量%までである)、ならびに
    (ii)架橋剤としての、前記ニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、1重量部を超えて30重量部未満までの、少なくとも1種のルイス塩基および/またはブレンステッド塩基、
    を含み
    前記加硫可能な組成物には、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含む前記ニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、2.5重量部未満の量で含む、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の加硫可能な組成物。
  9. (i)エポキシ基を含み、かつ少なくとも1種の共役ジエン、少なくとも1種のα,β−不飽和ニトリルおよび少なくとも1種のエポキシ基を含むモノマーから誘導される繰り返し単位だけを含む、少なくとも1種のニトリルゴム(ここで、前記エポキシ基を含むモノマーの比率は、ニトリルゴム全体を基準にして2.25〜30重量%である)、ならびに
    (ii)架橋剤としての、100重量部の前記ニトリルゴム(i)を基準にして、1.5〜25重量部の、少なくとも1種のルイス塩基および/またはブレンステッド塩基、
    を含み、
    前記加硫可能な組成物が、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含む前記ニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、2重量部未満の量でしか含まない、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の加硫可能な組成物。
  10. (i)エポキシ基を含み、かつa)アクリロニトリル、b)1,3−ブタジエン、ならびにc)アクリル酸グリシジルおよび/またはメタクリル酸グリシジルから誘導される繰り返し単位だけを含む、少なくとも1種のニトリルゴム(ここで、アクリル酸グリシジルおよび/またはメタクリル酸グリシジルの比率は、ニトリルゴム全体を基準にして、2.25〜30重量%である)、ならびに
    (ii)架橋剤としての、100重量部の前記ニトリルゴム(i)を基準にして、1.5〜25重量部の、少なくとも1種のルイス塩基および/またはブレンステッド塩基、を含む加硫可能な組成物であって、(ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を、エポキシ基を含む前記ニトリルゴム(i)の100重量部を基準にして、2重量部未満の量でしか含まない、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の加硫可能な組成物。
  11. 成分(i)と成分(ii)とを混合することによる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の加硫可能な組成物を製造するための方法。
  12. エポキシ基を含み、場合によっては部分的もしくは全体的に水素化されたニトリルゴムをベースとする加硫物を製造するための方法であって、請求項1〜10のいずれか一項に記載の加硫可能な組成物を、20〜250℃の範囲で温度上昇させて架橋させることを特徴とする、方法。
  13. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の加硫可能な組成物を加硫した加硫物。
  14. ii)で特定されたものとは異なる他の架橋剤を含まない、請求項1または2に記載の加硫可能な組成物。
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