JP5850785B2 - クリップ - Google Patents

クリップ Download PDF

Info

Publication number
JP5850785B2
JP5850785B2 JP2012085233A JP2012085233A JP5850785B2 JP 5850785 B2 JP5850785 B2 JP 5850785B2 JP 2012085233 A JP2012085233 A JP 2012085233A JP 2012085233 A JP2012085233 A JP 2012085233A JP 5850785 B2 JP5850785 B2 JP 5850785B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grommet
pin
seal
side flange
seal member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012085233A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013213564A (ja
Inventor
美衣 宮崎
美衣 宮崎
敏也 大庭
敏也 大庭
岳 岡田
岳 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Nifco Inc
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Nifco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd, Nifco Inc filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2012085233A priority Critical patent/JP5850785B2/ja
Priority to CN201310116284.6A priority patent/CN103362910B/zh
Publication of JP2013213564A publication Critical patent/JP2013213564A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5850785B2 publication Critical patent/JP5850785B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Insertion Pins And Rivets (AREA)
  • Dowels (AREA)
  • Connection Of Plates (AREA)

Description

本発明は、クリップに関し、更に詳細には、ピン・グロメット式のクリップであって、止水性を確保した取り付けを必要とする部品取り付けに用いられるクリップに関する。
自動車の外装パネル等をボディパネル(取付対象物)に止水性(水密性)を確保して取り付けるために用いられるクリップとして、取付対象物に形成された取付孔に挿入される筒部を具備したグロメットと、筒部内に挿入されることによりグロメットと結合し当該グロメットを取付対象物に抜け止め固定する軸部を具備したピンとを有し、グロメットと車体構成部材との間と、グロメットとピンとの間の各々にシール部材(パッキング部材)が設けられたピン・グロメット式のクリップが知られている(例えば、特許文献1)。
特許第3539643号公報
上述した従来のクリップは、止水性を確保するが、グロメットと車体構成部材との間と、グロメットとピンとの間の止水が、個別のシール部材により行われるため、シール部材を2個必要とする。
本発明が解決しようとする課題は、ピン・グロメット式のクリップにおいて、1つのシール部材だけで止水性を確保した取り付けを行うことができるようにしてシール部材点数の削減を図ることである。
本発明によるクリップは、取付対象物(100)の一つの外面(100A)に開口した取付孔(102)に挿入される筒部(12)を具備したグロメット(10)と、前記筒部(10)内に挿入されることにより前記グロメット(10)と結合し、当該グロメット(10)を前記取付対象物(100)に抜け止め固定する軸部(32)と前記軸部(32)の挿入後端側より外方に張り出して前記取付対象物(100)の前記外面(100A)に対向するピン側鍔部(36)とを具備したピン(30)とを有し、前記ピン側鍔部(36)が前記取付対象物(100)の前記外面(100A)に対向する側には環状のシール収納凹部(37)が形成されており、前記シール収納凹部(37)の底面は前記ピン(30)の軸線に直交する面と平行な環状平面(37A)を含んでおり、前記シール収納凹部(37)には前記ピン側鍔部(36)と前記取付対象物(100)の前記外面との間に配置される環状平板状のシール部材(50)が前記環状平面(37A)と面接触する形態で設けられる。
この構成によれば、ピン(30)に取付対象物(100)の外面(100A)に対向する大きいピン側鍔部(36)が設けられているので、このピン側鍔部(36)と取付対象物(100)の外面(100A)との間に配置されたシール部材(50)によってピン(30)と取付対象物(100)との間のシールが行われる。取付対象物(100)に設けられているグロメット(10)の取付孔(102)はシール部材(50)による環状のシール部の内方にあるから、取付孔(102)の部分に雨水等が侵入することもシール部材(50)によって防がれる。
これにより、ピン・グロメット式のクリップにおいて、1つのシール部材(50)だけで止水性を確保した取り付けを行うことができ、シール部材点数を削減できる。また、グロメット(30)と取付対象物(100)との間のシール部と、グロメット(30)とピン(10)との間のシール部とがピン挿入方向の離れた2段配置になることがないから、取付対象物(100)よりのピン(30)の頭部分の突出高さを低くできる。
更に、シール部材(50)はシール収納凹部(37)に配置されているので、シール収納凹部(37)の深さ分、シール部材(50)の外側面がピン側鍔部(36)と取付対象物(100)の外面(100A)との間隙より外部に露呈しなくなる。これにより、クリップ取付部の外観美がよくなると共に、シール部材(50)に雨水等が直接あたり難くなり、当該部分の止水シールの信頼性、耐久性が向上する。しかも、シール部材(50)は、シール収納凹部(37)の環状平面(37A)に面接触する形態で設けられるので、取付対象物(100)の外面(100A)との間に安定したシール圧による面状のシール領域が得られ、このことによっても当該部分の止水シールの信頼性が向上する。
本発明によるクリップは、好ましくは、更に、前記グロメット(10)は前記筒部(12)の挿入後端側より外方に張り出して前記取付対象物(100)の前記外面(100A)に対向する環状のグロメット側鍔部(14)を有し、前記ピン側鍔部(36)は前記グロメット側鍔部(14)より外方に張り出しており、前記ピン側鍔部(36)が前記取付対象物(100)の前記外面(100A)に対向する側であって前記シール収納凹部(37)より内方位置には前記グロメット側鍔部(14)を収納する鍔部収納凹部(39)が形成されている。
この構成によれば、グロメット側鍔部(14)がピン側鍔部(36)の鍔部収納凹部(39)に収納されるので、グロメット側鍔部(14)の厚さ分、ピン側鍔部(36)が取付対象物(100)の外面(100A)より浮き上がることが回避され、ピン側鍔部(36)と取付対象物(100)の外面(100A)との間に大きい隙間が生じることがない。このことによっても、シール部材(50)に雨水等が直接あたり難くなり、当該部分の止水シールの信頼性、耐久性が向上する。
より好ましくは、前記シール収納凹部(37)は前記シール部材(50)の厚さより小さい深さを有し、前記鍔部収納凹部(39)はシール収納凹部(37)の深さに前記グロメット側鍔部(14)の板厚を加えた深さを有して前記グロメット側鍔部(14)の補形をなす形状の凹部である。
この構成によれば、シール収納凹部(37)の深さがシール部材(50)の厚さより小さいことにより、シール部材(50)をピン側鍔部(36)と取付対象物(100)の外面(100A)との間に挟み込んでシール部材(50)に適切にシール圧を与えることができる。その上で、鍔部収納凹部(39)は、シール収納凹部(37)の深さにグロメット側鍔部(14)の板厚を加えた深さを有してグロメット側鍔部(14)の補形をなす形状の凹部であるので、グロメット側鍔部(14)の全体をぴったりと収納でき、ピン側鍔部(36)とグロメット側鍔部(14)との間にラビリンスシールを構成する。
本発明によるクリップは、好ましくは、前記シール部材(50)は、前記グロメット側鍔部(14)と前記ピン側鍔部(36)とに跨って延在し、前記グロメット側鍔部(14)および前記ピン側鍔部(36)と前記取付対象物(100)の前記外面(100A)との間に設けられる。
この構成によれば、ピン(30)と取付対象物(100)の外面(100A)との間の止水シールに加えてグロメット(10)と取付対象物(100)の外面(100A)との間の止水シールも行われるので、雨水等が取付対象物(100)に形成されている取付孔(102)より取付対象物(100)の内側に侵入することを二重に防止できる。
本発明によるピン・グロメット式クリップによれば、ピンに取付対象物の外面に対向する大きいピン側鍔部が設けられているので、このピン側鍔部と取付対象物の外面との間に配置されたシール部材によってピンと取付対象物とのシールを行うことができる。取付対象物に設けられているグロメットの取付孔はシール部材による環状のシール部の内方にあるから、取付孔の部分に雨水等が侵入することもシール部材によって防がれる。これにより、ピン・グロメット式のクリップにおいて、1つのシール部材だけで止水性を確保した取り付けを行うことができ、シール部材点数を削減できる。
更に、シール部材はシール収納凹部に配置されているので、シール収納凹部の深さ分、シール部材の外側面がピン側鍔部と取付対象物の外面との間隙より外部に露呈しないことになり、第1部材取付部の外観美がよくなると共に、シール部材に雨水等が直接あたり難くなり、当該部分の止水シールの信頼性、耐久性が向上する。
本発明によるクリップの1つの実施形態を示す分解斜視図。 本実施形態によるクリップに用いられるグロメットの平面図。 同グロメットの一部断面正面図。 同グロメットの一部断面側面図。 同グロメットの要部の拡大断面図。 本実施形態によるクリップに用いられるピンの正面図。 同ピンの一部断面側面図。 同ピンの要部の拡大断面図。 本実施形態によるクリップの正面視による断面図であり、(A)は仮止め状態を、(B)は正規の固定状態を各々示している。 本実施形態によるクリップの側面視による断面図であり、(A)は仮止め状態を、(B)は正規の固定状態を各々示している。 本発明によるクリップの他の実施形態を示す断面図。
以下に、本発明によるピン・グロメット式のクリップの1つの実施形態を、図1〜図10を参照して説明する。なお、説明の便宜上、ピン・グロメットの挿入方向を上下方向(鉛直方向)に定義し、挿入前端側を下側、挿入後端側を上側とする。
本実施形態によるクリップは、グロメット10と、ピン30と、シール部材50との3部品により構成されている。
グロメット10は、図1〜図5に示されているように、ポリアセタール(POM)等による樹脂成形品であり、筒部12と、筒部12の挿入後端側の端部より筒部12の外周を取り囲むように外方に水平方向(挿入方向に対して直角の方向)に張り出して四角環状をなすグロメット側鍔部14とを一体に有する。グロメット側鍔部14の上面14Aの外縁は面取りによる傾斜面14Bになっている。
筒部12は、挿入後端側、つまりグロメット側鍔部14側が四角形筒体12Aで、途中で形状が変化して挿入前端側が長円形筒体12Bになっている。長円形筒体12Bの外周は先細のテーパ形状になっている。筒部12は、長円形筒体12Bを挿入前側にして、取付対象物であるテールゲートを構成する鋼板100に貫通形成された四角形状の取付孔102に挿入される(図9、図10参照)。筒部12が取付孔102に挿入されることにより、グロメット側鍔部14の下面14Cは鋼板100の上面(外面)100Aに対向する。
筒部12は内側にグロメット側鍔部14の部分を含んでグロメット10の全体を上下に貫通する内孔16を形成している。内孔16は、グロメット側鍔部14及び四角形筒体12Aの部分では四角形孔16Aであり、長円形筒体12Bの部分では長円形孔16Bである。長円形筒体12Bの下向きの先端面は後述するピン30の第1係合突部38と第2係合突部40とが選択的に係合するピン係合部18になっている。筒部12の挿入前端側には上下方向に延在して長円形筒体12Bの先端面に開口した複数個のスリット24が形成されている。スリット24は、ピン30の第1係合突部38、第2係合突部40が長円形孔16Bを通過する際に長円形筒体12Bが拡径して、第1係合突部38、第2係合突部40の通過を容易にすることに寄与する。
四角形筒体12Aの相対向する2つの側壁には、各々、門形のスリット22によって画定された弾性爪片20が形成されている。弾性爪片20は、下端のみを四角形筒体12Aの側壁に接続されて当該接続部の弾性変形によって内側に傾倒可能な矩形の片持ち片部20Aと、片持ち片部20Aの上端近傍、つまり自由端近傍に外側に突出形成された係止突部20Bとを有する。係止突部20Bは、図5によく示されているように、筒部12の挿入前端側が緩斜面20Cで、挿入後端側が急斜面20Dの逆止形状をしている。
係止突部20Bの急斜面20Dの基点とグロメット側鍔部14が鋼板100の上面100Aに対向する下面14Cとの挿入方向の間隔Aは、鋼板100の板厚より大きく、鋼板100の板厚に自由状態の環状平板状のシール部材50の板厚を加えた寸法より小さい。
ピン30は、図1、図6〜図8に示されているように、ポリアセタール(POM)等による樹脂成形品であり、筒部12内、つまり内孔16に挿入される軸部32と、軸部32の挿入後端側(上端)に設けられて取付部品であるスポイラ110と結合される部品結合部34と、軸部32と部品結合部34との間、つまり軸部32の挿入後端側より外方に張り出したピン側鍔部36とを一体に有する。換言すると、ピン30は、挿入後端側より挿入前端側に向けて、部品結合部34と、ピン側鍔部36と、軸部32とを順に有する。
本実施形態では、部品結合部34は、ピン側鍔部36と協働してアリ溝34Aを形成している。アリ溝34Aにスポイラ110に形成された角形切欠部110Aの縁部110Bが差し込まれることにより、部品結合部34をもってピン30がスポイラ110に固定される(図9、図10参照)。
軸部32は、挿入後端側、つまりピン側鍔部36側が四角形状をしていて、外面に上下方向に延在する複数個のリブ32Aが形成されている。軸部32の挿入後端側は、複数個のリブ32Aの外面をもって内孔16の四角形孔16Aに嵌合する。
この複数個のリブ32Aのうち、弾性爪片20の背面(内孔16側の面)に対応する位置にある2個のリブには、説明上、特別な符号33が付けられている。この。リブ33は、軸部32が後述する第2係止位置にまで内孔16に挿入されると、弾性爪片20の背面に当接して弾性爪片20が内側に傾倒することを阻止し、グロメット10の取付孔102よりの抜け止めを行う抜け止め作用部をなしている(図9(B)参照)。
軸部32の挿入前端側は、内孔16の長円形孔16Bと同形の横断面形状の長円形部32Bになっている。長円形部32Bの外周部にはピン挿入方向に離れた2箇所に第1係合突部38と第2係合突部40とが形成されている。第1係合突部38と第2係合突部40は、各々、長円形部32Bの外周部を一周する長円環状の突部であり、挿入前端側が緩斜面38A、40Aで、挿入後端側が急斜面38B、40Bの逆止形状をしている。
グロメット10に対するピン30の結合は、図9(A)、図10(A)に示されているように、内孔16に対する軸部32の挿入によって第1係合突部38が内孔16を通過して急斜面38Bがピン係合部18に当接する第1係止位置と、第1係止位置より軸部32の挿入が進み、図9(B)、図10(B)に示されているように、第2係合突部40が内孔16を通過して急斜面40Bがピン係合部18に当接する第2係止位置との2つ係止位置をもって段階的に行われる。
第1係止位置では、図9(A)、図10(A)に示されているように、ピン30に固定されたスポイラ110は、テールゲートの鋼板100より浮き上がった仮止め位置にある。第2係止位置では、図9(B)、図10(B)に示されているように、ピン30に固定されたスポイラ110は、テールゲートの鋼板100に接近した正規の固定位置に位置する。なお、第1係合突部38に比して第2係合突部40の突出量が大きいことにより、第2係止位置、つまり正規の固定位置では、第1係止位置(仮止め位置)に比して強い係止状態が得られる。
ピン側鍔部36は、グロメット側鍔部14と相似形の四角形状していて、グロメット側鍔部14より大きく外方に張り出し、軸部32が内孔16に挿入されたピン・グロメット結合状態で鋼板100の上面100Aに対向する。つまり、ピン側鍔部36の外縁側(図9(B)、図10(B)に符号Lで示されている領域)は、グロメット側鍔部14より外方に張り出し、鋼板100の上面100Aとの間にグロメット側鍔部14が介在することなく鋼板100の上面100Aに対向している。
ピン側鍔部36が鋼板100の上面100Aに対向する側、つまり下面側には、シール部材50を収納する四角環状のシール収納凹部37と、シール収納凹部37より内方位置にあってグロメット側鍔部14を収納する四角形状の鍔部収納凹部39とが形成されている。
シール収納凹部37は、図8に示されているように、鍔部収納凹部39の外周を取り囲むように形成され、換言すると、ピン側鍔部36の外周縁と鍔部収納凹部39との間にピン側鍔部36の外周縁に沿う環状に形成されている。シール収納凹部37の底面は、鍔部収納凹部39の側(内側)がピン30の軸線(図8で見て上下方向)に直交する面と平行な環状平面37Aに、ピン側鍔部36の外周縁側が傾斜面37Bになっている。シール収納凹部37の環状平面37Aの部分が環状平板状のシール部材50の厚さより少し小さい深さBになっている。
鍔部収納凹部39は、軸部32の周りに存在し、シール収納凹部37の深さBにグロメット側鍔部14の板厚を加えた深さC(図8参照)を有し、グロメット側鍔部14の全体がすっぽり収まるよう、グロメット側鍔部14の補形をなす形状の凹部に形成されている。
シール部材50は、スポンジやゴム弾性材等によって構成された弾性変形可能(厚さ方向に圧縮変形可能)な平板状のシール部材であり、ピン側鍔部36と相似形の四角形で、ピン側鍔部36の外縁寸法より少し小さい外縁寸法、つまり、シール収納凹部37の外周縁に略整合する外縁寸法を有し、中央部にグロメット10の四角形筒体12Aの外周に嵌合する寸法の四角形開口52を有して四角環状をなしている。この設定により、シール部材50は、ピン側鍔部36とグロメット側鍔部14とに跨って延在し、ピン側鍔部36およびグロメット側鍔部14と鋼板100の上面100Aとの間に設けられることになる。なお、シール部材50の厚さは、シール収納凹部37の深さBより少し大きい寸法に設定されている。
つぎに、図9、図10を参照して、グロメット10とピン30とを用いてテールゲート(鋼板100)にスポイラ110を取り付ける手順について説明する。
シール部材50をグロメット側鍔部14の下面14Cに接するように四角形筒体12Aの外周に予め嵌め込んだ状態で、図9(A)、図10(A)に示されているように、鋼板100に貫通形成された取付孔102に、長円形筒体12Bを挿入前側にしてグロメット10の筒部12を挿入する。この挿入は、弾性爪片20の係止突部20Bが取付孔102を通過し、急斜面20Dが鋼板100の下面100Bに当接するまで行う。
この状態では、鋼板100の上面100Aに対向する下面14Cとの挿入方向の間隔A(図5参照)が鋼板100の板厚に自由状態のシール部材50の板厚を加えた寸法より小さいことにより、シール部材50は、厚さ方向に圧縮弾性変形し、弾性変形した状態でグロメット側鍔部14と鋼板100の上面100Aとの間に挟まれ、この両者間の止水シールを行う。
スポイラ110の角形切欠部110Aの縁部110Bをピン30の頭部に形成されたアリ溝34Aに差し込むことにより、スポイラ110にピン30を固定する。このピン30の軸部32をグロメット10の内孔16に挿入する。この挿入は、まず、第1係合突部38が内孔16を通過して急斜面38Bがピン係合部18に当接する第1係止位置まで行う。この状態では、図9(A)、図10(A)に示されているように、スポイラ110がテールゲートを構成する鋼板100より浮き上がった仮止め位置にある仮止め状態が得られる。この仮止め状態で、スポイラ110と鋼板100との一括塗装が行われるとよい。
つぎに、図9(B)、図10(B)に示されているように、更に、第2係合突部40が内孔16を通過して急斜面40Bがピン係合部18に当接する第2係止位置までピン30の軸部32をグロメット10の内孔16に挿入する。これにより、スポイラ110が仮止め位置より鋼板100に接近した正規の固定位置に位置する。
この状態では、リブ33は、弾性爪片20の背面に当接して弾性爪片20が内側に傾倒することを阻止し、弾性爪片20の先端外面を取付孔102に押し付け、係止突部20Bの急斜面20Dが鋼板100の下面100Bに当接した抜け止め状態を強固に維持する。
また、この状態では、ピン側鍔部36の鍔部収納凹部39がシール収納凹部37の深さにグロメット側鍔部14の板厚を加えた深さCを有してグロメット側鍔部14の補形をなす形状の凹部であることにより、鍔部収納凹部39にピン側鍔部36の全体がすっぽり収まる。これにより、グロメット側鍔部14の上面が鍔部収納凹部39の底面に密着し、グロメット側鍔部14の下面14Cとシール収納凹部37の底面とが面一になる。
シール部材50のうち、ピン側鍔部36より外方にはみ出している部分はシール収納凹部37内に納められ、この部分のシール部材50は、圧縮方向に弾性変形した状態でピン側鍔部36と鋼板100の上面100Aとの間に挟まれ、この両者間の止水シールを行う。
これにより、シール部材50は、面一のグロメット側鍔部14の下面14Cとシール収納凹部37の底面との間に跨って、曲げ変形を生じることなく扁平な状態で延在し、ピン側鍔部36と鋼板100の上面100Aとの間の止水シールと、グロメット側鍔部14と鋼板100の上面100Aとの間の止水シールとを同時に行う。
このようにして、本実施形態のクリップでは、一枚のシール部材50によって、ピン側鍔部36と鋼板100の上面100Aとの間の止水シールと、グロメット側鍔部14と鋼板100の上面100Aとの間の止水シールとが行われる。この場合、グロメット側鍔部14と鋼板100の上面100Aとの間の止水シールに加えて、ピン側鍔部36と鋼板100の上面100Aとの間の止水シールも行われるので、雨水等が取付孔102より鋼板100の内側に侵入することを防止することが二重に行われる。これにより、当該部分の止水シールの確実性、信頼性が向上する。
なお、グロメット側鍔部14とピン側鍔部36との間の止水は、鍔部収納凹部39にピン側鍔部36の全体がすっぽり収まり、グロメット側鍔部14の上面が鍔部収納凹部39の底面に密着していることにより、ラビリンスシールにより行われることを期待できる。
また、グロメット10と車体構成部材との間のシール部と、グロメット10とピン30との間のシール部とがピン挿入方向に離れた2段配置になることがないから、車体構成部材である鋼板100よりのピン30の突出高さを低くできる。これにより、ピン30と結合されるスポイラ110のデザインの自由度が大きくなる。
また、本実施形態のクリップでは、シール部材50はシール収納凹部37に収納され、シール収納凹部37の深さB分、シール部材50の外側面がピン側鍔部36と鋼板100の上面100Aとの間隙より外部に露呈しないことにより、スポイラ取付部の外観美がよくなると共に、シール部材50に雨水等が直接あたり難くなり、当該部分の止水シールの信頼性、耐久性が向上する。
シール部材50は、シール収納凹部37の環状平面37Aに対応する部分では、環状平面37Aに面接触する形態で設けられるので、当該部分では、その全域に亘って自由状態での板厚とシール収納凹部37の深さBとの差分だけ一様に圧縮される。これにより、ピン側鍔部36と鋼板100の上面100Aとの間に安定した均一のシール圧による面状のシール領域が得られ、当該部分の止水シールの安定性、信頼性が向上する。
更に、シール部材50は、シール収納凹部(37)の傾斜面37Bに対応する部分では、傾斜面37Bの傾斜に倣ってピン側鍔部36の外周縁側ほど強く圧縮される。これにより、いわえるシール決めが行われ、このことと前述の面状均一シールとの組み合わせによって領域もよって当該部分の止水シールの安定性、信頼性がより一層向上する。
また、グロメット側鍔部14がピン側鍔部36の鍔部収納凹部39に収納されるので、グロメット側鍔部14の厚さ分、ピン側鍔部36が鋼板100の上面100Aより浮き上がることが回避され、ピン側鍔部36と鋼板100の上面100Aとの間に大きい隙間が生じることがない。このことによっても、シール部材50に雨水等が直接あたり難くなり、当該部分の止水シールの信頼性、耐久性が向上する。
つぎに、本発明によるピン・グロメット式のクリップの他の実施形態を、図11を参照して説明する。なお、図11において、図9に対応する部分は、図9に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
この実施形態は、自動車のボディパネル等の第1パネル(取付対象物)120の車外側面にカウルトップパネル等の第2パネル130を固定する実施形態である。この実施形態では、第1パネル120と第2パネル130とに当該両者が重なる部分に取付孔122、132が貫通形成されている。
グロメット10の筒部12は取付孔122、132とに挿入される。この挿入は、弾性爪片20の係止突部20Bが取付孔122、132を通過し、急斜面20Dが第1パネル120の裏面に当接するまで行われる。この挿入が完了すると、シール部材50は、厚さ方向に圧縮弾性変形し、弾性変形した状態でグロメット側鍔部14と第2パネル130の外面との間に挟まれ、この両者間の止水シールを行う。
この実施形態では、ピン30に部品結合部34がなく、ピン30に部品が取り付けられることはない。ピンの軸部32は、前述の実施形態と同様に、グロメット10の内孔16に第2係合突部40が内孔16を通過して急斜面40Bがピン係合部18に当接する第2係止位置まで挿入される。
これにより、この実施形態でも、リブ33が弾性爪片20の背面に当接して弾性爪片20が内側に傾倒することを阻止することにより、係止突部20Bの急斜面20Dが鋼板100の下面100Bに当接した抜け止め状態が強固に維持される。
シール部材50のうち、ピン側鍔部36より外方にはみ出している部分はシール収納凹部37内に納められ、この部分のシール部材50は、前述の実施形態と同様に、シール収納凹部37の環状平面37Aに対応する部分では、環状平面37Aに面接触する形態で設けられるので、当該部分では、その全域に亘って自由状態での板厚とシール収納凹部37の深さBとの差分だけ一様に圧縮される。このようにしてシール部材50が圧縮方向に弾性変形した状態でピン側鍔部36と第2パネル130の外面との間に挟まれることにより、ピン側鍔部36と第2パネル130の外面との間に安定した均一のシール圧による面状のシール領域が得られ、当該部分の止水シールの安定性、信頼性が向上する。
更に、この実施形態でも、シール部材50は、シール収納凹部37の傾斜面37Bに対応する部分では、傾斜面37Bの傾斜に倣ってピン側鍔部36の外周縁側ほど強く圧縮される。これにより、いわえるシール決めが行われ、このことと前述の面状均一シールとの組み合わせによって領域もよって当該部分の止水シールの安定性、信頼性がより一層向上する。
これにより、シール部材50は、面一のグロメット側鍔部14の下面14Cとシール収納凹部37の底面との間に跨って、曲げ変形を生じることなく扁平な状態で延在し、ピン側鍔部36と第2パネル130の外面との間の止水シールと、グロメット側鍔部14と第2パネル130の鋼板100の外面との間の止水シールとを同時に行う。
これにより、本実施形態においても前述の実施形態と同様の効果が得られる。
以上、本発明を、その好適形態実施例について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施形態により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
たとえば、本発明によるクリップは、上述した実施形態の角形に限られことはなく、一般的な丸形のものにも同様に適用可能である。
シール部材50は、必ずしもグロメット側鍔部14とピン側鍔部36とに跨って延在してなくてもよく、少なくとピン側鍔部36の外縁部(グロメット側鍔部14と対応する部位より外方の部位)と鋼板100の上面100Aとの間にのみ設けられていてもよい。この場合、鋼板100に設けられているグロメット10の取付孔102はピン側鍔部36の外縁部と鋼板100の上面100Aとに挟まれた環状のシール部材50の内方にあるから、グロメット10と鋼板100との間のシールは不要になり、取付孔102の部分に雨水等が侵入することもシール部材50によって防がれる。
ピン30の軸部32がグロメット10の筒部12内に挿入されることによりグロメット10を取付対象物に抜け止め固定する構造は、リブ33が弾性爪片20の背面に当接して弾性爪片20が内側に傾倒することを阻止する構造以外に、特許第3539643号公報に示されているように、グロメットに設けられた脚片を拡開する構造等であってもよい。
本発明によるクリップは、スポイラ110の取り付けに限られることなく、各種部品の取り付けに用いられてよい。また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。例えば、仮止めが不要な場合には、第1係合突部38が省略されて第2係合突部40のみが設けられればよい。
10 グロメット
12 筒部
14 グロメット側鍔部
16 内孔
18 ピン係合部
20 弾性爪片
30 ピン
32 軸部
34 部品結合部
36 ピン側鍔部
37 シール収納凹部
38 第1係合突部
39 鍔部収納凹部
40 第2係合突部
50 シール部材
52 四角形開口
100 鋼板(取付対象物)
102 取付孔
110 スポイラ
120 第1パネル
130 第2パネル

Claims (3)

  1. 取付対象物の一つの外面に開口した取付孔に挿入される筒部と、前記筒部の挿入後端側より外方に張り出して前記取付対象物の前記外面に対向するグロメット側鍔部とを具備したグロメットと、
    前記筒部内に挿入されることにより前記グロメットと結合し、当該グロメットを前記取付対象物に抜け止め固定する軸部と、前記軸部の挿入後端側より外方に張り出して前記取付対象物の前記外面に対向するピン側鍔部とを具備したピンとを有し、
    前記ピン側鍔部は前記グロメット側鍔部より外方に張り出しており、当該ピン側鍔部が前記取付対象物の前記外面に対向する側には環状のシール収納凹部および当該シール収納凹部より内方位置にあって前記グロメット側鍔部を収納する鍔部収納凹部が形成されており、
    前記シール収納凹部の底面は前記ピンの軸線に直交する面と平行な環状平面を含んでおり、
    前記シール収納凹部には前記ピン側鍔部と前記取付対象物の前記外面との間に配置される環状平板状のシール部材が前記環状平面と面接触する形態で設けられ、
    前記シール部材は、前記グロメット側鍔部と前記ピン側鍔部とに跨って延在し、前記グロメット側鍔部および前記ピン側鍔部と前記取付対象物の前記外面との間に設けられるクリップ。
  2. 前記シール収納凹部は前記シール部材の厚さより小さい深さを有し、前記鍔部収納凹部は前記シール収納凹部の深さに前記グロメット側鍔部の板厚を加えた深さを有して前記グロメット側鍔部の補形をなす形状の凹部である請求項1に記載のクリップ。
  3. 前記シール部材の外縁寸法は前記ピン側鍔部の外縁寸法より小さい請求項1または2に記載のクリップ。
JP2012085233A 2012-04-04 2012-04-04 クリップ Active JP5850785B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012085233A JP5850785B2 (ja) 2012-04-04 2012-04-04 クリップ
CN201310116284.6A CN103362910B (zh) 2012-04-04 2013-04-03 夹子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012085233A JP5850785B2 (ja) 2012-04-04 2012-04-04 クリップ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013213564A JP2013213564A (ja) 2013-10-17
JP5850785B2 true JP5850785B2 (ja) 2016-02-03

Family

ID=49364962

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012085233A Active JP5850785B2 (ja) 2012-04-04 2012-04-04 クリップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5850785B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105889245A (zh) * 2014-12-05 2016-08-24 安顺市晶英科技研发有限责任公司 一种伸缩式紧固螺栓

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003083313A (ja) * 2001-09-06 2003-03-19 Nifco Inc 留め具
JP4436266B2 (ja) * 2005-02-16 2010-03-24 株式会社ニフコ クリップ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013213564A (ja) 2013-10-17
CN103362910A (zh) 2013-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5243914B2 (ja) ホールプラグ
JP5852877B2 (ja) グロメット及び車両用ドアの止水構造
JP2007218422A (ja) 部品取付用グロメット
US10840632B2 (en) Grommet with deformable seal
JP2014138519A (ja) グロメット
JP2017128150A (ja) サンルーフ装置
JP2020120422A (ja) グロメット
CN217753442U (zh) 外水切组件和车辆
JP4320728B2 (ja) 車両パネルアッセンブリのシール構造及びシーリングストリップ
JP4816486B2 (ja) 車両用外装部品
JP5850785B2 (ja) クリップ
JP6329420B2 (ja) 車両後部ドア
JP6621438B2 (ja) グロメット
US20080284111A1 (en) Hole-sealing cover
US20200295551A1 (en) Resin structure
JP2019075234A (ja) グロメット
JP2013171620A (ja) コネクタの防水構造
JP6131904B2 (ja) グロメット
JP2019075233A (ja) グロメット
JP2007186137A (ja) ガラスラン
JP2006290023A (ja) 内装トリムの固定構造
JP2006224916A (ja) グラスラン型成形部構造
JP4906661B2 (ja) スピーカ取付け構造
JP2017229189A (ja) グロメット
JP5660828B2 (ja) ウェザーストリップの取付構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150519

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150702

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5850785

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250