JP5850235B2 - 避難用建物 - Google Patents
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Description
しかしながら、津波によって避難用建物自体も浸水や破壊により被災し、建物としての機能を喪失していた。つまり、被災した避難用建物の室内は浸水、流出により、建物を機能させるべく電気、ガス、水などの設備、および通信設備など所望の居住が不可能な状態の場合には、津波による被災後に建物までの電気、ガス、水などのライフラインが復旧しても、建物の機能自体が喪失しているので、上述したような避難用建物を拠点として復興活動を行うことが困難となっていた。
また、津波等による被災後であっても被害を抑えた状態で建物本体が残ることから、建物本体のライフライン機能が維持される。そのため、周囲のライフラインの復旧に伴って建物本体の機能を回復することができ、被災後に残った建物本体を拠点として復興事業を行う等の対応が可能となる。
そして、この場合には、津波や洪水による水圧や流出物の衝撃に対する防壁構造として外周防圧壁の他に水平隔壁が設けられるので、仮に外周防圧壁が破壊されてその内側の吹抜け空間に水が流れ込んでも、水平隔壁よりも上側への水の流入が防止され、建物本体への被害を抑制することができる。そのため、建物本体の避難場所としての機能を保つことができるとともに、被災後においても建物本体の機能を維持したまま残しておくことができる。
また、この場合には、津波や洪水による水圧や流出物の衝撃に対する防壁構造として外周防圧壁の他に水平隔壁が設けられるので、仮に外周防圧壁が破壊されてその内側の吹抜け空間に水が流れ込んでも、水平隔壁よりも上側への水の流入が防止され、建物本体への被害を抑制することができる。そのため、建物本体の避難場所としての機能を保つことができるとともに、被災後においても建物本体の機能を維持したまま残しておくことができる。
図1に示すように、本実施の形態による避難用建物1は、沿岸部に配置されており、例えば巨大地震に伴う大規模津波の発生時に緊急避難先として使用される建物である。
図2に示すように、採光部22は、外周防圧壁2の内側に外の光を導入するための補強ガラスブロック壁などの光を通す材料であり、他のコンクリート壁部24の部分と同様に津波による耐圧性能を有している。採光部22とコンクリート壁部24との接合部分は、十分な水密性が確保された状態で接合されている。また、耐圧扉23は、津波発生時に水密に閉じることが可能であり、通常時は開放した状態にすることができる。
また、外壁32には、適宜な箇所に採光窓(図示省略)が設けられ、吹抜け空間Rに外から取り入れられた光をさらに建物本体3の室内に導入される構成となっている。
この吹抜け空間Rは、外周防圧壁2の上端開口2aから採光され、通風されるようになっている。
また、第1吹抜け空間R1には、1階部分F1と2階部分F2との間の位置において、水平方向に延在し、吹抜け空間を上下に区画する水平隔壁4(図3の斜線部分)が設けられている。つまり、第1吹抜け空間R1は、水平隔壁4によって上下の空間が水密な状態で分離され区画されている。水平隔壁4も外周防圧壁2や建物本体3の外壁32と同様に、想定される最大津波に応じた水圧に耐え得る耐圧性能を有している。
図2および図3に示すように、本実施の形態の避難用建物1では、建物本体3が所定の耐圧性能を備えた外周防圧壁2によって全周にわたって囲まれており、津波の発生時において外周防圧壁2内への水の浸入を防止することができ、浸水、あるいは破壊といった建物本体3の被害を抑えることができる。そのため、建物本体3が津波の発生時の緊急避難先として有効的であり、より確実な避難が可能となる。
また、津波による被災後であっても被害を抑えた状態で建物本体3が残ることから、建物本体3のライフライン機能が維持される。そのため、周囲のライフラインの復旧に伴って建物本体3の機能を回復することができ、被災後に残った建物本体3を拠点として復興事業を行う等の対応が可能となる。
例えば、本発明の避難用建物は、新設であることに制限されず、既設の建物に対しても適用可能である。例えば、既設の高層ビル(建物)の周囲に設定される最大水位高さおよび水圧に対応する外周防圧壁を構築することも可能である。
さらに、外周防圧壁2、および建物本体3の高さに制限されることはない。要は、外周防圧壁2の高さが想定される最大水位(津波高さ)よりも大きく設定されていればよいのである。そのため、建物本体3を外周防圧壁2と同じ高さとすることも可能である。
また、外周防圧壁2と建物本体3との間の間隔、すなわち吹抜け空間Rの広さは適宜設定することが可能である。
2 外周防圧壁
3 建物本体
4 水平隔壁
22 採光部
23 耐圧扉
31 屋上避難部
32 外壁(外壁部隔壁)
33 避難階段
34 エレベータ
35 耐水扉
R、R1、R2 吹抜け空間
Claims (5)
- 津波あるいは洪水の発生時の避難拠点として使用するための避難用建物であって、
周方向全周にわたって延在するとともに、津波あるいは洪水による設定最大水位より高く、且つ水圧や流出物による衝撃に耐え得る耐圧性能を備えた外周防圧壁と、
該外周防圧壁の内側に設けられ、ライフライン機能を備えた建物本体と、
を備え、
前記建物本体と前記外周防圧壁との間の吹抜け空間内で水平方向に延在し、該吹抜け空間を上下に区画する水平隔壁が設けられていることを特徴とする避難用建物。 - 前記建物本体の外壁は、全体にわたって水密に設けられた外壁部隔壁により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の避難用建物。
- 津波あるいは洪水の発生時の避難拠点として使用するための避難用建物であって、
周方向全周にわたって延在するとともに、津波あるいは洪水による設定最大水位より高く、且つ水圧や流出物による衝撃に耐え得る耐圧性能を備えた外周防圧壁と、
該外周防圧壁の内側に設けられ、ライフライン機能を備えた建物本体と、
を備え、
前記建物本体の外壁は、全体にわたって水密に設けられた外壁部隔壁により構成され、
前記建物本体と前記外周防圧壁との間の吹抜け空間内で水平方向に延在し、該吹抜け空間を上下に区画する水平隔壁が設けられていることを特徴とする避難用建物。 - 前記外周防圧壁と前記建物本体との間の吹抜け空間には、前記建物本体の上層階に延びる避難階段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の避難用建物。
- 前記外周防圧壁は、外周面が平面視で円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の避難用建物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012007002A JP5850235B2 (ja) | 2012-01-17 | 2012-01-17 | 避難用建物 |
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JP2012007002A JP5850235B2 (ja) | 2012-01-17 | 2012-01-17 | 避難用建物 |
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JP2013147795A JP2013147795A (ja) | 2013-08-01 |
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- 2012-01-17 JP JP2012007002A patent/JP5850235B2/ja active Active
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