JP5849730B2 - 液体噴射ヘッドの製造方法、及び、液体噴射装置の製造方法 - Google Patents

液体噴射ヘッドの製造方法、及び、液体噴射装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、流路形成基板及び振動板に厚み方向へ貫通した貫通孔が形成された液体噴射ヘッドの製造方法、及び、液体噴射装置の製造方法に関する。
結晶を歪ませると帯電し、また電界中に置くことにより歪みを生じるという特徴を持つ圧電材料は、インクジェットプリンター等に用いられる液体噴射ヘッドに広く使用されている。このような液体噴射ヘッドとして、ノズル開口に連通する各圧力発生室が長手方向を並行させて形成された流路形成基板と、この流路形成基板上に設けられた振動板と、この振動板上に設けられた圧電素子と、流路形成基板の圧電素子が設けられた面に接着されたリザーバ形成基板とを備えた液体噴射ヘッドが知られている(特許文献1参照)。この液体噴射ヘッドの圧力発生室に繋がるリザーバは、流路形成基板、振動板及びリザーバ形成基板を厚み方向へ貫通している。
流路形成基板をウェットエッチングして圧力発生室やリザーバ部等の液体流路を形成するとき、エッチング液が圧電素子側に侵入しないようにする必要がある。そこで、液体流路を形成する前に、リザーバ用に振動板に形成された貫通部にある流路形成基板上に封止層をスパッタ法等で堆積することがある。
また、液体噴射ヘッドに用いるインクは、アルカリ性であることが多い。流路形成基板に用いられるシリコン単結晶基板は、アルカリ性の水溶液に対して浸食される可能性がある。そこで、振動板及び圧電素子を設けた流路形成基板に形成された圧力発生室及びリザーバ部の内面に五酸化二タンタル(Ta25)等の保護膜をスパッタ法等で堆積することがある。ここでも、封止層は保護膜の材料が圧電素子側に侵入しないようにする。
上記封止層上の保護膜を除去するため、流路形成基板全体の保護膜上に内部応力が圧縮応力である圧縮応力層をスパッタ法等で堆積することがある。封止層上の保護膜は、圧縮応力層により剥離され易くなっている。この性質を利用してリザーバ部分の圧縮応力層を保護膜とともに除去し、封止層を除去することにより、厚み方向へ貫通したリザーバを形成することができる。
特開2008−100416号公報
しかし、圧縮応力層の厚みによっては、圧力発生室に対応した領域の振動板、特に、圧力発生室の幅方向における振動板の端部にクラックが生じる可能性があり、液体噴射ヘッドの耐久性が低下する可能性がある。なお、このような問題は、保護膜及び圧縮応力層を形成する種々の方法について同様に存在する。
以上を鑑み、本発明の目的の一つは、圧力発生室に対応した領域の振動板のクラックを抑制する液体噴射ヘッドの製造方法を提供することにある。
上記目的の一つを達成するため、本発明は、流路形成基板及び該流路形成基板に設けられた振動板に、厚み方向へ貫通した貫通孔が形成された液体噴射ヘッドの製造方法であって、
前記振動板の前記貫通孔に対応した貫通部が封止された状態で、ノズル開口に連通する圧力発生室、及び、前記貫通孔となる開口部を前記流路形成基板に形成する工程と、
前記圧力発生室及び前記開口部の内面に耐液体性を有する保護膜を形成する工程と、
前記貫通孔に対応した領域の少なくとも一部に穴を有し前記圧力発生室に対応した領域を覆う別形成されたマスクを通して内部応力が圧縮応力である圧縮応力層を前記保護膜形成後の開口部の前記貫通孔に対応した内面に形成する圧縮応力層形成工程と、
前記貫通孔に対応した領域の圧縮応力層及び保護膜を除去して前記貫通孔を形成する工程と、を備えた態様を有する。
また、本発明は、上記液体噴射ヘッドの製造方法を含む液体噴射装置の製造方法の態様を有する。
上記マスクを用いず、保護膜の全面に圧縮応力層を形成すると、保護膜を残すべき圧力発生室内面等の箇所の保護膜に圧縮応力が加わるため、フォトエッチングによる圧縮応力層の加工を実施する前に振動板のクラックを引き起こしてしまう。また、圧力発生室等を形成した流路形成基板は、凹凸が大きいため、レジストの被覆性の問題があり加工がし難い。リフトオフによる選択成膜プロセスも同様にレジストを使用するため採用し難い。本態様は、貫通孔に対応した領域の少なくとも一部に穴を有し圧力発生室に対応した領域を覆う別形成されたマスクを通して圧縮応力層を保護膜形成後の開口部の貫通孔に対応した内面に形成する。これにより、保護膜形成後の開口部の貫通孔に対応した領域は圧縮応力層が形成されて保護膜が除去される一方、保護膜形成後の圧力発生室は圧縮応力層が形成されず、圧力発生室に対応した領域の振動板のクラックが抑制される。従って、本態様は、圧力発生室に対応した領域の振動板のクラックを抑制する液体噴射ヘッドの製造方法を提供することができる。
ここで、上記貫通孔には、リザーバ用の貫通孔、位置決め用の貫通孔、チップ分割用のブレイクパターン(スクライブパターン)のための貫通孔、インク供給のための貫通孔等が含まれる。
ところで、前記マスクに前記貫通孔に対応した領域よりも小さい前記穴を有するマスクを用いると、マスクの穴を通って貫通孔に対応した領域外に回り込む圧縮応力層が少なくなり、貫通孔に対応した領域外の保護膜に加わる圧縮応力が小さくなる。従って、本態様は、振動板のクラックを抑制する好ましい液体噴射ヘッドの製造方法を提供することができる。
前記保護膜の材料に少なくとも酸化タンタルを用いる態様は、液体による流路形成基板の浸食を抑制する好適な製造方法を提供することができる。
前記圧縮応力層の材料に少なくともチタンタングステンを用いると、貫通孔に対応した領域の保護膜を圧縮応力層とともに容易に除去することができる。
前記振動板の貫通部を封止する封止層の材料に前記振動板上の圧電素子から引き出されるリード電極と同じ材料を少なくとも用いると、リード電極の形成時に封止層も形成することができ、液体噴射ヘッドの製造コストを低減することができる。
前記貫通孔に繋がる連通孔を形成した連通孔形成基板を前記振動板が設けられた流路形成基板に接合する工程を備える態様は、圧力発生室に対応した領域の振動板のクラックを抑制する好適な液体噴射ヘッドの製造方法を提供することができる。
記録ヘッド(液体噴射ヘッド)の圧縮応力層形成工程S8を例示するための端面図。 記録ヘッド(液体噴射ヘッド)1の構成の概略を例示する便宜上の分解斜視図。 (a)は記録ヘッド1の構成の概略を例示する平面図、(b)は(a)のA1−A1の位置で記録ヘッド1の1セグメントを破断した端面図。 (a)〜(d)は記録ヘッド1の製造工程を例示するための端面図。 (a)〜(c)は記録ヘッド1の製造工程を例示するための端面図。 (a)〜(c)は記録ヘッド1の製造工程を例示するための端面図。 (a),(b)は記録ヘッド1の製造工程を例示するための端面図。 (a),(b)は記録ヘッド1の製造工程を例示するための端面図。 製造途中の記録ヘッドの位置決め孔8付近を破断した端面図。 記録装置(液体噴射装置)200の構成の概略を例示する図。 比較例に係る記録ヘッドの圧縮応力層形成工程を示すための端面図。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下に説明する実施形態は、本発明を例示するものに過ぎない。
(1)液体噴射ヘッドの構成:
図1は、圧縮応力層形成工程S8を例示するため製造途中の記録ヘッド(液体噴射ヘッド)を圧力発生室の長手方向D2に沿って破断した垂直端面図である。図2は記録ヘッド(液体噴射ヘッド)1を便宜上、分解した分解斜視図、図3(a)は記録ヘッド1の構成の概略を例示する平面図、図3(b)は図3(a)のA1−A1の位置で記録ヘッド1の1セグメントを破断した端面図、である。D1は圧力発生室12の幅方向、D2は幅方向D1と直交する圧力発生室12の長手方向、を示している。D3は、流路形成基板10、振動板16、連通孔形成基板50、等の厚み方向、すなわち、圧力発生室12の深さ方向を示している。分かり易く示すため、幅方向D1及び厚み方向D3の拡大率は長手方向D2の拡大率よりも大きくされ、各図は整合していないことがある。
なお、本明細書で説明する位置関係は、発明を説明するための例示に過ぎず、発明を限定するものではない。従って、第1電極の上以外の位置、例えば、下、左、右、等に第2電極が配置されることも、本発明に含まれる。
記録ヘッド1に例示される液体噴射ヘッドは、流路形成基板10及び該流路形成基板10に設けられた振動板16に、厚み方向D3へ貫通した貫通孔7が形成されている。貫通孔7には、例えば、図3(b)等に示すようなリザーバ9の貫通孔や、図9に示すような位置決め孔8の貫通孔や、チップ分割用のブレイクパターンのための貫通孔、等がある。ブレイクパターンのための貫通孔の断面構造も、図9に示す貫通孔7の断面構造と同様である。リザーバ9は、流路形成基板10の連通部13a(開口部13の一種)と連通孔形成基板50の連通孔51aとが振動板16の貫通部17で繋がり、共通の液体室(例えばインク室)とされている。位置決め孔8は、流路形成基板10の連通部13b(開口部13の一種)と連通孔形成基板50の連通孔51bとが振動板16の貫通部17で繋がっている。位置決め孔8は、位置決めピンを貫通させることにより、流路形成基板10、ノズルプレート70、コンプライアンス基板60の少なくとも一部を互いに位置決めするための貫通孔である。流路形成基板10には、ノズル開口71に連通する圧力発生室12、開口部13、インク供給口14、等の液体流路が形成されている。この液体流路を流れる液体による浸食を抑制するため、液体流路(12,13,14)の内面に保護膜80が形成されている。
図10に示す記録装置200に例示される液体噴射装置は、上述のような液体噴射ヘッドを備える。
記録ヘッド1は、概略、ノズルプレート70、流路形成基板10、振動板16、圧電素子3、連通孔形成基板50、コンプライアンス基板60、が順に積層された構造とされている。振動板16は、分離されない材料の表面を変性する等して一体に形成されてもよいし、接合されて積層されてもよい。
流路形成基板10は、膜厚が例えば500〜800μm程度と比較的厚く剛性の高いシリコン単結晶基板等から形成することができる。流路形成基板10は、セグメントSG1間が隔壁11により区画され、セグメントSG1毎の長尺な液体流路(12,14)、各インク供給口14に繋がる共通の液体流路である連通部13a(開口部13の一種)、等が形成されている。長尺な圧力発生室12のサイズは、特に限定されないが、例えば、長手方向D2の長さを500〜2000μm程度、短手方向である幅方向D1の幅を20〜50μm程度、とすることができる。インク供給口14は、圧力発生室12よりも細幅とされている。各液体流路(12,14)は、圧力発生室12の並設方向である幅方向D1へ並べられている。
液体流路(12,13,14)の内面に設けられた保護膜80には、耐液体性を有する材料が用いられている。液体噴射ヘッドに用いるインクはアルカリ性であることが多い一方、流路形成基板10に用いられるシリコン基板はアルカリ性の水溶液に対して浸食される可能性がある。従って、耐インク性(耐液体性の一種)を有する材料には、耐アルカリ性を有する材料が好ましい。このような材料は、五酸化二タンタル(Ta25)といった酸化タンタル(TaOx)が好ましいものの、酸化タンタル以外の金属酸化物等を用いることもできる。
振動板16には、貫通孔7に対応した貫通部17が形成されている。図3(b)等に示す振動板16は、シリコン基板15上に形成された弾性膜16aと、この弾性膜16a上に形成された絶縁膜16bとを有している。貫通部17は、弾性膜16aの貫通部17aと絶縁膜16bの貫通部17bとが繋がっている。弾性膜16aは例えば酸化シリコン(SiOx)で構成することができ、絶縁膜16bは例えば酸化ジルコニウム(ZrOx)で構成することができる。振動板16の厚みは、弾性を示す限り特に限定されないが、例えば0.5〜2μm程度とすることができる。
圧電素子3は、圧電体層30と、圧電体層30の圧力発生室12側に設けられた下電極(第1電極)20と、圧電体層30の他方側に設けられた上電極(第2電極)40とを有している。すなわち、下電極20は、圧電体層30の絶縁膜16b側、すなわち、圧力発生室12側に設けられている。上電極40は、圧力発生室12の絶縁膜16bとは反対側、すなわち、圧力発生室12とは反対側に設けられている。また、圧電素子3には、接続配線66を介して駆動回路65に接続するために引き出されたリード電極45等が設けられている。図3(b)に示すリード電極45は、振動板16上に形成された密着層46と、この密着層46上に形成された金属層47とを有している。金属層47の構成金属には、Au(金)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、これらの混合物、等を用いることができる。密着層46には、ニッケルクロム(NixCr1-x;0<x<1)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、等を用いることができる。むろん、振動板16と金属層47との密着力が十分であれば、密着層46を省略可能である。また、これらの層46,47以外の層がリード電極45に設けられてもよい。
一般的には、圧電素子3の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層30を圧力発生室12毎にパターニングして圧電素子3を構成する。図2等に示す圧電素子3は、下電極20を共通電極とし、上電極40を個別電極としている。
圧電体層30は、少なくとも圧力発生室12に対応した領域(圧力発生室対応領域R1)において、本質的に、下電極20の上面に形成されている。圧力発生室対応領域R1の圧電体層30は、圧力発生室12の幅よりも狭い幅で形成された狭幅部を有している。すなわち、圧力発生室の幅方向D1において、圧電体層30の狭幅部の境界位置は、圧力発生室12の境界位置よりも内側とされている。圧電体層30には、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛、Pb(Zrx,Ti1-x)O3)といった強誘電体、これに酸化ニオブ、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、といった金属酸化物が添加されたもの、(Bi,Ba)(Fe,Ti)O3といった非鉛系ペロブスカイト型酸化物、この酸化物のBサイトにマンガンといった金属が添加されたもの、等のペロブスカイト構造を有する材料を用いることができる。
圧電体層30の厚みは、特に限定されないが、例えば0.2〜5μm程度とすることができる。
電極(20,40)の構成金属には、Pt(白金)、Au、Ir(イリジウム)、Ti(チタン)、等の1種以上を用いることができる。構成金属は、酸化物といった化合物の状態でもよいし、化合していない状態でもよく、合金の状態でもよいし、単独の金属の状態でもよく、これらの金属を主成分としてモル比で少ない別の金属が含まれてもよい。電極(20,40)の厚みは、特に限定されないが、例えば10〜500nm程度とすることができる。
圧電素子3の実質的な能動部4は、下電極20と上電極40とで圧電体層30が挟まれた領域となる。圧電素子が共通下電極構造である場合、能動部4の能動端は上電極40の境界位置となる。圧電素子が共通上電極構造である場合、能動部4の能動端は下電極20の境界位置となる。能動部4の幅は、圧力発生室の幅よりも小さい範囲で特に限定されないが、例えば10〜100μm程度とすることができる。幅方向能動端が圧力発生室12の境界位置よりも内側にあるため、圧力発生室対応領域R1内において能動部4の幅方向外側領域は、可撓性の非能動部となる。この非能動部の幅は、特に限定されないが、例えば3〜10μm程度とすることができる。
なお、リザーバ9近傍の振動板16上、具体的には絶縁膜16b上に、リード電極45と同じ材料でリード電極45とは不連続に形成された封止層48が残されている。封止層48は、流路形成基板をエッチングして圧力発生室やリザーバ部等の液体流路を形成するとき、エッチング液等が圧電素子側に侵入しないようにし、図8(a),(b)に示すように液体流路形成後に貫通孔7に対応した貫通孔対応領域R3が除去される。貫通孔7の周囲に封止層48が残されていることにより、貫通孔周囲の振動板16が補強されている。
振動板16や圧電素子3やリード電極45等を積層した流路形成基板10には、例えば接着剤55によって連通孔形成基板50が接合されている。この連通孔形成基板50を厚み方向へ貫通した連通孔51aは、連通部13aとともにリザーバ9を構成する。圧電素子3に対向する領域に形成された圧電素子保持部52は、圧電素子3の運動を阻害しない程度の空間を有する。連通孔形成基板50には、例えば、シリコン単結晶基板、ガラス、セラミックス材料、等を用いることができる。連通孔形成基板50の厚みは、特に限定されないが、例えば100〜500μm程度とすることができる。
連通孔形成基板50上には、コンプライアンス基板60及び駆動回路65が固定されている。
コンプライアンス基板60に設けられた封止膜61は、例えば厚み4〜8μm程度のポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)といった剛性が低く可撓性を有する材料等が用いられ、連通孔51の一方の面を封止する。また、コンプライアンス基板60に設けられた固定板62は、例えば厚み20〜40μm程度のステンレス鋼(SUS)といった金属等の硬質の材料が用いられ、リザーバ9に対向する領域が開口部63とされている。
駆動回路65は、接続配線66を介してリード電極45と電気的に接続され、並設された圧電素子3を駆動する。駆動回路65には、回路基板、半導体集積回路(IC)、等を用いることができる。接続配線66には、ボンディングワイヤといった導電性ワイヤ等を用いることができる。
ノズルプレート70には、各圧力発生室12のインク供給口14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口71が穿設されている。従って、圧力発生室12は、液体を吐出するノズル開口71に連通している。ノズルプレート70は、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、ステンレス鋼、等を用いることができ、流路形成基板10の開口面側に固着されている。ノズルプレート70の厚みは、特に限定されないが、例えば0.01〜1mm程度とすることができる。
ところで、図6(b)に示すように流路形成基板10をウェットエッチングして圧力発生室12や連通部13a等の液体流路を形成するとき、エッチング液が圧電素子3側に侵入しないようにする必要がある。そこで、液体流路(12,13,14)を形成する前に、振動板16の貫通部17にある流路形成基板10上に封止層48を形成している。図3(b)や図9に示す封止層48は、流路形成基板10上に形成された密着層46と、この密着層46上に形成された金属層47とを有している。封止層の金属層47の構成金属には、Au(金)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、これらの混合物、等の比較的導電性の高い材料を用いることができる。封止層の密着層46には、ニッケルクロム、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、等を用いることができる。むろん、流路形成基板10と金属層47との密着力が十分であれば、密着層46を省略可能である。また、これらの層46,47以外の層が封止層48に設けられてもよい。さらに、封止層48は、リード電極45に無い層が設けられてもよいし、リード電極45とは異なる層とされてもよい。
封止層48の材料に振動板16上の圧電素子3から引き出されるリード電極46と同じ材料を少なくとも用いると、リード電極45の形成時に封止層48も形成することができ、液体噴射ヘッドの製造コストを低減することができる。
また、シリコン基板15は、アルカリ性のインク等に対して浸食される可能性がある。このため、図7(a)に示すように、液体流路(12,13,14)の内面に耐液体性を有する保護膜80を形成している。保護膜80の材料は、五酸化二タンタル(Ta25)といった酸化タンタル(TaOx)を少なくとも含む耐アルカリ性を有する材料が好ましい。保護膜80の厚みは、特に限定されないが、例えば10〜100nm程度とすることができる。保護膜の材料に少なくとも酸化タンタルを用いる製造方法は、液体による流路形成基板の浸食を抑制するのに好適である。
図3(b)に示すようなリザーバ9や図9に示すような位置決め孔8やチップ分割用のブレイクパターン用孔といった貫通孔7を形成するためには、封止層48上の保護膜80を除去する必要がある。そこで、図7(b)に示すように、保護膜形成後の開口部13の貫通孔7に対応した内面に内部応力が圧縮応力である圧縮応力層85を例えば気相法により形成している。この気相法には、スパッタ法、パルスレーザデポジション(PLD)法、有機金属気相成長(MOCVD)法、等を用いることができる。
図11は、別形成されたマスク90を用いず、保護膜80の全面に圧縮応力層85をスパッタ法といった気相法により形成した比較例を示す垂直端面図である。図11は、製造途中の記録ヘッドを圧力発生室の長手方向に沿って破断して示している。図11に示すように保護膜80の全面に圧縮応力層85を形成すると、圧縮応力が不要であり保護膜80を残すべき圧力発生室内面等の箇所の保護膜80に圧縮応力が加わる。このため、圧力発生室対応領域R1等の振動板16、特に、圧力発生室12の幅方向D1における振動板16の端部にクラックが生じる可能性があり、液体噴射ヘッド(1)の耐久性が低下する可能性がある。
保護膜80の全面に圧縮応力層を形成した場合、形成時点で圧縮応力が不要である圧力発生室等にも圧縮応力がかかるため、フォトエッチングにより前記圧力発生室の圧縮応力層を除去する前にクラックが発生してしまう可能性がある。さらに、流路形成基板10には数十μm単位の大きな凹凸があるため、レジストの被覆性の問題があり、フォトエッチングすること自体が困難である。このため、フォトエッチングによる圧縮応力層の加工は難しい。
また同様にレジストの被覆性の問題があるため、リフトオフによる選択成膜プロセスも採用し難い。
本製造方法は、図1に示すように、流路形成基板10の圧力発生室12側に別形成されたマスク90を設け、例えば気相法によりマスク90の貫通穴(91)を通して圧縮応力層85を保護膜形成後の開口部13の貫通孔7に対応した内面に形成する。ここで、「別形成されたマスク」には、レジストなど流路形成基板上に対して化学的に形成したマスクが含まれない。このマスク90を貫通した穴91は、貫通孔7に対応した貫通孔対応領域R4の少なくとも一部に設けられている。一方、マスク90は、圧力発生室12に対応した圧力発生室対応領域R2を少なくとも覆う。これにより、保護膜形成後の開口部13の貫通孔対応領域R3は圧縮応力層85が選択的に形成されて保護膜80が除去される一方、保護膜形成後の圧力発生室12は圧縮応力層85が形成されず、圧力発生室対応領域R1の振動板16のクラックが抑制される。
マスクの穴91は、貫通孔対応領域R4と同じ大きさでもよいが、図1に示すように貫通孔対応領域R4よりも小さくしてもよい。すると、マスクの穴91を通って貫通孔対応領域R4外に回り込む圧縮応力層85が少なくなり、貫通孔対応領域R4外の保護膜80に加わる圧縮応力が小さくなる。従って、振動板16のクラックがさらに抑制される。
別形成されるマスク90は、流路形成基板10とは別に穴91が形成されるマスクであればよく、各種のメタルスルーマスクやハードマスク等を用いることができる。むろん、マスクの材質は、金属、セラミック、酸化物、合成樹脂、等、種々の材質とすることができる。
封止層48上の保護膜80は、内部応力が圧縮応力である圧縮応力層85により剥離され易くなっている。この性質を利用して貫通孔7に対応した貫通孔対応領域R3の圧縮応力層85を保護膜80とともに除去し、封止層48を除去することにより、厚み方向D3へ貫通した貫通孔7を形成している。圧縮応力層85の材料は、チタンタングステン(Tix1-x;0<x<1)を少なくとも含む材料が好ましい。圧縮応力層の材料に少なくともチタンタングステンを用いる製造方法によると、貫通孔に対応した領域の保護膜を圧縮応力層とともに容易に除去することができる。
(2)液体噴射ヘッドの製造方法の例:
次に、図4〜8を参照して、記録ヘッドの製造方法を例示する。図4〜8は、圧力発生室の長手方向D2に沿った垂直端面図である。まず、流路形成基板10用のシリコンウェハを例えば1100℃程度の拡散炉で熱酸化する等によって、図4(a)に示するように、シリコン基板15の表面に対して弾性膜16aを一体に形成する。弾性膜16aは、二酸化シリコン(SiO2)等で構成することができ、例えば厚み0.8〜1.5μm程度とすることができる。次いで、図4(b)に示すように、弾性膜16a上に絶縁膜16bを形成する。例えば、スパッタ法等によりジルコニウム(Zr)層を弾性膜16a上に形成した後にジルコニウム層を例えば500〜1200℃程度の拡散炉で熱酸化することにより、酸化ジルコニウム層を絶縁膜16bとして形成することができる。絶縁膜16bの厚みは、例えば0.3〜0.5μm程度とすることができる。以上が、振動板形成工程S1である。
次いで、スパッタ法等によって振動板16上に下電極20を形成する。図4(c)に示す例では、下電極20を形成した後にパターニングしている。なお、上述した酸化ジルコニウム層の代わりに、又は、酸化ジルコニウム層に加えて、窒化チタンアルミ(TiAlN)膜、Ir膜、酸化イリジウム(IrO)膜、等の層を密着層又は拡散防止層として振動板16上に形成したうえで、当該層上に下電極20を形成してもよい。
次いで、スピンコート法といった液相法等によって少なくとも下電極20上に圧電体層30を形成し、スパッタ法等によって少なくとも圧電体層30上に上電極40を形成する。図4(d)に示す例では、上電極40を形成した後に圧電体層30及び上電極40をパターニングしている。これにより、圧電体層30及び電極(20,40)を有する圧電素子3が形成され、この圧電素子3及び振動板16を備えた圧電アクチュエーター2が形成される。以上が、圧電素子形成工程S2である。
圧電体層30を形成する場合、例えば、上述したPZTを構成する金属の有機物を分散媒に分散した前駆体溶液を用い、塗布工程、乾燥工程、脱脂工程、及び、焼成工程を経て結晶化させることにより、圧電体層30が形成される。前記塗布工程では、下電極20を形成した絶縁膜16bの上側に前記前駆体溶液を例えばスピンコート法により塗布する。前記乾燥工程では、塗布膜を、例えば、170〜180℃程度に加熱し8〜30分程度保持して乾燥する。前記脱脂工程では、乾燥後の膜を、例えば、300〜400℃程度に加熱し10〜30分程度保持して脱脂する。前記焼成工程では、脱脂後の膜を、例えば、550〜800℃程度に加熱し5〜30分間程度焼成してペロブスカイト型酸化物を形成させ、圧電体層30を形成する。圧電体層30を厚くするため、塗布工程と乾燥工程と脱脂工程と焼成工程の組合せを複数回行ってもよい。なお、液相法以外にも、MOD(Metal-Organic Decomposition)法やスパッタ法等で圧電体層30を形成してもよい。
次いで、図4(d)に示すように、振動板16をパターニングして、貫通孔7が形成される貫通孔対応領域R3の振動板16に貫通部17を形成する。例えば、絶縁膜16bをエッチングして貫通部17bを形成し、さらに弾性膜16aをエッチングして貫通部17aを形成する。図4(d)に示す貫通部17bは貫通部17aよりも開口面積が大きくされているが、両貫通部17a,17bは同じ大きさで形成されてもよい。以上が、貫通部形成工程S3である。
次いで、図5(a)に示すように、基板上にリード電極45及び封止層48を同時に形成する(封止層形成工程S4)。例えば、圧電素子3を設けた基板の全面に亘ってニッケルクロム等の密着層46をスパッタ法等により形成し、この密着層46上に金等の金属層47をスパッタ法等により形成し、レジスト等からなるマスクパターンを介してパターニングすればよい。すると、貫通孔7に対応した貫通孔対応領域R3にリード電極45とは不連続の封止層48を残し、振動板16の貫通部17を封止することができる。この封止層形成工程S4により、リード電極45と同時に隔離層である封止層48を形成することができ、製造工程を簡略化してコストを低減することができる。むろん、リード電極45の形成とは別に封止層48を形成してもよい。
なお、電極(20,40)や密着層46や金属層47は、DC(直流)マグネトロンスパッタリング法といったスパッタ法等によって形成することができる。各層の厚みは、スパッタ装置の印加電圧やスパッタ処理時間を変えることにより調整することができる。
次いで、図5(b)に示すように、圧電素子保持部52等を予め形成した連通孔形成基板50を基板上に例えば接着剤55によって接合する(連通孔形成基板接合工程S5)。
次いで、図5(c)の破線で示すように、弾性膜16aを形成したシリコン基板15を例えば60〜80μm程度にする。例えば、当該シリコン基板15において圧電素子3とは反対側をある程度の厚さとなるまで研磨した後、さらにフッ硝酸によってウェットエッチングすることにより所定の厚みにする。次いで、図6(a)に示すように、当該シリコン基板15において圧力発生室12側となる面にマスク膜18を形成し、所定形状にパターニングする。マスク膜18には、窒化シリコン(SiN)等を用いることができる。次いで、KOH水溶液等のアルカリ溶液を用いてシリコン基板15を異方性エッチング(ウェットエッチング)する。これにより、図6(b)に示す液体流路(12,13b,14)や、図9に示す連通部13b等が同時に形成される。このとき、振動板の貫通部17が封止層48で封止された状態であるので、貫通部17から圧電素子3側にエッチング液が流れ込まない。これにより、圧電素子3や連通孔形成基板50に意図しないエッチングが行われたり、連通孔形成基板50の表面に設けられている配線が断線したりする不具合を抑制することができる。以上が、圧力発生室12及び開口部13を形成する流路形成工程S6である。
なお、液体流路(12,13,14)は、圧電素子3の形成前に形成されてもよい。
次いで、圧力発生室12や開口部13等の内面に耐液体性を有する保護膜80を形成する。封止層48の密着層46に保護膜80を積層しても貫通孔に対応した貫通孔対応領域R3の保護膜80を除去して貫通孔7を形成することができる。必要に応じて、図6(c)に示すように、貫通孔7内の封止層48の一部、具体的には、開口部13側に露出している密着層46と、この密着層46が拡散している金属層47の一部とを、開口部13側からウェットエッチング(ライトエッチング)することにより除去してもよい。これにより、後の工程で形成される保護膜80と封止層48との密着力が弱められ、封止層48上の保護膜80が剥離し易くなる。
図7(a)に示す例では、流路形成基板10からマスク膜18を除去し、液体流路(12,13a,14)や連通部13bの内面を含む圧力発生室側の全面に亘って酸化タンタル等の耐アルカリ性を有する保護膜80をスパッタ法等によって形成している。振動板の貫通部17が封止層48によって封止されているため、流路形成基板10の圧電素子3側に保護膜80が形成されない。従って、リード電極45や連通孔形成基板50の配線の接続不良等が抑制される。以上が、保護膜形成工程S7である。
次いで、図1に示すように、流路形成基板10の圧力発生室12側に別成形されたマスク90を配置し、例えば気相法によりマスク90を通して内部応力が圧縮応力である圧縮応力層85を保護膜形成後の開口部13の貫通孔7に対応した内面に形成する。スパッタ装置の加熱等により流路形成基板10の圧力発生室12側へ飛散する圧縮応力層の材料は、マスクの穴91を通って所要箇所の保護膜80上に堆積する。マスク90の穴91は貫通孔対応領域R4の少なくとも一部に設けられている一方、マスク90は圧力発生室対応領域R2等を覆っている。従って、図7(b)に示すように、圧縮応力層85が保護膜形成後の開口部13の貫通孔7に対応した内面に対して選択的に形成される。以上が、圧縮応力層形成工程S8である。
高応力材料の圧縮応力層85を保護膜80上に形成すると、圧縮応力層85の応力によって封止層48上に形成された保護膜80が剥がれ始める。この圧縮応力層85をウェットエッチングにより除去すると、図8(a)に示すように、封止層48上の保護膜80を圧縮応力層85と共に除去することができる。一方、保護膜80を残すべき圧力発生室12内面等の箇所の保護膜80上に圧縮応力層85が形成されていないので、圧力発生室対応領域R1等の振動板16のクラックが抑制される。
さらに、図8(b)に示すように、封止層48を開口部13側からウェットエッチングして貫通させ、貫通孔7を形成する。このウェットエッチングは、貫通部17aを有する弾性膜16aをマスクとして行うことができる。以上が、貫通孔形成工程S9である。
次いで、流路形成基板10及び連通孔形成基板50の周縁部の不要部分を例えばダイシングにより切断して除去する。次いで、図3(b)に示されるように、ノズル開口71を予め形成したノズルプレート70をシリコン基板15の圧力発生室12側の面に接合する。流路形成基板10の開口面側に対するノズルプレート70の固着には、接着剤、熱溶着フィルム、等を用いることができる。
次いで、封止膜61と固定板62を積層したコンプライアンス基板60を連通孔形成基板50上に接合し、所定のチップサイズに分割する。また、連通孔形成基板50上には、駆動回路65が固定される。
以上により、記録ヘッド1が製造される。
本記録ヘッド1は、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、リザーバ9からノズル開口71に至るまで内部をインクで満たす。駆動回路65からの記録信号に従い、圧力発生室12毎に下電極20と上電極40との間に電圧を印加すると、圧電体層30、下電極20及び振動板16の変形によりノズル開口71からインク滴が吐出する。
以上説明したように、本製造方法によると、保護膜形成後の開口部13の貫通孔対応領域R3は圧縮応力層85が形成されて保護膜80が除去される一方、保護膜形成後の圧力発生室12は圧縮応力層85が形成されない。従って、圧力発生室対応領域R1の振動板16のクラックを抑制することができる。
(3)液体噴射装置:
図10は、上述した記録ヘッド1を有するインクジェット式の記録装置(液体噴射装置)200の外観を示している。記録ヘッド1を記録ヘッドユニット211,212に組み込むと、耐久性を向上させた記録装置200を製造することができる。図10に示す記録装置200は、記録ヘッドユニット211,212のそれぞれに、記録ヘッド1が設けられ、外部インク供給手段であるインクカートリッジ221,222が着脱可能に設けられている。記録ヘッドユニット211,212を搭載したキャリッジ203は、装置本体204に取り付けられたキャリッジ軸205に沿って往復移動可能に設けられている。駆動モーター206の駆動力が図示しない複数の歯車及びタイミングベルト207を介してキャリッジ203に伝達されると、キャリッジ203がキャリッジ軸205に沿って移動する。図示しない給紙ローラー等により給紙される記録シート290は、プラテン208上に搬送され、インクカートリッジ221,222から供給され記録ヘッド1から吐出するインクにより印刷がなされる。
(4)応用、その他:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
上述した製造工程の順序は、適宜、変更可能である。例えば、振動板形成工程S1で振動板16を形成した後、先に貫通部17を形成し、この貫通部17に封止層48を形成してから圧電素子3を形成してもよい。
上述した実施形態では圧電素子を共通下電極構造としたが、圧電素子を共通上電極構造とすることも可能である。
上述した実施形態では圧力発生室毎に個別の圧電体を設けているが、複数の圧力発生室に共通の圧電体を設け圧力発生室毎に個別電極を設けることも可能である。
上述した実施形態では流路形成基板にリザーバの一部を形成しているが、流路形成基板とは別の部材にリザーバを形成することも可能である。
上述した実施形態では圧電素子の上側を圧電素子保持部で覆っているが、圧電素子の上側を大気に開放することも可能である。
流体噴射ヘッドから吐出される液体は、液体噴射ヘッドから吐出可能な材料であればよく、染料等が溶媒に溶解した溶液、顔料や金属粒子といった固形粒子が分散媒に分散したゾル、等の流体が含まれる。このような流体には、インク、液晶、等が含まれる。液体噴射ヘッドは、プリンターといった画像記録装置の他、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造装置、有機ELディスプレー等の電極の製造装置、バイオチップ製造装置、等に搭載可能である。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、圧力発生室に対応した領域の振動板のクラックを抑制する液体噴射ヘッドの製造方法等の技術を提供することができる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
1…記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、2…圧電アクチュエーター、3…圧電素子、7…貫通孔、8…位置決め孔、9…リザーバ、10…流路形成基板、12…圧力発生室、13…開口部、13a,13b…連通部、15…シリコン基板、16…振動板、16a…弾性膜、16b…絶縁膜、17,17a,17b…貫通部、20…下電極(第1電極)、30…圧電体層、40…上電極(第2電極)、45…リード電極、46…密着層、47…金属層、48…封止層、50…連通孔形成基板、51…連通孔、60…コンプライアンス基板、65…駆動回路、70…ノズルプレート、71…ノズル開口、80…保護膜、85…圧縮応力層、90…マスク、91…穴、200…記録装置(液体噴射装置)、D1…圧力発生室の幅方向、D2…圧力発生室の長手方向、D3…厚み方向、R1,R2…圧力発生室対応領域、R3,R4…貫通孔対応領域、S1…振動板形成工程、S2…圧電素子形成工程、S3…貫通部形成工程、S4…封止層形成工程、S5…連通孔形成基板接合工程、S6…流路形成工程、S7…保護膜形成工程、S8…圧縮応力層形成工程、S9…貫通孔形成工程。

Claims (7)

  1. 流路形成基板及び該流路形成基板に設けられた振動板に、厚み方向へ貫通した貫通孔が形成された液体噴射ヘッドの製造方法であって、
    前記振動板の前記貫通孔に対応した貫通部が封止された状態で、ノズル開口に連通する圧力発生室、及び、前記貫通孔となる開口部を前記流路形成基板に形成する工程と、
    前記圧力発生室及び前記開口部の内面に耐液体性を有する保護膜を形成する工程と、
    前記貫通孔に対応した領域の少なくとも一部に穴を有し前記圧力発生室に対応した領域を覆う別形成されたマスクを通して内部応力が圧縮応力である圧縮応力層を前記保護膜形成後の開口部の前記貫通孔に対応した内面に形成する圧縮応力層形成工程と、
    前記貫通孔に対応した領域の圧縮応力層及び保護膜を除去して前記貫通孔を形成する工程と、を備えた、液体噴射ヘッドの製造方法。
  2. 前記マスクに前記貫通孔に対応した領域よりも小さい前記穴を有するマスクを用いる、請求項1に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  3. 前記保護膜の材料に少なくとも酸化タンタルを用いた、請求項1又は請求項2に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  4. 前記圧縮応力層の材料に少なくともチタンタングステンを用いた、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  5. 前記振動板の貫通部を封止する封止層の材料に前記振動板上の圧電素子から引き出されるリード電極と同じ材料を少なくとも用いた、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  6. 前記貫通孔に繋がる連通孔を形成した連通孔形成基板を前記振動板が設けられた流路形成基板に接合する工程を備える、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法により液体噴射ヘッドを形成する工程を備えた、液体噴射装置の製造方法。
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