JP5848190B2 - プロファイル作成装置及び方法、色変換装置及び方法、プログラム並びに印刷システム - Google Patents
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Description
色予測器110は、印刷デバイス(印刷機18)に入力するCMYK信号に対する出力の色(例えば、L*a*b*などのデバイス非依存値)を予測するソフトウェアで構成される。本例の色予測器110は、CMYK値からL*a*b*値を予測する順写像予測機能と、L*a*b*値からCMYK値を求める逆写像予測機能とを有している。色予測器110における順写像、逆写像を定義するデータは、印刷機18によって出力されたカラーチャートを測色して得られるカラーチャート測色データ群を基に生成される。なお、本例では、デバイス非依存色空間の表色系(色座標系)としてCIE−L*a*b*を用いるがこれに限定されない。
CMYKの各信号は、それぞれ0〜100%の範囲で信号値(濃度)を変化させることができるものとする。ただし、後述するように、CMYKの合計パーセンテージが大きくなりすぎると、記録媒体が重畳的に付与されるインクを吸収できず、正確なパッチの色再現が出来なかったり、過剰インクによる膜特性の低下が起こったり、過剰インクによって用紙がたわみ媒体搬送に問題を生じさせたりすることがある。これら問題に対処するために、CMYKの合計パーセンテージが規定の上限値を超えて大きい場合(例えば、合計パーセンテージが250%を超える場合)にはカラーパッチを作成せず、そのパッチが印刷されないようにすることが好ましい。この場合、その印刷されないカラーパッチのCMYKに対するL*a*b*が求まらなくなってしまうが、この領域はそもそも印刷に不向きであるためL*a*b*データを得る必要がない場合が多い。もし、システムの都合上、これら測定外のデータが必要な場合は、補外演算で求めるか、或いは、適当な値を代入しておき、別途エラー値であることがわかるようにしておけばよい。
一般にインクジェットプリンタや電子写真では、4つの色材がそれらの最大量近傍で用いられる場合に、記録媒体が当該記録媒体上に重畳的に付与されるインクを吸収できず、正確なパッチの色再現が出来なかったり、過剰インクによる膜特性の低下が起こったり、過剰インクによって用紙がたわみ、媒体搬送に問題を生じさせたりすることがある。そのため、色予測器110の写像テーブルをそのままCMS処理に適用してしまうと、過剰な色材量の信号が印刷デバイス(印刷機18)に入力されてしまうことが起こりうる。そこで、色材の総量を制限する処理が必要となる。
色材総量制限プロファイル作成処理部120で作成される総量制限プロファイルは、入力CMYKと総量制限後CMYKの関係をルックアップテーブル(LUT)として保持したプロファイルであり、例えばICCプロファイルの形式を用いて定義される。この総量制限プロファイルは、色材総量制限プロファイル作成処理部120における色材総量制限プロファイル作成処理によって作成され、総量制限プロファイル格納部122に格納される。
プリンタプロファイル作成処理部130は、色予測器110と総量制限プロファイルを入力とし、プリンタプロファイルを作成する。プリンタプロファイルは、色材総量制限を行う前のCMYK値と色材総量制限を行った後のCMYK(以後、「総量制限CMYK1」と表記する。)によって印刷される色(L*a*b*)との関係をLUTとして保持したプロファイルである。総量制限CMYK1に対するL*a*b*は、色予測器110の順写像予測機能を使って予測することができる。
プリンタプロファイルは、色材総量制限を行う前のCMYK値と色材総量制限を行った後のCMYK(総量制限CMYK1)によって印刷される色(L*a*b*値などのデバイス非依存色空間で定義される色)の関係をLUTとして保持したプロファイルであり、例えばICCプロファイルの形式を用いて定義される。プリンタプロファイルはプリンタプロファイル作成処理部130で作成され、プリンタプロファイル格納部132に格納される。
K値−画質関係データ格納部134に格納されるK値−画質関係データは、使用するK値と画質得点(画質の評価を示す画質指数或いは画質評価値ともいう。)の関係を表すデータである。画質の指標には、例えば粒状性やスジムラなど様々な画質属性の要素があるが、ここではシングルパス印字方式のインクジェット印刷機で特に問題となるスジムラを例にして説明する。
K値−画質関係データは、あるSD部の色に対して、Kを100%から徐々に削減しつつ作成したバーチャートを出力し、各K値に対するスジの視認性の程度を評価し、作成する。SD部の色には、例えば4色100%入力、すなわち、(C,M,Y,K)=(100, 100, 100, 100)の入力に対する色が選択される。既述の通り、4色100%入力は総量制限プロファイルによって、インク量が制限値を超えないように変換されるため、先の例では(C,M,Y,K)=(50, 50, 50, 100)に予め制限される。よって、この場合バーチャートは(50, 50, 50, 100)、(50, 50, 50, 99)、(50, 50, 50, 98)、(50, 50, 50, 97)、(50, 50, 50, 96)…、のようにK値を変えて作成される。
バーチャートの作成は、前述のようにK値のみを徐々に変化させて作成しても良いが、K値を削減したインク量分をCMYに置き換えて出力してもよい。つまり、例えば、色材総量(総%値)を250%に保ってバーチャートを出力する場合は、(C,M,Y,K)=(50, 50, 50, 100)、(50.33, 50.33, 50.33, 99)、(50.67, 50.67, 5.67, 98) 、(51, 51, 51, 97) 、…、などとする。これにより、スジ特性に対して、K値削減による効果だけでなく、CMY増加によるスジムラ改善効果を加味して画質得点をつけることが可能になる。
バーチャートの作成及び画質得点の評価は、前述のように4色100%入力に対してのみ行っても良いが、K=100%の他の入力に対しても行い、K値−画質関係データを複数取得するようにしてもよい。例えば、(C,M,Y,K)={(0, 0, 0, 100), (0, 0, 100, 100), (0, 100, 0, 100), (0, 100, 100, 100), (100, 0, 0, 100), (100, 0, 100, 100), (100, 100, 0, 100), (100, 100, 100, 100)}のように、Kを100%に固定したときのCMY3次元色空間が作る8つの頂点(端点)の入力に対してそれぞれ画質得点を取得するなどの方法が考えられる。これは、後述のSD部最適化処理を行う際に、入力CMY値によってK値の削減量を変化させる応用を行う際に有益なデータとなる。
ターゲットプロファイルは、例えばJapan Color 2007 Coated、sRGB、AdobeRGBなど、予めCMYK(又はRGB)とL*a*b*の関係が規定されたプロファイルであり、例えばICCプロファイルの形式を用いて定義される。ユーザが予めターゲットプロファイルを指定して入稿データを作成すれば、入稿データのCMYK(又はRGB)に対するデバイス非依存色のL*a*b*がわかるため、プリンタプロファイルを用いることでCMS処理によって色を保存した印刷を行うことができる。
次に、SD部最適化処理について説明する。図8はSD部最適化の処理に関連する要部ブロック図である。図8中、図3に示した構成と同一の要素には同一の符号を付した。SD部最適化処理部140は総量制限プロファイル182(「第1の総量制限プロファイル」に相当)を入力とし、SD部のCMYK値を画質の観点で改善したSD最適化プリンタプロファイル190(「シャドウ部最適化プリンタプロファイル」に相当)を出力する。このSD部最適化処理の過程で、場合によっては、K値−画質関係データ186、ターゲットプロファイル188、色予測器110が参照される。
図9はK値削減処理のフローチャートである。
K値削減処理では、まず、総量制限プロファイル182の入力値がK=100%である要素のK削減値決定処理(以下、K削減値決定処理)を行う(ステップS212)。仮に総量制限プロファイル182の入力CMYKが各軸5%刻みでサンプリングされていた場合、各軸を0, 5, 10, …, 100%の21点でサンプリングすることになり、CMYKの4軸では21の4乗(214)=194481格子点の入力に対する出力CMYKがそれぞれ定義されている。この内、K=100%の入力だけを抽出した場合、21の3乗(213)=9261格子点が存在する。この入力格子点を一般化すると(i, j, k, 100) となる(ただし、i: 0, 5, 10, …, 100、j: 0, 5, 10, …, 100、k: 0, 5, 10, …, 100)。このとき、SD部最適化処理を行う前の総量制限プロファイルの出力CMYK(「総量制限CMYK1」と表記する。)のK値は100%になっている。この9261格子点に対してそれぞれ出力のK値を決定することがK削減値決定処理(ステップS212)である。
K削減値決定処理の最も簡単な方法は、9261格子点すべてにおいて同じ値を出力K値に設定することである。例えばK=90%を設定するなどである。
K削減値決定処理の他の例として、入力CMYKが(i, j, k, 100)である 9261点に対して、別々の出力K値を設定してもよい。例えば、(50, 40, 50, 100)の入力に対しては出力K=80%を設定し、(80, 90, 80, 100)の入力に対しては出力K=90%を設定するなどである。これは、入力CMY値に対して出力K値を変更するということである。このようにすることで、例えば高濃度が出力できることを保証したい(100, 100, 100, 100)などの入力ではK値削減をあまり行わないようにし、それほど高濃度を必要としない(10, 10, 10, 100)などの入力ではK値削減を多めに行うといったことが可能になる。
K削減値決定処理の例2では、8頂点に対して別々のKを設定したが、この考え方を応用し、(0, 0, 0, 100)入力に対する出力CMYKを(0, 0, 0, 100)に設定し、単色Kを保存するようにしてもよい。単色Kを保存する場合、例えば同入力値で文字を印字した場合に、[1]CMYインクが使用されないため文字のシャープネスが向上する、[2]Kを100%に設定するためハーフトーンによるドットのす抜けの影響を最小限に抑えることができる、などの利点がある。
これまでの処理で、K=100%に固定し、CMYを5%刻みに変化させたときの入力CMYKに対する、K削減値を決定することができた。しかし、K=100%の部分空間だけを変換してしまうと、総量制限プロファイルの形(入力CMYKと総量制限CMYK1の関係)が大きく歪んでしまい、CMS処理を正しく行うことができなくなったり、トーンジャンプが発生してしまったりする。そこで、K=100%以外の部分空間も含めた、総量制限プロファイルの全要素に対するK値削減処理を行う必要がある(図9のステップS214)。
これまでに総量制限プロファイル182に対して、K値削減処理を実行した(図9のステップS210、図10)。これにより、Kが削減された分、スジムラ特性が良化されている。また、K値を削減したことで、総量制限プロファイル182における各格子点で使用するインク量が減少している。そこで、次に、インク量減少分だけCMYを増加させるCMY分配処理を行う(図9のステップS220)。これは、各格子点においてCMY値を増加させることに相当し、[1]K値削減で低下してしまう濃度(色再現性)のいくらかを補う、[2]CMYがK起因のスジのコントラストを低下させ、スジ特性がさらに良化する、などの利点がある。
K値削減処理によって失われたインク量をCMYに分配する際には、どのような比率で分配するかが問題となる。この分配方式をまず決定する(図11のステップS222)。
CMY分配の最も簡単な方法は、CMYを等分配する方法である。これは、例えば、K値削減処理(図9のステップS210、図10))によって、ある格子点のK値が100%から94%に、6%削減された場合にCMYを各々2%ずつ増加させるという方法である。ただし、これはインク量を「%」で管理している場合のことであり、もしインク量を物理量(例えば、体積)で管理していた場合は、Kの6%削減に対するインク物理量を予め計算し、そのインク物理量分CMYを増加させることになる。この方式の利点としては、[1]実装が容易である、[2]K値削減処理では色相を変えずに濃度のみが低下するが、色相を保って濃度(この例では明度、すなわちL*方向)の再現域を広げる方向に働く、などが挙げられる。
CMY分配比率(「CMY増加比率」に相当)は必ずしも等分配にする必要はない。C、M、Yに使用するインクによっては、同じ量だけ増加させても色相が変化する場合がある。もし、CMY分配によって各格子点の色相が変わらないことを優先するのであれば、予め色予測器110(順写像予測機能CMYK→L*a*b*)を用いてCMYの増加に対して色相(a*b*)が変化しないようなCMY分配比率を求めておき、それを使用するとよい。
CMYの分配比率は各格子点ごとに変化させてもよい。例えば、K値削減処理前の出力CMYKが(30, 20, 0, 100)、K値削減処理後のCMYKが(30, 20, 0, 95)であり、Kの5%削減分をCMYに分配することを考える。このときに分配比率には30:20:0 = 3:2:0を設定するという方法が考えられる。つまり、総量制限プロファイル182の出力CMYのCMY比率をCMY分配比率にするという考え方である。この場合CMY分配後の出力CMYKは(33, 22, 0, 95)となる。この方式を用いることで、色相を保って彩度の再現域を広げる方向にCMYが分配されるため、プリンタのもつ色再現範囲が広がるという利点がある。
ユーザが主に使用するターゲットプロファイルが予め決まっている場合には、CMYの分配比率を各格子点ごとに変化させる方式を取り、かつ、なるべくターゲットプロファイルに対する色空間の包含率が高くなる方向にCMYを分配するようにしてもよい。下記にこの方式を取る場合の実施例を述べる。
CMY分配方式の決定処理(図11のステップS222)でK値削減処理後の総量制限プロファイルの各格子点に対するCMY分配率が決定されたので、後はその各分配率に従って、K値削減処理前のインク量に戻るまで各格子点ごとにCMY分配を行う(図11のステップS224)。これにより、SD部最適化総量制限プロファイル184(図8参照)が完成する。
図12はCMY分配処理部144の構成を示すブロック図である。CMY分配処理部144は、CMY分配方式決定処理部202、CMY分配比率格納部204、CMY増加処理部206を備える。CMY分配方式決定処理部202は、所定のプログラムに従ってCMYの分配方式を決定する処理を行う。例えば、既述した「CMY分配方式の決定処理」の例1から例4のうち何れか1つの決定処理が予めプログラムされたものであってもよいし、複数の方式の中からユーザの選択操作に応じて又はプログラムに基づく自動選択によって、1つの方式が選択される構成であってもよい。
SD部最適化総量制限プロファイル184(図8参照)は、SD部最適化処理で作成されるプロファイルであり、入力CMYKと、SD部最適化処理後の総量制限CMYK(以下「総量制限CMYK2」と表記する。「第2の総量制限CMYK値」に相当)との関係をLUTとして保持したものとなっている。このSD部最適化総量制限プロファイル184は、例えばICCプロファイルの形式を用いて定義される。SD部最適化総量制限プロファイル184は、図3の符号146で示したSD部最適化総量制限プロファイル格納部に格納される。
SD部最適化プリンタプロファイル作成処理部150(図3,図8参照)は、プリンタプロファイル作成処理部130と処理内容は同様であるが、入力の1つが異なる。すなわち、SD部最適化プリンタプロファイル作成処理部150は、色予測器110とSD部最適化総量制限プロファイル184とを入力とし、SD部最適化プリンタプロファイル190を作成する(図8参照)。SD部最適化プリンタプロファイル190は、色材総量制限を行う前のCMYK値とSD部最適化総量制限プロファイルによって色材総量制限を行った後のCMYK(図8の総量制限CMYK2)によって印刷される色(L*a*b*)の関係をLUTとして保持したプロファイルである。
図13は、本実施形態に係る画像処理装置におけるSD部最適化総量制限プロファイルとSD部最適化プリンタプロファイルの作成処理のフローチャートである。
これまで、SD部最適化総量制限プロファイル184とSD部最適化プリンタプロファイル190とを作成する方法について説明した。次に、これらのプロファイルを用いてどのようにCMS処理が行われるかについて説明する。
図15は本実施形態で作成されるSD部最適化プリンタプロファイルの色域の模式図である。ここでは、表色系としてL*a*b*座標系を用いた。実際には3次元の色立体で表されるが、図示の簡略化と説明の便宜上、2次元の色域として示した。図15において符号210の実細線で囲んだ色域はプリンタプロファイル196の色再現域を示す。符号220の実太線で囲んだ色域はSD部最適化プリンタプロファイル190の色再現域を示す。符号230の破線で囲んだ色域はターゲットプロファイルの色域を示している。
本実施形態で作成されるSD部最適化プリンタプロファイル190は、高明度領域では、印刷デバイスが潜在的に有する色再現域を最大限活かすように変換関係を作成しており、低明度領域(SD部)に近づくにつれ、ターゲットプロファイルの色再現域に近づくように変換関係を作成している。
(1)スジムラ特性が許容できるレベルまでK値を削減することができる。このK値削減により、スジムラ特性が良化する。
上述の実施形態ではシングルパス方式のインクジェットプリンタによるスジムラの低減効果を説明したが、他の印字方式の印刷装置についても同様に適用できる。
上記に詳述した実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書及び図面は以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
Claims (15)
- シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の色材を用いて印刷を行う印刷装置の色表現を調整する色変換処理に用いるプロファイルを作成するプロファイル作成装置であって、
前記印刷装置によって印刷物を形成する際に使用される色材総量を予め定められた制限値内に制限し、かつ前記印刷装置が持つ色再現能力の範囲で可能な限り広い色域となるように入力CMYK値と第1の出力CMYK値との変換関係が規定された第1の総量制限プロファイルが格納される第1の総量制限プロファイル格納手段と、
前記第1の総量制限プロファイルの出力K値を削減して削減後K値を定めるK値削減処理手段と、
前記K値削減処理手段によるK値の削減に伴いCMY値を増加させるときのCMYの増加比率を決定するCMY増加比率決定手段と、
前記CMYの増加比率を規定したCMY増加比率データに基づき、前記K値削減処理手段のK値削減処理によって減少した色材量の範囲内で、CMY値を増加させる処理を行うCMY増加処理手段と、
前記入力CMYK値に対し、前記削減後K値と前記CMY増加処理手段によるCMY増加処理後のCMY値のCMYK値で表される第2の出力CMYK値を関連付けて前記入力CMYK値と前記第2の出力CMYK値との変換関係を規定した第2の総量制限プロファイルを生成する第2の総量制限プロファイル作成処理手段と、
を備え、
前記CMY増加比率決定手段は、プロファイルの各格子点の色相を保って濃度の再現域を広げる方向にCMYを増加させるプロファイル作成装置。 - 前記CMY増加比率決定手段は、プロファイルの各格子点の色相を保って彩度の再現域を広げる方向にCMYを増加させる請求項1に記載のプロファイル作成装置。
- シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の色材を用いて印刷を行う印刷装置の色表現を調整する色変換処理に用いるプロファイルを作成するプロファイル作成装置であって、
前記印刷装置によって印刷物を形成する際に使用される色材総量を予め定められた制限値内に制限し、かつ前記印刷装置が持つ色再現能力の範囲で可能な限り広い色域となるように入力CMYK値と第1の出力CMYK値との変換関係が規定された第1の総量制限プロファイルが格納される第1の総量制限プロファイル格納手段と、
前記第1の総量制限プロファイルの出力K値を削減して削減後K値を定めるK値削減処理手段と、
前記K値削減処理手段によるK値の削減に伴いCMY値を増加させるときのCMYの増加比率を決定するCMY増加比率決定手段と、
前記CMYの増加比率を規定したCMY増加比率データに基づき、前記K値削減処理手段のK値削減処理によって減少した色材量の範囲内で、CMY値を増加させる処理を行うCMY増加処理手段と、
前記入力CMYK値に対し、前記削減後K値と前記CMY増加処理手段によるCMY増加処理後のCMY値のCMYK値で表される第2の出力CMYK値を関連付けて前記入力CMYK値と前記第2の出力CMYK値との変換関係を規定した第2の総量制限プロファイルを生成する第2の総量制限プロファイル作成処理手段と、
を備え、
前記CMY増加比率決定手段は、プロファイルの各格子点の色相を保って彩度の再現域を広げる方向にCMYを増加させるプロファイル作成装置。 - シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の色材を用いて印刷を行う印刷装置の色表現を調整する色変換処理に用いるプロファイルを作成するプロファイル作成装置であって、
前記印刷装置によって印刷物を形成する際に使用される色材総量を予め定められた制限値内に制限し、かつ前記印刷装置が持つ色再現能力の範囲で可能な限り広い色域となるように入力CMYK値と第1の出力CMYK値との変換関係が規定された第1の総量制限プロファイルが格納される第1の総量制限プロファイル格納手段と、
前記第1の総量制限プロファイルの出力K値を削減して削減後K値を定めるK値削減処理手段と、
前記K値削減処理手段によるK値の削減に伴いCMY値を増加させるときのCMYの増加比率を決定するCMY増加比率決定手段と、
前記CMYの増加比率を規定したCMY増加比率データに基づき、前記K値削減処理手段のK値削減処理によって減少した色材量の範囲内で、CMY値を増加させる処理を行うCMY増加処理手段と、
前記入力CMYK値に対し、前記削減後K値と前記CMY増加処理手段によるCMY増加処理後のCMY値のCMYK値で表される第2の出力CMYK値を関連付けて前記入力CMYK値と前記第2の出力CMYK値との変換関係を規定した第2の総量制限プロファイルを生成する第2の総量制限プロファイル作成処理手段と、
入稿データのターゲット色を定めた色空間のターゲットプロファイルの情報を取得するターゲットプロファイル情報取得手段と、を備え、
前記CMY増加比率決定手段は、前記ターゲットプロファイルに対する色空間の包含率が高くなる方向にCMY増加比率を決定するプロファイル作成装置。 - 前記第2の総量制限プロファイルで規定されている前記第2の出力CMYK値とデバイス非依存色空間の値との対応関係を規定したシャドウ部最適化プリンタプロファイルを作成するシャドウ部最適化プリンタプロファイル作成処理手段を備える請求項4に記載のプロファイル作成装置。
- シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の色材を用いて印刷を行う印刷装置の色表現を調整する色変換処理に用いるプロファイルを作成するプロファイル作成装置であって、
前記印刷装置によって印刷物を形成する際に使用される色材総量を予め定められた制限値内に制限し、かつ前記印刷装置が持つ色再現能力の範囲で可能な限り広い色域となるように入力CMYK値と第1の出力CMYK値との変換関係が規定された第1の総量制限プロファイルが格納される第1の総量制限プロファイル格納手段と、
前記第1の総量制限プロファイルの出力K値を削減して削減後K値を定めるK値削減処理手段と、
前記K値削減処理手段によるK値の削減に伴いCMY値を増加させるときのCMYの増加比率を決定するCMY増加比率決定手段と、
前記CMYの増加比率を規定したCMY増加比率データに基づき、前記K値削減処理手段のK値削減処理によって減少した色材量の範囲内で、CMY値を増加させる処理を行うCMY増加処理手段と、
前記入力CMYK値に対し、前記削減後K値と前記CMY増加処理手段によるCMY増加処理後のCMY値のCMYK値で表される第2の出力CMYK値を関連付けて前記入力CMYK値と前記第2の出力CMYK値との変換関係を規定した第2の総量制限プロファイルを生成する第2の総量制限プロファイル作成処理手段と、
前記第2の総量制限プロファイルで規定されている前記第2の出力CMYK値とデバイス非依存色空間の値との対応関係を規定したシャドウ部最適化プリンタプロファイルを作成するシャドウ部最適化プリンタプロファイル作成処理手段と、
を備えるプロファイル作成装置。 - 前記K値の削減量と画質の関係を規定したK値−画質関係データが格納されるK値−画質関係データ格納手段を備え、
前記K値削減処理手段は、前記K値−画質関係データに基づいてK値の削減量を決定する請求項1から6のいずれか1項に記載のプロファイル作成装置。 - 前記K値−画質関係データは、シャドウ部のスジムラの視認性を評価した画質評価値とK値との関係を規定したものである請求項7に記載のプロファイル作成装置。
- 前記印刷装置に入力するCMYK値から前記印刷装置で出力される色のデバイス非依存色空間値を予測する順写像予測手段と、デバイス非依存色空間値からCMYK値を求める逆写像予測手段と、を含んだ色予測手段を備える請求項1から8のいずれか1項に記載のプロファイル作成装置。
- シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の色材を用いて印刷を行う印刷装置の色表現を調整する色変換処理に用いるプロファイルを作成するプロファイル作成方法であって、
前記印刷装置によって印刷物を形成する際に使用される色材総量を予め定められた制限値内に制限し、かつ前記印刷装置が持つ色再現能力の範囲で可能な限り広い色域となるように入力CMYK値と第1の出力CMYK値との変換関係が規定された第1の総量制限プロファイルを記憶手段に格納しておく第1の総量制限プロファイル格納工程と、
前記第1の総量制限プロファイルの出力K値を削減して削減後K値を定めるK値削減処理工程と、
前記K値削減処理工程によるK値の削減に伴いCMY値を増加させるときのCMYの増加比率を決定するCMY増加比率決定工程と、
前記CMYの増加比率を規定したCMY増加比率データに基づき、前記K値削減処理工程のK値削減処理によって減少した色材量の範囲内で、CMY値を増加させる処理を行うCMY増加処理工程と、
前記入力CMYK値に対し、前記削減後K値と前記CMY増加処理工程によるCMY増加処理後のCMY値のCMYK値で表される第2の出力CMYK値を関連付けて前記入力CMYK値と前記第2の出力CMYK値との変換関係を規定した第2の総量制限プロファイルを生成する第2の総量制限プロファイル作成処理工程と、
前記第2の総量制限プロファイルで規定されている前記第2の出力CMYK値とデバイス非依存色空間の値との対応関係を規定したシャドウ部最適化プリンタプロファイルを作成するシャドウ部最適化プリンタプロファイル作成処理工程と、
を含むプロファイル作成方法。 - 請求項5又は6に記載のプロファイル作成装置と、
入稿データを取り込む画像入力手段と、
前記入稿データに対し、前記シャドウ部最適化プリンタプロファイルを適用して印刷装置用のCMYKデータに変換する色調整処理手段と、
前記色調整処理手段によって生成されたCMYKデータに対し、前記第2の総量制限プロファイルを適用して色材総量制限後のCMYKデータに変換する色材総量制限処理手段と、
を備える色変換装置。 - 請求項10に記載のプロファイル作成方法の各工程と、
入稿データを取り込む画像入力工程と、
前記入稿データに対し、前記シャドウ部最適化プリンタプロファイルを適用して印刷装置用のCMYKデータに変換する色調整処理工程と、
前記色調整処理工程によって生成されたCMYKデータに対し、前記第2の総量制限プロファイルを適用して色材総量制限後のCMYKデータに変換する色材総量制限処理工程と、
を含む色変換方法。 - シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の色材を用いて印刷を行う印刷装置の色表現を調整する色変換処理に用いるプロファイルを作成するプロファイル作成用のプログラムであって、
コンピュータを、
印刷装置によって印刷物を形成する際に使用される色材総量を予め定められた制限値内に制限し、かつ前記印刷装置が潜在的に持つ色再現能力の範囲で可能な限り広い色域となるように入力CMYK値と第1の出力CMYK値との変換関係が規定された第1の総量制限プロファイルが格納される第1の総量制限プロファイル格納手段と、
前記第1の総量制限プロファイルの出力K値を削減して削減後K値を定めるK値削減処理手段と、
前記K値削減処理手段によるK値の削減に伴いCMY値を増加させるときのCMYの増加比率を決定するCMY増加比率決定手段と、
前記CMYの増加比率を規定したCMY増加比率データに基づき、前記K値削減処理手段のK値削減処理によって減少した色材量の範囲内で、CMY値を増加させる処理を行うCMY増加処理手段と、
前記入力CMYK値に対し、前記削減後K値と前記CMY増加処理手段によるCMY増加処理後のCMY値のCMYK値で表される第2の出力CMYK値を関連付けて前記入力CMYK値と前記第2の出力CMYK値との変換関係を規定した第2の総量制限プロファイルを生成する第2の総量制限プロファイル作成処理手段と、
前記第2の総量制限プロファイルで規定されている前記第2の出力CMYK値とデバイス非依存色空間の値との対応関係を規定したシャドウ部最適化プリンタプロファイルを作成するシャドウ部最適化プリンタプロファイル作成処理手段として機能させるためのプログラム。 - シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の色材を用いて印刷を行う印刷装置の色表現を調整する色変換用のプログラムであって、
コンピュータを、
請求項11に記載の色変換装置の各手段として機能させるためのプログラム。 - 請求項5又は6に記載のプロファイル作成装置と、
前記プロファイル作成装置によって作成された前記シャドウ部最適化プリンタプロファイルと前記第2の総量制限プロファイルとを用いて入稿データを印刷用のCMYKデータに変換する色変換処理手段と、
前記色変換処理手段によって生成された色変換後の画像データに基づいて印刷を行う印刷装置と、
を備えた印刷システム。
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