JP5842956B2 - 放電ランプ点灯装置 - Google Patents

放電ランプ点灯装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5842956B2
JP5842956B2 JP2014123096A JP2014123096A JP5842956B2 JP 5842956 B2 JP5842956 B2 JP 5842956B2 JP 2014123096 A JP2014123096 A JP 2014123096A JP 2014123096 A JP2014123096 A JP 2014123096A JP 5842956 B2 JP5842956 B2 JP 5842956B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge lamp
circuit
lighting
power failure
power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014123096A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016004645A (ja
Inventor
均 大崎
均 大崎
朋之 平見
朋之 平見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ushio Denki KK
Original Assignee
Ushio Denki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ushio Denki KK filed Critical Ushio Denki KK
Priority to JP2014123096A priority Critical patent/JP5842956B2/ja
Publication of JP2016004645A publication Critical patent/JP2016004645A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5842956B2 publication Critical patent/JP5842956B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B20/00Energy efficient lighting technologies, e.g. halogen lamps or gas discharge lamps

Landscapes

  • Circuit Arrangements For Discharge Lamps (AREA)

Description

この出願の発明は、超高圧水銀ランプやキセノンショートアークランプといった放電ランプに電力を供給する放電ランプ点灯装置に関するものであり、特に、ごく短い時間の停電に対応するための機能を有する放電ランプ点灯装置に関するものである。
気体の放電を利用して発光を生じさせる放電ランプは、種々の用途で使用されている。このうち、特に輝度の高い光束が必要であるとか、特定のスペクトル(波長)の光が必要であるといった製造プロセス用、光処理用の用途では、各種水銀ランプやキセノンショートアークランプといった放電ランプが多用されている。
放電ランプは、商用電源からの電力を適宜変換して供給する装置(点灯装置)とともに使用される。点灯装置は、放電を始動して発光を生じさせたり放電を安定化させたりする回路を含んでいる。放電ランプ点灯装置は、一般的には、商用電源からの入力電圧をランプに適した電圧に変換する変換部、ランプに流れる電流を制御して放電を安定化させる電流制御部、ランプの点灯開始時(放電始動時)に動作するイグナイタ回路等を含んでいる。
このような放電ランプ点灯装置について、超高圧水銀ランプ用の点灯装置を例にして図6を使用して説明する。図6は、従来例の放電ランプ点灯装置の概略図である。
図6に示すように、点灯装置は、商用電源CPに接続された第一の整流平滑回路1と、第一の整流平滑回路1の出力が一次側となるように設けられたトランス2と、第一の整流平滑回路1とトランス2との間に設けられたスイッチング回路からなるインバータ回路3等から構成されており、トランス2の二次側に設けられた第二の整流平滑回路4、ランプ測定回路5、イグナイタ回路7等を介して放電ランプLの電極(陽極、陰極)が接続される。
また、放電ランプLの点灯状態を制御するランプ制御部6が設けられており、ランプ制御部6は点灯制御回路61を含む。ランプ測定回路5の出力は点灯制御回路61に入力され、点灯制御回路61の出力はインバータ回路3に入力されるようになっている。
第一の整流平滑回路1は、全波整流回路(ダイオードブリッジ)11とその出力側に接続された平滑用コンデンサ12を含む。インバータ回路3は、整流・平滑されて直流となった電圧をスイッチングし、所定のデューティで変化する高周波電圧(オンオフ電圧)とする。トランス2は高周波用のものであり、一次側の巻き線に印加される高周波電圧が変換されて二次側に伝えられ、第二の整流平滑回路4により直流に戻され、ランプ電極に印加される。インバータ回路3で生成される高周波の周波数は20kHz〜100kHz程度であり、点灯制御回路61からの制御信号に基づいて周期やパルス幅を変化させることでトランス2を介してランプに流れる電流が変化し、これにより供給電力が制御される。
特開2007−294267号公報 特開2011−29096号公報 特開2011−154856号公報
このような点灯装置により点灯される放電ランプは、前述したように各種製造プロセスや光処理等の用途で使用されている。このような用途では、ランプの点灯状態について特に高い信頼性が要求される。例えば、超高圧水銀ランプは、フォトリソグラフィにおける露光用の光源として半導体プロセスや液晶プロセスで多用されている。露光用に使用されている超高圧水銀ランプにおいて点灯状態が不安定になり、出力が一時的に低下すると、露光不足となる。この結果、集積回路やディスプレイといった製品の性能悪化につながる。このため、放電ランプの点灯状態の安定性については、高い信頼性が要求される。
放電ランプの点灯状態の安定性の点で、避けることができない外的要因は、停電である。放電ランプは、電力事情の良い地域だけでなく、電力事情の良くない地域の工場でも用いられる。また停電は、電力事情の良い地域であっても落雷のような自然現象で誘発されることもある。また、非常に大きな電力を消費するシステムが工場内に配備されており、そのシステムが稼働を開始した際、その影響で一時的に停電に近い電圧低下が発生することもある。
尚、この明細書では、「停電」の用語は通常よりも広い意味で使用されている。商用電源の不安定性に関する用語で、「停電」以外に「瞬時電圧低下(瞬低)」という用語が使用されることがある。瞬低は、例えば100ms程度までの短い時間における電源電圧の低下を意味する。この明細書における「停電」は、完全なゼロに至らないまでも、瞬低のように電圧が定格値から低下する場合も含む。
上記のような各種要因で生じ得る停電については、なるべく生産への影響が出ないようにすることが望ましい。生産現場によっては、停電を考慮して非常用電源(バックアップ用電源)が設けられている場合もある。しかしながら、非常用電源への切替にタイムラグがあるとその間は停電状態ということになるし、非常用電源を使い切ってしまうと、その後はやはり停電状態ということになる。また,半導体プロセスや液晶プロセスで使用される放電ランプは,数kW〜数十kWを投入して使用する大電力のものも多く,その点灯装置へも大電力を供給する必要がある。大電力を補う非常用電源は非常に高額且つ大型な装置となるため、設置が困難になる。したがって、できれば非常用電源を必要とせずにある程度の時間の停電に対応できるようにすることが望ましい。
このような停電に関連して放電ランプについて特に考慮すべきは、停電が終了して復旧した場合(復電した場合)の再点灯である。放電ランプは、発光管内における気体放電により発光するランプであるため、点灯には絶縁破壊が必要であり、一時的に高電圧を印加するイグナイタ回路が前述したように設けられている。
放電ランプが消灯した際、その直後では発光管内は高温状態である場合が多い。高温状態は、ガス圧が高いことを意味し、ガス圧が高いと一般的に絶縁破壊が生じにくい。このため、イグナイタ回路によって高電圧を印加しても点灯できないことが多い。一般に、放電ランプは、点灯開始から時間が経過し、安定的に点灯している間は温度を一定に保つために空冷され、消灯後の一定期間は温度を下げるために空冷される。そのため、再点灯するには、消灯後、発光管が点灯可能な温度に下がるまで待つ必要がある。装置によっては、十分な冷却が完了するまでの期間、イグナイタ回路が動作せず、放電ランプの始動ができないシーケンスになっているものもある。上記シーケンスは、点灯装置自体ではなく、点灯装置を制御する、露光装置等の上位装置により実施される場合もある。
放電ランプが停電により消灯した場合も同様で、復電により再点灯可能になった場合でも、発光管の温度をまず検出し、温度が所定温度を超える温度であった場合、冷却機構を動作させて発光管を冷却する。そして、発光管の温度が所定以下に下がったのを確認してからイグナイタ回路を動作させて再点灯する。または、冷却強度と発光管温度との関係を予め把握しておいて、所定の時間、所定の冷却を実施した後にイグナイタ回路を動作させて再点灯する。以下、この冷却の動作をアフタークーリングと呼ぶ。
アフタークーリングの時間はランプの種類や使用条件により様々であるが、一般的に10分〜20分の範囲であることが多い。また、再点灯後、消灯前の状態(電力・照度)に復帰するのには、熱容量の大きいランプであれば、15分〜30分程度の時間を要する。
放電ランプは、このようなシーケンスで再点灯をするため、一般的に再点灯に時間がかかる。このため、生産現場で使用されている放電ランプの場合、停電による稼働停止に加え再点灯に要する時間もあるため、生産性に対する影響が大きい。
一方、図6に記載のような放電ランプ点灯装置では、停電が生じて商用電源入力がなくなった場合でも、ごく僅かな時間は通常の点灯状態を維持できるよう構成されている。具体的には、図6に示す構成において、第一の整流平滑回路1に含まれる平滑用コンデンサ12がこの機能を担っている。このコンデンサは平滑用のものではあるが、通常点灯状態において相当量の電荷を蓄積している。停電が生じて商用電源入力がゼロになった場合、平滑用コンデンサ12が放電し(電荷を放出し)、これによる電圧が同様にインバータ回路3、トランス2及び二次側の第二の整流平滑回路4を介してランプ電極に印加される。このため、停電が発生してもごく僅かな時間であれば、発光が維持される。この時間は、通常、10ms(ミリ秒)〜50ms程度であり、例えば20msが標準的な値とされ、これを考慮して平滑用コンデンサ12の容量等が設計される。
従って、停電が発生してもこの平滑用コンデンサ12の放電が終了するまでの時間内に復電すれば、発光は維持されている(電離状態は解消されていない)状態であるので、そのまま定常点灯を続けることが可能である。しかしながら、この時間は上記のように20ms程度と非常に短い時間であり、これを越える停電には対応できない。例えば、非常用電源を備えていてもそれに切り替わるまでのタイムラグが20msを越える場合、ランプは消灯状態になり、アフタークーリングを含むシーケンスを実行しないと再点灯ができなくなる。
復電後の再点灯に要する時間を短くするため、上記平滑用コンデンサ12の容量を大きくし、商用電源入力無しに点灯を維持できる時間を長くすることが考えられる。しかしながら、大容量化させることは、平滑用コンデンサ12の大型化を意味し、点灯装置自体も大型なものにならざるを得ない。また、平滑用コンデンサ12の大型化は、それだけ装置コストも上昇することを意味する。
この出願の発明は、上記課題を考慮して為されたものであり、非常用電源を用いたり、平滑用コンデンサを大容量化させたりすることなく,停電時に電離状態を長時間維持し、復電後は、停電発生前の点灯状態(通常モード)に素早く復帰することにより、停電によるランプ消灯とその後の再点灯に伴う時間的な損失や、ランプの消灯点灯を繰り返すことによる電極の消耗といった問題を解決する放電ランプ点灯装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、商用電源に接続される整流平滑回路と、
インバータ回路を含み、整流平滑回路の出力をインバータ回路により任意の直流に変換して放電ランプに供給するDC・DC変換回路と、
放電ランプに供給されている電力又は放電ランプに流れる電流を測定するランプ測定回路と、
ランプ測定回路における測定結果に従ってインバータ回路を制御する点灯制御部と
を備え、DC・DC変換回路の出力側に接続された放電ランプに電力を供給する放電ランプ点灯装置であって、
インバータ回路は、通常モードでの制御が可能な回路であって、通常モードは、ランプ測定回路による測定結果に従って整流平滑回路の出力をスイッチングすることで放電ランプの電力又は電流が通常値となるよう制御するモードであり、
さらに、
商用電源の停電が、設定通常点灯維持条件の範囲を超えて継続したことを検出する停電継続検出手段を備えており、
整流平滑回路は、平滑用コンデンサを含んでおり、
設定通常点灯維持条件は、商用電源の停電後に平滑用コンデンサの蓄積電荷により通常点灯が維持できる条件として定められた条件であり、
点灯制御部は、通常モードに加え、電離維持モードでインバータ回路を制御することが可能となっており、電離維持モードは、放電ランプの電力又は電流が、通常値よりも低い値であって放電ランプの発光管内の電離状態が維持できる電力又は電流の値である電離維持目標値となるようインバータ回路を制御するモードであり、
停電継続検出手段は、商用電源の停電を検出する停電センサを備えていて停電センサが検出した停電が設定通常点灯維持条件の範囲を超えて継続したことを検出する手段であり、
点灯制御部は、商用電源の停電が設定通常点灯維持条件の範囲を超えて継続したことが停電継続検出手段により検出された際、インバータ回路における制御を通常モードから電離維持モードに切り替えるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記設定通常点灯維持条件は、商用電源の停電後に平滑用コンデンサの蓄積電荷により通常点灯が維持できる時間として設定された時間であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、商用電源に接続される整流平滑回路と、
インバータ回路を含み、整流平滑回路の出力をインバータ回路により任意の直流に変換して放電ランプに供給するDC・DC変換回路と、
放電ランプに供給されている電力又は放電ランプに流れる電流を測定するランプ測定回路と、
ランプ測定回路における測定結果に従ってインバータ回路を制御する点灯制御部と
を備え、DC・DC変換回路の出力側に接続された放電ランプに電力を供給する放電ランプ点灯装置であって、
インバータ回路は、通常モードでの制御が可能な回路であって、通常モードは、ランプ測定回路による測定結果に従って整流平滑回路の出力をスイッチングすることで放電ランプの電力又は電流が通常値となるよう制御するモードであり、
さらに、
商用電源の停電が、設定通常点灯維持条件の範囲を超えて継続したことを検出する停電継続検出手段を備えており、
整流平滑回路は、平滑用コンデンサを含んでおり、
設定通常点灯維持条件は、商用電源の停電後に平滑用コンデンサの蓄積電荷により通常点灯が維持できる条件として定められた条件であって通常点灯が維持できる平滑用コンデンサの残留電荷による両端の電圧の下限値であり、
点灯制御部は、通常モードに加え、電離維持モードでインバータ回路を制御することが可能となっており、電離維持モードは、放電ランプの電力又は電流が、通常値よりも低い値であって放電ランプの発光管内の電離状態が維持できる電力又は電流の値である電離維持目標値となるようインバータ回路を制御するモードであり、
点灯制御部は、商用電源の停電後に平滑用コンデンサの両端の電圧が前記下限値を下回るまで停電が継続したしたことが停電継続検出手段により検出された際、インバータ回路における制御を通常モードから電離維持モードに切り替えるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1、2又は3の構成において、前記点灯制御部は、通常モードから電離維持モードに切り替えられ後、前記電離維持目標値を周期的に又は徐々に高くして前記インバータ回路を制御するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項4の構成において、前記点灯制御部は、通常モードから電離維持モードに切り替えられ後、前記電離維持目標値を周期的に高くして前記インバータ回路を制御するものであり、各周期における最低の値はゼロであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項1乃至5いずれかの構成において、前記放電ランプの定格電力は1kW以上であるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の各請求項記載の発明によれば、インバータ回路は通常モードに加えて電離維持モードで動作可能であり、商用電源が停電し、その停電が設定通常点灯維持条件の範囲を超えて継続した際にインバータ回路における制御が通常モードから電離維持モードに切り替えられるので、平滑用コンデンサにおける残留電荷を利用して発光管内の電離状態が維持される。従って、電離維持状態において復電した場合、アフタークーリングのシーケンスをすることなく放電ランプの通常の点灯状態に復帰させることができる。このため、放電ランプを、停電発生前の状態(通常モード)に戻すのに要する時間が短くなり、停電による生産性悪化が最小限に抑えられる。また、電離維持目標値は通常点灯時の目標値よりも低いので、平滑用コンデンサの電荷の減少が遅く、電離維持可能な時間が長く、アフタークーリング無しに通常点灯に復帰できる停電時間がより長くなる。このため、種々の要因で発生し得る停電に対してより広く対応できるようになり、電力事情の良くない地域で使用される場合に特に好適な放電ランプ点灯装置となる。
また、請求項4記載の発明によれば、上記効果に加え、通常モードから電離維持モードに切り替えられた後、電離維持目標値が周期的に又は徐々に高くされるので、ランプ電極間の電圧が制御不可能な程度まで上昇してしまうことが抑制される。
また、請求項5記載の発明によれば、上記効果に加え、周期的な電離維持目標値において各周期における最低の値はゼロであるので、平滑用コンデンサの残留電荷を節約しながらランプ電圧上昇抑制の効果を得ることができる。
また、請求項6記載の発明によれば、放電ランプの定格電力は1kW以上であるので、電離状態が解消されてしまった場合にアフタークーリングをしなければならない場合が多く、上記各効果が得られる意義が著しい。
この出願の発明の実施形態である放電ランプ点灯装置の概略図である。 実施形態の点灯装置を説明するための図であって、設定通常点灯維持時間と平滑用コンデンサ12の容量の選定との関係について示した概略図であり、停電が発生した場合の平滑用コンデンサ12の蓄積電荷量の変化を示した概略図である。 電離維持モード中の復電について示した概略図である。 実施形態の放電ランプ点灯装置における制御シーケンスについて示したタイミングチャートである。 電離維持モードにおける制御パターンについて示した概略図である。 従来例の放電ランプ点灯装置の概略図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、実施形態の放電ランプ点灯装置の概略図である。図1に示す点灯装置は、商用電源CPに接続される第一の整流平滑回路1と、第一の整流平滑回路1の出力が一次側となるように設けられたトランス2と、第一の整流平滑回路1とトランス2との間に設けられ、放電ランプLに供給される電力を制御するインバータ回路3と、トランス2の二次側に設けられた第二の整流平滑回路4と、放電ランプLに供給されている電力を測定するランプ測定回路5とを備えている。
商用電源CPは、電力事業者によって販売される電力の供給源という意味であるが、工場等で実施形態の装置が使用される場合には、自家発電の設備を有している場合もあるので、多少広い意味である。即ち、商用電源CPとは、点灯装置に対して電力を供給する電源(外部電源)という程度の意味である。実施形態の装置は、このような電源の停電に対応するための機能を有している。
第一の整流平滑回路1は、整流回路としてのダイオードブリジッジ(全波整流回路)11と、平滑用コンデンサ12とを含んでいる。
この実施形態では、インバータ回路3は、4個の半導体スイッチング素子(トランジスタ、FET、IGBT等)から成るフルブリッジインバータ回路で形成されている。各々2個のスイッチング素子が交互にONすることで、整流平滑回路の出力(直流)は矩形波に変換される。このようなスイッチング回路3は、例えば特開2004−39390号公報に開示されており、参照することができる。尚、インバータ回路3の出力は、20kHz〜100kHz程度の高周波であり、トランス2は高周波用の絶縁トランスとなっている。
第二の整流平滑回路4は、トランス2で変換された高周波を直流に整流平滑してランプ電極に供給するためのものである。第二の整流平滑回路4は、図1に示すように、整流回路としてのダイオードブリッジ41や、平滑回路としてのチョークコイル42、コンデンサ43等を含む。
図1の放電ランプ点灯装置においては、インバータ回路3およびトランス2、第二の整流平滑回路によって、放電ランプに規定の電力または電流を供給するためのDC・DC変換回路が構成されている。
ランプ測定回路5は、この実施形態では、放電ランプLに供給される電力を測定するものとなっており、放電ランプLの両端の電圧及び放電ランプLに流れる電流を測定して電力値を出力するものとなっている。
実施形態の点灯装置は、放電ランプLの点灯状態を制御するランプ制御部6を備えており、ランプ制御部6はスイッチング回路3を制御する点灯制御回路61を含んでいる。図1に示すように、ランプ測定回路5は点灯制御回路61に接続されている。点灯制御回路61は、ランプ測定回路5の出力に従ってインバータ回路3内の各スイッチング素子を制御し、矩形波のデューティ比が所定のものになるようにするPWM制御やPFM制御を行うものである。
このような点灯装置は、商用電源CPに接続される入力端子を備えており、入力端子は第一の整流平滑回路1に接続されている。商用電源CPからの交流電圧が入力端子を介して第一の整流平滑回路1に印加されると、第一の整流平滑回路1で平滑されて直流電圧となった後、インバータ回路3で所定のデューティ比の高周波電圧に変換される。高周波電圧は、トランス2で変圧された後、第二の整流平滑回路4で直流に戻され、ランプ電極間に印加される。これにより、放電ランプLの定常点灯が維持される。
尚、放電ランプLの点灯開始時にはイグナイタ回路7が動作し、ランプ電極間に高電圧を印加して発光管内を絶縁破壊して放電を始動させる。放電の始動後、ランプ電極間に流れる電流が調整され、安定した点灯状態に移行する。
なお、図1においては省略しているが、力率改善のためのチョークコイルをダイオードブリッジ11の前段に挿入することが好適である。
また、点灯制御回路61は、放電ランプLへの供給電力の目標値を設定した不図示の電力目標値設定部を含んでいる。電力目標値は定格電力である場合が多いが、照射面での必要な照度であるとか放電ランプLの積算点灯時間であるとかいったパラメータに考慮して適宜目標値を変更される場合もある。ランプ測定回路5及び点灯制御回路61は、フィードバック制御系を構成しており、設定された電力となるようフィードバック制御が行われる。
点灯制御回路61により上記のような制御が行われるモードを、以下、通常モードと言う。通常モードは、停電という異常状態が生じていない通常の状態の制御モードという意味である。
このような放電ランプ点灯装置において、前述したように商用電源CPの停電が生じ得る。実施形態の点灯装置は、この点を考慮した特別の構成を備えている。即ち、まず、平滑用コンデンサ12は、短い時間の停電であれば通常点灯の状態を維持できるよう容量が定められている。このための容量は、放電ランプLの種類、定格電力、及び通常点灯の状態を維持する時間に応じて異なる。例えば、放電ランプLが定格電力1kW以上である場合、平滑用コンデンサ12の容量は1000μF〜5000μF程度とされる。より具体的には、放電ランプLの定格電力が10〜15kW程度(例えば13.5kW)の場合、平滑用コンデンサ12の容量は10000μF〜100000μF程度とされる。
また、実施形態の点灯装置は、商用電源CPが設定通常点灯維持条件の範囲を超えて停電したことを検出する停電継続検出手段8と、停電継続検出手段8の検出結果に従ってインバータ回路3における制御を切り替える切替手段とを備えている。
この実施形態では、設定通常点灯維持条件は、商用電源の停電後に平滑用コンデンサの蓄積電荷により通常点灯が維持できる時間として設定された時間(以下、設定通常点灯維持時間という)となっている。停電継続検出手段8は、停電センサ81と、停電センサ81からの出力により停電が設定通常点灯維持時間以上の時間に亘って続いたか否かを判断する判断部とを備えている。なお、停電検出手段8としては、例えば、オムロン株式会社から販売されている停電検出器S87Aを使用することができる。
停電センサ81は、商用電源CPの入力端子に接続すればよい。停電センサ81は、商用電源CPの電圧が限度以上に低下した場合に停電発生として出力するセンサとなっている。例えば、商用電源CPが三相交流で定格値が200Vの場合、停電センサ81は150V以下になった場合に停電発生としてタイマー回路82に信号を出力する。停電センサ81からの出力は、停電が発生している間、続く。判断部は、タイマー回路82となっており、後述するようにタイマーがONになった場合にアクティブとなるタイムアップ通知信号を出力する。尚、停電センサ81が停電と判断する基準値は、150V以外にも任意に変更できる。
設定通常点灯維持時間と平滑用コンデンサ12の容量について、図2を使用して説明する。図2は、実施形態の点灯装置における設定通常点灯維持時間と平滑用コンデンサ12の容量の選定との関係について示した概略図であり、停電が発生した場合の平滑用コンデンサ12の蓄積電荷量の変化を示した概略図である。
放電ランプLが通常点灯している際、平滑用コンデンサ12は文字通り平滑作用を為すよう動作しており、平滑用コンデンサ12はフルに電荷を蓄積した状態にある。この電荷量を、図2においてQとする。例えば電圧が所定値以下になる停電が商用電源CPに発生したとし、この時刻をtとする。
時刻tから商用電源CPの電圧が所定値以下になるので、時刻tから平滑用コンデンサ12が放電を始め、蓄積電荷を使いながら放電ランプLへの電力供給が継続される。従って、時刻tから平滑用コンデンサ12の蓄積電荷量は減少し始める。前述したように平滑用コンデンサ12の蓄積電荷により放電ランプLの点灯は維持されるが、時間の経過に伴って蓄積電荷量は徐々に減り、時刻tにおいて、点灯維持できる電力を供給できる限界電荷量Qを下回るようになる。従って、この時刻tで放電ランプLは消灯する。平滑用コンデンサ12の容量を選定する場合、余裕をみて時刻tよりも少し前の時刻tまでの時間が設定通常点灯維持時間になるよう平滑用コンデンサ12の容量が選定される。
このように、設計の順序としては、まず設定通常点灯維持時間を定め、これに見合うように余裕をもって平滑用コンデンサ12の容量を定める。設定通常点灯維持時間は、ごく短時間の停電であれば通常の点灯状態を維持して欲しいというユーザーの要請に応えるものであり、前述したように10ms(ミリ秒)〜50ms程度(例えば20ms)である。
尚、上記設定通常点灯維持時間における「通常点灯の状態を維持する」とは、停電が生じていない通常の点灯状態を維持する場合と同様の制御を行うという意味である。ここで、停電後も停電が生じる前と同様の制御を継続していくと、平滑用コンデンサ12電荷量の減衰に伴い、ランプ電力を規定値に維持するために、インバータ回路3のスイッチングのデューティ比が徐々に増加する。したがって、このままの状態を継続してしまうと、やがてスイッチングのデューティ比は上限値に達し、それ以降は上限値に貼りついてしまい、ランプ電力を維持できなくなる。
一方、実施形態の点灯装置は、通常モードとは別に電離維持モードという制御モードを設定している。電離維持モードは、停電という異常状態を想定したモードである。このモードは、通常値よりも低い値であって放電ランプLの発光管内の電離状態が維持できる電力値となるよう制御するモードである。
ランプ制御6は、モード切替ユニット62を備えている。モード切替ユニット62は、点灯制御回路61に対して設けられたコントローラであり、具体的にはPLC(Programmable Logic Controller)のようなハードウェアである。このコントローラには、停電検出手段8からの信号に基づき、設定通常点灯維持時間以上の時間に亘って停電した場合にインバータ回路3における制御を通常モードから電離維持モードに切り替え、また電離維持モード期間中に復電すれば電離維持モードから通常モードに切り替えるソフトウエアが組み込まれている。以下、電離維持モードについて説明する。
実は、放電ランプは、電力供給が無くなった直後のごく僅かな時間内であれば、前述した発光管の冷却を含むシーケンスを実行しなくても再点灯が可能である。このことは、DC・DC変換回路と放電ランプとの間にインバータを設けた交流駆動の点灯装置でもランプの点灯維持が可能であることからも容易に理解できる。消灯後のごく僅かな時間では、発光管内の気体が電離した状態となっている。従って、温度や圧力は高いものの、電圧が印加されれば容易に放電が生じ、点灯が再開される。多少時間が経過し、再結合によって電離状態が解消し且つ温度が高くて圧力が高い状態のままとなると、絶縁破壊(再電離)は生じにくくなり、冷却等のシーケンスが必要になる。消灯後の電離状態が維持されている時間というのは、非常に弱い状態で発光が続いている状態も含む。
実施形態の点灯装置は、このような放電ランプの特性に着目し、電離維持モードという制御モードを導入するものである。電離維持モードでは、点灯制御回路61で設定される制御の目標値(ランプ電力の目標値)は、電離維持に必要な最低限の電力値であり、通常モードでの目標値に比べると非常に低い電力値である。
最低限どの程度の電力が放電ランプに供給されれば電離が維持されるかは、当然ながらランプの種類(封入されたガスの種類やガス圧、電極間距離等)やランプの定格電力によって異なる。また、使用温度(雰囲気温度)といった使用条件によっても異なってくる。これらの要素を考慮に入れ、電離維持モードにおけるランプ電力の制御目標値が予め定められる。以下、電離維持モードにおける電力制御の目標値を、電離維持目標値という。
また、実施形態の装置では、電離維持モード期間中に復電した場合には、制御モードを通常モードに戻すことにより停電の影響を回避するようになっている。以下、この点について、図3を使用して説明する。図3は、電離維持モード中の復電について示した概略図である。
前述したように、電離維持モードは、放電ランプへの供給電力を大幅に低下させた場合でも発光管内の電離状態は維持できることに着目したモードであり、電離維持目標値は、通常目標値よりも小さく且つ電離維持可能な電力値として設定される。図3において、平滑用コンデンサ12は、通常点灯時にQの電荷が蓄積されており、tで停電が発生したとする。時刻tから残留電荷は減少を始めるが、電離維持モードがない場合(従来の構成の場合)、時刻tにおいて平滑用コンデンサ12の残留電荷は点灯維持できる最低限の量Qを下回り、消灯となる。一方、通常モードから電離維持モードへの切替を時刻t(設定通常点灯維持時間経過時)で行ったとする。電離維持モードでは、消費電力が大幅に小さくなるので、図3に示すように、残留電荷の減少はtを境にして急に緩慢になる。
電離維持モードでも電離維持用に電力は消費されるので、緩慢ながらも残留電荷は徐々に減少する。そして、ある時刻tで電離維持可能な電力を供給できる電離維持可能電荷量Qを下回る。図3において、tからtまでが停電時に電離状態が維持される最長時間(以下、停電時電離維持最長時間という)である。
停電時電離維持最長時間(図3のt〜t)をどの程度にすべきかも、ユーザー要求というのが一番の大きな要素である。つまり、どの程度の時間の停電の場合にアフタークーリングのシーケンスを実施しなくても再点灯できるようにして欲しいか、という要請である。電離維持目標値を大きく選定すると停電時電離維持最長時間(図3のt〜t)は短くなるが、電離維持が可能な範囲で電離維持目標値を小さくすると、この時間は長くできる。従って、ユーザー要求を満たすように停電時電離維持最長時間をまず選定し、この時間内では最低限電離が維持されるように平滑用コンデンサ12の容量を選定することになる。一例を示すと、停電時電離維持最長時間は例えば500msとされる。
いずれにしても、電離維持目標値は通常点灯目標値より大幅に低い値なので、電離状態を維持するための残留電荷の消費の割合は、通常点灯目標値を維持した場合に比べて非常に小さい。このため、停電時電離維持最長時間は、大幅に延長される。即ち、電離維持モードを実施しない場合は、点灯維持可能な停電時間は時刻tまでの短い時間に限定されてしまうのに対し、電離維持モードを実施すると、時刻tまで電離維持可能な時間は延長される。言い換えれば、設定通常点灯維持時間終了時の残留電荷をできるだけ節約しながら使い、電離維持可能な時間をできるだけ長くしようという技術思想である。
なお、点灯装置が前記したフォトリソグラフィの露光装置の光源のために使用されている場合、いったん電離維持モードに入り、その後復電したときは、ワークへの露光量が不足していることも考えられる。そのため、このような点灯装置は、その旨を示す情報を露光装置に通知するよう構成することが望ましい。その際、電離維持モードの継続時間に関する情報を付加するとなお良い。
このような構成である実施形態の放電ランプ点灯装置の動作について、図4を使用して説明する。図4は、実施形態の放電ランプ点灯装置における制御シーケンスについて示したタイミングチャートである。
装置が平常運転を行っている状態では、商用電源CPから定格の電圧(例えば三相200V)が入力される。電圧は、第一の整流平滑回路1で整流平滑され、インバータ回路3で所定のデューティ比の高周波電圧に変換される。高周波電圧は、トランス2で変圧された後、第二の整流平滑回路4で直流に戻され、ランプ電極間に印加される。モード切替ユニット62は、通常モードで制御を行うようインバータ回路3に信号を送っており、インバータ回路3は通常点灯目標値(例えば定格電力値)にて点灯するよう制御される。
何らかの要因で時刻tで停電が発生し、商用電源CPの電圧が150V以下に低下したとする。停電センサ81は、この停電を検出し、出力をOFFからONに切り替える。この結果、停電継続検出手段8内のタイマー回路82が動作を開始する。タイマー回路82が設定通常点灯維持時間(例えば20ms)のカウントを完了した時刻tとなると、タイムアップ通知信号が出力される。この時点でまだ停電センサ81の出力がONのままであると、モード切替ユニット62は、インバータ回路3に信号を送り、電離維持モードに制御モードを変更させる。この結果、放電ランプLに供給される電力の目標値は通常点灯目標値よりも小さい電離維持目標値とされ、この値になるようにインバータ回路3が制御される。その結果、図4に示すように、例えば15kWが定格電力(通常点灯目標値)であると、1kWという小さい電離維持目標値に変更される。
また、図4に示すように、電離維持モードの状態において復電し(時刻t)、停電センサ81からの入力がOFFになった場合、モード切替ユニット62は、インバータ回路3に信号を出力し、制御の目標値を通常点灯目標値に変更させる。この結果、放電ランプLには通常点灯に必要な電力が供給され、通常の点灯状態に復帰する。より具体的には、発光管内では電離状態(絶縁破壊状態)が維持されているので、ランプ電極間に印加する電圧を増大させると電極間の電流を増大させることができ、それに伴ってランプへの供給電力が増大する。そして、通常点灯目標値ぐらいまで電力が大きくなると、フィードバックがかかり、通常点灯目標値の電力が維持されるので、電流の上昇も落ち着き、発光が安定化する。尚、この際には、ランプの消灯・再点灯を伴わないため、アフタークーリングのシーケンスは必要ではなく実施されない。
尚、通常点灯維持時間の間に停電センサ81からの入力がOFFになった(復電した)場合、タイマー回路82からタイムアップ信号は出力されず、インバータ回路3には特に制御信号は送られない。インバータ回路3では、通常点灯目標値となる電力値が設定されたままであるので、商用電源CPからの入力が第一の整流平滑回路1を経て入力された際、停電前と同様にスイッチングして高周波電圧を生成し、トランス2及び第二の整流平滑回路4を経て放電ランプLに供給する。従って、この場合も、放電ランプLは通常の点灯状態に戻る、ないしは通常の点灯状態が維持される。
上述した実施形態の点灯装置によれば、インバータ回路3は、通常モードに加え、電離維持モードで動作可能であり、商用電源CPが設定通常点灯維持時間以上の時間に亘って停電した際にインバータ回路3における制御がモード切替ユニット62により通常モードから電離維持モードに切り替えられるので、平滑用コンデンサ12における残留電荷を利用して発光管内の電離状態が維持される。従って、電離維持モード時間内に復電した場合、アフタークーリングのシーケンスをすることなく放電ランプLの通常の点灯状態に復帰させることができる。このため、再点灯に要する時間が短くなり、停電による生産性悪化が最小限に抑えられる。
そして、電離維持目標値は通常点灯目標値よりも低いので、アフタークーリング無しに通常点灯に復帰できる停電時間がより長くなる。このため、種々の要因で発生し得る停電に対してより広く対応できるようになる。このため、比較的長い時間の瞬低が生じやすい環境下において使用される場合に特に好適な放電ランプ点灯装置となる。
上述した実施形態において、電離維持モードにおける制御については幾つかの好適なパターンがあるので、補足して説明する。図5は、電離維持モードにおける制御パターンについて示した概略図である。図5中の横軸は時間であり、縦軸は電力制御の目標値である。
上述したように、電離維持目標値は通常点灯目標値よりも大幅に低い値であり、放電ランプLへの供給電力は電離維持に必要な最低限の電力以上ではあるものの、非常に小さい電力とされる。この場合、電離維持目標値は、図5(a)に示すように一定の値で固定される場合もあるが、図5(b)(c)のように変化させた方が好ましい場合もある。
電離維持モードのように、定格電力よりも大幅に小さい電力で放電ランプを点灯させると、電流が低くなるため逆に電圧が上昇する傾向がある。ランプ電極間の電子や正イオンの数が少なくなるので、次第にランプ電極間の絶縁性が高まることによる。
電離維持モードが開始され、放電ランプLへの供給電力が電離維持目標値という小さい電力とされると、ランプ電流も低くなる。ランプ電流が低いままにしておくと、ランプ電極間の電子や正イオンの数が少なくなるので、次第にランプ電極間の絶縁性が高まり、ランプ電極間の電圧が上昇していく。電力一定のフィードバック制御をしていると、電圧上昇に見合うように電流をさらに小さくするため、さらに電圧が上昇していく。そして、限度以上に電圧が上昇すると、インバータ回路3で制御可能な電圧以上に上昇してしまうことになり、出力電力を絞ることによって電離維持しようという目的が達成できなくなる。
また、電力を非常に小さくすると、電圧や電流が細かく振動し、点灯状態が不安定となる場合がある。この点は、発光管内の温度が定格電力点灯時に比べて低くなってしまったことが原因であると考えられる。温度がさらに低くなると、電離状態が解消され、発光間内は完全な中性雰囲気状態(絶縁状態)となってしまうこともあり得る。
これらの問題を避けるためには、電力を電離維持目標値に下げつつも、ランプ電圧の限度以上の上昇や発光管内の限度以上の温度低下を抑制するために、いったん下げた電力を多少大きくすると好適である。このような制御パターンを示したのが、図5(b)(c)である。例えば図5(b)に示すように、電離維持目標値を周期的に少し大きくする制御パターンとすることが考えられる。この例では方形波パルス状であるが、他のパルス形状での制御パターンでも良い。周期的に変化させる制御パターンは、電離維持モードに移行した直後から行っても良いし、ある程度の時間が経過してから周期的に変化させる制御パターンを開始しても良い。
周期的な変化の他、図5(c)に示すように、ある時点から徐々に電離維持目標値を高くする制御パターンでも良い。図5(c)中に一点鎖線で示すように、徐々に電離維持目標値を高くする制御パターンを開始するタイミングは、早くしたり遅くしたり適宜選定することができる。また、徐々に高くする際の傾きも、適宜選定される。
このような制御パターンとすることで、電離維持可能な低い電力としつつも制御不可能な程度までランプ電圧上昇や限度以上の発光管温度低下を抑制できる。
尚、このようなパターンで電離維持目標値を変化させながら制御を行う際にも、電離維持モード時間内に復電して停電センサの出力がONになった場合、図5(a)〜(c)中に二点鎖線で示すように目標値は通常電力目標値に切り替えられ、通常モードでの制御に移行する。
また、図5(a)の制御パターンに比べ、図5(b)(c)のような制御パターンの場合には平滑用コンデンサ12の残留電荷の消費は早まる場合が多いから、そのような場合には停電時電離維持最長時間はその分だけ多少短くなることがあり得る。また、図5(b)の制御パターンの場合、ある程度短い時間であれば、各周期における最低値をゼロ(この場合には電力ゼロ)とする場合もあり得る。この場合には、小さい一定の値を維持する場合と電荷の消費割合に大差がない場合もあり、停電時電離維持最長時間は特に短くならない場合もある。即ち、ゼロ値を含むことは、残留電荷を節約できるので、電離維持される時間はできるだけ長くして欲しいというユーザーの要望に応え得るという点で好ましい。
尚、上記実施形態の説明では、ランプ制御は電力制御(即ち、直接的な制御対象はランプ電力)であったが、ランプ電流を制御する場合もある。この場合は、ランプ電流について通常点灯目標値、電離維持目標値がそれぞれ設定される。
また、電離維持モードにおける発光管内の状態は、電離状態が維持されていれば足り、必ずしも「発光」と呼べる状態でない場合もある。この点で、実施形態における電離モードは、弱い発光状態のモードというのとは概念的に異なる。
上述したような電離維持モードを有する点灯装置は、比較的大電力の放電ランプ用の場合に特に有益である。定格電力の大きな大型の放電ランプの場合、点灯時の発光管内の圧力や温度は、小型の放電ランプに比べて高くなり易い。このため、停電によって消灯してしまうと、アフタークーリング無しには再点灯不可能な状態となり易く、またアフタークーリング自体も長い時間を要する。このため、生産性に与える影響がより大きくなる。一般的には、1kW以上の大電力の放電ランプの場合にこの傾向が顕著であり、実施形態の点灯装置の採用は特に意義がある。
また、平滑用コンデンサの容量は、前述したように停電があっても設定通常点灯維持時間の間は通常点灯が可能な容量として選定されるが、放電ランプが1kW以上である場合、この容量は前述したように1000〜100000F程度である。この程度の容量があれば、例えば10ms〜50ms程度の時間、そのまま通常点灯を維持することができる。
上記実施形態の点灯装置では、電離維持モードの状態において復電した場合、自動的に通常モードに復帰するものとしたが、自動復帰しない構成もあり得る。電離維持モードの状態で復電すると、平滑用コンデンサ12が再び充電されるが、自動復帰しない構成の場合、電離維持目標値での制御がそのまま継続されることになる。即ち、電離維持状態が継続されることになる。従って、この構成の場合、作業者は、復電を確認した際、手作業にてインバータ回路3への制御信号を変更し、通常モードに復帰させる。この際にも、放電ランプLの電離状態は維持されているので、アフタークーリングのシーケンスは不要であり、生産性に与える影響は小さくなる。但し、上記実施形態の場合には、このような作業者の手作業は不要であり、この点でより生産性が高い。
ここまで述べた実施形態の放電ランプ用点灯装置においては、停電が設定通常点灯維持時間以上の時間に亘って続いたか否かの判断を行うために、商用電源CPの入力端子部に停電センサ81とタイマー回路82とを備えて停電検出手段8を構成し、電離維持モードへの移行を促すタイムアップ通知信号を出力するものについて述べたが、本願発明における停電検出手段はこれに限定されるものではない。
前述したように、停電継続検出手段は、停電が設定通常点灯維持条件の範囲を超えたかどうかを検出する手段である。この設定通常点灯維持条件とは、商用電源の停電後に平滑用コンデンサの蓄積電荷により通常点灯が維持できる条件として定められた条件であり、上記実施形態では、商用電源の停電後に平滑用コンデンサ12の蓄積電荷により通常点灯が維持できる時間として予め設定された時間であった。
設定通常点灯維持条件としては、上記以外にも考えられ、例えば、停電後の平滑用コンデンサ12の両端の電圧(残留電荷による電圧)について設定されていても良い。具体的には、平滑用コンデンサ12の両端の電圧を監視するためのコンパレータを設け、この電圧が規定のスレショルド電圧を下回ったことを検知したときに、タイムアップ通知信号を出力するように構成してもよい。何となれば、平滑用コンデンサ12の両端の電圧は、停電が無い状態では、常に商用電源入力電圧に比例した状態が維持されるが、通常モードでの放電ランプ点灯時に停電が起きると、停電時の電圧値と停電期間の長さの両方に依存して平滑用コンデンサ12の両端の電圧が低下して行くため、特に停電センサやタイマーを使わずとも、正しく電離維持モードへの移行を促すタイムアップ通知信号を生成することができるからである。
また、いま述べた構成の場合、通常モードでの放電ランプ点灯時の電力が小さいほど、停電が起きてから平滑用コンデンサの両端の電圧がスレショルド電圧を下回りタイムアップ通知信号を出力するまでの時間が長くなるため、設定通常点灯維持時間が自動的に延長されることとなり、電離維持モードへの移行が回避され易くなる利点が生まれる。
前記した図1の実施形態においては、DC・DC変換回路がトランス2を含む例を示したが、例えば、昇圧チョッパ回路や降圧チョッパ回路などの方式の、トランスを含まない回路によってDC・DC変換回路を構成する点灯装置においても本願発明は良好に効果を発揮する。
また、DC・DC変換回路と放電ランプとの間に、例えばフルブリッジ回路等によって構成されたインバータを設け、ランプを交流駆動する点灯装置においても本願発明は良好に効果を発揮する。
また、前記した図1の実施形態においては、ダイオードブリジッジ11と平滑用コンデンサ12からなる単純なコンデンサインプット型の整流平滑回路について述べたが、アクティブフィルタ型の力率改善回路(PFC)を備えた点灯装置においても本願発明は良好に効果を発揮する。
1 第一の整流平滑回路
11 ダイオードブリッジ
12 平滑用コンデンサ
2 トランス
3 インバータ回路
4 第二の整流平滑回路
5 ランプ測定回路
6 ランプ制御部
61 点灯制御回路
62 モード切替ユニット
7 イグナイタ回路
8 停電継続検出手段
81 停電センサ
82 タイマー回路

Claims (6)

  1. 商用電源に接続される整流平滑回路と、
    インバータ回路を含み、整流平滑回路の出力をインバータ回路により任意の直流に変換して放電ランプに供給するDC・DC変換回路と、
    放電ランプに供給されている電力又は放電ランプに流れる電流を測定するランプ測定回路と、
    ランプ測定回路における測定結果に従ってインバータ回路を制御する点灯制御部と
    を備え、DC・DC変換回路の出力側に接続された放電ランプに電力を供給する放電ランプ点灯装置であって、
    インバータ回路は、通常モードでの制御が可能な回路であって、通常モードは、ランプ測定回路による測定結果に従って整流平滑回路の出力をスイッチングすることで放電ランプの電力又は電流が通常値となるよう制御するモードであり、
    さらに、
    商用電源の停電が、設定通常点灯維持条件の範囲を超えて継続したことを検出する停電継続検出手段を備えており、
    整流平滑回路は、平滑用コンデンサを含んでおり、
    設定通常点灯維持条件は、商用電源の停電後に平滑用コンデンサの蓄積電荷により通常点灯が維持できる条件として定められた条件であり、
    点灯制御部は、通常モードに加え、電離維持モードでインバータ回路を制御することが可能となっており、電離維持モードは、放電ランプの電力又は電流が、通常値よりも低い値であって放電ランプの発光管内の電離状態が維持できる電力又は電流の値である電離維持目標値となるようインバータ回路を制御するモードであり、
    停電継続検出手段は、商用電源の停電を検出する停電センサを備えていて停電センサが検出した停電が設定通常点灯維持条件の範囲を超えて継続したことを検出する手段であり、
    点灯制御部は、商用電源の停電が設定通常点灯維持条件の範囲を超えて継続したことが停電継続検出手段により検出された際、インバータ回路における制御を通常モードから電離維持モードに切り替えるものであることを特徴とする放電ランプ点灯装置。
  2. 前記設定通常点灯維持条件は、商用電源の停電後に平滑用コンデンサの蓄積電荷により通常点灯が維持できる時間として設定された時間であることを特徴とする請求項1記載の放電ランプ点灯装置。
  3. 商用電源に接続される整流平滑回路と、
    インバータ回路を含み、整流平滑回路の出力をインバータ回路により任意の直流に変換して放電ランプに供給するDC・DC変換回路と、
    放電ランプに供給されている電力又は放電ランプに流れる電流を測定するランプ測定回路と、
    ランプ測定回路における測定結果に従ってインバータ回路を制御する点灯制御部と
    を備え、DC・DC変換回路の出力側に接続された放電ランプに電力を供給する放電ランプ点灯装置であって、
    インバータ回路は、通常モードでの制御が可能な回路であって、通常モードは、ランプ測定回路による測定結果に従って整流平滑回路の出力をスイッチングすることで放電ランプの電力又は電流が通常値となるよう制御するモードであり、
    さらに、
    商用電源の停電が、設定通常点灯維持条件の範囲を超えて継続したことを検出する停電継続検出手段を備えており、
    整流平滑回路は、平滑用コンデンサを含んでおり、
    設定通常点灯維持条件は、商用電源の停電後に平滑用コンデンサの蓄積電荷により通常点灯が維持できる条件として定められた条件であって通常点灯が維持できる平滑用コンデンサの残留電荷による両端の電圧の下限値であり、
    点灯制御部は、通常モードに加え、電離維持モードでインバータ回路を制御することが可能となっており、電離維持モードは、放電ランプの電力又は電流が、通常値よりも低い値であって放電ランプの発光管内の電離状態が維持できる電力又は電流の値である電離維持目標値となるようインバータ回路を制御するモードであり、
    点灯制御部は、商用電源の停電後に平滑用コンデンサの両端の電圧が前記下限値を下回るまで停電が継続したしたことが停電継続検出手段により検出された際、インバータ回路における制御を通常モードから電離維持モードに切り替えるものであることを特徴とする放電ランプ点灯装置。
  4. 前記点灯制御部は、通常モードから電離維持モードに切り替えられた後、前記電離維持目標値を周期的に又は徐々に高くして前記インバータ回路を制御するものであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の放電ランプ点灯装置。
  5. 前記点灯制御部は、通常モードから電離維持モードに切り替えられた後、前記電離維持目標値を周期的に高くして前記インバータ回路を制御するものであり、各周期における最低の値はゼロであることを特徴とする請求項4記載の放電ランプ点灯装置。
  6. 前記放電ランプの定格電力は1kW以上であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の放電ランプ点灯装置。
JP2014123096A 2014-06-16 2014-06-16 放電ランプ点灯装置 Active JP5842956B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014123096A JP5842956B2 (ja) 2014-06-16 2014-06-16 放電ランプ点灯装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014123096A JP5842956B2 (ja) 2014-06-16 2014-06-16 放電ランプ点灯装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016004645A JP2016004645A (ja) 2016-01-12
JP5842956B2 true JP5842956B2 (ja) 2016-01-13

Family

ID=55073358

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014123096A Active JP5842956B2 (ja) 2014-06-16 2014-06-16 放電ランプ点灯装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5842956B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000133482A (ja) * 1998-10-27 2000-05-12 Matsushita Electric Works Ltd 放電灯点灯装置
JP2007257989A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Osram-Melco Ltd 高圧放電灯点灯装置
JP2009289480A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Panasonic Electric Works Co Ltd 高圧放電灯点灯装置および照明器具
JP2010146966A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Panasonic Electric Works Co Ltd 放電灯点灯装置及びそれを用いた照明器具

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000133482A (ja) * 1998-10-27 2000-05-12 Matsushita Electric Works Ltd 放電灯点灯装置
JP2007257989A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Osram-Melco Ltd 高圧放電灯点灯装置
JP2009289480A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Panasonic Electric Works Co Ltd 高圧放電灯点灯装置および照明器具
JP2010146966A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Panasonic Electric Works Co Ltd 放電灯点灯装置及びそれを用いた照明器具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016004645A (ja) 2016-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4986863B2 (ja) 放電灯点灯装置
JP5193445B2 (ja) 高圧放電灯点灯装置及び照明器具
US8593077B2 (en) High-voltage discharge lamp lighting device and lighting fixture
JP2007257989A (ja) 高圧放電灯点灯装置
JP5842956B2 (ja) 放電ランプ点灯装置
JP6629997B2 (ja) 放電ランプ点灯制御装置およびランプ電流供給方法
JP2015056317A (ja) 点灯装置
JP4619178B2 (ja) 放電灯点灯装置
JP2010080138A (ja) 高圧放電灯点灯装置、照明器具
JP2011014425A (ja) 高圧放電灯点灯装置、照明装置及び高圧放電灯点灯装置の制御方法
JP5030021B2 (ja) 高圧放電灯点灯装置及び光源装置並びにその制御方法
JP4953785B2 (ja) 放電灯点灯装置及びプロジェクタ
JP4186788B2 (ja) 無電極放電灯点灯装置
JP4721937B2 (ja) 放電灯点灯装置
JP6045858B2 (ja) 放電灯点灯装置
JP4196059B2 (ja) 放電灯点灯装置
JP6443037B2 (ja) 放電ランプ点灯方法
JP4989667B2 (ja) 放電灯点灯装置及び照明器具
JP2009009788A (ja) 高圧放電灯点灯装置
JP6051579B2 (ja) 充電回路及び閃光放電ランプ点灯装置
WO2016103694A1 (ja) 放電ランプ点灯方法及び放電ランプ点灯装置
JP5491716B2 (ja) 放電灯点灯装置
JP2003332091A (ja) 放電灯点灯装置
JP2008135363A (ja) 放電灯点灯装置
JP2016122601A (ja) 放電ランプ点灯装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151020

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5842956

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250