JP5842666B2 - 布状圧力センサヒータ - Google Patents

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Description

本発明は、圧力を測定しつつ暖めることができる布状圧力センサヒータに関する。
車両用シートに用いられる面状の圧力センサとヒータとの組み合わせ品は、例えば下記特許文献1に記載されているように、圧力を測定するセンサマットにヒータとなる発熱体を設置してセンサ・発熱体としたものが知られている。
センサマットは、それ単独でセンサの機能を持つものであるが、別の機能を持たせようとすると、センサ部が短絡した場合には、その追加機能も短絡することが予想される。例えば、ヒータとの組合せでは発熱させたい部位ではなく電力を供給する導通部の発熱や短絡部の過熱が起こる恐れがある。
特表2003−533311号公報
そこで、本発明は、センサ部が短絡してその追加機能であるヒータ部が短絡した場合であっても、電力を供給する導通部の発熱や短絡部の過熱を抑制することを目的としている。
本発明は、第一繊維層は導電性を有する第一導通部を備え、第一繊維層に対向する第二繊維層は導電性を有する第二導通部を備え、第三繊維層は、第一繊維層及び第二繊維層に連結し、第一導通部と第二導通部とを電気的に接続する導電性の連結糸を備え、第一導通部と第二導通部との間の電気抵抗値を測定する電気抵抗値測定手段と、電気抵抗値測定手段によって測定した電気抵抗値が、第一導通部と第二導通部とが短絡した状態に相当する所定値を超えたときに、第一導通部と第二導通部との間に電圧を印加して連結糸を発熱させる制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、第一導通部と第二導通部との間の電気抵抗値が、これら各導通部相互の短絡時に相当する所定値を超えたときに、電圧を印加して中間層を発熱させるようにしているので、短絡時に相当する所定値以下では、中間層を発熱させなくなって、電力を供給する導通部の発熱や短絡部の過熱を抑えることができる。
本発明の一実施形態に係わる布状圧力センサヒータの編み方を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係わる布状圧力センサヒータの全体構成を示す斜視図である。 布状圧力センサヒータに使用する編物(平編み)の形状例を示す平面図である。 布状圧力センサヒータに使用する編物(ゴム編み)の形状例を示す平面図である。 布状圧力センサヒータの上層と下層とを連結糸で繋ぐ状態を示す模式図であり、(a)は1本の連結糸で繋ぐもの、(b)、(c)は複数の連結糸で繋ぐものを示す。 布状圧力センサヒータの上層と下層とを連結糸で繋ぐ状態を示す模式図であり、(a)は1本の連結糸を一方向に順次巻き回したものをに逆方向に順次巻き回して互いにクロスさせて連結したもの、(b)は1本の連結糸を、上下層間でループを形成するようにして連結したものを示す。 図2の布状圧力センサヒータに対して他の例を示す斜視図である。 図2の布状圧力センサヒータに対してさらに他の例を示す斜視図である。 布状圧力センサヒータが圧力センサとして働く原理を示す作用説明図である。 中間層(連結糸)の長さと電気抵抗値との相関図である。 布状圧力センサヒータに圧力が作用することで、中間層が曲がる力を受けて連結糸同士が互いに接触した状態を示す作用説明図である。 発熱量制御手段による発熱出力の制御動作を示すフローチャートである。 図12の制御の一例を示すタイミングチャートである。 図13とは別の例を示すタイミングチャートである。 布状圧力センサヒータを車両のシートにセットした状態を示す斜視図である。 湿式紡糸法により導電性高分子繊維を製造する状態を示す湿式紡糸装置の全体構成図である。 導電性高分子繊維の外観図で、(a)は1本を示し、(b)は複数本束ねた状態を示す。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1,2に示す布状圧力センサヒータ1は、第一繊維層としての上層3と、この上層3に対向する位置にある第二繊維層としての下層5と、これら上層3及び下層5相互間に位置する第三繊維層としての中間層7とを有する三層構造の布状部材で構成している。すなわち、この布状圧力センサヒータ1は、布状部材で構成することによって通気性及び伸縮性、柔軟性を兼ね備えている。
上層3及び下層5は、それぞれ導電性を有する第一導通部9及び第二導通部11を備え、中間層7は、抵抗可変発熱層となる導電性の連結糸12で構成していて、第一、第二導通部7,9相互を導通するように交絡させて連結している。ここで、「交絡」とは、連結糸12と、第一導通部9及び第二導通部11とを、互いに電気的に確実に導通するように、絡めるようにして結んで接続した状態をいう。
また、複数の上層9相互間は非導電性の例えば繊維からなる非導通部13により互いに接続してあり、複数の下層11相互間も同様に非導電性の繊維からなる非導通部15により互いに接続している。
なお、図1では、導通部9(11)と非導通部13(15)とが、図1中で左右方向に1つずつ交互に配置されているが、導通部9(11)及び非導通部13(15)がそれぞれ図1中で左右方向に複数連続して連結されていて、この複数の導通部9(11)と複数の非導通部13(15)とが図1中で左右方向に交互に配置されていてもよい。その際、図1では、中間層7の連結糸12が、上層3の導通部9と非導通部13との連結部と、下層3の導通部11と非導通部15との連結部とを、互いに連結しているが、この連結糸12は、非導通部13,15に接触しない状態で導通部9,11同士を連結してあってもよく、また導通部9,11に接触しない状態で非導通部13,15同士を連結してあってもよい。
上記した布状圧力センサヒータ1は、図2に示すように、抵抗可変発熱層である中間層7の任意部位の抵抗値を測定するための電気抵抗値測定手段17と、中間層7を発熱層としても用いるための制御手段としての発熱量制御手段19とを備えている。発熱量制御手段19は、電気抵抗値測定手段17によって測定した電気抵抗値に基づいて、第一導通部9と第二導通部11との間に電圧を印加して中間層7を発熱させる。
上記した布状圧力センサヒータ1は布状部材で構成しているが、布状部材の一例となる一般的な編物は、図3及び図4に示すように、一本、あるいは数本の糸21がループを作り、そのループに次の糸21を引っ掛けて新しいループを作ることを連続して作った編地である。一般的に、横編機で編まれた編地をニット品(図3の平編み及び図4のゴム編み)と呼び、丸編機、経編機で反物状に編まれたものをジャージと呼ぶ。
本実施形態では、この編物を、図1,2のように上層3、下層5及び中間層7を有して立体的に作った状態で、中間層7の連結糸12を抵抗可変発熱層として圧力のセンシング(測定)機能と発熱機能とを持たせる。なお、一般的に市販されている立体編物は、旭化成せんい株式会社製のフュージョン等がある。
このとき上記した中間層7は、上、下層3,5間を図5(a)のように1本の連結糸12で繋ぐものでもよいが、図5(b),(c)のように非連結部25を有して必ずしも1本の糸で繋ぐものでなくてもよく、複数の短い連結糸27,29を使用してもよい。複数の短い連結糸27,29を使用する場合には、非連結部25における連結糸27,29の端部を、適宜の接続手段もしくは接続方法によって、上、下層3,5に固定することになる。
また、中間層7は、図5(a)のように1本の連結糸12を、上層3と下層5との間で一方向に順次巻き回すようにして連結するものに限らない。例えば、図6(a)のように、1本の連結糸12を一方向(図6中で右方向)に順次巻き回したものを、一点鎖線で示すように逆方向(図6中で左方向)に順次巻き回して互いにクロスさせて連結してもよく、図6(b)のように、1本の連結糸31を、上、下層3,5間でループを形成するように連結してもよい。あるいは、これらの連結方向を複数組み合わせてもよい。
また、中間層7で用いる1本の連結糸自体が、複数本の糸からなる撚り糸を形成していてもよい。その撚り糸中の導電に係わる成分の密度により、抵抗値の変化量を変化させることも可能である。
上、下層3,5にそれぞれ複数設置する第一導通部9及び第二導通部11と、抵抗可変発熱層(中間層7)の連結糸は、導電性の素材からなる。ここでいう導電性の素材とは、金,銀,銅やニクロム等の金属線、カーボン,グラファイト等の炭素系材料や金属,金属酸化物等の半導体からなる粒子、アセチレン系,複素5員環系,フェニレン系,アニリン系等の導電性樹脂としての導電性高分子等のことを示す。
炭素系材料の一例としては、カーボンからなる繊維体(トレカ(東レ株式会社製)、ドナカーボ(大阪ガスケミカル株式会社製)等)のように一般に市販されているものの他、炭素繊維、炭素粉末等を混入し紡糸した繊維等を用いることも可能である。
一方、粒子の一例としては、カーボンブラック、ケッチェンブラックなどの炭素系粉末、炭素系、鉄、アルミニウムなどの金属微粒子があり、さらに導電性微粒子として酸化錫(SnO)や酸化亜鉛(ZnO)などが挙げられる。
これらの材料を、単体で構成したもの、別の材料の表面に蒸着や塗布等で被覆しているもの、芯材として使用し表面を別の材料で被覆したもの等を用いることができる。
これらのうちで、市場での入手の容易性、比重等の点から炭素繊維あるいは炭素粉末の使用が望ましい。
中間層7の連結糸12に用いる素材としては、特に導電性高分子繊維を用いるのが好ましい。
本実施形態において、繊維とは、溶融紡糸や湿式紡糸、エレクトロスピニング等の方法で紡糸された繊維の他、フィルム切り出しによる繊維状であって柔軟性を有するものをいう。このような繊維の径や幅は、1本あたり概ね数μmから数百μm程度のものが、織物や編物を形成する上で、織りや編み易さ、織りや編んだ後の織り布や編物としての柔らかさ、生地としての扱い易さ等から好ましい。
これらの繊維(図17(a)参照)を数十本から数千本の束(バンドル状、図17(b)参照)にすることで、繊維としての扱いも容易になる。このとき、撚りが掛かっていても構わない。
本実施形態では、これらの1本の繊維またはバンドル状の繊維、あるいは1本の繊維とバンドル状の繊維とを組合せたものを用いて織物を形成する。
ここでいう導電性高分子繊維は、先述の導電性の素材の内、特に金属を除いたものをいう。金属は特に電気抵抗率が低い導体であるため、中間層7を効率的に発熱させるためには、極めて細い繊維を用いるか、上層3と下層5との間の距離を大きくする必要が出てくる。細い繊維を用いると、任意の部位、面積を発熱させたくても、ほぼ点での発熱となり、また、その金属繊維の周りの空気が断熱層となるため、暖める効果を得にくくなる。距離を大きくした場合には、金属繊維の柔らかさがネックになり、金属繊維のみでは布の圧縮方向の力を支えられないため、他の非導電繊維を混ぜることになり、結局、断熱層が形成され、発熱効率が落ちることになる。
このような金属を除いた導電性の素材を、後述する一般の繊維に用いられる材料、すなわち高分子に分散させたもの、塗布したもの、それ自体を繊維化したもの等を導電性高分子繊維と呼ぶ。
導電性の素材としては、特に半導体、導電性高分子、カーボンファイバを用いた導電性高分子繊維を用いることは好適である。
これら導電性の素材の導電性高分子繊維中の配合量は、0.5〜30vol%であることが望ましい。これら導電性の素材の配合量が0.5vol%未満では、混入した導電性の素材の量が少ないために、添加しない場合と実質的に性能が変わらず、コストが上昇するだけなので好ましくない。配合量が30vol%を超えると、マトリックス樹脂に混入した際に、混入された樹脂が溶融化された場合の粘度が増加するため、紡糸性がさらに大幅に低下し、繊維化が困難となる傾向がある。
これらのマトリクス樹脂には、ナイロン6,ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、共重合成分を含むポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリルなどの汎用樹脂を単独あるいは混合して用いることが、コストや実用性の点から好ましい。天然繊維を用いることも物理的には可能であるが、センシング性能やヒータ性能を考慮した場合、繊維径や繊維長方向の物性のバラツキ等の品質が合成繊維の方が安定して得やすいことから好ましく、コストや入手性の点でも合成繊維が好ましい。
上記のようなセンシング、発熱機能を得るための、導電性の素材の電気抵抗率の範囲は、10-3〜102Ω・cm程度のものを用いるのが好ましい。これは、織物や編物とした際に、導電性高分子繊維は抵抗体として働くことになり、抵抗値が10-3Ω・cm以下と小さすぎると導通部が発熱することになり、任意の部位を暖めることから外れてしまう。逆に102Ω・cm以上となって大きすぎると、発熱のための電流が流れにくくなってしまい、充分な発熱が得られない。より好ましい範囲としては、10-2〜10Ω・cm程度とすることで、より効率的に発熱機能を発揮することができる。
ここでの電気抵抗率とは、JIS K 7194(導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法)に準拠して求めた抵抗率をいう。
これらの電気抵抗率を示す導電性高分子繊維のうち、特に導電性高分子のポリピロール、PEDOT/PSS、ポリアニリン、PPVの少なくともいずれか一つを含んだ導電性高分子繊維とすることがより好ましい。
さらにその中でも、繊維として得やすい材料としては、チオフェン系導電性高分子のポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)にポリ4−スチレンサルフォネート(PSS)をドープしたPEDOT/PSS(Bayer社製、Clevios)や、フェニレン系のポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ピロール系のポリピロールなどが挙げられる。
これらの材料は、導電性高分子の中でも、湿式紡糸やエレクトロスピニングといった方法で、容易に繊維化することが可能であり、また、上記電気抵抗率を満たす材料として好ましい。
例えば、チオフェン系、ピロール系、アニリン系では、湿式紡糸による製造が可能で、例えば、上記したPEDOT/PSSの水分散液をアセトン中にシリンダから押し出す(図16参照)ことで、容易に導電性高分子繊維を得ることができる。
このような工程を採用することにより、布状圧力センサヒータ1を形成する導電性高分子繊維を容易に製造することができる。
上記した第一導通部9及び第二導通部11と、抵抗可変発熱層(中間層7)の連結糸に使用する導電性の素材は、単一の素材からなることも、複数の素材からなることも特に制限はない。
また、第一導通部9及び第二導通部11は、センシング精度を上げるためには、通常抵抗可変発熱層である中間層7よりも電気抵抗率が低い素材を用いることが好ましい。これら第一導通部9及び第二導通部11を形成する材料の形状は、図1にあるような繊維による編物のみとは限らない。通気性を持たせるために、上層3及び下層5自体は繊維で構成するのが好ましいが、図2,7,8のように、上層3及び下層5を構成する非導電性の別材料(芯材)の表面に導電性塗料等を塗布して第一、第二導通部9,11を形成することも可能である。導電性塗料の例としては、藤倉化成株式会社製のドータイト等が挙げられる。
布状圧力センサヒータ1として、部分的な硬さの違いによる違和感を避ける意味においては、第一、第二導通部9,11は、非導通部13,15を形成する一般の繊維とほぼ同じ断面積を有する金属線や導電性繊維、例えばニッケル等の金属を撚った撚線等を用いることも可能である。
上記した非導通部13,15を形成する一般の繊維には、ナイロン6,ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、共重合成分を含むポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリルなどの汎用樹脂からなる繊維を単独あるいは混合して用いることが、コストや実用性の点から好ましい。
また、上、下層3,5の形状は、通気性のある布状を成していれば特に問題はないが、上述の一般に用いられる繊維からなる織布、不織布、編物等を用いるのが抵抗可変発熱層(中間層7)を固定する意味合いや、圧力による変形を均一にする目的からも好ましい。
図2では、第一、第二導通部9,11をそれぞれ複数設けてあるが、少なくとも上層3または下層5のどちらかが、第一、第二導通部9,11を縞模様やブロック状に配置構成してあればよい。例えば、図7では、上層3のみを第一導通部9と非導電部13とで縞模様を構成してあり、この場合下層5はその全体が導通部(第二導通部11A)となる。また、図2のように上、下層3,5の縞模様が互いに平行となる場合だけでなく、図8のように下層5の導通部(第二導通部11B)及び非導通部13Bからなる縞模様が、上層3の縞模様に対して直交していてもよい。
中間層7の任意部位の抵抗値を測定する電気抵抗値測定手段17は、一般に用いられる抵抗計、LCRメータや、その測定原理を基にした基準抵抗との電圧比を電圧計により計測する方法等を単独、または組合せたものを用いる。また、中間層7の任意部位を発熱させるために用いる発熱量制御手段19は、一般に用いられるスイッチング素子、リレー等を単独、または組合せたものを用いる。
これらの電気抵抗値測定手段17及び発熱量制御手段19と、上、下層3,5の第一、第二導通部9,11とを電気的に配線接続する。その際、図2に示すように、上層3の導通部9の長手方向の一方の端部と、下層5の導通部11の長手方向の他方の端部とを配線により接続する。図1では互いに対向する一対の導通部9及び導通部11についての配線接続だけを図示しているが、他の互いに対向する位置にある導通部9及び導通部11についても同様にしてそれぞれ別々に電気抵抗値測定手段17及び発熱量制御手段19を配線接続する。つまり、電気抵抗値測定手段17及び発熱量制御手段19は、互いに対向する位置にある一対の導通部9及び導通部11に対応してそれぞれ個別に接続している。
このような互いに対向する位置にある一対の導通部9及び導通部11と、それに対応する抵抗値測定手段17及び発熱量制御手段19との組合せを、適宜複数設けることで、布状圧力センサヒータ1の必要とする部位の抵抗値を測定して発熱させることが可能となる。
次に、布状圧力センサヒータ1が、圧力センサとして働く原理を図9〜11を用いて説明する。抵抗可変発熱層である中間層7は、上層3側から付与される圧力Pに応じてアナログ(連続)的に電気抵抗が変化し、この電気抵抗値を電気抵抗値測定手段17で測定して検出する。
図9は、布状圧力センサヒータ1が上記した圧力Pを受けて中間層7が圧縮され屈曲変形することにより、該中間層7の上層3や下層5の近傍部分が、第一導通部9や第二導通部11に接触した状態を模式的に示している(図9中で右側の中間層7参照)。圧力Pをほとんど受けていない部位の中間層7(図9中で左側)は、上層3の第一導通部9と下層5の第二導通部11との間で自立的に、ほぼ当初の長さLを保っている。一方、圧力Pを受けている部位の中間層7は、上層3の第一導通部9と中間層7の連結糸12との間に接触部C1が発生する。同様に、下層5の第二導通部11と中間層7の連結糸12との間にも接触部C2が発生し、中間層7の連結糸12の実質的な長さはL’へと短くなるよう変化する(L>L’)。
図9における連結糸12の当初の長さLは圧力Pの関数として、次式1のように表される。係数αは、おおよそ布の圧縮方向に対応するバネ定数の逆数にあたる値になる。
式1・・・・L=αP
L:長さ[mm]、P:圧力[Pa]、α:係数[mm/Pa]
このときの長さLと抵抗値Rとの関係は、おおよそ抵抗値Rの関数として、次式2のような関係で示される。図9に示したように圧力Pを受けたときには、L’はLより短くなるため、Rの値は小さくなる。長さLと抵抗値Rの変化の関係を図10に示す。
式2・・・・R=ρL/S
R:抵抗値[kΩ]、ρ:抵抗率[Ω・mm]、L:長さ[mm]、S:断面積[mm2]
また、上記式2から抵抗値Rは断面積Sの関数にもなっており、この変化を模式的に示したのが図11である。図11では、上層3の第一導通部9に連結している中間層7の連結糸12と、非導通部13,15に連結している中間層7の連結糸12’とがある。
このとき、布状圧力センサヒータ1に上層3側から圧力Pが作用することで、中間層7が曲がる力を受け、連結糸12,12’同士が互いに接触する。このとき、第一、第二導通部9,11に連結しているもの(連結糸12)が、非導通部13,15に接触しているもの(連結糸12’)に接触することで、断面積Sが擬似的に断面積S’となるよう大きくなる。これにより、式2中の断面積Sが大きくなるので、前述と同様に圧力付加により抵抗値Rが小さくなることになる。
実際にはこれらの抵抗値Rの変化はそれぞれが独立して起こるのではなく、同時に連続的に変形していく。それにより、最終的な出力としては、図10に示すような、抵抗値変化を見せ、それが圧力センサとして機能することになる。
次に、布状圧力センサヒータ1が、上記したようなセンシング機能と同時にヒータとして働く原理を説明する。その原理は、第一、第二導通部9,11に導通している中間層7の連結糸12に通電することで、ジュール熱が発生しヒータとして機能する。
このとき、布状圧力センサヒータ1にかかる圧力が、センシング可能な限界の圧力を超えている場合には、上、下層3,5間の中間層7の抵抗値は最低値、つまりは、上下層3,5相互間の短絡値を示すことになる。このままでは、中間層7は、ヒータに相当する抵抗がなくなってしまうため、第一、第二導通部9,11の発熱や、過熱が発生してしまう。
このような第一、第二導通部9,11の発熱や、過熱を抑える手段として、本実施形態では、電気抵抗値測定手段17が計測した抵抗値Rが、第一、第二導通部9,11相互が短絡した状態に相当する所定値T以下のときに、発熱量制御手段19からの発熱出力を行なわない制御を行なう。すなわち、本実施形態では、電気抵抗値測定手段17によって測定した電気抵抗値が、予め設定した第一閾値(所定値T)を超えた状態で、発熱量制御手段19が、第一導通部9と第二導通部11との間に電圧を印加して中間層7(連結糸12)を発熱させる。
続いて、図12のフローチャートを参照して、上記した発熱量制御手段19による発熱出力の制御について第1の実施形態として説明する。まず、発熱量制御手段19による布状圧力センサヒータ1への出力判定を実施するための判定値を初期化してその設定を行う(ステップS1)。その後、複数の電気抵抗値測定手段17により計測した各測定点毎の抵抗値データを取得して(ステップS2)、布状圧力センサヒータ1への圧力付与状態が推定される。
次に、電気抵抗値測定手段17により計測した抵抗値Rが、ステップS2の処理で推定された圧力付与状態による、第一、第二導通部9,11相互間の短絡に相当する所定値T(例えば0.2Ω)より大きいか(超えているか)否かを判定する(ステップS3)。ここで、計測した抵抗値Rが所定値Tを超えている場合には(ステップS3でYES)、短絡していないとしてヒータとしての発熱出力を行なう(ステップS4)。逆に、抵抗値Rが所定値Tを超えておらず所定値T以下の場合には(ステップS3でNO)、短絡しているとしてヒータとしての発熱出力を行なわない(ステップS5)。
ヒータとしての発熱出力を行なう場合と、ヒータとしての発熱出力を行なわない場合の各ステップS4,S5の処理終了後は、ステップS2に戻り、再度、抵抗値Rの測定を繰り返し行なう。
次に、上記した制御動作に対応するタイミングチャートの一例を図13に示す。ここでは、ヒータの目標温度を40℃とした場合の制御の例を示す。
本タイミングチャートは、図12のステップS1の処理が終わった時間をT10としている。この段階では、抵抗値Rは圧P=0(ゼロ)に相当する第二閾値となる最大値Maxを示している。このとき、発熱量制御手段19からの発熱出力も最大になっており、本出力で発熱部のヒータ温度は40℃となる。
時間T11では、圧力Pの増加に対応する抵抗値Rの低下が見られるため、ステップS2の処理で取得する抵抗値Rは小さくなっているが、ここではまだ所定値T(短絡時の値)を超えているので(ステップS3でYES)、引き続きヒータ発熱出力が継続されて(ステップS4)、ヒータ温度は40℃を維持している。
時間T12では、圧力Pがさらに増加したことに対応する抵抗値Rの低下で短絡に相当する抵抗値Rになっているため、抵抗値Rは所定値T以下と判定され(ステップS3でNO)、ヒータの発熱出力は行なわない(ステップS5)。それに伴いヒータ温度は常温へと戻っていく。
時間T13では、圧力Pの低下に対応する抵抗値Rの増加が見られるため、ステップS2の処理で取得する抵抗値Rは大きくなり、所定値Tを超える値となって(ステップS3でYES)、ヒータ発熱出力を再び行なっている(ステップS4)。これにより、ヒータ温度も再び40℃まで上昇する。
その後、時間T14では、時間T12と同様に、再び抵抗値Rが短絡相当なのでヒータOFF(オフ)とし、T15では時間T13と同様に、圧力Pが低下してヒータON(オン)としている。続く時間T16では圧力P=0に対応する抵抗値RでヒータONのままで、さらに時間T17では圧力増加に伴う抵抗値Rが低下しているが、所定値Tを超えているのでヒータONのままとなっている。
このように、本実施形態では、センサ部が短絡し、その追加機能であるヒータ部が短絡しても、センサ部の短絡により電気抵抗値が例えば0.2Ωというような低い所定値Tとなった場合には中間層7(連結糸12)を発熱させないので、電力を供給する導通部9,11の発熱や短絡部の過熱を抑えることができる。その際、本実施形態では、布状圧力センサヒータ1自体が通気性及び柔軟性、伸縮性が保たれているので、使用時の違和感や蒸れ感など不快な使用感を抑えることができる。
上記図12のフローチャート及び図13のタイミングチャートによる第1の実施形態では、圧力Pが0(ゼロ)を示している場合であっても、発熱出力を行なっている。この例では、布状圧力センサヒータ1を後述する例えば車両のシートに適用して該シートへの着座前に暖めておく、プリヒートを実施する場合等に好適である。
これに対して第2の実施形態となる図14のタイミングチャートでは、圧力Pが0(ゼロ)を示す場合にも、発熱出力を行なわない例を示している。本実施形態の布状圧力センサヒータ1を実際に使用する場面を想定すると、圧力が掛かっていない部分は、人が接触していない部分であり、その部位に通電することは、省電力の観点からは好ましくない場合、図14の例のような制御を用いるのは好適である。
具体的には、図14のタイミングチャートは、図12のステップS1の処理が終わった時間をT20としている。この段階では、抵抗値Rは、圧P=0(ゼロ)に相当する抵抗値の最大値Maxを示している。このとき、発熱量制御手段19からの発熱出力はなく、発熱部のヒータ温度は常温となっている。
すなわち、この例でのフローチャートは、図12のフローチャートのステップS3に対応する処理(ステップS3’とする)が、抵抗値Rが、所定値Tより大きく、かつ最大値Maxより小さいか否かを判定するものとなる。その他のステップの処理は、図12と同様である。
抵抗値Rが、所定値Tより大きく、かつ最大値Maxより小さい場合には(ステップS3’でYES)、ヒータの発熱処理を行ない、抵抗値Rが、所定値T以下か、あるいは最大値Max以上の場合には(ステップS3’でNO)、ヒータの発熱処理を行なわない。つまり、本実施形態では、電気抵抗値測定手段17によって測定した電気抵抗値が、所定値Tを超えて最大値Max未満の一定範囲にあるときに、第一導通部9と第二導通部11との間に電圧を印加して連結糸12を発熱させる。
図14のタイムチャートに戻り、時間T21では、圧力Pの増加に対応する抵抗値Rの低下が見られるため、ステップS2の処理で取得する抵抗値Rは小さくなっているが、ここでは所定値T(短絡時の値)を超え、かつ最大値Maxを下回っているので(ステップS3’でYES)、ヒータ発熱出力がONになり(ステップS4)、ヒータ温度は40℃を示している。
時間T22では、圧力Pがさらに増加したことに対応する抵抗値Rの低下で短絡に相当する抵抗値Rになっているため、ステップS2の処理で取得する抵抗値Rは小さくなり、さらに抵抗値Rが所定値T以下と判定され(ステップS3’でNO)、ヒータの発熱出力は行なっていない(ステップS5)。それに伴いヒータ温度は常温へと戻っていく。
時間T23では、圧力Pの低下に対応する抵抗値Rの増加が見られるため、ステップS2の処理で取得する抵抗値Rは大きくなり、所定値Tを超え、かつ最大値Maxを下回る値となるため(ステップS3’でYES)、ヒータ発熱出力を再び行なっている(ステップS4)。それにより、ヒータ温度も40℃まで上昇する。その後、時間T24では再び抵抗値Rが短絡相当なのでヒータOFF、時間T25では圧力Pが低下してヒータON、時間T26では圧力P=0(ゼロ)に対応する抵抗値RでヒータOFF、時間T27では圧力Pの増加に伴う抵抗値Rの低下でヒータONとなっている。
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、電力を供給する導通部9,11の発熱や短絡部の過熱を抑えることができるとともに、布状圧力センサヒータ1自体が通気性及び柔軟性、伸縮性が保たれているので、使用時の違和感や蒸れ感など不快な使用感を抑えることができる。
また、本実施形態では、電気抵抗値測定手段19によって測定した電気抵抗値が、最大値Max以上、すなわち布状圧力センサヒータ1に圧力が掛かっておらず不使用の状態では、ヒータ加熱を実施しないようにしている。このため、省電力化に寄与することができる。
なお、上記した制御において、発熱量制御手段19がヒータ発熱出力を実施するにあたり、電気抵抗値測定手段17により測定した抵抗値Rが大きいときに発熱出力を小さく、抵抗値Rが小さいときに発熱出力を大きくする制御を行なうことができる。これにより、ヒータ温度を、目標温度に対して一定とすることができ、ヒータとして安定した出力ができる。
上記したような布状圧力センサヒータ1は、図15に示すように、例えば車両のシート33に使用することができる。シート33は、シートクッション35とシートバック37とヘッドレスト39とを主として備え、シートクッション35上に該シートクッション35とほぼ同形状に形成した布状圧力センサヒータ1をセットする。なお、図15のような実際の使用状態での布状圧力センサヒータ1は、別途カバーを被せて使用することになる。
乗員が布状圧力センサヒータ1を介してシートクッション35に着座したときの姿勢変化などに起因する圧力分布を計測する際には、布状圧力センサヒータ1自体が通気性及び柔軟性が保たれているので、使用時の違和感や蒸れ感など不快な使用感を抑えることができる。それと同時に、前述した短絡時の制御があることで、短絡時には、ヒータへの電力供給を停止するので、導通部の発熱や異常過熱を抑えることができる。このような車両への適用の他にも、病院や介護施設等で、ベッドのシーツとして用いることで、圧力の掛かっている位置を測定しつつ、ヒータにより暖める用途に用いることができる。
また、上記した各実施形態では、連結糸12が金属を含む導電性繊維からなるものとしており、この導電性繊維によって各実施形態における布状圧力センサヒータ1の製造が可能となる。
また、上記した各実施形態では、導電性繊維が半導体を含んでなるものとしており、このような導電性繊維によっても各実施形態における布状圧力センサヒータ1の製造が可能となる。
また、上記した各実施形態では、導電性繊維が導電性樹脂を含んでなるものとしており、このような導電性繊維によっても各実施形態における布状圧力センサヒータ1の製造が可能となる。
また、上記した各実施形態では、導電性繊維がカーボンを含んでなるものとしており、このような導電性繊維によっても各実施形態における布状圧力センサヒータ1の製造が可能となる。
また、上記した各実施形態では、導電性繊維が芯となる繊維表面に導体として例えば銀をコーティングしたものとしており、このような導電性繊維によっても各実施形態における布状圧力センサヒータ1の製造が可能となる。
次に、導電性高分子繊維を製造する装置の一例について説明する。
図16に示す湿式紡糸装置41は、溶媒相となるアセトン(和光化学株式会社製:019-00353)を湿式紡糸溶媒槽43に収容し、この湿式紡糸溶媒槽43中にマイクロシリンジ(株式会社伊藤製作所製、MS−GLL100、針部内径260μm)45を使用して複数の導電性高分子繊維49aを発生させている。
マイクロシリンジ45は、一度濾過した導電性高分子PEDOT/PSSの水分散液(スタルク製Clevios)とポリビニルアルコール(PVA:関東化学株式会社製)の7wt%水溶液とを混合した紡糸原液を、複数の口金針47から2μL/minの速度で押し出す。これにより、直径約10μmの上記した複数の導電性高分子繊維49aを湿式紡糸法で得ることができる。
この複数の導電性高分子繊維49aを束ねて1本の繊維49とした状態で、湿式紡糸溶媒槽43の外部に配置してある繊維送り器51の繊維送りローラ53,55によりコーティング槽57に送り込む。コーティング槽57では導電性高分子繊維49の表面に導体としての例えば銀をコーティングする。コーティングした導電性高分子繊維49は再度外部に引き出して繊維送り器51の繊維送りローラ59により乾燥機61に送り込んで乾燥させ、この乾燥した導電性高分子繊維63を繊維巻き取り器65に巻き取る。
そして、この導電性高分子繊維63を図17(a)に示す適宜長さの導電性高分子繊維67とし、この導電性高分子繊維67を図17(b)のように複数(例えば12本)束ねたバンドルとして、布状圧力センサヒータ1の作製に用いる。
以下に、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
[実施例1]
上記図16の湿式紡糸法で得た導電性高分子繊維(但し、コーティング槽57でのコーティングはせず)の導電率を、前述したJIS K 7194(導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法)に準拠して測定し、得られた電気抵抗率(Ω・cm)は、約10-1Ω・cmとなった。この導電性高分子繊維を抵抗可変発熱層である中間層7として用いた。
上層3、下層5の第一、第二導通部9,11(11A,11B)用の繊維には、銀コーティング繊維(紹興運佳紡織品社製)を用いた。非導通部13,15(15B)には、ポリエステル繊維(中央繊維資材製、グンゼポリーナ)を用いた。
福原精機株式会社製の丸編機を用い、ゲージ、口数等を、上下層間の抵抗可変発熱層(中間層7)厚さが10mm、単位面積あたりの導電性高分子繊維の量は10%になるように調整を行った。
上層3は10mm幅の導通部(第一導通部9)と2mm幅の非導通部13とを繰り返し形成した縞模様の構成とし、下層5は図7のようにすべて導通部11Aとして、布状圧力センサヒータ1を得た。この布状圧力センサヒータ1の形状は、縦20cm、横20cmのほぼ正方形とした。
電気抵抗値測定手段17としては、エムシステム技研製R7Cの入力端子へオペアンプ(テキサスインスツルメント製TL071)で形成したボルテージフォロワを介して配線接続した。発熱量制御手段19としては、図2で示したように、図7での上層3の各導通部9の長手方向の一方の端部と、下層5の導通部11Aの上記長手方向に沿う他方の端部とを配線接続し、布状圧力センサヒータ1全体を16ヶ所に分割して測定と発熱が可能な布状圧力センサヒータ1を得た。
制御は図12のフローチャートに基づき、図13のタイムチャートで示した圧力P=0(ゼロ)のときも発熱出力する制御を行なった。電気抵抗値測定手段17により得た電気抵抗値Rの変化範囲は、11Ω〜1.2Ωであることを事前に確認し、短絡時に相当する所定値Tは1.2Ωとした。
上層3のそれぞれの縞模様毎に圧力Pを0〜2.94×10Paまで付与した際の各縞模様毎の抵抗値Rの変化に応じて、電圧2V〜12Vを印加した。同時に16分割の任意部位での発熱出力があるときの温度は41℃でほぼ一定であることが確認できた。導通部9,11Aの発熱は確認されなかった。
[実施例2]
下層5をポリエステル繊維で形成し、その下層5に、図8に示したように上層3の縞模様と90度で交差するように、10mm幅の導通部(第二導通部11B)と2mm幅の非導通部15Bとが繰り返すパターンとなるようにした。この場合、下層5の導通部(第二導通部11B)は、ポリエステル繊維に導電ペースト(藤倉化成株式会社製、ドータイト)を塗布することで形成した。これ以外は、実施例1と同様にすることで、256ヶ所を分割しての測定と発熱が可能な布状圧力センサヒータ1を得た。
制御は図12のフローチャートに基づき、図14のタイムチャートで示した圧力P=0(ゼロ)の時には発熱出力を行なわない制御を行なった。電気抵抗値測定手段17により得た抵抗値の変化範囲は、116Ω〜20Ωであることを事前に確認し、短絡時に相当する所定値Tは20Ωとした。
上層3と下層5との間の縞模様の交点毎に圧力を0〜2.94×10Paまで印加した際の各交点毎の抵抗値Rの変化に応じて、電圧2V〜12Vを印加した。256分割の任意部位での発熱出力があるときの温度は40℃でほぼ一定であることが確認できた。導通部9,11Bの発熱は確認されなかった。
[比較例1]
抵抗可変発熱層(中間層7)として、抵抗可変能、発熱能を持たないポリエステル繊維(中央繊維資材株式会社製、グンゼポリーナ)を用いた。その他の上層3及び下層5の繊維は実施例1と同様のものを用い、福原精機株式会社製の丸編機を用い、ゲージ、口数等を、上、下層3,5間の抵抗可変発熱層(中間層7)厚さが10mmになるように三層構造の布を製造した。
上層3及び下層5とも10mm幅の導通部と2mm幅の非導通部を繰り返し形成した縞模様の構成とした。電気抵抗値測定手段17及び発熱量制御手段19は、実施例1と同様に上層3と下層5とを接続するように設けた。
測定した抵抗値は、圧力未印加時は無限大で、評価範囲の最大圧力時には、ほぼ0(ゼロ)Ωとなり、短絡を示した。その短絡時に、16分割されている導通部で33℃での発熱が確認された。
なお、上記した実施例1,2及び比較例での抵抗値、発熱温度の測定は、温度25℃、湿度60%RHの恒温槽中で実施した。
1 布状圧力センサヒータ
3 上層(第一繊維層)
5 下層(第二繊維層)
7 中間層(第三繊維層)
9 第一導通部
11,11A,11B 第二導通部
12 中間層の連結糸
17 電気抵抗値測定手段
19 発熱量制御手段(制御手段)
T 電気抵抗値の所定値(第一閾値)
Max 電気抵抗値の最大値(第二閾値)

Claims (8)

  1. 第一繊維層と、該第一繊維層に対向する位置に設けた第二繊維層と、前記第一繊維層と前記第二繊維層との間に設けた第三繊維層とを有する布状圧力センサヒータであって、
    前記第一繊維層は、導電性を有する第一導通部を備え、
    前記第二繊維層は、導電性を有する第二導通部を備え、
    前記第三繊維層は、前記第一繊維層及び前記第二繊維層に連結し、前記第一導通部と前記第二導通部とを電気的に接続する導電性の連結糸を備え、
    前記第一導通部と前記第二導通部との間の電気抵抗値を測定する電気抵抗値測定手段と、
    前記電気抵抗値測定手段によって測定した電気抵抗値が、前記第一導通部と前記第二導通部とが短絡した状態に相当する所定値を超えたときに、前記第一導通部と前記第二導通部との間に電圧を印加して前記連結糸を発熱させる制御手段と、を有することを特徴とする布状圧力センサヒータ。
  2. 前記制御手段は、前記電気抵抗値測定手段によって測定した電気抵抗値が、前記所定値を超える一定範囲にあるときに、前記第一導通部と前記第二導通部との間に電圧を印加して前記連結糸を発熱させることを特徴とする請求項1に記載の布状圧力センサヒータ。
  3. 前記連結糸が導電性繊維からなることを特徴とする請求項1または2に記載の布状圧力センサヒータ。
  4. 前記導電性繊維が半導体を含んでなることを特徴とする請求項3に記載の布状圧力センサヒータ。
  5. 前記導電性繊維が導電性樹脂を含んでなることを特徴とする請求項3に記載の布状圧力センサヒータ。
  6. 前記導電性繊維がカーボンを含んでなることを特徴とする請求項3に記載の布状圧力センサヒータ。
  7. 前記導電性繊維が芯となる繊維表面に導体をコーティングしたものであることを特徴とする請求項3に記載の布状圧力センサヒータ。
  8. 前記導電性繊維の電気抵抗率が10-3〜102Ω・cmであることを特徴とする請求項3ないし7のいずれか1項に記載の布状圧力センサヒータ。
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