JP5842619B2 - インジェクタ駆動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の気筒内に、直接、燃料を噴射するインジェクタ(直噴インジェクタ)を駆動するためのインジェクタ駆動制御装置に関する。
ガソリンや軽油などを燃料とする内燃機関において、燃料の燃焼効率の向上などを目的として、内燃機関の気筒(シリンダー)内に、直接、燃料を噴射するいわゆる直噴インジェクタを用いることが知られている。
直噴インジェクタによるシリンダー内への燃料の噴射は、成層燃焼時には、内燃機関の圧縮工程において実行される。この際、圧縮工程により高圧となったシリンダー内に、適切な燃料粒径及び噴射形状で燃料を噴射するためには、直噴インジェクタから噴射する燃料の圧力を相応の圧力まで高める必要がある。そのため、直噴インジェクタを備えた燃料供給システムにおいては、燃料圧力を必要な圧力まで高めることが可能なフューエルポンプやレギュレータなどが設けられる。
一方、直噴インジェクタは、このような燃料圧力の高圧化に伴い、高い燃料圧力に打ち勝って開弁動作を行わなければならず、その開弁動作には、より大きなエネルギーが必要となる。そのため、例えば特許文献1に記載されるように、直噴インジェクタを駆動する駆動制御装置には、車載バッテリによる電圧を昇圧する昇圧回路が設けられ、当該昇圧回路によって生成された昇圧電圧を用いて、直噴インジェクタへの通電電流を、開弁動作に必要な電流値まで上昇させることができるようにしている。
特開2010−229877号公報
上述した特許文献1に記載された昇圧回路を含め、従来の昇圧回路による昇圧動作は、例えば図4の動作波形図に示すように、チャージコンデンサに充電された昇圧電圧が所定の昇圧開始電圧値V1以下に低下したことが検出されたときに開始される。この昇圧動作は、スイッチング素子により、チャージコイルへの通電を周期的にオン、オフさせることにより、チャージコイルに蓄積された磁気エネルギーを電気エネルギーとして放出させ、その放出された電気エネルギーにてチャージコンデンサを充電することで実現される。そして、昇圧動作が開始されて、チャージコンデンサに充電される昇圧電圧が所定の昇圧停止電圧値V2に達したことが検出されると、スイッチング素子の駆動が停止され、それにより昇圧動作も停止する。
しかしながら、図4の動作波形図に示すように、直噴インジェクタに開弁動作を行わせるための電流(開弁電流)の通電時には、昇圧回路による昇圧動作が開始されても、その開始時点で、昇圧電圧は昇圧開始電圧値V1まで低下していることに加え、昇圧動作によるチャージコンデンサへの充電量よりも、開弁電流としてチャージコンデンサから直噴インジェクタに放電される放電量の方が大きい。このため、図4に示すように、開弁電流の通電終了時点で、チャージコンデンサの昇圧電圧は大きく低下してしまい(電圧値∨_A)、昇圧回路の昇圧動作によって、その低下分を回復させるために比較的長い時間を要することになる。このため、内燃機関の回転数が上昇したとき、次の噴射タイミングまでに、昇圧電圧を十分に回復させることができず、開弁動作に必要な電流を通電することができなくなる虞がある。
また、開弁電流通電時に、昇圧動作を行う期間が短いので、例えば、直噴インジェクタに導入される燃料圧力が上昇した場合など、エンジン回転数によらず、より高い値の開弁電流を供給しなければならないとき、チャージコンデンサの昇圧電圧が不足し、必要な開弁電流を供給できない可能性もある。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、昇圧回路による昇圧電圧を回復させるために必要な時間を従来よりも短縮することが可能な、また、従来よりも高い値の開弁電流を通電することが可能なインジェクタ駆動制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載のインジェクタ駆動制御装置は、内燃機関の気筒内に、直接、燃料を噴射するインジェクタを駆動するためのものであって、
チャージコンデンサを含み、バッテリ電圧を用いて当該チャージコンデンサを充電することにより昇圧電圧を生成する昇圧回路と、
チャージコンデンサに充電された昇圧電圧を用いて、インジェクタに開弁動作を行わせるための開弁電流を通電して、前記インジェクタから燃料を噴射させる通電回路と、
通電回路によりインジェクタに開弁電流の通電が開始されたことに同期して、昇圧回路による昇圧動作を開始させる昇圧制御手段と、を備え
昇圧制御手段には、チャージコンデンサに充電された昇圧電圧が所定の昇圧停止電圧以上となると、昇圧回路の昇圧動作を停止させる昇圧停止手段が設けられており、
昇圧制御手段は、インジェクタに開弁電流の通電が開始されたことに同期して昇圧回路の昇圧動作を開始させる場合、昇圧停止手段による昇圧動作の停止を禁止する禁止期間を定め、昇圧回路が昇圧動作を開始した時点から禁止期間が経過するまでは、昇圧停止手段による昇圧動作の停止を禁止することを特徴とする。
インジェクタに開弁電流の通電が開始される場合、その通電開始時点では十分に高い昇圧電圧がチャージコンデンサに充電されていても、その開弁電流の通電に伴って、チャージコンデンサの昇圧電圧は大きく低下することになる。それにも係わらず、従来は、チャージコンデンサの昇圧電圧が、昇圧開始電圧以下に低下することを条件として昇圧動作を開始していた。このため、インジェクタへの開弁電流の通電開始から、チャージコンデンサの昇圧電圧が昇圧開始電圧以下となるまで、昇圧動作が行われない期間が存在していた。
このような点に着目し、請求項1のインジェクタ駆動制御装置では、インジェクタに対して開弁電流の通電が開始されたことに同期して、昇圧回路による昇圧動作を開始させることとした。すなわち、インジェクタに開弁電流の通電が開始される場合には、昇圧動作が行われない期間がなくなるように、従来に比較して、より早いタイミング(開弁電流の通電開始タイミング)で昇圧動作を開始させるようにした。従って、開弁電流の通電によって、チャージコンデンサの昇圧電圧の低下量を、従来よりも小さく抑えることが可能になる。そのため、その低下した昇圧電圧を回復させるために必要な時間も、従来よりも短縮することができる。
さらに、開弁電流の通電か開始されたことに同期して昇圧動作を開始させているので、従来よりも、インジェクタに開弁電流を通電する期間におけるチャージコンデンサへの充電量を増加させることができる。そのため、開弁電流として大きな電流値が必要とされるときにも、必要な開弁電流を通電することが可能となる。
一方、チャージコンデンサに充電される昇圧電圧が大きく変動すると、開弁電流の精度、ひいては、燃料噴射量の精度を確保することが困難になる。このため、昇圧制御手段に、従来と同様に、チャージコンデンサに充電された昇圧電圧が所定の昇圧停止電圧以上となると、昇圧回路の昇圧動作を停止させる昇圧停止手段を設けている。
ここで、インジェクタに開弁電流の通電が開始されたことに同期して、昇圧回路による昇圧動作を開始させるようにすると、その通電開始時点において十分に高い昇圧電圧がチャージコンデンサに充電されている場合、昇圧動作を開始した直後に、その昇圧動作によってチャージコンデンサの昇圧電圧が昇圧停止電圧を瞬間的に超えてしまうことも起こりえる。従って、昇圧停止手段を設けた場合、意図に反して、昇圧動作を開始した直後に昇圧動作が停止されてしまう可能性が生じる。
この点において、請求項に記載のインジェクタ駆動制御装置では、インジェクタに開弁電流が通電されたことに同期して昇圧回路の昇圧動作を開始させる場合、昇圧停止手段による昇圧動作の停止を禁止する禁止期間を定め、昇圧回路が昇圧動作を開始した時点から禁止期間が経過するまでは、昇圧停止手段による昇圧動作の停止を禁止している。従って、インジェクタへの開弁電流の通電開始後の、まだ昇圧電圧の低下が小さい間に、昇圧回路による昇圧動作によって昇圧電圧が昇圧停止電圧を超えたとしても、昇圧回路の昇圧動作が停止されてしまうことを防止することができる。
請求項に記載したように、昇圧制御手段には、インジェクタに開弁電流が通電されることなく、チャージコンデンサに充電された昇圧電圧が所定の昇圧開始電圧以下となると、昇圧回路の昇圧動作を開始させる昇圧開始手段が設けられていることが好ましい。例えば、車両が長い下り坂などを走行したときに、燃料カットにより直噴インジェクタから燃料が噴射されない期間が長く続いた場合や、ハイブリッド車両においてモータ走行が長く続いた場合など、自然放電によってチャージコンデンサに充電された昇圧電圧が低下することも考えられる。すると、インジェクタから燃料の噴射を再開する際に、インジェクタの開弁に必要な電流を供給できない虞が生じる。従って、上述したように、昇圧開始手段を設けて、チャージコンデンサの昇圧電圧が所定の昇圧開始電圧以下となったときには、昇圧回路の昇圧動作を開始させることが望ましい。
実施形態によるインジェクタ駆動制御装置を含む構成を示す構成図である。 インジェクタ駆動制御装置において、昇圧回路部による昇圧動作を制御するための処理を示すフローチャートである。 本実施形態における、昇圧動作について説明するための動作波形図である。 従来技術における、昇圧動作を示した動作波形図である。
以下、本発明の実施形態によるインジェクタ駆動制御装置について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態によるインジェクタ駆動制御装置10を含む構成を示す構成図である。図1において、直噴インジェクタ50は、図示しない内燃機関(エンジン)の各気筒(シリンダー)の上部に取り付けられ、燃料をシリンダー内に直接噴射するものである。
エンジンには、いずれも図示しないが、吸入空気量を検出するエアフローメータ、スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ、クランク軸が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ、吸気管内の圧力を検出する吸気管圧力センサ、冷却水温を検出する冷却水温センサ、排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ等の各種のセンサが設けられている。
これら各種センサの出力は、エンジン制御ユニット(エンジンECU)1に入力される。エンジンECU1は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROMに記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、上述した各種のセンサ出力から把握されるエンジン運転状態に応じて、直噴インジェクタ50の燃料噴射量、燃料噴射時期や、図示しない点火プラグの点火時期等を制御する。
直噴インジェクタ50の燃料噴射量及び燃料噴射時期を制御するために、エンジンECU1は、インジェクタ駆動制御装置10に対して、適切なタイミングでインジェクタ通電信号を出力する。インジェクタ駆動制御装置10は、そのインジェクタ通電信号が出力されている期間、直噴インジェクタ50に開弁動作を行わせるように、直噴インジェクタ50に通電する電流を制御する。
インジェクタ駆動制御装置10は、主として、直噴インジェクタ50に通電する駆動電流を制御するための通電回路部20と、車両に搭載されたバッテリ(図示せず)の電圧を用いてチャージコンデンサ33に電荷を充電することにより昇圧電圧を生成するための昇圧回路部30とからなっている。なお、通電回路部20における制御部と、昇圧回路部30における制御部とは、集積IC21により集積化されている。
通電回路部20は、閉弁している直噴インジェクタ50を開弁させるための開弁電流を直噴インジェクタ50に通電するためのスイッチング素子24,25を有している。これらのスイッチング素子24,25は、昇圧回路部30のチャージコンデンサ33及び直噴インジェクタ50に対して直列に接続され、開弁電流を通電すべき時に開弁電流制御信号により同時にオンされる。すると、チャージコンデンサ33に充電されている昇圧電圧により、スイッチング素子24,25を介して、閉弁している直噴インジェクタ50を開弁させることが可能な開弁電流が、直噴インジェクタ50に通電される(開弁電流制御)。なお、直噴インジェクタ50内には、弁体を移動させるための磁気力を発生させるためのソレノイドコイルが設けられている。このため、図3に示すように、直噴インジェクタ50に通電される駆動電流は、そのソレノイドコイルのインダクタンスにより、開弁電流値(Ipeak)まで徐々に上昇していく。
ここで、直噴インジェクタ50に導入される燃料の圧力に応じて、直噴インジェクタ50を開弁させるために必要な開弁電流値(Ipeak)は変化する。そのため、通電回路部20の制御部は、直噴インジェクタ50内に導入される燃料の圧力を検出する圧力センサ(図示せず)の検出信号を取り込むとともに、その燃料圧力と開弁電流値(Ipeak)との対応関係を制御マップとして記憶している。なお、圧力センサは、フューエルポンプから吐出される高圧の燃料を直噴インジェクタ50に導く燃料供給配管や、直噴インジェクタ50に配置される。
さらに、通電回路部20の制御部は、直噴インジェクタ50に実際に通電される駆動電流の値を、抵抗25の端子電圧に基づいて算出する。そして、通電回路部20の制御部は、検出した燃料圧力に応じた開弁電流値(Ipeak)に相当する駆動電流が直噴インジェクタ50に通電されるように、開弁電流制御信号を2つのスイッチング素子24,25に出力する。ただし、直噴インジェクタ50の通電経路下流側に接続されたスイッチング素子25は、原則として、常時オンされている。
なお、上記の燃料圧力と開弁電流値(Ipeak)との対応関係を示す制御マップを、エンジン制御ECU1に記憶させるとともに、圧力センサによる燃料圧力の検出信号をエンジン制御ECU1が取り込んで、その燃料圧力に対応する開弁電流値(Ipeak)を算出し、通電回路部20に与えるようにすることも可能である。
直噴インジェクタ50の駆動電流が、開弁電流値(Ipeak)に達すると、通電回路部20の制御部は、スイッチング素子24に対する開弁電流制御信号の出力を停止し、開弁電流制御を終了する。このときには、既に、直噴インジェクタ50は、開弁した状態となっており、その開弁した状態を維持するためだけであれば、開弁電流値(Ipeak)ほど大きな駆動電流は不要であるためである。
開弁電流制御を終了した後は、インジェクタ通電信号がオフするまでの期間、通電回路部20の制御部は、直噴インジェクタ50に通電される駆動電流が、開弁状態を維持するための保持電流値(Ihold)となるように、直噴インジェクタ50に通電される駆動電流を制御する(保持電流制御)。なお、保持電流値(Ihold)は、燃料圧力によらず、一定値に定められている。
保持電流制御では、大きな駆動電流は必要とされないので、チャージコンデンサ33に充電された昇圧電圧は使用せず、バッテリ電圧を利用して行われる。すなわち、車載バッテリに接続されたスイッチング素子22に対して、直噴インジェクタ50に通電される駆動電流の値に基づいて保持電流制御信号を出力することにより、その駆動電流が保持電流値(Ihold)に一致するようにスイッチング素子22の導通状態を制御する。
このように、保持電流制御においては、バッテリ電圧を利用して、直噴インジェクタ50に保持電流を通電する。このため、図3に示すように、開弁電流制御が終了した時点で、チャージコンデンサ33の昇圧電圧の低下は終わって、その後、保持電流制御の開始とともに、チャージコンデンサ33の昇圧電圧は上昇し始める。
なお、保持電流は、ダイオード23を介して直噴インジェクタ50に通電される。また、説明するまでもないが、保持電流制御信号によりスイッチング素子22がオンされる保持電流制御中も、スイッチング素子25は常時オンされている。
次に、昇圧回路部30について説明する。昇圧回路部30は、図1に示すように、チャージコイル31、スイッチング素子32、整流ダイオード34、チャージコンデンサ33などを備えている。以下、これらの構成要素による、昇圧回路部30の昇圧動作について説明する。
昇圧動作を実行する際には、まず、昇圧回路部30の制御部のロジック回路部44が、スイッチング素子32をオンする。これにより、車載バッテリから、チャージコイル31、スイッチング素子32、及び抵抗37を介して電流が流れる。このとき、抵抗37の端子電圧は、昇圧回路部30の制御部に取り込まれ、増幅器42によって増幅された後、比較器43によって所定の閾値(Vth_coil)と比較される。そして、抵抗37の端子電圧が、閾値(Vth_coil)を上回り、抵抗37を流れる電流、すなわち、チャージコイル31を流れる電流の電流値が所定値に達したと判定されると、ロジック回路部44はスイッチング素子32をオフする。すると、スイッチング素子32がオフされるまでに通電されていた電流によりチャージコイル31に蓄えられた磁気エネルギーが電気エネルギーとして放電され、整流ダイオード34を介してチャージコンデンサ33の充電が開始される。
このとき、昇圧回路部30の制御部は、チャージコンデンサ33に直列接続された抵抗38の端子電圧を取り込み、増幅器40にて増幅した後、比較器41において所定の閾値(Vth_co)と比較する。そして、コンデンサ充電電流(Ico)に対応する端子電圧が所定の閾値(Vth_co)以下に低下したとき、チャージコイル31からの充電電流により、チャージコンデンサ33の充電が完了したとみなして、スイッチング素子32をオフからオンに切り替える。
このようにして、スイッチング素子32を周期的にオンオフさせることにより、チャージコンデンサ33に昇圧電圧を充電することができる。なお、開弁電流制御中は、コンデンサ充電電流(Ico)を検出することができないので、スイッチング素子32のオフ期間は、時間によって管理される。具体的には、オフ期間が所定時間に達したとき、スイッチング素子32がオフからオンに切り替えられる。
さらに、昇圧回路部30においては、直列接続された抵抗35、36が、チャージコンデンサ33と並列に接続されており、昇圧回路部30の制御部は、それらの抵抗35、36によって分圧された電圧を取り込む。この分圧電圧は、チャージコンデンサ33に充電された昇圧電圧に相関するものであり、増幅器39によって増幅された後、ロジック回路部44に入力される。このようにして、ロジック回路部44は、チャージコンデンサ33の昇圧電圧をモニタしており、その昇圧電圧が、昇圧開始電圧値V1を下回ったときには、昇圧動作を開始し、昇圧停止電圧値V2を上回ったときには、昇圧動作を停止するように、スイッチング素子32を用いて、昇圧動作を制御する。なお、これらの昇圧開始電圧値V1及び昇圧停止電圧値V2は、チャージコンデンサ33の昇圧電圧を一定範囲に収めるためのものである。昇圧電圧を一定範囲に収めることにより、開弁電流制御の精度、ひいては燃料噴射量の制御精度を確保することができるためである。
また、ロジック回路部44には、オフタイマ45が接続されている。このオフタイマ45は、インジェクタ駆動制御装置10にエンジンECU1からインジェクタ通電信号が入力されたとき、その立上りエッジ、すなわち、通電回路部20による開弁電流の出力開始に同期して、昇圧回路部30が昇圧動作を開始したとき、昇圧停止電圧V2に基づく昇圧動作の停止を禁止する禁止期間を計測するものである。この禁止期間については、後に詳細に説明する。なお、本実施形態においては、この禁止期間を一定時間(例えば、300μs)に定めているが、例えば、昇圧開始時点の、チャージコンデンサの昇圧電圧などに応じた可変時間として定めても良い。
次に、本実施形態によるインジェクタ駆動制御装置10において、昇圧回路部30による昇圧動作を制御するための処理について、図2のフローチャートを参照しつつ、説明する。
まず、ステップS100では、インジェクタ通電信号の立上りエッジを検出したか否かを判定する。つまり、エンジンECU1からインジェクタ駆動制御装置10に、インジェクタ通電信号が出力され、インジェクタ駆動制御装置における通電回路部20が、直噴インジェクタ50に開弁電流の通電を開始したか否かを判定する。この判定結果が「Yes」であれば、ステップS120の処理に進み、「No」であれば、ステップS110の処理に進む。
ステップS120では、昇圧回路部30にて昇圧動作を開始させて、スイッチング素子32をオンオフさせることにより、チャージコイル31から放出される電気エネルギーにてチャージコンデンサ33を充電する(昇圧制御)。すなわち、本実施形態では、図3に示すように、直噴インジェクタ50に開弁電流の通電が開始されたことに同期して、昇圧回路部30に昇圧動作を開始させる。これにより、従来と異なり、直噴インジェクタ50に開弁電流が通電される場合に、その通電開始から、チャージコンデンサ33の昇圧電圧が昇圧開始電圧V1を下回るまで、昇圧動作が行われないといった事態の発生を防止することができる。つまり、本実施形態では、従来よりも早いタイミングで昇圧動作を開始させることができるので、開弁電流制御が終了した時点におけるチャージコンデンサ33の昇圧電圧値V_Bを、従来よりも高くすることができ(V_B>V_A)、チャージコンデンサ33の昇圧電圧の低下量を、従来よりも小さく抑えることが可能になる。
さらに、開弁電流の通電か開始されたことに同期して昇圧動作を開始させているので、直噴インジェクタ50に開弁電流を通電する期間におけるチャージコンデンサ33への充電量を増加させることができる。そのため、開弁電流値(Ipeak)として大きな電流値が必要とされるときにも、要求される開弁電流値(Ipeak)を直噴インジェクタ50に通電することが可能となる。
一方、ステップS110では、昇圧電圧が、昇圧開始電圧V1以下に低下したか否かが判定される。そして、昇圧開始電圧V1以下に低下したと判定されるとステップS120の昇圧制御処理に進み、一方昇圧開始電圧V1以下に低下していないと判定されるとステップS100の処理に戻る。
このように、本実施形態では、直噴インジェクタ50に開弁電流が通電されることなく、チャージコンデンサ33に充電された昇圧電圧が昇圧開始電圧V1以下になった場合にも、昇圧回路部30に昇圧動作を開始させるようにしている。例えば、車両が長い下り坂などを走行したときに、燃料カットにより直噴インジェクタ50から燃料が噴射されない期間が長く続いた場合や、ハイブリッド車両においてモータ走行が長く続いた場合など、自然放電によってチャージコンデンサ33に充電された昇圧電圧が低下することも考えられる。すると、直噴インジェクタ50から燃料の噴射を再開する際に、チャージコンデンサ33から、直噴インジェクタ50の開弁に必要な電流を供給できない虞が生じる。従って、上述したように、チャージコンデンサ33の昇圧電圧が昇圧開始電圧V1以下に低下したことを検出したときには、昇圧回路部30に昇圧動作を開始させるようにしているのである。
ステップS120にて、昇圧回路部30に昇圧動作を行わせると、続いて、ステップS130において、チャージコンデンサ33の昇圧電圧が、昇圧停止電圧V2以上に上昇したか否かを判定する。このような判定処理を行う理由は、チャージコンデンサ33の昇圧電圧を一定範囲に収めて、燃料噴射量の制御精度を確保するためである。さらに、昇圧回路部30を構成する各素子やチャージコンデンサ33の定格電圧を大きく超えるような事態が発生すると、各素子やチャージコンデンサ33にダメージを与えたり、故障の原因となったりするためである。ステップS130の処理において「Yes」と判定された場合には、ステップS140の処理に進み、「No」と判定された場合には、ステップS120の処理に戻って、昇圧回路部30に継続して昇圧動作を行わせる。
ステップS140では、インジェクタ通電信号の立上りエッジ検出後、禁止期間としての所定時間が経過したか否かを判定する。
本実施形態では、上述したように、直噴インジェクタ50に開弁電流の通電が開始されたことに同期して、昇圧回路部30に昇圧動作を開始させる。このため、その通電開始時点において十分に高い昇圧電圧がチャージコンデンサ33に充電されていると、昇圧動作を開始した直後に、その昇圧動作によってチャージコンデンサ33の昇圧電圧が昇圧停止電圧V2を瞬間的に超えてしまうことも起こりえる。すると、昇圧電圧を一定範囲に収めるために設定した昇圧停止電圧V2により、意図に反して、昇圧動作を開始した直後に昇圧動作が停止されてしまうことになる。
そのため、ステップS140において、インジェクタ通電信号の立上りエッジ検出後、まだ所定時間が経過していないと判定されたときには、ステップS150に進むことなく、ステップS120の処理に戻り、昇圧回路部30に昇圧動作を継続させる。これにより、直噴インジェクタ50への開弁電流の通電開始後の、まだチャージコンデンサ33の昇圧電圧の低下の程度が小さい間に、昇圧回路部30による昇圧動作によって昇圧電圧が昇圧停止電圧V2を超えたとしても、昇圧回路部30の昇圧動作が停止されてしまうことを防止することができる。なお、この場合、チャージコンデンサ33の昇圧電圧が昇圧停止電圧V2を超えることも起こりえるが、それは瞬間的なものであるため、無視しても燃料噴射量の制御等への影響は生じない。
一方、ステップS140において、インジェクタ通電信号の立上りエッジ検出後、所定時間が経過したと判定されたときには、チャージコンデンサ33の昇圧電圧は、直噴インジェクタ50への開弁電流の通電により十分に低下しており、昇圧回路部30による昇圧動作によって、その昇圧電圧が昇圧停止電圧値V2以上と判定される虞がない状態となる。このような状態において、ステップS130において「Yes」との判定がなされるのは、図3に示すように、チャージコンデンサの昇圧電圧が、実際に昇圧停止電圧V2を上回ったときである。従って、この場合、ステップS150の処理に進み、昇圧回路部30は、昇圧動作を終了し、昇圧制御を停止する。
以上、詳細に説明したように、本実施形態では、直噴インジェクタ50に開弁電流の通電が開始されたことに同期して、昇圧回路部30に昇圧動作を開始させているので、図3に示すように、開弁電流制御が終了した時点におけるチャージコンデンサ33の昇圧電圧値V_Bを、従来よりも高くすることができる(V_B>V_A)。このため、従来よりも短い時間で、その昇圧電圧値∨_Bを、昇圧停止電圧V2まで上昇させることができ、直噴インジェクタ50の開弁電流制御により低下した昇圧電圧を回復させるために必要な時間を、従来よりも短縮することができる。従って、エンジンの回転数が上昇したときであっても、次の噴射タイミングまでに、チャージコンデンサ33の昇圧電圧を十分に回復させ、開弁動作に必要な電流を供給することができる。また、例えば、インジェクタ50に導入される燃料圧力が上昇した場合など、エンジン回転数によらず、より高い値の開弁電流を供給したい場合にも、本実施形態によれば、そのような要求に応えることができる。
1 エンジンECU
10 インジェクタ
20 通電回路部
30 昇圧回路部
33 チャージコンデンサ

Claims (2)

  1. 内燃機関の気筒内に、直接、燃料を噴射するインジェクタを駆動するためのインジェクタ駆動制御装置であって、
    チャージコンデンサを含み、バッテリ電圧を昇圧し、その昇圧した電圧にて前記チャージコンデンサを充電する昇圧回路と、
    前記チャージコンデンサに充電された昇圧電圧を用いて、前記インジェクタに開弁動作を行わせるための開弁電流を通電して、前記インジェクタから燃料を噴射させる通電回路と、
    前記通電回路により前記インジェクタに開弁電流の通電が開始されたことに同期して、前記昇圧回路による昇圧動作を開始させる昇圧制御手段と、を備え
    前記昇圧制御手段には、前記チャージコンデンサに充電された昇圧電圧が所定の昇圧停止電圧以上となると、前記昇圧回路の昇圧動作を停止させる昇圧停止手段が設けられており、
    前記昇圧制御手段は、前記インジェクタに開弁電流の通電が開始されたことに同期して前記昇圧回路の昇圧動作を開始させる場合、前記昇圧停止手段による昇圧動作の停止を禁止する禁止期間を定め、前記昇圧回路が昇圧動作を開始した時点から前記禁止期間が経過するまでは、前記昇圧停止手段による昇圧動作の停止を禁止することを特徴とするインジェクタ駆動制御装置。
  2. 前記昇圧制御手段には、前記インジェクタに開弁電流が通電されることなく、前記チャージコンデンサに充電された昇圧電圧が所定の昇圧開始電圧以下となると、前記昇圧回路の昇圧動作を開始させる昇圧開始手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインジェクタ駆動制御装置。
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