JP5839036B2 - アンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、携帯電話等の小型の無線通信装置に用いられる磁界誘導式小電力無線通信、例えばRFID(Radio Frequency Identification)に用いられるアンテナに関し、特に13.56 MHzの通信周波数帯を利用したNFC(Near Field Communication)に対応する近距離無線通信用アンテナに関する。
近距離無線通信を行うシステムとして、ICカードシステムが広く知られている。図20はICカードシステムの構成の一例を示す(特開2010-200061号)。読み書き装置からトランスポンダへのデータ転送を例に、このICカードシステムの構成及び動作を説明する。データの読み書き装置であるリーダ/ライタ280(以下単に「アンテナ装置」という)は第一の近距離無線通信用アンテナ1aを具備し、第一の近距離無線通信用アンテナ1aが発生する電磁波により、アンテナ装置280の周囲に磁界が形成される。そこにトランスポンダとなるICカード285を近づけると、ICカード285内に設けられた第二の近距離無線通信用アンテナ1bと磁界結合し、電磁誘導により集積回路68は電力の供給を受けるとともに、アンテナ装置280との間で予め設定されたプロトコル(例えばISO14443、15693、18092等)に従ってデータ伝送が行なわれる。
アンテナ装置280は、半導体70と、第一フィルタ(ノイズフィルタ)71と、整合回路72と、第二フィルタ73とを備える。半導体70は送信回路、受信回路、変調回路、復調回路、コントローラ等を含む。アンテナ共振回路66は、第一の近距離無線通信用アンテナ1aと、共振コンデンサ65と、抵抗(図示せず)とを含む。アンテナ共振回路66の共振周波数は、通信に用いる固有周波数(例えば、13.56 MHz)に設定され、前記周波数においてアンテナ共振回路66のインピーダンスの実部は実質的に短絡状態にある。アンテナ共振回路66はインピーダンス整合回路72を介して半導体70と接続している。
半導体70内の送信回路の変調回路と接続する出力端Txは、EMC対策用の第一フィルタ71を介してインピーダンス整合回路72と接続している。また半導体70内の受信回路の復調回路と接続する入力端Rxは、直列接続した抵抗及びキャパシタを備えた第二フィルタ73を介して、第一フィルタ71とインピーダンス整合回路72との接続点に接続している。
半導体70内の送信回路及び受信回路はコントローラにより動作/非動作状態に制御される。送信回路には、発振器から同調周波数に対応する周波数(例えば13.56 MHz)の信号が供給され、その信号は所定のプロトコルに基づいて変調されてアンテナ共振回路66へ供給される。アンテナ共振回路66の第一の近距離無線通信用アンテナ1aは、ICカード285の第二の近距離無線通信用アンテナ1bと所定の結合係数で磁気的に結合し、ICカード285へ送信信号(搬送波信号)を送信する。また、ICカード285からの受信信号(搬送波信号)は、第二フィルタ73の抵抗により抑圧された後に半導体70内の受信回路に受信される。
このようなシステムに用いられる近距離無線通信用アンテナ(以下単に「アンテナ」と呼ぶ)は、一般に図21に示すように、基板410の面上で螺旋状に巻回したコイル10からなる。このアンテナ1は平面コイルとも呼ばれ、低背化に適する。コイル10に高周波電流が流れると、基板410を境としてコイル側及びその反対側に実質的に均等な磁束が発生するが、コイル側の磁束しか通信に寄与せず、また磁束は遠方まで及ばないので、通信距離は短い。以下、磁束が通信に用いられる側を伝送面側と呼び、通信に用いられない側を非伝送面側と呼ぶ。
無線通信装置では、通常アンテナ1の付近に金属製のシート、筐体等からなる金属シールドが配置される。この場合、コイル10と金属シールドとの間に寄生容量が形成され、金属シールドに渦電流が生じてコイル10のインダクタンスが低下し、アンテナ1の共振周波数が変動する。さらに渦電流損が発生するので、それを補うためにコイル10への給電を増す必要があり、バッテリーの消費が増加する。また通信に寄与しない磁束は他の部品に対してノイズとなり、障害を与えるおそれがある。
このような問題に対して、アンテナの非伝送面側に透磁率の高い磁性部材を貼り付けることが提案された(特開2004-166175号)。図22(a) 及び図22(b) はこのような構成を有するリーダ/ライタ用アンテナ1を示す。アンテナ1は、金属シールド26上に設けられた板状の磁性部材30と、板状の磁性部材30の上面に貼り付けられたコイル10とを具備する。コイル10が発生する磁束250は専ら磁性部材30を通過するため、磁性部材30が貼り付けられた側(非伝送面側)に磁束が広がらず、磁性部材30が貼り付けられていない側(伝送面側)では磁束が遠くまで行く(指向性を有する)。金属シールド26とコイル10との間に磁性部材30が介在するので、寄生容量が形成されず、金属シールド26に生じる渦電流も低減できる。
電磁誘導による電力及びデータの伝送は古くから知られている。例えば、非接触充電用アンテナでは、エナメル線からなるコイルを磁性部材の表面に固定している。小電力無線通信より大きな電力を扱う(例えば、コイルに1 A程度の電流を流す)ため、線径が1 mm程度のエナメル線が用いられ、変形自在なようにコイルの端部を固定していないのが一般的である。
非接触充電用アンテナの構成に倣って小電力無線通信用アンテナを構成しようとすると、以下の問題が生じることが分った。小電力無線通信アンテナで扱う電力は高々15 mA程度であるので、線径が100μm以下と小さい導線を用いることができ、コイルの形成も容易である。しかしながら細いため、コイル端部が自由状態のままでは、引出線が僅かな外力で容易に変形する。そのため、他の回路との接続方法が限定される。またアンテナを曲げたり、アンテナを曲面状に配置したりした場合、引出線に張力が作用し、コイルの導線が断線したり、コイルが解けたりすることがある。
強度を増すためにコイルの導線を太くすることは可能だが、コイルが厚くなり、特にコイル端部でコイルの巻回部分と引出線とが重なるので、導線の線径に応じてアンテナが更に厚くなる。携帯電話等の小型の無線通信装置に用いる場合、薄い小型のアンテナが好ましいので、基板に引出線を収容するスリットを設けて、アンテナの厚さが増すのを防ぐ必要がある。
ICカードシステムのように厚さに制限がある用途では、断線等が生じ難くハンドリングが容易な薄いアンテナとするために、コイルをできるだけ薄くする必要がある。そこで、エナメル線等の導線の代わりに金属箔や金属蒸着膜をエッチングして、フレキシブル基板にプリントコイルと呼ばれるコイルを構成したり(特開2004-166175号)、導電性ペーストをコイル状に印刷し、得られたコイル状導体パターンを粘着フィルムに転写したりして、アンテナを構成することが行なわれている。しかし、プリントコイルの場合レジストパターン形成工程、エッチング工程等が必要であり、また、印刷コイルの場合印刷工程、転写工程等が必要であるため、導線を用いたコイルより高価である。
その上、プリントコイルでは厚さが30μm程度であるので、アンテナのQ値等の特性に問題が生じないように、幅広にして電気抵抗を小さくする必要がある。このため、同じ巻き数だと、プリントコイルの占有面積は導線コイルの占有面積より大きくなり、アンテナの小型化を阻害する。所定の寸法に収容するためにコイルの巻き数を減らすと、インダクタンスが低下し、通信距離が短くなる。導体パターンを厚くすることは可能だが、その分高価になる。
従って、本発明の目的は、プリントコイル等より安価かつ低背で、他の回路との接続が容易であり、かつ引出線が断線し難い導線コイルを具備するアンテナを提供することである。
本発明のアンテナは、導線を巻回してなる空芯コイルと、前記コイルと接続する中継部材と、前記コイルと前記中継部材の一部とを覆う板状の磁性部材とを備え、
前記中継部材は、前記コイルの引出線を通す切欠き部を有する基板と、前記基板に形成された一対の端子部材とを具備し、各端子部材は前記引出線の端部が接続する内側端子部と、外部回路が接続する外側端子部と、前記内側端子部と前記外側端子部とを連結する線路部とを有し、
前記磁性部材上に重ねられた前記コイル及び前記中継部材の一部は、前記コイルの非伝送面側に設けられた第一粘着層に固定されており、
前記内側端子部は前記磁性部材と重なる領域内か、前記磁性部材に設けられた孔又は切欠き部に囲まれた領域内に形成されていることを特徴とする。
本発明の一実施形態では、前記中継部材は前記磁性部材と重なる第一領域と、前記磁性部材の外縁から延出する第二領域とを有し、前記第二領域に設けられた前記外側端子部は前記磁性部材の伝送面側に露出している。
本発明の別の実施形態では、前記中継部材の前記第二領域は磁性部材側に折り曲げられており、前記外側端子部は前記磁性部材の非伝送面側に現れている。
本発明のさらに別の実施形態では、前記コイル及び前記中継部材はともに、前記コイルの伝送面側に設けられた第二粘着層に覆われている。
本発明のさらに別の実施形態では、前記磁性部材の非伝送面側に樹脂フィルムからなる保護層が貼付されている。
本発明のさらに別の実施形態では、前記中継部材が前記コイルの内周側まで延在している。
本発明のさらに別の実施形態では、前記磁性部材は、柔軟性を有するように、第一粘着層に固定された複数の小片部により構成されている。
本発明のさらに別の実施形態では、前記複数の小片部は前記磁性部材をそのスリット、スルーホール又は凹部に沿って分割することにより形成される。
エナメル線等の導線からなるコイルと、内側端子部及び外側端子部を有し、コイルと重ならない中継部材とを用い、コイルの引出線を内側端子部に接続すると、引出線の接続部が厚くなり過ぎずに低背で、他の回路との接続が容易な近距離無線通信用アンテナが得られる。磁性部材上に重ねられたコイル及び中継部材の一部は第一粘着層に固定され、かつ内側端子部は磁性部材と重なる領域内か、磁性部材に設けられた孔又は切欠き部に囲まれた領域内に形成されているので、引出線と中継部材の接続部は保護されており、もって引出線は断線し難いという利点がある。さらに、磁性部材を複数の小片部に分割すると、曲面にも容易に追従できる柔軟性を有するアンテナが得られる。
本発明の第一の実施形態によるアンテナを示す平面図である。 本発明の第一の実施形態によるアンテナを示す底面図である。 本発明の第一の実施形態によるアンテナに用いる中継部材を示す平面図である。 本発明の第一の実施形態によるアンテナにおけるコイルと中継部材の接続構造を示す平面図である。 本発明の第一の実施形態によるアンテナの内部構造を示す分解斜視図である。 本発明の第一の実施形態によるアンテナの内部構造を示す部分断面図である。 本発明の第二の実施形態によるアンテナを示す底面図である。 本発明の第三の実施形態によるアンテナを示す底面図である。 図8(a) のA-A断面図である。 本発明の第四の実施形態によるアンテナを示す斜視図である。 本発明の第五の実施形態によるアンテナを示す底面図である。 本発明の第六の実施形態によるアンテナを示す平面図である。 本発明の第六の実施形態によるアンテナを示す底面図である。 本発明の第六の実施形態によるアンテナの内部構造を示す分解斜視図である。 本発明の第六の実施形態によるアンテナにおけるコイルと中継部材の接続構造を示す平面図である。 本発明の第七の実施形態によるアンテナを示す底面図である。 図15(a) のアンテナにおける中継部材を示す平面図である。 アンテナを内蔵した携帯電話の内部構造を示す部分断面図である。 アンテナを内蔵した携帯電話を示す斜視図である。 本発明のアンテナの第一の組立工程を示す斜視図である。 本発明のアンテナの第二の組立工程を示す斜視図である。 本発明のアンテナの第三の組立工程を示す斜視図である。 本発明のアンテナの第四の組立工程を示す斜視図である。 アンテナの通信距離の評価方法を示す概略図である。 アンテナ装置の回路構成を示すブロック図である。 従来のアンテナの一例を示す平面図である。 従来のアンテナの他の例を示す斜視図である。 従来のアンテナの他の例を示す断面図である。
添付図面を参照して本発明の実施形態によるアンテナを説明するが、各実施形態のアンテナに関する説明は、特に断りがなければ他の実施形態のアンテナにも適用することができる。特に、各部品の材質に関する説明はどの実施形態にも共通である。
[1] 第一の実施形態
(1) 構造
図1〜図6は本発明の第一の実施形態によるアンテナを示す。図1は伝送面側から見たアンテナを示し、図2は非伝送面側から見たアンテナを示し、図3はアンテナに用いる中継部材を示し、図4はコイルと中継部材の接続構造を示し、図5はアンテナの内部構造を示し、図6はアンテナの断面構造を部分的に示す。
図1〜図6に示すアンテナ1は、エナメル線のような導線で形成されたコイル10と、その第一面(非伝送面)を覆う平板状磁性部材30と、コイル10の引出線11a,11bと接続する内側端子部21a,21bを有する中継部材20とを備える。コイル10及び中継部材20は、後述する磁性部材組立体31と粘着層組立体32との間に配置され、粘着層12a,12cにより磁性部材30と一体化されている。
導線をスパイラル状に巻回してなるコイル10は、外周端から続く引出線11aと内周端から続く引出線11bとが位置する引出部を有する。図4に示すように、中継部材20はコイル10の外側でコイル10の引出部に近接する位置に配置されているので、両者は重ならず、厚さの増加がない。コイル10の引出線11a,11bは、中継部材20の円弧状切欠き部153を通って内側端子部21a,21bに接続されるので、引出線11a,11bと中継部材20との干渉が防止され、断線等の不具合を防止することができる。本実施形態では中継部材20は矩形板状であるが、その形状は限定的でない。
例えば、図4に示すようにエナメル自己融着線を4ターン巻回して平面状コイルを形成した場合、内周側引出線11bが3ターン分の導線と交差する部分は厚くなるが、導線が十分に細いので、アンテナ全体の厚さに対して実質的な影響はなく、またコイル10の曲げ等の変形にも容易に追従可能である。
図3に示す中継部材20は、コイル10の引出線11a,11bを通す切欠き部153を有する矩形状の基板25と、基板25に設けられた一対の端子部材(導体パターン)26a,26bとを具備し、端子部材26a,26bは対向する辺(内側辺及び外側辺)間に平行に延在している。各端子部材26a,26bは、コイル10の各引出線11a,11bの端部に接続する内側端子部21a,21bと、給電回路等の他の回路に接続する外側端子部22a,22bと、内側端子部21a,21bと外側端子部22a,22bとを一体的に連結する線路部23a,23bとからなる。内側端子部21a,21b及び外側端子部22a,22bはいずれも中継部材20の同じ主面に露出しているが、異なる主面に形成しても良い。
中継部材20は、磁性部材30と重なる第一領域20aと、磁性部材30の外縁から延出する第二領域20bとからなる。中継部材20の第一領域20aであって、コイル10と重ならない部位に内側端子部21a,21bが設けられ、第二領域20bに線路部23a,23bを介して内側端子部21a,21bに連結する外側端子部22a,22bが設けられている。外側端子部22a,22bは磁性部材30の伝送面側に現れるのが好ましい。
コイル10の引出線11a,11bが接続される内側端子部21a,21bは、磁性部材30又は粘着層12a,12cで覆われるので、引出線11a,11bと内側端子部21a,21bの接続部が保護され、引出線11a,11bの断線が防止される。
コイル10の引出線11a,11bが内側端子部21a,21bに接続した中継部材一体コイル33をあらかじめ作製しておけば、アンテナ1と他の回路との接続は、中継部材20の突出する第二領域20bに設けられた外側端子部22a,22bにより簡単に行うことができる。外側端子部22a,22bへの接続に、半田付け以外に、金属端子の圧着等を用いることができる。
中継部材20は、接続線路23a,23bの間にアンテナ組立時の位置決め用穴部152を有し、外縁に一対の半円状切欠き部153,153を有するが、それらの位置及び数は必要に応じて変更しても良い。なお他の図では、簡単化のために穴部及び切欠き部を省略することもある。
引出線11a,11bと内側端子部21a,21bとは半田接続しても良いが、熱圧着、超音波振動溶接等により接続するのが好ましい。熱圧着では、加熱されたヘッドで引出線11a,11bの端部を内側端子部21a,21bに加圧し、熱拡散接合する。超音波振動溶接では、超音波振動ヘッドで引出線11a,11bの端部を内側端子部21a,21bに加圧し、振動エネルギーにより加圧接合する。このような接続方法によれば、磁性部材30に覆われる内側端子部21a,21bの接続部が高くならないので、アンテナが厚くなるのを防ぐことができる。内側端子部21a,21bに引出線11a,11bを接続することにより中継部材20が一体化されたコイル10を、以下中継部材一体コイル33と呼ぶ。
磁性部材30の割れや欠けを防止し、かつ磁性部材30が割れた場合でも破片が脱落するのを防ぐために、図5に示すように、磁性部材30の非伝送面に粘着層12bを介して保護層として樹脂フィルム15を貼付するのが好ましい。また粘着層12cの表面には、その保護のための剥離ライナー(ポリエステルフィルム)16が設けられている。さらに中継部材20を別の粘着層で覆っても良い。剥離ライナー16は、アンテナを被貼着体に貼り付けるときに取り除かれる。保護層15等が一体化された磁性部材30を磁性部材組立体31と呼び、剥離ライナー16が一体化された粘着層12cを粘着層組立体32と呼ぶ。
コイル10の非伝送面側に、コイル10全体と中継部材20の一部とを覆うのに十分な大きさの磁性部材30が、粘着層12aを介して配置されている。コイル10の外周縁と軟磁性部材30の外周縁との面方向間隔が狭いと、軟磁性部材30の位置ずれ等が漏洩磁束に対して大きな影響を有し、アンテナごとに電気的特性(インダクタンス、Q値、共振周周波数等)がばらつき、もって通信可能な距離にばらつきが生じる。従って、電気的特性のばらつきが生じないように間隔は十分に大きくなければならない。具体的には、間隔は0.5 mm以上が好ましい。
図5に示すように、コイル10が中継部材20に接続された中継部材一体コイル33と磁性部材30との間に介在する第一粘着層12aは、コイル10及び中継部材20による段差を吸収する程度の厚さを有するのが好ましい。中継部材一体コイル33は第二粘着層12cにも覆われているのが好ましい。第二粘着層12cは、コイル10及び中継部材20を保護するとともに、無線通信装置内にアンテナ1を固定するのに用いられる。
いずれの粘着層12a,12b,12cも、被貼付物の形状に追従性を有するように十分に柔軟性を有し、かつ加熱下の押圧により変形し易いのが好ましい。このような粘着層に、アクリル系粘着材からなる単層テープか、両面にアクリル系粘着剤を有する両面テープを用いると、ハンドリングが容易である。
コイル10と磁性部材30との積層方向間隔を決める粘着層12aの厚さが増大すると、磁性部材30を通過する磁束が減少し、通信距離が短くなる。一方、粘着層12a,12cは積層される構成部材の厚さの差(段差)を吸収する必要がある。このため、粘着層12a,12cの厚さを10〜100μmの範囲内で選択するのが好ましい。
磁性部材30として焼結フェライト板等の脆い部材を用いる場合、ハンドリングにより割れや欠けが生じるおそれがある。そのため、予め磁性部材30に保護層15を貼付しておけば、磁性部材30の割れ等を防ぐとともに、割れ等により生じた小片の脱落も防ぐことができる。
保護層15は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の可撓性絶縁フィルムからなるのが好ましい。アンテナ1の厚さを考慮すれば、保護層15の厚さは150μm以下が好ましい。磁性部材30は粘着層12a及び保護層15により保持されているので、割れても破片は分離しない。また保護層15は破断の拡大を抑制するので、磁性部材30の実効透磁率の低下を防ぎ、もってアンテナの共振周波数の変動を抑制する。
図6はアンテナ1の断面の詳細を示す。図示の例では、コイル10の伝送面側の粘着層12cは他の粘着層12a、12bより厚い。コイル10及び中継部材20は薄い粘着層12aと厚い粘着層12cで挟まれているので、コイル10は磁性部材30に近く、かつコイル10による段差は吸収される。粘着層12aを厚くすると、コイル10と磁性部材30との間隔が広がり、磁束の漏洩が多くなる。
(2) 構成部品
(a) コイル
コイル10は導線を2周以上スパイラル状に巻回してなり、その内端及び外端から引出線11a,11bが出る。コイル10の寸法はアンテナ1を実装する空間の大きさにより決まるが、できる限り大きな面積を有するのが好ましい。導線は単線及び多芯のいずれでも良いが、アンテナ1の低背化のために単線が好ましい。具体的には、単線のエナメル線が好ましく、融着性オーバーコートを有するエナメル線(自己融着線)がより好ましい。自己融着線によりコイル10の一体化が容易となる。単線の線径は30〜100μmが好ましい。30μm未満であると、巻線時に断線し易いだけでなく、組立時にコイル10が変形し易く、ハンドリングが困難である。またQ値が劣る。一方、100μm超であるとアンテナ1が厚くなり過ぎるだけでなく、粘着層で磁性部材30に固定するときに空気を巻き込み、コイル10の固着強度が低下する。
(b) 中継部材
アンテナ1が可撓性を有する必要がある場合、中継部材20は、ポリイミドフィルムからなる基板25に端子部材26a,26bを形成したいわゆるフレキシブルプリント基板であるのが好ましい。可撓性が不要な場合には、ガラス繊維強化エポキシ樹脂からなるリジッド基板を用いても良い。また、フレキシブルプリント基板とリジッド基板とを複合したリジッドフレキシブル基板を用いても良い。
中継部材20は30μmより薄いと強度不足である。また200μmより厚いと、中継部材20とコイル10の引出線11a,11bの重複部が厚くなりすぎ、他の部分との間に段差が生ずる。段差自体はアンテナ1の特性に影響しないが、厚さの部分的な増大により伝送面側の平坦度が確保されず、アンテナ1の配置(貼付)の障害となるおそれがあるだけでなく、部分的な厚さを吸収しようとするとアンテナ1全体が厚くなるという問題が生ずる。従って、中継部材20の厚さは30〜200μmが好ましく、40〜150μmがより好ましい。
中継部材20はフォトリソグラフィー法によりフレキシブル基板又はリジッド基板に形成することができる。具体的には、基板の一面に金属箔を貼付し、金属箔に感光性レジストを塗布した後パターニング露光し、所定のパターン部以外のレジスト膜を除去し、露出した金属箔をケミカルエッチングにより除去することによりレジスト膜に覆われた導体パターンを形成し、導体パターンの両端部から金属箔が部分的に露出するようにレジスト膜を除去し、もって内側端子部21a,21b及び外側端子部22a,22bが露出した端子部材(導体パターン)26a,26bを形成する。
(c) 磁性部材
磁性部材30は、コイル10及び引出線11a,11bを覆うのに充分な大きさであれば良い。磁性部材30の厚さは、用いる軟磁性材の透磁率等の磁気特性にも依るが、50〜300μmであるのが好ましい。
磁性部材30を構成する軟磁性材として、Ni系、Mn系、Li系等の軟磁性フェライト、及びFe-Si合金、Fe基又はCo基のアモルファス合金、超微結晶軟磁性合金等の軟磁性合金が挙げられる。磁性材料として軟磁性フェライトを用いる場合、ドクターブレード法等の公知のシート化技術により得たグリーンシートを所定の形状に加工し、単層のまま又は複数層を積層して焼結する。積層する場合、層により磁気特性が異なるように異なる軟磁性フェライトのグリーンシートを積層しても良い。また磁性材料としてアモルファス合金又は超微結晶軟磁性合金を用いる場合、これらの合金は通常リボン状であるので、所定の形状のシートに加工し、単層で又は積層して磁性部材30とする。またアモルファス合金又は超微結晶軟磁性合金を粉状又は薄片状にした後、樹脂又はゴムに分散させてシート化しても良い。
[2] 第二の実施形態
図7は、本発明の第二の実施形態によるアンテナであって、分離した複数の小片部18からなる磁性部材30を具備するアンテナを示す。このアンテナは磁性部材30を分割した以外第一の実施形態によるアンテナと同じであるので、共通する部分の説明は省略し、磁性部材30についてだけ以下詳細に説明する。
磁性部材30として剛い焼結フェライト板を用いる場合、アンテナ1は変形性(屈曲性)を有さないが、磁性部材30を分離した複数の小片部18により構成すると、アンテナ1は変形自在(屈曲自在)となる。また磁性部材30としてアモルファス合金又は超微結晶軟磁性合金を用いる場合、合金シートを複数の小片部18に分割すると渦電流の発生を抑制する。隣接する小片部の間の空間は磁気ギャップとなるが、樹脂フィルム15により小片部の間隔が広がるのが防止されるので、透磁率の低下を防ぎ、もってアンテナ1の共振周波数の変動が抑制される。いずれの場合も、アンテナ1は平坦面に配置されるとは限らず曲面に配置されることもあるので、複数の小片部18からなる磁性部材30の変形性によりアンテナ1の配置の自由度が増す。小片部18は少なくとも粘着層12aにより保持される。
小片部18は一辺1〜5 mmの矩形状が好ましいが、割れの発生及び伝搬を防止するために不定形にしても良い。スリット等の加工性を考慮して、小片部18は1〜5 mm×5 mmの矩形状であるのがより好ましい。
分離した複数の小片部18からなる磁性部材30を得るには、(a) 磁性部材30にコイル10を貼付してアンテナとした後に、磁性部材30の少なくとも一方の主面に形成されたスリット19a、19b、スルーホール又は凹部(図示せず)に沿って磁性部材30を分割するか、(b) 磁性部材組立体31及び中継部材一体コイル33を予め形成する場合には、中継部材一体コイル33を貼付する前に、磁性部材30を分割するか、(c) 予め形成した磁性材料からなる複数の小片部18を粘着層上に近接して配置する。なお、スリット、スルーホール又は凹部を有する磁性部材30を形成するために、軟磁性材のグリーンシートにスリット、スルーホール又は凹部を設ける。
[3] 第三の実施形態
図8(a) 及び図8(b) は本発明の第三の実施形態によるアンテナを示す。中継部材20が磁性部材30の外側に突出するこれまで示した構成と異なり、本実施形態では、中継部材20の第二領域20bは磁性部材30の非伝送面側に折り曲げられ、両面テープ等により固定されている。コイル10の伝送面側に露出した外側端子部22a,22bは、中継部材20の第二領域20bが磁性部材30の非伝送面側に折り曲げられると、磁性部材30の非伝送面側に現れる。内側端子部21a,21b及び外側端子部22a,22bが中継部材20の異なる主面に形成されていると、内側端子部21a,21bも磁性部材30の非伝送面側に露出する。この構成によりアンテナの配置面積を低減できる。
[4] 第四の実施形態
図9は本発明の第四の実施形態によるアンテナを示す。このアンテナでは、コイル10の内側で磁性部材30等がアンテナ特性に大きく影響しない程度に打ち抜かれ、開口部17が形成されている。この構成により、平坦でない面にもアンテナ1を容易に貼付することができ、また開口部17の分だけアンテナ1を軽量化できる。さらに、アンテナ1をバッテリーの近傍に配置する場合、バッテリーの膨張による干渉を防ぐこともできる。
[5] 第五の実施形態
図10は本発明の第五の実施形態によるアンテナを示す。このアンテナでは、磁性部材30の一部(中継部材20の内側端子部21a,21bに面する領域)に切欠き部30aが設けられている。内側端子部21a,21b及びその近傍は引出線11a,11bと重なるので局部的に厚くなるが、磁性部材30に孔又は切欠き部30aを設けることにより、その局部的厚肉化を防ぐことができる。さらに、コイル10の引出線11a,11bと内側端子部21a,21bの接続部は、磁性部材30の孔又は切欠き部30aに囲まれるので保護され、引出線11a,11bの断線が防止される。
[6] 第六の実施形態
図11〜図14は本発明の第六の実施態様によるアンテナを示す。図11はアンテナを伝送面側から示し、図12はアンテナを非伝送面側から示し、図13はアンテナの内部構造を示し、図14はコイルと中継部材の接続構造を示す。このアンテナの特徴は中継部材の形状にあり、その他の部分は基本的に図1等に示すものと同じである。従って、中継部材の形状を中心に以下説明する。
中継部材20の基板25は、一辺に一対の突出部25a,25bを有するほぼ矩形状の平面形状を有する。一対の端子部材26a,26bは、各内側端子部21a,21bが各突出部25a,25bに位置し、かつ突出部25a,25bを有する辺に対向する辺(外側の辺)の付近に外側端子部22a,22bが位置するように、基板25上を長手方向に平行に延在する。内側端子部21a,21b及び外側端子部22a,22bは基板25の同じ面に形成されている。一対の突出部25a,25bの間のスリット状切欠き部24には、2つの切欠き部125a,125bが設けられている。
図14に示すように、基板25の突出部25a,25bはコイル10と重なり、内側端子部21a,21bはコイル10の内周側に位置する。コイル10の引出線11a,11bは、突出部25a,25bの面上を通ってコイル10の内周側に位置する内側端子部21a,21bに接続される。引出線11aが通る切欠き部125aはコイル10の外周側端部に近い位置(突出部25aの根元に近い位置)に設けるのが好ましく、引出線11bが通る切欠き部125bはコイル10の内周側端部に近い位置(突出部25bの根元から僅かに離隔した位置)に設けるのが好ましい。この構成により、引出線11a,11bの配線位置が固定され、またコイル10の引出線11a,11bが出る部分が一対の突出部25a,25bに挟まれているので、引出線11a,11bがコイルから解けない。さらに、粘着層12a,12cへの中継部材20の接着面積が大きいので、中継部材20の分離を確実に防止できる。中継部材20の突出部25a,25bがコイル10の一部と重なるので、中継部材20はできるだけ薄いのが好ましく、具体的には100μm以下の厚さが好ましい。
[7] 第七の実施形態
図15(a) 及び図15(b) に示すように、コイル10の部分を除くほぼ磁性部材30の全面に中継部材20の基板25の延長部25cが存在しても良い。延長部25cにおいて、コイル10に対応する部分に円環状孔部25dが設けられている。この構成により、中継部材20と粘着層12a,12cとの接続強度が増すとともに、コイル10の厚さによる段差を中継部材20により解消できる。
第一〜第七の実施形態において、(a) コイル10の引出線11a,11bが接続する内側端子部21a,21bは、磁性部材組立体31と粘着層組立体32により囲まれるか、(b) 図10に示すように磁性部材30に切欠き部30aが設けられている場合でも、三方が磁性部材組立体31に囲まれ、主面の一方が粘着層により保持されるので、変形が制限され、導線の断線を確実に防ぐことができる。切欠き部30aにエポキシ系接着剤等の絶縁樹脂を充填すると、更に変形を抑制し、内側端子部21a,21bの絶縁を確実にできる。
[8] 無線通信装置
図16及び図17は、近距離無線通信用アンテナを用いた無線通信装置の一例として携帯電話を示す。携帯電話200は、合成樹脂製筐体110にディスプレイ装置201、キーパッド220等が配置され、内部に無線通信用回路基板126、リチウムイオン電池のようなバッテリパック120等を有する。
筐体110内において、アンテナ1の磁性部材30側は基板126と対向し、コイル10側は他のアンテナとの電磁結合を阻害しない筐体110側に対向している。図16に示す例では、アンテナ1は、磁性部材30がバッテリパック120と対向するように、バッテリパック120の直ぐ上の筐体110の位置に貼付されている。アンテナ1の外側端子部22a,22bは磁性部材30の非伝送面側にあるので、基板126に設けられた接続ピン180等の接続手段により、基板126に設けられた給電回路等と容易に接続可能である。
磁性部材30は、コイル10の磁心と同時に磁気ヨークとしても機能する。バッテリパック120のケーシングはアルミニウム等の金属からなるが、バッテリパック120がアンテナ1と近接していても、磁性部材30によりコイル10とバッテリパック120の金属製ケーシングとの電磁波干渉が防止されるので、優れたアンテナ特性を維持できる。
[9] アンテナの組立方法
図18(a) 〜図18(d) を参照して、図5に示す基本構成を有する本発明のアンテナの組立を以下詳細に説明する。アンテナの組立には、図18(a) に示すように複数の矩形状凹部216及び複数の位置決めピン310を有する組立治具300を使用する。各凹部216は、磁性部材組立体31を収容可能な大きさ及び深さを有する。各凹部216の対向する二辺にそれぞれ位置決めピン310が設けられている。
各凹部216に、保護層15が下側で粘着層12aが上側となるように、1つの磁性部材組立体31を収容する。各凹部216に収容された磁性部材組立体31の粘着層12aの表面は、組立治具300の位置決めピン310が形成された面と同じか少し高い。
粘着層12aの表面に、予め組み立てた中継部材一体コイル33を貼付する。中継部材一体コイル33の組み立てに用いるコイル巻線治具(図示せず)は、フランジ部と、そのほぼ中心に立設された角柱状芯部と、中継部材20を配置する凹部とを有する。角柱状芯部に導線を巻き付けて角型のコイル10を形成し、フランジ部の凹部にコイル10の端部を引き出し、所定の長さに切断して引出線11a,11bを形成し、凹部に中継部材20を内側端子部21a,21bを上にして配置し、次いで内側端子部21a,21bにコイル10の引出線11a,11bを溶着することにより、中継部材一体コイル33を作製する。
コイル巻線治具は、組立治具300の位置決めピン310と対応する位置決め孔と、中継部材一体コイル33を取り外すための押し出しピンとを有する。コイル巻線治具に装着された状態の中継部材一体コイル33を磁性部材組立体31と対向させ、コイル巻線治具の位置決め孔に組立治具300の位置決めピン310を入れ、コイル巻線治具の押し出しピンにより中継部材一体コイル33を粘着層12aに押圧し、コイル10及び中継部材20を粘着層12aに貼付した後、コイル巻線治具を取り外す。
図18(b) は、各凹部216に収容された磁性部材組立体31に中継部材一体コイル33が貼付された状態を示す。中継部材20の位置決め用穴部152に、組立治具300の位置決めピン310の一方が挿通している。コイル10及びその引出線11a,11b、及び中継部材20の内側端子部21a,21bが形成された領域は、粘着層12aにより磁性部材30に貼付される。
図18(c) に示すように、組立治具300上の中継部材一体コイル33に位置決め用穴部210を有する粘着層組立体32を、粘着層12cを下にし、かつ粘着層組立体32の位置決め用穴部210に組立治具300の位置決めピン310が挿通するように貼付する。100℃で押圧し、全体を一体化させる。組立治具300を取り外すと、図18(d) に示すように、帯状の剥離ライナー16上に複数のアンテナ1が一列に配置されたアンテナ集合体が得られる。剥離ライナー16を切断して個々のアンテナ1に分割しても良い。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものでない。
実施例1
線径が80μmのエナメル自己融着線を4ターン巻回して、長辺35 mm及び短辺25 mmの矩形平面状コイル10を作製した。また中継部材20に、厚さ100μmで外形が10 mm×10 mmのポリイミドフィルムからなるフレキシブル基板を用いた。各粘着層はアクリル系粘着剤の両面テープからなり、粘着層12a,12bは厚さ30μmであり、粘着層12cは厚さ100μmであった。保護層15として、厚さ30μmのPETフィルムを用いた。
磁性部材30として、厚さ160μmで、長辺40 mm及び短辺30 mmの矩形状焼結フェライト板を用いた。焼結フェライト板は、48.5 mol%のFe2O3、20 mol%のZnO、22.7 mol%のNiO及び8.8 mol%のCuOからなる組成(合計100 mol%)、及び180の初透磁率を有していた。
これらの部品を用いて、図1に示すアンテナを得た。このアンテナは、中継部材20を含む短手方向が35.5 mm、長手方向が40 mm、最大厚さが0.5 mm(剥離ライナーを除く)であり、2.9μHの自己インダクタンスを有していた。
実施例2
図13に示す基本構成を有するアンテナを下記の通り作製した。まず、平坦面を有する治具に、両面に剥離ライナー16,16が貼付された厚さ100μmの粘着層12c(一辺22 mmの正方形状)を固定した。表面の剥離ライナー16を取り除いた後、線径が80μmのエナメル自己融着線を8ターン巻回してなる一辺約19 mmの正方形平面状コイル10を粘着層12cに押圧し、貼り付けた。
厚さ70μmのポリイミドフレキシブル基板からなる中継部材20をコイル10に重ねた後、中継部材20の突出部25a,25bを含む領域を粘着層12cに貼り付けた。中継部材20のスリット状切欠き部24からコイル10の引出線11a,11bを引き出し、その端部を中継部材20の内側端子部21a,21bに半田接続した。
中継部材20及びコイル10に、厚さ200μmの磁性部材30(実施例1と同じ組成の焼結フェライト板)及び厚さ100μmの粘着層12aを有する一辺22 mmの正方形状磁性部材組立体31を重ねて押圧し、貼り付けた。磁性部材30は、中継部材20の内側端子部21a,21bと対応する部位に切欠き部30aを有していた。このようにして得られたアンテナ1は、中継部材20を含む長手方向長さが33 mmであり、短手方向長さが22 mmであり、最大厚さが0.7 mm(剥離紙を除く)であり、2.3μHの自己インダクタンスを有していた。
図19に示す評価システムにより、アンテナとICタグとの通信を行なった。評価装置として、非接触データ通信に必要な信号処理回路、及び情報を格納したICチップ部品等を具備するタカヤ株式会社製のリーダライタモジュールTR3-202を用いた。アンテナとICタグとの間の通信の最大距離は、実施例1では57 mmであり、実施例2では43 mmであり、いずれも実用上十分な通信距離であった。

Claims (8)

  1. 導線を巻回してなる空芯コイルと、前記コイルと接続する中継部材と、前記コイルと前記中継部材の一部とを覆う板状の磁性部材とを備え、
    前記中継部材は、前記コイルの引出線を通す切欠き部を有する基板と、前記基板に形成された一対の端子部材とを具備し、各端子部材は前記引出線の端部が接続する内側端子部と、外部回路が接続する外側端子部と、前記内側端子部と前記外側端子部とを連結する線路部とを有し、
    前記磁性部材上に重ねられた前記コイル及び前記中継部材の一部は、前記コイルの非伝送面側に設けられた第一粘着層に固定されており、
    前記内側端子部は前記磁性部材と重なる領域内か、前記磁性部材に設けられた孔又は切欠き部に囲まれた領域内に形成されていることを特徴とするアンテナ。
  2. 請求項1に記載のアンテナにおいて、
    前記中継部材は前記磁性部材と重なる第一領域と、前記磁性部材の外縁から延出する第二領域とを有し、
    前記第二領域に設けられた前記外側端子部は前記磁性部材の伝送面側に露出していることを特徴とするアンテナ。
  3. 請求項1に記載のアンテナにおいて、前記中継部材の前記第二領域は磁性部材側に折り曲げられており、前記外側端子部は前記磁性部材の非伝送面側に現れていることを特徴とするアンテナ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のアンテナであって、前記コイル及び前記中継部材はとともに、前記コイルの伝送面側に設けられた第二粘着層に覆われていることを特徴とするアンテナ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のアンテナにおいて、前記磁性部材の非伝送面側に樹脂フィルムからなる保護層が貼付されていることを特徴とするアンテナ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のアンテナにおいて、前記中継部材が前記コイルの内周側まで延在していることを特徴とするアンテナ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のアンテナにおいて、前記磁性部材は、柔軟性を有するように、第一粘着層に固定された複数の小片部により構成されていることを特徴とするアンテナ。
  8. 請求項7に記載のアンテナにおいて、前記複数の小片部は前記磁性部材をそのスリット、スルーホール又は凹部に沿って分割することにより形成されることを特徴とするアンテナ。
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