JP5831249B2 - 偏光フィルムとその製造方法及び偏光板 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置に好適に用いられる偏光フィルム、その偏光フィルムの製造方法及び偏光板に関するものである。詳しくは、ニュートラルグレーを実現しながら耐久性にも優れた偏光フィルム、その偏光フィルムの製造方法、及びその偏光フィルムに透明保護層を形成した偏光板に関するものである。
液晶表示装置は、低消費電力、低電圧動作、軽量、薄型などの特徴を生かし、各種の表示用デバイスに用いられている。一般に、液晶表示装置を構成する液晶パネルは、液晶セルの表面に偏光板が貼合された構成を備えている。通常、偏光板は、二色性色素が吸着配向しているポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルム(偏光子ともいう)の片面又は両面に、透明な保護フィルムが積層された構造を有している。二色性色素としては、一般に、ヨウ素又は二色性有機染料が用いられる。
二色性有機染料を二色性色素とする染料系偏光フィルム及びそれに保護フィルムを貼り合わせた染料系偏光板は、耐久性、特に耐熱性に優れるため、高温にさらされる機会が多い分野、例えば、カーナビゲーションシステムをはじめとする自動車内装品や液晶プロジェクターの分野で主に用いられている。これに対し、ヨウ素を二色性色素とするヨウ素系偏光フィルム及びそれに保護フィルムを貼り合わせたヨウ素系偏光板は、染料系のものに比べて偏光性能が一層優れるため、テレビをはじめとする広い分野で用いられている。
従来から広く採用されている偏光フィルムの製造方法を、図5を参照して説明する。ここでは、二色性色素としてヨウ素を用いる場合を例に説明するが、二色性有機染料を二色性色素とする場合も、以下の説明におけるヨウ素を二色性色素に変えれば、後は基本的に同じである。
図5を参照して、ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルム10は、まず繰出しロール11から巻き出され、その後、水を膨潤浴とする膨潤槽13に導かれ、ここで膨潤浴(水)に浸漬され、膨潤処理が施される。膨潤処理が施されたフィルムは、ヨウ素を含む水溶液を染色浴とする染色槽15に導かれ、ここで染色され、ヨウ素が吸着される。その後、ホウ酸を含む水溶液を処理浴とする固定槽17に導かれ、ヨウ素を吸着したポリビニルアルコール系樹脂が、ここでホウ酸により架橋して、ヨウ素が固定される。
ホウ酸処理又はそれよりも前の段階で、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムには、ヨウ素を配向させるための一軸延伸が施される。この一軸延伸は、固定槽17でホウ酸処理と同時に行うこともあるし、染色槽15で染色と同時に行うこともあるし、染色槽15及び固定槽17の両方でそれぞれ、染色と同時及びホウ酸処理と同時に行うこともあるし、染色槽15と固定槽17の間に延伸槽を設けて両者とは別に行うこともあるし、また染色槽15よりも前、通常は膨潤槽13の前に延伸機構を独立に設けて、乾式で行うこともある。
ホウ酸処理が施されたフィルムは引き続き、水を水洗浴とする水洗槽19に導かれ、ここで、フィルムに付着しているが、固定化はされていないヨウ素やホウ酸等の薬品、またごみ等の異物が洗い流され、最後に最終乾燥炉23でフィルムに乾燥が施される。最終乾燥炉23を経て得られる偏光フィルム30は、巻取りロール27に巻き取られる。図2には、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素を吸着配向させて得られた偏光フィルム30を一旦巻取りロール27に巻き取る形態を示したが、ここで巻き取らずに次の保護フィルムを貼る工程に供給し、偏光板まで連続的に製造することも、広く行われている。
このようにして製造される従来のヨウ素系偏光フィルムは、耐熱性や耐湿熱性を含む耐久性が必ずしも十分とはいえなかった。そこで、特開平 7-198939 号公報(特許文献1)には、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの特に耐湿熱性を改善するために、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの総重量に対して、ホウ素原子を 4.5〜7重量%含有させるよう、ホウ酸処理工程を2つ以上設け、それぞれの工程においてホウ素化合物濃度が異なる処理液にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法が提案されている。
このように偏光フィルム中のホウ素含有量を高めることで、架橋度が上がり、高温高湿環境に長時間置いても、偏光度の低下が少ない偏光フィルムが得られる。しかしながら、架橋度が上がることで、加熱したときの偏光フィルムの収縮力が大きくなる。そのため、その偏光フィルムに保護フィルムが貼合された偏光板をガラス板や液晶パネルに貼合した状態で、高温と低温とが交互に繰り返される試験、いわゆるヒートサイクル試験を行ったときに、偏光フィルムが延伸方向に沿って破断することがあった。
そこで、特開 2009-104062号公報(特許文献2)には、ホウ酸処理工程で用いるホウ酸処理浴におけるホウ酸量を少なくするとともに、ホウ酸処理工程を2段に分け、2段目のホウ酸処理浴におけるホウ酸量を一層少なくし、かつ2段目のホウ酸処理の温度も低くすることで、偏光フィルム中のホウ素含有量を少なくし、偏光フィルムの耐久性を向上させる方法が提案されている。これにより、偏光フィルム中のホウ素含有量が 3〜3.9重量%の範囲にあり、かつ、偏光フィルムの吸収軸(延伸軸)方向を短辺として2mm×8mmの大きさに裁断し、80℃に加熱したときに、吸収軸と直交する方向の収縮力が 2.8N以下である偏光フィルムを得ることができる。このような偏光フィルムは、延伸軸と直交する方向の収縮力が小さいため、ヒートサイクル試験において破断しにくく、耐久性に優れたものとなる。
一方で、特にヨウ素系の偏光フィルム及び偏光板においては、液晶表示装置に適用したときに本来の色が表示できるよう、透過光がニュートラルグレー、すなわち中性色となることが望まれる。例えば、特開 2002-169024号公報(特許文献3)には、ニュートラルグレーの白表示及び黒表示を可能としたヨウ素系偏光板及びその製造方法が示されている。
特開平7−198939号公報 特開2009−104062号公報 特開2002−169024号公報
上記の特許文献2で提案された方法によれば、耐久性に優れた偏光フィルムが得られるものの、透過光の直交色相がニュートラルグレーから青色へシフトすることがあり、その場合には青みがかった画像表示になるということが明らかになってきた。このような青みがかった偏光板は、ホウ酸処理に用いる処理浴のホウ酸濃度が低すぎた場合や、ホウ酸処理後の水洗が過度になった場合に得られやすい。すなわち、偏光フィルム中のホウ素含有量が少なくなると、偏光フィルム又は偏光板の直交色相が青色へシフトしやすくなる傾向にある。
本発明の課題の一つは、ヒートサイクル試験に対する耐久性に優れる偏光板を与え、かつ直交色相がニュートラルグレーとなる偏光フィルム及びその製造方法を提供することにある。本発明のもう一つの課題は、この偏光フィルムに保護層を形成し、やはりヒートサイクル試験に対する耐久性に優れるとともに、直交色相がニュートラルグレーとなる偏光板を提供することにある。
すなわち本発明によれば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素が吸着配向しており、ホウ素含有量が 1〜3.5重量%の範囲内にあり、吸収軸方向を長辺とする2mm×10mmの大きさに裁断し、80℃で4時間加熱したときに、その吸収軸方向への収縮力が2.8N以下であり、かつ直交色相のb値が −2.2〜+0.5の範囲内にある偏光フィルムが提供される。
この偏光フィルムにおいて、上記の収縮力は 2.1N以下であることが好ましく、また直交色相のb値は−1.0〜0の範囲内にあることが好ましい。
上記の偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対して、ヨウ素を吸着させる染色工程、ホウ酸処理工程及び水洗工程をこの順に施し、かつ上記ホウ酸処理工程又はそれより前の段階において一軸延伸する延伸工程を施し、上記のホウ酸処理工程と水洗工程との間にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを乾燥する一次乾燥工程を施す方法によって、製造することができる。
この方法において、一次乾燥工程は、その一次乾燥工程に入る直前のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの水分率をW0 、その一次乾燥工程を経た後、水洗工程に入る前のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの水分率をW1 としたときに、下式(1)で示される水分減少率が5〜95重量%、とりわけ30〜80重量%の範囲内にとなるように行われることが好ましい。
水分減少率=〔(W0−W1)/W0〕×100 (1)
また、一次乾燥工程は、40〜300℃の温度で1〜100秒間行われることが好ましい。この一次乾燥工程は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対して、熱風を吹き付ける手段、発熱部材に直接接触させる手段、及び輻射エネルギーを照射する手段のいずれか1又は2以上の手段によって行われることが好ましい。
これらの方法において、水洗工程を経た後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムに最終乾燥工程を施すことにより、目的とする偏光フィルムが得られる。
さらに本発明によれば、上記したいずれかの偏光フィルムと、この偏光フィルムの少なくとも片面に形成された透明保護層とを備える偏光板も提供される。
本発明の偏光フィルムは、高温環境に置かれたときでも収縮力が小さく、したがって、ヒートサイクル試験に対する耐久性に優れるという特性を有するとともに、直交色相が青色へ過度にシフトせず、ニュートラルグレーとなる。この偏光フィルムに透明保護層を形成した偏光板も同様に、ニュートラルグレーで耐久性に優れるものとなる。また本発明の方法によれば、上記のようなニュートラルグレーで耐久性に優れる偏光フィルムを有利に製造することができる。
収縮力を求めるときの試験片の状態を模式的に示す平面図である。 偏光フィルムの製造方法における装置の好適な配置例を示す断面模式図である。 本発明に係る偏光板の層構成の例を示す断面模式図である。 偏光板を備えた液晶パネル及び液晶表示装置の層構成の例を示す断面模式図である。 従来の偏光フィルムの製造方法における装置の配置例を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、適宜図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に説明する部材や配置などによって限定されるものでなく、これらの部材や配置などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
[偏光フィルム]
本発明の偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素が吸着配向したものである。まず、この偏光フィルムついて説明する。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、偏光フィルムの基材となる樹脂フィルムであり、具体的にはポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化して得られる樹脂のフィルムである。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体などを挙げることができる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などがある。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%程度であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども使用できる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000程度であり、好ましくは1,500〜5,000程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光フィルムの原反となる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は特に限定されず、公知の方法によって製膜することができる。ポリビニルアルコール系原反フィルムの厚みも特に限定されないが、例えば、20〜150μm 程度の範囲から適宜選択すればよい。
このようなポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素を吸着配向させものが、偏光フィルムとなる。具体的には、ポリビニアルアルコール系樹脂フィルムに対して、ヨウ素を吸着させる染色工程、吸着されたヨウ素を樹脂中に固定するとともに樹脂を架橋させるホウ酸処理工程、及びホウ酸処理後のフィルムに付着している薬品や異物を洗浄除去する水洗工程を施し、かつホウ酸処理工程又はそれより前の工程において一軸延伸する延伸工程を施すことにより、偏光フィルムが製造される。この製造方法については、後で詳しく説明する。
本発明の偏光フィルムは、吸収軸方向の収縮力を小さくするとともに、直交色相をニュートラルグレーとしたものである。そのために、ホウ素含有量を 1〜3.5重量%の範囲内とし、吸収軸方向を長辺とする2mm×10mmの大きさに裁断し、80℃で4時間加熱したときに、その吸収軸方向への収縮力を2.8N以下とし、また直交色相のb値を−2.2〜+0.5の範囲内としている。
偏光フィルム中のホウ素含有量を 1〜3.5重量%の範囲内とした理由を説明する。偏光フィルム中のホウ素含有量が1重量%を下回ると、十分な耐水性が得られにくく、一方で、ホウ素含有量が 3.5重量%を超えると、偏光板化してヒートサイクル試験を行ったときに、偏光フィルムの吸収軸方向に破断を生じやすくなる。優れた耐水性と耐ヒートサイクル性を発現させるためには、偏光フィルム中のホウ素含有量を、上記範囲のなかでも2重量%以上、また3重量%以下とすることが好ましい。偏光フィルム中のホウ素は、ホウ酸(H3BO3)として遊離の状態で存在するか、又はホウ酸がポリビニルアルコールのユニットと架橋構造を形成した状態で存在すると考えられるが、ここでいうホウ素含有量は、このように化合物の状態で存在するものを含めてホウ素原子(B)自体の量である。
偏光フィルム中のホウ素含有量は、例えば、高周波誘導結合プラズマ(Inductively
Coupled Plasma:ICP)発光分光分析法により、偏光フィルム中のホウ素量を定量し、偏光フィルムの重量に対するホウ素の重量百分率として算出できる。
次に、偏光フィルムの吸収軸方向を長辺として2mm×10mmの大きさに裁断し、80℃で4時間加熱したときの吸収軸方向の収縮力を 2.8N以下とした理由を説明する。この収縮力が 2.8Nを超えると、偏光板化してヒートサイクル試験を行ったときに、偏光フィルムの延伸方向に破断を生じやすくなる。この収縮力は、理想的にはゼロであるが、この収縮力をゼロにすることは難しいので、実用的には0.1〜2.8Nの範囲内であることが好ましい。
この収縮力を求めるときの試験片の状態を、図1に模式的な平面図で示した。すなわち偏光フィルムから、その吸収軸5方向を長辺として2mm×10mmの大きさの試験片1を裁断する。この試験片1は、10mmの長辺が吸収軸5の方向、2mmの短辺が吸収軸5と直交する方向となっている。偏光フィルムにおける吸収軸5は、延伸軸方向となる。この試験片1を、80℃に昇温し4時間加熱する。このとき、吸収軸5の方向に発生する収縮力Sを求める。この収縮力Sは、具体的には以下の方法で求めることができる。すなわち、上の寸法で裁断した試験片1を熱機械分析装置(Thermo-Mechanical Analyzer:TMA)にセットする。そして、その寸法を一定に保持したまま、80℃で4時間(240分間)加熱したときに発生する、長辺方向の収縮力を求める。熱機械分析装置(TMA)の市販品として、例えば、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)から販売されている “EXSTAR-6000”が挙げられる。
次に、偏光フィルムにおける直交色相のb値を−2.2〜+0.5の範囲内とした理由を説明する。この直交色相のb値が −2.2を下回ると色相が青色にシフトし、一方でその値が +0.5を超えると黄色にシフトするため、いずれの場合もニュートラルグレーから外れてしまう。ここでいうb値は、Lab表色系での値である。Lab表色系に類似する概念として、JIS Z 8729:2004「色の表示方法− L***表色系及びL***表色系」に規定される L***表色系があるが、本発明ではLab表色系を採用する。
直交色相とは、2枚の偏光板をそれぞれの吸収軸が直交するように重ねた状態で、一方の面から光をあてたときに他方の面から透過してくる光の色相を意味する。ここでの色相は、Lab表色系においてa値及びb値として表すことができ、標準の光を用いて測定される。なお本発明では、偏光フィルムについて直交色相のb値を規定しているが、直交色相の実測は、偏光フィルムの両面に透明保護フィルム(後述する実施例ではトリアセチルセルロースフィルム)を貼った偏光板の状態で行っている。この場合、透明保護フィルムはほぼ透過率100%とみなせるので、偏光板の直交色相は、偏光フィルムの直交色相と同じとみてよい。Lab表色系は、JIS K 5981:2006「合成樹脂粉体塗膜」の「5.5 促進耐候性試験」に記載されるように、ハンターの明度指数Lと色相a及びbで表される。直交色相のb値は、JIS Z 8722:2009 「色の測定方法−反射及び透過物体色」に規定される三刺激値X、Y及びZから、以下の式によって計算することができる。
b=7.0(Y−0.847Z)/Y1/2
本発明で規定するところの、ホウ素含有量が 1〜3.5重量%の範囲内にあり、吸収軸方向への収縮力が 2.8N以下であり、かつ直交色相のb値が−2.2〜+0.5の範囲内にある偏光フィルムは、後述する方法によって製造することができる。すなわち、偏光フィルムの製造工程において、ホウ酸処理工程とその後に行われる水洗工程との間に一次乾燥工程を設けることにより、ホウ素含有量が比較的少なく、吸収軸方向への収縮力が小さいにもかかわらず、直交色相が概ねニュートラルグレーの偏光フィルムを製造することができる。一次乾燥工程を施すことにより、直交色相がニュートラルグレーの偏光フィルムを作製することができる理由は、必ずしも定かでないが、例えば、以下のような理由が推測される。
すなわち、ポリビニルアルコール系樹脂とホウ酸との架橋反応は、水分を除去することで進行する。一方で上述したとおり、偏光フィルムの直交色相は、フィルム中のホウ素含有量が少なくなるに従って、青色にシフトする。そこで、ヨウ素染色及びホウ酸処理を経た後のフィルムの水洗が過度になると、フィルム中のホウ素含有量が少なくなって、直交色相が青色にシフトしやすくなる。ホウ酸処理工程と水洗工程の間に一次乾燥工程を設けて、そこでフィルムを乾燥させることにより、その工程を設けない場合に比べ、ポリビニルアルコール系樹脂とホウ酸の架橋反応が促進され、特にフィルム表面において両者が十分に架橋した層(架橋層)が形成される。この表面の架橋層により、続く水洗工程においてポリビニルアルコール系樹脂フィルム内部のホウ酸が外部へ溶出しにくくなって、ホウ素含有量の低下が抑えられ、直交色相がほぼニュートラルグレーの偏光フィルムが得られることが考えられる。
[偏光フィルムの製造方法]
以上説明した、ホウ素含有量が少なく、吸収軸方向への収縮力が小さく、かつ直交色相がほぼニュートラルグレーである偏光フィルムは、先にも述べたとおり、原反となるポリビニアルアルコール系樹脂フィルムに対して、ヨウ素を吸着させる染色工程、ホウ酸処理工程及び水洗工程をこの順に施し、かつホウ酸処理工程又はそれより前の段階において一軸延伸する延伸工程を施し、ホウ酸処理工程と水洗工程との間にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを乾燥する一次乾燥工程を施す方法によって製造できる。この際、染色工程の前に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水で膨潤させる膨潤工程を設けるのが好ましい。また、水洗工程の後には通常、最終乾燥工程が設けられる。
図2に、本発明の偏光フィルムの製造方法における装置の好適な配置例を断面模式図で示した。図2は、先に説明した従来技術を示す図5に比べ、ホウ酸処理工程を行う固定槽17と、その後の水洗工程を行う水洗槽19との間に、上記の一次乾燥工程を行う一時乾燥炉21が配置されている点が異なるだけである。この図を参照しながら、本発明に係る偏光フィルムの製造方法を説明する。
図2に示した装置は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルム10が、繰出しロール11から巻き出され、膨潤処理を行うための膨潤槽13、染色処理を行うための染色槽15、及びホウ酸処理を行うための固定槽17を、順次通過するように構成されている。固定槽17を経たフィルムは、上記した一次乾燥を行うための一次乾燥炉21を通って一次乾燥され、引き続き水洗槽19を通って未反応のヨウ素やホウ酸などが洗い流され、最後に最終乾燥炉23を通って乾燥され、偏光フィルム30が得られるように構成されている。そして、図には明示されていないが、固定槽17で、又はそれより前に、一軸延伸が施される。得られた偏光フィルム30は、巻取りロール27に巻き取る形態が示されているが、ここで巻き取らずに次の保護フィルムを貼る工程に供することもできる。また図2には、膨潤槽13、染色槽15、固定槽17及び水洗槽19をそれぞれ1槽ずつ設けた例を示したが、必要に応じ、ある一つの処理に対して複数の槽を設けてもよい。
偏光フィルムの原料となるポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルム10は通常、図示のように、繰出しロール11にロール状に巻かれており、この繰出しロール11から長尺状のまま巻き出される。ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルム10は、その厚みが通常20〜100μm の範囲内、好ましくは30〜80μm の範囲内であり、また、その工業上実用的な幅は1,500〜6,000mmの範囲内である。
〔1〕膨潤工程
膨潤処理を行う膨潤工程は、原反フィルムを水に接触させ、膨潤させる工程である。この膨潤処理は、フィルム表面に付着した異物の除去、フィルム中に含まれるグリセリン等の可塑剤の除去、後工程での易染色性の付与、フィルムの可塑化などの目的で行われる。膨潤処理の条件は、これらの目的が達成できる範囲で、かつフィルムの極端な溶解、失透などの不具合が生じない範囲で決定される。具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルム10を、例えば、温度10〜50℃、好ましくは20〜50℃の処理浴に浸漬することにより、膨潤処理が行われる。膨潤処理の時間は、通常5〜300秒であり、好ましくは20〜240秒である。
通常、膨潤工程では、図示のように、処理浴が収容された膨潤槽13内に複数のガイドローラを配置して、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを搬送する。また、フィルムが幅方向に膨潤してフィルムにシワが入るなどの問題が生じやすいので、エキスパンダーロール、スパイラルロール、クラウンロール、クロスガイダー、テンタークリップ、ベンドバーなど、公知の拡幅装置でフィルムのシワを除きつつフィルムを搬送することが好ましい。さらに、浴中のフィルム搬送を安定化させる目的で、膨潤槽13中での水流を水中シャワーで制御したり、EPC装置(Edge Position Control 装置:フィルムの端部を検出してフィルムの蛇行を防止する装置)などを併用したりすることも有用である。
膨潤工程では、フィルムの搬送方向にもフィルムが膨潤拡大するので、搬送方向のフィルムのたるみをなくすために、例えば、膨潤槽13の前後にある搬送ロールの速度をコントロールするなどの手段を講ずることが好ましい。具体的には、膨潤槽13の入口側搬送ロールの周速度に対する出口側搬送ロールの周速度の比を、処理浴の温度に応じて 1.2〜2倍程度にするのが好ましい。また、所望であれば、この工程で一軸延伸を施すこともできる。
膨潤槽13で使用する処理浴は、純水のほか、ホウ酸や塩化物、その他の無機塩、水溶性有機溶媒、アルコール類などが 0.01〜10重量%の範囲で添加された水溶液であってもよい。ただし、上記した目的からは、実質的に溶解成分を含まない純水が好ましく用いられる。溶解成分のない純水は、通常の水に対して逆浸透膜処理を行う方法などにより得ることができる。
膨潤工程に引き続いて、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬する水浸漬工程を設けることもできる。上述のとおり膨潤工程では、フィルムが幅方向及び搬送方向の双方に膨潤することになるが、その後に水浸漬工程を設けることで、フィルムの幅方向における吸水状態が整えられ、フィルムの機械的物性、さらには最終的に得られる偏光フィルムの光学特性の均一性が改善される可能性がある。水浸漬処理に用いる処理浴は、実質的に溶解成分を含まない純水であることが好ましく、また、その温度は10〜50℃の範囲内が好ましい。
〔2〕染色工程
染色工程は、ヨウ素を含む水溶液(染色浴)でポリビニルアルコール系樹脂フィルムを染色し、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素を吸着させるために行われる。この染色工程は、膨潤工程を経た後、場合によってはさらに水浸漬工程を経た後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、図示のように、染色浴が収容された染色槽15に浸漬することにより、通常行われる。染色処理の条件は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素を吸着させることが可能な範囲で、かつフィルムの極端な溶解、失透などの不具合が生じない範囲で決定することができる。
染色工程で使用する染色浴は、水100重量部に対して、ヨウ素を0.003〜0.2重量部及びヨウ化カリウムを 0.1〜10重量部含む水溶液であることができる。また、ヨウ化カリウムに代えて、ヨウ化亜鉛のような他のヨウ化物を用いてもよく、ヨウ化カリウムに加えて他のヨウ化物を併用してもよい。さらに、ホウ酸、塩化亜鉛、塩化コバルト等のヨウ化物以外の化合物を共存させてもよい。ヨウ素以外の成分を含む場合であっても、水100重量部に対し、ヨウ素を 0.003重量部以上含む水溶液であれば、染色浴とみなすことができる。染色浴の温度(染色温度)は、通常10〜50℃、好ましくは20〜40℃であり、また染色処理する時間(染色時間)は、通常10〜600秒、好ましくは30〜200秒である。
染色工程においても、膨潤工程と同様にフィルムのシワを除きつつポリビニルアルコール系樹脂フィルムを搬送するため、エキスパンダーロール、スパイラルロール、クラウンロール、クロスガイダー、ベンドバー等の拡幅装置を適宜配置することができ、これらの装置を用いる場合は、染色槽15の内部及び/又はその出入り口に設置すればよい。
〔3〕ホウ酸処理工程
ホウ酸処理工程は、ヨウ素染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、ホウ酸を含む水溶液で処理し、ポリビニルアルコール系樹脂を架橋させるとともに、吸着されたヨウ素を樹脂中に固定させるために行われる。この工程は、染色工程を経た後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、ホウ酸を含む処理浴が収容された固定槽17に浸漬することにより、通常行われる。
ホウ酸処理に用いる浴(ホウ酸処理浴)は、水100重量部に対して、ホウ酸を 0.5〜15重量部含む水溶液であることができる。ホウ酸処理浴におけるホウ酸の含有量が少なすぎると、十分な架橋効果が得られにくくなる傾向にあり、後述する水洗工程などにおいてヨウ素がポリビニルアルコール系樹脂フィルムから溶出して、偏光フィルムの直交色相が青色にシフトしやすくなる。一方、ホウ酸の含有量が多すぎると、加熱条件下において吸収軸方向への収縮力が大きくなる傾向にあり、偏光板化したときの、特にヒートサイクル試験に対する耐久性が低下することがある。本発明においては、偏光フィルム中のホウ素含有量を 1〜3.5重量%と少なめにすることから、ホウ酸処理浴におけるホウ酸の含有量は、上記範囲のなかでも少なめ、具体的には水100重量部に対して 1〜3.5重量部、とりわけ 2〜3.5重量部の範囲とすることが好ましい。
このホウ酸処理浴は、ホウ酸に加えてヨウ化物を含有することが好ましく、その量は、水100重量部に対して、通常5〜20重量部、好ましくは8〜15重量部である。ホウ酸処理浴におけるヨウ化物の含有量が少ないと、偏光フィルムの直交色相が青色にシフトしやすくなる。一方、ヨウ化物の含有量が多くなると、ホウ酸による架橋反応を阻害することがあり、やはり偏光フィルムの直交色相は青色にシフトしやすくなる。
このために用いるヨウ化物は、ヨウ化カリウムやヨウ化亜鉛などであることができる。また、ヨウ化物以外の化合物をホウ酸処理浴に共存させてもよく、その例として、塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化ジルコニウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウムなどを挙げることができる。さらに、必要に応じて、グリオキザール、グルタルアルデヒドなど、ホウ酸以外の架橋剤を、ホウ酸とともに使用してもよい。
ホウ酸処理は、通常50〜70℃、好ましくは53〜65℃の温度で行われる。温度が低すぎると、架橋反応の進行が不十分になりやすく、一方で温度が高すぎると、ホウ酸処理浴中でフィルムの切断が起きやすくなって、加工安定性が著しく低下しやすい。また、ホウ酸処理の時間は、通常10〜600秒、好ましくは20〜300秒、より好ましくは20〜100秒である。
ホウ酸処理工程は、単一の固定槽17において行うこともできるが、先に挙げた特許文献2(特開 2009-104062号公報)に示されるように、いくつかの固定槽を用いて複数の段階で行ってもよい。この場合、最初の固定槽のホウ酸濃度は、その後に設置された固定槽の濃度より高くすることが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、ホウ酸処理工程中に一軸延伸されてもよい。延伸処理は以下に詳述するが、通常は機械的な流れ方向(搬送方向)に沿って施される。ホウ酸処理工程において一軸延伸する場合、その延伸倍率は、例えば 1.2〜3倍の範囲内とすることが好ましい。このときの一軸延伸は、間隔を空けて配置された複数組のロールを用いて、多段で行ってもよい。
〔4〕延伸工程
延伸工程は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸に延伸して配向させ、その配向方向に沿ってヨウ素を配向させるためのものであり、上で説明したホウ酸処理工程又はそれよりも前の段階で行われる。具体的にはこの延伸工程は、膨潤工程、染色工程及びホウ酸処理工程のうちのいずれか少なくとも1つの工程中、又はこれらいずれかの工程の前段階において行われる。膨潤工程、染色工程及びホウ酸処理工程のいずれかで一軸延伸する場合は、例えば、槽入口側の搬送ロールと槽出口側の搬送ロールに周速度差をつける方法などによって行うことができる。一方、膨潤工程、染色工程又はホウ酸処理工程の前段階で一軸延伸する場合は、各工程の前に延伸槽を設ける湿式延伸を採用してもよいし、空気中で延伸する方法や、加熱したロールに接触させながら延伸する方法など、乾式延伸を採用してもよい。
延伸処理は、少なくともホウ酸処理工程において行うことが好ましく、さらには染色工程及びホウ酸処理工程の両工程において行うことが好ましく、とりわけ、膨潤工程、染色工程及びホウ酸処理工程のそれぞれにおいて行うことがより好ましい。これらの工程中に延伸処理を施す場合は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを槽内の処理浴に浸漬した状態で、一軸延伸される。図2を参照して説明すると、ホウ酸処理工程において一軸延伸する場合は、固定槽17内のホウ酸処理浴中で行われ、同様に、染色工程において一軸延伸する場合は、染色槽15内の染色浴中で、膨潤工程において一軸延伸する場合は、膨潤槽13内の処理浴中で、それぞれ行われる。
すべての延伸工程を経たポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、最終的な積算延伸倍率が 4.5〜8倍となるようにすることが好ましく、5〜7倍となるようにすることがより好ましい。ここで、積算延伸倍率とは、繰出しロール11に巻かれた原反フィルム10における延伸軸方向の基準長さが、すべての延伸工程終了後のフィルムにおいてどれだけの長さになったかを意味する。ホウ酸処理工程において延伸するほか、膨潤工程や染色工程においても延伸された場合は、それらの延伸も含めた値となる。例えば、原反フィルムにおいて延伸軸方向の長さが1mであった部分が全ての延伸処理終了後に5mになっていれば、このときの積算延伸倍率は5倍となる。
〔5〕一次乾燥工程
本発明では、ホウ酸処理工程と後述する水洗工程との間に一次乾燥工程が行われる。この一次乾燥工程は、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに含まれる水分の割合、すなわち水分率を調整する目的で行われる。
ここで、水分率とは、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの乾燥重量に対するフィルム中の水分の割合(重量%)を意味し、フィルムの一部を切り出したサンプルを加熱オーブンなどで乾燥させることによって測定することができる。具体的には、切り出したサンプルの乾燥前の重さと乾燥後の重さとから、下記式(2)で定義する。
水分率=[(乾燥前の重さ−乾燥後の重さ)/乾燥後の重さ]×100 (2)
先の式(1)で定義した水分減少率は、上記式(2)を用いて算出した一次乾燥工程前のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの水分率をW0 、一次乾燥工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの水分率をW1 としたときに、両者から算出される値である。
一次乾燥工程では、上記したポリビニルアルコール系樹脂フィルムの水分減少率が5〜95重量%、さらには30〜80重量%となるように乾燥させることが好ましい。水分減少率が5重量%を下回ると、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの乾燥が不十分となって、得られる偏光フィルムの直交色相が青色にシフトしやすい傾向にある。一方、水分減少率が95重量%を上回ると、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの乾燥が過度となって、得られる偏光フィルムの吸収軸方向への収縮力が大きくなり、偏光板の破断などが生じやすい傾向にある。
図2を参照して一次乾燥工程を説明すると、固定槽17を出たフィルムは、一次乾燥炉21に導かれ、そこで加熱され、一次乾燥処理が施される。このときの加熱は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに熱風を吹き付ける方法、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを発熱部材に直接接触させる方法、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに輻射エネルギーを照射する方法などによって行うことができる。
熱風を吹き付ける場合は、例えば、熱風を噴射する熱風ノズルが加熱手段となり、そこから、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに直接熱風を噴射すればよい。この方法によれば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの表面の水分を熱風で飛ばしつつ乾燥できるため、特にフィルム表面を効率的に乾燥することが可能となる。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを発熱部材に直接接触させる場合は、例えば、加熱したロール(熱ロール)が加熱手段となり、そこに、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを巻きつけ、フィルムを加熱すればよい。この方法によれば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに発熱部材を直接接触させているため、フィルムの加熱温度を均一にすることが可能となり、乾燥ムラなどが生じにくくなる。
輻射エネルギーを照射する場合は、例えば、赤外線ヒーターが加熱手段となり、そこから、輻射エネルギーをポリビニルアルコール系樹脂フィルムに照射することで、フィルム自体を発熱させて乾燥すればよい。この方法によれば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム自体を発熱させて乾燥するため、フィルムの内部も含めて全体を均一に加熱することが可能となる。
上記の方法は、単独で実施してもよいし、異なる複数の方法を組み合わせてもよい。また、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの両面を乾燥できるように、フィルムの両側に上記の加熱手段を配置することが好ましい。
一次乾燥は、例えば、移動しているフィルムにヒーターの熱を当てるような形で環境雰囲気中(外気)にて行うこともできるが、その場合は、外気による加熱効率の低下や、外気の乱れによる乾燥ムラなどが起こりやすい。このようなことを防ぐためには、図2に示すように、乾燥炉21の内部で行うことが好ましく、とりわけ、乾燥炉の内部を閉鎖した閉鎖系で行うことが好ましい。特に、熱風や輻射エネルギーを利用する方法は、外気による影響が大きくなりやすいため、閉鎖系で乾燥処理を施すことが好適である。ただし、フィルムを熱ロールなどに直接接触させる方法のように、外気の影響が少ない場合は、乾燥炉の内部を閉鎖しない又は乾燥炉自体を設けない解放系で乾燥を行うことも可能である。
一次乾燥工程における乾燥温度は、40〜300℃が好ましく、特に50〜100℃が好適である。この乾燥温度は、上記のような閉鎖系であれば乾燥炉内で測定された温度と定義することができる。また、解放系であれば、加熱手段(熱ロールなど)自体の温度と定義することができる。
一次乾燥工程における乾燥時間は、1〜100秒程度、好ましくは3〜30秒である。この乾燥時間は、閉鎖系であればポリビニルアルコール系樹脂フィルムが乾燥炉内に入ってから出るまでの時間、解放系であればポリビニルアルコール系樹脂フィルムが加熱手段の熱を受けうる位置に近接又は加熱手段に接触してから、加熱手段の熱を受けにくい位置に離れる又は加熱手段と非接触になるまでの時間と定義することができる。
一次乾燥工程は、1つの加熱手段によって一段階で行ってもよいし、いくつかの加熱手段を連続して設けて複数の段階で行ってもよい。また、複数の段階で乾燥を行う場合は、各段階での乾燥温度が同一でも異なっていてもよいが、後の乾燥段階ほど乾燥温度が高くなるように温度勾配をつけることが好ましい。
〔6〕水洗工程
水洗工程は、一次乾燥工程を経たポリビニルアルコール系樹脂フィルムを洗浄するために行われる。具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに付着した余分なホウ酸やヨウ素等の薬剤がこの水洗処理で除去される。水洗処理の条件は、水の温度が通常2〜40℃であり、処理時間が通常2〜120秒である。
水洗の方法として、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬する方法及び水をシャワーとしてポリビニルアルコール系樹脂フィルムに噴霧する方法などが挙げられる。また、これらの方法を併用して水洗処理を施すこともできる。
水洗工程は、図2のように1つの水洗槽を配置して1段階でも行ってもよいし、いくつかの水洗槽を直列に配置して複数の段階で行ってもよい。水洗工程を複数の段階で行う場合は、上流に配置したいずれかの処理浴に無機塩の水溶液を用いてもよい。この無機塩は例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、塩化亜鉛、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどから選択して用いることができる。また、これらの無機塩は一種類のみ使用してもよいし、複数種を併用してもよい。
水洗工程では、膨潤工程と同様にフィルムのシワを除きつつポリビニルアルコール系樹脂フィルムを搬送するため、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対してその機械的な流れ方向に沿って張力を付与することが好ましい。そのときの張力は、例えば、300〜1,000N/mが好適である。
水洗工程におけるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの搬送速度は、最適な速度を適宜選択することができるが、例えば、走行速度5〜30m/分とすることができる。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの搬送速度が30m/分より速くなると、ロール上でフィルムが滑りやすくなる傾向があり、安定した延伸が困難になるなどの不具合が生じやすい傾向がある。
また、水洗工程中に一軸延伸処理を施してもよい。ここで延伸する場合、その延伸倍率は、例えば、 1.05〜1.2倍とすることができる。
〔7〕最終乾燥工程
最終乾燥工程は、水洗工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを加熱して乾燥するために行われる。これにより、目的物である偏光フィルムが得られる。最終乾燥処理で行う乾燥処理方法としては、上記した一次乾燥工程で挙げた方法を用いることができる。
最終乾燥処理の条件は、温度40〜100℃、好ましくは50〜100℃に保たれた乾燥炉の中で、処理時間30〜600秒程度とすることが好ましい。なお、複数の乾燥炉を用いて乾燥処理を施してもよい。この場合は、各々の乾燥炉の温度が同一でも異なっていてもよいが、好ましくは後段の乾燥炉になるにつれて炉内の温度が高くなるように温度勾配をつけることが好ましい。
最終乾燥工程を経た偏光フィルムは、必要に応じて図2に示す巻取ロール27に巻き取られて保管されるか、又はここで巻き取らずに、次の保護フィルムを貼る工程にそのまま供給され、偏光フィルムの表面に保護層が形成された偏光板まで製造される。なお、最終的に得られる偏光フィルムの厚みは、例えば2〜40μm 程度とすることができる。
[偏光板]
以上の方法によって製造される本発明の偏光フィルムは、その少なくとも一方の面に保護層を形成して、偏光板とすることができる。図3には、本発明の偏光板の層構成例を断面模式図で示した。この図に示すように、偏光板40は、偏光フィルム30と、この偏光フィルムの少なくとも一方の面に形成された保護層35とを備えている。保護層35は、偏光フィルム30の表面の摩損防止や補強などの機能を有する部材であり、透明樹脂から構成されることが好ましい。保護層35は、偏光フィルム30の一方の面にだけ設けることもあるが、好ましくは図示のように、偏光フィルム30の両面に形成される。
保護層35は、透明樹脂をフィルム状に製膜した保護フィルムであってもよく、活性エネルギー線などで硬化する性質の樹脂を硬化させた硬化層であってもよい。
保護フィルムに用いられる透明樹脂の例としては、メタクリル酸メチル系樹脂等のアクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系共重合樹脂、アクリロニトリル・スチレン系共重合樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等)、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、透明性や偏光フィルムとの接着性を阻害しない範囲で、添加物を含有することができる。一般的な保護層35としては、上記の樹脂のうち、セルロース系樹脂、特にトリアセチルセルロースが好ましく用いられる。
保護層35を硬化層で構成する場合、硬化性化合物は、カチオン重合性の硬化性化合物であってもよいし、ラジカル重合性の硬化性化合物であってもよい。カチオン重合性の硬化性化合物の例として、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有するエポキシ化合物、分子内に少なくとも一つのオキセタン環を有するオキセタン化合物などが挙げられる。また、ラジカル重合性の硬化性化合物の例として、分子内に少なくとも一つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリル系化合物などが挙げられる。このような、硬化性化合物を含有する硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線の照射や加熱により硬化され、透明性、機械的強度、熱安定性などに優れた透明保護層を与える。
本発明の偏光板に用いられる保護層の厚みは、薄い方が好ましいが、あまり薄すぎると強度が低下し、加工性に劣るものとなり、一方で厚すぎると、透明性が低下したり、積層後に必要な養生時間が長くなったりするなどの問題が生じやすい。そこで、保護層の適当な厚みは、たとえば5〜200μmであり、好ましくは10〜150μm、より好ましくは10〜100μmである。
保護層35として保護フィルムを用いる場合は通常、接着剤を用いて偏光フィルム30の表面に保護フィルムが貼合される。接着剤としては、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂、ウレタン系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、アクリルアミド系樹脂などを接着剤成分とするものを用いることができる。速硬化性及びこれに伴う偏光板の生産性向上の観点から、接着剤層を形成する好ましい接着剤の例として、活性エネルギー線の照射で硬化する活性エネルギー線硬化性接着剤を挙げることができる。例えば、エポキシ化合物を硬化性成分とし、これに光ラジカル重合開始剤を配合したものは、好ましい活性エネルギー線硬化性接着剤の一つである。また、接着剤層を薄くする観点から、接着剤として、水系接着剤、すなわち、接着剤成分を水に溶解した、又は接着剤成分を水に分散させた接着剤を用いることもできる。好ましい水系接着剤としては、例えば、主成分としてポリビニルアルコール系樹脂又はウレタン樹脂を用いた水系組成物を挙げることができる。
偏光フィルム30に接着剤を介して透明保護フィルムを貼合する場合、接着剤と偏光フィルム及び/又は保護フィルムとの接着性を向上させるために、偏光フィルム及び/又は透明保護フィルムに、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、紫外線処理、プライマー塗布処理、ケン化処理などの表面処理を施すことも有効である。
保護層35として硬化層を用いる場合は、例えば、硬化性樹脂組成物を偏光フィルムの表面に塗工し、これを活性エネルギー線の照射などで硬化させる方法により、保護層を形成することができる。硬化性樹脂組成物の塗工には、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーターなど、各種の塗工方式を採用することができる。
保護層35には、偏光フィルム30の保護機能だけでなく、他の各種の機能を兼ね備えた機能性フィルムを用いることもできる。このようなフィルムの機能として、例えば、防眩、反射防止、低反射、防汚、帯電防止などを挙げることができる。また、保護層35に位相差を発現させることで、保護機能を兼ね備えた位相差層とすることもできる。
[液晶表示装置]
以上説明した偏光板40は、液晶パネルの構成部材として使用することができる。図4は、液晶パネル60及びこれを適用した液晶表示装置90の基本的な層構成の例を示す断面模式図である。この図を参照して液晶表示装置を説明すると、偏光板40は、液晶セル50に貼合されて液晶パネル60の構成部品となり、液晶パネル60は液晶表示装置90の構成部材となる。一般に、液晶パネル60は、液晶セル50と、液晶セル50の背面側に貼合された偏光板40と、液晶セル50の視認側に貼合されたもう1枚の偏光板41とにより構成されている。図4には、図3に示した本発明の偏光板40が液晶セル50の背面側に配置される例を示しているが、もちろん視認側に配置されてもよい。
液晶表示装置90は、液晶パネル60、光拡散板70及びバックライト80で構成される。液晶表示装置90において、液晶パネル60は、偏光板40がバックライト80側となるように、すなわち、一方の保護層35が光拡散板70と対向するように配置される。偏光板40は、粘着剤層38を介して液晶セル50に貼合されている。ここで、背面側とは、液晶パネル60を液晶表示装置90に搭載した際のバックライト80側を意味する。また、視認側とは、液晶パネル60を液晶表示装置90に搭載した際のバックライト80とは反対側を意味する。
液晶表示装置を構成する部品について説明する。液晶セル50は、ガラス基板の間に液晶物質を封入したセルを電気的に制御することで、画像を表示させる素子である。液晶セルとしては、VAモード、IPSモード、ブルー相の液晶を用いた液晶駆動モードなど、公知のモードを採用することができる。
光拡散板70は、バックライト80からの光を拡散させて液晶パネル60に送る機能を有する光学部材である。光拡散板70は、例えば、熱可塑性樹脂に光拡散剤である粒子を分散させて光拡散性を付与したもの、熱可塑性樹脂フィルムの表面に凹凸を形成して光拡散性を付与したもの、熱可塑性樹脂フィルムの表面に粒子が分散された樹脂組成物の塗布層を設けて光拡散性を付与したものなどで構成することができる。光拡散板70は、通常0.1〜5mm 程度の厚みとすることができる。
バックライト80は、液晶セル50に光を照射するための装置であり、エッジライト方式や直下型方式などがある。エッジライト方式のバックライトは、側面に配置した冷陰極管やLEDなどの光源から導光板を通じて液晶セル50に光を照射する。また、直下型方式のバックライトでは、液晶セル50の背面側直下に光源を配置して液晶セルに光を照射する。バックライトの種類は、液晶表示装置の用途に応じたものを適宜選択して採用することができる。
光拡散板70と液晶パネル60との間には、輝度向上シート(反射型偏光フィルムである3M社から販売されている“DBEF”など)、光拡散シート等の他の光学機能性を示すシート又はフィルムを配置することもできる。他の光学機能性を示すシート又はフィルムは、必要に応じて2枚以上、また複数種類配置することも可能である。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ない限り重量基準である。
[実施例1]
ポリビニルアルコールからなる原反フィルムに対し、以下の各処理を施して、偏光フィルムを製造した。原反フィルムとしては、重合度2,400、ケン化度99.9モル%、厚み60μm のポリビニルアルコールフィルムであって、(株)クラレから販売されている“クラレビニロン VF-PE#6000”(商品名)を用いた。
まず、上の原反フィルムを温度30℃の純水に68秒間浸漬して膨潤させた後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が 0.063/2/100の水溶液に30℃で80秒間浸漬して染色した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が11/2/100の水溶液に56℃で71秒間浸漬してホウ酸処理を行った。
ホウ酸処理後のフィルムは乾燥炉を通過させ、一次乾燥を行った。この乾燥炉では、フィルムの両面にノズルから熱風が吹き付けられるようになっており、ノズルから吹き出される熱風の風速は 15.5m/秒、風量は4m3/分である。乾燥炉の温度は80℃、滞留時間は2秒とした。一次乾燥後は、10℃の純水を満たした水洗槽にフィルムを2秒間浸漬することにより洗浄した。最後に、60℃で3分間乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光フィルムを作製した。この間、染色工程とホウ酸処理工程とで主に延伸処理を行い、原反フィルムからの積算延伸倍率は 5.8倍であった。
[実施例2〜10]
一次乾燥の温度及び滞留時間を表1に示すとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして偏光フィルムを作製した。
[比較例1]
一次乾燥を行わず、ホウ酸処理後のフィルムを直ちに水洗槽に導いたこと以外は、実施例1と同様にして偏光フィルムを作製した。
[比較例2]
ホウ酸処理に用いる水溶液の組成を、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比で11/4/100に変更したこと以外は、比較例1と同様にして偏光フィルムを作製した。
[評価試験]
以上の実施例及び比較例で作製した偏光フィルム又は製造途中のフィルムに対し、以下の方法で物性測定を行い、評価した。
(a)フィルムの水分率測定と一次乾燥における水分減少率の算出
各例における水洗槽に入る直前のフィルムから一部を裁断し、水分率測定用サンプルとした。このサンプルの初期(乾燥前)重量を測定してから、ヤマト科学(株)製の乾燥オーブン“MODEL DK-42” に入れ、105℃で1時間の条件で乾燥した後、乾燥オーブンから取り出して、乾燥後のフィルム重量を測定した。そして、乾燥前と乾燥後のフィルム重量から、先の式(2)によりフィルムの水分率を求めた。一次乾燥を施さない比較例1において、水洗槽に入る直前(すなわち、ホウ酸処理が終わった状態)のフィルムの水分率は、各実施例において一次乾燥に入る直前(すなわち、ホウ酸処理が終わった状態)のフィルムの水分率とみなすことができるので、これをW0 とし、各実施例において水洗槽に入る直前(すなわち、一次乾燥を経た後)のフィルムの水分率をW1 として、これらの値を先の式(1)に代入し、各実施例の一次乾燥による水分減少率を算出した。結果を表1にまとめた。
(b)直交色相のb値の測定
各例で得られた偏光フィルムの両面に厚み80μm のトリアセチルセルロースからなる保護フィルムを貼合し、偏光板を作製した。こうして得られた偏光板を2枚用い、互いに吸収軸が直交するようクロスニコルに配置し、日本分光(株)製の分光光度計“V-7100”を用いて、直交色相のb値を測定した。結果を表1にまとめた。
(c)偏光フィルムのホウ素含有量
高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法により、各例で得られた偏光フィルム中のホウ素(B)量を定量し、偏光フィルムの重量に対するホウ素の重量百分率を算出して、偏光フィルム中のホウ素含有量とした。ICP発光分光分析には、(株)島津製作所製の“ICPS-8100” を用いた。結果を表1にまとめた。
(d)吸収軸方向への収縮力(MD収縮力)
各例で得られた偏光フィルムから吸収軸方向(MD)を長辺として、幅2mm、長さ10mmの大きさに裁断し、測定用サンプルとした。エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の熱機械分析装置(TMA)“EXSTAR-6000” に、上のサンプルをセットし、寸法を一定に保持したまま、80℃で240分間加熱したときに発生する吸収軸方向(長辺方向、すなわちMD)の収縮力(MD収縮力)を測定した。結果を表1にまとめた。
Figure 0005831249
表1の結果から、一次乾燥を行った実施例1〜10は、ホウ酸処理まで同じ方法で、一次乾燥を行わなかった比較例1に比べ、直交色相のb値がゼロ付近、具体的には −2.0〜+0.4 の範囲内となっている。このことから、一次乾燥を行うことで、得られる偏光フィルムの直交色相のb値が青色へ大きくシフトせず、良好なニュートラルグレーを実現できることがわかった。
また、一次乾燥による水分減少率が20%を下回る実施例7及び8は、直交色相のb値が −1.8以下となり、青色に若干シフトしている。一方、一次乾燥による水分減少率が80%を上回る実施例9及び10は、MD収縮力が 2.2N以上と、やや大きくなっている。これに対し、一次乾燥による水分減少率を30〜80%の範囲に収めた実施例1〜6は、いずれも直交色相のb値が−1〜0の範囲内であり、かつMD収縮力が 2.1N以下となっている。このことから、水分減少率が30〜80%となるように一次乾燥を行うことで、得られる偏光フィルムは直交色相と収縮力の両方において良好な特性を備えたものになることがわかる。
なお、ホウ酸処理浴におけるホウ酸濃度が異なる比較例1と比較例2を比べると、ホウ酸濃度の高い水溶液を用いた比較例2のほうが、偏光フィルム中のホウ素含有量が多くなり、直交色相のb値がゼロに近くなるものの、MD収縮力は 3.5Nと大きくなる。このことから、偏光フィルム中のホウ素含有量が多くなるほど、偏光フィルムの収縮力が大きく、破断しやすくなることがわかる。
以上、本発明によれば、低収縮でかつ色相に問題が少ない偏光フィルム及び偏光板を得ることができる。そして、この偏光板は、液晶表示装置をはじめとする各種表示装置に有効に適用することができる。
1……収縮力を求めるときの試験片、
5……試験片の吸収軸、
S……収縮力、
10……ポリビニルアルコール系樹脂の原反フィルム、
11……繰出しロール、
13……膨潤槽、
15……染色槽、
17……固定槽、
19……水洗槽、
21……一次乾燥炉、
23……最終乾燥炉、
27……巻取ロール、
30……偏光フィルム、
35……保護層、
38……粘着剤、
40,41……偏光板、
50……液晶セル
60……液晶パネル、
70……光拡散板、
80……バックライト。

Claims (5)

  1. ポリビニアルアルコール系樹脂フィルムに対して、ヨウ素を吸着させる染色工程、ホウ酸処理工程及び水洗工程をこの順に施し、かつ前記ホウ酸処理工程又はそれより前の段階において一軸延伸する延伸工程を施し、
    前記ホウ酸処理工程と前記水洗工程との間に前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを乾燥する一次乾燥工程を施して、偏光フィルムを製造する方法であって、
    前記一次乾燥工程の乾燥時間は、30秒以下であり、
    該一次乾燥工程に入る直前のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの水分率をW0 、該一次乾燥工程を経た後、水洗工程に入る前のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの水分率をW1 としたときに、下式(1):
    水分減少率=〔(W0−W1)/W0〕×100 (1)
    で示される水分減少率が30〜80重量%の範囲内となるように行われる、
    偏光フィルムの製造方法。
  2. 前記一次乾燥工程は、50〜100℃の温度で1〜30秒間行われる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記一次乾燥工程は、1〜5秒間行われる、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記一次乾燥工程は、前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対して、熱風を吹き付ける手段、発熱部材に直接接触させる手段、及び輻射エネルギーを照射する手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段によって行われる、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記水洗工程を経た後の前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対して、最終乾燥工程を施す、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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