JP2017157863A - ウェハの洗浄方法 - Google Patents

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真規 斎藤
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崇 齋尾
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創一 公文
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忍 荒田
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【課題】 表面に凹凸パターンが形成され、該凹凸パターンの凹部表面に少なくともチタン元素を有するウェハのパターン倒れを誘発しやすい洗浄工程を改善するためのウェハの洗浄方法を提供する。【解決手段】 表面に凹凸パターンが形成され該凹凸パターンの凹部表面に、少なくともチタン元素を有するウェハの洗浄方法であって、該方法は、少なくとも、凹凸パターンの少なくとも凹部に洗浄液を保持する前処理工程、上記前処理工程の後、凹凸パターンの少なくとも凹部に保護膜形成用薬液を保持する保護膜形成工程、及び、乾燥により凹凸パターンから液体を除去する乾燥工程、を有し、上記保護膜形成用薬液が、少なくとも上記凹部表面に撥水性保護膜を形成するための撥水性保護膜形成剤を含む薬液であり、上記保護膜形成用薬液が酸性であり、上記洗浄液が塩基性であることを特徴とするウェハの洗浄方法。【選択図】 図4

Description

本発明は、ウェハの洗浄方法に関し、例えば、半導体デバイス製造などにおける基板(ウェハ)の洗浄方法に関する。
ネットワークやデジタル家電用の半導体デバイスにおいて、さらなる高性能・高機能化や低消費電力化が要求されている。そのため、回路パターンの微細化が進行しており、微細化が進行するに伴って、回路パターンのパターン倒れが問題となっている。半導体デバイス製造においては、パーティクルや金属不純物の除去を目的とした洗浄工程が多用されており、その結果、半導体製造工程全体の3〜4割にまで洗浄工程が占めている。この洗浄工程において、半導体デバイスの微細化に伴うパターンのアスペクト比が高くなると、洗浄またはリンス後、気液界面がパターンを通過する時にパターンが倒れる現象がパターン倒れである。パターン倒れの発生を防止するためにパターンの設計を変更せざるを得なかったり、また生産時の歩留まりの低下に繋がったりするため、洗浄工程におけるパターン倒れを防止する方法が望まれている。
パターン倒れを防止する方法として、パターン表面に撥水性保護膜を形成することが有効であることが知られている。この撥水化はパターン表面を乾燥させずに行う必要があるため、パターン表面を撥水化することができる撥水性保護膜形成用薬液により撥水性保護膜を形成する。
例えば、特許文献1には、シリコンを含む膜により凹凸形状パターンを形成したウェハ表面を酸化等により表面改質し、該表面に水溶性界面活性剤またはシランカップリング剤を用いて撥水性保護膜を形成し、パターンの倒壊を防止する洗浄技術が開示されている。
また、特許文献2には、表面に金属系元素で凹凸パターンが形成されたウェハの表面に、アルキルアミン、アルキルイソシアネートなどを含む薬液を用いて撥水性保護膜を形成し、パターンの倒壊を防止する洗浄技術が開示されている。
さらに、特許文献3には、表面に金属系元素で凹凸パターンが形成されたウェハの表面に、アルキルホスホン酸を含む薬液を用いて撥水性保護膜を形成し、パターンの倒壊を防止する洗浄技術が開示されている。
特許第4403202号公報 特許第4743340号公報 特開2013−102109号公報
本発明は、半導体デバイス製造などにおいて、特に微細でアスペクト比の大きい回路パターン化されたデバイスの製造歩留まりの向上を目的とした基板(ウェハ)の洗浄技術に関するものであり、特に、表面に凹凸パターンを有するウェハの凹凸パターン倒れを誘発しやすい洗浄工程を改善することを目的とした洗浄方法に関するものである。
これまで、ウェハとしては表面にケイ素元素を有するウェハが一般的に用いられてきたが、パターンの多様化に伴って、チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、タンタル、及び、ルテニウムといった元素(以降、「金属系元素」と記載する場合がある)を表面に有するウェハが用いられ始めている。しかし、金属系元素を表面に有するウェハのように、表面に反応性の官能基、例えばシラノール基が十分に存在しない物質を含むウェハの場合、特許文献1に記載の処理液を用いてもパターンの倒壊を防止する撥水性保護膜を充分に形成できないため、パターンの倒壊を防止できないという問題がある。一方、特許文献2及び3に記載の薬液を用いれば、金属系元素を表面に有するウェハ表面に撥水性保護膜を形成することはできるものの、ウェハ表面に付与する撥水性には改善の余地があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、表面に凹凸パターンが形成され、該凹凸パターンの凹部表面にチタンなどの金属系元素を有するウェハ(以降、「金属系ウェハ」または単に「ウェハ」と記載する場合がある)のパターン倒れを誘発しやすい洗浄工程を改善するためのウェハの洗浄方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のウェハの洗浄方法は、表面に凹凸パターンが形成され該凹凸パターンの凹部表面に、チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、タンタル、及び、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有するウェハの洗浄方法であって、該方法は、少なくとも、
凹凸パターンの少なくとも凹部に洗浄液を保持する前処理工程、
上記前処理工程の後、凹凸パターンの少なくとも凹部に保護膜形成用薬液を保持する保護膜形成工程、及び、
乾燥により凹凸パターンから液体を除去する乾燥工程、
を有し、
上記保護膜形成用薬液が、少なくとも上記凹部表面に撥水性保護膜を形成するための撥水性保護膜形成剤を含む薬液であり、
上記洗浄液が、上記保護膜形成用薬液が塩基性であれば酸性であり、上記保護膜形成用薬液が酸性であれば塩基性であることを特徴とする。
金属系ウェハの製造においては、保護膜形成工程の前に、パーティクルや金属不純物を除去するために種々の洗浄液により洗浄が行われる。本発明では、保護膜形成工程の前の洗浄で用いられる洗浄液を、保護膜形成用薬液(以降、単に「薬液」と記載する場合がある)の液性によって変更することによって、ウェハ表面の撥水性を向上させることができることを見出した。具体的には、保護膜形成用薬液が塩基性であれば酸性の洗浄液を用い、保護膜形成用薬液が酸性であれば塩基性の洗浄液を用いることにより、ウェハ表面に形成された保護膜がより大きい水接触角を有するため、ウェハ表面の撥水性に優れることを見出した。
上述のパターン倒れは、ウェハを洗浄液で洗浄した後の乾燥時に気液界面がパターンを通過するときに生じる。本発明では、ウェハ表面に形成された保護膜の水接触角が大きくなり、ウェハ表面の撥水性が向上する結果、パターン倒れが生じ難い良好な傾向を示すと考えられる。
本発明において、表面に凹凸パターンを有するウェハとは、エッチングまたはインプリント等によって表面に凹凸パターンを形成された後の状態のウェハを意味する。また、上記のウェハに金属配線等の他の加工が施されたものであっても、その表面に凹凸パターンが存在するものであれば、対象とすることができる。
本発明において、保護膜形成用薬液は、金属系ウェハの洗浄工程において洗浄液を該薬液に置換して使用される。また、上記の置換した薬液は他の洗浄液に置換されてもよい。
上記のように洗浄工程の後に、洗浄液を保護膜形成用薬液に置換し、凹凸パターンの少なくとも凹部に該薬液が保持されている間に、該凹凸パターンの少なくとも凹部表面に上記保護膜が形成される。本発明において、保護膜は必ずしも連続的に形成されていなくてもよく、また、必ずしも均一に形成されていなくてもよいが、より優れた撥水性を付与できるため、連続的に、また、均一に形成されていることがより好ましい。
本発明において、保護膜とは、ウェハ表面に形成されることにより、該ウェハ表面の濡れ性を低くする膜、すなわち撥水性を付与する膜のことである。本発明において撥水性とは、物品表面の表面エネルギーを低減させて、水やその他の液体と該物品表面との間(界面)で相互作用、例えば、水素結合、分子間力などを低減させる意味である。特に水に対して相互作用を低減させる効果が大きいが、水と水以外の液体の混合液や、水以外の液体に対しても相互作用を低減させる効果を有する。該相互作用の低減により、物品表面に対する液体の接触角を大きくすることができる。
本発明のウェハの洗浄方法において、上記保護膜形成用薬液が塩基性であり、上記洗浄液が酸性である場合、上記保護膜形成用薬液に含まれる撥水性保護膜形成剤が、下記一般式[1]で示される化合物及びその塩化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 2017157863
(式[1]中、Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Rは、水素原子、または炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Rは、水素原子、または炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。)
また、上記塩基性の保護膜形成用薬液が、上記一般式[1]で示される化合物及びその塩化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む場合、上記ウェハは、該凹凸パターンの凹部表面に少なくともタングステン元素を有することが好ましい。
本発明のウェハの洗浄方法において、上記保護膜形成用薬液が酸性であり、上記洗浄液が塩基性である場合、上記保護膜形成用薬液に含まれる撥水性保護膜形成剤が、下記一般式[2]で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 2017157863
(式[2]中、Rは、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基である。Rは、それぞれ互いに独立して一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基である。aは、0乃至2の整数である。)
また、上記酸性の保護膜形成用薬液が、上記一般式[2]で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む場合、上記ウェハは、該凹凸パターンの凹部表面に少なくともチタン元素を有することが好ましい。
本発明のウェハの洗浄方法は、さらに、上記保護膜を除去する膜除去工程を有することが好ましい。
本発明のウェハの製造方法は、上述した本発明のウェハの洗浄方法を含むことを特徴とする。
本発明のウェハの洗浄方法では、保護膜形成用薬液によって形成される保護膜が撥水性に優れることから、金属系ウェハにおけるパターン倒れ防止効果を示す。該方法を使用すると、表面に凹凸パターンを有するウェハの洗浄工程が、スループットが低下することなく改善される。したがって、凹凸パターンを有するウェハを高効率で製造することができる。
また、本発明のウェハの洗浄方法は、今後益々大きくなると予想される例えば7以上のアスペクト比を有する凹凸パターンにも対応可能であり、より高密度化された半導体デバイス生産のコストダウンを可能とする。しかも、従来の装置から大きな変更がなく対応でき、その結果、各種の半導体デバイスの製造に適用可能なものとなる。
表面が凹凸パターン2を有する面とされたウェハ1を斜視したときの模式図。 図1中のa−a’断面の一部を示した模式図。 保護膜形成工程にて凹部4が保護膜形成用薬液8を保持した状態の模式図。 保護膜が形成された凹部4に液体が保持された状態の模式図。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
本発明のウェハの洗浄方法は、表面に凹凸パターンが形成され該凹凸パターンの凹部表面に、チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、タンタル、及び、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有するウェハの洗浄方法であって、該方法は、少なくとも、
凹凸パターンの少なくとも凹部に洗浄液を保持する前処理工程、
上記前処理工程の後、凹凸パターンの少なくとも凹部に保護膜形成用薬液を保持する保護膜形成工程、及び、
乾燥により凹凸パターンから液体を除去する乾燥工程、
を有し、
上記保護膜形成用薬液が、少なくとも上記凹部表面に撥水性保護膜を形成するための撥水性保護膜形成剤を含む薬液であり、
上記洗浄液が、上記保護膜形成用薬液が塩基性であれば酸性であり、上記保護膜形成用薬液が酸性であれば塩基性であることを特徴とする。
また、本発明のウェハの製造方法は、本発明のウェハの洗浄方法を含むことを特徴とする。
金属系ウェハとしては、シリコンウェハ、シリコンおよび/または酸化ケイ素(SiO)を含む複数の成分から構成されたウェハ、シリコンカーバイドウェハ、サファイアウェハ、各種化合物半導体ウェハ、及び、プラスチックウェハなどの表面を、チタン、窒化チタン、酸化チタン等のチタン元素を含む物質、あるいは、タングステン、酸化タングステン等のタングステン元素を含む物質、アルミニウムや酸化アルミニウム等のアルミニウム元素を含む物質、銅や酸化銅等の銅元素を含む物質、スズや酸化スズ等のスズ元素を含む物質、窒化タンタルや酸化タンタル等のタンタル元素を含む物質、あるいは、ルテニウムや酸化ルテニウム等のルテニウム元素を含む物質の層で被覆したもの、またはウェハ上に多層膜を形成し、そのうちの少なくとも1層が上記金属系元素を含む物質の層であるもの等が挙げられ、下記の凹凸パターン形成工程は、上記金属系元素を含む物質の層を含む層において行われる。また、凹凸パターンを形成したときに、該凹凸パターンの表面の少なくとも一部が、上記金属系元素のうち少なくとも1種の元素を有する物質となるものも含まれる。
本発明では、保護膜形成用薬液を用いた表面処理を実施する前に、一般的には次に挙げる工程を経ることが多い。
ウェハ表面を凹凸パターンを有する面とするパターン形成工程、
水系洗浄液を用いて、ウェハ表面を洗浄する前処理工程1、及び
上記水系洗浄液を、該水系洗浄液とは異なる洗浄液A(以下、単に「洗浄液A」と記載する場合がある)に置換する前処理工程2
なお、前処理工程1または前処理工程2のいずれか一方は省略されることもある。
また、本発明において、上記の前処理工程1、前処理工程2、またはその両方の工程を単に「前処理工程」と記載する場合がある。
パターン形成工程において、パターンを形成する方法は、まず、該ウェハ表面にレジストを塗布したのち、レジストマスクを介してレジストに露光し、露光されたレジスト、または、露光されなかったレジストをエッチング除去することによって所望の凹凸パターンを有するレジストを作製する。また、レジストにパターンを有するモールドを押し当てることでも、凹凸パターンを有するレジストを得ることができる。次に、ウェハをエッチングする。このとき、レジストパターンの凹の部分に対応するウェハ表面が選択的にエッチングされる。最後に、レジストを剥離すると、凹凸パターンを有するウェハが得られる。
上記パターン形成工程によって、表面に凹凸パターンを形成され該凹凸パターンの凹部表面に、チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、タンタル、及び、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有するウェハが得られる。
上記前処理工程1において用いる水系洗浄液の例としては、水、あるいは、水に有機溶媒、過酸化水素、オゾン、酸、塩基、界面活性剤のうち少なくとも1種が混合された水溶液(例えば、水の含有率が10質量%以上)とするものが挙げられる。
また、前処理工程1において、水系洗浄液への置換は2回以上行ってもよい。その際に用いる水系洗浄液は、それぞれ異なるものであっても良い。
上記前処理工程1において水系洗浄液で表面の洗浄を行った後、そのまま乾燥等により水系洗浄液を除去、或いは水系洗浄液から水に置換した後に乾燥等により水を除去すると、凹部の幅が小さく、凸部のアスペクト比が大きいと、パターン倒れが生じやすくなる。該凹凸パターンは、図1及び図2に記すように定義される。図1は、表面が凹凸パターン2を有する面とされたウェハ1を斜視したときの模式図の一例を示し、図2は図1中のa−a’断面の一部を示したものである。凹部の幅5は、図2に示すように隣り合う凸部3と凸部3の間隔で示され、凸部のアスペクト比は、凸部の高さ6を凸部の幅7で割ったもので表される。洗浄工程でのパターン倒れは、凹部の幅が70nm以下、特には45nm以下、アスペクト比が4以上、特には6以上のときに生じやすくなる。
前処理工程2で用いる洗浄液Aとは、有機溶媒、該有機溶媒と水系洗浄液の混合物、それらに酸、塩基、界面活性剤のうち少なくとも1種が混合された洗浄液を示す。さらに、該洗浄液Aを保護膜形成用薬液に置換することにより、凹凸パターンの少なくとも凹部に該保護膜形成用薬液を保持する工程(保護膜形成工程)を行うことが好ましい。
本発明において、ウェハの凹凸パターンの少なくとも凹部に上記薬液や洗浄液を保持できるのであれば、該ウェハの洗浄方式は特に限定されない。ウェハの洗浄方式としては、ウェハをほぼ水平に保持して回転させながら回転中心付近に液体を供給してウェハを1枚ずつ洗浄するスピン洗浄に代表される枚葉方式や、洗浄槽内で複数枚のウェハを浸漬し洗浄するバッチ方式が挙げられる。なお、ウェハの凹凸パターンの少なくとも凹部に上記薬液や洗浄液を供給するときの該薬液や洗浄液の形態としては、該凹部に保持された時に液体になるものであれば特に限定されず、たとえば、液体、蒸気などがある。
上記洗浄液Aの好ましい例の一つである有機溶媒の例としては、炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類、含ハロゲン溶媒、スルホキシド系溶媒、ラクトン系溶媒、カーボネート系溶媒、アルコール類、多価アルコールの誘導体、窒素元素含有溶媒等が挙げられる。
上記炭化水素類の例としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどがあり、上記エステル類の例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセト酢酸エチルなどがあり、上記エーテル類の例としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどがあり、上記ケトン類の例としては、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサノンなどがあり、上記含ハロゲン溶媒の例としては、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフルオロシクロペンタン、パーフルオロシクロヘキサン、ヘキサフルオロベンゼンなどのパーフルオロカーボン、1、1、1、3、3−ペンタフルオロブタン、オクタフルオロシクロペンタン、2,3−ジハイドロデカフルオロペンタン、ゼオローラH(日本ゼオン製)などのハイドロフルオロカーボン、メチルパーフルオロイソブチルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、アサヒクリンAE−3000(旭硝子製)、Novec7100、Novec7200、Novec7300、Novec7600(いずれも3M製)などのハイドロフルオロエーテル、テトラクロロメタンなどのクロロカーボン、クロロホルムなどのハイドロクロロカーボン、ジクロロジフルオロメタンなどのクロロフルオロカーボン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンなどのハイドロクロロフルオロカーボン、パーフルオロエーテル、パーフルオロポリエーテルなどがあり、上記スルホキシド系溶媒の例としては、ジメチルスルホキシドなどがあり、上記ラクトン系溶媒の例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、γ−ヘプタノラクトン、γ−オクタノラクトン、γ−ノナノラクトン、γ−デカノラクトン、γ−ウンデカノラクトン、γ−ドデカノラクトン、δ−バレロラクトン、δ−ヘキサノラクトン、δ−オクタノラクトン、δ−ノナノラクトン、δ−デカノラクトン、δ−ウンデカノラクトン、δ−ドデカノラクトン、ε−ヘキサノラクトンなどがあり、上記カーボネート系溶媒の例としては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートなどがあり、アルコール類の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール、グリセリンなどがあり、上記多価アルコールの誘導体の例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールジアセテート、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールジアセテート、ブチレングリコールジメチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチレングリコールジアセテート、グリセリントリアセテートなどがあり、窒素元素含有溶媒の例としては、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンなどがある。
なお、上記洗浄液Aは、清浄度の観点から、有機溶媒、水と有機溶媒の混合液が好ましい。なお、該有機溶媒が水溶性有機溶媒(水100質量部に対する溶解度が5質量部以上)を含むと、水系洗浄液から置換しやすいので好ましい。
また、前処理工程2において、洗浄液Aへの置換は2回以上行ってもよい。すなわち、前処理工程1で用いた水系洗浄液から1種類目の洗浄液Aに置換した後、該洗浄液Aとは異なる複数種類の洗浄液Aに順次置換した後、上記保護膜形成用薬液へと置換しても良い。
また、前処理工程1で用いた水系洗浄液から上記保護膜形成用薬液へ直接置換可能である場合は、上記洗浄液Aによる置換(前処理工程2)を省略しても構わない。
本発明では、後述する保護膜形成用薬液が塩基性であれば、酸性の洗浄液を前処理工程で用い、保護膜形成用薬液が酸性であれば、塩基性の洗浄液を前処理工程で用いることを特徴としている。
例えば、(1)塩基性の薬液を用いる場合、(1−1)前処理工程1及び前処理工程2の一方の工程で酸性の洗浄液を用い、他方の工程で塩基性でない洗浄液を用いる場合、(1−2)前処理工程1で塩基性の洗浄液を用い、前処理工程2で酸性の洗浄液を用いる場合、(1−3)前処理工程1及び前処理工程2の両方で酸性の洗浄液を用いる場合、(1−4)前処理工程1で酸性の洗浄液を用い、前処理工程2を行わない場合などが挙げられる。
同様に、(2)酸性の薬液を用いる場合、(2−1)前処理工程1及び前処理工程2の一方の工程で塩基性の洗浄液を用い、他方の工程で酸性でない洗浄液を用いる場合、(2−2)前処理工程1で酸性の洗浄液を用い、前処理工程2で塩基性の洗浄液を用いる場合、(2−3)前処理工程1及び前処理工程2の両方で塩基性の洗浄液を用いる場合、(2−4)前処理工程1で塩基性の洗浄液を用い、前処理工程2を行わない場合などが挙げられる。
酸性の洗浄液に含まれる酸は、無機酸であってもよく、有機酸であってもよい。
上記無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等が挙げられる。
上記有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、安息香酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸無水物、ペンタフルオロプロピオン酸、ペンタフルオロプロピオン酸無水物等が挙げられる。
酸性の洗浄液のpHは、より優れた撥水性を得る観点から、5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。
酸性の洗浄液を保持する時間は特に限定されないが、生産性の観点から、1秒〜10分間であることが好ましく、1秒〜3分間であることがより好ましい。なお、複数回に分けて酸性の洗浄液を保持する場合、酸性の洗浄液を保持する合計の時間をいう。
塩基性の洗浄液に含まれる塩基は、無機塩基であってもよく、有機塩基であってもよい。
上記無機塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。
上記有機塩基としては、例えば、アンモニア、ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(コリン)、水酸化テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。
塩基性の洗浄液のpHは、より優れた撥水性を得る観点から、9以上であることが好ましく、11以上であることがより好ましい。
塩基性の洗浄液を保持する時間は特に限定されないが、生産性の観点から、1秒〜10分間であることが好ましく、1秒〜3分間であることがより好ましい。なお、複数回に分けて塩基性の洗浄液を保持する場合、塩基性の洗浄液を保持する合計の時間をいう。
図3は、保護膜形成工程にて凹部4が保護膜形成用薬液8を保持した状態の模式図を示している。図3の模式図のウェハは、図1のa−a’断面の一部を示すものである。この際に、凹部4の表面に保護膜が形成されることにより該表面が撥水化される。
なお、薬液で保護膜を形成できるのは上記凹凸パターン中の、金属系元素のうち少なくとも1種の元素を有する物質部分の表面である。従って、上記保護膜は上記金属系ウェハの少なくとも凹部表面の一部に形成されるものであってもよい。また、上記金属系元素のうち少なくとも1種の元素を有する物質を含む複数の成分から構成されたウェハに対しても、上記金属系元素のうち少なくとも1種の元素を有する物質の表面に上記保護膜を形成することができる。該複数の成分から構成されたウェハとしては、金属系元素のうち少なくとも1種の元素を有する物質が少なくとも凹部表面の一部に形成したもの、あるいは、凹凸パターンを形成したときに、少なくとも凹部表面の一部が、金属系元素のうち少なくとも1種の元素を有する物質となるものも含まれる。
上記保護膜形成用薬液は、上記金属系ウェハの洗浄工程の後、乾燥工程の前において、少なくとも凹部表面に保護膜を形成するための保護膜形成剤と溶媒を含む薬液である。
上記保護膜形成用薬液が塩基性である場合、上記保護膜形成用薬液に含まれる撥水性保護膜形成剤は、下記一般式[1]で示される化合物及びその塩化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 2017157863
(式[1]中、Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Rは、水素原子、または炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Rは、水素原子、または炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。)
上記一般式[1]で示される化合物及びその塩化合物としては、例えば、C11NH、C13NH、C15NH、C17NH、C19NH、C1021NH、C1123NH、C1225NH、C1327NH、C1429NH、C1531NH、C1633NH、C1735NH、C1837NH、CFNH、CNH、CNH、CNH、C11NH、C13NH、C15NH、C17NH、CClNH、CCl11NH、CCl13NH、CCl15NH、CCl17NH、CBrNH、CBr11NH、CBr13NH、CBr15NH、CBr17NH、CNH、C11NH、C13NH、C15NH、C17NH、CNH、C11NH、C15NH、CClNH、CCl11NH、CCl15NH、CBrNH、CBr11NH、CBr15NH、CNH、C11NH、C15NH、CClNH、CBrNH、CNH、(CNH、(CNH、(C11NH、(C13NH、(C15NH、(C17NH、(C19NH、(C1021NH、(C1123NH、(C1225NH、(C1327NH、(C1429NH、(C1531NH、(C1633NH、(C1735NH、(C1837NH、(CFNH、(CNH、(CNH、(CNH、(C11NH、(C13NH、(C15NH、(C17NH、(CClNH、(CCl11NH、(CCl13NH、(CCl15NH、(CCl17NH、(CBrNH、(CBr11NH、(CBr13NH、(CBr15NH、(CBr17NH、(CNH、(C11NH、(C13NH、(C15NH、(C17NH、(CNH、(C11NH、(C15NH、(CClNH、(CCl11NH、(CCl15NH、(CBrNH、(CBr11NH、(CBr15NH、(CNH、(C11NH、(C15NH、(CClNH、(CBrNH、(CNH、(CN、(CN、(CN、(C11N、(C13N、(C15N、(C17N、(C19N、(C1021N、(C1123N、(C1225N、(C1327N、(C1429N、(C1531N、(C1633N、(C1735N、(C1837N、(CFN、(CN、(CN、(CN、(C11N、(C13N、(C15N、(C17N、(CClN、(CCl11N、(CCl13N、(CCl15N、(CCl17N、(CBrN、(CBr11N、(CBr13N、(CBr15N、(CBr17N、(CN、(C11N、(C13N、(C15N、(C17N、(CN、(C11N、(C15N、(CClN、(CCl11N、(CCl15N、(CBrN、(CBr11N、(CBr15N、(CN、(C11N、(C15N、(CClN、(CBrN、(CN、(C11)(CH)NH、(C13)(CH)NH、(C15)(CH)NH、(C17)(CH)NH、(C19)(CH)NH、(C1021)(CH)NH、(C1123)(CH)NH、(C1225)(CH)NH、(C1327)(CH)NH、(C1429)(CH)NH、(C1531)(CH)NH、(C1633)(CH)NH、(C1735
)(CH)NH、(C1837)(CH)NH、(CF)(CH)NH、(C
)(CH)NH、(C)(CH)NH、(C)(CH)NH、(C11)(CH)NH、(C13)(CH)NH、(C15)(CH)NH、(C17)(CH)NH、(C)(CHN、(C)(CHN、(C11)(CHN、(C13)(CHN、(C15)(CHN、(C17)(CHN、(C19)(CHN、(C1021)(CHN、(C1123)(CHN、(C1225)(CHN、(C1327)(CHN、(C1429)(CHN、(C1531)(CHN、(C1633)(CHN、(C1735)(CHN、(C1837)(CHN、(CF)(CHN、(C)(CHN、(C)(CHN、(C)(CHN、(C11)(CHN、(C13)(CHN、(C15)(CHN、(C17)(CHN等の化合物、またはその炭酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの無機酸塩や、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、フタル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ペンタフルオロプロピオン酸塩などの有機酸塩が挙げられる。
上記の撥水性保護膜形成剤が塩を形成する場合、保護膜形成用薬液には該撥水性保護膜形成剤、またはその塩、並びにそれらの混合物を含んでもよい。
また、上記の撥水性保護膜形成剤が、上記一般式[1]で表される撥水性保護膜形成剤において、Rが、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基であり、また、Rが、水素原子、または炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基であり、Rが、水素原子、または炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基である化合物、及びその塩化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であると、より優れた撥水性を付与することが可能であるため好ましい。
また、上記の撥水性保護膜形成剤が、炭素原子と水素原子からなる直鎖状の炭化水素基を含む疎水部を有することがより好ましい。該疎水部に含まれる直鎖状の炭化水素基が炭素原子と水素原子からなるものであることにより、保護膜を形成した際に、上記撥水性保護膜形成剤の疎水部が該保護膜の表面に対して垂直方向に向かって並びやすくなるために、より撥水性付与効果が高くなるため、より好ましい。
上記したような撥水性保護膜形成剤の中でも、金属系の物質に対する親和性、及び、撥水性付与効果を考慮して、特に好ましいものは、例えば、上記一般式[1]で表されるような、C13NH、C15NH、C17NH、C19NH、C1021NH、C1123NH、C1225NH、C1327NH、C1429NH、C1531NH、C1633NH、C1735NH、C1837NH、(CNH、(C11NH、(C13NH、(C15NH、(C17NH、(C19NH、(C1021NH、(C1123NH、(C1225NH、(C1327NH、(C1429NH、(C1531NH、(C1633NH、(C1735NH、(C1837NH、(CN、(C11N、(C13N、(C15N、(C17N、(C19N、(C1021N、(C1123N、(C1225N、(C1327N、(C1429N、(C1531N、(C1633N、(C1735N、(C1837N、(C11)(CH)NH、(C13)(CH)NH、(C15)(CH)NH、(C17)(CH)NH、(C19)(CH)NH、(C1021)(CH)NH、(C1123)(CH)NH、(C1225)(CH)NH、(C1327)(CH)NH、(C1429)(CH)NH、(C1531)(CH)NH、(C1633)(CH)NH、(C1735)(CH)NH、(C1837)(CH)NH、(C)(CHN、(C11)(CHN、(C13)(CHN、(C15)(CHN、(C17)(CHN、(C19)(CHN、(C1021)(CHN、(C1123)(CHN、(C1225)(CHN、(C1327)(CHN、(C1429)(CHN、(C1531)(CHN、(C1633)(CHN、(C1735)(CHN、(C1837)(CHN等の化合物、またはその炭酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの無機酸塩や、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、フタル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ペンタフルオロプロピオン酸塩などの有機酸塩が挙げられる。
また、上記塩基性の保護膜形成用薬液が、上記一般式[1]で示される化合物及びその塩化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む場合、該薬液は表面にタングステン元素を有する物品の該表面に優れた撥水性保護膜を形成しやすいため、上記ウェハは、該凹凸パターンの凹部表面に少なくともタングステン元素を有することが好ましい。また、該薬液は表面にルテニウム元素を有する物品の表面にも優れた撥水性保護膜を形成しやすいため、上記ウェハは、凹凸パターンの凹部表面に少なくともルテニウム元素を有するものであってもよい。
また、上記保護膜形成用薬液が塩基性である場合、上記保護膜形成用薬液に含まれる撥水性保護膜形成剤は、下記の化学式で示されるイミダゾリン環などの窒素を含む環状構造の官能基を含む化合物及びその塩化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
Figure 2017157863
上記保護膜形成用薬液が酸性である場合、上記保護膜形成用薬液に含まれる撥水性保護膜形成剤は、下記一般式[2]で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 2017157863
(式[2]中、Rは、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基である。Rは、それぞれ互いに独立して一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基である。aは、0乃至2の整数である。)
上記一般式[2]のRに含まれる炭化水素基は、例えば、アルキル基、アルキレン基、または、それらの一部または全ての水素元素がフッ素元素に置換されたものなどが挙げられる。
また、上記Rは、−OR(Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基)であることが好ましい。また、Rの炭素数は1〜8、特に1〜4であると、より優れた撥水性を付与することができるため好ましい。また、Rは直鎖アルキル基が好ましい。
上記一般式[2]の化合物としては、例えば、CHP(O)(OH)、CP(O)(OH)、CP(O)(OH)、CP(O)(OH)、C11P(O)(OH)、C13P(O)(OH)、C15P(O)(OH)、C17P(O)(OH)、C19P(O)(OH)、C1021P(O)(OH)、C1123P(O)(OH)、C1225P(O)(OH)、C1327P(O)(OH)、C1429P(O)(OH)、C1531P(O)(OH)、C1633P(O)(OH)、C1735P(O)(OH)、C1837P(O)(OH)、CP(O)(OH)、CFP(O)(OH)、CP(O)(OH)、CP(O)(OH)、CP(O)(OH)、C11P(O)(OH)、C13P(O)(OH)、C15P(O)(OH)、C17P(O)(OH)、CFP(O)(OH)、CP(O)(OH)、CP(O)(OH)、CP(O)(OH)、C11P(O)(OH)、C13P(O)(OH)、C15P(O)(OH)、C17P(O)(OH)、あるいは、上記化合物の−P(O)(OH)基を、−P(O)(OH)OCH基、−P(O)(OH)OC基、−P(O)(OCH基、−P(O)(OC基に置き換えたものなどが挙げられる。
さらに、上記保護膜形成剤は、より優れた撥水性を付与できるため、上記一般式[2]のaが1または2であることが好ましく、さらにはaが2である下記一般式[3]で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2017157863
(式[3]中、Rは、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基である。)
上記一般式[2]や[3]のRやRは、例えば、アルキル基、フェニル基、フェニル基の水素元素がアルキル基に置換されたもの、ナフチル基、及び、これら炭化水素基の一部または全ての水素元素がフッ素元素に置換されたものなどが挙げられる。
また、上記一般式[2]や[3]のRやRは、炭素数が2〜16、さらに4〜14、特には6〜14であると、より優れた撥水性を付与することができるため好ましい。また、上記一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭化水素基は、アルキル基が好ましく、特に直鎖アルキル基が好ましい。上記炭化水素基が直鎖アルキル基であると、保護膜を形成した際に、上記保護膜形成剤の疎水部が該保護膜の表面に対して垂直方向に向かって並びやすくなるために、より撥水性付与効果が高くなるため、より好ましい。また、上記一般式[2]や[3]のRやRは、より優れた撥水性を付与できるため、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられている炭化水素基が良い。
また、上記保護膜形成剤は、上記一般式[2]や[3]の塩で存在していても良い。該塩としては、アンモニウム塩、または、アミン塩などがある。
また、上記保護膜形成用薬液が酸性である場合、上記保護膜形成用薬液に含まれる撥水性保護膜形成剤は、下記一般式[4]または下記一般式[5]で示される化合物であってもよい。
Figure 2017157863
(式[4]中、Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または、炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Uは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、及び、ヨード基からなる群から選ばれる基を示す。)
Figure 2017157863
(式[5]中、Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または、炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Vは、酸素原子、または硫黄原子を示し、Wは、水素原子、アルキル基、芳香族基、ピリジル基、キノリル基、スクシンイミド基、マレイミド基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾチアゾール基、及び、ベンゾトリアゾール基からなる群から選ばれる基を示し、これらの基における水素原子は、有機基で置換されていても良い。)
上記一般式[4]で示される化合物としては、例えば、CHCOF、CCOF、CCOF、CCOF、C11COF、C13COF、C15COF、C17COF、C19COF、C1021COF、C1123COF、C1225COF、C1327COF、C1429COF、C1531COF、C1633COF、C1735COF、C1837COF、CCOF、CFCOF、CCOF、CCOF、CCOF、C11COF、C13COF、C15COF、C17COF、CHCOCl、CCOCl、CCOCl、CCOCl、C11COCl、C13COCl、C15COCl、C17COCl、C19COCl、C1021COCl、C1123COCl、C1225COCl、C1327COCl、C1429COCl、C1531COCl、C1633COCl、C1735COCl、C1837COCl、CCOCl、CFCOCl、CCOCl、CCOCl、CCOCl、C11COCl、C13COCl、C15COCl、C17COCl、CHCOBr、CCOBr、CCOBr、CCOBr、C11COBr、C13COBr、C15COBr、C17COBr、C19COBr、C1021COBr、C1123COBr、C1225COBr、C1327COBr、C1429COBr、C1531COBr、C1633COBr、C1735COBr、C1837COBr、CCOBr、CFCOBr、CCOBr、CCOBr、CCOBr、C11COBr、C13COBr、C15COBr、C17COBr、CHCOI、CCOI、CCOI、CCOI、C11COI、C13COI、C15COI、C17COI、C19COI、C1021COI、C1123COI、C1225COI、C1327COI、C1429COI、C1531COI、C1633COI、C1735COI、C1837COI、CCOI、CFCOI、CCOI、CCOI、CCOI、C11COI、C13COI、C15COI、C17COI等の化合物が挙げられる。
上記一般式[5]で示される化合物としては、例えば、C11COOH、C13COOH、C15COOH、C17COOH、C19COOH、C1021COOH、C1123COOH、C1225COOH、C1327COOH、C1429COOH、C1531COOH、C1633COOH、C1735COOH、C1837COOH、CCOOH、C11COOH、C13COOH、C15COOH、C17COOH、CCOSH、C11COSH、C13COSH、C15COSH、C17COSH、C19COSH、C1021COSH、C1123COSH、C1225COSH、C1327COSH、C1429COSH、C1531COSH、C1633COSH、C1735COSH、C1837COSH、CCOSH、CCOSH、C11COSH、C13COSH、C15COSH、C17COSH等の化合物が挙げられる。
上記の撥水性保護膜形成剤が塩を形成する場合、保護膜形成用薬液には該撥水性保護膜形成剤、またはその塩、並びにそれらの混合物を含んでもよい。
また、上記の撥水性保護膜形成剤が、上記一般式[4]で表される撥水性保護膜形成剤において、Rが、炭素数が8乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基である化合物であると、より優れた撥水性を付与することが可能であるため好ましい。
また、上記一般式[5]で表される撥水性保護膜形成剤において、Rが、炭素数が6乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基であり、Vが酸素原子で、Wが水素原子である化合物であると、より優れた撥水性を付与することが可能であるため好ましい。
また、上記の撥水性保護膜形成剤が、炭素原子と水素原子からなる直鎖状の炭化水素基を含む疎水部を有することがより好ましい。該疎水部に含まれる直鎖状の炭化水素基が炭素原子と水素原子からなるものであることにより、保護膜を形成した際に、上記撥水性保護膜形成剤の疎水部が該保護膜の表面に対して垂直方向に向かって並びやすくなるために、より撥水性付与効果が高くなるため、より好ましい。
上記したような撥水性保護膜形成剤の中でも、金属系の物質に対する親和性、及び、撥水性付与効果を考慮して、特に好ましいものは、例えば、上記一般式[4]で表されるような、C17COF、C19COF、C1021COF、C1123COF、C1225COF、C1327COF、C1429COF、C1531COF、C1633COF、C1735COF、C1837COF、C17COCl、C19COCl、C1021COCl、C1123COCl、C1225COCl、C1327COCl、C1429COCl、C1531COCl、C1633COCl、C1735COCl、C1837COCl、C17COBr、C19COBr、C1021COBr、C1123COBr、C1225COBr、C1327COBr、C1429COBr、C1531COBr、C1633COBr、C1735COBr、C1837COBr、C1123COI、C1225COI、C1327COI、C1429COI、C1531COI、C1633COI、C1735COI、C1837COI等の化合物が挙げられる。上記の化合物を用いると、より短時間で前記凹部表面を撥水化された表面状態としやすくなり、かつ、後述する後洗浄工程において撥水性の維持効果に優れるため好ましい。
また、例えば、前記一般式[5]で表されるような、C11COOH、C13COOH、C15COOH、C17COOH、C19COOH、C1021COOH、C1123COOH、C1225COOH、C1327COOH、C1429COOH、C1531COOH、C1633COOH、C1735COOH、C1837COOH、C11COSH、C13COSH、C15COSH、C17COSH、C19COSH、C1021COSH、C1123COSH、C1225COSH、C1327COSH、C1429COSH、C1531COSH、C1633COSH、C1735COSH、C1837COSH等の化合物が挙げられる。
また、上記酸性の保護膜形成用薬液が、上記一般式[2]〜[5]で示される化合物を少なくとも1種含む場合、該薬液は表面にチタン元素を有する物品の該表面に優れた撥水性保護膜を形成しやすいため、上記ウェハは、該凹凸パターンの凹部表面に少なくともチタン元素を有することが好ましい。また、該薬液は表面にルテニウム元素を有する物品の表面にも優れた撥水性保護膜を形成しやすいため、上記ウェハは、凹凸パターンの凹部表面に少なくともルテニウム元素を有するものであってもよい。
保護膜形成用薬液中の保護膜形成剤の濃度は、該薬液の総量100質量%に対して0.0005〜50質量%であることが好ましい。0.0005質量%未満では、撥水性付与効果が不十分となる傾向があり、50質量%超であると有機溶媒に溶解しにくい傾向がある。さらに好ましくは0.001〜5質量%、特に好ましくは0.003〜3質量%である。
保護膜形成用薬液に使用される溶媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合液が好適に使用される。撥水性保護膜形成剤によっては該溶媒と反応する場合があるため、撥水性保護膜形成剤と反応しないような溶媒を適宜選択することが好ましい。該有機溶媒としては、例えば、炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類、含ハロゲン溶媒、スルホキシド系溶媒、ラクトン系溶媒、カーボネート系溶媒、アルコール類、多価アルコールの誘導体、窒素元素含有溶媒、あるいは、それらの混合液が好適に使用される。
上記有機溶媒の具体例としては、上記洗浄液Aに用いられることのある有機溶媒と同様のものが挙げられる。
また、上記溶媒の一部、または、全てに不燃性のものを使うと、保護膜形成用薬液が不燃性になる、あるいは、引火点が高くなって、該薬液の危険性が低下するので好ましい。含ハロゲン溶媒は不燃性のものが多く、不燃性含ハロゲン溶媒は不燃性有機溶媒として好適に使用できる。また、水も不燃性溶媒として好適に使用できる。
また、上記溶媒として引火点が70℃を超える溶媒を用いると、消防法上の安全性の観点から好ましい。
また、「化学品の分類および表示に関する国際的調和システム;GHS」によると、引火点が93℃以下の溶媒を「引火性液体」として定義している。そのため、不燃性溶媒でなくとも、上記溶媒として引火点が93℃を超える溶媒を用いると、上記保護膜形成用薬液の引火点は93℃超になりやすく、該薬液が「引火性液体」に該当し難くなるため、安全性の観点からさらに好ましい。
また、ラクトン系溶媒、カーボネート系溶媒、分子量が大きいまたはOH基を2つ以上有するアルコール類、多価アルコールの誘導体は、引火点が高いものが多いので、これらを溶媒に用いると、保護膜形成用薬液の危険性を低くできるので好ましい。上記の安全性の観点から、具体的には引火点が70℃を超える、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、γ−ヘプタノラクトン、γ−オクタノラクトン、γ−ノナノラクトン、γ−デカノラクトン、γ−ウンデカノラクトン、γ−ドデカノラクトン、δ−バレロラクトン、δ−ヘキサノラクトン、δ−オクタノラクトン、δ−ノナノラクトン、δ−デカノラクトン、δ−ウンデカノラクトン、δ−ドデカノラクトン、ε−ヘキサノラクトン、プロピレンカーボネート、ヘプタノール、オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールジアセテート、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールジアセテート、ブチレングリコールジアセテート、グリセリントリアセテート等を上記溶媒として用いることがより好ましく、引火点が93℃を超える、γ−ブチロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、γ−ヘプタノラクトン、γ−オクタノラクトン、γ−ノナノラクトン、γ−デカノラクトン、γ−ウンデカノラクトン、γ−ドデカノラクトン、δ−バレロラクトン、δ−ヘキサノラクトン、δ−オクタノラクトン、δ−ノナノラクトン、δ−デカノラクトン、δ−ウンデカノラクトン、δ−ドデカノラクトン、ε−ヘキサノラクトン、プロピレンカーボネート、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールジアセテート、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールジアセテート、ブチレングリコールジアセテート、グリセリントリアセテート等を上記溶媒として用いることがさらにより好ましい。
さらにまた、上記溶媒は、より優れた撥水性を付与できるとの理由で、炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類、ラクトン系溶媒、カーボネート系溶媒、多価アルコールの誘導体の中で水酸基を持たないもの、水、または、それらの混合液が好ましい。さらに、洗浄液、特に水系洗浄液との置換性を考慮すると、水酸基を持たない多価アルコールの誘導体、水、または、それらの混合液が好ましい。なお、上記保護膜形成剤を多く溶解させるために、上記溶媒にアルコール類を含ませても良い。なお、この場合の該アルコール類の濃度は、保護膜形成用薬液100質量%に対して、10質量%以下が好ましく、さらに5質量%以下、特には3質量%以下が好ましい。
また、保護膜形成用薬液には、上記保護膜形成剤による保護膜の形成を促進させるために、添加剤が添加されても良い。添加剤の添加量は、保護膜形成剤の総量100質量%に対して、0.01〜50質量%が好ましい。
保護膜形成用薬液は、温度を高くすると、より短時間で上記保護膜を形成しやすくなる。均質な保護膜を形成しやすい温度は、10℃以上、該薬液の沸点未満であり、特には15℃以上、該薬液の沸点よりも10℃低い温度以下で保持されることが好ましい。上記薬液の温度は、凹凸パターンの少なくとも凹部に保持されているときも当該温度に保持されることが好ましい。なお、該薬液の沸点は該保護膜形成用薬液に含まれる成分のうち、質量比で最も量の多い成分の沸点を意味する。
保護膜形成用薬液を保持する時間は特に限定されないが、1秒〜10分間であることが好ましく、1〜3分間であることがより好ましい。
上記保護膜形成工程の後で、該凹凸パターンの少なくとも凹部に残った上記薬液を、該薬液とは異なる洗浄液(以下、「洗浄液B」と記載する場合がある)に置換(以下、「後洗浄工程」と記載する場合がある)した後に、乾燥工程に移ってもよい。上記洗浄液Bの例としては、水系洗浄液、有機溶媒、上記水系洗浄液と有機溶媒の混合物、または、それらに酸、塩基、界面活性剤のうち少なくとも1種が混合されたもの、並びに、それらに保護膜形成用薬液に用いられる保護膜形成剤が該薬液よりも低濃度になるように含有されたもの等が挙げられる。上記洗浄液Bは、パーティクルや金属不純物の除去の観点から、水、有機溶媒、または上記水と有機溶媒の混合物がより好ましい。
また、後洗浄工程では、上記洗浄液Bへの置換を2回以上行ってもよい。すなわち、保護膜形成用薬液から1種類目の洗浄液Bに置換した後、1種類目の洗浄液Bとは異なる複数種類の洗浄液Bに順次置換した後、乾燥工程に移ってもよい。
上記洗浄液Bの好ましい例の一つである有機溶媒の例としては、炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類、含ハロゲン溶媒、スルホキシド系溶媒、アルコール類、多価アルコールの誘導体、窒素元素含有溶媒等が挙げられる。
上記有機溶媒の具体例としては、上記洗浄液Aや、上記保護膜形成用薬液に用いられることのある有機溶媒と同様のものが挙げられる。
また、本発明で用いる薬液によりウェハ表面に形成された保護膜は、上記洗浄液Bとして有機溶媒を用いると、上記後洗浄工程によって撥水性がほとんど低下しない傾向がある。
保護膜形成用薬液により撥水化された凹部4に液体が保持された場合の模式図を図4に示す。図4の模式図のウェハは、図1のa−a’断面の一部を示すものである。凹凸パターン表面は上記薬液により保護膜10が形成され撥水化されている。そして、該保護膜10は、液体9が凹凸パターンから除去されるときもウェハ表面に保持される。
ウェハの凹凸パターンの少なくとも凹部表面に、保護膜形成用薬液により保護膜10が形成されたとき、該表面に水が保持されたと仮定したときの接触角が50〜130°であると、パターン倒れが発生し難いため好ましい。接触角が大きいと撥水性に優れるため、60〜130°が更に好ましく、65〜130°が特に好ましい。
次に、上記乾燥工程に記したように、上記薬液により保護膜が形成された凹部4に保持された液体を乾燥により凹凸パターンから除去する工程が行われる。このとき、凹部に保持されている液体は、保護膜形成工程で用いた上記薬液、後洗浄工程で用いた上記洗浄液B、または、それらの混合液でも良い。上記混合液は、保護膜形成用薬液に含まれる保護膜形成剤が該薬液よりも低濃度になるように含有されたものであり、該混合液は、上記薬液を洗浄液Bに置換する途中の状態の液でも良いし、あらかじめ上記保護膜形成剤を洗浄液Bに混合して得た混合液でも良い。ウェハの清浄度の観点から、特に、水、有機溶媒、または、水と有機溶媒の混合物が好ましい。また、上記凹凸パターン表面から液体が一旦除去された後で、上記凹凸パターン表面に洗浄液Bを保持させて、その後、乾燥しても良い。
なお、上記薬液による表面処理後の洗浄処理(後洗浄工程)を行う場合、該工程の時間、すなわち洗浄液Bが保持される時間は、上記凹凸パターン表面のパーティクルや不純物の除去の観点から、1秒間以上、より好ましくは3秒間以上行うことが好ましい。上記凹凸パターン表面に形成された保護膜の撥水性能の維持効果の観点から、洗浄液Bとして有機溶媒を用いると、該後洗浄を行ってもウェハ表面の撥水性を維持し易い傾向がある。一方、上記洗浄処理の時間が長くなりすぎると、生産性が悪くなるため15分間以内が好ましい。
上記乾燥工程では、凹凸パターンに保持された液体が乾燥により除去される。当該乾燥は、スピン乾燥法、IPA(2−プロパノール)蒸気乾燥、マランゴニ乾燥、加熱乾燥、送風乾燥、温風乾燥、真空乾燥などの周知の乾燥方法によって行うことが好ましい。
次に、保護膜10を除去する膜除去工程が行われることが好ましい。上記撥水性保護膜を除去する場合、該撥水性保護膜中のC−C結合、C−F結合を切断することが有効である。その方法としては、上記結合を切断できるものであれば特に限定されないが、例えば、ウェハ表面を光照射すること、ウェハを加熱すること、ウェハをオゾン曝露すること、ウェハ表面にプラズマ照射すること、ウェハ表面にコロナ放電すること等が挙げられる。
光照射で上記保護膜10を除去する場合、該保護膜10中のC−C結合、C−F結合の結合エネルギーである83kcal/mol、116kcal/molに相当するエネルギーである340nm、240nmよりも短い波長を含む紫外線を照射することが好ましい。この光源としては、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、エキシマランプ、カーボンアークなどが用いられる。紫外線照射強度は、メタルハライドランプであれば、例えば、照度計(コニカミノルタセンシング製照射強度計UM−10、受光部UM−360〔ピーク感度波長:365nm、測定波長範囲:310〜400nm〕)の測定値で100mW/cm以上が好ましく、200mW/cm以上が特に好ましい。なお、照射強度が100mW/cm未満では上記保護膜10を除去するのに長時間要するようになる。また、低圧水銀ランプであれば、より短波長の紫外線を照射することになるので、照射強度が低くても短時間で上記保護膜10を除去できるので好ましい。
また、光照射で上記保護膜10を除去する場合、紫外線で上記保護膜10の構成成分を分解すると同時にオゾンを発生させ、該オゾンによって上記保護膜10の構成成分を酸化揮発させると、処理時間が短くなるので特に好ましい。この光源として、低圧水銀ランプやエキシマランプなどが用いられる。また、光照射しながらウェハを加熱してもよい。
ウェハを加熱する場合、400〜1000℃、好ましくは、500〜900℃でウェハの加熱を行うことが好ましい。この加熱時間は、10秒〜60分間、好ましくは30秒〜10分間の保持で行うことが好ましい。また、当該工程では、オゾン曝露、プラズマ照射、コロナ放電などを併用してもよい。また、ウェハを加熱しながら光照射を行ってもよい。
加熱により上記保護膜10を除去する方法は、ウェハを熱源に接触させる方法、熱処理炉などの加熱された雰囲気にウェハを置く方法などがある。なお、加熱された雰囲気にウェハを置く方法は、複数枚のウェハを処理する場合であっても、ウェハ表面に上記保護膜10を除去するためのエネルギーを均質に付与しやすいことから、操作が簡便で処理が短時間で済み処理能力が高いという工業的に有利な方法である。
ウェハをオゾン曝露する場合、低圧水銀灯などによる紫外線照射や高電圧による低温放電等で発生させたオゾンをウェハ表面に供することが好ましい。ウェハをオゾン曝露しながら光照射してもよいし、加熱してもよい。
上記膜除去工程では、上記の光照射、加熱、オゾン曝露、プラズマ照射、コロナ放電を組み合わせることによって、効率的にウェハ表面の保護膜を除去することができる。
以下、本発明の実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
ウェハの表面を凹凸パターンを有する面とすること、凹凸パターンの少なくとも凹部に保持された洗浄液を他の洗浄液で置換することは、他の文献等にて種々の検討がなされ、既に確立された技術であるので、本発明では、前処理工程(前処理工程1)の洗浄液と保護膜形成用薬液とを種々組み合わせて用いた際の撥水性付与効果の違いについて、評価を行った。なお、実施例において、接触角を評価する際にウェハ表面に接触させる洗浄液としては、水系洗浄液の代表的なものである水を用いた。
ただし、表面に凹凸パターンを有するウェハの場合、該凹凸パターン表面に形成された上記保護膜10自体の接触角を正確に評価できない。
水滴の接触角の評価は、JIS R 3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」にもあるように、サンプル(基材)表面に数μlの水滴を滴下し、水滴と基材表面のなす角度の測定によりなされる。しかし、パターンを有するウェハの場合、接触角が非常に大きくなる。これは、Wenzel効果やCassie効果が生じるからで、接触角が基材の表面形状(ラフネス)に影響され、見かけ上の水滴の接触角が増大するためである。
そこで、本実施例では上記薬液を表面が平滑なウェハに供して、ウェハ表面に保護膜を形成して、該保護膜を表面に凹凸パターンが形成されたウェハの表面に形成された保護膜とみなし、種々評価を行った。なお、本実施例では、表面が平滑なウェハとして、表面が平滑なシリコンウェハ上にタングステン層を有する「タングステン膜付きウェハ」(表中でWと表記)、及び、表面が平滑なシリコンウェハ上に窒化チタン層を有する「窒化チタン膜付きウェハ」(表中でTiNと表記)を用いた。
詳細を下記に述べる。以下では、保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法、保護膜形成用薬液の調製、前処理(ウェハの洗浄)、保護膜形成用薬液によるウェハ表面への表面処理、そして、ウェハに該保護膜形成用薬液を供した後の評価結果を記載する。
〔保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法〕
保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法として、以下の(1)〜(3)の評価を行った。
(1)ウェハ表面に形成された保護膜の接触角評価
保護膜が形成されたウェハ表面上に純水約2μlを置き、水滴とウェハ表面とのなす角(接触角)を接触角計(協和界面科学製:CA−X型)で測定した。
(2)保護膜の除去性
以下の条件でメタルハライドランプのUV光をサンプルに2時間照射し、膜除去工程における保護膜の除去性を評価した。照射後に水滴の接触角が30°以下となったものを合格とした。
・ランプ:アイグラフィックス製M015−L312(強度:1.5kW)
・照度:下記条件における測定値が128mW/cm
・測定装置:紫外線強度計(コニカミノルタセンシング製、UM−10)
・受光部:UM−360
(受光波長:310〜400nm、ピーク波長:365nm)
・測定モード:放射照度測定
(3)保護膜除去後のウェハの表面平滑性評価
原子間力電子顕微鏡(セイコ−電子製:SPI3700、2.5μm四方スキャン)によって表面観察し、ウェハ洗浄前後の表面の中心線平均面粗さ:Ra(nm)の差ΔRa(nm)を求めた。なお、Raは、JIS B 0601で定義されている中心線平均粗さを測定面に対し適用して三次元に拡張したものであり、「基準面から指定面までの差の絶対値を平均した値」として次式で算出した。
Figure 2017157863
ここで、X、X、Y、Yは、それぞれ、X座標、Y座標の測定範囲を示す。Sは、測定面が理想的にフラットであるとした時の面積であり、(X−X)×(Y−Y)の値とした。また、F(X,Y)は、測定点(X,Y)における高さ、Zは、測定面内の平均高さを表す。
保護膜形成前のウェハ表面のRa値、及び保護膜を除去した後のウェハ表面のRa値を測定し、両者の差(ΔRa)が±1nm以内であれば、洗浄によってウェハ表面が浸食されていない、および、上記保護膜の残渣がウェハ表面にないとし、合格とした。
[実施例1]
(I−1)保護膜形成用薬液の調製
撥水性保護膜形成剤として、オクチルアミン〔C17NH〕;0.05g、溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以降「PGMEA」と記載する);99.95gを混合し、1時間撹拌して、保護膜形成用薬液の総量に対する上記保護膜形成剤の濃度(以降「保護膜形成剤濃度」と記載する)が0.05質量%の保護膜形成用薬液を得た。
(I−2)ウェハの洗浄
前処理工程1として、平滑なタングステン膜付きウェハ(表面に厚さ50nmのタングステン層を有するシリコンウェハ)を室温で1質量%の塩化水素水に1分間浸漬し、次いで純水に1分間浸漬し、さらに前処理工程2として、イソプロピルアルコール(以下「iPA」と記載する)に1分間浸漬した。
(I−3)ウェハ表面への表面処理
保護膜形成工程として、タングステン膜付きウェハを、20℃にて、上記「(I−1)保護膜形成用薬液の調製」で調製した保護膜形成用薬液に、3分間浸漬させた。その後、後洗浄工程として、該タングステン膜付きウェハをiPAに1分間浸漬し、乾燥工程として、タングステン膜付きウェハをiPAから取出し、エアーを吹き付けて、表面のiPAを除去した。
得られたタングステン膜付きウェハを上記「保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法」に記載した要領で評価したところ、表1に示すとおり、表面処理後の接触角は91°であり、優れた撥水性付与効果を示した。また、UV照射後の接触角は10°未満であり、保護膜は除去できた。さらに、UV照射後のウェハのΔRa値は±0.5nm以内であり、洗浄時にウェハは浸食されず、さらにUV照射後に保護膜の残渣は残らないことが確認できた。
Figure 2017157863
[実施例2〜5、比較例1〜5]
保護膜形成用薬液中の保護膜形成剤の種類、前処理工程1で純水に浸漬する前の洗浄液の種類を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にウェハの洗浄及び評価を行った。
撥水性保護膜形成剤として塩基性のオクチルアミンを用い、前処理工程で酸性の洗浄液を用いる実施例1、4、5では、前処理工程で塩基性の洗浄液を用いる比較例1、4、5に比べて、保護膜形成工程後にウェハ表面により優れた撥水性を付与することができた。同様に、保護膜形成剤として塩基性のドデシルアミン〔C1225NH〕を用い、前処理工程で酸性の洗浄液を用いる実施例2では、前処理工程で塩基性の洗浄液を用いる比較例2に比べて、保護膜形成工程後にウェハ表面により優れた撥水性を付与することができた。また、保護膜形成剤として塩基性のテトラデシルアミン〔C1429NH〕を用い、前処理工程で酸性の洗浄液を用いる実施例3では、前処理工程で塩基性の洗浄液を用いる比較例3に比べて、保護膜形成工程後にウェハ表面により優れた撥水性を付与することができた。
[実施例6]
(II−1)保護膜形成用薬液の調製
撥水性保護膜形成剤としてパーフルオロヘキシルエチルホスホン酸〔C13−C−P(O)(OH)〕;0.002g、溶媒として、PGMEA;99.998gを混合し、1時間撹拌して、保護膜形成剤濃度が0.002質量%の保護膜形成用薬液を得た。
(II−2)ウェハの洗浄
前処理工程1として、平滑な窒化チタン膜付きウェハ(表面に厚さ50nmの窒化チタン層を有するシリコンウェハ)を室温で1質量%のアンモニア水に1分間浸漬し、次いで純水に1分間浸漬し、さらに前処理工程2として、iPAに1分間浸漬した。
(II−3)ウェハ表面への表面処理
保護膜形成工程として、窒化チタン膜付きウェハを、20℃にて、上記「(II−1)保護膜形成用薬液の調製」で調製した保護膜形成用薬液に、1分間浸漬させた。その後、後洗浄工程として、該窒化チタン膜付きウェハをiPAに1分間浸漬し、乾燥工程として、窒化チタン膜付きウェハをiPAから取出し、エアーを吹き付けて、表面のiPAを除去した。
得られた窒化チタン膜付きウェハを上記「保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法」に記載した要領で評価したところ、表1に示すとおり、表面処理後の接触角は116°であり、優れた撥水性付与効果を示した。また、UV照射後の接触角は10°未満であり保護膜は除去できた。さらに、UV照射後のウェハのΔRa値は±0.5nm以内であり、洗浄時にウェハは浸食されず、さらにUV照射後に保護膜の残渣は残らないことが確認できた。
[比較例6]
表1に示すように、前処理工程1で純水に浸漬する前の洗浄液として1質量%のフッ酸水溶液を用いた以外は、実施例6と同様にウェハの洗浄及び評価を行った。
保護膜形成剤として酸性のパーフルオロヘキシルエチルホスホン酸を用い、前処理工程で塩基性の洗浄液を用いた実施例6は、前処理工程で酸性の洗浄液を用いた比較例6に比べて、保護膜形成工程後にウェハ表面により優れた撥水性を付与することができた。
1 ウェハ
2 ウェハ表面の微細な凹凸パターン
3 パターンの凸部
4 パターンの凹部
5 凹部の幅
6 凸部の高さ
7 凸部の幅
8 凹部4に保持された保護膜形成用薬液
9 凹部4に保持された液体
10 保護膜

Claims (4)

  1. 表面に凹凸パターンが形成され該凹凸パターンの凹部表面に、少なくともチタン元素を有するウェハの洗浄方法であって、該方法は、少なくとも、
    凹凸パターンの少なくとも凹部に洗浄液を保持する前処理工程、
    前記前処理工程の後、凹凸パターンの少なくとも凹部に保護膜形成用薬液を保持する保護膜形成工程、及び、
    乾燥により凹凸パターンから液体を除去する乾燥工程、
    を有し、
    前記保護膜形成用薬液が、少なくとも前記凹部表面に撥水性保護膜を形成するための撥水性保護膜形成剤を含む薬液であり、
    前記保護膜形成用薬液が酸性であり、前記洗浄液が塩基性であることを特徴とするウェハの洗浄方法。
  2. 前記保護膜形成用薬液に含まれる撥水性保護膜形成剤が、下記一般式[2]で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のウェハの洗浄方法。
    Figure 2017157863
    (式[2]中、Rは、一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の1価の炭化水素基である。Rは、それぞれ互いに独立して一部または全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基である。aは、0乃至2の整数である。)
  3. さらに、前記保護膜を除去する膜除去工程を有する請求項1又は2に記載のウェハの洗浄方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のウェハの洗浄方法を含むことを特徴とするウェハの製造方法。
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