JP5830290B2 - ガスケット及び管継手 - Google Patents
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Description
プロセスガスは、不純物が含まれると反応の大きさが小さくなることから、高純度が求められている。そのため、ガス供給装置では、ガスタンクからリアクターまで、配管を通してプロセスガスを輸送しているが、この配管内に異物が混入しないように注意する必要がある。また、ガスは有害性であるので、配管からのガス漏れを防がなければならない。
特に異物が混入しやすい、及び、ガス漏れが起きやすい配管の個所の1つとして、配管と配管を接続する管継手が挙げられる。
ガスケットは消耗品であり、管継手に装着したガスケットを新しいものに交換する必要が生じる。
特許文献1の従来例では、ガスケット本体は、高い耐食性を有する純度の高いニッケルで形成され、その外周面にはC字形状のスプリングを収納する収納溝が形成されている。このスプリングはガスケット本体の収納溝に収納する際に、その径寸法が大きくなるように変形させることで、ガスケット本体の外径寸法よりも径寸法を容易に大きくすることができるため、ガスケットの交換作業がしやすくなる。
即ち、日本規格のガスケットは、第1管ピースと、この第1管ピースに連通して接続される第2管ピースとの互いに対向する両接合面の間に介装されるものであって、第2管ピースに形成された突出部にリング状本体の内周面が係合される構成であり、リング状本体の外周部は袋ナット部材の内周面に対向するものの、第1管ピースと第2管ピースとのいずれにも対向していないので、C字形状のスプリングを装着することができない。
この構成の本発明では、前述の構成のガスケットを含んで管継手が構成されているため、前述の効果、つまり、ガスケットの交換作業を容易に行うことができる管継手を提供することができる。
図1は本実施形態にかかる管継手の全体を示す断面図である。
図1において、本実施形態の管継手は、第1管ピース1と、第1管ピース1に連通して接続される第2管ピース2と、第1管ピース1及び第2管ピース2の互いに対向する第1接合面1A及び第2接合面2Aの間に介在されるリング形状のガスケット3と、このガスケット3を挟んで第1管ピース1及び第2管ピース2を締結させる締結具としての袋ナット部材4と、この袋ナット部材4及び第2管ピース2の間に介在されたベアリング5とを備えて構成される。
第1管通路111は、その基端側で容器部の内部空間に開口された細径部111Aと、この細径部111Aに連接される太径部111Bとを備え、この太径部111Bは所定の深さと内径寸法D11とを有する平面円形の凹部であり、その開口が第2管ピース2に向けられている。
管本体11の開口先端側の端面はガスケット3と当接する第1接合面1Aとされる。この第1接合面1Aは、所定の幅寸法を有する平面環状に形成されており、その中心部分にはV状の凹部1A1が環状に形成されている。
管本体11の外周面には、先端側から形成された雄ねじ11Aが形成されている。
この突出部23は、その外周面でガスケット3を係合するものであり、その平面が所定幅寸法を有する環状に形成されている。突出部23の外径寸法D23は太径部111Bの内径寸法D11より小さい。突出部23の先端外周部分にはテーパ面23Aが環状に形成されている。
管本体21の突出部23の周囲は突出部23の端面に対して段差をもって形成されガスケット3と当接する第2接合面2Aとされている。
この第2接合面2Aの中心部分にはV状の凹部2A1が環状に形成されている。
図2及び図3に示される通り、ガスケット3は、内周部31Aに形成された環状の嵌合溝31Bを有するリング状本体31と、このリング状本体31の環状の嵌合溝31Bに外周部が嵌合される弾性部材としてのC型スプリング32と、リング状本体31の外周部に嵌合される断面矩形状のガイドリング33とを備えて構成されている。
リング状本体31の内周部31Aの内径寸法D31は突出部23の外径寸法D23より大きい。つまり、D31>D23>D32となる。
リング状本体31は、ダイフロン、その他の合成樹脂から形成されている。ここで、ダイフロンとは、フッ素樹脂(テフロン(登録商標)など)の種類の一つであって、例えば、PCTFE(ポリクロロ・トリフルオロ・エチレン)から構成され、−50℃〜+180℃の耐熱性や耐薬品性、耐候性、耐水性、防湿性、機械的特性、電気的特性に優れた材質である。
リング状本体31の幅方向(軸方向)の寸法は、図で示される通り、突出部23の高さ方向の寸法と同じとしてもよく、あるは、相違するものでもよい。
リング状本体31の外周面にはガイドリング33が取り付けられる取付溝31Cが形成される。この取付溝31Cは、当該外周面の厚さ方向のうち中央部に形成されるもので、その幅寸法はガイドリング33の幅寸法と同じである。
C型スプリング32は、ステンレス製であり、その内周部が突出部23の外周部に係合可能とされる。C型スプリング32の内周部の内径寸法D32は、弾性変形する前では、リング状本体31の内周部31Aの内径寸法D31より小さく、突出部23の外周面に係合された状態では、突出部23の外径寸法D23と同じになる。なお、C型スプリング32が最大に弾性変形した状態では、内径寸法D32はリング状本体31の内周部31Aと略同じになる。つまり、C型スプリング32の弾性変形に余裕を見るために、内径寸法D32はリング状本体31の内周部31Aの内径寸法より若干小さく設定される。
ガイドリング33は、SUS304等のステンレス製である。ステンレスに代えて、高い耐食性を有する純度の高いニッケルで形成してもよい。
袋ナット部材4の筒内には、ベアリング5を介して、第2管ピース2が収納され、この第2管ピース2に対して袋ナット部材4が回転自在とされる。さらに、雌ねじ42が、第1管ピース1に形成された雄ねじ11Aに螺合することにより、第1管ピース1と第2管ピース2とが締結される。
袋ナット部材4の内壁には、内周方向に沿って環状の規制部材6が係止される。規制部材6は、管本体21の外周面と袋ナット部材4の内壁の間に介在され、ベアリング5が袋ナット部材4の筒内から抜けないように規制する。
まず、交換するためのガスケット3を組み立てる。そのため、合成樹脂からなるリング状部材を用意し、このリング状部材の内周部31Aに嵌合溝31Bを研削等の適宜な機械的な手段で形成し、同様に、外周部に取付溝31Cを形成してリング状本体31を製作する。そして、C型スプリング32を窄め、その半径が小さくなるように変形させながらリング状本体31の嵌合溝31Bに嵌め込み、さらに、取付溝31Cにガイドリング33を取り付ける。
その後、袋ナット部材4を緩め、第1管ピース1と第2管ピース2との連結を解除し、袋ナット部材4から第2管ピース2を取り外し、第2管ピース2の突出部23からガスケット3を取り外す。
このとき、袋ナット部材4の六角部41をレンチ等で挟み、そのレンチ等を回して、袋ナット部材4を所定の締め付けトルクで締結する。第2管ピース2及び袋ナット部材4との間には、ベアリング5が介在されているため、袋ナット部材4のみが回転し、第2管ピース2が回転しない。従って、締め付けの際に第1管ピース1及び第2管ピース2とガスケット3との当接部分が磨耗したりせず、保護される。
なお、袋ナット部材4を締め付ける力が大きすぎると、リング状本体31は、径方向の拡開しようとするが、リング状本体31の外周部にはガイドリング33が取り付けられているため、リング状本体31の変形が阻止される。
(1)第1管ピース1と、この第1管ピース1に連通して接続される第2管ピース2との互いに対向する両接合面1A,2Aの間に介装され第2管ピース2に形成された突出部23に内周面が係合されるリング状のガスケット3を、突出部23の外周寸法より大きな内周寸法の内周部31Aとこの内周部31Aに形成された環状の嵌合溝31Bとを有する合成樹脂製のリング状本体31と、このリング状本体31の嵌合溝31Bに外周部が嵌合されるとともに突出部23に内周部が係合可能なC型スプリング32と、リング状本体31の外周部に嵌合する金属製のガイドリング33と、を備えて構成した。そのため、リング状本体31の内周部は第2管ピース2の突出部23の外周部より大きいため、突出部23へのガスケット3への挿入作業はガスケット3を突出部23の軸方向に沿って移動させればよく、しかも、リング状本体31の内周部31Aの嵌合溝31BにC型スプリング32が嵌合されているので、突出部23に確実に係合されるため、ガスケット3の交換作業において、突出部23が形成された第2管ピース2がどのような姿勢であったとしても、C型スプリング32が誤って外れることがないので、ガスケット3の交換作業を容易に行うことができる。その上、金属製のガイドリング33がリング状本体31の外周部に嵌合しているので、ガスケット3が大きな力で締め付けられても、リング状本体31が径方向に変位することを防止できるから、ガスケット3のシール性を確保することができる。さらに、リング状本体31を合成樹脂製としたので、従来利用されているニッケル等の硬質な金属材料に比べて、加工が容易となる。特に、嵌合溝31Bは、リング状本体31の内周部31Aに形成するため、硬質材料では、その加工が困難であるが、合成樹脂であれば、内周への溝加工が容易となる。
例えば、前記実施形態では、第2管ピース2に突出部23が形成され、この突出部23にガスケット3が係合される構成としたが、本発明では、第1管ピース1に突出部を形成し、この突出部にガスケットを係合させる構成としてもよい。
また、前記実施形態では、リング状本体31の外周面にガイドリング33が取り付けられる取付溝31Cを形成したが、本発明では、ガイドリング33をリング状本体31の外周面に圧入するので、取付溝31Cを必ずしも設けることを要しない。但し、取付溝31Cを形成することで、装着後のガイドリング33が誤ってリング状本体31から脱落することを防止できる。
また、突出部23にテーパ面23Aを必ずしも設けることを要しない。
さらに、リング状本体31の断面形状も矩形状に限定されるものではなく、円形や楕円形であってもよい。
Claims (2)
- 第1管ピースと、この第1管ピースに連通して接続される第2管ピースとの互いに対向する両接合面の間に介装され前記第1管ピースと前記第2管ピースとのいずれか一方に形成された突出部に内周面が係合されるリング状のガスケットであって、
前記突出部の外径寸法より大きな内径寸法の内周部とこの内周部に形成された環状の嵌合溝とを有する合成樹脂製のリング状本体と、このリング状本体の環状の嵌合溝に外周部が嵌合されるとともに前記突出部の外周部に内周部が係合可能な平面円弧状の弾性部材と、前記リング状本体の外周部に嵌合する金属製のガイドリングと、を備え、
前記突出部の外径寸法は、前記弾性部材の弾性変形前の内周部の内径寸法より大きい
ことを特徴とするガスケット。 - 第1管ピースと、この第1管ピースに連通して接続される第2管ピースとの互いに対向する両接合面の間に介装され前記第1管ピースと前記第2管ピースとのいずれか一方に形成された突出部に内周面が係合されるリング状のガスケットと、このガスケットを挟んで前記第1管ピース及び前記第2管ピースを締結させる締結具と、を備えた管継手であって、
前記ガスケットは、前記突出部の外径寸法より大きな内径寸法の内周部とこの内周部に形成された環状の嵌合溝とを有する合成樹脂製のリング状本体と、このリング状本体の環状の嵌合溝に外周部が嵌合されるとともに前記突出部の外周部に内周部が係合可能な平面円弧状の弾性部材と、前記リング状本体の外周部に嵌合する金属製のガイドリングと、を備え、前記突出部の外径寸法は、前記弾性部材の弾性変形前の内周部の内径寸法より大きい
ことを特徴とする管継手。
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