JP5829791B2 - 毛髪化粧料組成物、その使用方法、及び毛髪化粧用品 - Google Patents

毛髪化粧料組成物、その使用方法、及び毛髪化粧用品 Download PDF

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Description

本発明は、染毛剤又は脱色脱染剤として構成されるとともに剤型を泡状にして用いる毛髪化粧料組成物、その使用方法、及び毛髪化粧用品に関する。
剤型を泡状にして用いる染毛剤が知られている(特許文献1〜4参照)。特許文献1には、エアゾールにより剤型を泡状にされる酸化染毛剤が記載されている。特許文献2〜4には、ポンプフォーマーやスクイズフォーマー等のフォーマー容器を使用して剤型を泡状にされる染毛剤が記載されている。
特開平09−136818号公報 特開2007−291015号公報 特開2007−275777号公報 特開2008−291020号公報
エアゾールを用いて剤型を泡状にするには、例えば液化ガスといった噴射剤が用いられる。この点、例えばフォーマー容器等のノンエアゾールによる発泡では、噴射剤を用いずに剤型を泡状にすることができるものの、経時的に消泡しやすい泡が形成されてしまう傾向にある。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノンエアゾールによる発泡において、発泡性を高めるとともに泡状の剤型を維持することの容易な毛髪化粧料組成物、その使用方法、及び毛髪化粧用品を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の毛髪化粧料組成物は、染毛剤又は脱色脱染剤として構成されてなり、使用時にノンエアゾールであり、かつ振とうにより発泡させる操作によって泡状の剤型とされるとともに、その泡状の剤型で毛髪に適用される用途に用いられる毛髪化粧料組成物であって、(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤を含み、前記(A)アニオン性界面活性剤及び前記(B)カチオン性界面活性剤を前記使用時に溶媒存在下で接触されるように構成したことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の毛髪化粧料組成物において、前記(A)アニオン性界面活性剤及び前記(B)カチオン性界面活性剤を前記使用時に接触されるように分割した構成の複数の剤を備えていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物において、前記(B)カチオン性界面活性剤に対する前記(A)アニオン性界面活性剤の質量比が、0.25〜3の範囲であることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物において、(C)両性界面活性剤を含有させてなることを要旨とする。
請求項5に記載の発明の毛髪化粧料組成物の使用方法は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物の使用方法であって、前記(A)アニオン性界面活性剤及び前記(B)カチオン性界面活性剤を接触させる接触段階と、その接触段階の後に前記振とうにより発泡させる操作によって前記泡状の剤型に発泡させる発泡段階とを含むことを要旨とする。
請求項に記載の発明の毛髪化粧用品は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物と、前記毛髪化粧料組成物を液密に閉塞可能とする閉塞可能容器とを備えたことを要旨とする。
本発明によれば、ノンエアゾールによる発泡において、発泡性を高めるとともに泡状の剤型を維持することが容易となる。
(a)〜(d)は、実施形態における酸化染毛剤の使用方法を示す説明図。
以下、本発明を酸化染毛剤として構成される毛髪化粧料組成物、酸化染毛剤の使用方法、及び染毛用品に具体化した実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の酸化染毛剤は、使用時にノンエアゾールで泡状の剤型とされて毛髪に適用されるものである。酸化染毛剤は、アルカリ剤及び酸化染料を含有する第1剤と酸化剤を含有する第2剤とからなる二剤式の酸化染毛剤である。第1剤及び第2剤は、(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤を、使用時に接触されるように分割した構成とされている。酸化染毛剤は、使用時に第1剤と第2剤とを接触させることで(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤を接触させた状態とされ、その状態で泡状の剤型とされる。
本実施形態の第1剤は、少なくとも酸化染料及びアルカリ剤を含んでいる。酸化染料は、第2剤に含有される酸化剤による酸化重合に起因して発色可能な化合物であり、染料中間体及びカプラーに分類される。酸化染料は、少なくとも染料中間体を含んでいる。
染料中間体としては、例えばフェニレンジアミン類(但し、メタフェニレンジアミンを除く。)、アミノフェノール類(但し、メタアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール及びパラメチルアミノフェノールを除く。)、トルイレンジアミン類(但し、トルエン−3,4−ジアミン及びトルエン−2,4−ジアミンを除く。)、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、N−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類(但し、2,6−ジアミノピリジンを除く。)、及びそれらの塩類が挙げられる。塩類としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、及び酢酸塩等が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
カプラーは、染料中間体と結合することにより発色する化合物であって、必要に応じて第1剤に含有される。カプラーとしては、例えばレゾルシン、ピロガロール、カテコール、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノオルトクレゾール、パラメチルアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール及びそれらの塩が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
酸化染毛剤中における染料中間体の含有量は、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。染料中間体の含有量が0.01質量%未満の場合、十分な染色性が得られないおそれがある。染料中間体の含有量が10質量%を超えても染色性はそれ以上向上しないことから、染毛の経済性が低下するおそれがある。
第1剤は、前記酸化染料以外の染料として、例えば「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載された酸化染料、及び直接染料から選ばれる少なくとも一種を適宜含有してもよい。
アルカリ剤は、第2剤に含有される酸化剤の作用を促進するとともに、毛髪を膨潤させて毛髪への染料の浸透性を向上させることにより、染色性を向上させる。アルカリ剤としては、例えばアンモニア、アルカノールアミン、有機アミン類、無機アルカリ、塩基性アミノ酸、及び硫酸塩が挙げられる。有機アミン類としては、例えば2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、及びグアニジンが挙げられる。無機アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウムが挙げられる。塩基性アミノ酸としては、例えばアルギニン、及びリジン、並びに塩基性アミノ酸塩が挙げられる。塩基性アミノ酸の塩としては、例えばアンモニウム塩が挙げられる。硫酸塩としては、硫酸アンモニウムが挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
アルカリ剤の含有量は、好ましくは第1剤及び第2剤を混合した酸化染毛剤においてpHが7〜12の範囲となる量である。pHが7未満では、第2剤に酸化剤としての過酸化水素が含有される場合、過酸化水素の作用が十分に促進されないおそれがある。使用時のpHが12を超えると、酸化染毛剤が毛髪に塗布されたときに、毛髪に損傷等の不具合が発生しやすくなるおそれがある。
第2剤は少なくとも酸化剤を含んでいる。酸化剤は、酸化染料を酸化重合させて発色する。酸化剤としては、例えば過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、及び、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。酸化剤は、好ましくは、毛髪に含まれるメラニンの脱色力に優れることから、過酸化水素から構成される。
第2剤中における酸化剤の含有量は、好ましくは0.1〜10.0質量%、より好ましくは0.5〜8.0質量%である。酸化剤の含有量が0.1質量%未満の場合、酸化染料を十分に酸化重合させることが困難となるおそれがある。酸化剤の含有量が10.0質量%を超える場合、毛髪が損傷しやすくなるおそれがある。
(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤は、使用時に接触されるように分割した構成とされていることで、酸化染毛剤の使用時においてその発泡性を高めるとともに発泡操作後において泡状の剤型を維持させる。例えば第1剤中に(A)アニオン性界面活性剤を含有させる場合には、第2剤中に(B)カチオン性界面活性剤が含有される。また例えば第1剤中に(B)カチオン性界面活性剤が含有される場合には、第2剤中に(A)アニオン性界面活性剤が含有される。
(A)アニオン性界面活性剤としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、ココイルグルタミン酸トリエタノールアミン(ココイルグルタミン酸TEA)等のN−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステルが挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンとしては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンが挙げられる。(A)アニオン性界面活性剤は、単独で含有されてもよいし、複数種を組み合わせて含有させてもよい。
(A)アニオン性界面活性剤の中でも、アルキル硫酸塩、及びスルホコハク酸エステルから選ばれる少なくとも一種が好ましい。アルキル硫酸塩としては、例えばアルキル基の炭素数が12〜18のものが挙げられ、具体的にはラウリル硫酸塩、セチル硫酸塩、及びステアリル硫酸塩が挙げられる。スルホコハク酸エステルとしては、例えばスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、POEスルホコハク酸二ナトリウム、POEスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スルホコハク酸POEラウロイルエタノールアミドエステル二ナトリウム、及びウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウムが挙げられる。
酸化染毛剤中における上記の(A)アニオン性界面活性剤の含有量は、例えば0.1〜3.0質量%であり、好ましくは0.5〜1.5質量%である。
(B)カチオン性界面活性剤としては、例えば塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム(セトリモニウムクロリド)、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(ステアリルトリモニウムクロリド)、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアルミニウム(ベヘントリモニウムクロリド)、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(ジステアリルジモニウムクロリド)、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、及びクオタニウム−91が挙げられる。(B)カチオン性界面活性剤は、単独で含有されてもよいし、複数種を組み合わせて含有させてもよい。
(B)カチオン性界面活性剤の中でも、アルキル鎖の炭素数が12〜22のアンモニウム型カチオン性界面活性剤が好ましい。
酸化染毛剤中における上記の(B)カチオン性界面活性剤の含有量は、例えば0.1〜5.0質量%であり、好ましくは0.5〜4.5質量%であり、さらに好ましくは0.5〜2.0質量%である。
上記の(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤において、(B)カチオン性界面活性剤に対する(A)アニオン性界面活性剤の質量比(質量比=(A)アニオン性界面活性剤の質量/(B)カチオン性界面活性剤の質量)は、好ましくは0.25〜3の範囲であり、より好ましくは0.4〜3の範囲であり、さらに好ましくは0.8〜2の範囲である。この質量比を0.25〜3の範囲とすることで、泡状の剤型がより維持されやすくなる。
(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤は、上記の質量比を0.25〜3の範囲とし、かつ、酸化染毛剤中において(A)アニオン性界面活性剤の含有量を0.5〜1.5質量%とするとともに(B)カチオン性界面活性剤の含有量を0.5〜2.0質量%とすることがより好ましい。このように(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤を含有させることで、泡状の剤型を維持する性能に優れる酸化染毛剤を提供することが容易となる。
酸化染毛剤を構成する第1剤及び第2剤の少なくとも一方には、発泡させるための基材として水が含有されている。酸化染毛剤中における水の含有量は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上である。
酸化染毛剤を構成する第1剤及び第2剤の少なくとも一方には、(C)両性界面活性剤を含有させることが好ましい。(C)両性界面活性剤を含有させることで、ノンエアゾールによる発泡であっても、発泡性を高めることが容易となる。
(C)両性界面活性剤としては、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、N−アシルアミノエチル−N−2−ヒドロキシエチルアミノカルボン酸塩、N−アシルアミノエチル−N−カルボキシメトキシエチルアミノカルボン酸塩、及びヒドロキシアルキル(C12−14)ヒドロキシエチルサルコシンが挙げられる。
脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインとしては、例えばヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(コカミドプロピルベタイン、又はヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインと記載されることもある。)、パーム油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ラウラミドプロピルベタイン、又はラウリン酸アミドプロピルベタインと記載されることもある。)、及びリシノレイン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインが挙げられる。脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインは、塩として配合してもよい。その塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、及びトリエタノールアミン塩が挙げられる。
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインとしては、例えばデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、セチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、オレイルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ベヘニルジメチルアミノ酢酸ベタイン、及びヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインが挙げられる。アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインは、塩として配合してもよい。その塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、及びトリエタノールアミン塩が挙げられる。
N−アシルアミノエチル−N−2−ヒドロキシエチルアミノカルボン酸塩としては、例えばココアンホ酢酸Na(N−ヤシ油脂肪酸アシル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンであり、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインと記載されることもある。)、ココアンホプロピオン酸Na(N−ヤシ油脂肪酸アシル−N’−カルボキシエチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミン)、ラウロアンホ酢酸Na(N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミン)、オリーブアンホ酢酸Na、カカオ脂アンホ酢酸Na、ゴマアンホ酢酸Na、スイートアーモンドアンホ酢酸Na、ステアロアンホ酢酸塩、パームアンホ酢酸Na、ピーナッツアンホ酢酸Na、ヒマワリ種子アンホ酢酸Na、及び綿実アンホ酢酸Naが挙げられる。
N−アシルアミノエチル−N−カルボキシメトキシエチルアミノカルボン酸塩としては、例えばココアンホジ酢酸Na、ココアンホジプロピオン酸Na、及びラウロアンホジ酢酸Naが挙げられる。
(C)両性界面活性剤は単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。(C)両性界面活性剤の中でも、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン及びアルキルジメチルアミノ酢酸ベタインから選ばれる少なくとも一種が好ましい。
酸化染毛剤中における(C)両性界面活性剤の含有量は、好ましくは0.5〜10.0質量%であり、より好ましくは1.0〜5.0質量%であり、さらに好ましくは1.0〜3.0質量%である。
ここで、(C)両性界面活性剤は、ノンエアゾールによる発泡を速やかに開始させるという観点から、第1剤及び第2剤のうち、水を含有する剤に含有されることが好ましい。
また、(C)両性界面活性剤は、pHの高い領域(アルカリ性側の領域)ではアニオンとして存在するのに対して、pHの低い領域(酸性側の領域)では、カチオンとして存在する。このため、第1剤がアルカリ性領域であり、第2剤が酸性領域である酸化染毛剤では、(C)両性界面活性剤を含有させる場合、第1剤に(A)アニオン性界面活性剤を含有させるとともに第2剤に(B)カチオン性界面活性剤を含有させることが好ましい。これにより、第1剤及び第2剤のいずれに(C)両性界面活性剤を含有させた場合であっても、(C)両性界面活性剤は(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤のカウンターイオンを形成しにくいため、それら界面活性剤の作用効果が十分に発揮されやすくなる。
なお、第1剤に(B)カチオン性界面活性剤を含有させるとともに第2剤に(A)アニオン性界面活性剤を含有させる場合には、(C)両性界面活性剤を第1及び第2剤とは別剤として構成することが好適である。
第1剤及び第2剤の剤型としては、例えば固体状、水溶液状、分散液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、及びクリーム状が挙げられる。固体状の剤型としては、例えば粉末状、及び錠剤が挙げられる。固体状の剤型とする場合においては、第1剤及び第2剤を混合するに際して分散性に優れるという観点から、粉末状であることが好ましい。なお、例えば第1剤を固体状の剤型とする場合には、第2剤は水を含有する剤とされる。
第1剤及び第2剤には、必要に応じて、例えば油性成分、非イオン性界面活性剤、水溶性高分子化合物、キレート剤、無機塩、及び分散剤を含有させてもよい。
油性成分としては、例えば油脂、ロウ、高級アルコール、炭化水素、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル、及びシリコーンが挙げられる。
油脂としては、例えばラノリン、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、及び月見草油が挙げられる。ロウとしては、例えばミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、及びラノリンが挙げられる。高級アルコールとしては、例えばセチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、及びラノリンアルコールが挙げられる。
炭化水素としては、例えばパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、及びワセリンが挙げられる。高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、及びラノリン脂肪酸が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルとしては、例えばバチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、及びイソステアリルグリセリルエーテルが挙げられる。
エステルとしては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、10〜30の炭素数を有する脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、及び2−エチルヘキサン酸セチルが挙げられる。
シリコーンとしては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、650〜10,000の平均重合度を有する高重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、及びフッ素変性シリコーンが挙げられる。
多価アルコールとしては、例えばグリコール、及びグリセリンが挙げられる。グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、及び1,3−ブチレングリコールが挙げられる。グリセリンとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、及びポリグリセリンが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えばエーテル型非イオン性界面活性剤、及びエステル型非イオン性界面活性剤が挙げられる。エーテル型非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンセチルエーテル(セテス)、POEステアリルエーテル(ステアレス)、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル(オレス)、POEラウリルエーテル(ラウレス)、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル、及びPOEセチルステアリルジエーテルが挙げられる。
エステル型非イオン性界面活性剤としては、例えばモノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、ラウリン酸ポリグリセリル、及びショ糖脂肪酸エステルが挙げられる。
水溶性高分子化合物としては、例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、及びシクロデキストリンが挙げられる。キレート剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA、エデト酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)及びその塩、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩類、並びにヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP、エチドロン酸)及びその塩類が挙げられる。無機塩としては、例えば塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムが挙げられる。分散剤としては、例えばステアリン酸マグネシウムが挙げられる。
第1剤及び第2剤には、その他の成分として例えば糖類、防腐剤、安定剤、pH調整剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、及び紫外線吸収剤、並びに「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を含有させてもよい。
なお、酸化染毛剤中における無機塩の含有量は、(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤によって泡状の剤型を維持する作用効果をより発揮させるという観点から、10質量%以下であることが好ましい。
酸化染毛剤の使用方法は、(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤を接触させる接触段階と、その接触段階の後に泡状の剤型に発泡させる発泡段階とを含んでいる。図1(a)に示されるように、本実施形態における接触段階及び発泡段階は、酸化染毛剤を液密に閉塞可能とする閉塞可能容器20を用いて実施される。
閉塞可能容器20は、有底筒状の容器本体21と、容器本体21の開口部を閉塞する蓋体22とを備えている。蓋体22の周縁部にはフランジ状の嵌合部が形成されており、この嵌合部が容器本体21の開口部に嵌合されるようになっている。なお、本実施形態の閉塞可能容器20では、嵌合部を容器本体21の開口部に嵌合させて蓋体22を回転させることで蓋体22が液密に装着されるようになっているが、容器本体21を閉塞させる構造は特に限定されない。例えば、蓋体に凹条を形成するとともにその凹条を容器本体の開口部周縁に形成した凸条に圧入させる構造により閉塞可能としてもよい。
閉塞可能容器20は、第1剤の包装体11及び第2剤の包装体12が収容可能に形成されている。こうした閉塞可能容器20では、同容器20を酸化染毛剤10の外装容器として、各剤をまとめて保管することができる。各剤の包装形態としては、特に限定されず、例えばボトル包装、ピロー包装、及びチューブ包装が挙げられる。なお、本実施形態の閉塞可能容器20には、染毛処理時に用いられる手袋、説明書等の付属品も収容されるように形成されている。こうした閉塞可能容器は、軽量化の観点から、樹脂材料、又は、耐水性を付与した紙材料から形成されることが好ましい。また、容器本体21の外面には、例えばシュリンクフィルムを用いた印刷を付与することもできる。
容器本体21はその底壁よりも開口部が拡径された有底筒状をなすことで、例えば手により酸化染毛剤を容易に取り出せるように構成されている。また、容器本体21の内面は曲面状をなすことで、例えば手により酸化染毛剤を取り出す際に、酸化染毛剤が容器本体21の内面に残留しにくくなっている。
こうした閉塞可能容器20を用いて酸化染毛剤を使用するには、まず、第1剤の包装体11、及び第2剤の包装体12を容器本体21から取り出し、各包装体11,12を開封した後、図1(b)に示されるように各剤を閉塞可能容器に投入する。続いて、図1(c)に示されるように容器本体21に蓋体22を装着し、閉塞可能容器20を上下に振る操作を行う。このとき、閉塞可能容器20内では、各剤が混合されるとともに各剤の混合物である酸化染毛剤が上下に振とうされることで酸化染毛剤に空気が混入される。このように酸化染毛剤に空気を振り混ぜる操作により、酸化染毛剤の発泡が開始される。そして、閉塞可能容器20を所定の回数振ることで、発泡段階を完了する。この発泡段階により、泡状の酸化染毛剤が調製される。すなわち、発泡段階により、図1(b)に示される発泡前の酸化染毛剤13から、図1(d)に示される泡状の酸化染毛剤14が調製される。
ここで、(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤は、酸化染毛剤の使用時に接触されるため、発泡段階においては(A)アニオン性界面活性剤の発泡作用は、(B)カチオン性界面活性剤に影響されず、(A)アニオン性界面活性剤としての本来の発泡作用が発揮されやすい状態となっていると推測される。しかも、発泡段階においては(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤の相互作用により、泡を構成する皮膜が強化されると推測される。こうして泡状の剤型とされた酸化染毛剤においては、消泡(破泡)されにくい状態となる。
続いて、泡状の酸化染毛剤14を例えば手で取り出して毛髪に塗布する。このとき、酸化染毛剤は泡状をなしているため、毛髪に容易に馴染ませることができる。こうして酸化染毛剤が塗布された毛髪を所定時間放置することで、毛髪が染色される。次いで、酸化染毛剤を水又は温水で洗い流すことで、染毛段階が完了される。
本実施形態の酸化染毛剤は、上述した閉塞可能容器とともに染毛用品として提供されることで、酸化染毛剤に空気を振り混ぜる操作により、泡状の剤型とするという発泡操作を簡単に実施することができるようになっている。
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)ノンエアゾールによる発泡では、噴射剤を用いずに剤型を泡状にすることができるものの、経時的に消泡しやすい泡が形成されてしまう傾向にある。つまり、(A)アニオン性界面活性剤の起泡力を発揮させることで、発泡性は高まるものの、泡状の剤型を維持する維持力は発揮されにくくなる。ここで、予めアニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤を接触させておくと、アニオン性界面活性剤の起泡力をカチオン性界面活性剤が妨げるおそれがあり、アニオン性界面活性剤の起泡力が発揮されにくくなる。この点、本実施形態の第1剤及び第2剤は、(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤を、使用時に接触されるように分割した構成である。このため、発泡段階では、(A)アニオン性界面活性剤の起泡力が発揮されやすくなるとともに(A)アニオン性界面活性剤と(B)カチオン性界面活性剤との相互作用により、消泡(破泡)されにくい状態となる。従って、発泡性を高めるとともに泡状の剤型を維持することの容易な酸化染毛剤を提供することができる。
(2)(B)カチオン性界面活性剤に対する(A)アニオン性界面活性剤の質量比が、0.25〜3の範囲であることで、泡状の剤型がより維持されやすくなる。
(3)酸化染毛剤には、(C)両性界面活性剤が含有されることが好ましい。この場合、ノンエアゾールによる発泡であっても発泡性を高めることが容易となる。
(4)本実施形態の酸化染毛剤の使用方法は、(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤を接触させる接触段階と、その接触段階の後に泡状の剤型に発泡させる発泡段階とを含んでいる。この方法によれば、上記(1)欄に記載の作用効果を得ることができるため、ノンエアゾールによる発泡において、泡状の剤型を維持することの容易な酸化染毛剤の使用方法が提供される。
(5)本実施形態の酸化染毛剤の使用方法においては、発泡段階における発泡操作が、酸化染毛剤に空気を振り混ぜる操作である。こうした発泡操作は、熟練を要しない分かりやすい操作であるため、簡便に発泡させることができるとともに、そうした発泡操作を楽しむことができる。また、フォーマー容器のような複雑な構造の容器を用いずに、例えば閉塞可能容器により発泡させることができるようになる。このため、容器本体と蓋体といった極めてシンプルな発泡用具で発泡操作を行うことができる点において有利である。
(6)本実施形態の染毛用品は、上記の酸化染毛剤と、閉塞可能容器とを備えている。こうした染毛用品によれば、酸化染毛剤に空気を振り混ぜる操作により、泡状の剤型とするという発泡操作を簡単に実施することができるようになる。従って、使用者は簡便に泡状の剤型の酸化染毛剤を調製することができる。
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・前記酸化染毛剤は、二剤式の酸化染毛剤として構成されているが、少なくとも一方の剤を、複数の剤に分割して構成するとともに、それら複数の剤を使用時に混合するように構成してもよい。例えば、(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤の一方を含む剤を、前記第1剤及び第2剤の各剤とは別剤として構成することができる。このように(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤を、使用時に接触されるように分割した複数の剤として構成することで、ノンエアゾールによる発泡において、発泡性を高めるとともに泡状の剤型を維持することの容易となる。
・前記実施形態の毛髪化粧料組成物は、酸化染毛剤として構成されているが、常法に従って、酸性染毛料、又は脱色脱染剤として構成することもできる。この場合であっても、ノンエアゾールによる発泡において、泡状の剤型を維持することが容易となる。以下、特に断りのない限り、毛髪化粧料組成物は、染毛剤及び毛髪脱色脱染剤を含むことを意味する。
参考例として、閉塞可能容器により毛髪化粧料組成物を発泡させる以外に、フォーマー容器により毛髪化粧料組成物を発泡させる例が挙げられる。フォーマー容器としては、例えばポンプフォーマー及びスクイズフォーマーが挙げられる。
・前記発泡操作を次のように変更することができる。すなわち、毛髪化粧料組成物に振動を加えることで、毛髪化粧料組成物に空気を混入させる発泡操作、又は毛髪化粧料組成物に回転を加えることで、毛髪化粧料組成物に空気を混入させる発泡操作に変更することもできる。つまり、毛髪化粧料組成物の振とうにより発泡させる発泡操作とは、毛髪化粧料組成物を振り混ぜる操作、毛髪化粧料組成物に振動を加える操作、及び毛髪化粧料組成物に回転を加える操作の少なくとも一種の操作により発泡させることを意味する。
こうした発泡操作の種類に応じて、毛髪化粧料組成物を発泡させるための発泡用具を変更することもできる。例えば、主として振動を加える発泡操作の場合、発泡用具としては、例えば加振機、及び手動式泡立て器が好適である。また例えば、主として回転を加える発泡操作の場合、発泡用具としては、例えば撹拌棒、撹拌子、及び電動式泡立て器が好適である。こうした発泡操作は、毛髪化粧料組成物を例えば上端に開口を有する容器に投入して、その容器内で行われる。
このように、フォーマー容器を用いずに毛髪化粧料組成物の振とうにより発泡させることで、泡状の剤型とした場合であっても、泡状の剤型を維持することが容易となる。
・両性界面活性剤を含有させずに、例えば非イオン性界面活性剤を含有させることで、使用時にノンエアゾールで泡状の剤型とされるように毛髪化粧料組成物を構成してよい。ここで、振とうにより発泡させる毛髪化粧料組成物の場合、両性界面活性剤を含有させることで、発泡性が高まる作用が顕著に発揮されるようになる。この点、振とうにより発泡させる毛髪化粧料組成物では、両性界面活性剤を含有させることが特に好ましい。
・前記(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤の作用効果が発揮される範囲であれば、(A)アニオン性界面活性剤を含有する剤に少量のカチオン性界面活性剤を含有させてもよいし、(B)カチオン性界面活性剤を含有する剤にアニオン性界面活性剤を少量含有させてもよい。但し、(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤の作用効果を顕著に発揮させるという観点から、(A)アニオン性界面活性剤を含有する剤は、カチオン性界面活性剤を含有させずに構成すること、及び、(B)カチオン性界面活性剤を含有する剤は、アニオン性界面活性剤を含有させずに構成することが好ましい。
・(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤がいずれも固体状である場合には、使用時に溶媒存在下で接触されるようにそれら界面活性剤を同一剤に含有させた固体状の剤としてもよい。この固体状の剤は、使用時にそれら界面活性剤の溶媒下で接触される。溶媒としては、水、又は、水とアルコールとの混合溶媒が好適である。アルコールとしては、例えば炭素数2〜4のアルコールが挙げられる。このように、(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤を使用時に溶媒存在下で接触されるように構成することで、上記(1)欄に記載の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
・前記容器本体は、有底円筒状に形成されているが、例えば有底角柱状に変更することもできる。また、蓋体の形状についても、例えば容器本体の形状に応じて適宜変更してもよい。
・前記閉塞可能容器には、第1剤及び第2剤が個別に包装された状態で収容可能に形成されている。すなわち、閉塞可能容器を各剤の外装として用いているが、各剤のうち少なくとも一方を閉塞可能容器外に保存するように構成してもよい。
・前記実施形態では、閉塞可能容器を上下に振る操作により、毛髪化粧料組成物に空気を振り混ぜているが、例えば閉塞可能容器を把持して手首を捻るようにして閉塞可能容器を振る操作により、毛髪化粧料組成物に空気を振り混ぜてもよい。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)染毛剤又は脱色脱染剤として構成されてなり、使用時にノンエアゾールで泡状の剤型とされるとともに、その泡状の剤型で毛髪に適用される毛髪化粧料組成物であって、(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤を含み、前記(A)アニオン性界面活性剤及び前記(B)カチオン性界面活性剤を前記使用時に接触されるように分割した構成の複数の剤を備えている毛髪化粧料組成物。
(ロ)前記毛髪化粧料組成物は、アルカリ剤及び(A)アニオン性界面活性剤を含有する第1剤と、酸化剤、(B)カチオン性界面活性剤、及び(C)両性界面活性剤を含有する第2剤とを備えている毛髪化粧料組成物。
(ハ)前記発泡段階における発泡操作が、毛髪化粧料組成物に空気を振り混ぜる操作である毛髪化粧料組成物の使用方法。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜8、及び比較例1〜4)
各例では、表1及び表2に示される各成分を混合することにより、二剤式の酸化染毛剤を調製した。表1、表2、及び以降の表において各成分の配合量を示す数値の単位は、質量%である。なお、第1剤の剤型は粉末状であり、第2剤の剤型は液状であるが、各剤の剤型は特に限定されない。
次に、閉塞可能容器を用いて、各例の酸化染毛剤の発泡操作を行った。なお、閉塞可能容器の容量は770mLであり、高さは17cmであり、内径は7cm〜8cmである。その閉塞可能容器内に、第1剤及び第2剤の混合物として150gとなるように各剤を投入して、閉塞可能容器を上下に20回振った。こうした酸化染毛剤に空気を振り混ぜる発泡操作を行うことで、泡状の剤型とした。
(実施例9〜24)
各実施例では、表3及び表4に示すように、(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤の少なくとも一方について、配合量を変更した以外は実施例1と同様にして、泡状の剤型とした。
<発泡性>
各例の酸化染毛剤について、専門のパネラーが発泡操作後の発泡状態を目視で観察した。その結果について、以下の判定基準により判定した。
評価5:泡立ちの量が非常に優れる。
評価4:泡立ちの量が優れる。
評価3:泡立ちの量が良好である。
評価2:泡立ちの量がやや劣る。
評価1:泡立ちの量が劣る。
判定結果の数値を各表の“発泡性の評価”欄に示している。
<剤型の維持力の評価>
各例の酸化染毛剤について、専門のパネラーが発泡操作後の発泡状態を目視で経時変化を観察した。その結果、発泡操作直後から10分経過後において消泡(破泡)がほとんど確認されないものを評価5とし、同10分経過後において1割程度の消泡(破泡)が確認されるものを評価4とし、同10分経過後において2割程度の消泡(破泡)が確認されるものを評価3とし、同10分経過後において3割程度の消泡(破泡)が確認されるものを評価2とし、同10分経過後において4割程度の消泡(破泡)が確認されるものを評価1とした。判定結果の数値を各表の“剤型の維持力の評価”欄に示している。
Figure 0005829791
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Figure 0005829791
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表1に示される各実施例では、発泡性及び剤型の維持力のいずれの評価についても、評価4以上の結果が得られた。表2に示されるように比較例1〜4では、剤型の維持力について、評価1の結果となった。
比較例1〜3では、第1剤に(A)アニオン性界面活性剤が含有されているものの、第2剤に(B)カチオン性界面活性剤が含有されていない。比較例1では、実施例1の第2剤に含有される(B)カチオン性界面活性剤を、アニオン性界面活性剤に変更している。比較例2は、実施例1の第2剤に含有される(B)カチオン性界面活性剤を、非イオン性界面活性剤であるPOE(5.5)セチルエーテルに変更している。比較例3では、実施例1の第2剤に含有される(B)カチオン性界面活性剤を、カチオン性ポリマーである塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体に変更している。比較例4では、実施例1の第1剤に含有される(A)アニオン性界面活性剤を、非イオン性界面活性剤であるショ糖脂肪酸エステルに変更している。
こうした各例の結果から、(A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤を使用時に接触されるように分割した構成についての優位性が示されている。
表3及び表4に示されるように、(B)カチオン性界面活性剤に対する(A)アニオン性界面活性剤の質量比を、0.25〜3の範囲とすることで、各比較例よりも優れる結果が得られやすくなる。
10…酸化染毛剤、11…第1剤の包装体、12…第2剤の包装体、13…発泡前の酸化染毛剤、14…発泡後の酸化染毛剤、20…閉塞可能容器、21…容器本体、22…蓋体。

Claims (6)

  1. 染毛剤又は脱色脱染剤として構成されてなり、使用時にノンエアゾールであり、かつ振とうにより発泡させる操作によって泡状の剤型とされるとともに、その泡状の剤型で毛髪に適用される用途に用いられる毛髪化粧料組成物であって
    A)アニオン性界面活性剤及び(B)カチオン性界面活性剤を含み、前記(A)アニオン性界面活性剤及び前記(B)カチオン性界面活性剤を前記使用時に溶媒存在下で接触されるように構成したことを特徴とする毛髪化粧料組成物。
  2. 前記(A)アニオン性界面活性剤及び前記(B)カチオン性界面活性剤を前記使用時に接触されるように分割した構成の複数の剤を備えていることを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料組成物。
  3. 前記(B)カチオン性界面活性剤に対する前記(A)アニオン性界面活性剤の質量比が、0.25〜3の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。
  4. (C)両性界面活性剤を含有させてなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物の使用方法であって、
    前記(A)アニオン性界面活性剤及び前記(B)カチオン性界面活性剤を接触させる接触段階と、その接触段階の後に前記振とうにより発泡させる操作によって前記泡状の剤型に発泡させる発泡段階とを含むことを特徴とする毛髪化粧料組成物の使用方法。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物と、前記毛髪化粧料組成物を液密に閉塞可能とする閉塞可能容器とを備えたことを特徴とする毛髪化粧用品。
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