JP5829542B2 - 電子線照射装置及び電子線透過ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、電子線照射装置、及びそれに用いられる電子線透過ユニットに関する。
従来の電子線照射装置として、真空引きされるチャンバと、チャンバ内に配置された電子銃と、チャンバに取り付けられた電子線透過ユニットと、を備えるものが知られている。このような電子線照射装置では、電子銃が発生した電子線がチャンバ内から電子線透過ユニットの窓部材を透過して外部に出射する。そのため、電子線透過ユニットは、その窓部材が、チャンバ内の真空と外部との圧力差に耐えるための強度(耐圧強度)を保持できるように構成されている必要がある。
一方、上述したような電子線透過ユニットにおいては、窓部材に入射した電子のうち窓部材を透過しなかった電子のエネルギーが熱エネルギーとなって発熱する。このため、窓部材は、劣化しやすく短寿命となりやすい。
そこで、窓部材に関しては、その構成材料や窓部材を支持する支持部材等と併せて種々の検討が行われている。例えば、ダイヤモンド製の窓部材と支持部材との間に、高熱伝導率を有する構造箔を備える例(特許文献1参照)、チタン製の窓部材をカーボン繊維束からなる支持部材で支持する例(特許文献2参照)、酸化防止膜が設けられたグラファイトシートを窓部材として使用した例(特許文献3参照)が知られている。
特許第4557279号公報 特表平8−501651号公報 特開2008−79891号公報
しかしながら、上記各例では次のような問題点がある。すなわち、特許文献1記載のダイヤモンド製の窓部材は、窓部材自体の放熱性はよいものの、外部雰囲気との接触により、電子出射時に酸素と反応して薄膜化するために耐圧強度が低下し、破損してしまう可能性がある。また、特許文献2では、チタン製の窓部材を放熱性材料であるカーボン繊維束からなる支持格子で支持しているが、カーボン繊維束による格子構造では設計自由度も低く、カーボン繊維束の熱伝導性が比較的劣ることもあり、耐圧強度と放熱性の両立は困難である。更に、特許文献3記載のグラファイトシートからなる窓部材は、窓部材自体の放熱性はよいものの、側端面に酸化防止膜が設けられておらず、また、酸化防止膜にピンホールが存在する可能性もあるため、電子出射時に酸素と反応して薄膜化し、耐圧強度が低下する可能性がある。また、グラファイトシートを支持する支持部材がないので、そもそも耐圧強度が低い。
このように、窓部材の劣化を抑制するために、窓部材での放熱性(熱伝導性)を高めるには、伝熱性のよい炭素を主成分とする膜材で窓部材を形成することが考えられるが、炭素を主成分とする膜材は、上述したように電子を出射した状態(加熱状態)で酸素を含む外部雰囲気に晒されると、次第に薄膜化し、耐圧強度が低下して最終的には破損してしまう可能性がある。一方、窓部材の材料として金属膜を用いた場合、外部雰囲気に対する安定性は高いが、炭素を主成分とする膜材と比べて放熱性が悪いのが通常である。
また、窓部材の劣化を抑制するには、窓部材での発熱自体を抑制することも考えられる。窓部材での発熱自体を抑制するには、窓部材における電子の透過性を高めることが好ましいため、窓部材は薄いほうがよい。しかしながら、窓部材は耐圧強度をも要するため、単に窓部材を薄くした場合、圧力に耐えることができず、破れるおそれがある。
本発明は、窓部材の耐圧強度を確保しながら、窓部材が劣化するのを抑制することができる電子線照射装置及び電子線透過ユニットを提供することを目的とする。
本発明の電子線照射装置は、電子線を発生する電子銃と、電子銃が発生した電子線を通過させる電子線通過孔が設けられた筐体と、電子線通過孔の出射側開口部に配置された電子線透過ユニットと、を備え、電子線透過ユニットは、出射側開口部に取り付けられた窓枠体と、窓枠体の内側に配置された金属メッシュ部を有する支持部材と、金属メッシュ部上に支持され、電子線通過孔を通過した電子線を透過させる金属膜である窓部材と、金属メッシュ部と窓部材との間に配置された伝熱部材と、を有し、伝熱部材は、炭素を含む材料からなる膜であり、通気孔を有する。
本発明の電子線透過ユニットは、電子線を発生する電子銃と、電子銃が発生した電子線を通過させる電子線通過孔が設けられた筐体と、を具備する電子線照射装置において、電子線通過孔の出射側開口部に配置されて、電子線通過孔を通過した電子線を透過させるための電子線透過ユニットであって、出射側開口部に取り付けられるための窓枠体と、窓枠体の内側に配置された金属メッシュ部を有する支持部材と、金属メッシュ部上に支持され、電子線通過孔を通過した電子線を透過させる金属膜である窓部材と、金属メッシュ部と窓部材との間に配置された伝熱部材と、を備え、伝熱部材は、炭素を含む材料からなる膜であり、通気孔を有する。
この電子線照射装置及び電子線透過ユニットでは、窓部材が金属メッシュ部を有する支持部材によって支持されているために、十分な耐圧強度を得ることができるとともに、窓部材の厚さを薄くできるので、窓部材での発熱を抑制することができる。更に、金属メッシュ部と窓部材との間に配置された伝熱部材が炭素を含む材料からなる膜であるため、外部雰囲気との接触によって薄膜化することなく熱伝導率を高めることができる。しかも、伝熱部材が通気孔を有するため、電子線照射時に筐体内が真空引きされた状態では窓部材が金属メッシュ部側に引き寄せられて、金属メッシュ部上で窓部材と伝熱部材とが密着することになる。このように電子線照射時には熱伝導率が高い伝熱部材に窓部材が密着することになるので、窓部材で発生する熱を容易に逃がすことができる。また、窓部材が金属膜であるため、外部雰囲気に対する安定性も向上させることができる。よって、この電子線照射装置及び電子線透過ユニットによれば、窓部材の耐圧強度を確保しながら、窓部材が劣化するのを抑制することが可能となる。
窓枠体は、金属材料からなっていてもよい。この構成によれば、窓部材で発生する熱をより容易に逃がすことができる。
伝熱部材は、通気孔を複数有していてもよい。この構成によれば、電子線照射時における筐体内の真空引きの際に、窓部材と伝熱部材との間の空間の排気が確実化されるため、窓部材と伝熱部材との密着性をより一層向上させることができる。
金属メッシュ部の一つの開口には、複数の通気孔が臨んでいてもよい。この構成によれば、窓部材と伝熱部材との間の空間の排気をより確実化することができると共に、電子線透過ユニットにおける電子線の透過効率を向上させることができる。
伝熱部材の膜厚は500μm以下であってもよい。この構成によれば、電子線透過ユニットにおける電子線の透過効率を維持しつつ、窓部材で発生する熱をより容易に逃がすことができる。
また、窓枠体は、電子線通過孔の出射側開口部に固定された枠状の固定部材と、固定部材に対して少なくとも窓部材を押圧した状態で固定部材に固定された枠状の押圧部材と、を有し、支持部材は、内側に金属メッシュ部が張られた平板状の枠部を更に有し、固定部材及び押圧部材は、枠部において少なくとも窓部材を挟持していてもよい。この構成によれば、固定部材及び押圧部材による挟持部分の封止を確実化することができる。
本発明によれば、窓部材の耐圧強度を確保しながら、窓部材が劣化するのを抑制し得る電子線照射装置及び電子線透過ユニットを提供することが可能となる。
本発明の一実施形態の電子線照射装置の縦断面図である。 図1の電子線照射装置の電子線透過ユニットの分解断面図である。 図1の電子線照射装置の電子線透過ユニットの分解斜視図である。 本発明の他の実施形態の電子線透過ユニットの分解断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、電子線照射装置1は、電子線通過孔20を形成するチャンバ(筐体)30と、電子線通過孔20の後端20aを塞ぐようにチャンバ30に気密に取り付けられた電子銃40と、電子線通過孔20の前端20bを塞ぐようにチャンバ30に気密に取り付けられた電子線透過ユニット50と、を備えている。電子銃40が発生した電子線EBは、電子線通過孔20をZ軸方向前側に進行し、電子線透過ユニット50を透過して外部に出射する。このような電子線照射装置1は、ライン上を搬送される照射対象物への電子線EBの照射によって、当該照射対象物の乾燥、殺菌、表面改質等を行うために使用される。なお、電子線照射装置1によって電子線EBが照射される側を前側、その反対側を後側とする。
チャンバ30は、電子線EBを発生する電子銃40が取り付けられた筐体31を有している。筐体31は、金属により円柱状に形成されている。電子線通過孔20のうち筐体31によって形成される部分である電子線通過孔21の断面は、円形状となっており、電子線通過孔21は、前側の小径部と後側の大径部とが接続された形状となっている。
電子銃40は、金属により直方体状に形成されたケース41を有している。ケース41は、筐体31の後端部に気密に固定されている。ケース41の前壁には、ケース41内と筐体31内とを連通させる開口41aが設けられている。ケース41の側壁には、コネクタ43を取り付けるための開口41bが設けられている。
ケース41内には、絶縁性材料(例えば、エポキシ樹脂等)からなる絶縁ブロック42が配置されている。絶縁ブロック42は、ケース41内に収容された基部42aと、基部42aからZ軸方向前側に突出する突出部42bと、を有している。突出部42bは、基部42aから開口41aを介して電子線通過孔21の大径部内に突出しており、突出部42bの前端部は、Z軸方向において電子線通過孔21の小径部の後端に対向している。基部42aは、ケース41の開口41a側及び開口41b側の内面と接触している。基部42aにおいてケース41の内面と接触しない部分には、導電性材料からなるフィルム45が貼り付けられており、フィルム45は、ケース41と電気的に接続されている。これにより、絶縁ブロック42の表面電位を接地電位として、電子銃40の動作の安定性を向上させることができる。
コネクタ43は、外部の電源装置から、カソードであるフィラメント44に高電圧を供給するためのものである。コネクタ43の基端部は、ケース41の側壁の開口41bを介して外部に突出しており、コネクタ43の先端部は、絶縁ブロック42に埋設されている。コネクタ43の先端部には、一対の内部配線46,46が接続されている。一対の内部配線46,46は、突出部42bの前端部まで延在しており、一対の給電用ピン47,47にそれぞれ接続されている。一対の給電用ピン47,47の先端部には、フィラメント44が掛け渡されている。突出部42bには、給電用ピン47及びフィラメント44を包囲するように、グリッド電極48が固定されている。
筐体31には、電子線通過孔21の小径部を挟んで対になるようにアライメントコイル2及び集束コイル3が設けられている。電子銃40から出射して電子線通過孔21を通過する電子線EBは、アライメントコイル2によって、電子線EBの中心線が電子線通過孔20の中心線CLに一致するように調整された後、集束コイル3によって、電子線透過ユニット50に集束される。なお、筐体31には、電子線通過孔21と真空ポンプとを接続する排気管4が設けられており、これにより、チャンバ30内(すなわち、電子線通過孔20)が真空引きされる。
また、チャンバ30は、筐体31の前端面に固定された偏向管(筐体)32を有している。偏向管32は、オーステナイト系ステンレス(Fe/Ni/Crを含む合金)からなり、四角柱状の外形を有している。偏向管32には、電子銃40が発生した電子線EBを入射させる入射側開口部32a、及び電子線EBを出射させる出射側開口部32bが設けられている。電子線通過孔20のうち偏向管32によって形成される部分である電子線通過孔22の断面は、Y軸方向を長手方向とする長方形状となっている。偏向管32の外側には、偏向管32の内側を通過する電子線EBを偏向する偏向コイル5が取り付けられている。集束コイル3によって集束されて電子線通過孔22を通過する電子線EBは、偏向コイル5によってY軸方向に偏向される。
更に、チャンバ30は、偏向管32の前端面に固定された走査管(筐体)33を有している。走査管33は、アルミニウム合金(アルミニウムを含む材料)、例えばAl−Mg系アルミニウム合金からなり、前側に向かって末広がりの四角柱状の外形を有している。走査管33には、電子銃40が発生した電子線EBを入射させる入射側開口部33a、及び電子線EBを出射させる出射側開口部33b(電子線通過孔20の出射側開口部)が設けられている。電子線通過孔20のうち走査管33によって形成される部分である電子線通過孔23の断面は、Y軸方向を長手方向とする長方形状となっている。走査管33の外表面(外部に露出する表面)には、外部への放熱性を高める観点から、走査管33の内部よりも熱放射率の高い放熱膜34が設けられている。放熱膜34は、走査管33の外表面にアルマイト処理を施すことにより形成されたアルマイト層である。
なお、偏向管32の後端部には、フランジ35が設けられており、偏向管32の前端部には、フランジ36が設けられている。また、走査管33の後端部には、フランジ37が設けられており、走査管33の前端部には、フランジ38が設けられている。偏向管32と走査管33とは、フランジ36とフランジ37とがOリング6を介して接触した状態で、複数のボルト7により気密に固定されている。これにより、偏向管32は、電子銃40が発生した電子線EBが内側を通過するように、走査管33の入射側開口部33aに接続されることになる。電子線照射装置1は、偏向管32の後端部に設けられたフランジ35を介して、適用先の設備の所定箇所に取り付けられる。
電子線透過ユニット50は、走査管33の出射側開口部33bに配置されている。走査管33と電子線透過ユニット50とは、フランジ38と窓枠体50AとがOリング6を介して接触した状態で、複数のボルト7により気密に固定されている。図2及び図3に示されるように、電子線透過ユニット50は、走査管33の出射側開口部33bに取り付けられた窓枠体50Aを有している。窓枠体50Aの内側には(つまり、窓枠体50Aを前側から見た場合に窓枠体50A内に収まるように)、支持部材52、伝熱部材59及び窓部材55が配置されている。
窓枠体50Aは、走査管33の出射側開口部33bに固定された固定部材51と、固定部材51に対して窓部材55及び伝熱部材59を押圧した状態で、複数のボルトにより固定部材51に固定された押圧部材57と、を有している。固定部材51及び押圧部材57は、無酸素銅(銅を含む材料)からなり、Y軸方向を長手方向とする長方形枠状の外形を有している。固定部材51は、入射側開口51aを有しており、押圧部材57は、Z軸方向において入射側開口51aと対向する出射側開口57aを有している。固定部材51及び押圧部材57の外表面(外側に露出する表面)には、外部への放熱性を高める観点から、固定部材51及び押圧部材57の内部よりも熱放射率の高い放熱膜58が設けられている。放熱膜58は、固定部材51及び押圧部材57にニッケルめっきを施すことにより形成されたニッケル層である。
支持部材52は、平板状の枠部52aと、枠部52aの内側に張られるように形成された金属メッシュ部52bと、を有している。なお、金属メッシュ部52bは、多角形状の網状に限らず、桟状にしてもよい。金属メッシュ部52bにおける開口の配列は、規則的であるか否かを問わないが、支持部材52を平面視したときに、開口全体が占める面積が、網状部を構成する(開口を区画する)金属部が占める面積よりも十分に大きいこと、換言すれば網状部を構成する金属部の幅が、開口部の幅よりも十分に小さいことが、電子透過性の向上のために重要である。支持部材52は、オーステナイト系ステンレス(鉄を含む材料)からなる。枠部52aは、金属メッシュ部52bが固定部材51の入射側開口51aに臨んだ状態で、ロウ付け等により固定部材51の前面に固定されている。なお、固定部材51の前面において枠部52aが固定される領域の外側には、入射側開口51aを包囲するように延在する溝51bが設けられており、溝51b内には、気密封止部材であるOリング53が配置されている。
伝熱部材59は、金属メッシュ部52bと窓部材55との間に配置される。より詳細には、伝熱部材59は、金属メッシュ部52bの前面の略全面を覆うとともに、気密封止部材であるOリング53に囲まれる領域内に含まれるように、金属メッシュ部52bと窓部材55との間に配置される。そのため、伝熱部材59は、電子線照射装置1の動作時には外部雰囲気に晒されず、真空領域内に配置されることとなる。伝熱部材59は、炭素を含む材料からなる500μm以下の膜厚を有する膜であり、ここでは、膜厚7μmのグラファイト製のメッシュが用いられている。伝熱部材59の熱伝導率は、後述する金属膜である窓部材55の熱伝導率よりも高くなっており、例えば、グラファイト製のメッシュは、熱伝導率の高い金属である銅の2〜4倍の熱伝導率を有している。
伝熱部材59は、その厚さ方向(前側および後ろ側)から見た場合に、その全面にわたって、配置がランダムな複数の微小な貫通孔(図示せず)を有しており、これらは通気孔として機能する。これにより、金属メッシュ部52bの一つの開口に、伝熱部材59の複数の通気孔が臨むことになる。つまり、金属メッシュ部52bの一つの開口と伝熱部材59の複数の通気孔とが、伝熱部材59の厚さ方向から見た場合に対向することになる。
窓部材55は、電子線EBを透過させる金属膜であって、例えばチタンからなる、1〜10μm程度の厚さを持ったシート状の金属材である。窓部材55は、支持部材52及びOリング53を覆うように、固定部材51の前面に配置されている。これにより、窓部材55は、金属メッシュ部52b上に支持され、走査管33の内側を通過した電子線EBを透過させることになる。なお、伝熱部材59と支持部材52の枠部52aとの間には、Z軸方向から見て入射側開口51aを包囲するように枠状に形成された保護シート54が配置されおり、窓部材55と押圧部材57との間には、保護シート54と略同等の形状に形成された保護シート56が配置されている。保護シート54,56は、伝熱部材59と同一の材料(グラファイト)からなる薄膜状の部材であり、枠部52aや押圧部材57が窓部材55や伝熱部材59に直接接触して窓部材55や伝熱部材59が損傷するのを防止するものである。また、熱伝導率の高いグラファイトからなるために、保護シート54,56に熱が溜まることを抑制したり、窓部材55の熱を押圧部材57に伝えたりすることで、窓部材55の放熱性を向上することもできる。
電子線透過ユニット50においては、押圧部材57が、支持部材52の枠部52a及びOリング53を介して、固定部材51に窓部材55を押圧している。そして、この状態で、固定部材51と押圧部材57とが、複数のボルト(押圧部材57に設けられた複数の貫通孔57bに挿通されて、固定部材51に設けられた複数のねじ孔51dに螺合されるボルト)により気密に固定されている。これにより、固定部材51及び押圧部材57は、支持部材52の枠部52aにおいて窓部材55を挟持することになる。なお、固定部材51には、電子線透過ユニット50を走査管33のフランジ38に固定するためのボルト7が挿通される複数の貫通孔51cが設けられている。
以上のように構成された電子線照射装置1の動作について説明する。排気管4を介して真空ポンプによってチャンバ30内(すなわち、電子線通過孔20)が真空引きされ、フィラメント44に高電圧が印加されると、フィラメント44から電子が放出される。フィラメント44から放出された電子は、グリッド電極48によって形成された電界により加速及び集束され、これにより、電子線EBがZ軸方向前側に出射する。
電子銃40から出射して電子線通過孔21を通過する電子線EBは、アライメントコイル2によって、電子線EBの中心線が電子線通過孔20の中心線CLに一致するように調整された後、集束コイル3によって、電子線透過ユニット50に集束される。集束コイル3によって集束されて電子線通過孔22を通過する電子線EBは、偏向コイル5によってY軸方向に偏向される。つまり、電子線通過孔23を通過する電子線EBの中心線がY軸方向に沿って線状に繰り返し振られる。
偏向コイル5によってY軸方向に偏向された電子線EBは、電子線透過ユニット50の窓部材55を透過して外部に出射する。外部に出射した電子線EBは、照射対象物の乾燥、殺菌、表面改質等のために、ライン上を搬送される当該照射対象物に照射される。
以上説明したように、電子線照射装置1及び電子線透過ユニット50では、窓部材55が金属メッシュ部52bを有する支持部材52によって支持されているために、十分な耐圧強度を得ることができるとともに、窓部材55の厚さを薄くできるので、窓部材55での発熱を抑制することができる。更に、金属メッシュ部52bと窓部材55との間において、気密封止部材であるOリング53に囲まれる領域内に含まれるように配置された伝熱部材59が窓部材55よりも熱伝導率の高いグラファイト製のメッシュからなっているため、外部雰囲気との接触によって薄膜化することなく熱伝導率を高めることができる。しかも、伝熱部材59が通気孔を有するため、電子線照射時に筐体内が真空引きされた状態では窓部材55が金属メッシュ部52b側に引き寄せられて、金属メッシュ部52b上で窓部材55と伝熱部材59とが密着することになるので、窓部材55と伝熱部材59とを支持部材52で確実に支持しつつ、窓部材55で発生する熱を容易に逃がすことができる。また、窓部材55が金属膜からなっているため、外部雰囲気に対する安定性を向上させることができる。よって、電子線照射装置1及び電子線透過ユニット50によれば、窓部材55の耐圧強度を確保しながら、窓部材55が劣化するのを抑制することができる。また、支持部材52の金属メッシュ部52bがオーステナイト系ステンレスからなっている。これにより、金属メッシュ部52bの強度や加工性、耐熱性を向上させることができ、その結果、金属メッシュ部52bを構成する線材の小径化を図り、電子線EBを通過させ易くすることができる。
なお、窓部材55と伝熱部材59との密着性をより高めるためには、伝熱部材59上に窓部材55の材料からなる金属膜を直接形成することも考えられるが、グラファイトの表面には微細な凹凸があるために、電子透過性の良好な厚さでもってピンホールなく金属膜を形成するのは困難である。また、金属材料とグラファイトの熱膨張率の違いから、金属膜が剥離してしまう可能性もある。対して、窓部材55をシート状の金属材で構成し、かつ伝熱部材59に通気孔を設けることで、窓部材55の真空保持能と伝熱部材59への密着性の向上、つまり窓部材55の耐圧強度を確保しながら、窓部材55が劣化するのを抑制することができる。
伝熱部材59の膜厚は、500μm以下であり、好ましくは1〜500μmである。より好ましくは3〜100μm、更に好ましくは5〜20μmである。このような膜厚によれば、例えば200kV程度までの比較的低い管電圧で動作する電子線照射装置1において、炭素材料の持つ電子透過能と熱伝導性を有効に生かすことができ、電子線透過ユニット50における電子線EBの透過効率を維持しつつ、窓部材55で発生する熱をより容易に逃がすことができる。
また、電子線照射装置1及び電子線透過ユニット50では、窓枠体50Aが金属材料である無酸素銅からなっているため、窓部材55で発生する熱をより容易に逃がすことができる。
また、電子線照射装置1及び電子線透過ユニット50では、伝熱部材59が通気孔を複数有するため、電子線照射時における筐体内の真空引きの際に、窓部材55と伝熱部材59との間の空間の排気が確実化されるため、窓部材55と伝熱部材59との密着性がより一層向上する。また、金属メッシュ部52bの一つの開口には、複数の通気孔が臨んでいることから、支持部材52と窓部材55との間の空間の排気をより確実化することができると共に、電子線透過ユニットにおける電子線EBの透過効率を向上させることができる。
また、窓枠体50Aでは、固定部材51及び押圧部材57が支持部材52の枠部52aにおいて窓部材55を挟持している。これにより、固定部材51及び押圧部材57による挟持部分の封止を確実化することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、伝熱部材の材質について、上記実施形態では、炭素を含む材料からなる膜としてグラファイト製のメッシュを適用した態様を示したが、カーボンナノチューブ、グラフェン、ダイヤモンド等を適用することもできる。
また、伝熱部材が有する通気孔について、上記実施形態では、複数の通気孔がランダムに配置された態様を示したが、複数の通気孔が周期的に配置されていてもよい。また、通気孔は一つであってもよい。更に、通気孔の形状は、円形、四角形等、様々な形状であってもよい。つまり、伝熱部材においては、その厚さ方向から見た場合に、少なくとも一箇所に通気性のある孔が存在すればよい。
また、保護シート54,56もグラファイト以外の炭素材料でもよく、炭素材料以外の材料でもよいし、挟持される構成物の強度が十分ならば、保護シートを設けなくてもよい。
さらに、支持部材52は、一枚(単層)ではなく、複数の部材を積層してもよい。この場合、さらなる耐圧強度の向上が期待できる。この際、複数の支持部材がそれぞれ異なる金属材料から形成されていてもよく、例えば固定部材51側の第1の支持部材と、伝熱部材59側の第2の支持部材とを積層した2層構造としてもよい。この場合、より耐圧強度の必要な第1の支持部材においては、第2の支持部材よりも剛性の大きな金属材料からなり、第2の支持部材に関しては、補助的な役割であることを考慮して、第1の支持部材よりも熱伝導率の大きな金属材料で形成することで、耐圧強度と放熱性を向上させることができる。例えば、第1の支持部材の材料としてはオーステナイト系ステンレスが、第2の支持部材の材料としては銅の組み合わせが挙げられる。
また、図4に示されるように、固定部材51と押圧部材57との間にシート状のシール材61を配置し、固定部材51及び押圧部材57に窓部材55を挟持させた状態で、シール材61を溶融・再固化させることにより、固定部材51と押圧部材57とを気密に固定してもよい。この場合、上述したOリング53や、固定部材51に押圧部材57を固定するためのボルトが不要となる。更に、当該ボルトを挿通するための貫通孔57bの加工や、当該ボルトを螺合するためのねじ孔51dの加工も不要となる。
また、電子線照射装置及び電子線透過ユニットの各構成部材の形状として、上記実施形態では、ライン照射型の電子線照射装置及び電子線透過ユニットを提供する形状を示したが、スポット照射型の電子線照射装置及び電子線透過ユニットを提供する形状としてもよい。
1…電子線照射装置、20,21,22,23…電子線通過孔、30…チャンバ(筐体)、31…筐体、32…偏向管(筐体)、33…走査管(筐体)、33b…出射側開口部、40…電子銃、50…電子線透過ユニット、50A…窓枠体、51…固定部材、52…支持部材、52a…枠部、52b…金属メッシュ部、55…窓部材、57…押圧部材、59…伝熱部材、EB…電子線。

Claims (7)

  1. 電子線を発生する電子銃と、
    前記電子銃が発生した前記電子線を通過させる電子線通過孔が設けられた筐体と、
    前記電子線通過孔の出射側開口部に配置された電子線透過ユニットと、を備え、
    前記電子線透過ユニットは、
    前記出射側開口部に取り付けられた窓枠体と、
    前記窓枠体の内側に配置された金属メッシュ部を有する支持部材と、
    前記金属メッシュ部上に支持され、前記電子線通過孔を通過した前記電子線を透過させる金属膜である窓部材と、
    前記金属メッシュ部と前記窓部材との間に配置された伝熱部材と、を有し、
    前記伝熱部材は、炭素を含む材料からなる膜であり、通気孔を有する、電子線照射装置。
  2. 前記窓枠体は、金属材料からなる、請求項1記載の電子線照射装置。
  3. 前記伝熱部材は、前記通気孔を複数有する、請求項1又は2記載の電子線照射装置。
  4. 前記金属メッシュ部の一つの開口には、複数の前記通気孔が臨んでいる、請求項1〜3のいずれか一項記載の電子線照射装置。
  5. 前記伝熱部材の膜厚は500μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項記載の電子線照射装置。
  6. 前記窓枠体は、前記電子線通過孔の前記出射側開口部に固定された枠状の固定部材と、前記固定部材に対して少なくとも前記窓部材を押圧した状態で前記固定部材に固定された枠状の押圧部材と、を有し、
    前記支持部材は、内側に前記金属メッシュ部が張られた平板状の枠部を更に有し、
    前記固定部材及び前記押圧部材は、前記枠部において少なくとも前記窓部材を挟持している、請求項1〜5のいずれか一項記載の電子線照射装置。
  7. 電子線を発生する電子銃と、前記電子銃が発生した前記電子線を通過させる電子線通過孔が設けられた筐体と、を具備する電子線照射装置において、前記電子線通過孔の出射側開口部に配置されて、前記電子線通過孔を通過した前記電子線を透過させるための電子線透過ユニットであって、
    前記出射側開口部に取り付けられるための窓枠体と、
    前記窓枠体の内側に配置された金属メッシュ部を有する支持部材と、
    前記金属メッシュ部上に支持され、前記電子線通過孔を通過した電子線を透過させる金属膜である窓部材と、
    前記金属メッシュ部と前記窓部材との間に配置された伝熱部材と、を備え、
    前記伝熱部材は、炭素を含む材料からなる膜であり、通気孔を有する、電子線透過ユニット。
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