JP5829198B2 - 超音波検査装置、超音波検査装置の信号処理方法およびプログラム - Google Patents

超音波検査装置、超音波検査装置の信号処理方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、超音波ビームを送受信することにより生体内の臓器等の検査対象物の撮像を行って、検査対象物の検査や診断のために用いられる超音波画像を生成する超音波検査装置、超音波検査装置の信号処理方法およびプログラムに関する。
従来から、医療分野において、超音波画像を利用した超音波画像診断装置等の超音波検査装置が実用化されている。一般に、この種の超音波検査装置は、複数の素子(超音波トランスデューサ)を内蔵した超音波探触子(超音波プローブ)と、この超音波探触子に接続された装置本体とを有しており、超音波探触子の複数の素子から検査対象物(被検体)に向けて超音波ビームを送信し、被検体からの超音波エコーを超音波探触子で受信して、その受信した超音波エコー信号を装置本体で電気的に処理することにより超音波画像が生成される。
超音波検査装置においては、超音波画像を生成するとき、被検体の検査対象領域、例えば、生体内の臓器やその臓器内の病巣等に探触子の複数の素子から焦点を合わせて超音波ビームを送信し、検査対象領域の反射体、例えば臓器や病巣等の表面や界面からの超音波エコーを複数の素子を介して受信しているが、同一の反射体で反射された超音波エコーを複数の素子で受信するので、送信素子から送信された超音波ビームの焦点位置に位置する反射体で反射され、送信素子で受信された超音波エコー信号に対して、同一の反射体で反射され、送信素子と異なるその他の素子で受信された超音波エコー信号は遅延することになるので、複数の素子で受信した超音波エコー信号をA/D(アナログ/デジタル)変換して素子データとした後、素子データを受信フォーカス処理して、即ち遅延補正して位相を合わせ整相加算して音線信号を生成し、こうして得られた音線信号に基づいて超音波画像を生成している。
ところで、超音波検査装置において、超音波画像を生成するときには、被検体の生体内の音速は一定であると仮定して、超音波画像を生成している。しかしながら、実際の生体内は、生体内組織の性状に依存して音速値が変化するため、音速値にはばらつきがあり、このばらつきによって、超音波画像には空間的な歪みやコントラストあるいは空間分解能の低下といった画質劣化を生じていた。
これに対して、近年、被検体内の診断部位をより精度よく診断するために、任意の診断部位における音速値を最適化し、このような画像の歪みや空間分解能の低下等を低減し、画質を向上することが行われている。
例えば、特許文献1には、着目領域を設定する着目領域設定手段と、超音波探触子に対して着目領域に超音波を送信フォーカスさせる送信フォーカス指示手段と、着目領域からの超音波検出信号に対して受信フォーカスするための複数の設定音速を指定する設定音速指定手段と、複数の設定音速毎に受信フォーカスして、超音波検出信号のフォーカス指標を算出するフォーカス指標算出手段と、複数の設定音速毎のフォーカス指標に基づき、着目領域の環境音速を決定する環境音速決定手段とを備える超音波診断装置が開示されている。
特許文献1では、フォーカス指標に基づいて、超音波画像を構成する画素レベル毎あるいはライン画像レベル毎に、適正に環境音速を決定し、高精度の超音波画像を構築することが開示している。
特開2011−92686号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、従来技術よりも高画質な画像が得られるが、画素レベル毎あるいはライン画像レベル毎に、複数の設定音速に基づいて、網羅的にフォーカス指標を求めて、フォーカス指標が最も良くなる設定音速を、最適な音速(環境音速)とするため、全ての画素(ライン)の環境音速を求めるためには、時間を要するという問題があった。また、その結果、フレームレートが低下するという問題があった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、画像内の領域ごとの適切な音速値を、短時間で求めることができ、フレームレートを低下させることなく、高精度な超音波画像を構築することができる超音波検査装置、超音波検査装置の信号処理方法およびプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、超音波ビームを用いて検査対象物を検査する超音波検査装置であって、記検査対象物内に複数の領域を設定する領域設定部と、領域の音速を算出する音速算出部と、複数の領域の1つを注目領域とし、該注目領域から所定の範囲内にある少なくとも1つの領域における音速に基づいて予備音速を取得する音速取得部と、音速取得部が取得した予備音速に基づいた場合の注目領域の画質を判定する画質判定部と、を備え、画質判定部の判定結果が良の場合には、音速取得部が取得した予備音速を注目領域の音速として採用し、判定結果が否の場合には、音速算出部によって注目領域の音速を算出することを特徴とする超音波検査装置を提供する。
ここで、音速取得部は、注目領域から時間的および/または空間的に所定の範囲内にある少なくとも1つの領域における音速に基づいて予備音速を取得することが好ましい。
ここで、空間的に所定の範囲内の領域とは、同一画像上で注目領域に近接する領域であることが好ましい。
また、空間的に所定の範囲内の領域とは、画像を複数の部分画像に領域分割したときの同一部分画像内の領域であることが好ましい。
また、時間的に所定の範囲内の領域とは、所定フレーム前の画像における注目領域に対応する領域であることが好ましい。
また、時間的に所定の範囲内の領域とは、複数の所定フレーム前の画像に所定の処理を行って得られた少なくとも1つの画像における注目領域に対応する領域か、あるいは、複数の所定フレーム前の画像のうち少なくとも1つの画像における注目領域に対応する領域であり、領域における音速とは、複数の所定フレーム前の音速に所定の処理を行って得られた音速であることが好ましい。
また、所定の処理とは、複数の所定フレーム前の音速の平均値あるいは中央値のいずれかを求める処理であることが好ましい。
また、画質判定部は、予備音速に基づいて生成した注目領域の画像のシャープネス、輝度、コントラスト、周波数のいずれかに基づいて画質判定を行うことが好ましい。
また、画質判定部は、予備音速に基づいて生成した注目領域の画像と、前回画像の同一領域の画像とを比較して画質判定を行うことが好ましい。
また、画質判定部は、予備音速に基づいて生成した注目領域の整相加算後の受信データに基づいて生成した基準データと、整相加算前の受信データとの類似性を評価して画質判定を行うことが好ましい。
また、振動子アレイの各素子が超音波エコーを受信して出力する素子データを記憶する素子データ記憶部を有することが好ましい。
また、上記目的を達成するため、本発明は、超音波ビームを用いて検査対象物を検査する超音波検査装置の信号処理方法であって、検査対象物内に複数の領域を設定する領域設定ステップと、領域の音速を算出する音速算出ステップと、複数の領域の1つを注目領域とし、該注目領域から所定の範囲内にある少なくとも1つの領域における音速に基づいて予備音速を取得する音速取得ステップと、音速取得ステップが取得した予備音速に基づいた場合の注目領域の画質を判定する画質判定ステップと、を備え、画質判定ステップの判定結果が良の場合には、音速取得ステップが取得した予備音速を注目領域の音速として採用し、判定結果が否の場合には、音速算出ステップによって注目領域の音速を算出することを特徴とする超音波検査装置の信号処理方法を提供する。
また、上記目的を達成するため、本発明は、超音波ビームを用いて検査対象物を検査する超音波検査装置の信号処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、検査対象物内に複数の領域を設定する領域設定ステップと、領域の音速を算出する音速算出ステップと、複数の領域の1つを注目領域とし、該注目領域から所定の範囲内にある少なくとも1つの領域における音速に基づいて予備音速を取得する音速取得ステップと、音速取得ステップが取得した予備音速に基づいた場合の注目領域の画質を判定する画質判定ステップと、を備え、画質判定ステップの判定結果が良の場合には、音速取得ステップが取得した予備音速を注目領域の音速として採用し、判定結果が否の場合には、音速算出ステップによって注目領域の音速を算出することを特徴とする超音波検査装置の信号処理プログラムを提供する。
本発明によれば、注目領域から所定の範囲内にある領域の音速値に基づいて予備音速を取得し、予備音速に基づいて注目領域の画像を生成した場合の画質を判定し、判定結果が良の場合には、予備音速を注目領域の音速として採用し、判定結果が否の場合には、音速算出部によって音速を算出するので、領域ごとの適切な音速を求める場合に、短時間で求めることができ、フレームレートを低下させることなく、高精度な超音波画像を構築することができる。
本発明に係る超音波検査装置の構成の一例を概念的に示すブロック図である。 図1に示す超音波検査装置の音速決定部の構成の一例を概念的に示すブロック図である。 注目領域および近傍の領域を説明するための模式図である。 注目領域および近傍の領域を説明するための模式図である。 図1に示す超音波検査装置の音速算出部の動作を説明するためのフローチャートである。 図1に示す超音波検査装置の動作を説明するためのフローチャートである。
本発明に係る超音波検査装置、超音波検査装置の信号処理方法およびプログラムを添付の図面に示す好適実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
図1は、本発明の超音波検査装置の構成の一実施例を概念的に示すブロック図である。
図1に示すように、超音波検査装置10は、超音波プローブ12と、超音波プローブ12に接続される送信部14及び受信部16と、A/D変換部18と、素子データ記憶部20と、画像生成部24と、表示制御部26と、表示部28と、制御部30と、操作部32と、格納部34と、領域設定部50と、音速決定部52と、音速記憶部54とを有する。
超音波プローブ(超音波探触子)12は、通常の超音波検査装置に用いられる振動子アレイ36を有する。
振動子アレイ36は、1次元又は2次元アレイ状に配列された複数の素子、即ち超音波トランスデューサを有している。これらの超音波トランスデューサは、検査対象物(以下、被検体という)の超音波画像の撮像の際に、それぞれ送信部14から供給される駆動信号に従って超音波ビームを被検体に送信すると共に、被検体からの超音波エコーを受信して受信信号(アナログ素子信号)を出力する。本実施形態では、振動子アレイ36の複数の超音波トランスデューサの内の一組を成す所定数の超音波トランスデューサの各々は、1つの超音波ビームの各成分を発生し、一組の所定数の超音波トランスデューサは、被検体に送信する1つの超音波ビームを発生する。
各超音波トランスデューサは、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミックや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子、PMN−PT(マグネシウムニオブ酸・チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成した素子、即ち振動子によって構成される。
このような振動子の電極に、パルス状又は連続波状の電圧を印加すると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状又は連続波状の超音波が発生して、それらの超音波の合成により超音波ビームが形成される。また、それぞれの振動子は、伝搬する超音波を受信することにより伸縮して電気信号を発生し、それらの電気信号は、超音波の受信信号(アナログ素子信号)として出力される。
送信部14は、例えば、複数のパルサを含んでおり、制御部30からの制御信号に応じて選択された送信遅延パターンに従い、振動子アレイ36の一組の所定数の超音波トランスデューサ(以下、超音波素子という)から送信される超音波ビーム成分が1つの超音波ビームを形成するようにそれぞれの駆動信号の遅延量を調節して組を成す複数の超音波素子に供給する。
受信部16は、制御部30からの制御信号に応じて、振動子アレイ36から送信された超音波ビームと被検体との間の相互作用によって発生された超音波エコーを、振動子アレイ36が受信して出力した、受信信号、即ち超音波素子毎のアナログ素子信号を増幅して出力する。
ここで、受信部16は、1回の超音波ビームの送信に対応して、複数の超音波素子が受信した複数のアナログ素子信号を、受信した超音波素子の情報および受信時間の情報を含む、1つのアナログの素子データとして出力する。すなわち、素子データは、素子の位置と受信時間とに対する受信信号の強度を表すデータである。
また、受信部16は、送信部14による1回の超音波ビームの送信ごとに、超音波エコーを受信してアナログの素子データを出力する。したがって、送信部14が、複数回の超音波ビームの送信を行うことにより、各送信に対応した複数のアナログの素子データを出力する。
受信部16は、アナログの素子データをA/D変換部18に供給する。
A/D変換部18は、受信部16に接続され、受信部16から供給されたアナログの素子データを、デジタルの素子データ(第1の素子データ)に変換する。A/D変換部18は、A/D変換されたデジタルの素子データを素子データ記憶部20および画像生成部24に供給する。
素子データ記憶部20は、A/D変換部18から出力されるデジタルの素子データを順次格納する。また、素子データ記憶部20は、制御部30から入力されるフレームレートに関する情報(例えば、超音波の反射位置の深度、走査線の密度、視野幅を示すパラメータ)を上記のデジタルの素子データ(以下、単に素子データという)に関連付けて格納する。
画像生成部24は、制御部30による制御下で、A/D変換部18あるいは素子データ記憶部20から供給された素子データから音線信号(受信データ)を生成し、この音線信号から超音波画像を生成するものである。
画像生成部24は、整相加算部38、検波処理部40、DSC42、画像作成部44、および、画像メモリ46を有する。
整相加算部38は、制御部30において設定された受信方向に応じて、音速記憶部54に記憶されている音速の分布に基づく予め記憶されている複数の受信遅延パターンの中から1つの受信遅延パターンを選択し、選択された受信遅延パターンに基づいて、素子データの素子ごとの信号にそれぞれの遅延を与えて加算することにより、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、超音波エコーの焦点が絞り込まれた受信データ(音線信号)が生成される。
整相加算部38は、受信データを検波処理部40に供給する。
検波処理部40は、整相加算部38で生成された受信データに対し、超音波の反射位置の深度に応じて距離による減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施すことにより、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像データを生成する。
DSC(digital scan converter)48は、検波処理部40で生成されたBモード画像データを通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像データに変換(ラスター変換)する。
画像作成部44は、DSC42から入力されるBモード画像データに階調処理等の各種の必要な画像処理を施して検査や表示に供するためのBモード画像データを作成した後、作成された検査用又は表示用Bモード画像データを表示のために表示制御部26に出力する、或いは画像メモリ46に格納する。
画像メモリ46は、画像作成部44で作成された検査用Bモード画像データを一旦格納する。画像メモリ46に格納された検査用Bモード画像データは、必要に応じて、表示部28で表示するために表示制御部26に読み出される。
表示制御部26は、画像作成部44によって画像処理が施された検査用Bモード画像信号に基づいて、表示部28に超音波画像を表示させる。
表示部28は、例えば、LCD等のディスプレイ装置を含んでおり、表示制御部26の制御の下で、超音波画像を表示する。
領域設定部50は、操作者による操作部32からの入力に応じて、あるいは、制御部30からの指示に応じて、超音波による走査を行う撮像領域に、複数の領域を設定する。本装置においては、この領域単位で適切な音速を決定する。
図3に、設定した領域を模式的に表す図を示す。図3において、y方向が超音波の送信方向に対応し、x方向が超音波素子の配列方向に対応している。
図3に破線で示すように、撮像領域を複数の矩形状の部分ごとに分割して領域を設定する。
なお、図示例においては、領域は矩形状としたが、これに限定はされず、超音波ビームを送信するラインに対応するライン状の領域であってもよいし、1画素に対応する点であってもよい。また、撮像領域の形状に対応して、例えば、コンベックスプローブの場合であれば、各領域は扇型であってもよい。また、図示例においては、各領域の大きさは同じとしたが、これに限定はされず、領域ごとに異なる大きさとしてもよい。
また、設定する領域の大きさには特に限定はないが、領域を小さく設定するほど、超音波画像全体の精度は向上するものの、音速を決定する際の処理時間が長くなるおそれがある。
領域設定部50は、設定した領域の情報を音速決定部52(素子データ取得部56)に供給する。
音速決定部52は、領域設定部50が設定した領域ごとの適切な音速を順次、決定する部位である。
音速決定部52は、素子データ取得部56と、音速取得部58と、画質判定部60と、音速算出部62とを有する。
なお、本発明において、領域の音速とは、領域と超音波プローブ12(振動子アレイ36)との間が均一な物質で満たされていると仮定した場合の、超音波プローブ12から領域までの音速を表すものである。すなわち、領域と超音波プローブ12との間の平均的な音速であり、これを環境音速ともいう。
素子データ取得部56は、領域設定部50が設定した領域の情報に基づいて、音速を求める領域(以下、注目領域、ともいう)に対応する素子データを素子データ記憶部20から読み出す部位である。
素子データ取得部56は、読み出した素子データを画質判定部60に供給する。
音速取得部58は、領域設定部50が設定した領域の情報に基づいて、音速を求める領域(注目領域)から、所定の範囲内にある領域、すなわち、空間的に近傍の領域の、すでに決定済みの音速を音速記憶部54から読み出して、注目領域の仮の音速値としての予備音速を取得する部位である。
具体的には、図3に示す例において、音速を求める注目領域をE(x,y)とし、斜線で示す領域(x−2、x−1の領域および、E(x、y-1))を、同一フレーム内で先に音速を決定されている領域とすると、音速取得部58は、注目領域E(x,y)の予備音速として、音速記憶部54から、注目領域E(x、y)に隣接する領域E(x、y-1)の音速値を取得する。
なお、音速取得部58は、注目領域E(x、y)とy方向(超音波の送信方向)に隣接する領域E(x、y-1)の音速値を予備音速として取得する構成に限定はされず、注目領域E(x、y)とx方向に隣接する領域E(x-1、y)の音速値を予備音速として取得してもよい。また、予備音速を取得する領域は、注目領域と隣接する領域に限定はされず、注目領域から所定の範囲内にある領域(近傍の領域)であればよい。
なお、この所定の範囲は、診断対象(検査する臓器の種類)等に応じて決定すればよいが、例えば、注目領域から10cm以内の範囲にある領域を所定の範囲の領域とすればよい。また、この所定の領域を、操作者が変更可能にしてもよい。
また、1つの領域の音速値を予備音速として取得する構成に限定はされず、2以上の領域の音速値を読み出して、その平均値や加重平均値を予備音速として取得する構成としてもよい。例えば、図3において、領域E(x、y-1)の音速値と領域E(x-1、y)の音速値との平均値を注目領域E(x、y)の予備音速としてもよい。
また、音速取得部58は、同一フレーム内の領域の音速値を予備音速として取得する構成に限定はされず、所定フレーム前の同じ位置の領域の音速値を予備音速として取得する構成、すなわち、時間的に近傍の領域の音速値を予備音速として取得する構成としてもよい。
図4に、注目領域および時間的に近傍の領域を説明するための模式図を示す。
図4において、音速値を求める注目領域E(x、y)、tを含むフレームを注目フレームFとすると、音速取得部58は、注目フレームFの直前のフレームFt−1の、注目領域E(x、y-1),tと同じ位置の領域E(x、y)、t-1の音速値を読み出して、注目領域E(x,y)、tの予備音速としてもよい。
なお、時間的に近傍の領域の音速値を読み出す場合には、直前のフレームに限定はされず、数フレーム前(フレームFt−2やFt−3)の同じ位置の領域の音速値を読み出して、注目領域E(x,y)、tの予備音速としてもよい。また、複数フレームの各領域の音速値を読み出して、平均値を注目領域E(x,y)、tの予備音速としてもよい。
また、音速取得部58は、時間的に近傍の領域の音速値と、空間的に近傍の領域の音速値とを読み出して、これらの平均値を注目領域の予備音速としてもよい。例えば、同一フレームの領域E(x,y-1)、tと、領域E(x-1,y)、tと、前フレームの領域E(x,y)、t-1の音速値をそれぞれ読み出して、これらの平均値を注目領域E(x,y)、tの予備音速としてもよい。
音速取得部58は、取得した予備音速を画質判定部60に供給する。
画質判定部60は、音速取得部58が取得した予備音速に基づいて、素子データ取得部56が取得した注目領域の素子データから注目領域の画像(注目画像)を生成して、この注目画像の画質を判定する部位である。
画質判定部60は、まず、供給された素子データから注目領域の画像を生成する。画像の生成方法は、基本的には、画像生成部24と同様である。すなわち、音速取得部58が取得した予備音速に基づく受信遅延パターンに従って、素子データに遅延を加えて加算することにより、受信フォーカス処理を行い、受信データ(音線信号)を生成する。生成した音線信号に対して、深度に応じた減衰の補正を施して、包絡線検波処理を施すことにより、Bモード画像データを生成する。
次に、生成した注目領域のBモード画像データのシャープネス値を評価して画質を判定する。シャープネス値が所定の閾値以上であれば、画質は良いと判定し、閾値より小さければ画質は低いと判定する。
なお、画像のシャープネス値の算出方法としては、公知の算出方法を利用すればよく、例えば、注目領域における最大輝度点の半値幅をシャープネス値として算出する算出方法等が利用可能である。
なお、画質判定部60が行う画質の判定方法は、シャープネス値による判定に限定はされず、コントラストや輝度値、画像の空間周波数、積分値、2乗積分値、ピーク値、半値幅、周波数スペクトル積分、最大値や直流成分で規格化された周波数スペクトル積分値や2乗積分値、自己相関値等の評価指標により画質の判定を行ってもよい。
また、画質判定部60が行う画質の判定方法は、画像のシャープネス値(評価指標)を、所定の閾値と比較する構成に限定はされず、前回フレームの同じ領域の画像のシャープネス値と比較して、差が所定範囲以内であれば、良と判定する構成としてもよい。
また、画質判定部60は、注目領域の画像ではなく、音速取得部58が取得した予備音速に基づく受信遅延パターンに従って、素子データに遅延を加えて加算することにより、受信フォーカス処理を行った受信データに基づいて画質判定を行うこともできる。具体的には、予備音速における整相加算後の受信データを整相加算前と同じ受信素子分並べた基準信号と、予備音速で遅延時間補正して整相加算を行う前の受信データ(遅延時間補正された素子データ)との類似性を評価し、類似性が所定の閾値以上であれば、画質は良いと判定し、閾値以下であれば画質は低いと判定する。
画質判定部60は、注目領域の画質判定の結果、画質が良と判定された場合には、画質判定に利用した予備音速を注目領域の音速として採用して、音速記憶部54に供給し、判定の結果画質が悪いと判定された場合には、音速算出部62に判定結果を供給する。
音速算出部62は、画質判定部60の画質判定の結果、画質が悪いと判定された注目領域について、詳細に音速を算出する部位である。
音速算出部62は、画質判定部60から画質が悪いとの判定結果が供給されると、素子データ取得部56が取得した、注目領域に対応する素子データを取得し、この素子データに対して、音速値(以下、設定音速という)を種々変更し、それぞれの設定音速に基づいて、受信フォーカス処理をして超音波画像を形成し、画像のコントラストおよび/またはシャープネスが最も高くなる設定音速を、注目領域の最適な音速値として算出する。
最適な音速値の判定方法としては、例えば、特開平8−317926号公報に記載のように、画像のコントラスト、スキャン方向の空間周波数、分散等に基づいて最適音速値の判定を行うことができる。
音速算出部62について、図5に示すフローチャートを用いてより詳細に説明する。
音速算出部62は、注目領域の素子データを取得すると、設定音速Vを、VstからVendまで、ΔV刻みで変化させて、それぞれの設定音速Vにおいて、設定音速Vに基づいて、素子データ取得部から供給された注目領域の素子データを用いて受信フォーカス処理をして音線信号を生成し、この音線信号から超音波画像を形成し、それぞれの設定音速Vでの注目領域の画像のシャープネスを算出する。
各設定音速Vでの画像のシャープネス値を比較して、得られたシャープネスの値が最も高い設定音速Vを最適な音速値として採用する。
なお、設定音速Vの探索範囲としては、Vstは1400m/s、Vendは1700m/s、ΔVは10〜50m/s程度とすればよい。
音速算出部62は、算出した音速値を音速記憶部54に供給する。
なお、音速算出部は、シャープネス値が最も高くなる設定音速を最適な音速値とする構成に限定はされず、コントラストや輝度値、あるいは、画像の空間周波数等の評価指標に基づいて、画質が最も良くなる設定音速を最適な音速値とすればよい。
また、上記実施例では、音速算出部は、所定の探索範囲で設定音速の探索を行う構成としたが、これに限定はされず、音速取得部58が取得した予備音速を基準にして探索範囲を決定する構成としてもよい。例えば、予備音速の±50m/sの範囲を探索範囲として、最適な音速を求めるようにしてもよい。さらに、予備音速を基準にして探索範囲を決定して探索した後に、画質判定を行って、判定結果が否の場合には、探索範囲を拡大して最適な音速を求めるようにしてもよい。
また、音速算出部62の音速の算出方法は、所定の探索範囲で設定音速を順次、変更して画質が最も良くなる音速値を求める構成に限定はされず、各種の、領域ごとの最適な音速値の算出方法が利用可能である。例えば、各設定音速における整相加算後の受信データを整相加算前と同じ受信素子分並べた基準信号と、各設定音速で遅延時間補正して整相加算を行う前の受信データ(遅延時間補正された素子データ)とを、それぞれ各設定音速で類似性を評価し、類似性の高いときの音速を最適な音速値とする方法(特願2012-120242号に記載の方法)が利用可能である。
前述のとおり、超音波検査装置において、より高画質な画像を得るために、領域(画素、ライン)ごとに、複数の設定音速に基づいて、網羅的に画質を判定するための指標(フォーカス指標等)を求めて、画質の判定結果が最も良くなる設定音速を、最適な音速値として求めていた。そのため、全ての領域で最適な音速を求めるためには、時間を要するという問題があった。また、その結果、フレームレートが低下するという問題があった。
これに対して、本発明は、注目領域から所定の範囲内にある領域の音速値に基づいて予備音速を取得し、予備音速に基づいて注目領域の画像を生成した場合の画質を判定し、画質判定の結果が良であれば、この予備音速を注目領域の音速として採用するので、複数の設定音速で、網羅的に画質判定のための指標を求めて、判定結果が最も良くなる設定音速を求める必要がないため、短時間で、領域ごとの適切な音速値を求めることができる。
また、最適な音速値は、超音波プローブからの距離(深さ)や超音波が通過する組織の性状によるので、互いに近傍の領域では、最適な音速値も近い値となる可能性が高い。従って、空間的に近傍の領域の音速値を注目領域の音速として採用したとしても、高画質な画像を得ることができる。
また、操作者が超音波画像を取得したい場合には、操作者は超音波プローブを静止させて超音波画像を取得する。このような場合、フレーム間で同じ領域には同じ組織が検出されているので、最適な音速値も同じ値となる。従って、時間的に近傍の領域の音速値を注目領域の音速値として採用した場合にも、高画質な画像を得ることができる。
また、組織の境界の位置や、操作者が超音波プローブを移動させた場合には、予備音速に基づく画質判定の結果が否となり、近傍の領域から取得した予備音速に基づく画質判定の結果が否の場合には、最適な音速を求めるので、やはり、高画質な画像を得ることができる。
以上から、本発明の超音波検査装置は、領域ごとの適切な音速値を短時間で求めることができ、フレームレートを低下させることなく、高精度な超音波画像を構築することができる。
音速記憶部54は、画質判定部60および音速算出部62から供給される音速値を、領域の位置情報と関連づけて、いわゆる、音速マップとして記憶するものである。
音速記憶部54は、画質判定部60または音速算出部62から音速値が供給されるたびに、対応する領域の音速値を順次、更新する構成としてもよいし、フレームごとに音速マップを生成するようにしてもよい。
また、音速取得部58が、時間的に近傍の領域の音速値を読み出す場合には、音速記憶部54は、フレームごとに音速マップを生成すると共に、最新の音速(音速マップ)のみならず、数フレーム前までの音速マップを記憶しておく。
音速記憶部54は、音速マップの情報を整相加算部38および音速取得部58に供給する。
制御部30は、操作者により操作部32から入力された指令に基づいて超音波検査装置10の各部の制御を行う。
ここで、制御部30は、操作者によって操作部32を介して種々の情報、特に、領域設定部50で領域を設定するために必要な情報、および、音速決定部52で音速を決定するために必要な情報の入力が行われた際に、操作部32から入力された上述の種々の情報を、必要に応じて、送信部14、受信部16、素子データ記憶部20、画像生成部24、表示制御部26、領域設定部50および音速決定部52等の各部に供給する。
操作部32は、操作者が入力操作を行うためのものであり、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパネル等から形成することができる。
また、操作部32は、操作者が必要に応じて各種の情報、特に上述の領域の設定に用いられる情報、ならびに、音速決定に用いられる情報等を入力操作するための入力装置を備えている。
格納部34は、操作部32から入力された各種の情報等や、送信部14、受信部16、素子データ記憶部20、画像生成部24、表示制御部26、領域設定部50および音速決定部52等の制御部30で制御される各部の処理や動作に必要な情報、並びに、各部の処理や動作を実行させるための動作プログラムや処理プログラム等を格納するもので、ハードディスク、フレキシブルディスク、MO、MT、RAM、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体を用いることができる。
なお、整相加算部38、検波処理部40、DSC42、画像作成部44、音速取得部58、画質判定部60、音速算出部62及び表示制御部26は、CPUと、CPUに各種の処理を行わせるための動作プログラムから構成されるが、それらをデジタル回路で構成してもよい。
本発明の超音波検査装置の動作、作用について説明する。
まず、超音波画像を生成する際の超音波検査装置の動作について説明する。
操作者が、超音波プローブ12を被検体の表面に当接し、測定を開始すると、送信部14から供給される駆動信号に従って振動子アレイ36から超音波ビームが送信され、被検体からの超音波エコーを、振動子アレイ36が受信し、受信信号としてアナログ素子信号を出力する。
受信部16は、各素子が出力するアナログ素子信号を1つのアナログの素子データとして出力し、A/D変換部18に供給する。A/D変換部18は、アナログの素子データをデジタルの素子データに変換して素子データ記憶部20に供給して、記憶保持させる。
画像生成部24の整相加算部38は、素子データ記憶部20から素子データを読み出して、素子データに受信フォーカス処理を施して受信データ(音線信号)を生成し、検波処理部40に供給する。この際、整相加算部38は、音速記憶部54に記憶されている音速マップに基づいて受信フォーカス処理を施す。検波処理部40は、音線信号を処理してBモード画像信号を生成する。Bモード画像信号を、DSC42がラスター変換し、画像作成部44が画像処理を施し、超音波画像が生成される。生成された超音波画像は、画像メモリ46に格納されると共に、表示制御部26により超音波画像が表示部28に表示される。
次に、音速マップを求める際の超音波検査装置の動作を説明する。
図6は、図1に示す超音波検査装置の動作を説明するためのフローチャートである。
操作者が、超音波プローブ12を被検体の表面に当接し、測定を開始すると、送信部14から供給される駆動信号に従って振動子アレイ36から超音波ビームが送信され、被検体からの超音波エコーを、振動子アレイ36が受信し、受信信号としてアナログ素子信号を出力する。
受信部16は、各素子が出力するアナログ素子信号を1つのアナログの素子データとして出力し、A/D変換部18に供給する。A/D変換部18は、アナログの素子データをデジタルの素子データに変換して素子データ記憶部20に供給して、記憶保持させる。
一方、領域設定部50は、操作部32からの入力、あるいは、制御部30からの指示に応じて、超音波による走査を行う撮像領域に、複数の領域を設定する。
音速決定部52は、領域設定部50で設定された各領域について、順次(E11からEendまで)、注目する領域を変更して、各領域の音速を決定する。
音速決定部52の素子データ取得部56は、素子データ記憶部20から、注目領域に対応する素子データを読み出し、画質判定部60に供給する。また、音速取得部58は、注目領域の近傍の領域の、すでに決定済みの音速を音速記憶部54から読み出して、予備音速として取得し、画質判定部60に供給する。
画質判定部60は、まず、音速取得部58が取得した予備音速に基づく受信遅延パターンに従って、素子データ取得部56が取得した注目領域の素子データの受信フォーカス処理を行い、受信データを生成し、深度に応じた減衰の補正を施して、包絡線検波処理を施すことにより、Bモード画像データを生成する。次に、生成した注目領域のBモード画像データのシャープネス値を評価して画質を判定し、画質が良と判定された場合には、画質判定に利用した予備音速を注目領域の音速として採用し、音速記憶部54に供給する。また、画質判定の結果が否の場合には、判定結果を音速算出部62に供給する。
音速算出部62は、画質判定の結果が否の場合に、設定音速を網羅的に変更して、最も画質が良くなる音速を、注目領域の音速として算出し、音速記憶部54に供給する。
音速記憶部54は、画質判定部60および音速算出部62から供給される音速値を、領域の位置情報と関連付けて、音速マップとして記憶する。
このように本発明の超音波検査装置は、注目領域から所定の範囲内にある領域の音速値に基づいて予備音速を取得し、予備音速に基づいて注目領域の画像を生成した場合の画質を判定し、画質判定の結果が良であれば、この予備音速を注目領域の音速として採用するので、複数の設定音速で、網羅的に画質判定のための指標を求めて、判定結果が最も良くなる設定音速を求める必要がないため、短時間で、領域ごとの適切な音速値を求めることができる。
また、最適な音速値は、超音波プローブからの距離(深さ)や超音波が通過する組織の性状によるので、互いに近傍の領域では、最適な音速値も近い値となる可能性が高い。従って、空間的に近傍の領域の音速値を注目領域の音速として採用したとしても、高画質な画像を得ることができる。
また、操作者が超音波画像を取得したい場合には、操作者は超音波プローブを静止させて超音波画像を取得する。このような場合、フレーム間で同じ領域には同じ組織が検出されているので、最適な音速値も同じ値となる。従って、時間的に近傍の領域の音速値を注目領域の音速値として採用した場合にも、高画質な画像を得ることができる。
また、組織の境界の位置や、操作者が超音波プローブを移動させた場合には、予備音速に基づく画質判定の結果が否となり、近傍の領域から取得した予備音速に基づく画質判定の結果が否の場合には、最適な音速を求めるので、やはり、高画質な画像を得ることができる。
以上から、本発明の超音波検査装置は、領域ごとの適切な音速値を短時間で求めることができ、フレームレートを低下させることなく、高精度な超音波画像を構築することができる。
なお、上記実施例においては、画質判定部60は、注目領域の画像を生成して、画像に基づく評価指標(シャープネス値等)を求めて画質を評価する構成としたが、本発明はこれに限定はされず、注目領域の画像を生成せずに、注目領域の素子データから画質の判定を行ってもよい。すなわち、複数の設定音速毎に、素子データに受信フォーカス処理を施して、フォーカス指標を求めて、フォーカス指標に基づいて最適な音速を決定する構成としてもよい。
フォーカス指標の算出方法および判定方法としては、例えば、特開2011−92686号公報に記載の方法を利用することができる。
また、上記実施例においては、画質判定部60は、画質の判定を行うための画像を生成する機能を有する構成としたが、本発明はこれに限定はされず、画像生成部24において、画質判定用の画像を生成して、画質判定部60において判定する構成としてもよい。
また、一フレーム内で、全ての領域で予備音速を取得して画質判定を行う構成に限定はされず、一フレーム内で、最初に音速を決定する領域については、予め設定されている初期値を予備音速として用いても良いし、あるいは、予備音速を取得せず(画質判定を行わず)、音速算出部62によって、最適な音速を算出するようにしても良い。また、一部の所定の領域では、予備音速の取得および画質判定は行わず、音速算出部62によって最適な音速を算出するようにしてもよい。例えば、超音波ビームの焦点を含む領域では、最適な音速を算出するようにすることにより、最適な音速をより正確に求めることができると共に、算出した音速を予備音速として利用することにより、この領域の周辺の領域の画質を向上することができる。
また、超音波画像の生成と音速の決定は、同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。すなわち、1フレーム分の1組の超音波の送受信により得られる素子データから、音速の決定を行うと共に、超音波画像の生成を行ってもよいし、別々の送受信により得られる素子データから、超音波画像の生成と音速の決定とをそれぞれ行ってもよい。音速の決定に利用した素子データから超音波画像を生成する構成とする場合には、画質判定部による判定結果が良の領域では、画質の判定に利用した画像を、超音波画像に利用してもよい。
また、音速の決定は毎フレーム行ってもよいし、数フレームに一回行うようにしてもよい。
また、上記実施例においては、素子データに対して受信フォーカス処理を行う際に、音速記憶部54に記憶された音速マップに基づく受信フォーカス処理を行う構成としたが、これに限定はされず、送信部14により、超音波ビームの送信を行う際にも、音速記憶部54に記憶された音速マップに基づいて、駆動信号の遅延量を調整するようにしてもよい。
また、上記実施例においては、予備音速を取得して画質判定を行い、判定結果が否の場合には、音速算出部62により、注目領域の最適な音速を算出する構成としたが、これに限定はされず、判定結果が否の場合には、判定結果を表示部28に表示して、操作者に警告を行う構成としてもよい。この場合は、音速の算出を行わせるか否かは、操作者が決定すればよい。
前述のとおり、音速取得部58が、予備音速を取得する対象となる領域は、注目領域に対して、時間的あるいは空間的に近傍の領域であればよいが、どの領域の音速値を取得するかは、予め決定されていてもよいし、自動的に決定されるようにしてもよい。例えば、超音波プローブ12の動きを、加速度センサや前フレームの画像との差分で感知し、停止している場合には、時間的に近傍の領域の音速値を取得するのが好ましい。また、フレーム間で画像の特徴量が動いている場合には、空間的に近傍の領域の音速値を取得するのが好ましく、動きの方向に応じて、注目領域の左右の領域と、上下の領域どちらの音速を取得するかを自動的に決定すればよい。
また、撮像領域を画像特徴量などに応じて、複数の部分画像に分割しておき、同じ部分画像内の領域の音速値を予備音速として取得するようにしてもよい。
また、本実施形態の超音波検査装置は、図示を省略した制御部に付属したメモリに格納された信号処理プログラムによって制御される。すなわち、制御部によってメモリから信号処理プログラムが読み出され、該信号処理プログラムに従って、領域が設定され、設定された領域に対して順次、音速を決定して、音速マップを作成する機能が実行される。
なお、超音波検査装置の信号処理プログラムは、このように制御部に付属のメモリに格納されるものに限定されず、該信号処理プログラムを、例えば、CD−ROMなど、本超音波検査装置に着脱可能に構成されるメモリ媒体(リムーバブル媒体)に記録しておき、リムーバブル媒体に対応するインターフェイスを介して本装置に読み込むように構成してもよい。
以上、本発明の超音波検査装置、超音波検査装置の信号処理方法およびプログラムについて詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
10 超音波検査装置
12 超音波プローブ
14 送信部
16 受信部
18 A/D変換部
20 素子データ記憶部
24 画像生成部
26 表示制御部
28 表示部
30 制御部
32 操作部
34 格納部
36 振動子アレイ
38 整相加算部
40 検波処理部
42 DSC
44 画像作成部
46 画像メモリ
50 領域設定部
52 音速決定部
54 音速記憶部
56 素子データ取得部
58 音速取得部
60 画質判定部
62 音速算出部

Claims (13)

  1. 超音波ビームを用いて検査対象物を検査する超音波検査装置であって、
    前記検査対象物内に複数の領域を設定する領域設定部と、
    前記領域の音速を算出する音速算出部と、
    複数の前記領域の1つを注目領域とし、該注目領域から所定の範囲内にある少なくとも1つの前記領域における音速に基づいて予備音速を取得する音速取得部と、
    前記音速取得部が取得した予備音速に基づいた場合の前記注目領域の画質を判定する画質判定部と、を備え、
    前記画質判定部の判定結果が良の場合には、前記音速取得部が取得した予備音速を前記注目領域の音速として採用し、判定結果が否の場合には、前記音速算出部によって前記注目領域の音速を算出することを特徴とする超音波検査装置。
  2. 前記音速取得部は、前記注目領域から時間的および/または空間的に所定の範囲内にある少なくとも1つの前記領域における音速に基づいて予備音速を取得する請求項1に記載の超音波検査装置。
  3. 前記空間的に所定の範囲内の領域とは、同一画像上で前記注目領域に近接する領域である請求項2に記載の超音波検査装置。
  4. 前記空間的に所定の範囲内の領域とは、画像を複数の部分画像に領域分割したときの同一部分画像内の領域である請求項2または3に記載の超音波検査装置。
  5. 前記時間的に所定の範囲内の領域とは、所定フレーム前の画像における前記注目領域に対応する領域である請求項2〜4のいずれかに記載の超音波検査装置。
  6. 前記時間的に所定の範囲内の領域とは、複数の所定フレーム前の画像に所定の処理を行って得られた少なくとも1つの画像における前記注目領域に対応する領域か、あるいは、前記複数の所定フレーム前の画像のうち少なくとも1つの画像における前記注目領域に対応する領域であり、前記領域における音速とは、前記複数の所定フレーム前の音速に所定の処理を行って得られた音速である請求項2〜5のいずれかに記載の超音波検査装置。
  7. 前記所定の処理とは、前記複数の所定フレーム前の音速の平均値あるいは中央値のいずれかを求める処理である、請求項6に記載の超音波検査装置。
  8. 前記画質判定部は、予備音速に基づいて生成した前記注目領域の画像のシャープネス、輝度、コントラスト、周波数のいずれかに基づいて画質判定を行う請求項1〜7のいずれかに記載の超音波検査装置。
  9. 前記画質判定部は、予備音速に基づいて生成した前記注目領域の画像と、前回画像の同一領域の画像とを比較して画質判定を行う請求項1〜8のいずれかに記載の超音波検査装置。
  10. 前記画質判定部は、予備音速に基づいて生成した前記注目領域の整相加算後の受信データに基づいて生成した基準データと、整相加算前の受信データとの類似性を評価して画質判定を行う請求項1〜9のいずれかに記載の超音波検査装置。
  11. 振動子アレイの各素子が超音波エコーを受信して出力する素子データを記憶する素子データ記憶部を有する請求項1〜10のいずれかに記載の超音波検査装置。
  12. 超音波ビームを用いて検査対象物を検査する超音波検査装置の信号処理方法であって、
    前記検査対象物内に複数の領域を設定する領域設定ステップと、
    前記領域の音速を算出する音速算出ステップと、
    複数の前記領域の1つを注目領域とし、該注目領域から所定の範囲内にある少なくとも1つの前記領域における音速に基づいて予備音速を取得する音速取得ステップと、
    前記音速取得ステップが取得した予備音速に基づいた場合の前記注目領域の画質を判定する画質判定ステップと、を備え、
    前記画質判定ステップの判定結果が良の場合には、前記音速取得ステップが取得した予備音速を前記注目領域の音速として採用し、判定結果が否の場合には、前記音速算出ステップによって前記注目領域の音速を算出することを特徴とする超音波検査装置の信号処理方法。
  13. 超音波ビームを用いて検査対象物を検査する超音波検査装置の信号処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記検査対象物内に複数の領域を設定する領域設定ステップと、
    前記領域の音速を算出する音速算出ステップと、
    複数の前記領域の1つを注目領域とし、該注目領域から所定の範囲内にある少なくとも1つの前記領域における音速に基づいて予備音速を取得する音速取得ステップと、
    前記音速取得ステップが取得した予備音速に基づいた場合の前記注目領域の画質を判定する画質判定ステップと、を備え、
    前記画質判定ステップの判定結果が良の場合には、前記音速取得ステップが取得した予備音速を前記注目領域の音速として採用し、判定結果が否の場合には、前記音速算出ステップによって前記注目領域の音速を算出することを特徴とする超音波検査装置の信号処理プログラム。
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