JP5828794B2 - スクータ型車両 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、スクータ型車両において、部品点数を増加させずに電装部品を防水可能に配置できるようにすることを目的とする。
本発明によれば、後車輪の上方を覆うリヤフェンダーは、前部が燃料タンクよりも前方へ延出された前方延出部を有し、前方延出部の上方に電装部品が配置され、リヤフェンダーの前部から下方へ延出し、後車輪の前方のスイングユニットとリヤフェンダーとの間を塞ぐ泥除けを備え、泥除けの上部は、リヤフェンダーより上方へ延出され、電装部品の上方を覆うため、泥除けの上部によって電装部品を防水でき、部品点数を増加させずに電装部品を防水可能に配置できる。これにより、電装部品の上方のシートが開かれたり、取り外されたりした状態であっても、電装部品を防水できる。
本発明によれば、泥除けは、リヤフェンダーに設けられた第1係止部に係止されるとともに、上部がリヤフェンダーに設けられた第3係止部に係止され、電装部品は、リヤフェンダーに設けられた第2係止部に係止され、リヤフェンダーの第2係止部に係止される電装品を覆う泥除けを、第1係止部及び第3係止部によってリヤフェンダーに取付けるため、泥除けを固定する係止部品を別に設ける場合と比べて部品点数を削減できる。また、泥除けをリヤフェンダーに予め小組みしておくことができ、生産性を向上できる。
本発明によれば、第2係止部は、第1係止部の間に位置するため、第1係止部に取付けた泥除けによって、第2係止部ごと電装部品を上方から覆うことがき、簡単な構造で防水できる。
本発明によれば、第3係止部は、電装部品の下方に設けられるため、電装部品の前方を泥除けで覆うことができ、高い防水効果が得られる。また、第3係止部が少なくとも2箇所設けられるため、確実に泥除けを保持できる。さらに、第3係止部は、第1係止部と同方向に、リヤフェンダーから後方向に突出するため、製造時において第3係止部及び第1係止部の型の抜き方向が同じになり、生産性を向上できる。
また、本発明は、前記リヤフェンダー(37)には前記泥除け(55)が通される開口部(73A)が設けられ、平面視で前記開口部(73A)内に前記第1係止部(72)及び前記第2係止部(74)が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、リヤフェンダーには泥除けが通される開口部が設けられ、平面視で開口部内に第1係止部及び第2係止部が設けられるため、開口部を共用して開口部の面積を小さくでき、リヤフェンダーの剛性を確保できる。
本発明によれば、リヤフェンダーは、車体フレームに取付けられ、電装部品はエンジン制御装置であり、エンジン制御装置にはハーネスが接続され、ハーネスはリヤフェンダーの側部に設けられた切欠部を通って車幅方向外側に延出され、切欠部は、上方及び外側方を車体フレームによって覆われているため、切欠部からエンジン制御装置側に水が入ることを車体フレームによって防止でき、例えば洗車時に側方から水がかけられたとしても、エンジン制御装置側に水が入ることを防止できる。また、スクータ型車両である自動二輪車のエンジン制御装置を収納ボックスと燃料タンクとの間のデッドスペースに配置することで、収納ボックス及び燃料タンクの容量を大きく確保でき、この構成において、エンジン制御装置を泥除けの上部で上方から覆うことで、シートを開いた状態であっても、エンジン制御装置を雨水等から保護できる。
さらに、第2係止部は、第1係止部の間に位置するため、第1係止部に取付けた泥除けによって、第2係止部ごと電装部品を上方から覆うことがき、簡単な構造で防水できる。
また、電装部品の前方を泥除けで覆うことができ、高い防水効果が得られる。また、第3係止部が少なくとも2箇所設けられるため、確実に泥除けを保持できる。また、製造時において第3係止部及び第1係止部の型の抜き方向が同じになり、生産性を向上できる。
また、ハーネスが通るリヤフェンダーの側部の切欠部からエンジン制御装置側に水が入ることを車体フレームによって防止できる。また、スクータ型車両のエンジン制御装置を収納ボックスと燃料タンクとの間のデッドスペースに配置することで、収納ボックス及び燃料タンクの容量を大きく確保でき、この構成において、エンジン制御装置を泥除けの上部で上方から覆うことで、シートを開いた状態であっても、エンジン制御装置を雨水等から保護できる。
図1に示すように、自動二輪車1は、運転者が足を載せる低床フロア32を有するスクータ型車両であり、車体フレームFの前方に前輪3を有し、駆動輪である後輪4(後車輪)は、車体フレームFの後部に連結されるスイングユニット10に支持されている。車体フレームFは、樹脂製の車体カバーCによって覆われている。
シートフレーム14は、アンダーフレーム13から後上がりに延びるシートフレーム前部14Aと、シートフレーム前部14Aよりも緩い傾斜で後上がりに延びるシートフレーム後部14Bとを有している。
アンダーフレーム13の後部には、スイングユニット10を上下に揺動自在に支持するリンク24の一端が連結され、リンク24の他端にはスイングユニット10の前部が連結されている。スイングユニット10の後部と左側のシートフレーム14の後部との間には、リヤクッションユニット25が掛け渡されている。
エンジン41はシリンダ軸線が略水平に配置された単気筒エンジンである。エンジン41は、車幅方向に延びるクランク軸を支持するクランクケース51と、クランクケース51の前面に結合されるシリンダブロック52と、シリンダブロック52に結合されるシリンダヘッド53とを備えている。
変速機42は、エンジン41の後部から車体中心よりも左側を通って後輪4の左側面へ延び、後輪4は、変速機42の後部に片持ちで軸支されている。
エンジン41の排気管44は、エンジン41の下面から後方に延び、後輪4の右側面側のマフラー45に接続されている。
図2〜図4に示すように、リヤフェンダー前部37Aは板状に形成され、左右のシートフレーム後部14B,14B間に掛け渡されるように配置されている。左右のシートフレーム後部14B,14Bの内側面には、車幅方向内側に突出するステー60,60が設けられており、リヤフェンダー前部37Aの前部は、左右の側部に上方から挿通されるボルト60A,60Aによってステー60,60に固定される。
左右のシートフレーム後部14B,14Bの後部間には、板状のクロスメンバ61(図3)が掛け渡されている。クロスメンバ61の後部の左右端には、ステー62,62が形成されており、リヤフェンダー前部37Aの後部は、左右の側部に外側方から挿通されるボルト62A,62Aによってステー62,62に固定される。
燃料タンク21は、その側面に形成されたフランジ部21A(図2)が台状ステー63,63及び台状ステー64,64上に載置され、上方からフランジ部21Aに挿通されるタンク固定ボルト(不図示)によって各台状ステー63,64に締結される。燃料タンク21の底部21Bはシートフレーム後部14Bの下面よりも下方まで延びており、底部21Bは、リヤフェンダー前部37Aによって下方から覆われている。給油口21Cは、燃料タンク21の後部の上面に設けられている。
左側のシートフレーム後部14Bには、車幅方向内側に延びるクッションステー部68が形成されており、リヤクッションユニット25の上端はクッションステー部68に連結される。クッションステー部68の近傍のリヤフェンダー前部37Aには、リヤクッションユニット25を避けるように切り欠かれたクッション避け部69が形成されている。
図3、図5及び図6に示すように、前方延出部70には、リヤフェンダー前部37Aの板部を下方に膨出させるようにしてECU収納部71が形成されている。ECU収納部71は、車幅方向に長いトレイ状に形成されており、ECU47が載置される底壁部71Aと、底壁部71Aの前端に立設される前壁部71Bと、底壁部71Aの後端に立設される後壁部71Cと、車幅方向外側の端の左壁部71D及び右壁部71Eとを有している。
ECU収納部71の左右の外側方には、ステー60,60上に載置される固定部79,79設けられ、各固定部79には、ボルト60Aが挿通される固定孔79Aが形成されている。
また、底壁部71Aの低部には、下方に連通する水抜き孔78が形成されている。
ECU収納部71の後壁部71Cには、後壁部71Cに沿って上方に突出する板状の第2係止部74(図6)が形成されている。第2係止部74は、リヤフェンダー前部37Aの車幅方向の中央部において1箇所に形成されており、車幅方向の中央部に位置する2つの第1係止部72,72の間に位置している。第2係止部74の上端には、後方に突出する爪部74Aが形成されている。
図2、図6及び図7に示すように、泥除け55は板状に形成されており、リヤフェンダー前部37Aから下方に延びてリヤフェンダー前部37Aとスイングユニット10との間を塞ぐ泥除け本体部56と、泥除け本体部56の上端からリヤフェンダー前部37Aの上方へ延出されてECU47を上方から覆う上方延出部57(泥除けの上部)とを有している。泥除け55はゴム製の板であり、可撓性を有している。
泥除け本体部56の上端部には、各第1係止部72に嵌合する本体部嵌合孔56A・・・が、車幅方向に並んで複数(本実施の形態では5箇所)形成されている。
泥除け55は、本体部嵌合孔56A・・・が第1係止部72・・・に嵌合され、開口部73Aを通って上方に延びた上方延出部57がECU47に上方から巻き付くように前下方に屈曲され、延出部嵌合孔57A,57AがECU47よりも下方に位置する第3係止部75,75に嵌合されることでリヤフェンダー前部37Aに固定される。
すなわち、ECU47は、ECU収納部71に収納されて下面、後面及び前面の下部を覆われるとともに、泥除け55の上方延出部57によって上面及び前面を覆われている。
このように、泥除け55をリヤフェンダー前部37Aの開口部73Aから上方に延出し、上方延出部57でECU47を覆うことで防水性を確保したため、部品点数を増加させずに簡単な構成でECU47を防水できる。
また、ECU47をECU収納部71に固定する第2係止部74は、車幅方向の中央部に位置する2つの第1係止部72,72の間に位置し、これら第1係止部72,72の間隔よりも幅が小さいため、第1係止部72,72に取付けた泥除け55によって、第2係止部74ごとECU47を上方から覆うことがき、簡単な構造で防水できる。
さらに、第3係止部75,75がECU47の下方に設けられ、上方延出部57はECU47を前方から覆って下方の第3係止部75,75に固定され、上方延出部57によってECU47を前方から覆うことができるため、高い防水効果が得られる。
リヤフェンダー37は、金型による樹脂成形によって製造され、この金型は、リヤフェンダー37の上面側に設けられる上型101と、リヤフェンダー37の下面側に設けられる下型102とを有している。この金型の抜き方向は、リヤフェンダー37の上下方向である。
また、図示は省略するが、第3係止部75は、第1係止部72と同様に、開口部76を通って下方に延びる上型101の突出部と、この突出部に合わさる下型102の穴部との間に形成された空洞部によって形成される。
また、図3及び図6に示すように、車幅方向の中央に位置する2つの第1係止部72,72及び爪部74Aを有する第2係止部74は、平面視において、開口部73A内に設けられている。このため、金型を通すための孔である開口部73Aを第1係止部72用と爪部74A用とで共用でき、金型用の孔を個別に設ける場合に比して、孔の面積を小さくできる。このため、開口部73Aの面積を小さくでき、リヤフェンダー37の剛性を向上できる。
図5、図9及び図10に示すように、切欠部81は、側面視で上方に開放したU字状に形成されており、このU字の縁部から車幅方向外側に延びる壁部82を有している。壁部82は、互いに前後に離間して上下に延びる前板部82A及び後板部82Bと、前板部82Aの下端と後板部82Bの下端とを連結する円弧状の屈曲板部82Cとを有している。ハーネス80は、屈曲板部82Cに下方から支持され、前板部82Aと後板部82Bとの間を通って外側に引き出され、右側のシートフレーム14の下面に沿って外側に延び、その後、右側のシートフレーム14の外面に沿って前下方に延びる。
また、図3及び図9に示すように、切欠部81は、車体フレームFのボックスステー67によって上方を覆われている。このため、ボックスステー67によって水を防ぐことができ、切欠部81に上方から水が侵入することを防止できる。
また、ECU47がECU収納部71内の車幅方向の中央に設けられているため、切欠部81等を介して側方から水が侵入したとしても、ECU47に水が直接かかることを防止できる。
まず、単品で用意されたリヤフェンダー37に、泥除け55が仮組みされて小組体が形成される。この段階では、泥除け55は、上方延出部57が開口部73Aに通され、本体部嵌合孔56A・・・が第1係止部72・・・に固定されており、延出部嵌合孔57A,57Aは固定されていない。
次に、リヤフェンダー37は、車体フレームFが搬送されるメインライン上で、シートフレーム14,14に固定される。
このように、泥除け55をリヤフェンダー37に予め小組みしておくことができ、メインライン上では、ECU47をECU収納部71にセットして延出部嵌合孔57A,57Aを第3係止部75,75に固定するだけで良く、メインライン上の作業工程を簡単にできるため、生産性を向上することができる。
また、第2係止部74は、車幅方向の中央部の第1係止部72,72の間に位置するため、第1係止部72,72に取付けた泥除け55によって、第2係止部74ごとECU47を上方から覆うことがき、簡単な構造で防水できる。
また、リヤフェンダー37には泥除け55が通される開口部73Aが設けられ、平面視で開口部73A内に第1係止部72,72及び第2係止部74が設けられるため、金型用と泥除け55用とで開口部73Aを共用して開口部73Aの面積を小さくでき、リヤフェンダー37の剛性を確保できる。
上記の実施の形態では、第1係止部72・・・は5箇所に設けられるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1係止部72・・・は少なくとも2箇所に設けられることが好ましい。また、上記の実施の形態では、第2係止部74は1箇所に設けられるものとして説明したが、第2係止部74は少なくとも1箇所に設けられれば良く、例えば2箇所に設けられても良い。
また、上記の実施の形態では、第3係止部75,75は、2箇所に設けられるものとして説明したが、第3係止部75,75は、少なくとも2箇所に設けられることが好ましく、例えば、3箇所に設けられても良い。
また、上記の実施の形態では、電装部品はECU47であるものとして説明したが、これに限らず、例えば、電装部品は、イグニッションコイルやヒューズボックス等であっても良い。
4 後輪(後車輪)
10 スイングユニット
20 収納ボックス
21 燃料タンク
22 シート
37 リヤフェンダー
47 ECU(電装部品、エンジン制御装置)
55 泥除け
57 上方延出部(泥除けの上部)
70 前方延出部
72 第1係止部
73A 開口部(泥除けが通される開口部)
74 第2係止部
75 第3係止部
80 ハーネス
81 切欠部
F 車体フレーム
Claims (6)
- 後車輪(4)とともに車体に対して揺動するスイングユニット(10)の上方に設けられるシート(22)と、当該シート(22)の下方に設けられる収納ボックス(20)と、当該収納ボックス(20)の後方に設けられる燃料タンク(21)とを備えたスクータ型車両において、
前記後車輪(4)の上方を覆うリヤフェンダー(37)は、前部が前記燃料タンク(21)よりも前方へ延出された前方延出部(70)を有し、当該前方延出部(70)の上方に電装部品(47)が配置され、
前記リヤフェンダー(37)の前部から下方へ延出し、前記後車輪(4)の前方の前記スイングユニット(10)と前記リヤフェンダー(37)との間を塞ぐ泥除け(55)を備え、
前記泥除け(55)の上部(57)は、前記リヤフェンダー(37)より上方へ延出され、前記電装部品(47)の上方を覆うことを特徴とするスクータ型車両。 - 前記泥除け(55)は、前記リヤフェンダー(37)に設けられた第1係止部(72)に係止されるとともに、前記上部(57)が前記電装部品(47)に上方から巻き付くように前下方に屈曲した状態で前記リヤフェンダー(37)に設けられた第3係止部(75)に係止され、
前記電装部品(47)は、前記リヤフェンダー(37)に設けられた第2係止部(74)に係止されることを特徴とする請求項1記載のスクータ型車両。 - 前記第1係止部(72)は、前記リヤフェンダー(37)から前後方向に突出して少なくとも2箇所設けられ、前記第2係止部(74)は、前記リヤフェンダー(37)から上方に突出して少なくとも1箇所設けられ、前記第2係止部(74)は、前記第1係止部(72)の間に位置することを特徴とする請求項2記載のスクータ型車両。
- 前記前下方に屈曲した状態の前記上部(57)は、前記電装部品(47)の下方に延び、
前記第3係止部(75)は、前記電装部品(47)の下方に設けられ、前記第1係止部(72)と同方向に、前記リヤフェンダー(37)から後方向に突出して少なくとも2箇所設けられることを特徴とする請求項2記載のスクータ型車両。 - 前記リヤフェンダー(37)には前記泥除け(55)が通される開口部(73A)が設けられ、平面視で前記開口部(73A)内に前記第1係止部(72)及び前記第2係止部(74)が設けられることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のスクータ型車両。
- 前記リヤフェンダー(37)は、車体フレーム(F)に取付けられ、
前記電装部品(47)はエンジン制御装置(47)であり、当該エンジン制御装置(47)にはハーネス(80)が接続され、当該ハーネス(80)は前記リヤフェンダー(37)の側部に設けられた切欠部(81)を通って車幅方向外側に延出され、前記切欠部(81)は、上方及び外側方を前記車体フレーム(F)によって覆われていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のスクータ型車両。
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