JP5828288B2 - 微細繊維状セルロースの製造方法、不織布の製造方法、微細繊維状セルロース、微細繊維状セルロース含有スラリー、不織布、および複合体 - Google Patents
微細繊維状セルロースの製造方法、不織布の製造方法、微細繊維状セルロース、微細繊維状セルロース含有スラリー、不織布、および複合体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5828288B2 JP5828288B2 JP2012024457A JP2012024457A JP5828288B2 JP 5828288 B2 JP5828288 B2 JP 5828288B2 JP 2012024457 A JP2012024457 A JP 2012024457A JP 2012024457 A JP2012024457 A JP 2012024457A JP 5828288 B2 JP5828288 B2 JP 5828288B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cellulose
- fine fibrous
- fibrous cellulose
- group
- nonwoven fabric
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D01—NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
- D01F—CHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
- D01F2/00—Monocomponent artificial filaments or the like of cellulose or cellulose derivatives; Manufacture thereof
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08B—POLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
- C08B3/00—Preparation of cellulose esters of organic acids
- C08B3/12—Preparation of cellulose esters of organic acids of polybasic organic acids
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L1/00—Compositions of cellulose, modified cellulose or cellulose derivatives
- C08L1/08—Cellulose derivatives
- C08L1/10—Esters of organic acids, i.e. acylates
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D01—NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
- D01F—CHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
- D01F1/00—General methods for the manufacture of artificial filaments or the like
- D01F1/02—Addition of substances to the spinning solution or to the melt
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D21—PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
- D21H—PULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- D21H11/00—Pulp or paper, comprising cellulose or lignocellulose fibres of natural origin only
- D21H11/16—Pulp or paper, comprising cellulose or lignocellulose fibres of natural origin only modified by a particular after-treatment
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D21—PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
- D21H—PULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- D21H11/00—Pulp or paper, comprising cellulose or lignocellulose fibres of natural origin only
- D21H11/16—Pulp or paper, comprising cellulose or lignocellulose fibres of natural origin only modified by a particular after-treatment
- D21H11/18—Highly hydrated, swollen or fibrillatable fibres
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D21—PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
- D21H—PULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- D21H11/00—Pulp or paper, comprising cellulose or lignocellulose fibres of natural origin only
- D21H11/16—Pulp or paper, comprising cellulose or lignocellulose fibres of natural origin only modified by a particular after-treatment
- D21H11/20—Chemically or biochemically modified fibres
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L2205/00—Polymer mixtures characterised by other features
- C08L2205/14—Polymer mixtures characterised by other features containing polymeric additives characterised by shape
- C08L2205/16—Fibres; Fibrils
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Textile Engineering (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
- Paper (AREA)
Description
特許文献3には、セルロースのヒドロキシ基の一部に多塩基酸無水物を半エステル化してカルボキシ基を導入した後、解繊して微細化処理する方法が開示されている。
本発明は、上記問題を解決した微細繊維状セルロースの製造方法、不織布の製造方法、微細繊維状セルロース、微細繊維状セルロース含有スラリー、不織布、および複合体を提供することを目的とする。
[1] 2つ以上のカルボキシ基を有する化合物、2つ以上のカルボキシ基を有する化合物の酸無水物、およびそれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のカルボン酸系化合物により、セルロースを含む繊維原料を処理して、セルロースにカルボキシ基を導入するカルボキシ基導入工程と、前記カルボキシ基導入工程終了後に、カルボキシ基を導入したセルロースをアルカリ溶液で処理するアルカリ処理工程と、前記アルカリ処理した後のセルロースを解繊処理する解繊処理工程とを有することを特徴とする微細繊維状セルロースの製造方法。
[2] 前記カルボキシ基導入工程では、セルロースに前記カルボン酸系化合物を付加する、[1]に記載の微細繊維状セルロースの製造方法。
[3] 前記カルボキシ基導入工程では、ガス化した前記カルボン酸系化合物によりセルロースを処理する、[1]または[2]に記載の微細繊維状セルロースの製造方法。
[4] 前記繊維原料の水分を予め10%以下にする、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースの製造方法。
[5] [1]〜[4]のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースの製造方法により製造した微細繊維状セルロースを含むスラリー(以下、「解繊パルプスラリー」という。)を濾材上で脱水して湿紙を得る脱水工程と、前記湿紙を乾燥させる乾燥工程とを有することを特徴とする不織布の製造方法。
(構造式(1)において、Rは、飽和-直鎖状炭化水素基、飽和-分岐鎖状炭化水素基、飽和-環状炭化水素基、不飽和-直鎖状炭化水素基、不飽和-分岐鎖状炭化水素基、芳香族基、および単結合のいずれかであり、Mはカチオン性基である。)。
[8] [6]に記載の微細繊維状セルロースを含有する不織布。
[9] [6]に記載の微細繊維状セルロースと、マトリックス材料とを含有する複合体。
[10] [8]に記載の不織布と、マトリックス材料とを含有する複合体。
本発明の不織布の製造方法によれば、繊維原料に対する不織布の製造効率を向上させることができる。
本発明の微細繊維状セルロースは繊維幅が小さくて、軸比(繊維長/繊維幅)が大きいため、微細繊維状セルロースのスラリー安定性が高く、得られた不織布は強度が高い。また、本発明の微細繊維状セルロースと、マトリックス樹脂の複合体は高強度を有し、線熱膨張率が低い。
本発明の微細繊維状セルロースは、ヒドロキシ基(−OH基)の一部が、下記構造式(1)に示す官能基で置換されたものである。また、通常製紙用途で用いるパルプ繊維よりもはるかに細いセルロース繊維あるいは棒状粒子である。
構造式(1)におけるRを構成する炭素原子数は20以下であることが好ましく、10以下であることより好ましい。Rを構成する炭素原子数が20を超える場合には、カルボン酸化合物の分子が大きくなりすぎて、繊維原料に浸透しにくくなるおそれがある。なお、Rを構成する炭素原子数が0のときは単結合であり、Rの両側のエステル基とカルボキシ基は直接結合している。
また、構造式(1)におけるRについては、炭化水素基からなる主構造に対して、複数のカルボキシ基やヒドロキシ基を有することもできる。
カルボン酸塩を形成するカチオン性基Mとしては、1価および多価のカチオン性基を必要に応じて選択して使用することができる。具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の陽イオンや、カルシウム、マグネシウム等の2価金属の陽イオン、およびアンモニウム、脂肪族アンモニウム、芳香族アンモニウム等が挙げられ、1種または2種類以上のカチオン性基を組み合わせて適用することもできる。上記カチオン性基Mのうち、汎用的であることから、ナトリウムイオン、カリウムイオンおよびアンモニウムが好ましい。
微細繊維状セルロースに透明性が求められる用途においては、繊維幅が30nmを超えると、可視光の波長の1/10に近づき、マトリックス材料と複合した場合には界面で可視光の屈折及び散乱が生じ易く、透明性が低下する傾向にあるため、繊維幅は2nm〜30nmが好ましく、より好ましくは2〜20nmである。前記のような微細繊維状セルロースから得られる複合体は、一般的に緻密な構造体となるために強度が高く、セルロース結晶に由来した高い弾性率が得られることに加え、可視光の散乱が少ないため高い透明性も得られる。
また、微細繊維状セルロースの電子顕微鏡観察による繊維幅の測定は以下のようにして行う。濃度0.05〜0.1質量%の微細繊維状セルロース含有スラリーを調製し、該スラリーを親水化処理したカーボン膜被覆グリッド上にキャストしてTEM観察用試料とする。幅広の繊維を含む場合には、ガラス上にキャストした表面のSEM像を観察してもよい。構成する繊維の幅に応じて1000倍、5000倍、10000倍、20000倍、40000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。但し、試料、観察条件や倍率は下記の条件を満たすように調整する。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、該直線Xに対し、20本以上の繊維が交差する。
(2)同じ画像内で該直線と垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
上記条件を満足する観察画像に対し、直線X、直線Yと交錯する繊維の幅を目視で読み取る。こうして少なくとも重なっていない表面部分の画像を3組以上観察し、各々の画像に対して、直線X、直線Yと交錯する繊維の幅を読み取る。このように少なくとも20本×2×3=120本の繊維幅を読み取る。本発明における微細繊維幅はこのように読み取った繊維幅の平均値である。
本発明の微細繊維状セルロースの製造方法は、セルロースを含む繊維原料をカルボン酸系化合物により処理して、セルロースにカルボキシ基導入するカルボキシ基導入工程と、前記カルボキシ基導入工程終了後に、カルボキシ基を導入したセルロース(以下、「カルボキシ基導入セルロース」という。)をアルカリ溶液で処理するアルカリ処理工程と、前記アルカリ処理した後のセルロース(以下、「アルカリ処理セルロース」という。)を解繊処理する解繊処理工程とを有する。
繊維原料をカルボン酸系化合物により処理する方法としては、繊維原料にガス化したカルボン酸系化合物を混合する方法、繊維原料のスラリーにカルボン酸系化合物を添加する方法等が挙げられる。これらのうち、工程が簡便で且つカルボキシ基導入の効率が高くなることから、繊維原料にガス化したカルボン酸系化合物を混合する方法が好ましい。カルボン酸系化合物をガス化する方法としては、カルボン酸系化合物を加熱する方法が挙げられる。
また、カルボキシ基導入工程では、微細繊維状セルロースの収率がより向上することから、セルロースにカルボン酸系化合物を付加することが好ましい。セルロースへのカルボン酸系化合物の付加では、セルロースのヒドロキシ基にカルボン酸系化合物が付加する。
繊維原料は1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
2つ以上のカルボキシ基を有する化合物としては、プロパン二酸(マロン酸)、ブタン二酸(コハク酸)、ペンタン二酸(グルタル酸)、ヘキサン二酸(アジピン酸)、2−メチルプロパン二酸、2−メチルブタン二酸、2メチルペンタン二酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2−ブテン二酸(マレイン酸、フマル酸)、2−ペンテン二酸、2,4−ヘキサジエン二酸、2−メチル−2−ブテン二酸、2−メチル−2ペンテン二酸、2−メチリデンブタン二酸(イタコン酸)、ベンゼン−1,2−ジカルボン酸(フタル酸)、ベンゼン−1,3−ジカルボン酸(イソフタル酸)、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸(テレフタル酸)、エタン二酸(シュウ酸)等のジカルボン酸化合物が挙げられる。
また、2つ以上のカルボキシ基を有する化合物の誘導体としては、2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸(クエン酸)、ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸(ピロメリット酸)等の前記ジカルボン酸化合物の誘導体が挙げられる。
2つ以上のカルボキシ基を有する化合物の酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水イタコン酸、無水ピロメリット酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸化合物や複数のカルボキシ基を含む化合物の酸無水物が挙げられる。
2つ以上のカルボキシ基を有する化合物の酸無水物の誘導体としては、ジメチルマレイン酸無水物、ジエチルマレイン酸無水物、ジフェニルマレイン酸無水物等の、カルボキシ基を有する化合物の酸無水物の少なくとも一部の水素原子が置換基(例えば、アルキル基、フェニル基等)で置換されたものが挙げられる。
これらのうち、工業的に適用しやすく、また、ガス化しやすいことから、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸が好ましい。
なお、カルボキシ基の導入量については、TAPPI T237 cm−08(2008) Carboxyl content of pulpに準じてカルボキシ基の量を測定して求めた。ただし、カルボキシ基の導入量をより広範囲まで求めることを可能にするために、前記測定方法に用いる試験液のうち、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)/塩化ナトリウム(NaCl)=0.84g/5.85gを蒸留水で1000mlに溶解希釈した試験液について、前記試験液の濃度がほぼ4倍となるように、炭酸水素ナトリウム/塩化ナトリウム=3.36g/23.40gに変更した。また、カルボキシ基導入前後のカルボキシ基の量の差を実質的なカルボキシ基導入量とした。
また、カルボン酸系化合物をガス化する場合には、カルボン酸系化合物の沸点以上あるいは昇華点以上の温度にすることが好ましい。カルボン酸系化合物が無水マレイン酸または無水コハク酸である場合には、100℃以上であることが好ましい。
ただし、水を用いた場合には、カルボン酸系化合物の溶解や加水分解によって生じる酸がセルロースを加水分解するため、繊維長が短くなる可能性がある。
アルカリ処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ溶液中に、カルボキシ基導入セルロースを浸漬する方法が挙げられる。
アルカリ溶液に含まれるアルカリ化合物は、無機アルカリ化合物であってもよいし、有機アルカリ化合物であってもよい。無機アルカリ化合物としては、アルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩またはアルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属のリン酸塩またはアルカリ土類金属のリン酸塩が挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられ、アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化カルシウムが挙げられる。
アルカリ金属の炭酸塩としては炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが挙げられる。アルカリ土類金属の炭酸塩としては炭酸カルシウムなどが挙げられる。
アルカリ金属のリン酸塩としてはリン酸リチウム、リン酸カリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸水素2ナトリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属のリン酸塩としてはリン酸カルシウム、リン酸水素カルシウムなどが挙げられる。
有機アルカリ化合物としては、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミン、脂肪族アンモニウム、芳香族アンモニウム、複素環式化合物およびその水酸化物、炭酸塩、リン酸塩等が挙げられる。
例えば、アンモニア、ヒドラジン、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、シクロヘキシルアミン、アニリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム等が挙げられる。
また、アルカリ溶液のうちでは、汎用性が高いことから、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液およびアンモニア水溶液が特に好ましい。
アルカリ処理工程によるカルボン酸塩の導入量は0.1〜2.0mmol/gであることが好ましい。前記範囲では、上記導入されたカルボキシ基の多くが塩になっている。
セルロースにカルボン酸塩を導入することによって、微細化が容易になり、解繊効率が著しく向上する。また、微細繊維状セルロースのスラリーとしての分散安定性が特に良好になる。理由は定かではないが、セルロース繊維同士の電気的な反発力が強いためと推測される。
解繊処理工程では、通常、解繊処理装置を用いて、アルカリ処理セルロースを解繊処理して、微細繊維状セルロース含有スラリーを得る。
解繊処理装置としては、高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ビーズミル、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、ビーターなど、湿式粉砕する装置等を適宜使用することができる。
本発明においては、セルロースに対して、化学修飾処理を施してもよい。ここで、化学修飾とは、セルロース中のヒドロキシ基に化学修飾剤を反応させて付加させることである。化学修飾処理は、微細繊維状セルロースの製造のどの時点で行ってもよく、繊維原料に施してもよいし、カルボキシ基導入セルロースに施してもよいし、アルカリ処理セルロースに施してもよいし、後述の不織布に施してもよい。また、化学修飾処理を、カルボキシ基導入工程と同時に行ってもよい。
酸無水物としては、例えば無水酢酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水プロパン酸、無水ブタン酸、無水2−ブタン酸、無水ペンタン酸等が挙げられる。
ハロゲン化試薬としては、例えばアセチルハライド、アクリロイルハライド、メタクロイルハライド、プロパノイルハライド、ブタノイルハライド、2−ブタノイルハライド、ペンタノイルハライド、ベンゾイルハライド、ナフトイルハライドが挙げられる。
アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール等が挙げられる。
イソシアナートとしては、例えばメチルイソシアナート、エチルイソシアナート、プロピルイソシアナート等が挙げられる。
アルコキシシランとしては、例えばメトキシシラン、エトキシシラン等が挙げられる。
オキシラン(エポキシ)等の環状エーテルとしては、例えばエチルオキシラン、エチルオキセタンが挙げられる。
これらの中では特に無水酢酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、ベンゾイルハライド、ナフトイルハライドが好ましい。
これらの化学修飾剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
化学修飾を行うことで、セルロースの分解温度が上昇し、耐熱性が高くなるが、化学修飾率が高すぎると、セルロース構造が破壊されて結晶性が低下するため、後述する複合体においては線熱膨張係数が大きくなる傾向にあり、好ましくない。
ここで、滴定に要した0.2N塩酸水溶液の量Z(ml)から、化学修飾により導入された置換基のモル数Qは、下記式で求められる。
Q(mol)=0.5(N)×2(ml)/1000−0.2(N)×Z(ml)/1000
ここで、化学修飾前のカルボキシ基の導入量を、A mmol/g、a mol%、置換基の分子量をSとし、化学修飾基の導入量を、B mmol/g、b mol%、置換基の分子量をTとすると
Ammol/gは先の方法により算出され
Ammol/gから a mol%は以下の式(I)により算出される。
B(mmol/g)=(Q × 1000)/サンプル量−2A (II)
また、Bmmol/gと、 b mol%は以下の式(III)関係にある。
上記微細繊維状セルロースの製造方法によれば、繊維原料を充分に微細化でき、微細繊維状セルロースの収率が高くなって、微細繊維状セルロースの製造効率が向上する。その理由は、カルボキシ基導入セルロースをアルカリ処理することによって、セルロース繊維同士の静電反発力が高くなり、また、セルロース間への水の浸透圧が向上し、解繊性が高くなるため、と推測される。
また、上記微細繊維状セルロースの製造方法は、ニトロキシラジカル誘導体、臭化アルカリおよび酸化剤を用いないため、コストが低く、また、環境負荷が小さい。
本発明の微細繊維状セルロース含有スラリーは、微細繊維状セルロースが分散媒中に分散されてなる。
分散媒としては、水の他に、極性有機溶剤を使用することができ、好ましい極性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブチルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF),ジメチルアセトアミド(DMAc)等が挙げられる。これらは1種であってもよいし、2種以上でもよい。また、微細繊維状セルロース含有スラリーの分散安定性を妨げない範囲であれば、上記の水および極性有機溶剤に加えて非極性有機溶媒を使用しても構わない。
微細繊維状セルロース含有スラリーにおける微細繊維状セルロースの含有量は0.05〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。微細繊維状セルロースの含有量が前記下限値以上であれば、後述の不織布や複合体を製造する際の製造効率に優れ、前記上限値以下であれば、スラリーの分散安定性に優れる。
以下に、本発明の不織布およびその製造方法の一実施形態について説明する。
本発明の不織布は、上記微細繊維状セルロースを含有するものである。
空隙率(vol%)={(1−B/(M×A×t)}×100
ここで、Aは不織布の面積(cm2)、t(cm)は厚み、Bは不織布の質量(g)、Mはセルロースの密度であり、本発明ではM=1.5g/cm3と仮定する。不織布の膜厚は、膜厚計(PEACOK社製 PDN−20)を用いて、不織布の種々な位置について10点の測定を行い、その平均値を採用する。
図5に、本実施形態の不織布の製造方法で使用する製造装置を示す。本実施形態の製造装置1は、脱水セクション20と、脱水セクション20の下流側に設けられた乾燥セクション40と、乾燥セクションの下流側に設けられた巻取セクション60とを具備するものである。
脱水セクション20は、抄紙用ワイヤー10を用いて微細繊維状セルロース含有スラリー3aを脱水して含水ウェブ3bを得るセクションである。
抄紙用ワイヤーとしては、プラスチックワイヤー、金属ワイヤーなどの織布や不織布、紙類を使用することができ、これらのうち、不織布や紙類が好ましい。
吐出部20aには、送出リール21から繰り出された走行中の抄紙用ワイヤー10に微細繊維状セルロース含有スラリー3aを吐出する複数のダイヘッド22と、各ダイヘッド22の下流側に配置され、吐出された微細繊維状セルロース含有スラリー3aの上面を均すプレート24とが設けられている。
吐出部20aおよび脱水部30には、微細繊維状セルロース含有スラリー3aから分散媒を強制的に脱水する吸引装置26,32が設けられている。吸引装置26,32は、抄紙用ワイヤー10の下方に配置され、その上面には真空ポンプ(図示せず)に接続された吸引孔(図示せず)が多数形成されている。ただし、吸引装置26の上流側では吸引孔は形成されず、真空ポンプに接続されていない非吸引孔にされていることが好ましい。上流側に吸引孔が形成されると、微細繊維状セルロース含有スラリー3aの塗膜の表面が粗くなるおそれがある。また、下流側では脱水量が少なくなるため、脱水部30における吸引装置32は、下流側に孔が形成されていなくてもよい。
乾燥セクション40は、含水ウェブ3bを、ドライヤーを用いて乾燥して不織布3cを得るセクションである。 乾燥セクション40には、フード49内に、シリンダードライヤーで構成された第1ドライヤー42および第2ドライヤー52と、第1ドライヤー42の外周に沿って配置されたフェルト布44とが設けられている。第1ドライヤー42は、第2ドライヤー52よりも上流側に配置されている。また、フェルト布44は無端状にされており、ガイドロール46によって、循環走行している。
乾燥セクション40では、含水ウェブ3bを、ガイドロール48によって移送するようになっている。具体的には、まず、含水ウェブ3bの微細繊維状セルロース含有スラリー3aが塗布された面A(以下、「塗布面A」という。)が第1ドライヤー42の外周面に接し、含水ウェブ3bの微細繊維状セルロース含有スラリー3aが塗布されなかった面B(以下、「非塗布面B」という。)がフェルト布44に接するように移送し、次いで、塗布面Aが第2ドライヤー52の外周面に接するようになっている。
巻取セクション60は、抄紙用ワイヤー10から不織布3cを分離し、これを巻き取るセクションである。 巻取セクション60には、抄紙用ワイヤー10から不織布3cを分離する一対の分離ローラ62a,62bと、不織布3cを巻き取る巻取リール64と、使用済みの抄紙用ワイヤー10を巻き取って回収する回収リール66とが設けられている。分離ローラ62bは抄紙用ワイヤー10側に、分離ローラ62aは不織布3c側に配置されている。
本実施形態の不織布の製造方法は、上記微細繊維状セルロースの製造方法により製造した微細繊維状セルロースを含むスラリーを濾材上で脱水して湿紙を得る脱水工程と、前記湿紙を乾燥させて不織布を得る乾燥工程と、不織布を巻き取る巻取工程とを有する。
脱水工程では、抄紙用ワイヤー10を送出リール21から繰り出し、抄紙用ワイヤー10に微細繊維状セルロース含有スラリー3aをダイヘッド22から吐出し、抄紙用ワイヤー10の微細繊維状セルロース含有スラリー3aの上面をプレート24によって均す。それと共に、吸引装置26,32により、抄紙用ワイヤー10上の微細繊維状セルロース含有スラリー3aに含まれる分散媒を吸引し、脱水して、含水ウェブ3bを得る。
脱水工程において、抄紙用ワイヤー10の走行張力が大きい場合には、抄紙用ワイヤー10が破断するおそれがあるため、通常の抄紙に使用されるワイヤーを抄紙用ワイヤー10の下に配置して抄紙用ワイヤー10を支持してもよい。
抄紙用ワイヤー10を湿潤状態にする手段としては、抄紙用ワイヤー10を水に浸漬させる水槽、水の塗工装置が挙げられる。水の塗工装置としては、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター等を使用することができる。
また、微細繊維状セルロース含有スラリー3aは、樹脂エマルションを含有してもよい。ここで、樹脂エマルションとは、粒子径が0.001〜10μmの天然樹脂あるいは合成樹脂の粒子が水中に乳化したエマルションである。樹脂エマルションに含まれる粒子状の樹脂としては特に限定されないが、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、珪素樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の前駆体、およびこれらを構成するモノマーやオリゴマー等の樹脂エマルション、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、分子鎖末端が−SH、−CSSH、−SO3H、−(COO)x M、−(SO3)x Mおよび−CO−R(なお、前記官能基において、Mはカチオン、xはMの価数に依存する1〜3の整数であり、Rはアルキル基である)の群から選ばれる少なくとも1つの官能基で変性されたスチレン−ブタジエン共重合体、酸変性、アミン変性、アミド変性、アクリル変性等の変性スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体等が挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を後乳化法によってエマルション化したものであってもよい。これらの樹脂エマルションは2種類以上含有してもかまわない。
また、本スラリーを脱水し、乾燥した場合、不織布3c中に微細繊維セルロースとマトリックス材料を含有した状態で得られるため、これをさらに加熱や光照射などによって硬化処理を施す方法によって複合化することもできる。この場合、シートを複数枚積層して硬化処理を施してもよい。
水溶性無機塩としては塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウムリン酸ナトリウム、リン酸アンモニウムなどが挙げられる。
カチオン性官能基を含む水溶性有機化合物としてはポリアクリルアミド、ポリビニルアミン、尿素樹脂、メラミン樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、第四級アンモニウム塩を含有するモノマーを重合あるいは共重合したポリマーなどが挙げられる。
ここで、水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール/エチレン共重合体やビニルアルコールとブチラール等その他のモノマー類との共重合体構造を有するもの、ポリエチレンオキサイドあるいはその末端をアルキル修飾したもの、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチラール系樹脂(水溶性のグレード)のようなノニオン性の水溶性高分子、ポリ(メタ)アクリル酸およびポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリ(メタ)アクリル酸の有機アミノ誘導体エステル、ポリエチレンイミンとその誘導体、ポリアミン、ポリアクリルアミド、アクリルアミド・アクリル酸ソーダ共重合物、澱粉、カチオン化澱粉、リン酸化澱粉、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸およびアルギン酸塩等が挙げられる。
無機高分子としてはガラス、シリケート材料、チタネート材料などのセラミックス等が挙げられ、これらは例えばアルコラートの脱水縮合反応により形成することができる。
脱水後の湿紙の水分を有機溶媒で置換する場合には、微細繊維状セルロース含有スラリー3aを脱水の後、固形分5質量%以上30質量%以下に調製した湿紙を有機溶媒あるいは水と有機溶媒の混合溶液に含浸あるいは混合溶液を塗布し、吸引脱水するなどによって処理し、乾燥させることにより本発明の不織布を得ることができる。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノールなどの1価アルコール類、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール 、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリエチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールなどの2価アルコール類、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
エーテルとしては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルなどのグライム類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール等が挙げられる。
ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、t−ブチルメチルケトン、ジイソプロピルケトン、ブチルイソプロピルケトン、イソブチルイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、3−メチル-2−ペンタノン、4−メチル-2−ペンタノン、3−メチル−2−ヘキサノン、5−メチル-3−ヘプタノン、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、5−デカノン等が挙げられる。
エステルとしては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセト酢酸ブチル、酢酸アミル、アセト酢酸アミル、酢酸ヘキシル、アセト酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、アセト酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、アセト酢酸オクチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸メチル、ヘプタン酸エチル、オクタン酸メチル、オクタン酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの脂肪酸エステル、安息香酸メチル、安息香酸エチルなどの芳香族エステルが挙げられる。
芳香族化合物としてはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。
炭化水素としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等が挙げられる。
環状炭化水素としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、テルペン等が挙げられる。
環状炭化水素誘導体としては、シクロペンタノール、シクロペンタノン、シクロペンチルメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロヘキサノンジメチルアセタール、テルピノレン、テルピネオール等が挙げられる。
乾燥工程では、まず、抄紙用ワイヤー10の上面に載置した含水ウェブ3bを、加熱した第1ドライヤー42の外周面の約半周に、第1ドライヤー42の外周面に塗布面Aが接するように巻き掛けて、含水ウェブ3bに残留していた分散媒を蒸発させる。蒸発した分散媒は、抄紙用ワイヤー10の細孔を通ってフェルト布44から蒸発する。
次いで、含水ウェブ3bを、加熱した第2ドライヤー52の外周面の約3/4周に、第2ドライヤー52の外周面に塗布面Aが接するように巻き掛けて、含水ウェブ3bに残留していた分散媒を蒸発させる。
このように含水ウェブ3bを乾燥させて不織布3cを得る。
巻取工程では、抄紙用ワイヤー10および不織布3cを一対の分離ローラ62a,62bで挟み込むことにより、不織布3cを抄紙用ワイヤー10から分離させて一方の分離ローラ62aの表面に転移する。そして、分離ローラ62aの表面から不織布3cを引き離して、巻取りリール64により巻き取る。それと共に、使用した抄紙用ワイヤー10を回収リール66により巻き取る。
本発明の不織布の製造方法では、上記製造装置1を使用しなくてもよい。例えば、抄紙用ワイヤー10を無端または有端のベルトの上に載せて移送してもよい。
また、本発明の不織布の製造方法では、一般の紙を製造する際に使用する抄紙機を容易に適用することができる。抄紙機としては、長網式、円網式、傾斜式等の連続抄紙機のほか、これらを組み合わせた多層抄き合わせ抄紙機を適用できる。
上記不織布の製造方法は、上記製造方法により製造した微細繊維状セルロース含有スラリー3aを濾材上で脱水し、乾燥させて不織布を製造する方法であるため、繊維原料に対する不織布の収率を向上させることができる。
また、本発明の不織布は、単体で使用することもできる。例えば、微細繊維特有の緻密な構造を活かして、フィルター部材や電池用セパレータ等に好適に用いることができる。
本発明の複合体は、微細繊維状セルロースとマトリックス材料とを含むものである。
(マトリックス材料)
本発明において、マトリックス材料とは、微細繊維状セルロース同士の空隙、微細繊維状セルロースが不織布を形成している場合には不織布の空隙を埋める材料であり、好ましくは高分子材料である。
マトリックス材料として好適な高分子材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂(熱硬化性樹脂の前駆体が加熱により重合硬化した硬化物)、光硬化性樹脂(光硬化性樹脂の前駆体が放射線(紫外線や電子線等)の照射により重合硬化した硬化物)が挙げられる。これらは1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
また、低吸水性の複合体を得るためには、マトリックス材料は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基などの親水性の官能基が少ないことが好ましい。
より好ましい範囲は、微細繊維状セルロースの含有量が2質量%以上90質量%以下であり、マトリックス材料が10質量%以上98質量%以下であり、さらに好ましい範囲は、微細繊維状セルロースの含有量が5質量%以上80質量%以下であり、マトリックス材料の含有量が20質量%以上95質量%以下である。特に、本発明の複合体では、微細繊維状セルロースの含有量が70質量%以下でマトリックス材料の含有量が30質量%以上、さらには、微細繊維状セルロースの含有量が60質量%以下で、マトリックス材料の含有量が40質量%以上であることが好ましい。また、微細繊維状セルロースの含有量が10質量%以上でマトリックス材料の含有量が90質量%以下、さらには微細繊維状セルロースの含有量が15質量%以上でマトリックス材料の含有量が85質量%以下、さらには微細繊維状セルロース繊維の含有量が20質量%以上でマトリックス材料の含有量が80質量%以下であることが好ましい。
本発明の複合体が膜状又は平板状である場合には、厚みが10μm以上、10cm以下であることが好ましい。このような厚みの複合体にすることで強度を保つことができる。複合体の厚みは、より好ましくは50μm以上、1cm以下であり、さらに好ましくは80μm以上、250μm以下である。また、厚みは必ずしも均一である必要はなく、部分的に異なっていてもよい。
複合体を製造する方法としては、特に制限はなく、例えば、以下の方法により複合体を得ることができる。
(b) 不織布に熱硬化性樹脂前駆体又は光硬化性樹脂前駆体を含浸させて重合硬化させる方法。
(c) 不織布に樹脂溶液(熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂前駆体、熱硬化性樹脂前駆体、及び光硬化性樹脂前駆体から選ばれる1以上の溶質を含む溶液)を含浸させて乾燥した後、加熱プレス等で密着させ、必要に応じて重合硬化させる方法。
(d) 不織布に熱可塑性樹脂の溶融体を含浸させ、加熱プレス等で密着させる方法
(e) 熱可塑性樹脂シートと不織布とを交互に配置し、加熱プレス等で密着させる方法
(f) 不織布の片面もしくは両面に液状の熱可塑性樹脂前駆体や熱硬化性樹脂前駆体もしくは光硬化性樹脂前駆体を塗布して重合硬化させる方法。
(g) 不織布の片面もしくは両面に樹脂溶液(熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂前駆体、熱硬化性樹脂前駆体、及び光硬化性樹脂前駆体から選ばれる1以上の溶質を含む溶液)を塗布して、溶媒を除去後、必要に応じて重合硬化させる方法。
(h) 微細繊維状セルロース含有スラリーとモノマー溶液又は分散液(熱可塑性樹脂前駆体、熱硬化性樹脂前駆体、及び光硬化性樹脂前駆体から選ばれる1以上の溶質又は分散質を含む溶液又は分散液)とを混合した後、溶媒除去、重合硬化させる方法。
(i) 微細繊維状セルロース含有スラリーと高分子溶液又は分散液(熱可塑性樹脂溶液又は分散液)を混合した後、溶媒を除去する方法。
ここで樹脂を溶解させる溶媒としては、樹脂の溶解性に応じて選択すればよい。
樹脂を溶解させる溶媒としては、樹脂の溶解性に応じて選択すればよい。
メルカプタン化合物としては、例えばペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、トリス[2−(β−チオプロピオニルオキシエトキシ)エチル]トリイソシアヌレートなどの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
硬化性組成物に連鎖移動剤を含有させる場合、連鎖移動剤は硬化性組成物中のラジカル重合可能な化合物の合計に対して、通常30質量%以下の割合で含有させる。
硬化性組成物に紫外線吸収剤を含有させる場合、紫外線吸収剤は硬化性組成物中のラジカル重合な可能化合物の合計100質量部に対して、通常0.01〜1質量部の割合で含有させる。
硬化性組成物にシランカップリング剤を含有させる場合、シランカップリング剤は、硬化性組成物中のラジカル重合な可能化合物の合計に対して通常0.1〜50質量%、好ましくは1〜20質量%となるように含有させる。この配合量が少な過ぎると、これを含有させる効果が充分に得られず、また、多過ぎると、硬化物の透明性などの光学特性が損なわれる恐れがある。
硬化方法としては、例えば、熱硬化、又は放射線硬化等が挙げられ、好ましくは放射線硬化である。放射線としては、赤外線、可視光線、紫外線、電子線等が挙げられるが、好ましくは波長1〜1000nmの電磁波である光である。より好ましくは波長が200nm〜450nm程度の電磁波であり、さらに好ましくは波長が300〜400nmの紫外線である。
また、放射線を複数回に分割して照射すると、さらに好ましい。すなわち1回目に全照射量の1/20〜1/3程度を照射し、2回目以降に必要残量を照射すると、複屈折のより小さな硬化物が得られる。
放射線照射に使用するランプの具体例としては、メタルハライドランプ、高圧水銀灯ランプ、紫外線LEDランプ、無電極水銀ランプ等を挙げることができる。
光照射時に熱重合が開始されると、重合を制御することが難しくなるので、熱重合開始剤は好ましくは1分半減期温度が120℃以上であることがよい。
ただし、光重合開始剤が光カチオン重合開始剤である場合には、カチオン重合性モノマーの総量100質量部に対して、0.01質量部以上、好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上である。その上限は、通常10質量部以下、好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは1質量部以下である。
光重合開始剤の添加量が多すぎると、重合が急激に進行し、得られる硬化物の複屈折を大きくするだけでなく色相を悪化させる。例えば、光重合開始剤の濃度を5質量部とした場合、光重合開始剤の吸収により、紫外線の照射と反対側に光が到達できずに未硬化の部分が生ずる。また、黄色く着色し色相の劣化が著しい。一方、少なすぎると紫外線照射を行っても重合が充分に進行しないおそれがある。
不織布の微細繊維状セルロースに化学修飾を施す場合には、不織布をアルコール等の有機溶媒で置換し、乾燥した後に化学修飾を行ってもよいし、乾燥せずに化学修飾を行ってもよいが、乾燥後の方が化学修飾の反応速度が速くなるため好ましい。乾燥は送風乾燥でもよいし、減圧乾燥でもよいし、加圧乾燥でもよい。また、加熱しても構わない。
乾燥の際に加熱する場合、温度は50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、また、250℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。加熱温度が低すぎると乾燥に時間がかかったり、乾燥が不充分になる可能性があり、加熱温度が高すぎると不織布が着色したり、分解したりする可能性がある。
また、加圧する場合、圧力(ゲージ圧)は0.01MPa以上が好ましく、0.1MPa以上がより好ましく、また、5MPa以下が好ましく、1MPa以下がより好ましい。圧力が低すぎると乾燥が不充分になる可能性があり、圧力が高すぎると不織布がつぶれたり分解する可能性がある。
次に、本発明の複合体の物性について説明する。
複合体の黄色度は例えば、スガ試験機製カラーコンピューターを用いて測定することができる。
なお、複合体の黄色度は、セルロース繊維を化学修飾したり、透明性の高いマトリックス材料を用いたりすることにより、小さくすることができる。
複合体のヘーズは、例えばスガ試験機製ヘーズメータで測定することができ、C光の値を用いる。
特に、ディスプレイ用基板用途において、基板の引張弾性率には好適範囲が存在し、基板の引張弾性率が低いと基板は自重で曲がってしまい、平滑な面を形成することが難しくなる。そのため、トランジスタやその他の素子を精度よく形成することができなくなる。一方、引張弾性率が高すぎると硬く脆くなり、基板自体が割れるなど不都合が生じる。
本発明の複合体において、微細繊維状セルロースとして繊維幅が30nm以下、特に好ましくは20nm以下を用い、マトリックス材料として透明樹脂を用いた場合には、複合体の透明性も高くなり、ヘーズが小さくなる。また、本発明の複合体においては、マトリックス材料を適宜選択することによって、吸水性を低下させることもできる。本発明の複合体のうち、透明性が高く、ヘーズが小さく、高強度、低吸水性のものは光学特性に優れるため、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイや基板やパネルとして好適である。また、シリコン系太陽電池、色素増感太陽電池などの太陽電池用基板に好適である。基板としての用途において、バリア膜、ITO、TFT等と積層してもよい。また、自動車用の窓材、鉄道車両用の窓材、住宅用の窓材、オフィスや工場などの窓材などに好適に使われる。窓材としては、必要に応じてフッ素皮膜、ハードコート膜等の膜や耐衝撃性、耐光性の素材を積層してもよい。
広葉樹クラフトパルプ(LBKP)を105℃で3時間乾燥させて水分3質量%以下の乾燥パルプを得た。次いで、乾燥パルプ4gと無水マレイン酸4g(乾燥パルプ100質量部に対して100質量部)とをオートクレーブに充填し、150℃で2時間処理した。
次いで、無水マレイン酸で処理されたパルプを500mLの水で3回洗浄した後、イオン交換水を添加して490mLのスラリーを調製した。
次いで、スラリーを攪拌しながら、4Nの水酸化ナトリウム水溶液10mLを少しずつ添加し、スラリーのpHを12〜13として、パルプをアルカリ処理した。その後、pHが8以下になるまで、アルカリ処理後のパルプを水で洗浄した。
次いで、アルカリ処理後のパルプにイオン交換水を添加し、固形分濃度0.5質量%のスラリーを調製した。そのスラリーを、解繊処理装置(エムテクニック社製、クレアミックス−2.2S)を用いて、21500回転/分の条件で30分間解繊処理して、最後に冷却/高速遠心機(コクサン社製、H−2000B)を用いて12000Gで10分間遠心分離してから上澄みを回収し、解繊パルプスラリーを得た。
解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された(図1参照)。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、結晶化度は84%であった。FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、1580および1720cm−1付近にカルボキシ基に基づく吸収が見られ、マレイン酸の付加が確認された。
無水マレイン酸の代わりに無水コハク酸を用いた以外は実施例1と同様にして解繊パルプスラリーを得た。解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された(図2参照)。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、結晶化度は82%であった。FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、コハク酸の付加が確認された。
無水マレイン酸の添加量を12g(乾燥パルプ100質量部に対して300質量部)に、無水マレイン酸による処理時間を1時間に、洗浄媒をアセトンに変更した以外は実施例1と同様にして解繊パルプスラリーを得た。解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された(図3参照)。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、マレイン酸の付加が確認された。
広葉樹クラフトパルプを乾燥せず、無水マレイン酸による処理時間を1時間に変更した以外は実施例3と同様にして解繊パルプスラリーを得た。解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された(図4参照)。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、マレイン酸の付加が確認された。
広葉樹クラフトパルプの代わりに針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を用い、無水マレイン酸の添加量を2g(乾燥パルプ100質量部に対して50質量部)に変更した以外は実施例1と同様にして解繊パルプスラリーを得た。
解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、マレイン酸の付加が確認された。
広葉樹クラフトパルプの代わりに麻パルプを用い、無水マレイン酸の添加量を2gに変更した以外は実施例1と同様にして解繊パルプスラリーを得た。解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、マレイン酸の付加が確認された。
無水マレイン酸4gを無水マレイン酸2g(乾燥パルプ100質量部に対して50質量部)に変更した以外は実施例1と同様にして解繊パルプスラリーを得た。解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、マレイン酸の付加が確認された。
無水マレイン酸4gを無水フタル酸2g(乾燥パルプ100質量部に対して50質量部)に変更した以外は実施例1と同様にして解繊パルプスラリーを得た。解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、フタル酸の付加が確認された。
広葉樹クラフトパルプを105℃で3時間乾燥させて水分3質量%以下の乾燥パルプを得た。次いで、乾燥パルプ4gと無水マレイン酸2g(乾燥パルプ100質量部に対して50質量部)とをオートクレーブに充填し、150℃で2時間処理した。
次いで、水による洗浄をせずに、0.8質量%の水酸化ナトリウム水溶液250mLに乾燥パルプを分散し、スラリーを攪拌しながらパルプをアルカリ処理した。パルプスラリーのpHは12.5程度であった。その後、pHが8以下になるまで、アルカリ処理後のパルプを水で洗浄した。
次いで、アルカリ処理後のパルプにイオン交換水を添加し、固形分濃度0.5質量%のスラリーを調製した。そのスラリーを、解繊処理装置(エムテクニック社製、クレアミックス−2.2S)を用いて、21500回転/分の条件で30分間解繊処理して、最後に冷却/高速遠心機(コクサン社製、H−2000B)を用いて12000Gで10分間遠心分離してから上澄みを回収し、解繊パルプスラリーを得た。
解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、結晶化度は84%であった。FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、マレイン酸の付加が確認された。
無水マレイン酸2gを無水コハク酸2g(乾燥パルプ100質量部に対して50質量部)に変更した以外は実施例9と同様にして解繊パルプスラリーを得た。解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、コハク酸の付加が確認された。
無水マレイン酸2gを無水フタル酸2g(乾燥パルプ100質量部に対して50質量部)に変更した以外は実施例9と同様にして解繊パルプスラリーを得た。解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、フタル酸の付加が確認された。
未晒広葉樹クラフトパルプ(LUKP、漂白処理をしていないクラフトパルプ)を用いたこと以外は実施例9と同様にして解繊パルプスラリーを得た。解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、マレイン酸の付加が確認された。
酸素晒広葉樹クラフトパルプ(LOKP、酸素漂白処理したクラフトパルプ)を用いたこと以外は実施例9と同様にして解繊パルプスラリーを得た。解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、マレイン酸の付加が確認された。
0.8質量%水酸化ナトリウムの代わりに12.5質量%アンモニア水溶液を用いた以外は実施例9と同様にして解繊パルプスラリーを得た。解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、マレイン酸の付加が確認された。
0.8質量%水酸化ナトリウムの代わりに2.0質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いた以外は実施例9と同様にして解繊パルプスラリーを得た。解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、マレイン酸の付加が確認された。
0.8質量%水酸化ナトリウムの代わりに2.5質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いた以外は実施例9と同様にして解繊パルプスラリーを得た。解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、マレイン酸の付加が確認された。
0.8質量%水酸化ナトリウムの代わりに3.0質量%テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いた以外は実施例9と同様にして解繊パルプスラリーを得た。解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、マレイン酸の付加が確認された。
0.8質量%水酸化ナトリウムの代わりに3.5質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いた以外は実施例9と同様にして解繊パルプスラリーを得た。解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、マレイン酸の付加が確認された。
オートクレーブ中で130℃、2時間反応させた以外は実施例7と同様にして解繊パルプスラリーを得た。解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、マレイン酸の付加が確認された。
実施例3におけるアルカリ処理を省略し、無水マレイン酸処理後のスラリーを解繊処理しようとしたが、スラリーにパルプの塊が多く含まれているため、解繊処理することができなかった。
乾燥パルプの無水マレイン酸による処理を省略し、乾燥パルプをアルカリ処理した後に解繊処理した以外は実施例3と同様にして、解繊パルプスラリーを得た。解繊パルプスラリーに含まれるセルロースについて透過型電子顕微鏡により観察したところ、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された。また、X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持していることが確認された。
無水マレイン酸処理およびアルカリ処理を省略した以外は実施例3と同様にして、解繊パルプスラリーを得た。
無水マレイン酸処理およびアルカリ処理を省略した以外は実施例12と同様にして、解繊パルプスラリーを得た。
パルプを乾燥せず、無水マレイン酸処理及びアルカリ処理を省略した以外は実施例3と同様にして、解繊パルプスラリーを得た。
上記実施例1〜19および比較例2〜5の解繊パルプスラリーについて、遠心分離した後の上澄み収率を以下に記載の方法により測定した。測定結果を表1に示す。なお、遠心分離後の上澄み収率は、微細繊維状セルロースの収率の指標となり、上澄み収率が高い程、微細繊維状セルロースの収率が高い。比較例1については、塊状の粒が多く、解繊処理ができなかったため、上澄み収率を測定することはできなかった。
解繊パルプスラリーにイオン交換水を添加してスラリー固形分濃度0.2質量%に調整し、冷却高速遠心分離機(コクサン社、H−2000B)を用い、12000G×10分間の条件で遠心分離し、得られた上澄み液を回収し、上澄み液の固形分濃度を測定した。そして、上澄み液の固形分濃度/0.2質量%の式より、上澄み液の収率を求めた。
なお、遠心分離後の上澄み収率は、微細繊維状セルロースが凝集した凝集物および繊維幅が太い非微細繊維状のものを排除して求めた微細繊維状セルロースの収率であり、上澄み収率が高い程、より微細な微細繊維状セルロースの収率が高い。
上澄み液を水で希釈し、親水化処理したカーボングリッド膜に滴下した。乾燥後、酢酸ウラニルで染色し、透過型電子顕微鏡(日本電子社製、JEOL−2000EX)により観察した。
ジカルボン酸の無水物による処理を省略した比較例2では、遠心分離後の上澄み収率が低く、微細繊維状セルロース収率が低かった。
また、実施例1〜3と実施例4との対比より、パルプを乾燥した実施例1〜3では、得られる微細繊維状セルロースの繊維長が、パルプを乾燥しなかった実施例4で得た微細繊維状よりも長くなっていた。実施例1〜4で微細繊維状セルロースの繊維幅は同じであるため、軸比は、実施例1〜3で得た微細繊維状セルロースが、実施例4で得た微細繊維状セルロースよりも大きくなっていた(図1〜4参照)。
未漂白のクラフトパルプを用いた実施例12,13は比較例4に比べて遠心分離後の上澄み収率が高く、微細繊維状セルロース収率が高かった。
<不織布の製造>
実施例8で得られた微細繊維状セルロース含有スラリーをセルロース濃度0.127質量%になるように水で希釈して、150mlに調整し、液の上方から30mlのイソプロピルアルコールを静かに加え、減圧濾過を行った。濾過器としてはアドバンテック社製KG−90を用い、ガラスフィルターの上にアドバンテック社製の1.0μm孔径のPTFE製メンブランフィルターを載せた。有効濾過面積は48cm2であった。減圧度−0.09MPa(絶対真空度10kPa)にて減圧濾過したところ、PTFE製メンブランフィルターの上にセルロース繊維の堆積物が得られた。このセルロース堆積物を120℃に加熱したプレス機にて0.15MPaの圧力で5分間プレス乾燥して多孔性の不織布を得た。
<アセチル化不織布の製造>
実施例8の方法でフタル酸を付加したセルロースを115℃、5時間、無水酢酸中でアセチル化した。その後、蒸留水でよく洗浄し、実施例1と同様に解繊し、微細繊維状セルロース含有スラリーを得た。この微細繊維状セルロース含有スラリーを用い、実施例20と同様にして不織布化して、アセチル化不織布を得た。
上記実施例20,21の不織布について、セルロースの化学修飾率および空隙率を以下に記載の方法により測定した。測定結果を表2に示す。
上述した方法により化学修飾率を求めた。
不織布の面積、厚み、質量から、下記式によって求めた。
空隙率(vol%)={(1−B/(M×A×t)}×100
ここで、Aは不織布の面積(cm2)、t(cm)は厚み、Bは不織布の質量(g)、Mはセルロースの密度であり、本発明ではM=1.5g/cm3と仮定した。不織布の膜厚は、膜厚計(Mitutoyo(株)製 IP65)を用いて、不織布の種々な位置について10点の測定を行い、その平均値を採用した。
<樹脂マトリックス材料との複合化>
実施例21で得られたアセチル化セルロース不織布を、1,10−デカンジオールジメタクリレート80質量部、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)20質量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製「ルシリンTPO」)0.02質量部、およびイルガノックス184を0.02質量部を混合した溶液に含浸させ、減圧下で一晩放置した。得られた樹脂溶液を含浸させたセルロース繊維集合体を2枚のガラス板に挟み、無電極水銀灯ランプ(フュージョンUVシステムズ社製「Dバルブ」)を用いて、紫外線硬化させた。紫外線硬化の条件は、波長365nmでの照射強度400mW/cm2、ライン速度7m/minに表裏計10回通して半硬化させ、次いで、波長365nmでの照射強度1900mW/cm2、ライン速度2m/minで表裏各10回(計20回)通して完全硬化させる条件で行った。紫外線照射終了後、ガラス板よりはずし、190℃で酸素分圧0.006MPa以下で1時間加熱して厚み75μmのセルロース繊維複合体を得た。得られた複合体の23℃における引張弾性率は7.0Paであった。
なお、紫外線の放射照度は、オーク製作所製紫外線照度計「UV−M02」で、アタッチメント「UV−35」を用いて、320〜390nmの紫外線の照度を23℃で測定した。
固形分濃度0.2質量%に希釈した実施例3で得られた微細繊維状セルロース含有スラリー50質量部と、固形分濃度0.2質量%に希釈したエポキシ樹脂エマルションW2821R70(ジャパンエポキシレジン社製)スラリーを50質量部と、固形分濃度0.2質量%に希釈したイミダゾール系硬化剤EMI24(ジャパンエポキシレジン社製)5質量部を混合した後、固形分濃度0.2質量%のカチオン性凝結剤(FS−614、栗田工業社製)水溶液を1質量部加えて1分間攪拌した。得られた混合液を坪量50g/m2になるように1.0μm孔径のポリテトラフルオロエチレン製メンブランフィルター上で吸引脱水して堆積物を得た。その堆積物を120℃のシリンダードライヤーで乾燥し、微細繊維状セルロース-マトリックス複合体を得た。
得られた複合体を4枚積層してから170℃に加熱したプレス機により10kgf/cm2の圧力で1時間プレス処理した。プレス後の複合体は厚み150μmであった。得られた複合体の23℃における引張弾性率は6.2GPaであった。
得られた複合体をレーザーカッターにより、10mm幅×40mm長に切断した。これを、SII社製DMS6100を用いて引っ張りモードでチャック間20mm、周波数10Hz、2℃/min.で−100℃から250℃まで測定し、23℃における貯蔵弾性率E’(単位:GPa)より引張弾性率を求めた。
得られた複合体を190℃で酸素分圧0.006MPa以下で1時間加熱した後、JIS規格K7105に準拠し、スガ試験機製カラーコンピューターを用いて黄色度を測定した。
JIS規格K7105に準拠し、スガ試験機製ヘーズメータを用いてC光による全光線透過率を測定した。
得られた複合体をレーザーカッターにより、3mm幅×30mm長に切断した。これを、SII製TMA120を用いて引っ張りモードでチャック間20mm、荷重10g、窒素雰囲気下、室温から180℃まで5℃/min.で昇温、180℃から25℃まで5℃/min.で降温、25℃から180℃まで5℃/min.で昇温した際の2度目の昇温時の60℃から100℃の測定値から線熱膨張率を求めた。
3a 微細繊維状セルロース含有スラリー
3b 含水ウェブ
3c 不織布
10 抄紙用ワイヤー
20 脱水セクション
40 乾燥セクション
60 巻取セクション
Claims (10)
- 2つ以上のカルボキシ基を有する化合物、2つ以上のカルボキシ基を有する化合物の酸無水物、およびそれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のカルボン酸系化合物により、セルロースを含む繊維原料を処理して、セルロースにカルボキシ基を導入するカルボキシ基導入工程と、
前記カルボキシ基導入工程終了後に、カルボキシ基を導入したセルロースをアルカリ溶液で処理するアルカリ処理工程と、
前記アルカリ処理した後のセルロースを解繊処理して微細繊維状セルロースを得る解繊処理工程とを有し、
前記微細繊維状セルロースがI型結晶構造を有し、X線回折法によって求められる結晶化度が60%以上であることを特徴とする微細繊維状セルロースの製造方法。 - 前記カルボキシ基導入工程では、セルロースに前記カルボン酸系化合物を付加する、請求項1に記載の微細繊維状セルロースの製造方法。
- 前記カルボキシ基導入工程では、ガス化した前記カルボン酸系化合物によりセルロースを処理する、請求項1または2に記載の微細繊維状セルロースの製造方法。
- 前記繊維原料の水分を予め10%以下にする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースの製造方法により製造した微細繊維状セルロースを含むスラリーを濾材上で脱水して湿紙を得る脱水工程と、前記湿紙を乾燥させる乾燥工程とを有することを特徴とする不織布の製造方法。
- 1〜1000nmの繊維幅を有し、繊維を構成するセルロースのヒドロキシ基の一部が、下記構造式(1)に示す官能基で置換されており、かつI型結晶構造を有し、X線回折法によって求められる結晶化度が60%以上であることを特徴とする、微細繊維状セルロース。
- 請求項6に記載の微細繊維状セルロースが分散媒中に分散されてなる微細繊維状セルロース含有スラリー。
- 請求項6に記載の微細繊維状セルロースを含有する不織布。
- 請求項6に記載の微細繊維状セルロースと、マトリックス材料とを含有する複合体。
- 請求項8に記載の不織布と、マトリックス材料を含有する複合体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012024457A JP5828288B2 (ja) | 2011-08-08 | 2012-02-07 | 微細繊維状セルロースの製造方法、不織布の製造方法、微細繊維状セルロース、微細繊維状セルロース含有スラリー、不織布、および複合体 |
PCT/JP2012/070208 WO2013022025A1 (ja) | 2011-08-08 | 2012-08-08 | 微細繊維状セルロースの製造方法、不織布の製造方法、微細繊維状セルロース、微細繊維状セルロース含有スラリー、不織布、及び複合体 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011173194 | 2011-08-08 | ||
JP2011173194 | 2011-08-08 | ||
JP2011258674 | 2011-11-28 | ||
JP2011258674 | 2011-11-28 | ||
JP2012024457A JP5828288B2 (ja) | 2011-08-08 | 2012-02-07 | 微細繊維状セルロースの製造方法、不織布の製造方法、微細繊維状セルロース、微細繊維状セルロース含有スラリー、不織布、および複合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013136859A JP2013136859A (ja) | 2013-07-11 |
JP5828288B2 true JP5828288B2 (ja) | 2015-12-02 |
Family
ID=47668531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012024457A Active JP5828288B2 (ja) | 2011-08-08 | 2012-02-07 | 微細繊維状セルロースの製造方法、不織布の製造方法、微細繊維状セルロース、微細繊維状セルロース含有スラリー、不織布、および複合体 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5828288B2 (ja) |
WO (1) | WO2013022025A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016145356A (ja) * | 2016-02-10 | 2016-08-12 | 王子ホールディングス株式会社 | 繊維状セルロース、樹脂組成物及びセルロース懸濁液 |
Families Citing this family (27)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FI125900B (en) * | 2012-12-04 | 2016-03-31 | Teknologian Tutkimuskeskus Vtt Oy | A process for preparing a nanocellulose composite |
JP2014175232A (ja) * | 2013-03-12 | 2014-09-22 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 電池用セパレータ |
JP2014220342A (ja) * | 2013-05-07 | 2014-11-20 | 太陽ホールディングス株式会社 | プリント配線板材料およびそれを用いたプリント配線板 |
WO2014175196A1 (ja) * | 2013-04-23 | 2014-10-30 | 太陽ホールディングス株式会社 | ソルダーレジスト組成物およびそれを用いたプリント配線板 |
CN105122953B (zh) * | 2013-04-23 | 2018-07-03 | 太阳控股株式会社 | 印刷电路板材料和使用了该材料的印刷电路板 |
TWI662867B (zh) * | 2013-04-23 | 2019-06-11 | 日商太陽控股股份有限公司 | Printed wiring board material and printed wiring board using the same |
WO2014196357A1 (ja) | 2013-06-03 | 2014-12-11 | 王子ホールディングス株式会社 | 微細繊維含有シートの製造方法 |
JP6095497B2 (ja) * | 2013-06-14 | 2017-03-15 | 花王株式会社 | セルロースナノファイバーを含む樹脂組成物の製造方法 |
JP6138667B2 (ja) * | 2013-11-14 | 2017-05-31 | 株式会社ブリヂストン | 接着剤組成物被覆繊維コード、ゴム物品、空気入りタイヤ及びランフラットタイヤ |
JP6225760B2 (ja) * | 2014-03-11 | 2017-11-08 | 王子ホールディングス株式会社 | 微細繊維状セルロースコンポジットシートの製造方法 |
JP6477701B2 (ja) | 2014-06-30 | 2019-03-06 | 王子ホールディングス株式会社 | 微細セルロース繊維を含む地下層処理用組成物 |
JP6477702B2 (ja) | 2014-06-30 | 2019-03-06 | 王子ホールディングス株式会社 | 微細セルロース繊維を含有する組成物 |
FI125895B (en) | 2014-09-05 | 2016-03-31 | Upm Kymmene Corp | composite Material |
FI125896B (en) * | 2014-09-05 | 2016-03-31 | Upm Kymmene Corp | composite Material |
JP6402005B2 (ja) * | 2014-11-04 | 2018-10-10 | 太陽ホールディングス株式会社 | 樹脂含有シート、並びに、それを用いた構造体および配線板 |
JP6872396B2 (ja) * | 2016-04-13 | 2021-05-19 | 関東電化工業株式会社 | セルロースナノファイバーの分散液およびその製造方法 |
CN105713097A (zh) * | 2016-04-19 | 2016-06-29 | 常州市蓝勖化工有限公司 | 一种天然纤维素醚的制备方法 |
JP6792501B2 (ja) * | 2017-03-31 | 2020-11-25 | 大王製紙株式会社 | 清掃用シート及び当該清掃用シートの製造方法 |
JP7220512B2 (ja) * | 2018-02-06 | 2023-02-10 | 大王製紙株式会社 | 樹脂組成物及びその製造方法 |
JP6644828B2 (ja) * | 2018-05-01 | 2020-02-12 | 太陽ホールディングス株式会社 | 組成物およびそれを用いた硬化物 |
JP6799565B2 (ja) | 2018-05-31 | 2020-12-16 | 大王製紙株式会社 | 繊維状セルロース及びその製造方法、並びに繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法 |
BR112021011022A2 (pt) * | 2018-12-20 | 2021-08-31 | Borregaard As | Processo e sistema para aumentar o teor de sólidos de celulose microfibrilada |
JPWO2020145354A1 (ja) * | 2019-01-09 | 2021-09-27 | 旭化成株式会社 | 多孔質微細セルロース繊維複合化シート |
EP3748072A1 (de) * | 2019-06-04 | 2020-12-09 | Lenzing Aktiengesellschaft | Verfahren zum kontinuierlichen bereitstellen eines cellulose-aufweisenden aufbereiteten ausgangsstoffs |
JP2020204112A (ja) * | 2019-06-18 | 2020-12-24 | 旭化成株式会社 | 化学修飾セルロース繊維 |
JP7393268B2 (ja) * | 2020-03-25 | 2023-12-06 | 第一工業製薬株式会社 | 絶縁性ペースト |
CN111534924B (zh) * | 2020-04-30 | 2021-10-08 | 广州市浪奇实业股份有限公司 | 一种非织布材料及其应用 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60137901A (ja) * | 1983-12-27 | 1985-07-22 | Okura Ind Co Ltd | カルボキシル基含有セルロ−ス材料の製造方法 |
US5371211A (en) * | 1990-12-04 | 1994-12-06 | Eastman Kodak Company | Cellulose esters and salts thereof |
JP3970947B2 (ja) * | 1995-07-26 | 2007-09-05 | レンゴー株式会社 | セルロースエステル化合物 |
DE19529409A1 (de) * | 1995-08-10 | 1997-02-13 | Wolff Walsrode Ag | Maleinsäureadditionsproduktgruppen enthaltende, thermoplastische und biologisch abbaubare Polysaccharidester/-etherester |
US6627750B2 (en) * | 2001-08-03 | 2003-09-30 | Rayonier Inc. | Highly carboxylated cellulose fibers and process of making the same |
WO2003054279A2 (en) * | 2001-12-20 | 2003-07-03 | The Procter & Gamble Company | Treatment of fabric articles |
JP4958097B2 (ja) * | 2006-07-19 | 2012-06-20 | 国立大学法人京都大学 | ナノファイバーシート及びその製造方法並びに繊維強化複合材料 |
JP2008179667A (ja) * | 2007-01-23 | 2008-08-07 | Asahi Kasei Fibers Corp | 変性多糖類及びその製造方法 |
JP2008308802A (ja) * | 2007-06-18 | 2008-12-25 | Univ Of Tokyo | セルロースナノファイバーの製造方法 |
JP2009293167A (ja) * | 2008-06-09 | 2009-12-17 | Nobuo Shiraishi | ナノ繊維の製造方法、ナノ繊維、混合ナノ繊維、複合化方法、複合材料および成形品 |
-
2012
- 2012-02-07 JP JP2012024457A patent/JP5828288B2/ja active Active
- 2012-08-08 WO PCT/JP2012/070208 patent/WO2013022025A1/ja active Application Filing
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016145356A (ja) * | 2016-02-10 | 2016-08-12 | 王子ホールディングス株式会社 | 繊維状セルロース、樹脂組成物及びセルロース懸濁液 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013136859A (ja) | 2013-07-11 |
WO2013022025A1 (ja) | 2013-02-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5828288B2 (ja) | 微細繊維状セルロースの製造方法、不織布の製造方法、微細繊維状セルロース、微細繊維状セルロース含有スラリー、不織布、および複合体 | |
JP5798504B2 (ja) | 微細繊維状セルロースの製造方法、不織布の製造方法、微細繊維状セルロース、微細繊維状セルロース含有スラリー、不織布、および複合体 | |
JP7396976B2 (ja) | 微細繊維および微細繊維含有シートの製造方法、それにより得られるシート、および樹脂が積層された樹脂複合体 | |
JP6003080B2 (ja) | セルロース繊維およびセルロース繊維の製造方法 | |
JP6206529B2 (ja) | セルロース繊維集合体およびセルロース繊維複合体 | |
JP5614402B2 (ja) | 修飾セルロース繊維及びそのセルロース複合体 | |
JP5577622B2 (ja) | 微細セルロース繊維分散液、高分子セルロース複合体及びセルロース繊維の解繊方法 | |
WO2009081881A1 (ja) | 繊維複合体 | |
JP6107297B2 (ja) | 繊維樹脂複合材料 | |
JP6229440B2 (ja) | 繊維樹脂複合材料の製造方法 | |
JP5412912B2 (ja) | セルロース及び高分子セルロース複合体の製造方法 | |
KR20180053349A (ko) | 적층체 | |
JP2012180602A (ja) | セルロース繊維分散液、セルロース繊維分散液の製造方法および微細セルロース繊維の製造方法 | |
JP7040592B2 (ja) | 微細繊維を含有する基材シート層と無機層とを含む、耐湿性複合シート | |
JP2013096026A (ja) | 微細繊維含有シートの製造方法 | |
JP2010150541A (ja) | セルロース繊維複合材料、およびその製造方法 | |
JP2019116108A (ja) | 微細繊維を含有する基材シート層と無機層とを含む、耐湿性複合シート | |
JP2015086266A (ja) | 繊維樹脂複合体の製造方法 | |
WO2013058244A1 (ja) | 化学修飾セルロース不織布の製造方法および化学修飾セルロース不織布、並びに、これを用いたセルロース繊維樹脂複合材料およびその製造方法 | |
JP2016037031A (ja) | 微細繊維を含有する基材シート層と無機層とを含む、耐湿性複合シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20130826 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20130826 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141024 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20141024 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20141024 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150519 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150716 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150804 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150902 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150924 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151007 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5828288 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |