JP2014059547A - 偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高湿の環境下においても偏光子耐久性に優れ、さらに液晶表示装置に組み込んだ際に使用環境による液晶パネルのそりや歪み、およびこれに起因する表示ムラがおこりにくい偏光板、並びに液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】偏光子の片面にのみ透明保護フィルムを接着剤層を介して有する偏光板であって、前記透明保護フィルムは、厚みが5μm以上60μm以下であり、少なくとも1種の樹脂と、少なくとも1つの水素結合性水素供与性基を有し分子量/芳香環数の比が190以下である化合物(A)とを含有する偏光板。
【選択図】なし

Description

本発明は、偏光板及び液晶表示装置に関する。特に、高温高湿の環境下においても偏光子耐久性に優れ、カールが小さく、さらに液晶表示装置に組み込んだ際に使用環境による液晶パネルのそりや歪み、およびこれに起因する表示ムラがおこりにくい偏光板及び液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、消費電力の小さい省スペースの画像表示装置として年々その用途が広がっている。テレビ等の高品位の画像が要求される市場に加えて、携帯電話やタブレット型PC等いわゆるモバイル用途の市場が拡大するにつれて、薄型化のニーズが一段と高まっている。
液晶表示装置の基本的な構成は液晶セルの両側に偏光板を設けたものである。前記偏光板は一定方向の偏波面の光だけを通す役割を担っており、偏光板の性能によって液晶表示装置の性能が大きく左右される。偏光板は、一般にヨウ素や染料を吸着配向させたポリビニルアルコールフィルム等からなる偏光子と、その偏光子の表裏両側に透明な保護フィルムを貼り合わせた構成となっている。偏光板保護フィルムとしては、セルロースアセテートに代表されるセルロースアシレート系の偏光板保護フィルムが、透明性が高く、偏光子に使用されるポリビニルアルコールとの密着性を容易に確保できることから広く使用されてきた。
近年、液晶表示装置の薄型化にともない、各部材に対しても薄型化の要求が強まっている。
これに対して、特許文献1及び特許文献2には、偏光フィルムの片側にのみ偏光板保護フィルムを設けることにより、偏光板を薄型化する方法が開示されている。
特開2009−251177号公報 特開2010−9027号公報
しかしながら、上記特許文献に記載された偏光板では、表示ムラの改良については一定の効果がみられるものの高温高湿環境下長時間使用した場合における表示品位の劣化が著しいことが本発明者らの検討で明らかになった。さらに、偏光フィルムの片面側のみに偏光板保護フィルムを設けた場合、偏光板のカールが大きくなるため、これを液晶表示装置に組み込んだ場合、液晶パネルのそりが大きくなり、表示ムラが発生しやすくなることがわかった。
すなわち、薄型化しても、高温高湿下での偏光子性能が劣化しにくく、かつ液晶表示装置に組み込んだ際にパネルのそりやこれに起因する表示ムラが共に改善された偏光板はこれまで知られておらず、改良が求められていた。
本発明の目的は、高温高湿の環境下においても偏光子耐久性に優れ、さらに液晶表示装置に組み込んだ際に使用環境による液晶パネルのそりや歪み、およびこれに起因する表示ムラがおこりにくい偏光板、並びに液晶表示装置を提供することにある。
本発明者らが上記課題を解決することを目的として鋭意研究したところ、偏光板保護フィルムの膜厚を5μm以上60μm以下とし、少なくとも1つの水素結合性水素供与性基を有し、分子量/芳香環数の比が190以下の添加剤を、偏光板保護フィルムを構成する樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下含有させることにより、高温高湿環境下に保管しても偏光性能が劣化しにくい偏光板が得られることを見出した。
すなわち、上記課題は、以下の構成によって解決される。
〔1〕
偏光子の片面にのみ透明保護フィルムを接着剤層を介して有する偏光板であって、
上記透明保護フィルムは、厚みが5μm以上60μm以下であり、少なくとも1種の樹脂と、少なくとも1つの水素結合性水素供与性基を有し分子量/芳香環数の比が190以下である化合物(A)とを含有する偏光板。
〔2〕
上記化合物(A)中の芳香環が、炭化水素系芳香環である、〔1〕に記載の偏光板。
〔3〕
上記化合物(A)が、下記一般式(1)で表される化合物である、〔1〕又は〔2〕に記載の偏光板。
Figure 2014059547
一般式(1)中、Rは置換基を表し、Rは下記一般式(1−2)で表される置換基を表し;n1は0〜4の整数を表し、n1が2以上の時、複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよく;n2は1〜5の整数を表し、n2が2以上の時、複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2014059547
一般式(1−2)中、Aは置換又は無置換の芳香族環を表し;R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は下記一般式(1−3)で表される置換基を表し;Rは、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し;Xは、置換又は無置換の芳香族環を表し;n3は0〜10の整数を表し、n3が2以上の時、複数のR及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2014059547
一般式(1−3)において、Xは、置換又は無置換の芳香族環を表し;R、R、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し;n5は1〜11の整数を表し、n5が2以上の時、複数のR、R、R、R及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
〔4〕
上記一般式(1−2)が、下記一般式(1−2’)で表される基である、〔3〕に記載の偏光板。
Figure 2014059547
一般式(1−2’)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は上記一般式(1−3)で表される置換基を表し;Rは単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し;Xは置換又は無置換の芳香族環を表し;n3は0〜5の整数を表し、n3が2以上の時、複数のR及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
〔5〕
上記化合物(A)が、下記一般式(2)で表される化合物である、〔1〕又は〔2〕に記載の偏光板。
Figure 2014059547

一般式(2)において、R26はアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表し、R27及びR28はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、R29は水素原子を表す。R26、R27及びR28はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい。
〔6〕
上記透明保護フィルムに含まれる樹脂がセルロースアシレートである〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔7〕
上記透明保護フィルム中に、疎水化剤を含有する〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔8〕
上記偏光子の上記透明保護フィルムを有する側とは反対側に、粘着剤層を有する〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔9〕
〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の偏光板を少なくとも1枚含む液晶表示装置。
本発明によれば、高温高湿の環境下においても偏光子耐久性に優れ、カールが小さく、さらに液晶表示装置に組み込んだ際に使用環境による液晶パネルのそりや歪み、およびこれに起因する表示ムラがおこりにくい偏光板、並びに液晶表示装置を提供することができる。
本発明の液晶表示装置の例を示す概略図である。
[偏光板]
本発明の偏光板は、偏光子の片面にのみ透明保護フィルムを接着剤層を介して有する偏光板であって、前記透明保護フィルムは、厚みが5μm以上60μm以下であり、少なくとも1種の樹脂と、少なくとも1つの水素結合性水素供与性基を有し分子量/芳香環数の比が190以下である化合物(A)とを含有する偏光板である。
従来の偏光板は高温高湿経時下に偏光子中のホウ酸含量が減少し、親水性高分子(例えばポリビニルアルコール)と二色性色素(例えばヨウ素)の錯体が不安定化することが多く、これが偏光性能劣化の原因であった。これに対し、本発明の偏光板は、偏光板保護フィルム中に少なくとも1つの水素結合性水素供与性基を有し、分子量/芳香環数の比が190以下の添加剤を樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下含有させることにより偏光子中のホウ酸含量減少を抑制するとともに、前記添加剤が高温高湿経時下に偏光子と偏光板保護フィルムの界面に遍在することにより、ヨウ素錯体を安定化するものである。
以下に本発明の偏光板について詳しく説明する。
<偏光板の性能>
(直交透過率CT)
本発明の偏光板は、直交透過率CTがCT≦2.0であることが好ましく、より好ましい範囲としてはCT≦1.3であり、最も好ましくはCT≦0.6(単位はいずれも%)である。
(直交透過率変化)
また、偏光板耐久性試験前後では直交透過率の変化量は小さい方が好ましい。
本発明の偏光板は、60℃、相対湿度90%に1000時間静置させたときの直交単板透過率の変化量(%)が3%未満であることが好ましい。
60℃、相対湿度90%に1000時間静置させたときの直交透過率の変化量(%)は、3.0%未満であることが好ましく、1.0%未満であることがより好ましく、さらに好ましくは0.5%未満である。
ここで、直交透過率の変化量とは下記式で算出されるものである。
直交透過率の変化量(%)=耐久性試験後の直交透過率(%)−耐久性試験前の直交透過率(%)
上記直交透過率の変化量の範囲を満たせば、偏光板の高温高湿下および高温低湿下で長時間使用中あるいは保管中の安定性が確保でき、好ましい。
本発明において、偏光板の直交透過率CTは、日本分光(株)製自動偏光フィルム測定装置VAP−7070を用いて、以下の方法により波長410nmで測定した。
本発明の偏光板を、粘着剤を介してガラスの上に貼り付けたサンプル(5cm×5cm)を2つ作成する。この際、本発明の偏光板保護フィルムがガラスと反対側(空気界面)側になるように貼り付ける。直交透過率測定はこのサンプルのガラスの側を光源に向けてセットして測定する。2つのサンプルをそれぞれ測定し、その平均値を直交透過率とする。
(その他の特性)
本発明の偏光板のその他の好ましい光学特性等については特開2007−086748号公報の〔0238〕〜〔0255〕に記載されており、これらの特性を満たすことが好ましい。
<形状・構成>
本発明の偏光板の形状は、液晶表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様の偏光板のみならず、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様(例えば、ロール長2500m以上や3900m以上の態様)の偏光板も含まれる。大画面液晶表示装置用とするためには、偏光板の幅は1470mm以上とすることが好ましい。
本発明の偏光板は、偏光子の片面にのみ透明保護フィルム(偏光板保護フィルム)が接着剤層を介して設けられている。前記偏光子の他の片面には、粘着剤層が設けられていることが好ましい。前記偏光子と前記粘着剤層の間には保護層が設けられてもよい。さらに該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合してもよい。
前記プロテクトフィルム及び前記セパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する粘着剤層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
以下、本発明の偏光板に用いることができる偏光子と偏光板保護フィルムの詳細について説明する。
(偏光板の厚み)
本発明の偏光板の厚みは、15μm以上150μm以下であることが好ましい。より好ましくは15μm以上120μm以下であり、15μm以上90μm以下がさらに好ましい。偏光板を前記厚みにすることにより、環境湿度による液晶パネルのそりや歪みを小さくすることができる。
<透明保護フィルム>
本発明の偏光板に用いられる透明保護フィルム(偏光板保護フィルム)について説明する。
(偏光板保護フィルムの厚み)
前記偏光板保護フィルムの厚みは5μm〜60μmであり、5μm〜35μmが好ましく、10μm〜30μmが特に好ましい。
以下、前記偏光板保護フィルムに用いられる樹脂、添加剤について説明する。
(樹脂)
本発明における偏光板保護フィルムは、フィルム状の樹脂から構成されることが好ましい。
前記偏光板保護フィルムに用いられる樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、本発明の趣旨に反しない限りにおいて特に制限はない。前記樹脂としてはセルロースアシレート樹脂、アクリル樹脂、シクロオレフィン系樹脂を挙げることができ、その中でもセルロースアシレート樹脂が好ましい。すなわち前記偏光板保護フィルムはセルロースアシレートを含むことが好ましい。
前記偏光板保護フィルムにおいて、前記樹脂の含有量は、70質量%以上99質量%以下であることが好ましく、75質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。
(セルロースアシレート)
以下、本発明に用いることができるセルロースアシレートについて、詳しく説明する。
セルロースアシレートの置換度は、セルロースの構成単位((β)1,4−グリコシド結合しているグルコース)に存在している、3つのヒドロキシル基がアシル化されている割合を意味する。置換度(アシル化度)は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。本発明において、セルロース体の置換度はセルロース体を重水素置換されたジメチルスルフォキシド等の溶剤に溶解して13C−NMRスペクトルを測定し、アシル基中のカルボニル炭素のピーク強度比から求めることにより算出することができる。セルロースアシレートの残存ヒドロキシル基をセルロースアシレート自身が有するアシル基とは異なる他のアシル基に置換したのち、13C−NMR測定により求めることができる。測定方法の詳細については、手塚他(Carbohydrate.Res.,273(1995)83−91)に記載がある。
セルロースアシレートの全アシル置換度が2.0〜2.97であることが好ましく、2.2〜2.95であることがより好ましく、2.3〜2.95であることが特に好ましい。本発明に用いられる前記化合物(A)は、特にこのような全アシル置換度の範囲のセルロースアシレートと併用したときに偏光板耐久性改善効果が高い。
本発明に用いることができるセルロースアシレートのアシル基としては、特に限定されないが、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、炭素数2〜10のアシル基がより好ましく、炭素数2〜8のアシル基が更に好ましい。具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基が特に好ましく、アセチル基が最も好ましい。
2種類以上のアシル基からなる混合脂肪酸エステルも本発明においてセルロースアシレートとして好ましく用いることができる。この場合も、アシル基としてはアセチル基と炭素数が3〜4のアシル基が好ましい。また、混合脂肪酸エステルを用いる場合、アセチル基の置換度は2.5未満が好ましく、1.9未満がさらに好ましい。一方、炭素数が3〜4のアシル基の置換度は0.1〜1.5であることが好ましく、0.2〜1.2であることがより好ましく、0.5〜1.1であることが特に好ましい。
本発明においては、置換基及び置換度のうち少なくとも一方の異なる2種のセルロースアシレートを併用、混合して用いてもよいし、後述の共流延法などにより、異なるセルロースアシレートからなる複数層からなるフィルムを形成してもよい。
さらに特開2008−20896号公報の〔0023〕〜〔0038〕に記載の脂肪酸アシル基と置換もしくは無置換の芳香族アシル基とを有する混合酸エステルも本発明に好ましく用いることができる。
本発明で用いられるセルロースアシレートは、70000〜230000の数平均分子量(Mn)を有することが好ましく、75000〜230000の数平均分子量を有することがさらに好ましく、78000〜200000の数平均分子量を有することが最も好ましい。また、本発明で用いられるセルロースアシレートは、100000〜500000の重量平均分子量(Mw)を有することが好ましく、150000〜450000の数平均分子量を有することがさらに好ましく、17000〜400000の数平均分子量を有することが最も好ましい。
本発明のセルロースアシレートの数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)は1.8以上4.5以下が好ましく、2.0以上4.0以下が好ましく、2.0以上3.5以下が最も好ましい。Mw/Mnが4.5以下であれば低分子成分の比率が多くならず、フィルムの弾性率が上がりやすく好ましい。一方、Mw/Mnが1.8以上であれば添加剤がセルロースアシレートと相溶しやすくなり、ヘイズが高くなりにくく好ましい。
本発明のセルロースアシレートの平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用いて公知の方法で測定することが出来る。これを用いて数平均分子量、重量平均分子量を算出し、その比(Mw/Mn)を計算することが出来る。
セルロースアシレートの平均分子量及び分子量分布の測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:23℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI (RI−71S)Shodex
ポンプ: DU−H7000 SYSTEM−21H(Shodex)
流量:1.0ml/min
注入量:300μl
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
本発明で用いられるセルロースアシレートは、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を用いて合成できる。前記アシル化剤が酸無水物である場合は、反応溶媒として有機酸(例えば、酢酸)や塩化メチレンが使用される。また、触媒として、硫酸のようなプロトン性触媒を用いることができる。アシル化剤が酸塩化物である場合は、触媒として塩基性化合物を用いることができる。工業的に最も一般的な合成方法では、セルロースをアセチル基および他のアシル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)またはそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)を含む混合有機酸成分でエステル化してセルロースエステルを合成する。
前記方法においては、綿花リンターや木材パルプのようなセルロースは、酢酸のような有機酸で活性化処理した後、硫酸触媒の存在下で、上記のような有機酸成分の混合液を用いてエステル化する場合が多い。有機酸無水物成分は、一般にセルロース中に存在するヒドロキシル基の量に対して過剰量で使用する。このエステル化処理では、エステル化反応に加えてセルロース主鎖(β)1,4−グリコシド結合)の加水分解反応(解重合反応)が進行する。主鎖の加水分解反応が進むとセルロースエステルの重合度が低下し、製造するセルロースエステルフィルムの物性が低下する。そのため、反応温度のような反応条件は、得られるセルロースエステルの重合度や分子量を考慮して決定することが好ましい。
(偏光子耐久性改良剤)
本発明の偏光板に用いることができる偏光板保護フィルムは、樹脂と、少なくとも一つの水素結合性水素供与性基を有し、分子量/芳香環数の比率が190以下の化合物(A)(偏光子耐久性改良剤)を含有する。また、前記偏光板保護フィルムは、該樹脂100質量部に対して該化合物(A)を1〜20質量部含有する。このような添加剤を用いることで、前記偏光板保護フィルムは、高温高湿下での偏光子耐久性を改善することができる。添加剤中の水素結合性水素供与性基が偏光子中のポリビニルアルコールと水素結合を形成することにより、該添加剤は高温高湿下で偏光子と偏光板保護フィルムの界面に偏在しやすくなり、かつ添加剤中の芳香環が、偏光子中のホウ酸の偏光板の外への拡散を抑制するものであると考えられる。
水素結合性水素供与性基の例は、例えば、Jeffrey,George A.著、Oxford UP刊のIntroduction to Hydrogen Bonding等の成書に記載されている。
本発明における偏光子耐久性改良剤中の水素結合性水素供与性基としては、セルロースアシレート中のカルボニル基との相互作用の観点から、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、電子求引性の置換基を有するメチレン基、電子求引性の置換基を有するメチン基が好ましく、スルホニルアミノ基、アシルアミノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、電子求引性の置換基を有するメチン基がより好ましく、アミノ基、ヒドロキシル基、電子求引性の置換基を有するメチン基が更に好ましい。
本発明の電子求引基としては、ハメットのσp値が0以上の置換基が好ましい。ここで、ハメットの置換基定数σ値について説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができる。例えば、J.A.Dean編、「Lange's Handbook of Chemistry」第12版,1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊,122号,96〜103頁,1979年(南光堂)、Chem.Rev.,1991年,91巻,165〜195ページなどに詳しい。本発明におけるハメットの置換基定数σp値が0以上の置換基とは電子求引性基であることを示している。σp値として好ましくは0.2以上である。
ハメット定数σp値が0以上の電子求引性基の例には、ハロゲン原子(例えば、クロロ原子のσp値は0.23)、CN(σp値0.66)、NO2(σp値 0.78 )、C(=O)R(例えば、アセチル基はσp値0.50)、C(=O)OR(例えば、メトキシカルボニル基のσp値は0.45)、C(=O)NRab(例えば、−CONH2のσp値は0.36)、SO2R(例えば、−SO2Meのσp値は0.72)、又はSO2NRabが含まれる。R、Ra、及びRbはそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素原子数が1〜7の置換もしくは無置換のアルキル基(好ましくは炭素原子数が1〜7の無置換アルキル基)を表す。
本発明の偏光子耐久性改良剤中の分子量/芳香環数の比は190以下であり、好ましくは160以下であり、より好ましくは130以下である。
分子量/芳香環数の比を190以下にすることにより、添加剤がセルロースアシレート中の自由体積を埋めることにより、偏光子中のヨウ素イオン/ヨウ素分子、およびホウ酸の、セルロースアシレート中の拡散を効果的に抑制でき、高温高湿下での偏光子耐久性を大きく改良することができる。
また、偏光子耐久性改良剤中の分子量/芳香環数の比は、セルロースアシレートとの相溶性向上の観点からは、90以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましい。
本発明の偏光子耐久性改良剤中の芳香環は炭化水素系芳香環(環構造中に環員として炭素以外の元素を含まない芳香環)であることが、偏光子耐久性の改良の点から好ましい。
(分子量)
前記偏光子耐久性改良剤の分子量は200〜1000であることが好ましく、250〜800であることがより好ましく、280〜600であることが特に好ましい。分子量が上述の範囲の下限値以上であると偏光板保護フィルムの製膜時の偏光子耐久性改良剤の揮散による消失を抑制でき、分子量が上述の範囲の上限値以下であるとセルロースアシレートと偏光子耐久性改良剤の相溶性が良好で低ヘイズの偏光板フィルムが得られるため、好ましい。
<一般式(1)で表される化合物>
本発明の偏光子耐久性改良剤として、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2014059547
一般式(1)中、Rは置換基を表し、Rは下記一般式(1−2)で表される置換基を表し;n1は0〜4の整数を表し、n1が2以上の時、複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよく;n2は1〜5の整数を表し、n2が2以上の時、複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2014059547
一般式(1−2)中、Aは置換又は無置換の芳香族環を表し;R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は下記一般式(1−3)で表される置換基を表し;Rは、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し;Xは、置換又は無置換の芳香族環を表し;n3は0〜10の整数を表し、n3が2以上の時、複数のR及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2014059547
一般式(1−3)において、Xは、置換又は無置換の芳香族環を表し;R、R、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し;n5は1〜11の整数を表し、n5が2以上の時、複数のR、R、R、R及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
は置換基を表す。置換基の例としては、特に制限はなく、アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜10のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、シアノ基、又はハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、ヒドロキシル基が挙げられる。
は、炭素原子数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基が好ましく、ヒドロキシル基、メチル基がより好ましい。また、Rは、置換基に1つ以上の前記置換基を有していてもよい。また、Rは更に1つ以上の置換基を有していてもよく、該更なる置換基としてはRと同様の置換基が挙げられる。
n1は、0〜4の整数を表し、2〜4が好ましい。
n2は、1〜5の整数を表し、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。
は、下記一般式(1−2)で表される置換基を表す。
Figure 2014059547
一般式(1−2)中、Aは置換又は無置換の芳香族環を表し;R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は下記一般式(1−3)で表される置換基を表し;Rは、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し;Xは、置換又は無置換の芳香族環を表し;n3は0〜10の整数を表し、n3が2以上の時、複数のR及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Aは、置換又は無置換の芳香族環を表す。芳香族環は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を含む複素環であってもよい。Aの例としては、ベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ビフェニル環、ピレン環、ピラン環、ジオキサン環、ジチアン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環、トリアジン環などが挙げられる。また、他の6員環または5員環が縮合していてもよい。Aは、ベンゼン環が好ましい。Aが有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アルキル基、ヒドロキシル基などが挙げられ、アルキル基又はヒドロキシル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基又はヒドロキシル基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基又はヒドロキシル基が更に好ましい。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基、下記一般式(1−3)で表される置換基を表す。R及びRは、水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、一般式(1−3)で表される置換基が好ましく、水素原子、メチル基、一般式(1−3)で表される置換基がより好ましい。
Figure 2014059547
一般式(1−3)において、Xは、置換又は無置換の芳香族環を表し;R、R、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し;n5は1〜11の整数を表し、n5が2以上の時、複数のR、R、R、R及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1−3)のXは、一般式(1−2)中のXと同義であり、好ましい範囲も同様である。
、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。R、R、R、及びRは、水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましい。
n5は、1〜11の整数を表し、1〜9が好ましく、1〜7がより好ましい。
前記一般式(1−3)は、下記一般式(1−3’)で表されることが好ましい。
Figure 2014059547
一般式(1−3’)の各記号の定義は、一般式(1−3)中のそれぞれと同義であり、好ましい範囲も同様である。
前記一般式(1−3)は、下記一般式(1−3’’)で表されることが好ましい。
Figure 2014059547
一般式(1−3’’)中、n4は0〜10の整数を表す。
n4は、0〜10の整数を表し、0〜8が好ましく、0〜6がより好ましい。
一般式(1−2)中、Rは、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し、該炭素原子数1〜5のアルキレン基は置換基を有していてもよい。Rは、炭素原子数が1〜4のアルキレン基が好ましく、炭素原子数が1〜3のアルキレン基がさらに好ましい。Rが有していてもよい置換基としては、炭素原子数1〜5のアルキル基(例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、ヒドロキシル基などが挙げられる。
一般式(1−2)中、Xは、置換もしくは無置換の芳香族環を表す。芳香族環は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を含む複素環であってもよい。Xの例としては、ベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ビフェニル環、ピレン環、ピラン環、ジオキサン環、ジチアン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環、トリアジン環などが挙げられる。また、他の6員環または5員環が縮合していてもよい。Xは、ベンゼン環が好ましい。Xが有していてもよい置換基としては、Aの置換基として挙げた例と同様である。
n3は、0〜10の整数を表し、0〜2が好ましく、0〜1がより好ましい。なお、n3が2以上の整数である場合、複数の−(R−X)で表される基はそれぞれ互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれAに結合する。n3が0の場合、−(R−X)で表される基は存在しないため、Aには−(R−X)で表される基は結合しない。
前記一般式(1−2)は、下記一般式(1−2’)で表されることが好ましい。
Figure 2014059547
一般式(1−2’)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は前記一般式(1−3)で表される置換基を表し;Rは、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し;Xは、置換又は無置換の芳香族環を表し;n3は0〜5の整数を表し、n3が2以上の時、複数のR及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1−2’)中の各記号の好ましい範囲は、一般式(1−2)中のそれぞれと同様である。
前記一般式(1−2)は、下記一般式(1−2’’)で表されることが好ましい。
Figure 2014059547
一般式(1−2’’)中、n3は0〜5の整数を表す。
一般式(1−2’’)のn3の好ましい範囲は、一般式(1−2)中のn3の好ましい範囲と同様である。
一般式(1)で表される化合物は、Rが水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、Rが一般式(1−2’’)で表され、n1は2〜4の整数を表し、n2は1〜3の整数を表し、n3は0〜2の整数を表す態様であることが好ましい。
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、以下の具体例に限定されるものではない。
Figure 2014059547
Figure 2014059547
なお、ヒドロキシル基数の異なる一般式(1)で表される化合物が多点で水素結合することを可能とするために、互いに異なる2種以上の一般式(1)で表される化合物を少なくとも2種含有する混合物としてもよい。一例は、フェノールに対してスチレンが1〜3モルアルキル化したスチレン化フェノールと、アルキル化したスチレンのフェニル部位にさらにスチレンがアルキル化したスチレン化フェノールと、スチレンの2〜4量体程度のオリゴマーがフェノールにアルキル化したスチレン化フェノールとの混合物が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物は、一般に、1当量のフェノール類に酸触媒の存在下、1当量以上のスチレン類を添加することによって合成することができ、市販品を用いてもよい。また、上記合成法により得られた混合物をそのまま使用してもよい。
一般式(1)で表される化合物の市販品としては、三光株式会社製のスチレン化フェノールである「TSP」、日塗料化学株式会社製の「PH−25」、精工化学株式会社製の「ノンフレックスWS」などが挙げられる。
<一般式(2)で表される化合物>
本発明の偏光子耐久性改良剤として、下記一般式(2)で表される化合物も好ましい。
Figure 2014059547
一般式(2)において、R26はアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表し、R27及びR28はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、R29は水素原子を表す。R26、R27及びR28はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい。
前記R26は炭素数1〜20のアルキル基(シクロアルキル基も含む)、炭素数2〜20のアルケニル基又は炭素数6〜20のアリール基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルキル基(シクロアルキル基も含む)、炭素数2〜20のアルケニル基又は炭素数6〜20のアリール基であることがより好ましく、炭素数が1〜12のアルキル基(シクロアルキル基も含む)、炭素数2〜10のアルケニル基又は炭素数6〜18のアリール基であることが更に好ましく、炭素数が1〜8のアルキル基(シクロアルキル基も含む)、炭素数2〜5のアルケニル基又は炭素数6〜12のアリール基であることが特に好ましく、炭素数が1〜6であるアルキル基(シクロアルキル基も含む)、又は炭素数6〜12のアリール基であることが最も好ましい。
なかでも、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基、フェニル基又はナフチル基であることが更に好ましく、メチル基、シクロヘキシル基又はフェニル基であることが最も好ましい。
前記R27およびR28はそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基(シクロアルキル基も含む)、炭素数2〜20のアルケニル基または炭素数6〜20のアリール基又は炭素数6〜20のヘテロアリール基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルキル基(シクロアルキル基も含む)、炭素数2〜20のアルケニル基または炭素数6〜20のアリール基がより好ましく、炭素数が1〜12のアルキル基(シクロアルキル基も含む)、炭素数2〜10のアルケニル基又は炭素数6〜18のアリール基であることが更に好ましく、炭素数が1〜8のアルキル基(シクロアルキル基も含む)、炭素数2〜5のアルケニル基又は炭素数6〜12のアリール基であることが特に好ましく、炭素数が1〜6であるアルキル基(シクロアルキル基も含む)、又は炭素数6〜12のアリール基であることが最も好ましい。
なかでも、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基またはフェニル基、ナフチル基であることが最も好ましく、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基又はフェニル基であることが特に好ましい。
前記R26が有していてもよい置換基としては本発明の趣旨に反しない限りにおいて特に制限はないが、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基であることが好ましく、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましく、塩素原子、メチル基、又はフェニル基であることが特に好ましい。
前記R27およびR28が有していてもよい置換基としては本発明の趣旨に反しない限りにおいて特に制限はないが、炭素数6〜12のアリール基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
上記一般式(2)で表される化合物として、下記一般式(2−a)で表される化合物を用いることができる。一般式(2−a)で表される化合物は製膜時の揮散抑制の観点で好ましい。
Figure 2014059547
上記一般式(2−a)中、L〜Lは、各々独立に、単結合又はアルキレン基を表す。Ar〜Arは各々独立に、炭素数6〜20のアリール基を表す。
上記一般式(2−a)中、L〜Lは、各々独立に、単結合又は炭素数1以上の2価の連結基を表す。上記L〜Lは単結合又は炭素数1〜6のアルキレン基であることがより好ましく、単結合、メチレン基又はエチレン基であることが更に好ましく、単結合又はメチレン基であることが特に好ましい。前記2価の連結基は置換基を有していてもよく、当該置換基は、後述するAr、Ar、及びArが有しうる置換基と同義である。
上記一般式(2−a)中、Ar〜Arは炭素数6〜20のアリール基を表し、好ましくはフェニル基、ナフチル基であり、フェニル基が更に好ましい。Ar〜Arは置換基を有してもよく、当該置換基は、後述するAr、Ar、及びArが有しうる置換基と同義である。Ar〜Arは置換基を有さないか、又は置換基を有する場合には、当該置換基は環構造を有さないことが好ましい。
Ar、Ar、及びArは置換基を有してもよい。当該置換基としては、特に制限はなく、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10で、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20で、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数0〜20のヘテロ環基で、環構成ヘテロ原子が酸素原子、窒素原子、硫黄原子が好ましく、5または6員環でベンゼン環やヘテロ環で縮環していてもよく、該環が飽和環、不飽和環、芳香環であってもよく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ベンジルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ等)、アシル基(アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、ヘテロ環カルボニル基を含み、炭素数は20以下が好ましく、例えば、アセチル、ピバロイル、アクリロイル、メタクロロイル、ベンゾイル、ニコチノイル等)、アリーロイルアルキル基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20で、例えば、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等)、アミノ基(アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは炭素数0〜20で、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ、1−ピロリジニル、ピペリジノ、モルホニル等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数0〜20で、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20で、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、アセチルアミノ、アクリロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ニコチンアミド等)、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基またはハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
Ar、Ar、及びArが有しうる上記置換基は、さらに上記置換基を有していてもよい。
ここで、Ar、Ar、及びArの各基が有してもよい上記の置換基のうち、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基が好ましい。
前記一般式(2)又は(2−a)で表される化合物の分子量は250〜1200であることが好ましく、300〜800であることがより好ましい。
分子量が250以上であれば、フィルムからの揮散が抑制され、1200以下であれば、セルロースアシレートとの相溶性に優れるため、フィルムの透明性が良好となる。
以下に、前記一般式(2)又は(2−a)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記例示化合物中、Meはメチル基を表す。
Figure 2014059547
Figure 2014059547
Figure 2014059547
Figure 2014059547
Figure 2014059547
Figure 2014059547
上記一般式(2)で表される化合物は、尿素誘導体とマロン酸誘導体とを縮合させるバルビツール酸の合成法を用いて合成できることが知られている。N上に置換基を2つ有するバルビツール酸は、N,N’二置換型尿素とマロン酸クロリドを加熱するか、マロン酸と無水酢酸などの活性化剤とを組合わせて加熱することにより得られ、例えば、Journal of the American Chemical Society、第61巻、1015頁(1939年)、Journal of Medicinal Chemistry、第54巻、2409頁(2011年)、Tetrahedron Letters、第40巻、8029頁(1999年)、WO2007/150011号公報などに記載の方法を好ましく用いることができる。
また、縮合に用いるマロン酸は、無置換のものでも置換基を有するものでもよく、Rに相当する置換基を有するマロン酸を用いれば、バルビツール酸を構築することにより本発明の一般式(2)で表される化合物を合成することができる。また、無置換のマロン酸と尿素誘導体を縮合させると5位が無置換のバルビツール酸が得られるので、これを修飾することにより本発明の一般式(2)で表される化合物を合成してもよい。
なお、本発明に用いる一般式(2)で表される化合物の合成法は上記に限定されるものではない。
(偏光子耐久性改良剤の含有量)
前記偏光子耐久性改良剤の含有量は、偏光板保護フィルムを構成する主成分の樹脂(主成分の樹脂とは偏光板保護フィルムに含まれる樹脂のうち、最も含有質量比率が大きい樹脂)100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましい。1質量部以上であれば、偏光子耐久性改良効果が得られやすく、また20質量部以下であれば、偏光板保護フィルムを製膜した場合にブリードアウトや染み出しも発生しにくい。偏光子耐久性改良剤の含有量は樹脂100質量部に対して1〜15質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることが特に好ましい。
(疎水化剤)
本発明における偏光板保護フィルムは疎水化剤として炭水化物誘導体を含有することが好ましい。
(炭水化物誘導体系可塑剤)
前記疎水化剤としては、単糖あるいは2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体(以下、炭水化物誘導体系可塑剤という)が好ましい。
前記炭水化物誘導体系可塑剤を好ましく構成する単糖または多糖は、分子中の置換可能な基(例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基など)が置換されていることを特徴とする。置換されて形成される構造の例としては、アルキル基、アリール基、アシル基などを挙げることができる。また、ヒドロキシル基がアルキル基によって置換されて形成されるエーテル構造、ヒドロキシル基がアシル基によって置換されて形成されるエステル構造、アミノ基がアシル基によって置換されて形成されるアミド構造やイミド構造などを挙げることができる。
前記単糖または2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の例としては、例えば、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、フルクトース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、トレハロース、イソトレハロース、ネオトレハロース、トレハロサミン、コウジビオース、ニゲロース、マルトース、マルチトール、イソマルトース、ソホロース、ラミナリビオース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、ラクトサミン、ラクチトール、ラクツロース、メリビオース、プリメベロース、ルチノース、シラビオース、スクロース、スクラロース、ツラノース、ビシアノース、セロトリオース、カコトリオース、ゲンチアノース、イソマルトトリオース、イソパノース、マルトトリオース、マンニノトリオース、メレジトース、パノース、プランテオース、ラフィノース、ソラトリオース、ウンベリフェロース、リコテトラオース、マルトテトラオース、スタキオース、マルトペンタオース、ベルバスコース、マルトヘキサオース、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトールなどを挙げることができる。
好ましくは、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、トレハロース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、スクラロース、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトールであり、さらに好ましくは、アラビノース、キシロース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、スクロース、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンであり、特に好ましくは、キシロース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、スクロース、キシリトール、ソルビトールである。
また、前記炭水化物誘導体系可塑剤の置換基の例としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜22、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、2−シアノエチル基、ベンジル基など)、アリール基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは6〜18、特に好ましくは6〜12のアリール基、例えば、フェニル基、ナフチル基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜22、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアシル基、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ベンゾイル基、トルイル基、フタリル基、ナフタル基など)を挙げることができる。また、アミノ基によって置換されて形成される好ましい構造として、アミド構造(好ましくは炭素数1〜22、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアミド、例えばホルムアミド、アセトアミドなど)、イミド構造(好ましくは炭素数4〜22、より好ましくは炭素数4〜12、特に好ましくは炭素数4〜8のイミド、例えば、スクシイミド、フタルイミドなど)を挙げることができる。
これらの中で、さらに好ましいものはアルキル基、アリール基またはアシル基であり、特に好ましくはアシル基である。
前記炭水化物誘導体系可塑剤の好ましい例としては、以下のものを挙げることができる。ただし、本発明で用いることができる炭水化物誘導体系可塑剤は、これらに限定されるものではない。
キシローステトラアセテート、グルコースペンタアセテート、フルクトースペンタアセテート、マンノースペンタアセテート、ガラクトースペンタアセテート、マルトースオクタアセテート、セロビオースオクタアセテート、スクロースオクタアセテート、キシリトールペンタアセテート、ソルビトールヘキサアセテート、キシローステトラプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート、フルクトースペンタプロピオネート、マンノースペンタプロピオネート、ガラクトースペンタプロピオネート、マルトースオクタプロピオネート、セロビオースオクタプロピオネート、スクロースオクタプロピオネート、キシリトールペンタプロピオネート、ソルビトールヘキサプロピオネート、キシローステトラブチレート、グルコースペンタブチレート、フルクトースペンタブチレート、マンノースペンタブチレート、ガラクトースペンタブチレート、マルトースオクタブチレート、セロビオースオクタブチレート、スクロースオクタブチレート、キシリトールペンタブチレート、ソルビトールヘキサブチレート、キシローステトラベンゾエート、グルコースペンタベンゾエート、フルクトースペンタベンゾエート、マンノースペンタベンゾエート、ガラクトースペンタベンゾエート、マルトースオクタベンゾエート、セロビオースオクタベンゾエート、スクロースベンゾエート、キシリトールペンタベンゾエート、ソルビトールヘキサベンゾエートなどが好ましい。キシローステトラアセテート、グルコースペンタアセテート、フルクトースペンタアセテート、マンノースペンタアセテート、ガラクトースペンタアセテート、マルトースオクタアセテート、セロビオースオクタアセテート、スクロースオクタアセテート、キシリトールペンタアセテート、ソルビトールヘキサアセテート、キシローステトラプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート、フルクトースペンタプロピオネート、マンノースペンタプロピオネート、ガラクトースペンタプロピオネート、マルトースオクタプロピオネート、セロビオースオクタプロピオネート、スクロースオクタプロピオネート、キシリトールペンタプロピオネート、ソルビトールヘキサプロピオネート、キシローステトラベンゾエート、グルコースペンタベンゾエート、フルクトースペンタベンゾエート、マンノースペンタベンゾエート、ガラクトースペンタベンゾエート、マルトースオクタベンゾエート、セロビオースオクタベンゾエート、スクロースベンゾエート、キシリトールペンタベンゾエート、ソルビトールヘキサベンゾエートなどがさらに好ましい。マルトースオクタアセテート、セロビオースオクタアセテート、スクロースオクタアセテート、キシローステトラプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート、フルクトースペンタプロピオネート、マンノースペンタプロピオネート、ガラクトースペンタプロピオネート、マルトースオクタプロピオネート、セロビオースオクタプロピオネート、スクロースオクタプロピオネート、キシローステトラベンゾエート、グルコースペンタベンゾエート、フルクトースペンタベンゾエート、マンノースペンタベンゾエート、ガラクトースペンタベンゾエート、マルトースオクタベンゾエート、セロビオースオクタベンゾエート、スクロースベンゾエート、キシリトールペンタベンゾエート、ソルビトールヘキサベンゾエートなどが特に好ましい。
前記炭水化物誘導体系疎水化剤はピラノース構造あるいはフラノース構造を有することが好ましい。分子量は300以上1000以下が好ましく、350以上800以下がさらに好ましい。また、全ヒドロキシル基に対する置換基導入の比率は0.2以上1.0以下が好ましく、0.2以上0.8以下がさらに好ましい。
本発明に用いられる炭水化物誘導体としては以下に示す化合物が特に好ましい。ただし、本発明で用いることができる炭水化物誘導体は、これらに限定されるものではない。なお、以下の構造式中、Rはそれぞれ独立に任意の置換基を表し、複数のRは同一であっても、異なっていてもよい。以下の構造において、置換基1、2はそれぞれ任意のRを表す。また、置換度は、Rが該置換基で表される数を表す。「なし」はRが水素原子であることを表す。
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(入手方法)
前記炭水化物誘導体の入手方法としては、市販品として(株)東京化成製、アルドリッチ製等から入手可能であり、もしくは市販の炭水化物に対して既知のエステル誘導体化法(例えば、特開平8−245678号公報に記載の方法)を行うことにより合成可能である。
炭水化物誘導体系可塑剤は偏光板保護フィルムを構成する主成分の樹脂(主成分の樹脂とは偏光板保護フィルムに含まれる樹脂のうち、最も含有質量比率が大きい樹脂)100質量部に対して1〜30質量部であることが好ましい。1質量部以上であれば、偏光子耐久性改良効果が得られやすく、また30質量部以下であれば、偏光板保護フィルムを製膜した場合にブリードアウトや染み出しも発生しにくい。前記疎水化剤の含有量は5〜20質量部であることがより好ましく、5〜15質量部であることが特に好ましい。
(芳香族末端エステル系化合物)
下記一般式(4)で表される化合物(以下、「芳香族末端エステル系化合物」と呼ぶ)も偏光板保護フィルムの疎水化剤として好ましく用いることができる。
一般式(4) B−(G−A)n−G−B
(式中、Bはそれぞれ独立にベンゼンモノカルボン酸残基を表す。Gはそれぞれ独立に炭素数2〜12のアルキレングリコール残基、炭素数6〜12のアリールグリコール残基、又は炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基を表す。Aは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基又は炭素数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。nは0以上の整数を表す。)
一般式(4)で表される芳香族末端エステル系化合物は、一般式(4)中、Bで示されるベンゼンモノカルボン酸残基と、Gで示されるアルキレングリコール残基、オキシアルキレングリコール残基、又はアリールグリコール残基と、Aで示されるアルキレンジカルボン酸残基又はアリールジカルボン酸残基とから構成されるものであり、通常のポリエステル(重縮合エステル)と同様の反応により得られる。
なお、本明細書において「残基」とは、一般式(4)で表される芳香族末端エステル系化合物の部分構造で、該化合物(ポリマー)を形成している単量体の特徴を有する部分構造を表す。例えばモノカルボン酸R−COOHより形成されるモノカルボン酸残基はR−CO−である。
前記ベンゼンモノカルボン酸残基におけるベンゼンモノカルボン酸としては、例えば、安息香酸、パラターシャリーブチル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸等があり、これらはそれぞれ1種または2種以上の混合物として使用することができる。
なかでも、安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸が好ましく、安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸がより好ましい。
前記アルキレングリコール残基におけるアルキレングリコールは、炭素数2〜12のアルキレングリコールであり、該炭素数は好ましくは2〜6であり、より好ましくは2〜3である。
アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、2−メチル1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用することができる。
なかでも、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコールであることが好ましく、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコールであることがより好ましい。
前記オキシアルキレングリコール残基におけるオキシアルキレングリコールは、炭素数4〜12のオキシアルキレングリコールであり、該炭素数は好ましくは4〜8であり、より好ましくは4〜6である。
オキシアルキレングリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用することができる。
なかでも、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールであることが好ましく、であることがより好ましい。
前記アリールグリコール残基におけるアリールグリコールは、炭素数6〜12のアリールグリコールであり、該炭素数は好ましくは6〜8である。
アリールグリコールとしては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用することができる。
なかでも、ハイドロキノン、レゾルシンであることが好ましく、ハイドロキノンであることがより好ましい。
前記アルキレンジカルボン酸残基におけるアルキレンジカルボン酸は、炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸であり、該炭素数は好ましくは4〜10であり、より好ましくは4〜8である。
アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等があり、これらは、それぞれ1種または2種以上の混合物として使用することができる。
なかでも、コハク酸、マレイン酸であることが好ましく、コハク酸であることがより好ましい。
前記アリールジカルボン酸残基におけるアリールジカルボン酸は、炭素数8〜12のアルキレンジカルボン酸である。
アリールジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等がある。これらは、それぞれ1種または2種以上の混合物として使用することができる。
なかでも、1,5−ナフタレンジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸であることが好ましく、フタル酸、テレフタル酸であることがより好ましい。
一般式(4)において、nは0〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が更に好ましい。
本発明の芳香族末端エステル系化合物は、数平均分子量が、好ましくは300〜2000、より好ましくは500〜1500の範囲が好適である。また、その酸価は、0.5mgKOH/g以下、水酸基価は25mgKOH/g以下、より好ましくは酸価0.3mgKOH/g以下、水酸基価は15mgKOH/g以下のものが好適である。
(芳香族末端エステル系化合物の酸価、水酸基価)
ここで、酸価とは、試料1g中に含まれる酸(分子末端に存在するカルボキシル基)を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数をいう。
水酸基価とは、試料1g中に含まれるOH基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。
酸価及び水酸基価はJIS K0070に準拠して測定したものである。
以下、本発明に係る芳香族末端エステル系可塑剤の合成例を示す。
〈サンプルNo.1(芳香族末端エステルサンプル)〉
反応容器に、フタル酸820部(5モル)、1,2−プロピレングリコール608部(8モル)、安息香酸610部(5モル)及び触媒としてテトライソプロピルチタネート0.30部を一括して仕込み窒素気流中で攪拌下、還流凝縮器を付して過剰の1価アルコールを還流させながら、酸価が2以下になるまで130〜250℃で加熱を続け生成する水を連続的に除去した。次いで200〜230℃で6.65×10Pa〜最終的に4×10Pa以下の減圧下、留出分を除去し、この後濾過して次の性状を有する芳香族末端エステルを得た。
粘度(25℃、mPa・s):19815
酸価:0.4
〈サンプルNo.2(芳香族末端エステルサンプル)〉
反応容器に、アジピン酸500部(3.5モル)、安息香酸305部(2.5モル)、ジエチレングリコール583部(5.5モル)及び触媒としてテトライソプロピルチタネート0.45部を用いる以外はサンプルNo.1と全く同様にして次の性状を有する芳香族末端エステルを得た。
粘度(25℃、mPa・s):90
酸価:0.05
〈サンプルNo.3(芳香族末端エステルサンプル)〉
反応容器にフタル酸410部(2.5モル)、安息香酸610部(5モル)、ジプロピレングリコール737部(5.5モル)及び触媒としてテトライソプロピルチタネート0.40部を用いる以外はサンプルNo.1と全く同様にして次の性状を有する芳香族末端エステル系可塑剤を得た。
粘度(25℃、mPa・s):43400
酸価:0.2
以下に、本発明に係る芳香族末端エステル系可塑剤の具体的化合物を示すが、本発明はこれに限定されない。
Figure 2014059547
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本発明に用いられる一般式(4)で表される化合物の含有量は、偏光板保護フィルムにおいて、主成分である樹脂100質量部に対して、2〜20質量部含有することが好ましく、5〜15質量部含有することよりが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムにおいて、フィルムのヘイズ低減の観点から、一般式(4)で表される化合物は2種類以上含有してもよい。2種類以上用いる場合の含有量は、その合計量が上記範囲にあることが好ましい。2種以上用いる場合、上記構造におけるnが異なる化合物を混合することがフィルムのヘイズ低減の観点から特に好ましい。
[偏光板の製造方法]
以下、本発明の偏光板の製造方法について、偏光板保護フィルムの製造方法、偏光子の製造方法、偏光板保護フィルムと偏光子の積層方法、偏光板の機能化の順に説明する。
<偏光板保護フィルムの製造方法>
前記偏光板保護フィルムは、ソルベントキャスト法により製造することができる。以下、前記偏光板保護フィルムの製造方法について、主成分の樹脂としてセルロースアシレートを用いた態様を例に挙げて説明するが、その他の樹脂を用いた場合も同様に前記化合物(A)を含む偏光板保護フィルムを製造することができる。
ソルベントキャスト法では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。
前記有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステルおよび炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。
前記エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。また、前記エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、前記有機溶媒として用いることができる。前記有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する溶媒の上述の好ましい炭素原子数範囲内であることが好ましい。
前記炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが含まれる。
前記炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
前記炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
また、2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25〜75モル%であることが好ましく、30〜70モル%であることがより好ましく、35〜65モル%であることがさらに好ましく、40〜60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
また、2種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
セルロースアシレート溶液(ドープ)は、0℃以上の温度(常温または高温)で処理することからなる一般的な方法で調製することができる。セルロースアシレート溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法および装置を用いて実施することができる。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。
セルロースアシレート溶液中におけるセルロースアシレートの量は、得られる溶液中に10〜40質量%含まれるように調整することが好ましい。セルロースアシレートの量は、10〜30質量%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
セルロースアシレート溶液は、常温(0〜40℃)でセルロースアシレートと有機溶媒とを撹拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧および加熱条件下で撹拌してもよい。具体的には、セルロースアシレートと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、且つ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら撹拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60〜200℃であり、さらに好ましくは80〜110℃である。
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は撹拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
撹拌は、容器内部に撹拌翼を設けて、これを用いて行うことが好ましい。撹拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。撹拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶媒中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
冷却溶解法により、セルロースアシレート溶液を調製することもできる。冷却溶解法の詳細については、特開2007−86748号公報の〔0115〕〜〔0122〕に記載されている技術を用いることができる。
調製したセルロースアシレート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフィルムを製造する。ドープにはレターデーション発現剤を添加することが好ましい。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ドープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。
ソルベントキャスト法における乾燥方法については、米国特許第2,336,310号、同2,367,603号、同2,492,078号、同2,492,977号、同2,492,978号、同2,607,704号、同2,739,069号および同2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号および同736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号および同62−115035号の各公報に記載がある。バンドまたはドラム上での乾燥は空気、窒素などの不活性ガスを送風することにより行なうことができる。
また、得られたフィルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100℃〜160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して、残留溶媒を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが好ましい。
調製したセルロースアシレート溶液(ドープ)を用いて2層以上の流延を行いフィルム化することもできる。この場合、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフィルムを作製することが好ましい。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が10〜40質量%の範囲となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
2層以上の複数のセルロースアシレート溶液を流延する場合、複数のセルロースアシレート溶液を流延することが可能であり、支持体の進行方向に間隔をおいて設けられた複数の流延口からセルロースアシレートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させながらフィルムを作製してもよい。これらは、例えば、特開昭61−158414号、特開平1−122419号、および特開平11−198285号の各公報に記載の方法を用いることができる。また、2つの流延口からセルロースアシレート溶液を流延することによっても、フィルム化することもできる。これは、例えば、特公昭60−27562号、特開昭61−94724号、特開昭61−947245号、特開昭61−104813号、特開昭61−158413号、および、特開平6−134933号の各公報に記載の方法を用いることができる。さらに特開昭56−162617号公報に記載の高粘度セルロースアシレート溶液の流れを低粘度のセルロースアシレート溶液で包み込み、その高・低粘度のセルロースアシレート溶液を同時に押し出すセルロースアシレートフィルムの流延方法を用いることもできる。
また、2個の流延口を用いて、第一の流延口により支持体に成形したフィルムを剥ぎ取り、支持体面に接していた側に第二の流延を行うことにより、フィルムを作製することもできる。例えば、特公昭44−20235号公報に記載の方法を挙げることができる。
流延するセルロースアシレート溶液は同一の溶液を用いてもよいし、異なるセルロースアシレート溶液を2種以上用いてもよい。複数のセルロースアシレート層に機能をもたせるために、その機能に応じたセルロースアシレート溶液を、それぞれの流延口から押し出せばよい。さらに本発明におけるセルロースアシレート溶液は、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、紫外線吸収層、偏光層など)と同時に流延することもできる。
(偏光子耐久性改良剤の添加)
偏光板保護フィルムの樹脂原料であるセルロースアシレート溶液に対し、前記偏光子耐久性改良剤を添加するタイミングは、製膜される時点で添加されていれば特に限定されない。例えば、セルロースアシレートの合成時点で添加してもよいし、ドープ調製時セルロースアシレートと混合してもよい。
(疎水化剤の添加)
偏光板保護フィルムの樹脂原料であるセルロースアシレート溶液に対し、前記疎水化剤を添加するタイミングは、製膜される時点で添加されていれば特に限定されない。例えば、セルロースアシレートの合成時点で添加してもよいし、ドープ調製時セルロースアシレートと混合してもよい。
(紫外線吸収剤の添加)
本発明においてはセルロースアシレート溶液に、偏光板または液晶等の劣化防止の観点から、紫外線吸収剤を加えてもよい。紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒドロキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。ヒンダードフェノール系化合物の例としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N、N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイトなどが挙げられる。ベンゾトリアゾール系化合物の例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、(2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N、N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、(2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕などが挙げられる。これらの紫外線防止剤の添加量は、偏光板保護フィルム100質量部に対して0.1質量部〜10.0質量部が好ましい。
(その他の添加剤の添加)
偏光板保護フィルムには、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン等)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。また、前記劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01〜1質量%であることが好ましく、0.01〜0.2質量%であることがさらに好ましい。添加量が0.01質量%以上であれば、劣化防止剤の効果が十分に発揮されるので好ましく、添加量が1質量%以下であれば、フィルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)などが生じにくいので好ましい。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げることができる。
また、偏光板保護フィルムには、マット剤として微粒子を加えることが好ましい。本発明に使用される微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子はケイ素を含むものが、濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。見かけ比重は90〜200g/リットル以上が好ましく、100〜200g/リットル以上がさらに好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
これらの微粒子は、通常平均粒子径が0.1〜3.0μmの2次粒子を形成し、これらの微粒子はフィルム中では、1次粒子の凝集体として存在し、フィルム表面に0.1〜3.0μmの凹凸を形成させる。2次平均粒子径は0.2μm〜1.5μmが好ましく、0.4μm〜1.2μmがさらに好ましく、0.6μm〜1.1μmが最も好ましい。1次、2次粒子径はフィルム中の粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子に外接する円の直径をもって粒径とした。また、場所を変えて粒子200個を観察し、その平均値をもって平均粒子径とした。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)などの市販品を使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でアエロジル200V、アエロジルR972Vが、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化珪素の微粒子であり、光学フィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
本発明において2次平均粒子径の小さな粒子を有する偏光板保護フィルムを得るために、微粒子の分散液を調製する際にいくつかの手法が考えられる。例えば、溶剤と微粒子を撹拌混合した微粒子分散液をあらかじめ作成し、この微粒子分散液を別途用意した少量のセルロースアシレート溶液に加えて撹拌溶解し、さらにメインのセルロースアシレート溶液(ドープ液)と混合する方法がある。この方法は二酸化珪素微粒子の分散性がよく、二酸化珪素微粒子が更に再凝集しにくい点で好ましい調製方法である。ほかにも、溶剤に少量のセルロースエステルを加え、撹拌溶解した後、これに微粒子を加えて分散機で分散を行い、これを微粒子添加液とし、この微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する方法もある。本発明はこれらの方法に限定されないが、二酸化珪素微粒子を溶剤などと混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%が更に好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度が高い方が添加量に対する液濁度は低くなり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。最終的なセルロースアシレートのドープ溶液中でのマット剤微粒子の添加量は1mあたり0.01〜1.0gが好ましく、0.03〜0.3gが更に好ましく、0.08〜0.16gが最も好ましい。
使用される溶剤は低級アルコール類としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
これら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。本発明における偏光板保護フィルムの製造に用いる巻き取り機は、一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。
(延伸処理)
前記偏光板保護フィルムには、延伸処理を行うこともできる。延伸処理により偏光板保護フィルムに所望のレターデーションを付与することが可能である。セルロースアシレートフィルムの延伸方向は幅方向、長手方向のいずれでも好ましい。
幅方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。
フィルムの延伸は、加熱条件下で実施する。フィルムは、乾燥中の処理で延伸することができ、特に溶媒が残存する場合は有効である。長手方向の延伸の場合、例えば、フィルムの搬送ローラーの速度を調節して、フィルムの剥ぎ取り速度よりもフィルムの巻き取り速度の方を速くするとフィルムは延伸される。幅方向の延伸の場合、フィルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることによってもフィルムを延伸できる。フィルムの乾燥後に、延伸機を用いて延伸すること(好ましくはロング延伸機を用いる一軸延伸)もできる。
前記偏光板保護フィルムの延伸は、前記偏光板保護フィルムのガラス転移温度Tgを用いて、(Tg−5℃)〜(Tg+40℃)の温度で行うことが好ましく、Tg〜(Tg+35℃)であることがより好ましく、(Tg+10℃)〜(Tg+30℃)であることが特に好ましい。乾膜の場合、130℃〜200℃が好ましい。
また、流延後にドープ溶剤が残存した状態で延伸を行う場合、乾膜よりも低い温度で延伸が可能となり、この場合、100℃〜170℃が好ましい。
前記偏光板保護フィルムの延伸倍率(延伸前のフィルムに対する伸び率)は、1%〜200%が好ましく、5%〜150%がさらに好ましい。とくに、幅方向に1%〜200%で延伸するのが好ましく、さらに好ましくは5%〜150%、特に好ましくは10〜45%である。
延伸速度は1%/分〜300%/分が好ましく、10%/分〜300%/分がさらに好ましく、30%/分〜300%/分が最も好ましい。
また、前記偏光板保護フィルムは、最大延伸倍率まで延伸したのちに、最大延伸倍率より低い延伸倍率で一定時間保持する工程(以下、「緩和工程」と称することがある。)を経て製造されることが好ましい。緩和工程における延伸倍率は最大延伸倍率の50%〜99%が好ましく、70%〜97%がさらに好ましく、90%〜95%が最も好ましい。また、緩和工程の時間は1秒〜120秒が好ましく、5秒〜100秒がさらに好ましい。
さらに、前記偏光板保護フィルムは幅方向にフィルムを把持しながら収縮させる収縮工程を含むことにより好ましく製造することができる。
フィルムの幅方向に延伸する延伸工程と、フィルムの搬送方向(長手方向)に収縮させる収縮工程を含むことを特徴とする製造方法においてはパンタグラフ式あるいはリニアモーター式のテンターによって保持し、フィルムの幅方向に延伸しながら搬送方向にはクリップの間隔を徐々に狭めることでフィルムを収縮させることが出来る。
前記で説明した方法は、延伸工程と収縮工程の少なくとも一部が、同時に行われているということができる。
なお、上記のようなフィルムの長手方向または幅方向のいずれか一方を延伸し、同時にもう一方を収縮させ、同時にフィルムの膜厚を増加させる延伸工程を具体的に行う延伸装置として、市金工業社製FITZ機などを望ましく用いることができる。この装置に関しては(特開2001−38802号公報)に記載されている。
延伸工程における延伸倍率および収縮工程における収縮率としては目的とする面内のレターデーションReおよび厚さ方向のレターデーションRthの値により、任意に適切な値を選択することができるが、延伸工程における延伸倍率が10%以上であり、かつ収縮工程における収縮率を5%以上とすることが好ましい。
特に、フィルムの幅方向に10%以上延伸する延伸工程と、フィルムの幅方向にフィルムを把持しながらフィルムの搬送方向を5%以上収縮させる収縮工程とを含むことが好ましい。
なお、本発明でいう収縮率とは、収縮方向における収縮前のフィルムの長さに対する収縮後のフィルムの収縮した長さの割合を意味する。
収縮率としては5〜40%が好ましく、10〜30%が特に好ましい。
[剥離性積層フィルムを用いたセルロースアシレートフィルムの製膜方法]
セルロースアシレートフィルムは、剥離性積層フィルムからセルロースアシレートフィルムを剥ぎ取ることによっても製造することができる。剥離性積層フィルムは、セルロースアシレートを含むA層と前記セルロースアシレートとは異なる溶液成膜可能な樹脂を含むB層との積層体を有し、A層とB層の密着力が5N/cm以下であることが好ましい。
以下、剥離性積層フィルムの好ましい態様について説明する。
<剥離性積層フィルムの層構成>
(A層の厚み)
剥離性積層フィルムの積層体は、セルロースアシレートを含むA層と、セルロースアシレートとは異なる溶液成膜可能な樹脂を含有するB層とを有し、A層とB層の密着力が5N/cm以下である積層体であることが好ましい。このような構成により、剥離性積層フィルムは、厚膜の製造条件下で各層が薄膜として適した特性を有する。またA層とB層の密着力は0.1N/cm以上2.0N/cm以下が好ましく、0.1N/cm以上1.8N/cm以下がより好ましく、0.2N/cm以上1.0N/cm以下が更に好ましく、0.2N/cm以上0.7N/cm以下が特に好ましい。層間密着力が小さすぎると、製膜工程の搬送中で剥離してしまい製造トラブルを起こしてしまう。一方高すぎると、剥離ムラなど面状を悪化させてしまうので、好ましくない。
A層とB層を含む前記積層体の合計膜厚は、20μm以上200μm以下であることが好ましく、20μm以上180μm以下の厚みであることがより好ましく、30μm以上150μm以下であることが特に好ましく、最も好ましくは40μm以上100μm以下である。薄すぎると成膜適性の観点から面状の悪化等が懸念され、厚すぎるとハンドリング性の悪化等が懸念される。積層体の合計膜厚が40μm以上100μm以下であると、現在セルロース系フィルムとして流通している厚みに近いため、搬送や加工などの各種技術や装置の転用や導入が非常に容易である点でも好ましい。
また、A層単体の膜厚は所望の厚みとすることができるが、5μm以上60μm以下であることが好ましく、8μm以上50μm以下の厚みであることがより好ましく、更には8μm以上30μm以下、10μm以上25μm以下であることが特に好ましい。
(B層の厚み)
B層単体の膜厚は、A層同様に所望の厚みとすることができる。
ただし、B層を搬送用支持体として製造する場合は、B層は他の層を支持補助するために適度な機械性能を有する必要があるため、ある程度の厚みを有することが好ましい。
(積層態様)
剥離性積層フィルムは、A層とB層以外に、A層やB層と異なる溶液成膜可能な樹脂を含むC層を更に含んでも良く、またA層、B層及びC層をそれぞれ複数層有する互層構造とすることもできる。
<B層>
剥離性積層フィルムにおいて、B層は、セルロースアシレートとは異なる溶液成膜可能な樹脂を含有する。本明細書中、セルロースアシレートとは異なる溶液成膜可能な樹脂とは、(メタ)アクリル系樹脂(「(メタ)アクリル樹脂」、「(メタ)アクリル酸系樹脂」ともいう)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、等が挙げられ、これらの樹脂及びこれら複数種の樹脂の混合樹脂から選ぶことができる。
また、B層は前記A層と密着力が5N/cm以下と剥離性を有する様に積層されることが好ましい。
剥離性を付与するためには、A層とB層の組成が相溶性を有しないことが好ましく、その指標としてSP値(溶解度パラメーター)を用いることができ、上記樹脂やその組成を適宜選択してB層を形成することができる。
本発明において剥離性を付与するためには、A層とB層のSP値の差が0.2以上となる様にそれぞれの層に用いる材料を選択することで調整することができる。なお、層のSP値とは、実質的に層に用いる樹脂のSP値に相当する。したがって、本発明において、A層に用いる樹脂(セルロースアシレート)とB層に用いる樹脂のSP値の差は0.2以上であることが好ましい。より好ましいSP値の差は0.5以上3.5以下であり、更に好ましいSP値の差は1.0以上3.5以下であり、最も好ましくは1.5以上3.5以下である。溶解度パラメーターは、例えばJ.Brandrup、E.H等の「PolymerHandbook(4th.edition)」、VII/671〜VII/714に記載の内容のものを表す。
なお、(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル系樹脂とアクリル系樹脂の両方を含む概念である。また、(メタ)アクリル系樹脂には、アクリレート/メタクリレートの誘導体、特にアクリレートエステル/メタクリレートエステルの(共)重合体も含まれる。
((メタ)アクリル系樹脂)
前記(メタ)アクリル酸系樹脂の繰り返し構造単位は、特に限定されない。前記(メタ)アクリル酸系樹脂は、繰り返し構造単位として(メタ)アクリル酸エステル単量体由来の繰り返し構造単位を有することが好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルなどのメタクリル酸エステル;などが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、耐熱性、透明性が優れる点から、メタクリル酸メチルが好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステルを用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは20〜100質量%、更に好ましくは40〜100質量%、特に好ましくは50〜100質量%である。
前記単量体成分は重合した後にラクトン環を形成していてもよい。その場合、単量体成分を重合して分子鎖中にヒドロキシル基とエステル基とを有する重合体を得ることが好ましい。
前記単量体成分を重合して分子鎖中にヒドロキシル基とエステル基とを有する重合体を得るための重合反応の形態としては、溶剤を用いた重合形態であることが好ましく、溶液重合が特に好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂としては、共重合成分として脂環式アルキル基を含有するか、又は分子内環化により分子主鎖に環状構造を形成させた(メタ)アクリル樹脂も用いることができる。分子主鎖に環状構造を形成させた(メタ)アクリル樹脂の例としては、一つの好ましい態様としてラクトン環含有重合体を含む(メタ)アクリル系の熱可塑性樹脂が挙げられ、好ましい樹脂組成や合成方法は特開2006−171464号公報に記載されている。また、別の好ましい態様としてグルタル酸無水物を共重合成分として含有する樹脂が挙げられ、共重合成分や具体的合成方法については特開2004−070296号公報に記載されている。
B層を形成する樹脂の重量平均分子量(質量平均分子量と称することもある)とA層との重量平均分子量の組合せに制限はないが、製膜の過程で最適となるよう、適宜、重量平均分子量を選択できる。
ここで、(メタ)アクリル系樹脂として一般に分子量10万程度のものが製膜に用いられている。詳しくは、溶融製膜では、高分子量の(メタ)アクリル系樹脂フィルムを製膜することがそもそも不可能である。また、(メタ)アクリル樹脂フィルムは溶液製膜によっても製膜可能だが、その場合は溶液流延しやすい粘度のドープを調製する必要がある。分子量30万以上の(メタ)アクリル系樹脂であれば、流延適性が高いドープを調製しやすく、このような(メタ)アクリル樹脂が従来製膜に用いられていた。
これに対し、剥離性積層フィルムではセルロースアシレートのA層との共流延を実現するため、更に大きい重量平均分子量の(メタ)アクリル系樹脂を用いて製膜されたことが好ましい。すなわち、本発明の剥離性積層フィルムに用いられるB層を形成する樹脂は、特に光学フィルムとしての脆性、自己成膜性の観点で、重量平均分子量(Mw)は60万〜400万が好ましく、80万〜200万がより好ましく、100万より大きく200万以下の範囲であることが更に好ましく、100万より大きく180万以下の範囲であることが特に好ましい。(メタ)アクリル系樹脂を用いる場合、その主成分となる(メタ)アクリル系樹脂の重合平均分子量が60万〜400万であることが好ましく、80万〜200万がより好ましい。なお、主成分とは層を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。
B層を形成する樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。
B層を形成する樹脂が、重量平均分子量80万〜200万であり、分子内にメチルメタクリレート単位を50質量%以上有する(メタ)アクリル系樹脂であることが特に好ましい。
B層を形成する樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が、好ましくは90℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは110℃以上である。
A層、B層の剥離力は、適宜、B層に後述する添加剤を添加し、調整することが好ましく、A層、B層の主たる高分子樹脂の親疎水性のバランスに対し、添加する添加剤の親疎水性を制御することで、剥離力を制御する。また、使用する溶媒の溶媒組成を変えることで、適宜、調整することができる。
(ポリカーボネート系樹脂)
本発明におけるB層としては、市販のポリカーボネート樹脂に、適宜剥離力や、靭性を制御するべく添加剤を入れて、用いることができる。
(ポリスチレン系樹脂)
本発明におけるB層としては、市販のポリスチレン系樹脂に、適宜剥離力や、靭性を制御するべく添加剤を入れて、用いることができる。
(環状ポリオレフィン系樹脂)
本発明において環状ポリオレフィン樹脂をB層に用いることができる。ここで、環状ポリオレフィン系樹脂(環状ポリオレフィン、あるいは環状ポリオレフィンポリマーとも称する)とは、環状オレフィン構造を有する重合体樹脂を表す。
本発明に用いる環状オレフィン構造を有する重合体樹脂の例には、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィンの重合体、(3)環状共役ジエンの重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及び(1)〜(4)の水素化物などがある。
(B層に含まれてもよいその他の熱可塑性樹脂)
本発明における前記B層は、上記の樹脂以外のその他の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。その他の熱可塑性樹脂は、本発明の趣旨に反しない限りにおいて特に種類は問わないが、熱力学的に相溶する熱可塑性樹脂の方が、機械強度や所望の物性を向上させる点において好ましい。
上記その他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等のオレフィン系ポリマー;塩化ビニル、塩素化ビニル樹脂等の含ハロゲン系ポリマー;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系ポリマー;ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド;ポリアセタール;ポリカーボネート;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリサルホン;ポリエーテルサルホン;ポリオキシベンジレン;ポリアミドイミド;ポリブタジエン系ゴム、アクリル系ゴムを配合したABS樹脂やASA樹脂等のゴム質重合体;などが挙げられる。ゴム質重合体は、表面に本発明のラクトン環重合体と相溶し得る組成のグラフ卜部を有するのが好ましく、また、ゴム質重合体の平均粒子径は、フィルム状とした際の透明性向上の観点から、100nm以下である事が好ましく、70nm以下である事が更に好ましい。
B層を形成する樹脂と熱力学的に相溶する熱可塑性樹脂としては、シアン化ビニル系単量体単位と芳香族ビニル系単量体単位とを含む共重合体、具体的にはアクリロニトリル−スチレン系共重合体やポリ塩化ビニル樹脂、メタクリル酸エステル類を50質量%以上含有する重合体を用いるとよい。それらの中でもアクリロニトリル−スチレン系共重合体を用いると、ガラス転移温度が120℃以上、面方向の100μmあたりの位相差が20nm以下で、全光線透過率が85%以上である前記B層を容易に得ることが可能となる。
前記B層が上記その他の熱可塑性樹脂を含有するとき、上記B層を形成する樹脂とその他の熱可型樹脂の含有割合は、好ましくは60〜99:1〜40質量%、より好ましくは70〜97:3〜30質量%、更に好ましくは80〜95:5〜20質量%である。但し、前記B層も、光学フィルムとして利用する場合はポリマーブレンドの観点からは、相溶性がかなり高くない限りは前記その他の熱可塑性樹脂を含有しないことが好ましい。
(残留溶媒量)
剥離性積層フィルムは、共流延や逐次流延による積層によって製膜されることが好ましい。このように溶液製膜によって、セルロースアシレートとは異なる溶液成膜可能な樹脂を含有する前記B層を形成することによって、セルロースアシレートとは異なる溶液成膜可能な樹脂を含有する層を溶融製膜により形成した場合よりも、前記A層の表面面状を改善することができる。
<添加剤>
剥離性積層フィルムには、前記B層及び前記A層のそれぞれにおいて、主原料となる1種又は2種以上の熱可塑性樹脂とともに、添加剤、例えば、可塑剤、脆性改良剤、A層とB層の層間剥離促進剤、帯電防止剤、フィラー、紫外線吸収剤、遊離酸、ラジカルトラップ剤、粒子等を、本発明の趣旨に反しない限りにおいて含有させてもよい。
(膜厚)
偏光板保護フィルムの膜厚は5μm以上60μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以上45μm以下であり、更に好ましくは5μm以上35μm以下である。
(鹸化処理)
前記偏光板保護フィルムはアルカリ鹸化処理することによりポリビニルアルコールのような偏光子の材料との密着性を付与し、偏光板保護フィルムとして用いることができる。
鹸化の方法については、特開2007−86748号公報の〔0211〕と〔0212〕に記載される方法を用いることができる。
例えば前記偏光板保護フィルムに対するアルカリ鹸化処理は、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。前記アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの濃度は0.1〜5.0mol/Lの範囲にあることが好ましく、0.5〜4.0mol/Lの範囲にあることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温〜90℃の範囲にあることが好ましく、40〜70℃の範囲にあることがさらに好ましい。
アルカリ鹸化処理の代わりに、特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。
<偏光子>
本発明の偏光板に用いられる偏光子について説明する。
本発明の偏光板に用いることができる偏光子としては、ポリビニルアルコール(PVA)と二色性分子から構成することが好ましいが、特開平11−248937号公報に記載されているようにPVAやポリ塩化ビニルを脱水、脱塩素することによりポリエン構造を生成し、これを配向させたポリビニレン系偏光子も使用することができる。
(PVA)
前記PVAとしては、ポリ酢酸ビニルを鹸化したポリマー素材が好ましいが、例えば不飽和カルボン酸、不飽和スルホン酸、オレフィン類、ビニルエーテル類のような酢酸ビニルと共重合可能な成分とを含有しても構わない。また、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等を含有する変性PVAも用いることができる。
この他、本発明の偏光板には、特許第3021494号公報に記載されている1、2−グリコール結合量が1.5モル%以下のPVAフィルム、特開2001−316492号公報に記載されている5μm以上の光学的異物が100cm当たり500個以下であるPVAフィルム、特開2002−030163号に記載されているフィルムのTD方向の熱水切断温度斑が1.5℃以下であるPVAフィルム、さらにグリセリンなどの3〜6価の多価アルコ−ルを1〜100質量%混合した溶液や、特開平06−289225号公報に記載されている可塑剤を15質量%以上混合した溶液から製膜したPVAフィルムを好ましく用いることができる。
(二色性分子)
二色性分子はI やI などの高次のヨウ素イオンもしくは二色性染料を好ましく使用することができる。
本発明では高次のヨウ素イオンが特に好ましく使用される。高次のヨウ素イオンは、「偏光板の応用」永田良編、CMC出版や工業材料、第28巻、第7号、p.39〜p.45に記載されているようにヨウ素をヨウ化カリウム水溶液に溶解した液および/またはホウ酸水溶液にPVAを浸漬し、PVAに吸着・配向した状態で生成することができる。
二色性分子として二色性染料を用いる場合は、アゾ系色素が好ましく、特にビスアゾ系とトリスアゾ系色素が好ましい。二色性染料は水溶性のものが好ましく、このため二色性分子にスルホン酸基、アミノ基、ヒドロキシル基などの親水性置換基が導入され、遊離酸、あるいはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン類の塩として好ましく用いられる。このような二色性染料の具体例としては、特開2007−086748号公報に記載のものを挙げることができる。
(ホウ酸)
本発明の偏光板は偏光子に架橋剤としてホウ酸を含有することが好ましい。ホウ酸で偏光子を架橋することにより、二色性分子とPVAから形成される錯体の安定性が向上し、高温高湿条件における偏光性能劣化を抑制することができる。本発明の偏光板の偏光子中のホウ酸の含有率は偏光子100質量部に対して1質量部以上100質量部以下が好ましく、5質量部以上50質量部以下が好ましい。上記範囲にホウ酸の含有率を制御することにより色味のバランスのとれた偏光子を作製することができる。
本発明の偏光板は、60℃、相対湿度95%、1000時間経時前後における偏光子中のホウ酸の減少率が50%以下であることが好ましい。該ホウ酸の減少率は、40%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。
(偏光子の膜厚)
偏光子の延伸前のフィルム膜厚は特に限定されないが、フィルム保持の安定性、延伸の均質性の観点から、1μm〜1mmが好ましく、10〜200μmが特に好ましい。また、特開2002−236212号に記載されているように水中において4倍〜6倍の延伸を行った時に発生する応力が10N以下となるような薄いPVAフィルムを使用してもよい。
本発明の偏光子の延伸後の厚みは、3μm以上25μm以下であることがこのましい。3μm以上15μm以下がさらに好ましく、3μm以上10μm以下が最も好ましい。偏光子を前記厚みにすることにより、環境湿度による液晶パネルのそりや歪みを小さくすることができる。
<偏光子の製造方法>
本発明の偏光板の製造方法における前記偏光子の製造方法としては、特に制限はないが、例えば、前記PVAをフィルム化した後、二色性分子を導入して偏光子を構成することが好ましい。PVAフィルムの製造は、特開2007−86748号公報の〔0213〕〜〔0237〕に記載の方法、特許登録第3342516号明細書、特開平09−328593号公報、特開2001−302817号公報、特開2002−144401号公報等を参考にして行うことができる。
具体的には、前記偏光子の製造方法を、PVA系樹脂溶液の調製工程、流延工程、膨潤工程、染色工程、硬膜工程、延伸工程、乾燥工程を記載の順序で遂次行うことが特に好ましい。また、前述の工程中あるいは後にオンライン面状検査工程を設けてもよい。
(PVA系樹脂溶液の調製)
前記PVA系樹脂溶液の調製工程では、PVA系樹脂を水または有機溶媒に溶解した原液を調製することが好ましい。原液中のポリビニルアルコール系樹脂の濃度は、好ましくは5〜20質量%である。例えば、PVAのウェットケーキを溶解槽に入れ、必要に応じて可塑剤、水を加え、槽底から水蒸気を吹き込みながら攪拌する方法が好ましい。内部樹脂温度は50〜150℃に加温することが好ましく、系内を加圧してもよい。
また、前記偏光子中に酸を添加しなくてもよく、添加してもよいが、添加する場合はこの工程で加えることが好ましい。なお、偏光子中に酸を添加する場合は、前記偏光板保護フィルムに含まれる前記化合物(A)と同じものを用いてもよい。
(流延)
前記流延工程は、上記にて調製したPVA系樹脂溶液原液を流延して成膜する方法が一般に好ましく用いられる。流延の方法としては、特に制限はないが、加熱した前記PVA系樹脂溶液原液を2軸押し出し機に供給し、ギアポンプにより排出手段(好ましくはダイ、より好ましくはT型スリットダイ)から支持体上に流涎して製膜することが好ましい。また、ダイからの排出される樹脂溶液の温度については特に制限はない。
前記支持体としては、キャストドラムが好ましく、ドラムの直径、幅、回転速度、表面温度については、特に制限はない。
その後、得られたロールの裏面と表面とを乾燥ロールに交互に通過させながら乾燥を行なうことが好ましい。
(膨潤)
前記膨潤工程は、水のみで行うことが好ましいが、特開平10−153709号公報に記載されているように、光学性能の安定化および、製造ラインでの偏光板基材のシワ発生回避のために、偏光板基材をホウ酸水溶液により膨潤させて、偏光板基材の膨潤度を管理することもできる。
また、膨潤工程の温度、時間は、任意に定めることができるが、10℃〜60℃、5秒〜2000秒が好ましい。
なお、膨潤工程のときにわずかに延伸を行ってもよく、例えば1.3倍程度に延伸する態様が好ましい。
(染色)
前記染色工程は、特開2002−86554号公報に記載の方法を用いることができる。また、染色方法としては浸漬だけでなく、ヨウ素あるいは染料溶液の塗布あるいは噴霧等、任意の手段が可能である。また、特開2002−290025号公報に記載されているように、ヨウ素の濃度、染色浴温度、浴中の延伸倍率、および浴中の浴液を攪拌させながら染色させる方法を用いてもよい。
二色性分子として高次のヨウ素イオンを用いる場合、高コントラストの偏光板を得るためには、染色工程はヨウ素をヨウ化カリウム水溶液に溶解した液を用いることが好ましい。この場合のヨウ素−ヨウ化カリウム水溶液のヨウ素とヨウ化カリウムの質量比については特開2007−086748号公報に記載の態様を用いることができる。
また、特許登録第3145747号明細書に記載されているように、染色液にホウ酸、ホウ砂等のホウ素系化合物を添加してもよい。
(硬膜)
前記硬膜工程は、架橋剤溶液に浸漬、または溶液を塗布して架橋剤を含ませるのが好ましい。また、特開平11−52130号公報に記載されているように、硬膜工程を数回に分けて行うこともできる。
前記架橋剤としては米国再発行特許第232897号明細書に記載のものが使用でき、特許第3357109号明細書に記載されているように、寸法安定性を向上させるため、架橋剤として多価アルデヒドを使用することもできるが、ホウ酸類が最も好ましく用いられる。硬膜工程に用いる架橋剤としてホウ酸を用いる場合には、ホウ酸−ヨウ化カリウム水溶液に金属イオンを添加してもよい。金属イオンとしては塩化亜鉛が好ましいが、特開2000−35512号公報に記載されているように、塩化亜鉛の変わりに、ヨウ化亜鉛などのハロゲン化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛などの亜鉛塩を用いることもできる。
また、塩化亜鉛を添加したホウ酸−ヨウ化カリウム水溶液を作製し、PVAフィルムを浸漬させて硬膜を行ってもよく、特開2007−086748号公報に記載の方法を用いることができる。
なお、ここで、高温環境下における耐久性を高める方法として公知の酸性溶液による浸漬処理を行っても、行なわなくてもよい。前記酸性溶液による処理としては、特開2001−83329号公報、特開平6−254958号公報、国際公開WO2006/095815号公報などに記載の方法を挙げることができる。
(延伸)
前記延伸工程は、米国特許2,454,515号明細書などに記載されているような、縦一軸延伸方式、もしくは特開2002−86554号公報に記載されているようなテンター方式を好ましく用いることができる。好ましい延伸倍率は2倍〜12倍であり、さらに好ましくは3倍〜10倍である。また、延伸倍率と原反厚さと偏光子厚さの関係は特開2002−040256号公報に記載されている(保護フィルム貼合後の偏光子膜厚/原反膜厚)×(全延伸倍率)>0.17としたり、最終浴を出た時の偏光子の幅と保護フィルム貼合時の偏光子幅の関係は特開2002−040247号公報に記載されている0.80≦(保護フィルム貼合時の偏光子幅/最終浴を出た時の偏光子の幅)≦0.95としたりすることも好ましく行うことができる。
(乾燥)
前記乾燥工程は、特開2002−86554号公報で公知の方法を使用できるが、好ましい温度範囲は30℃〜100℃であり、好ましい乾燥時間は30秒〜60分である。また、特許登録第3148513号明細書に記載されているように、水中退色温度を50℃以上とするような熱処理を行ったり、特開平07−325215号公報や特開平07−325218号公報に記載されているように温湿度管理した雰囲気でエージングしたりすることも好ましく行うことができる。
このような工程により、膜厚10〜200μmの偏光子を製造することが好ましい。なお、膜厚の制御は、公知の方法で制御することができ、例えば前記流延工程におけるダイスリット幅や、延伸条件を適切な値に設定することで制御できる。
<偏光子と偏光板保護フィルムの積層方法>
本発明の偏光板の製造方法は、上記にて得られた前記偏光子の片面にのみ、接着剤層を介して、偏光板保護フィルムを積層する。
本発明の偏光板の製造方法では、偏光板保護フィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の片面に、完全鹸化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法により作製することが好ましい。
前記偏光板保護フィルムの処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。
本発明の偏光板の偏光板保護フィルムの前記偏光子への貼り合せ方は、偏光子の透過軸と前記偏光板保護フィルムの遅相軸が実質的に平行となるように貼り合せることが好ましい。
ここで、実質的に平行であるとは、偏光板保護フィルムの主屈折率nxの方向と偏光板の透過軸の方向とは、そのずれが5°以内であることをいい、1°以内、好ましくは0.5°以内であることが好ましい。ずれが1°以内であれば、偏光板クロスニコル下での偏光度性能が低下しにくく、光抜けが生じにくく好ましい。
[接着剤層]
前記偏光子と透明保護フィルムの貼り合わせに用いる接着剤層は光学的に透明であれば、特に制限されず水系、溶剤系、ホットメルト系、ラジカル硬化型の各種形態のものが用いられるが、水系接着剤またはラジカル硬化型接着剤が好適である。
接着剤層を形成する水系接着剤としては特に限定されるものではないが、例えば、ビニルポリマー系、ゼラチン系、ビニル系ラテックス系、ポリウレタン系、イソシアネート系、ポリエステル系、エポキシ系等を例示できる。このような水系接着剤からなる接着剤層は、水溶液の塗布乾燥層などとして形成しうるが、その水溶液の調製に際しては、必要に応じて、架橋剤や他の添加剤、酸等の触媒も配合することができる。前記水系接着剤としては、ビニルポリマーを含有する接着剤などを用いることが好ましく、ビニルポリマーとしては、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。またポリビニルアルコール系樹脂には、ホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミン、シュウ酸などの水溶性架橋剤を含有することができる。特に偏光子としてポリビニルアルコール系のポリマーフィルムを用いる場合には、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する接着剤を用いることが、接着性の点から好ましい。さらには、アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂を含む接着剤が耐久性を向上させる点からより好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニルを鹸化して得られたポリビニルアルコール;その誘導体;更に酢酸ビニルと共重合性を有する単量体との共重合体の鹸化物;ポリビニルアルコールをアセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化等した変性ポリビニルアルコールがあげられる。前記単量体としては、(無水)マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸及びそのエステル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン、(メタ)アリルスルホン酸(ソーダ)、スルホン酸ソーダ(モノアルキルマレート)、ジスルホン酸ソーダアルキルマレート、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミドアルキルスルホン酸アルカリ塩、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリドン誘導体等があげられる。これらポリビニルアルコール系樹脂は一種を単独でまたは二種以上を併用することができる。
前記ポリビニルアルコール系樹脂は特に限定されないが、接着性の点からは、平均重合度100〜5000程度、好ましくは1000〜4000、平均鹸化度85〜100モル%程度、好ましくは90〜100モル%である。
アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂は、ポリビニルアルコール系樹脂とジケテンとを公知の方法で反応して得られる。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を酢酸等の溶媒中に分散させておき、これにジケテンを添加する方法、ポリビニルアルコール系樹脂をジメチルホルムアミドまたはジオキサン等の溶媒にあらかじめ溶解しておき、これにジケテンを添加する方法等があげられる。またポリビニルアルコールにジケテンガスまたは液状ジケテンを直接接触させる方法があげられる。
アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂のアセトアセチル基変性度は、0.1モル%以上であれば特に制限はなない。0.1モル%未満では接着剤層の耐水性が不充分であり不適当である。アセトアセチル基変性度は、好ましくは0.1〜40モル%程度、さらに好ましくは1〜20モル%、特に好ましくは2〜7モル%である。アセトアセチル基変性度が40モル%を超えると、耐水性の向上効果が小さい。アセトアセチル基変性度はNMRにより測定した値である。
架橋剤としては、ポリビニルアルコール系接着剤に用いられているものを特に制限なく使用できる。前記架橋剤の配合量は、ポリビニルアルコール系樹脂の種類等に応じて適宜設計できるが、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、通常、4〜60質量部程度、好ましくは10〜55質量部程度、さらに好ましくは20〜50質量部である。かかる範囲において、良好な接着性が得られる。
耐久性を向上させるには、アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂を用いる。この場合にも、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、前記同様、架橋剤を4〜60質量部程度、好ましくは10〜55質量部程度、さらに好ましくは20〜50質量部の範囲で用いるのが好ましい。架橋剤の配合量が多くなりすぎると、架橋剤の反応が短時間で進行し、接着剤がゲル化する傾向がある。その結果、接着剤としての可使時間(ポットライフ)が極端に短くなり、工業的な使用が困難になる。かかる観点からは、架橋剤の配合量は、上記配合量で用いられるが、本発明の樹脂溶液は、金属化合物コロイドを含有しているため、前記のように架橋剤の配合量が多い場合であっても、安定性よく用いることができる。
前記接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂、架橋剤および平均粒子径が1〜100nmの金属化合物コロイドを含有してなる樹脂溶液が好ましく用いられる。当該樹脂溶液は、通常、水溶液として用いられる。樹脂溶液濃度は特に制限はないが、塗工性や放置安定性等を考慮すれば、0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%である。
前記接着剤層が水系接着剤等により形成される場合には、当該接着剤層の厚みは10〜300nm程度である。接着剤層の厚みは、均一な面内厚みを得ることと、十分な接着力を得る点から、さらに好ましくは、10〜200nm、さらに好ましくは20〜150nmである。
水系接着剤を塗布した後は、偏光子と透明保護フィルムをロールラミネーター等により貼り合わせる。前記接着剤の塗布は、透明保護フィルム、偏光子のいずれに行ってもよく、両者に行ってもよい。貼り合わせ後には、乾燥工程を施し、塗布乾燥層からなる接着剤層を形成する。乾燥温度は、5〜150℃程度、好ましくは30〜120℃で、120秒間以上、さらには300秒間以上である。
ラジカル硬化型接着剤としては、電子線硬化型、紫外線硬化型等の活性エネルギー線硬化型、熱硬化型等の各種のものを例示できるが、短時間で硬化可能な、活性エネルギー線硬化型が好ましい。特に、電子線硬化型が好ましい。電子線硬化型接着剤を用いることができる。偏光子と透明保護フィルムを貼り合せるために用いる接着剤の硬化方法に電子線を用いる(即ちドライラミネーション)ことによって、紫外線硬化法のような、加熱工程が不要になり、生産性を非常に高くすることができる。
一方、前記接着剤層が硬化型接着剤(電子線硬化型接着剤)により形成される場合には、前記接着剤層の厚みは、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは、0.2〜10μm、さらに好ましくは0.3〜8μmである。厚みが薄い場合は、接着力自体の凝集力が得られず、接着強度が得られないおそれがある。接着剤層の厚みが20μmを超えると、コストアップと接着剤自体の硬化収縮の影響が出て、偏光板の光学特性へ悪影響が発生するおそれがある。
[粘着剤層]
粘着剤層は、例えば、粘着性ポリマー、放射線または熱硬化性成分を含有する粘着剤組成物により形成することができる。前記粘着剤組成物が、放射線硬化性成分を含有する場合において、放射線に電子線等を用いる場合には、当該粘着剤組成物は放射線開裂型重合開始剤を含有することは必要ではないが、放射線に紫外線を用いる場合には、放射線開裂型重合開始剤を含有する。一方、前記粘着剤組成物が、熱硬化性成分を含有する場合には、当該粘着剤組成物は熱開裂型重合開始剤を含有する。
<粘着性ポリマー>
粘着性ポリマーとしては、一般的に粘着剤のベースポリマーとして用いられる、粘着性を有するポリマーであれば特に限定されないが、粘着性能のバランスが取りやすい理由からTgが−20℃以下(通常−100℃以上)のポリマーが好適である。かかる粘着性ポリマーのなかでも特に放射線硬化性成分との相溶性を考慮すると、アクリル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー等が好適に用いられる。
アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルのモノマーユニットを主骨格とする。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルはアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルをいい、本発明の(メタ)とは同様の意味である。アクリル系ポリマーの主骨格を構成する、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の炭素数1〜20のものを例示できる。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸イソミリスチル、(メタ)アクリル酸ラウリル等を例示できる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらアルキル基の平均炭素数は3〜9であるのが好ましい。
前記アクリル系ポリマー中には、接着性や耐熱性の改善を目的に、1種類以上の共重合モノマーを共重合により導入することができる。そのような共重合モノマーの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルや(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー;アクリル酸のカプロラクトン付加物;スチレンスルホン酸やアリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどの燐酸基含有モノマーなどがあげられる。
また、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミドやN−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミドやN−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド、N−アクリロイルモルホリンなどのスクシンイミド系モノマー;N−シクロヘキシルマレイミドやN−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミドやN−フェニルマレイミドなどのマレイミド系モノマー;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマー、なども改質目的のモノマー例としてあげられる。
さらに改質モノマーとして、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタムなどのビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートや2−メトキシエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル系モノマーなども使用することができる。
アクリル系ポリマーは、全構成モノマーの質量比率において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、アクリル系ポリマー中の前記共重合モノマーの割合は、特に制限されないが、前記共重合モノマーの割合は、全構成モノマーの質量比率において、0〜30%程度、0.1〜25%程度、さらには0.5〜20%程度であるのが好ましい。
これら共重合モノマーの中でも、接着性、耐久性の点から、ヒドロキシル基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーが好ましく用いられる。これらモノマーは、架橋剤との反応点になる。ヒドロキシル基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーなどは分子間架橋剤との反応性に富むため、得られる粘着剤層の凝集性や耐熱性の向上のために好ましく用いられる。
アクリル系ポリマーの平均分子量は特に制限されないが、重量平均分子量は、30万〜250万程度であるのが好ましい。前記アクリル系ポリマーの製造は、各種公知の手法により製造でき、例えば、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等のラジカル重合法を適宜選択できる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系の各種公知のものを使用できる。反応温度は通常50〜80℃程度、反応時間は1〜8時間とされる。また、前記製造法の中でも溶液重合法が好ましく、アクリル系ポリマーの溶媒としては一般に酢酸エチル、トルエン等が用いられる。溶液濃度は通常20〜80質量%程度とされる。
ポリエステル系ポリマーとしては、多価アルコールと多価カルボン酸との飽和ポリエステルまたはコポリエステルが通常用いられる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等のジオールがあげられる。
多価カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、アントラセンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環族ジカルボン酸;マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸等があげられる。前記多価カルボン酸としては、2種以上の多価カルボン酸、たとえば、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸とを併用する場合が多い。
ポリエステル系ポリマーに用いる多価アルコール、多価カルボン酸は各種のものを特に制限なく使用できるが、多価アルコールとしてポリカーボネートジオール等のポリマーポリオールを用いることができる。また、ポリエステル系ポリマーは、前記ジオール成分と3価以上の多価アルコールおよび/または3価以上の多価カルボン酸から得ることができる。ポリエステル系ポリマーの重量平均分子量は、通常、1.1万以上のものが用いられる。
<硬化性成分>
放射線または熱硬化性成分としては、放射線または熱によりラジカル重合するモノマーおよび/またはオリゴマー成分が用いられる。
ラジカル重合するモノマーおよび/またはオリゴマー成分としては(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を有するモノマーおよび/またはオリゴマー成分があげられ、特に反応性に優れる利点から(メタ)アクリロイル基を有するモノマーおよび/またはオリゴマー成分が好ましく用いられる。
(メタ)アクリロイル基を有するモノマー成分の具体例としては、例えば、前記アクリル系ポリマーに用いたモノマーを例示できる。
また、(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合するオリゴマー成分としては、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどの骨格にモノマー成分と同様の官能基として(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を2個以上付加したポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが用いられる。前記不飽和二重結合は、2個以上、好ましくは4個以上、さらに好ましくは6個以上であるのが好ましい。不飽和二重結合の個数が多い方が、粘着性ポリマーに含有させる硬化成分を少なくすることができる。
また(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー成分の具体例としては、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオぺンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物があげられる。
上記の他、ラジカル重合するモノマーおよび/またはオリゴマー成分としては、2−プロペニル−ジ−3−ブテニルシアヌレート、2−ヒドロキシエチルビス(2−アクリロキシエチル)シアヌレート、トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレート等のシアヌレートまたはイソシアヌレート化合物があげられる。
粘着性ポリマーと硬化性成分の配合割合は、硬化前の粘着性と硬化後の硬度とのバランス、一方、硬化前の粘着剤層としての形状を保持する観点から、粘着性ポリマー100質量部に対して硬化性成分を20〜200質量部、さらには50〜150質量部、さらには、60〜120質量部とするのが好ましい。特に硬化性成分として不飽和二重結合が6個以上であるものを用いる場合には、粘着性ポリマー100質量部に対して硬化性成分を100質量部以下、さらには90質量部以下、さらには80質量部以下の少ない割合で用いた場合にも本発明の効果を得ることができる。
<重合開始剤>
前記粘着剤組成物は、放射線または熱硬化型粘着剤組成物として用いることができる。放射線硬化型粘着剤組成物として用いる場合において、放射線として電子線を採用する場合には、放射線開裂型重合開始剤は特に必要ではないが、放射線として紫外線を採用する場合には、放射線開裂型重合開始剤が用いられる。また、前記粘着剤組成物が、熱硬化型粘着剤組成物の場合には、熱開裂型重合開始剤が用いられる。
放射線開裂型重合開始剤は、放射線によって適宜に選択されるが、紫外線により硬化させる場合には紫外線開裂の重合開始剤が用いられる。前記紫外線開裂の重合開始剤としては、例えば、ベンジル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α´−ジメチルアセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどの芳香族ケトン化合物;メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフエノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系化合物;べンゾインメチルエーテル、べンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、べンゾインブチルエーテル、アニソインメチルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタールなどの芳香族ケタール系化合物;2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1―プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム系化合物;チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、ドデシルチオキサントンなどのチオキサンソン系化合物;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィノキシド;アシルホスフォナートなどがあげられる。
放射線開裂型重合開始剤の配合量は、粘着性ポリマー100質量部に対して、20質量部以下である。放射線として紫外線を用いる場合には、放射線開裂型重合開始剤の配合量は、粘着性ポリマー100質量部に対して、0.01〜20質量部であるのが好ましい。さらには、前記配合量は、0.05〜10質量部、さらには0.1〜5質量部であるのが好ましい。
熱開裂型重合開始剤としては、粘着剤層の形成の際には熱開裂によって重合が開始しないものが好ましい。例えば、熱開裂型重合開始剤としては、10時間半減期温度が65℃以上、さらには75〜90℃であるものが好ましい。なお、の半減期とは、重合開始剤の分解速度を表す指標であり、重合開始剤の残存量が半分になるまでの時間をいう。任意の時間で半減期を得るための分解温度や、任意の温度での半減期時間に関しては、メーカーカタログなどに記載されており、たとえば、日本油脂株式会社の「有機過酸化物カタログ第9版(2003年5月)」などに記載されている。
熱開裂型重合開始剤としては、例えば、過酸化ラウロイル(10時間半減期温度:64℃)、過酸化ベンゾイル(10時間半減期温度:73℃)、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロへキサン(10時間半減期温度:90℃)、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート(10時間半減期温度:49℃)、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート(10時間半減期温度:51℃)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(10時間半減期温度:48℃)、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジラウロイルパーオキシド(10時間半減期温度:64℃)、ジ−n−オクタノイルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減期温度:66℃)、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド(10時間半減期温度:73℃)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(10時間半減期温度:81℃)、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機系過酸化物があげられる。
また、熱開裂型重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(10時間半減期温度:67℃)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(10時間半減期温度:67℃)、1,1−アゾビス−シクロへキサン−1−カルボニトリル(10時間半減期温度:87℃)などのアゾ系化合物があげられる。
熱開裂型重合開始剤の配合量は、粘着性ポリマー100質量部に対して、粘着性ポリマー100質量部に対して、0.01〜20質量部であるのが好ましい。さらには、前記配合量は、0.05〜10質量部、さらには0.1〜3質量部であるのが好ましい。
また、粘着剤層は、上記で説明したものの他、例えば、粘着性ポリマー(ベースポリマー)として、炭素−炭素二重結合を粘着性ポリマーの側鎖または主鎖中もしくは主鎖末端に有するものを用い、これに、前記放射線または熱開裂型重合開始剤を配合した粘着剤組成物により形成することができる。放射線または熱開裂型重合開始剤の配合量は、粘着性ポリマー100質量部に対して、前記同様、0.01〜20質量部であるのが好ましい。なお、放射線開裂型重合開始剤は、放射線の種類に応じて、必要により配合される。当該粘着剤組成物は、低分子成分であるモノマーおよび/またはオリゴマー成分等を含有する必要がなく、または多くは含まないため、経時的にモノマーおよび/またはオリゴマー成分等が粘着剤組成物中を移動することなく、安定した層構造の粘着剤層を形成することができるため好ましい。
前記炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーは、炭素−炭素二重結合を有し、かつ粘着性を有するものを特に制限なく使用できる。このようなベースポリマーとしては、アクリル系ポリマーを基本骨格とするものが好ましい。アクリル系ポリマーの基本骨格としては、前記例示したアクリル系ポリマーがあげられる。
前記アクリル系ポリマーへの炭素−炭素二重結合の導入法は特に制限されず、様々な方法を採用できるが、炭素−炭素二重結合はポリマー側鎖に導入するのが、分子設計が容易である。たとえば、予め、アクリル系ポリマーに官能基を有するモノマーを共重合した後、この官能基と反応しうる官能基および炭素−炭素二重結合を有する化合物を、炭素−炭素二重結合の放射線硬化性を維持したまま縮合または付加反応させる方法があげられる。
これら官能基の組合せの例としては、カルボン酸基とエポキシ基、カルボン酸基とアジリジル基、ヒドロキシル基とイソシアネート基などがあげられる。これら官能基の組合せのなかでも反応追跡の容易さから、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組合せが好適である。また、これら官能基の組み合わせにより、上記炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを生成するような組合せであれば、官能基はアクリル系ポリマーと前記化合物のいずれの側にあってもよいが、前記の好ましい組み合わせでは、アクリル系ポリマーがヒドロキシル基を有し、前記化合物がイソシアネート基を有する場合が好適である。この場合、炭素−炭素二重結合を有するイソシアネート化合物としては、たとえば、メタクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートなどがあげられる。また、アクリル系ポリマーとしては、前記例示のヒドロキシ基含有モノマーや2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングルコールモノビニルエーテルのエーテル系化合物などを共重合したものが用いられる。
前記炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーを用いた粘着剤組成物にも、特性を悪化させない程度に前記硬化性成分(モノマー成分やオリゴマー成分)を配合することもできる。硬化性成分は、通常ベースポリマー100質量部に対して200質量部以下、好ましくは100質量部以下である。
<架橋剤>
前記粘着剤組成物には、凝集力等を向上させ耐熱性等を得るために、架橋剤を配合することができる。架橋剤としては、ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化合物(樹脂)、ポリアミン化合物、イミン系化合物、アジリジン化合物、カルボキシル基含有ポリマー等の有機系の多官能性化合物や、多官能性金属キレート等があげられる。架橋剤の配合量は、柔軟性、接着性の点から、粘着性ポリマー100質量部に対して、30質量部以下であるのが好ましい。架橋剤の配合量は、好ましくは、0.01〜30質量部、さらに好ましくは0.05〜20質量部、さらに好ましくは0.1〜10質量部である。
さらに前記粘着剤組成物には、上記成分の他に各種の粘着付与剤、静電防止剤、表面潤滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機または有機の充填剤、金属粉、顔料などの粉体、粒子状、箔状物などの各種の添加剤を、使用する用途に応じて適宜に添加することができる。
粘着剤層は、前記偏光子の保護フィルムを貼りあわせた面と反対側の面に積層する。粘着剤層の積層方法は、特に制限されず、前記粘着剤組成物の溶液を塗布し乾燥する方法、粘着剤層を設けた離型シートにより転写する方法等があげられる。粘着剤組成物の溶液は、例えば、トルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶剤に、前記組成物を溶解又は分散させた10〜40質量%程度の溶液として調製される。塗布法は、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法などを採用できる。粘着剤層の形成にあたっては、粘着剤組成物中の硬化性成分の硬化が進行しないようにする。例えば、粘着剤組成物が熱開裂型重合開始剤を含有する場合には、乾燥温度が、熱開裂型重合開始剤の開裂温度より低い範囲で行う。粘着剤組成物の溶液の乾燥温度としては、通常、30〜60℃、好ましくは40〜50℃である。
粘着剤層の厚みは、通常、厚み3〜100μm程度であり、好ましくは5〜50μmであり、さらに好ましくは10〜40μmである。
離型シートの構成材料としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体等があげられる。離型シートの表面には、粘着剤層からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの低接着性の剥離処理が施されていても良い。
<偏光板の機能化>
本発明の偏光板は、ディスプレイの視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有する光学フィルムと複合した機能化偏光板としても好ましく使用される。機能化のための反射防止フィルム、輝度向上フィルム、他の機能性光学フィルム、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア層については、特開2007−86748号公報の〔0257〕〜〔0276〕に記載され、これらの記載を基に機能化した偏光板を作成することができる。
[液晶表示装置]
次に本発明の液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置は、本発明の偏光板を少なくとも1枚含む。
図1は、本発明の液晶表示装置の例を示す概略図である。図1において、液晶表示装置10は、液晶層5とこの上下に配置された液晶セル上電極基板3および液晶セル下電極基板6とを有する液晶セル、液晶セルの両側に配置された上側偏光板1および下側偏光板8からなる。液晶セルと各偏光板との間にカラーフィルターを配置してもよい。前記液晶表示装置10を透過型として使用する場合は、冷陰極あるいは熱陰極蛍光管、あるいは発光ダイオード、フィールドエミッション素子、エレクトロルミネッセント素子を光源とするバックライトを背面に配置する。
上側偏光板1および下側偏光板8の少なくとも一方は本発明の偏光板であり、偏光板保護フィルムを偏光子の片面にのみ積層した構成を有している。本発明の偏光板は、偏光子側(粘着剤層を有する場合は、該粘着剤層側)が液晶セル側に、偏光板保護フィルムが液晶セルから遠い側に配置されることが好ましい。すなわち、本発明の液晶表示装置10は、装置の外側(液晶セルから遠い側)から、偏光板保護フィルム、接着剤層、偏光子の順序で積層することが好ましい。
液晶表示装置10には、画像直視型、画像投影型や光変調型が含まれる。TFTやMIMのような3端子または2端子半導体素子を用いたアクティブマトリックス液晶表示装置が本発明は有効である。もちろん時分割駆動と呼ばれるSTNモードに代表されるパッシブマトリックス液晶表示装置でも有効である。
液晶表示装置の駆動モードについては、TNモードやIPSモード等の既知の駆動モードのいずれにおいても有効であり、特に特開2012−82235号の段落0245〜0260に記載のVAモード液晶表示装置は本発明の液晶表示装置として好ましく用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
[参考例101]
(1)セルロースアシレートフィルムの製膜
<セルロースアシレートの調製>
アセチル置換度2.87のセルロースアシレートを調製した。これは、触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、アシル置換基の原料となるカルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。またアシル化後に40℃で熟成を行った。さらにこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
〔偏光板保護フィルムの作製〕
<エア側表層用ドープ101液の調製>
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液1を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート溶液1の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
・平均ベンゾイル置換度が4.5のスクロースベンゾエート
11.0質量部
・偏光子耐久性改良剤(2−3) 4.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 353.9質量部
・メタノール(第2溶媒) 89.6質量部
・n−ブタノール(第3溶媒) 4.5質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(マット剤溶液2の調製)
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液2を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤溶液2の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
2.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 69.3質量部
・メタノール(第2溶媒) 17.5質量部
・n−ブタノール(第3溶媒) 0.9質量部
・前記セルロースアシレート溶液1 0.9質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記マット剤溶液2の1.3質量部と、セルロースアシレート溶液1を98.7質量部加えて、インラインミキサーを用いて混合し、エア側表層用ドープ101を調製した。
<基層用ドープ101の調製>
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、基層用ドープ101を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
基層用ドープ101(セルロースアシレート溶液2)の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
・スクロースオクタベンゾエート 11.0質量部
・偏光子耐久性改良剤(2−3) 4.0質量部
・下記紫外線吸収剤C 2.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 297.7質量部
・メタノール(第2溶媒) 75.4質量部
・n−ブタノール(第3溶媒) 3.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
紫外線吸収剤C
Figure 2014059547
<支持体側表層用ドープ101液の調製>
エア層側表層用ドープ101液において作製した、マット剤溶液2の1.3質量部と、セルロースアシレート溶液1を99.3質量部をインラインミキサーを用いて混合し、支持体側表層用溶液101を調製した。
(流延)
ドラム流延装置を用い、前記調製したドープ(基層用ドープ101)と、その両側に表層用ドープとを3層同時にステンレス製の流延支持体(支持体温度−9℃)に流延口から均一に流延した。各層のドープ中の残留溶媒量が略70質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をピンテンターで固定し、残留溶媒量が3〜5質量%の状態で、横方向に1.28倍延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、参考例101のセルロースアシレートフィルムを得た。得られたセルロースアシレートフィルムの厚みは30μm(エア側表層3μm、基層24μm、支持体側表層3μm)、幅は1480mmであった。
[参考例102〜118、201〜207]
参考例101の偏光板保護フィルムの作製において偏光子耐久性改良剤の種類および添加量、フィルム厚みを下記表1に記載したとおりに変更した以外は同様にして、参考例102〜118および201〜207の偏光板保護フィルムを製造した。なお、偏光子耐久性改良剤の種類及び添加量(セルロースアシレート100質量部に対する質量部)はエア側表層、基層、支持体側表層の3層ですべて同一にした。
Figure 2014059547
Figure 2014059547
Figure 2014059547
Figure 2014059547
Figure 2014059547
Figure 2014059547
Figure 2014059547
[参考例301]
(1)セルロースアシレートフィルムの製膜
<セルロースアシレートの調製>
アセチル置換度2.87のセルロースアシレートを調製した。これは、触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、アシル置換基の原料となるカルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。またアシル化後に40℃で熟成を行った。更にこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
(セルロースアシレート溶液301の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液301を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート溶液301の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
・疎水化剤1(AA−1) 6.5質量部
・疎水化剤2(B−1) 4.0質量部
・紫外線吸収剤D 1.5質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 412.2質量部
・エタノール(第2溶媒) 35.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
疎水化剤1及び2は、各々前記芳香族末端エステル系化合物AA−1及びB−1である。
紫外線吸収剤D
Figure 2014059547
(マット剤溶液302の調製)
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液302を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤溶液302の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
2.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 79.9質量部
・エタノール(第2溶媒) 6.9質量部
・前記セルロースアシレート溶液301 0.9質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(偏光子耐久性改良剤溶液303の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、偏光子耐久性改良剤溶液303を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
偏光子耐久性改良剤溶液303の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・偏光子耐久性改良剤(1−11) 20.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 73.6質量部
・エタノール(第2溶媒) 6.4質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
<流延>
上記マット剤溶液302の1.3質量部と、偏光子耐久性改良剤溶液303の3.4質量部をそれぞれ濾過後にインラインミキサーを用いて混合し、更にセルロースアシレート溶液301を95.3質量部加えて、インラインミキサーを用いて混合した。バンド流延装置を用い、前記調製したドープをステンレス製の流延支持体(支持体温度22℃)に流延した。ドープ中の残留溶媒量が略20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンターで把持し、残留溶媒量が5〜10質量%の状態で、120℃の温度下で幅方向に1.10倍(10%)延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、更に乾燥し、参考例301のセルロースアシレートフィルムを得た。得られたセルロースアシレートフィルムの厚みは20μm、幅は1480mmであった。
[参考例302〜310、401〜404]
参考例301の偏光板保護フィルムの作製において偏光子耐久性改良剤の種類および添加量、フィルム厚みを下記表2に記載したとおりに変更した以外は同様にして、参考例302〜310および401〜404の偏光板保護フィルムを製造した。
Figure 2014059547
Figure 2014059547
[参考例501]
(アクリル溶液501の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、アクリル溶液501を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アクリル溶液501の組成
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・三菱レイヨン(株)製ダイヤナールBR88(溶剤型熱可塑性アクリルレジン)
100.0質量部
・平均ベンゾイル置換度が5.0のスクロースベンゾエート
11.0質量部
・紫外線吸収剤C 2.0質量部
・偏光子耐久性改良剤(1−13) 6.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 393.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 59.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(セルロースアシレート溶液502の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液502を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート溶液502の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・アセチル置換度2.86、重合度350のセルロースアセテート
100.0質量部
・平均ベンゾイル置換度が5.0のスクロースベンゾエート
5.0質量部
・紫外線吸収剤C 2.0質量部
・偏光子耐久性改良剤(1−13) 8.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 414.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 62.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
<積層フィルムの作製>
3層共流延が可能な流延ギーサーを通して、アクリル溶液501とセルロースアシレート溶液502を用いて、金属支持体上に、金属支持体上に近い側から、アクリル層/セルロースアシレート層/アクリル層=30μm/10μm/30μmの層構成となるように流延した。金属支持体上にある間、ドープを40℃の乾燥風により乾燥してフィルムを形成した後に剥ぎ取り、フィルム両端をピンで固定し、その間を同一の間隔で保ちつつ105℃の乾燥風で5分間乾燥した。ピンを外した後、更に130℃で20分間乾燥し、積層フィルムの状態で巻き取った。
このようにして製造した積層フィルムから、上層および下層のアクリルフィルムを剥離して取り除くことにより、膜厚が10μmのセルロースアシレートフィルムを得た。
[参考例502〜504]
参考例501の偏光板保護フィルムの作製においてフィルム厚みを下記表3に記載の値に変更した以外は同様にして、参考例502〜504の偏光板保護フィルムを製造した。
Figure 2014059547
[参考例701]
(アクリル溶液701の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、アクリル溶液701を調製した。
アクリル溶液701の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・三菱レイヨン(株)製ダイヤナールBR88(溶剤型熱可塑性アクリルレジン)
100.0質量部
・偏光子耐久性改良剤(2−3) 6.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 393.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 59.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
<流延>
バンド流延装置を用い、前記調製したドープ(アクリル溶液701)をステンレス製の流延支持体(支持体温度22℃)に流延した。ドープ中の残留溶媒量が略20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンターで把持し、残留溶媒量が5〜10質量%の状態で、100℃の温度下で幅方向に1.05倍(5%)延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、更に乾燥し、参考例701のアクリルフィルムを得た。得られたアクリルフィルムの厚みは40μm、幅は1480mmであった。
<偏光子Aの作製>
平均重合度2400、鹸化度99.9%以上のPVA粉体を純水に溶解して10質量%になるように調整した水溶液を、ポリエステルフィルム上に塗布して40℃、3時間乾燥した後、さらに110℃、60分乾燥を行ない、厚さ50μmのPVAフィルムを得た。得られたフィルムを30℃の温水で1分間膨潤させ、30℃のヨウ化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)の水溶液に浸漬して1.5倍に縦一軸延伸した。ヨウ化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)の水溶液の濃度は、ヨウ素濃度0.38質量%とした。次いで、50℃の4.25質量%のホウ酸水溶液中で、総延伸倍率が7倍になるように縦一軸延伸し、30℃の水浴に浸漬して水洗し、50℃、4分間乾燥し、厚さ12.5μmの偏光子Aを得た。
<偏光子Bの作製>
平均重合度2400、鹸化度99.9%以上のPVA粉体を純水に溶解して12質量%になるように調整した水溶液を、ポリエステルフィルム上に塗布して40℃、3時間乾燥した後、さらに110℃、60分乾燥を行ない、厚さ50μmのPVAフィルムを得た。得られたフィルムを30℃の温水で1分間膨潤させ、30℃のヨウ化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)の水溶液に浸漬して2倍に縦一軸延伸した。ヨウ化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)の水溶液の濃度は、ヨウ素濃度0.38質量%とした。次いで、ホウ酸4.25質量%の50℃水溶液中で、総延伸倍率が6.5倍になるように縦一軸延伸し、30℃の水浴に浸漬して水洗し、50℃、4分間乾燥し、厚さ16μmの偏光子Bを得た。
<偏光子Cの作製>
原反膜厚を32μmとした以外は、偏光子Aと同様にして偏光子Cを作製した。偏光子Cの厚さは8μmだった。
<偏光子Dの作製>
原反膜厚を16μmとした以外は、偏光子Aと同様にして偏光子Dを作製した。偏光子Dの厚さは4μmだった。
<偏光子Eの作製>
原反膜厚を77μmとした以外は、偏光子Aと同様にして偏光子Eを作製した。偏光子Eの厚さは19μmだった。
〔偏光板保護フィルムの鹸化処理〕
作製した参考例101の偏光板保護フィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、実施例B−101の偏光板保護フィルムについて表面の鹸化処理を行った。
〔接着剤の調製〕
アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂(平均重合度1200、鹸化度98.5%モル%、アセトアセチル基変性度5モル%)100質量部に対して、メチロールメラミン50質量部を30℃の温度条件下で純水に溶解し、固形分濃度3.7質量%の水溶液を調製した。この水溶液100質量部に対して、正電荷を有するアルミナコロイド(平均粒子径15nm)を固形分濃度10質量%で含有する水溶液18質量部を加えて金属コロイド含有接着剤水溶液を調製した。接着剤溶液の粘度は9.6mPa・sであり、pHは4〜4.5の範囲であり、アルミナコロイドの配合量は、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して74質量部であった。なお、アルミナコロイドの平均粒子径は、粒度分布計(日機装製、製品名「ナノトラックUAP150」により、動的光散乱法(光相関法)により測定したものである。
[偏光板の作成]
上記偏光板保護フィルム101の(エア側表層側)に、上記接着剤を、乾燥後の接着剤層厚みが80nmとなるように塗布したものを、当該接着剤層を介して、上記偏光子Bの片面に、ロール機を用いて貼り合わせ、70℃で6分間乾燥させて、片面に偏光板保護フィルムを有する偏光板101を作成した。この際、偏光子の透過軸と偏光板保護フィルムの幅方向とが平行になるように配置した。
[硬化型粘着剤の調製]
アクリル酸ブチル90質量部及びアクリル酸10質量部をトルエン中で常法により共重合させて重量平均分子量50万のアクリル系共重合体を含有する溶液を得た。前記溶液(固形分)100質量部に対し、硬化性成分として、不飽和二重結合を6個有する、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「カヤラッドDPHA」,日本化薬 (株) 製)85質量部、紫外線開裂型重合開始剤(商品名「イルガキュア369」,チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)5質量部およびポリイソシアネート化合物(商品名「コロネートL」,日本ポリウレタン (株) 製)1質量部を加えて、アクリル系紫外線硬化型粘着剤溶液を調製した。
〔粘着剤層の形成〕
上記で調製したアクリル系紫外線硬化型粘着剤溶液を、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)からなる離型シートの表面に、乾燥後の厚みが25μmになるように塗布し、70℃で10分間乾燥して、紫外線硬化型粘着剤層を形成した。
〔粘着型偏光板の作成〕
上記偏光板101の偏光子の面(偏光板保護フィルムが設けられていない偏光子面)に、上記離型シートの剥離処理面に形成した粘着剤層を貼り合わせ、粘着剤層を移着させて、実施例B−101の粘着型偏光板を作成した。
[実施例B−102〜B−118、B−701、A−301〜A−310、C−501〜C−504、D−501、E−101、及び比較例B−201〜B−202、C−203〜C−207、C−401、B−402、B−403、B−404の偏光板の作製]
実施例B−101において、偏光子及び偏光板保護フィルムの種類を表4に記載のものに変更した以外は実施例B−101と同様にして、実施例の偏光板および、比較例の偏光板を作製した。
なお、実施例B−701のアクリルフィルムについては、鹸化処理を行なわずに、総研化学(株)製SK粘着シートを用いて偏光子に貼り付けた。
(偏光板耐久性の評価)
上記で作製した各実施例および比較例の偏光板について、波長410nmにおける偏光子の直交透過率を下記の方法で測定した。
偏光板の直交透過率CTは、日本分光(株)製自動偏光フィルム測定装置VAP−7070を用いて、以下の方法により波長410nmで測定した。
偏光板を、粘着剤を介してガラスの上に貼り付けたサンプル(5cm×5cm)を2つ作成した。この際、上記作成した偏光板保護フィルムがガラスと反対側(空気界面)側になるように貼り付けた。直交透過率測定はこのサンプルのガラスの側を光源に向けてセットして測定した。2つのサンプルをそれぞれ測定し、その平均値を直交透過率とした。
その後、60℃、相対湿度90%の環境下で1000時間保存した後についても同様の手法で直交透過率を測定した。経時前後の直交透過率の変化量を求め、以下の基準により評価し、これを偏光子耐久性として下記表4にその結果を記載した。
A:波長410nmの直交透過率変化が0.5%未満
B:波長410nmの直交透過率変化が0.5%以上1%未満
C:波長410nmの直交透過率変化が1%以上3%未満
D:波長410nmの直交透過率変化が3%以上
Figure 2014059547
表4の結果から、本発明の偏光子耐久性改良剤を有する偏光板保護フィルムを用いた偏光板は比較例の偏光板に対して、60℃、相対湿度90%、1000時間経時後前後の410nmのクロス透過率変化が小さく好ましいことがわかった。
[実施例501]
〔液晶表示装置の作製〕
市販の液晶テレビ(SONY(株)のブラビアJ5000)の2枚の偏光板をはがし、視認者側およびバックライト側に本発明の偏光板B−101を粘着剤層が液晶セル側となるように、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。
表4中のその他の偏光板についても、同様にして、粘着剤層が液晶セル側となるように、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。
(表示ムラの評価)
このようにして作製した液晶表示装置に対して、50℃、相対湿度95%で48時間保管した後の、パネルの表示ムラを目視により以下の基準で評価し、表4に示した。
A:ムラなし
B:ムラの面積が10%未満
C:ムラの発生面積が10%以上
表4の結果から本発明の偏光板を用いた液晶表示装置は、高温高湿の環境下に使用しても表示ムラが発生しにくく、好ましいことが分かった。
1 上側偏光板
2 上側偏光板吸収軸の方向
3 液晶セル上電極基板
4 上基板の配向制御方向
5 液晶層
6 液晶セル下電極基板
7 下基板の配向制御方向
8 下側偏光板
9 下側偏光板吸収軸の方向
10 液晶表示装置

Claims (9)

  1. 偏光子の片面にのみ透明保護フィルムを接着剤層を介して有する偏光板であって、
    前記透明保護フィルムは、厚みが5μm以上60μm以下であり、少なくとも1種の樹脂と、少なくとも1つの水素結合性水素供与性基を有し分子量/芳香環数の比が190以下である化合物(A)とを含有する偏光板。
  2. 前記化合物(A)中の芳香環が、炭化水素系芳香環である、請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記化合物(A)が、下記一般式(1)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の偏光板。
    Figure 2014059547

    一般式(1)中、Rは置換基を表し、Rは下記一般式(1−2)で表される置換基を表し;n1は0〜4の整数を表し、n1が2以上の時、複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよく;n2は1〜5の整数を表し、n2が2以上の時、複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    Figure 2014059547

    一般式(1−2)中、Aは置換又は無置換の芳香族環を表し;R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は下記一般式(1−3)で表される置換基を表し;Rは、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し;Xは、置換又は無置換の芳香族環を表し;n3は0〜10の整数を表し、n3が2以上の時、複数のR及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    Figure 2014059547

    一般式(1−3)において、Xは、置換又は無置換の芳香族環を表し;R、R、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し;n5は1〜11の整数を表し、n5が2以上の時、複数のR、R、R、R及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
  4. 前記一般式(1−2)が、下記一般式(1−2’)で表される基である、請求項3に記載の偏光板。
    Figure 2014059547

    一般式(1−2’)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は前記一般式(1−3)で表される置換基を表し;Rは単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し;Xは置換又は無置換の芳香族環を表し;n3は0〜5の整数を表し、n3が2以上の時、複数のR及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
  5. 前記化合物(A)が、下記一般式(2)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の偏光板。
    Figure 2014059547

    一般式(2)において、R26はアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表し、R27及びR28はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、R29は水素原子を表す。R26、R27及びR28はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい。ただし、R26、R27及びR28のいずれか少なくとも1つは芳香環を含む。
  6. 前記透明保護フィルムに含まれる樹脂がセルロースアシレートである請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板。
  7. 前記透明保護フィルム中に、疎水化剤を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光板。
  8. 前記偏光子の前記透明保護フィルムを有する側とは反対側に、粘着剤層を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光板。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の偏光板を少なくとも1枚含む液晶表示装置。
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