JP5825023B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、臭気および異味性が良好でありながらラミネート加工性が良好であるエチレン系樹脂組成物よりなる層を最外層に配した積層体に関するものである。
押出ラミネート加工によって得られる積層体のうち、ポリエチレン系樹脂を少なくとも一層積層してなる積層体は、クラフト包装、軟包装、印画紙支持体、テープ、各種容器など幅広い用途分野で用いられている。とりわけ、食品包装、液体容器等の用途においては、低臭化処理を施した低臭ポリエチレン樹脂を最内層に配した積層体が用いられている。従来食品包装、液体容器等の用途に使用する積層体に用いられる低臭ポリエチレン樹脂は、その優れた成形加工性からラジカル重合により合成される分岐状低密度ポリエチレン(LDPE)が主であった。
しかしながら、ラジカル重合により合成されるLDPEは重合反応がランダムに進行するため、製造された重合体の構造は均一ではなく、多種多様な副生成物が発生する。これらの副生成物は成形加工された積層体にそのままもしくは酸化を受けて含酸素化合物として含有され、これらが揮発することで積層体の臭気が悪化し、包装された内容物の臭気を損なうことがある。あるいは副生成物およびその酸化により発生した含酸素化合物が内容物へ溶解し、内容物の味覚を損なうことがある。
一方、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)や直鎖状高密度ポリエチレン(HDPE)などの直鎖状ポリエチレンは、重合触媒を使用したイオン重合により製造されることからその構造は比較的均一であり、副生成物の発生は少ない。そのため成形された積層体の臭気および異味性はLDPEと比較して良好である。特にシングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いて製造したポリエチレン樹脂は、構造の均一性が高く分子量分布が狭いことから低分子量成分の含有量が少ないため、臭気および異味性が良好であることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ただし直鎖状ポリエチレンは分子同士の絡み合いが生じにくいことから溶融弾性が低く、そのため成形加工性に乏しいという問題がある。成形加工性を良好にするためには分子構造中に長鎖分岐を導入することが有効であるが、従来イオン重合で製造したポリエチレンには製法上長鎖分岐を導入することが難しかった。成形加工性を向上させるための方法としては、直鎖状ポリエチレンとLDPEの混合物を押出ラミネート加工して積層体を得る方法がしばしば用いられている(例えば、特許文献2〜5参照)。しかしLDPEを多量に添加することで積層体の臭気は悪化することが懸念される。そのため、臭気および異味性が良好でかつ成形加工性が良好なポリエチレンを得ることは困難であった。
特開平6−320685号公報 特開平6−65443号公報 特開平6−322189号公報 特開平7−92610号公報 特開2000−73018号公報
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、成形加工性が良好であり、かつ臭気および異味性に優れる積層体を提供するものである。
本発明は、上記の目的に対して鋭意検討した結果見出されたものである。すなわち、本発明は、エチレンと炭素数3から6のα−オレフィンを共重合してなり下記要件(1)〜(5)を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体(A)50〜80重量%と、密度915kg/m以上930kg/m以下、MFR1g/10分以上10g/10分以下の高圧法低密度ポリエチレン(B)20〜50重量%からなり、下記要件(6)、(7)を満たすエチレン系樹脂組成物(C)の層を少なくとも1層基材上に積層してなる積層体であり、最外層のうち少なくとも片面がエチレン系樹脂組成物(C)の層である積層体に関するものである。
(1)密度920kg/m以上955kg/m以下
(2)MFR10g/10分以上50g/10分以下
(3)炭素数6以上の長鎖分岐を、炭素数1000個あたり0.01〜0.2個有する
(4)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2以上5未満
(5)50℃のn−ヘプタンに対する可溶分が0.3重量%以下
(6)20mLのガラス瓶中で140℃、60分間加熱した時のガラス瓶中の気体2mLをガスクロマトグラフィーで測定した時の揮発成分のピーク数が15以下
(7)20mLのガラス瓶中で140℃、60分間加熱した時のガラス瓶中の気体2mLをガスクロマトグラフィーで測定した時のピーク面積の総和をn−ヘキサンに換算した濃度が7μg/g以下
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)の成分であるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、エチレンから導かれる繰り返し単位と炭素数3〜6のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位からなるエチレン−α−オレフィン共重合体である。炭素数3〜6のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン等が挙げられる。これら炭素数3〜6のα−オレフィンの少なくとも2種類を併用してもよい。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)の成分であるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、密度が920kg/m以上955kg/m以下、好ましくは920kg/m以上945kg/m以下、最も好ましくは920kg/m以上935kg/m以下のものである。ここで、密度が920kg/m未満の場合、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の耐熱性が低下し成形加工時の熱履歴により積層体の臭気および異味性が悪化するため好ましくない。一方、密度が955kg/mより大きい場合、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の耐熱性は良好で積層体の臭気および異味性は良好となる反面積層体のカールが大きくなり、製袋などの二次加工性が悪化するため好ましくない。なお密度の測定は、JIS K6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定することができる。
また、本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)の成分であるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、メルトフローレート(以下MFRと記す)が、10g/10分以上50g/10分以下、好ましくは20g/10分以上40g/10分以下のものである。ここで、MFRが10g/10分未満である場合、エチレン系樹脂組成物(C)を成形加工する際の押出機の負荷が大きくなり、生産性が低下するため好ましくない。一方、50g/10分を超える場合、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)に含まれる低分子量成分が増加することにより積層体の臭気および異味性が悪化するため好ましくない。なおMFRは、JIS K6760(1995)に準拠して190℃、2.16kg荷重の条件でメルトインデクサーにより測定することができる。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)の成分であるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、構造中に炭素数6以上の長鎖分岐を炭素数1000個あたり0.01〜0.2個有するものである。構造中に長鎖分岐を炭素数1000個あたり0.01〜0.2個有することでエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の溶融張力が高くなり、エチレン系樹脂組成物(C)の成形加工性が向上する。長鎖分岐の数が炭素数1000個あたり0.01個未満である場合、エチレン系樹脂組成物のラミネート加工時のネックイン(溶融膜の幅落ち)が大きくなり好ましくない。また長鎖分岐の数が炭素数1000個あたり0.2個より多い場合、エチレン系樹脂組成物のラミネート加工性のドローダウン(高速成形性)が低下するため好ましくない。なお、長鎖分岐数とは、13C−NMR測定で検出されるヘキシル基以上(炭素数6以上)の分岐の数である。
さらに本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)を構成するエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、エチレンを重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン重合体またはエチレンと炭素数3〜6のオレフィンを共重合して得られ末端にビニル基を有するエチレン共重合体からなるマクロモノマーであって、数平均分子量(Mn)が2000以上であるマクロモノマーの存在下に、あるいは該マクロモノマーの合成と同時に、エチレン又はエチレンおよび炭素数3〜6のオレフィンを重合することにより得られるポリエチレン系重合体であることが望ましい。
マクロモノマーとは、末端にビニル基を有するオレフィン重合体であり、好ましくはエチレンを重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン重合体、またはエチレンと炭素数3〜6のオレフィンを共重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン共重合体である。
炭素数3〜6のオレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンもしくはビニルシクロアルカン等のα−オレフィン、ブタジエンもしくは1,4−ヘキサジエン等のジエンを例示することができる。また、これらのオレフィンを2種類以上混合して用いることもできる。
マクロモノマーの直鎖状ポリエチレン換算の数平均分子量(Mn)は、2000以上であることが好ましく、さらに好ましくは5000以上であり、最も好ましくは10000以上である。直鎖状ポリエチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、4000以上であり、好ましくは10000以上であり、さらに好ましくは15000より大きい。マクロモノマーの分子量を大きくすることでエチレン−α−オレフィン共重合体(A)に導入される長鎖分岐の長さが長くなり、溶融張力が向上する。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)の成分であるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2以上5未満である。Mw/Mnが2未満の場合、成形加工時の押出負荷が必要以上に高くなってラミネート加工時の押出量が制限されるため好ましくない。またMw/Mnが5以上の場合、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)中の低分子量成分の含有比率が多くなり低分子量成分に由来する臭気および異味性が悪化するとともにラミネート成形時のロール汚染やラミネート成形品の表面のべたつきおよびヒートシール不良などの弊害が生じることから好ましくない。なお、Mw/Mnは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリエチレン換算値である重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定することにより算出することが可能である。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)の成分であるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、50℃のn−ヘプタンに対する可溶分が0.3重量%以下であり、さらに好ましくは0.2重量%以下である。可溶分が0.3重量%を超える場合、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)中の低分子量成分の含有比率が多くなり低分子量成分に由来する臭気および異味性が悪化するとともにラミネート成形時のロール汚染やラミネート成形品の表面のべたつきおよびヒートシール不良などの弊害が生じることから好ましくない。なお、n−ヘプタンに対する可溶分は、樹脂を微粉状に粉砕して50℃のn−ヘプタン中に浸漬し、濾液を乾燥させた後に残留する成分の重量から測定することが可能である。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)の成分であるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、如何なる方法により得られたものであってもよく、例えば後述する本願実施例の製造条件そのもの、あるいは条件因子の微調整によって任意に作り分けることが可能である。
エチレンとα−オレフィンの共重合に用いる触媒は特に限定されるものではなく、チーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒などが使用できるが、好ましくはメタロセン触媒により重合されたものである。
メタロセン触媒の主成分であるメタロセン化合物としては、例えば、シクロペンタジエニル基、置換基を有するシクロペンタジエニル基(置換シクロペンタジエニル基)、インデニル基、置換インデニル基から選ばれる1種類の基と、フルオレニル基、置換フルオレニル基から選ばれる1種類の基が、架橋基により架橋された配位子を有する周期表第4族の遷移金属化合物を挙げることができ、その代表例としてジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4−フェニル−1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4−フェニル−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等のジクロル体および上記メタロセン化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体、架橋ビスインデニルジルコニウム錯体等を例示することができる。
さらに、メタロセン触媒としては下記のものが例示できる。
成分(a)と下記一般式(1)
AlR (1)
(式中、R1は各々独立して水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基である。)
で表される有機アルミニウム化合物(以下、「成分(b)」と称する)からなる触媒、さらに水を含んでなる触媒、
成分(a)と下記一般式(2)
Figure 0005825023
および/または下記一般式(3)
Figure 0005825023
(式中、Rは各々独立して水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基であり、pは2〜50の整数である。)
で表されるアルミノキサン(以下、「成分(c)」と称する)からなる触媒、さらに成分(b)を含んでなる触媒、
成分(a)と下記一般式(4)
[R y−1H][MAr] (4)
(式中、[R y−1H]はカチオンであり、Mは周期表の第15族または第16族から選ばれる元素であり、Rは炭素数1〜30の炭化水素基であり、Rは各々独立して水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、yはMが第15族元素の時y=3であり、Mが第16族元素の時y=2であり、[MAr]はアニオンであり、Mはホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表されるプロトン酸塩(以下、「成分(d)」と称する)、下記一般式(5)
[C][MAr] (5)
(式中、Cはカルボニウムカチオンまたはトロピリウムカチオンであり、Mはホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表されるルイス酸塩(以下、「成分(e)」と称する)または下記一般式(6)
[M ][MAr] (6)
(式中、Mは周期表の第1族、第8族、第9族、第10族または第11族の金属の陽イオンであり、Lはルイス塩基またはシクロペンタジエニル基であり、zは0≦z≦2であり、M2はホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表される金属塩(以下、「成分(f)」と称する)から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒、さらに成分(b)および/または成分(c)を含んでなる触媒、
成分(a)と下記一般式(7)
Ar (7)
(式中、Mはホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表されるルイス酸(以下、「成分(g)」と称する)からなる触媒、さらに成分(b)および/または成分(c)を含んでなる触媒、
成分(a)と成分(g)と成分(d)、成分(e)、成分(f)から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒、さらに成分(b)および/または成分(c)を含んでなる触媒、
成分(a)と粘土鉱物(以下、「成分(h)」と称する)からなる触媒、さらに成分(b)を含んでなる触媒、
特開平7−224106号公報、特開平09−59310号公報、特開平10−231312号公報、特開平10−231313号公報等に例示される成分(a)と有機化合物で処理された粘土鉱物(以下、「成分(i)」と称する)からなる触媒、さらに成分(b)を含んでなる触媒が挙げられる。また、成分(a)とジエチル亜鉛、フッ化フェノール、水、シリカ、およびトリメチルジシラザン(((CHSi)NH)を接触させて得られる担体を含んでなる触媒、さらに成分(b)を含んでなる触媒が挙げられる。
マクロモノマーの合成と同時に、エチレン又はエチレンおよび炭素数3〜6のオレフィンを重合する場合に用いるメタロセン化合物として、マクロモノマーを合成する非架橋型ビス(インデニル)ジルコニウム錯体、非架橋型ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム錯体、架橋型ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム錯体、もしくは架橋型(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウム錯体(以下、成分(j)と記す。)と、マクロモノマーとエチレンを共重合する、またはマクロモノマーとエチレンと炭素数3〜6のオレフィンを共重合する架橋型(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム錯体もしくは架橋型(インデニル)(フルオレニル)ジルコニウム錯体(以下、成分(k)と記す。)を用いたメタロセン触媒の存在下に、エチレンを重合する、またはエチレンと炭素数3〜6のα−オレフィンを共重合する方法を用いることができる。
成分(j)の具体例としては、例えばビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、プロパン−1,3−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド等のジクロライドおよび上記遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体を例示することができる。
成分(k)の具体例としては、例えばジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイル(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等のジクロライドおよび上記遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体を例示することができる。また上記遷移金属化合物のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に置換した化合物も例示することもできる。
また、成分(j)に対する成分(k)の量は、特に制限はなく、0.0001〜100倍モルであることが好ましく、特に好ましくは0.001〜10倍モルである。
そして、成分(j)と成分(k)を用いたメタロセン触媒としては、例えば成分(j)と成分(k)と有機アルミニウム化合物(以下、成分(l)と記す。)からなる触媒;成分(j)と成分(k)とアルミノオキサン(以下、成分(m)と記す。)からなる触媒;さらに成分(l)を含んでなる触媒;成分(j)と成分(k)とプロトン酸塩(以下、成分(ん)と記す。)、ルイス酸塩(以下、成分(o)と記す。)または金属塩(以下、成分(p)と記す。)から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒;さらに成分(l)を含んでなる触媒;、成分(j)と成分(k)と成分(m)と無機酸化物(以下、成分(q)と記す。)からなる触媒;成分(j)と成分(k)と成分(q)と成分(n)、成分(o)、成分(p)から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒;さらに成分(l)を含んでなる触媒;成分(j)と成分(k)と粘土鉱物(以下、成分(r)と記す。)と成分(l)からなる触媒;成分(j)と成分(k)と有機化合物で処理された粘土鉱物(以下、成分(s)と記す。)からなる触媒を例示することができ、好ましくは成分(j)と成分(k)と成分(s)からなる触媒を用いることができる。
ここで、成分(r)および成分(s)として用いることが可能な粘土鉱物としては、微結晶状のケイ酸塩を主成分とする微粒子を挙げることができ、粘土鉱物の大部分は、その構造上の特色として層状構造を成しており、層の中に種々の大きさの負電荷を有することが挙げられる。この点で、シリカやアルミナのような三次元構造を持つ金属酸化物と大きく異なる。これらの粘土鉱物は、一般に層電荷の大きさで、パイロフィライト、カオリナイト、ディッカイトおよびタルク群(化学式当たりの負電荷がおよそ0)、スメクタイト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.25から0.6)、バーミキュライト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.6から0.9)、雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ1)、脆雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ2)に分類されている。ここで示した各群には、それぞれ種々の粘土鉱物が含まれるが、スメクタイト群に属する粘土鉱物としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト等が挙げられる。また、上記粘土鉱物は複数混合して用いることもできる。
成分(s)における有機化合物処理とは、粘土鉱物層間に有機イオンを導入し、イオン複合体を形成することをいう。有機化合物処理で用いられる有機化合物としては、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−エイコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−ドコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオレイルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−ビス(n−オクタデシル)アミン塩酸塩、N−メチル−ビス(n−エイコシル)アミン塩酸塩、N−メチル−ジオレイルアミン塩酸塩、N−メチル−ジベヘニルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩を例示することができる。
成分(j)と成分(k)と成分(s)からなる触媒は、有機溶媒中、成分(j)と成分(k)と成分(s)を接触させることによって得ることが可能であり、成分(j)と成分(s)の接触生成物に成分(k)を添加する方法;成分(k)と成分(s)の接触生成物に成分(j)を添加する方法;成分(j)と成分(k)の接触生成物に成分(s)を添加する方法;成分(s)に成分(j)と成分(k)の接触生成物を添加する方法を例示することができる。
接触溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロペンタンもしくはシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテルもしくはn−ブチルエーテル等のエーテル類;塩化メチレンもしくはクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、1,4−ジオキサン、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランを例示することができる。
接触温度については、0〜200℃の間で選択して処理を行うことが好ましい。
各成分の使用量は、成分(s)1gあたり成分(j)が、0.0001〜100mmol、好ましくは0.001〜10mmolである。
このようにして調製された成分(j)と成分(k)と成分(s)の接触生成物は、洗浄せずに用いても良く、また洗浄した後に用いても良い。また、成分(j)または成分(k)がジハロゲン体の時、さらに成分(l)を添加することが好ましい。また、成分(s)、重合溶媒およびオレフィン中の不純物を除去することを目的に成分(l)を添加することができる。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)の成分であるエチレン-α-オレフィン共重合体(A)を製造する際には、重合温度−100〜120℃で行うことが好ましく、特に生産性を考慮すると20〜120℃が好ましく、さらには60〜120℃の範囲で行うことが好ましい。また、重合時間は10秒〜20時間の範囲が好ましく、重合圧力は常圧〜300MPaの範囲で行うことが好ましい。重合性単量体としては、エチレン単独又はエチレンと炭素数3〜6のα−オレフィンであり、エチレンと炭素数3〜6のα−オレフィンである場合、エチレンと炭素数3〜6のα−オレフィンの供給割合として、エチレン/炭素数3〜6のα−オレフィン(モル比)が、1〜200、好ましくは3〜100、さらに好ましくは5〜50の供給割合を用いることができる。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて2段階以上に分けて行うことも可能である。また、エチレン系共重合体は、重合終了後に従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。
重合はスラリー状態、溶液状態または気相状態で実施することができ、特に、重合をスラリー状態で行う場合にはパウダー粒子形状の整ったエチレン系共重合体を効率よく、安定的に生産することができる。また、重合に用いる溶媒は一般に用いられる有機溶媒であればいずれでもよく、具体的には例えばベンゼン、トルエン、キシレン、プロパン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ガソリン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)の成分であるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の長鎖分岐数は、マクロモノマーの末端ビニル数を増加させることによって増加できる。マクロモノマーの末端ビニル数は、マクロモノマー合成用のメタロセン化合物の選択により制御することができる。例えば、非架橋型メタロセン化合物を架橋型メタロセン化合物に変更することによって増加させることができる。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)の成分であるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)のMw/Mnは、マクロモノマーのMnを減少させることによって増加できる。マクロモノマーのMnは、マクロモノマー合成用のメタロセン化合物の選択により制御することができる。例えば、非架橋型メタロセン化合物を架橋型メタロセン化合物に変更することによって減少させることができる。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)の成分である高圧法低密度ポリエチレン(B)は、従来公知の高圧ラジカル重合法により得ることができ、本発明の範囲において適宜選択される。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)の成分である高圧法低密度ポリエチレン(B)は、密度が915kg/m以上930kg/m以下、好ましくは915kg/m以上925kg/m以下のものである。密度が915kg/m未満の場合は、高圧法低密度ポリエチレン(B)の耐熱性が低下して積層体の臭気および異味性が悪化するため好ましくない。また密度が930kg/mを超える場合は、エチレン系樹脂組成物(C)の密度が高くなり、積層体のカールが大きくなることにより二次加工性が悪化するため好ましくない。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)の成分である高圧法低密度ポリエチレン(B)は、MFRが1g/10分以上10g/10分以下、好ましくは1g/10分以上5g/10分以下のものである。ここで、MFRが1g/10分未満である場合、エチレン系樹脂組成物(C)成形加工時の押出負荷が大きくなり生産性が低下するため好ましくない。一方、10g/10分を超える場合、溶融張力が小さくなりラミネート加工時のネックインが大きくなるため好ましくない。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)は、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)50〜80重量%、好ましくは60〜80重量%と高圧法低密度ポリエチレン(B)20〜50重量%、好ましくは20〜40重量%からなるものである。高圧法低密度ポリエチレン(B)の配合量が20重量%未満の場合、エチレン系樹脂組成物(C)のラミネート加工性が悪化するため好ましくない。一方配合量が50重量%を超える場合は、積層体の臭気および異味性が悪化するため好ましくない。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)は、20mLのガラス瓶中で140℃、60分間加熱した時のガラス瓶中の気体2mLをガスクロマトグラフィーで測定した時の揮発成分のピーク数が15以下である。揮発成分のピーク数が15より多い場合、エチレン系樹脂組成物(C)は低臭性に劣るものとなり、ひいてはエチレン系樹脂組成物(C)を用いてなる積層体の低臭性も悪化するため好ましくない。さらに当該積層体を用いて成型した容器に充填された食品に揮発成分の一部が転移した場合、食品の異味性が悪化するため好ましくない。
なお、エチレン系樹脂組成物(C)中の揮発成分は、試料0.27gを密封可能な容量20mLのガラス瓶に入れ、140℃で60分間加熱して抽出することができる。揮発成分を含有するガラス瓶中の気体2mLをシリンジで採取し、ガスクロマトグラフに導入して含有成分の分離を行うことができる。
カラム:Quadrex製VTS−MS
キャリアガス:ヘリウム(2mL/分)
カラム温度:50℃〜250℃(10℃/分で昇温)
検出器:FID
得られたクロマトグラムより、すべてのピークについて面積を算出し、ピーク面積の総和の1%以上の面積を有するピークの数をその試料の揮発成分のピーク数とした。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)は、20mLのガラス瓶中で140℃、60分間加熱した時のガラス瓶中の気体2mLをガスクロマトグラフィーで測定した時のピーク面積の総和をn−ヘキサンに換算した濃度が、7μg/g以下であり、好ましくは5μg/g以下、さらに好ましくは3μg/g以下である。揮発成分のn−ヘキサン換算濃度が7μg/gより高い場合、エチレン系樹脂組成物(C)は低臭性に劣るものとなり、ひいてはエチレン系樹脂組成物(C)を用いてなる積層体の低臭性も悪化するため好ましくない。さらに当該積層体を用いて成型した容器に充填された食品に揮発成分の一部が転移した場合、食品の異味性が悪化するため好ましくない。
なお、エチレン系樹脂組成物(C)中の揮発成分のn−ヘキサン換算濃度は、揮発成分のピーク数を測定する方法と同様の方法で揮発成分のピーク面積総和を算出した後、濃度既知のn−ヘキサン標準気体を同様に測定して得られたピークの面積との比例計算により算出することができる。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)は、160℃で測定された溶融張力が10〜100mNであることが好ましく、20〜80mNであることがさらに好ましい。溶融張力がこの範囲であると、ラミネート加工時のネックインとドローダウンのバランスが良好となり、押出ラミネート成形に好適に使用できる。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)には、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、必要に応じて、他のポリエチレン系樹脂を配合することができる。ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、(A)以外のエチレン−α−オレフィン共重合体が挙げられる。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)には、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、必要に応じて、安定剤、滑剤、難燃剤、分散剤、充填剤、発泡剤、発泡核剤、架橋剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、着色剤などを含有させることができる。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)を製造する方法としては、通常樹脂組成物とする際の方法を用いることができ、例えば溶融・混合方法として、単軸押出機やニ軸押出機を用いた押出混練、ロール混練など公知の方法を挙げることができ、該方法で溶融混練することにより得ることができる。
本発明の積層体を構成するエチレン系樹脂組成物(C)の揮発成分濃度を低減する方法には特に制約はないが、例えばエチレン系樹脂組成物(C)を40℃以上70℃以下の気流中で12時間以上120時間未満加熱処理する方法が挙げられる。気流中で加熱してエチレン系樹脂組成物(C)中の揮発成分の拡散速度を増大させることで、樹脂外に効率よく排出することができる。
なお、加熱温度が40℃未満では揮発成分の拡散速度が低く揮発成分を十分に除去することができない。一方加熱温度が70℃を超えるとエチレン系樹脂組成物(C)の酸化が起こり始め、MFRなどの樹脂物性の変化を生じる可能性がある。
また、加熱時間が12時間未満ではエチレン系樹脂組成物(C)内部の揮発成分の移動が十分でなく、揮発成分を十分に除去することができない。一方加熱時間が120時間を越えるとエチレン系樹脂組成物(C)の酸化が起こり始め、MFRなどの樹脂物性の変化を生じる可能性がある。
本発明の積層体は、エチレン系樹脂組成物(C)の層を少なくとも1層基材上に積層してなる積層体であり、最外層のうち少なくとも片面がエチレン系樹脂組成物(C)の層であること以外は特に制約はなく、3層以上の積層も可能である。具体的には、基材/エチレン系樹脂組成物(C)層、エチレン系樹脂組成物(C)層/基材/エチレン系樹脂組成物(C)層、(C)以外の樹脂層/基材/エチレン系樹脂組成物(C)層などが例示される。
なお、(C)以外の樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレンなどが挙げられる。
本発明の積層体を成形する方法には特に制限はなく、成形方法の例としては押出ラミネート成形法、ドライラミネート成形法、共押出Tダイ成形法、共押出インフレーション成形法などが挙げられるが、とりわけ押出ラミネート成形法が生産効率の点から好ましい。
押出ラミネート成形法は、シングルラミネート、タンデムラミネート、共押出ラミネート、サンドイッチラミネートのいずれでもよく、特に制限を受けない。また、押出ラミネート加工を行う際、基材とエチレン系重合体組成物層との接着性が良好な積層体を得るため、250〜350℃の温度でダイより押出すことが好ましい。また、エチレン系重合体組成物の溶融フィルムが少なくとも基材と接する面は、空気もしくはオゾンガスにより酸化されていてもよい。空気による酸化反応を進行させる場合、270℃以上の温度でダイより押出すことが好ましく、また、オゾンガスによる酸化反応を進行させる場合は、250℃以上で押出すことが好ましい。なお、オゾンガスの処理量としては、ダイより押出されたフィルム1m当たり0.5mg以上であることが好ましい。また、基材との接着性を高めるため、基材の接着面に対してアンカーコート剤処理、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を施してもよい。
基材としては、合成高分子重合体フィルムおよびシート、織布、不織布、金属箔、紙類、セロファン等が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成高分子重合体からなるフィルムおよびシート等が挙げられる。さらに、これらの高分子重合体フィルムおよびシートは、さらにアルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着されたものでもよい。また、これらの高分子重合体フィルムおよびシートは、さらにウレタン系インキ等を用いて印刷されたものでもよい。金属箔としては、アルミ箔、銅箔などが例示でき、また、紙類としてはクラフト紙、伸張紙、上質紙、グラシン紙、カップ原紙や印画紙原紙等の板紙などが挙げられる。
本発明の積層体は、基材に板紙を用い、最外層であるエチレン系樹脂組成物(C)の層が容器の内面になるよう成型された液体包装用紙容器とすることで、高い低臭性、低異味性が要求される水、ジュースなどの飲料容器として好適に使用することができる。また最外層であるエチレン系樹脂組成物(C)の層が内面になるよう成型された袋とすることで、スナック菓子、インスタントラーメン等の乾燥食品、スープ、味噌、漬物、ソース、飲料等の水物飲食品包装、薬、輸液バッグ等の医薬品包装などの低臭性、低異味性が必要な用途に好適に使用することができる。
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〜密度の測定〜
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)、高圧法低密度ポリエチレン(B)およびエチレン系重合体組成物の密度は、JIS K6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定した。
〜MFRの測定〜
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)、高圧法低密度ポリエチレン(B)およびエチレン系重合体組成物のMFRは、JIS K6760(1995)に準拠してメルトインデクサーで測定した。
〜分子量および分子量分布の測定〜
マクロモノマーおよびエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正されている。なお、MwおよびMnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
〜長鎖分岐数の測定〜
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の長鎖分岐数は、Varian製 VNMRS−400型核磁気共鳴装置を用いて、13C−NMRによってヘキシル基以上の長鎖分岐の数を測定した。溶媒はテトラクロロエタン−d2である。主鎖メチレン炭素1,000個当たりの個数として、「マクロモレキュールズ(Macromolecules)」第31巻、25号、8677〜8683ページ(1998年)に記載の下記式(4)から求めた。
長鎖分岐数=IAα/(3×IAtot) (4)
[式中、IAαはヘキシル基以上の長鎖分岐のα−炭素ピーク(化学シフト:34.6ppm)の積分強度であり、IAtotは主鎖メチレン炭素のピーク(30.0ppm)の積分強度である。]
〜n−ヘプタン可溶分の測定〜
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)のn−ヘプタン可溶分の測定は、測定対象の樹脂を液体窒素で凍結させた後、ウィレー粉砕機((株)池田理化製 W−50)により機械的に粉砕して微粉状にした。微粉状の樹脂4gを精密に秤量し、これにn−ヘプタン400mLを加えてウォーターバス中で50℃に加熱しながら2時間抽出を行った。抽出終了後に濾過し、濾液を蒸発乾固させた後、さらにイナートオーブンで1時間乾燥した。蒸発残分の重量を測定し、抽出に用いた樹脂の重量との比から抽出率を求めた。
〜溶融張力の測定〜
エチレン系樹脂組成物(C)の溶融張力は、バレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名:キャピログラフ)に、長さが8mm,直径が2.095mm、流入角が90°のダイスを装着し測定した。溶融張力は、温度を160℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を47に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)を測定した。最大延伸比が47未満の場合、破断しない最高の延伸比での引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。
〜揮発成分のピーク数の測定〜
エチレン系樹脂組成物(C)の揮発成分のピーク数は、試料約0.27gを密封可能な容量20mLのガラス瓶に入れ、140℃で60分間加熱して揮発成分を抽出し、ガラス瓶中の気体2mLをシリンジで採取し、ガスクロマトグラフに導入して含有成分の分離を行った。
カラム:Quadrex製VTS−MS
キャリアガス:ヘリウム(2mL/分)
カラム温度:50℃〜250℃(10℃/分で昇温)
検出器:FID
得られたクロマトグラムより、すべてのピークについて面積を算出し、ピーク面積の総和の1%以上の面積を有するピークの数をその試料の揮発成分のピーク数とした。
〜揮発成分のn−ヘキサン換算濃度の測定〜
エチレン系樹脂組成物(C)の揮発成分のn−ヘキサン換算濃度は、〜揮発成分のピーク数の測定〜と同様の方法で揮発成分のピーク面積総和を算出した後、濃度既知のn−ヘキサン標準気体を同様に測定して得られたピークの面積との比例計算により算出した。
〜ネックインの測定〜
エチレン系樹脂組成物(C)を90mmφのスクリューを有する押出ラミネーター(ムサシノキカイ(株)製)の押出機へ供給し、320℃の樹脂温度で開口幅600mmのTダイより押出し、エアギャップ長を130mm、基材の引取り速度を200m/分として、坪量50g/mのクラフト紙基材上にエチレン系樹脂組成物が10μmの厚さになるよう押出ラミネートした際の、Tダイ開口幅とエチレン系樹脂組成物のコート幅との差をネックインとし、その値を測定した。
〜低臭性(官能評価)〜
エチレン系樹脂組成物(C)を90mmφのスクリューを有する押出ラミネーター(ムサシノキカイ(株)製)の押出機へ供給し、320℃の樹脂温度で開口幅600mmのTダイより押出し、エアギャップ長を130mm、基材の引取り速度を100m/分として、坪量270g/mの板紙上にエチレン系樹脂組成物(C)が20μmの厚さになるよう押出ラミネートし、積層体を得た。
この積層体20gを200mLのガラス瓶に封入し、50℃で1時間加熱した後にガラス瓶中の空気をパネラーに嗅いでもらった。板紙20gのみを入れて50℃で1時間加熱したもの(比較対照試料)と比較して、においの強さをパネラーにより判定した。判定基準は、1:同等、2:やや臭う、3:はっきり臭う、の3段階とし、5名のパネラーの平均値で評価した。
〜異味性(官能評価)〜
〜低臭性(官能評価)〜の評価に用いたものと同じ積層体で、エチレン系樹脂組成物(C)が内面となるように100mm×300mmの袋を作製し、50mLのミネラルウォーターを封入して、50℃で1時間加熱した。加熱処理後のミネラルウォーターを試料水とし、試料水をパネラーに飲んでもらった。未処理のミネラルウォーター(比較対照試料)と比較して、試料水の味をパネラーにより判定した。判定基準は、1:同等、2:ややまずい、3:はっきりまずい、の3段階とし、5名のパネラーの平均値で評価した。
合成例1
[変性ヘクトライトの調製]
水3Lにエタノール3Lと37%濃塩酸100mLを加えた後、得られた溶液にN−メチル−ジオレイルアミン585g(1.1mol)を添加し、60℃に加熱することによって、塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト1kgを加えた。この懸濁液を60℃で、3時間撹拌し、上澄液を除去した後、60℃の水50Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径5.2μmの変性ヘクトライトを得た。
[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]
前記変性ヘクトライト500gをヘキサン1.7Lに懸濁させ、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド8.25g(20.0mmol)とトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)2.8L(2mol)の混合液を添加し、60℃で3時間攪拌した後、静置して上澄み液を除去、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加してマクロモノマー合成触媒(100g/L)とした。
上記で調製したマクロモノマー合成触媒にジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライドに対して10mol%のイソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド1.21g(2.22mmol)を添加して室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して最終的に100g/Lのポリエチレン系樹脂製造触媒を得た。
[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−1)の製造]
内容積540Lの重合器に、ヘキサンを145kg/時、エチレンを33.0kg/時、ブテン−1を4.9kg/時、水素を20NL/時およびポリマー生産量が30kg/時になるように上記[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したポリエチレン系樹脂製造触媒を連続的に供給し、全圧を3,000kPa、重合器内温を60℃に保ちながら連続的に重合反応を行った。重合器から連続的にスラリー抜き出し、未反応の水素、エチレン、ブテン−1を除去した後、分離、乾燥の工程を経てエチレン−α−オレフィン共重合体(A−1)粉末を得た。これを200℃に設定した50mm径の単軸押出機を使用して溶融混練し、ペレタイズすることでエチレン−α−オレフィン共重合体(A−1)ペレットを得た。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(A−1)ペレットの密度は925kg/m、MFRは24.1g/10分、長鎖分岐数は1000炭素原子当り0.13個、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは3.8であった。またn−ヘプタン可溶分は0.12重量%であった。
なお、この合成例では、下記参考例1に示すマクロモノマーの製造と同時に、エチレンおよび1−ブテンの重合が行われている。
参考例1
[マクロモノマーの合成]
合成例1[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−1)の製造]において、ポリエチレン系樹脂製造触媒の代わりに合成例1[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したマクロモノマー合成触媒を用いたこと以外は、合成例1と同様に行い、マクロモノマーペレットを得た。得られたマクロモノマーペレットのMn=15000であり、Mw/Mn=2.5であった。また、マクロモノマーペレットの末端構造を解析したところ、1000炭素当りの末端ビニル数は0.07個であった。
合成例2
[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]
合成例1[変性ヘクトライトの調製]で調製した変性ヘクトライト500gをヘキサン1.7Lに懸濁させ、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド8.81g(20.0mmol)とトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)2.8L(2mol)の混合液を添加し、60℃で3時間攪拌した後、静置して上澄み液を除去、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加してマクロモノマー合成触媒(100g/L)とした。
上記で調製したマクロモノマー合成触媒にジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドに対して5mol%のジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.58g(1.05mmol)を添加して室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して最終的に100g/Lのポリエチレン系樹脂製造触媒を得た。
[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−2)の製造]
合成例1[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−1)の製造]において、ブテン−1を4.9kg/時から5.3kg/時、水素供給量を20NL/時から5NL/時に変え、触媒を上記[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したポリエチレン系樹脂製造触媒に変更したこと以外は、合成例1と同様に行い、エチレン−α−オレフィン共重合体(A−2)を得た。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(A−2)の密度は920kg/m、MFRは12.7g/10分、長鎖分岐数は1000炭素原子当り0.10個、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは4.2であった。またn−ヘプタン可溶分は0.18重量%であった。
参考例2
[マクロモノマーの合成]
合成例2[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−2)の製造]において、ポリエチレン系樹脂製造触媒の代わりに合成例2[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したマクロモノマー合成触媒を用いたこと以外は、合成例2と同様に行い、マクロモノマーペレットを得た。得られたマクロモノマーペレットのMn=20000であり、Mw/Mn=2.8であった。また、マクロモノマーペレットの末端構造を解析したところ、1000炭素当りの末端ビニル数は0.05個であった。
合成例3
[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−3)の製造]
合成例1[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−1)の製造]において、ブテン−1を4.9kg/時から5.3kg/時、水素供給量を20NL/時から30NL/時に変え、触媒を合成例2[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したポリエチレン系樹脂製造触媒に変更したこと以外は、合成例1と同様に行い、エチレン−α−オレフィン共重合体(A−3)を得た。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(A−3)の密度は920kg/m、MFRは39.2g/10分、長鎖分岐数は1000炭素原子当り0.12個、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは4.1であった。また、n−ヘプタン可溶分は0.25重量%であった。
参考例3
[マクロモノマーの合成]
合成例3[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−3)の製造]において、ポリエチレン系樹脂製造触媒の代わりに合成例2[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したマクロモノマー合成触媒を用いたこと以外は、合成例3と同様に行い、マクロモノマーペレットを得た。得られたマクロモノマーペレットのMn=10000であり、Mw/Mn=3.0であった。また、マクロモノマーペレットの末端構造を解析したところ、1000炭素当りの末端ビニル数は0.05個であった。
合成例4
[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]
合成例1[変性ヘクトライトの調製]で調製した変性ヘクトライト500gをヘキサン1.7Lに懸濁させ、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド7.85g(20.0mmol)とトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)2.8L(2mol)の混合液を添加し、60℃で3時間攪拌した後、静置して上澄み液を除去、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加してマクロモノマー合成触媒(100g/L)とした。
上記で調製したマクロモノマー合成触媒にビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドに対して5mol%のイソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.57g(1.05mmol)を添加して室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して最終的に100g/Lのポリエチレン系樹脂製造触媒を得た。
[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−4)の製造]
合成例1[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−1)の製造]において、ブテン−1を4.9kg/時から0.5kg/時、水素供給量を20NL/時から5NL/時、重合温度を60℃から85℃に変え、触媒を上記[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したポリエチレン系樹脂製造触媒に変更したこと以外は、合成例1と同様に行い、エチレン−α−オレフィン共重合体(A−4)を得た。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(A−4)の密度は955kg/m、MFRは11.3g/10分、長鎖分岐数は1000炭素原子当り0.03個、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは2.4であった。また、n−ヘプタン可溶分は0.09重量%であった。
参考例4
[マクロモノマーの合成]
合成例4[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−4)の製造]において、ポリエチレン系樹脂製造触媒の代わりに合成例4[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したマクロモノマー合成触媒を用いたこと以外は、合成例4と同様に行い、マクロモノマーペレットを得た。得られたマクロモノマーペレットのMn=20000であり、Mw/Mn=2.2であった。また、マクロモノマーペレットの末端構造を解析したところ、1000炭素当りの末端ビニル数は0.02個であった。
合成例5
[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−5)の製造]
合成例1[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−1)の製造]において、ブテン−1を4.9kg/時から0.5kg/時、水素供給量を20NL/時から30NL/時、重合温度を60℃から85℃に変え、触媒を合成例4[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したポリエチレン系樹脂製造触媒に変更したこと以外は、合成例1と同様に行い、エチレン−α−オレフィン共重合体(A−5)を得た。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(A−5)の密度は955kg/m、MFRは38.4g/10分、長鎖分岐数は1000炭素原子当り0.03個、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは2.3であった。また、n−ヘプタン可溶分は0.11重量%であった。
参考例5
[マクロモノマーの合成]
合成例5[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−5)の製造]において、ポリエチレン系樹脂製造触媒の代わりに合成例4[ポリエチレン系樹脂製造触媒の調製]で調製したマクロモノマー合成触媒を用いたこと以外は、合成例5と同様に行い、マクロモノマーペレットを得た。得られたマクロモノマーペレットのMn=17000であり、Mw/Mn=2.3であった。また、マクロモノマーペレットの末端構造を解析したところ、1000炭素当りの末端ビニル数は0.02個であった。
合成例6
[エチレン−α−オレフィン共重合体(A−6)の製造]
高温高圧重合用に装備された反応器を用いて重合を行った。まずエチレン、1−ブテンを連続的に反応器内に圧入し、全圧を900kg/cm2に、1−ブテン濃度を39.4モル%になるように設定した。そして、反応器を1500rpmで撹拌した。
別の容器でジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液にトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液をアルミニウムがジルコニウム当り250倍モルになるように加えた。更に、そこにN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液をホウ素がジルコニウム当り1倍モルになるように加えて触媒溶液を得た。
その後、得られた触媒溶液を反応器に供給し、反応器の温度を190℃になるように設定して連続的に重合を行い、エチレン−α−オレフィン共重合体(A−6)を得た。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(A−6)の密度は923kg/m、MFRは20.4g/10分、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは1.5であった。長鎖分岐は検出されなかった。また、n−ヘプタン可溶分は0.44重量%であった。
Figure 0005825023
下記実施例および比較例で用いた高密度ポリエチレンおよび高圧法低密度ポリエチレンの特性を表2に示す。
Figure 0005825023
実施例1
合成例1に示したエチレン−α−オレフィン共重合体(A−1)75重量%、高圧ラジカル重合法で得られた低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン 360;密度919kg/m、MFR1.6g/10分)(以下、(B−1)という。)25重量%をタンブラーミキサーにて予備混合した後、シリンダー温度180℃に調整した単軸押出機((株)プラコー製、型式 PDA−50)で溶融混練してペレット化した。外壁に断熱処理を施した小型サイロ(内径590mm、高さ1300mm、上部は円筒状、下部は円錐状)にこのペレット50kgを充填して小型サイロ最下部から60℃に保持した乾燥空気を60L/分で供給することで24時間加熱処理し、エチレン系樹脂組成物(C)を得た。得られたエチレン系樹脂組成物(C)について実施例に記載の方法により、密度、MFR、溶融張力、揮発成分のピーク数、揮発成分のn−ヘキサン換算濃度を測定した。また、得られたエチレン系樹脂組成物(C)は実施例に記載の方法によりラミネート成形し、ネックインの測定および官能による臭気、異味性の評価を行った。これらの評価結果を表3に示す。
実施例2
組成物の配合比率を、A−1 50重量%、B−1 50重量%に変更した以外は実施例1と同様にしてエチレン系樹脂組成物(C)のペレットを得た。得られたペレットは、実施例1と同様に密度、MFR、溶融張力、揮発成分のピーク数、揮発成分のn−ヘキサン換算濃度の測定を行った。また実施例1と同様にラミネート成形し、ネックインの測定および官能による臭気、異味性の評価を行った。これらの評価結果を表3に示す。
実施例3
組成物の配合比率を、A−1 80重量%、B−1 20重量%に変更した以外は実施例1と同様にしてエチレン系樹脂組成物(C)のペレットを得た。得られたペレットは、実施例1と同様に密度、MFR、溶融張力、揮発成分のピーク数、揮発成分のn−ヘキサン換算濃度の測定を行った。また実施例1と同様にラミネート成形し、ネックインの測定および官能による臭気、異味性の評価を行った。これらの評価結果を表3に示す。
実施例4
エチレン−α−オレフィン共重合体としてA−1の代わりに合成例2に示したエチレン−α−オレフィン共重合体A−2を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン系樹脂組成物(C)のペレットを得た。得られたペレットは、実施例1と同様に密度、MFR、溶融張力、揮発成分のピーク数、揮発成分のn−ヘキサン換算濃度の測定を行った。また実施例1と同様にラミネート成形し、ネックインの測定および官能による臭気、異味性の評価を行った。これらの評価結果を表3に示す。
実施例5
エチレン−α−オレフィン共重合体としてA−1の代わりに合成例3に示したエチレン−α−オレフィン共重合体A−3を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン系樹脂組成物(C)のペレットを得た。得られたペレットは、実施例1と同様に密度、MFR、溶融張力、揮発成分のピーク数、揮発成分のn−ヘキサン換算濃度の測定を行った。また実施例1と同様にラミネート成形し、ネックインの測定および官能による臭気、異味性の評価を行った。これらの評価結果を表3に示す。
実施例6
エチレン−α−オレフィン共重合体としてA−1の代わりに合成例4に示したエチレン−α−オレフィン共重合体A−4を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン系樹脂組成物(C)のペレットを得た。得られたペレットは、実施例1と同様に密度、MFR、溶融張力、揮発成分のピーク数、揮発成分のn−ヘキサン換算濃度の測定を行った。また実施例1と同様にラミネート成形し、ネックインの測定および官能による臭気、異味性の評価を行った。これらの評価結果を表3に示す。
実施例7
エチレン−α−オレフィン共重合体としてA−1の代わりに合成例5に示したエチレン−α−オレフィン共重合体A−5を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン系樹脂組成物(C)のペレットを得た。得られたペレットは、実施例1と同様に密度、MFR、溶融張力、揮発成分のピーク数、揮発成分のn−ヘキサン換算濃度の測定を行った。また実施例1と同様にラミネート成形し、ネックインの測定および官能による臭気、異味性の評価を行った。これらの評価結果を表3に示す。
実施例8
高圧法低密度ポリエチレンとしてC−1の代わりに高圧法低密度ポリエチレンC−2(東ソー(株)製 商品名ペトロセン 205;密度924kg/m、MFR3.1g/10分)を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン系樹脂組成物(C)のペレットを得た。得られたペレットは、実施例1と同様に密度、MFR、溶融張力、揮発成分のピーク数、揮発成分のn−ヘキサン換算濃度の測定を行った。また実施例1と同様にラミネート成形し、ネックインの測定および官能による臭気、異味性の評価を行った。これらの評価結果を表3に示す。
実施例9
高圧法低密度ポリエチレンとしてC−1の代わりに高圧法低密度ポリエチレンC−3(東ソー(株)製 商品名ペトロセン 203;密度919kg/m、MFR7.9g/10分)を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン系樹脂組成物(C)のペレットを得た。得られたペレットは、実施例1と同様に密度、MFR、溶融張力、揮発成分のピーク数、揮発成分のn−ヘキサン換算濃度の測定を行った。また実施例1と同様にラミネート成形し、ネックインの測定および官能による臭気、異味性の評価を行った。これらの評価結果を表3に示す。
Figure 0005825023
比較例1
高圧法低密度ポリエチレン(B)を配合せず、配合比率をA−1 100重量%に変更した以外は実施例1と同様にしてエチレン系樹脂組成物(C)のペレットを得た。得られたペレットは、実施例1と同様に密度、MFR、溶融張力、揮発成分のピーク数、揮発成分のn−ヘキサン換算濃度の測定を行った。また実施例1と同様にラミネート成形し、ネックインの測定および官能による臭気、異味性の評価を行った。これらの評価結果を表4に示す。
得られた積層体は、実施例と比較しネックインが大きく成形加工性に劣った。
比較例2
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)を配合せず、配合比率をC−2 100重量%に変更した以外は実施例1と同様にしてエチレン系樹脂組成物(C)のペレットを得た。得られたペレットは、実施例1と同様に密度、MFR、溶融張力、揮発成分のピーク数、揮発成分のn−ヘキサン換算濃度の測定を行った。また実施例1と同様にラミネート成形し、ネックインの測定および官能による臭気、異味性の評価を行った。これらの評価結果を表4に示す。
得られたエチレン系重合体は、揮発成分の数が多く、臭気および異味性に劣るものであった。
比較例3
高圧法低密度ポリエチレン(B)を配合せず、エチレン−α−オレフィン共重合体としてA−1の代わりに合成例6に示したエチレン−α−オレフィン共重合体A−6を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン系樹脂組成物(C)のペレットを得た。得られたペレットは、実施例1と同様に密度、MFR、溶融張力、揮発成分のピーク数、揮発成分のn−ヘキサン換算濃度の測定を行った。また実施例1と同様にラミネート成形し、ネックインの測定および官能による臭気、異味性の評価を行った。これらの評価結果を表4に示す。
得られた積層体は、実施例と比較しネックインが非常に大きく成形加工性に劣った。またエチレン−α−オレフィン共重合体(A)のn−ヘプタン可溶分が多く低分子量成分を多く含有することから、積層体の揮発成分のピーク数は少ないものの発生量が多く、官能による臭気および異味性評価は不良であった。
比較例4
エチレン−α−オレフィン共重合体としてA−1の代わりに合成例6に示したエチレン−α−オレフィン共重合体A−6を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン系樹脂組成物(C)のペレットを得た。得られたペレットは、実施例1と同様に密度、MFR、溶融張力、揮発成分のピーク数、揮発成分のn−ヘキサン換算濃度の測定を行った。また実施例1と同様にラミネート成形し、ネックインの測定および官能による臭気、異味性の評価を行った。これらの評価結果を表4に示す。
得られた積層体は、実施例と比較しネックインが大きく成形加工性に劣った。またエチレン−α−オレフィン共重合体(A)のn−ヘプタン可溶分が多く低分子量成分を多く含有することから、積層体の揮発成分のピーク数は少ないものの発生量が多く、官能による臭気および異味性評価は不良であった。
比較例5
小型サイロによる加熱処理を実施しなかったこと以外は実施例1と同様にしてエチレン系樹脂組成物(C)のペレットを得た。得られたペレットは、実施例1と同様に密度、MFR、溶融張力、揮発成分のピーク数、揮発成分のn−ヘキサン換算濃度の測定およびネックインの測定を行った。これらの評価結果を表4に示す。
得られた積層体は、実施例1と比較して揮発成分のn−ヘキサン換算濃度が高く、官能による臭気が不良であった。
Figure 0005825023

Claims (6)

  1. エチレンと炭素数3から6のα−オレフィンを共重合してなり、下記要件(1)〜(5)を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体(A)50〜80重量%と、密度915kg/m以上930kg/m以下、MFR1g/10分以上10g/10分以下の高圧法低密度ポリエチレン(B)20〜50重量%からなり、下記要件(6)、(7)を満たすエチレン系樹脂組成物(C)の層を少なくとも1層基材上に積層してなる積層体であり、最外層のうち少なくとも片面がエチレン系樹脂組成物(C)の層である積層体。
    (1)密度920kg/m以上955kg/m以下
    (2)MFR10g/10分以上50g/10分以下
    (3)炭素数6以上の長鎖分岐を、炭素数1000個あたり0.01〜0.2個有する
    (4)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2以上5未満
    (5)50℃のn−ヘプタンに対する可溶分が0.3重量%以下
    (6)20mLのガラス瓶中で140℃、60分間加熱した時のガラス瓶中の気体2mLをガスクロマトグラフィーで測定した時の揮発成分のピーク数が15以下
    (7)20mLのガラス瓶中で140℃、60分間加熱した時のガラス瓶中の気体2mLをガスクロマトグラフィーで測定した時のピーク面積の総和をn−ヘキサンに換算した濃度が7μg/g以下
  2. 160℃で測定されたエチレン系樹脂組成物(C)の溶融張力が、10〜100mNであることを特徴とする、請求項1に記載の積層体。
  3. エチレンを重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン重合体またはエチレンと炭素数3〜6のオレフィンを共重合して得られ末端にビニル基を有するエチレン共重合体からなるマクロモノマーであって、数平均分子量(Mn)が2000以上であるマクロモノマーの存在下に、あるいは該マクロモノマーの合成と同時に、エチレン又はエチレンおよび炭素数3〜6のオレフィンを重合することにより得られるポリエチレン系重合体をエチレン−α−オレフィン共重合体(A)として用いることを特徴とする、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 積層体の基材として板紙を用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 請求項4に記載の積層体を用い、最外層であるエチレン系樹脂組成物(C)の層が容器の内面になるよう成型された紙容器。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の積層体を用い、最外層であるエチレン系樹脂組成物(C)の層が袋の内面になるよう成型された袋。
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