JP5823547B2 - 着色組成物、インクジェット用インク、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、並びに表示装置 - Google Patents
着色組成物、インクジェット用インク、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、並びに表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5823547B2 JP5823547B2 JP2014027628A JP2014027628A JP5823547B2 JP 5823547 B2 JP5823547 B2 JP 5823547B2 JP 2014027628 A JP2014027628 A JP 2014027628A JP 2014027628 A JP2014027628 A JP 2014027628A JP 5823547 B2 JP5823547 B2 JP 5823547B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- dye
- general formula
- carbon atoms
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Optical Filters (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Description
これらのディスプレイや光学素子のキーデバイスとしてカラーフィルタが使用されており、更なる高画質化の要求とともにコストダウンへの要求が高まっている。このようなカラーフィルタは、通常、赤(R)、緑(G)、及び青(B)の3原色の着色パターンを備えており、表示デバイスや撮像素子において、通過する光を3原色へ分画する役割を果たしている。
しかしながら従来の顔料分散法では、顔料の粗大粒子による色ムラが発生する等の観点から解像度を更に向上させることは困難である。そのため固体撮像素子のような微細パターンが要求される用途では、今後、顔料分散法を用いたフォトリソ法の適用が難しくなりつつある。一方、液晶ディスプレイにおいても、顔料分散法を用いたフォトリソ法により製造されたカラーフィルタは、耐光性や耐熱性に優れるものの、顔料粒子による光散乱のためコントラストの低下や、ヘイズの増加といった課題を有している。
(2)染料は、ラジカル重合反応を抑制する傾向があるため、ラジカル重合を硬化手段として用いる系では、着色硬化性組成物の設計が難しくなる。
特にフォトリソ法では、
(3)通常の染料は、アルカリ水溶液又は有機溶剤(以下単に溶剤ともいう)への溶解度が低いため、所望のスペクトルを有する硬化性組成物を得るのが困難である。
(4)染料は、着色硬化性組成物中の他の成分との相互作用を示すことが多く、硬化部、非硬化部の溶解性(現像性)の調節が難しい。
(5)染料のモル吸光係数(ε)が低い場合には多量の染料を添加しなければならず、そのために着色硬化性組成物中の重合性化合物(モノマー)やバインダー、光重合開始剤等の他の成分を減らさざるを得ず、組成物の硬化性、硬化後の耐熱性、(非)硬化部の現像性等が低下する。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタでは、薄膜(例えば1μm以下)にすることが要求されるため、所望の吸収を得るためには、硬化性組成物中に多量の色素を添加する必要があり、前述の問題をより増長させる。
また、着色パターン形成後に基材を加熱しながら着色パターンに光を照射することにより、露光温度を上昇させた状態で重合を行ない、系の重合率を高めるカラーフィルタの製造方法が開示されている(例えば、特許文献6参照)。
更に、現像処理と加熱処理の間で光照射を行ない、カラーフィルタの形状変形を防止するカラーフィルタの製造方法が開示されている(例えば、特許文献7参照)。
また、カラーフィルタ製造における昇華性の欠点の改良に関して、分子内にトリフェニルメタン染料を有するポリマーを着色剤として含有するカラーフィルタが提案されている(例えば、特許文献9参照)。
(6)次色塗布時における染料の染み込み
染料を用いる着色組成物を用いて着色パターンを形成する場合、先に形成した他色のパターン(または層)に染料が塗布時に染み込みやすく、混色を生じやすい。
(7)アルカリ現像時の染料の溶出
染料を用いる着色組成物では、多量の染料の添加が必要であって、結果、フォトリソ性に寄与する成分の相対含有量が少なくなる。そのため感度低下により低露光量領域でパターンが剥離しやすくなる、またはアルカリ現像時の染料の溶出等により所望の形状や色濃度が得られない、等のパターン形成不良が生じやすい。
(8)加熱処理による熱拡散(色移り)
染料を用いる着色組成物では、成膜後に加熱処理を施した場合に、隣接画素間や積層状態での層間で色移りが生じやすい。色移りは混色の原因となる。
さらに上述の問題に加え、下記(9)の問題がある。
(9)現像後の現像残渣(基板上及び他色上の現像残渣)
現像残渣には基板上に残る現像残渣と、先に形成した他色パターン(または層)に残る現像残渣があり、いずれも混色の原因となる。
上記(6)〜(9)のうち、特に(6)、(8)及び(9)は混色の原因となり、近年の固体撮像素子の超高画素化における感度向上を大きく妨げる要因となる。
特許文献9では、トリフェニルメタン染料を有するポリマーの特性に由来した昇華性抑止に関しては開示があるものの、アルカリ現像時の着色剤の溶出、着色剤の染み込み、加熱処理による着色剤の熱拡散(色移り)、及び現像残渣についての言及はなされていない。
即ち、本発明は、アルカリ現像時の着色剤の溶出、着色剤の染み込み、加熱処理による着色剤の熱拡散(色移り)、及び現像残渣が抑制された着色膜を形成できる着色組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、耐熱性に優れた着色画素を形成でき、吐出安定性に優れたインクジェット用インクを提供することを目的とする。
また、本発明は、着色剤の染み込み、加熱処理による着色剤の熱拡散(色移り)、及び現像残渣に起因する混色が抑制され、耐熱性に優れたカラーフィルタ及びその製造方法、並びに該カラーフィルタを備えた固体撮像素子及び表示装置を提供することを目的とする。
さらにこの知見を、他の染料化合物を多量化して検証したところ、同様の分子量及び分散度の範囲において、同じように顕著な効果が得られるとの知見を得た。
本発明者らは、以上の知見に基づき本発明を完成した。
即ち、前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
更に、重合性化合物、重合開始剤、及び溶剤を含有し、
前記色素多量体が、下記一般式(A)、下記一般式(B)、及び、下記一般式(C)で表される構成単位の少なくとも一つを有し、かつ前記アルカリ可溶性基を有する色素多量体であるか、又は、下記一般式(D)で表され、かつ前記アルカリ可溶性基を有する色素多量体であり、
前記重合開始剤が、オキシム系化合物を含む着色組成物。
LA1及びLA2は、それぞれ独立に、単結合、または、炭素数1〜30の置換もしくは無置換の直鎖、分岐もしくは環状アルキレン基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のヘテロ環連結基、−CH2=CH2−、−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−SO−、−SO2−、下記一般式(2)で表される連結基、下記一般式(3)で表される連結基、もしくは下記一般式(4)で表される連結基、もしくは、これらを2個以上連結して形成される2価の連結基を表す。前記Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
Dyeは、色素化合物から任意の水素原子を1個〜1+m個取り除いた色素残基を表す。前記色素化合物は、シアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、及びジピロメテン系色素からなる群から選択される1種である。
mは0〜3の整数を表す。
DyeとLA2とは、共有結合、イオン結合、及び、配位結合のいずれで連結されていてもよい。〕
LB1及びLB2は、それぞれ独立に、単結合、または、炭素数1〜30の置換もしくは無置換の直鎖、分岐もしくは環状アルキレン基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のヘテロ環連結基、−CH2=CH2−、−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−SO−、−SO2−、下記一般式(2)で表される連結基、下記一般式(3)で表される連結基、もしくは下記一般式(4)で表される連結基、もしくは、これらを2個以上連結して形成される2価の連結基を表す。前記Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
Aは、Dyeとイオン結合もしくは配位結合可能な基を表す。
Dyeは、Aとイオン結合もしくは配位結合可能な基を有する色素化合物を表すか、または該色素化合物から任意の水素原子を1個〜m個取り除いた色素残基を表す。前記色素化合物は、シアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、及びジピロメテン系色素からなる群から選択される1種である。
mは0〜3の整数を表す。
DyeとLB2とは、共有結合、イオン結合、及び、配位結合のいずれで連結されていてもよい。〕
Dyeは、色素化合物から任意の水素原子を2個取り除いた色素残基を表す。前記色素化合物は、シアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、及びジピロメテン系色素からなる群から選択される1種である。〕
mは2〜100の整数を表す。
mが2の場合、LD1は、2価の連結基を表し、前記2価の連結基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換の直鎖、分岐もしくは環状アルキレン基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のヘテロ環連結基、−CH2=CH2−、−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−SO−、−SO2−、もしくは、これらを2個以上連結して形成される連結基を表す。前記Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
mが3以上の整数である場合、LD1は、前記2価の連結基が置換されて形成されるm価の連結基を表す。
Dyeは、色素化合物から任意の水素原子を1個取り除いた色素残基を表す。前記色素化合物は、シアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、及びジピロメテン系色素からなる群から選択される1種である。〕
一般式(2)〜一般式(4)中、*は、一般式(A)中のXA1もしくはXA2、もしくは、一般式(B)中のXB1もしくはXB2に結合する位置を表すか、又は、一般式(C)中の*を表す。
**は、一般式(A)中のDye、一般式(B)中のAもしくはDye、または、一般式(C)中のDyeに結合する位置を表す。〕
前記一般式(B)中のDyeが、Aとイオン結合もしくは配位結合可能な基を有する、トリフェニルメタン系色素を表すか、または該色素から任意の水素原子を1個〜m個取り除いた色素残基を表し、
前記一般式(C)中のDyeが、トリフェニルメタン系色素から任意の水素原子を2個取り除いた色素残基を表し、
前記一般式(D)中のDyeが、トリフェニルメタン系色素から任意の水素原子を1個取り除いた色素残基を表す<1>又は<2>に記載の着色組成物。
<5> 前記色素多量体は、前記一般式(A)で表される構成単位を有する<1>〜<4>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<6> 前記色素多量体は、最大吸収波長が400nm〜780nmの範囲に存在する<1>〜<5>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<7> 全固形分中における前記色素多量体の含有量が、5質量%〜60質量%である<1>〜<6>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<8> <1>〜<7>のいずれか1項に記載の着色組成物を用いて形成されたカラーフィルタ。
<9> <1>〜<7>のいずれか1項に記載の着色組成物を含むインクジェット用インク。
<10> <1>〜<7>のいずれか1項に記載の着色組成物を支持体上に塗布して着色層を形成する工程と、
形成された着色層をマスクを介して露光する工程と、
露光された着色層を現像して着色パターンを形成する工程と、
を有するカラーフィルタの製造方法。
<11> 隔壁により区画された凹部を有する基板を準備する工程と、
前記凹部に、インクジェット法によって、<9>に記載のインクジェット用インクの液滴を付与して、カラーフィルタの着色画素を形成する工程と、
を有するカラーフィルタの製造方法。
<12> <8>に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
<13> <8>に記載のカラーフィルタを備えた表示装置。
また、本発明によれば、耐熱性に優れた着色画素を形成でき、吐出安定性に優れたインクジェット用インクを提供することができる。
また、本発明によれば、着色剤の染み込み、加熱処理による着色剤の熱拡散(色移り)、及び現像残渣に起因する混色が抑制され、耐熱性に優れたカラーフィルタ及びその製造方法、並びに該カラーフィルタを備えた固体撮像素子及び表示装置を提供することができる。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明の着色組成物は、着色剤として、重量平均分子量(Mw)が5,000以上20,000以下であり、かつ分散度(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が1.00以上2.50以下であるアルカリ可溶性基を有する色素多量体(以下、「特定色素多量体」ともいう)を含有する。
以下では、分散度(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))を、単に「分散度(Mw/Mn)」とも表記する。
着色組成物を上記本発明の構成とすることにより、着色膜を形成する際の、アルカリ現像時の着色剤の溶出、着色剤の染み込み、加熱処理による着色剤の熱拡散(色移り)、及び現像残渣が抑制される。
更に、本発明の着色組成物は、堅牢性(耐熱性、耐光性)に優れた着色膜を形成でき、保存安定性にも優れる。
このため、本発明の着色組成物は、フォトリソ法やインクジェット法によるカラーフィルタを作製する用途に好適である。
中でも、本発明の効果を特に効果的に奏する観点からは、特定色素多量体と、感放射線性化合物である重合開始剤と、重合性モノマーと、溶剤と、を含むネガ型の着色感光性組成物(着色硬化性組成物)の形態であることが好ましい。
また、本発明の着色組成物の別の形態としては、特定色素多量体と、溶剤及び重合性化合物の少なくとも一方と、を含むインクジェット用インクの形態が挙げられる。
インクジェット用インクの形態によれば、耐熱性に優れた着色画素を形成でき、吐出安定性が向上する。
以下、まず特定色素多量体について説明する。
本発明における特定色素多量体は、重量平均分子量(Mw)が5,000以上20,000以下、かつ分散度(Mw/Mn)が1.00以上2.50以下であるアルカリ可溶性基を有する色素多量体である。
この関係を満たすようにすることで、本発明の着色組成物から形成される着色膜において、アルカリ現像時の着色剤の溶出、着色剤の染み込み、加熱処理による着色剤の熱拡散(色移り)、及び現像残渣が大幅に改善される。
上記重量平均分子量が20,000を超えると、特に、現像残渣が悪化する傾向がある。
前記重量平均分子量として、5,000以上20,000以下であることが必要であり、好ましくは5,000以上16,000以下であり、より好ましくは6,000以上12,000以下である。
前記分散度(Mw/Mn)は、1.00以上2.50以下であることが必要であり、好ましくは1.00以上2.20以下であり、より好ましくは1.00以上2.00以下である。
具体的には、重合開始剤量は、重合性色素モノマーと他の重合性モノマーの総和に対して、2〜30モル%が好ましく、2〜20モル%がより好ましい。
また、連鎖移動剤量は、重合性色素モノマーと他の重合性モノマーの総和に対して、1〜20モル%が好ましく、2〜15モル%がより好ましい。
反応温度は、使用する重合開始剤の種類によって異なるが、重合開始剤の半減期が15分〜120分になるような温度に調整することが好ましい。例えばV601(商品名、和光純薬製)の場合、60〜90℃が好ましく、70〜85℃がより好ましい。
具体的には、再沈殿溶媒として、使用する重合性色素モノマーの溶解度が高い溶媒を選択することが好ましく、さらに、これに加え色素多量体の溶解度が低い溶媒を選択することが、より好ましい。このような溶媒を選択することによって重合性色素モノマーの残存率をできるだけ下げることができると同時に、色素多量体の分子量分布における低分子量側を選択的に除くことができる。従って、上述の溶剤を選択することは、色素多量体の分散度を小さくすることに特に有効である。使用する重合性色素モノマーによって異なるが、低級アルコール類(例えば、メタノール、エタノール及びイソプロパノール等)やアセトニトリルなどを用いることが好ましい。2種類以上の溶媒を組み合わすことも好ましい。
また、色素多量体の重合反応溶液(再沈殿を繰り返す場合は色素多量体の溶液)に対する再沈殿溶媒の量は、1〜100質量倍が好ましく、2〜50質量倍がより好ましい。
さらに色素多量体の重合反応溶液(再沈殿を繰り返す場合は色素多量体溶液)を0.1〜1質量倍の再沈殿溶媒で希釈しておくことが、より好ましい。これによって重合性色素モノマーを効果的に除くことができ、分散度を小さくすることに有効である。
また、再沈殿を繰り返すことも、分散度を調整する手段として好ましい。この場合、最沈殿条件は同じ条件を繰り返しても良いし、違う条件を組み合わせてもよい。
前記色素骨格は、モノメチン系、ジメチン系、トリメチン系、シアニン系、メロシアニン系、ジシアノスチリル系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、キサンテン系、スクアリリウム系、キノフタロン系、モノアゾ系、ビスアゾ系、ジスアゾ系、トリスアゾ系、アントラキノン系、アントラピリドン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、フタロシアニン系、アゾメチン系、ジオキサジン系、ジピロメテン系の色素骨格およびそれらの金属錯体である。
なお、最大吸収波長は、紫外可視分光光度計(島津製作所製UV3100)を用いて、酢酸エチル溶液中(濃度1×10−6mol/L、光路長10mm)における吸収スペクトルを測定されたものである。
アルカリ可溶性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、スルホ基などが挙げられる。中でも、カルボキシル基が好ましい。
後述するフォトリソ法で好適に使用する観点で、特定色素多量体の酸価は、0.5mmol/g以上3.0mmol/g以下であることが好ましく、0.6mmol/g以上2.5mmol/g以下であることがより好ましく、0.7mmol/g以上2.0mmol/g以下であることが特に好ましい。
本発明における特定色素多量体は、例えば、以下の(方法1)〜(方法4)により合成できるが、これら以外の方法で合成してもよく、この記載によって何ら限定されるものではない。
この(方法1)は、アルカリ可溶性基を有する重合性色素モノマーの単独重合反応によって合成する方法であってもよいし、重合性色素モノマー(アルカリ可溶性基を有していても有していなくてもよい)の単独重合反応によって合成された色素多量体に対し、高分子反応によりアルカリ可溶性基を導入することにより合成する方法であってもよい。
この(方法2)は、重合性色素モノマー及び他の重合性モノマーの少なくとも1種としてアルカリ可溶性基を有するモノマーを用いる方法であってもよいし、重合性色素モノマーの少なくとも1種と、他の重合性モノマー(コモノマー)の少なくとも1種と、の共重合反応によって合成された色素多量体に対し、高分子反応によりアルカリ可溶性基を導入することにより合成する方法であってもよい。
この(方法3)は、アルカリ可溶性基を有する高分子化合物に対し高分子反応によって色素構造(色素残基)を導入する方法であってもよいし、高分子化合物(アルカリ可溶性基を有していても有していなくてもよい)に対し高分子反応によって色素構造(色素残基)及びアルカリ可溶性基を導入する方法であってもよい。
この(方法4)は、アルカリ可溶性基を有する連結鎖を介して2つ以上の色素構造(色素残基)を連結する方法であってもよいし、連結鎖を介して2つ以上の色素構造(色素残基)とアルカリ可溶性基を有する構造単位とを連結する方法であってもよいし、連結鎖を介して2つ以上の色素構造(色素残基)を連結して得られた化合物に対し、アルカリ可溶性基を導入する方法であってもよい。
これらのコモノマーには、スチレン系化合物、カルボン酸モノマー、およびそのエステル、アミド、イミドまたは無水物、ビニル化合物が含まれる。
スチレン系化合物の例を挙げると、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、p−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレンである。
α,β−不飽和カルボン酸の例を挙げると、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、1−ブチン−2,3,4−トリカルボン酸である。
不飽和カルボン酸のエステルの例を挙げると、上記α,β−不飽和カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、2−ヒドロキシエチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、オクチルエステル、ドデシルエステル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルエステル、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルエステル、2−〔3−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−ヒドロキシフェニル〕エチルエステルである。
不飽和カルボン酸のアミドの例を挙げると、上記α,β−不飽和カルボン酸のメチルアミド、ジメチルアミド、エチルアミド、ジエチルアミド、プロピルアミド、ジプロピルアミド、ブチルアミド、ジブチルアミド、ヘキシルアミド、オクチルアミド、フェニルアミドなどである。
不飽和カルボン酸のイミドの例を挙げると、マレイミド、イタコンイミド、N−ブチルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−フェニルマレイミドである。ビニル化合物の例を挙げると、酢酸ビニル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンである。
XA1及びXA2としては、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の不飽和エチレン基を重合して形成される連結基、環状エーテルを開環重合して形成される連結基等が挙げられ、好ましくは、不飽和エチレン基を重合して形成される連結基である。具体的には以下に示す連結基である。
尚、下記(X−1)〜(X−15)において*で示された部位でLA1またはLA2と連結していることを表す。
本発明の2価の連結基は、本発明の効果を奏しうる範囲であれば何ら限定されない。
前記mは、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
Dyeは、モノメチン系色素、ジメチン系色素、トリメチン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、ジシアノスチリル系色素、ジフェニルメタン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、スクアリリウム系色素、キノフタロン系色素、モノアゾ系色素、ビスアゾ系色素、ジスアゾ系色素、トリスアゾ系色素、アントラキノン系色素、アントラピリドン系色素、ペリレン系色素、ジケトピロロピロール系色素、イソインドリン系色素、フタロシアニン系色素、アゾメチン系色素、ジオキサジン系色素、及びジピロメテン系色素からなる群から選択される1種の色素化合物から、水素原子を1個〜1+m個除いた色素残基である。
一般式(B)中のXB2およびLB2は、それぞれ前記一般式(A)中のXA2およびLA2と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(B)中のAで表される基としては、Dyeとイオン結合もしくは配位結合可能な基であればよく、イオン結合できる基としては、アニオン性基、カチオン性基のどちらでもよい。アニオン性基としては、カルボキシル基、ホスホ基、スルホ基、アシルスルホンアミド基、スルホンイミド基など、pKaが12以下のアニオン性基が好ましく、より好ましくはpKaが7以下であり、更に好ましくは、5以下である。アニオン性基はDye中のMaもしくはヘテロ環基とイオン結合もしくは配位結合しても良いが、Maとイオン結合することがより好ましい。アニオン性基として好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。下記具体例中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
前記mは、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
Dyeは、モノメチン系色素、ジメチン系色素、トリメチン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、ジシアノスチリル系色素、ジフェニルメタン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、スクアリリウム系色素、キノフタロン系色素、モノアゾ系色素、ビスアゾ系色素、ジスアゾ系色素、トリスアゾ系色素、アントラキノン系色素、アントラピリドン系色素、ペリレン系色素、ジケトピロロピロール系色素、イソインドリン系色素、フタロシアニン系色素、アゾメチン系色素、ジオキサジン系色素、及びジピロメテン系色素からなる群から選択される1種の色素化合物から、水素原子を2つ除いた色素残基である。
本発明の色素多量体は、前記一般式(A)、一般式(B)、及び、一般式(C)で表される構成単位のみで構成されていてもよいが(この場合、前記一般式(A)、一般式(B)、及び、一般式(C)で表される構成単位自体がアルカリ可溶性基を含む)、前記一般式(A)、一般式(B)、及び、一般式(C)で表される構成単位の少なくとも一つと、他の構成単位と、を含んで構成されていてもよい(この場合、前記一般式(A)、一般式(B)、及び、一般式(C)で表される構成単位の少なくとも一つと、他の構成単位と、の少なくとも一方がアルカリ可溶性基を含む)。
他の構成単位としては、側鎖にアルカリ可溶性基(カルボキシル基、ホスホノ基、スルホ基、等)を有する構造単位が好ましい。
以下、他の構成単位の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
mが3以上のm価の連結基は、置換もしくは無置換のアリーレン基(1,3,5−フェニレン基、1,2,4−フェニレン基、1,4,5,8−ナフタレン基など)、へテロ環連結基(例えば、1,3,5−トリアジン基など)、アルキレン連結基等を中心母核とし、前記2価の連結基が置換して形成される連結基が挙げられる
本発明における特定色素単量体は、下記一般式(1)で表される色素単量体を重合させて得られ、かつ、アルカリ可溶性基を有する色素単量体であることも好ましい。
一般式(1)中のDyeは、一般式(A)中のDyeと同義であり、好ましい範囲も同様である。
なお、m及びnのいずれもが0の場合、色素化合物に直接−C(R1)=CH2基が導入される。
上記R1がアリール基の場合、好ましくは炭素数6〜18、より好ましくは6〜14、さらに好ましくは炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基が好適である。アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記R2のアルキル基、アリール基、及びヘテロ環基は、前記R1で説明した置換基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
上記R3の置換基が、更に置換可能な基である場合には、前記R1で説明した置換基で、置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
上記L2は、L1又は−C(R1)=CH2基(m=0の場合)と、Dyeとを連結する2価の連結基を表す。
上記L2は、好ましくは、アルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基、−O−、−C(=O)−、−OC(=O)−、OC(=O)O−、−OSO2−、−OC(=O)N(R50)−、−N(R50)−、−N(R50)C(=O)−、−N(R50)C(=O)O−、−N(R50)C(=O)N(R51)−、−N(R50)SO2−、−N(R50)SO2N(R51)−、−S−、−S−S−、−SO−、−SO2−、−SO2N(R50)−、−SO2O−等が挙げられる。また、上記の2価の連結基が、複数個結合して、新たに2価の連結基を形成していてもよい。
前記L2がアルキレン基、アラルキレン基、又はアリーレン基である場合、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数6〜18のアラルキレン基、炭素数6〜18のアリーレン基が好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数6〜16のアラルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数6〜12のアラルキレン基が更に好ましい。
前記一般式(A)、前記一般式(B)、前記一般式(C)、前記一般式(D)、前記一般式(1)におけるDyeは、既述のとおり、モノメチン系色素、ジメチン系色素、トリメチン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、ジシアノスチリル系色素、ジフェニルメタン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、スクアリリウム系色素、キノフタロン系色素、モノアゾ系色素、ビスアゾ系色素、ジスアゾ系色素、トリスアゾ系色素、アントラキノン系色素、アントラピリドン系色素、ペリレン系色素、ジケトピロロピロール系色素、イソインドリン系色素、フタロシアニン系色素、アゾメチン系色素、ジオキサジン系色素、及びジピロメテン系色素からなる群から選択される1種の色素化合物から、水素原子が1個〜m+1個の範囲で外れた色素残基である。
但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
前記R5及びR8としては、上記の中でも、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基が好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基がより好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基が更に好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基が特に好ましい。
前記R6及びR7としては、上記の中でも、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のヘテロ環基が好ましく、更に好ましくは置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基である。
R6及びR7がヘテロ環基を表す場合の、該ヘテロ環基としては、好ましくは、置換又は無置換の2−チエニル基、置換又は無置換の4−ピリジル基、置換又は無置換の3−ピリジル基、置換又は無置換の2−ピリジル基、置換又は無置換の2−フリル基、置換又は無置換の2−ピリミジニル基、置換又は無置換の2−ベンゾチアゾリル基、置換又は無置換の1−イミダゾリル基、置換又は無置換の1−ピラゾリル基、置換又は無置換のベンゾトリアゾール−1−イル基が挙げられ、より好ましくは置換又は無置換の2−チエニル基、置換又は無置換の4−ピリジル基、置換又は無置換の2−フリル基、置換又は無置換の2−ピリミジニル基、置換又は無置換の1−ピリジル基が挙げられる。
例えば、Zn、Mg、Si、Sn、Rh、Pt、Pd、Mo、Mn、Pb、Cu、Ni、Co、Fe等、及びAlCl、InCl、FeCl、TiCl2、SnCl2、SiCl2、GeCl2などの金属塩化物、TiO、VO等の金属酸化物、Si(OH)2等の金属水酸化物が含まれる。
これらの中でも、合成適合性の点で、R11〜R16及びX1のいずれか1つ又は2つの部位が好ましく、より好ましくは、R11、R13、R14及びR16のいずれか1つ又は2つの部位であり、更に好ましくは、R11及びR16のうち1つ又は2つの部位である。
前記R13及びR14としては、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のヘテロ環基が好ましく、更に好ましくは置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基である。ここで、より好ましいアルキル基、アリール基、及びヘテロ環基の具体例は、一般式(5)の前記R6及びR7において列記した具体例を同様に挙げることができる。
前記一般式(5)及び一般式(6)で表されるジピロメテン系金属錯体化合物の融点は、溶解性の観点から、高すぎない方がよい。
以下、本発明における特定色素多量体の例示化合物を示すが、本発明は以下の例示化合物に何ら限定されるものではない。
なお、以下の例示化合物において、「wt−%」は「質量%」を表し、「mol−%」は「モル%」を表す。
以下に、特定色素多量体の具体例のいくつかについて、合成方法の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記色素単量体1(5.0g)、メタクリル酸(0.68g)および連鎖移動剤としてn−ドデカンチオール240mgをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)32mlに溶解させ、窒素下、85℃で攪拌し、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)542mgを添加した。その後、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)240mgを二時間おきに二度追加添加し、90℃に昇温し、更に二時間攪拌した。反応終了後、アセトニトリル400ml中に反応液を滴下し、得られた結晶をろ過し、例示化合物1−4(4.8g)を得た。
なお、下記色素単量体1は例えば特開2008−292970号公報記載の合成法に準じて合成できる。
また、連鎖移動剤量の増減および反応温度の上下によって、重量平均分子量を調整でき、また再沈殿溶媒種類/量の変更によって分散度を調整できる。
下記色素単量体2(20g)、メタクリル酸(5.88g)および連鎖移動剤としてチオリンゴ酸520mgをプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)150mlに溶解させ、窒素下、85℃で攪拌し、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)1.2gを添加した。その後、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)1.2gを二時間おきに二度追加添加し、90℃に昇温し、更に二時間攪拌した。反応終了後、アセトニトリル2000ml中に反応液を滴下し、得られた結晶をろ過し、例示化合物2−3(21.2g)を得た。1H NMRスペクトルからAcOのプロトンのピークが消失していることから例示化合物2−3のように主鎖カルボン酸が配位していることを確認した。
なお、下記色素単量体2も例えば特開2008−292970号公報記載の合成法に準じて合成できる。また、連鎖移動剤量の増減および反応温度の上下によって、重量平均分子量を調整でき、また再沈殿溶媒種類/量の変更によって分散度を調整できる。
下記色素単量体4(6.5g)、メタクリル酸(3.5g)および連鎖移動剤としてn−ドデカンチオール420mgをメチルセルソルブ40mlに溶解させ、窒素下、85℃で攪拌し、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)478mgを添加した。その後、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)478mgを二時間おきに二度追加添加し、90℃に昇温し、更に二時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去し、得られた残渣をメタノールで懸濁し得られた結晶をろ過して、例示化合物4−3(8.0g)を得た。
なお、下記色素単量体4は例えば特許第3736221号公報記載の合成法で合成できる。また、連鎖移動剤量の増減および反応温度の上下によって、重量平均分子量を調整でき、また再沈殿溶媒種類/量の変更によって分散度を調整できる。
本発明の着色組成物の全固形分中における特定着色剤の含有量(2種以上の場合には総含有量)は、0.1〜70質量%が好ましく、1〜65質量%がより好ましく、5〜60質量%が特に好ましい。
本発明の特定着色剤と下記記載の他の着色剤を併用した着色硬化性組成物の全固形分中の総着色剤含有量は1〜70質量%が好ましく、20〜65質量%がより好ましく、40〜60質量%が特に好ましい。薄膜化の観点から着色硬化性組成物の全固形分中の着色剤量を高めることに本発明の特定着色剤は特に有用である。
さらに、これらの染料や顔料は要望の色相を得るために2種類以上を混合して用いても構わない。
本発明の着色組成物は、重合性化合物を含有することが好ましい。
前記重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。
このような化合物は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。
アクリル酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
タコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
(ただし、R10及びR11は、H又はCH3を示す。)
52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。硬化感度の観点から、(メタ)アクリル酸エステル構造を2個以上含有する化合物を用いることが好ましく、3個以上含有する化合物を用いることがより好ましく、4個以上含有する化合物を用いることが最も好ましい。また、硬化感度、および、未露光部の現像性の観点では、カルボン酸基又はEO変性体構造を含有する化合物が好ましい。また、硬化感度、および、露光部強度の観点ではウレタン結合を含有することが好ましい。
本発明の着色組成物は、重合開始剤を含有することができる。
重合開始剤としては、感放射線性化合物である光重合開始剤を含有することが好ましい。
前記光重合開始剤は、光により分解し、前述した重合性化合物等の重合可能な成分の重合を開始、促進する化合物であり、特に、波長300nm〜500nmの領域に吸収を有する化合物であることが好ましい。
なお光重合開始剤は、上記のように光により重合を開始する特性のほかに、熱により重合を開始する性質も併せて有するものであってもよい。
また、光重合開始剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
以下、これらの各化合物について詳細に述べる。
ベンゾイン化合物としてはm−ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチル−o−ベンゾイルベンゾエートなどを挙げることができる。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントラキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩が、アリロキシ基、アリールチオ基を置換基に有する300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。
et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
また、一般式(d)におけるnは1〜2の整数が好ましい。
本発明の着色組成物を、ポジ型の着色感光性組成物に構成する場合には、本発明の着色組成物に、感放射線性化合物としてナフトキノンジアジド化合物を含有させることが好ましい。
該ナフトキノンジアジド化合物は、少なくとも1つのo−キノンジアジド基を有する化合物であり、例えば、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸アミド、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミド等が挙げられる。これらのエステルやアミド化合物は、例えば特開平2−84650号公報、特開平3−49437号公報において一般式(I)で記載されているフェノール化合物等を用いて公知の方法により製造することができる。
本発明の着色組成物は、さらにアルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。アルカリ可溶性樹脂を含有することにより、現像性・パターン形成性が向上する。
ビニルアセテート、N-ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポ
リスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等を挙げることができる。
前記エーテルダイマーを示す前記一般式(ED)中、R1およびR2で表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、ステアリル基、ラウリル基、2−エチルヘキシル基、等の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル基等のアリール基;シクロヘキシル基、t−ブチルシクロヘキシル基、ジシクロペンタジエニル基、トリシクロデカニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、等の脂環式基;1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基等のアルコキシ基で置換されたアルキル基;ベンジル基等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、等のような酸や熱で脱離しにくい1級または2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。
前記一般式(ED)で示される化合物由来の構造体は、その他の単量体を共重合させてもよい。
重合性基を有したアルカリ可溶性樹脂としては、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有したアルカリ可溶性樹脂等が有用である。これら重合性基を含有するアルカリ可溶性樹脂としては、予めイソシアネート基とOH基を反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ(メタ)アクリロイル基を含む化合物とカルボキシル基を含むアクリル樹脂との反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂、カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基及び重合性二重結合を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂、酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂、OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂、OH基を含むアクリル樹脂とイソシアネートと重合性基を有する化合物を反応させた樹脂、特開2002-229207号公報及び特開2003-335814号公報に記載されるα位又はβ位にハロゲン原子或いはスルホネート基などの脱離基を有するエステル基を側鎖に有する樹脂を塩基性処理を行うことで得られる樹脂などが好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、2,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がさらに好ましく、7,000〜20,000が最も好ましい。
本発明の着色組成物がポジ型の着色感光性組成物である場合、バインダーとしては、アルカリ可溶性フェノール樹脂を用いることもできる。該アルカリ可溶性フェノール樹脂は、本発明の着色感光性組成物をポジ型の組成物とする場合に好適に用いることができる。アルカリ可溶性フェノール樹脂としては、例えば、ノボラック樹脂、又はビニル重合体等が挙げられる。
上記ノボラック樹脂としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下に縮合させて得られるものが挙げられる。上記フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール、フェニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ナフトール、又はビスフェノールA等が挙げられる。
上記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、又はベンズアルデヒド等が挙げられる。
上記フェノール類及びアルデヒド類は、単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の着色組成物は、架橋剤を含有してもよい。
架橋剤としては、架橋反応によって膜硬化を行なえるものであれば特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換されたメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物、またはウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換されたフェノール化合物、ナフトール化合物、またはヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
前記メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物またはその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物またはその混合物、などが挙げられる。
(b)に係る化合物は、単独で使用してもよく、組合わせて使用してもよい。
以下、これら化合物を総じて、(c)に係る化合物(メチロール基含有化合物、アルコキシメチル基含有化合物、またはアシロキシメチル基含有化合物)ということがある。
前記(c)に係るアルコキシメチル基含有化合物は、(c)に係るメチロール基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒の存在下で加熱することにより得られる。
前記(c)に係るアシロキシメチル基含有化合物は、(c)に係るメチロール基含有化合物を塩基性触媒の存在下アシルクロリドと反応させることにより得られる。
また、アシロキシメチル基含有化合物として、例えば、上記メチロール基含有化合物のメチロール基を、一部または全部アシロキシメチル化した化合物等が挙げられる。
これら(c)に係る化合物は、単独で使用してもよく、組合わせて使用してもよい。
該含有量が前記範囲内であると、充分な硬化度と未硬化部の溶出性とを保持でき、硬化部の硬化度が不足したり、未硬化部の溶出性が著しく低下することを防ぐことができる。
本発明の着色組成物は、溶剤を含有してもよい。
本発明の着色組成物の用途は特に限られないが、具体的には、例えば、後述するように、フォトリソ法によるカラーフィルタの製造や、インクジェット法によるカラーフィルタの製造等に用いられる。
そして、溶剤やその他の添加物は、用途等を考慮して、必要に応じて適宜用いられる。
まず、本発明の着色組成物をフォトリソ法によるカラーフィルタの製造に用いる場合について説明する。
フォトリソ法に用いる本発明の着色組成物(着色感光性組成物の形態の着色組成物)は、溶剤を有することが好ましい。
これらの溶剤は一種単独で用いてもよいが、紫外線吸収剤及びアルカリ可溶性樹脂の溶解性、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合することも好ましい。この場合、特に好ましくは、上記の3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液である。
なお、着色組成物をインクジェット法によるカラーフィルタの製造に用いる場合は、後述するように、硬化性の観点から(D)溶媒の含有量は少ない方が好ましく、(D)溶媒を用いない形態もありうる。
本発明の着色組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する着色組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
本発明の着色組成物においては、該着色組成物の製造中又は保存中において、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の重合禁止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
重合禁止剤の添加量は、全組成物の質量に対して、約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
本発明の着色組成物には、必要に応じて各種添加物、例えば充填剤、上記以外の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することかできる。これらの例としては、例えば、特開2008−292970号公報の段落番号[0274]〜[0276]に記載の添加物を挙げることができる。
本発明の着色組成物の調製に際しては、組成物の上述の各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。全成分を同時に溶剤に溶解して組成物を調製してもよいし、必要に応じては各成分を適宜2つ以上の溶液としておいて、使用時(塗布時)にこれらの溶液を混合して組成物として調製してもよい。
上記のようにして調製された組成物は、好ましくは孔径0.01〜3.0μm、より好ましくは孔径0.05〜0.5μm程度のフィルタなどを用いて濾別した後、使用に供することもできる。
具体的には、カラーフィルタを構成する画素パターンサイズ(基板法線方向からみた画素パターンの辺長)が2μm以下である場合(例えば0.5〜2.0μm)は、その面積が非常に小さいことから、特に他色への染み込みや色移り、残渣は色分離能低下によって顕著に感度が低下する。これは、特に画素パターンサイズが0.5〜1.7μm(更に0.5〜1.2μm)の場合にさらに顕著になる。
一方、本発明の着色組成物を用いれば、上記のような2μm以下の画素パターンサイズでも、パターン形成性に優れ、染み込み、色移り、残渣などの混色を抑制したカラーフィルタを作製することができる。
本発明のカラーフィルタは、前記本発明の着色組成物を用いてなるものである。このため本発明のカラーフィルタは、染み込み、色移り、及び現像残渣に起因する混色が抑制される。また、耐熱性にも優れる。
本発明の着色組成物を用いて、フォトリソ法によりパターンを形成する方法としては、例えば、特開2008−292970号公報の段落番号[0277]〜[0284]に記載の方法が挙げられる。
本発明のカラーフィルタの製造方法では、まず、支持体上に、既述の本発明の着色組成物を回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して、塗布層を形成し、その後、必要に応じて、予備硬化(プリベーク)を行い、該塗布層を乾燥させて着色層を形成する(着色層形成工程)。
また、着色組成物により形成される着色層の厚みは、目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、0.2μm〜5.0μmであることが好ましく、0.3μm〜2.5μmであることが更に好ましく、0.3μm〜1.5μm最も好ましい。なお、ここでいう着色層の厚さは、プリベーク後の膜厚である。
続いて、本発明のカラーフィルタの製造方法では、支持体上に形成された着色層には、マスクを介した露光が行われる(露光工程)。
この露光に適用し得る光若しくは放射線としては、g線、h線、i線、KrF光、ArF光が好ましく、特にi線が好ましい。照射光にi線を用いる場合、100mJ/cm2〜10000mJ/cm2の露光量で照射することが好ましい。
前記レーザー光源を用いた露光方式では、光源として紫外光レーザーを用いることができる。レーザーは英語のLight Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出により光の増幅)の頭文字である。反転分布をもった物質中でおきる誘導放出の現象を利用し、光波の増幅、発振によって干渉性と指向性が一層強い単色光を作り出す発振器および増幅器、励起媒体として結晶、ガラス、液体、色素、気体などがあり、これらの媒質から固体レーザー、液体レーザー、気体レーザー、半導体レーザーなどの公知の紫外光に発振波長を有するレーザーを用いることができる。その中でも、レーザーの出力および発振波長の観点から、固体レーザー、ガスレーザーが好ましい。
被露光物(着色層)に対する露光量としては、1mJ/cm2〜100mJ/cm2の範囲であり、1mJ/cm2〜50mJ/cm2の範囲がより好ましい。露光量がこの範囲であると、パターン形成の生産性の点で好ましい。
また、露光は、着色層中の着色剤の酸化褪色を抑制するために、チャンバー内に窒素ガスを流しながら行なうことができる。
続いて、露光後の着色層に対し、現像液にて現像を行う(現像工程)。これにより、ネガ型若しくはポジ型の着色されたパターン(レジストパターン)を形成することができる。
現像液は、着色層の未硬化部を溶解し、硬化部を溶解しないものであれば、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性水溶液を用いることができる。現像液がアルカリ性水溶液である場合、アルカリ濃度が好ましくはpH11〜13、更に好ましくはpH11.5〜12.5となるように調整するのがよい。特に、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドを、濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜5質量%となるように調整したアルカリ性水溶液を現像液として用いることができる。
現像時間は、30秒〜300秒が好ましく、更に好ましくは30秒〜120秒である。現像温度は、20℃〜40℃が好ましく、更に好ましくは23℃である。
現像は、パドル方式、シャワー方式、スプレー方式等で行うことができる。
本発明においては、上記した現像によりパターンを形成する工程の後に、さらに、得られたパターンをさらに硬化させる後硬化工程を実施することが好ましい。
後硬化工程は、加熱(後加熱)及び/又は露光(紫外線照射等の後露光)によって行うが、得られたパターンをさらに硬化させ、次色のパターン形成のための着色層を形成する工程等での、パターンの溶解等を防止したり、得られたカラーフィルタの画素の耐溶剤性を向上したりすることができる。
後硬化工程は、紫外線照射による紫外線照射工程であることが好ましい。
紫外線照射工程では、後露光によるパターンの硬化を行う。
具体的には、前記パターン形成工程で現像処理を行なった後のパターンに、例えば、現像前の露光処理における露光量[mJ/cm2]の10倍以上の照射光量[mJ/cm2]の紫外光(UV光)を照射する。パターン形成工程での現像処理と後述の加熱処理との間に、現像後のパターンにUV光を所定時間、照射することにより、後に加熱された際に色移りするのを効果的に防止できる。本工程での照射光量が10倍未満であると、着色画素間や上下層間における色移りを防止できない場合がある。
中でも、UV光の照射光量は、パターン形成工程での露光時の露光量の12倍以上200倍以下が好ましく、15倍以上100倍以下がより好ましい。
複数の色相の着色画素を有するカラーフィルタの作製においては、前記着色層形成工程、前記露光工程、及び前記現像工程、(及び必要に応じて後硬化工程)を所望の色数に合わせて繰り返すことにより、所望数の色相に構成されたカラーフィルタを作製することができる。
洗浄液としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、又はアルキレングリコールモノアルキルエーテルを用いることがが好ましい。
洗浄液として用いうるこれら溶剤は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
溶剤を2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合してなる混合溶剤が好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜80/20である。混合溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の混合溶剤で、その比率が60/40であることが特に好ましい。
なお、着色組成物に対する洗浄液の浸透性を向上させるために、洗浄液には、着色組成物が含有しうる界面活性剤として前掲した界面活性剤を添加してもよい。
インクジェット法でカラーフィルタを製造する方法は特に限定されないが、隔壁により区画された凹部を有する基板を準備する工程と、前記凹部に、インクジェット法によって、本発明の着色組成物(具体的には、後述する本発明のインクジェット用インク)の液滴を付与して、カラーフィルタの着色画素を形成する工程と、を有する。例えば、特開2008−250188号公報の段落番号[0114]〜[0128]に記載の方法等を用いることができる。
本発明のインクジェット用インクは、前記本発明の着色組成物を含む。
本発明のインクジェット用インクは、堅牢性(耐熱性、耐光性)に優れた着色画素を形成できる他、保存安定性に優れ、かつ、吐出安定性にも優れる。
即ち、本発明のインクジェット用インクは、溶剤を含んでいてもよく、含まなくてもよい。インクジェット用インクが溶剤を含まない形態としては、例えば、重合性化合物が溶剤の役割を果たす形態が挙げられる。
前記溶剤としては、各成分の溶解性や後述する溶剤の沸点を満足すれば基本的に特に限定されないが、特に後述するバインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。溶剤の具体例としては、特開2009−13206号公報の段落番号[0030]〜[0040]に記載の溶剤を挙げることが出来る。
また、溶剤としては、既述の本発明の着色組成物中の溶剤として説明した溶剤を用いることもできる。
前記溶剤の沸点が130℃以上であれば、面内の画素の形状の均一性がより向上する。
前記溶剤の沸点が280℃以下であれば、プリベークによる溶剤除去性がより向上する。
なお、溶剤の沸点は、圧力1atmのもとでの沸点を意味し、化合物辞典(Chapman & Hall 社)などの物性値表により知ることができる。これらは1種又は2種以上を併用してもよい。
また、本発明のインクジェット用インク中のバインダー樹脂としては、本発明の着色組成物中のバインダーとして説明したものを用いることもできる。
また、本発明のインクジェット用インクは、架橋剤を含んでもよい。
架橋剤としては、エポキシ樹脂技術協会発行の「総説エポキシ樹脂基礎編I」2003年11月19日発行、第3章に記載の硬化剤、促進剤を好適に用いることができ、例えば、多価カルボン酸無水物または多価カルボン酸を用いることができる。
界面活性剤の例として、特開平7−216276号公報の段落番号[0021]や、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。界面活性剤の含有量は、着色組成物全量に対して5質量%以下が好ましい。
また、本発明のインクジェット用インク中の界面活性剤としては、本発明の着色組成物中の界面活性剤として説明したものを用いることもできる。
(B)重合性化合物の溶液を作製する際には、溶剤に対して使用する素材の溶解性が低い場合には、重合性化合物が重合反応を起こさない範囲内で、加熱や超音波処理等の処理を適宜行うことが可能である。
なお、粘度は、25℃にインクジェット用インクを保持した状態で、一般に用いられるE型粘度計(例えば、東機産業(株)製E型粘度計(RE−80L)を用いることにより測定される値である。
本発明のカラーフィルタは、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、液晶プロジェクタ、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの表示装置、特にカラー表示装置の用途に特に制限なく好適に適用できる。
また、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、内視鏡、携帯電話などに使用されるCCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサーなどの固体撮像素子用のカラーフィルタとして好適に用いることができる。特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS素子等に好適である。
本発明の固体撮像素子は、本発明のカラーフィルタを備えたものである。
本発明の固体撮像素子として、具体的には、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、内視鏡、携帯電話などに使用されるCCDイメージセンサー又はCMOSイメージセンサーが好適である。特に100万画素を超えるような高解像度のCCDイメージセンサー又はCMOSイメージセンサーが好適である。
固体撮像素子の構成としては、本発明のカラーフィルタを備え、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、次のような構成が挙げられる。
即ち、支持体上に、受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる転送電極を有し、その上に、本発明のカラーフィルタを設け、次いで、マイクロレンズを積層する構成である。
本発明の表示装置は、本発明のカラーフィルタを備えたものである。
本発明の表示装置として、具体的には、液晶ディスプレイ(液晶表示装置;LCD)、有機ELディスプレイ(有機EL表示装置)、液晶プロジェクタ、ゲーム機用表示装置、携帯電話などの携帯端末用表示装置、デジタルカメラ用表示装置、カーナビ用表示装置などの表示装置、特にカラー表示装置が好適である。
また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
また、本発明のカラーフィルタは、明るく高精細なCOA(Color-filter On Array)方式にも供することが可能である。COA方式の液晶表示装置にあっては、カラーフィルタ層に対する要求特性としては、通常の要求特性に加え、層間絶縁膜に対する要求特性、即ち低誘電率及び剥離液耐性が必要である。本発明のカラーフィルタでは、紫外光レーザーによる露光方法を用いることや、着色画素の色相や膜厚を選択することによって、露光光である紫外光レーザーの透過性を高めることができるものと考えられる。これによって、着色画素の硬化性が向上し、欠けや剥がれ、ヨレのない画素を形成できるので、TFT基板上に直接または間接的に設けた着色層の特に剥離液耐性が向上し、COA方式の液晶表示装置に有用である。低誘電率の要求特性を満足するためには、カラーフィルタ層の上に樹脂被膜を設けてもよい。
さらにCOA方式により形成される着色層には、着色層上に配置されるITO電極と着色層の下方の駆動用基板の端子とを導通させるために、一辺の長さが1〜15μm程度の矩形のスルーホールあるいはコの字型の窪み等の導通路を形成する必要であり、導通路の寸法(即ち、一辺の長さ)を特に5μm以下にすることが好ましいが、本発明を用いることにより、5μm以下の導通路を形成することも可能である。
これらの画像表示方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページなどに記載されている。
これらの部材については、例えば、「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉(株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
(1)レジスト溶液Aの調製(ネガ型)
下記の成分を混合して溶解し、レジスト溶液Aを調製した。
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 5.20部
・シクロヘキサノン … 52.60部
・バインダー … 30.50部
(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体、モル比=60:20:20、平均分子量30200(ポリスチレン換算)、41%シクロヘキサノン溶液)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート … 10.20部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) … 0.006部
・フッ素系界面活性剤(DIC(株)製F−475) … 0.80部
・光重合開始剤:4-ベンズオキソラン−2,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(みどり化学(株)製TAZ−107) … 0.58部
ガラス基板(コーニング1737)を0.5%NaOH水で超音波洗浄した後、水洗、脱水ベーク(200℃/20分)を行った。次いで、上記(1)で得たレジスト溶液Aを洗浄したガラス基板上に乾燥後の膜厚が2μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、220℃で1時間加熱乾燥させて、下塗り層付ガラス基板を調製した。
下記の各成分を混合して分散、溶解し、着色組成物を得た。
・メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸の共重合体(20%CyH溶液)(モル比=70:30、重量平均分子量30000) … 1.009部
・重合性モノマー(KAYARAD DPHA(日本化薬製)) … 3.84部
・フッ素系界面活性剤(1%CyH溶液)(ゼネカ製ソルスパース20000)
… 0.125部
・オキシム系光重合開始剤(下記構造の化合物) … 0.087部
・色素多量体(例示化合物1−4/重量平均分子量(Mw)5200/分散度(Mw/Mn)1.66) … 0.183部
・Pigment Blue 15:6分散液 … 2.418部
(固形分濃度17.70%、顔料濃度11.80%)
・ノニオン系界面活性剤:グリセロールプロポキシレート(1%CyH溶液)
… 0.048部
上記C.I.Pigment Blue15:6分散液は、以下のようにして調製されたものである。
即ち、C.I.Pigment Blue15:6を11.8質量部(平均粒子径55nm)、及び顔料分散剤BY−161(BYK社製)を5.9質量部、PGMEA82.3質量部からなる混合液を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.3mm径)により3時間混合・分散して、顔料分散液を調製した。その後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO-3000-10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cm3の圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、顔料分散液(C.I.Pigment Blue15:6分散液)を得た。得られた顔料分散液について、顔料の平均1次粒子径を動的光散乱法(Microtrac Nanotrac UPA−EX150(日機装社製))により測定したところ、24nmであった。
上記(3)で得た着色組成物を、上記(2)で得た下塗り層付ガラス基板の下塗り層の上に乾燥後の膜厚が0.6μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、100℃で120秒間プリベークした。
次いで、露光装置UX3100−SR(ウシオ電機(株)製)を使用して、塗布膜に365nmの波長で線幅2μmのマスクを通して、200mJ/cm2の露光量で照射した。露光後、現像液CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を使用して、25℃40秒間の条件で現像した。その後、流水で30秒間リンスした後、スプレー乾燥し、着色パターンを得た。
以上により着色パターン(青色単色のカラーフィルタ)付きのガラス基板を得た。
着色組成物を用いてガラス基板上に形成された着色パターンの、耐アルカリ溶出性、耐溶剤性、熱拡散による色移り、基板への現像残渣、他色上への現像残渣および染料の染み込みを下記のようにして評価した。評価結果は下記表1〜表5に示す。
上記(4)のプリベーク後の塗布膜の分光(分光A)および、この塗布膜の露光部における現像後の分光(分光B)を測定し、分光Aと分光Bとの差より色素残存率(%)を算出し、これを耐アルカリ溶出性を評価する指標とした。この数値は100%に近いほど耐アルカリ溶出性に優れていることを示す。
上記(4)で得たポストベーク後の着色パターンの分光を測定した(分光A)。この着色パターン(カラーフィルタ)付き基板に対し、着色パターン形成面に上記(1)で得たレジスト溶液Aを膜厚1μmとなるように塗布しプリベークを行った後、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)現像液を使用して23℃・120秒間の条件で現像を行い、再度分光を測定した(分光B)。この分光Aと分光Bとの差より色素残存率(%)を算出し、これを耐溶剤性を評価する指標とした。この数値は100%に近いほど耐溶剤性に優れていることを示す。
上記(4)のようにして作製したカラーフィルタ付き基板の着色パターン形成面に、乾燥膜厚が1μmとなるようにCT−2000L溶液(下地透明剤、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を塗布し、乾燥させて、透明膜を形成した後、200℃で5分間加熱処理を行なった。加熱終了後、着色パターンに隣接する透明膜の吸光度を顕微分光測定装置(大塚電子(株)製LCF−1500M)にて測定した。得られた透明膜の吸光度の値の、同様に加熱前に測定した着色パターンの吸光度に対する割合[%]を算出し、色移りを評価する指標とした。
−判定基準−
隣接ピクセルへの色移り(%)
◎:隣接ピクセルへの色移り<1%
○:1%<隣接ピクセルへの色移り≦10%
△:10%≦隣接ピクセルへの色移り≦30%
×:隣接ピクセルへの色移り>30%
上記(4)で得た現像後のパターンを走査型電子顕微鏡(日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800、倍率20000倍)にて未露光部を観察し、残渣が無くきれいに現像できているものを○、一部残渣があるが現像できているものを△、現像できないものを×として3段階の官能評価を行った。
下記着色組成物(G)を、上記(2)で得た下塗り層付ガラス基板の下塗り層の上に乾燥後の膜厚が0.6μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、100℃で120秒間プリベークし、次いで、露光装置UX3100−SR(ウシオ電機(株)製)を使用して、塗布膜に365nmの波長でマスクを介さず、200mJ/cm2の露光量で全面照射した。露光後、現像液CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を使用して、25℃40秒間の条件で現像した。その後、流水で30秒間リンスした後、スプレー乾燥した。その後、200℃で15分間ポストベークを行い、この塗膜の分光を測定した(分光A)。さらにこの上に、上記(3)の着色組成物を乾燥後の膜厚が0.6μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、100℃で120秒間プリベークし、露光せずに現像液CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を使用して、25℃40秒間の条件で現像した。その後、流水で30秒間リンスした後、スプレー乾燥し分光を測定した(分光B)。この分光A、Bの差より他色上残渣+染み込みを透過率低下(T%低下)の絶対値で算出し、他色上への現像残渣/染料の染み込みを評価する指標とした。
他色上への現像残渣/染料の染み込み(T%低下)
○:T%低下<1%
△:1%≦T%低下≦5%
×:T%低下>5%
C.I.ピグメント・グリーン36とC.I.ピグメント・イエロー219との30/70〔質量比〕混合物40部、分散剤としてDisperbyk−161(ビックケミー(BYK)社製、30%溶液)50部、及び溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル110部からなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、顔料分散液(P1)を調製した。
前記分散処理した顔料分散液(P1)を用いて下記組成比となるよう撹拌混合し、着色組成物Gを調製した。
<組成>
・着色剤(顔料分散液(P1)) … 350部
・重合開始剤(オキシム系光重合開始剤)(CGI−124、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) … 30部
・TO−1382 … 25部
(重合性化合物 東亜合成化学(株)製 カルボキシル基含有5官能アクリレート)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート … 30部
・溶剤(PGMEA) … 200部
・基板密着剤(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン) … 1部
上記実施例1の色素多量体を表1〜表5に記載の色素多量体に変更した以外は同様にして
実施例2〜33および比較例1〜27の評価を行った。
具体的には、実施例1〜33では、上記記載のように検量線から重量平均分子量(Mw)が、5000以上20000以下になるような重合開始剤量と連鎖移動剤量を求め、重合反応を行うことにより、重量平均分子量(Mw)が5000以上20000以下の範囲内となるように調整した(後述する実施例2−1、3−1、3−2も同様である)。
比較例1〜27では、上記記載のように検量線から重量平均分子量(Mw)が、5000未満となるような重合開始剤量と連鎖移動剤量を求め、重合反応を行うことにより、重量平均分子量(Mw)が5000未満となるように調整するか、または、上記記載のように検量線から重量平均分子量(Mw)が、20000を超えるような重合開始剤量と連鎖移動剤量を求め、重合反応を行うことにより、重量平均分子量(Mw)が20000を超えるように調整した。
具体的には、実施例1〜33では、PGMEA/メタノール(1/1、体積比)で重合反応液に対して体積比3倍に希釈した後に、この溶液を体積比20〜100倍程度のアセトニトリル(又はアセトニトリル/メタノール混合溶媒、7/3、体積比)を用いて再沈殿することにより、所望の分散度に調整した。また、所望の分散度にならなかった場合は、再沈殿で得られた色素多量体を色素多量体に対して重量比3〜5倍のTHF(またはシクロヘキサノン、PGMEA)に溶解し、この溶液を体積比20〜100倍程度のアセトニトリル(又はアセトニトリル/メタノール混合溶媒、7/3、体積比)を用いて再沈殿を繰り返すことにより、分散度(Mw/Mn)が1.00以上2.50以下となるように調整した(後述する実施例2−1、3−1、3−2も同様である)。
比較例1〜27では、再沈殿を行わない、もしくは反応液を濃縮することにより、分散度(Mw/Mn)が2.50を超えるように調整した。
また、本発明の特定の物性に制御した色素多量体を用いた塗布液(着色組成物)は、予想外にも塗布性が非常に良好で塗布面にスリットや色むらがなく、優れた塗布性を有していることが分かった。
上記では実施例1〜33として、ガラス基板上に青色の着色パターン(青色カラーフィルタ)を形成する例について説明したが、固体撮像素子基板(CCDやCMOS等の撮像素子が形成されたシリコンウエハ基板)上の撮像素子形成面側に、上記実施例1〜33と同様にして青色カラーフィルタを、緑色カラーレジストを用いた公知の方法により緑色カラーフィルタを、赤色カラーレジストを用いた公知の方法により赤色カラーフィルタを、それぞれ作製することにより、固体撮像素子基板の上に、3色のカラーフィルタを作製できる。この3色のカラーフィルタを備えた固体撮像素子は、着色剤の染み込み、加熱処理による着色剤の熱拡散(色移り)、及び現像残渣に起因する混色が抑制され、色再現性及び感度に優れる。
(1)着色組成物[ポジ型]の調製
・乳酸エチル(EL) … 30部
・下記樹脂P−1 … 3.0部
・下記ナフトキノンジアジド化合物N−1 … 1.8部
・架橋剤:ヘキサメトキシメチロール化メラミン … 0.6部
・光酸発生剤:TAZ−107(みどり化学社製) … 1.2部
・フッ素系界面活性剤(F−475、DIC(株)製) … 0.0005部
・着色剤:例示化合物1−4(平均分子量5200、分散度1.66) … 0.3部
以上を混合し、溶解し着色組成物[ポジ型]を得た。
ベンジルメタクリレート70.0g、メタクリル酸13.0g、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル17.0g、及び2−メトキシプロパノール600gを三口フラスコに仕込み、攪拌装置、還流冷却管、及び温度計を取り付け、窒素気流下65℃にて重合開始剤V−65(和光純薬工業製)を触媒量添加して10時間攪拌した。得られた樹脂溶液を20Lのイオン交換水に激しく攪拌しながら滴下し、白色粉体を得た。この白色粉体を40℃で24時間真空乾燥し145gの樹脂P−1を得た。分子量をGPCにて測定したところ、重量平均分子量Mw=28,000、数平均分子量Mn=11,000であった。
Trisp−PA(本州化学製)42.45g、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド61.80g、アセトン300mlを三口フラスコに仕込み、室温下トリエチルアミン24.44gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に2時間攪拌した後、反応液を大量の水に攪拌しながら注いだ。沈殿したナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを吸引ろ過により集め、40℃で24時間真空乾燥し感光性化合物N−1を得た。
(隔壁形成用の濃色組成物の調製)
濃色組成物K1は、まず表6に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを計り取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、さらに攪拌しながら、表6に記載の量のメチルエチルケトン(2−ブタノン)、バインダー2、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1を計り取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって得た。なお、表6に記載の量は質量部であり、詳しくは以下の組成となっている。
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) … 13.1%
・分散剤(下記記載の化合物B1) … 0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万) … 6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 79.53%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) … 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 73%
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) … 76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 24%
・下記構造物1 … 30%
・メチルエチルケトン … 70%
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。基板を120℃3分間熱処理して表面状態を安定化させた。
基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有するガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、上述のように調製した濃色組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃で3分間プリベークして膜厚2.3μmの濃色組成物層K1を得た。
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と濃色感光層K1の間の距離を200μmに設定し、窒素雰囲気下、露光量300mJ/cm2で隔壁幅20μm、スペース幅100μmにパターン露光した。
隔壁を形成した基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にて撥インク化プラズマ処理を行った。
ガス流量 :80sccm
圧力 :40Pa
RFパワー:50W
処理時間 :30sec
下記表7に示す成分を混合し、1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過して紫色(V)用インク液(インクV−1、及びインクV−2)を調製した。
・着色剤:例示化合物2−3(平均分子量8820、分散度1.77、酸価2.65mmol/g)
・DPCA−60(日本化薬社製(KAYARAD DPCA−60)):カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
・KF−353(信越化学工業(株)社製):ポリエーテル変性シリコーンオイル
得られたインクを25℃に調温したまま、東機産業(株)製E型粘度計(RE−80L)を用いて以下の条件で粘度を測定した。
−測定条件−
・使用ロータ:1° 34’×R24
・測定時間 :2分間
・測定温度 :25℃
SURFACE TENSIOMETER CBVB-A3)を用いて表面張力を測定した。
バックライトユニットとして冷陰極管光源に拡散板を設置したものを用い、2枚の偏光板(ルケオ製、POLAX−15N)の間に単色基板を設置し、偏光板をパラレルニコルに設置したときに通過する光の色度のY値を、クロスニコルに設置したときに通過する光の色度のY値で割ることでコントラストを求めた。色度の測定には色彩輝度計((株)トプコン製BM−5A)を用いた。単色基板は以下の方法で作製した。
カラーフィルタを構成するVインク(インクV―1、インクV−2)を用いて、ガラス基板上にインクジェット法あるいはスピンコート法によってベタ膜を形成して、カラーフィルタ形成と同じようにプリベーク(予備加熱)(温度100℃、2分)、ポストベーク(後加熱)(温度220℃、30分)を行い、膜厚2um(μm)を形成した。
次に、上記で得た単色基板上にスパッタ装置を用い、膜面温度200℃にて15分間、ITO(酸化インジウムスズ)をスパッタして、膜厚1500ÅのITO膜を形成し、ITO付きのカラーフィルタ基板を作製した。
ITOスパッタ前後において、紫外可視吸収分光装置(日本分光製V−570)を用いて、400nm〜700nmの波長範囲における分光透過率曲線を得た。スパッタ前後での、最大ピークにおける分光透過率変化量が小さい場合、耐熱性に優れることを意味する。作製した基板はITOスパッタ前後においてスペクトル形状が殆ど変化しておらず、高い耐熱性を有することがわかった。
(顔料分散液の調製)
シー・アイ・ピグメント・バイオレット23(大日精化社製)17.5質量部に、顔料分散剤(前記化合物B1)2.5質量部及び溶剤((1,3−ブタンジオールジアセテート)(以下1,3−BGDAと略す)80質量部とMMPGAC(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート)で配合し、プレミキシングの後、モーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを充填率80%で用い、周速9m/sで25時間分散し、V用顔料分散液を調製した。
比較例として、上記の顔料分散液を用いて、以下記載の表8の分量で作製した顔料インクを調製した。なお、使用した材料は、以下の通りである。
・DPS100(日本化薬社製):KAYARAD DPS100
・TMPTA(日本化薬社製):KAYARAD TMPTA
・界面活性剤:前述の界面活性剤1
・V−40(和光純薬社製):アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)
上記で調製されたインクを用いて、上記で得られた基板上の隔壁で区分された領域内(凸部で囲まれた凹部)に、富士フイルムDimatix製インクジェットプリンターDMP−2831を用い、吐出を行い、その後、100℃オーブン中で2分間加熱を行った。次に、220℃のオーブン中で30分間静置することにより、単色のカラーフィルタを作製した。
上記で調製された各色インクを50℃の恒温室に保管し、30日後の粘度を測定し、インク調製直後の値との差(%)[(30日後の粘度−調製直後の粘度)/調製直後の粘度]により評価を行った。評価基準は以下の様に分類した。
◎:インク調製直後の粘度との差が10%未満
○:インク調製直後の粘度との差が10%以上20%未満
△:インク調製直後の粘度との差が20%以上30%未満
×:インク調製直後の粘度との差が30%以上
上記で調製されたインクを用いて、吐出安定性の評価を行った。評価方法は、富士フイルムDimatix社製インクジェットプリンターDMP−2831、打滴量10pLのヘッドカートリッジ、打滴周波数10kHzで行い、30分間連続吐出をした際の状態を観察した。評価基準は以下の様に分類した。
−評価基準−
◎:問題なく連続吐出が可能
○:吐出中に、少々不吐出、吐出乱れなど観察されるが、吐出中に復帰し、概ね問題の無い状態
△:吐出中に不吐出、吐出乱れが生じ、吐出中に復帰しないが、メンテナンスによって正常な状態に復帰する状態
×:吐出中に不吐出、吐出乱れが生じ、正常に吐出ができず、メンテナンスによっても吐出が復帰しない状態
メンテナンスは、DMP−2831によるパージ(ヘッド内インクを加圧してノズルからインクを強制的に吐き出す)、ブロット(ヘッドノズル面をクリーニングパッドに僅かに接触させて、ノズル面のインクを吸い取る)を実施した。
上記で調製されたインクを用いて、吐出安定性の評価を行った。評価方法は連続吐出安定性評価同様に、富士フイルムDimatix製インクジェットプリンターDMP−2831、打滴量10pLのヘッドカートリッジを用い、打滴周波数10kHzで一度5分間の吐出を行い、24時間の休止後、再び同条件で吐出を開始した際の状態を観察した。評価基準は以下の様に分類した。
−評価基準−
◎:打滴指示と同時に問題なく吐出が可能
○:打滴指示直後は少々不吐出、吐出乱れなど観察されるが、吐出中に復帰し、概ね問題の無い状態
△:不吐出、吐出乱れが生じ、吐出中に復帰しないが、メンテナンスによって正常な状態に復帰する状態
×:不吐出、吐出乱れが生じ、正常に吐出ができず、メンテナンスによっても吐出が正常なレベルまで復帰しない状態
メンテナンスは、DMP−2831によるパージ(ヘッド内インクを加圧してノズルからインクを強制的に吐き出す)、ブロット(ヘッドノズル面をクリーニングパッドに僅かに接触させて、ノズル面のインクを吸い取る)を実施した。
上記で作製した各色のカラーフィルタを、230℃に加熱したオーブン内に入れ、1時間放置した後、色相を測定した。色相の測定は、UV−560(日本分光社製)を用い、評価前後のΔEabが5未満を○とした。ΔEabが5以上15未満を△と、ΔEabが15以上を×とした。
上記で作製した各色のカラーフィルタを、評価を行う薬品(N−メチルピロリドン、2−プロパノール、5%硫酸水溶液、5%水酸化ナトリウム水溶液)中に20分間浸し、その前後の色相を測定した。色相の測定は、UV−560(日本分光社製)を用い、ΔEabが5未満を○とした。ΔEabが5以上15未満を△と、ΔEabが15以上を×とした。ΔEabの評価方法は、上記と同様である。
一方、顔料インクを使用した比較例においては、吐出安定性が悪く、実用性に欠いていた。
Claims (13)
- 着色剤として、重量平均分子量(Mw)が5,000以上20,000以下であり、分散度(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が1.00以上2.50以下であり、カルボキシル基、ホスホノ基、及びスルホ基から選ばれる少なくとも一つのアルカリ可溶性基を有する色素多量体を含有し、
更に、重合性化合物、重合開始剤、及び溶剤を含有し、
前記色素多量体が、下記一般式(A)、下記一般式(B)、及び、下記一般式(C)で表される構成単位の少なくとも一つを有し、かつ前記アルカリ可溶性基を有する色素多量体であるか、又は、下記一般式(D)で表され、かつ前記アルカリ可溶性基を有する色素多量体であり、
前記重合開始剤が、オキシム系化合物を含む着色組成物。
〔一般式(A)中、XA1及びXA2は、それぞれ独立に、重合によって形成される連結基である、下記(X−1)〜(X−15)のいずれか1つの連結基を表す。
LA1及びLA2は、それぞれ独立に、単結合、または、炭素数1〜30の置換もしくは無置換の直鎖、分岐もしくは環状アルキレン基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のヘテロ環連結基、−CH2=CH2−、−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−SO−、−SO2−、下記一般式(2)で表される連結基、下記一般式(3)で表される連結基、もしくは下記一般式(4)で表される連結基、もしくは、これらを2個以上連結して形成される2価の連結基を表す。前記Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
Dyeは、色素化合物から任意の水素原子を1個〜1+m個取り除いた色素残基を表す。前記色素化合物は、シアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、及びジピロメテン系色素からなる群から選択される1種である。
mは0〜3の整数を表す。
DyeとLA2とは、共有結合、イオン結合、及び、配位結合のいずれで連結されていてもよい。〕
〔一般式(B)中、XB1及びXB2は、それぞれ独立に、重合によって形成される連結基である、下記(X−1)〜(X−15)のいずれか1つの連結基を表す。
LB1及びLB2は、それぞれ独立に、単結合、または、炭素数1〜30の置換もしくは無置換の直鎖、分岐もしくは環状アルキレン基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のヘテロ環連結基、−CH2=CH2−、−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−SO−、−SO2−、下記一般式(2)で表される連結基、下記一般式(3)で表される連結基、もしくは下記一般式(4)で表される連結基、もしくは、これらを2個以上連結して形成される2価の連結基を表す。前記Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
Aは、Dyeとイオン結合もしくは配位結合可能な基を表す。
Dyeは、Aとイオン結合もしくは配位結合可能な基を有する色素化合物を表すか、または該色素化合物から任意の水素原子を1個〜m個取り除いた色素残基を表す。前記色素化合物は、シアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、及びジピロメテン系色素からなる群から選択される1種である。
mは0〜3の整数を表す。
DyeとLB2とは、共有結合、イオン結合、及び、配位結合のいずれで連結されていてもよい。〕
〔一般式(C)中、LC1は、単結合、または、炭素数1〜30の置換もしくは無置換の直鎖、分岐もしくは環状アルキレン基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のヘテロ環連結基、−CH2=CH2−、−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−SO−、−SO2−、下記一般式(2)で表される連結基、下記一般式(3)で表される連結基、もしくは下記一般式(4)で表される連結基、もしくは、これらを2個以上連結して形成される2価の連結基を表す。前記Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
Dyeは、色素化合物から任意の水素原子を2個取り除いた色素残基を表す。前記色素化合物は、シアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、及びジピロメテン系色素からなる群から選択される1種である。〕
〔一般式(D)中、LD1は、m価の連結基を表す。
mは2〜100の整数を表す。
mが2の場合、LD1は、2価の連結基を表し、前記2価の連結基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換の直鎖、分岐もしくは環状アルキレン基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のヘテロ環連結基、−CH2=CH2−、−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−SO−、−SO2−、もしくは、これらを2個以上連結して形成される連結基を表す。前記Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
mが3以上の整数である場合、LD1は、前記2価の連結基が置換されて形成されるm価の連結基を表す。
Dyeは、色素化合物から任意の水素原子を1個取り除いた色素残基を表す。前記色素化合物は、シアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、及びジピロメテン系色素からなる群から選択される1種である。〕
〔(X−1)〜(X−15)において、*は、LA1、LA2、LB1、またはLB2と連結する部位を表す。〕
〔一般式(2)〜一般式(4)中、R2は、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R3は、水素原子、又は置換基を表し、kは、0〜4の整数を表す。
一般式(2)〜一般式(4)中、*は、一般式(A)中のXA1もしくはXA2、もしくは、一般式(B)中のXB1もしくはXB2に結合する位置を表すか、又は、一般式(C)中の*を表す。
**は、一般式(A)中のDye、一般式(B)中のAもしくはDye、または、一般式(C)中のDyeに結合する位置を表す。〕 - 前記色素多量体の酸価が0.5mmol/g以上3.0mmol/g以下である請求項1に記載の着色組成物。
- 前記一般式(A)中のDyeが、トリフェニルメタン系色素から任意の水素原子を1個
〜1+m個取り除いた色素残基を表し、
前記一般式(B)中のDyeが、Aとイオン結合もしくは配位結合可能な基を有する、
トリフェニルメタン系色素を表すか、または該色素から任意の水素原子を1個〜m個取り
除いた色素残基を表し、
前記一般式(C)中のDyeが、トリフェニルメタン系色素から任意の水素原子を2個
取り除いた色素残基を表し、
前記一般式(D)中のDyeが、トリフェニルメタン系色素から任意の水素原子を1個
取り除いた色素残基を表す請求項1又は請求項2に記載の着色組成物。 - 前記色素多量体の重量平均分子量(Mw)が、5,000以上16,000以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の着色組成物。
- 前記色素多量体は、前記一般式(A)で表される構成単位を有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の着色組成物。
- 前記色素多量体は、最大吸収波長が400nm〜780nmの範囲に存在する請求項1
〜請求項5のいずれか1項に記載の着色組成物。 - 全固形分中における前記色素多量体の含有量が、5質量%〜60質量%である請求項1
〜請求項6のいずれか1項に記載の着色組成物。 - 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の着色組成物を用いて形成されたカラーフィ
ルタ。 - 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の着色組成物を含むインクジェット用インク
。 - 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の着色組成物を支持体上に塗布して着色層を
形成する工程と、
形成された着色層をマスクを介して露光する工程と、
露光された着色層を現像して着色パターンを形成する工程と、
を有するカラーフィルタの製造方法。 - 隔壁により区画された凹部を有する基板を準備する工程と、
前記凹部に、インクジェット法によって、請求項9に記載のインクジェット用インク
の液滴を付与して、カラーフィルタの着色画素を形成する工程と、
を有するカラーフィルタの製造方法。 - 請求項8に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
- 請求項8に記載のカラーフィルタを備えた表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014027628A JP5823547B2 (ja) | 2014-02-17 | 2014-02-17 | 着色組成物、インクジェット用インク、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、並びに表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014027628A JP5823547B2 (ja) | 2014-02-17 | 2014-02-17 | 着色組成物、インクジェット用インク、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、並びに表示装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010084603A Division JP5791874B2 (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | 着色組成物、インクジェット用インク、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、並びに表示装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015160802A Division JP5986671B2 (ja) | 2015-08-18 | 2015-08-18 | 着色組成物、インクジェット用インク、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、並びに表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014177627A JP2014177627A (ja) | 2014-09-25 |
JP5823547B2 true JP5823547B2 (ja) | 2015-11-25 |
Family
ID=51697904
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014027628A Active JP5823547B2 (ja) | 2014-02-17 | 2014-02-17 | 着色組成物、インクジェット用インク、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、並びに表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5823547B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001124919A (ja) * | 1999-10-27 | 2001-05-11 | Toppan Printing Co Ltd | カラーフィルタ及びこれを備えた液晶ディスプレー |
JP4578949B2 (ja) * | 2004-11-24 | 2010-11-10 | 富士フイルム株式会社 | 光硬化性画像記録材料、並びに、カラーフィルタおよびその製造方法 |
JP5191194B2 (ja) * | 2007-09-06 | 2013-04-24 | 富士フイルム株式会社 | 加工顔料、それを用いた顔料分散組成物、着色感光性組成物、及び、カラーフィルタ |
WO2009057523A1 (ja) * | 2007-11-01 | 2009-05-07 | Fujifilm Corporation | 顔料分散組成物、着色硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法 |
JP5274151B2 (ja) * | 2008-08-21 | 2013-08-28 | 富士フイルム株式会社 | 感光性樹脂組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに、固体撮像素子 |
JP5478859B2 (ja) * | 2008-09-12 | 2014-04-23 | 富士フイルム株式会社 | 顔料分散組成物、着色感光性組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置、及び固体撮像素子 |
-
2014
- 2014-02-17 JP JP2014027628A patent/JP5823547B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014177627A (ja) | 2014-09-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5791874B2 (ja) | 着色組成物、インクジェット用インク、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、並びに表示装置 | |
TWI466882B (zh) | 著色劑多聚體、著色硬化組成物、彩色濾光片及其製備方法 | |
KR101844803B1 (ko) | 착색 조성물, 경화막, 컬러 필터, 컬러 필터의 제조 방법, 고체 촬상 소자, 화상 표시 장치, 유기 일렉트로 루미네선스 소자, 색소 및 색소의 제조 방법 | |
JP6339208B2 (ja) | 着色組成物、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子、および画像表示装置 | |
JP6336092B2 (ja) | 組成物、硬化膜、パターン形成方法、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子および画像表示装置 | |
JP6054824B2 (ja) | 着色組成物、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子および画像表示装置 | |
JP6147134B2 (ja) | 着色組成物、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子および画像表示装置 | |
JP6082705B2 (ja) | 着色組成物、およびこれを用いた硬化膜、カラーフィルタ、パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子および画像表示装置 | |
KR20160102276A (ko) | 착색 조성물, 및 이것을 이용한 경화막, 컬러 필터, 패턴 형성 방법, 컬러 필터의 제조 방법, 고체 촬상 소자, 화상 표시 장치와 염료 다량체 | |
JP6147133B2 (ja) | 着色組成物、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子および画像表示装置 | |
JP5623934B2 (ja) | 着色組成物、着色感放射線性組成物、色素多量体の製造方法、インクジェット用インク、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、並びに表示装置 | |
JP5986671B2 (ja) | 着色組成物、インクジェット用インク、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、並びに表示装置 | |
JP2010015056A (ja) | カラーフィルタ用着色組成物、そのセット、カラーフィルタ、およびカラーフィルタの製造方法 | |
CN112739726B (zh) | 着色组合物、固化膜的形成方法、滤色器的制造方法及显示装置的制造方法 | |
JP2011202025A (ja) | 固体分散液、着色感光性組成物、インクジェット用インク、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、表示装置、並びに金属錯体化合物及びその互変異性体 | |
JP5566919B2 (ja) | 着色硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、液晶表示装置、並びに有機el表示装置 | |
JP5823547B2 (ja) | 着色組成物、インクジェット用インク、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、並びに表示装置 | |
JP6054894B2 (ja) | 着色組成物、パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、固体撮像素子、画像表示装置および着色組成物の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150203 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150224 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150423 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20150526 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150818 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20150825 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150915 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151007 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5823547 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |