JP5822388B2 - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナーの製造方法、及び該方法により得られる電子写真用トナーに関する。
近年の高速化、小型化等の要求に対し、より低温定着可能なトナーが求められている。
また、トナーは多くの場合、着色剤と結着樹脂を主成分とする組成物を溶融混練し、得られた混練物を粉砕し、分級することにより製造される。従って、粉砕時に粗大粒子や微粉の発生が少ない、生産性の高いトナーの製造方法が求められている。
一方、着色剤に活性炭を用いたトナーが提案されている。
特許文献1には、低抵抗のカーボンブラックの代替として活性炭を黒色着色剤として使用することで、帯電性のバラつきとトナーの飛散がなくなり、画質のキメの階調再現性、細線再現性がよくなり、ハーフトーン部のムラが生じないことが開示されている。
特許文献2では、同じくカーボンブラックの代替として活性炭を黒色着色剤として使用することにより、画像濃度/カブリが安定し、環境依存性が少なく、繰り返し使用に対しても高品質な画像を与えるトナーが提案されている。
特開昭61−203463号公報 特開2003−280277号公報
しかしながら、活性炭を用いたトナーでは、低温定着性と生産性を両立することは十分ではなかった。
本発明の課題は、粉砕時に微粉や粗大粒子の発生が少ない、生産性に優れたトナーの製造方法であり、低温定着性に優れたトナーが得られる電子写真用トナーの製造方法、及び該方法により得られる電子写真用トナーを提供することにある。
本発明は、
〔1〕 大豆由来多孔質炭素粉末と結着樹脂を含有してなる電子写真用トナーの製造方法であって、
工程1:結着樹脂と、該結着樹脂100重量部に対して、2.5〜20重量部の、体積中位粒径が0.3〜50μmの大豆由来多孔質炭素粉末とを含む成分を溶融混練して樹脂混合物を得る工程、並びに
工程2:工程1で得られた樹脂混合物を粉砕し、分級する工程
を含む、電子写真用トナーの製造方法、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載の製造方法により得られる電子写真用トナー
に関する。
本発明の方法は、粉砕時に微粉や粗大粒子の発生が少なく、生産性の高い電子写真用トナーの製造方法である。さらに、本発明の方法によって得られる電子写真用トナーは、低温定着性に優れるものである。
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、
工程1:結着樹脂と、該結着樹脂100重量部に対して、2.5〜20重量部の、体積中位粒径が0.3〜50μmの大豆由来多孔質炭素粉末とを含む成分を溶融混練して樹脂混合物を得る工程、並びに
工程2:工程1で得られた樹脂混合物を粉砕し、分級する工程、
を含む方法であって、大豆由来多孔質炭素粉末を用いている点に大きな特徴を有しており、本発明の方法により、低温定着性に優れたトナーを、生産性よく得ることができる。その理由は定かではないが、植物を原料とした多孔質構造を持つ活性炭は、使用する薬品、焼成工程、賦活工程等の条件を調整することで、ある程度比表面積や細孔粒径を制御することが可能ではあるが、その構造は、出発原料によるところが大きい。大豆由来多孔質炭素粉末は微細に絡み合った繊維が1〜30Åの空隙を形成し、それらがさらに1〜10μmの空隙を形成する多重の多孔質構造を有しているため、溶融混練時に1〜10μmの空隙内には樹脂が充填され、1〜30Åの空隙は維持される。その結果、粉砕時に適度な硬度を発現し、微粉の発生が抑制されるものと考えられる。
また、大豆由来多孔質炭素粉末は熱伝導率が高く、トナー粒子を効率よく溶融させることができる。とりわけ特定の粒径範囲であれば溶融混練時に樹脂中に大豆由来多孔質炭素粉末が均一に分散し、その結果トナー粒子中に均一に分散することで、トナー粒子の定着にバラつきがなくなり定着性が向上すると考えられ、大豆由来多孔質炭素粉末による定着性向上の効果は、低温での定着においてより顕著に発揮される。
[大豆由来多孔質炭素粉末]
本発明において、大豆由来多孔質炭素粉末は、大豆皮を炭化焼成処理して得られた焼成物であることが好ましく、例えば約900℃の温度で、静置炉、ロータリーキルン等の炭化装置を用いて、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下あるいは真空中で大豆皮等を焼成することによって得られる(国際公開第2010/035829号の[0023])。本発明の方法に用いるにあたっては、焼成物は粉砕し分級されたものが好ましい。
大豆由来多孔質炭素粉末の市販品としては、「フィトポーラス SH905」「フィトポーラス SH930」「フィトポーラス SH3030」(以上、日清オイリオ社製)等が挙げられる。
大豆由来多孔質炭素粉末の体積中位粒径は、トナーの生産性を向上させる観点、低温定着性を向上させる観点、及び適度な画像濃度を維持する観点から、0.3μm以上であり、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは2.0μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上である。また、トナーの生産性を向上させる観点から、50μm以下であり、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。これらの観点を総合すると、大豆由来多孔質炭素粉末の体積中位粒径は、0.3〜50μmであり、好ましくは0.5〜30μm、より好ましくは2.0〜20μm、さらに好ましくは5.0〜10μmである。
大豆由来多孔質炭素粉末の最大径は、トナーの生産性を向上させる観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。
大豆由来多孔質炭素粉末の比表面積は、トナーの生産性を向上させる観点から、2〜1000m2/gであることが好ましく、5〜500m2/gであることがより好ましく、300〜500m2/gであることがさらに好ましい。
大豆由来多孔質炭素粉末の含有量は、トナーの生産性を向上させる観点、低温定着性を向上させる観点、及び画像濃度を向上させる観点から、結着樹脂100重量部に対して、2.5重量部以上であり、好ましくは3重量部以上、より好ましくは4重量部以上、さらに好ましくは5重量部以上である。また、トナーの生産性を向上させる観点から、20重量部以下であり、好ましくは15重量部以下、より好ましくは10重量部以下、さらに好ましくは8重量部以下である。これらの観点を総合すると、大豆由来多孔質炭素粉末の含有量、即ち工程1における大豆由来多孔質炭素粉末の使用量は、結着樹脂100重量部に対して、2.5〜20重量部であり、好ましくは3〜15重量部、より好ましくは4〜10重量部、さらに好ましくは5〜10重量部、さらにより好ましくは5〜8重量部である。
[着色剤]
着色剤としては、前述の大豆由来多孔質炭素粉末のみを着色剤として用いてもよいが、トナー用着色剤として用いられる染料、顔料等のすべてを併用することができる。黒色トナーを得る場合、入手が容易な点から、カーボンブラックを併用してもよい。
カーボンブラックを併用する場合、トナー母粒子中のカーボンブラックの含有量は、画像濃度を向上させる観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.5重量部以上が好ましい。また、経済的な観点から、20重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましく、5重量部以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、トナー母粒子中のカーボンブラックの含有量は、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。
トナー母粒子中の着色剤の含有量は、大豆由来多孔質炭素粉末の含有量とあわせて、トナーの生産性を向上させる観点、低温定着性を向上させる観点、及び画像濃度を向上させる観点から、結着樹脂100重量部に対して、2.5重量部以上が好ましく、3重量部以上がより好ましく、4重量部以上がさらに好ましく、5重量部以上がさらにより好ましい。また、トナーの生産性を向上させる観点、及び経済的な観点から、20重量部以下が好ましく、15重量部以下がより好ましく、12重量部以下がさらに好ましく、8重量部以下がさらにより好ましい。これらの観点を総合すると、トナー母粒子中の着色剤の含有量は、大豆由来多孔質炭素粉末の含有量とあわせて、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは2.5〜20重量部、より好ましくは3〜15重量部、さらに好ましくは4〜12重量部、さらにより好ましくは5〜8重量部である。
[結着樹脂]
本発明に用いる結着樹脂は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、ポリエステルを含有することが好ましい。ポリエステルの含有量は、結着樹脂中、80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、結着樹脂として、ポリエステルのみを用いることがさらに好ましいが、低温定着性の効果が損なわれない範囲において、ポリエステル以外の他の樹脂が含有されていてもよい。他の結着樹脂としては、ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられる。
本発明に用いるポリエステルは、2価以上のアルコールからなるアルコール成分と2価以上のカルボン酸化合物からなるカルボン酸成分とを重縮合することにより得られる。
2価のアルコールとしては、トナーの生産性を向上させる観点、及びトナーの低温定着性を向上させる観点から、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは炭素数3〜6の脂肪族ジオールが好ましい。炭素数2〜20の2価の脂肪族ジオールとして、具体的には、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1.9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール等が挙げられ、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールが好ましい。
炭素数2〜20の2価の脂肪族ジオールの含有量は、トナーの生産性を向上させる観点、及びトナーの低温定着性を向上させる観点から、アルコール成分中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましく、実質的に100モル%がさらにより好ましい。
2価のアルコール成分には、炭素数2〜20の脂肪族ジオール以外のアルコール成分として、式(I):
Figure 0005822388
(式中、RO及びORはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、及び水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコールとしては、例えば、炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜10の3価以上の多価アルコールが挙げられる。具体的には、ソルビトール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
2価のカルボン酸化合物としては、例えば、炭素数3〜30、好ましくは炭素数3〜20、さらに好ましくは炭素数3〜10のジカルボン酸、及びそれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体等が挙げられる。具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸や、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、炭素数1〜20のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
3価以上のカルボン酸化合物としては、例えば、炭素数4〜30、より好ましくは炭素数4〜20、さらに好ましくは炭素数4〜10の3価以上の多価カルボン酸、及びそれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体等が挙げられる。具体的には、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)等が挙げられる。
なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、ポリエステルの軟化点を調整する観点から、適宜含有されていてもよい。
ポリエステルにおけるカルボン酸成分とアルコール成分との当量比(COOH基/OH基)は、ポリエステルの酸価を低減する観点から、0.70〜1.10が好ましく、0.75〜1.00がさらに好ましい。
アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合反応は、不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じて、エステル化触媒、重合禁止剤等の存在下、120〜250℃程度の温度で重縮合させて製造することができる。エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.01〜1.5重量部が好ましく、0.1〜1.0重量部がより好ましい。重合禁止剤の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.001〜0.5重量部が好ましく、0.01〜0.1重量部がより好ましい。
ポリエステルの軟化点は、トナーの低温定着性及び耐高温オフセット性を向上させる観点、及びトナーの生産性を向上させる観点から、70〜160℃が好ましく、90〜150℃がより好ましく、105〜149℃がさらに好ましい。
ポリエステルの軟化点は、アルコール成分やカルボン酸成分の種類や組成比、触媒量等の調整、反応温度や反応時間、反応圧力等の反応条件の選択によって制御することができる。
本発明では、トナーの生産性を向上させる観点から、結着樹脂としてポリエステルを2種以上用いるのが好ましい。
ポリエステルを2種以上用いる場合は、結着樹脂全体としての軟化点が、トナーの低温定着性及び耐高温オフセット性を向上させる観点、及びトナーの生産性を向上させる観点から、上記範囲内であることが好ましい。すなわち、100〜150℃が好ましく、120〜140℃より好ましく、130〜135℃がさらに好ましい。結着樹脂全体の軟化点は、加重平均、すなわち、それぞれの軟化点と含有割合の積の和により求めることができる。
ポリエステルを2種以上用いる場合、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、少なくとも1種のポリエステル(ポリエステルA)の軟化点は135〜160℃が好ましく、145〜150℃がより好ましい。
もう1種のポリエステル(ポリエステルB)の軟化点は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、70〜135℃が好ましく、90〜120℃がより好ましい。
ポリエステルAとポリエステルBの軟化点の差は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、20℃以上が好ましく、25℃以上がより好ましい。
ポリエステルAの量は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、結着樹脂中、50〜90重量%が好ましく、55〜70重量%がより好ましい。なお、本明細書において、単に「量」といえば、含有量と配合量の両者を意味する。
ポリエステルBの量は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、結着樹脂中、10〜50重量%が好ましく、30〜45重量%がより好ましい。
ポリエステルAとポリエステルBの重量比(ポリエステルA/ポリエステルB)は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、50/50〜90/10が好ましく、55/45〜70/30がより好ましい。
ポリエステルは、結晶性ポリエステル、非晶質ポリエステルのいずれも使用することができ、両者を混合して用いることもできる。トナーの低温定着性を向上させる観点から、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルを混合して用いることが好ましい。
結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルの重量比(結晶性ポリエステル/非晶質ポリエステル)は、5/95〜50/50が好ましく、5/95〜40/60がより好ましく、5/95〜20/80がさらに好ましい。
ここで、樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計による吸熱の最高ピーク温度との比、即ち[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値で定義される結晶性指数によって表わされる。結晶性樹脂は、結晶性指数が0.6〜1.4、好ましくは0.7〜1.2、より好ましくは0.9〜1.2であり、非晶質樹脂は1.4を超えるか、0.6未満の樹脂である。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度は、軟化点との差が20℃以内であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超える場合はガラス転移に起因するピークとする。
ポリエステルの吸熱の最高ピーク温度は、トナーの低温定着性を向上させる観点、及び生産性を向上させる観点から、50〜130℃が好ましく、60〜120℃がより好ましく、65〜115℃がさらに好ましい。
ポリエステルのガラス転移温度は、トナーの低温定着性を向上させる観点、トナーの生産性を向上させる観点、及びトナーの保存安定性を向上させる観点から、50〜85℃が好ましく、55〜80℃がより好ましい。ガラス転移温度は、非晶質樹脂に特有の物性である。
ポリエステルのガラス転移温度は、アルコール成分やカルボン酸成分の種類や組成比等によって制御することができる。
ポリエステルの酸価は、帯電性を向上させる観点、及び添加剤の分散性を向上させる観点から、50mgKOH/g以下が好ましく、30mgKOH/g以下がより好ましく、20mgKOH/g以下がさらに好ましい。
ポリエステルの酸価は、アルコール成分やカルボン酸成分の種類や組成比、触媒量等の調整、反応温度や反応時間、反応圧力等の反応条件の選択によって制御することができる。
なお、本発明において、ポリエステルは、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルであってもよい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11-133668号公報、特開平10-239903号公報、特開平8-20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルをいう。
本発明のトナーは、さらに、離型剤、荷電制御剤等を含有していてもよい。
[離型剤]
離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンポリエチレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物、カルナウバワックス、モンタンワックス、サゾールワックス及びそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等のエステル系ワックス、脂肪酸アミド類、高級アルコール等が挙げられる。これらのなかでは、トナーの低温定着性を向上させる観点から、パラフィンワックスが好ましい。
離型剤の含有量は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、結着樹脂100重量部に対して、1〜20重量部が好ましく、1.5〜10重量部がより好ましく、2〜4重量部がさらに好ましい。
離型剤の融点は、トナーの低温定着性を向上させる観点及び保存安定性を向上させる観点から、60〜160℃が好ましく、70〜150℃がより好ましい。
[荷電制御剤]
荷電制御剤として、負帯電性荷電制御剤、正帯電性荷電制御剤のいずれも用いることができる。
負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体、ベンジル酸ホウ素錯体等が挙げられる。含金属アゾ染料としては、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-28」、「ボントロンS-31」、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリエント化学工業社製)、「T-77」、「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土谷化学工業社製)等が挙げられる。サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体としては、例えば「ボントロンE-81」、「ボントロンE-82」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-85」(以上、オリエント化学工業社製)等が挙げられる。ベンジル酸ホウ素錯体としては、例えば、「LR-147」(日本カーリット社製)等が挙げられる。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。ニグロシン染料としては、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-11」(以上、オリエント化学工業社製)等が挙げられる。トリフェニルメタン系染料としては、例えば3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料が挙げられる。4級アンモニウム塩化合物としては、例えば「ボントロンP-51」、「ボントロンP-52」(以上、オリエント化学工業社製)、「TP-415」(保土谷化学工業社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PXVP435」「COPY CHARGE PSY」(以上、クラリアント社製)等が挙げられる。ポリアミン樹脂としては、例えば「AFP-B」(オリエント化学工業社製)等が挙げられる。イミダゾール誘導体としては、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成社製)等が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電安定性を向上させる観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜5重量部が好ましく、0.7〜3重量部がより好ましい。
本発明のトナーは、さらに、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有していてもよい。
<トナーの製造方法>
本発明のトナーは、以下の工程1及び2を含む方法により得られる。
工程1:結着樹脂と大豆由来多孔質炭素粉末とを含む成分を溶融混練して樹脂混合物を得る工程
工程2:工程1で得られた混合物を粉砕し、分級する工程
さらに、本発明では、工程2で得られたトナーをトナー母粒子として、外添処理を施す以下の工程3を含むことが、トナーの流動性と帯電性を向上させる観点から好ましい。
工程3:工程2で得られたトナー母粒子を外添処理する工程
工程1は、密閉式ニーダー、一軸もしくは二軸の混練機、連続式オープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて行うことができるが、二軸混練機で行うのが好ましい。二軸混練機とは、二本の混練軸をバレルが覆い隠す閉鎖型の混練機であり、大豆由来多孔質炭素粉末や着色剤、荷電制御剤の結着樹脂中での分散性を向上させる観点から、軸の回転方向が同方向に回転できるタイプが好ましい。市販品としては、生産性を向上させる観点から高速での二軸の噛み合わせが良好な、池貝鉄工社製二軸押出機PCMシリーズが好ましい。
トナー原料は、あらかじめヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機で混合した後、混練機に供給することが好ましい。
二軸混練機での溶融混練は、バレル設定温度(押出機内部壁面の温度)、二軸の軸回転の周速、及び原料供給速度を調整することで行う。バレル設定温度は、大豆由来多孔質炭素粉末や着色剤、荷電制御剤の結着樹脂中での分散性を向上させる観点、及び生産性を向上させる観点から、80〜140℃が好ましく、90〜120℃がより好ましい。
二軸の軸回転の周速は、大豆由来多孔質炭素粉末や着色剤、荷電制御剤の結着樹脂中での分散性を向上させる観点、及び生産性を向上させる観点から0.1〜1m/secが好ましい。
二軸混練機への原料供給速度は、使用する混練機の許容能力と、上記のバレル設定温度及び軸回転の周速に応じて適宜調整する。
工程2は、工程1で得られた樹脂混合物を粉砕し、分級する工程である。工程1で得られた樹脂混合物は、1〜3mmの厚さに圧延しながら40℃以下に冷却した後、粉砕工程、分級工程を行うことが好ましい。
粉砕工程は、多段階に分けて行ってもよい。例えば、樹脂混合物を、0.1〜5mm程度に粗粉砕した後、さらに微粉砕してもよい。
粉砕工程に用いられる粉砕機は特に限定されないが、例えば、粗粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、アトマイザー、ロートプレックス等が挙げられるが、ハンマーミル等を用いてもよい。また、微粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、流動層式カウンタージェットミル、衝突板式ジェットミル、機械式ミル等が挙げられる。
分級工程に用いられる分級機としては、気流式分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられる。分級工程の際、粉砕が不十分で除去された粉砕物は再度粉砕工程に供してもよく、必要に応じて粉砕工程と分級工程を繰り返してもよい。
工程2で得られるトナー母粒子の体積中位粒径(D50)は、トナーの画像品質を向上させる観点から、3〜15μmが好ましく、4〜12μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
工程3は、工程2で得られたトナー母粒子を外添処理する工程である。
本発明のトナーには、転写性を向上させるために、無機微粒子を外添剤として用いるのが好ましい。具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、及び酸化亜鉛等の無機粒子や、メラミン系樹脂微粒子、ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子等の樹脂粒子等の有機微粒子が挙げられる。これらの中では、シリカが好ましく、シリカの結着樹脂への埋め込みを防止する観点から、比重の小さいシリカが含有されているのがより好ましい。
シリカは、トナーの転写性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであるのが好ましい。
外添剤の個数平均粒径は、トナーの帯電性や流動性、転写性を向上させる観点から、10〜250nmであり、10〜200nmが好ましく、15〜90nmがより好ましい。
外添剤の含有量は、トナーの帯電性や流動性及び転写性を向上させる観点から、外添剤で処理する前のトナー母粒子100重量部に対して、好ましくは0.05〜5重量部、より好ましくは0.1〜4重量部、さらに好ましくは0.3〜3重量部である。
トナー母粒子と外添剤との混合には、回転羽根等の攪拌具を備えた混合機を用いることが好ましく、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速混合機が好ましく、ヘンシェルミキサーがより好ましい。
本発明のトナーは、そのまま一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して用いられる二成分現像用トナーとして、それぞれ一成分現像方式又は二成分現像方式の画像形成装置に用いることができる。
また、定着方式も特に限定されないが、オイルレス定着方式の画像形成装置も好適に用いることができる。なお、オイルレス定着とは、オイル供給装置を備えていないヒートロール定着装置を有する定着器を用いる方法である。オイル供給装置とは、オイルタンクを有し、定量的にオイルをヒートロール表面に塗布する機構を有する装置の他、オイルを予め含浸させたロールをヒートロールに接触させるような機構を有する装置等を含む。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂の吸熱の最高ピーク温度〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、Q-100)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/minで0℃まで冷却しそのまま1分間静止させた。その後、昇温速度50℃/minで測定した。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば融点とする。
〔樹脂のガラス転移温度〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
〔大豆由来多孔質炭素粉末及び活性炭の体積中位粒径〕
測定機:レーザー回折型粒径測定機(堀場製作所製、LA-920)
測定方法:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を10重量%の濃度となるよう蒸留水に溶解させ、得られた溶液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて3分間分散させ分散液を調製する。測定用セルに蒸留水を投入した後、前記試料分散液を加え、体積中位粒径(D50)を測定する。
〔大豆由来多孔質炭素粉末の比表面積〕
Micromeritics FlowSorbIII(島津製作所社製)を用いて、下記条件でBET比表面積を測定する。
・サンプル量:0.1g
・脱気条件:40℃、10分間
・吸着ガス:窒素ガス
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/minで昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする
〔外添剤の個数平均粒径〕
走査型電子顕微鏡(SEM)写真から500個の粒子の粒径(長径と短径の平均値)を測定し、それらの平均値を個数平均粒径とする。
〔トナーの体積中位粒径〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させる。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mlに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
樹脂製造例1〔樹脂A、B〕
表1に示す無水トリメリット酸を除く原料モノマー及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、マントルヒーターで180℃まで昇温した後、さらに230℃まで10時間かけて昇温した。その後230℃にて反応させ、反応率が95%以上に到達したのを確認した後、210℃まで冷却し、無水トリメリット酸を添加した。常圧(101.3kPa)にて1時間反応させた後、40kPaにて所望の軟化点に達するまで反応させ、ポリエステルを得た。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。
樹脂製造例2〔樹脂C〕
表1に示す無水トリメリット酸を除く原料モノマー及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、マントルヒーターで235℃まで昇温し、235℃にて10時間反応させた。その後、235℃のまま8kPaにて1時間反応させ、210℃まで冷却し、無水トリメリット酸を添加した。常圧(101.3kPa)にて1時間反応させた後、40kPaにて軟化点が150℃に達するまで反応させて、ポリエステルを得た。
樹脂製造例3〔樹脂D〕
表1に示す原料モノマー及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5Lの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、マントルヒーターで、235℃まで昇温し、235℃にて10時間反応させた。その後235℃、8kPaにて軟化点が113℃に達するまで反応させて、ポリエステルを得た。
樹脂製造例4〔樹脂E〕
表1に示す原料モノマー、エステル化触媒、及び重合禁止剤を、窒素導入管、脱水管、攪拌器および熱電対を装備した5L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、130℃から160℃まで4時間かけて昇温して反応させた。160℃から200℃まで3時間かけて昇温し、200℃にて30分反応させた後、8kPaにて軟化点が111℃に達するまで反応させて、ポリエステルを得た。
Figure 0005822388
大豆由来多孔質炭素粉末の解砕品の製造例1〔大豆由来多孔質炭素粉末A、B〕
大豆由来多孔質炭素粉末「フィトポーラスSH905」(日清オイリオ社製)70g、エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)35g、及び蒸留水245gを1リットル容のポリエチレン製容器に入れ、「T.K.ロボミックス」(プライミックス社製)で、回転数7000r/minで30分間攪拌を行い、分散液を調製した。得られた分散液300gと直径0.8mmのジルコニアビーズ1500gを6連式サンドミル(アイメックス社製、TSG-6)に投入し、回転数2150r/minにて12時間粉砕した後、ビーズをろ過により除去し解砕品を得た。
得られた大豆由来多孔質炭素粉末の解砕品56g、エマルゲン109P 28g及び蒸留水196gを1リットル容のポリエチレン容器に入れ「T.K.ロボミックス」(プライミックス社製)で、回転数7000r/minで30分間攪拌を行い、分散液を調製した。得られた分散液280gと直径0.1mmのジルコニアビーズ1200gを6連式サンドミル(アイメックス社製、TSG-6)に投入し、回転数2150r/minにて所望の体積中位粒径になるまで粉砕を行い、ビーズをろ過により除去した。70℃で8時間真空乾燥を行い大豆由来多孔質炭素粉末A、Bを得た。
大豆由来多孔質炭素粉末の解砕品の製造例2〔大豆由来多孔質炭素粉末C、D〕
大豆由来多孔質炭素粉末「フィトポーラスSH905」(日清オイリオ社製)70g、エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)35g、蒸留水245gを1リットル容のポリエチレン製容器に入れ、「T.K.ロボミックス」(プライミックス社製)で、回転数7000r/minで30分間攪拌を行い、分散液を調製した。得られた分散液300gと直径0.8mmのジルコニアビーズ1500gを6連式サンドミル(アイメックス社製、TSG-6)に投入し、回転数2150r/minにて、所望の体積中位粒径になるまで粉砕を行い、ビーズをろ過により除去した。70℃で8時間真空乾燥を行い大豆由来多孔質炭素粉末C、Dを得た。
後述の実施例、比較例に用いた大豆由来多孔質炭素粉末、活性炭の体積中位粒径(D50)、比表面積を、表2及び表3に示す。
Figure 0005822388
Figure 0005822388
実施例1〜21、比較例1〜12
表4に示す所定量の結着樹脂、着色剤、パラフィンワックス「HNP-9」(日本精鑞社製、融点75℃)3重量部、及び荷電制御剤「ボントロンE-84」(オリエント化学工業社製)1重量部を、ヘンシェルミキサーにて混合し、得られた混合物を同方向回転二軸押出機PCM-30(池貝鉄工社製、軸の直径 2.9cm、軸の断面積 7.06cm2)を使用して、バレル設定温度 100℃、軸回転数 200r/min(軸の回転の周速 0.30m/sec)にて、原料供給速度 10kg/hrの条件で混練を行い、混練吐出物を直ちにシート化しつつ25℃まで冷却した。
得られたシート化物を、ハンマーミル(ホソカワミクロン社製)で1.0mm以下まで粗粉砕し、さらにI-2型ジェットミル(日本ニューマチック社製)とDS2型気流分級機(日本ニューマチック社製)を連結した装置を用いて、粉砕圧を0.5MPaに固定し、粉砕フィード量(時間当たりの投入量kg/hr)を調整して、体積中位粒径が6.5μmになる様に粉砕及び分級を行い、トナー母粒子を得た。
下式(1)を生産性の指標とした。値が大きいほど生産性に優れる。結果を表4に示す。
[生産性]=[粉砕フィード量]×([得られたトナー母粒子量]/[投入粗粉砕物の合計量]) (1)
得られたトナー母粒子 500gと、疎水性シリカ「R972」(日本アエロジル社製、個数平均粒径:16nm)10gを5Lヘンシェルミキサー(日本コークス工業社製)に投入し、回転数3700r/min、180秒攪拌し、目開き100μmのふるいで分級して粗粉を取り除いてトナーを得た。
試験例〔定着性〕
未定着画像を取れる様に改造した、プリンター「HL-2040」(ブラザー工業社製)にトナーを充填し2cm角のベタ画像の未定着画像を印刷し、オイルレス定着方式の「DL-2300」(コニカミノルタ社製)を改造した外部定着装置(定着ロールの回転速度を265mm/secに設定し、定着装置中の定着ロール温度を可変にした装置)にて、100℃から230℃まで5℃ずつ定着温度を上げながら、各温度でこの未定着画像の定着処理を行い、定着画像を得た。各定着温度で得られた画像を、500gの荷重をかけた砂消しゴム(品番LION ER502R)で5往復擦り、擦り前後の画像濃度比率([擦り後の画像濃度/擦り前の画像濃度]×100)が最初に90%を超える温度を最低定着温度とし、低温定着性の指標とした。値が小さいほど低温定着性に優れる。結果を表4に示す。
Figure 0005822388
以上の結果より、比較例1〜12と対比して、実施例1〜21のトナーは、生産性及び低温定着性に優れることが分かる。
本発明の方法により得られる電子写真用トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 大豆由来多孔質炭素粉末と結着樹脂を含有してなる電子写真用トナーの製造方法であって、
    工程1:結着樹脂と、該結着樹脂100重量部に対して、2.5〜20重量部の、体積中位粒径が0.3〜50μmの大豆由来多孔質炭素粉末とを含む成分を溶融混練して樹脂混合物を得る工程、並びに
    工程2:工程1で得られた樹脂混合物を粉砕し、分級する工程
    を含む、電子写真用トナーの製造方法。
  2. 工程1において、大豆由来多孔質炭素粉末が大豆皮を炭化焼成処理して得られた焼成物である、請求項1記載の製造方法。
  3. 工程1において、結着樹脂が、炭素数2〜20の脂肪族ジオールを含むアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルである、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 工程1における大豆由来多孔質炭素粉末の使用量が、結着樹脂100重量部に対して、5〜10重量部である、請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5. 工程1における大豆由来多孔質炭素粉末の体積中位粒径が、5.0〜10μmである、請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
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