JP5819520B2 - ガラス基板製造方法及びガラス基板製造装置 - Google Patents

ガラス基板製造方法及びガラス基板製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス基板製造方法及びガラス基板製造装置に関する。
ディスプレイを製造する工程において、ディスプレイ用のガラス基板は、熱処理により熱収縮する。このとき、ガラス基板の熱収縮率が大きいと、ガラス基板の表面に形成される素子の配置がずれるピッチズレが生じやすくなる。このため、ピッチズレを低減する観点から、ディスプレイ用のガラス基板には、熱処理時における熱収縮率が小さいことが求められている。
ガラス基板の熱収縮率を小さくする方法としては、(1)組成を調整することで、ガラスの歪点を高くすること、(2)成形工程後のシートガラスの冷却速度を低減することなどが挙げられる。例えば、特許文献1(特表2003−503301号公報)には、ガラス基板の熱収縮率を小さくする技術として、歪点が680℃以上になるようにガラス組成を改良する技術が開示されている。
しかし、(1)歪点が高くなるように組成を調整すると、失透及び難熔解という問題が生じやすいため、歪点を高くするには限界があり、また、(2)冷却速度を低減しすぎると、生産性が低下するという問題があった。
そのため、例えば、特許文献2(特許第5153965号公報)には、生産性を確保しつつ熱収縮率を小さくする技術が開示されているが、熱収縮率の低減が十分ではないという問題があった。
また、携帯電話等のモバイル機器に搭載されるディスプレイには、益々高精細化及び低消費電力化が求められている。そのため、近年、ディスプレイの製造工程における熱処理時に生じるガラス基板の熱収縮率をさらに小さくすることが益々求められている。
従って、本発明の課題は、ダウンドロー法を用いてガラス基板を製造する場合に、ディスプレイのパネル製造工程における熱処理時に生じるガラス基板の熱収縮率を十分に小さくするガラス基板製造方法ならびに、上記ガラス基板製造方法を実施するガラス基板製造装置を提供することにある。
本発明者らは、従来はガラス基板の熱収縮率には影響を与えないと考えられていた、歪点よりも低い温度領域の冷却速度が、ディスプレイのパネル製造工程における熱処理時に生じるガラス基板の熱収縮率に大きな影響を与えることを突き止めた。
本発明に係るガラス基板製造方法は、成形工程と、冷却工程とを備える。成形工程では、ダウンドロー法によって、熔融ガラスをシートガラスに成形する。冷却工程では、シートガラスの幅方向の両端部の領域である側部と、側部よりもシートガラスの幅方向内側にあり、シートガラスの幅方向の中心部を含む領域である中央領域と、を含むシートガラスを冷却する。冷却工程は、第1冷却工程と、第2冷却工程と、第3冷却工程とを含む。第1冷却工程では、シートガラスの幅方向の中心部の温度が徐冷点になるまで、中央領域を第1の平均冷却速度で冷却する。第2冷却工程では、中心部の温度が徐冷点から歪点になるまで、中央領域を第2の平均冷却速度で冷却する。第3冷却工程では、中心部の温度が歪点から歪点−100℃になるまで、中央領域を第3の平均冷却速度で冷却する。第3の平均冷却速度は、第2の平均冷却速度より小さい。
第3の平均冷却速度を第2の平均冷却速度より小さくすることにより、ディスプレイのパネル製造工程における熱処理時に生じるガラス基板の熱収縮率を効果的に小さくすることができる。また、ガラス基板の生産性を低下させることなく、ガラス基板の熱収縮率を低減できる。
また、本発明に係るガラス基板製造方法は、成形工程と、冷却工程とを備える。成形工程では、ダウンドロー法によって、熔融ガラスをシートガラスに成形する。冷却工程では、シートガラスの側部に形成された耳部と耳部よりもシートガラスの幅方向の中心部に近い中央領域とを含むシートガラスを冷却する。また、冷却工程は、第1の冷却工程と、第2の冷却工程と、第3の冷却工程とを含む。第1の冷却工程では、シートガラスの幅方向の中心部の温度が、徐冷点になるまで、中央領域を第1の平均冷却速度でシートガラスを冷却する。第2の冷却工程では、中心部の温度が、徐冷点から歪点になるまで、中央領域を第2の平均冷却速度でシートガラスを冷却する。第3の冷却工程では、中心部の温度が、歪点から歪点−100℃になるまで、中央領域を第3の平均冷却速度でシートガラスを冷却する。第3の平均冷却速度は、第2の平均冷却速度より小さい。
また、本発明に係るガラス基板製造方法では、第3の平均冷却速度と第2の平均冷却速度の速度比(第3の平均冷却速度/第2の平均冷却速度)は、0.2以上1未満であることが好ましい。
速度比をこのように設定することにより、ガラス基板の生産性を低下させることなく、ガラス基板の熱収縮率を低減できる。
また、本発明に係るガラス基板製造方法では、冷却工程において、少なくとも第1の平均冷却速度、第2の平均冷却速度および第3の平均冷却速度は、シートガラスの熱収縮率が目標値を達成するように、コンピュータシミュレーションに基づいて予め決定されることが好ましい。
また、本発明に係るガラス基板製造方法では、シートガラスの歪点は680℃以上であることが好ましい。
このような歪点を有するガラスを使用することにより、上記処理温度に対するガラス基板の熱収縮率をより効果的に小さくできる。
また、本発明に係るガラス基板製造方法では、上記ガラス基板は、SiO2を55mol%〜80mol%、Al23を3mol%〜20mol%、B23を0mol%〜15mol%、RO(MgO、CaO、SrO、BaOの合量)を3mol%〜25mol%含有し、SiO2、Al23およびB23のmol%で表す含有率(SiO2+(2×Al23))/((2×B23)+RO)が3.0以上であることが好ましい。
ガラス基板の組成をこのようにすることにより、上記処理温度に対するガラス基板の熱収縮率をより効果的に小さくできる。
また、本発明に係るガラス基板製造方法では、上記ガラス基板は、LTPS・TFTディスプレイ用ガラス基板又は有機ELディスプレイ用ガラス基板であることが好ましい。
このような用途に使用した場合に、LTPS・TFTや有機ELなどのディスプレイのパネル製造工程における熱処理温度(例えば、450℃〜600℃)に対するガラス基板の熱収縮率をより効果的に小さくすることができる。また、ガラス基板の生産性をより低下させることなく、ガラス基板の熱収縮率をより低減できる。
また、本発明に係るガラス基板製造方法では、上記第2の平均冷却速度は、0.8℃/秒〜5.0℃/秒であり、上記第3の平均冷却速度は、0.5℃/秒〜4.0℃/秒であることが好ましい。
第2と第3の平均冷却速度をこのように設定することで、ガラス基板の生産性をより低下させることなく、ガラス基板の熱収縮率をより低減できる。
さらに、本発明に係るガラス基板製造方法では、上記冷却工程で冷却されたシートガラスから得られたガラス基板の熱収縮率であって、ガラス基板を常温から10℃/分で昇温し、550℃で60分保持し、その後、10℃/分で常温まで降温し、再び10℃/分で昇温し、550℃で60分保持し、その後、10℃/分で常温まで降温した時の熱収縮率は、ガラス基板の板厚が0.5mm〜1.0mmの場合において、好ましくは70ppm以下である。熱収縮率は、例えば、ケガキ線のズレの測定値に基づいて得られたものである。
このような熱収縮率のガラス基板を製造することにより、ディスプレイのパネル製造工程における熱処理時におけるガラス基板の熱収縮率をより効果的に小さくすることができる。
また、本発明に係るガラス基板製造装置は、ガラス原料を熔融して熔融ガラスを製造する熔融装置と、上記熔融ガラスをシートガラスに成形し、上記シートガラスを冷却する成形装置とを備えている。上記成形装置では、シートガラスの幅方向の両端部の領域である側部と、側部よりもシートガラスの幅方向内側にあり、シートガラスの幅方向の中心部を含む領域である中央領域と、を含むシートガラスを冷却する。成形装置は、温度調整ユニットと、ヒータと、制御装置とを有している。制御装置は、第1冷却工程において第1の平均冷却速度でシートガラスの上記中央領域を冷却し、第2冷却工程において第2の平均冷却速度でシートガラスの上記中央領域を冷却し、第3冷却工程において第3の平均冷却速度でシートガラスの上記中央領域を冷却し、且つ第3の平均冷却速度は、第2の平均冷却速度より小さくなるように、温度調整ユニットとヒータを制御する。第1冷却工程は、シートガラスの幅方向の中心部の温度が徐冷点になるまで、上記中央領域を冷却する。第2冷却工程は、中心部の温度が徐冷点から歪点になるまで、上記中央領域を冷却する。第3冷却工程は、中心部の温度が歪点から歪点−100℃になるまで、上記中央領域を冷却する。
このような製造装置によれば、例えば、ディスプレイのパネル製造工程における熱処理時におけるガラス基板の熱収縮率が効果的に小さいガラス基板を製造できる。また、ガラス基板の生産性を低下させることなく、ガラス基板の熱収縮率を低減できる。
また、本発明に係るガラス基板製造方法は、成形工程と、冷却工程とを備える。成形工程では、ダウンドロー法によって、熔融ガラスをシートガラスに成形する。冷却工程では、シートガラスの熱収縮率が目標値を達成するように予め決定された冷却速度でシートガラスを冷却する。冷却速度は、冷却工程においてシートガラスが取り得る温度を複数の温度領域に区分けし、当該各温度領域における温度の維持時間と熱収縮率との間の関係に基づいて決定される。
また、本発明に係るガラス基板製造装置は、ガラス原料を熔融して熔融ガラスを製造する熔融装置と、上記熔融ガラスをシートガラスに成形し、上記シートガラスを冷却する成形装置とを備えている。上記成形装置では、シートガラスの側部に形成された耳部と耳部よりもシートガラスの幅方向の中心部に近い中央領域とを含むシートガラスを冷却する。成形装置は、温度調整ユニットと、ヒータと、制御装置とを有している。制御装置は、第1冷却工程において第1の平均冷却速度でシートガラスの上記中央領域を冷却し、第2冷却工程において第2の平均冷却速度でシートガラスの上記中央領域を冷却し、第3の冷却工程において第3の平均冷却速度でシートガラスの上記中央領域を冷却し、且つ第3の平均冷却速度は、第2の平均冷却速度より小さくなるように、温度調整ユニットとヒータを制御する。第1冷却工程は、シートガラスの幅方向の中心部の温度が徐冷点になるまで、上記中央領域を冷却する。第2冷却工程は、中心部の温度が徐冷点から歪点になるまで、上記中央領域を冷却する。第3の冷却工程は、中心部の温度が歪点から歪点−100℃になるまで、上記中央領域を冷却する。
本発明に係るガラス基板製造方法ならびにガラス基板製造装置では、ガラス基板の生産量を低下させることなく、熱収縮率を低減したガラス基板を製造することができる。
本実施形態に係るガラス基板製造方法のフローチャートである。 ガラス基板製造方法で用いられるガラス基板製造装置を示す模式図である。 成形装置の概略の概略図(断面図)である。 成形装置の概略の概略図(側面図)である。 制御装置の制御ブロック図である。 シートガラスの所定の高さ位置における温度プロファイルを示す図である。 シートガラスの温度−時間グラフである。 シートガラスの規格化熱収縮率−維持温度グラフである。 シートガラスの規格化熱収縮率−時間グラフである。 シートガラスの熱収縮率−総面積グラフである。
本実施形態に係るガラス基板製造方法では、ダウンドロー法を用いてガラス基板が製造される。以下、図面を参照しながら、本実施形態に係るガラス基板製造方法について説明する。
(1)ガラス基板製造方法の概要
まず、図1および図2を参照して、ガラス基板製造方法に含まれる複数の工程および複数の工程に用いられるガラス基板製造装置100を説明する。ガラス基板製造方法は、図1に示すように、主として、熔融工程S1と、清澄工程S2と、成形工程S3と、冷却工程S4とを含む。
熔融工程S1は、ガラスの原料が熔融される工程である。ガラスの原料は、所望の組成になるように調合された後、熔融装置11に投入される。ガラスの原料は、熔融装置11で熔融されて、熔融ガラスFGになる。熔融温度は、ガラスの種類に応じて調整される。本実施形態では、熔融工程S1における熔融ガラスFGの最高温度が1500℃〜1650℃となるように加熱される。熔融ガラスFGは、上流パイプ23を通って清澄装置12に送られる。
清澄工程S2は、熔融ガラスFG中の気泡の除去を行う工程である。清澄装置12内で気泡が除去された熔融ガラスFGは、その後、下流パイプ24を通って、成形装置40へと送られる。
成形工程S3は、熔融ガラスFGをシート状のガラス(シートガラス)SGに成形する工程である。具体的に、熔融ガラスFGは、成形装置40に含まれる成形体41(図3参照)に連続的に供給された後、成形体41からオーバーフローする。オーバーフローした熔融ガラスFGは、成形体41の表面に沿って流下する。熔融ガラスFGは、その後、成形体41の下端部で合流してシートガラスSGへと成形される。
冷却工程S4は、シートガラスSGを冷却する工程である。ガラスシートは、冷却工程S4を経て室温に近い温度へと冷却される。なお、冷却工程S4における、冷却の状態に応じて、ガラス基板の厚み(板厚)、ガラス基板の反り量、およびガラス基板の平面歪の値が決まる。
なお、冷却工程S4の後に、切断工程S5を設けてもよい。例えば、切断工程S5は、室温に近い温度になったシートガラスSGを、切断装置90において所定の大きさに切断する工程である。
なお、切断工程S5で所定の大きさに切断されたシートガラスSG(ガラス板PG)は、その後、端面加工等の工程を経て、ガラス基板となる。ガラス基板は、梱包された後、パネルメーカー等に出荷される。パネルメーカーは、ガラス基板の表面に素子を形成して、ディスプレイを製造する。
なお、冷却工程S4の後に、切断工程S5を設けなくてもよい。すなわち、冷却工程S4で冷却されたシートガラスSGは、そのまま梱包された後、パネルメーカー等に出荷されてもよい。この場合、パネルメーカーは、シートガラスSGの表面に素子を形成した後に、シートガラスSGを所定の大きさに切断して端面加工することで、ディスプレイを製造する。
以下、図3〜図5を参照して、ガラス基板製造装置100に含まれる成形装置40の構成を説明する。なお、本実施形態において、シートガラスSGの幅方向とは、シートガラスSGが流下する方向(流れ方向)に交差する方向、すなわち、水平方向を意味する。
(2)成形装置の構成
まず、図3および図4に、成形装置40の概略構成を示す。図3は、成形装置40の断面図である。図4は、成形装置40の側面図である。
成形装置40は、シートガラスSGが通過する通路と、通路を取り囲む空間とを有する。通路を取り囲む空間は、例えば、成形体室20、第1冷却室30、および第2冷却室80で構成されている。
成形体室20は、前述の清澄装置12から送られる熔融ガラスFGがシートガラスSGに成形される空間である。
第1冷却室30は、成形体室20の下方に配置され、シートガラスSGの厚みおよび反り量を調整するための空間である。第1冷却室30では、後述する第1冷却工程S41の一部が実行される。第1冷却室30では、シートガラスSGの中心部Cの温度が徐冷点より高い状態のシートガラスSGが冷却される。シートガラスSGの中心部Cは、シートガラスSGの幅方向の中心部である。第1冷却室30では、シートガラスSGの中心部Cの温度は、第1温度領域および第2温度領域にある。第1温度領域は、シートガラスSGの中心部Cの温度が軟化点より高い温度から軟化点近傍になるまでの温度領域である。また、第2温度領域とは、シートガラスSGの中心部Cの温度が軟化点近傍から徐冷点近傍になるまでの温度領域である。シートガラスSGは、第1冷却室30内を通過した後、後述の第2冷却室80内を通過する。
第2冷却室80は、成形体室20の下方に配置され、シートガラスSGの反り、熱収縮率、および歪値を調整するための空間である。成形体室20では、後述する第1冷却工程S41の一部、第2冷却工程S42、および第3冷却工程S43が実行される。第2冷却室80では、第1冷却室30内を通過したシートガラスSGが、徐冷点、歪点を経て、少なくとも、歪点より100℃低い温度まで冷却される。しかし、第2冷却室80では、シートガラスSGが、室温付近の温度まで冷却されてもよい。なお、第2冷却室80の内部は、断熱部材80bによって、複数の空間に区分けされていてもよい。複数の断熱部材80bは、複数の引下げローラ81a〜81gのそれぞれの間で、シートガラスSGの厚み方向の両側に配置される。これにより、シートガラスSGの温度管理を、より精度よく行うことができる。
また、成形装置40は、例えば、成形体41と、仕切り部材50と、冷却ローラ51と、温度調整ユニット60と、引下げローラ81a〜81gと、ヒータ82a〜82gと、を備える。さらに、成形装置40は、制御装置91を備える(図5参照)。制御装置91は、成形装置40に含まれる各構成の駆動部を制御する。
以下、成形装置40に含まれる各構成について詳細に説明する。
(2−1)成形体
成形体41は、成形体室20内に設けられる。成形体41は、熔融ガラスFGをオーバーフローさせることによって、熔融ガラスFGをシート状のガラス(シートガラスSG)へと成形する。図3に示すように、成形体41は、断面形状で略五角形の形状(楔形に類似する形状)を有する。略五角形の先端は、成形体41の下端部41aに相当する。
また、成形体41は、第1端部に流入口42を有する(図4参照)。成形体41の上面には、溝43が形成されている。流入口42は、上述の下流パイプ24と接続されており、清澄装置12から流れ出た熔融ガラスFGは、流入口42から溝43に流し込まれる。成形体41の溝43に流し込まれた熔融ガラスFGは、成形体41の一対の頂部41b,41bからオーバーフローし、成形体41の一対の側面(表面)41c,41cを沿いながら流下する。その後、熔融ガラスFGは、成形体41の下端部41aで合流してシートガラスSGになる。
(2−2)仕切り部材
仕切り部材50は、成形体室20から第1冷却室30への熱の移動を遮断する部材である。仕切り部材50は、熔融ガラスFGの合流ポイントの近傍に配置されている。また、図3に示すように、仕切り部材50は、合流ポイントで合流した熔融ガラスFG(シートガラスSG)の厚み方向両側に配置される。仕切り部材50は、例えば、断熱材である。仕切り部材50は、熔融ガラスFGの合流ポイントの上側雰囲気および下側雰囲気を仕切ることにより、仕切り部材50の上側から下側への熱の移動を遮断する。
(2−3)冷却ローラ
冷却ローラ51は、第1冷却室30内に設けられる。より具体的に、冷却ローラ51は、仕切り部材50の直下に配置されている。また、冷却ローラ51は、シートガラスSGの厚み方向両側、且つ、シートガラスSGの幅方向両側に配置される。シートガラスSGの厚み方向両側に配置された冷却ローラ51は対で動作する。すなわち、シートガラスSGの幅方向両端部は、二対の冷却ローラ51によって挟み込まれる。
例えば、冷却ローラ51は、内部に通された空冷管や水冷管により冷却されている。冷却ローラ51は、シートガラスSGの側部(耳部)R,Lに接触し、熱伝導によりシートガラスSGの側部(耳部)R,Lを急冷する(急冷工程)。冷却ローラ51に接触したシートガラスSGの側部(耳部)R,Lの粘度は、所定値(具体的には、109.0poise)以上である。ここで、シートガラスSGの側部(耳部)R,Lとは、シートガラスSGの幅方向の両端部の領域であり、具体的には、シートガラスSGの幅方向の縁からシートガラスSGの中心部Cに向かって、シートガラスSGの幅方向200mm以内の範囲をいう。
冷却ローラ51は、冷却ローラ駆動モータ390(図5を参照)により回転駆動される。冷却ローラ51は、シートガラスSGの側部(耳部)R,Lを冷却すると共に、シートガラスSGを下方に引き下げる機能も有する。なお、冷却ローラ51によるシートガラスSGの側部(耳部)R,Lの冷却は、シートガラスSGの幅およびシートガラスSGの厚みの均一化に影響を与える。
(2−4)温度調整ユニット
温度調整ユニット60は、第1冷却室30内に設けられ、シートガラスSGを徐冷点近傍まで冷却するユニットである。温度調整ユニット60は、仕切り部材50の下方であって、第2冷却室80の天板80aの上方に配置される。
温度調整ユニット60は、シートガラスSGの中心部Cの温度が徐冷点近傍になるまで、シートガラスSGを冷却する。シートガラスSGの中心部Cは、その後、第2冷却室80内で、徐冷点、歪点を経て、室温近傍の温度まで冷却される。
温度調整ユニット60は、冷却ユニット61を有してもよい。冷却ユニット61は、シートガラスSGの幅方向に複数(ここでは、3つ)及びその流れ方向に複数配置される。具体的には、冷却ユニット61は、シートガラスSGの側部(耳部)R,Lの表面に対向するように、1つずつ配置され、且つ、後述する中央領域CA(図4を参照)の表面に対向するように1つ配置されている。ここで、シートガラスSGの中央領域CAとは、シートガラスSGの幅方向中央部分であって、シートガラスSGの有効幅およびその近傍を含む領域である。言い換えると、シートガラスSGの中央領域CAは、シートガラスSGの側部(耳部)R,Lに挟まれた部分である。なお、シートガラスSGの中央領域CAは、板厚を均一にする対象の部分を含む領域であり、シートガラスSGの側部(耳部)R,Lは、製造後に切断される対象の部分を含む領域である。より具体的には、シートガラスSGの中央領域CAとは、シートガラスSGの側部(耳部)R,LよりもシートガラスSGの幅方向内側の領域であって、シートガラスSGの幅方向の中心部Cを含む領域である。本明細書では、シートガラスSGの幅方向の幅のうちシートガラスSGの幅方向の中心から幅の85%以内の範囲をいう。
(2−5)引下げローラ
引下げローラ81a〜81gは、第2冷却室80内に設けられ、第1冷却室30内を通過したシートガラスSGを、シートガラスSGの流れ方向へ引き下げる。引下げローラ81a〜81gは、第2冷却室80の内部で、流れ方向に沿って所定の間隔を空けて配置される。引下げローラ81a〜81gは、シートガラスSGの厚み方向両側(図3参照)、および、シートガラスSGの幅方向両側(図4参照)に複数配置される。すなわち、引下げローラ81a〜81gは、シートガラスSGの幅方向の側部(耳部)R,L、かつ、シートガラスSGの厚み方向の両側に接触しながらシートガラスSGを下方に引き下げる。
引下げローラ81a〜81gは、引下げローラ駆動モータ391(図5参照)によって駆動される。また、引下げローラ81a〜81gは、シートガラスSGに対して内側に回転する。引下げローラ81a〜81gの周速度は、引下げローラ81a〜81gが下流側に設置されている程、大きくすることが好ましい。すなわち、複数の引下げローラ81a〜81gのうち、引下げローラ81aの周速度が最も小さく、引下げローラ81gの周速度が最も大きい。シートガラスSGの厚み方向両側に配置された引下げローラ81a〜81gは、対で動作し、対の引下げローラ81a,81a,・・・が、シートガラスSGを下方向に引き下げる。
(2−6)ヒータ
ヒータ82a〜82gは、第2冷却室80の内部に設けられ、第2冷却室80の内部空間の温度を調整する。具体的に、ヒータ82a〜82gは、シートガラスSGの流れ方向およびシートガラスSGの幅方向に複数配置される。例えば、シートガラスSGの流れ方向には、7つのヒータが配置され、シートガラスの幅方向には3つのヒータが配置される。幅方向に配置される3つのヒータは、シートガラスSGの中央領域CAと、シートガラスSGの側部(耳部)R,Lとをそれぞれ温度制御する。ヒータ82a〜82gは、後述する制御装置91によって出力が制御される。これにより、第2冷却室80内部を通過するシートガラスSGの近傍の雰囲気温度が制御される。ヒータ82a〜82gによって第2冷却室80内の雰囲気温度が制御されることによって、シートガラスSGの温度制御が行われる。また、温度制御により、シートガラスSGは、粘性域から粘弾性域を経て弾性域へと推移する。このように、ヒータ82a〜82gの制御により、第2冷却室80では、シートガラスSGの温度が、徐冷点近傍の温度から室温付近の温度まで冷却される。
なお、シートガラスSGの近傍には、雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出手段(本実施形態では、熱電対)380が設けられていてもよい。例えば、複数の熱電対380が、シートガラスSGの流れ方向およびシートガラスSGの幅方向に配置される。熱電対380は、シートガラスSGの表面の温度を検出することができる。例えば、熱電対380は、シートガラスSGの中心部Cの温度と、シートガラスSGの側部(耳部)R,Lの温度とをそれぞれ検出する。ヒータ82a〜82gの出力は、熱電対380によって検出される雰囲気温度に基づいて制御される。
(2−7)切断装置
切断装置90は、第2冷却室80内で室温付近の温度まで冷却されたシートガラスSGを、所定のサイズに切断する。これにより、シートガラスSGは、複数のガラス板PGになる。切断装置90は、切断装置駆動モータ392(図5を参照)によって駆動される。なお、切断装置は、必ずしも第2冷却室80の直下に設けられていなくてもよい。
(2−8)制御装置
制御装置91は、CPU、RAM、ROM、およびハードディスク等から構成されており、ガラス板の製造装置100に含まれる種々の機器の制御を行う。具体的には、図5に示すように、制御装置91は、ガラス基板製造装置100に含まれる各種のセンサ(例えば、熱電対380)やスイッチ(例えば、主電源スイッチ381)等による信号を受けて、温度調整ユニット60、ヒータ82a〜82g、冷却ローラ駆動モータ390、引下げローラ駆動モータ391、切断装置駆動モータ392等の制御を行う。
(3)温度管理
本実施形態に係るガラス基板製造方法では、冷却工程S4は、複数の冷却工程S41,S42,S43,S44からなる。具体的には、シートガラスSGの流れ方向に沿って、第1冷却工程S41、第2冷却工程S42、第3冷却工程S43、および第4冷却工程S44が順に実行される。
また、冷却工程S4では、シートガラスSGの流れ方向および幅方向の温度管理を行っている。温度管理は、複数の温度プロファイルTP1〜TP10に基づいて行われる。温度プロファイルTP1〜TP10とは、シートガラスSG近傍の雰囲気温度についての、シートガラスSGの幅方向に沿った温度分布である。言い換えると、温度プロファイルTP1〜TP10は、目標の温度分布である。すなわち、温度管理は、複数の温度プロファイルTP1〜TP10を実現させるように行われる。温度管理は、上述した、冷却ローラ51、温度調整ユニット60、およびヒータ82a〜82gを用いて行われる。
シートガラスSGの温度は、シートガラスSGの雰囲気温度を制御することにより、管理される。なお、シートガラスSGの温度は、シートガラスSGの温度の実測値を用いてもよく、また、ヒータ82a〜82gによって制御されるシートガラスSGの雰囲気温度に基づいてシミュレーションにより算出された値を用いてもよい。
さらに、各冷却工程S41〜S44は、所定の冷却速度で、シートガラスSGを冷却することにより、シートガラスSGの流れ方向の温度管理を行っている。ここで、所定の冷却速度とは、各冷却工程S41〜S44に応じた冷却速度である。以下、特に断らずに平均冷却速度という場合には、原則として、シートガラスSGの中央領域CAにおける平均の冷却速度を指す。具体的に、全冷却工程S41〜S44の平均冷却速度のうち、第3冷却工程S43の冷却速度(第3冷却速度)が最も遅い。つまり、第2冷却工程S42の冷却速度(第2冷却速度)は、第3冷却速度より速い。また、全冷却工程S41〜S44の冷却速度のうち、第1冷却工程S41の平均冷却速度(第1冷却速度)が最も速いことが好ましい。また、第4冷却工程S44における平均冷却速度(第4冷却速度)は、第1冷却速度より遅く、かつ、第2冷却速度より速いことが好ましい。すなわち、全冷却工程S41〜S44の冷却速度に関して、第1冷却速度>第4冷却速度>第2冷却速度>第3冷却速度の関係式が成り立つことが好ましい。
また、本実施形態に係る冷却工程S4では、シートガラスSGの中心部Cの冷却速度(中心部冷却速度)と、シートガラスSGの側部(耳部)R,Lの冷却速度(耳部冷却速度)とを異なる速度に設定している。中心部冷却速度は、シートガラスSGの中心部Cの温度変化の量と、温度変化に要する時間とに基づいて算出される。耳部冷却速度は、シートガラスSGの側部(耳部)R,Lの温度変化の量と、温度変化に要する時間とに基づいて算出される。
以下、図6を参照して、各冷却工程S41〜S44におけるシートガラスSGの温度管理について詳細に説明する。図6は、シートガラスSGの所定の高さ位置における温度プロファイルを示す。以下において、シートガラスSGの側部(耳部)R,Lを、単に、シートガラスSGの耳部R,Lと記載する。
(3−1)第1冷却工程
第1冷却工程S41は、成形体41の直下で合流した熔融ガラスを、中心部Cの温度が徐冷点になるまで冷却する工程である。徐冷点は、粘度が1013ポワズとなるときの温度である。具体的に、第1冷却工程S41では、例えば、中心部Cの温度が1100℃〜1300℃のシートガラスSGを、中心部Cの温度が徐冷点になるまで冷却する。ここで「徐冷点になるまで冷却する」における徐冷点とは、徐冷点近傍を含み、例えば徐冷点±15℃の温度であってもよい。
第1冷却工程S41では、第1温度プロファイルTP1〜第5温度プロファイルTP5に基づいて、シートガラスSGの温度管理が行われる。以下、第1冷却工程S41で実行される各温度プロファイルTP1〜TP5と、第1冷却工程S41の冷却速度(第1冷却速度)とを詳細に説明する。
(3−1−1)第1温度プロファイル
第1温度プロファイルTP1は、シートガラスSGの最も上流側で実現される温度分布である(図6参照)。第1温度プロファイルTP1は、シートガラスSGの中央領域CAの温度が均一であり、シートガラスSGの耳部R,Lは、シートガラスSGの中央領域CAの温度よりも低い。ここで、中央領域CAの温度が均一であるとは、中央領域CAの温度が、所定の温度域に含まれることをいう。所定の温度域とは、基準温度±20℃の範囲である。基準温度は、中央領域CAの幅方向の平均温度である。
第1温度プロファイルTP1は、第1冷却室30内の冷却ローラ51および温度調整ユニット60を制御することにより実現される。具体的には、冷却ローラ51によってシートガラスSGの耳部R,Lが冷却される。シートガラスSGの耳部R,Lの温度は、中央領域CAの温度よりも所定温度(例えば、200℃〜250℃)低い温度に冷却する。第
1温度プロファイルTP1は、シートガラスSGの板厚偏差を低減する。
なお、第1温度プロファイルTP1に基づく温度管理は、シートガラスSGの板厚偏差をより低減するために成形体直下で行われることが好ましく、また、シートガラスSGがガラス軟化点の近傍まで冷却されるまでに行われることが好ましい。ここで、「ガラス軟化点の近傍」は、「ガラス軟化点−20℃」から「ガラス軟化点+20℃」までの温度領域であることが好ましい。
(3−1−2)第2温度プロファイルおよび第3温度プロファイル
第2温度プロファイルTP2および第3温度プロファイルTP3は、第1温度プロファイルTP1の後に実現される温度分布である(図6参照)。具体的には、シートガラスSGの流れ方向に対して、上流側に第2温度プロファイルTP2が位置し、下流側に第3温度プロファイルTP3が位置する。
第2温度プロファイルTP3および第3温度プロファイルTP3は、中央領域CAの中心部Cの温度が最も高く、耳部R,Lの温度が最も低い。また、第2温度プロファイルTP2および第3温度プロファイルTP3では、中心部Cから耳部R,Lに向かって温度が徐々に低くなる。すなわち、中心部Cの温度と耳部R,Lの温度とには勾配(温度勾配)が形成されている。言い換えると、第2プロファイルTP2および第3温度プロファイルTP3は、上に凸を有するなだらかな放物線を形成する。なお、ここで、温度勾配とは、シートガラスSGの幅W(例えば、1650mm、図6を参照)を2で除した値で、中心部Cの雰囲気温度から耳部R,Lの雰囲気温度を引いた値を、除したもの((中心部Cの雰囲気温度―耳部R,Lの雰囲気温度)/(シートガラスの幅W/2))である。
また、第3温度プロファイルTP3における温度勾配TG3は、第2温度プロファイルTP2における温度勾配TG2よりも大きい。言い換えると、第3温度プロファイルTP3におけるシートガラスSGの耳部R,Lの雰囲気温度と中心部Cの雰囲気温度との差(幅方向温度差)は、第2温度プロファイルTP2における幅方向温度差よりも大きい。すなわち、第3温度プロファイルTP3は、第2温度プロファイルTP2よりも大きな放物線となる。第2温度プロファイルTP2および第3温度プロファイルTP3では、耳部R,Lが中心部Cよりも早く冷却されるように、大きな放物線状のプロファイルが実現される。
なお、第2温度プロファイルTP2および第3温度プロファイルTP3は、第1冷却室30内の温度調整ユニット60を制御することにより実現される。
(3−1−3)第4温度プロファイル
第4温度プロファイルTP4は、第3温度プロファイルTP3の後に実現される温度分布である(図6参照)。第4温度プロファイルTP4もまた、中央領域CAの中心部Cの温度が最も高く、耳部R,Lの温度が最も低い。また、第4温度プロファイルTP4も、中心部Cから耳部R,Lに向かって温度が徐々に低くなり、上に凸を有するなだらかな放物線を形成する。
なお、第4温度プロファイルTP4における温度勾配TG4は、上流の第3温度プロファイルTP3における温度勾配TG3よりも小さい。すなわち、第4温度プロファイルTP4は、第3温度プロファイルTP3よりも小さな放物線となる。
なお、第4温度プロファイルTP4は、第2冷却室80内のヒータ82aを制御することにより実現される。
(3−1−4)第5温度プロファイル
第5温度プロファイルTP5は、第4温度プロファイルTP4の後に実現される温度分布である(図6参照)。第5温度プロファイルTP5もまた、中心部Cの温度が最も高く、耳部R,Lの温度が最も低い。また、第5温度プロファイルTP5も、中心部Cから耳部R,Lに向かって温度が徐々に低くなり、上に凸を有するなだらかな放物線を形成する。
第5温度プロファイルTP5における温度勾配TG5は、第4温度プロファイルTP4における温度勾配TG4よりも小さい。すなわち、第5温度プロファイルTP5は、第4温度プロファイルTP4よりも小さな放物線となる。
なお、第5温度プロファイルTP5は、第2冷却室80内のヒータ82bを制御することにより実現される。
このように、第2温度プロファイルTP2〜第5温度プロファイルTP5を実現することにより、中心部Cの冷却速度は耳部R、Lの冷却速度よりも常に速くなるため、中心部Cの熱収縮量は耳部R,Lの熱収縮量よりも大きくなる。そのため、シートガラスSGの中心部Cから耳部R,Lに向かう張力が常に働くので、シートガラスSGの反り等を低減することができる。
(3−1−5)第1冷却速度
第1冷却工程S41では、中央領域CAの雰囲気温度よりも、耳部R,Lの雰囲気温度を速い平均冷却速度で冷却している。すなわち、中央領域CAの平均冷却速度(第1の平均冷却速度)と比較して、耳部R,Lの平均冷却速度(第1の耳部冷却速度)が速い。
第1冷却工程S41における中央領域CAの第1の平均冷却速度は、5.0℃/秒〜50.0℃/秒である。第1の平均冷却速度が、5.0℃/秒より低いと、生産性が悪くなる。第1の平均冷却速度が、50℃/秒を超えると、シートガラスSGに割れが発生する場合がある。また、シートガラスSGの反り量および板厚偏差が悪くなる。好ましくは、中央領域CAの第1の平均冷却速度は、8.0℃/秒〜16.5℃/秒である。また、第1冷却工程S41における第1の耳部冷却速度は、5.5℃/秒〜52.0℃/秒である。好ましくは、第1の耳部冷却速度は、8.3℃/秒〜17.5℃/秒である。
(3−2)第2冷却工程
第2冷却工程S42は、中心部Cの温度が徐冷点になったシートガラスSGを、中心部Cの温度が歪点になるまで冷却する工程である。ここで、歪点は、粘度が1014.5ポワズとなる温度である。ここで「歪点になるまで冷却する」における歪点とは、歪点近傍を含み、例えば歪点±15℃の温度であってもよい。
第2冷却工程S42では、第6温度プロファイルTP6に基づいて、シートガラスSGの温度管理が行われる。以下、第2冷却工程S42で実行される温度プロファイルTP6と、第2冷却工程S42の冷却速度(第2冷却速度)とを詳細に説明する。
(3−2−1)第6温度プロファイル
第6温度プロファイルTP6は、シートガラスSGの幅方向の雰囲気温度(幅方向の耳部R,Lから中心部Cにかけての雰囲気温度)が均一である。言い換えると、第6温度プロファイルTP6は、シートガラスSGの幅方向において、耳部R,L周辺の雰囲気温度と中心部C周辺の雰囲気温度との温度勾配が最も小さく、耳部R,L周辺の雰囲気温度と中心部C周辺の雰囲気温度とが、同程度になる温度プロファイルである。
ここで、均一とは、耳部R,L周辺の雰囲気温度と中央領域CA周辺の雰囲気温度とが、所定の温度域に含まれることをいう。所定の温度域とは、基準温度±5℃の範囲である。基準温度は、シートガラスSGの幅方向の平均温度である。
なお、第6温度プロファイルTP6は、第2冷却室80内のヒータ82cを制御することにより実現される。また、第6温度プロファイルTP6は、歪点近傍で実現されるものとする。ここで、歪点近傍とは、歪点を含む所定の温度領域を意味する。所定の温度領域とは、「(徐冷点+歪点)/2」から「歪点−50℃」までの領域である。第6温度プロファイルTP6は、歪点近傍の少なくとも一点(流れ方向における一箇所)において実現される。第6温度プロファイルTP6を実現することにより、シートガラスSGの内部歪を低減することができる。
(3−2−2)第2冷却速度
第2冷却工程S42では、シートガラスSGの幅方向の雰囲気温度がほぼ一定になるように、シートガラスSGの中央領域CAの雰囲気温度と、耳部R,Lの雰囲気温度とを制御している。すなわち、耳部R,Lの平均冷却速度(第2の耳部冷却速度)と比較して、中央領域CAの平均冷却速度(第2の平均冷却速度)が若干速い。
第2冷却工程S42におけるシートガラスSGの中央領域CAの温度の平均冷却速度(第2の平均冷却速度)は、5.0℃/秒以下であることが好ましく、0.8℃/秒〜5.0℃/秒であることがより好ましい。第2の平均冷却速度が、0.8℃/秒よりも小さいと、生産性が悪くなりやすい。また、第2の平均冷却速度が、5.0℃/秒を超えると、シートガラスSGの精密な温度制御が困難となり、シートガラスSGの熱収縮率が大きくなりやすい。また、シートガラスSGの反りおよび歪が大きくなりやすい。
(3−3)第3冷却工程
第3冷却工程S43は、中心部Cの温度が歪点になったシートガラスSGを、(歪点−100℃)になるまで冷却する工程である。ここで「(歪点−100℃)になるまで冷却する」における(歪点−100℃)とは、(歪点−100℃)の近傍を含み、例えば(歪点−100℃)±15℃の温度であってもよい。第3冷却工程S43においても、第2冷却工程S42と同様に、第6温度プロファイルTP6に基づいて、シートガラスSGの温度管理が行われる。
第3冷却工程S43におけるシートガラスSGの中央領域CAの温度の平均冷却速度(第3の平均冷却速度)は第2の平均冷却速度より小さく、且つ好ましくは5℃/秒以下である。第3の平均冷却速度を第2の平均冷却速度より小さくすることにより、ガラス基板のディスプレイのパネル製造工程における熱処理時(例えば、450℃〜600℃)に生じる熱収縮率を十分に小さくすることができる。また、第3の平均冷却速度が5℃/秒を超えると、シートガラスSGに割れが発生する場合もあり、シートガラスSGの反りも悪くなる。より好ましくは、第3の平均冷却速度は、0.5℃/秒〜4.0℃/秒である。
(3−4)第4冷却工程
第4冷却工程S44は、歪点−100℃近傍の温度になったシートガラスSGを、歪点−200℃近傍の温度まで冷却する工程である。ここで、歪点−200℃近傍の温度とは、例えば(歪点−200℃)±15℃の温度であってもよい。
第4冷却工程S44では、第7温度プロファイルTP7〜第10温度プロファイルTP10に基づいて、シートガラスSGの温度管理が行われる。以下、第4冷却工程S44で実行される温度プロファイルTP7〜TP10と、第4冷却工程S44の冷却速度(第4冷却速度)とを詳細に説明する。
(3−4−1)第7温度プロファイル〜第10温度プロファイル
第7温度プロファイルTP7〜第10温度プロファイルTP10は、第6温度プロファイルTP6の後に実現される温度分布である(図6参照)。具体的に、第7温度プロファイルTP7〜第10温度プロファイルTP10は、シートガラスSGの流れ方向に沿ってそれぞれ実現される。より具体的には、上流側で第7温度プロファイルTP7が実現され、次に、第8温度プロファイルTP8が実現される。第8温度プロファイルTP8の次には、第9温度プロファイルTP9が実現され、下流側で第10温度プロファイルTP10が実現される。
第7温度プロファイルTP7〜第10温度プロファイルTP10は、中央領域CAの中心部Cの温度が最も低く、耳部R,Lの温度が最も高い。また、第7温度プロファイルTP7〜第10温度プロファイルTP10では、中心部Cから耳部R,Lに向かって温度が徐々に高くなる。すなわち、中心部Cの温度と耳部R,Lの温度とには勾配(温度勾配)が形成されている。言い換えると、第7温度プロファイルTP7〜第10温度プロファイルTP10は、下に凸を有するなだらかな放物線を形成する。
また、第7温度プロファイルTP7〜第10温度プロファイルTP10における温度勾配TG7〜10は、シートガラスSGの流れ方向に沿って、徐々に大きくなっている。言い換えると、第10温度プロファイルTP10におけるシートガラスSGの耳部R,Lの雰囲気温度と中心部Cの雰囲気温度との差(幅方向温度差)は、第7温度プロファイルTP7における幅方向温度差よりも大きい。すなわち、第10温度プロファイルTP10は、第7温度プロファイルTP7よりも大きな放物線となる。第7温度プロファイルTP7〜第10温度プロファイルTP10でも、中心部Cが耳部R,Lよりも早く冷却される。
なお、第7温度プロファイルTP7〜第10温度プロファイルTP10は、第2冷却室80内のヒータ82d〜82gを制御することにより実現される。具体的には、ヒータ82dによって第7温度プロファイルTP7が実現され、ヒータ82eによって第8温度プロファイルTP8が実現され、ヒータ82fによって第9温度プロファイルTP9が実現され、ヒータ82gによって第10温度プロファイルTP10が実現される。
(3−4−2)第4冷却速度
第4冷却工程S44では、中央領域CAの雰囲気温度を、耳部R,Lの雰囲気温度よりも早い速度で冷却している。すなわち、耳部R,Lの平均冷却速度(第4の耳部冷却速度)と比較して、中央領域CAの平均冷却速度(第4の平均冷却速度)が速い。
また、第4冷却工程S44では、シートガラスSGの流れ方向の下流側に向かうにつれて、シートガラスSGの耳部R,Lの雰囲気温度の冷却速度と中央領域CAの雰囲気温度の冷却速度との差を大きくする。
このように、第7温度プロファイルTP7〜第10温度プロファイルTP10を実現することにより、中心部Cの冷却速度は耳部R、Lの冷却速度よりも常に速くなるため、中心部Cの熱収縮量は耳部R,Lの熱収縮量よりも大きくなる。そのため、シートガラスSGの中心部Cから耳部R,Lに向かう張力が常に働くので、シートガラスSGの反り等を低減することができる。
第4冷却工程S44における第4の平均冷却速度は、1.5℃/秒〜20℃/秒であることが好ましい。第4の平均冷却速度が、1.5℃/秒よりも遅いと、生産性が悪くなる。また、第4の平均冷却速度が、20℃/秒を超えると、シートガラスSGに割れが発生する場合もあり、シートガラスSGの反りも悪くなる。好ましくは、第4の平均冷却速度は、2.0℃/秒〜15℃/秒である。また、第4冷却工程S44における第4の耳部冷却速度は、1.3℃/秒〜13℃/秒である。好ましくは、第4の耳部冷却速度は、1.5℃/秒〜8.0℃/秒である。
シートガラスSGの流れ方向の冷却速度は、ガラス基板の450℃〜600℃という温度域の熱処理時に生じる熱収縮率に影響を与える。特に、第3冷却工程S43の冷却速度が上記熱収縮率に与える影響が大きい。そのため、4つの冷却工程S41〜S44の内、第3冷却工程S43の平均冷却速度を最も小さくすることで、シートガラスSGの上記熱収縮率を効果的に小さくすることができる。これにより、ガラス基板の生産量を向上させることができると共に、好適な熱収縮率を有するガラス基板を得ることができる。
さらに、第2の平均冷却速度と第3の平均冷却速度の速度比(第3の平均冷却速度/第2の平均冷却速度)は、0.2以上1未満であることが好ましい。
速度比が0.2未満であると、生産性が悪くなりやすい。速度比は、0.3以上0.8未満であることがより好ましく、0.4以上0.6未満であることがさらに好ましい。
また、第2の平均冷却速度は、第3の平均冷却速度の次に上記熱収縮率に影響を及ぼし易い。本実施形態では、徐冷点から歪点までの範囲でのシートガラスSGの冷却を行う第2冷却工程S42における第2の平均冷却速度を、第1冷却工程S41及び第4冷却工程S44の平均冷却速度よりも小さくすることが好ましい。これにより、熱収縮率を低減することができる。
さらに、本実施形態に係るガラス基板製造方法によれば、板厚偏差、反り量および平面歪の値も一定の範囲に抑えることができる。
シートガラスSGの温度制御において、歪点以上の温度制御が、シートガラスSGの反り量および歪値に影響を及ぼし易い。本実施形態では、4つの冷却工程S41〜S44のうち、徐冷点から歪点までの範囲でのシートガラスSGの冷却を行う第2冷却工程S42における第2の平均冷却速度を、第1冷却工程S41及び第4冷却工程S44の平均冷却速度よりも小さくすることが好ましい。これにより、第2冷却工程S42におけるシートガラスSGの幅方向の温度制御の精度を向上させることができるので、反り量および歪値を低減することができる。
また、シートガラスSGは上下方向に連続するリボン状であるため、歪点から歪点−100℃の範囲までの温度制御もまた、反り量および歪値に影響を及ぼす。本実施形態では、歪点から歪点−100℃のまでの範囲でのシートガラスSGの冷却を行う第3冷却工程S43における第3の平均冷却速度を最も小さくしている。これにより、第3冷却工程S43におけるシートガラスSGの温度制御の精度をさらに上げることができるので、反り量および平面歪を低減することができる。
さらに、シートガラスSGは上下方向に連続するリボン状であるため、歪点−100℃から歪点−200℃の範囲までの温度制御もまた、反り量および平面歪に影響を及ぼす。本実施形態では、歪点−100℃から歪点−200℃のまでの範囲でのシートガラスSGの冷却を行う第4冷却工程S44における第4の平均冷却速度を第1冷却工程S41における第1の平均冷却速度よりも小さくすることが好ましい。これにより、第4冷却工程S44におけるシートガラスSGの温度制御の精度をさらに上げることができるので、反り量および平面歪を低減することができる。
(4)温度プロファイルの決定方法
シートガラスSGから得られるガラス基板の熱収縮率は、ガラスの特性、及び、シートガラスSGの冷却速度によって決定される。すなわち、ガラスの組成が同じである場合、ガラス基板の熱収縮率は、冷却工程S4におけるシートガラスSGの冷却速度に依存する。
また、ガラス基板がディスプレイの製造に用いられる場合、ガラス基板の熱収縮率は、小さいほど好ましい。なぜなら、ディスプレイの製造工程において、ガラス基板は熱処理されるので、ガラス基板の熱収縮率が大きいと、ガラス基板の表面に素子を精度良く配置することが困難になるからである。また、ガラス基板ごとの熱収縮率のバラツキは、小さいほどより好ましい。
しかし、シートガラスSGの冷却工程S4においてシートガラスSGが取り得る温度領域によって、シートガラスSGから得られるガラス基板の熱収縮率が異なる。そこで、シートガラスSGから得られるガラス基板の熱収縮率の目標値を予め設定し、熱収縮率がこの目標値を達成するように、シートガラスSGが取り得る各温度領域におけるシートガラスSGの冷却速度を決定し、シートガラスSGの搬送方向の温度プロファイルを決定することで、生産性を低下させることなく、熱収縮率が小さいガラス基板を製造することができる。また、決定された温度プロファイルを精度良く実現することにより、ガラス基板ごとの熱収縮率のバラツキを小さくすることができる。
シートガラスSGの搬送方向の温度プロファイルは、例えば、シートガラスSGの熱収縮率の実測値に基づいて作成された検量線に基づいて決定することができ、又は、コンピュータシミュレーションを用いて決定することができる。また、コンピュータシミュレーションで確認しつつ、熱収縮率の実測値を利用して、シートガラスSGの搬送方向の温度プロファイルが決定されてもよい。
コンピュータシミュレーションによる温度プロファイルの決定は、数値流体力学(CFD)計算において利用される種種の技術を使用して行われることが好ましい。コンピュータシミュレーションを用いることで、上述の検量線、シートガラスSGが冷却される徐冷空間(例えば、第2冷却室80に相当する空間)の形状、徐冷空間を形成する部材(例えば、天板80aおよび断熱部材80bに相当する部材)の熱的特性、当該部材の組み合わせ、種種の入力データ(例えば、徐冷空間におけるシートガラスSGの温度、モデル化された徐冷空間の種種のポイントにおける温度、および、ガラスの組成等)等に基づいて、ガラス基板の熱収縮率を精度良く算出することができる。すなわち、コンピュータシミュレーションを用いることで、熱収縮率が所定の目標値を達成するように、シートガラスSGの搬送方向の温度プロファイルを容易に決定することができる。なお、コンピュータシミュレーションは、カスタマイズソフトウェアや、市販のソフトウェアパッケージを用いて実行することができる。
次に、検量線を用いた熱収縮率の具体的な算出方法の一例について、図7〜10を参照しながら説明する。この方法では、シートガラスSGの熱収縮率を種種の徐冷条件の下で実際に測定し、得られた測定値に基づいて検量線を作成する。そして、当該検量線を用いることで、例えば、シートガラスSGの搬送方向の温度プロファイルを変更した場合に、新しい温度プロファイルでシートガラスSGを冷却する際における、シートガラスSGの熱収縮率を推定することができる。逆に、シートガラスSGの熱収縮率が所定の目標値を達成するように、シートガラスSGの搬送方向の温度プロファイルを適切に決定することができる。
この熱収縮率の算出方法は、主として、基礎データ測定工程と、規格化熱収縮量−維持温度関係取得工程と、総面積算出工程と、熱収縮量−総面積関係取得工程と、熱収縮率推定工程とから構成される。次に、各工程について説明する。
基礎データ測定工程では、本実施形態に係るガラス基板製造方法を用いて、複数の条件の下で実際に徐冷されたシートガラスSGの熱収縮量を測定する。図7は、シートガラスSGの熱収縮量の測定時における、シートガラスSGの温度−時間関係のグラフである。シートガラスSGは、徐冷点より高い温度から、少なくとも、歪点−200℃になるまで冷却される。図7に示されるように、徐冷工程は、第1の降温勾配を有する第1降温部と、第1降温部に続いて一定の維持温度を所定の維持時間に亘って維持する温度維持部と、温度維持部に続いて第2の降温勾配を有する第2降温部とから構成される。図7には、5つの徐冷条件C1〜C5の下で測定されたデータが示されている。図7に示されるように、5つの徐冷条件C1〜C5において、第1の降温勾配、第2の降温勾配および維持時間は全て同じであり、維持温度は全て異なっている。以下、維持温度を高い順にT1〜T5として、維持温度T1〜T5にそれぞれ対応する徐冷条件をC1〜C5とする。基礎データ採取工程では、徐冷条件C1〜C5の下でそれぞれ徐冷されたシートガラスSGの熱収縮量A1〜A5が測定される。熱収縮量A1〜A5は、温度維持部におけるシートガラスSGの熱収縮の程度を表す。すなわち、熱収縮量A1〜A5が小さいほど、シートガラスSGは熱収縮しない。
規格化熱収縮量−維持温度関係取得工程では、基礎データ測定工程で測定された熱収縮量A1〜A5を、最小の熱収縮量を基準として規格化して、規格化熱収縮量B1〜B5を算出する。具体的には、熱収縮量A3が最小である場合、規格化熱収縮量B1は、熱収縮量A3を熱収縮量A1で除した値になる。そのため、規格化熱収縮量B1〜B5は、常に1以下であり、規格化熱収縮量B1〜B5が小さいほど、シートガラスSGは熱収縮している。そして、図8に示されるように、維持温度T1〜T5に対して規格化熱収縮量B1〜B5をプロットして、規格化熱収縮量−維持温度グラフの近似曲線を求める。
総面積算出工程では、徐冷条件C1〜C5における経過時間に対して規格化熱収縮量B1〜B5をプロットした規格化熱収縮量−時間グラフを得る。図9は、規格化熱収縮量−時間グラフの一例である。時間が経過してシートガラスSGの温度が低下するほどシートガラスSGは収縮するので、規格化熱収縮量−時間グラフは、単調減少を示す。そして、徐冷条件C1〜C5にそれぞれ対応する各グラフにおいて、下記の式で表される面積S1、S2、S3の合計である総面積Sを算出する。
S1=(第1降温部における降温開始時温度の規格化熱収縮量+第1降温部における降温終了時温度の規格化熱収縮量)×第1降温部の所要時間/2、
S2=温度維持部における維持温度の規格化熱収縮量×温度維持部の維持時間、
S3=(第2降温部における降温開始時温度の規格化熱収縮量+第2降温部における降温終了時温度の規格化熱収縮量)×第2降温部の所要時間/2
総面積算出工程では、各徐冷条件C1〜C5について、それぞれ総面積S1〜S5が算出される。
熱収縮量−総面積関係取得工程では、総面積算出工程で算出された総面積S1〜S5に対して、基礎データ測定工程で測定された熱収縮量A1〜A5がプロットされた熱収縮量−総面積グラフの対数近似曲線を求める。図10は、熱収縮量−総面積グラフの一例である。
熱収縮率推定工程では、予め設定された徐冷条件に対応するシートガラスSGの温度プロファイルに基づいて、シートガラスSGの熱収縮率を推定する。具体的には、最初に、予め設定された温度プロファイル、および、規格化熱収縮量−維持温度グラフを用いて、上述と同じ方法によって、規格化熱収縮量−時間グラフを得て、得られた規格化熱収縮量−時間グラフの総面積Sxを算出する。次に、図10に示されるように、熱収縮量−総面積グラフを用いて、算出された総面積Sxに対応する熱収縮量Axを求める。そして、この熱収縮量Axから、基礎となる温度プロファイルでシートガラスSGを徐冷した場合における熱収縮率の推定値を算出する。
また、最大の維持温度T1は、徐冷点近傍であることが好ましい。また、最小の維持温度T5は、歪点−200℃の近傍であることが好ましい。また、維持温度T1〜T5の温度間隔は、全て同じに設定されることが好ましい。
また、上記の例では、5つの徐冷条件に基づいてシートガラスSGの熱収縮率を推定する方法について説明したが、基礎とする徐冷条件の数は、2以上であれば任意の数であってもよい。
本実施形態では、上述のように、予め作成された検量線を用いて、第1冷却工程S41〜第4冷却工程S44の冷却速度が決定されることが好ましい。また、コンピュータシミュレーションを用いて、第1冷却工程S41〜第4冷却工程S44の冷却速度が決定されることが好ましい。
(5)ガラス基板
ガラス基板の熱収縮率は、歪点が680℃以上であり、ガラス基板の板厚が0.5mm〜1.0mmである場合には、70ppm以下が好ましく、5ppm〜70ppmがより好ましく、10ppm〜50ppmがさらに好ましい。
なお、ガラス基板の熱収縮率は、冷却工程における時間の総和によって変化する。ガラス基板の板厚が薄いほど、冷却工程におけるシートガラスSGの搬送速度を速くする必要があるので、徐冷工程の時間が短くなり、熱収縮率が大きくなりやすい。そのため、例えば、ガラス基板の板厚が0.01mm以上0.5mm未満の場合には、熱収縮率が5ppm〜100ppmが好ましく、10ppm〜70ppmがより好ましい。あるいは、ガラス基板の歪点が680℃未満の場合には、熱収縮率は5ppm〜100ppmが好ましく、10ppm〜70ppmがより好ましい。
ガラス基板の歪点は、680℃以上であることが好ましく、690℃以上であることがより好ましく、730℃以上であることがさらに好ましい。歪点が高いほど、ガラス基板の熱収縮率を小さくすることができる。
ガラス基板を100℃〜300℃に変化させた場合の平均熱膨張係数は、好ましくは50×10-7/℃以下であり、より好ましくは30×10-7/℃〜45×10-7/℃である。平均熱膨張係数が小さいほど、ガラス基板の熱収縮率を小さくすることができる。他方、平均熱膨張係数が小さくなり過ぎると、パネルを構成する他の部材の平均熱膨張係数との差が大きくなりすぎるため好ましくない。
ガラス基板の組成は特に限定されないが、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板としては、下記(A)および(B)が例として挙げられる。下記(A)および(B)のガラス組成は、LTPS・TFTディスプレイ用ガラス基板あるいは、有機ELディスプレイ用ガラス基板に好適である。
(A)SiO2を55mol%〜80mol%、Al23を3mol%〜20mol%、B23を0mol%〜15mol%、RO(MgO、CaO、SrO、BaOの合量)を3mol%〜25mol%含有する。また、SiO2、Al23およびB23のmol%で表す含有率は、(SiO2+(2×Al23))/((2×B23)+RO)が3.0以上であることが好ましい。これにより、ガラス基板の歪点を高くすることができる。
(B)SiO2を52質量%〜78質量%、Al23を3質量%〜25質量%、B23を0質量%〜15質量%、RO(但し、ROはMgO、CaO、SrO及びBaOの合量)を3質量%〜20質量%、R2O(但し、R2OはLi2O、Na2O及びK2Oの合量)を0.01質量%〜0.8質量%、Sb23を0質量%〜0.3質量%、を含有し、As23は実質的に含有せず、質量比CaO/ROは0.65以上であり、質量比(SiO2+Al23)/B23は7〜30の範囲であり、かつ質量比(SiO2+Al23)/ROは5以上である。このとき、歪点は688℃以上が好ましい。
ガラス基板の平面歪の値は、1.0nm以下が好ましく、0nm〜0.95nmがより好ましく、0nm〜0.90nmがさらに好ましい。言い換えると、平面歪の値は、0kg/mm2〜0.07kg/mm2が好ましく、0kg/mm2〜0.04kg/mm2がより好ましく、0kg/mm2〜0.02kg/mm2がさらに好ましい。また、ガラス基板の反り量は、0.15mm以下が好ましく、0mm〜0.10mmがより好ましく、0mm〜0.05mmがさらに好ましい。さらに、ガラス基板の板厚偏差は、15μm以下が好ましく、0μm〜14μmがより好ましく、0μm〜13μmがさらに好ましい。
また、本実施形態で製造されるガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板の製造に好適である。特に、高精細ディスプレイ用ガラス基板であるLTPS・TFTディスプレイ用ガラス基板あるいは、有機ELディスプレイ用ガラス基板の製造に好適である。また、TFTとして酸化物半導体TFTを搭載した酸化物半導体ディスプレイ用ガラス基板にも好適である。
また、ガラス基板の失透温度を1250℃以下、液相粘度を104.7dPa・s以上とすることが好ましい。これにより、オーバーフローダウンドロー法に好適となる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によりなんら限定されるものではない。
実施例1〜3ならびに比較例
上記ガラス基板製造装置100およびガラス基板製造方法を用いて、以下の条件で実施例1〜3ならびに比較例のガラス基板を製造した。
ガラスの組成(mol%)は、SiO2 70.5%,B23 7.2%,Al23 11.0%,K2O 0.2%,CaO 11.0%,SnO2 0.07%,Fe23 0.03%であった。ガラスの液相温度は、1206℃であり、液相粘度は、1.9×105dPa・sであった。ガラスの徐冷点は758℃であり、歪点は699℃であった。また、シートガラスSGの幅は1600mm、厚みは、0.7mm(実施例1、比較例)、0.6mm(実施例2)、0.5mm(実施例3)とした。
第1冷却工程S41では、熔融ガラスを、中心部の温度が徐冷点758℃になるまで冷却した。第2冷却工程S42では、中心部の温度が758℃のシートガラスを、中心部の温度が歪点699℃になるまで冷却した。第3冷却工程S43では、中心部の温度が699℃のシートガラスを、中心部の温度が歪点−100℃の599℃になるまで冷却した。第4冷却工程S44では、中心部の温度が599℃のシートガラスを、中心部の温度が歪点−200℃の499℃になるまで冷却した。
表1に、実施例1〜3ならびに比較例の第1冷却工程S41〜第4冷却工程S44における、シートガラスSGの中央領域CAの平均冷却速度(℃/秒)、冷却されたガラス基板の熱収縮率、歪値、反り量、および板厚偏差の実測値を示す。冷却工程S4は、第1冷却工程S41における第1の平均冷却速度が最も大きい値となり、第4冷却工程S44における第4の平均冷却速度が次に大きい値となり、第2冷却工程S42における第2の平均冷却速度が次に大きい値となり、第3冷却工程S43における第3の平均冷却速度が最も小さい値となるように実施した。
Figure 0005819520
表1に示すように、収縮率は、70ppm以下の値となり、歪値は、0.90nm以下の値となり、反り量は、0.15mm以下の値となり、板厚偏差は、10.6μm以下の値となった。
なお、上記実施例において、ガラス基板の熱収縮率は、ケガキ線法により得た。具体的には、サンプルとなるガラス基板の両端に基準線となるケガキ線をつけ、その後、サンプルを半分に切断した。その後、半分に切断されて二枚になったサンプルのうち、一方のサンプルを熱処理し、熱処理をしていない他方のサンプルと付き合わせて、ケガキ線のズレを測定した。熱処理は、550℃×60分×2回行った。より詳細には、常温から10℃/分で昇温し、550℃で60分保持し、その後、10℃/分で常温まで降温し、再び10℃/分で昇温し、550℃で60分保持し、10℃/分で常温まで降温した。ケガキ線のズレの測定値に基づいて、ガラス基板の熱収縮量(熱収縮率)を得た。
また、ガラス基板の歪値は、平面歪に関する値である。歪値は、複屈折率の大きさに基づいて決定した。複屈折率は、ユニオプト製の複屈折率測定器ABR−10Aを使用して測定し、最大値を歪値として採用した。
さらに、ガラス基板の反り量は、次の方法により得た。まず、シートガラスから切り出された、所定有効幅を有するガラス板PGから、複数枚のガラス片を切り出した。次に、ガラス片をガラス定盤に置いた。各ガラス片とガラス定盤との隙間(本実施例では、ガラス片の角4箇所と、長辺の中央部2箇所と、短辺の中央部2箇所と)を、隙間ゲージを用いて測定した。
また、板厚偏差は、ガラス板の有効領域において、キーエンス社製の変位計を使用して、幅方向に5mmの間隔で測定した。
以上、本実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、上記の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
本発明は、ダウンドロー法を用いたガラス基板製造方法に適用可能である。また、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板の製造に適用できる。さらに、LTPS・TFTディスプレイ用ガラス基板あるいは、有機ELディスプレイ用ガラス基板の製造に好適である。
11 熔融装置
12 清澄装置
40 成形装置
41 成形体
51 冷却ローラ
60 温度調整ユニット
81a〜81g 引下げローラ
82a〜82g ヒータ
90 切断装置
91 制御装置
100 ガラス基板製造装置
CA シートガラスの中央領域
C シートガラスの中心部
R,L シートガラスの側部(シートガラスの耳部)
SG シートガラス
S3 成形工程
S4 冷却工程
S41 第1冷却工程
S42 第2冷却工程
S43 第3冷却工程
S44 第4冷却工程
特表2003−503301号公報 特許第5153965号公報

Claims (8)

  1. ダウンドロー法によって、熔融ガラスをシートガラスに成形する成形工程と、
    前記シートガラスの幅方向の両端部の領域である側部と、前記側部よりも前記シートガラスの幅方向内側にあり、前記シートガラスの幅方向の中心部を含む領域である中央領域と、を含む前記シートガラスを冷却する冷却工程と、
    を備え、
    前記冷却工程は、
    前記中心部の温度が徐冷点になるまで、前記中央領域を第1の平均冷却速度で冷却する第1冷却工程と、
    前記中心部の温度が前記徐冷点から歪点になるまで、前記中央領域を第2の平均冷却速度で冷却する第2冷却工程と、
    前記中心部の温度が前記歪点から前記歪点−100℃になるまで、前記中央領域を第3の平均冷却速度で冷却する第3冷却工程と
    を含み、
    前記第3の平均冷却速度は、前記第1の平均冷却速度及び前記第2の平均冷却速度より小さい、
    ガラス基板製造方法。
  2. ダウンドロー法によって、熔融ガラスをシートガラスに成形する成形工程と、
    前記シートガラスの側部に形成された耳部と前記耳部よりもシートガラスの幅方向の中心部に近い中央領域とを含む前記シートガラスを冷却する冷却工程と
    を備え、
    前記冷却工程は、
    前記シートガラスの幅方向の中心部の温度が徐冷点になるまで、前記中央領域を第1の平均冷却速度でシートガラスを冷却する第1冷却工程と、
    前記中心部の温度が前記徐冷点から歪点になるまで、前記中央領域を第2の平均冷却速度でシートガラスを冷却する第2冷却工程と、
    前記中心部の温度が前記歪点から前記歪点−100℃になるまで、前記中央領域を第3の平均冷却速度でシートガラスを冷却する第3の冷却工程と
    を含み、
    前記第3の平均冷却速度は、前記第1の平均冷却速度及び前記第2の平均冷却速度より小さい、
    ガラス基板製造方法。
  3. 前記第3の平均冷却速度と前記第2の平均冷却速度の比は、0.2以上1未満である、
    請求項1または2に記載のガラス基板製造方法。
  4. 前記冷却工程において、少なくとも前記第1の平均冷却速度、前記第2の平均冷却速度および前記第3の平均冷却速度は、前記シートガラスの熱収縮率が目標値を達成するように、コンピュータシミュレーションに基づいて予め決定される、
    請求項1から3の何れか1項に記載のガラス基板製造方法。
  5. 前記歪点は、680℃以上である、
    請求項1から4の何れか1項に記載のガラス基板製造方法。
  6. 前記第2の平均冷却速度は、0.8℃/秒〜5.0℃/秒であり、
    前記第3の平均冷却速度は、0.5℃/秒〜4.0℃/秒である、
    請求項1から5の何れか1項に記載のガラス基板製造方法。
  7. 前記冷却工程で冷却された前記シートガラスから得られたガラス基板の熱収縮率であって、前記ガラス基板を常温から10℃/分で昇温し、550℃で60分保持し、その後、10℃/分で常温まで降温し、再び10℃/分で昇温し、550℃で60分保持し、その後、10℃/分で常温まで降温した時の熱収縮率が、前記ガラス基板の板厚が0.5mm〜1.0mmの場合において70ppm以下である、
    請求項1から6の何れか1項に記載のガラス基板製造方法。
  8. ガラス原料を熔融して熔融ガラスを製造する熔融装置と、
    前記熔融ガラスをシートガラスに成形し、前記シートガラスの幅方向の両端部の領域である側部と、前記側部よりも前記シートガラスの幅方向内側にあり、前記シートガラスの幅方向の中心部を含む領域である中央領域と、を含む前記シートガラスを冷却する成形装置と、
    を備え、
    前記成形装置は、
    前記中心部の温度が徐冷点になるまで、前記中央領域を第1の平均冷却速度で冷却し、
    前記中心部の温度が前記徐冷点から歪点になるまで、前記中央領域を第2の平均冷却速度で冷却し、
    前記中心部の温度が前記歪点から前記歪点−100℃になるまで、前記中央領域を第3の平均冷却速度で冷却し、
    前記第3の平均冷却速度は、前記第1の平均冷却速度及び前記第2の平均冷却速度より小さい、
    ガラス基板製造装置。
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