JP5814551B2 - 発泡成形体 - Google Patents
発泡成形体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5814551B2 JP5814551B2 JP2011008951A JP2011008951A JP5814551B2 JP 5814551 B2 JP5814551 B2 JP 5814551B2 JP 2011008951 A JP2011008951 A JP 2011008951A JP 2011008951 A JP2011008951 A JP 2011008951A JP 5814551 B2 JP5814551 B2 JP 5814551B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thermally expandable
- shell
- weight
- molded article
- parts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
Description
しかしながら、これらの方法で得られる発泡成形体には、クッション性は良好であるが繰り返し圧縮に対する耐疲労性が充分に得られないという問題があり、また、成形体としての強度が低く、使用時に成形体表面が膨れたり、引き裂かれたり、剥がれたりすることもある。
しかしながら、特許文献1に記載の防振材であっても、依然として繰り返し圧縮に対する耐疲労性は充分には得られていない。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、基材樹脂中に、ポリマーを含有するシェルにコア剤として揮発性液体を内包する熱膨張性マイクロカプセルが熱膨張することにより形成された気泡が分散した発泡成形体において、熱膨張後の熱膨張性マイクロカプセルのシェルと、基材樹脂との密着性を高めることにより、シェルが補強材として充分に機能し、繰り返し圧縮に対する耐疲労性を大きく向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記基材樹脂は、発泡成形に通常用いられる基材樹脂であれば特に限定されないが、ゴム又は熱可塑性エラストマーが好ましい。
本明細書中、ゴムとは、室温において弾性を示す高分子物質を意味する。上記ゴムは特に限定されず、天然ゴム(NR)であってもよく、合成ゴムであってもよい。上記合成ゴムとして、例えば、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンアクリロゴム(CR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エピクロロヒドリンゴム(CO、ECO)、多硫化ゴム(T)等が挙げられる。これらのなかでは、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンアクリロゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)が好ましい。
上記熱膨張性マイクロカプセルは、加熱により、上記シェルが可塑化するとともに上記コア剤が気化して蒸気圧が高くなり、膨張する。そのため、上記基材樹脂に上記熱膨張性マイクロカプセルを加えて発泡成形することにより、得られる発泡成形体には、上記熱膨張性マイクロカプセルが熱膨張することによって形成された気泡が分散することとなる。このような気泡は熱膨張後の上記熱膨張性マイクロカプセルのシェルにより形成されており、これにより、本発明の発泡成形体は、繰り返し圧縮に対する耐疲労性に優れる。
上記ニトリル系モノマーは特に限定されず、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマルニトリル、又は、これらの混合物等が挙げられる。これらのなかでは、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルが特に好ましい。
上記カルボキシル基を有するモノマーは特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等の不飽和モノカルボン酸が挙げられる。これらのなかでは、アクリル酸、及び、ガラス転移温度の高いポリマーを得ることのできるメタクリル酸が好ましい。
これらの場合、成形時の加熱によってアクリロニトリル又はメタクリロニトリルに含まれるニトリル基と、アクリル酸又はメタクリル酸に含まれるカルボキシル基との環化反応が進行し、ポリアクリルイミド構造又はポリメタクリルイミド構造が形成されるため、上記シェルは、高い耐熱性と耐久性とを有する。
また、これらの場合には、ニトリル基を有する成分とカルボキシル基を有する成分との他の組み合わせの場合と比べて、上記ポリマーを得る際の共重合反応の反応性、及び、環化反応の反応性が高く、ポリアクリルイミド構造又はポリメタクリルイミド構造が形成されやすいと推測される。
上記ニトリル系モノマーの配合量100重量部に対する上記カルボキシル基を有するモノマーの配合量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は70重量部である。
この場合、成形時の加熱によってカルボキシル基と、カルボキシル基と反応可能な官能基との反応が進行し、上記シェルが高度に架橋されるため、上記シェルは、高い耐熱性と耐久性とを有する。
上記ニトリル系モノマーの配合量100重量部に対する上記カルボキシル基と反応可能な官能基を有するモノマーの配合量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は10重量部である。
上記他のモノマーとして、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、分子量が200〜600のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアリルホルマールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、上記他のモノマーとして、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ジシクロペンテニルアクリレート等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、イソボルニルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン等のビニルモノマー等も挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ニトリル系モノマーの配合量100重量部に対する上記他のモノマーの配合量のより好ましい上限は30重量部である。
上記シェルは、上記ポリマーが上記カルボキシル基を有するモノマーに由来する成分を有する場合には、熱硬化性樹脂を含有することが好ましい。
この場合、成形時の加熱によってカルボキシル基と、熱硬化性樹脂との反応が進行し、上記シェルが高度に架橋されるため、上記シェルは、高い耐熱性と耐久性とを有する。
上記エポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記シェル中の上記熱硬化性樹脂の含有量のより好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は10重量%である。
ただし、上記ポリマーを得る際にカルボキシル基と、カルボキシル基と反応可能な官能基との反応が進行してしまうことによってその後の熱膨張が阻害されることを避けるためには、上記ポリマーが上記カルボキシル基と反応可能な官能基を有するモノマーに由来する成分を有するよりも、上記シェルが上記熱硬化性樹脂を含有することがより好ましい。
上記熱膨張性マイクロカプセルの熱耐久性のより好ましい下限は55℃である。
上記熱膨張性マイクロカプセルの最大発泡変位のより好ましい下限は800μmである。
例えば、上記基材樹脂としてエステル系エラストマーを用いる場合には、エステル系エラストマーとメタクリル酸とは溶解度パラメータが近く、親和性が高いことから、上記シェルに含まれるポリマーがメタクリル酸に由来する成分を有することが好ましい。
例えば、上記基材樹脂として、カルボキシル基を有するエステル系エラストマー又はアミド基を有するアミド系エラストマーを用いる場合には、上記シェルに含まれるポリマーが、カルボキシル基又はアミド基と化学反応性を有する、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂、或いは、グリシジル(メタ)アクリレートに由来する成分を含むことが好ましい。
上記気泡の平均直径のより好ましい下限は70μm、より好ましい上限は200μmである。
上記気泡の直径のCV値のより好ましい上限は40%である。
平均直径=(Σdi)/n (1)
直径のCV値(%)=(直径の標準偏差/平均直径)×100 (2)
平均密着性指数が7以上であると、熱膨張後の上記熱膨張性マイクロカプセルのシェルと、上記基材樹脂との密着性が高く、熱膨張後の上記熱膨張性マイクロカプセルのシェルが補強材として充分に機能できることから、本発明の発泡成形体は、繰り返し圧縮に対する耐疲労性に優れる。
熱膨張後の上記熱膨張性マイクロカプセルのシェルと、上記基材樹脂との平均密着性指数は8以上であることが好ましく、9以上であることがより好ましい。
なお、熱膨張後の上記熱膨張性マイクロカプセルのシェルと、上記基材樹脂との平均密着性指数の上限は特に限定されず、最大値である10に近いほど好ましい。
各気泡の密着性指数=(A/B)×10 (3)
なお、熱膨張後の熱膨張性マイクロカプセルのシェルのうち基材樹脂に密着している部分の長さA、及び、その熱膨張後の熱膨張性マイクロカプセルが配置しているセルの円周方向の長さBは、例えば、紙に印刷出力した気泡の断面観察画像において自在曲線定規を計測箇所に沿わせることにより計測することができる。
例えば、図5(b)おいては長さB(実線)とC(点線)とは半分程度重なっており、一方、図10(b)においては長さB(実線)とC(点線)とはほぼ全体が重なっている。即ち、図5に示す気泡よりも図10に示す気泡のほうが、熱膨張後の熱膨張性マイクロカプセルのシェルと、基材樹脂との密着性が高い。
本明細書における平均密着性指数とは、このような熱膨張後の熱膨張性マイクロカプセルのシェルと、基材樹脂との密着性を示す指標である。なお、図1〜10の(b)に示された気泡に記載された数字は、その気泡の密着性指数を示している。
本発明の発泡成形体の、直径20mmの圧子で、下限設定165N、上限設定661Nのサイクル加重を300万サイクルかけたときの耐疲労性のより好ましい上限は8%である。
耐疲労性(%)=(疲労後静剛度−静剛度)/静剛度×100 (4)
本発明の発泡成形体の静剛度のより好ましい上限は30N/mmである。
本発明の発泡成形体の動剛度のより好ましい上限は40N/mmである。
発泡成形する際の成形方法は特に限定されず、例えば、押出成形、射出成形、プレス成形等が挙げられる。また、発泡成形する際のスクリューの形状及び回転数は特に限定されず、スクリューの回転による剪断力と滞留時間とを考慮して適宜設計すればよい。
上記熱膨張性マイクロカプセルの配合量は、上記基材樹脂100重量部に対するより好ましい下限が1.5重量部、より好ましい上限が8重量部である。
上記化学発泡剤の配合量は、発泡成形体の繰り返し圧縮に対する耐疲労性を損なわないためには、上記熱膨張性マイクロカプセル100重量部に対する好ましい上限が50重量部である。
重合反応容器に、水250重量部と、分散安定剤としてコロイダルシリカ(旭電化社製、20重量%)25重量部及びポリビニルピロリドン(BASF社製)0.8重量部と、塩化ナトリウム90重量部とを投入し、水性分散媒体を調製した。
次いで、アクリロニトリル(AN)30重量部、メタクリロニトリル(MAN)50重量部及びメタクリル酸(MAA)20重量部と、熱硬化性樹脂としてN,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)アニリン0.2重量部及び4,4’−イソプロピリデンジフェノールと1−クロロ−2,3−エポキシプロパンとの重縮合物1重量部と、水酸化亜鉛0.3重量部と、揮発性液体としてペンタン27重量部及びイソオクタン5重量部と、重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.8重量部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.6重量部とからなる油性混合物を水性分散媒体に添加し、懸濁させて、分散液を調製した。
得られた分散液をホモジナイザーで攪拌混合し、窒素置換した加圧重合器内へ仕込み、加圧(0.5MPa)しながら60℃で6時間、80℃で5時間反応させることにより、反応生成物を得た。得られた反応生成物について、ろ過と水洗を繰り返した後、乾燥することにより、熱膨張性マイクロカプセルAを得た。
重合反応容器に、水250重量部と、分散安定剤としてコロイダルシリカ(旭電化社製、20重量%)25重量部及びポリビニルピロリドン(BASF社製)0.8重量部と、塩化ナトリウム90重量部とを投入し、水性分散媒体を調製した。
次いで、アクリロニトリル(AN)50重量部、メタクリロニトリル(MAN)30重量部及びアクリル酸(AA)20重量部と、揮発性液体としてペンタン27重量部及びイソオクタン5重量部と、重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.8重量部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.6重量部とからなる油性混合物を水性分散媒体に添加し、懸濁させて、分散液を調製した。
得られた分散液をホモジナイザーで攪拌混合し、窒素置換した加圧重合器内へ仕込み、加圧(0.5MPa)しながら60℃で6時間、80℃で5時間反応させることにより、反応生成物を得た。得られた反応生成物について、ろ過と水洗を繰り返した後、乾燥することにより、熱膨張性マイクロカプセルBを得た。
重合反応容器に、水250重量部と、分散安定剤としてコロイダルシリカ(旭電化社製、20重量%)25重量部及びポリビニルピロリドン(BASF社製)0.8重量部と、塩化ナトリウム90重量部とを投入し、水性分散媒体を調製した。
次いで、アクリロニトリル(AN)60重量部及びメタクリロニトリル(MAN)40重量部と、揮発性液体としてペンタン27重量部及びイソオクタン5重量部と、重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.8重量部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.6重量部とからなる油性混合物を水性分散媒体に添加し、懸濁させて、分散液を調製した。
得られた分散液をホモジナイザーで攪拌混合し、窒素置換した加圧重合器内へ仕込み、加圧(0.5MPa)しながら60℃で6時間、80℃で5時間反応させることにより、反応生成物を得た。得られた反応生成物について、ろ過と水洗を繰り返した後、乾燥することにより、熱膨張性マイクロカプセルCを得た。
重合反応容器に、水250重量部と、分散安定剤としてコロイダルシリカ(旭電化社製、20重量%)25重量部及びポリビニルピロリドン(BASF社製)0.8重量部と、塩化ナトリウム90重量部とを投入し、水性分散媒体を調製した。
次いで、アクリロニトリル(AN)20重量部、メタクリロニトリル(MAN)30重量部、メタクリル酸メチル(MMA)40重量部及びメタクリル酸(MAA)10重量部と、揮発性液体としてペンタン27重量部及びイソオクタン5重量部と、重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.8重量部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.6重量部とからなる油性混合物を水性分散媒体に添加し、懸濁させて、分散液を調製した。
得られた分散液をホモジナイザーで攪拌混合し、窒素置換した加圧重合器内へ仕込み、加圧(0.5MPa)しながら60℃で6時間、80℃で5時間反応させることにより、反応生成物を得た。得られた反応生成物について、ろ過と水洗を繰り返した後、乾燥することにより、熱膨張性マイクロカプセルDを得た。
製造例で得られた熱膨張性マイクロカプセルについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
熱機械分析装置(TMA)(TAinstruments社製「TMA2940」)を用いて、熱膨張性マイクロカプセルの熱耐久性(最大発泡変位(Dmax)の1/2の変位を得られる温度幅、ΔT1/2)を測定した。
具体的には、熱膨張性マイクロカプセル25μgを直径7mm、深さ1mmのアルミ製容器に入れ、上から0.1Nの力を加えた状態で、5℃/分の昇温速度で80℃から300℃まで加熱し、測定端子の垂直方向における変位を測定した。変位が上がりはじめ、最大発泡変位の1/2に到達する温度をT1/2、その後、最大発泡変位(Dmax)をむかえ、変位が下がりはじめ、再び最大発泡変位の1/2に到達する温度をT1/2*とする。このとき、下記式(5)により、熱耐久性(最大発泡変位(Dmax)の1/2の変位を得られる温度幅、ΔT1/2)を算出した。
ΔT1/2=T1/2*−T1/2 (5)
表2又は3に示す粉体状又はペレット状のマスターバッチ用基材樹脂100重量部と、滑剤としてステアリン酸10重量部とをコニカル二軸押出機(永田製作所製「OSC−30」)で混練し、約100℃になったところで表2又は3に示す発泡剤100重量部を添加し、更に30秒間混練した後、押し出すと同時にペレット化し、マスターバッチペレットを得た。
なお、表2又は3において、PEとは低密度ポリエチレン樹脂(旭化成社製「サンファインPAK00720」)を意味し、EMMAとはエチレン−メタクリル酸メチル共重合体を意味し、EVAとはエチレン−酢酸ビニル共重合体を意味する。
熱膨張後の熱膨張性マイクロカプセルのシェルのうち基材樹脂に密着している部分の長さA、及び、その熱膨張後の熱膨張性マイクロカプセルが配置しているセルの円周方向の長さBは、紙に印刷出力した気泡の断面観察画像において自在曲線定規を計測箇所に沿わせることにより計測した。
実施例及び比較例で得られた発泡成形体について以下の評価を行った。結果を表2又は3に示した。
なお、図11、12及び13の(a)に、それぞれ、実施例1、2及び比較例3で得られた発泡成形体の断面の電子顕微鏡写真を、(b)に、(a)の電子顕微鏡写真に対して、熱膨張後の熱膨張性マイクロカプセルが配置しているセルの円周方向の長さBを実線で、熱膨張後の熱膨張性マイクロカプセルのシェルの円周方向の長さCを点線でなぞった写真を示した。図11、12及び13の(b)に示された気泡に記載された数字は、その気泡の密着性指数を示している。
以下のように発泡成形体の静剛度及び動剛度を求めることにより、クッション性を評価した。
(1−1)静剛度の測定
発泡成形体の表面に圧子(ステンレス製、Φ15mm×10mmの円柱状)を置き、このときの圧子の高さを0とした。静的材料試験機(「EZGraph」、島津製作所社製)を用いて、圧子に91.5Nの加重を60秒与えたときの圧子の変位(S1)を測定し、その後、圧子に320Nの加重を60秒与えたときの変位(S2)を測定し、下記式(6)から静剛度を算出した。
静剛度(N/mm)=(320−91.5)/(S2−S1) (6)
発泡成形体の表面に圧子(ステンレス製、Φ15mm×10mmの円柱状)を置き、このときの圧子の高さを0とした。テンシロン万能材料試験(「UTA−500」、エーアンドディー社製)を用いて、圧子に下限設定91.5N、上限設定320Nのサイクル加重を1000サイクルかけ、900サイクルから1000サイクルまでの上限加重での平均加重(FU)と圧子の平均変位(SU)、及び、下限加重での平均加重(FD)と圧子の平均変位(SD)を測定し、下記式(7)から動剛度を算出した。
動剛度(N/mm)=(FU−FD)/(SU−SD) (7)
発泡成形体の表面に圧子(Φ20mm)を置き、繰り返し疲労性試験機(島津製作所社製)を用いて、圧子に下限設定165N、上限設定661Nのサイクル加重を300万サイクルかけた。その後、300万サイクル後の成形体の静剛度を測定し、上記式(4)から耐疲労性を算出した。
Claims (8)
- 基材樹脂中に気泡が分散した発泡成形体であって、
前記基材樹脂は、熱可塑性エラストマーであり、
前記気泡は、ポリマーを含有するシェルにコア剤として揮発性液体を内包する熱膨張性マイクロカプセルが熱膨張することにより形成されるものであり、
発泡成形体の静剛度が35N/mm以下、動剛度が45N/mm以下であり、
熱膨張後の前記熱膨張性マイクロカプセルのシェルと、前記基材樹脂との平均密着性指数が7以上であり、
前記熱膨張性マイクロカプセルは、シェルが熱硬化性樹脂を含有する
ことを特徴とする発泡成形体。 - 熱膨張性マイクロカプセルは、シェルに含まれるポリマーが、アクリル酸に由来する成分又はメタクリル酸に由来する成分を有することを特徴とする請求項1記載の発泡成形体。
- 熱膨張性マイクロカプセルは、シェルに含まれるポリマーが、更に、カルボキシル基と反応可能な官能基を有するモノマーに由来する成分を有することを特徴とする請求項1又は2記載の発泡成形体。
- 熱膨張性マイクロカプセルは、シェルに含まれるポリマーが、アクリロニトリルに由来する成分とアクリル酸に由来する成分とを有することを特徴とする請求項1又は2記載の発泡成形体。
- 熱膨張性マイクロカプセルは、シェルに含まれるポリマーが、メタクリロニトリルに由来する成分とメタクリル酸に由来する成分とを有することを特徴とする請求項1又は2記載の発泡成形体。
- 熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の発泡成形体。
- 直径20mmの圧子で、下限設定165N、上限設定661Nのサイクル加重を300万サイクルかけたときの耐疲労性が10%以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の発泡成形体。
- 熱膨張性マイクロカプセルは、熱耐久性が50℃以上であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の発泡成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011008951A JP5814551B2 (ja) | 2011-01-19 | 2011-01-19 | 発泡成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011008951A JP5814551B2 (ja) | 2011-01-19 | 2011-01-19 | 発泡成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012149173A JP2012149173A (ja) | 2012-08-09 |
JP5814551B2 true JP5814551B2 (ja) | 2015-11-17 |
Family
ID=46791741
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011008951A Active JP5814551B2 (ja) | 2011-01-19 | 2011-01-19 | 発泡成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5814551B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6496205B2 (ja) * | 2014-08-29 | 2019-04-03 | 積水化学工業株式会社 | 熱膨張性マイクロカプセル |
JP6441653B2 (ja) * | 2014-11-26 | 2018-12-19 | 積水化学工業株式会社 | 熱膨張性マイクロカプセル及びスタンパブルシート成形体 |
TWI778957B (zh) * | 2016-03-30 | 2022-10-01 | 大陸商贏創特種化學(上海)有限公司 | 包含聚(甲基)丙烯醯亞胺發泡體粒子的聚合物混合物 |
JP6735936B2 (ja) * | 2018-07-20 | 2020-08-05 | 松本油脂製薬株式会社 | 熱膨張性微小球及びその用途 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6019033A (ja) * | 1983-07-12 | 1985-01-31 | Matsumoto Yushi Seiyaku Kk | 中空マイクロバル−ンおよびその製法 |
JP5150042B2 (ja) * | 2004-07-02 | 2013-02-20 | 積水化学工業株式会社 | 独立気泡成形体用樹脂組成物及び独立気泡成形体 |
JP5398174B2 (ja) * | 2008-05-30 | 2014-01-29 | 株式会社イックス | 樹脂発泡シート、該樹脂発泡シートを備えた積層樹脂シートおよびその製造方法 |
-
2011
- 2011-01-19 JP JP2011008951A patent/JP5814551B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012149173A (ja) | 2012-08-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101848104B1 (ko) | 열팽창성 마이크로 캡슐 | |
JP5787763B2 (ja) | 発泡性樹脂組成物及び発泡成形体 | |
JP6582142B2 (ja) | 発泡成形用マスターバッチ及び発泡成形体 | |
JP5814551B2 (ja) | 発泡成形体 | |
JP5227479B2 (ja) | 発泡成形用樹脂組成物 | |
JP5427529B2 (ja) | 発泡粒子及び発泡成形体の製造方法 | |
JP5731297B2 (ja) | 発泡成形体 | |
JP2013076032A (ja) | 熱膨張性マイクロカプセルの製造方法 | |
JP2012158618A (ja) | 発泡成形体 | |
JP6523576B1 (ja) | 発泡成形用マスターバッチ及び発泡成形体 | |
JP5731722B1 (ja) | 熱膨張性マイクロカプセル | |
TW202116956A (zh) | 發泡體及發泡體之製造方法 | |
TWI846945B (zh) | 發泡體及發泡體之製造方法 | |
CN114341240B (zh) | 发泡体及发泡体的制造方法 | |
JP5731110B2 (ja) | 発泡粒子、発泡性組成物、及び、発泡成形体の製造方法 | |
CN114302910A (zh) | 发泡体及发泡体的制造方法 | |
TW202116892A (zh) | 發泡體及發泡體之製造方法 | |
JP5740464B2 (ja) | 発泡性組成物、及び、発泡成形体の製造方法 | |
JP5738502B1 (ja) | 熱膨張性マイクロカプセル | |
JP2013053275A (ja) | 熱膨張性マイクロカプセルの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131016 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140528 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140603 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140731 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150127 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150312 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150901 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150918 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5814551 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |