IL−1R1を対象とする結合構成要素は、国際公開第WO2004/022718号、国際公開第WO2005/023872号、国際公開第WO2007/063311号、国際公開第WO2007/063308号、および国際公開第WO2006/059108号の、国際特許出願で開示されている。
別の実施形態では、本発明は、単離結合構成要素、例えば、IL−1R1への結合に対してIL−1Raと競合する、IL−1R1に対して特異的な抗体を提供する。
別の実施形態では、本発明は、IL−1R1への結合に対してIL−1およびIL−1Raと競合し、KinexaTMによって測定された時に10pM以下のKDでIL−1R1に結合する、IL−1R1に対して特異的な単離結合構成要素を提供する。一実施形態では、IL−1は、IL−1αに関し、別の実施形態では、Il−1は、IL−1βに関する。別の実施形態では、Il−1は、IL−1αおよびIL−1βの両方に関する。
IL−1およびIL1Raの両方の結合を遮断する抗体が、特に有効であると考えられる。IL−1の非存在下では、IL−1R1は、約11時間のt1/2で内在化するが、IL−1の存在下では、受容体は、t1/2が約1.5時間であるように、より急速な内在化を受ける[33、34]。対照的に、IL−1Raは、IL−1R1に結合するが、受容体の増加した内在化を誘発しない[35]。IL−1R1は、内在化されると、直ちに膜表面に再循環されることはなく[33]、それにより、IL−1と同様なエピトープに結合する抗体のみが直ちに内在化され得、結果としてエンドソーム経路の中へ運ばれ得、この受容体介在クリアランス機構を介して、より高いクリアランス率を受け得ることが可能である。IL−1raとより類似するエピトープに対する抗体は、受容体内在化率を増加させることの影響を受けにくい可能性があり、受容体介在機構を介した、増加したクリアランスを受け得ず、したがって、おそらく、ヒトIgGに特有の循環クリアランスおよび半減期を有する可能性が高い。国際公開第WO2004/022718は、IL−1およびIL−1Raの両方のIL−1R1に対する結合を遮断した抗体のクラスを開示したが、このクラスは、Il−1Rの第3のドメインに結合し、Il−1β結合を防止した、開示されている好ましい種類の抗体よりはるかに効能が低かった。それとは異なり、本発明の抗体は、IL−1およびIl−1RaのIL−1R1に対する結合を遮断し、高親和性でIL−1R1に結合することができる。
本発明の別の実施形態では、30pMのIL−1βの存在下でヒト全血中のIL−1β誘発IL−6産生の阻害に対して、少なくとも6人の異なるドナーから平均化された、1nM未満の平均IC50を有する、IL−1R1に対して特異的な単離結合構成要素が提供される。さらなる実施形態では、平均IC50は、少なくとも10、15、または20人の異なるドナーから平均化される。さらなる実施形態では、平均IC50は、800pM未満、700pM未満、600pM未満、500pM未満、400pM未満、300pM未満、300pM未満、200pM未満、100pM未満、または50pM未満である。
本発明の結合構成要素は、IL−1R1に結合し、高い有効性でIL−1R1を中和する。中和は、IL−1R1の生物活性の阻害を意味する。本発明の結合構成要素は、IL−1R1の1つ以上の生物活性を中和することができ、典型的には、本発明の結合構成要素は、IL1αおよびIL1βのIL−1R1に対する結合を阻害する。
本発明の結合構成要素はまた、ヒト以外の種で自然発生するIL−1R1相同分子種を意味する、非ヒトIL−1R1に結合し、中和することができる。
本発明の結合構成要素は、通常、他のタンパク質と比べてIL−1R1に対して特異的であり、したがって、選択的にIL−1R1に結合する。そのような選択性は、例えば、標準競合アッセイで判定または実証することができる。
本発明の結合構成要素によるIL−1R1の中和を測定するための好適なアッセイは、例えば、リガンド受容体生化学アッセイ、および表面プラズモン共鳴(SPR)(例えば、BIACORETM)を含む。
ヒトIL−1R1に対するIL−1R1結合構成要素の結合動態および親和性(平衡解離定数KDとして表される)は、例えば、表面プラズモン共鳴(BIACORETM)を使用して判定される。本発明の結合構成要素は、通常、約1nM未満のヒトIL−1R1に対する親和性(KD)を有し、いくつかの実施形態では、約100pM未満のKDを有し、他の実施形態では、50pM未満のKDを有し、他の実施形態では、25pM未満のKDを有し、他の実施形態では、10pM未満のKDを有し、他の実施形態では、5pM未満のKDを有し、他の実施形態では、3pM未満のKDを有し、他の実施形態では、1pM未満のKDを有する。
いくつかの方法が、抗体の、その抗原に対する結合親和性の測定に利用可能であり、そのような方法の1つは、KinExATMである。Kinetic Exclusion Assay(KinExATM)は、抗原/抗体相互作用に対する平衡解離定数、ならびに会合および解離速度定数を測定することができる、汎用免疫測定プラットフォーム(基本的にはフロー蛍光分光計)である。KinExATMは、平衡が得られた後に実施されるため、相互作用のオフ速度が非常に遅い場合がある、高親和性相互作用のKDを測定するために使用する有利な技法である。KinExATMの使用は、抗体および抗原の親和性が、表面プラズモン共鳴分析によって正確に予測できるよりも高い場合に、特に適切である。KinExATM方法論は、Drake et al(2004)Analytical Biochemistry 328,35−43で説明されているように行うことができる。
本発明の一実施形態では、本発明の結合構成要素は、KinExATM法を使用して測定した時に300pM以下のKDでIL−1Rに対して特異的である。あるいは、200pM以下、100pM以下、50pM以下、20pM以下、10pM以下、5pM以下、3pM以下、1pM以下のKDである。
生物活性の阻害は、部分的または完全であり得る。結合構成要素は、CYNOM−K1細胞中のIL−1β誘発によるIL−8放出、またはHeLa細胞中のIL−1αおよびIL−1β誘発によるIL−8放出等の、IL−1R1生物活性を、100%、あるいは、結合構成要素の非存在下で最大可能活性の50%または80%を誘発するIL−1αまたはβの濃度の活性の少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、または少なくとも50%だけ、阻害し得る。
結合構成要素の中和能力は、通常、他に記述がない限り、nM単位のIC50値として表される。機能アッセイでは、IC50は、その最大値の50%だけ生物学的反応を低減する、結合構成要素の濃度である。リガンド結合試験では、IC50は、最大特異的結合レベルの50%だけ受容体結合を低減する濃度である。IC50は、結合構成要素濃度の対数の関数として、最大生物学的応答に対する%をプロットし、Prism(GraphPad Software Inc.,La Jolla,CA,USA)等のソフトウェアプログラムを使用して、シグモイド関数をデータに当てはめてIC50値を生成することによって、計算することができる。効能は、当業者に公知である、および/または本明細書で説明あるいは参照される、1つ以上のアッセイを使用して、判定または測定することができる。結合構成要素の中和効能は、Geomean(幾何平均)として表すことができる。
本明細書で説明されるアッセイにおける結合構成要素によるIL−1R1活性の中和は、結合構成要素がIL−1R1に結合して中和することを示す。IL−1R1への結合構成要素の結合を決定するために使用できる他の方法は、ELISA、ウェスタンブロット法、免疫沈降、親和性クロマトグラフィ、および生化学アッセイを含む。
本発明の結合構成要素は、他の種のIL−1R1よりもヒトIL−1R1に対して同様または強い親和性を有し得る。ヒトIL−1R1に対する結合構成要素の親和性は、カニクイザルIL−1R1に対するものと同様であるか、または、例えば、5または10倍以内であり得る。あるいは、結合構成要素は、ヒトおよびカニクイザルIL−1R1に対して同様の親和性を有し得る。
本発明の結合構成要素は、1つ以上のCDR、例えば、骨格内の「一式のCDR」を含む、IL−1R1結合モチーフを含む。一式のCDRは、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3から選択される、1つ以上のCDRを含む。一実施形態では、一式のCDRは、HCDR1、HCDR2、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3から選択される、1つ以上のCDR、例えば、表2の中のHCDR1、HCDR2、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3から選択される、1つ以上のCDRと随意的に組み合わせられた、表2の中のHCDR3を含む。本発明の別の実施形態では、一式のCDRは、HCDR1、HCDR2、LCDR1、およびLCDR2から選択される、1つ以上のCDR、例えば、表2の中のHCDR1、HCDR2、LCDR1、およびLCDR2から選択される、1つ以上のCDRと随意的に組み合わせられた、表2の中のHCDR3およびLCDR3を含む。本発明の別の実施形態では、一式のCDRは、表2の中のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含む。表2の中の同じ抗体から1つ以上のCDRを選択することが好ましいが、CDRは、表2に記載された1つ以上の抗体から選択されてもよい。
別の実施形態では、本発明の結合構成要素、例えば、抗体は、例えば、表1aおよび1bで開示されるような、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3から選択される1つ以上のCDRを含む、IL−1R1結合モチーフを含み、該結合構成要素は、IL−1R1に特異的に結合する。
別の実施形態では、本発明の結合構成要素、例えば、抗体は、例えば、表1aおよび1bで開示されるような、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3から選択される1つ以上のCDRを含む、IL−1R1結合モチーフを含み、該結合構成要素は、IL−1R1に特異的に結合し、IL−1R1への結合に対してIL−1βおよびIL−1Raと競合し、Kinexa(登録商標)によって測定された時に10pM以下のKDでIL−1R1に結合する。
本明細書で説明されるように、表1aに示される一式のCDR配列を有する親抗体分子を単離した(抗体1を参照)。最適化の過程を通して、親CDR配列に由来するCDR配列を伴い、表1で示された位置に修飾を有する、2〜3と番号付けられた抗体クローンの一団を生成した。したがって、例えば、抗体2は、親HCDR1、HCDR2、LCDR1、およびLCDR2を有し、Kabat残基100EがTと置き換えられ、Kabat残基100FがVと置き換えられ、Kabat残基100GがDと置き換えられ、Kabat残基100HがAと置き換えられ、Kabat残基100IがAと置き換えられ、Kabat残基101がVと置き換えられ、Kabat残基102がDと置き換えられる、親HCDR3配列を有することが、表1aから分かる。
本明細書で説明されるように、表1bに示される一式のCDR配列を有する第2の親抗体分子を単離した(抗体4を参照)。最適化の過程を通して、親CDR配列に由来するCDR配列を伴い、表1bで示された位置に修飾を有する、5〜10と番号付けられた抗体クローンの一団を生成した。したがって、例えば、抗体5は、親HCDR1、HCDR2、LCDR1、およびLCDR2を有し、Kabat残基100AがAと置き換えられ、Kabat残基100BがPと置き換えられ、Kabat残基100CがPと置き換えられ、Kabat残基100DがPと置き換えられ、Kabat残基100EがLと置き換えられ、Kabat残基100FがGと置き換えられ、Kabat残基100IがGと置き換えられる、親HCDR3配列を有することが、表1bから分かる。また、抗体6は、親HCDR1、HCDR2、LCDR1、およびLCDR2を有し、Kabat残基100AがEと置き換えられ、Kabat残基100BがQと置き換えられ、Kabat残基100CがYと置き換えられ、Kabat残基100DがGと置き換えられ、Kabat残基100EがVと置き換えられ、Kabat残基100FがVと置き換えられ、Kabat残基100Jが欠失されており、Kabat残基101がFと置き換えられ、Kabat残基102がVと置き換えられる、親HCDR3配列を有することも、表1bから分かる。
本明細書では、表1a(抗体1)に示されるような親の一式のCDRを含む、結合構成要素が説明され、HCDR1は、配列番号93(Kabat残基31〜35)であり、HCDR2は、配列番号94(Kabat残基50〜65)であり、HCDR3は、配列番号95(Kabat残基95〜102)であり、LCDR1は、配列番号98(Kabat残基24〜34)であり、LCDR2は、配列番号99(Kabat残基50〜56)であり、LCDR3は、配列番号100(Kabat残基89〜97)である。本発明による結合構成要素はまた、表1aに示されるような親結合構成要素(抗体1)であり得、CDRのうちの1つ以上は、1つ以上のアミノ酸付加、置換、欠失、および/または挿入を有する。いくつかの実施形態では、結合構成要素は、抗体1の親配列に対して、1から12個の付加、置換、欠失、および/または挿入を有する、一式のCDRを含む。別の実施形態では、抗体1に対して、1から10個の付加、置換、欠失、および/または挿入である。別の実施形態では、抗体1の親配列に対して、1から5個の付加、置換、欠失、および/または挿入である。別の実施形態では、抗体1に対して、1から3個の付加、置換、欠失、および/または挿入である。
ある実施形態では、本発明の結合構成要素は、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、HCDR3は、1から7個のアミノ酸付加、置換、欠失、および/または挿入を随意的に有する、配列番号95のアミノ酸配列を有し、LCDR3は、1から5個のアミノ酸付加、置換、欠失、および/または挿入を随意的に有する、配列番号100のアミノ酸配列を有する。そのような実施形態では、HCDR1は、アミノ酸配列配列番号93を有してもよく、HCDR2は、アミノ酸配列配列番号94を有してもよく、LCDR1は、アミノ酸配列配列番号98を有してもよく、LCDR2は、アミノ酸配列配列番号99を有してもよい。代替として、HCDR1、HCDR2、LCDR1、およびLCDR2はまた、親配列(抗体1)に対して、1から10個の置換等の、1つ以上のアミノ酸付加、置換、欠失、および/または挿入をまとめて有してもよい。
本明細書では、表1b(抗体4)に示される親の一式のCDRを含む、結合構成要素が説明され、HCDR1は、配列番号103(Kabat残基31〜35)であり、HCDR2は、配列番号104(Kabat残基50〜65)であり、HCDR3は、配列番号105(Kabat残基95〜102)であり、LCDR1は、配列番号108(Kabat残基24〜34)であり、LCDR2は、配列番号109(Kabat残基50〜56)であり、LCDR3は、配列番号110(Kabat残基89〜97)である。本発明による結合構成要素はまた、表1bに示される親結合構成要素であってもよく、CDRのうちの1つ以上は、1つ以上のアミノ酸付加、置換、欠失、および/または挿入を有する。いくつかの実施形態では、結合構成要素は、抗体4の親配列に対して、1から15個の付加、置換、欠失、および/または挿入を有する、一式のCDRを含む。別の実施形態では、抗体4に対して、1から10個の付加、置換、欠失、および/または挿入である。別の実施形態では、抗体4の親配列に対して、1から5個の付加、置換、欠失、および/または挿入である。別の実施形態では、抗体4に対して、1から3個の付加、置換、欠失、および/または挿入である。
ある実施形態では、本発明の結合構成要素は、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、HCDR3は、1から9個のアミノ酸付加、置換、欠失、および/または挿入を随意的に有する、配列番号105のアミノ酸配列を有し、LCDR3は、1から6個のアミノ酸付加、置換、欠失、および/または挿入を随意的に有する、配列番号110のアミノ酸配列を有する。そのような実施形態では、HCDR1は、アミノ酸配列配列番号103を有してもよく、HCDR2は、アミノ酸配列配列番号104を有してもよく、LCDR1は、アミノ酸配列配列番号108を有してもよく、LCDR2は、アミノ酸配列配列番号109を有してもよい。代替として、HCDR1、HCDR2、LCDR1、およびLCDR2はまた、親配列(抗体4)に対して、1から10個の置換等の、1つ以上のアミノ酸付加、置換、欠失、および/または挿入をまとめて有してもよい。
本明細書では、表1bに示される抗体6の一式のCDRを含む、結合構成要素が説明され、HCDR1は、配列番号63(Kabat残基31〜35)であり、HCDR2は、配列番号64(Kabat残基50〜65)であり、HCDR3は、配列番号65(Kabat残基95〜102)であり、LCDR1は、配列番号68(Kabat残基24〜34)であり、LCDR2は、配列番号69(Kabat残基50〜56)であり、LCDR3は、配列番号70(Kabat残基89〜97)である。本発明による結合構成要素はまた、表1bに示される抗体6結合構成要素であってもよく、CDRのうちの1つ以上は、1つ以上のアミノ酸付加、置換、欠失、および/または挿入を有する。いくつかの実施形態では、結合構成要素は、抗体6の配列に対して、1から17個の付加、置換、欠失、および/または挿入を有する、一式のCDRを含む。別の実施形態では、抗体6に対して、1から10個の付加、置換、欠失、および/または挿入である。別の実施形態では、抗体6の配列に対して、1から5個の付加、置換、欠失、および/または挿入である。別の実施形態では、抗体6に対して、1から3個の付加、置換、欠失、および/または挿入である。別の実施形態では、抗体6に対して、1から2個の付加、置換、欠失、および/または挿入である。別の実施形態では、抗体6に対して、1個の付加、置換、欠失、および/または挿入である。
ある実施形態では、本発明の結合構成要素は、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、HCDR3は、1から11個のアミノ酸付加、置換、欠失、および/または挿入を随意的に有する、配列番号65のアミノ酸配列を有し、LCDR3は、1から6個のアミノ酸付加、置換、欠失、および/または挿入を随意的に有する、配列番号70のアミノ酸配列を有する。そのような実施形態では、HCDR1は、アミノ酸配列配列番号63を有してもよく、HCDR2は、アミノ酸配列配列番号64を有してもよく、LCDR1は、アミノ酸配列配列番号68を有してもよく、LCDR2は、アミノ酸配列配列番号69を有してもよい。代替として、HCDR1、HCDR2、LCDR1、およびLCDR2はまた、抗体6の配列に対して、1から10個の置換等の、1つ以上のアミノ酸付加、置換、欠失、および/または挿入をまとめて有してもよい。
本発明の結合構成要素は、本明細書で説明されるような1つのCDRまたはCDRの組み合わせを含んでもよい。例えば、本発明の結合構成要素は、配列番号93のアミノ酸配列を有するHCDR1と、配列番号94のアミノ酸配列を有するHCDR2と、配列番号95、5、または125から成る群より選択されるアミノ酸配列を有するHCDR3と、配列番号98のアミノ酸配列を有するLCDR1と、アミノ酸配列番号99を有するLCDR2と、配列番号100、10、または130から成る群より選択されるアミノ酸配列を有するLCDR3とを含んでもよい。
本発明の結合構成要素は、本明細書で説明されるような1つのCDRまたはCDRの組み合わせを含んでもよい。例えば、本発明の結合構成要素は、配列番号103のアミノ酸配列を有するHCDR1と、配列番号104のアミノ酸配列を有するHCDR2と、配列番号105、15、65、25、35、75、45、115、55、または85から成る群より選択されるアミノ酸配列を有するHCDR3と、配列番号108のアミノ酸配列を有するLCDR1と、配列番号109のアミノ酸配列を有するLCDR2と、配列番号110、20、70、30、40、80、50、120、60、または90から成る群より選択されるアミノ酸配列を有するLCDR3とを含んでもよい。
本発明の結合構成要素は、本明細書で説明されるような1つのCDRまたはCDRの組み合わせを含んでもよい。例えば、本発明の結合構成要素は、配列番号93のアミノ酸配列を有するHCDR1と、配列番号94のアミノ酸配列を有するHCDR2と、配列番号95、5、125、105、15、65、25、35、75、45、115、55、または85から成る群より選択されるアミノ酸配列を有するHCDR3と、配列番号98または108のアミノ酸配列を有するLCDR1と、配列番号99または109のアミノ酸配列を有するLCDR2と、配列番号:100、10、130、110、20、70、30、40、80、50、120、60、または90から成る群より選択されるアミノ酸配列を有するLCDR3とを含んでもよい。
ある実施形態では、本発明の結合構成要素またはVHドメインは、以下の置換または欠失のうちの1つ以上を伴う、抗体1HCDR3(配列番号95)を含んでもよい:
Tに置き換えられる、Kabat残基100E、
VまたはLに置き換えられる、Kabat残基100F、
Dに置き換えられる、Kabat残基100G、
AまたはPに置き換えられる、Kabat残基100H、
AまたはPに置き換えられる、Kabat残基100I、
VまたはGに置き換えられる、Kabat残基101、
DまたはVに置き換えられる、Kabat残基102。
ある実施形態では、本発明の結合構成要素またはVHドメインは、以下の置換または欠失のうちの1つ以上を伴う、抗体4HCDR3(配列番号105)を含む:
AまたはEに置き換えられる、Kabat残基100A、
P、Q、またはAに置き換えられる、Kabat残基100B、
P、Y、S、またはLに置き換えられる、Kabat残基100C、
P、G、またはAに置き換えられる、Kabat残基100D、
LまたはVに置き換えられる、Kabat残基100E、
G、V、またはPに置き換えられる、Kabat残基100F、
Vに置き換えられる、Kabat残基100G、
Yに置き換えられる、Kabat残基100H、
GまたはDに置き換えられる、Kabat残基100I、
Aに置き換えられるか、または欠失される、Kabat残基100J、
Fに置き換えられる、Kabat残基101、
Vに置き換えられる、Kabat残基102。
いくつかの実施形態では、結合構成要素、またはそのVLドメインは、以下の置換のうちの1つ以上を伴う、抗体1LCDR3(配列番号100)を含んでもよい:
HまたはAに置き換えられる、Kabat残基94、
Aに置き換えられる、Kabat残基95、
EまたはRに置き換えられる、Kabat残基95A、
QまたはVに置き換えられる、Kabat残基95B、
HまたはLに置き換えられる、Kabat残基97。
いくつかの実施形態では、結合構成要素、またはそのVLドメインは、以下の置換のうちの1つ以上を伴う、抗体4LCDR3(配列番号110)を含んでもよい:
A、V、D、H、L、またはRに置き換えられる、Kabat残基94、
G、R、またはAに置き換えられる、Kabat残基95、
G、L、A、V、またはDに置き換えられる、Kabat残基95A、
H、R、A、またはDに置き換えられる、Kabat残基95B、
H、P、またはAに置き換えられる、Kabat残基96、
H、V、またはQに置き換えられる、Kabat残基97。
ある実施形態では、本発明の結合構成要素またはVLドメインは、以下の置換または付加のうちの1つ以上を伴う、抗体6HCDR3(配列番号65)を含む:
GまたはAに置き換えられる、Kabat残基100A、
S、P、またはAに置き換えられる、Kabat残基100B、
D、P、S、またはLに置き換えられる、Kabat残基100C、
Y、P、またはAに置き換えられる、Kabat残基100D、
TまたはLに置き換えられる、Kabat残基100E、
T、G、またはPに置き換えられる、Kabat残基100F、
Vに置き換えられる、Kabat残基100G、
Yに置き換えられる、Kabat残基100H、
GまたはDに置き換えられる、Kabat残基100I、
AまたはFとして回復される、抗体6において欠失されるKabat残基100J、
Dに置き換えられる、Kabat残基101、
Iに置き換えられる、Kabat残基102。
いくつかの実施形態では、結合構成要素、またはそのVLドメインは、以下の置換のうちの1つ以上を伴う、抗体6LCDR3(配列番号70)を含んでもよい:
S、A、D、H、L、またはRに置き換えられる、Kabat残基94、
L、G、またはAに置き換えられる、Kabat残基95
S、G、A、V、またはDに置き換えられる、Kabat残基95A、
G、R、A、またはDに置き換えられる、Kabat残基95B、
S、P、またはAに置き換えられる、Kabat残基96、
L、H、またはQに置き換えられる、Kabat残基97。
一実施形態では、本発明は、一式のCDRを含む、結合構成要素であり、HCDR1は、アミノ酸配列番号3を有し、HCDR2は、アミノ酸配列番号4を有し、HCDR3は、アミノ酸配列番号5を有し、LCDR1は、アミノ酸配列番号8を有し、LCDR2は、アミノ酸配列番号9を有し、LCDR3は、アミノ酸配列番号10を有する。
一実施形態では、本発明は、一式のCDRを含む、結合構成要素であり、HCDR1は、アミノ酸配列番号63を有し、HCDR2は、アミノ酸配列番号64を有し、HCDR3は、アミノ酸配列番号65を有し、LCDR1は、アミノ酸配列番号68を有し、LCDR2は、アミノ酸配列番号69を有し、LCDR3は、アミノ酸配列番号70を有する。
一実施形態では、本発明は、一式のCDRを含む、結合構成要素であり、HCDR1は、アミノ酸配列番号23を有し、HCDR2は、アミノ酸配列番号24を有し、HCDR3は、アミノ酸配列番号25を有し、LCDR1は、アミノ酸配列番号28を有し、LCDR2は、アミノ酸配列番号29を有し、LCDR3は、アミノ酸配列番号20を有する。
一実施形態では、本発明は、一式のCDRを含む、結合構成要素であり、HCDR1は、アミノ酸配列番号113を有し、HCDR2は、アミノ酸配列番号114を有し、HCDR3は、アミノ酸配列番号115を有し、LCDR1は、アミノ酸配列番号118を有し、LCDR2は、アミノ酸配列番号119を有し、LCDR3は、アミノ酸配列番号120を有する。
一実施形態では、本発明は、一式のCDRを含む、結合構成要素であり、HCDR1は、アミノ酸配列番号53を有し、HCDR2は、アミノ酸配列番号54を有し、HCDR3は、アミノ酸配列番号55を有し、LCDR1は、アミノ酸配列番号58を有し、LCDR2は、アミノ酸配列番号59を有し、LCDR3は、アミノ酸配列番号60を有する。
本発明の結合構成要素は、IL−1R1に結合するとともに、VHおよび/またはVLドメイン、CDR、例えば、HCDR3、および/または本明細書で開示される一式のCDR、例えば、表2で開示される抗体等の、結合構成要素を備える、本明細書で開示される任意の結合構成要素と、IL−1R1への結合に対して、競合または交差競合するものであってもよい。結合構成要素の間の競合は、ELISAを使用して、および/または、同じエピトープまたは重複エピトープに結合する結合構成要素の特定を可能にするように、例えば、1つ以上の他の未標識結合構成要素の存在下で検出することができる1つの結合構成要素に、特異的レポータ分子を標識することによって、容易にin vitroでアッセイをおこなうことができる。そのような方法は、当業者に容易に知られており、本明細書でさら詳細に説明される。したがって、本発明のさらなる態様は、抗体1から10のうちのいずれかのVHおよび/またはVLドメインまたはCDR、例えば、HCDR3、または一式のCDRを含む、抗体分子と、ヒトIL−1R1への結合に対して競合または交差競合する、IL−1R1に対して特異的な結合構成要素を提供する。一実施形態では、本発明の結合構成要素は、表2の抗体1および/または抗体3と競合または交差競合する。
本発明の別の実施形態は、IL−1R1の特異的領域、例えば、エピトープに結合する、結合構成要素を提供する。具体的には、表2に記載される抗体のうちのいずれか1つによって結合されるのと同じエピトープまたはその一部である。
本発明の別の実施形態は、以下のIL−1R1の配列のうちの1つ以上の中に含まれるエピトープに結合する、単離結合構成要素を提供する:
(i)N123−V134、
(ii)L140−K157、および/または、
(iii)K178−R180。
本発明の別の実施形態は、以下のIL−1R1の配列内に含まれる不連続エピトープに結合する、請求項16に記載のIL−1R1に対して特異的な単離結合構成要素を提供する:
(i)N123−V134、
(ii)L140−K157、および
(iii)K178−R180。
さらなる態様では、本発明は、ヒトIL−1R1への結合に対して抗体抗原結合部位と競合または交差競合する、ヒト抗体抗原結合部位を備える、結合構成要素を提供し、抗体抗原結合部位は、VHドメインおよびVLドメインから成り、VHおよびVLドメインは、親の一式のCDR(抗体1または抗体4)、または表に2に記載される抗体2から3あるいは5から10のうちのいずれかを含む。
任意の好適な方法を、結合構成要素によって結合される残基の配列を決定するために使用することができる。例えば、PEPSCANベースの酵素免疫アッセイ(ELISA)等の、ペプチド結合スキャンを使用することができる。PEPSCAN Systemsによって提供される種類等のペプチド結合スキャンでは、抗原に由来する短い重複ペプチドが、結合構成要素への結合について系統的にスクリーニングされる。ペプチドは、ペプチドのアレイを形成するように支持表面に共有結合されてもよい。ペプチドは、線形または制約配座(constrained conformation)であり得る。制約配座は、ペプチド配列の各端において末端Cys残基を有するペプチドを使用して産生することができる。Cys残基は、ペプチドがループ状配座で保持されるように、支持表面に直接または間接的に共有結合することができる。したがって、該方法で使用されるペプチドは、抗原の断片に対応するペプチド配列の各端に付加される、Cys残基を有してもよい。Cys残基がペプチド配列の中間に、またはその付近に付加的に位置する、二重ループ状ペプチドも使用されてもよい。Cys残基は、中心Cys残基のそれぞれの側に1つのループを伴って、ペプチドが二重ループ状配座を形成するように、支持表面に直接または間接的に共有結合することができる。ペプチドは、合成的に生成することができ、したがって、Cys残基は、IL−1R1配列で自然発生しないにもかかわらず、所望の場所で改変することができる。随意で、線形および制約ペプチドは、両方とも、ペプチド結合アッセイでスクリーニングすることができる。ペプチド結合スキャンは、結合構成要素が結合する一式のペプチドを同定することを含んでよく(例えば、ELISAを使用して)、そこでペプチドは、IL−1R1の断片に対応するアミノ酸配列を有し(例えば、IL−1R1の約5、10、または15個の隣接残基のペプチド)、結合構成要素によって結合される残基のフットプリントを決定するためにペプチドを整列し、そこでフットプリントは、重複ペプチドに共通する残基を含む。
代替として、または加えて、ペプチド結合スキャンの方法は、少なくとも所与の信号対雑音比で結合構成要素が結合する、ペプチドを特定するステップを伴ってもよい。結合を決定するための好適なペプチド結合スキャンの方法の詳細は、当技術分野で公知である。当技術分野で周知であり、抗体によって結合される残基を決定するため、および/またはペプチド結合スキャンの結果を確認するために使用することができる、他の方法は、部位特異的突然変異誘発法、水素重水素交換、質量分析法、NMR、およびX線結晶学を含む。
本発明の結合構成要素は、抗体分子またはその結合断片、好ましくは、ヒト抗体分子またはヒト化抗体分子あるいはその結合断片であり得る。抗体は、特に、ヒト、マウス、キメラ、またはヒト化由来のモノクローナル抗体であってもよく、それらは当業者に周知である標準的方法にしたがって得ることができる。
以下で記述されるように、CDRは、非抗体骨格によって保持することができるが、本発明のCDRまたは一式のCDRを保持するための構造は、概して、CDRまたは一式のCDRが、再編成された免疫グロブリン遺伝子によってコードされる自然発生VHおよびVL抗体可変ドメインのCDRまたは一式のCDRに対応する場所に位置する、抗体重鎖または軽鎖配列あるいはその大部分である。免疫グロブリン可変ドメインの構造および場所は、Kabat,et al.,1987[36]、および任意のインターネット検索エンジンを使用して「Kabat」の下で見つけることができる、その最新版を参照することによって決定することができる。
本発明の抗体は、通常、抗体VHおよび/またはVLドメインを含む。本発明のVHドメインは、一式のHCDRを含み、VLドメインは、一式のLCDRを含む。抗体分子は、VH CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、抗体VHドメインと、フレームワークとを含んでもよい。抗体は、代替として、またはさらに、VL CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、抗体VLドメインと、フレームワークとを含んでもよい。本発明の抗体VHドメインの実施例は、配列番号22であり、本発明の抗体VLドメインの実施例は、配列番号27である。
本発明は、表2の中の抗体のうちのいずれかのHCDR1および/またはHCDR2および/またはHCDR3、および/または、表2の中の抗体のうちのいずれかのLCDR1および/またはLCDR2および/またはLCDR3を含む、結合構成要素を提供する。結合構成要素は、一式のVH CDRを含んでもよく、随意で、一式のVL CDRも含んでもよく、VL CDRは、VH CDRと同じ抗体または異なる抗体からであってもよい。
典型的には、VHドメインは、抗体抗原結合部位を提供するようにVLドメインと対合されるが、以下でさらに論議されるように、VHまたはVLドメインのみが、抗原に結合するために使用されてもよい。例えば、抗体1VHドメイン(表2参照)は、抗体1VLドメインと対合されて、抗体抗原結合部位が、抗体1VHおよびVLドメインの両方を含んで形成されるようにしてもよい。本明細書で開示される他のVHおよびVLドメインについて、類似の実施形態が提供される。他の実施形態では、抗体1VHは、抗体1以外のVLドメインと対合される。軽鎖の無差別性が、当業者分野で十分に確立されている。ここでも、本明細書で開示される他のVHおよびVLドメインについて、類似の実施形態が本発明によって提供される。したがって、表2の中の抗体のうちのいずれのVHも、表2の中の同じ抗体または任意の他の抗体のVLと対合されてもよい。
本発明のさらなる態様は、表2に示される抗体のうちのいずれかのVHドメインとの少なくとも60、70、80、85、90、95、98、または99%アミノ酸配列同一性を有する、VHドメインを含む、または、表1aまたは1bに示される一式のHCDR(例えば、HCDR1、HCDR2、および/またはHCDR3)を含む、抗体分子である。抗体分子は、随意で、抗体1から28のうちのいずれかのVHドメインと、または、表1aまたは1bに示される一式のLCDR(例えば、LCDR1、LCDR2、および/またはLCDR3)と、少なくとも60、70、80、85、90、95、98、または99%アミノ酸配列同一性を有する、VLドメインも備えてもよい。2つのアミノ酸配列の相同性%を計算するために使用することができるアルゴリズムは、例えば、既定のパラメータを採用する、例えば、BLAST[37]、FASTA[38]、またはスミス・ウォーターマンアルゴリズム[39]を含む。
本発明の結合構成要素はさらに、抗体定常領域またはその複数部分、例えば、ヒト抗体定常領域またはその複数部分を含んでもよい。例えば、VLドメインは、そのC末端において、ヒトCκまたはCλ鎖を含む、抗体軽鎖定常ドメインに付着されてもよい。同様に、VHドメインに基づく結合構成要素は、そのC末端において、任意の抗体イソタイプに由来する免疫グロブリン重鎖の全体または一部(例えば、CH1ドメイン)、例えば、IgG、IgA、IgE、およびIgM、ならびにイソタイプ下位分類のうちのいずれか、特に、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4に付着されてもよい。IgG1は、その製造の容易性および安定性、例えば、半減期により、有利である。結合構成要素機能および/または特性を調節する、例えば、可変領域を安定化する、任意の合成または他の定常領域変異形も、本発明で有用であり得る。
さらに、本発明によれば、本明細書で説明されるアミノ酸配列を修飾すること、特に、ヒト重鎖定常領域のアミノ酸配列を修飾して、所望のアロタイプ、例えば、白人人口で見られるアロタイプに配列を適応させることが所望され得る。
結合構成要素は、抗体骨格内に、1つ以上のCDR、例えば、一式のCDRを有する、抗体分子またはその結合断片を含んでもよい。例えば、抗体の1つ以上のCDRまたは一式のCDRは、抗体分子を提供するようにフレームワーク(例えば、ヒトフレームワーク)に移植されてもよい。フレームワーク領域は、ヒト生殖系列遺伝子配列、または非生殖系列であってもよい。したがって、フレームワークは、最も類似するヒト生殖系列フレームワークにおける等価位置の残基に合致するように、フレームワーク内の1つ以上の残基が変化させられる、生殖系列であってもよい。したがって、本発明の結合構成要素は、ヒト生殖細胞系フレームワーク、例えば、ヒト生殖細胞系IgG VHフレームワークの中に一式のHCDRを含む、VHドメインを有する、単離ヒト抗体分子であってもよい。結合構成要素はまた、例えば、ヒト生殖細胞系IgG VLフレームワークの中に、一式のLCDRを含む、VLドメインも有する。
VHおよび/またはVLフレームワーク残基は、例えば部位特異的突然変異誘発法を使用して、本明細書で論じられ、例示されているされるように修飾することができる。本発明によるVHまたはVLドメイン、またはそのようなVLドメインを含む結合構成要素は、好ましくは、表2の抗体のVHおよび/またはVLドメイン配列を有し、本発明のHCDR3を含む。
非生殖細胞系抗体分子は、同じCDRを有するが、生殖細胞系抗体分子と比較して、異なるフレームワークを有する。生殖細胞系抗体は、これらの抗体について本明細書で示されるVHおよびVLドメイン配列の生殖細胞系フレームワーク領域によって産生され得る。
1つ以上のフレームワーク領域および/または1つ以上のCDRで変更がなされ得る。変更は、通常、機能の損失をもたらさないため、そのように変更されたアミノ酸配列を含む結合構成要素は、IL−1R1に結合し、および/または中和する能力を保持するはずである。それは、例えば、本明細書で説明されるアッセイで測定された時に、変更が行われない結合構成要素と同じ定量的結合および/または中和能力を保持することができる。そのように変更されたアミノ酸配列を含む結合構成要素は、向上したIL−1R1に結合し、および/または中和する能力を有し得る。
変更は、1つ以上のアミノ酸残基を、非自然発生または非標準アミノ酸に置き換えること、1つ以上のアミノ酸残基を非自然発生または非標準形態に修飾すること、または1つ以上の非自然発生または非標準アミノ酸を配列に挿入することを含み得る。本発明の配列における変更の数および場所の例を、本明細書の他の場所で説明する。自然発生アミノ酸は、それらの標準1文字コードによって、G、A、V、L、I、M、P、F、W、S、T、N、Q、Y、C、K、R、H、D、Eとして識別される、20個の「標準」L−アミノ酸を含む。非標準アミノ酸は、ポリペプチド骨格に組み込まれてもよい、または既存のアミノ酸残基の修飾に起因し得る、任意の他の残基を含む。非標準アミノ酸は、自然発生または非自然発生であってもよい。4−ヒドロキシプロリン、5−ヒドロキシリジン、3−メチルヒスチジン、N−アセチルセリン等[40]の、いくつかの自然発生非標準アミノ酸が、当技術分野で公知である。N−α位置で誘導体化されたアミノ酸残基は、アミノ酸配列のN−末端のみに位置する。通常、本発明では、アミノ酸は、L−アミノ酸であるが、D−アミノ酸であってもよい。したがって、変更は、L−アミノ酸をD−アミノ酸に修飾するステップ、またはL−アミノ酸をD−アミノ酸で代替することを含み得る。アミノ酸のメチル化、アセチル化、および/またはリン酸化した形態も公知であり、本発明のアミノ酸は、そのような修飾を受けてもよい。
本発明の抗体ドメインおよび結合構成要素の中のアミノ酸配列は、上記で説明される、非天然または非標準アミノ酸を含んでもよい。非標準アミノ酸(例えば、D−アミノ酸)は、合成中に、または、アミノ酸配列の合成後に「元の」標準アミノ酸の修飾または代替によって、アミノ酸配列に組み込まれてもよい。
非標準および/または非自然発生アミノ酸の使用は、構造的および機能的多様性を増大させ、したがって、本発明の結合構成要素において所望のIL−1R1結合および中和特性を達成する可能性を増大させることができる。加えて、D−アミノ酸および類似体は、動物、例えば、ヒトへの投与後に、L−アミノ酸を有するポリペプチドのin vivo分解により、標準L−アミノ酸と比較して、より良好な薬物動態プロファイルを有することが示されている。
本発明のCDR由来の配列を持つ新規のVHまたはVL領域は、可変ドメイン全体内で突然変異を生成するように、1つ以上の選択されたVHおよび/またはVL遺伝子のランダム突然変異誘発を使用して、生成されてもよい。そのような技法は、変異性PCRを使用した、Gram et al.[41]によって説明されている。いくつかの実施形態では、1つまたは2つのアミノ酸置換が、可変ドメイン全体または一式のCDR内で行われる。
使用されてもよい別の方法は、VHまたはVL遺伝子のCDR領域に突然変異誘発を向けることである。そのような技法は、Barbas et al.[42]およびSchier et al.[43]によって開示されている。
上記の技法の全ては、そのように当技術分野で公知であり、当業者であれば、当技術分野での日常的な方法を使用して、本発明の結合構成要素を提供するために、そのような技法を使用できるであろう。
本発明のさらなる態様は、IL−1R1に対する抗体抗原結合部位を得るための方法を提供し、該方法は、本明細書に記載されるVHドメインのアミノ酸配列の中の1つ以上のアミノ酸の付加、欠失、置換、または挿入によって提供すること、随意で、そのようにして提供されたVHドメインを1つ以上のVLドメインと組み合わせることと、IL−1R1に対し、また随意で、1つ以上の所望の特性、例えば、IL−1R1活性を中和する能力を伴う、結合構成要素または抗体抗原結合部位を同定するように、VHドメインまたはVH/VLの1つまたは複数の組み合わせを試験することを含む。該VLドメインは、実質的に本明細書で説明されるアミノ酸配列を有し得る。本明細書で開示されるVLドメインの1つ以上の配列変異形が1つ以上のVHドメインと組み合わせられる、類似の方法が採用され得る。
配列が本明細書で具体的に開示される、VHおよびVLドメインのうちのいずれかの可変ドメインアミノ酸配列変異形を、論じられたように、本発明に従って採用することができる。特定の変異形は、1つ以上のアミノ酸配列の変更(アミノ酸残基の付加、欠失、置換、および/または挿入)を含み得る。ある実施形態では、変異形は、約20未満、15未満、10未満、または5未満のそのような変更を有する。
上述のように、実質的に本明細書で説明されるCDRアミノ酸配列は、ヒト抗体可変ドメインまたはその大部分の中のCDRとして保持されうる。実質的に本明細書で説明されるHCDR3配列は、本発明の実施形態を表し、これらのそれぞれは、随意で、本発明のHCDR1、HCDR2、LCDR1、LCDR2、および/またはLCDR3と組み合わせて、ヒト重鎖可変ドメインまたはその大部分の中のHCDR3として保持され得る。
本発明の結合構成要素はまた、抗体抗原結合部位を含む、抗体の断片を含む。抗体の断片は、組み換えDNA技法によって、または無傷抗体の酵素あるいは化学開裂によって、産生される。抗体抗原結合部位を含む、抗体断片は、Fab、Fab’、Fab’−SH、scFv、Fv、dAb、Fd、およびジスルフィド安定化可変領域(dsFv)等の分子を含むが、それらに限定されない。例えば、Fab2、Fab3、二特異性抗体(diabody)、三特異性抗体、四特異性抗体、およびミニ抗体を含む、1つ以上の抗体抗原結合部位を含む、種々の他の抗体分子が作り出されている。抗体分子ならびにそれらの構築および使用方法は、Holliger & Hudson(44)で説明されている。
全抗体の断片は、抗原に結合する機能を果たせることが示されている。結合断片の実施例は、(i)VL、VH、定常軽鎖ドメイン(CL)、および定常重鎖ドメイン1(CH1)ドメインから成るFab断片、(ii)VHおよびCH1ドメインから成るFd断片、(iii)単一抗体のVLおよびVHドメインから成るFv断片、(iv)VHまたはVLドメインから成るdAb断片[45、46、47]、(v)単離CDR領域、(vi)2つの連結されたFab断片を含む、二価断片である、F(ab’)2断片、(vii)2つのドメインが抗原結合部位を形成するように関連することを可能にするペプチドリンカーによって、VHドメインおよびVLドメインが連結される、一本鎖Fv分子(scFv)[48、49]、(viii)(例えば、国際公開第WO1993/011161号で開示されている)二重特異性一本鎖Fv二量体、および(ix)(例えば、国際公開第WO94/13804号および[50]で開示されている)遺伝子融合によって構築される、多価または多特異的断片である「二特異性抗体」である。Fv、scFv、または二特異性抗体分子は、VHおよびVLドメインを連結するジスルフィド架橋を組み込むことによって安定化され得る[51]。CH3ドメインに接合されるscFvを含むミニ抗体も、作製することができる[52]。結合断片の他の実施例は、抗体ヒンジ領域からの1つ以上のシステインを含む、重鎖CH1ドメインのカルボキシル末端における、いくつかの残基の添加によってFab断片とは異なる、Fab’と、定常ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を担うFab’断片である、Fab’−SHである。
本発明の抗体断片は、酵素、例えば、ペプシンまたはパパインによる、および/または化学的還元によるジスルフィド架橋の開裂による、分解等の方法によって、親抗体分子(抗体1または4)、または抗体分子2、3、5から10のうちのいずれかから始まって得ることができる。別の方式では、本発明に含まれる抗体断片は、当業者に同様に周知である遺伝子組み換えの技法によって、あるいは、例えば、Applied Biosystems Inc(Foster City,California,USA)という企業によって供給されているもの等の、例えば、自動ペプチドシンセサイザを用いたペプチド合成によって、または、核酸合成および発現によって、得ることができる。
本発明による機能的抗体断片は、化学修飾によって、例えば、PEG化によって、またはリポソームへの取り込みによって、半減期が増加させられる、任意の機能的断片を含む。
dAb(ドメイン抗体)は、抗体の小単量体抗原結合断片、すなわち、抗体重鎖または軽鎖の可変領域である[47]。VH dAbは、ラクダ科の動物(例えば、ラクダ、ラマ)で自然発生し、標的抗原でラクダ科の動物に免疫を与え、抗原特異的B細胞を単離し、個々のB細胞からdAb遺伝子を直接クローン化することによって産生することができる。dAbはまた、細胞培養でも産生可能である。それらの小さいサイズ、良好な可溶性、および温度安定性により、選択および親和性成熟にとって、特に生理学的に有用かつ好適となる。ラクダ科の動物のVH dAbは、「nanobodiesTM」という名の下で治療的使用のために開発されている。本発明の結合構成要素は、実質的に本明細書で説明されるVHまたはVLドメインを含むdAb、または実質的に本明細書で説明される一式のCDRを含むVHまたはVLドメインであってもよい。
本発明の抗体は、二重特異性抗体(bispecific antibody)を含む。二重特異性または二元機能性抗体は、2つの異なる可変領域が同じ分子の中で組み合わせられる、モノクローナル抗体の第2世代を形成する[53]。これらの使用は、新しいエフェクタ機能を動員する、または腫瘍細胞の表面上のいくつかの分子を標的にする能力から、診断分野および治療分野の両方で実証されている。二重特異性抗体が使用される場合、これらは、種々の方法で製造することができる[54]、例えば、化学的に、またはハイブリッドハイブリドーマから調製される、従来の二重特異性抗体であってもよく、または、上述の二重特異性抗体断片のうちのいずれかであってもよい。これらの抗体は、化学的方法[55、56]または身体的(somatic)方法[57、58]によって得ることができるが、同様に、かつ好ましくは、ヘテロ二量化が強制されることを可能にし、したがって、求められている抗体の精製の過程を促進する、遺伝子工学技法によって得ることができる[59]。二重特異性抗体の実施例は、異なる特異性を伴う2つの抗体の結合ドメインを使用し、短い可撓性ペプチドを介して直接連結することができる、BiTETM技術のものを含む。これは、短い単一ポリペプチド鎖上に2つの抗体を組み合わせる。可変ドメインのみを使用して、Fc領域無しに二特異性抗体およびscFvを構築することができ、抗イディオタイプ反応の効果を潜在的に低減する。
二重特異性抗体は、IgG全体として、二重特異性Fab’2として、Fab’PEGとして、二特異性抗体として、あるいは二重特異性scFvとして構築することができる。さらに、当技術分野で公知の日常的方法を使用して、2つの二重特異性抗体を連結して、四価抗体を形成することができる。
二重特異性の二特異性抗体もまた、二重特異性全抗体とは異なり、容易に構築し、大腸菌で発現させることができるため、特に有用であり得る。適切な結合特異性の二特異性抗体(および抗体断片等の多くの他のポリペプチド)は、ファージ提示法(国際公開第WO1994/13804号)を使用して、ライブラリから容易に選択することができる。例えば、二特異性抗体の一方のアームが、IL−1R1に対する特異性を有して一定に保たれた場合には、他方のアームが変化され、適切な特異性の抗体が選択される、ライブラリを作製することができる。二重特異性全抗体は、Ridgeway et al.[60]で説明されているか、または国際公開第WO1996/27011号、国際公開第WO1998/50431号、および国際公開第WO2006/028936号で説明されているような代替の改変法によって作製されてもよい。
代替として、本発明の結合構成要素は、以下でさらに論じられるように、1つ以上のCDR、例えば、非抗体タンパク質骨格の中の一式のCDRによって通常は提供される、非抗体分子内の抗原結合部位を含んでもよい。
抗原結合部位は、フィブロネクチンまたはシトクロムB等[61、62、63]の非抗体タンパク質骨格上のCDRの配設を用いて、または、所望の標的に対する結合特異性を与えるように、タンパク質骨格内のループのアミノ酸残基を無作為化または突然変異させることによって、提供されてもよい。タンパク質の中の新規の結合部位を作り出すするための骨格は、Nygren et al.[63]によって詳細に論評されている。抗体模倣体に対するタンパク質骨格は、少なくとも1つの無作為化ループを有する3型フィブロネクチンドメインを含む、タンパク質(抗体模倣体)を発明者らが説明している、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、国際公開第WO200034784号で開示されている。1つ以上のCDR、例えば、一式のHCDRを移植する好適な骨格は、免疫グロブリン遺伝子スーパーファミリーの任意のドメイン構成要素によって提供され得る。骨格は、ヒトまたは非ヒトタンパク質であってもよい。非抗体タンパク質骨格の利点は、少なくともいくつかの抗体分子よりも小さく、および/または製造しやすい、骨格分子の中の抗原結合部位を提供し得ることである。結合構成要素の小さいサイズは、細胞に進入する、組織に深く浸透する、または他の構造内の標的に到達する能力、または標的抗原のタンパク質空洞内で結合する能力等の、有用な生理学的特性を与え得る。非抗体タンパク質骨格での抗原結合部位の使用は、Wess,2004[64]で論評されている。典型的な形態は、標的抗原に結合する抗原結合部位を作成するように、1つまたは複数のループのアミノ酸配列が特異的または無作為に突然変異させられる、安定した骨格および1つ以上の可変ループを有する、タンパク質である。そのようなタンパク質は、黄色ブドウ球菌からのプロテインA、トランスフェリン、テトラネクチン、フィブロネクチン(例えば、10番目の3型フィブロネクチンドメイン)、リポカリン、ならびにガンマクリスタリンおよび他のAffilinTM骨格(Scil Proteins)のIgG結合ドメインを含む。他のアプローチの実施例は、分子内ジスルフィド結合を有する低分子タンパク質である、サイクロチドに基づく合成「ミクロボディ」、マイクロタンパク質(VersabodiesTM、Amunix Inc,Mountain View,California,USA)、およびアンキリン反復タンパク質(DARPins、Molecular Partners AG,Zurich−Schlieren,Switzerland)を含む。そのようなタンパク質はまた、例えば、免疫ドメイン等の低分子改変タンパク質ドメインも含む(例えば、米国特許公開第2003/082630号および第2003/157561号を参照)。免疫ドメインは、抗体の少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含有する。
本発明による結合構成要素は、例えば、折り畳みドメイン等のペプチドまたはポリペプチドを形成する、または、抗原に結合する能力に加えて、別の機能的特徴を分子に付与する、他のアミノ酸を含んでもよい。本発明の結合構成要素は、検出可能な標識を持ってもよく、または、毒素または標的化部分あるいは酵素に抱合されてもよい(例えば、ペプチジル結合またはリンカーを介して)。例えば、結合構成要素は、(例えば、酵素ドメインの中の)触媒部位、ならびに抗原結合部位を含んでもよく、抗原結合部位は、抗原に結合し、したがって、触媒部位を抗原へ向けさせる。触媒部位は、例えば、開裂によって、抗原の生物学的機能を阻害することができる。
本発明はまた、結合構成要素の生物学的効果を変化させる、すなわち、増加させる、減少させる、または排除するように修飾されている結合構成要素、例えば、修飾Fc領域を伴う抗体も含む。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される結合構成要素または抗体は、補体に結合し、補体依存性細胞傷害(CDC)に関与する能力を強化するように修飾することができる。他の実施形態では、結合構成要素または抗体は、エフェクタ細胞を活性化し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)に関与する能力を強化するように修飾することができる。さらに他の実施形態では、本明細書で開示される結合構成要素または抗体は、エフェクタ細胞を活性化し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)に関与する能力を強化するとともに、補体に結合し、補体依存性細胞傷害(CDC)に関与する能力を強化するように修飾することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される結合構成要素または抗体は、補体に結合し、補体依存性細胞傷害(CDC)に関与する能力を低減するように修飾することができる。他の実施形態では、結合構成要素または抗体は、エフェクタ細胞を活性化し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)に関与する能力を低減するように修飾することができる。さらに他の実施形態では、本明細書で開示される結合構成要素または抗体は、エフェクタ細胞を活性化し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)に関与する能力を低減するとともに、補体に結合し、補体依存性細胞傷害(CDC)に関与する能力を低減するように修飾することができる。
ある実施形態では、本明細書で開示される結合構成要素または抗体、および本発明の組成物の半減期は、少なくとも約4から7日である。ある実施形態では、本明細書で開示される結合構成要素または抗体、および本発明の組成物の平均半減期は、少なくとも約2から5日、3から6日、4から7日、5から8日、6から9日、7から10日、8から11日、8から12日、9から13日、10から14日、11から15日、12から16日、13から17日、14から18日、15から19日、または16から20日である。他の実施形態では、本明細書で開示される結合構成要素または抗体、および本発明の組成物の平均半減期は、少なくとも約17から21日、18から22日、19から23日、20から24日、21から25日、22から26日、23から27日、24から28日、25から29日、または26から30日である。なおもさらなる実施例では、本明細書で開示される結合構成要素または抗体、および本発明の組成物の半減期は、最大で約50日となり得る。ある実施形態では、抗体および本発明の組成物の半減期は、当技術分野で公知の方法によって長引かせることができる。そのような延長は次いで、抗体組成物の投薬の量および/または頻度を低減することができる。向上したin vivo半減期を伴う抗体およびそれらを調製するための方法は、米国特許第6,277,375号、および国際公開第WO1998/23289号および国際公開第WO1997/3461号で開示されている。
別の実施形態では、本発明は、容器を含む、製品を提供する。容器は、本明細書で開示される結合構成要素または抗体を含有する組成物と、IL−1R1と関連する障害を治療するために組成物を使用できることを示す添付文書またはラベルとを含む。
他の実施形態では、本発明は、本明細書で開示される結合構成要素または抗体を含有する組成物と、治療を必要としている被験体に組成物を投与する使用説明書とを備える、キットを提供する。
本発明は、変異Fc領域を含むタンパク質の製剤を提供する。つまり、非自然発生Fc領域、例えば、1つ以上の非自然発生アミノ酸残基を含むFc領域である。また、本発明の変異Fc領域によって包含されるのは、アミノ酸欠失、付加、および/または修飾を含むFc領域である。
Fc領域を含むタンパク質の血中半減期は、FcRnに対するFc領域の結合親和性を増加させることによって増加させられる。一実施形態では、Fc変異タンパク質は、同等の分子に対して強化した血中半減期を有する。
別の実施形態では、本発明は、Fc変異体を提供し、Fc領域は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、239、330、および332から成る群より選択される1つ以上の位置で、少なくとも1つの非自然発生アミノ酸を含む。具体的な実施形態では、本発明は、Fc変異体を提供し、Fc領域は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、239D、330L、および332Eから成る群より選択される、少なくとも1つの非自然発生アミノ酸を含む。随意で、Fc領域はさらに、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、252、254、および256から成る群より選択される1つ以上の位置で、付加的な非自然発生アミノ酸を含んでもよい。具体的な実施形態では、本発明は、Fc変異体を提供し、Fc領域は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、239D、330L、および332Eから成る群より選択される、少なくとも1つの非自然発生アミノ酸と、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、252Y、254T、および256Eから成る群より選択される1つ以上の位置における、少なくとも1つの非自然発生アミノ酸とを含む。
別の実施形態では、本発明は、Fc変異体を提供し、Fc領域は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、234、235、および331から成る群より選択される1つ以上の位置で、少なくとも1つの非自然発生アミノ酸を含む。具体的な実施形態では、本発明は、Fc変異体を提供し、Fc領域は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、234F、235F、235Y、および331Sから成る群より選択される、少なくとも1つの非自然発生アミノ酸を含む。さらなる具体的な実施形態では、本発明のFc変異体は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、234F、235F、および331S非自然発生アミノ酸残基を含む。別の具体的な実施形態では、本発明のFc変異体は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、234F、235Y、および331S非自然発生アミノ酸残基を含む。別の具体的な実施形態では、本発明は、Fc変異体を提供し、Fc領域は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、234F、235E、および331Sから成る群より選択される、少なくとも1つの非自然発生アミノ酸を含む。別の具体的な実施形態では、本発明は、Fc変異体を提供し、Fc領域は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、234F、235E、および331Sから成る非自然発生アミノ酸を含む。随意で、Fc領域はさらに、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、252、254、および256から成る群より選択される1つ以上の位置で、付加的な非自然発生アミノ酸を含んでもよい。具体的な実施形態では、本発明は、Fc変異体を提供し、Fc領域は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、234F、235F、235Y、および331Sから成る群より選択される、少なくとも1つの非自然発生アミノ酸を含み、1つ以上の位置における少なくとも1つの非自然発生アミノ酸は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、252Y、254T、および256Eから成る群より選択される。
別の実施形態では、本発明は、Fc変異タンパク質製剤を提供し、Fc領域は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、239、330、および332から成る群より選択される1つ以上の位置で、少なくとも1つの非自然発生アミノ酸を含む。具体的な実施形態では、本発明は、Fc変異タンパク質製剤を提供し、Fc領域は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、239D、330L、および332Eから成る群より選択される、少なくとも1つの非自然発生アミノ酸を含む。随意で、Fc領域はさらに、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、252、254、および256から成る群より選択される1つ以上の位置で、付加的な非自然発生アミノ酸を含んでもよい。具体的な実施形態では、本発明は、Fc変異タンパク質製剤を提供し、Fc領域は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、239D、330L、および332Eから成る群より選択される、少なくとも1つの非自然発生アミノ酸を含み、1つ以上の位置における、少なくとも1つの非自然発生アミノ酸は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、252Y、254T、および256Eから成る群より選択される。
別の実施形態では、本発明は、Fc変異タンパク質製剤を提供し、Fc領域は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、234、235、および331から成る群より選択される1つ以上の位置で、少なくとも1つの非自然発生アミノ酸を含む。具体的な実施形態では、本発明は、Fc変異タンパク質製剤を提供し、Fc領域は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、234F、235F、235Y、および331Sから成る群より選択される、少なくとも1つの非自然発生アミノ酸を含む。随意で、Fc領域はさらに、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、252、254、および256から成る群より選択される1つ以上の位置で、付加的な非自然発生アミノ酸を含んでもよい。具体的な実施形態では、本発明は、Fc変異タンパク質製剤を提供し、Fc領域は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、234F、235F、235Y、および331Sから成る群より選択される、少なくとも1つの非自然発生アミノ酸を含み、1つ以上の位置における少なくとも1つの非自然発生アミノ酸は、Kabatで規定されるEUインデックスによって番号付けられる、252Y、254T、および256Eから成る群より選択される。
非自然発生Fc領域を生成するための方法が、当技術分野で公知である。例えば、アミノ酸置換および/または欠失は、部位特異的突然変異誘発法(Kunkel,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:488−492(1985))、PCR突然変異誘発法(Higuchi,in “PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications”,Academic Press,San Diego,pp.177−183(1990))、およびカセット式突然変異誘発法(Wells et al,Gene 34:315−323(1985))を含むが、それらに限定されない、突然変異誘発方法によって生成することができる。好ましくは、部位特異的突然変異誘発法は、重複延長PCR方法によって行われる(Higuchi,in “PCR Technology:Principles and Applications for DNA Amplification”,Stockton Press,New York,pp.61−70(1989))。重複延長PCRの技法(Higuchi、同書)はまた、標的配列(開始DNA)に任意の所望の突然変異を導入するために使用することもできる。例えば、重複延長方法における第1回のPCRは、外部プライマー(プライマー1)および内部突然変異誘発プライマー(プライマー3)により、かつ別個に、第2の外部プライマー(プライマー4)および内部プライマー(プライマー2)により、標的配列を増幅し、2つのPCRセグメント(セグメントAおよびB)を生じることを伴う。内部突然変異誘発プライマー(プライマー3)は、所望の突然変異を特定する標的配列との不一致を含有するように設計されている。第2回のPCRでは、第1回のPCRの産物(セグメントAおよびB)は、2つの外部プライマー(プライマー1および4)を使用して、PCRによって増幅される。結果として生じる全長PCRセグメント(セグメントC)は、制限酵素で消化され、結果として生じる制限断片は、適切なベクターにクローン化される。突然変異誘発の第1のステップとして、開始DNA(例えば、Fc融合タンパク質、抗体、または単純にFc領域をコードする)は、突然変異誘発ベクターに動作可能にクローン化される。プライマーは、所望のアミノ酸置換を反映するように設計される。変異Fc領域の生成に有用な他の方法が、当技術分野で公知である(例えば、米国特許第5,624,821号、同第5,885,573号、同第5,677,425号、同第6,165,745号、同第6,277,375号、同第5,869,046号、同第6,121,022号、同第5,624,821号、同第5,648,260号、同第6,528,624号、同第6,194,551号、同第6,737,056号、同第6,821,505号、同第6,277,375号、米国特許公開第2004/0002587号、およびPCT国際公開第WO94/29351号、国際公開第WO99/58572号、国際公開第WO00/42072号、国際公開第WO02/060919号、国際公開第WO04/029207号、国際公開第WO04/099249号、国際公開第WO04/063351号、国際公開第WO06/23403号を参照)。
本発明のいくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体のグリコシル化パターンは、ADCCおよびCDCエフェクタ機能を強化するように修飾される。Shields RL et al.,(2002)JBC.277:26733、Shinkawa T et al.,(2003)JBC.278:3466、およびOkazaki A et al.,(2004)J.Mol.Biol.,336:1239を参照されたい。いくつかの実施形態では、Fc変異タンパク質は、1つ以上の改変糖型、すなわち、Fc領域を含む分子に共有結合される炭水化物組成物を含む。改変糖型は、エフェクタ機能を強化または低減することを含むがそれに限定されない、種々の目的に有用であり得る。改変糖型は、当技術分野で公知である任意の方法によって、例えば、改変または変異発現株を使用することによって、1つ以上の酵素、例えば、DI N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTI11)による同時発現によって、種々の生物または種々の生物からの細胞系の中のFc領域を含む分子を発現させることによって、またはFc領域を含む分子が発現された後に炭水化物を修飾することによって、生成され得る。改変糖型を生成するための方法は、当技術分野で公知であり、Umana et al,1999,Nat.Biotechnol 17:176−180、Davies et al.,20017 Biotechnol Bioeng 74:288−294、Shields et al,2002,J Biol Chem 277:26733−26740、Shinkawa et al.,2003,J Biol Chem 278:3466−3473、米国特許第6,602,684号、U.S.Ser.第10/277,370号、U.S.Ser.第10/113,929号、PCT 国際公開第WO00/61739A1号、PCT 国際公開第WO01/292246A1号、PCT 国際公開第WO02/311140A1号、PCT 国際公開第WO02/30954A1号、PotillegentTM技術(Biowa,Inc.Princeton,N.J.)、GlycoMAbTMグリコシル化改変技術(Glycart Biotechnology AG,Zurich,Switzerland)で説明されているものを含むが、それらに限定されない。例えば、国際公開第WO00/061739号、EA 01229125、US20030115614、Okazaki et al.,2004,JMB,336:1239−49を参照されたい。
また、当技術分野では、エフェクタ機能を増加または減少させるように、Fc領域のグリコシル化を修飾できることも公知である(例えば、Umana et al,1999,Nat.Biotechnol 17:176−180、Davies et al.,2001,Biotechnol Bioeng 74:288−294、Shields et al,2002,J Biol Chem 277:26733−26740、Shinkawa et al.,2003,J Biol Chem 278:3466−3473、米国特許第6,602,684号、U.S.Ser.第10/277,370号、U.S.Ser.第10/113,929号、PCT 国際公開第WO00/61739A1号、PCT 国際公開第WO01/292246A1号、PCT 国際公開第WO02/311140Al号、PCT 国際公開第WO02/30954A1号、PotillegentTM技術(Biowa,Inc.Princeton,N.J.、GlycoMAbTMグリコシル化改変技術(Glycart Biotechnology AG,Zurich,Switzerland)を参照されたい)。したがって、一実施形態では、本発明の抗体のFc領域は、アミノ酸残基の変更されたグリコシル化を含む。別の実施形態では、アミノ酸残基の変更されたグリコシル化は、低下したエフェクタ機能をもたらす。別の実施形態では、アミノ酸残基の変質グリコシル化は、増加したエフェクタ機能をもたらす。具体的な実施形態では、Fc領域は、低減したフコシル化を有する。別の実施形態では、Fc領域は、アフコシル化される(例えば、米国特許出願公開第2005/0226867号を参照されたい)。別の実施形態では、少なくとも1つのガラクトース部分が、α2,6連結によって各末端シアル酸部分に接続される等、Fc領域がシアル酸付加される(例えば、国際公開第WO2009079382号を参照)。
結合構成要素は、IL−1R1によって仲介される障害、特に、関節リウマチ、変形性関節症(OA)、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)等の炎症性障害を治療および/または予防するために有用である。結合構成要素はまた、HIV−1、固形腫瘍、白血病、アルツハイマー病、および虚血性疾患等の、IL−1R1によって仲介される障害を治療および/または予防するためにも有用である。
本発明のさらなる態様は、本発明の結合構成要素を含有する組成物と、治療法によるヒトまたは動物体の治療の方法を含む、IL−1R1を阻害および/または中和する方法でのそれらの使用とを提供する。
例えば、本発明による結合構成要素は、治療および/または予防の方法で使用することができ、または、ヒトあるいは動物体における(例えば、ヒト患者における)、またはin vitroでの生物学的反応、疾患、障害、または病態の診断の方法で使用することができる。
治療および/または予防の方法は、IL−1R1を測定可能に中和するのに十分な量で、本発明の結合構成要素を該患者に投与することを含み得る。本発明に従って治療可能な病態は、COPDおよび喘息等の、IL−1R1が役割を果たすあらゆるものを含む。
本発明の結合構成要素は、ヒトまたは動物被験体、特にヒトにおける、診断または治療の方法で使用することができる。本発明の結合構成要素は、ヒトまたは動物被験体、特にヒトにおける、診断または治療の方法で使用するための薬物の調製で使用することができる。本発明はさらに、ヒトまたは動物被験体、特にヒトにおける、診断または治療のための本発明の結合構成要素の使用を提供する。治療は、IL−1R1によって仲介される生物学的効果によって特徴付けられる障害、特に、関節リウマチ、変形性関節症(OA)、喘息、およびCOPD等の炎症性障害を含む。
したがって、本発明は、本発明の結合構成要素を哺乳動物に投入することを含む、該哺乳動物における関節リウマチ、変形性関節症、喘息、およびCOPD等の炎症性障害を治療するための方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、哺乳動物における関節リウマチ、変形性関節症、喘息、およびCOPD等の炎症性障害の治療のための薬物の製造での本発明の結合構成要素の使用を提供する。別の実施形態では、本発明は、哺乳動物における関節リウマチ、変形性関節症、喘息、およびCOPD等の炎症性障害の治療のための本発明の結合構成要素の使用を提供する。一実施形態では、哺乳動物はヒトであり、別の実施形態では、哺乳動物はヒト以外の動物である。一実施形態では、結合構成要素は、IL−1R1を中和するのに十分な量での本発明の抗体、VHドメイン、またはVLドメインである。
したがって、本発明は、本発明の結合構成要素を哺乳動物に投与することを含む、該哺乳動物の肺の中への好中球動員および走化性の阻害のための方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、哺乳動物の肺の中への好中球動員および走化性の阻害のための薬物の製造での本発明の結合構成要素の使用を提供する。別の実施形態では、本発明は、哺乳動物の肺の中への好中球動員および走化性の阻害のための本発明の結合構成要素の使用を提供する。一実施形態では、哺乳動物はヒトであり、別の実施形態では、哺乳動物はヒト以外の動物である。一実施形態では、結合構成要素は、IL−1R1を中和するのに十分な量での本発明の抗体、VHドメイン、またはVLドメインである。
したがって、本発明は、本発明の結合構成要素を哺乳動物に投与することを含む、該哺乳動物におけるHIV、固形腫瘍、白血病、アルツハイマー病、2型糖尿病、虚血性疾患、およびアテローム性動脈硬化症から選択される障害を治療するための方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、哺乳動物におけるHIV、固形腫瘍、白血病、アルツハイマー病、2型糖尿病、虚血性疾患、およびアテローム性動脈硬化症から選択される障害の治療のための薬物の製造での本発明の結合構成要素の使用を提供する。別の実施形態では、本発明は、哺乳動物におけるHIV、固形腫瘍、白血病、アルツハイマー病、2型糖尿病、虚血性疾患、およびアテローム性動脈硬化症から選択される障害の治療のための本発明の結合構成要素の使用を提供する。一実施形態では、哺乳動物はヒトであり、別の実施形態では、哺乳動物はヒト以外の動物である。一実施形態では、結合構成要素は、IL−1R1を中和するのに十分な量での本発明の抗体、VHドメイン、またはVLドメインである。
被検細胞がin vitroで本発明の結合構成要素と接触させられる場合、対照細胞はまた、陽性対照(例えば、結合構成要素を含有しない反応)および/または陰性対照(例えば、IL−1R1および/または抗原を含有しない反応)のために使用されてもよい。
例えば、IL−1αおよび/またはIL−1β介在の生物学的反応を示す哺乳動物に、本発明の結合構成要素を投与することによって、細胞がin vivoで結合構成要素と接触させられる場合、本発明の結合構成要素は、IL−1R1を中和するのに十分な量で投与される。
なおもさらに、本発明は、本発明の抗体、VHドメイン、またはVLドメイン等の結合構成要素を投与することを含む、ヒト等の哺乳動物におけるIL−1R1介在の活性を低減するための方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、哺乳動物におけるIL−1R1介在の活性を低減するための薬物の製造での本発明の結合構成要素の使用を提供する。別の実施形態では、本発明は、哺乳動物におけるIL−1R1介在の活性を低減するための本発明の結合構成要素の使用を提供する。一実施形態では、哺乳動物はヒトであり、別の実施形態では、哺乳動物はヒト以外の動物である。一実施形態では、結合構成要素は、IL−1R1を中和し、IL−1R1介在活性を低減するのに十分な量での本発明の抗体、VHドメイン、またはVLドメインである。
本発明の結合構成要素を使用することができる疾患または障害は、以下を含むが、それらに限定されない。
1. 気道:間欠性および持続性の両方であり、全ての重症度の気管支、アレルギー、内因性、外因性、運動誘発性、薬剤誘発性(アスピリンおよびNSAID誘発性を含む)、および塵埃誘発性喘息を含む、喘息、および気道過敏反応性の他の原因と、慢性閉塞性肺疾患(COPD)と、感染性および好酸球性気管支炎を含む気管支炎と、肺気腫と、気管支拡張症と、嚢胞性線維症と、サルコイドーシスと、農夫肺および関連疾患と、過敏性肺炎と、潜源性線維化性肺胞炎、特発性間質性肺炎、結核およびアスペルギルス症を含む、抗腫瘍療法および慢性感染症ならびに他の真箘感染症に合併する線維症を含む、肺線維症と、肺移植の合併症と、肺血管系の脈管および血栓疾患、ならびに肺高血圧症と、気道の炎症性および分泌性症状と関連する慢性咳、および医原性咳の治療を含む、鎮咳活性と、薬物性鼻炎および血管運動神経性鼻炎を含む、急性および慢性鼻炎と、神経性鼻炎(枯草熱)を含む通年性または季節性アレルギー性鼻炎と、鼻茸と、風邪、および呼吸器合胞体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)、アデノウイルスによる感染症を含む、急性ウイルス感染と、ARDSおよびALIとを含む、気道の閉塞性疾患。
2. 骨および関節:原発性関節症、および、例えば先天性股関節形成不全に続発する関節症の両方である、変形性関節症/骨関節症と関連する、または変形性関節症/骨関節症を含む、関節炎と、頸部および腰部脊椎炎、ならびに腰痛および頸痛と、関節リウマチおよびスティル病と、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、および未分化脊椎関節炎を含む、血清反応陰性脊椎関節炎と、敗血症性関節炎、ならびに、ポット病およびポンセット症候群を含む、結核等の他の感染症関連関節炎および骨疾患と、尿酸塩痛風、ピロリン酸カルシウム沈着症、ならびにカルシウムアパタイト関連の腱、滑液、および滑膜炎症を含む、急性および慢性結晶誘発性滑膜炎と、ベーチェット症候群と、原発性および続発性シェーグレン症候群と、全身性硬化症および限局性強皮症と、全身性紅斑性狼瘡、混合結合組織病、および未分化結合組織病と、皮膚筋炎および多発性筋炎を含む炎症性筋疾患と、リウマチ性多発筋痛と、あらゆる関節分布の特発性炎症性関節炎および関連症候群を含む、若年性関節炎、ならびにリウマチ熱およびその全身性合併症と、巨細胞性動脈炎、高安動脈炎、チャーグ・ストラウス症候群、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発性動脈炎、ならびにウイルス感染、超過敏反応、クリオグロブリン、およびパラプロテインと関連する血管炎を含む、血管炎と、腰痛と、家族性地中海熱、マックル・ウェルズ症候群、および家族性アイルランド熱、川崎病、菊池病と、薬剤誘発性関節痛、腱炎、および筋疾患。
3. 傷害、例えば、スポーツ傷害、または疾患による、疼痛、および筋骨格疾患の結合組織再形成:関節炎(例えば、関節リウマチ、変形性関節症、痛風、または結晶性関節症)、他の関節疾患(椎間板変性または顎関節変性等)、骨再形成疾患(骨粗鬆症、パジェット病、または骨壊死等)、多発性軟骨炎、強皮症、混合結合組織疾患、脊椎関節症、または歯周病(歯周炎等)。
4. 皮膚:乾癬、類乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、または他の湿疹性皮膚疾患、および遅延型超過敏反応と、植物性および光線皮膚炎と、脂漏性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、扁平苔癬、萎縮性苔癬硬化症、壊疽性膿皮症、皮膚類肉腫、円板状紅斑性狼瘡、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、菌状息肉腫、蕁麻疹、血管浮腫、血管炎、中毒疹、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型はげ頭症、スイート症候群、ウェーバー・クリスチャン症候群、多形紅斑と、感染性および非感染性の両方である蜂巣炎と、脂肪織炎と、皮膚リンパ腫、非黒色腫皮膚癌、および他の異形成病変と、固定薬疹を含む薬剤誘発性疾患。
5. 目:眼瞼炎と、通年性および春季アレルギー性結膜炎を含む結膜炎と、虹彩炎と、前部および後部ブドウ膜炎と、脈絡膜炎と、自己免疫と、網膜に影響を及ぼす変性または炎症性疾患と、交換性眼炎を含む眼炎と、サルコイドーシスと、ウイルス、真箘、および細菌感染を含む感染症。
6. 消化管:舌炎、歯肉炎、歯周炎と、逆流を含む食道炎と、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、大腸炎、例えば、潰瘍性大腸炎、不確定大腸炎、直腸炎、顕微鏡的大腸炎、肛門掻痒症と、セリアック病、過敏性腸症候群、過敏性腸疾患、非炎症性下痢、および腸から遠隔に影響を及ぼす場合がある(例えば、片頭痛、鼻炎、または湿疹)食物関連アレルギー。
7. 腹部:自己免疫性、アルコール性、およびウイルス性肝炎を含む肝炎と、肝臓の線維症および肝硬変と、胆嚢炎と、急性および慢性両方である膵臓炎。
8. 泌尿生殖器:間質性腎炎および糸球体腎炎を含む腎炎と、ネフローゼ症候群と、急性および慢性(間質性)膀胱炎およびハンナー潰瘍を含む、膀胱炎と、急性および慢性尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎、卵巣炎、および卵管炎と、外陰腟炎と、ペーロニー病と、***機能不全(男性および女性の両方)。
9. 同種移植の拒絶反応:例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚、または角膜の移植後、または、輸血後の急性および慢性拒絶反応、あるいは、急性および慢性移植片対宿主病。
10. 中枢神経系:アルツハイマー病、ならびにCJDおよびnvCJDを含む他の認知疾患と、アミロイドーシスと、多発性硬化症および他の脱髄性症候群と、脳アテローム性動脈硬化症および血管炎と、側頭動脈炎と、重症筋無力症と、内臓痛、頭痛、片頭痛、三叉神経痛、非定型顔面痛、関節および骨痛、癌および腫瘍浸潤に起因する疼痛、糖尿病性、ヘルペス後、およびHIV関連神経障害を含む、神経障害性疼痛症候群を含む、急性および慢性疼痛(中枢起源であるか、末梢起源であるかにかかわらず、急性、間欠性、または持続性)と、熱帯性痙性不全対麻痺、神経サルコイドーシスと、悪性、感染性、または自己免疫過程の中枢および末梢神経系合併症。
11. 橋本甲状腺炎、グレーブス病、アディソン病、糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質症候群を含む、他の自己免疫およびアレルギー性障害(他のアレルギー療法との組み合わせを含む)と、早期分娩。
12. 後天性免疫不全症候群(AIDS)、癩病、セザリー症候群、および傍腫瘍症候群を含む、炎症性または免疫成分を伴う他の障害。
13. 心臓血管:冠状動脈および末梢循環に影響を及ぼす、アテローム性動脈硬化症と、心膜炎と、心筋炎、心筋類肉腫を含む炎症性および自己免疫心筋症と、虚血再灌流障害と、心内膜炎、弁膜炎、および感染性(例えば、梅毒性)大動脈炎を含む大動脈炎と、血管炎と、深部静脈血栓症および静脈瘤の合併症を含む、静脈炎および血栓症を含む近位および末梢静脈の疾患。
14. 腫瘍学:転移性疾患および腫瘍再発、ならびに傍腫瘍症候群の予防および治療を含む、前立腺、***、肺、卵巣、膵臓、腸管および結腸、胃、皮膚および脳の腫瘍を含む、一般的な癌、および、骨髄に影響を及ぼす悪性腫瘍(白血病を含む)、ならびにホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫等のリンパ球増殖系に影響を及ぼす悪性腫瘍の治療。
したがって、IL−1R1の結合および中和に関して本明細書で提示されるデータは、障害の重症度の低減を含む、そのような障害を治療または予防するために、本発明の結合構成要素を使用できることを示す。したがって、本発明は、上記の障害のうちのいずれかの少なくとも1つの症状が低減されるように、本発明の1つ以上の結合構成要素の有効量を、単独で、または、当技術分野で公知であるか、あるいは本明細書で説明される別の薬物との併用治療計画で、それを必要としている患者に投与することを含む、本明細書で記述される障害のうちのいずれかの少なくとも1つの症状の重症度を治療または低減する方法を提供する。
本発明の結合構成要素は、適切な動物で、および疾患の動物モデル、特にサルで、使用されてもよい。
したがって、本発明の結合構成要素は、IL−1R1、例えば、IL−1R1産生、発現、および/または活性、特に、異常産生、発現、または活性を伴う、疾患または障害の治療において、治療薬として有用である。治療の方法は、それを必要としている患者に本発明の結合構成要素の有効量を投与するステップを含み得、それにより、IL−1R1の産生、発現、および/または活性が、減少させられる。治療の方法は、(i)例えば、上で説明される診断方法を使用して、その増加したIL−1R1またはIL−1レベルまたは活性を示す患者を特定することと、(ii)患者に発明の結合構成要素の有効量を投与することをとを含み得、IL−1R1の増加した産生、発現、および/または活性が、減少させられる。治療の代替的方法は、(i)IL−1R1介在活性の明白な増加はないが、本発明の結合構成要素の投与が有益であると考えられる患者を特定することと、(ii)患者に発明の結合構成要素の有効量を投与することをとを含み得る。本発明による有効量は、必ずしも疾病または疾患を治癒しないが、治療されている特定の疾患または障害の少なくとも1つの症状の重症度を減少または低下させるよう、IL−1R1の増加した産生、発現、および/または活性を減少させる量である。
本発明はまた、IL−1R1の少なくとも1つの効果が拮抗されるように、本発明の1つ以上の結合構成要素の有効量と接触させる、または投与するステップを含む、IL−1R1の該少なくとも1つの効果を拮抗する方法も提供する。本発明の方法によって拮抗され得るIL−1R1の効果は、IL−1αおよび/またはIL−1βによって仲介される生物学的反応、およびこれらの結合反応の結果として発生する、あらゆる下流効果を含む。
したがって、本発明のさらなる態様は、本明細書で論じる、IL−1R1と関連する、またはIL−1R1によって仲介される障害を治療するための薬物の製造のための、本発明の抗体、VHドメイン、またはVLドメイン等の単離結合構成要素の使用を提供する。薬物または医薬組成物のそのような使用、または作製方法は、薬学的に容認可能な賦形剤で結合構成要素を製剤化することを含む。
薬学的に容認可能な賦形剤は、医薬組成物に入り、2次反応を引き起こさず、例えば、活性化合物の投与の促進、その寿命および/または体内での有効性の増加、溶液中でのその可溶性の増加、あるいはその保存の向上を可能にする、化合物または化合物の組み合わせであり得る。これらの薬学的に容認可能な賦形剤は、周知であり、選択された活性化合物の投与の性質およびモードに応じて、当業者によって適応される。
本発明の結合構成要素は通常、結合構成要素に加えて少なくとも1つの成分を含み得る、医薬組成物の形態で投与される。したがって、本発明による医薬組成物であって、本発明に従って使用するための医薬組成物は、活性成分に加えて、薬学的に容認可能な賦形剤、担体、緩衝剤、安定剤、または当業者に周知である他の材料を含んでもよい。そのような材料は、非毒性であるべきであり、活性成分の有効性を妨げるべきではない。担体または他の材料の正確な性質は、以下で論じられるように、経口、吸入、気管内、局所、膀胱内、または注射によるものであり得る、投与の経路に依存する。
例えば、単一ドメイン抗体分子(例えば、「nanobodyTM」)等の、経口投与用の医薬組成物も、本発明で構想される。そのような経口製剤は、錠剤、カプセル、粉末、液体、または半固体形態であり得る。錠剤は、ゼラチンまたはアジュバント等の固体担体を含み得る。液体医薬組成物は、概して、水、石油、動物または植物油、鉱油、または合成油等の、液体担体を含む。生理食塩水、デキストロースまたは他のサッカリド溶液、または、エチレングリコール、プロピレングリコール、もしくはポリエチレングリコール等のグリコール類が含まれてもよい。
静脈注射、または苦痛部位における注射のために、活性成分は、発熱物質を含まず、好適なpH、等張性、および安定性を有する、非経口的に容認可能な水溶液の形態となる。当業者であれば、例えば、塩化ナトリウム注射、リンガー液注射、乳酸加リンガー液注射等の等張媒介物を使用して、好適な溶液を調製することが十分可能である。リン酸塩、クエン酸塩、および他の有機酸等の緩衝剤と、アスコルビン酸およびメチオニン等の酸化防止剤と、防腐剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチル、またはベンジルアルコール、メチルまたはプロピルパラベン等のアルキルパラベン、カテコール、レソルシノール、シクロヘキサノール、3’−ペンタノール、およびm−クレゾール等)と、低分子量ポリペプチド、血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン等のタンパク質と、ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジン等のアミノ酸と、グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む、単糖類、二糖類、および他の炭水化物と、EDTA等のキレート化剤と、蔗糖、マンニトール、トレハロース、またはソルビトール等の糖類と、ナトリウム等の塩形成対イオンと、金属錯体(例えば、Zn−タンパク質複合体)と、および/または、TWEENTM、PLURONICSTM、またはポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤とを含む、防腐剤、安定剤、緩衝剤、酸化防止剤、および/または他の添加剤が、必要に応じて採用されてもよい。
本発明の結合構成要素は、分子の物理化学的特性および送達経路に応じて、液体、半固体、固体形態で製剤化されてもよい。製剤は、賦形剤または賦形剤の組み合わせ、例えば、糖類、アミノ酸、および界面活性剤を含んでもよい。液体製剤は、広範囲の抗体濃度およびpHを含み得る。固体製剤は、例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥、または超臨界流体技術による乾燥によって産生することができる。抗IL−1R1の製剤は、意図された送達経路に依存し、例えば、肺送達用の製剤は、吸入時に肺深部への浸透を確実にする物理的特性を伴う粒子から成り得、局所製剤(例えば、瘢痕、例えば皮膚瘢痕の治療用)は、薬剤が作用部位に常在する時間を長引かせる、粘度修飾剤を含んでもよい。結合構成要素は、インプラント、経皮パッチ、およびマイクロカプセル化送達システムを含む、制御放出製剤等の、急速放出に対して結合構成要素を保護する担体を伴って調製されてもよい。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸等の、生分解性の生体適合性ポリマーも使用することができる。そのような製剤の調製のための多くの方法が、当業者に公知である[65]。
抗IL−1R1処置は、経口で(例えば、単一ドメイン抗体分子(例えば、「nanobodyTM」)等)、注射によって(例えば、皮下、関節内、静脈内、腹腔内、動脈内、または筋肉内)、気管内吸入によって、膀胱内経路(膀胱への注入)によって、また局所的に(例えば、眼内、鼻腔内、直腸、創傷の中へ、皮膚上に)、与えられてもよい。処置は、特に、結合構成要素の漸減投与量によるパルス注入によって、投与されてもよい。投与経路は、処置の物理化学的特性によって、疾患に対する特別な考慮事項によって、または有効性を最適化するまたは副作用を最小限化するための要件によって決定されてもよい。1つの特定の投与経路は、静脈内である。本発明の医薬組成物を投与する別の経路は、皮下である。抗IL−1R1処置は、診療所での使用に制限されないことが構想される。したがって、針を含まないデバイスを使用する皮下注射も有利である。
静脈内製剤の実施例は、
25mMヒスチジン、
120mM塩化ナトリウム
pH6.0、
を含む。
IL−1R1に対する結合構成要素、またはIL−1R1に対する結合構成要素を含む組成物は、付加的な薬用成分と併せた併用療法の一部として使用されてもよい。併用治療、特に、1つ以上の他の薬剤との抗IL−1R1結合構成要素の組み合わせを、有意な相乗効果を提供するために使用することができる。IL−1R1に対する結合構成要素は、本明細書で記載される病態のうちの1つ以上の治療のために、同時に、または連続的に、あるいは別の治療薬との複合調合薬として投与されてもよい。
本発明の結合構成要素は、気道の閉塞性疾患、喘息、アレルギー性疾患、またはIL−1R1介在効果を伴う他の疾患等の、IL−1R1介在疾患に対する他の利用可能な治療と組み合わせて製剤化および/または使用されてもよい。
本発明による結合構成要素は、単独療法として、または以下の薬剤のうちの1つ以上と組み合わせて、あるいはそれらに加えて、提供されてもよい。
− α、β、および/またはγインターフェロン等の、サイトカイン、またはサイトカイン機能の作動薬あるいは拮抗薬(例えば、SOCS系の調節剤等のサイトカイン信号伝達経路に作用する薬剤)と、インスリン様成長因子I(IGF−I)、その受容体および関連結合タンパク質と、インターロイキン(IL)、例えば、IL−2から−33のうちの1つ以上、および/またはアナキンラ等のインターロイキン拮抗薬あるいは阻害剤と、インターロイキン族構成要素の受容体の阻害剤、またはそのような受容体の特定のサブユニットの阻害剤、抗TNFモノクローナル抗体(例えば、インフリキシマブ、アダリムマブ、および/またはCDP−870)等の腫瘍壊死因子α(TNF−α)阻害剤、および/またはTNF受容体拮抗薬、例えば、免疫グロブリン分子(エタネルセプト等)と、および/またはペントキシフィリン等の低分子量薬剤。
−B細胞の調節剤、例えば、Bリンパ球を標的とするモノクローナル抗体(CD20(リツキシマブ)またはMRA−aIL16R等)またはTリンパ球を標的とすするモノクローナル抗体(例えば、CTLA4−Ig、HuMax Il−15、またはアバタセプト)。
−破骨細胞活性を阻害する調節剤、例えば、RANKLに対する抗体。
−(C−C族については)CCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、およびCCR11、(C−X−C族については)CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、およびCXCR6、C−X3−C族についてはCX3CR1の拮抗薬等の、ケモカインまたはケモカイン受容体機能の調節剤。
− マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)の阻害剤、すなわち、ストロメライシン、コラゲナーゼ、およびゲラチナーゼのうちの1つ以上、ならびにアグリカナーゼ、特に、コラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)、ストロメライシン−1(MMP−3)、ストロメライシン−2(MMP−10)、および/またはストロメライシン−3(MMP−11)、および/またはMMP−9、および/またはMMP−12、例えば、ドキシサイクリン等の薬剤。
− ロイコトリエン生合成阻害剤、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤、またはジロートン等の5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)拮抗薬と、ABT−761と、フェンロイトンと、テポキサリンと、Abbott−79175と、Abbott−85761と、N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルホンアミドと、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールヒドラゾンと、Zeneca ZD−2138等のメトキシテトラヒドロピランと、化合物SB−210661と、L−739,010等のピリジニル置換2−シアノナフタレン化合物と、L−746,530等の2−シアノキノリン化合物と、MK−591、MK−886、および/またはBAY x 1005等の、インドールおよび/またはキノリン化合物。
− L−651,392等のフェノチアジン−3−1から成る群より選択される、ロイコトリエン(LT)B4、LTC4、LTD4、およびLTE4に対する受容体拮抗薬と、CGS−25019c等のアミジノ化合物と、オンタゾラスト等のベンゾキサラミンと、BIIL 284/260等のベンゼンカルボキシミドアミドと、ザフィルルカスト、アブルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、ベルルカスト(MK−679)、RG−12525、Ro−245913、イラルカスト(CGP 45715A)、およびBAY x 7195等の化合物。
− メチルキサンタニン等のホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、例えば、テオフィリンおよび/またはアミノフィリンと、および/または、選択的PDEアイソザイム阻害剤、例えば、PDE4阻害剤および/またはイソ型PDE4Dの阻害剤、および/またはPDE5の阻害剤。
− セチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アクリバスチン、テルフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、レボカバスチン、クロルフェニラミン、プロメタジン、シクリジン、および/またはミゾラスチン等の、ヒスタミン1型受容体拮抗薬(概して、経口的、局所的、または非経口的に適用される)。
− プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール等)または胃保護ヒスタミン2型受容体拮抗薬。
− ヒスタミン4型受容体の拮抗薬。
− プロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、プソイドエフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸キシロメタゾリン、塩酸トラマゾリン、および塩酸エチルノルエピネフリン等の、α−1/α−2アドレナリン受容体作動薬血管収縮交感神経様作用薬。
− 抗コリン剤、例えば、アトロピン、ヒヨスチン、グリコピロレート、臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウム、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、およびテレンゼピン等の、ムスカリン受容体(M1、M2、およびM3)拮抗薬。
− イソプレナリン、サルブタモール、フォルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、ビトルテロールメシレート、および/またはピルブテロール等のβ−アドレナリン受容体作動薬(β受容体サブタイプ1−4を含む)、例えば、そのキラルエナンチオマー。
− クロモン、例えば、クロモグリク酸ナトリウムおよび/またはネドクロミルナトリウム。
− フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、ベクロメタゾンジプロピオネート、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、シクレソニド、および/またはフロ酸モメタゾン等の、グルココルチコイド。
− PPAR等の核ホルモン受容体を調節する薬剤。
− 本発明の結合構成要素と同じエピトープまたは異なるエピトープに結合する抗IL−1R1等の、免疫グロブリン(Ig)またはIg調合薬、あるいはIg機能を調節する拮抗薬または抗体。
− 他の全身もしくは局所適用抗炎症剤、例えば、サリドマイドまたはその誘導体、レチノイド、ジトラノール、および/またはカルシポトリオール。
− スルファサラジン、メサラジン、バルサラジド、およびオルサラジン等の、アミノサリチル酸およびスルファピリジンの組み合わせと、チオプリン等の免疫調節剤と、ブデソニド等のコルチコステロイド。
− 抗菌剤、例えば、ペニシリン誘導体、テトラサイクリン、マクロライド、ベータラクタム、フルオロキノロン、メトロニダゾール、および/または吸入アミノグリコシドと、および/または抗ウイルス剤、例えば、アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、シドフォビルと、アマンタジンと、リマンタジンと、リバビリンと、ザナミビルおよび/またはオセルタミビルと、インジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、および/またはサキナビル等のプロテアーゼ阻害剤と、ジダノシン、ラミブジン、スタブジン、ザルシタビン、ジドブジン等のヌクレオシド逆転写阻害剤と、ネビラピン、エファビレンツ等の非ヌクレオシド逆転写阻害剤。
− 以下のような心血管薬:
1)HMG−CoA還元酵素阻害剤(例えば、スタチン)等の抗脂質異常症剤と、PPARa作動薬(フィブレート、例えば、ゲムフィブロジル)と、胆汁酸抑制薬(コレスチラミン)と、コレステロール吸収阻害剤(植物スタノール、合成阻害剤)と、胆汁酸吸収阻害剤(IBATi)ならびにニコチン酸および類似体(ナイアシンおよび徐放製剤);
2)β遮断薬(例えば、アテノロール、インデラル)等の抗高血圧薬と、ACE阻害剤(例えば、リシノプリル)と、カルシウム拮抗薬(例えば、ニフェジピン)と、アンギオテンシン受容体拮抗薬(例えば、カンデサルタン)、拮抗薬、および利尿薬(例えば、フロセミド、ベンズチアジド);
3)抗血栓剤、線維素溶解の活性剤、抗血小板剤等の止血調節剤と、トロンビン拮抗薬と、Xa因子阻害剤と、VIIa因子阻害剤と、抗血小板剤(例えば、アスピリン、クロピドグレル)と、抗凝血剤(ヘパリンおよび低分子量類似体、ヒルジン)およびワルファリン;
4)グルカゴンの作用に拮抗する薬剤;
5)非ステロイド性抗炎症剤(例えば、アスピリン)およびステロイド性抗炎症剤(例えば、コルチゾン)等の抗炎症剤;
6)ペントキシフィリン等の血液細胞形態の調節剤。
− 以下のような抗糖尿病薬:
1)インスリンおよびインスリン類似体;
2)スルホニルウレア(例えば、グリベンクラミド、グリピジド)、食事グルコース調節剤(例えば、レパグリニド、ナテグリニド)を含む、インスリン分泌促進剤;
3)インクレチン作用を向上させる薬剤(例えば、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、例えば、サクサグリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはアログリプチン、およびGLP−1作動薬);
4)PPARγ作動薬(例えば、ピオグリタゾンおよびロシグリタゾン)、ならびに複合PPARαおよびγ活性を伴う薬剤を含む、インスリン感作剤;
5)肝臓のグルコースバランスを調節する薬剤(例えば、メトホルミン、フルクトース1,6ビスホスファターゼ阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グリコーゲンシンターゼキナーゼ阻害剤);
6)腸からのグルコースの吸収を低減するように設計されている薬剤(例えば、アカルボース);
7)腎臓によるグルコースの再吸収を妨げる薬剤(SGLT阻害剤);
8)長期高血糖症の合併症を治療するように設計されている薬剤(例えば、アルドース還元酵素阻害剤)。
− ノルアドレナリン/セロトニン非選択的再取り込み阻害剤等の抗肥満剤。
− 抗うつ剤(セルトラリン等)、抗パーキンソン病薬(デプレニル、L−ドーパ、ロピニロール、プラミペキソール、セレジンおよびラサジリン等のMAOB阻害剤、タスマー等のcomP阻害剤、A−2阻害剤、ドーパミン再取り込み阻害剤、NMDA拮抗薬、ニコチン作動薬、ドーパミン作動薬、および/または神経型一酸化窒素シンターゼの阻害剤等)、ドネペジル、リバスチグミン、タクリンCOX−2阻害剤、プロペントフィリン、またはメトリホネート等の、抗アルツハイマー病薬等の、中枢神経系剤。
− 急性および慢性疼痛の治療のための薬剤、例えば、オピオイド類似体または誘導体、カルバマゼピン、フェニトイン、バルプロ酸ナトリウム、アミトリプチリンまたは他の抗うつ剤、パラセタモール、または非ステロイド性抗炎症剤等の、中枢または末梢作用鎮痛剤。
− リグノカインまたはその類似体等の、非経口または局所適用(吸入を含む)局所麻酔薬。
− 抗骨粗鬆症剤、例えば、ラロキシフェン等のホルモン剤、またはアレンドロネート等のビスホスホネート。
− (i)トリプターゼ阻害剤、(ii)血小板活性化因子(PAF)拮抗薬、(iii)インターロイキン変換酵素(ICE)阻害剤、(iv)IMPDH阻害剤、(v)VLA−4拮抗薬を含む接着分子阻害剤、(vi)カテプシン、(vii)キナーゼ阻害剤、例えば、チロシンキナーゼの阻害剤(Btk、Itk、Jak3 MAP等、阻害剤の実施例は、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブを含む場合がある)、セリン/トレオニンキナーゼ(例えば、p38、JNK、タンパク質キナーゼA、B、およびC、ならびにIKK等の、MAPキナーゼの阻害剤)、または細胞周期調節に関与するキナーゼ(例えば、サイクリン依存性キナーゼ)、(viii)グルコース−6リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、(ix)キニン−B.sub1.−および/またはB.sub2.−受容体拮抗薬、(x)抗痛風剤、例えば、コルヒチン、(xi)キサンチンオキシダーゼ阻害剤、例えば、アロプリノール、(xii)尿酸***剤、例えば、プロベネシド、スルフィンピラゾン、および/またはベンズブロマロン、(xiii)成長ホルモン分泌促進物質、(xiv)形質転換成長因子(TGFβ)、(xv)血小板由来成長因子(PDGF)、(xvi)線維芽細胞成長因子、例えば、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、(xvii)顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、(xviii)カプサイシンクリーム、(xix)NKP−608C、SB−233412(タルネタント)、および/またはD−4418等の、タキキニンNK.sub1.および/またはNK.sub3.受容体拮抗薬、(xx)エラスターゼ阻害剤、例えば、UT−77および/またはZD−0892、(xxi)TNF−α変換酵素阻害剤(TACE)、(xxii)誘導型一酸化窒素シンターゼ(iNOS)阻害剤、または(xxiii)TH2細胞で発現される化学誘引物質受容体相同分子(CRTH2拮抗薬等)、(xxiv)P38の阻害剤、(xxv)トール様受容体(TLR)の機能を調節する薬剤、および(xxvi)P2X7等のプリン受容体の活性を調節する薬剤、(xxvii)NFkB、API、および/またはSTATS等の、転写因子活性化の阻害剤。
本発明による結合構成要素はまた、単独療法として、あるいは、従来の手術または放射線療法または癌化学療法と組み合わせて、あるいはそれらに加えて、提供されてもよい。そのような癌化学療法は、以下の抗腫瘍剤の分類のうちの1つ以上を含んでもよい。
(i)アルキル化剤(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロランブシル、ブスルファン、テモゾラミド、およびニトロソ尿素)、代謝拮抗剤(例えば、ゲムシタビン、ならびに、5−フルオロウラシルおよびテガフールのようなフルオロピリミジン、ラルチトレキセド、メトトレキセート、シトシンアラビノシド、およびヒドロキシ尿素等の、抗葉酸剤)、抗腫瘍抗生物質(例えば、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン、およびミトラマイシンのようなアントラサイクリン類)、抗有糸***剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビンのようなビンカアルカロイド類、ならびにタキソールおよびタキソテールのようなタキソイド類、およびポロキナーゼ阻害剤)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドおよびテニポシド等のエピポドフィロトキシン類、アムサクリン、トポテカン、およびカンプトテシン)等の、医学的腫瘍学で使用される抗増殖/抗腫瘍薬およびそれらの組み合わせ。
(ii)抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、およびヨードキシフェン)、抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、および酢酸シプロテロン)、LHRH拮抗薬またはLHRH作動薬(例えば、ゴセレリン、リュープロレリン、およびブセレリン)、プロゲストゲン(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール、およびエキセメスタン)、およびフィナステリド等の5α−還元酵素の阻害剤等の、細胞増殖抑制剤。
(iii)抗浸潤剤[例えば、4−(6−クロロ−2,3−メチレンジオキシアニリノ)−7−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]−5−テトラヒドロピラン−4−イルオキシキナゾリン(AZD0530、国際公開第WO01/94341)、N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−2−{6−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ}チアゾール−5−カルボキサミド(ダサチニブ、BMS−354825;J.Med.Chem.,2004,47,6658−6661)、およびボスチニブ(SKI−606)のような、c−Srcキナーゼ族阻害剤、ならびに、マリマスタット、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化受容体機能の阻害剤、またはヘパラナーゼに対する抗体の阻害剤のようなメタロプロテイナーゼ阻害剤]。
(iv)成長因子機能の阻害剤、例えば、そのような阻害剤は、成長因子抗体および成長因子受容体抗体(例えば、抗erbB2抗体トラスツズマブ[HerceptinTM]、および抗EGFR抗体パニツムマブ、抗erbB1抗体セツキシマブ[Erbitux、C225]、およびStern et al.Critical reviews in oncology/haematology,2005,Vol.54,pp 11−29によって開示されている任意の成長因子または成長因子受容体抗体)を含み、そのような阻害剤はまた、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、上皮成長因子族の阻害剤(例えば、N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、ZD 1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI−774)、および6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)−キナゾリン−4−アミン(CI 1033)等のEGFR族チロシンキナーゼ阻害剤、ラパチニブ等のerbB2チロシンキナーゼ阻害剤、肝細胞成長因子族の阻害剤、インスリン成長因子族の阻害剤、イマチニブおよび/またはニロチニブ(AMN 107)等の、血小板由来成長因子族の阻害剤、セリン/トレオニンキナーゼの阻害剤(例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤等のRas/Raf信号伝達阻害剤、例えば、ソラフェニブ(BAY 43−9006)、ティピファニブ(R115777)、およびロナファーニブ(SCH66336))、MEKおよび/またはAKTキナーゼを通した細胞信号伝達の阻害剤、c−kit阻害剤、ablキナーゼ阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、Plt3キナーゼ阻害剤、CSF−1Rキナーゼ阻害剤、IGF受容体(インスリン様成長因子)キナーゼ阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、AZD1152、PH739358、VX−680、MLN8054、R763、MP235、MP529、VX−528、およびAX39459)、ならびにCDK2および/またはCDK4阻害剤等のサイクリン依存性キナーゼ阻害剤も含む。
(v)血管内皮成長因子の効果を阻害するもの等の抗血管新生剤[例えば、抗血管内皮細胞成長因子抗体ベバシズマブ(AvastinTM)、例えば、バンデタニブ(ZD6474)、バタラニブ(PTK787)、スニチニブ(SU11248)、アクシチニブ(AG−013736)、パゾパニブ(GW 786034)、および4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)キナゾリン(AZD2171、国際公開第WO00/47212号内の実施例240)等のVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、国際特許出願国際公開第WO97/22596号、国際公開第WO97/30035号、国際公開第WO97/32856号、および国際公開第WO98/13354号で開示されているもの等の化合物、他の機構によって機能する化合物(例えば、リノマイド、インテグリンαvβ3機能の阻害剤、およびアンジオスタチン)]。
(vi)コンブレタスタチンA4、ならびに、国際特許出願国際公開第WO99/02166号、国際公開第WO00/40529号、国際公開第WO00/41669号、国際公開第WO01/92224号、国際公開第WO02/04434号、および国際公開第WO02/08213号で開示されている化合物等の、血管損傷剤。
(vii)エンドセリン受容体拮抗薬、例えば、ジボテンタン(ZD4054)またはアトラセンタン。
(viii)アンチセンス療法、例えば、ISIS 2503、抗rasアンチセンス等の、上記に記載される標的を対象とするもの。
(ix)例えば、異常p53または異常BRCA1あるいはBRCA2等の異常遺伝子を代替するアプローチ、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼ、または微生物性ニトロ還元酵素を使用するもの等の、GDEPT(遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法)アプローチ、および多剤耐性遺伝子療法等の化学療法または放射線療法に対する患者耐容性を増大させるアプローチを含む、遺伝子療法アプローチ。
(x)例えば、インターロイキン2、インターロイキン4、または顆粒球マクロファージコロニー刺激因子等のサイトカインによるトランスフェクション等の、患者の腫瘍細胞の免疫原性を増大させるex vivoアプローチおよびin vivoアプローチ、T細胞アネルギーを減少させるアプローチ、サイトカインがトランスフェクトされた樹状細胞等の、トランスフェクトされた免疫細胞を使用するアプローチ、サイトカインをトランスフェクトさせた腫瘍細胞株を用いたアプローチ、サイトカインがトランスフェクトされた腫瘍細胞系を使用するアプローチ、および抗イディオタイプ抗体を使用するアプローチを含む、免疫療法アプローチ。
阻害剤は、特異的であってもよく、または、混合阻害剤、例えば、上で記述される分子(例えば、受容体)または分子分類のうちの2つ以上を標的とする阻害剤であってもよい。
結合構成要素はまた、同時投与において、または免疫抱合体の形態で、チロシンキナーゼ阻害剤等の化学療法剤と関連して使用することもできる。該抗体の断片もまた、組み換え機構または生化学カップリングによって得られる二重特異性抗体で使用することもでき、次いで、上記の抗体の特異性を、IL−1R1が関連する活性に関与する他の分子を認識することが可能な他の抗体の特性と関連付ける。
炎症性疾患、例えば、関節リウマチ、変形性関節症、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、または乾癬の治療のために、本発明の結合構成要素は、局所または全身に適用される、ピロキシカム、ジクロフェナク、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、およびイブプロフェン等のプロピオン酸類、メフェナム酸等のフェナメート類、インドメタシン、スリンダク、アザプロパゾン、フェニルブタゾン等のピラゾロン類、アスピリン等のサリチレート類等の、非選択性シクロオキシゲナーゼ(COX)−1/COX−2阻害剤、COX−2阻害剤(メロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ルマロコキシブ、パレコキシブ、およびエトリコキシブ等)、シクロオキシゲナーゼ阻害一酸化窒素ドナー(CINOD)、グルココルチコステロイド(局所、経口、筋肉内、静脈内、または関節内経路によって投与される)、メトトレキセート、レフルノミド、ヒドロキシクロロキン、d−ペニシラミン、オーラノフィン、または他の非経口または経口金調合薬、鎮痛剤、ジアセレイン、ヒアルロン酸誘導体等の関節内療法、およびグルコサミン等の栄養補給剤等の、1つ以上の薬剤と組み合わせられてもよい。
本発明の結合構成要素、および上記の追加の薬用成分のうちの1つ以上は、薬物の製造で使用されてもよい。薬物は、個人への別個または併用投与用であってもよく、したがって、併用調合薬として、または別個の調合薬として、結合構成要素および追加の成分を含んでもよい。別個の調合薬は、別個および連続または同時投与を促進し、異なる経路、例えば、経口および非経口投与による、成分の投与を可能にするために使用されてもよい。
本発明によれば、提供される組成物は、哺乳動物に投与することができる。投与は通常、「治療的有効量」であり、これは、患者への有益性を示すのに十分である。そのような有益性は、少なくとも1つの症状の少なくとも改善であり得る。実際に投与される量、ならびに投与の速度および時間的経過は、治療されているものの性質および重症度、治療されている特定の哺乳動物、個別患者の臨床症状、障害の原因、組成物の送達の部位、結合構成要素の種類、投与の方法、投与のスケジューリング、および医療従事者に公知である他の因子に依存する。治療の処方、例えば、投与量等についての決定は、一般開業医および他の医師の責任の範囲内であり、症状の重症度および/または治療されている疾病の進行に依存し得る。抗体の適切な投与量は、当技術分野で周知である[66、67]。投与されている薬物の種類に対して適宜に、本明細書またはPhysician’s Desk Reference(2003)で示されている具体的な投与量が使用され得る。本発明の結合構成要素の治療的有効量または好適な投与量は、動物モデルにおいて、そのin vitro活性およびin vivo活性を比較することによって、決定することができる。マウスおよび他の実験動物からヒトにおける有効投与量を推定するための方法が公知である。正確な投与量は、抗体が診断用であるか、予防用であるか、または治療用であるか、治療される領域のサイズおよび場所、抗体の正確な性質(例えば、全抗体、断片、または二特異性抗体)、および抗体に付着した任意の検出可能な標識または他の分子の性質に依存する。典型的な抗体投与量は、全身性適用については100μgから1g、および局所適用については1μgから1mgの範囲である。初期のより高い負荷投与量が、1回以上のより低い投与量が後に続くように投与されてもよい。典型的には、抗体は、全抗体、例えば、IgG1イソタイプ、IgG2イソタイプ、IgG3イソタイプ、またはIgG4イソタイプとなる。これは、成人患者の単回治療用の投与量であり、小児および幼児に対して比例的に調整され、また、分子量に比例して他の抗体形式に対しても調整されてもよい。治療は、医師の判断により、毎日、週2回、毎週、または毎月の間隔で繰り返されてもよい。治療は、皮下投与については2週間から4週間ごと、静脈内投与については4週間から8週間ごとであってもよい。治療は周期的であってもよく、投与間の期間は、約2週間以上、例えば、約3週間以上、約4週間以上、または月に約1回である。治療は、手術の前および/または後に与えられてもよく、および/または、外科的治療の解剖学的部位において投与または直接適用されてもよい。
本発明の結合構成要素はまた、IL−1Rが関与する気道の閉塞性疾患または他の炎症性疾患があるサンプル患者等において、IL−1R1の存在または量を検出するため等の診断的有用性も有する。そのような診断的有用性は、本発明の結合構成要素を標識化することを含み得る。
本発明の結合構成要素は、検出可能または機能的な標識で標識化されてもよい。したがって、結合構成要素または抗体分子は、検出可能および/または定量化可能な信号を得るよう、免疫抱合体の形態で存在することができる。免疫抱合体は、検出可能または機能的な標識に抱合された、本発明の抗体分子を含み得る。標識は、蛍光発光体、放射性標識、酵素、化学発光体、または光線感作物質を含むがそれらに限定されない、信号を産生する、または産生するように誘発することができる、任意の分子となり得る。したがって、結合は、蛍光、発光、放射能、酵素活性、または光吸収を検出することによって検出および/または測定することができる。
好適な標識は、限定ではなく例証として、以下を含む。
− アルカリホスファターゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(「G6PDH」)、α−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコースアミラーゼ、炭酸脱水酵素、アセチルコリンエステラーゼ、リゾチーム、リンゴ酸脱水素酵素、およびペルオキシダーゼ、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ等の、酵素;
− 色素;
− フルオレセインおよびその誘導体、蛍光色素、ローダミン化合物および誘導体、GFP(「緑色蛍光タンパク質」のGFP)、ダンシル、ウンベリフェロン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルアルデヒド、およびフルオレスカミン等の、蛍光標識または蛍光発光体、ランタニドクリプタートおよびキレート等のフルオロフォア、例えば、ユーロピウム等(Perkin ElmerおよびCis Biointernational);
− イソルミノール、ルミノール、およびジオキセタン等の化学発光標識または化学発光体;
− ルシフェラーゼおよびルシフェリン等の生物発光標識;
− 感作物質;
− 補酵素;
− 酵素基質;
− 臭素77、炭素14、コバルト57、フッ素8、ガリウム67、ガリウム68、水素3(トリチウム)、インジウム111、インジウム113m、ヨウ素123m、ヨウ素125、ヨウ素126、ヨウ素131、ヨウ素133、水銀107、水銀203、リン32、レニウム99m、レニウム101、レニウム105、ルテニウム95、ルテニウム97、ルテニウム103、ルテニウム105、スカンジウム47、セレン75、硫黄35、テクネチウム99、テクネチウム99m、テルル121m、テルル122m、テルル125m、ツリウム165、ツリウム167、ツリウム168、イットリウム199、および本明細書で記述される他の放射性標識を含むが、それらに限定されない放射性標識;
− 色素、触媒、または他の検出可能な基でさらに標識化することができる、ラテックスおよび炭素粒子等の粒子、金属ゾル、晶子、リポソーム、細胞等;
− ビオチン、ジゴキシゲニン、または5−ブロモデオキシウリジン等の分子;
− 緑膿菌外毒素(PEまたはその細胞傷害性断片あるいは突然変異体)、ジフテリア毒素または細胞傷害性断片あるいは突然変異体、ボツリヌス毒素A、B、C、D、E、またはF、リシンまたはその細胞傷害性断片、例えば、リシンA、アブリンまたはその細胞傷害性断片、サポリンまたはその細胞傷害性断片、ヤマゴボウ抗ウイルス毒素またはその細胞傷害性断片、およびブリョジン(bryodin)1またはその細胞傷害性断片の群から選択される毒素部分等の、毒素部分。
好適な酵素および補酵素は、それぞれがそれらの全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、Litman,et al.,US4,275,149、およびBoguslaski,et al.,US4318980で開示されている。好適な蛍光発光体および化学発光体は、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、Litman,et al.,US4275149で開示されている。標識はさらに、特定の同種検出可能部分、例えば、標識化されたアビジンまたはストレプトアビジンへの結合を介して検出されてもよい、ビオチン等の化学部分を含む。検出可能な標識は、当技術分野で公知である従来の化学反応を使用して、本発明の抗体に付着することができる。
免疫抱合体またはそれらの機能的断片は、当業者に公知の方法によって調製することができる。それらは、直接、あるいは、グルタルアルデヒドのようなポリアルデヒド、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DPTA)等のスペーサ基または連結基を介して、あるいは、治療用抱合体について上で記述されるもの等の結合剤の存在下で、酵素または蛍光標識に連結することができる。フルオレセイン型の標識を含有する抱合体は、イソチオシアネートとの反応によって調製することができる。
直接、または上で記述されるEDTA、DTPA等のキレート化剤を介して、治療用放射性同位体を抗体に結合するために存在する、当業者に公知である方法は、診断で使用することができる放射性元素に使用することができる。同様に、クロラミンT方法[68]によるナトリウム125を用いて、あるいはCrockfordらの技法(その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、US4424200)による、またはHnatowich(その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、US4,479,930)によって説明されるようにDTPAを介して付着されたテクネチウム99mを用いて、標識化を行うことが可能である。
外部手段によって、例えば、目視検査、電磁放射線、熱、および化学試薬によって検出可能である信号を、標識が産生することができる、多数の方法がある。標識はまた、本発明の抗体に結合する別の結合構成要素に、または支持体に結合させることもできる。
標識は、信号を直接産生することができ、したがって、信号を産生するために付加的な成分は必要とされない。多数の有機分子、例えば、蛍光発光体は、紫外線および可視光を吸収することができ、その場合、光の吸収は、エネルギーをこれらの分子に伝達し、それらの励起エネルギー状態まで高める。次いで、この吸収されたエネルギーは、第2の波長における発光によって消散される。この第2の波長の発光はまた、エネルギーを標識化されたアクセプタ分子に伝達し得、結果として生じたエネルギーは、発光、例えば、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)によって、アクセプタ分子から消散される。信号を直接産生する他の標識は、放射性同位体および色素を含む。
代替として、標識は、信号を産生するために他の成分を必要とし得、その場合、信号産生システムは、測定可能な信号を産生するために必要とされる全ての成分を含むこととなり、それらは、酵素産物、触媒、活性剤、共同因子、阻害剤、スカベンジャー、金属イオン、および信号生成物質の結合のために必要とされる特異的結合物質と反応する、基質、補酵素、エンハンサー、付加的な酵素、物質を含み得る。好適な信号産生システムの詳細な考察は、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、Ullman,et al.US5,185,243で見出すことができる。
本発明は、IL−1R1への本明細書で提供される結合構成要素の結合を引き起こす、または可能にすることを含む、方法を提供する。述べたように、そのような結合は、in vivoで、例えば、ヒトまたは動物(例えば、哺乳動物)への結合構成要素または符号化核酸の投与後に、発生し得、または、in vitroで、例えば、ELISA、ウェスタンブロット法、免疫細胞化学、免疫沈降、親和性クロマトグラフィ、および生化学アッセイまたは細胞に基づいたアッセイで発生し得る。
概して、本発明の結合構成要素とIL−1R1との間の複合体は、とりわけ、酵素結合免疫測定、放射能測定、免疫沈降、蛍光免疫測定、化学発光アッセイ、免疫ブロットアッセイ、側方流動アッセイ、凝集アッセイ、および微粒子に基づいたアッセイによって検出することができる。
本発明はまた、例えば、バイオセンサシステムにおいて、本発明による結合構成要素を採用することによって、抗原のレベルを直接測定することも提供する。例えば、本発明は、(i)該結合構成要素をIL−1R1に曝露させることと、(ii)IL−1R1への該結合構成要素の結合を検出し、結合は、本明細書で説明される任意の方法または検出可能な標識を使用して検出すること、を含む、IL−1R1への結合を検出および/または測定する方法を含む。この方法、および本明細書で説明される任意の他の結合検出方法は、例えば、検出可能な標識を視覚的に観察することによって、方法を実施する個人によって直接解釈され得る。代替として、この方法、または本明細書で説明される任意の他の結合検出方法は、オートラジオグラフ、写真、コンピュータプリントアウト、フローサイトメトリレポート、グラフ、チャート、結果を含有する試験管または容器またはウェル、または方法の結果の任意の他の視覚的または物理的表示の形態で、レポートを生成することもできる。
IL−1R1への結合構成要素の結合の量を決定することができる。定量法は、診断の対象であり得る、試験サンプルの中の抗原の量に関係し得る。IL−1R1結合に対するスクリーニングおよび/またはその定量法は、例えば、本明細書で言及される疾患または障害、および/または、異常IL−1R1産生、発現、および/または活性を伴う任意の他の疾病または疾患について、患者をスクリーニングするために有用であり得る。
本発明の診断方法は、(i)被験体から組織または流体サンプルを取得することと、(ii)該組織または流体サンプルを本発明の1つ以上の結合構成要素に曝露させることと、(iii)対照サンプルと比較して、結合されたIL−1R1を検出し、対照と比較したIL−1R1結合の量の増加が、IL−1R1産生、発現、または活性の異常レベルを示しうること、とを含み得る。検査される組織または流体サンプルは、血液、血清、尿、生検材料、腫瘍、または異常IL−1R1レベルを含有する疑いがある任意の組織を含む。異常IL−1R1レベルまたは活性について陽性である検査の被験体はまた、本明細書で以降に開示される治療方法から便益を得ることができる。
本発明の診断方法はさらに、固定化された抗原を介して、結合構成要素およびIL−1R1の複合体を捕捉するステップを含んでもよい。例えば、抗原は、関心のサンプルの中の抗原特異的IL−1R1を捕捉するための側方ストリップアッセイ上で固定されてもよい。
当業者であれば、本明細書で開示される方法に照らして、選好および一般知識に従って、抗原への結合構成要素の結合を判定する好適な様態を選択することが可能である。
サンプル中の結合構成要素の反応性は、任意の適切な手段によって決定され得る。放射免疫測定(RIA)が、1つの可能性である。放射性標識化抗原は、標識化されていない抗原(試験サンプル)と混合され、結合構成要素に結合できるようさせる。結合された抗原が非結合抗原から物理的に分離され、結合構成要素に結合された放射性抗原の量が測定される。より多くの抗原が試験サンプルの中にあるほど、より少ない放射性抗原が結合構成要素に結合する。競合的結合アッセイも、抗原またはレポータ分子に連結された類似体を使用して、非放射性抗原とともに使用することができる。レポータ分子は、スペクトルで単離された吸収または発光特性を伴う、蛍光色素、蛍光体、またはレーザ色素であってもよい。好適な蛍光色素は、フルオレセイン、ローダミン、フィコエリトリン、およびテキサスレッド、およびランタニドキレートまたはクリプタートを含む。好適な発色色素は、ジアミノベンジジンを含む。
他のレポータは、着色された、磁性である、または常磁性であるラテックスビーズ、および、直接または間接的に、検出可能な信号を視覚的に観察させ、電子的に検出させ、または別様に記録させることができる、生物学的または化学的活性薬剤等の、高分子コロイド粒子または粒子材料を含む。これらの分子は、例えば、発色または変色させる、あるいは電気的特性の変化を引き起こす、反応を触媒する酵素であり得る。それらは、エネルギー状態間の電子遷移が、特徴的なスペクトル吸収または放出をもたらすように、分子的に励起可能であってもよい。それらは、バイオセンサと併せて使用される化学物質を含んでもよい。ビオチン/アビジンまたはビオチン/ストレプトアビジンおよびアルカリホスファターゼ検出システムが採用されてもよい。
個々の結合構成要素・レポータ抱合体によって生成される信号は、サンプル(正常および試験)中の関連結合構成要素の結合の定量化可能な絶対または相対データを導出するために使用されてもよい。
本発明の任意の態様および実施形態による結合構成要素を含む、キットも、本発明の態様として提供される。キットにおいて、結合構成要素は、例えば、以下でさらに説明されるように、サンプル中のその反応性が判定されることを可能にするように標識化されてもよい。さらに、結合構成要素は、固体支持材に付着されてもされなくてもよい。キットの成分は、概して、無菌性であり、密閉バイアルまたは他の容器の中にある。キットは、結合構成要素が有用である診断分析または他の方法で採用されてもよい。キットは、方法における、例えば、本発明による方法における、成分の使用説明書を含有してもよい。そのような方法の実施を支援する、または可能にする付属材料が、本発明のキット内に含まれてもよい。付属材料は、第1の結合構成要素に結合し、検出可能な標識(例えば、蛍光標識、放射性同位体、または酵素)に抱合される、第2の異なる結合構成要素を含む。抗体に基づいたキットはまた、免疫沈降を行うためのビーズを含んでもよい。キットの各成分は、概して、独自の好適な容器の中にある。したがって、これらのキットは、概して、各結合構成要素にとって好適である別個の容器を備える。さらに、キットは、アッセイ、ならびにアッセイの実施によって得られるデータを解釈および分析するための方法を実施するための使用説明書を備えてもよい。
本発明はまた、競合アッセイにおいて抗原レベルを測定するための、上記の結合構成要素の使用、つまり、競合アッセイにおいて、本発明によって提供される結合構成要素を採用することによって、サンプル中の抗原のレベルを測定する方法を提供する。これは、非結合抗原からの結合抗原の物理的分離が必要とされない場合であり得る。物理的または光学的変化が結合に発生するように、レポータ分子を結合構成要素に連結することが、1つの可能性である。レポータ分子は、定量化可能であり得る、検出可能な信号を直接または間接的に生成することができる。レポータ分子の連結は、直接または間接的に、共有結合的に、例えば、ペプチド結合を介して、または非共有結合的に行われてもよい。ペプチド結合を介した連結は、抗体およびレポータ分子をコードする遺伝子融合の組み換え発現の結果であり得る。
一実施形態では、本発明は、(i)IL−1R1を支持体に固定化することと、
(ii)同時に、または段階的に、本発明による少なくとも1つのタグ付きまたは標識化結合構成要素、および1つ以上の未タグまたは未標識化試験結合化合物と、該固定化されたIL−1R1を接触させることと、(iii)タグ付き結合構成要素からの結合されたタグの量の減少を観察することによって、新しいIL−1R1結合化合物を同定することとを含む、IL−1R1結合化合物を同定する方法を含む。そのような方法は、マルチウェルまたはアレイ形式を使用して、高スループット方式で実施することができる。そのようなアッセイはまた、溶液中で実施されてもよい。例えば、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、U.S.5,814,468を参照されたい。上で説明されるように、結合の検出は、例えば、検出可能な標識、またはその存在の減少を視覚的に観察することによって、方法を実施する個人によって直接解釈され得る。代替として、本発明の結合方法は、オートラジオグラフ、写真、コンピュータプリントアウト、フローサイトメトリレポート、グラフ、チャート、結果を含有する試験管または容器またはウェル、または方法の結果の任意の他の視覚的または物理的表示の形態で、レポートを生成することができる。
本発明はさらに、本発明の結合構成要素をコードする単離核酸を提供する。核酸は、DNAおよび/またはRNAを含んでもよい。一実施形態では、本発明は、CDRまたは一式のCDR、あるいはVHドメインまたはVLドメイン、あるいは抗体抗原結合部位または抗体分子、例えば、本発明のscFvまたはIgGlをコードする、核酸を提供する。
さらなる側面では、本発明は、本発明の結合構成要素、本発明によるVHドメインおよび/またはVLドメインをコードする配列を含む、単離核酸を提供する。例えば、配列番号92、2、122、102、12、62、22、32、72、42、112、52、および82は、本発明の例示的なVHドメインをコードし、配列番号97、7、127、107、17、67、27、37、77、47、117、57、および87は、本発明の例示的なVLドメインをコードする。
本発明はまた、上記のような少なくとも1つの核酸を含む、プラスミド、ベクター、転写、または発現カセットの形態の構築物も提供する。
本発明はまた、上記のような1つ以上の構築物を含む、組み換え宿主細胞も提供し、またコードされた産物の産生の方法を提供し、その方法は、該コードする構築物からの発現を含む。発現は、適切な条件下で、構築物を含有する組み換え宿主細胞を培養することによって、便宜的に達成することができる。発現による産生後、VHまたはVLドメイン、あるいは結合構成要素は、任意の好適な技法を使用して単離および/または精製され、次いで、適宜に使用することができる。
本発明による核酸は、DNAまたはRNAを含んでもよく、また完全または部分的に合成であってもよい。本明細書で記述されるヌクレオチド配列への言及は、特定配列を伴うDNA分子を包含し、かつ文脈上他の意味を必要としない限り、UがTと置換される、特定配列を伴うRNA分子を包含する。
さらなるは、抗体またはVH可変ドメインの産生の方法であって、コードする核酸からの発現を引き起こすことを含む、方法を提供する。そのような方法は、該抗体VH可変ドメインの産生のための条件下で宿主細胞を培養するステップを含んでもよい。
VHおよび/またはVLドメインを含む抗体等の、VL可変ドメインおよび結合構成要素の産生のための類似方法が、本発明のさらなる態様として提供される。
産生の方法は、産物の単離および/または精製のステップを含んでもよい。産生の方法は、薬学的に容認可能な賦形剤等の、少なくとも1つの付加的な成分を含む組成物に、産物を処方することを含んでもよい。
種々の異なる宿主細胞におけるポリペプチドのクローン化および発現のためのシステムが周知である。好適な宿主細胞は、細菌、哺乳動物細胞、植物細胞、糸状菌、酵母およびバキュロウイルス系、ならびにトランスジェニック植物および動物を含む。原核細胞における抗体および抗体断片の発現が、当技術分野で十分確立されている。論評については、例えば、Pluckthun[69]を参照されたい。一般的な細菌宿主は大腸菌である。
培養液中の真核細胞における発現も、結合構成要素の産生のための選択肢として、当業者に利用可能である[70、71、72]。異種ポリペプチドの発現のために当技術分野で利用可能な哺乳動物細胞株は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、幼生ハムスター腎臓細胞、NS0マウスメラノーマ細胞、YB2/0ラット骨髄腫細胞、ヒト胚腎臓細胞、ヒト胚網膜細胞、およびその他多くを含む。
プロモーター配列、終了配列、ポリアデニル化配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子、および他の配列を適宜に含む、適切な調節配列を含有する好適なベクターを選択または構築することができる。ベクターは、適宜に、プラスミド、例えば、ファージミド、またはウイルス性、例えば、‘ファージであってもよい[73]。核酸の操作、例えば、核酸構築物の調製、突然変異誘発、配列決定、細胞へのDNAの導入、および遺伝子発現、ならびにタンパク質の分析のための多くの公知の技法およびプロトコルが、Ausubel et al.[74]で詳細に説明されている。
本発明のさらなる態様は、本明細書で開示される核酸を含有する宿主細胞を提供する。そのような宿主細胞は、in vitroにあってもよく、かつ培養液中にあってもよい。そのような宿主細胞は、in vivoにあってもよい。宿主細胞のin vivo存在は、「細胞内抗体(intrabodies)」または細胞内の抗体として、本発明の結合構成要素の細胞内発現を可能にすることができる。細胞内抗体は、遺伝子療法に使用することができる。
本発明はまた、結合構成要素、VHドメイン、および/またはVLドメインの産生を引き起こす条件下で該核酸を発現させることと、結合構成要素を単離または精製することによってそれを回収することとを含む、本発明の該結合構成要素、VHドメイン、および/またはVLドメインを調製する方法も含む。
なおもさらなる態様は、宿主細胞に本発明の核酸を導入することを含む方法を提供する。導入は、任意の利用可能な技法を採用してもよい。真核細胞については、好適な技法は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン、エレクトロポレーション、リポソーム介在トランスフェクション、および、レトロウイルスまたは他のウイルス、例えば、ワクシニア、または昆虫細胞についてはバキュロウイルスを使用する、形質導入を含んでもよい。宿主細胞、特に、真核細胞に核酸を導入するには、ウイルス性またはプラスミドに基づいたシステムを使用してもよい。プラスミドシステムは、エピソームに維持されてもよく、または、宿主細胞に、あるいは、人工染色体に組み込まれてもよい。組み込みは、単一または複数の遺伝子座における1つ以上のコピーのランダムまたは標的化組み込みによるものであってもよい。細菌細胞については、好適な技法は、塩化カルシウム形質転換、エレクトロポレーション、およびバクテリオファージを使用するトランスフェクションを含み得る。
導入の後には、例えば、遺伝子の発現のための条件下で宿主細胞を培養することによって、核酸からの発現を引き起こす、または可能にすることが続いてもよい。発現された産物の精製は、当業者に公知である方法によって達成することができる。
本発明の核酸は、宿主細胞のゲノム(例えば、染色体)に組み込まれてもよい。組み込みは、標準的技法に従って、ゲノムとの組み換えを推進する配列を含むことによって推進されてもよい。
本発明はまた、上記のような結合構成要素またはポリペプチドを発現させるために、発現系において上で記述されるような構築物を使用することを含む、方法も提供する。
一般に、特に、マウス由来のモノクローナル抗体またはそれらの機能的断片の調製のために、特に、手引書「Antibodies」[75]で説明されている技法、またはKohlerおよびMilstein[76]によって説明されているハイブリドーマからの調製の技法を参照することが可能である。
モノクローナル抗体は、例えば、IL−1R1または該モノクローナル抗体によって認識されるエピトープを含有するその断片のうちの1つに対して免疫がある動物から取得された細胞から取得することができる。それらを含む、好適な断片およびペプチドまたはポリペプチドを、IL−1R1に対する抗体を生成するように動物に免疫を与えるために使用することができる。該IL−1R1、またはその断片のうちの1つは、特に、通常の作業方法に従って、IL−1R1またはその断片をコードするcDNA配列に含有された核酸配列から開始する遺伝子組み換えによって、IL−1R1および/またはその断片のペプチド配列に含まれるアミノ酸の配列から開始するペプチド合成によって、産生することができる。
モノクローナル抗体は、例えば、IL−1R1、または該モノクローナル抗体によって認識されるエピトープを含有するその断片のうちの1つが、前もってに固定されている、親和性カラム上で精製することができる。より具体的には、モノクローナル抗体は、プロテインAおよび/またはG上のクロマトグラフィによって精製することができ、その後に、それ自体の中の残留タンパク質汚染物質ならびにDNAおよびリポ多糖(LPS)を排除することを目的とした、イオン交換クロマトグラフィが続くか、または続かず、その後に、二量体または他の多量体の存在による潜在的凝集体を排除するために、SepharoseTMゲル上での排除クロマトグラフィが続くか、または続かない。一実施形態では、これらの技法の全体を同時または順番にに使用することができる。
モノクローナルおよび他の抗体を取り、標的抗原に結合する他の抗体またはキメラ分子を産生するために組み換えDNA技術の技法を使用することが可能である。そのような技法は、抗体の免疫グロブリン可変領域またはCDRをコードするDNAを、異なる免疫グロブリンの定常領域、またはフレームワーク領域および定常領域に導入するステップを含んでもよい。例えば、EP−A−184187、GB 2188638A、またはEP−A−239400、および大半の後続の文献を参照されたい。抗体を産生するハイブリドーマまたは他の細胞は、遺伝子突然変異または他の変化を受けてもよく、それは、産生される抗体の結合特異性を変更してもしなくてもよい。
抗体改変の技術分野で利用可能なさらなる技法は、ヒトおよびヒト化抗体を単離することを可能にしている。例えば、ヒトハイブリドーマを、KontermannおよびDubel[77]によって説明されているように作製することができる。結合構成要素を生成するための別の確立された技法である、ファージ提示法が、KontermannおよびDubel[77]、ならびに国際公開第WO92/01047号(以下でさらに詳細に論議される)、ならびに米国特許US第5,969,108、US5,565,332、US5,733,743、US5,858,657、US5,871,907、US5,872,215、US5,885,793、US5,962,255、US6,140,471、US6,172,197、US6,225,447、US6,291,650、US6,492,160、およびUS6,521,404等の、多くの出版物で詳細に説明されている。
マウス抗体遺伝子が非活性化され、ヒト抗体遺伝子と機能的に置換される一方で、マウス免疫系の他の成分が原型を保っている、トランスジェニックマウスを、ヒト抗体を単離するために使用することができる[78]。ヒト化抗体は、例えば、国際公開第WO91/09967号、US5,585,089、EP592106、US5,565,332、および国際公開第WO93/17105号で開示されている技法等の、当技術分野で公知の方法を使用して産生することができる。さらに、国際公開第WO2004/006955号は、非ヒト抗体の可変領域のCDR配列に対する正準CDR構造型を、ヒト抗体配列のライブラリ、例えば、生殖細胞系抗体遺伝子セグメントからの対応するCDRに対する正準CDR構造型と比較することによって、ヒト抗体遺伝子から可変領域骨格配列を選択することに基づいて、抗体をヒト化するための方法を説明している。非ヒトCDRに類似する正準CDR構造型を有する、ヒト抗体可変領域は、そこからヒト骨格配列を選択する、構成要素ヒト抗体配列の一部を形成する。一部の構成要素はさらに、ヒトおよび非ヒトCDR配列の間のアミノ酸類似性によってランク付けされてもよい。国際公開第WO2004/006955号の方法では、選択された一部の構成要素のヒトフレームワークを使用して、ヒトCDR配列を非ヒトCDR対応物と機能的に置換する、キメラ抗体を構築するための骨格配列を提供するように、最高位のヒト配列が選択され、それにより、非ヒトおよびヒト抗体の間でフレームワーク配列を比較する必要なく、高親和性および低免疫原性のヒト化抗体を提供する。
合成抗体分子は、例えば、Knappik et al.[79]またはKrebs et al.[80]によって説明されるように、好適な発現ベクター内で合成され、組み立てられたオリゴヌクレオチドを用いて生成される、遺伝子からの発現によって作成されてもよい。
上で記述されるように、本発明による結合構成要素は、IL−1R1の生物活性を調節し、かつ中和し得る。本明細書で説明されるように、本発明のIL−1R1結合構成要素は、中和能力について最適化されてもよい。概して、能力の最適化は、結合構成要素のライブラリを生成するように、選択された結合構成要素の配列(通常、抗体の可変ドメイン配列)を突然変異させることを伴い、次いで、それらは能力について分析され、より有能な結合構成要素が選択される。したがって、選択された「能力最適化」結合構成要素は、そこからライブラリが生成された結合構成要素よりも高い能力を有する傾向がある。それにも関わらず、高能力結合構成要素はまた、最適化を伴わずに取得され得、例えば、高能力結合構成要素は、初期スクリーニング、例えば、生化学中和アッセイから、直接取得されてもよい。「能力最適化」結合構成要素とは、特定の活性または下流機能の中和の最適化された能力を伴う結合構成要素を指す。アッセイおよび能力は、本明細書の他の場所で、さらに詳細に説明される。本発明は、能力最適化結合構成要素および非最適化結合構成要素の両方、ならびに選択された結合構成要素からの能力最適化のための方法を提供する。したがって、本発明は、当業者が、高能力を有する結合構成要素を生成することを可能にする。
能力最適化は、所与の結合構成要素からより高い能力の結合構成要素を生成するために使用されてもよいが、能力最適化を伴わなくても高能力結合構成要素が取得し得ることも留意される。
さらなる態様では、本発明は、抗原に結合することが可能な1つ以上の結合構成要素を取得するための方法であって、本発明による結合構成要素のライブラリおよび該抗原を接触させることと、該抗原に結合することができるライブラリの1つ以上の結合構成要素を選択することとを含む、方法を提供する。
ライブラリは、粒子または分子複合体、例えば、酵母、細菌またはバクテリオファージ(例えば、T7)粒子、ウイルス、細胞、または共有結合、リボソーム、あるいは他のin vitro提示系等の、複製可能な遺伝子パッケージ上で提示されてもよく、各粒子または分子複合体は、その上で提示される抗体VH可変ドメイン、また、随意で、存在するならば提示されるVLドメイン上をコードする核酸を含有する。ファージ提示法は、それぞれが、それらの全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、国際公開第WO92/01047、ならびに、例えば、米国特許US第5,969,108、US5,565,332、US5,733,743、US5,858,657、US5,871,907、US5,872,215、US5,885,793、US5,962,255、US6,140,471、US6,172,197、US6,225,447、US6,291,650、US6,492,160、およびUS6,521,404で説明されている。
抗原に結合することが可能であり、バクテリオファージまたは他のライブラリ粒子あるいは分子複合体上で提示される、結合構成要素の選択後に、核酸は、選択された結合構成要素を提示する、バクテリオファージまたは他の粒子あるいは分子複合体から採取されてもよい。そのような核酸は、該選択された結合構成要素を提示する、バクテリオファージまたは他の粒子あるいは分子複合体から取得された核酸の配列を伴う、核酸からの発現によって、結合構成要素または抗体VHあるいはVL可変ドメインの後続産生で使用されてもよい。
該選択された結合構成要素の抗体VH可変ドメインのアミノ酸配列を伴う、抗体VH可変ドメインは、そのようなVHドメインを含む結合構成要素のように、単離形態で提供されてもよい。
IL−1R1に結合する能力、また、IL−1R1に結合するために、例えば、親抗体分子(抗体1または4)または抗体分子2、3、5から10(例えば、scFv形式および/またはIgG形式における、例えば、IgG1)と競合する能力も、さらに検査することができる。本明細書の他の場所でさらに論じられるように、IL−1R1を中和する能力を検査することができる。
本発明による結合構成要素は、親(抗体1または4)または他の抗体分子、例えば、scFv、あるいは抗体2、3、5から10のうちの1つ、例えば、IgG1の親和性で、またはより良好である親和性で、結合することができる。
本発明による結合構成要素は、親(抗体1または4)または他の抗体分子、抗体2、3、5から10のうちの1つ、例えば、scFvまたはIgG1の能力で、またはより良好である能力で、IL−1R1の生物活性を中和することができる。
異なる結合構成要素の結親和性および中和能力は、適切な条件下で比較することができる。
アミノ酸配列が本明細書で記述されるものを含み、IL−1R1に対する結合構成要素で採用することができる、本発明のVHおよびVLドメインならびにCDRの変異体は、配列の変更または突然変異の方法、および所望の特性を伴う抗原結合構成要素のスクリーニングを用いて取得することができる。所望の特性は、以下を含むが、それらに限定されない。
・ 抗原に対して特異的である公知の抗体と比較した、抗原への増加した結合親和性
・ 活性が分かっている場合、抗原に対して特異的である公知の抗体と比較した、抗原活性の増加した中和
・ 特定のモル比における、公知の抗体またはリガンドとの抗原への特定競合能力
・ 複合体を免疫沈降させる能力
・ 特定エピトープに結合する能力
− 線形エピトープ、例えば、本明細書で説明されるようなペプチド結合スキャンを使用して、例えば、線形および/または制約立体配座でスクリーニングされたペプチドを使用して同定される、ペプチド配列
− 不連続残基によって形成される、立体構造エピトープ
・ IL−1R1の新しい生物活性または下流分子を調節する能力。そのような方法も本明細書で提供される。
本明細書で開示される抗体分子の変異体が、本発明で産生され、使用されてもよい。構造/特性・活性関係[81]に多変量データ分析技法を適用する計算化学の先導後に、統計的回帰、パターン認識、および分類等の、周知の数学的技法を使用して、抗体の定量的活性・特性関係を導出することができる[82、83、84、85、86、87]。抗体の特性は、抗体配列、機能的および3次元構造の経験的および理論的モデル(例えば、考えられる接触残基または計算された物理化学的特性の分析)から導出することができ、これらの特性は、単独で、かつ組み合わせて考慮することができる。
VHドメインおよびVLドメインから成る抗体抗原結合部位は、典型的には、軽鎖可変ドメイン(VL)からの3つ、および重鎖可変ドメイン(VH)からの3つである、ポリペプチドの6つのループによって形成される。公知の原子構造の抗体の分析が、抗体結合部位の配列と3次元構造との間の関係を解明している[88、89]。これらの関係は、VHドメインの第3の領域(ループ)を除いて、結合部位ループが、正準構造である少数の主鎖立体配座のうちの1つを有することを示唆する。特定のループにおいて形成される正準構造は、そのサイズと、ループおよびフレームワーク領域の両方における主要部位での特定の残基の存在とによって、決定されることが示されている[88、89]。
この配列・構造関係の研究は、配列は知られているが、そのCDRループの3次元構造を維持する際に重要であり、したがって、結合特異性を維持する、3次元構造が未知である抗体におけるこれらの残基の予測に使用することができる。これらの予測は、先導最適化実験からの出力との予測の比較によって裏付けることができる。構造的アプローチでは、WAM[91]等の任意の無料入手可能または市販パッケージを使用して、抗体分子のモデルを作成することができる[90]。次いで、Insight II(Accelrys,Inc,San Diego,USA.)またはDeep View[92]等のタンパク質可視化および分析ソフトウェアパッケージを、CDRにおける各位置での可能な置換を評価するために使用することができる。次いで、この情報は、活性に最小限の影響、または有益な効果を及ぼす可能性のある置換を行うために使用することができる。
CDR、抗体VHまたはVLドメイン、および結合構成要素のアミノ酸配列内で置換を行うために必要とされる技法は、概して、当技術分野で利用可能である。活性に最小限の影響、または有益な効果を及ぼすことが予測され得、またはされ得ない置換を伴って、変異配列が作製され、IL−1R1を結合および/または中和する能力について、および/または任意の他の所望の特性について検査することができる。
本発明で採用される可変ドメインは、任意の生殖細胞系または再編成ヒト可変ドメインから取得または導出されてもよく、または、公知のヒト可変ドメインのコンセンサスまたは実際の配列に基づく、合成可変ドメインであってもよい。可変ドメインは、非ヒト抗体から導出することができる。本発明のCDR配列(例えば、HCDR3)は、組み換えDNA技術を使用して、CDR(例えば、HCDR3)が欠けている可変ドメインのレパートリーに導入されてもよい。例えば、Marks et al.[93]は、可変ドメイン領域の5’末端に方向付けられる、またはそれに隣接するコンセンサスプライマーが、CDR2が欠けているVH可変ドメインのレパートリーを提供するために、ヒトVH遺伝子の第3のフレームワーク領域へのコンセンサスプライマーと併せて使用される、抗体可変ドメインのレパートリーを産生する方法を説明している。Marks et al.はさらに、どのようにこのレパートリーが特定の抗体のCDR2と組み合わせられ得るかを説明している。類似の技法を使用して、本発明のCDR2由来配列は、CDR2が欠けているVHまたはVLドメインのレパートリーとシャッフルされてもよく、シャッフルされた完全なVHまたはVLドメインは、本発明の結合構成要素を提供するように、同種VLまたはVHドメインと組み合わせられてもよい。次いで、好適な結合構成要素が選択され得るように、レパートリーは、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる国際公開第WO92/01047号、またはKay、Winter、およびMcCafferty[94]を含む、大部分の文献のいずれかのファージ提示系等の、好適な宿主系で提示することができる。レパートリーは、104個以上の個別構成要素、例えば、少なくとも105、少なくとも106、少なくとも107、少なくとも108、少なくとも109、または少なくとも1010個以上の構成要素から成ってもよい。他の好適な寄主系には、限定されないが、酵母ディスプレイ、バクテリアディスプレイ、T7ディスプレイ、ウイルスディスプレイ、細胞ディスプレイ、リボゾームディスプレイ、および共有結合ディスプレイが挙げられる。
IL−1R1抗原に対する結合構成要素を調製する方法が提供され、その方法は、
(a)置き換えられるCDR2を含むか、またCDR2コード領域が欠けている、VHドメインをコードする核酸の開始レパートリーを提供することと、
(b)VHドメインをコードする核酸の産物レパートリーを提供するよう、ドナー核酸がレパートリーの中のCDR2領域に挿入されるように、VH CDR2について実質的に本明細書で記述されるアミノ酸配列をコードする該ドナー核酸と、該レパートリーを組み合わせることと、
(c)該産物レパートリーの核酸を発現させることと、
(d)IL−1R1に対する結合構成要素を選択することと、
(e)該結合構成要素またはそれをコードする核酸を回収することと、
を含む。
ここでも、本発明のVHまたはVL CDR3が、置き換えられるCDR3を含むか、またCDR3コード領域が欠けている、VHまたはVLドメインをコードする核酸のレパートリーと組み合わせられる、類似の方法を採用することができる。
同様に、1つ以上または3つ全てのCDRを、VHまたはVLドメインのレパートリーに移植し、IL−1R1に対する1つまたは複数の結合構成要素についてスクリーニングすることができる。
同様に、本明細書で開示される、他のVHおよびVLドメイン、複数組のCDRおよび複数組のHCDR、および/または複数組のLCDRを採用することができる。
免疫グロブリン可変ドメインの大きな部分が、それらの介在フレームワーク領域とともに、少なくとも3つのCDR領域を含んでもよい。該部分はまた、第1および第4のフレームワーク領域のいずれか一方または両方の少なくとも約50%を含んでもよく、C末端が第1のフレームワーク領域の50%であり、N末端が第4のフレームワーク領域の50%である。可変ドメインの大きな部分のN末端またはC末端における追加の残基は、自然発生可変ドメイン領域には通常伴わないものであってもよい。例えば、組み換えDNA技法によって作製される本発明の結合構成要素の構造は、クローン化または他の操作ステップを促進するように導入されるリンカーによってコードされる、NまたはC末端残基の導入をもたらし得る。他の操作ステップは、本明細書の他の場所でさらに詳細に論じられるように、抗体定常領域、他の可変ドメイン(例えば、二特異性抗体の産生において)、または検出可能/機能的標識を含む、さらなるタンパク質配列への本発明の可変ドメインに接合するように、リンカーの導入を含む。
本発明のいくつかの態様では、結合構成要素は、一対のVHおよびVLドメインを含むが、VHまたはVLドメイン配列に基づく単一結合ドメインが、本発明のさらなる態様を形成する。単一の免疫グロブリンドメイン、特に、VHドメインは、特定の方式で標的抗原に結合することができることが公知である。例えば、dAbsの考察を参照されたい。
単一結合ドメインのうちのいずれか一方の場合では、これらのドメインは、IL−1R1に結合することが可能な2ドメイン結合構成要素を形成することが可能な相補ドメインについてスクリーニングするために使用されてもよい。これは、その全体で参照することにより本明細書に組込まれる、国際公開第WO92/01047号で開示されているような、いわゆる階層的二重組み合わせアプローチを使用する、ファージ提示スクリーニング方法によって達成することができ、その場合、HまたはL鎖クローンを含有する個別コロニーが、他方の鎖(LまたはH)をコードするクローンの完全ライブラリを感染させるために使用され、結果として生じる二重鎖結合構成要素は、その参考文献で説明される技法等のファージ提示技法に従って選択される。この技法はまた、Marks et al(同書)でも開示されている。
本明細書で使用される、20個の標準「アミノ酸」およびそれらの略語は、従来の用法に従う。参照することにより本明細書に組込まれる、Immunology − A Synthesis(2nd Edition,E.S.Golub and D.R.Gren,Eds.,Sinauer Associates,Sunderland,Mass.(1991))を参照されたい。20個の従来のアミノ酸の立体異性体(例えば、D−アミノ酸)、α−、α−二置換アミノ酸、N−アルキルアミノ酸、乳酸、および他の非従来型アミノ酸等の非天然アミノ酸も、本発明のポリペプチドにとって好適な成分であり得る。非従来型アミノ酸の例は、4−ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、ε−N,N,N−トリメチルリジン、ε−N−アセチルリジン、O−ホスホセリン、N−アセチルセリン、N−ホルミルメチオニン、3−メチルヒスチジン、5−ヒドロキシリジン、σ−N−メチルアルギニン、ならびに他の同様のアミノ酸およびイミノ酸(例えば、4−ヒドロキシプロリン)を含む。本明細書で使用されるポリペプチド表記では、標準的用法および慣例に従って、左手方向がアミノ末端方向であり、右手方向がカルボキシ末端方向である。
本明細書で使用される「アロタイプ」という用語は、抗体遺伝子の対立形質によって特定される抗原決定基に関して使用される。アロタイプは、異なる個人の重鎖または軽鎖のアミノ酸配列のわずかな違いを表し、サブクラスの対立遺伝子間の配列の違いであり、それにより、抗血清が対立遺伝子の違いのみを認識する。最も重要な種類は、Gm(重鎖)およびKm(軽鎖)である。Gm多型は、ヒトIgG1、IgG2、およびIgG3分子のマーカーについて、G1m、G2m、およびG3mアロタイプと呼ばれる、アロタイプ抗原決定基をコードする対立遺伝子を有する、IGHG1、IGHG2、およびIGHG3遺伝子によって決定される。現在、G1m(1、2、3、17)またはG1m(a、x、f、z)、G2m(23)またはG2m(n)、G3m(5、6、10、11、13、14、15、16、21、24、26、27、28)またはG3m(b1、c3、b5、b0、b3、b4、s、t、g1、c5、u、v、g5)の、18個のGmアロタイプが公知である(Lefranc,et al.,The human IgG subclasses:molecular analysis of structure,function and regulation.Pergamon,Oxford,pp.43−78(1990);Lefranc,G.et al.,1979,Hum.Genet.:50,199−21 1、両方とも参照することにより完全に組み込まれる)。
ヒト免疫グロブリンの対立形質が、十分に特徴付けられている(WHO Review of the notation for the allotypic and related markers of human immunoglobulins.J lmmunogen 1976,3:357−362;WHO Review of the notation for the allotypic and related markers of human immunoglobulins.1976,Eur.J.Immunol.6,599−601;E.van Loghem,1986,Allotypic markers,Monogr Allergy 19:40−51、全て参照することにより完全に組み込まれる)。加えて、他の多型が特徴付けられている(Kim et al.,2001,J.MoI.Evol.54:1−9、参照することにより完全に組み込まれる)。
本明細書で使用される、「抗体」という用語は、単独で、または公知の方法によって提供される他のアミノ酸配列と組み合わせて、オリゴクローナル、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体、多特異的抗体、二重特異性抗体、触媒抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、または抗イディオタイプ抗体、および可溶性または結合形態で標識化することができる抗体、ならびにその断片、変異体、または誘導体を指す。抗体は、任意の種に由来してもよい。抗体という用語はまた、本発明の抗体の結合断片も含み、例示的な断片は、Fv、Fab、Fab’、Fab’−SH、一本鎖抗体(svFC)、二量体可変領域(二特異性抗体)、三特異性抗体、四特異性抗体、ミニ抗体、およびジスルフィド安定化可変領域(dsFv)を含む。
抗体は、典型的には、同一の2対のポリペプチド鎖を含む四量体形態を有し、各対は、1つの「軽」鎖および1つの「重」鎖を有する。各軽/重鎖対の可変領域が、抗体結合部位を形成する。抗体とは、天然であるか、部分的または完全に合成産生される抗体を指す。本発明は、天然形態の抗体に関しない、つまり、それらは自然環境になく、天然源からの精製によって単離または取得されているか、あるいは、遺伝子組み換えによって、または、非天然アミノ酸による修飾を含む化学合成によって、取得されていることをここで理解しなければならない。
「二重特異性」または「二元機能性」抗体以外の抗体は、その結合部位のそれぞれが同一であると理解される。過剰な抗体が、受容体に結合されたリガンドの量を、(in vitro競合的結合アッセイで測定して)少なくとも約20%、40%、60%、または80%、より通常は、約85%以上低減すると、抗体は受容体へのリガンドの結合を実質的に阻害する。
本明細書で使用される、「抗原結合部位」という用語は、標的抗原の全体または一部に結合し、かつそれと相補性を有する分子の一部である。抗体分子では、それは抗体抗原結合部位と呼ばれ、標的抗原の全体または一部に結合し、かつそれと相補性を有する抗体の一部を含む。抗原が大きい場合、結合構成要素は、抗原の特定の部分のみに結合することができ、その部分は、エピトープと称される。抗体抗原結合部位は、1つ以上の抗体可変ドメインによって提供され得る。抗体の抗原結合部位は、概して、相補性決定領域(CDR)と称される、6つの表面ポリペプチドループによって形成される抗原結合界面を伴って、可変重(VH)および可変軽(VL)免疫グロブリンドメインによって形成される。フレームワーク領域(FR)とともに、3つのCDRが、各VHの中(HCDR1、HCDR2、HCDR3)および各VLの中(LCDR1、LCDR2、LCDR3)にある。
本明細書で使用される、「結合構成要素」という用語は、抗原の抗原決定基の特徴を補完する内面形状および電荷分布を伴う3次元結合空間を有する、ポリペプチド鎖の折り畳みから形成される、少なくとも1つの抗原結合部位から成る、ポリペプチドまたはポリペプチド群を指す。一実施形態では、結合構成要素は、1つだけの標的部位に対して特異的である。他の実施形態では、結合構成要素は、2つ以上の標的部位に対して特異的である。一実施形態では、結合構成要素は、抗体、例えば、モノクローナル抗体である。
本明細書で使用されるように、「キメラ抗体」という用語は、別のポリペプチド(例えば、別の種に由来する、または別の抗体クラスあるいはサブクラスに属する)に融合され、したがって含まれる、抗体抗原結合部位または同等物を含む、分子を指す。キメラ抗体のクローン化および発現は、EP−A−0120694およびEP−A−0125023、ならびに大半の後続の文献で説明されている。
本明細書で使用されるように、「競合する」という用語は、結合構成要素が、抗体1から10のうちのいずれか1つと、IL−1R1への結合に対して競合する、すなわち、競合が一方向性であることを示す。
本明細書で使用される、「交差競合する」という用語は、結合構成要素が、抗体1から10のうちのいずれか1つと、IL−1R1への結合に対して競合し、逆も同様である、すなわち、競合が双方向性であることを示す。
本明細書で使用されるように、「相補性決定領域」(CDR)とは、Kabat et al.1991[95]および後続版によって定義される、免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の超可変領域を示すことを目的とする。抗体は、典型的には、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含有する。CDRという用語は、場合に応じて、抗原に対する抗体またはそれが認識するエピトープの親和性による結合に関与する、アミノ酸残基の大部分を含有する、これらの領域のうちの1つ、またはこれらの領域のうちのいくつかあるいは全体を示すために、ここでは使用される。
6つの短いCDR配列の中で、重鎖の第3のCDR(HCDR3)は、さらに大きなサイズ可変性(本質的に、それを生じさせる遺伝子の配列の機構による、さらに大きな多様性)を有する。それは、2つのアミノ酸ほど短くあり得るが、公知の最長サイズは26である。CDRの長さはまた、特定の基礎骨格によって収容することができる長さに従って変化し得る。機能的に、HCDR3は、抗体の特異性の決定において役割を果たす[参考文献96、97、98、99、100、101、102、103を参照]。
本明細書で使用される、「エピトープ」という用語は、結合構成要素への特異的結合が可能な任意のタンパク質決定基、例えば、免疫グロブリンまたはT細胞受容体を含む。エピトープ決定基は通常、アミノ酸または糖側鎖等の、分子の化学的活性表面集団から成り、必ずしもではないが、特異的な3次元構造特性、ならびに特異的な電荷特性を有し得る。抗体は、解離定数が1μM以下、好ましくは100nM以下、最も好ましくは10nM以下である時に、抗原に特異的に結合すると言われる。
本明細書で使用される、「フレームワーク」という用語は、原子の任意の組み合わせ、例えば、IL−1R1に結合する構成で1つ以上のCDRを保持する、アミノ酸を指す。
本明細書で使用される、「Fv」という用語は、抗原認識および抗原結合部位の両方を保持する、抗体の最小断片を指す。
本明細書で使用される、「Fab」という用語は、軽鎖の定常ドメインおよび重鎖のCH1ドメインを含む、抗体の断片を指す。
本明細書で使用される、「huIL」という用語は、ヒトインターロイキンを指す。
本明細書で使用される、「IL−1R1」という用語は、インターロイキン1受容体1を意味する。IL−1R1のアミノ酸配列は、公的に入手可能である(RefSeq NM_00877)。いくつかの実施形態では、IL−1R1は、ヒトまたはカニクイザルIL−1R1であり得る。本明細書の他の場所で説明されるように、IL−1R1は、組み換え型であってもよく、および/またはグリコシル化または非グリコシル化されてもよい。
本明細書で使用されるように、「Geomean」という用語(幾何平均としても知られている)は、10進数に逆変換された、データセットの対数値の平均を指す。これは、少なくとも2つの測定値、例えば、少なくとも2、好ましくは少なくとも5、より好ましくは少なくとも10の繰り返しがあることを必要とする。当業者であれば、繰り返しの数が多いほど、geomean値がより強固になることを理解するであろう。繰り返しの数の選択は、当業者の判断に任されている。
本明細書で使用されるように、「単離された」という用語は、本発明の結合構成要素、またはそのような結合構成要素をコードする核酸が、概して、本発明によるものとなる、状態を指す。したがって、結合構成要素、本発明による、VHおよび/またはVLドメイン、ならびにコード核酸分子およびベクターは、例えば、実質的に純粋または均質な形態で、自然環境から単離および/または精製されて提供され得、または、核酸の場合は、必要機能を有するポリペプチドをコードする配列以外に由来する核酸または遺伝子を含まないか、または実質的に含まない。単離構成要素および単離核酸は、天然環境、または、そのような調製が組み換えDNA技術によってin vitroまたはin vivoで実践される時に調製される環境(例えば、細胞培養)で見出される、他のポリペプチドまたは核酸等の、それらが自然に関連付けられる物質を含まないか、または実質的に含まない。構成要素および核酸は、希釈剤またはアジュバントで処方されても、依然として実用目的では、単離されているとし得、例えば、構成要素は通常、免疫学的検定で使用するためのマイクロタイタープレートを被覆するために使用される場合には、ゼラチンまたは他の担体と混合され、または、診断または治療法で使用される時には、薬学的に容認可能な担体または希釈剤と混合される。結合構成要素は、自然に、または異種真核細胞系(例えば、CHOまたはNS0(ECACC 85110503)細胞)によって、グリコシル化されてもよく、または、(例えば、原核細胞における発現によって産生される場合は)非グリコシル化されてもよい。
抗IL−1R1抗体分子を含む異種調合薬も、本発明の一部を形成する。例えば、そのような調合薬は、C末端リジンが欠けている、種々の程度のグリコシル化を伴う、および/または、ピログルタミン酸残基を形成するN末端グルタミン酸の環化等の誘導体化アミノ酸を伴う、全長重鎖および重鎖との抗体の混合物であり得る。
本明細書で使用されるように、「モノクローナル抗体」という用語は、同じエピトープに特異的に結合する抗体の実質的に均質な集団からの抗体を指す。「mAb」という用語は、モノクローナル抗体を指す。
本明細書で使用されるように、「実施的に記述された」という語句は、本明細書で説明される結合構成要素のVHまたはVLドメインの関連CDRの特性が、その配列が本明細書で記述される特定領域と同一となるか、または極めて同様となることを指す。本明細書で使用される、1つ以上の可変ドメインの特定領域に関して「極めて同様」という語句では、1から約6、例えば、1から3、あるいは1、または2、または3、または4を含む、1から5個のアミノ酸置換が、CDRおよび/またはVHあるいはVLドメインで行われてもよいことが意図される。
ここでは、本明細書で使用される場合の「および/または」が、他方を伴って、または伴わずに、2つの特定特徴または成分のそれぞれの具体的開示として解釈されるものであることを指摘することが便宜的である。例えば、「Aおよび/またはB」は、それぞれが本明細書で個別に記述されるかのように、(i)A、(ii)B、ならびに(iii)AおよびBのそれぞれの具体的開示として解釈されるものである。
表の簡単な説明
表1aは、抗体1〜3のそれぞれの重鎖および軽鎖CDRのアミノ酸配列を記載する。
表1bは、抗体4〜10のそれぞれの重鎖および軽鎖CDRのアミノ酸配列を記載する。
表2は、配列番号が表3に示されるように対応する、添付の配列表に示される、本発明の例示的な結合構成要素の配列を示す。
表3は、HTRF(登録商標)ヒト受容体リガンドIL1β結合アッセイにおける先導scFv能力の実施例を示す。
表4は、ヒトIL−1β誘発IL−8放出アッセイにおける先導IgG1能力の実施例を示す。
表5は、HeLa細胞中のIL−αまたはIL−1β誘発IL−8放出の阻害のための最適化IgG1およびGL IgG2の能力を示す。
表6は、ヒトIL−1R結合最適化IgGアッセイ(DELFIA(登録商標))におけるIL−1R族構成要素および異なるIL−1R種の能力を示す。
表7は、受容体リガンド(IL1Ra)HTRF(登録商標)結合アッセイにおける最適化IgGによる阻害を示す。
表8は、内因性カニクイザルIL−1Rを発現するCYNOM−K1細胞からのIL−1β誘発IL−8放出の最適化IgGによる阻害を示す。
表9は、ヒト全血におけるIL−1β誘発IL−6産生の阻害についてのIC50値を示す。
表10は、可溶性ヒトIL−1R1および可溶性カニクイザルIL−1R1への抗IL−1R1 FAbについての親和性測定の結果を示す。
表11は、可溶性ヒトIL−1R1への抗体6およびAMG108結合についての親和性測定の結果を示す。
表12は、ヒトIL−1R1の抗体への結合に対して競合するキメラIL−1R1分子のIC50(nM単位)を示す。
糸状ファージM13に基づいてファージミドベクターにクローン化された無感作ヒト一本鎖Fv(scFv)ファージ提示ライブラリを、選択に使用した[104、105]。
抗IL−1R1特異的scFv抗体が、組み換えヒトIL−1R1上の一連の選択サイクルを使用して、ファージ提示ライブラリから単離される。
選択されたscFv抗体は、ヒトIL−1R1への結合について、および/または能力のために最適化され、IgG抗体として再フォーマットされる。
配列
本発明の例示的な結合構成要素の配列を添付の配列表に示し、配列番号は、以下の表2に示されるように対応する。
i)抗体番号の後にGLが続く場合、例えば、11GLは、残基のうちの1つ以上が生殖細胞系構成に逆変異されている抗体を指し、一般に、GLが使用される場合、活性の感知可能な損失を伴わずに生殖細胞系に逆変異させることができる全ての非生殖細胞系残基は、生殖細胞系化されている。抗体1から10のうちのいずれか1つまたは全てが参照される場合、これは、表2に記載された生殖細胞系変異体も含むことに留意されたい。
ここで、以下の非限定的実施例によって本発明を例示する。
抗体先導単離
1.1 選択
糸状ファージM13に基づいてファージミドベクターにクローン化された大型一本鎖Fv(scFv)ヒト抗体ライブラリを、選択に使用した(106、107)。本質的に以前に記載されたように(108)、ビオチン化組み換えヒトIL−1R−Fc上の一連の選択サイクルを使用して、抗IL−1R特異的scFv抗体を、ファージ提示ライブラリから単離した。簡潔に言えば、scFv−ファージ粒子を、溶液中の100nMの組み換えビオチン化ヒトIL−1R−Fc融合タンパク質(材料および方法で説明され、自家ビオチン化されるhuIL−1R1−Fc融合タンパク質)と共にインキュベートした。次いで、抗原に結合されたScFv−ファージを、製造業者の推奨に従って、ストレプトアビジンで被覆した常磁性ビーズ(Dynabeads(登録商標)M−280)上で捕捉した。次いで、選択されたscFv−ファージ粒子を以前に記載されたように(109)救済し、選択過程を2回目で繰り返した。
2回の選択からの代表的な数の個々のクローンを、96ウェルプレートの中で増殖させた。ScFvが細菌ペリプラズムにおいて発現され、材料および方法で説明されるヒト受容体リガンド(IL−1β)結合HTRFアッセイで、それらの阻害活性についてスクリーニングした。粗ペリプラズム抽出物として、このアッセイで有意な阻害作用を示したScFvを、DNA配列決定に供した(106、109)。固有のscFvを細菌において再び発現させ、親和性クロマトグラフィによって精製し(110)、同じリガンド受容体結合アッセイにおいて精製されたscFvの希釈系列を試験することによって、IC50値を判定した。
1.2 受容体リガンド(IL−1β)結合アッセイにおけるscFvによる阻害
ヒトヒスチジンタグ付き(HIS)IL1RFc融合タンパク質(自家)に結合するHIS FLAGタグ付きヒトIL1β(自家、大腸菌発現、HIS FLAG IL−1β)の阻害について、選択出力を、受容体リガンド結合HTRF(登録商標)(Homogeneous Time−Resolved Fluorescence)アッセイ形式でスクリーニングした。詳細なアッセイ方法、および材料発現方法は、材料および方法の項で提供される。
結合アッセイから得た先導scFv能力の実施例を表3に示す。
1.3 scFvのIgG1への再フォーマット化
受容体リガンドHTRF結合アッセイにおいて阻害性として同定されたクローンを、VHおよびVLドメインを、それぞれ全抗体重鎖および軽鎖を発現するベクターにサブクローン化することによって、scFvからIgG1形式に変換した。VHドメインを、哺乳動物細胞において全IgG重鎖を発現するように、ヒト重鎖定常ドメインおよび調節要素を含有するベクター(pEU15.1)にクローン化した。同様に、VLドメインを、哺乳動物細胞において全IgG軽鎖を発現するように、ヒト軽鎖(λ)定常ドメインおよび調節要素の発現のためのベクター(pEU4.4)にクローン化した。重鎖および軽鎖の発現のためのベクターは、参考文献で当初説明されていたものに基づいた(111)。本出願人のベクターは、単純にOriP要素を導入することによって改変されている。IgGを取得するために、重鎖および軽鎖IgGを発現するベクターを、EBNA−HEK293哺乳動物細胞にトランスフェクトした。IgGが発現され、培地中へ分泌された。収穫物をプールし、精製前に濾過し、次いで、プロテインAクロマトグラフィを使用してIgGを精製した。培養上清を、Ceramic Protein A(BioSepra)の適切なサイズのカラム上に位置付け、pH8.0の50mMトリス−HCl、250mM NaClで洗浄した。0.1Mクエン酸ナトリウム(pH3.0)を使用して、結合されたIgGをカラムから溶出し、Tris−HCl(pH9.0)の添加によって中和した。Nap10カラム(Amersham,#17−0854−02)を使用して、溶出材料をPBSに緩衝液交換し、IgGのアミノ酸配列に基づく消散係数を使用して、IgGの濃度を分光光度法で決定した(112)。SEC−HPLCを使用して、かつSDS−PAGEによって、精製されたIgGを凝集および分解について分析した。
1.4 親KENB026およびKENB061の生殖細胞系化
生物学的アッセイにおいて阻害性であった、親抗体である抗体1および抗体4のVHおよびVLドメインのアミノ酸配列を、VBASEデータベースの中の公知のヒト生殖細胞系配列(113)と整合させ、配列類似性によって、最も近い生殖細胞系を特定した。不変のままであったベルニエ残基(114)を考慮せずに、適切な変異プライマーを用いた標準的な部位特異的突然変異誘発技法を使用して、ヒト抗体と同様に合致するように、VHおよびVLドメインのフレームワークの変化を、最も近い生殖細胞系配列に戻した。これらの突然変異誘発手順は、親に対するIgG1ベクターにおいて実施した。
1.5 先導抗体のIgG2としての生殖細胞系化
親抗体4(IgG1形式における)を、先導抗体を生殖細胞系化するための突然変異誘発用のテンプレートとして使用した。適切な変異プライマーを用いた標準的な部位特異的突然変異誘発技法を使用して、生殖細胞系化した先導物を産生するように、先導物の個々のVHおよびVL CDR3配列を、IgG1ベクターの中の生殖細胞系化した親に導入した。標準的なクローン化手順を使用して、IgG1からIgG2への変換を行った。IgG1 VH先導プラスミドを単離し、IgG2 VHベクターにクローン化するために生殖細胞系化VHを除去した。
1.6 HeLa細胞からのIL−1誘発IL−8放出の阻害
IL−1R阻害剤の生物活性を決定するために、受容体リガンド結合アッセイにおけるscFv阻害剤の一団をIgGに変換し、IL−1βおよびIL−1α誘発IL−8放出の用量依存性阻害を測定することによって、HeLaヒト細胞アッセイでそれらの活性を評価した。アッセイ方法の詳細については、材料および方法の項を参照されたい。
このアッセイでは、ヒトIL−1βまたはIL−1αのEC
50濃度(アッセイにおいて半最大反応を生じるIL−1の濃度として定義され、この場合は約2pM)に応じて、抗IL−1R IgGの一団の阻害活性を判定した。IL−1誘発反応の有意な阻害を示す抗体を、先導単離へ進め、実施例を表4に示す。抗体1および抗体4の生殖細胞系化IgG
1変異体も、このアッセイで活性であることが示された。
抗体最適化
2.1 親和性成熟
親和性に基づいたファージおよびリボソーム提示選択を使用して、抗体4および抗体1を最適化した。
説明されている標準的分子生物学的技法(115)を使用して、可変重(VH)および軽(VL)鎖相補性決定領域3(CDR3)のオリゴヌクレオチド指令性突然変異誘発によって、先導クローンに由来する大型scFvファージライブラリを作成した。ライブラリは、ヒトIL−1R−Fcに対するより高い親和性を伴う変異体を選択するために、親和性に基づいたファージ提示選択を受けた。その結果、これらは、ヒトIL−1β結合IL−1R1に対して向上した阻害活性を示すことが予期された。選択は、本質的に以前に記載されたように実施された(108)。簡潔に言えば、scFv−ファージ粒子を、溶液中の組み換えビオチン化ヒトIL−1R−Fcと共にインキュベートした。次いで、抗原に結合されたscFv−ファージを、製造業者の推奨に従って、ストレプトアビジンで被覆した常磁性ビーズ(Dynabeads(登録商標) M−280)上で捕捉した。次いで、選択されたscFv−ファージ粒子を以前に記載されたように救済し(109)、減少する濃度のビオチン化ヒトIL−1R−1の存在下で選択過程を繰り返した(3回にわたって50nMから0.05nM)。
可変重(VH)および可変軽(VL)選択出力からの代表的な数の個々のクローンの粗scFv含有ペリプラズム抽出物を調製し、ヒトヒスチジンタグ付き(HIS)IL1RFc融合タンパク質(自家)に結合するHIS FLAGタグ付きヒトIL1β(自家、大腸菌発現、HIS FLAG IL−1β)の阻害について、受容体リガンド結合HTRF(登録商標)(Homogeneous Time−Resolved Fluorescence)アッセイ形式でスクリーニングした。それぞれの親抗体と比較すると、有意に向上した阻害作用を示した、スクリーニングヒット、すなわち、scFv変異体が、DNA配列決定を受け、可変重および可変軽ライブラリ出力からの固有の変異体が、さらなる特性化のために精製されたscFvとして産生された。次いで、いくつかのscFvを選択し、IgG1に変換し、付加的な能力獲得を実現しようとして再び検査した。
クローンがランダムに対合された個別ランダム化VHおよびVL配列を含有した、ファージ提示形式で単一のライブラリを形成するように、ヒトIL−1R1へのヒトIL−1βの結合を阻害する能力を伴う多数のscFv変異体から成る、可変重(VH)および可変軽(VL)選択出力を、組み換えた。次いで、減少する濃度のビオチン化ヒトIL−1R−Fcの存在下で、前述のようにファージ選択を続けた(さらに3回にわたって0.1nMから5pM)。
代替として、選択出力を組み換えるために、リボソーム提示方法を使用した。リボソーム提示のために、ヒトIL−1R1へのヒトIL−1βの結合を阻害する能力を伴う多数のscFv変異体から成る、可変重(VH)および可変軽(VL)選択出力を、単一のライブラリを形成するように、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって組み換え、本質的に参考文献116で説明されるようなリボソーム提示形式に適応させた。リボソーム提示親和性に基づいた選択を組み換えライブラリ上で実行し、減少する濃度のビオチン化ヒトIL−1R1の存在下で、選択過程を繰り返した(3回にわたって1nMから5pM)。次いで、本質的に参考文献117で説明されるように、さらなる特性化のために、リボソーム提示出力をファージ提示ベクターにクローン化した。
ファージ提示およびリボソーム提示出力からの代表的な数の個々のクローンの粗scFv含有ペリプラズム抽出物を調製し、ヒトIl−1RI受容体へのヒトバイオ・ヒトIl−1βの結合を阻害する能力について、スクリーニングした。それぞれの親抗体および組み換え前に精製された先導物と比較して、有意に向上した阻害作用を示した、スクリーニングヒット、すなわち、scFv変異体が、DNA配列決定を受け、固有の組み換え変異体が、さらなる特性化のために精製されたscFvとして産生された。
このアッセイにおける最も活性なscFvを、実施例1.3および1.5で説明されるように、非生殖細胞系IgG1および/または生殖細胞系IgG2に変換し、受容体リガンドIL−1Ra HTRFならびにHeLa IL−1−βおよびα誘発IL−8放出アッセイにおいて、競合ELISA形式で特異性について試験した。抗体はまた、カニクイザルIL−1R1に対する交差反応性についても試験した。
2.3 HeLa細胞からのIL−1βおよびIL−1α誘発IL−8放出の最適化IgGによる阻害
材料および方法の項で説明されるように、EC
80濃度(両方について5pM)におけるhuIL−1βおよびhuIL−1α(R&D Systems)を使用して、HeLa IL−8放出アッセイで、先導最適化およびIgGへの再フォーマット化後のクローンの生物活性の向上を評価した。結果を表5に示す。
以降で、親と比較して増大した能力を有するクローンの一部を、CYNOM−K1細胞を使用したカニクイザルIL−1Rアッセイを含む付加的なアッセイ(以下の項、ならびに材料および方法のアッセイ説明で説明される)において分析した。最適化された抗体を、IL−1Ra(Kineret(登録商標);Amgen、薬局で市販提供されている)および2004年4月15日公開のUS2004/071702からのAMG108配列と比較した。
2.4 DELFIA(登録商標)エピトープ競合アッセイにおける最適化抗体の選択性および種交差反応性
DELFIA(登録商標)エピトープ競合アッセイを使用して、IL−1R族構成要素に対する先導抗体の選択性および種交差反応性を確立した。アッセイは、各最適化抗IL1R抗体に結合するビオチン化ヒトHIS−IL1RFc(自家発現され、自家ビオチン化された)の阻害を測定した。
アッセイにおいてIC50値によって測定して、それぞれの構造上関係する族の構成要素の能力を確立するように、非ビオチン化精製ヒト組み換えIL1sRII(R&D Systems)、ヒト組み換えIL−1R6/IL1 R rp2/Fc(R&D Systems)、ヒト組み換えIL18Rα/IL−1R5/Fc(R&D Systems)、および組み換えヒトIL−1 R4(ST2)/Fc(R&D Systems)のタイトレーションを、各アッセイで試験した。
最適化抗体の種交差反応性を確立するように、ヒトHIS−IL1RFc(自家)、カニクイザルHIS−IL1RFc(自家)、およびラットIL−1RFc(自家)を含む、IL−1R種のタイトレーションを、各アッセイで試験した。
結果例を表6に要約する。結果は、先導最適化抗体がヒトIL−1Rに対して選択性であり、同様にカニクイザルIL−1Rにも結合したが、構造上関係するタンパク質を認識しなかったことを示す。ラットIL−1R−Fcは、最適化抗体のうちのいずれによっても認識されなかった。
2.5 受容体リガンド(IL−1Ra)結合アッセイにおける最適化IgGによる阻害
材料および方法の項で説明されるように、ヒトヒスチジンタグ付き(HIS)IL1RFc融合タンパク質(自家)に結合するHIS FLAGタグ付きヒトIL1Ra(自家、大腸菌発現、HIS FLAG IL−1RA)の阻害について、IL−1R1に対するIL−1Raを阻害する先導抗体の能力を、受容体リガンド結合HTRF(登録商標)(Homogeneous Time−Resolved Fluorescence)アッセイ形式で評価した。
これは、抗体が、IL−1−βおよびIL−1−αに加えて、IL−1R1へのIL−1Raの結合に対して競合した、有利なエピトープが取得されたかどうかを決定するものであった。in vivoで、これは受容体結合IL−1Raを解放し、それにより、別の受容体に結合することを可能にし、これは有利であると考えられる。IL−1Raは、そうでなければIgGに不完全にアクセス可能な組織にアクセスすることが可能であり得、それはまた、IgGよりも速く循環から遠位にある組織に浸透し得る。AMG108 Amgen(US2004/0097712A1)およびHoffmann−La Roche AG(国際公開第WO2005/023872号)に対する特許において、これらの従来技術の抗体は、IL−1R1に結合するIL−1Raと直接競合しないことが言明されている。Amgenの特許(US2004/0097712A1)では、IL−1およびIL−1raと競合したものにIL−1介在作用の阻害を示すように設計されたアッセイにおいて、IL−1と競合したがIL−1Raとは競合しなかった抗体が、優れた能力を示し、したがって、すぐれたエピトープを表したことが論じられた。本出願人は、驚くべきことに、IL−1raならびにIL−1を阻害する抗体が、US2004/0097712A1で説明された、阻害しなかった抗体に対するIL−1活性の阻害アッセイにおいて同様に効能を表し得ることを報告する。
結果例を以下の表7に示し、従来の抗体は、IL−1RaのIL−1R1への結合に対して完全に競合することはできなかったが、我々の先導抗体は、示されるIC
50で、この相互作用を完全に阻害したことを確認する。
2.6 CYNOM−K1細胞からのhuIL−1β誘発IL−8放出の最適化IgGによる阻害
先導抗体が、内因性発現したカニクイザルIL−1R1を通したIL−1β信号伝達の活性を阻害することに有効であったかどうかを確立するために、CYNOM−K1細胞からのhuIL−1β誘発IL−8放出を阻害する先導IgGの能力を測定した。先導抗体は、IL−1Raに対してと等しい活性で、カニクイザルIL−1R1を通して作用するIL−1βを、明確かつ完全に阻害し、一方で、AMG108IgGはこの相互作用を阻害しなかった。ヒトIL−8に対する市販のELISAが、細胞上清中のカニクイザルIL−8を検出することも示され、CYNOM−K1細胞に対するIL−1誘発作用を判定するために使用された。
2.7 ヒト全血におけるIL−1β誘発IL−6産生の阻害
正常ボランティア(6人のドナー)からヘパリンナトリウムMonovette容器の中へ、全血を収集した。アッセイ緩衝液(PBS中の1%BSA)中に10μlの抗IL−1RIモノクローナルAb抗体6GL IgG2を含有する96ウェルプレートのウェルの中へ、全血(80μl)を等分した。30pM(EC
50)の最終濃度を生じるように、IL−1βを30分後に添加した。上清を18時間後に採集し、ELISA(R&D Systems IL−6 ELISA)を使用して、上清中のIL−6レベルを測定した。抗IL−1RI抗体は、図13に示されるようにIL−1活性を遮断した。ヒト全血におけるIL−1誘発IL−6産生の阻害のためのIC
50値の範囲を表9に示す。6人のドナーの平均IC
50は、229pMであった。
アッセイ材料および方法
受容体リガンド(IL1β)結合HTRF(登録商標)アッセイ
ヒトヒスチジンタグ付き(HIS)IL1RFc融合タンパク質(以下で説明されるような、自家HEK EBNA発現)に結合するHIS FLAGタグ付きヒトIL1β(自家、大腸菌発現、HIS FLAG IL−1β)の阻害について、選択出力を、受容体リガンド結合HTRF(登録商標)(Homogeneous Time−Resolved Fluorescence)アッセイ形式でスクリーニングした。HTRF(登録商標)アッセイのさらなる詳細は、Mathis(1995)Clinical Chemistry 41(9),1391−1397で見出すことができる。
先導単離中の出力を、未希釈としてスクリーニングし、pH7.4の200mM HEPES緩衝液、0.5mM EDTA、および0.5M蔗糖中で、粗scFv含有ペリプラズム抽出物を調製した。5μlの粗scFvサンプルを、384ウェル少量アッセイプレート(Costar 3676)に添加した。次いで、この後に、20μlの容量への2nMヒトHIS ILlRFcの添加が続いた。次いで、アッセイプレートを密閉し、暗室で室温にて1時間インキュベートした。
これらのアッセイプレートの前インキュベーション後に、5μlの4nM HIS FLAG IL1βを添加した。この後に続いて、XL665(CIS Bio international 61FG2XLB)で標識化された5μlの20nM抗FLAG IgG、およびクリプタート(CIS Bio International 61HFCKLB)で標識化された5μlの3.2nM抗ヒトFc IgGが添加された。全ての希釈を、0.4Mフッ化カリウムおよび0.1%BSA(アッセイ緩衝液)を含有する、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で行った。
アッセイプレートを暗室で室温にて3時間インキュベートした後、En Visionプレートリーダ(Perkin Elmer)を使用して、620nmおよび665nm発光波長における時間分解蛍光を読み取った。
それぞれ、式1および式2に従って、各サンプルについてデルタF値率(%)および特異的結合率(%)を計算することによって、データを分析した。
また、以下のように、FLAG IL1βの代替ソース(Alexis,ALX−522−056)を使用して、受容体リガンドアッセイを行った。pH7.4の200mM HEPES緩衝液、0.5mM EDTA、および0.5M蔗糖中で調製された、5μlの粗scFv含有ペリプラズム抽出物を、384ウェル少量アッセイプレート(Costar 3676)に添加した。次いで、この後に、20μlの体積まで8nMヒトHIS ILlRFcの添加が続いた。次いで、アッセイプレートを密閉し、暗室で室温にて1時間インキュベートした。
アッセイプレートの前インキュベーション後に、5μlの80nM FLAG IL1β(Alexis ALX−522−056)を添加した。この後に続いて、XL665(CIS Bio international 61FG2XLB)で標識化された5μlの40nM抗FLAG IgG、およびクリプタート(CIS Bio International 61HFCKLB)で標識化された5μlの3.2nM抗ヒトFc IgGを添加した。全ての希釈を、0.4Mフッ化カリウムおよび0.1%BSA(アッセイ緩衝液)を含有する、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で行った。
アッセイプレートを暗室で室温にて3時間インキュベートした後、En Visionプレートリーダ(Perkin Elmer)を使用して、620nmおよび665nm発光波長における時間分解蛍光を読み取った。
それぞれ、式1および式2に従って、各サンプルについてデルタF値率(%)および特異的結合率(%)を計算することによって、データを分析した。
次に、式2で表されるように、デルタF値率を使用して、特異的結合率(%)を計算した。
ヒトHIS IL1RFcへのヒトHIS FLAGタグ付きヒトIL1βの結合の阻害について、スクリーニングから識別された陽性クローンからの精製scFvを、上記の受容体リガンドHTRF(登録商標)アッセイのいずれかで検査した。当業者であれば、IgGまたは他の阻害剤形式を検査するように、これらのアッセイを修正することが可能であろう。アッセイにおいてIC50値によって測定される、クローン能力を確立するために、scFv濃度のタイトレーションを使用した。全ての希釈を、アッセイ緩衝液中で実行した。精製scFvサンプルの5μlのタイトレーションを、384ウェル少量アッセイプレート(Costar 3676)に添加した。次いで、この後に、20μlの容量への2nMヒトHIS ILlRFc(自家HIS IL1βを使用した時)または8nM HIS ILlRFc(AlexisソースIL1βを使用した時)の添加が続いた。次いで、アッセイプレートを密閉し、暗室で室温にて1時間インキュベートした。後続の添加ステップは、粗scFv含有ペリプラズム抽出物について説明された通りに実行した。
アッセイプレートを暗室で室温にて3時間インキュベートした後、En Visionプレートリーダ(Perkin Elmer)を使用して、620nmおよび665nm発光波長における時間分解蛍光を読み取った。
各サンプルについてデルタF値率(%)を計算することによって、データを分析した。それぞれ、式1および式2に従って、デルタFおよび特異的結合を決定した。4パラメータロジスティック式を使用した曲線適合によって、GraphPad Prismソフトウェアを使用して、IC
50値を判定した(式3)。
参照マウス抗ヒトIL1R1mAb(Fitzgerald 10−I73)およびIL−1受容体拮抗薬アナキンラ(Kineret(登録商標);AMGEN commercial pharmacy)を、陽性対照として、全ての精製scFvタイトレーションアッセイに含めた。
先導最適化のために、粗scFvをアッセイ緩衝液中で希釈した。5μlの希釈粗scFvサンプルを、384ウェル少量アッセイプレート(Costar 3676)に添加した。次いで、この後に、20μlの体積までの2nMヒトHIS ILlRFcの添加が続いた。次いで、アッセイプレートを密閉し、暗室で室温にて1時間インキュベートした。
アッセイプレートの前インキュベーション後に、5μlの40nM HIS FLAG IL1β(自家大腸菌発現)を添加した。この後に続いて、XL665(CIS Bio international 61FG2XLB)で標識化された5μlの40nM抗FLAG IgG、およびクリプタート(CIS Bio International 61HFCKLB)で標識化された5μlの3.2nM抗ヒトFc IgGを添加した。全ての希釈を、0.4Mフッ化カリウムおよび0.1%BSA(アッセイ緩衝液)を含有する、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で行った。
アッセイプレートを暗室で室温にて3時間インキュベートした後、En Visionプレートリーダ(Perkin Elmer)を使用して、620nmおよび665nm発光波長における時間分解蛍光を読み取った。
先導単離に関して、それぞれ、式1および式2に従って、デルタFおよび特異的結合を計算した。
受容体リガンド(IL1受容体拮抗薬)結合HTRF(登録商標)アッセイ
スクリーニングから識別された陽性クローンからの精製scFvを、受容体リガンドIL1受容体拮抗薬(IL1ra)結合HTRF(登録商標)で試験した。IgGも、このアッセイ形式で検査した。
アッセイにおいてIC50値によって測定される、クローン能力を確立するために、阻害剤のタイトレーションを使用した。全ての希釈を、上記のリガンド結合アッセイに関してアッセイ緩衝液中で実行した。阻害剤の5μlのタイトレーションを、384ウェル少量アッセイプレート(Costar 3676)に添加した。次いで、この後に、0.4nMクリプタート標識化HIS ILlRFcの添加が続いた。次いで、アッセイプレートを密閉し、暗室で室温にて1時間インキュベートした。
前インキュベーション後に、5μlの0.6nM FLAG HIS IL1ra(自家大腸菌発現)を添加した。この直後、続いて、XL665(CIS Bio international 61FG2XLB)で標識化された5μlの40nM抗FLAG IgGを添加した。
アッセイプレートを暗室で室温にて3時間インキュベートした後、En Visionプレートリーダ(Perkin Elmer)を使用して、620nmおよび665nm発光波長における時間分解蛍光を読み取った。
それぞれ、式1および式2に従って、デルタF値率(%)および特異的結合率(%)を計算することによって、データを分析した。4パラメータロジスティック式を使用した曲線適合によって、GraphPad Prismソフトウェアを使用して、IC50値を判定した(式3)。
競合結合アッセイにおける抗体の選択性および種交差反応性
ビオチン化ヒトHIS IL1RFcが、ほぼその特定のIgGに対する推定KDにおいて添加された時に、有意な信号を生じた濃度においてPBS中で、精製IgGを96ウェルMaxisorpマイクロタイタープレート(Nunc)上に吸収した。過剰なIgGをPBS−Tween(0.1%v/v)で洗い流し、ウェルをPBS中の脱脂粉乳(3%w/v)中で1時間ブロッキングした。カニクイザル(Macaca fascicularis)HIS IL1RFc(以下で説明される、自家HEK EBNA発現)、ラットHIS IL1RFc(自家HEK EBNA発現)、組み換えヒトIL1 sRI(R&D Systems 269−1R/CF)、ヒトIL−1 R6/IL−1 R rp2/Fc(R&D Systems 872−RP)、組み換えヒトIL−18Rα(IL−1 R5)/Fc(R&D Systems 816−LR)、組み換えヒトIL−1 R4(ST2)/Fc(R&D Systems 523−ST)の、競合物質のそれぞれの希釈系列を3%脱脂粉乳中で調製し、ビオチン化ヒトIL1RFcと各IgGとの間の相互作用のKD値の約400倍の濃度から開始した。非ビオチン化ヒトHIS ILlRFcを陽性対照として含めた。この希釈系列の25μlを、ブロッキングされたIgGアッセイプレートに添加した。
25μlの1.4nMビオチン化ヒトHIS ILlRFcをアッセイプレートに添加した。次いで、プレートを密閉し、室温で2時間インキュベートした。非結合抗原をPBS−Tween(0.1%v/v)で洗浄することによって除去する一方で、残りのビオチン化ヒトIL1RFcを、ストレプトアビジン−ユーロピウム3+抱合体(DELFIA(登録商標)検出、PerkinElmer)によって検出した。En Visionプレートリーダ(Perkin Elmer)上で、時間分解蛍光を620nmにおいて測定した。蛍光データをユーロピウム計数としてプロットした。4パラメータロジスティック式を使用した曲線適合によって、GraphPad Prismソフトウェアを使用して、IC50値を判定した(式3)。
組み換えヒトおよびカニクイザルIL−1R1Fc融合タンパク質の生成
ヒトIL−1R1cDNA配列に基づくプライマー(RefSeq NM_00877)を使用して、ヒトIL−1R1細胞外ドメインの配列(アミノ酸残基1−336 NP_000868)をコードするcDNAを、PCRを介してヒト肝臓cDNAから増幅した。ヒトPCR増幅に使用されるのと同じプライマーを使用して、カニクイザル(Macaca fascicularis)IL−1R1細胞外ドメイン配列(アミノ酸残基1−336)をコードするcDNAを、カニクイザル肝臓cDNAから増幅した。カニクイザル配列は、標準ジデオキシ蛍光終了配列決定を使用したPCR産物の分析によって決定した。結果として生じたDNA配列を図1に示し、予測アミノ酸配列を図2に示す。結果として生じたcDNAを、製造業者の指示に従って、pENTR/D−TOPO(Invitrogen)にサブクローン化した。
次いで、LR Gateway(登録商標)反応(Invitrogen)を使用して、IL−1R1細胞外ドメインをコードするcDNA断片を、哺乳動物発現ベクターpDEST12.2(Invitrogen)に移入した。pDEST12.2ベクターは、関心の挿入遺伝子を伴うヒトIgG1Fcコード領域をインフレームで含有するように修飾されており、また、pCEP4ベクター(Invitrogen)からのoriP複製起点の挿入によって、EBNA−1遺伝子産物(HEK293−EBNA細胞等)を発現する細胞系へのトランスフェクション時に、エピソームプラスミド複製も可能にする。ヒトIL−1R1Fcについて、結果として生じたヌクレオチドおよび予測アミノ酸配列を図3および図4に示し、カニクイザルIL−1R1Fcについては、それぞれ図5および6に示す。
プロテインGクロマトグラフィを使用して、その後にサイズ排除クロマトグラフィを行って、タンパク質を馴化培地から精製した。
組み換えヒトおよびカニクイザルラットIL−1R−Fc融合タンパク質の生成
ラットIL−1R−Fcを、上で説明される、組み換えヒトおよびカニクイザルIL−1R1Fc融合タンパク質の生成と類似した方法によって作製した。
HeLa IL−1αおよびIL−1β誘発IL−8放出アッセイ
HeLa細胞(European Collection of Cell Cultures、ECACCカタログ番号93021013、MEMおよび10%ウシ胎仔血清および1%非必須アミノ酸中で維持された、ヒトネグロイド頸部類上皮癌細胞系(Cancer Res 1952;12:264;Proc Soc Exp Biol Med 1954;87:480)、細胞はルーチン培養のための100%密集度から1:4〜1:12で分割した)を、100μl培地容量/ウェル(10%(v/v)熱不活性化ウシ胎仔血清(Invitrogen)、1%(v/v)非必須アミノ酸(Invitrogen)を伴うDulbecco’s Modified Eagle Medium(Invitrogen))中で1.5×104細胞/ウェルで、96ウェル平底組織培養アッセイプレート(Costar)の中に播種し、次いで、細胞を37℃および5%CO2における加湿大気中で一晩(16〜18時間)培養した。
精製scFv/IgGのタイトレーションを培地で調製し、この希釈系列の50μl/ウェルを、一晩の培養培地を除去することなくHeLa細胞に添加し、HeLa細胞とともに37℃で30〜60分にわたって前インキュベートした。この後に、50μl/ウェルのILα/IL−1βの添加、および37℃および5%CO2における加湿大気中での4〜5時間のインキュベーションが続いた。使用されたリガンドの濃度は、試験されているscFv/IgGの能力に応じて、EC50またはそれ以上であり、EC50は、このアッセイでリガンドに対する最大反応の半分を生じたリガンドの濃度である(式3と同様に計算される)。
参照マウス抗ヒトIL1R1mAb(Fitzgerald 10−I73)およびIL−1受容体拮抗薬アナキンラ(Kineret(登録商標)、薬局から市販提供されている)を、陽性対照として、タイトレーションアッセイに含めた。
上清(馴化培地)を採集し、IL−8分析まで−20℃で保管した(通常1週間未満)。
ヒトIL−8 Duoset ELISAキット(R&D Systems)を使用して、上清中のIL−8レベルを決定した。IL−8捕捉抗体(PBS中で希釈された4μg/ml、50μl/ウェル)を、4℃で一晩、96ウェル低自己蛍光高タンパク質結合プレート(FluoroNunc Maxisorbプレート)に吸収した。過剰なIgGをPBS−Tweenで洗浄することによって除去し、ウェルをPBS中の1%ウシ血清アルブミン(BSA)で室温にて1時間ブロッキングし、その後、プレートを前述のように洗浄した。80μlのPBS中の0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)をウェルごとに添加した。次いで、馴化培地の1:5希釈を生じるように、20μl/ウェルの馴化培地を添加した。IL−8規準(1000pg/mlから、1:2希釈)もELISA対照としてELISAプレートに添加し、プレートを室温で2時間インキュベートした。
インキュベーション後、非結合タンパク質を除去するように、以前のようにプレートを洗浄した。次いで、ビオチン化IL−8検出Ab(試薬希釈剤(0.1%BSA/PBS)中で20ng/ml、50μl/ウェル)をプレートに添加し、室温で1時間イキュベートした。非結合検出抗体をPBS−Tween(0.1%v/v)で洗浄することによって除去する一方で、残りのビオチン化抗体を、ストレプトアビジン−ユーロピウム3+抱合体(DELFIA(登録商標)検出、PerkinElmer)によって検出した。Victorプレートリーダ(Perkin Elmer)上で、時間分解蛍光を615nmにおいて測定した。蛍光データを、ユーロピウム計数値としてプロットした。式4のように、阻害剤対照の非存在下でのIL−1刺激からのユーロピウム計数を使用し(最大対照)、かつIL−1対照を使用せずに(培地対照)、最大IL−8放出の割合(%)に対して阻害剤データを正規化した。
IC50値は、4パラメータロジスティック式を使用した曲線適合によって、GraphPad Prismソフトウェアを使用して判定した(式3)。
CYNOMK1 IL−1β誘発IL−8放出アッセイ
0.25%トリプシン/EDTAを使用して、CYNOM−K1細胞(カニクイザル由来線維芽細胞系、European Collection of Cell Cultures、ECACC参照番号90071809、供給業者の指示に従って維持された)を採集し、100μl培地容量/ウェル(20%(v/v)非熱不活性化ウシ胎仔血清(Invitrogen)、1%(v/v)非必須アミノ酸(Invitrogen)を伴うMinimum Essential medium MEM(Invitrogen))中で8×103細胞/ウェルにおいて、96ウェル平底組織培養アッセイプレート(Costar)の中に播種し、次いで、細胞を37℃および5%CO2における加湿大気中で一晩(16〜18時間)培養した。
精製scFv/IgGのタイトレーションを培地で調製し、この希釈系列の50μl/ウェルを、一晩の培養培地を除去することなくCYNOM−K1細胞に添加し、CYNOM−K1細胞とともに37℃で30〜60分にわたって前インキュベートした。この後に、50μl/ウェルのILα/IL−1βの添加、および37℃および5%CO2における加湿大気中での4〜5時間のインキュベーションが続いた。使用されたリガンドの濃度は、EC80であり、EC80は、このアッセイでリガンドに対する最大反応の80%を生じたリガンドの濃度である(式3と同様に計算される)。
IL−1受容体拮抗薬であるアナキンラ(Kineret(登録商標)、薬局から市販提供されている)を、陽性対照として、タイトレーションアッセイに含めた。
上清(馴化培地)を採集し、IL−8分析まで−20℃で保管した(通常1週間未満)。
ヒトIL−8 Duoset ELISAキット(R&D Systems)を使用して、上清中のIL−8レベルを決定した。IL−8捕捉抗体(PBS中で希釈された4μg/ml、50μl/ウェル)を、4℃で一晩、96ウェル低自己蛍光高タンパク質結合プレート(FluoroNunc Maxisorbプレート)に吸収した。過剰なIgGをPBS−Tweenで洗浄することによって除去し、ウェルをPBS中の1%ウシ血清アルブミン(BSA)で室温にて1時間ブロッキングし、その後、プレートを前述のように洗浄した。80μlのPBS中の0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)をウェルごとに添加した。次いで、馴化培地の1:5希釈を生じるように、20μl/ウェルの馴化培地を添加した。IL−8規準(1000pg/mlから、1:2希釈)もELISA対照としてELISAプレートに添加し、プレートを室温で2時間インキュベートした。
インキュベーション後、非結合タンパク質を除去するように、以前のようにプレートを洗浄した。次いで、ビオチン化IL−8検出Ab(試薬希釈剤(0.1%BSA/PBS)中で20ng/ml、50μl/ウェル)をプレートに添加し、室温で1時間イキュベートした。非結合検出抗体をPBS−Tween(0.1%v/v)で洗浄することによって除去する一方で、残りのビオチン化抗体を、ストレプトアビジン−ユーロピウム3+抱合体(DELFIA(登録商標)検出、PerkinElmer)によって検出した。Victorプレートリーダ(Perkin Elmer)上で、時間分解蛍光を615nmにおいて測定した。蛍光データをユーロピウム計数としてプロットした。式4のように、阻害剤対照の非存在下でのIL−1刺激からのユーロピウム計数を使用し(最大対照)、かつIL−1対照を使用せずに(培地対照)、最大IL−8放出の割合(%)に対して阻害剤データを正規化した。
IC50値は、4パラメータロジスティック式を使用した曲線適合によって、GraphPad Prismソフトウェアを使用して判定した(式3)。
ヒトIL−1R1細胞外ドメインのクローン化
配列RefSeqNM 00877を、ヒトIL−1R1の参照配列として使用した。テンプレートとしてヒト肝臓cDNAを使用したPCRによって、細胞外ドメイン(残基1−336)を増幅した。使用されたプライマーは、NC268(5’−CACCATGAAAGTGTTACTCAGAC)およびNC269(5’−CTTCTGGAAATTAGTGACTGG)であった。製造業者の指示を使用して、増幅したPCR産物を、InvitrogenからのpENTR−D−TOPOにクローン化した。いくつかのクローンを取得し、配列決定した。クローン4は、参照配列と同一であり、後続の使用のために保存した。
ヒトpENTR−D−topo IL−1R1クローン4中のGGAに対する関連GCAコドンの標準的な部位特異的突然変異誘発法を使用して、ヒト多型A124Gを生成した。
cyno IL−1R1細胞外ドメインのクローン化
IL−1R1をコードするカニクイザルcDNAの配列は、EMBLデータベース(EMBL AY497008)で入手可能であった。この配列は、ヒト配列と極めて相同であったが、ヒトIL−1R1と比較すると、コード配列の最初の5’27bpが欠けていた。テンプレートとしてカニクイザル肝臓cDNAを使用したPCRによって、カニクイザルIL−1R1の可溶性細胞外ドメイン(残基1−336)をコードするcDNAを増幅した。使用されたプライマーは、ヒトIL−1R1 5’−プライマーであった上記のNC268、および逆プライマーとしてのNC270(5’−CTTCTGGAATTTAGTGACTGG)であった。増幅したPCR産物を、InvitrogenからのpENTR−D−TOPOにクローン化した。
いくつかのクローンを配列決定し、使用された翻訳参照配列からの変化があった(EMBL AY497008)。
変化は、以下の通りであった:
1.S17F:全クローンにおいて、公開配列TTTの中のTCT(信号配列)
2.V66I:全クローンにおいて、公開配列ATAの中のGTA
3.H173N:公開配列およびクローン5において、CAC、全ての他のクローンにおいて、AAC。
公開配列と比較した、これらの配列変化の妥当性をチェックするために、標準ジデオキシ蛍光終了配列決定を使用して、細胞外ドメインをコードする増幅cDNAを直接配列決定した。S17F変化は、増幅PCR産物に存在し、公開配列からの真の変化と思われる。V66I変化も、増幅PCR産物に存在し、公開配列からの真の変化と思われる。H173N変化は、CACおよびAACコドンの両方が同じ強度で同じ位置に存在したため、真の多型と思われる。PCR産物の直接配列決定は、さらなる多型E300Kを同定した。この場合、配列決定反応は、等量のGAAおよびAAAコドンを明確に示した。
ラットIL−1R1細胞外ドメインのクローン化
IL−1R1をコードするラットcDNAの配列を、EMBLデータベース(EMBL ID RNIL1R)から取得し、参照配列として使用した。テンプレートとしてラット肝臓cDNAを使用したPCRによって、細胞外ドメイン(残基1−336)を増幅した。使用されたプライマーは、NC288(5’−CACCATGCTGCCGAGGCTTG)およびNC289(5’−ATTCTTGAAGTCAGGAACTGGGT)であった。製造業者の指示を使用して、増幅したPCR産物を、InvitrogenからのpENTR−D−TOPOにクローン化した。いくつかのクローンを取得し、配列決定した。クローン1は、参照配列と同一であり、後続の使用のために保存した。
ヒトHIS FLAG IL−1Raのクローン発現および精製
ヒトIL−1Raの配列を、RefSeqデータベース(NM_173842)から取得し、参照配列として使用した。ヒト肺cDNAからのPCRによって、ヒトIL−1Raの成熟配列(残基26〜177)をコードするcDNAを増幅した。使用されたプライマーは、IL1RaF(5’−CCTCATATGGAAAACCTGTACTTCCAGTCTCGACCCTCTGGGAGAAA)およびIL1RaR(5’−ATATCTCGAGCTACTCGTCCTCCTGGAAG)であった。プライマーIL1RaFの設計は、タバコエッチモザイクウイルスプロテアーゼ(TEV)開裂部位が、成熟IL−1RaのN末端アルギニン残基に直接隣接したようなものであった。製造業者の指示を使用して、増幅したPCR産物を、InvitrogenからのpCR4blunt−topoにクローン化した。いくつかのクローンを取得し、それらの配列を生成した。参照配列と比較して正しいコード配列を伴うクローンを、さらなる操作のために選択した。後に、N末端(HIS)6−FLAGタグとともにインフレームでNdeI部位を使用して、挿入DNAをpT7大腸菌発現ベクターにサブクローン化した。
可溶性HIS−FLAGタグ付きタンパク質を発現させるために、発現プラスミドを、Invitrogenからの化学的コンピテントBL21(DE3)星形細胞に形質転換させた。発現プラスミドを含有する細胞を、37℃にて溶原性培養液(LB、10g/リットルのトリプトン、5g/リットルの酵母抽出物、5g/リットルのNaClを含有する)中で、0.5のOD600まで培養した。次いで、1Mの原液から50μMの最終濃度になるようにIPTGを添加した。細胞を37℃で3時間インキュベートした。6,000rpmで10分間の遠心分離によって細胞を採集し、ペレットを−80℃で保管した。細胞を解凍し、pH8.0の50mMトリス、10%グリセロール、0.3M NaCl、10mMイミダゾール(緩衝液A)およびCompleteプロテアーゼ阻害剤(Roche)中で再懸濁した。Heatsystems−Ultrasonics Inc.の超音波処理器を使用した、3×30秒間の超音波処理によって、細胞を溶解させた。溶解物を100,000gおよび4℃で30分にわたって遠心分離した。Ni−NTA Superflow(Qiagen)を使用して、上清を親和性クロマトグラフィに供した。結合物質を、0.3Mイミダゾールを含有する緩衝液Aで溶出させた。IL−1Raを含有する分画をプールし、Hiprep 26/10脱塩カラム(GE Healthcare)を使用して、PBSに緩衝液交換した。SDSゲル電気泳動を使用して、サンプルの純度を試験した。タンパク質を、ゲル濾過クロマトグラフィによって分析し、単量体であることが分かった。
ポリミキシンBアガロース(Sigma製品番号P1411)を使用して、LPSを、5ml(14mg)の精製IL−1Raから除去した。Sigmaポリミキシンアガロースを、LPSを含まないPBS(Sigma D8537)で3回洗浄し、空のBioRad Polyprepカラムに適用し、ビーズを重力下で定着させた。1mlの充填ビーズを、10mlのLPSを含まないPBSで洗浄した。IL−1raサンプルをカラムに適用し、重力下で樹脂に通過させた。サンプルを、さらに1mlのポリミキシンカラムに通過させた。Pyrochrome LALアッセイ(Associates of Cape Cod Inc.C0180)を使用して、ポリミキシン処理の前および後のIL−1RaサンプルのLPSレベルを決定した。Q−ToF質量分析を使用した無傷質量分析を使用して、LPSを含まないタンパク質の分子量を測定した。測定された質量は、N末端Metを伴わないHis−Flag−Tev−IL−1raの計算された質量(20325.67Da)の1Da以内であった。
ヒトHIS FLAG−IL−1βのクローン化、発現、および精製
ヒトIL−1βの配列を、RefSeqデータベース(NM_000576)から取得し、参照配列として使用した。ヒト肺cDNAからのPCRによって、ヒトIL−1βの成熟配列(残基117−269)をコードするcDNAを増幅した。使用されたプライマーは、IL1bF(5’−CCTCATATGGAAAACCTGTACTTCCAGTCTGCACCTGTACGATCACTG)およびIL1bR(5’−ATATCTCGAGTTAGGAAGACACAAATTGCATGG)であった。プライマーIL1bFの設計は、タバコエッチモザイクウイルスプロテアーゼ(TEV)開裂部位が、成熟IL−1βのN末端アラニン残基に直接隣接したようなものであった。製造業者の指示を使用して、増幅したPCR産物を、InvitrogenからのpCR4blunt−topoにクローン化した。いくつかのクローンを取得し、それらの配列を生成した。参照配列と比較して正しいコード配列を伴うクローンを、さらなる操作のために選択した。後に、N末端(HIS)6−FLAGタグとともにインフレームでNdeI部位を使用して、挿入DNAをpT7大腸菌発現ベクターにサブクローン化した。
可溶性HIS−FLAGタグ付きIL−1βタンパク質を発現させるために、発現プラスミドを、Invitrogenからの化学的コンピテントBL21(DE3)星形細胞に形質転換させた。発現プラスミドを含有する細胞を、37℃にてLB中で、0.5のOD600まで培養した。次いで、1Mの原液から50μMの最終濃度になるようにIPTGを添加した。細胞を37℃でさらに3時間インキュベートした。6,000rpmで10分間の遠心分離によって細胞を採集し、ペレットを−80℃で保管した。細胞を解凍し、pH8.0の50mMトリス、10%グリセロール、0.3M NaCl、10mMイミダゾール(緩衝液A)およびCompleteTMプロテアーゼ阻害剤(Roche)中で再懸濁した。Heatsystems−Ultrasonics Inc.の超音波処理器を使用した、3×30秒間の超音波処理によって、細胞を溶解させた。溶解物を100,000gおよび4℃で30分にわたって遠心分離した。Ni−NTA Superflow(Qiagen)を使用して、上清を親和性クロマトグラフィに供した。結合物質を、0.3Mイミダゾールを含有する緩衝液Aで溶出させた。IL−1βを含有する分画をプールし、Hiprep 26/10脱塩カラム(GE Healthcare)を使用して、PBSに緩衝液交換した。SDSゲル電気泳動を使用して、サンプルの純度を試験した。タンパク質は、ゲル濾過クロマトグラフィによって分析され、単量体であることが分かった。
ポリミキシンBアガロース(Sigma製品番号P1411)を使用して、上記で説明されるのと本質的に同じ方式で、LPSを精製IL−1βから除去した。
Q−ToF質量分析を使用した無傷質量分析を使用して、LPSを含まないIL−1βタンパク質の分子量を測定した。測定された質量は、N末端Metを伴わないHis−Flag−Tev−IL−1βの計算された質量(20576.10Da)の1Da以内であった。
抗体6およびAMG108の親和性測定
本発明のIL−1R1に対する抗体の親和性を、両方ともKinExA
TM.技術(118)を使用した2つの方法で測定した。KinExA
TM.(
Kinetic
Exclusion
Assay/動的排除アッセイ)は、ピコモル以下の範囲のものを含む、高親和性相互作用を正確に定量化するために使用することができる、フロー分光蛍光に基づいた技術である(119)。最初に、単量体化FAbをsIL−1R1−Fc(可溶性sIL−1R1−Fc)と平衡状態にさせるか、または、IgGをsIL−1R1(非タグ付き)と平衡状態にさせる。次いで、KinExA
TM.3200技術を使用して、これらの相互作用分子の平衡溶液を分析した。簡潔に言えば、各平衡サンプルについて、KinExA
TM.3200機器が、sIL−1R1抱合型マイクロビーズの未使用カラムを自動的に充填した。抗原ビーズとのサンプルの接触時間を極めて短く保つように、抗体(またはFAb断片)、抗原、およびAb/抗原(またはFAb/抗原)複合体を(Dulbecco’s PBS、1mg mL
−1ウシ血清アルブミン、0.02%(w/v)アジ化ナトリウム中に)含有するサンプルを、カラムを通して急速に流した(0.25mL/分)。この急速な接触時間は、高親和性(徐解離)相互作用について、この短い接触時間中に、複合体の解離がごくわずかであることを確実にした。遊離抗体がIL−1R1ビーズに結合した。次いで、Cy5
TM(シアニン)蛍光標識化二次抗体である、マウス抗ヒトIgG(重鎖および軽鎖特異的)を、カラムに通過させた。標識化二次抗体は、カラムに結合された抗体に結合した。緩衝液洗浄が、過剰な標識を除去し、元のサンプル中の遊離受容体の量に正比例した、ビーズカラム上の蛍光信号を残した。一連の異なる濃度の抗体およびsIL−1R1のタイトレーションを行い、これらの条件のそれぞれの後に遊離抗体を測定することによって、受容体に対する抗体についてK
Dを推定した(供給されたKinExA
TM.Proソフトウェア内の1:1可逆性二分子相互作用モデルを使用した、最小二乗当てはめ)。BIAcore技術(表面プラズモン共鳴)を使用した親和性推定値は、同程度であったが、極めて遅い解離速度は、KinExA
TM.評価が、10pM未満のK
D値における親和性のより信頼性のある尺度を与えることを意味する。可溶性ヒトIL−1R1および可溶性カニクイザルIL−1R1に対する抗IL−1R1 FAbの親和性測定の結果を、以下の表10に挙げる。結果は、この抗体が、等しく高い親和性でヒトおよびカニクイザルIL−1R1に結合し、IL−1−α、−β、およびIL−1受容体拮抗薬(IL−1ra)との競合が全て可能であったエピトープ上にあるにもかかわらず、受容体に対する親和性が非常に高いことを示す。ヒトsIL−1R1に対する親和性を、AMG108 IgG2に対するIgG1TM形式としての抗体例について比較した。AMG108 IgG2は、カニクイザルIL−1R1−Fcに結合せず、IgG2であるAMG 108は、単量体安定均質FAb断片を容易に形成しない。したがって、全IgG間の比較のみが可能であった。表11の結果は、ヒトsIL−1R1に対する親和性が、抗体例とAMG 108との間で同程度であったことを実証する。以前の公報(国際公開第WO2004/022718号)では、IL−1raと競合した、開示された抗体があったが、これら(識別された第2の分類の抗体と名付ける)は、より低い親和性および能力であった。対照的に、ここで本出願人は、IL−1ra対して競合し、なおもIL−1R1に対する非常に高い親和性を有する抗体を示す。抗体6に対するFAbおよびIgG1TMの結果は同様であった。
方法:
FAb単量体化
活性化パパインを使用して、抗体6IgG1TM(三重変異体、234F、235E、および331S)を溶液中で消化した。620μlのDulbeccos PBS(D−PBS)中で溶解させ、D−PBS中の62μlの100mM L−Cys、続いてD−PBS中の10μlの1M NaHCO3でインキュベートし、パパイン(SIGMA)(6.2mg)を活性化した。次いで、溶液をD−PBS平衡Sephadex G25(PD−10)カラム上で脱塩し、2.75〜3.85ml分画を収集した。これにより、不要な残留L−Cysおよび阻害性低分子量パパイン自己消化産物を取り除いた。250μlの抗体6IgG1TM(9.32mgml−1)を(pHを8〜8.5に増加させるための)D−PBS中の25μlNaHCO3および(上記で説明されるような)50μlのL−Cys活性化パパインPD−10溶出物と混合し、室温で反応をインキュベートした。反応進行後に、0.5mL min−1でD−PBSとの平衡化したSuperdex 75サイズ排除クロマトグラフィカラム上に50μlサンプルを注入した。残りの消化物の全てを、0.43g(湿重量)のProtein G Sepharose 4 Fast Flowに添加した。単量体FAb断片に対応するピークを収集し、Amicon Ultra 4 10,000 MWCO遠心濃縮器(Millipore,Billerica,MA,USA)を使用して、105μlまで濃縮した。次いで、これをSuperdex 75カラム上に再注入し、FAb分画に対応するピークを収集した。最終Superdex 75精製ステップからの21.0〜21.8分の分画を、純抗体6FAbのソースとして使用した。4℃での3日間の保管後に、FAbをSuperdex 75カラム上で再分析し、0.4%未満の多量体を測定し、単量体FAb調製が親和性分析のために十分安定していたことを実証した。還元および非還元SDS−PAGE、ならびに還元および非還元MALDI−TOF質量分光分析を使用して、単量体FAbの純度も確認した。
KinExA TM .分析
ヒト(配列番号134、完全還元単量体として65,036.92Daの予期ペプチド配列に基づいた質量、−Fc二量体として133,039.8Da、単量体濃度として11,071nM)またはカニクイザル(配列番号136、完全還元されて65213.14Daの予期ペプチド配列に基づいた質量、Swiss Prot、−Fc二量体として130,392.3Da、単量体濃度として7,974nM)のいずれか一方である、IL−1R−Fcsを、抗体6FAbを用いた親和性測定のための抗原として使用した(ヒトおよびcyno IL−1Rとの親和性の直接比較)。ヒトsIL−1R1(R&D Systems、49,503Daの予期ペプチド配列に基づいた質量)を、IgGとしてのAMG108および抗体6の親和性を測定する実験において、抗原として使用した(AMG108および抗体6IgGの親和性の直接比較のために)。長い平衡時間の故に、KinExATM.実験で使用された全ての緩衝液は、0.2μmフィルタで滅菌した。カラム(FAbおよびIgGに基づいた測定の両方に共通である)には、ヒトIL−1R1(R&D Systems)を使用し、50分間の一定撹拌により、室温において、pH=8.4で3mlの50mM炭酸ナトリウム中の100mg(1mgのビーズにつき1μgのIL−1R1)のアズラクトンUltraLink Biosupportビーズ(Thermo Fisher Scientific,Rockford,IL,USA)に共有結合した。洗浄およびブロッキングを、pH8.7の1Mトリス中の10mgml−1 BSAで達成した(ビーズの遠心分離後の1mlの単回洗浄、第2の遠心分離後の室温での1.5時間の25r.p.m.撹拌を伴う2mlの洗浄)。最後に、沈降ビーズを、2mlの新鮮BSA緩衝液の中にもう1回移し、使用するまで4℃で保管した。最後に、このビーズ懸濁液を60mlのD−PBS+0.02%アジ化ナトリウムに添加し、器具ビーズ処理システム上に接続した。マウス抗ヒトIgG(H+L)Cy5抱合体を、0.01M リン酸ナトリウム、15mgml−1のBSAを伴う0.25M NaCl(pH7.6)、および0.05%アジ化ナトリウム中で1.4mgml−1において組成した。これを、必要とするまで4℃で保持した。FAbおよびIgGを、50nMまたは250pM、あるいは100pMまたは10pMまで希釈した。抗体6FAbまたは抗体6Ab/AMG108Abを、25または5nMから0.1525pMの希釈系列(Dulbecco’s PBS、1mgmL−1ウシ血清アルブミン、0.02%(w/v)アジ化ナトリウム中)と合併する、2倍希釈系列中で、FcRを希釈した。複合体を12〜16日にわたって18℃(室温)で平衡状態にさせ、次いで、信号検査後にカラムを通して流した。50μlのCy5標識化二次抗体を使用して、結合遊離抗体を検出した。KinExATM.Pro(v 2.0.0.17)ソフトウェアを使用して、データ処理および分析を行った。
全血アッセイ
IL−1β(GIBCO、凍結乾燥、担体を含まない)インキュベーションがIL−6放出をもたらす、全血アッセイにおいて、抗体を能力について分析した。簡潔に言えば、抗体を、1%BSAを含有するPBS中で15μg/mlまで希釈し、次いで、PBS/1%BSA中の1:3希釈において連続的に量を設定した。10μlの各濃度の抗体、またはPBS/1%BSA対照を、80μlのヒト全血とともに室温で30分間インキュベートした。30pMの最終アッセイ濃度を生じるように、PBS/1%BSA中の10μlのIL−1βまたはPBS/BSA単独を添加し、加湿5%CO2インキュベータの中で37℃において22±2時間インキュベートした。100μlのPBSをウェルに添加し、300gで10分間回転した後、上清を除去し、市販のhuIL−6 ELISAキット(R&D Systems Duoset、取扱説明書の通り)を使用してIL−6含有量について分析した。このアッセイでの抗体6IgG1TMの能力は311pM(83pM〜1.2nM)(平均IC50;95%信頼区間)であった。
キメラヒト/マウスIL−1R1細胞外ドメインを使用した、抗体6相互作用のエピトープマッピング
5.1 全ドメイン交換キメラIL−1R1分子の生成
抗体6は、ヒトIL−1R1に結合するが、マウスIL−1R1には結合しない。この性質を使用して、キメラIL−1R1分子をエピトープマッピングのために生成した。ヒトIL−1R1細胞外ドメインのドメイン1(D1)(M1−Y122)、ドメイン2(D2)(N123−V227)、またはドメイン3(D3)(I228−K336)を、対応するマウスIL−1R1配列と置き換えることによって、全ドメイン交換キメラを作成した。ヒトIL−1R1からのIL1β[120]およびIL1ra[121]と相互作用することが知られている領域を、マウスIL−1R1からの対応する領域と置き換えることによって、サブドメイン交換キメラを生成した。キメラの抗体への結合を決定するために、HTRF(均質時間分解蛍光)競合アッセイを使用した。アッセイでは、Eu3+クリプタートで標識化された抗体が、ビオチンで標識化されたヒトIL−1R1と相互作用した。相互作用は、Eu3+クリプタートとXLent!標識化ストレプトアビジンとの間のFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)信号によって検出された[122]。
5.1.1 材料および方法−キメラのクローン化、発現、および精製
プライマー伸長PCRクローン化によって、ヒトIL−1R1細胞外ドメイン(アミノ酸残基1−336 NP_000868)およびマウスIL−1R1細胞外ドメイン(アミノ酸残基1−338 NP_032388)のキメラをコードするcDNA分子を合成し、pDONR221(Invitrogenカタログ番号12536−017)にクローン化した。次いで、製造業者の指示(Invitrogenカタログ番号12538−120)に従ってLR Gateway Clonase II酵素を使用して、IL−1R1細胞外ドメインキメラをコードするcDNA断片を、哺乳動物発現ベクターpDEST12.2(Invitrogen)に移した。pDEST12.2ベクターは、関心の挿入遺伝子とともにインフレームでヒトIgG1Fc断片および6xhisタグ(配列番号134)を含有するように修飾されており、また、pCEP4ベクター(Invitrogenカタログ番号V044−50)からのoriP複製起点の挿入によって、EBNA−1遺伝子産物を発現する細胞系(EBNA−1遺伝子をトランスフェクトされたCHO細胞[CHO−EBNA]等)へのトランスフェクション時に、エピソームプラスミド複製も可能にする。プロテインG親和性クロマトグラフィ(HiTrapプロテインG HPカラム(GE Healthcareカタログ番号17−0404−03))を使用し、その後にサイズ排除クロマトグラフィ(Superdex 200カラム(GE Healthcareカタログ番号17−1069−01))を使用して、CHO−EBNA遺伝子からの上清の中の発現タンパク質を精製した。ベクターコード配列である、ヒトIL−1R1細胞外ドメインの配列(アミノ酸残基1〜336 NP_000868)、ヒトIgG1Fcタグおよび6xhisタグが、配列番号134で開示される。マウスIL−1R1細胞外ドメインの配列(アミノ酸残基1−338 NP_032388)はベクターコード配列である。
5.1.2 IL−1R1キメラへの抗体の結合
製造業者の指示(CisBio Internationalカタログ番号62EUSPEA)に従って、抗体をEu3+クリプタート標識キットでクリプタート標識化し、製造業者の指示に従って、IL−1R1/Fc(配列番号134、材料および方法を参照)をEZ Link Sulfo−NHS−Biotin(Perbioカタログ番号21335)でビオチン標識化した。アッセイ条件は、384ウェル浅ウェルcostarプレート(3676)の中で20μlの全容量における、1xD−PBS、0.1%BSA、0.4Mフッ化カリウム中の0.25nMクリプタート標識化抗体、0.3nMビオチン標識化IL−1R1/Fc、2.5nMストレプトアビジンXLent!(CisBio Internationalカタログ番号611SAXLB)であった。アッセイに、試験タンパク質の希釈系列(最大100nMから0.0017nM)を添加し、アッセイを室温で3時間インキュベートした。320nm励起フィルタならびに620nmおよび665nm発光フィルタを使用した、PerkinElmer EnVisionプレートリーダを使用して、FRET信号を検出した。結果を、特異的結合(競合抗原のない信号)の割合(%)として665/620比から計算した。結果を、S字状用量反応モデルを使用して、Prism(GraphPad Software)で分析した。
5.2 結果
キメラ分子の抗体結合を、HTRF(均質時間分解蛍光)競合アッセイで検査した。ヒトIL−1R1と同じパラトープにおいて抗体に結合した分子は、結合相互作用を阻害し、信号の低減につながった。阻害曲線から、ヒトIL−1R1、マウスIL−1R1、およびキメラ分子のIC
50値を計算した(表12)。分子が結合を完全には阻害しなかった場合、最高濃度において見られた阻害率を計算した。天然ヒトIL−1R1に同様のIC
50値を与えたキメラは、依然としてエピトープを含有していた。抗体に結合するIL−1R1を完全には阻害しなかった、または増加したIC
50値を示したキメラは、完全エピトープを含有していなかった。これらのデータは、抗体エピトープの局在化を可能にした。
キメラヒト/マウスIL−1R1キメラの結合は、抗体によって結合されたヒトIL−1R1エピトープの局在化を可能にした。ヒトD2 IL1R1(MoIL−1R1、MoD1−D2 HuD3 IL1R1、MoD2 HuD1 HuD3 IL1R1、MoD2−D3 HuD1)を置き換えるIL1R1のマウスD2ドメインを含有する全てのキメラが、ヒトIL1R1を完全には阻害できなかったため、全ドメイン交換キメラは、エピトープをヒトIL−1R1のD2に局在化した(残基N123〜V227)が、一方で、D2ヒトIL1R1(HuIL−1R1、MoD3 HuD1−D2)を含有するものは、ヒトIL−1R1と競合することができた(表12)。
ヒトIL−1R1は、結晶構造でIL1βにごく接近している3つのドメインに散在する、7つのβ鎖および4つのループ領域を含有する[123]。また、ヒトIL1R1は、結晶構造でIL1raにごく接近している、3つのβ鎖および7つのループ領域を含有する(Schreuder et al.,Nature 386:194−200,1997)。β鎖またはループ交換キメラは、β鎖a2(残基N123−V134)を含むドメイン2中の主成分、ならびにループb2−c2(残基L140−K157)(Vigers et al,Nature 386:190−194,1997)およびループd2−e2(残基K178−R180)(Schreuder et al.,Nature 386:194−200,1997)中の副成分への、ヒトIL−1R1エピトープの局在化を可能にした。ヒトβ鎖a2を伴わないキメラは、ヒトIL1R1の抗体への結合よりも26倍高いIC50を生じ、ループb2−c2またはd2−e2を伴わないキメラは、ヒトIL−1R1よりも3倍超高いIC50を生じた(表x)。ドメイン交換データと一致して、β鎖a2、ループb2−c2およびd2−e2は、ドメイン2の中に位置する(Vigers et al,Nature 386:190−194,1997)。
これらのデータから、抗体は、N123−V134、L140−K157、およびK178−R180の、ヒトIL−1R1の3つの領域中の33個のアミノ酸の不連続エピトープの中でアミノ酸に結合する。
生物学的寄託物
大腸菌TOP10における生物学的寄託物は、ブダペスト条約の下で、以下にて作製されている。
NCIMB Limited
Ferguson Building,
Craibstone Estate,Bucksburn,
Aberdeen,
AB21 9YA.
Scotland
UK
該寄託物は、本発明の別の実施形態を表す。
参考文献
上記のどこかで引用されるものを含む、本明細書のどこかで引用される全ての参考文献は、全ての目的で、それらの全体で参照することにより本明細書に組み込まれる。
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