JP5813334B2 - 発酵食品の発酵感・熟成感増強剤 - Google Patents

発酵食品の発酵感・熟成感増強剤 Download PDF

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Description

本発明は、酵母エキスの、キムチ、味噌などの発酵食品への利用に関する。本発明はまた、キムチ、味噌などの発酵食品の発酵感・熟成感の増強に関する。本発明は、食品又は飲料の製造の分野で有用である。
漬物、味噌、醸造酒等の発酵食品は、食材に対して、何らかの発酵加工が成された食品である。発酵食品の製造のための発酵工程は、通常、数日〜数ヶ月を要し、その間、意図した微生物、例えば酵母や乳酸菌が働きやすく、かつそれ以外の雑菌の繁殖が起きないような条件で進められる。発酵工程は、また、食材中の成分が微生物に資化・分解されることにより、アルコールや有機酸等が生じ、発酵感、熟成感が増し、新たな風味が創出される工程でもある。
比較的短い発酵工程により製造された発酵食品であっても、適度な熟成感が得られ、又は熟成が促進されるように、種々の技術が検討されている。例えば、特許文献1は、まろやかで熟成感のある焼き肉のタレ等の調味液を得るためには長期間の熟成を行わなくてはならないこと、また、アミノ酸系調味料、核酸系調味料又は穀類、果実、野菜等を主原料とする発酵調味料は呈味性、コク味付与性では優れたものではあるが、焼き肉のタレ等の調味液に添加した際には、個々の風味が強いために調味液全体として風味のバランスがとりにくいこと、といった欠点を解決するための手段として、清澄乳酸菌・酵母発酵乳清液を有効成分として含有することを特徴とする調味液風味改良剤を提案する。また、特許文献2は、短期間で味噌が熟成し、かつ、従来の早熟法で課題とされていたコストアップ等の欠点を解消した味噌の熟成促進剤を提供する。ここでの有効成分は、グルタチオンであり、グルタチオンは、一の態様においては、グルタチオン含有酵母として用いられる。さらに特許文献3は、短期間で熟成でき、かつ、従来の早熟法がもつ味噌独特の風味、味、香りが劣るという欠点のない、味噌の熟成促進方法として、蒸した味噌の原料、麹、塩に、パン酵母、ビール酵母、トルラ酵母から選ばれた1種以上の乾燥酵母を、原材料全体に対して熟成促進剤として0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%添加し、よく混和した後、熟成することを提案している。
一方、酵母エキスは、天然物由来の調味料として種々の食品に使用されてきた。酵母エキスは、旨味成分であるグルタミン酸を比較的多く含むので、主として旨味を補うために用いられている一方で(特許文献4〜6)、旨味以外の味に対する効果を期待して用いることも検討されつつある。
特開H07-75520(特許3333011号) 特開2002-238488(特許4518456号) 特開2002-345426 特開2005-102549 特開平10-327802 WO99/16860
本発明者らは、種々の特性を有する酵母エキスの様々な食品における利用について検討してきた。その中で、グルタミン酸を豊富に含有し、かつ核酸類も多く含む酵母エキスが、旨味を中心とする先味強化に有効であることを見出した。そしてそのような酵母エキスが、呈味及びにおいの其々の点において、発酵感が熟成感を付与することができ、予想外にも、発酵食品の風味を引き立たせることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下を提供する:
[1] (a)グルタミン酸ナトリウムを10重量%以上(好ましくは15%以上)、
(b)イノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウムを、総量で1重量%以上(好ましくは1.5%以上)、並びに
(c)2-フランメタノール及び5-メチル-2-フランメタノール
を含む酵母エキスの呈味成分及び/又はにおい成分を有効成分とする、発酵食品の風味増強剤。
[2](a)グルタミン酸ナトリウムを10重量%以上(好ましくは15%以上)、
(b)イノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウムを、総量で1重量%以上(好ましくは1.5%以上)、並びに
(c)2-フランメタノール及び5-メチル-2-フランメタノール
を含む酵母エキスを有効成分とする、発酵食品の風味増強剤。
[3]発酵感及び熟成感を増強するものである、[1]又は[2]い記載の剤。
[4]発酵食品が、発酵食品が、キムチ、漬物、味噌、甜麺醤、醸造酒を用いた食品、又はフォスファターゼ活性が残存する食品である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の剤。
[5](c)ピラジン類、2-フランメタノール、5-メチル2-フランメタノール、及び3-メチルブタナールを含む酵母エキスを有効成分とする、発酵食品の風味増強剤。
[6]ピラジン類が、2,5-ジメチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン及び2-エチル3-メチルピラジンを含む、[5]に記載の剤。
[7](a)グルタミン酸ナトリウムを10重量%以上(好ましくは15%以上)、(b)イノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウムを、総量で1重量%以上(好ましくは1.5%以上)、並びに(c)2-フランメタノール及び5-メチル-2-フランメタノールを含む酵母エキスを添加する工程を含む、発酵食品における、風味の増強方法。
[8]酵母エキスを、発酵食品における濃度が0.01〜0.5%となるように添加するものである、[7]に記載の方法。
GC/MSを用い、本発明品のにおい成分を分析した。代表的なチャートを図1に示した。 市販の酵母エキスのうち、畜肉臭が強く感じられる酵母エキスを選択し、におい成分を分析した結果を図2に並べて示した。 本発明品を添加せずに漬け込んでから19日目のキムチを基準(100)とし、本発明品を添加したキムチのにおいの類似度(基準となるにおいを100とした際の変化率を、センサーの出力から算出した値。)を表したグラフである。 Blank19日のキムチの発酵感・熟成感の進んだキムチと定義して評価した場合の、主成分分析(PCA)の結果を表したグラフである。及び4B(PLSによる日数の予測(保存日数を実測値のパラメーターとして入力))に示した。 Blank19日のキムチの発酵感・熟成感の進んだキムチと定義して評価した場合の、PLSによる日数の予測(保存日数を実測値のパラメーターとして入力)を表したグラフである。 甜醤を用い、本発明品により味噌感がどの程度アップするか、味覚センサーで確認した結果を示したグラフである。 甜醤を用い、本発明品により味噌感がどの程度アップするか、味覚センサーで確認した結果を示したグラフである。
本発明は、酵母エキスの発酵食品への利用に関する。
本発明で「食味(eating quality)」というときは、特に記載した場合を除き、食品のおいしさに関する特性のうち、味覚及び/又は嗅覚により感得される要素をいい、具体的には、味(taste)、風味(flavor)、におい(aroma)をいう。
本発明で「剤」というときは、特に記載した場合を除き、発酵食品を製造する際に、発酵食品に添加するための物(substance)をいう。本発明の剤は、酵母エキスを含む。本発明の剤は、酵母エキスそのものであってもよく、酵母エキスと、他の食品として許容される担体及び/又は添加剤を含んだ組成物であってもよい。
本明細書で、剤、酵母エキス、発酵食品等に関して、アミノ酸等の含量又は組成に関する値に言及するときは、特に記載した場合を除き、重量に基づく値を指す。
[酵母エキス]
本発明で「酵母エキス」というときは、特に記載した場合を除き、酵母菌体から溶媒により抽出した抽出物を指す。抽出物の精製物、濃縮物及び乾燥物も「酵母エキス」に含まれる。酵母エキスは、液状、ペースト状であることがあり、粉末状であることもある。
本発明に用いられる酵母エキスは、呈味成分及びにおい成分を含む。
本発明で酵母エキスに関し「呈味成分」というときは、特に記載した場合を除き、稿吠エキスに含まれる成分のうち、味覚として感得できる(口(舌)から感じる)成分をいい、これには、後述する(a)グルタミン酸ナトリウム及び(b)イノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウムのほか、他のアミノ酸、ペプチド、並びに有機酸が含まれる。「他のアミノ酸」には、アスパラギン酸、アラニン、グリシンが含まれる。「ペプチド」には、100以上700未満のもの、700以上2000未満のもの、2000以上5000未満のもの、5000以上10000未満のもの、分子量が10000以上のものが含まれる、「有機酸」には、コハク酸、クエン酸、乳酸、ピログルタミン酸、リンゴ酸、酢酸が含まれる。
本発明で「におい成分」というときは、後述する「(c)特徴あるにおい成分」の項に記載された成分以外の、揮発性であり、好ましくは水溶性の成分が含まれる。
(a)グルタミン酸ナトリウム
本発明で酵母エキスに関連して、グルタミン酸ナトリウムの含量をいうときは、特に記載した場合を除き、酵母エキス中に含まれる遊離アミノ酸のうちのグルタミン酸を、グルタミン酸ナトリウム一水和物(C5H8NNaO4・H20 分子量187.13)相当量として表した値をいう。グルタミン酸ナトリウムは、グルタミン酸ソーダ、2-アミノペンタン二酸ナトリウムということもあり、またMSG(monosodium glutamate)と表されることもある。
本発明に用いられる酵母エキスは、グルタミン酸ナトリウムを10重量%以上、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上含む。なお本発明で酵母エキス中の成分の含量を示す場合は、特に記載した場合を除き、その値は、乾燥重量当たりの含量である。また、本発明で酵母エキス又は酵母エキスを含む剤に含有されるアミノ酸について説明する場合は、特に記載した場合を除き、アミノ酸とは、ペプチド又はタンパク質の一部を構成しているアミノ酸残基は含まず、遊離型のアミノ酸である。アミノ酸は、特に記載した場合を除き、L体である。
(b)イノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウム
本発明で酵母エキスに関連してイノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウムの含量をいうときは、特に記載した場合を除き、酵母エキス中に含まれるイノシン酸及びグアニル酸を、イノシン酸ナトリウム(C10H11N4O8P 2Na 分子量 392.2)の7水和物及びグアニル酸ナトリウム(C10H12N5O8P 2Na 分子量407.2)の7水和物相当量として表した値をいう。イノシン酸ナトリウムは、5'-イノシン酸二ナトリウムということもあり、IMP・2Naと表されることもある。グアニル酸ナトリウムは、5'-グアニル酸二ナトリウムということもあり、GMP・2Naと表されることもある。イノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウムをまとめて、IGと称することもある。
本発明に用いられる酵母エキスは、上述のグルタミン酸ナトリウムに加えて、イノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウムを、総量で1重量%以上、好ましくは1.5%以上、より好ましくは1.8%以上含む。
(c)特徴的なにおい成分
本発明者らの詳細な検討によると、上述のようなグルタミン酸ナトリウム含量が高く、かつイノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウム含量が高い酵母エキス(本明細書では、「本発明品」ということがある。)は、特徴的なにおい成分として、下記を有することが判明した。
(1)ピラジン類(ピラジン又はピラジン骨格に1以上の置換基を有するピラジン誘導体をいう。特に、2,5-ジメチル-ピラジン、2,3-ジメチル-ピラジン、2-エチル-3-メチル-ピラジン);
(2)フランメタノール類(2-フランメタノール、又は2-フランメタノール骨格に1以上の置換基を有する2-フランメタノール誘導体をいう。特に、2-フランメタノール、5-メチル-2-フランメタノール);及び
(3)3-メチル-ブタノール(イソバレルアルデヒド)。
これらの成分の内、2-フランメタノール、及び5-メチル-2-フランメタノールは、これまで酵母エキスに含有されていることは知られていなかった。2-フランメタノール(分子量: 98.1)は、(2-フリル)メタノール、α-フリルカルビノール、2-フリルカルビノール、フラン-2-メタノール、2-フラニルメタノール、2-ヒドロキシメチルフラン、フルフリルアルコールということもある。5-メチル-2-フランメタノール(分子量: 112.13)は、5-メチルフルフリルアルコール、5-メチルフラン-2-メタノールということもある。
本発明に用いることのできる酵母エキスは、2,5-ジメチル-ピラジン、2,3-ジメチル-ピラジン、及び2-エチル-3-メチル-ピラジンを総計で、0.050〜6.0ppm、好ましくは0.075〜4.5ppm、より好ましくは0.10〜3.0ppm含み、2-フランメタノー及び5-メチル-2-フランメタノールを総計で、0.75〜24ppm、好ましくは1.5〜18ppm、より好ましくは3.0〜12ppm含み、並びに3-メチル-ブタノールを9〜270ppm、好ましくは30〜180ppm、より好ましくは60〜120ppm含む。
におい成分の同定及び定量は、当業者であれば、公知の適切な方法を用いて適宜行うことができる。例えば、GC/MSは同定及び定量のために有効な手段である。当業者は、具体的な条件として、本明細書の実施例の記載を参照することができる。
本発明者らの検討によると、ピラジン類により、味噌様の発酵感と熟成感の付与効果が奏されうる。また、フランメタノール類は、熟成した甘い風味を付与することができ、イソバレルアルコールは、熟成風味に寄与しうる。また、ピラジン類及びフランメタノール類との組み合わせ添加で、発酵感を増強することができ、ピラジン類とイソバレルアルデヒドとの組み合わせ添加で、発酵感及び熟成感を増強することができる。さらにフルフリルアルコール類とイソバレルアルデヒドとの組み合わせ添加は、熟成した甘い風味に寄与しうる。2,5-ジメチル-ピラジン、2,3-ジメチル-ピラジン、2-エチル-3-メチル-ピラジン、2-フランメタノール、5-メチル-2-フランメタノール、及びイソバレルアルデヒドの6成分すべての添加では、バランスの良い発酵感及び熟成感を強化することができる。
なお、市販キムチの素、浅漬けの素等の野菜用調味料は、塩分と野菜とを物理的に揉むことで、野菜の細胞壁を壊し(原形質分離)、中に調味液を浸み込ませるという調味付けが原理である。したがって、既存の野菜用調味料においては、発酵感、熟成感らしき風味を醸し出すために、食酢、唐辛子、味噌、香料等が添加されることもあるが、このような調味料により処理された野菜漬は、本発明の剤により、漬物本来の発酵感・熟成感が強化されたものとは、食味が大きく異なると考えられる。
その他の成分
本発明に用いられる酵母エキスは、いずれの場合も、含有される遊離アミノ酸の含量が高いことが好ましい。好ましい態様においては、酵母エキスは、100g中、20g以上、好ましくは、25g以上、より好ましくは30g以上の遊離アミノ酸を含む。また、いずれの場合も、含有される遊離アミノ酸中、グルタミン酸の占める割合が高いことが好ましい。好ましい態様においては、遊離アミノ酸のうち、40%以上、好ましくは45%以上、より好ましくは50%以上をグルタミン酸が占める。
本発明に用いられる酵母エキスは、いずれの場合も、有機酸の含量が高いことが好ましい。特に好ましい態様においては、コハク酸を、1%以上、好ましくは1.5%以上、より好ましくは、1.8%以上含む。
酵母エキスの製造方法
本発明の酵母エキスは、既存の、MSG高生産性の株、又はIG高生産性の株の中から、必要に応じ育種・選抜し、MSG高生産性であり、かつIG高生産性でもある株をスクリーニングすることで得られる酵母を用いて製造することができる。
親株としては、食用に適した種々の酵母を用いることができる。好ましくは、サッカロマイセス属に属する酵母(例えば、サッカロマイセス・セレビシエ、サッカロマイセス・ロゼイ、サッカロミセス・ウバルム、サッカロミセス・シバリエリに属する酵母)、又はキャンディダ属に属する酵母(例えば、キャンディダ・ウチリスに属する酵母)を用いることができる。
親株及び変異株を培養するにあたっては、酵母に多用されるYPD培地、糖蜜培地などが使用できる。所望により、炭素源としては、ブドウ糖、ショ糖、糖蜜、糖化液等が利用可能であり、窒素源としては、硫安、塩化アンモニウム、硝酸塩、尿素、アンモニア等が利用可能である。燐酸、カリウム、マグネシウム、亜鉛、銅、マンガン、鉄等の無機塩類、ビタミン類、アミノ酸を添加することができる。
培養物が得られれば、培養物から、遠心分離等の適当な手段を用いて酵母菌体を得て、必要に応じ、洗浄した後、熱水抽出法、酵素分解法及び/又は自己消化法により、エキス化する。自己消化法とは、酵母が本来有している酵素の働きにより、酵母を可溶化し、抽出する方法であり、遊離アミノ酸含有量の多い酵母エキスを得ることができる。一方、酵素分解法とは、分解酵素を添加して酵母を可溶化し、抽出する方法である。外部から適当な酵素を添加することにより、酵素反応を簡便に制御し得るため、遊離アミノ酸や核酸の含有量を調整することができる。
酵素分解法において用いられる酵素は、食品製造において生体成分を分解する際に用いられる酵素であれば、特に限定されるものではなく、例えば、酵母の細胞壁を分解し得る酵素、タンパク質分解酵素、核酸分解酵素、又はこれらの組み合わせを用いることができる。また、核酸分解酵素として、5’-ホスホジエステラーゼを用いることがより好ましい。イノシン酸、グアニル酸の酵母エキス中の含量を多くすることができるからである。
培養及びエキス化のための条件は、当業者であれば、適宜決定することができる。
[発酵食品における利用]
本発明は、上述の酵母エキスを含む、発酵食品における風味改善剤を提供する。
本明細書で「発酵食品における風味改善」というときは、発酵食品における、発酵感(乳酸発酵した様な、味噌、漬物等に共通する風味)及び熟成感(酵母発酵による、慣れた甘いにおいや、熟れた風味)のいずれかの項目に関する改善を含む。改善の有無及び程度は、訓練されたパネラーの1名又は複数名による官能評価により比較・検討することができる。例えば、評価の対象となる酵母エキスを含むが充分には発酵工程を経ていない対象食品と、酵母エキスを添加しないが、充分な発酵工程を経た発酵食品(Blank)を準備し、パネラーに、対象食品について、Blankに対して3〜5段階程度で風味の類似度を評価させることにより、比較・検討することができる。また、当業者にはよく知られたにおいセンサや味覚センサを用い、Blankに対する類似性や、充分な発酵工程を経るまでのにおいや味の変化との比較から、より客観的に、発酵感及び熟成感を評価することができる。官能評価又はセンサを用いた場合の詳細な条件は、本願明細書の実施例の記載を参照することができる。
本発明者らの検討によると、発酵工程前、又は発酵工程として1〜数日を経た食品に本発明品を有効量添加した場合、発酵期間が短いにもかかわらず、発酵感及び/又は熟成感が奏されうる(実施例2参照)。
本発明で「発酵食品」というときは、特に記載した場合を除き、キムチ、ザーサイ、スヮンツァイ、ザウアークラウト、発酵を伴う漬物(例えば、沢庵漬け、奈良漬け(奈良漬)、野沢菜漬、すぐき、いぶりがっこ、糠ニシン・糠サンマ・糠ホッケ、広島菜漬、福神漬、べったら漬、壬生菜漬)、味噌(例えば、米みそ(北海道味噌、津軽味噌、秋田味噌、仙台味噌、会津味噌、江戸甘味噌、信州味噌、相白味噌、越後味噌、佐渡味噌、越中味噌、加賀味噌、西京味噌、桜味噌、府中味噌、讃岐味噌)、麦みそ(島原味噌、薩摩味噌)、豆みそ(八丁味噌、名古屋味噌)、調合みそ)、甜麺醤、コチュジャン、醤油、醸造酒(例えば、ワイン、シードル、乳酒、ビール、日本酒)を用いた食品が含まれる。味噌、甜麺醤、又は醸造酒を用いた食品は、特に好ましい例である。
本発明は、発酵食品のうち、特にフォスファターゼ活性が残存する食品に対して、特に有効に適用することができる。本発明で「フォスファターゼ」というときは、特に記載した場合を除き、畜肉、家禽肉、魚介肉などの食肉、野菜類などの生の食品素材原料や、味噌、醤油などの発酵食品に含まれる酵素のうち、イノシン酸、グアニル酸、アデニル酸、シチジル酸など、D-リボースの5’-位に燐酸の結合したヌクレオチドすなわち5’-リボヌクレオチド類から燐酸を脱離する酵素類の総称をいう。
食品中に存在するフォスファターゼによって、呈味性の核酸が分解されることがあるが、本発明に用いられる酵母エキスは、MSG、遊離アミノ酸類、コハク酸等の有機酸の旨味成分が豊富に存在するので、充分な食味を呈することができる。例えば、典型的な国産キムチにおいては、イノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウムは、フォスファターゼに分解されてしまうので、0%である。本発明はこのような発酵食品に対しても、充分な発酵風味の強化を達成しうる。
本発明における本発明品の有効な添加量は、喫食時の食品において、0.001%以上であり、好ましくは0.01%以上であり、いずれの場合においても、1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。なお、上限は、本発明品特有のにおいというより、豆のような酵母臭が違和感がある程まで感得されるか否かを考慮することができる。
発酵食品の製造において、酵母エキスを添加する段階は、適宜設定できるか、酵母エキスが粉末である場合は特に、他の粉末原料に混合するか、又は油脂類に分散させて、添加することが好ましい。
本発明の剤は、発酵食品へ添加するための調味料組成物とすることができる。調味料組成物へは、酵母エキスのほか、食品として許容される種々の添加物を添加することができる。このような添加物の例として、例えば、デキストリン、乳糖、香料が挙げられる。調味料組成物の発酵食品へは、喫食時の酵母エキスの濃度が、上述の発酵食品における好ましい含量になるように、設計することができる。例えば、調味料組成物あたり、酵母エキスが4〜40%となるように、好ましくは5〜30%、より好ましくは6〜20%となるようにすることができる。
[酵母エキスの製造]
(酵母の培養)
テーブルマーク株式会社保有の製パン用酵母、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)のライブラリーの中から、得られる酵母エキスのMSG濃度とIG濃度を指標として選抜した種酵母を用いて、撹拌培養を行い、菌体分離後、洗浄して酵母菌体を得た。
(酵母エキス)
この菌体を、酵素処理によりエキス分を抽出し、加熱により酵素を失活させた後に遠心分離によりエキス分を回収した。さらに70℃20分の加熱殺菌、100meshでろ過後、直ちにスプレードライヤーにて乾燥し、酵母エキスを得た。得られた酵母エキスについて確認したところ、MSG及びIG含量が、通常の酵母エキスに比較して高いことが分かった。[酵母エキスの呈味成分の分析]
本発明品を代表する酵母エキスとして、ハイマックスGL(富士食品工業株式会社)を用いた。比較例として、市販の、酵母エキスA(A社製)、酵母エキスB(B社製)、酵母エキスC(B社製)、酵母エキスD(バーテックスIG 20、富士食品工業株式会社)を用いた。以下の実施例において、特に記載した場合を除き、「本発明品」というときは、ハイマックスGLを指し、酵母エキスA〜Dというときは、上記のものを指す。なお、表中、MSGはグルタミン酸ナトリウム一水和物を指し、以下の実施例において「MSG」というときも、特に記載した場合を除き、同様である。
[酵母エキスのにおい成分の分析]
GC/MS(機器名:GC:VARIAN CP-3800 GC/MS:VARIAN 300-MS)を用い、各酵母エキスのにおい成分を分析した。本実施例では、特に示した場合を除き、下記の条件で分析を行った。
代表的なチャートを、図1に示した。なお、製造ロット間で差はほとんど認められなかった。
また、市販の酵母エキスのうち、畜肉臭が強く感じられる酵母エキスを選択し、同様の分析を行った。その結果を図2に並べて示した。図2中、酵母エキスGはイーストエキス21-TF(富士食品工業株式会社)、酵母エキスHはイーストエキスSF-1(富士食品工業株式会社)、酵母エキスIはイーストエキス21-A(富士食品工業株式会社)についての分析結果である。また、酵母エキスG〜Hはペースト状であり、他は粉末状のものであった。
GC/MSの結果から、本発明品に特徴的なにおい成分として、下記が特定できた。
(1)ピラジン類(特に、2,5-dimethyl-pyrazine、2,3-dimethyl-pyrazine、2-ethyl-3-methyl-pyrazine);
(2)フランメタノール類(特に、2-furanmethanol、5-methyl-2-furanmethanol);及び
(3) 3-methyl-butanal(イソバレルアルデヒド)
これらの成分の内、2-furanmethanol、5-methyl-2-furanmethanolは、これまで酵母エキスに含有されていることは知られていなかった。
これらの特徴ある成分について、市販の標準品1000ppmのGC/MSチャートのピークの面積との比較から、実施例1の酵母における含有濃度(4ロットについて測定した平均値)を算出した。その結果を下表に示した。
なお、5-methyl-2-furanmethanol,については、標準品として2-furanmethanolを用いて算出した値(2-furanmethanol 1000ppmのGC/MSチャートのピークの面積との比較から求めた濃度を、112.13/98.1倍した値)を示した。なお、本実施例においては、5-methy-2-furanmethanolについては、特に記載した場合を除き、同様にして求めた値を示している。
他方、酵母エキスA及び酵母エキスBを使用し、同様ににおい成分を分析した。上記の特徴ある成分の内、検出された成分及びその濃度を下表に示した。
他の成分、詳細には、酵母エキスAにおいては2-furanmethanol及び5-methyl-2-furanmethanolが検出されず、また酵母エキスBにおいては2-furanmethanol、5-methyl-2- furanmethanol、及び3-methyl-butanalは検出されなかった。なお、検出限界値は、一般に機器の検出限界値とされるS/N=3を基準とした。
[製品への添加評価]
1.白菜キムチ
下表の配合で、キムチ用調味料を調合した。
なお、本発明品の添加量は、何点か添加量を変えて調製した中で、最も味・風味のバランスが良かったので、2.0%に決定した。
下漬け野菜(4%食塩水:5cm幅にカットした白菜を1:1で混合し、重石をして冷蔵5℃で3日漬け、水を切ったもの)100重量部に対し、キムチ調味料を20重量部の割合でまぶし、パウチに充填(重石無し)して、冷蔵5℃で2日漬け込んだ。喫食時の本発明品の含量は、0.33%と計算された。漬け込み期間が短いにもかかわらず、発酵感(乳酸発酵した様な、味噌、漬物等に共通する風味)や熟成感(酵母発酵による、慣れた甘いにおいや、熟れた風味)が感じられた。
2.発酵感・熟成感アップ効果の検証(におい識別装置による類似度の比較)
上述の条件で調製した白菜キムチを冷凍保管して置き、30gにカットして測定専用の袋に充填し、室温まで解凍して、においセンサー(匂い識別装置 FF-1、島津製作所)に供した。解析ソフト(A smell)を使用した。
漬け込んでから対照の19日目を基準に、類似度(基準となる匂いを100とした際の変化率を、センサーの出力から算出した値。数値が100に近い程、類似度が高い。)を算出した。
結果を図3に示した。
本発明品を添加することにより、数日間発酵・熟成させた場合と同様のにおいが奏されていることが確認できた。より具体的には、本発明品を添加したものは、19日目のものとは100%同じではないが、漬け込み2日目のもので類似度が90%以上となった。Blankは2日目で67%、12日目85%であったことを考慮すると、本発明品添加の2日目は、Blankの14日目程度に相当すると考えられた。
以上のように、においセンサーによる結果から、本発明品のにおい成分がキムチの発酵感、熟成感を増強することが示唆された。
3.酵母エキス添加キムチの味覚センサーによる発酵感・熟成感の評価
キムチの発酵感・熟成感に関する評価を、味覚センサーを用いて行った。前述と同様のキムチ用調味料を用い、下記の条件で、大根キムチを調製した。
下漬けは、大根(5cm×1cm角)に対し3.5重量%の食塩をまぶし、重石をして3日間冷蔵することにより行った。
本調味は、下漬け野菜対キムチ用調味料を、水切りをした下漬け大根100重量部に対し、20重量部の割合でまぶし、冷蔵庫(5℃)保存することにより行った。
味覚センサーによる測定条件を下記に示す。
Blank19日のキムチの発酵感・熟成感の進んだキムチと定義して評価した。結果を図4A(主成分分析(PCA))及び4B(PLSによる日数の予測(保存日数を実測値のパラメーターとして入力))に示した。
味覚センサーのPLSの結果から、本発明品添加2日目で、Blank13〜14日程度の値を示しているので、本発明品は味においても、キムチの発酵感・熟成感を付与していると考えられた。
[キムチ風鍋スープへのハイマックスGLのにおい成分の添加評価]
本発明品の主要におい成分を、キムチ風鍋スープに添加し、発酵感・熟成感の増強効果があるか検証を行った。
キムチ風鍋スープに、各におい成分を、本発明品を喫食時の含量が0.14%となるように添加した場合に相当する量添加して、添加の効果を評価した。各成分の濃度を下表に示す。なお、本発明品の添加量は、何点か添加量を変えて調製した中で、最も味・風味のバランスが良かったので、0.14%に決定した。
キムチ鍋風スープの配合を下表に示した。
キムチ鍋スープの希釈溶液に、本発明品(ハイマックスGL:富士食品工業社製)、又は酵母エキスに含まれる各におい成分(2,5-dimethyl-pyrazine(東京化成工業社製)、2,3-dimethyl-pyrazine(東京化成工業社製)、2-ethyl-3-methyl-pyrazine(東京化成工業社製)、2-franmethanol(和光純薬社製)、3-methyl-Butanal(Aldrich Chemical Company Inc.社製))を、単独又は、組み合わせて添加して、発酵感と熟成感に着目して官能試験を行なった。なお、上表中「IG」とは、イノシン酸ナトリウムの7水和物及びグアニル酸ナトリウムの7水和物の総量を指し、実施例の他の箇所において、特に記載した場合を除き、「IG」というときも、同様である。用いたコチュジャンAには、MSG、IG、及び酵母エキスが添加されていないことを確認している。
表中、「-」は、発酵感と熟成感に関して、におい成分を配合しなかったキムチ鍋スープと比較して特に違いがなかったことを、「+」は増強されていたことを、「++」は強く増強されていたことを、「+++」は非常に強く増強されていたことを、「++++」は明らかに非常に強く増強された事を、それぞれ表している。
ピラジン類に、味噌様の発酵感と熟成感の付与効果が認められた。フランメタノールは、熟成した甘い風味を付与し、イソバレルアルコールは、熟成風味に寄与することが分かった。また、ピラジン類及びフランメタノール類との組み合わせ添加で、発酵感が増強され、、ピラジン類とイソバレルアルデヒドとの組み合わせ添加で、発酵感及び熟成感が増強された。フルフリルアルコール類とイソバレルアルデヒドとの組み合わせ添加は、熟成した甘い風味に寄与することが分かった。ピラジン類、フランメタノール類、及びイソバレルアルデヒドすべての添加では、バランスの良い発酵感及び熟成感がアップすることが確認できた。
[キムチ風鍋スープへの本発明品の添加評価]
実施例3と同じ配合のキムチ風鍋スープに、本発明品を0.0005〜1.0%となるように添加し、有効量の範囲を確認・評価した。
結果を下表に示した。
表中、「-」は発酵感・熟成感とは異なる、「+」は発酵感・熟成感あり、「++」は強く増強、「+++」は非常に強く増強を表す。
本発明品は、添加率0.001%でも、キムチ様の風味と味が増強された。添加率が0.5%を超えると、酵母エキス特有の風味が強くなり、キムチの食味とは異なった。
韓国味噌 甜醤と八丁味噌へ本発明品を添加した際の、味噌感アップ効果を確認・評価した。
1-1.本発明品を添加した韓国味噌 甜醤の官能評価
*商品名;甜醤、メーカー;大象株式会社
結果を下表に示した。
表中、「-」はBlankと同等、「+」は5%程度強い、「++」は10%程度強い、「+++」は15%程度強い、「++++」は20%程度強いことを表す。
1-2.味覚センサーによる評価
1.の本発明品の添加効果を検証するため、同じ甜醤を用い、本発明品により味噌感がどの程度アップするか、味覚センサーにて確認することとした。
甜醤8.0%に本発明品を0.1、0.2%添加した溶液が、甜醤6.0、8.0、10.0%希釈品のどの濃度に匹敵するかを、以下配合の味噌溶液を作成し、味覚センサーにて測定した。
官能評価コメントを下表に示した。
結果を図5A及び図5Bに示した。また、多重回帰分析により得られた、本発明品の見かけの味噌濃度を、下表に示す。
このように、本発明品0.05〜0.2%添加で、味噌感がおよそ10〜20(%)アップすることを客観的に示すことができた。また、官能での味噌感アップの数値化が可能となった。
2-1.本発明品の、八丁味噌への添加効果の確認
八丁味噌にハイマックスGLとバーテックス IG 20を1.25、2.5、5.0(%)と添加し、練りこみ分散させた後、4%に希釈し、官能評価に供した。喫食時の酵母エキス濃度は、それぞれ0.05、0.1、0.2%である。
八丁味噌の配合を下表に示す。
結果を下表に示した。
表中、「-」はBlankと同等、「+」は5%程度強い、「++」は10%程度強い、「+++」は15%程度強い、「++++」は20%程度強い「-’」は添加量過多のため異質であることを表す。
2-2.検証
2-1の本発明品の添加効果を検証するため、同じ八丁味噌を用い、本発明品により味噌感がどの程度アップするか、よく訓練されたパネラー7名にて官能評価を実施した。具体的には、八丁味噌4%に本発明品0.1%添加した溶液が、八丁味噌4.0、5.0、6.0%希釈品のどの濃度に匹敵するか、以下配合の味噌溶液を作成し、評価した。
その結果、パネラー7名が、八丁味噌を4%及び本発明品を0.1%添加したものは、八丁味噌5.0%と同等であると回答した。したがって、本発明品の添加で20%程度、味噌感がアップする。

Claims (7)

  1. (a)グルタミン酸ナトリウムを10重量%以上、
    (b)イノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウムを、総量で1重量%以上 、並びに
    (c)2-フランメタノール及び5-メチル-2-フランメタノール
    を含む酵母エキスの呈味成分及び/又はにおい成分を有効成分とする、発酵食品の発酵感及び熟成感を増強する風味増強剤。
  2. (a)グルタミン酸ナトリウムを10重量%以上、
    (b)イノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウムを、総量で1重量%以上、並びに
    (c)2-フランメタノール及び5-メチル-2-フランメタノール
    を含む酵母エキスを有効成分とする、発酵食品の発酵感及び熟成感を増強する風味増強剤。
  3. 発酵食品が、キムチ、漬物、味噌、甜麺醤、醸造酒を用いた食品、又はフォスファターゼ活性が残存する食品である、請求項1又は2に記載の剤。
  4. (c)ピラジン類、2-フランメタノール、5-メチル2-フランメタノール、及び3-メチルブタナール
    を含む酵母エキスを有効成分とする、発酵食品の発酵感及び熟成感を増強する風味増強剤。
  5. ピラジン類が、2,5-ジメチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン及び2-エチル3-メチルピラジンを含む、請求項に記載の剤。
  6. (a)グルタミン酸ナトリウムを10重量%以上、
    (b)イノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウムを、総量で1重量%以上、並びに
    (c)2-フランメタノール及び5-メチル-2-フランメタノール
    を含む酵母エキスを添加する工程を含む、発酵食品における発酵感及び熟成感を増強する、風味の増強方法。
  7. 酵母エキスを、発酵食品における濃度が0.01〜0.5%となるように添加するものである、
    請求項に記載の方法。
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