JP4543018B2 - 酵母エキスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酵母エキス及びその製造方法に関し、詳しくは、持続感のある旨味と濃厚感を同時に付与することにより、飲食品にコク味を付与または増強することができる酵母エキス及びその製造方法に関するものである。
近年調味料市場では、消費者の本物志向に加えて健康志向も高まり、より自然な味、天然の風味を訴求した製品が求められている。単に旨味を付与するだけのグルタミン酸ソーダ(MSG)やイノシン酸・グアニル酸といった単純な呈味性物質から、複雑な味を付与する複合調味料、HVP(Hydrolyzed vegetable protein、植物性タンパク質加水分解物)、HAP(Hydrolyzed animal protein、動物性タンパク質加水分解物)、各種エキス類の天然系調味料へと変遷を遂げてきている。
現在、大きな潮流になりつつあるのが、濃厚感や後味の広がりを付与するコク味調味料である。食品にコク味を付与する物質としては、ペプチド、ピラジン類、フラン類、油脂・グリコーゲン・ゼラチン等の高分子物質や、オニオン・ガーリックなどの香味成分などが知られている。その中で、ペプチドは、味噌、納豆、チーズなどの発酵食品や食肉などの熟成食品に多く含まれ、コク味付与に重要な役割を果たしている。また、ペプチドは、アミノ酸等の味覚の発現時間が短い呈味成分に対して、その発現時間を伸ばす効果もあるので、味に厚みを持たせることができる。
例えば、発酵食品である魚醤油には、ペプチドが多く含まれ、食品にコク味を付与する作用がある。魚醤油は、日本では、しょっつる、いしるとして知られ、東南アジアでは、カンボジアのプラホック、ベトナムのニョクマム、タイのナンプラ等が有名である。
魚醤油には、5’−イノシン酸が含まれているものが多く、旨味を持つ5’−イノシン酸とその旨味を増強するペプチドを併せ持つことにより、旨味と濃厚感の相乗効果でコク味が非常に強く感じられることから、人気が高い。
魚醤油のコク味には、製造工程の分解、熟成工程で魚介類のタンパク質が酵素により分解されてできるペプチド、アミノ酸が関与している(特許文献1)。また、魚醤油の仕込み工程でアルカリ性プロテアーゼを添加し、ペプチド含有量を増加させコク味を増強することも開示されている(特許文献2)。
また、味の持続性を持たせるペプチドに着目して、特に持続性向上に有効な分子量1000〜5000のペプチドを利用したコク味調味料も上市されている(例えば、非特許文献2)。
一方、旨味調味料として広く飲食品に利用されている酵母エキスにおいては、従来からある旨味付与能に加えて、ペプチドのコク味付与作用を利用したペプチド含有の酵母エキスが開発されている(例えば、特許文献3、非特許文献1)。
しかしながら、従来の酵母エキスでは、ペプチド含量が低く、食品に十分な複雑味、厚み、コク味等を付与することはできなかった。
特開平11−221043号公報 特開2002−027943号公報 特開平6−113789号公報 食品工業 2003年10月15日号 P.36〜P.40 New Food Industry(食品資材研究会) 2003年,Vol.45,No.12
酵母エキスは、先述の通り、ペプチドの種類や含量に着目して開発が進められているものの、従来品ではペプチド含量が少なく、十分なコク味付与作用を得ることができなかった。
このような状況下、本発明は、ペプチドを豊富に含有すると共に、5’−イノシン酸や5’−グアニル酸といった核酸系呈味性成分を含有し、飲食品に対し、持続感のある旨味と濃厚感を同時に付与し、飲食品本来の味に深みを与えることができる酵母エキス、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討した結果、その過程において、酵母エキス中のペプチドの含量、ペプチド比率(全アミノ酸含量に対するペプチド含量の比率)、及び呈味性5’−ヌクレオチド類の合計含量が、酵母エキスの濃厚感と旨味との調和を図るための指標として有用であることを見出した。そして、これらの指標を所定範囲に調整することにより、得られる酵母エキスは、飲食品に持続感のある旨味とコク味・濃厚感を同時に付与することにより、飲食品本来の旨味を増強させるだけでなく、味の深みを与える能力に優れていることを見いだした。
また、上記本発明の酵母エキスを得るためには、菌体の細胞壁を破砕し、エンド型プロテアーゼ、5’−ホスホジエステラーゼ、及び5’−アデニル酸デアミナーゼの各酵素を組み合わせて作用させることが好適であることを見出した。このような方法を採用することにより、ペプチド含量が高まり、核酸系呈味性成分の合計含量とペプチドの好ましい成分配合の酵母エキスが得られることを見いだした。本発明は、かかる知見に基づき完成されたものであり、具現化した態様として下記発明を提供するものである。
〔1〕 下式(1)で示されるペプチドの含量が20重量%以上であり、下式(2)で示される全アミノ酸に対するペプチドの含有比率が80%以上であり、かつ核酸系呈味性成分の合計含量が2重量%以上であることを特徴とする酵母エキス。
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〔2〕 酵母が、キャンディダ属又はサッカロマイセス属に属する酵母である上記〔1〕記載の酵母エキス。
〔3〕 酵母菌体から菌体構成成分を抽出する工程の後、菌体構成成分にエンド型プロテアーゼを作用させる工程、及び、核酸系呈味性成分を生成させる工程を経て得られることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載の酵母エキス。
〔4〕 酵母菌体から菌体構成成分を抽出する工程を、アルカリ性領域で行うことを特徴とする上記〔3〕に記載の酵母エキス。
〔5〕 エンド型プロテアーゼを作用させる工程を、アルカリ性領域で行うことを特徴とする上記〔3〕又は〔4〕に記載の酵母エキス。
〔6〕 酵母菌体から菌体構成成分を抽出すると同時にエンド型プロテアーゼを作用させる工程の後、核酸系呈味性成分を生成させる工程を経て得られることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載の酵母エキス。
〔7〕 上記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の酵母エキスを含有することを特徴とする飲食品。
〔8〕 酵母菌体から菌体構成成分を抽出する工程の後、菌体構成成分にエンド型プロテアーゼを作用させる工程、及び、核酸系呈味性成分を生成させる工程を経ることを特徴とする酵母エキスの製造方法。
本発明によれば、飲食品に持続感のある旨味と濃厚感を同時に付与することができ、その結果、コク味を付与または増強し、味の深みを与えることができる酵母エキスが提供される。また、本発明によれば、このような酵母エキスを効率良く製造するための方法も提供される。本発明の酵母エキスは、安全性の高い天然素材の酵母から抽出可能であることから、各種飲食品に広く安全に使用できる。
本発明の酵母エキスは、上記式(1)で示されるペプチドの含量が20重量%以上であり、上記式(2)で示される全アミノ酸に対するペプチドの含有比率が80%以上であり、かつ核酸系呈味性成分の合計含量が2重量%以上に調整されたものである。
本発明の酵母エキスは、このようにペプチド含量及びペプチド比率が所定の範囲内であるので、飲食品のコク味を増強する作用のあるペプチド含量が高く、よって、飲食品へのコク味増強効果、具体的には特に濃厚感を付与することができる。また、核酸系呈味性成分の合計含量が2重量%以上であることから、旨味付与能にも優れている。従って、本発明の酵母エキスは、飲食品へ強い旨味と濃厚感を同時に付与することができる。
そして、上記のようにペプチド含量、ペプチド比率、及び核酸系呈味性成分の合計含量が一定以上に保たれる結果、本発明の酵母エキスは、持続感のある旨味と濃厚感を同時に付与することにより、飲食品本来の旨味を増強させると共に、全体として食品にコク味を付与しまたは増強することができるものである。
すなわち、本発明は、飲食品に持続感のある旨味と濃厚感を同時に付与することができ、その結果、味の深みを与えることができる酵母エキスを得るための、該酵母エキスにおけるペプチド、及び核酸系呈味性成分の成分割合の指標を提供するものである。言い換えれば、本発明は、酵母エキスの濃厚感及び旨味付与能と成分との関連性を明らかにするものである。
飲食品に味を付与する物質を呈味性物質とも言うが、本明細書において呈味性物質とは、塩味、甘味、旨味、辛味、苦み、酸味など、飲食品の味の質を規定することとなる主成分を言う。
本明細書において、酵母エキスとは、後述する特定の処理をして得られる菌体構成成分を主成分とする混合物のことをいう。酵母エキスの製法については下記にて詳説する。
本明細書において、「濃厚感」とは、「味の強さ」と「持続性」を示す指標であり、例えば、飲食品を口にしたときに感じる「味の厚み」、「味の濃さ」、「味の持続性」等である。
また、「濃厚感」は、コク味を形成する要素の一つであり、コク味の強さを左右する。コク味とは、一般に食品の本格的な風味、複雑なおいしさを表す用語であり、甘味、塩味、酸味、苦味、辛味などの基本的な味質で、おいしさを表現できない場合に用いられ、具体的には、「持続感のある厚みのある強い旨味」といわれている。コク味は、「味の強さ」、「広がり」、「持続性」、「ハーモニー」などの要素から構成されており、味の「濃厚感」と「旨味」が同時に強いと、コク味も強く感じられ、味の深みも与えられるものとなる。味の「深み」とは、深い味わいを意味し、言い換えれば、成分が溶け合い、素材が集まった結果醸し出される、単純でない味わいを意味する。
本明細書において、ペプチドとは、アミノ酸が2個〜数十個がペプチド結合を持って連結した化合物をいう。本発明の酵母エキスが濃厚感付与能に優れるのは、酵母エキス中の成分のうち、特にペプチドが飲食品の元々持っているコク味を増強する性質を有しているためであると考えられる。
本明細書において、ペプチド含量とは、酵母エキスの絶乾重量に対するペプチドの重量含有率をいい、上記式(1)で算出される。
上記式(1)において、全アミノ酸重量とは、酵母エキス中に含まれる全アミノ酸重量を意味し、その値は、酵母エキス中のタンパク質を加水分解し、完全にアミノ酸に分解した後に、アミノ酸重量を測定し求められる。遊離アミノ酸重量とは、酵母エキス中にもともとアミノ酸の形で含まれている遊離アミノ酸を意味し、その重量の値は、酵母エキス中のタンパク質を加水分解せずにアミノ酸重量を測定し求められる。
本明細書において、ペプチド比率とは、酵母エキス中の全アミノ酸含量に対するペプチド含量の割合を示したものであり、上記式(2)によって算出される。ここで、全アミノ酸含量とは、酵母エキス重量に対する全アミノ酸重量含有率をいい、全アミノ酸重量を酵母エキス重量で除して100を乗じた値である。ペプチド比率が高いほど、酵母エキス中の全アミノ酸に対するペプチドの含有量は多い。本発明の酵母エキスにおいては、ペプチド含量を20重量%以上とし、かつペプチド比率を80%以上とする必要がある。ペプチド含量を20重量%以上とし、かつペプチド比率を80%以上とすることにより、濃厚感が強まるだけでなく、元々食品の持つ旨味をも増強させることができる。
本発明においては、ペプチド比率よりもペプチド含量の方が、効果に及ぼす影響が大きい。ペプチド含量については、上述の通り20重量%以上とすることが必要であり、特に30重量%以上とすることが好ましく、高ければ高いほど好ましい。なお、ペプチド含量は、原料である酵母に元来含まれるタンパク質の量に依存している。
一方、ペプチド比率は、遊離アミノ酸とペプチド比率の指標であり、酵母エキスの味質に影響するが、上述の通り80%以上であると、良好なバランスを保つことができる。
なお、各アミノ酸の含量は、アミノ酸測定用HPLCにより測定される。
本明細書において、核酸系呈味性成分とは、5’−グアニル酸及び5’−イノシン酸を言う。5’−グアニル酸及び5’−イノシン酸は、呈味性5’−ヌクレオチド類の一種であり、両方とも、原料である酵母に含まれるリボ核酸の分解、変換などにより生成する。5’−グアニル酸は、酵母のリボ核酸を5’−リボ核酸分解酵素である5’−ホスホジエステラーゼで分解させて生成させることができ、5’−イノシン酸は、リボ核酸を分解して生成した5’−アデニル酸に5’−デアニル酸デアミナーゼを作用させて生成させることができる。
本明細書において、核酸系呈味性成分の合計含量とは、酵母エキス中の5’−グアニル酸及び5’−イノシン酸の合計含量、すなわち、5’−グアニル酸の含量及び5’−イノシン酸の含量の合計を意味する。すなわち、5’−グアニル酸及び5’−イノシン酸を両方含有する場合は、それぞれの含量の合計を意味し、5’−グアニル酸のみを含有する場合は5’−グアニル酸の含量を意味し、5’−イノシン酸の含量を意味する。
核酸系呈味性成分の含量は、核酸測定用HPLCにより測定される。
本発明の酵母エキスは、核酸系呈味性成分を合計で2重量%以上含有していることが必要であり、多ければ多いほど好ましい。核酸系呈味性成分の含量を2重量%以上とすることにより、旨味付与作用が強くなり、ペプチドに起因する濃厚感とともに、持続性のある旨味と濃厚感を同時に付与することができる。また、本発明の酵母エキスは、核酸系呈味性成分として5’−グアニル酸及び5’−イノシン酸のいずれか片方が2重量%以上含まれていれば良く、いずれか片方が含まれていなくても良い。5’−グアニル酸は椎茸の旨味、5’−イノシン酸はかつお節など魚介系の旨味を呈し、それぞれ味質が異なっているので、用途に併せてそれぞれの比率を調整することができる。
本発明の酵母エキスが、飲食品に対し持続感のある旨味と濃厚感を同時に付与することができるのは、上述したようにペプチド含量とペプチド比率が高く、核酸系呈味性成分をバランス良く含むためである。酵母エキス中のペプチド含量が20重量%以上であり、ペプチド比率が80%以上であり、かつ核酸系呈味性成分の含量が合計で2重量%以上でないと、旨味と濃厚感を同時に付与できず、その結果、コク味が付与され得ない。
本発明における酵母エキスの原料となる酵母は、可食性のものであれば特に制限はなく、ビール酵母,パン酵母,アルコール酵母,清酒用酵母など一般に食品工業で用いられているものを使用することが出来る。このような酵母としては、例えばサッカロマイセス(Saccharomyces)属、ピキア(Pichia)属、ハンゼヌラ(Hansenula)属、デバリオマイセス(Debariomyces)属、キャンディダ(Candida)属、クリベロマイセス(Kluyveromyces)属、チゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属等に属する酵母が挙げられる。このような酵母の例としては、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae IFO 1954,IFO 03019,IAM 4274)、ピキア・ステイピティス(Pichia stipitis IFO 1720)、ハンゼヌラ・アノマラ(Hansenula anomala IFO 1150)、デバリオマイセス・ハンセニイ(Debariomyces hansenii IFO 0855,IFO 1752)、キャンディダ・ユーティリス(Candida utilis IFO 0619,ATCC 15239)、クリベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis ATCC 56498)、クリベロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus ATCC 36534)、チゴサッカロマイセス・ルーキシー(Zygosaccharomyces rouxii ATCC 28253,ATCC 13356)等に属する酵母が挙げられる。
これらの酵母の中から1種若しくは2種以上の酵母を用いる。中でもキャンディダ属酵母やサッカロマイセス属酵母は、菌体収率が高く培養もしやすいので、工業的生産を行う上で好適である。なお、酵母の培養方法に特に制限はなく、定法に従って行うことができる。
以下に、本発明の酵母エキスの好ましい製法について詳説する。
本発明の酵母エキスは、種々の酵素を用いた酵素分解法により製造することができる。特に、酵母菌体から菌体構成成分を抽出する工程に引き続き、菌体構成成分にエンド型プロテアーゼを作用させる工程、及び核酸系呈味性成分を生成させる工程を経て得ることができる。このように、エンド型プロテアーゼを使用することで、グルタミン酸及びその塩類など呈味性物質の遊離アミノ酸の生成を抑えると共に、ペプチド含量を高めることができる。また、5’−ホスホジエステラーゼと5’−アデニル酸デアミナーゼを作用させることにより、酵母菌体内のリボ核酸を加水分解し、呈味性5’−ヌクレオチド類を生成させることができる。
酵母菌体から菌体構成成分を抽出するとは、酵母菌体を構成する炭水化物、窒素化合物、脂質、ビタミン類などの成分を菌体外に溶出させることを意味し、その方法としては、細胞壁を破壊(破砕)する方法、アルカリ抽出法、熱水抽出法などがある。このうち、細胞壁を破壊(破砕)する方法としては、特に限定はなく、機械的、物理的な方法及び化学物質などによる化学的な方法のいずれの方法でも良い。例えば、自己消化法、酵素分解法、酸分解法、超音波破砕法、ホモジナイザー法、圧力破砕法、ビーズ衝撃法、磨砕法、凍結融解法などが挙げられ、好ましくは酵素を添加して細胞壁を破壊する酵素分解法などが例示される。
核酸系呈味性成分を生成させるとは、核酸系呈味性成分である5’−イノシン酸及び5’−グアニル酸のいずれか、または両方を生成させることを意味する。5’−グアニル酸を生成させる方法としては、リボ核酸に5’−リボ核酸分解酵素である5’−ホスホジエステラーゼを作用させる方法が挙げられる。また、5’−イノシン酸を生成させる方法としては、上記5’−ホスホジエステラーゼによる反応生成物である5’−アデニル酸に5’−アデニル酸デアミナーゼを作用させる方法が挙げられる。
酵素分解法による製法を具体例として説明する。本発明の酵母エキスの製造に適した酵素分解法としては、第一の例として、(i)酵母又はその菌体を含む培養物等に細胞壁溶解酵素を添加して菌体の細胞壁を分解する工程、(ii)菌体内タンパク質をペプチドに分解するエンド型プロテアーゼを作用させる工程、および(iii)菌体内リボ核酸を加水分解する5’−ホスホジエステラーゼを作用させる工程の3工程を含む方法を挙げることができる。
本発明において、上記各工程の順序は、(i)の工程を最初に行うことを条件として、適宜入れ替えることが可能であり、その一方で、製造工程の煩雑さを回避する観点から、前記記載の順序で進めることもできる。また、複数の工程、特に(i)及び(ii)の工程については同時に進行させることができる。さらに、後述のように(ii)の工程を一定条件で行うことを条件として、(i)の工程を省略することもできる。
上記(i)の工程においては、細胞壁溶解酵素を作用させ、菌体の細胞壁を破砕し、細胞内の成分を溶出させる。使用する細胞壁溶解酵素としては、酵母の細胞壁はβ−1,3−グルカンとマンナンが主成分であるので、グルカナーゼ、マンナナーゼを含有し、酵母細胞壁を溶解するに十分な活性を有するものであれば良い。例えば市販の細胞壁溶解酵素としては、YL−15(天野エンザイム(株)製),YL−NL(天野エンザイム(株)製),ツニカーゼ(大和化成(株)製),キタラーゼ(クミアイ化学(株)製)などが挙げられる。酵素添加量、酵素反応温度、酵素反応時間等は特に限定するものではなく、各々の酵素の最適条件下で行えばよい。また、pHについても特に限定するものではないが、アルカリ性領域、好ましくは、pH9〜10で行えば、酵母菌体内から溶出されるリボ核酸の量が多くなるため、好適である。
上記(ii)の工程においては、エンド型プロテアーゼを作用させ、菌体に含まれていたタンパク質を分解して低分子量化し、ペプチドとする。プロテアーゼには、ポリペプチド鎖の末端からペプチド結合を切断し、アミノ酸を1個ずつ遊離させるエキソ型と、ポリペプチド鎖の中間からペプチド結合を切断するエンド型があるが、工程(ii)においては、ペプチド含量を高めるため、エンド型主体のものを使用することが望ましい。エンド型プロテアーゼはその純度が高いものが好ましいが、実際の製造の場面では不可避的に不純物を含み得る。市販のプロテアーゼを使用する際は、本発明のペプチド含量及びペプチド比率を満たす酵母エキスを得られるものであれば構わないが、エンド型プロテアーゼの純度が8割以上、より好ましくは9割以上のものが好ましい。このような市販のエンド型プロテアーゼ製剤としては、プロテアーゼN「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)、プロチンFN、プロチンA(以上、大和化成(株)製)プロレザーFG−F、パパインW−400、プロメラインF(以上、天野エンザイム(株)製)、オリエンターゼ22BF、オリエンターゼ5BL(以上、阪急バイオインダストリー(株)製)等が挙げられる。
酵素添加量、酵素反応温度、酵素反応時間等は特に限定するものではなく、各々の酵素の最適条件下で行えばよい。また、pHについても特に限定するものではないが、アルカリ性領域、好ましくは、pH9〜10で行えば、それ以外の領域で作用させた場合より、ペプチド含量及びペプチド比率が高くなり、好適である。
上記工程(i)と工程(ii)とは、同時に行っても良いし、また、工程(i)を行ってから工程(ii)を行っても良い。上記工程(i)と工程(ii)とを同時に行うと、工程が簡素化され、製造時間を短縮することができる。
上記工程(i)と工程(ii)とを同時に行う場合には、酵母又はその菌体を含む培養物等に、細胞壁溶解酵素及びエンド型プロテアーゼを、アルカリ性領域、特にpH9−10にて作用させることが好ましい。上記アルカリ性領域で作用させることにより、溶出されるリボ核酸含量、ペプチド含量、及びペプチド比率が高くなるので好適である。また、アルカリ性領域では酵母菌体内の核酸分解酵素が作用しないため、菌体内酵素を加熱失活させる必要がなく、後述の工程(iv)を省略することができる。
さらに、上記アルカリ性領域でエンド型プロテアーゼを作用させると、細胞壁溶解酵素を事前又は同時に作用させなくとも酵母菌体から菌体構成成分を抽出することができる。よって、工程(ii)をアルカリ性領域で行う場合には、工程(i)を省略することができる。
上記(iii)の工程においては、まず、5’−ホスホジエステラーゼを作用させ、菌体内5’−リボ核酸を加水分解し、5’−グアニル酸と5’−アデニル酸を生成させる。5’−ホスホジエステラーゼ(5’−リボ核酸分解酵素)については、5’−リボ核酸から5’−ヌクレオチドを生成するものを用いる。ヌクレオチド間のホスホジエステル結合を特異的に分解するヌクレアーゼが好ましい。例えば、市販の5’−ホスホジエステラーゼとしては、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)等が挙げられる。酵素添加量、酵素反応温度、pH、酵素反応時間等は特に限定されるものではなく、各々の酵素の最適条件下で行えばよい。
上記(iii)の工程においては、上記5’−ホスホジエステラーゼの作用により5’−グアニル酸含量の高い酵母エキスを得ることができるが、さらに5’−イノシン酸含量の高い酵母エキスを得たい場合には、続いて、5’−アデニル酸デアミナーゼを作用させ、上記5’−ホスホジエステラーゼの作用により生成した5’−アデニル酸を5’−イノシン酸に転換させることができる。5’−アデニル酸デアミナーゼについては、例えば、市販の5’−アデニル酸デアミナーゼを用いることができ、具体的には、デアミザイム(天野エンザイム〔株〕製)等が挙げられる。酵素添加量、酵素反応温度、pH、酵素反応時間等は特に限定するものではなく、各々の酵素の最適条件下で行えばよい。
5’−グアニル酸及び5’−イノシン酸は、いずれも呈味性の核酸分解物であり旨味を有するが、前者は椎茸の旨味であり、後者はかつお節等の魚介類の旨味であり、旨味の質が異なる。よって、工程(iii)において5’−ホスホジエステラーゼを作用させるのみにとどめるか、或いは5’−ホスホジエステラーゼを作用させた後5’−アデニル酸デアミナーゼを作用させるかについては、得られる酵母エキスの用途に応じて適宜選択すれば良い。
各工程において用いた酵素の失活は、例えば加熱により行うことができる。酵母を10−15%程度の適当な濃度で水に懸濁させた後、80−120℃好ましくは90−100℃で加熱し、酵素の失活を行う。加熱時間は、10分程度で十分である。酵素の失活は各工程ごとに行っても良いし、最後の工程の後にまとめておこなっても良い。
一方、上記の工程に加えて、さらに、(iv)加熱などにより酵母の菌体内酵素を失活させる工程を含めても良い。加熱条件は、上記した各酵素の失活と同様の条件とすることができる。工程(iv)の順序は、(i)の工程の後のいずれかの段階とすることが好ましい。中でも、(i)の工程の直後に行うと、その後の工程(ii)及び(iii)において酵素反応を菌体内酵素の作用に左右されずに行うことができ、添加酵素の量や反応条件の調整が容易となることから、特に好ましい。また、(iv)の処理を行わない場合は、菌体内酵素がタンパク質や核酸を加水分解しないような条件、例えばpH6以上、好ましくはpH9〜10のアルカリ領域で工程(ii)以降の工程を行うことが好ましい。なお、(i)及び(ii)の工程をアルカリ領域で行う場合には、加熱処理を行わない方が、5’−イノシン酸や5’−グアニル酸といった核酸系呈味性成分含量の高い酵母エキスを得られる傾向にある。
上記各工程において分解されずに不溶成分として残っている酵母菌体などの抽出残渣は、通常の酵母エキスの製造において行われるように適宜除去される。酵母菌体などを除去する方法としては、例えば遠心分離や膜分離などを挙げることができ、中でも工業製造には遠心分離が好適である。
酵母菌体などの除去を行う時期については、特に制限はないが、核酸系呈味性成分を生成させる工程の前、すなわち、工程(iii)の前に行うと、それ以外の時期に行う場合に比べて核酸系呈味性成分の含量の高い酵母エキスが得られることから、好適である。
上記の工程を終了した後、酵母抽出物溶液の上澄み液を回収し、必要に応じて濃縮し、スプレードライ等の方法により乾燥させ、固形物として酵母エキスを得ることができる。また、高濃度に濃縮し、液状濃縮エキスとしても良い。
本発明における酵母エキスは、各種飲食品全般に用いることができる。各種飲食品としては、調理済み食品、水産加工品、畜肉加工品、漬け物、佃煮、健康食品、乳製品、スナック食品、菓子、冷菓子、スープ、調理用シーズニング、タレ、麺つゆ、ドレッシング、ソース、ケチャップ等の調味料、カレー、キムチなどの辛みを有する食品、豆乳、その他の飲料等が挙げられる。
これらの飲食品に本発明の酵母エキスを添加することにより、旨味と濃厚感を同時に付与することができると共に、飲食品が本来持つ旨味を引き出して増強させ、その結果コク味を付与又は増強することができる。
本発明の酵母エキスの飲食品への添加量は、本発明の効果を得るためには、食品の種類により異なるが、一般に飲食品に対し、酵母エキスとして0.05重量%以上であれば充分な効果を得ることが可能である。また、味の濃い食品への添加については、少し多めに添加した方がよい。上限は特に制限はないが、経済性及び添加効果を考慮すると5重量%以下が好ましい。従って、飲食品に対し、酵母エキスとして0.05〜5重量%添加することが好ましい。さらに望ましくは0.1重量%〜2重量%添加することが好ましい。一方、乳製品に対し添加する場合には、一般の飲食品と比較して少量とすることが望ましい。添加量が多すぎると、乳質感がマスキングされて濃厚感が付与されず却って逆効果となるおそれがあるからである。通常は酵母エキスとして0.01重量%〜1重量%、好ましくは0.03〜0.07重量%とすることができる。
本発明の酵母エキスは、添加する飲食品に求められる性質に応じて、他の呈味成分や各種調味料などと併用することも可能である。
[作用]
本発明の酵母エキスが、持続性のある旨味と濃厚感を同時に付与することができるのは、旨味成分である5’−イノシン酸と5’−グアニル酸と、濃厚感付与作用を持つペプチドの両方の含有量が高いことに起因していると考えられる。さらに、ペプチドが高含有であることにより、持続感のある旨味と濃厚感を同時に付与することにより、飲食品本来の旨味を増強させると共に、全体として食品にコク味を付与または増強し、味に深みを出すことができるものと考えられる。即ち、ペプチドと、5’−イノシン酸と5’−グアニル酸の相乗効果で、単に5’−イノシン酸と5’−グアニル酸を高含有させるだけでは得られない複雑で深い旨味を付与できるものと考えられる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施例中の%は、ペプチド比率を除き重量%を意味する。
[遊離アミノ酸及び全アミノ酸の測定方法]
酵母エキスを、6N塩酸を用いて121℃12時間の条件で加水分解処理することにより、酵母エキス中のタンパク質を全てアミノ酸に分解し、全アミノ酸を求めた。また、遊離アミノ酸は、上記処理を行わない酵母エキスを用いて求めた。
酵母抽出物あるいはその加水分解物中の遊離アミノ酸及び全アミノ酸含量は、高速液体クロマトグラフィーシステム(東ソー(株)製)を用い、以下の条件で定量した。
カラム:TSK−GEL Amino Pak(東ソー社製)
検出:蛍光検出
溶離液:クエン酸バッファーによるグラジエント溶出(pH3→pH9)
[イノシン酸・グアニル酸の測定方法]
酵母エキス中のイノシン酸・グアニル酸含量は、高速液体クロマトグラフィーシステム(島津製作所製)を用い、以下の条件で定量した。
カラム:Shodex Asahipak GS−320,7E(昭和電工社製)
検出:UV260nm
溶離液:10mMリン酸ナトリウム
[実施例1]酵母エキス1
サッカロマイセス・セレビシエ(IFO 1954)を、糖蜜1m3に対し、リン酸一アンモニウム3.3kg、塩化アンモニウム6.8kg、塩化カリウム1.7kg、硫酸マグネシウム1.7kg、硫酸亜鉛17g、微量金属類(ホウ酸0.15g、硫酸マンガン0.075g、硫酸銅0.10g、塩化第二鉄0.62g、モリブデン酸ナトリウム0.063g)を加えた培地(以下、糖蜜培地という)を用いて約1日間(20時間から24時間)培養し、集菌洗浄後、それを水に懸濁し、酵母スラリー(菌体濃度15%)1000mlを調製した。
酵母スラリーのpHを9.5に調整した後、エンド型主体のプロテアーゼ(商品名:「プロチンA」(大和化成(株)製)を0.75g添加し、65℃にて2.5時間反応させた。
次に、結果物を95℃〜100℃で10分加熱し菌体内酵素及び添加酵素を失活させた後、遠心分離により上澄み液と固形分(菌体残査)を分離した。
上澄み液を、pH5.0、70℃に調整後、5’−ホスホジエステラーゼ(商品名:ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製))を0.5g添加し、9時間反応させた。その後、上澄み液を50℃に調整後、5’−アデニル酸デアミナーゼ(商品名:デアミザイム(天野エンザイム(株)製))を0.3g添加し、9時間反応させた。
反応後、粉末乾燥し、52gの酵母エキス1を得た。
この酵母エキス中の遊離アミノ酸及び全アミノ酸含量は、各々4.5重量%、37.0重量%であり、ペプチド含量は32.5%、ペプチド比率は87.8%であった。また、5’−グアニル酸と5’−イノシン酸含量は、各々3.3重量%、2.8重量%であった。
[実施例2]酵母エキス2
キャンディダ・ユーティリス(IFO 0619)を、実施例1で用いた糖蜜培地にて約1日間(20時間から24時間)培養し、集菌洗浄後、それを水に懸濁し、酵母スラリー(菌体濃度15%)1000mlを調製した。
酵母スラリーのpHを9.0に調整した後、エンド型主体のプロテアーゼ(商品名:「プロメラインF」(天野エンザイム(株)製)を0.5g、添加し、細胞壁溶解酵素(商品名:YL−15(天野エンザイム(株)製)を0.5g添加して、55℃にて2時間反応させた。
次に、結果物を、95℃〜100℃で10分加熱し菌体内酵素及び添加酵素を失活させた後、遠心分離により上澄み液と固形分(菌体残査)を分離した。
上澄み液を、pH5.0、70℃に調整後、5’−ホスホジエステラーゼ(商品名:ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製))を0.5g添加し、9時間反応させた。その後、上澄み液を50℃に調整後、5’−アデニル酸デアミナーゼ(商品名:デアミザイム(天野エンザイム(株)製))を0.3g添加し、9時間反応させた。
反応後、粉末乾燥し、70gの酵母エキス2を得た。
この酵母エキス中の遊離アミノ酸及び全アミノ酸含量は、各々5.1重量%、39.7重量%であり、ペプチド含量は34.6重量%、ペプチド比率は87.2%であった。また、5’−グアニル酸と5’−イノシン酸含量は、各々3.7重量%、3.0重量%であった。
[実施例3]酵母エキス3
実施例1の酵母スラリーを、95℃〜100℃で10分加熱し菌体内酵素を失活させた後、pHを6.0に調整し、エンド型主体のプロテアーゼ(商品名:プロテアーゼN「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)を0.5g添加し、細胞壁溶解酵素(商品名:YL−15(天野エンザイム(株)製)を0.5g添加して55℃にて2時間反応させた。
その後、pH5.0、70℃に調整し、5’−ホスホジエステラーゼ(商品名:ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製))を0.5g添加し、9時間反応させた。その後、反応液を50℃に調整後、5’−アデニル酸デアミナーゼ(商品名:デアミザイム(天野エンザイム(株)製))を0.3g添加し9時間反応させた。
続いて、遠心分離により上澄み液と固形分(菌体残査)を分離し、上澄み液を粉末乾燥した。
この酵母エキス中の遊離アミノ酸及び全アミノ酸含量は、各々4.5重量%、41.0重量%であり、ペプチド含量は36.5重量%、ペプチド比率は89.0%であった。また、5’−グアニル酸と5’−イノシン酸含量は、各々2.0重量%、1.9重量%であった。
[実施例4]酵母エキス4
実施例2の酵母スラリーのpHを9.0に調整した後、エンド型主体のプロテアーゼ(商品名:プロレザーFG−F(天野エンザイム(株)製)を0.5g添加し、細胞壁溶解酵素(商品名:YL−15(天野エンザイム(株)製))を0.5g添加して、55℃にて2時間反応させた。
次に、酵母スラリーを、95℃〜100℃で10分加熱し菌体内酵素及び添加酵素を失活させた。
その後、pH5.0、70℃に調整し、5’−ホスホジエステラーゼ(商品名:ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製))を0.5g添加し、9時間反応させた。その後、反応液を50℃に調整後、5’−アデニル酸デアミナーゼ(商品名:デアミザイム(天野エンザイム(株)製))を0.3g添加し9時間反応させた。
続いて、遠心分離により上澄み液と固形分(菌体残査)を分離し、上澄み液を粉末乾燥した。
この酵母エキス中の遊離アミノ酸及び全アミノ酸含量は、各々4.5重量%、45.0重量%であり、ペプチド含量は40.5重量%、ペプチド比率は90.0%であった。また、5’−グアニル酸と5’−イノシン酸含量は、各々2.1重量%、2.1重量%であった。
[実施例5]酵母エキス5
細胞壁溶解酵素とプロテアーゼの作用順序を、細胞壁溶解酵素(YL−15)を0.5g添加し、65℃にて2.5時間反応させた後、エンド型主体のプロテアーゼ(商品名「プロチンA」(天野エンザイム(株)製))を0.75g添加し、65℃にて2.5時間反応させた以外は、実施例1と同様にして酵母エキス5を52g得た。
この酵母エキス中の遊離アミノ酸及び全アミノ酸含量は、各々4.6重量%、37.1重量%であり、ペプチド含量は32.5重量%、ペプチド比率は87.6%であった。また、5’−グアニル酸と5’−イノシン酸含量は、各々2.8重量%、3.2重量%であった。
[実施例6]酵母エキス6
遠心分離による酵母菌体の分離を、5’−アデニル酸デアミナーゼを反応させる工程の後に行う以外は、実施例1と同様にして酵母エキス6を52g得た。
この酵母エキス中の遊離アミノ酸及び全アミノ酸含量は、各々4.4重量%、38.0重量%であり、ペプチド含量は33.6重量%、ペプチド比率は88.4%であった。また、5’−グアニル酸と5’−イノシン酸含量は、各々1.9重量%、2.0重量%であった。
[実施例7]酵母エキス7
細胞壁溶解酵素とプロテアーゼを反応させる前に酵母スラリーのpHを11に調整したこと(すなわち、酵素反応をpH11の条件下で行ったこと)以外は、実施例1と同様にして酵母エキス7を56g得た。
この酵母エキス中の遊離アミノ酸及び全アミノ酸含量は、各々4.0重量%、40.0重量%であり、ペプチド含量は36.0重量%、ペプチド比率は90.0%であった。また、5’−グアニル酸と5’−イノシン酸含量は、各々1.4重量%、1.5重量%であった。
[実施例8]酵母エキス8
エンド型主体のプロテアーゼをプロチンP(天野エンザイム(株)製)に代えたこと、及び、該プロテアーゼを反応させる前に酵母スラリーのpHを6.5に調整したこと(すなわち、酵素反応をpH6.5の条件下で行ったこと)以外は、実施例1と同様にして酵母エキス8を56g得た。
この酵母エキス中の遊離アミノ酸及び全アミノ酸含量は、各々3.9重量%、39.9重量%であり、ペプチド含量は36.0重量%、ペプチド比率は90.2%であった。また、5’−グアニル酸と5’−イノシン酸含量は、各々1.9重量%、1.9重量%であった。
[比較例1]酵母エキス9
ペプチド比率が約60〜70%の酵母エキスを、以下の方法で調製した。
実施例1で用いた酵母を、実施例1と同様の条件で培養した後集菌洗浄し、それを水に懸濁して、酵母スラリー(菌体濃度15%)1000mlを調製した。
酵母スラリーを、pHを6.0に調整した後、細胞壁溶解酵素(商品名:YL−15(天野エンザイム(株)製))を0.5g添加し、エキソ型主体のプロテアーゼ(商品名:プロテアーゼM「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)を0.75g添加し、55℃にて3時間反応させた。
反応液を、95℃〜100℃で10分加熱し菌体内酵素及び添加酵素を失活させた後、pH5.0、70℃に調整し、続いて、5’−ホスホジエステラーゼ(商品名:ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製))を0.5g添加し、9時間反応させた。その後、反応液を50℃に調整後、5’−アデニル酸デアミナーゼ(商品名:デアミザイム(天野エンザイム(株)製))を0.3g添加し9時間反応させた。
次に、反応液を遠心分離により上澄み液と固形分(菌体残査)を分離し、上澄み液を粉末乾燥し、酵母エキス9を得た。
この酵母エキス中の遊離アミノ酸及び全アミノ酸含量は、各々10.2%、30.7%であり、ペプチド含量は20.5%、ペプチド比率は66.8%であった。また、5’−グアニル酸と5’−イノシン酸含量は、各々1.9%、1.8%であった。
[比較例2]酵母エキス10
ペプチド比率が約60〜70%の酵母エキスを、以下の方法で調製した。
実施例2で用いた酵母を、実施例2と同様の条件で培養した後集菌洗浄し、それを水に懸濁して、酵母スラリー(菌体濃度15%)1000mlを調製した。
酵母スラリーを、95℃〜100℃で10分加熱し菌体内酵素及び添加酵素を失活させた後、pHを6.0に調整し、細胞壁溶解酵素(商品名:YL−15(天野エンザイム(株)製))を0.5g添加し、エキソ型主体のプロテアーゼ(商品名:プロテアーゼM「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)を0.75g添加して、55℃にて3時間反応させた。
反応液をpH5.0、70℃に調整し、続いて5’−ホスホジエステラーゼ(商品名:ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製))を0.5g添加し、9時間反応させた。その後、反応液を50℃に調整後、5’−アデニル酸デアミナーゼ(商品名:デアミザイム(天野エンザイム(株)製))を0.3g添加し9時間反応させた。
次に、反応液を遠心分離により上澄み液と固形分(菌体残査)を分離し、上澄み液を粉末乾燥し、酵母エキス10を得た。
この酵母エキス中の遊離アミノ酸及び全アミノ酸含量は、各々10.5%、31.9%であり、ペプチド含量は21.4%、ペプチド比率は67.1%であった。また、5’−グアニル酸と5’−イノシン酸含量は、各々2.0%、1.8%であった。
表1に、各酵母エキスの成分組成を示す。
Figure 0004543018
[官能試験1]
上記各実施例及び比較例にて得られた酵母エキスのうち、酵母エキス1(実施例1)、酵母エキス3(実施例3)、酵母エキス5(実施例5)、酵母エキス6(実施例6)及び酵母エキス9(比較例1)と、市販の酵母エキス(商品名「アロマイルド」(興人(株)製))とについて、うどんつゆへの旨味、コク味・濃厚感の付与作用について、以下のように官能試験を行い評価した。
うどんつゆ(醤油:5g、鰹だし(鰹節12gを熱湯500mlで1分間ボイルした後、漉しただし汁):95g、塩:0.5g、砂糖:2.5g)に各酵母エキスを0.1%添加(対液)し、55℃に保持し、10名のパネラーにより官能試験を行った。
旨味(先味、後味及び全体)、コク味・濃厚感について酵母エキスを入れないブランクに対する5段階評価(極めて強い:+2、強い:+1、弱い:0、極めて弱い:−1、変わらない:−2)を行い、パネラー全員の評価の数値の合計を算出した。さらに、その合計点を4段階評価(極めて強い:15点以上、強い:10〜14点、若干強い:5〜9点、弱い:4点以下)とした。
さらに、食品に添加した際の味質の特徴についても評価を行った。
各酵母エキスの性能の比較を行った。官能試験の結果を表2に示す。
Figure 0004543018
表2より明らかなように、酵母エキス9及び市販酵母エキスは、味の深みに欠けるのに対し、酵母エキス1,3,5及び6は旨味と濃厚感が強く、味に深みがあるものであった。
この結果から、本発明品は、うどんつゆに対し、持続感のある旨味と濃厚感を同時に付与することにより、飲食品本来の旨味を増強させると共に、全体として食品にコク味を付与または増強し、味に深みを出すことができることが明らかとなった。
[官能試験2]
上記各実施例及び比較例にて得られた酵母エキスのうち、酵母エキス2(実施例2)、酵母エキス4(実施例4)、酵母エキス7(実施例7)、酵母エキス8(実施例8)及び酵母エキス10(比較例2)と、市販の酵母エキス(商品名「アロマイルド」(興人(株)製))とについて、コンソメスープへの旨味、コク味・濃厚感の付与作用について、以下のように官能試験を行い評価した。
市販無添加コンソメスープ(品名「コンソメスープ」(ネスレマギー))に酵母エキスを0.1%添加(対液)し、60℃に保持し、10名のパネラーにより官能試験1と同様にして官能試験を行った。官能試験の結果を表3に示す。
Figure 0004543018
表3より明らかなように、酵母エキス10及び市販酵母エキスは、味の深みに欠けるのに対し、酵母エキス2,4,7及び8は旨味と濃厚感が強く、味に深みがあるものであった。
この結果から、本発明品は、コンソメスープに対し、持続感のある旨味と濃厚感を同時に付与することにより、飲食品本来の旨味を増強させると共に、全体として食品にコク味を付与または増強し、味に深みを出すことができることが明らかとなった。
なお、他のビール酵母、パン酵母と比較しても、本発明品の酵母エキスが非常に強い濃厚感付与効果を有するという良好な結果が得られている。
前記実施例及び比較例で得られた酵母エキスのうち、酵母エキス1(実施例1)、酵母エキス3(実施例3)及び市販の酵母エキス(商品名「アロマイルド」(興人(株)製))について、バニラアイスクリーム、プリン及びヨーグルトへの添加効果を、以下のように官能試験を行い評価した。
[官能試験3]
市販品バニラアイスクリーム(品名「クーリッシュ」(ロッテ))に対し、各酵母エキスを0.05%添加(対重量)して混和し、10名のパネラーにより官能試験を行った。
得られる各バニラアイスクリームのコク味・濃厚感及び甘味について、酵母エキスを入れないブランクに対する5段評価(極めて強い:+2、強い:+1、弱い:0、極めて弱い:−1、変わらない:−2)を行い、パネラー全員の評価の合計を算出した。さらに、その合計点を4段階評価(極めて強い:15点以上、強い:10〜14点、若干強い:5〜9点、弱い:4点以下)とした。
また、食品に添加した際の味質の特徴についても評価した。官能試験の結果を表4に示す。
Figure 0004543018
[官能試験4]
自家製プリン(材料:卵黄2個・砂糖75g・牛乳:450ml・生クリーム100ml・バニラエッセンス少々)に対し、各酵母エキスを0.04%添加(対重量)して、調理し、10名のパネラーにより官能試験を行った。
得られる各プリンのコク味・濃厚感について、酵母エキスを入れないブランクに対する5段評価(極めて強い:+2、強い:+1、弱い:0、極めて弱い:−1、変わらない:−2)を行い、パネラー全員の評価の合計を算出した。さらに、その合計点を4段階評価(極めて強い:15点以上、強い:10〜14点、若干強い:5〜9点、弱い:4点以下)とした。
また、食品に添加した際の味質の特徴についても評価した。官能試験の結果を表5に示す。
Figure 0004543018
[官能試験5]
市販の有糖ヨーグルト(品名「低糖ヨーグルト」(チチヤス))に対し、各酵母エキスを0.04%添加(対重量)して混和し、10名のパネラーにより官能試験を行った。
得られる各ヨーグルトのコク味・濃厚感について酵母エキスを入れないブランクに対する5段評価(極めて強い:+2、強い:+1、弱い:0、極めて弱い:−1、変わらない:−2)を行い、パネラー全員の評価の合計を算出した。さらに、4段階評価(極めて強い:15点以上、強い:10〜14点、若干強い:5〜9点、弱い:4点以下)とした。
また、食品に添加した際の味質の特徴についても評価した。官能試験の結果を表6に示す。
Figure 0004543018
表4〜表6の結果から、本発明品は、アイスクリーム、プリン、ヨーグルト等の乳製品に対しても、濃厚感を付与し、更に甘味の伸び(持続性)も付与できることが分かった。

Claims (6)

  1. 酵母菌体に細胞壁溶解酵素を作用させて菌体構成成分を抽出する工程の後、菌体構成成分にエンド型プロテアーゼを作用させる工程及び5’−ホスホジエステラーゼ及び/又は5’−アデニル酸デアミナーゼを作用させて5’−グアニル酸及び/又は5’−イノシン酸である核酸系呈味成分を生成させる工程をこの順に行う、下式(1)で示されるペプチドの含量が20重量%以上であり、下式(2)で示される全アミノ酸に対するペプチドの含有比率が80%以上であり、かつ核酸系呈味性成分の合計含量が2重量%以上であることを特徴とする酵母エキスの製造方法
    Figure 0004543018
    Figure 0004543018
  2. 酵母菌体から菌体構成成分を抽出する工程をpH9〜10で行うことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 酵母菌体に細胞壁溶解酵素を作用させて菌体構成成分を抽出すると同時に菌体構成成分にエンド型プロテアーゼを作用させる工程、及び5’−ホスホジエステラーゼ及び/又は5’−アデニル酸デアミナーゼを作用させて5’−グアニル酸及び/又は5’−イノシン酸である核酸系呈味性成分を生成させる工程をこの順に行う、下式(1)で示されるペプチドの含量が20重量%以上であり、下式(2)で示される全アミノ酸に対するペプチドの含有比率が80%未満であり、かつ5’−グアニル酸及び/又は5’−イノシン酸の合計含量が2重量%以上であることを特徴とする酵母エキスの製造方法
    Figure 0004543018
    Figure 0004543018
  4. 酵母菌体から菌体構成成分を抽出すると同時に菌体構成成分にエンド型プロテアーゼを作用させる工程をpH9〜10で行うことを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  5. 酵母が、キャンディダ属又はサッカロマイセス属に属する酵母である請求項1〜4のいずれか一項に記載の酵母エキスの製造方法
  6. 核酸系呈味成分を生成させる工程の前に、水に不溶の酵母菌体抽出残渣を除く工程を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の酵母エキスの製造方法。
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