JP5812962B2 - タイヤのルブリケータ装置 - Google Patents
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Description
ルブリケータ装置に関する技術は、特許文献1、2などに開示されている。
例えば、ルブリケーション液を塗布する場所が、図10に示すビード部の径内端面(図10の符号11で示す部位)だけであると、ルブリケーション液による潤滑が不十分となり、塗布後にユニフォミティ試験などを行う時にリムに対してタイヤを確実に嵌め込むことができなくなって、タイヤ試験の測定精度を悪化させる場合がある。そのため、ルブリケーション液を塗布する場所を広範囲にすることが好ましい。
即ち、本発明のタイヤのルブリケータ装置は、上下軸心回りに回転するタイヤの上側のビード部に接触してルブリケーション液を塗布する上側ローラブラシ部と、前記タイヤの下側のビード部に接触してルブリケーション液を塗布する下側ローラブラシ部と、前記上側ローラブラシ部及び下側ローラブラシ部を、前記タイヤに対して接離自在に支持するルブリケータ本体と、前記上側ローラブラシ部及び下側ローラブラシ部を、前記タイヤに対して接離自在に移動させるブラシ移動手段と、を備えていて、前記ブラシ移動手段は、前記上側ローラブラシ部を下方に移動させつつ前記タイヤに近接させると共に、前記下側ローラブラシ部を上方に移動させつつ前記タイヤに近接させるリンク機構を有することを特徴とする。
なお、好ましくは、前記ブラシ移動手段は、下側ローラブラシ部をルブリケータ本体に対して左右軸心回りに揺動自在に支持する下側揺動リンク部を備えており、当該下側揺動リンク部の揺動により前記下側ローラブラシ部をタイヤに近接させる構成とされているとよい。
また、本発明に係るタイヤのルブリケータ装置の最も好ましい形態は、上下軸心回りに回転するタイヤの上側のビード部に接触してルブリケーション液を塗布する上側ローラブラシ部と、前記タイヤの下側のビード部に接触してルブリケーション液を塗布する下側ローラブラシ部と、前記上側ローラブラシ部及び下側ローラブラシ部を、前記タイヤに対して接離自在に支持するルブリケータ本体と、前記上側ローラブラシ部及び下側ローラブラシ部を、前記タイヤに対して接離自在に移動させるブラシ移動手段と、を備えていて、前記ブラシ移動手段は、前記上側ローラブラシ部を下方に移動させつつ前記タイヤに近接させると共に、前記下側ローラブラシ部を上方に移動させつつ前記タイヤに近接させるリンク機構を有し、前記ブラシ移動手段は、上側ローラブラシ部をルブリケータ本体に対して左右軸心回りに揺動自在に支持する上側揺動リンク部を備えており、当該上側揺動リンク部の揺動により前記上側ローラブラシ部をタイヤに近接させる構成とされていることを特徴とする。
図1及び図2に示すように、タイヤ試験ライン2には、タイヤTをタイヤ試験機50へ向けて移送するベルトコンベア5とタイヤ回転用のフリーローラコンベア3が設けられている。フリーローラコンベア3は、水平に敷設されていて、左右方向(図1における上下方向)に距離をあけて1本ずつ備えられたコンベアレーン4、4から構成されている。
これら4つのアーム部材8a〜8dは、いずれも上下方向(図1における紙面貫通方向)を向く回転軸心の回りを水平面に沿ってフリーローラコンベア3上を揺動できる。そして、アーム部材8の揺動に伴ってアーム部材8の先端に設けられた把持ローラ7をタイヤTの外周面に近接し、あるいはタイヤTの外周面から離反できる。この把持ローラ7は、いずれも上下方向を向く軸回りに回転自在となるように取り付けられている。フリーローラコンベア3上の所定位置に位置決めされたタイヤTは上下軸回りに自在に回転できる。
本実施形態のタイヤのルブリケータ装置1は、ビード部10の径内端面11だけでなく、ビード部10の側方端面(サイドウォールに続く面、以降、リムガード部12と呼ぶこともある)に対してもルブリケーション液を塗布することができるものである。ビード部10の径内端面11、リムガード部12の具体的な位置は、図10に示されている。
なお、この図3は、上下のローラブラシ部13、14をタイヤT側に向かって移動させる前の状態におけるルブリケータ装置1の構造を示すものであり、図4は、上下のローラブラシ部13、14をタイヤT側に向かって移動させた後での状態におけるルブリケータ装置1の構造を示すものである。
上側ローラブラシ部13を構成するブラシ体17は、上下方向に長尺な円筒体を有しており、この円筒体の外周面には、ルブリケーション液をタイヤTの表面に塗りつけるブラシ毛が全周に亘って植設されている。
それぞれのブラシリング20の外周面には、可撓性を有するブラシ毛が全周に亘って植設されており、またブラシリング20の中央には上下方向にブラシリングを貫通する貫通孔21が形成されている。この貫通孔21にはシャフト22が上下方向に沿って挿通されており、このシャフト22により複数枚のブラシリング20を貫通状態で固定できる。
上述したようにブラシ体17を複数枚のブラシリング20の積層体として構成すれば、摩耗などにより継続して使用できなくなったブラシリング20だけを交換すれば良く、ブラシ体17全体を一度に交換するのに比べて必要最小限の交換だけで済むため、ブラシ体17の交換にかかる費用や手間を大幅に削減することができる。
この下側ローラブラシ部14は、上側ローラブラシ部13に比べて上下方向に短尺に形成されており、また下側ローラブラシ部14における各部材の配置は上側ローラブラシ部13の配置を上下方向に反転したような配置とされている。
また、上側ローラブラシ部13に設けられるルブリケーション配管26と、下側ローラブラシ部14に設けられるルブリケーション配管30とには、それぞれの配管を流れるルブリケーション液の供給量を調整する流量調整弁(図示略)が設けられていても良い。このような流量調整弁を設ければ、上側ローラブラシ部13と下側ローラブラシ部14とにルブリケーション液をそれぞれ独立に供給して、それぞれのローラブラシ部13、14の潤滑状態を個別に調整することが可能となる。
ところで、本発明のルブリケータ装置1は、上述した上側ローラブラシ部13及び下側ローラブラシ部14を、タイヤTに対して接離自在に移動させるブラシ移動手段16を備えており、このブラシ移動手段16が上側ローラブラシ部13を下方に移動させつつタイヤTに近接させると共に、下側ローラブラシ部14を上方に移動させつつタイヤTに近接させるリンク機構で構成されている。
つまり、ルブリケーション液を塗布する場合に、このルブリケーション液を塗布する場所がビード部10の径内端面11(図10参照)だけであると、ルブリケーション液による潤滑が不十分となり、タイヤ装着の不備を引き起こすだけでなくタイヤ試験の測定精度を悪化させる場合がある。そのため、本発明のルブリケータ装置1では、ビード部10の径内端面11だけでなく、ビード部10の上面や下面に設けられるリムガード部12(図10参照)に対しても、ルブリケーション液を塗布できるようにしているのである。
ブラシ移動手段16は、上側ローラブラシ部13と下側ローラブラシ部14とをタイヤTのビード部10に近接し、あるいは離反させるものである。そして、ブラシ移動手段16は、上側ローラブラシ部13をルブリケータ本体15に対して左右軸心回りに揺動自在に支持する上側揺動リンク部39と、下側ローラブラシ部14をルブリケータ本体15に対して左右軸心回りに揺動自在に支持する下側揺動リンク部40と、上側揺動リンク部39及び下側揺動リンク部40を揺動(駆動)させるリンク揺動シリンダ41とを有している。
この状態においてリンク部材42、43を一端側(ルブリケータ本体15側)を中心に他端側(タイヤT側又は上側ローラブラシ部13側)を後方(図4の矢印の方向)に揺動させれば、起立状態のリンク部材42、43がルブリケータ本体15に沿うように近づくこととなり、リンク部材42、43が寝た分だけルブリケータ本体15から上側ローラブラシ部13までの距離が小さくなって、上述した場合とは反対に上側ローラブラシ部13が上方に移動しながら後方に後退する。つまり、上述した上下一対のリンク部材42、43は、上側ローラブラシ部13を「下方に移動させつつタイヤTに近接」させたり、上側ローラブラシ部13を「上方に移動させつつタイヤTから離間」させたりするように移動させる上側のリンク機構を構成している。
下側揺動リンク部40に設けられる上下一対のリンク部材44、45は、上側揺動リンク部39と同様に、長尺方向に互いに同じ長さを有し、ブラシフレーム28とほぼ同じ間隔を上下方向にあけて配備されている。これらのリンク部材44、45は、長手方向の一端側(基端側)がルブリケータ本体15の前面に左右軸心回りに揺動自在に連結されている。また、リンク部材44、45の他端側(先端側)は、上側ローラブラシ部13のブラシフレーム28の側面に左右軸心回りに揺動自在に連結されており、ルブリケータ本体15の前面に対して下側ローラブラシ部14を揺動自在に支持している。
まず、ルブリケータ装置1を用いてタイヤTにルブリケーション液を塗布する手順について説明する。
このようにルブリケータ本体15が下降位置にあるエアーシリンダ37を伸長させると、ルブリケータ本体15がタイヤTとほぼ同じ高さまで上昇し、ルブリケータ本体15が図8に示すような上昇位置まで上昇する。
つまり、リンク揺動シリンダ41を伸長させることで、図3に示すように下側揺動リンク部40の動作により、下側ローラブラシ部14が上方に移動しながら前進する。一方、上述したギヤ47の作用により上側揺動リンク部39は下側揺動リンク部40とは反対に下方(図3では時計方向)に回転し、上側ローラブラシ部13が下方に移動しながら前進する。その結果、ブラシ移動手段16により、上側ローラブラシ部13及び下側ローラブラシ部14が、それぞれ下方と上方とに移動しつつ上下に距離を縮め、それと同時にタイヤT側に移動(近接)し、図8に示す状態から図9に示す状態に変化する。
上側ローラブラシ部13や下側ローラブラシ部14をタイヤTから離間させる際には、リンク揺動シリンダ41を縮退させて、図4に示すように下側揺動リンク部40を左右軸心回りに下方(図4では時計方向)に回転させれば、下側ローラブラシ部14が下方に移動しながらタイヤT側から後退する。一方、上述したギヤ47の作用により上側揺動リンク部39は下側揺動リンク部40とは反対に上方(図3では反時計方向)に回転し、上側ローラブラシ部13が上方に移動しながら後退する。その結果、ブラシ移動手段16により、上側ローラブラシ部13及び下側ローラブラシ部14が、それぞれ上方と下方とに移動しつつ上下に距離を広げ、それと同時にタイヤTから離間し、図9に示す状態から図8に示す状態に変化する。
上述したように上下のローラブラシ部13、14をタイヤT側に近接させる際に、上側ローラブラシ部13を下方に移動させると共に下側ローラブラシ部14を上方に移動させれば、上下のローラブラシ部13、14の間にタイヤTのビード部10が挟み込まれる。つまり、上側ローラブラシ部13が上側のリムガード部12を巻き込むように下方に移動し、上側のビード部10の径内端面11だけでなく上側のリムガード部12に対してもルブリケーション液を塗布することができる。
それゆえ、上述したブラシ移動手段16を備えた本発明のルブリケータ装置1では、タイヤTのビード部10の径内端面11やリムガード部12に対して、ルブリケーション液を確実に塗布することができ、ルブリケーション液の塗布による十分な潤滑作用を得ることができるので、潤滑を十分に行った状態でタイヤ試験を高精度に且つ再現性良く行うことが可能となる。
2 タイヤ試験ライン
3 フリーローラコンベア
4 コンベアレーン
5 ベルトコンベア
6 ハンドリング機構
7 把持ローラ
8a左前側のアーム部材
8b左後側のアーム部材
8c右前側のアーム部材
8d右後側のアーム部材
9 回転軸部
10 ビード部
11 径内端面
12 リムガード部
13 上側ローラブラシ部
14 下側ローラブラシ部
15 ルブリケータ本体
16 ブラシ移動手段
17 上側のブラシ体
18 上側のブラシフレーム
19 上側の供給部
20 上側のブラシリング
21 貫通孔
22 上側のシャフト
23 上側の抜け止め部材
24 上側の軸受部
25 上側の散布部材
26 ルブリケーション配管(上側配管)
27 下側のブラシ体
28 下側のブラシフレーム
29 下側の供給部
30 ルブリケーション配管(下側配管)
31 下側の軸受部
32 下側のシャフト
33 下側の散布部材
34 下側の抜け止め部材
35 下側のブラシリング
37 エアーシリンダ
39 上側揺動リンク部
40 下側揺動リンク部
41 リンク揺動シリンダ
42 上側揺動リンク部の上側のリンク部材
43 上側揺動リンク部の下側のリンク部材
44 下側揺動リンク部の上側のリンク部材
45 下側揺動リンク部の下側のリンク部材
47 ギヤ
50 タイヤ試験機
T タイヤ
H タイヤ搬送面
Claims (5)
- 上下軸心回りに回転するタイヤの上側のビード部に接触してルブリケーション液を塗布する上側ローラブラシ部と、
前記タイヤの下側のビード部に接触してルブリケーション液を塗布する下側ローラブラシ部と、
前記上側ローラブラシ部及び下側ローラブラシ部を、前記タイヤに対して接離自在に支持するルブリケータ本体と、
前記上側ローラブラシ部及び下側ローラブラシ部を、前記タイヤに対して接離自在に移動させるブラシ移動手段と、を備えていて、
前記ブラシ移動手段は、前記上側ローラブラシ部を下方に移動させつつ前記タイヤに近接させると共に、前記下側ローラブラシ部を上方に移動させつつ前記タイヤに近接させるリンク機構を有し、
前記ブラシ移動手段は、上側ローラブラシ部をルブリケータ本体に対して左右軸心回りに揺動自在に支持する上側揺動リンク部を備えており、当該上側揺動リンク部の揺動により前記上側ローラブラシ部をタイヤに近接させる構成とされていることを特徴とするタイヤのルブリケータ装置。 - 上下軸心回りに回転するタイヤの上側のビード部に接触してルブリケーション液を塗布する上側ローラブラシ部と、
前記タイヤの下側のビード部に接触してルブリケーション液を塗布する下側ローラブラシ部と、
前記上側ローラブラシ部及び下側ローラブラシ部を、前記タイヤに対して接離自在に支持するルブリケータ本体と、
前記上側ローラブラシ部及び下側ローラブラシ部を、前記タイヤに対して接離自在に移動させるブラシ移動手段と、を備えていて、
前記ブラシ移動手段は、前記上側ローラブラシ部を下方に移動させつつ前記タイヤに近接させると共に、前記下側ローラブラシ部を上方に移動させつつ前記タイヤに近接させるリンク機構を有し、
前記ブラシ移動手段は、下側ローラブラシ部をルブリケータ本体に対して左右軸心回りに揺動自在に支持する下側揺動リンク部を備えており、当該下側揺動リンク部の揺動により前記下側ローラブラシ部をタイヤに近接させる構成とされていることを特徴とするタイヤのルブリケータ装置。 - 前記ブラシ移動手段は、下側ローラブラシ部をルブリケータ本体に対して左右軸心回りに揺動自在に支持する下側揺動リンク部を備えており、当該下側揺動リンク部の揺動により前記下側ローラブラシ部をタイヤに近接させる構成とされていて、
前記上側揺動リンク部を構成するリンク部材の基端側と前記下側揺動リンク部を構成するリンク部材の基端側とには、互いに噛合するギヤが設けられており、
前記ギヤにより、前記上側揺動リンク部と下側揺動リンク部とは互いに異なる回転方向に向かって揺動可能とされていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤのルブリケータ装置。 - 前記上側ローラブラシ部には、当該上側ローラブラシ部にルブリケーション液を供給する上側配管が設けられていると共に、
前記下側ローラブラシ部には、当該下側ローラブラシ部にルブリケーション液を供給する下側配管が設けられていて、
前記上側ローラブラシ部と下側ローラブラシ部とは、独立にルブリケーション液を供給可能とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤのルブリケータ装置。 - 前記上側配管と下側配管とのそれぞれに、前記ルブリケーション液の供給量を調整する流量調整弁が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のタイヤのルブリケータ装置。
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