JP5811934B2 - 滞留度検出装置及び乗客コンベア - Google Patents
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前記スキャン型距離センサは、乗客の足元を見るように設置され、測定した角度毎の距離を蓄積し、前記スキャン型距離センサで捉えた検知エリア内の足元の本数のデータから推定した人数と、静止している足の静止時間と歩幅により算出した歩行速度に基づいて警報や停止の制御指令を出すものであって、
以下の基本式により、人数と歩行速度から滞留度を算出し、所定の数値以上であった場合に警報や停止の制御指令を出すものである。
ここで、Cは滞留度、Pは占有率(%)、Vは歩行速度(m/s)、αとβは係数である。
占有率Pは、人数H(人)と監視エリア面積S(m 2 )から次式で算出する。係数0.16(m 2 )は一人当りの平均占有面積である。
滞留度を算出する前記基本式は、V=0.06(=Va)、P=50(=Pa)のとき滞留度C=10を取るようにする。そして、歩行速度0で滞留度が10となる占有率(30%)を切片P0として定義する。これにより、係数α、βは以下のように決める。
以下の基本式により、人数と歩行速度から滞留度を算出し、所定の数値以上であった場合に警報や停止の制御指令を出すものである。
ここで、Cは滞留度、Pは占有率(%)、Vは歩行速度(m/s)、αとβは係数である。
占有率Pは、人数H(人)と監視エリア面積S(m 2 )から次式で算出する。係数0.16(m 2 )は一人当りの平均占有面積である。
滞留度を算出する前記基本式は、V=0.06(=Va)、P=50(=Pa)のとき滞留度C=10を取るようにする。そして、歩行速度0で滞留度が10となる占有率(30%)を切片P0として定義する。これにより、係数α、βは以下のように決める。
[滞留状態の指標]
・占有率が50%以上(但し、一人当りの平均占有面積0.16m2とする)
・歩行速度が4m/分以下(0.06m/秒以下)
この2つの指標がAND条件で満たされると滞留状態となる。そこで、スキャン型距離センサ7により乗降口付近の足元を測定し、足の本数から占有率(人数)を推定し、足の動きから歩行速度を推定する。ここで、先に説明したように混雑状態ではスキャン型距離センサで捉えた物体は出現と消滅を繰り返す。したがって、ここでは静止している足を使って、歩行速度を算出する。この計算には、足の静止時間と人数から推定した歩幅を用いる。
先ず、人数推定は、スキャン型距離センサ7で測定した距離値から、かたまり毎に物体を区分し、各物***置を求める。そして、検知エリア内に存在する物体の個数をカウントし人数推定を行う。ここで重要となるのが、かたまり検出アルゴリズムである。ここでは、図4に示すように、各角度の観測点で距離を測定し隣接距離を判定する。隣接する角度の距離間隔(隣接距離)がFT値=100mm以内の観測点は同一物体として取込み、その平均点を物***置とし座標(足の位置)とする。隣接する角度の距離値間隔(隣接距離)がFT値=100mmを超えて開いていると別の物体として物体数を計測する。物体数は物***置が監視エリア内にある物体のみカウントする。また、前回座標と比較し、FT値=100mm以内であれば移動していない静止物体とし、他に新たに発生した物体、消えた物体と3つの物体の状態を識別できるようにする。移動していない静止物体と新たに発生した物体で、座標が検知エリア内にある個数をカウントし、個数÷2で人数とした。そして、1秒間当りの平均を推定人数とする。ここで、人数推定する時は、隠れている足をどうするのかが課題となる。人数が増えるとスキャン型距離センサ7に近い足だけしか見えないが、近い所に多数の足があったら、遠い所にもある筈なので、重み付けをして例えば過去2秒間の最大の足の本数÷2の考え方を導入すると良い。
先ず、ステップS1でN番目とN−1番目の観測点を取り出す。次に、ステップS2で各観測点で測定した差分値(隣接距離)を計算する。ステップS3で差分値(隣接距離)がFT値=100mm以内であれば、ステップS4に進み、同一物体と判断されてTmp配列に座標を保管する。ここで、スキャン型センサはN番目の角度θ(N)に対する物体までの距離R(N)を計測する。よって、N番目とN−1番目の差分値はR(N−1)−R(N)の値である。また、Tmp配列に保存する座標とは角度と距離から求めたX−Y座標であり、X=R(N)×COS(θ(N))、Y=R(N)×SIN(θ(N))で求めた座標(X、Y)を保存する。上記ステップS3で差分値(隣接距離)がFT値=100mmを超えて開いていれば、ステップS5に進み、別の物体と判断されて物***置計算が行われる。ここでは、Tmp配列に座標を保管後、Tmp配列内の全ての座標点の平均を計算し、エリア内なら検出物体配列に保管する。次に、ステップS6でN=N+1番目の観測点を取り出し、ステップ7で終了するまでステップS1〜S6を繰り返す。次に、ステップS7が終了したら、ステップS8に進み、物***置計算後処理が行われる。ここでは、Tmp配列内の全ての座標点の平均を計算し、エリア内なら検出物体配列に保管する。
F=−0.075×H+0.675 (1)
人間は歩行時必ず片方の足が地面に設置されている。足の静止時間と歩行速度に関する簡単な歩行モデル図は、図6のようになり、歩行速度Vは足の静止時間Tmと歩幅Fから以下の式(2)で求められる。
V=F÷Tm (2)
この方法は、傾きが速度であり安定的に速度が算出できる可能性がある。
滞留状態で危険な状態は、歩行速度が4m/分以下、占有率が50%以上の時である(図7の斜線部分)。この時の値を10とし、利用者(乗客)が無い状態の滞留度0から滞留度10までを数値化する。ここでは、人数と歩行速度が入力値となるが、両者はその重要度が異なる。一般に、人数が増えることよりも、歩行速度が低下することの方が危険度は大きい。よって、人数が2倍となると滞留度は2倍となり、歩行速度が1/2になると滞留度は4倍になるように数値化する。この場合の基本式は以下の式(3)となる。
ここで、Cは滞留度、Pは占有率(%)、Vは歩行速度(m/s)、αとβは係数であり、後で定める。なお、歩行速度4m/分は、0.06m/sである。
占有率Pは人数H(人)と監視エリア面積(m2)から次式(4)で算出する。
ここで、係数0.16(m2)は、人間一人の占有面積の平均である。
式(3)は、V=0.06(=Va)、P=50(=Pa)のとき滞留度C=10を取るようにする。そして、図7に示すように、歩行速度0で滞留度が10となる切片P0を定義する。これにより、係数α、βは以下の式(5)、(6)のように決まる。
切片P0は感度調整に利用でき、パラメータとする。
P0は歩行速度0のときの危険占有率である。P0=30%とする。これは占有率が30%以下なら利用者(乗客)が静止していても危険ではないと判定するものである。
占有率係数Bdは人間一人当りの面積0.16m2に掛ける定数である。また、速度係数は算定した速度に掛ける補正定数である。また、解析時間は滞留度を算出するためのデータ間隔で、過去Ti秒間の占有率の最高値、歩行速度の最低値を算出して利用する。また、過去Ti秒間の占有率の最高値、歩行速度の最低値からビジュアル動画像を生成して表示しても良い。
図9はレーザ画像から解析した占有率と速度の2次元マップで、破線は滞留度の等高線である。滞留度10が危険領域を示す。
式(3)で得られる滞留度の等高線分布を評価する。先ず、歩行速度4m/分(0.06m/s)以下で、占有率50%以上の滞留度10以上となり、設計通りであった。占有率40%以下は速度0でも滞留度は10未満となる。これは設計通りの計算結果である。占有率100%の場合、例えば歩行速度が1m/sであれば滞留度は非常に小さい値となる。これは人間の通常の歩行速度であり、「滞留状態」とは言えないため、正しい結果といえる。但し、現実には歩幅が取れないため、この速度で歩行することは不可能である。以上のことから、滞留度の関数曲線は妥当と判断できる。
2 1階の乗降口(降り場)
3 2階の乗降口(乗り場)
4 乗降用床板
5 くし板
6 アプローチ用通路
7 スキャン型距離センサ(レーザスキャンセンサ)
7a レーザビームの走査範囲
8 処理装置
Claims (13)
- 人が滞留していることを検出する走査範囲である検知エリアに水平面状にレーザビームを放射するスキャン型距離センサを備え、
前記スキャン型距離センサは、乗客の足元を見るように設置され、測定した角度毎の距離を蓄積し、前記スキャン型距離センサで捉えた検知エリア内の足元の本数のデータから推定した人数と、静止している足の静止時間と歩幅により算出した歩行速度に基づいて警報や停止の制御指令を出す滞留度検出装置であって、
以下の基本式により、人数と歩行速度から滞留度を算出し、所定の数値以上であった場合に警報や停止の制御指令を出すことを特徴とする滞留度検出装置。
ここで、Cは滞留度、Pは占有率(%)、Vは歩行速度(m/s)、αとβは係数である。
占有率Pは、人数H(人)と監視エリア面積S(m 2 )から次式で算出する。係数0.16(m 2 )は一人当りの平均占有面積である。
滞留度を算出する前記基本式は、V=0.06(=Va)、P=50(=Pa)のとき滞留度C=10を取るようにする。そして、歩行速度0で滞留度が10となる占有率(30%)を切片P0として定義する。これにより、係数α、βは以下のように決める。
- スキャン型距離センサは、床面から8〜11cmの高さとなるように設置することを特徴とする請求項1記載の滞留度検出装置。
- 歩行速度が0.06m/s以下、かつ、占有率(人の密度)が50%以上のときに、警報や停止の制御指令を出すことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の滞留度検出装置。
- 歩行速度は、スキャン型距離センサで捉えた検知エリア内のデータから、歩行速度V(m/s)=歩幅F(m)÷足の静止時間(s)により算出することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の滞留度検出装置。
- 人数は、スキャン型距離センサで測定した距離値データから、かたまり毎に物体を区分し、各物***置を求めて、その位置が検知エリア内に存在する物体の個数をカウントし推定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の滞留度検出装置。
- 各角度の観測点で測定した距離値の隣の値(隣接距離)が所定値以内であればかたまりとして物体を区別し、その平均点を物***置とし、測定した距離値の隣の値が所定値を超えて離れていれば別の物体として物体数を計測することを特徴とする請求項5記載の滞留度検出装置。
- 乗客コンベアの乗り場と降り場となる各乗降口にそれぞれ設置され、乗客コンベアのステップ側にくし板が設けられている乗降用床板と、
前記乗降用床板の反くし板側に設けられた乗客が接近するためのアプローチ用通路と、
前記乗客コンベアの乗降口付近に設置され、前記乗降用床板及びアプローチ用通路を含む走査範囲に水平面状にレーザビームを放射するスキャン型距離センサとを備え、
前記スキャン型距離センサは、乗客の足元を見るように設置され、測定した角度毎の距離を蓄積し、前記スキャン型距離センサで捉えた検知エリア内の足元の本数のデータから推定した人数と、静止している足の静止時間と歩幅により算出した歩行速度に基づいて警報や停止の制御指令を出す乗客コンベアであって、
以下の基本式により、人数と歩行速度から滞留度を算出し、所定の数値以上であった場合に警報や停止の制御指令を出すことを特徴とする乗客コンベア。
ここで、Cは滞留度、Pは占有率(%)、Vは歩行速度(m/s)、αとβは係数である。
占有率Pは、人数H(人)と監視エリア面積S(m 2 )から次式で算出する。係数0.16(m 2 )は一人当りの平均占有面積である。
滞留度を算出する前記基本式は、V=0.06(=Va)、P=50(=Pa)のとき滞留度C=10を取るようにする。そして、歩行速度0で滞留度が10となる占有率(30%)を切片P0として定義する。これにより、係数α、βは以下のように決める。
- 乗客コンベアの乗り場と降り場となる各乗降口にそれぞれ設置され、乗客コンベアのステップ側にくし板が設けられている乗降用床板と、
前記乗降用床板の反くし板側に設けられた乗客が接近するためのアプローチ用通路と、
前記乗客コンベアの各乗降口のうち降り場となる乗降口付近に設置され、前記乗降用床板及びアプローチ用通路を含む走査範囲に水平面状にレーザビームを放射するスキャン型距離センサとを備え、
前記スキャン型距離センサは、乗客の足元を見るように設置され、測定した角度毎の距離を蓄積し、前記スキャン型距離センサで捉えた検知エリア内の足元の本数のデータから推定した人数と、静止している足の静止時間と歩幅により算出した歩行速度に基づいて警報や停止の制御指令を出す乗客コンベアであって、
以下の基本式により、人数と歩行速度から滞留度を算出し、所定の数値以上であった場合に警報や停止の制御指令を出すことを特徴とする乗客コンベア。
ここで、Cは滞留度、Pは占有率(%)、Vは歩行速度(m/s)、αとβは係数である。
占有率Pは、人数H(人)と監視エリア面積S(m 2 )から次式で算出する。係数0.16(m 2 )は一人当りの平均占有面積である。
滞留度を算出する前記基本式は、V=0.06(=Va)、P=50(=Pa)のとき滞留度C=10を取るようにする。そして、歩行速度0で滞留度が10となる占有率(30%)を切片P0として定義する。これにより、係数α、βは以下のように決める。
- スキャン型距離センサは、床面から8〜11cmの高さとなるように設置することを特徴とする請求項7又は請求項8記載の乗客コンベア。
- 歩行速度が0.06m/s以下、かつ、占有率(人の密度)が50%以上のときに、警報や停止の制御指令を出すことを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の乗客コンベア。
- 歩行速度は、スキャン型距離センサで捉えた検知エリア内のデータから、歩行速度V(m/s)=歩幅F(m)÷足の静止時間(s)により算出することを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の乗客コンベア。
- 人数は、スキャン型距離センサで測定した距離値データから、かたまり毎に物体を区分し、各物***置を求めて、その位置が検知エリア内に存在する物体の個数をカウントし推定することを特徴とする請求項7〜請求項11のいずれか1項に記載の乗客コンベア。
- 各角度の観測点で測定した距離値の隣の値(隣接距離)が所定値以内であればかたまりとして物体を区別し、その平均点を物***置とし、測定した距離値の隣の値が所定値を超えて離れていれば別の物体として物体数を計測することを特徴とする請求項12記載の乗客コンベア。
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