JP5810777B2 - 熱転写シート、及び熱転写シートの製造方法 - Google Patents

熱転写シート、及び熱転写シートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱転写シート、熱転写シートの製造方法、及び塗工液に関する。
熱転写を利用した画像形成における熱転写シートとしては、基材シートの一方の面に昇華性染料を含有する熱昇華性色材層、或いは着色剤を含む熱溶融組成物からなる溶融転写性色材層を設けた熱転写シートが知られている。これらの熱転写シートでは、基材シートとサーマルヘッドとの間の融着を防止するため、基材シートの色材層とは反対の面に背面層を設けたり、また、基材シートと背面層との間にプライマー層を更に設けたりすることが一般的に行われている。
ところが、近年のプリンタの高速化に伴い、サーマルヘッドより発せられる熱エネルギーが益々増加する傾向にあり、背面層とサーマルヘッドとの融着によるスティッキングや印画シワ、リボン破断等の問題が生じてきた。このような状況下、プリンタの高速印画を達成するために、背面層の更なる耐熱性の向上に対する取り組みがなされている。また、耐熱性の向上に加え、背面層には優れた滑性も必要とされており、耐熱性と滑性の双方に優れた背面層が望まれている。
例えば、特許文献1、2にはポリアミドイミド樹脂組成物からなる背面層が提案されている。また、特許文献3には、背面層に滑性成分として有機金属化合物、リン系化合物、硫黄系化合物、ハロゲン系化合物およびこれらの混合物、更に金属石鹸等を含有させた熱転写シートが提案されている。
しかしながら、特許文献1、2に提案される背面層とした場合であっても、その耐熱性には限界があり、一定以上の熱エネルギーを加えた場合には背面層とサーマルヘッドとがスティッキングをおこし印画シワの発生を防止することができない。また、特許文献3で提案されているように特定の滑剤を用いることで背面層の滑性の向上は可能であるものの、やはり耐熱性の点では不十分である。
さらに背面層には、耐熱性や滑性に対する要求のほか、サーマルヘッドからかかる熱を色材層側に効率よく伝達するため均一で滑らかな平滑面を持つ高品質な印刷面であることが要求される。一般的に背面層は基材の一方の面にバインダー成分や滑剤成分を溶解或いは分散したインキを、グラビア版を用いたグラビア輪転印刷することで形成される。ところで、背面層を形成するためのインキは粘性を持つことから、グラビア版を高速回転するときにインキがミスト状となって外部へ飛散し、ミスト状に飛散したインキが印刷後の背面層上に再付着し背面層の平滑性を低下させてしまう問題があった。
とはいえ、背面層の耐熱性を向上させる点を考慮すると、インキに含有されるバインダー成分は大きい分子量のものが好ましいといえ、必然的にその粘性も高くなる傾向となる。つまり、背面層の耐熱性と、背面層の平滑性とは相反する関係であり、耐熱性と平滑性の双方に優れた背面層とすることは困難とされてきた。
特開平8−113647号公報 特開平8−244369号公報 特開2004−90594号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、耐熱性、滑性、及び平滑性に優れた背面層を有する熱転写シートを提供すること、耐熱性、滑性、及び平滑性に優れた背面層を有する熱転写シートの製造方法を提供すること、耐熱性、滑性、及び平滑性に優れた背面層を形成することができる塗工液を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面の少なくとも一部に染料層が設けられ、基材の他方の面に背面層が設けられた熱転写シートであって、前記基材と背面層との間に中間層が設けられ、前記背面層は、重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂が架橋剤によって架橋されたバインダー樹脂と、滑剤とを含有しており、前記中間層は、アクリル樹脂がカルボジイミドによって架橋された架橋アクリル樹脂を含有していることを特徴とする。また、一実施形態の熱転写シートは、基材の一方の面の少なくとも一部に染料層が設けられ、基材の他方の面に背面層が設けられた熱転写シートであって、前記背面層は、重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂が架橋剤によって架橋されたバインダー樹脂と、滑剤とを含有することを特徴とする。
また、前記基材と背面層との間に中間層が設けられ、前記中間層は、(A)ポリビニルアルコール樹脂がチタンキレート剤によって架橋された架橋ポリビニルアルコール樹脂、又は(B)アクリル樹脂がカルボジイミドによって架橋された架橋アクリル樹脂を含有していてもよい。
また、前記背面層の固形分総量に対し、前記滑剤が30質量%以上50質量%以下の範囲内で含有されていてもよく、前記バインダー樹脂が、前記重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂と前記架橋剤との配合比が質量比で2:1〜6:1の範囲内で配合されたものであってもよい。
また、上記課題を解決するための本発明の方法は、基材の一方の面に染料層が設けられ、基材の他方の面に背面層が設けられた熱転写シートの製造方法であって、基材の一方の面に染料層を形成する工程と、前記基材の他方の面に中間層を形成する工程と、前記中間層上に背面層を形成する工程と、を有し、前記中間層を形成する工程が、アクリル樹脂、カルボジイミドを含有する中間層用塗工液を前記基材上に塗工・乾燥する工程であり、前記背面層を形成する工程が、(1)重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂、(2)架橋剤、(3)滑剤を含有する背面層用塗工液を前記中間層上に塗工・乾燥する工程であることを特徴とする。また、一実施形態の熱転写シートの製造方法は、基材の一方の面に染料層が設けられ、基材の他方の面に背面層が設けられた熱転写シートの製造方法であって、基材の一方の面に染料層を形成する工程と、基材の他方の面に背面層を形成する工程と、を有し、前記背面層を形成する工程が、(1)重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂、(2)架橋剤、(3)滑剤を含有する背面層用塗工液を基材上に塗工・乾燥する工程であることを特徴とする。
また、前記背面層用塗工液中における前記(1)、(2)、(3)の合計質量に対し、前記(2)架橋剤の含有量が7質量%以上23質量%以下であり、前記(3)滑剤の含有量が30質量%以上50質量%以下であってもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、塗工液であって、重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂、架橋剤、滑剤を含有することを特徴とする。
本発明の熱転写シートによれば、背面層に良好な滑性と耐熱性を付与することができ、印画シワの発生を防止することができる。また、背面層の平滑性に優れることから、サーマルヘッドからの熱エネルギーを効率よく染料層側に伝達することができ、高品質な画像形成が可能となる。また、本発明の熱転写シートの製造方法によれば、上記効果を奏する本発明の熱転写シートを製造することができる。また、本発明の塗工液によれば、耐熱性や滑性に加え、平滑性に優れる層を容易に形成することができる。
本発明の熱転写シートの層構成を示す概略断面図である。
以下に、本発明の熱転写シート10について図面を用いて具体的に説明する。図1に示すように本発明の熱転写シート10は、基材1の一方の面の少なくとも一部に染料層3が設けられ、基材1の他方の面に背面層5が設けられている。ここで、本発明の熱転写シート10は、背面層5が、重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂が架橋剤によって架橋されたバインダー樹脂と、滑剤とを含有することを特徴とする。本発明の熱転写シートについて更に具体的に説明する。なお、図1に示す形態では、基材1の全面に染料層が設けられているが、これに限定されず、基材1の少なくとも一部に染料層3が設けられていてもよく、染料層3と転写性保護層(図示しない)とが面順次に設けられていてもよい。
(基材)
基材1は本発明の熱転写シート10における必須の構成であり、後述する染料層3及び背面層5を保持するために設けられる。基材1の材料については特に限定されないが、染料層3を被転写体上に転写する際にサーマルヘッドにより加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。また、基材1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、2.5〜100μm程度が一般的で、好ましくは1〜10μmである。
(背面層)
図1に示すように基材1の他方の面(図1に示す場合には基材1の下面)には、本発明の熱転写シート10における必須の構成である背面層5が形成されている。
背面層5は、重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂が架橋剤によって架橋されたバインダー樹脂と、滑剤とから構成されている。
<バインダー樹脂>
背面層5に含有されるバインダー樹脂は、重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂が架橋剤によって架橋されたバインダー樹脂、すなわち架橋構造を有するバインダー樹脂である。以下、重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂が架橋剤によって架橋されたバインダー樹脂を、架橋構造を有するバインダー樹脂という場合がある。本発明では、背面層5が、架橋構造を有するバインダー樹脂を含有することから背面層5に極めて高い耐熱性が付与される。
また本発明は、バインダー樹脂が、重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂が架橋剤によって架橋されたものであることから、背面層の平滑性を非常に良好なものとすることができる。重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂を用いることで背面層5の平滑性が向上するのは以下の理由による。
バインダー樹脂は、重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂と、架橋剤、滑剤とを含む背面層用塗工液を基材1上に塗工・乾燥することで得られる。塗工時における背面層用塗工液中、すなわち乾燥前の背面層用塗工液中において、重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂と架橋剤との架橋反応は殆ど進行しておらず、背面層用塗工液中には、重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂が殆どそのままの状態で存在している。本発明において、架橋構造のバインダー樹脂を得るためのポリビニルアセタール樹脂はその重合度が500以下に規定されており、これにより背面層用塗工液の粘性が、塗工時に背面層用塗工液がミスト状となって周囲に飛散することがない程度に調整されている。これにより、架橋構造を有するバインダー樹脂を含有する背面層5の平滑性は非常に高いものとなっている。
また、背面層用塗工液を塗工・乾燥した後には、架橋反応が進行し架橋構造のバインダー樹脂となることから、上述したように背面層5に高い耐熱性が付与される。
ポリビニルアセタール樹脂は、重合度が500以下であるとの条件を満たせば他の条件について特に限定はない。なお、重合度が350未満である場合には、背面層5の耐熱性が低下する傾向となる。したがって、この点を考慮すると、ポリビニルアセタール樹脂は重合度が350以上500以下の範囲内であることが好ましい。
重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が、80℃以上であることが好ましい。重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂として、ガラス転移温度が80℃以上のものを使用することで、架橋構造を有するバインダー樹脂を含む背面層5の耐熱性を更に向上させることができる。ガラス転移温度の好ましい上限値について特に限定はないが、110℃程度である。
架橋剤について特に限定はなく、重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂を硬化せしめ架橋構造のバインダー樹脂とすることができる従来公知の架橋剤を適宜選択して使用することができる。
好ましい架橋剤としては、ポリイソシアネート樹脂等のイソシアネート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤等を挙げることができる。ポリイソシアネート樹脂としては、従来種々のものが知られているが、そのうち芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン、1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。
架橋構造を有するバインダー樹脂は、背面層5の固形分総量に対し、50質量%以上70質量%以下の範囲内であることが好ましい。架橋構造を有するバインダー樹脂の含有量が50未満である場合には、背面層5に十分な耐熱性と、基材1との密着性を付与することが困難であり、70質量%より多い場合には、後述する滑剤成分の含有量が少なくなり背面層5の滑性が低下していくためである。
また、架橋構造を有するバインダー樹脂とするための、重合度が500以下のポリビニルアセタールと、架橋剤との配合比について特に限定はないが、質量比で2:1〜6:1の範囲内であることが好ましい。配合比がこの範囲外、具体的には架橋剤の配合量が少ない場合には、基材1と背面層5との密着性が低下することが懸念され、一方、架橋剤の配合量が多い場合には、架橋反応に寄与しない架橋剤の量が多くなり、印画時にドラッグラインが悪化することが懸念されることによる。
<滑剤>
背面層5には、サーマルヘッドとの滑り性を向上させるために、固形或いは液状の滑剤が含有されている。滑剤について特に限定はなく、従来公知の滑剤であるポリエチレンワックス、パラフィンワックスなどの各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸金属塩、オレガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカなどの無機化合物の微粒子などを用いることができる。
滑剤の含有量について特に限定はないが、背面層5の固形分総量に対し、滑剤の含有量が30質量%未満である場合には、背面層5の滑性が低下し印画シワの発生が懸念される。一方、滑剤の含有量が50質量%を超えると、滑剤の削りカスのサーマルヘッドへの付着量が多くなり、印画不良を引き起こす可能性がある。このような点を考慮すると、滑剤の含有量は、背面層5の固形分総量に対し、30質量%以上50質量%以下の範囲内であることが好ましい。
また、背面層5の厚さについても特に限定はないが、背面層5の厚さが薄すぎる場合には、十分な耐熱性を付与することができない虞が生じうる。このような点を考慮すると、背面層の厚さは1μm〜10μmであることが好ましい。
(染料層)
図1に示すように基材1の一方の面の少なくとも一部(図1に示す場合には基材1の上面の全面)には、染料層3が設けられている
この染料層3は、本発明の熱転写シートが昇華型熱転写シートの場合には、昇華性の染料を含有する染料層であり、熱溶融型熱転写シートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する染料層となる。なお、図1に示す形態では、基材1の全面に染料層3が設けられているが、図示しない転写性保護層と染料層3とを面順次に設けることもできる。図示しない転写性保護層は印画物の耐久性を向上させるとともに、該転写性保護層が転写された印画物に光沢感を付与するために設けられる。なお、転写性保護層は本発明の熱転写シートにおける任意の構成である。また、昇華性の染料を含有する染料層と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する染料層とを連続した1枚の基材上に面順次に設けてもよい。以下、昇華型熱転写シートの場合を代表例として説明するが、本発明は、昇華型熱転写シートのみに限定されるものではない。
染料層3の材料は、従来公知の染料を使用することができるが、印画材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましく、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等が挙げられる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等の黄色染料、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)、C.I.ソルベントブルー22等の青色染料が挙げられる。
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の樹脂が、耐熱性、染料の移行性等の点において好ましい。
染料層3の形成方法としては、上記染料及びバインダー樹脂に、必要に応じて離型剤、フィラー等の添加物を加え、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド等の適当な有機溶剤に溶解させ、或いは、水等の溶媒に分散させ、得られた染料層用塗工液を、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材シートの一方の面に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。
(中間層)
図1に示すように、基材1と背面層5との間には、(A)ポリビニルアルコール樹脂がチタンキレート剤によって架橋された架橋ポリビニルアルコール樹脂、又は(B)アクリル樹脂がカルボジイミドによって架橋された架橋アクリル樹脂を含有する中間層7が設けられていることが好ましい。
架橋ポリビニルアルコール樹脂、又は架橋アクリル樹脂を含有する中間層7は、耐熱性が高く、サーマルヘッドから基材部への熱ダメージを低減できることから、中間層7を基材1と背面層5との間に設けることにより印画シワの発生の防止効果を向上させることができる。さらに、中間層7を設けることで、基材1と背面層5との密着性を向上させることができる。
(A;架橋ポリビニルアルコール樹脂)
架橋ポリビニルアルコール樹脂は、ポリビニルアルコール樹脂がチタンキレート剤によって架橋された樹脂である。ポリビニルアルコール樹脂とチタンキレート剤との配合比は、架橋構造を有するポリビニルアルコール樹脂を形成することができる範囲内で適宜設定することができる。ポリビニルアルコール樹脂は、ポリビニルアルコール樹脂とチタンキレート剤との合計量100質量部に対して、40〜70質量部の範囲内であることが好ましい。
(B;架橋アクリル樹脂)
架橋アクリル樹脂は、アクリル樹脂がカルボジイミドによって架橋された樹脂である。アクリル樹脂とカルボジイミドとの配合比は、架橋構造を有するアクリル樹脂を形成することができる範囲内で適宜設定することができる。アクリル樹脂は、アクリル樹脂とカルボジイミドとの合計量100質量部に対して、60〜80質量部の範囲内であることが好ましい。
中間層7は、上記架橋ポリビニルアルコール樹脂、架橋アクリル樹脂を単独で、或いはこれらを混合して用いることができる。
中間層7の形成方法としては、ポリビニルアルコール、及びチタンキレート剤を、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド等の適当な有機溶剤に溶解させ、或いは、水等の溶媒に分散させた中間層用塗工液、或いはアクリル樹脂、及びカルボジイミドを適当な溶媒に分散或いは溶解した中間層用塗工液を、基材1上に従来公知の塗工方法を用い塗工・乾燥することで形成することができる。
中間層7の厚みについても特に限定はないが、0.1〜1.0μmの範囲内であることが好ましい。
(熱転写シートの製造方法)
次に、本発明の熱転写シートの製造方法について説明する。本発明の熱転写シートの製造方法は、基材の一方の面に染料層が設けられ、基材の他方の面に背面層が設けられた熱転写シートの製造方法であって、基材の一方の面に染料層を形成する工程と、基材の他方の面に背面層を形成する工程と、を有し、背面層を形成する工程が、(1)重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂、(2)架橋剤、(3)滑剤を含有する背面層用塗工液を基材上に塗工・乾燥する工程であることを特徴とする。
<背面層を形成する工程>
背面層を形成する工程において使用される背面層用塗工液中に含まれる(1)重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂、(2)架橋剤、(3)滑剤は、上記本発明の熱転写シートの背面層で説明したものをそのまま使用することができ、ここでの説明は省略する。また、背面層用塗工液中における上記(1)、(2)、(3)の合計質量に対し、(2)架橋剤の含有量が7質量%以上23質量%以下であり、(3)滑剤の含有量が30質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
本発明によれば、背面層を形成するための背面層用塗工液中に含まれるポリビニルアセタール樹脂の重合度が500以下であることから、塗工時に背面層用塗工液がミスト状となって飛散することを防止できる範囲内にその粘性が調整されている。これにより、上記(1)の樹脂を含む背面層用塗工液を用いて背面層を形成するときに、背面層用塗工液が周囲へ飛散することに起因する背面層の平滑性の低下を防止することができる。つまり、本発明の製造方法によれば、背面層に高い平滑性が付与されることから、サーマルヘッドからの熱エネルギーを効率よく染料層側に伝達することができる。
また、塗工後の乾燥によって、(1)重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂と、(2)架橋剤との架橋反応が進行し、架橋構造を有するポリビニルアセタール樹脂が生成される。この架橋構造を有するポリビニルアセタール樹脂は、その構造により耐熱性に極めて優れることから、背面層とサーマルヘッドとの融着によるスティッキングや印画シワの発生が防止される。
背面層用塗工液は、(1)重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂、(2)架橋剤、(3)滑剤、その他の成分を加えて溶媒に溶解または分散させることで調製される。そして、この塗工液を、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の塗工手段を用いて塗工し、乾燥することで背面層が形成される。
背面層用塗工液の調製に用いられる溶媒としては、例えば、水、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル等を挙げることができる
塗工液の加熱方法について特に限定はなく、塗工液中に、温調棒を入れる等の従来公知の加熱手段を用いて加熱することができる。また、加熱温度については、(1)重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂、(2)架橋剤が十分な架橋反応が進行する程度の温度であればよく、20℃以上30℃以下程度であることが好ましい。
背面層用塗工液の塗工量について特に限定はないが、耐熱性の効果を十分に発揮させる点を考慮すると乾燥後の厚みが1μm〜10μmの範囲内となるような塗工量であることが好ましい。
<染料層を形成する工程>
本発明は、上記で説明した工程で背面層を形成する点に特徴を有し、したがって、染料層を形成する工程について特に限定はなく、従来公知の形成方法を適宜選択して染料層を形成することができる。例えば、上記本発明の熱転写シートの染料層で説明した形成方法をそのまま使用することもできる。
<中間層を形成する工程>
また、熱転写シートの耐熱性の更なる向上を目的として、基材と背面層との間に中間層を形成する工程を更に有していてもよい。中間層を形成する方法としては、上記本発明の熱転写シートの中間層で説明した形成方法をそのまま使用することができ、ここでの詳細な説明は省略する。
(塗工液)
本発明の塗工液は、重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂、架橋剤、滑剤を含有することを特徴とし、上記本発明の熱転写シートの製造方法で使用した背面層用塗工液をそのまま使用することができ、ここでの詳細な説明は省略する。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準である。
(実施例1)
基材として厚さ4μmのPETフィルムを用い、該基材の一方の面に、下記組成の背面層用塗工液1をバーコーターを用いて塗工し、100℃で1分間乾燥させ、厚さ1.0μmの背面層を形成した。また、基材の他方の面に、下記組成の染料層(Y,M,C)用塗工液を、イエロー染料層(Y)、マゼンタ染料層(M)、シアン染料層(C)の順に面順次に繰り返してバーコーターを用いて塗工し、厚さ1.0μmの各染料層を形成して実施例1の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液1>
・ポリビニルアセタール樹脂(重合度;500、Tg;107℃) 18部
(KS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(固形分 45%) 6.7部
(D−750 大日本インキ(株))
・ステアリン酸亜鉛 9部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン=1/1混合溶剤 66.3部
<染料層用塗工液>
<イエロー染料層用塗工液(Y)>
・分散染料 5.5部
(ホロンブリリアントイエローS−6GL)
・ポリビニルアセタール樹脂 4.5部
(エスレックスKS−5 積水化学(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・トルエン 44.9部
・メチルエチルケトン 44.9部
<マゼンタ染料層用塗工液(M)>
・MS−RED−G 1.5部
(ディスパーレッド60 三井東圧化学(株))
・マクロレックスレッドバイオレットR 2部
(ディスパースバイオレット26 バイエル社)
・ポリビニルアセタール樹脂 4.6部
(エスレックスKS−5 積水化学(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・トルエン 45.8部
・メチルエチルケトン 45.8部
<シアン染料層用塗工液(C)>
・分散染料 4.5部
(カヤセットブルー714)
・ポリビニルアセタール樹脂 4.5部
(エスレックスKS−5 積水化学(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・トルエン 45.4部
・メチルエチルケトン 45.4部
(実施例2)
背面層用塗工液1を下記組成の背面層用塗工液2に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例2の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液2>
・ポリビニルアセタール樹脂(重合度;500、Tg;107℃) 12部
(KS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(固形分 45%) 13.3部
(D−750 大日本インキ(株))
・ステアリン酸亜鉛 12部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン=1/1混合溶剤 62.7部
(実施例3)
基材上に下記組成の中間層用塗工液1を、バーコーターを用いて塗工し、110℃で1分間乾燥させ、厚さ0.2μmの中間層を形成し、その後該中間層上に背面層を形成した以外はすべて実施例1と同様にして実施例3の熱転写シートを得た。
<中間層用塗工液1>
・ポリビニルアルコール樹脂 2.5部
(ゴーセノールGH−23 日本合成化学工業(株))
・チタンキレート剤(固形分60%) 4.2部
(TC−300 マツモトファインケミカル(株))
・水/IPA=1/1混合溶剤 93.3部
(実施例4)
背面層用塗工液1を下記組成の背面層用塗工液3に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例4の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液3>
・ポリビニルアセタール樹脂(重合度;500、Tg;107℃) 21部
(KS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(固形分 45%) 6.7部
(D−750 大日本インキ(株))
・ステアリン酸亜鉛 6部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン=1/1混合溶剤 66.3部
(実施例5)
背面層用塗工液1を下記組成の背面層用塗工液4に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例5の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液4>
・ポリビニルアセタール樹脂(重合度;500、Tg;107℃) 12部
(KS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(固形分 45%) 6.7部
(D−750 大日本インキ(株))
・ステアリン酸亜鉛 15部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン=1/1混合溶剤 66.3部
(実施例6)
背面層用塗工液1を下記組成の背面層用塗工液5に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例6の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液5>
・ポリビニルアセタール樹脂(重合度;500、Tg;107℃) 12部
(KS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(固形分 45%) 20部
(D−750 大日本インキ(株))
・ステアリン酸亜鉛 9部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン=1/1混合溶剤 59部
(実施例7)
背面層用塗工液1を下記組成の背面層用塗工液6に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例7の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液6>
・ポリビニルアセタール樹脂(重合度;500、Tg;107℃) 19.5部
(KS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(固形分 45%) 3.3部
(D−750 大日本インキ(株))
・ステアリン酸亜鉛 9部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン=1/1混合溶剤 68.2部
(実施例8)
中間層用塗工液1を下記組成の中間層用塗工液2に変更した以外はすべて実施例3と同様にして実施例8の熱転写シートを得た。
<中間層用塗工液2>
・アクリル樹脂(固形分20%) 17.5部
(ボンロンB1000 三井化学社(株))
・カルボジイミド(固形分40%) 3.8部
(SV−02 日清紡ケミカル(株))
・水/IPA=1/1混合溶剤 78.7部
(実施例9)
背面層用塗工液1を下記組成の背面層用塗工液7に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例9の熱転写シートを得た。
(背面層用塗工液7)
・ポリビニルアセタール樹脂(重合度;500、Tg;107℃) 18部
(KS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(固形分50%) 6部
(クロスネートD−70大日精化工業(株))
・ステアリン酸亜鉛 9部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン=1/1混合溶剤 67部
(実施例10)
背面層用塗工液1を下記組成の背面層用塗工液8に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例10の熱転写シートを得た。
(背面層用塗工液8)
・ポリビニルアセタール樹脂(重合度;500、Tg;107℃) 18部
(KS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(固形分45%) 6.7部
(D-750 大日本インキ(株))
・ステアリルリン酸亜鉛 9部
(LBT−1830 堺化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン=1/1混合溶剤 66.3部
(比較例1)
背面層用塗工液1を下記組成の背面層用塗工液Aに変更した以外はすべて実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液A>
・ポリビニルアセタール樹脂(重合度;800、Tg;64℃) 18部
(#3000−5 電気化学工業(株))
・ポリイソシアネート(固形分45%) 6.7部
(D-750 大日本インキ(株))
・ステアリン酸亜鉛 9部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン=1/1混合溶剤 66.3部
(比較例2)
背面層用塗工液1を下記組成の背面層用塗工液Bに変更した以外はすべて実施例1と同様にして比較例2の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液B>
・バインダー樹脂(重合度;2000、Tg;110℃) 18部
(KS−3Z 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(固形分45%) 6.7部
(D-750 大日本インキ(株))
・ステアリン酸亜鉛 9部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン=1/1混合溶剤 66.3部
(比較例3)
背面層用塗工液1を下記組成の背面層用塗工液Cに変更した以外はすべて実施例1と同様にして比較例3の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液C>
・バインダー樹脂(重合度;2400、Tg;110℃) 18部
(KS−5Z 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(固形分45%) 6.7部
(D-750 大日本インキ(株))
・ステアリン酸亜鉛 9部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン=1/1混合溶剤 66.3部
(比較例4)
背面層用塗工液1を下記組成の背面層用塗工液Dに変更した以外はすべて実施例1と同様にして比較例4の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液D>
・ポリビニルブチラール樹脂(重合度;1700、Tg;90℃) 18部
(BX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(固形分45%) 6.7部
(D-750 大日本インキ(株))
・ステアリン酸亜鉛 9部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン=1/1混合溶剤 66.3部
(塗工時ミスト評価)
実施例1〜10、比較例1〜4の熱転写シートを製造するにあたって、上記で調製された各背面層用塗工液を、グラビア輪転機を用いて300m/minの印刷速度で基材上に塗工する時にインキユニットで発生するミスト量を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて評価を行った。評価結果を表1に示す。
「評価基準」
○:ミストの発生がほとんどない。
×:ミストが大量に発生し、印刷面にミストの付着が発生。
(背面接着性評価)
実施例1〜10および比較例1〜4の熱転写シートにおける背面層にメンディングテープ(CT405AP−18 ニチバン(株))を十分に接着させ、背面層に対して垂直、水平方向に剥がした際に、背面層が基材からはがれ取れるかどうかを評価した。評価結果を表1に併せて示す。
「評価基準」
○:テープを接着させた部分の背面層が、基材から全く剥がれない。
△:テープを密着させた部分の背面層の、一部が剥がれる。
×:テープを密着させた部分の背面層が、全て剥がれてしまう。
(印画物の形成)
白色塩化ビニルカードと、実施例1〜10および比較例1〜4の熱転写シートの染料層とを重ねあわせ、線密度300dpiのサーマルヘッドを搭載した256階調制御が可能な熱転写プリンタを使用して、印画スピード:2ms/Line、印画エネルギー:0.26mJ/dotの条件で、イエロー、マゼンダ、シアンの順に印画を行い、実施例1〜10、比較例1〜4の印画物を形成した。
(ヘッドカスの評価)
印画物形成後のサーマルヘッドに付着したヘッドカスの有無を目視で確認し、以下の評価基準に基づいてヘッドカスの評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
「評価基準」
◎・・・ヘッドカスの付着はほとんどない
○・・・ヘッドカスの付着は少なく、拭いたら完全に取れる。
×・・・ヘッドカスの多量の付着が見られ、拭いても完全に取れない。
(シワ評価試験)
シワ評価試験は、実施例1〜10、比較例1〜4の印画物に見られるシワの程度目視で観察し以下の基準により評価した。結果を表1に示す。
「評価基準」
◎:印画シワなし。
○:印画物の端部に細かい印画シワが有る。
△:印画物に数本の印画シワが発生するが、実使用上は問題ないレベルである。
×:印画物に多数の目立った印画シワが有る。
(ドラッグライン評価)
印画の流れ方向に、255階調のBk→150階調のBkとなるパターン(ドラッグラインパターン)を印画すると、150階調部に、ドラッグラインと呼ばれる、流れ模様の影が印画される。本実施例のドラッグラインの評価では、15℃20%環境で、COPAL社製のDPB−6000プリンタを用いて、255階調のBk→150階調のBkとなるパターンを印画し、ドラッグラインの発生を目視で評価し、以下の評価基準に基づいてドラッグライン評価を行った。評価結果を表1に示す。
「評価基準」
◎:ドラッグラインが発生しない
○:ドラッグラインは発生するが、目立たない
×:ドラッグラインが目立つレベルで発生する
(背面摩擦評価)
実施例1〜10、比較例1〜4の熱転写シートを、白色塩化ビニルカードと組み合わせ、以下の条件で印画時の摩擦力を測定し、背面摩擦の評価を行った。なお、印画及び摩擦力の測定には、特開2003−300338号公報で記載されている摩擦力測定機能付熱転写プリンタを使用した。サーマルヘッド:東芝ホクト電子社製サーマルヘッド、ヘッド抵抗値5020Ω 解像度300dpi(dots per inch)ライン速度:2ms/Line、(用紙搬送方向の解像度は、300lpi(line per inch))パルスデューティ:80%、印加電圧:23.0V、印圧:40N、印画画像:幅600ピクセル×長さ945ピクセルのサイズで階調0〜255のグラデーション画像(1ピクセルは、1ドットに相当)を印画し、以下の評価基準により評価した。
「評価基準」
◎:最大応力が12N以下。
○:最大応力が12〜13N。
△:最大応力が13〜14N。
×:最大応力が14N以上。
Figure 0005810777
1…基材
3…染料層
5…背面層
7…中間層
10…熱転写シート

Claims (5)

  1. 基材の一方の面の少なくとも一部に染料層が設けられ、基材の他方の面に背面層が設けられた熱転写シートであって、
    前記基材と前記背面層との間に中間層が設けられ、
    前記背面層は、重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂が架橋剤によって架橋されたバインダー樹脂と、滑剤とを含有しており、
    前記中間層は、アクリル樹脂がカルボジイミドによって架橋された架橋アクリル樹脂を含有していることを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記背面層の固形分総量に対し、前記滑剤が30質量%以上50質量%以下の範囲内で含有されていることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記バインダー樹脂は、前記重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂と前記架橋剤との配合比が質量比で2:1〜6:1の範囲内で配合されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シート。
  4. 基材の一方の面に染料層が設けられ、基材の他方の面に背面層が設けられた熱転写シートの製造方法であって、
    基材の一方の面に染料層を形成する工程と、
    前記基材の他方の面に中間層を形成する工程と、
    前記中間層上に背面層を形成する工程と、を有し、
    前記中間層を形成する工程が、アクリル樹脂、カルボジイミドを含有する中間層用塗工液を前記基材上に塗工・乾燥する工程であり、
    前記背面層を形成する工程が、(1)重合度が500以下のポリビニルアセタール樹脂、(2)架橋剤、(3)滑剤を含有する背面層用塗工液を前記中間層上に塗工・乾燥する工程であることを特徴とする熱転写シートの製造方法。
  5. 前記背面層用塗工液中における前記(1)、(2)、(3)の合計質量に対し、
    前記(2)架橋剤の含有量が7質量%以上23質量%以下であり、
    前記(3)滑剤の含有量が30質量%以上50質量%以下であることを特徴とする請求項4に記載の熱転写シートの製造方法。
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