JP5808846B2 - トルクセンサ - Google Patents
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Description
本発明、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、多極磁石とヨークとを一体に回転させたとき、多極磁石から感磁部に直接到達する磁束によって発生する出力変動を低減するトルクセンサを提供することにある。
これにより、多極磁石から、磁束がヨークを経由せず空間を通って磁気センサに直接到達することを防ぎ、出力変動を低減することができる。
なお、第1実施形態は、共通の構成を説明するための参考形態である。また、第2〜第10実施形態は欠番とする。第13、第14実施形態は参考形態に相当する。
[電動パワーステアリング装置に適用されるトルクセンサの全体構成]
最初に、本発明の各実施形態のトルクセンサに共通の構成について説明する。なお、トルクセンサの符号は、第1実施形態のトルクセンサ101を代表として用いる。
図2に示すように、本発明の実施形態によるトルクセンサ101は、車両のステアリング操作をアシストするための電動パワーステアリング装置に適用される。
図1に示すように、トルクセンサ(101)は、トーションバー13、多極磁石14、一組のヨーク31、32、一組の集磁リング(502)、及び磁気センサ41等から構成される。なお、トルクセンサ、及び一組の集磁リングは実施形態毎に符号が異なるため、ここでは符号に括弧を付けて示す。
円筒状の多極磁石14は、入力軸11に固定され、N極とS極とが周方向に交互に着磁される。例えば本実施形態では、N極とS極との数は12極対、計24極である。
以下、実施形態毎に、一組の集磁リング、磁気センサ等についての特有の構成、及び、その構成によって導かれる作用効果を説明する。
次に、磁気シールド部材を用いて出力変動を低減する本発明の第11〜第14実施形態について、図6〜図15を参照して説明する。
第11実施形態に特有の構成について、図6〜図10を参照して説明する。第11実施形態のトルクセンサ201の一組の集磁リング501は、半円形状の本体部56、本体部56の径外方向に突出する集磁部51、及び、本体部56と集磁部51とを連結する連結部57から構成され、ヨーク31、32の磁束を集磁部51に集める。一組の集磁リング501は、特許請求の範囲に記載の「一組の集磁体」に相当する。
図8、図9に示すように、一組の集磁リング501の本体部56は、軸方向において一組のヨーク31、32の間に設けられる。ここで、本体部56は半円形状に形成されているため、ヨーク31、32の径外方向から組み付け可能である。
また、図7に示すように、本体部56は、半円の外縁がヨーク31、32の外周と一致するように設けられており、軸方向に投影したときヨーク31、32と重複している。
図6、図8、図9に示すように、集磁部511と集磁部512との間には、磁気センサ41が備えられている。磁気センサ41は、感磁部410が樹脂でモールドされた平板状のICパッケージの形態で構成されており、具体的には、ホール素子や磁気抵抗素子のICパッケージである。
また本実施形態では、磁気シールド部材71は、径方向において、ヨーク31、32の爪315、325の外側であって、集磁リング501の本体部56の内縁の内側に設けられる。言い換えれば、磁気シールド部材71は、径方向において、一組の集磁リング501の本体部56とずれた位置に設けられる。
さらに本実施形態では、磁気シールド部材71は、多極磁石14又はヨーク31、32と共に回転可能な側に設置される。
図8は、入力軸11と出力軸12との間に操舵トルクが加わっておらず、トーションバー13に捩じれ変位が生じていない中立状態を示す。このとき、図の多極磁石14の正面の中央にS極が見えている。また、ヨーク31、32の爪315、325の中心が、多極磁石14のN極とS極との境界に一致する。
その結果、磁気センサ41を通過する磁束密度は、トーションバー13の捩じれ変位量に略比例し、かつトーションバー13の捩じれ方向に応じて極性が反転する。この磁束密度を磁気センサ41が検出し、電圧信号として出力することで、トルクセンサ201は、入力軸11と出力軸12との間の操舵トルクを検出する。
図10を参照すると、磁気シールド部材71を設ける最適な位置を推測することができる。軸方向においては、磁気シールド部材71をヨーク31、32の間に設ける必要があることは自明であり、特に、磁気シールド部材71が軸方向の範囲に磁気センサ41を含むようにすることが好ましい。
また、一組の集磁リング501の本体部56は、軸方向においてヨーク31、32の間に設けられ、軸方向に投影したときヨーク31、32と重複しているため、集磁可能な磁束量を増加することができる。
図12に示すように、第12実施形態のトルクセンサ202は、第11実施形態と同様に環状の磁気シールド部材72が設けられている。この磁気シールド部材72は、多極磁石14又はヨーク31、32と共に回転可能な側に設置される。
また、磁気シールド部材72は、径方向において、集磁リング501の本体部56の外縁の外側かつ磁気センサ41の感磁部410の内側に設けられる。この場合、磁気シールド部材72は、径方向において、一部が集磁リング501の連結部57と重なるものの、大部分は集磁リング501の本体部56とずれた位置に設けられる。
この構成により、第11実施形態と同様の作用効果が得られる。
図13、図14に示すように、第13実施形態のトルクセンサ203は、リングを半分に切断した「C字状」の磁気シールド部材73が設置される。この磁気シールド部材73は、第11、第12実施形態とは異なり、回転側でなく、磁気センサ41と共に固定される側に設置される。固定側に設置される場合には、周方向の磁気センサ41側だけにシールド機能を発揮する部位を有していればよいため、このようなC字状に形成されている。
多極磁石14から直接磁気センサ41に向かう磁束を磁気シールド部材によって遮蔽するトルクセンサにおいて、「一組の集磁体」としての一組の集磁リングを備えなくてもよい。一組の集磁リングを備えない場合、第11、第12実施形態のように、磁気シールド部材と集磁リングとが径方向に重なることについての配慮は不要となる。
(ア)多極磁石の磁極数は、12極対、24極に限らない。また、これに対応するヨーク31、32の爪315、325の数も各12個に限らない。
(イ)上記説明におけるN極とS極とを逆にしてもよい。
11 ・・・入力軸(第1の軸)、 12 ・・・出力軸(第2の軸)、
13 ・・・トーションバー、 14 ・・・多極磁石、
31、32・・・一組のヨーク、
41 ・・・磁気センサ、
410・・・感磁部、
501・・・一組の集磁リング(一組の集磁体)、
71、72、73、74・・・磁気シールド部材。
Claims (2)
- 第1の軸(11)と第2の軸(12)とを同軸上に連結し、前記第1の軸と前記第2の軸との間に加わるトルクを捩じれ変位に変換するトーションバー(13)と、
前記第1の軸または前記トーションバーの一端側に固定され、周方向にN極およびS極が交互に着磁された多極磁石(14)と、
前記多極磁石の径外側で前記第2の軸または前記トーションバーの他端側に固定され、かつ軸方向にギャップを介して対向し、前記多極磁石が発生する磁界内に磁気回路を形成する一組のヨーク(31、32)と、
前記一組のヨークの径方向外側に設けられ、前記磁気回路に発生する磁束密度を検出する感磁部(410)を有する磁気センサ(41)と、
軟磁性体で形成され、軸方向において前記一組のヨークの間であって径方向において前記多極磁石の外側かつ前記感磁部の内側に設けられ、前記多極磁石から前記磁気センサの前記感磁部に直接到達する磁束を遮蔽する磁気シールド部材(71、72)と、
を備え、
前記磁気シールド部材は、環状に設けられ、前記多極磁石または前記一組のヨークと共に前記磁気センサに対して回転可能であることを特徴とするトルクセンサ(201、202)。 - 前記一組のヨークから前記磁気センサに磁束を集める一組の集磁体(501)を備え、
前記磁気シールド部材は、径方向において前記一組の集磁体とずれた位置に設けられることを特徴とする請求項1に記載のトルクセンサ。
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