JP5806659B2 - オルガノシランカップリング剤 - Google Patents

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Description

本発明は、特に、例えばタイヤの製造を意図するゴム組成物において補強用無機充填剤とジエンエラストマーをカップリングさせるのに使用することのできる、オルガノシランカップリング剤に関する。
補強剤によって付与される最適の補強特性を得るためには、この充填剤は、エラストマーマトリックス中で、できる限り微分割され且つできる限る均一に分布する双方の最終形で存在すべきであることが一般に知られている。しかしながら、そのような条件は、上記充填剤が、一方では上記エラストマーとの混合中にマトリックス中に取込まれて且つ解凝集し、そして、他方ではこのマトリックス中に均一に分散する極めて良好な能力を有する場合にのみ達成することができる。
周知のとおり、カーボンブラックは、そのような能力を示し、無機充填剤におけるのと一般に異なる。事実、相互親和性のために、無機充填剤粒子は、エラストマーマトリックス中で一緒に凝集する厄介な性向を有する。これらの相互作用は、上記充填剤の分散を制約し、従って、補強特性を、配合操作中に生じ得る全ての結合(無機充填剤/エラストマー)実際に得られる場合に理論的に達成可能であるレベルよりも実質的に低いレベルに制約する有害な結果を有し得る。さらにまた、これらの相互作用は、ゴム組成物の未硬化状態におけるコンシステンシーを増大させ、従って、その加工性(“加工能力”)をカーボンブラックの存在におけるよりも困難にする傾向を有する。
しかしながら、燃料節減および環境保護の必要性が優先事項となって以来、低下した転がり抵抗性を有するタイヤをその耐摩耗性に不利益な効果を有することなく生産する必要性が判明してきている。このことは、特に、特定の無機充填剤によって補強された新規なゴム組成物の発見によって可能になってきた;これらの特定の無機充填剤は、“補強用”として説明されており、且つ、補強性の観点から通常のタイヤ級カーボンブラックと拮抗し得るとともに、これらの組成物に、これらの無機充填剤を含むタイヤにおける低い転がり抵抗性と同義である低いヒステリシスを付与している。
シリカ質またはアルミナ質タイプの補強用無機充填剤を含むそのようなゴム組成物は、例えば、特許または特許出願EP‐A‐0501227号(またはUS‐A‐5227425号)、EP‐A‐0735088号(またはUS‐A‐5852099号)、EP‐A‐0810258号(またはUS‐A‐5900449号)、EP‐A‐0881252号、WO99/02590号、WO99/02601号、WO99/02602号、WO99/28376号、WO00/05300号およびWO00/05301号に記載されている。
特に、高分散性沈降シリカによって補強されたジエンゴム組成物を開示している文献EP‐A‐0501227号、EP‐A‐0735088号またはEP‐A‐0881252号が挙げられ、そのような組成物は、実質的に改良された転がり抵抗性を有するトレッドを製造することを、他の特性、特に、グリップ性、耐久性および耐摩耗性に悪影響を及ぼすことなく可能にしている。また、そのように相反する特性の妥協点を示すそのような組成物は、補強用無機充填剤として特定の高分散性アルミナ質充填剤(アルミナまたは水酸化(酸化)アルミニウム)による出願EP‐A‐0810258号およびWO99/28376号において或いは特定の補強用タイプの酸化チタンを記載している出願WO00/73372号およびWO00/73373号においても記載されている。
これらの特定の高分散性無機充填剤の使用は、主要補強用充填剤であろうとなかろうと、それらの充填剤を含むゴム組成物を加工する困難性を確実に低下させているものの、にもかかわらず、この加工性は、カーボンブラックを通常に充填したゴム組成物におけるよりも困難なままである。
特に、結合剤とも称するカップリング剤の使用を必要とし、このカップリングの役割は、無機充填剤の粒子表面とエラストマー間に結合をもたらすと共にこの無機充填剤のエラストマーマトリックス内での分散を容易にすることである。
ここで、“カップリング剤”(無機充填剤/エラストマーカップリング剤)なる表現は、知られているとおり、上記無機充填剤と上記ジエンエラストマー間に化学的および/または物理的性質を有する十分な結合を確立することのできる薬剤を意味するものと理解すべきであることを再認識されたい。そのようなカップリング剤は、少なくとも二官能性であり、例えば、簡略化した一般式“Y‐W‐X”を有し、式中:
Yは、上記無機充填剤に物理的および/または化学的に結合させることのできる官能基(“Y”官能基)を示し、そのような結合は、おそらくは、例えば、上記カップリング剤のケイ素原子と上記無機充填剤の表面ヒドロキシル(OH)基(例えば、シリカである場合の表面シラノール)間で確立され;
Xは、上記ジエンエラストマーに、例えばイオウ原子によって物理的および/または化学的に結合させことのできる官能基(“X”官能基)を示し;
Wは、“Y”を“X”と連結させるのを可能にする二価の基を示す。
上記カップリング剤は、特に、上記無機充填剤に対しては活性な“Y”官能基を知られているとおりに含み得るが、上記ジエンエラストマーに対しては活性な“X”官能基を欠いている上記無機充填剤を被覆するための単純な薬剤と混同すべきではない。
カップリング剤、特に、シリカ/ジエンエラストマーカップリング剤は、多くの文献に記載されており、最も良く知られているのは、Y官能基としての少なくとも1個のアルコキシル官能基と、X官能基としての、例えば、硫化(即ち、イオウ含有)官能基のようなジエンエラストマーと反応し得る少なくとも1個の官能基とを担持する二官能性オルガノシランである。
そのように、特許出願FR‐A‐2094859号またはGB‐A‐1310379号においては、タイヤトレッド製造用のメルカプトアルコキシシランカップリング剤の使用が提案されている。メルカプトアルコキシシランカップリング剤は優れたシラン/エラストマーカップリング特性を付与することができるものの、これらカップリング剤の工業的使用は、密閉ミキサー内でのゴム組成物の製造中に、“スコーチ”とも称する早期の加硫、未硬化状態での極めて高い粘度を、さらに、究極的には、工業的に加工し処理することがほぼ不可能であるゴム組成物を極めて急速にもたらすチオール‐SHタイプの硫化官能基(X官能基)の極めて高い反応性のために不可能であることが即急に実証され、現在では周知である。この問題を説明するには、例えば、文献FR‐A‐2206330号、US‐A‐3873489号およびUS‐A‐4002594号を挙げることができる。
この欠点を克服するために、これらのメルカプトアルコキシシランを、極めて多くの文献に記載されているようなアルコキシシランポリスルフィド、特に、ビス(アルコキシルシリルプロピル)ポリスルフィドと置換えることを提案している (例えば、FR‐A‐2149339号、FR‐A‐2206330号、US‐A‐3842111号、US‐A‐3873489号、US‐A‐3997581号、EP‐A‐680997号またはUS‐A‐5650457号、EP‐A‐791622号またはUS‐A‐5733963号、DE‐A‐19951281号またはEP‐A‐1043357号およびWO00/53671号を参照されたい)。これらのポリスルフィドの中では、特に、ビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(TESPTと略記する)およびビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド (TESPDと略記する)を挙げなければならない。
これらのアルコキシシランポリスルフィド、特に、TESPTは、補強用無機充填剤、特に、シリカを含む加硫物においては、スコーチ安全性、加工の容易性および補強力の点で最良の妥協点をもたらす製品であると一般にみなされている。これらのアルコキシシランポリスルフィドは、この点で、これらポリスルフィドが比較的高価であり、さらにまた、殆どの場合、比較的大量に使用しなければならないとしても、タイヤ用のゴム組成物において現在最も広く使用されているカップリング剤である。
本出願人等は、研究中に、オルガノシランタイプの新規なカップリング剤であって、驚くべきことに、特に上記アルコキシシランポリスルフィドと比較して、これらの新規なカップリング剤を含む組成物の未硬化状態での加工性を、さらにまた、スコーチ安全性をも極めて顕著に改善することを可能にするカップリング剤を見出した。
従って、本発明の1つの主題は、下記の式Iを有するオルガノシランである:

(HO)2 R1Si − Z − Sm − R2

(式中、R1は、同一または異なるものであって、各々、1〜18個の炭素原子を有する線状または枝分れのアルキル、シクロアルキルまたはアリールから選ばれる一価の炭化水素系基を示し;
R2は、1〜30個の炭素原子を有する線状または枝分れのアルキル、シクロアルキルまたはアリールから選ばれる一価の炭化水素系基を示し;
Zは、1〜18個の炭素原子を含む二価の結合基を示し;そして、
mは、2以上の数である)。
本発明のさらなる主題は、下記の工程を含む、一般式(I)を有するオルガノシランの取得方法である:
・ジアゾジカルボキシレートに、下記の式(II)のメルカプタンを付加してチオヒドラジンを調製する工程:
R2‐SH
(式中、R2は、式(I)におけるのと同じ意味を有する);
・得られたチオヒドラジンを、下記の式(III)の第2のメルカプタンで置換する工程:
(R3O)2 R1 Si‐Z‐SH
(式中、R1およびZは、式(I)と同じ意味を有し;R3は、同一または異なるものであって、1〜6個の炭素原子を有する、好ましくは1〜3個の炭素原子を有するアルキルから選ばれる一価の炭化水素系基を示す);
・式(I)の目的オルガノシランを得ることを可能にする加水分解を、酸性媒質中で実施する工程。
本発明のもう1つの主題は、上記の一般式(I)を有するオルガノシランの、カップリング剤としての、特に、ゴム組成物においての、さらに詳細には、無亜鉛ゴム組成物においての無機充填剤/ジエンエラストマーカップリング剤としての使用である。
事実、全く驚くべきことに、ゴム組成物におけるカップリング剤として使用する本発明に従うオルガノシランは、シリカのような無機充填剤で補強したゴム配合物の亜鉛を、亜鉛を他の金属で置き換えることなく、また、ゴム組成物をその工業的加工処理における早期のスコーチ問題から保護しながら、極めて有意に低減するか或いは上記亜鉛を完全に排除することを可能にすることが観察された。この結果は、TESPTカップリング剤が亜鉛を含まないまたはほぼ亜鉛を含まない組成物においては適切でないことから、なおいっそう驚くべきことであることが判明している。
実際のこととして、タイヤ製造業者の1つの中期目標は、亜鉛またはその誘導体を、既知の、特に水および水生生物に対するこれらの化合物の相対的な毒性故に、タイヤのゴム配合物から削減することであることを思い起こされたい(1996年12月9日の欧州指針(European Directive) 67/548/EECによる分類R50)。
しかしながら、酸化亜鉛の、特にシリカのような無機充填剤で補強したゴム配合物からの削減は、工業的観点から許容し得ないスコーチ時間の短縮により、未硬化状態のゴム組成物の加工特性 (“加工能力”)に対して極めて有害である。
I. 使用する測定および試験法
上記オルガノシランをカップリング剤として試験するゴム組成物は、以下で示すように、硬化の前後において特性決定する。
I‐1. ムーニー可塑度
フランス規格NF T 43‐005(1991年)に記載されているような振動(oscillating)稠度計を使用する。ムーニー可塑度測定は、次の原理に従って実施する:未硬化状態(即ち、硬化前)の組成物を100℃に加熱した円筒状チャンバー内で成形する。1分間の予熱後、ローターが試験標本内で2rpmにて回転し、この運動を維持するための仕事トルクを4分間の回転後に測定する。ムーニー可塑度(ML 1 + 4)は、“ムーニー単位”(MU、1MU = 0.83ニュートン.メートル)で表す。
I‐2. スコーチ時間
測定は、フランス規格NF T 43‐005に従って130℃で実施する。時間の関数としての稠度測定指数(consistometric index)の変化は、分で表すパラメーターT5 (大ローターの場合)により上記規格に従って評価し、且つ稠度測定指数について測定した最低値よりも5単位高い稠度測定指数の増加(MUで表す)を得るのに必要な時間として定義したゴム組成物のスコーチ時間を判定するのを可能にする。
I‐3. 動的特性
動的特性ΔG*およびtan(δ)maxは、規格ASTM D 5992‐96に従って、粘度アナライザー(Metravib VA4000)において測定する。単純な交互剪断における正弦応力に、10Hzの周波数で、標準温度条件(23℃)下に供した加硫組成物のサンプル(厚さ4mmおよび400mm2の断面積を有する円筒状試験片)の応答を、規格ASTM D 1349‐99に従って記録する。0.1%から50%範囲(外方向サイクル)、次いで、50%から0.1%範囲(戻りサイクル)である歪み振幅による走査を実施する。使用する結果は、複素動的剪断モジュラス(G*)および損失係数(tanδ)である。戻りサイクルにおいて、観察されたtanδの最高値(tan(δ)max)を、さらにまた、0.1%歪みと50%歪み値間の複素モジュラスの差(ΔG*) (パイネ効果)を示す。
II. 発明の詳細な説明
II‐1. 本発明のオルガノシラン
本発明の第1の主題は、下記の一般式(I)のオルガノシランである:

(HO)2 R1Si − Z − Sm − R2

(式中、R1は、同一または異なるものであって、各々、1〜18個の炭素原子を有する線状または枝分れのアルキル、シクロアルキルまたはアリールから選ばれる一価の炭化水素系基を示し;
R2は、1〜30個の炭素原子を有する線状または枝分れのアルキル、シクロアルキルまたはアリールから選ばれる一価の炭化水素系基を示し;
Zは、1〜18個の炭素原子を含む二価の結合基を示し;そして、
mは2以上の数であり、mは整数または分数である)。
Zは、O、SおよびNから選ばれる1個以上のヘテロ原子を含有し得る。
好ましくは、mは、2に等しい。
有利には:
R1は、メチル、エチル、n‐プロピルおよびイソプロピルから、好ましくはメチルおよびエチルから選ばれ;
Zは、C1〜C18アルキレンおよびC6〜C12アリーレンから選ばれる。
1つの実施態様によれば、Zは、C1〜C10アルキレンから選ばれ、より好ましくは、Zは、C1〜C4アルキレンから選ばれる。
もう1つの実施態様によれば、R1はメチルである。
好ましくは、R2は、1〜18個の炭素原子を有するアルキルから選ばれ、さらにより好ましくは、R2はオクチルである。
特に、(3‐(オクチルジスルファニル)プロピル)メチルシランジオールが挙げられ、その式(I)は、mが2に等しく、R1がメチルであり、Zがプロピレンであり、R2がオクチルである。
II‐2 合成方法
上記で詳述した式(I)のオルガノシランを得るための本発明に従う合成方法は、下記の工程を含む:
・ジアゾジカルボキシレートに、下記の式(II)のメルカプタンを付加してチオヒドラジンを調製する工程:
R2‐SH
(式中、R2は、式(I)におけるのと同じ意味を有する);
・得られたチオヒドラジンを、下記の式(III)の第2のメルカプタンで置換する工程:
(R3O)2 R1 Si‐Z‐SH
(式中、R1およびZは、式(I)と同じ意味を有し;R3は、同一または異なるものであって、1〜6個の炭素原子を有する、好ましくは1〜3個の炭素原子を有するアルキルから選ばれる一価の炭化水素系基を示す);
・式(I)の目的オルガノシランを得ることを可能にする加水分解を、酸性媒質中で実施する工程。
当業者であれば、そのようにして得られたオルガノシランジスルフィドに如何にしてイオウを付加してS2からSx (xは2よりも大きい)に至らせ得るかは理解していることに留意すべきである。
II‐3 カップリング剤としての使用
上述したように、本発明の化合物は、その二官能性故に、例えば、反応性ポリマーマトリックス(特にゴムマトリックス)とヒドロキシル化表面、特に、無機(例えばガラス繊維)または金属(例えば、炭素鋼またはステンレススチール線)表面を有する任意の材料との間に結合または接着を付与することを意図するカップリング剤としての有利な工業的用途を見出している。
限定するものではないが、本発明の化合物は、補強用無機または白色充填剤とジエンエラストマーとを、例えば、タイヤの製造を意図するゴム組成物においてカップリングさせるのに使用し得る。“補強用無機充填剤”なる表現は、知られているとおり、カーボンブラックに対比して“白色”充填剤または“透明充填剤”としても知られている、その色合およびその起源(天然または合成)の如何にかかわらない任意の無機または鉱質充填剤を意味するものと理解すべきであり、この無機充填剤は、それ自体単独で、中間カップリング剤以外の手段によることなく、タイヤの製造を意図するゴム組成物を補強し得、換言すれば、通常のタイヤ級カーボンブラック充填剤とその補強役割において置換わり得る。
そのような使用においては、ジエンエラストマーは、その場合、好ましくは、ポリブタジエン(BR)、合成ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)、ブタジエン/イソプレンコポリマー(BIR)、ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー(NBR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)、ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマー(SBIR)およびこれらエラストマーの混合物からなる高不飽和ジエンエラストマーの群から選ばれる。
本発明のモノヒドロキシシランを、例えば、乗用車タイヤトレッドの全部または一部を形成するゴム組成物における(無機充填剤/ジエンエラストマー)カップリングを意図する場合、ジエンエラストマーは、好ましくは、SBRであるか、またはSBRとBR、NRもしくはIRのような他のジエンエラストマーとのブレンド(混合物)である。SBRエラストマーの場合、特に、20質量%と30質量%の間の量のスチレン含有量、15%と65%の間の量のブタジエン成分ビニル結合含有量、15%と75%の間の量のトランス1,4‐結合含有量および−20℃と−55℃の間のガラス転移温度(Tg;規格ASTM D3418‐82に従って測定)を有するSBRを使用する;好ましくは溶液中で調製したこのSBRコポリマー(SSBR)を、必要に応じて、好ましくは90%よりも多いシス‐1,4‐結合を有するポリブタジエン(BR)との混合物として使用する。
トレッドを重量車両タイヤのような実用車両タイヤ用に意図する場合、ジエンエラストマーは、好ましくは、イソプレンエラストマー、即ち、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、各種イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれるジエンエラストマーである;その場合、ジエンエラストマーは、より好ましくは、天然ゴム、または90%よりも多い、さらにより好ましくは98%よりも多いシス‐1,4‐結合含有量(モル%)を有するシス‐1,4‐タイプの合成ポリイソプレンである。
本発明のオルガノシランは、それ自体で、ジエンエラストマーとシリカのような補強用無機充填剤とをカップリングさせるのに、好ましくは1phr (エラストマーの100質量部当りの質量部)よりも多い、より好ましくは2phrと20phrの間の含有量で使用して十分有効であることが判明している。これらのオルガノシランは、有利には、無機充填剤で補強し且つタイヤの製造を意図するゴム組成物において存在する単独のカップリング剤を構成し得る。
補強用無機充填剤としては、シリカ質タイプ、特に、シリカ(SiO2)またはアルミナ質タイプ、特に、アルミナ(Al2O3)もしくは水酸化(酸化)アルミニウムの鉱質充填剤、或いは前述の特許または特許出願に記載されているような補強用酸化チタンが挙げられる。
III. 本発明の典型的な実施態様
下記の試験においては、本発明を、本発明に従う特定のオルガノシラン、即ち、(3‐(オクチルジスルファニル)プロピル)メチルシランジオールによって実施する。
III‐1 (3‐(オクチルジスルファニル)プロピル)メチルシランジオールの合成
合成を、下記の反応スキームに従って実施する:
Figure 0005806659
a) 化合物Aの合成
Figure 0005806659
ジエチルエーテル(250mL)中のオクタンチオール(45.0g、0.308モル)の溶液を、−22℃に保ったジエチルエーテル(100mL)中のアゾジカルボン酸ジエチル (CAS番号 [1972‐28‐7]を有するDEAD) (51.0g、0.293モル)の溶液に15分に亘って滴下により添加する。反応媒質の温度は、−20℃と−25℃の間である。その後、反応媒質を、−20℃と−25℃の間の温度にて10〜15分間、室温にて1.0〜1.5時間撹拌する。溶媒を減圧(T浴(Tbath)21℃、11ミリバール)下に蒸発させた後、石油エーテル(400mL、40〜60℃留分)を添加し、混合物を−18℃に冷却する。ヒドラゾジカルボン酸ジエチルの沈降物(10.4g)を濾過し、低温石油エーテル(−18℃の2×20mL)で2回洗浄する。溶媒を減圧(T浴23℃、70ミリバール)下に蒸発させた後、生成物Aを、赤色油状物の形で得る。シリカカラム上でのクロマトグラフィー(溶出勾配:石油エーテル/酢酸エチル、10/1〜2/1)によるさらなる精製は、無色油状物の形の生成物A (58.3g、0.173モル)を59%の収率でもって収集するのを可能にする。1H NMRによって推定したモル純度は、90%よりも高い。
b) 化合物Bの合成
Figure 0005806659
3‐メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン (42.4g、0.235モル)を、化合物B (57.9g、0.181モル)に付加する。反応は発熱性である。その後、反応媒質を120℃で2.0〜3.5時間撹拌する。冷却後、石油エーテル(550mL、40〜60℃留分)を添加する。混合物を12時間に亘って−18℃に冷却する。ヒドラゾジカルボン酸ジエチルの沈降物(28.9g、91%収率)を濾過し、石油エーテル(2×20mL、40〜60℃留分、−18℃)で2回洗浄する。溶媒を減圧(T浴45℃、12ミリバール)下に蒸発させた後、得られた油状物を真空下に蒸留する(収集した留分は、98℃ (3.0×10-2ミリバール)と102℃ (4.3×10-2ミリバール)の間の沸点を有する)。生成物B (53.8g、0.167ミリモル)を、無色油状物の形で92%の収率でもって得る。1Hおよび29Si NMRによって推定したモル純度は96%よりも高い(残りの4%は、反応しなかった生成物Aからなる)。
c) 化合物Cの合成
Figure 0005806659
化合物B (53.0g、0.163モル)を、0.5%の酢酸、水(105mL)およびエタノール(530mL)の混合物に添加する。溶液を室温で2〜3時間撹拌し、その後、混合物を水(3600mL)中に注入する。生成物をジエチルエーテル(3×300mL)で抽出する。溶媒を減圧(T浴21℃)下に蒸発させた後、得られた油状物(60 g)を、石油エーテル(850mL、40〜60℃留分)中で−20℃で12〜15時間に亘って再結晶化する。結晶(30.1g)を濾過し、石油エーテル(2×80mL、−18℃)で洗浄し、その後、減圧下に2〜3時間乾燥させる。濾液を200〜250mLまで減圧(T浴21℃)下に蒸発させ、−20℃で2〜3時間結晶化させた後、追加の結晶(5.4g)を濾過し、石油エーテル(2×25mL、−18℃)で洗浄し、その後、減圧下に2〜3時間乾燥させる。
2つの留分を混合し、その後、石油エーテル(580mL、40〜60℃留分)、Et2O (230mL)の混合物中で12時間再結晶化させる。濾過し、石油エーテル(2×60mL、−18℃)で洗浄し、その後、残留溶媒を減圧下に2〜3時間蒸発させた後、生成物 C (30.1g、0.101モル)を、62%の収率でもって、57℃の融点を有する白色固形物の形で得る。1Hおよび29Si NMRによって推定したモル純度は、98%よりも高い。
収率を、母液の補完的結晶化によって70%に達し得る。
III‐2 ゴム組成物の調製
以下の試験を、次の方法で実施する:ジエンエラストマー(SBRとBRのブレンド)、少量のカーボンブラックを補充したシリカ、上記カップリング剤を、その後、1〜2分間混錬した後に、加硫系を除いた各種他の成分を、70%充填し約90℃の初期容器温度を有する密閉ミキサー内に導入する。その後、熱機械加工(非生産段階)を、約165℃の最高“落下”温度に達するまで1工程(約5分に等しい総混錬時間)で実施する。そのようにして得られて混合物を回収し、冷却し、その後、被覆剤(存在する場合)および加硫系(イオウおよびスルフェンアミド促進剤)を、50℃の開放ミキサー(ホモフィニッシャー)において添加し、混ぜ合せた混合物を、約5〜6分間混合する(生産段階)。
その後、そのようにして得られた組成物を、その物理的または機械的性質の測定のためのゴムシート(2〜3mm厚)または薄フィルムの形、或いは、所望寸法に切断および/または組立てた後に、例えば、タイヤ用の半製品として、特に、タイヤトレッドとして直接使用することのできる形状要素の形のいずれかにカレンダー加工する。
III‐3 ゴム組成物の特性決定
III‐3.1 試験1
この試験の目的は、本発明に従うオルガノシランをカップリング剤として含む“標準”ゴム組成物の改良された特性(標準なる用語は、この場合、上記組成物がタイヤ用のゴム組成物において通常に使用する加硫系を含むことを意味するものと理解されたい)を、“標準”ゴム組成物ではあるが、補強用充填剤としてシリカを含むタイヤトレッド用のゴム組成物において一般的に使用するカップリング剤を使用するゴム組成物と比較して実証することである。
このために、ジエンエラストマー(SBR/BRブレンド)をベースとし、高分散性シリカ(HDS)で補強する3通りの組成物を製造する;これらの組成物は、下記の技術的特徴において本質的に異なる:
・組成物C1は、カップリング剤として化合物TESPT (商標名:“Si69”)を含有する対照“標準”組成物である、
・組成物C2は、カップリング剤として化合物TESPD (商標名:“Si266”)を含有する“標準”組成物である、
・“標準”組成物C3は、カップリング剤として本発明に従うオルガノシラン、即ち、(3‐(オクチルジスルファニル)プロピル)メチルシランジオールを含む。
組成物C1〜C3の緒性質を比較できるようにするため、組成物C2〜C3のカップリング剤は、対照組成物C1と比較してケイ素において等モルである含有量で使用する。
対照組成物C1において使用する通常のカップリング剤はTESPTである。TESPTは、下記の構造式を有するビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(Et = エチル)であることを思い起こされたい:
Figure 0005806659
組成物C2において使用するカップリング剤は、ビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドであるTESPDであり、従って、ジスルフィドでもあることから、本発明に従うカップリング剤、即ち、(3‐(オクチルジスルファニル)プロピル)メチルシランジオールにより近い。TESPDは、下記の式を有する:
Figure 0005806659
表1および2は、各組成物の配合(表1:phr、即ち、エラストマー100質量部当り質量部で表す各種成分の含有量)を、さらにまた、硬化(150℃で約40分)前後のこれら組成物の諸性質を示している;加硫系は、イオウとスルフェンアミドとからなる。
硬化前の性質に関する表2からの結果を検証するに、先ずは、対照組成物C1と比較して、カップリング剤として本発明に従う一般式(I)のオルガノシランを含む組成物C3のみが、スコーチ安全性を改良すること(C1の値よりも長いスコーチ時間T5)および組成物の加工性を著しく改良すること(組成物C1におけるよりもはるかに低いムーニー値、C1の値よりも30%低い)の双方を可能にすることを示している。
また、本発明に従うカップリング剤を何ら含まない組成物C2も、組成物C1と比較して、良好なスコーチ安全性を有することに注目し得る。しかしながら、このスコーチ安全特性は、組成物C2のムーニー可塑度の高い値(未硬化状態で加工することを困難にする)を考慮すれば、十分に利用することは困難である。
さらにまた、硬化後のこれら組成物の性質を観察すると、全く明白に、カップリング剤として本発明に従うオルガノシランを含む組成物C3は、ヒステリシスの大きな上昇が観察されている組成物C2 (an(δ)maxとΔG*の高い値)とは異なり、対照組成物C1のヒステリシスと全体的に等価であるヒステリシスを有することが示されている。ヒステリシスは、タイヤの転がり抵抗性の認識された指標である;ヒステリシスが低いほど、転がり抵抗性も低く、従って、そのようなタイヤを装着した自動車の燃料消費も低い。
明らかに、カップリング剤として本発明に従う式(I)のオルガノシランを含む組成物は、対照標準組成物と比較して、等価であるか或いは改良さえされている性質(加工能力、スコーチ安全性)を得ることを可能にしているようである。
さらにまた、本発明に従うオルガノシランの使用は、環境の観点から特に有利であることにも注目し得る。特に、VOC(揮発性有機化合物)類の放出問題に対処することを可能にする。事実、本発明に従うオルガノシランは、ゴム組成物自体の製造中、さらに、これらの組成物を取込んでいるゴム物品の硬化中の双方におけるアルコール(TESPTおよびTESPDの場合はエタノール)の放出源であるアルコキシル基(TESPTまたはTESPDのエトキシル基のような)を何ら有していない。
III‐3.1 試験2
この試験の目的は、本発明に従うオルガノシランをカップリング剤として含む無亜鉛ゴム組成物の改良された性質を、亜鉛を含まないが補強用充填剤としてシリカを含むタイヤトレッド用のゴム組成物において通常に使用するカップリング剤を使用するゴム組成物と比較して実証することである。
このために、ジエンエラストマー (SBR/BRブレンド)をベースとし、高分散性シリカ(HDS)で補強する4通りの組成物を製造する;これらの組成物は、下記の技術的特徴において本質的に異なる:
組成物C1は、試験1による組成物と同一である、亜鉛(1.5phrのZnO)とカップリング剤としての化合物TESPT (商標名:“Si69”)とを含有する対照“標準”組成物である;
組成物C'1は、組成物C1に相応するが、亜鉛を含まない;
組成物C'2は、亜鉛を含まず、化合物TESPD (商標名:“Si266”)をカップリング剤として含む組成物であり、
組成物C'3は、亜鉛を含まず、本発明に従うオルガノシラン、即ち、(3‐(オクチルジスルファニル)プロピル)メチルシランジオールをカップリング剤として含む。
組成物C1およびC'1〜C'3の性質を比較できるようにするために、組成物C'1〜C'3のカップリング剤は、対照組成物C1と比較してケイ素において等モルである含有量で使用する。
表3および4は、各組成物の配合(表3:phr、即ち、エラストマー100質量部当りの質量部で表した各種成分の含有量)を、さらにまた、硬化前のそれらの特性を示す。
予期したとおり、表4を見るに、組成物C'1からの亜鉛の排除は、対照組成物C1と比較して、加工性の低下(ムーニー値の上昇)およびスコーチ時間T5の短縮、従って、スコーチ安全性の低下をもたらすことが観察されている。
組成物C'2は、許容し得るスコーチ時間T5を有するが、許容し得ない加工性の低下(ムーニー値の著しい上昇)有する。
一方、全く驚くべきことに、カップリング剤として本発明に従うオルガノシランを含む組成物C'3は、通常の量で亜鉛を含む対照組成物C1と同等であるスコーチ時間のみならず、この同じ組成物と比較して大いに改良された加工性も有することが観察されている。
明らかに、カップリング剤として本発明に従う式(I)のオルガノシランを含む組成物は、本発明の式と異なる式を有するオルガノシランジスルフィドのような他のカップリング剤を含む組成物と異なり、亜鉛を使用しないで、上記対照標準組成物と比較して等価であるか或いは改良すらされている未硬化状態の性質を得ることを可能にしているようである。
本発明に従うオルガノシランの使用は、試験1において述べたVOC類の放出問題に関連しての、また、ゴム組成物の加硫系からこの組成物の諸性質を悪化させることなく亜鉛を排除し得ることに関連しての環境の観点から特に有利であることに注目すべきである。
表1
Figure 0005806659
(1) 25%のスチレン、59%の1,2‐ポリブタジエン単位および20%のトランス‐1,4‐ポリブタジエン単位を含むSSBR (Tg = −24℃);乾燥SBRとして表した含有量 (9%のMESオイルで増量したSBR、即ち、76phrに等しいSSBR+オイルの総量);
(2) 0.7%の1,2‐、1.7%のトランス‐1,4‐、98%のシス‐1,4‐を含むBR (Nd) (Tg = −105℃);
(3) Rhodia社からの微小真珠形の“Zeosil 1165MP”シリカ (BETおよびCTAB:約150〜160m2/g);
(4) TESPT (Evonik‐Degussa社からの“SI69”);
(5) TESPD (Evonik‐Degussa社からの“Si266”);
(6) (3‐(オクチルジスルファニル)プロピル)メチルシランジオール (合成生成物);
(7) N234 (Evonik‐Degussa社);
(8) MESオイル (Shell社からの“Catenex SNR””);
(9) ポリリモネン樹脂 (DRT社からの“Dercolyte L120”);
(10) ジフェニルグアニジン (Flexsys社からのPerkacit DPG);
(11) マクロ結晶性とミクロ結晶性オゾン劣化防止ワックスの混合物;
(12) 酸化亜鉛 (工業級、Umicore社);
(13) N‐1,3‐ジメチルブチル‐N‐フェニル‐パラ‐フェニレンジアミン (Flexsys社からの“Santoflex 6‐PPD”);
(14) ステアリン(stearine) (“Pristerene 4931”、Uniqema社);
(15) N‐シクロヘキシル‐2‐ベンゾチアジルスルフェンアミド (Flexsys社からの“Santocure CBS”)。
表2
Figure 0005806659
表3
Figure 0005806659
表4
Figure 0005806659

Claims (9)

  1. 下記の一般式Iのオルガノシラン:

    (HO)2 R1Si − Z − Sm − R2

    (式中、R1は、同一または異なるものであって、各々、1〜18個の炭素原子を有する、線状または枝分れのアルキルら選ばれる一価の炭化水素系基を示し;
    R2は、1〜30個の炭素原子を有する、線状または枝分れのアルキルら選ばれる一価の炭化水素系基を示し;
    Zは、C 1 〜C 18 アルキレンおよびC 6 〜C 12 アリーレンから選ばれ;そして、
    mは、2以上の数である)。
  2. mが、2に等しい、請求項1記載のオルガノシラン。
  3. 上記式中、R1が、メチル、エチル、n‐プロピルおよびイソプロピルからばれ、請求項1および2のいずれか1項記載のオルガノシラン。
  4. Zが、C1〜C10アルキレンから選ばれる、請求項記載のオルガノシラン。
  5. R1が、メチルである、請求項又は記載のオルガノシラン。
  6. R2が、1〜18個の炭素原子を有するアルキルから選ばれる、請求項のいずれか1項記載のオルガノシラン。
  7. mが2に等しく、R1がメチルであり、R2がオクチルであり、Zがプロピレンである、請求項のいずれか1項記載のオルガノシラン。
  8. 下記の工程を含む、請求項1〜のいずれか1項記載のオルガノシランの取得方法:
    ・ジアゾジカルボキシレートに、下記の式(II)のメルカプタンを付加してチオヒドラジンを形成させる工程:
    R2‐SH
    (式中、R2は、式(I)におけるのと同じ意味を有する);
    ・得られたチオヒドラジンを、下記の式(III)の第2のメルカプタンで置換する工程:
    (R3O)2 R1 Si‐Z‐SH
    (式中、R1およびZは、式(I)と同じ意味を有し;R3は、同一または異なるものであって、1〜6個の炭素原子を有するルキルから選ばれる一価の炭化水素系基を示す);
    ・式(I)の目的オルガノシランを得ることを可能にする加水分解を、酸性媒質中で実施する工程。
  9. 請求項1〜のいずれか1項記載のオルガノシランのカップリング剤としての使用。
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