JP2018080754A - エンジン回りのガスケット及びその製造方法 - Google Patents

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忠志 笠本
Tadashi Kasamoto
忠志 笠本
庸介 高森
Yasusuke Takamori
庸介 高森
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Abstract

【課題】高温下での耐酸性に優れたエンジン回りのガスケット及びその製造方法を提供する。【解決手段】エンジン回りのガスケット用のゴム組成物であって、フッ素ゴム又は水素化ニトリルゴムから選択されるゴム(A)100質量部及びシリル化されたクレー(B)5〜60質量部を含有するゴム組成物。また、ゴム成形品は、ゴム(A)とクレー(B)を混練してゴム組成物を得る混練工程と、ゴム組成物を加硫する加硫工程とを備える製造方法によって製造される。こうして得られたゴム成形品は、エンジンのインテークマニホールド用ガスケットとして好適に用いられる。【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン回りのガスケットに関する。また、本発明は当該ガスケットの製造方法に関する。
ゴム組成物は、その弾性的性質を生かして、幅広い用途に用いられている。中でも、流体を封止するためのガスケットとして広く用いられている。ガスケットに用いられる、タルクやクレーを配合したゴム組成物として、例えば特許文献1〜3に記載のゴム組成物が挙げられる。
特許文献1には、フッ素含量が64重量%以上のパーオキサイド架橋可能なテトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロペン3元共重合ゴム100重量部、(A)比表面積が5〜20m/gのカーボンブラック5〜90重量部、(B)瀝青質微粉末5〜40重量部、(C)親水性付与タルク1〜30重量部および親水性付与クレーの少なくとも一種1〜20重量部および、(D)有機過酸化物0.5〜6重量部を含有してなり、燃料油と接触する燃料油系シール材の成形材料として用いられるフッ素ゴム組成物が記載されている。
特許文献2には、水素化ニトリルゴム又はニトリルゴムの一方又は双方よりなるゴム成分100重量部当たり、10〜150重量部のカーボンブラックと、10〜150重量部のシランカップリング剤で処理されたクレーと有機過酸化物1〜10重量部を配合してなることを特徴とするゴム組成物が記載されている。
特許文献3には、NBRまたはそれを主成分とするゴム組成物において、ゴム100PHRに対し酸化亜鉛を10PHR以上と、シラン処理クレーを主成分に配合したことを特徴とするゴム組成物が記載されている。
しかしながら、特許文献1〜3に記載のゴム組成物を加硫してなるエンジン回りのガスケットは、高温下における耐酸性が十分ではなかった。
国際公開第2012/137724号 特開平11−100464号公報 特開2007−269856号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、高温下での耐酸性に優れたエンジン回りのガスケット及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、フッ素ゴム又は水素化ニトリルゴムから選択されるゴム(A)100質量部及びシリル化されたクレー(B)5〜60質量部を含有するゴム組成物を加硫してなるゴム成形品を有するエンジン回りのガスケットを提供することによって解決される。
このとき、クレー(B)の表面がアルコキシシランでシリル化されてなることが好ましい。前記アルコキシシランがシランカップリング剤であることも好ましい。また、前記ゴム組成物が、カーボンブラックを実質的に含有しないことが好ましい。
また、JIS K 6258(2003)に準拠して、pH3の酢酸水溶液を試験用液体として用いて行った前記ゴム成形品の硬さ試験において、試験前後の硬さ(デュロメータータイプA)の差が6以下であることが好ましい。JIS K 6258(2003)に準拠して、pH3の酢酸水溶液を試験用液体として用いて行った前記ゴム成形品の体積変化率の試験において、体積変化率が7%以下であることも好ましい。
上記課題は、上記ガスケットの製造方法であって、ゴム(A)とクレー(B)を混練してゴム組成物を得る混練工程と、前記ゴム組成物を加硫する加硫工程とを備えるガスケットの製造方法を提供することによっても解決される。
前記ガスケットがインテークマニホールド用ガスケットであることが本発明の好適な実施態様である。
本発明により、高温下での耐酸性に優れたエンジン回りのガスケット及びその製造方法を提供することができる。
インテークマニホールド用のガスケット1をエンジンに装着した例を示す断面図である。
本発明は、ゴム組成物を加硫してなるゴム成形品を有するエンジン回りのガスケットに関する。エンジン回りは、高温の燃焼ガスや劣化オイルに晒されるので、用いられるガスケットには高温下でも高度な耐酸性が要求される。本発明のガスケットは高温下での耐酸性に優れているので、エンジン回りのガスケットに好適に用いられる。このときのガスケットは、ゴム組成物を加硫してなるゴム成形品のみからなるものであってもよいし、ゴム組成物を加硫してなるゴム成形品と金属などの他の部材と接着して複合化されたものであってもよい。
ここで、エンジン回りのガスケットとは、インテークマニホールドとシリンダヘッドとの締結部、シリンダヘッドカバーとシリンダヘッドとの締結部、オイルパンとシリンダブロックとの締結部、エアクリーナとスロットルボディとの締結部などに用いられるガスケットである。
近年、燃費向上などの観点から、エンジンの燃焼ガスの一部を排気再循環(ERG:Exhaust Gas Recirculation)させ、吸入空気とEGRガスとの混合ガスを燃焼室で燃焼させるエンジンが使用されるようになっている。本発明のガスケットは、高温下でも優れた耐酸性を有するので、インテークマニホールド用ガスケットとして特に好適に用いられる。
本発明におけるゴム組成物は、フッ素ゴム又は水素化ニトリルゴムから選択されるゴム(A)100質量部及びシリル化されたクレー(B)5〜60質量部を含有するものである。そして、本発明におけるゴム成形品は、上記ゴム組成物を加硫してなるものである。
本発明においては、シリル化されたクレー(B)を用いることが重要である。本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ゴム(A)に対して、シリル化されたクレー(B)を特定量配合し、得られたゴム組成物を加硫することで、高温下での耐酸性に優れたガスケットが得られることを見出した。以下、本発明のゴム組成物及びゴム成形品について説明する。
[ゴム(A)]
(フッ素ゴム)
フッ素ゴムの種類は特に限定されず、例えば、ビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、ビニルフルオライド等のフルオロオレフィン;パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテル等のフルオロアルキルビニルエーテルなどの単量体を重合させたものが挙げられる。中でも、ビニリデンフルオロライド由来の構成単位を含有する二元系フッ素ゴム又は三元系フッ素ゴムが好ましく、耐熱性に優れている観点から、三元系フッ素ゴムがより好ましい。
二元系フッ素ゴムとしては、例えば、ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/プロピレン共重合体などが挙げられる。また、三元系フッ素ゴムとしては、例えば、ビニリデンフロライド/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド/テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体などが挙げられる。
また、フッ素ゴムにおけるフッ素含有量は特に限定されないが、耐熱性の観点から、フッ素含有量が50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。フッ素含有量の上限値は特に限定されないが、通常、80質量%以下である。
フッ素ゴムのムーニー粘度(ML1+4、100℃)は20〜120であることが好ましい。得られるゴム成形品の機械特性を向上させる観点から、ムーニー粘度は50以上であることがより好ましい。一方、混練の容易さの観点から、ムーニー粘度は100以下であることがより好ましい。
(水素化ニトリルゴム)
本発明で用いられる水素化ニトリルゴム(以下、水素化ニトリルゴムをHNBRと略記することがある)の種類は特に限定されず、アクリロニトリルと1,3−ブタジエンの共重合体を水素添加したものを用いることができる。水素添加に際しては、重合後の1,3−ブタジエン単位に残存する二重結合に対して水素が付加する。HNBRのヨウ素価は80g/100g以下であることが好ましい。ヨウ素価が大きすぎると、耐熱老化性や耐薬品性が低下することがある。ヨウ素価は、より好適には60g/100g以下であり、さらに好適には30g/100g以下である。
HNBR中のアクリロニトリル単位の含有量は、15〜50質量%であることが好ましい。また、1,3−ブタジエン単位の含有量は水添されたものも含めて、50〜85質量%であることが好ましい。本発明の効果を阻害しない範囲であれば、他の共重合可能な単量体由来の構成単位を含んでいても構わないが、通常その含有量は10質量%以下であり、好適には5質量%以下である。
HNBRのムーニー粘度(ML1+4、100℃)は20〜120であることが好ましい。得られるゴム成形品の機械特性を向上させる観点から、ムーニー粘度は50以上であることがより好ましい。一方、成形時の流動性の観点から、ムーニー粘度は100以下であることがより好ましい。
本発明において、より高温における耐酸性に優れたガスケットを得る観点からは、フッ素ゴムを用いることが好ましく、材料コストを重視する場合には、HNBRを用いることが好ましい。
[クレー(B)]
本発明で用いるクレー(B)は表面がシリル化されたクレーである。クレーとは、含水ケイ酸アルミニウムを主成分とする微細な鉱物粒子からなる粉末である。表面をシリル化することのできるクレーであればその種類は特に限定されず、カオリン、ろう石、セリサイト、タルク、モンモリロナイトなどが挙げられる。本発明で用いられるクレーは、湿式クレー、乾式クレー又はこれらを焼成した焼成クレーのいずれであってもよい。また、クレーは、一般的に、ゴムに配合した際の練り生地の硬さなどに応じて、ハードクレーとソフトクレーとに分類されることがあるが、そのいずれであってもよい。これらのクレーは、得られるゴム成形品の要求性能に応じて適宜使い分けることができる。
本発明においては、クレー(B)の表面がアルコキシシランでシリル化されてなることが好ましい。クレーとアルコキシシランとを反応させることで、クレー表面の水酸基と、アルコキシシランのアルコキシ基が反応して表面がシリル化されたクレー(B)を得ることができる。
このとき、ゴム(A)との混合性の観点から、上記アルコキシシランがシランカップリング剤であることが好ましい。シランカップリング剤は反応性官能基を有する有機基が結合したアルコキシシランである。当該反応性官能基としては、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基が挙げられる。メルカプト基又はアミノ基を有するカップリング剤でシリル化されたクレーを用いることが好ましい。引張強さ向上の観点から、メルカプト基を有するカップリング剤でシリル化されたクレーを用いることが好ましい。
クレー(B)の配合量は、ニトリルゴム(B)100質量部に対して5〜60質量部である。クレー(B)の配合量が5質量部未満の場合、クレー(B)を添加する効果が不十分となる。クレー(B)の配合量は10質量部以上であることが好ましい。一方、クレー(B)の配合量が60質量部を超えると、成形性が悪化する。クレー(B)の配合量は50質量部以下であることが好ましい。また、クレー(B)の平均粒子径は、0.2〜8.0μmであることが好ましい。
本発明におけるゴム組成物が、カーボンブラックを実質的に含有しないことが好ましい。ゴム組成物にカーボンブラックを配合することにより耐酸性を向上させることもできる。しかしながら、カーボンブラックが配合されたゴム組成物を加硫して得られるゴム成形品は黒色となる。黒色のゴム成形品をエンジン回りに用いると、エンジンを構成する部品と見分けがつかず作業効率が低下することがある。カーボンブラックを実質的に含まないガスケットは任意の色に着色することが可能であるので、エンジンを構成する部品との見分けが容易である。
本発明におけるゴム組成物は、加硫剤(架橋剤)を含むことが好ましい。加硫剤(架橋剤)としては、過酸化物、硫黄、ポリアミン、ポリオールなど、フッ素ゴムやHNBRの加硫に通常用いられるものを採用することができる。架橋剤の量はゴム(A)100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましい。加硫剤の含有量が0.1質量部未満の場合、加硫時間が長くなるとともに、得られるゴム成形品の機械特性が悪化するおそれがある。加硫剤の含有量は、好適には0.2質量部以上である。一方、加硫剤の含有量が10質量部を超える場合、得られるゴム成形品の機械特性が悪化するおそれがある。加硫剤の含有量は、好適には2質量部以下である。
本発明におけるゴム組成物は、トリアリルイソシアヌレートなどの共加硫剤(共架橋剤)を含むことも好ましい。共架橋剤の量はゴム(A)100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましい。共加硫剤の含有量が0.1質量部未満の場合、加硫時間が長くなるとともに、得られるゴム成形品の機械特性が悪化するおそれがある。共加硫剤の含有量は、好適には1質量部以上である。一方、加硫剤の含有量が10質量部を超える場合、得られるゴム成形品の機械特性が悪化するおそれがある。加硫剤の含有量は、好適には5質量部以下である。
上記ゴム組成物は、本発明の効果が阻害されない範囲において、ゴム(A)及びシリル化されたクレー(B)以外の他の成分を含んでいてもかまわない。他の成分としては、加硫促進剤、加硫遅延剤、接着剤、受酸剤、着色剤、フィラー、可塑剤、加工助剤、老化防止剤などの各種の添加剤が挙げられる。
本発明のガスケットの製造方法は特に限定されないが、その好適な製造方法は、ゴム(A)とクレー(B)を混練してゴム組成物を得る混練工程と、前記ゴム組成物を加硫する加硫工程とを備える方法である。
上記の方法において、ゴム(A)及びクレー(B)は上述したものを用いることができ、これらの配合量も上述した量とすることができる。上記混練工程において、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、上述の通り、ゴム(A)及びクレー(B)以外のものを加えることができる。
混練工程において上記成分を混合する方法は特に限定されず、オープンロール、ニーダ、バンバリーミキサ、インターミキサ、押出機などを用いて混練することができる。中でも、オープンロール又はニーダを用いて混練することが好ましい。混練時の温度は60〜150℃とすることが好ましい。
こうして得られたゴム組成物を成形して、次の加硫工程で加硫することによって、本発明のガスケットが得られる。
加硫は、上記ゴム組成物をガスケットの形状に成形し、加熱することにより加硫する。ゴム組成物の成形方法としては、押出成形、圧縮成形、射出成形などが挙げられる。中でも圧縮成形が好適である。加硫温度は、140〜250℃であることが好ましい。加硫時間は、1〜30分であることが好ましい。また、ガスケットの形状や寸法などによっては、表面が加硫されていても内部まで十分に加硫されていない場合があるので、さらに加熱して二次加硫を行ってもよい。加硫するための加熱方法としては、圧縮加熱、スチーム加熱、オーブン加熱、熱風加熱などの、ゴムの加硫に用いられる一般的な方法が用いられるが、圧縮加熱が好適である。
また、金型に芯金と本発明におけるゴム組成物とを充填してプレスすることで加硫することもできる。これにより芯金の表面がゴム成形品で被覆されたガスケットを得ることができる。
このとき用いられる芯金としては、鉄、アルミニウム等からなる金属板又はこれらの合金板が挙げられる。これらの芯金は、めっきなどの表面処理が施されたものであってもかまわない。例えばJIS G3313で示されるSECC、JIS G4305で示されるSUS301、JIS G3141で示されるSPCCなどが挙げられる。ゴム成形品と芯金との密着性を向上させる観点から、芯金は、その表面に接着剤が塗布されたものであってもかまわない。接着剤としてはフェノール系接着剤、エポキシ系接着剤、シランカップリング剤などが挙げられる。
芯金の形状は特に限定されないが通常、環状である。また、芯金の厚さ及びゴム成形品の厚さは特に限定されず、ガスケットの大きさなどに応じて適宜設定することができる。
こうして得られるゴム成形品は、JIS K 6258(2003)に準拠して、pH3の酢酸水溶液を試験用液体として用いて行った硬さ試験において、試験前後の硬さ(デュロメータータイプA)の差が6以下であることが好ましい。ここで、試験前後の硬さの差とは、試験後の硬さ(α)と試験前の硬さ(β)の差の絶対値|α−β|のことである。シール性の観点から、試験前後の硬さの差は4以下であることがより好ましく、3以下であることがさらに好ましい。
pH3の硝酸水溶液を試験用液体として用いて行った硬さ試験においては、試験前後の硬さ(デュロメータータイプA)の差が6以下であることが好ましい。シール性の観点から、試験前後の硬さの差は3以下であることがより好ましく、2以下であることがさらに好ましい。
また、得られたゴム成形品は、JIS K 6258(2003)に準拠して、pH3の酢酸水溶液を試験用液体として用いて行った体積変化率の試験において、試験後の体積変化率が7%以下であることが好ましい。シール性の観点から、体積変化率が5%以下であることがより好ましく、4%以下であることがさらに好ましい。
pH3の硝酸水溶液を試験用液体として用いて行った体積変化率の試験においては、試験後の体積変化率が7%以下であることが好ましい。シール性の観点から、体積変化率が4%以下であることがより好ましい。
次に、本発明のエンジン回りのガスケットの一例を示す。図1は、インテークマニホールド用のガスケット1を、インテークマニホールド2とシリンダヘッド3との間に装着した例を示す断面図である。図1に示すガスケット1はゴム成形品のみからなるものであって、断面縦長楕円形のOリング形状に形成されている。インテークマニホールド2は溝部21を有し、この溝部21にガスケット1が挿着される。なお、ガスケット1には、弾性体22a、22bからなる突起状のガスケット脱落防止手段が、周方向に適宜間隔を空けて複数設けられている。ガスケット1が挿着された後、インテークマニホールド2はボルト等の締付け具によって矢印101、102方向に締め付けられてシリンダヘッド3と締結される。
本発明のガスケットは高温下での耐酸性に優れているので、エンジン回りのガスケット、特に図1に示すようなインテークマニホールド用のガスケットに好適に用いられる。
以下の実施例で使用した原料は以下の通りである。
・フッ素ゴムA
ダイキン工業株式会社製「ダイエル G−952」(フッ素濃度(質量%)68.5、比重(23℃)1.84、ムーニー粘度(ML1+10、100℃)80)
上記「ダイエル G−952」はビニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体の三元系フッ素ゴムである。
・フッ素ゴムB
ダイキン工業株式会社製「ダイエル LT−302」(フッ素濃度(質量%)64.5、比重(23℃)1.80、ムーニー粘度(ML1+10、100℃)68)
上記「ダイエル LT−302」は、ビニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体からなるフッ素ゴムである。
・水素化ニトリルゴム
日本ゼオン株式会社「Zetpol 2020」
(結合アクリロニトリル量中心値(%)36.2、ヨウ素価中心値(mg/100mg)28、ムーニー粘度(中心値)78
・クレーA
白石カルシウム株式会社製のアミノシラン処理焼成カオリン「ST−100」
pH:7.8、平均粒子径:3.5μm
・クレーB
白石カルシウム株式会社製のメルカプトシラン処理カオリン「ST−309」
pH:5.0、平均粒子径:0.7μm
・クレーC
バーゲス・ピグメント社製のシラン処理されていないクレー「オプチホワイトP」
pH:4.0、平均粒子径:1.4μm
・シリカ
東ソー・シリカ株式会社製のシリカ「Nipsil ER」
平均粒径:12.0μm、BET比表面積:120m/g、DBA値:200mmol/kg
上記「Nipsil ER」はシリカ表面のシラノール基の水素原子はケイ素原子で置換されていないものである。
・トリアリルイソシアヌレート(共架橋剤)
日本化成株式会社製「TAIC」
・1,4−ビス[(t−ブチルパーオキシ)イソプロピル]ベンゼン(架橋剤)
日本油脂株式会社製「パーブチル P」
実施例1
(加硫ゴムシートの作製)
以下に示す組成の混合物を、オープンロールを用いて温度80℃で30分間混練し、厚さ3mmの未加硫ゴムシートを作製した。そして、得られた未加硫ゴムシートを180℃で10分間プレス加硫して縦(長辺)150mm×横(短辺)120mm×厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。また、その後、オーブンにより、200℃、2時間の二次加硫を行った。得られた加硫ゴムシートの色は薄い褐色であった。
・フッ素ゴムA:100質量部
・クレーA:30質量部
・共架橋剤:3質量部
・架橋剤:1.5質量部
(インテークマニホールド用ガスケットの作製)
上記「加硫ゴムシートの作製」で用いた混合物をニーダーにより混合してゴム組成物を得た。次に、リング状の金型を用意して、インジェクション成形機により当該金型内にゴム組成物を射出し、170℃、20分で加硫成形を行った。その後、ゴム成形品を金型から取り外し、オーブンにより、170℃、4時間の二次加硫を行うことで、リング状のガスケットを得た。このバスケットの色は薄い褐色であった。このガスケットは、エンジンのインテークマニホールドの溝部に装着可能である。
[評価]
(引張試験)
JIS K6251に準拠して引張試験を行った。得られた未架橋ゴムシートを用い180℃で3分間プレスして架橋させて厚さ2mmの架橋ゴムシートを得た。得られた架橋ゴムシートを打ち抜いて得られた、ダンベル状3号形の試験片を用い、23℃、相対湿度50%において、引張速度500mm/分の引張速度で、引張強さ(MPa)と伸び(%)を測定した。その結果、引張強さは16.8MPaであり、伸びは280%であった。これらの結果を表1に示す。
(硬さ変化及び体積変化率の測定)
試験片として、縦(長辺)30mm×横(短辺)20mm×厚さ2mmの加硫ゴムシートを準備し、この試験片を90℃の酢酸水溶液(pH3)に72時間浸せきさせた後、硬さ変化及び体積変化率の測定を行った。JIS K 6258(2003)に記載されている方法に従い測定し試験片の硬さ(デュロメータ タイプA)を測定して、JIS K 6258(2003)5.6.8の式(11)に基づいて硬さ変化を測定した。結果を表1に示す。浸せき前の試験片の硬さは表1に記載の通りである。表1に示すように、試験前後の硬さの差の絶対値は2であった。なお、測定値がマイナスであるということは、酢酸水溶液に浸せきさせたことにより軟化したことを示している。
また、JIS K 6258(2003)5.6.1の式(2)に基づいて体積変化率を測定した。結果を表1に示す。体積変化率は+2%であった。なお、体積変化率がプラスであるということは、酢酸水溶液に浸せきさせたことにより膨張したことを示している。
試験用液体を、pH3の硝酸水溶液に変えて上記と同様の方法により、硬さ変化及び体積変化率の測定を行った。結果を表1に示す。
実施例2〜5及び比較例1〜4
上記「加硫ゴムシートの作製」において、成分の種類及び量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてゴムシートを得た。そして、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
1 インテークマニホールド用のガスケット
101、102 締め付け方向
2 インテークマニホールド
21 溝部
22a、22b 弾性体

Claims (8)

  1. フッ素ゴム又は水素化ニトリルゴムから選択されるゴム(A)100質量部及びシリル化されたクレー(B)5〜60質量部を含有するゴム組成物を加硫してなるゴム成形品を有するエンジン回りのガスケット。
  2. クレー(B)の表面がアルコキシシランでシリル化されてなる請求項1に記載のガスケット。
  3. 前記アルコキシシランがシランカップリング剤である請求項2に記載のガスケット。
  4. 前記ゴム組成物が、カーボンブラックを実質的に含有しない請求項1〜3のいずれかに記載のガスケット。
  5. JIS K 6258(2003)に準拠して、pH3の酢酸水溶液を試験用液体として用いて行った前記ゴム成形品の硬さ試験において、試験前後の硬さ(デュロメータータイプA)の差が6以下である請求項1〜4のいずれかに記載のガスケット。
  6. JIS K 6258(2003)に準拠して、pH3の酢酸水溶液を試験用液体として用いて行った前記ゴム成形品の体積変化率の試験において、体積変化率が7%以下である請求項1〜5のいずれかに記載のガスケット。
  7. インテークマニホールド用ガスケットである請求項1〜6のいずれかに記載のガスケット。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のガスケットの製造方法であって、ゴム(A)とクレー(B)を混練してゴム組成物を得る混練工程と、前記ゴム組成物を加硫する加硫工程とを備えるガスケットの製造方法。
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