(パチンコ機の構成)
図1に示されるように、パチンコ機10の前面下部には、化粧パネルとなる下飾り12が取り付けられている。
また、パチンコ機10の下飾り12の上部には、互いに平行、かつ奥行き方向に所定の間隔をおいて配置された一対のガラス板14を装着したガラス枠16が配置されており、ガラス枠16は左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。このガラス枠16の奥側には、着脱交換可能な遊技盤18がセットされており、遊技盤18は、ガラス枠16で閉塞された状態でガラス板14に対向するようになっている。
ガラス枠16の下部には、一体皿24が配置されている。一体皿24の図1の右端部には、鍵穴27が設けられ、この鍵穴27にキーを差し込み、左右の内、一方に回すとガラス枠16が開放し、他方に回すと一体皿24が開放する。
一体皿24には、上皿部28と、下皿部30とが設けられている。上皿部28を形成する周縁壁部32には、上皿球抜きレバー34が設けられ、この上皿球抜きレバー34を操作することで、上皿部28に貯留された遊技球を下皿部30へ送り出すことができるようになっている。また、下皿部30には、下皿球抜きボタン36が設けられ、この下皿球抜きボタン36を操作することで、下皿部30に貯留された遊技球PBを外部(例えば、所謂「ドル箱」)へ排出することができるようになっている。
上皿部28の周縁壁32における図1の右端部には、球貸ボタン42と、返却ボタン44が設けられている。
また、一体皿24の右側下部には打球の発射力(飛距離)を調整するためのグリップユニット(発射ハンドル)26が取り付けられ、左側下部には、灰皿46が取り付けられている。
一体皿24における下皿部30の図1の右側には受け皿スピーカ60Uが配置されている。
ここで、一体皿24における上皿部28の周縁壁32には、遊技者が操作可能な操作ボタン50が設けられている。この操作ボタン50は、遊技中において、操作有効期間中に操作することで、演出画像に対して介入することができるようになっており、それぞれの遊技仕様によって設定される。
ガラス枠16におけるガラス板14の周囲には、アーチ状に遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による視覚的効果や、音声等による聴覚的効果等の演出効果を生み出す上部演出部52が配置されている。この上部演出部52の下端部は、一体皿24の周囲に略U字型に配置された下部演出部54の上端部と連結されている。
この結果、上演出部52と下演出部54とで、遊技盤18の周囲を取り囲むように、演出部56が形成されている。
この演出部56は、上演出部52及び下演出部54共に、照明部材(LED等)が取り付けられた基板(図示省略)と、この基板を覆うように、所定の意匠で形成されたレンズカバー58が取り付けられている。
レンズカバー58は、前記照明部材が点灯する領域を区画するよう凹凸状にカットされており、区画された領域(以下、必要に応じて「レンズ部58」という)毎に照明部材の点灯制御がなされる。なお、照明部材は基本的にR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色に点灯するLEDが1組となっており、それぞれの点灯時の光量比により、様々な配色の点灯が可能となっている。また、ガラス枠の上部角部には、それぞれ三連表示62が設けられ、遊技状態の報知(エラー報知等を含む)に適用される。
また、前記上演出部52における、ガラス枠16の上部円弧の約1/3に相当する領域の中央及び両端には、ガラス枠スピーカ60C、60L、60Rが内蔵され、照明と同時に、音声を出力する。
なお、以下では、前述した受け皿スピーカ60Uと、このガラス枠スピーカ60C、60L、60Rを総称して、「スピーカ60」という。
(遊技盤の構成)
図2に示される遊技盤18は、基板となるベニヤ板に樹脂製シート状のセルが貼着されてそのセルの表面が盤面となっており、盤面の外周端部付近に、円弧状の外レール102及び内レール104が取り付けられている。
前記外レール102及び内レール104との間は、一定の間隔を持って球案内流路197が形成されている。球案内流路197は、発射装置165(図3参照)から発射された遊技球PBを遊技盤18の円形状の領域(遊技領域)へ案内する役目を有している。なお、この球案内流路197の終端には、球逆流防止弁199が取り付けられている。球逆流防止弁199は、その基部が内レール104の先端部に取り付けられ、外レール102方向に延長されている。
前記遊技盤18における、外レール102(並びに一部が内レール104)によって囲まれた円形状の領域は、発射装置165(図3参照)から発射されて、前記球案内流路197を介して打ち込まれた遊技球PBが自重落下により移動可能とされ、この領域が遊技を行う遊技領域とされている。
遊技盤18の遊技領域には、遊技釘及び風車21が点在して打ち込まれている。また、遊技領域におけるほぼ中央には、センター役物105が配置されている。センター役物105は、各種演出等の映像を表示する液晶表示部(LCD表示部)106を備えている。
LCD表示部106では、例えば、3列の図柄列が独立して変動し、最終的に3列の図柄列が同一図柄で停止した場合に特別図柄抽選の当選を報知するといった、図柄変動パターン演出が実行される。なお、3列の内、先に2列が同一図柄で停止(仮停止)して、残りの1列が変動中の場合を、「リーチ」という。
センター役物105の下辺部は、ステージ105Sが形成されている。ステージ105Sには、釘等で跳ね返えることで受け入れた遊技球PB、或いは図示しないワープ路に案内されて受け入れた遊技球PBが送り込まれるようになっている。
ステージ105Sは、傾斜面や突起部等が形成され、前記遊技球PBの移動が当該傾斜面や突起部等により不規則に変化し、最終的に下辺手前から遊技盤18へ戻されるようになっている。
図2に示される如く、センター役物105の図2に向かって左側には、普通図柄抽選の始動機能を持つ通過ゲート118が配置されている。
また、センター役物105の下部には、特別図柄始動入賞口(A)130と特別図柄始動入賞口(B)134とが縦列に配置されている。
特別図柄始動入賞口(A)130が常時入賞可能に上部が開口しており、一方、特別図柄始動入賞口(B)134の上部開口は、特別図柄始動入賞口(A)130が閉塞している。
この特別図柄始動入賞口(B)134には、電動チューリップ136が取り付けられている。電動チューリップ136は、遊技盤18の裏面側に配設された電チューソレノイド138(図3参照)の通電・非通電によって開閉する構成となっている。
ここで、電動チューリップ136が開放状態になると、特別図柄始動入賞口(B)の入賞開口部へのパチンコ球PBの受け入れが可能となり、パチンコ球PBの入賞が可能となる。
さらに、図2に示される如く、前記特別図柄始動入賞口(B)134のさらに下部には、遊技領域の下端部付近に位置してアタッカー112が配置されている。
アタッカー112には、開閉扉116が設けられている。この開閉扉116が、アタッカーソレノイド148(図3参照)の通電・非通電によって開放又は閉塞する。すなわち、開閉扉116の開放時には、開閉扉116上に落下した遊技球PBが開閉扉116に案内されてアタッカー112へ入賞する。
また、遊技領域の最下位置には、外れ球を遊技盤18の裏側へ排出するアウト口124が設けられている。
さらに、センター役物105よりも下、かつ特別図柄始動入賞口(A)130と特別図柄始動入賞口(B)134の左右には、複数の一般入賞口120(本実施の形態では、図2に向かって左側に2個の一般入賞口120A、120C、右側に1個の一般入賞口120Cとする。)が設けられている。なお、一般入賞口120は、3個に限られるものではなく、例えば、入賞率等の設計上の演算によってその数を決めればよい。
また、この遊技領域に設けられたセンター役物105や盤面周縁には、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による演出効果を生み出す照明演出用の発光素子136(図3参照)が多数設けられている。
ここで、特別図柄始動入賞口(A)130又は特別図柄始動入賞口(B)134に遊技球PBが入賞すると、特別図柄抽選が実行され、この特別図柄抽選に当選すると、前記アタッカー112の開閉扉116が所定のパターンで開閉動作し、これを所定回数(所定ラウンド)繰り返すようになっている(「特別遊技状態」又は「大役処理」等と言う場合がある)。
なお、前記特別図柄抽選の当選/落選は、主としてLCD表示部106の図柄変動表示演出において報知され、この図柄変動パターン演出中、或いは、前記大役処理中の場合は、抽選結果を保留し、順次報知していくようになっている。また、図柄変動表示演出と共に、動物などが擬人化されたキャラクタが表示され、抽選で当選した旨を暗示させることにより、遊技者に期待感を持たせるといった、視覚的な演出をすることがあり、その場合は効果音によって聴覚からも遊技者の興趣を増大させる。
なお、本実施の形態では、1個の特別図柄始動入賞口に対して最大4個(本実施の形態では、特別図柄始動入賞口(A)130及び特別図柄始動入賞口(B)134の2個の特別図柄始動入賞口なので、8個となる。)の保留が可能となっている。なお、この保留球数に限定されるものではない。
保留球数は、センター役物105における、図2に向かって右下に配置され、主として特図表示部を備えた遊技進行ガイドランプユニット109の一部である保留ランプによって報知される他、LCD表示部106の一部を用いて、遊技者に見易く表示するようになっている。
(制御系の構成)
次に、図3を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。
図3に示されるように、本実施形態に係るパチンコ機10の制御系は、主制御部150を中心として構成されており、この主制御部150には、演出制御部152と払出制御部154とが接続されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
主制御部150からは盤用外部端子190を介してホールコンピュータ(図示省略)へ遊技の進行状態を示す情報(始動入賞信号や大当たり信号、図柄確定回数信号)が送信される。
主制御部150には、入力系として、通過ゲート118を通過する遊技球PBを検出する通過ゲートセンサ118S、特別図柄始動入賞口(A)130への入賞球を検出する特図A始動口センサ130S、特別図柄始動入賞口(B)134への入賞球を検出する特図B始動口センサ134S、特別遊技状態の際に開放するアタッカー112への入賞球を検出するアタッカーセンサ112S、一般入賞口120A、120B、120Cへの入賞球を検出する一般入賞センサ120AS、120BS、120CSが接続されている。
また、主制御部150には、出力系として、遊技情報をランプの点灯状態で報知するガイドランプユニット109、電動チューリップ136を開閉する電チューソレノイド138、アタッカー112の開閉扉116を開閉するためのアタッカーソレノイド148が接続されている。
演出制御部152には、入力系として、操作ボタン50が接続されている。また、演出制御部152には、出力系として、パチンコ機10の各種遊技部品に設けられた照明演出用の発光素子136、スピーカ60が接続されている。
さらに、演出制御部152には、図柄制御部156を介してLCD表示部106が接続されている。
払出制御部154には、払出装置160及び発射制御部164が接続され、発射制御部164には発射装置165が接続されている。この払出制御部154は、パチンコ機10内に設けられた払出装置160を作動させて、賞球又は貸し球の払い出し及び停止動作と払出数を制御する。また、発射制御部164は、遊技者によるグリップユニット26(図1参照)の操作により発射装置165を作動させて、遊技球PBの発射開始、及び、グリップユニット26の操作量に応じた発射力を制御する。
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子191を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータ(図示省略)へ送信するようになっている。
ここで、前記演出制御部152では、通常遊技中において、LCD表示部106を制御して、帯状に所定ピッチで図柄が配置された3列の図柄列と、その大当たり画像データ記憶部画像を表示し、特別図柄始動入賞口(A)130又は特別図柄始動入賞口(B)134に遊技球PBが入賞したことにより実行される特別図柄抽選の結果を、前記3列の図柄列を独立して変動し、最終的に停止したときの3列の図柄列の種類によって報知している。前述の如く、3列の図柄列の停止図柄が全て同一図柄で停止した場合に特別図柄抽選は「当選」となり、特別遊技状態(大当たり処理)へ移行することになる。
前記演出制御部152では、特別遊技中において、LCD表示部106を制御して、一般的に、予め定めた当選を祝福し、遊技を盛り上げることを目的とした大当たり用画像が表示されるようになっている。大当たり用画像は、遊技機10のテーマに即して複数種類の画像が準備されており、自動的或いは遊技者の操作ボタン50による指定操作を絡めて特定され、実行されるようになっている。
また、演出制御部152では、前記大当たり用画像に重ねて、特別遊技の進行状況を報知するようになっている。この特別遊技の進行状況とは、アタッカー112の開閉回数(ラウンド数)とするのが一般的である。ラウンド数は、特別図柄抽選時に当選と同時、或いはこれに続けて実行される別抽選で決定されるようになっている。
従来は、このラウンド数を報知するためのラウンド情報として、文字情報である「数字」を用い、全ラウンド数及び現在のラウンド数を直接的に報知するようにしていた。また、このとき、決定したラウンド数が最大ラウンド(15Rや16R)の場合、最初にラウンド数を少なめに報知し(例えば、8R等)、8ラウンドに達する前に何らかの演出を行って「MAXラウンド」に昇格をアピールしていた。
ところが、このようなラウンド情報報知形態では、遊技者からすれば、特別遊技状態の終焉を予測できることになり、例えば、最大ラウンド数が16Rのとき、決定したラウンド数が8Rであった場合、失望感を与えることになり、心理的に負担が生じて遊技意欲が減退する場合がある。
また、途中でラウンド昇格の演出がある遊技仕様にしても、8ラウンドまでに演出がない場合は、そこで特別遊技が終了することになる。
そこで、本実施の形態では、LCD表示部106に表示するラウンド情報として、直接的報知をせず、2種類の画像(図6に示す移動体画像200、目的地画像202)を準備し、特別遊技が始まるまでに、それぞれをLCD表示部106の何れかの位置に表示すると共に、移動体画像200が目的地画像202を追跡する演出に基づいて、ラウンドを案内するようにした(ラウンド案内表示)。また、特別遊技状態(大当たり処理中)の獲得球数等も表示しない。
本実施の形態では、目的地画像202は、予め定めた位置(LCD表示部106の表示領域における特定の座標位置)に固定的に表示され、移動体画像200は、初期位置(LCD表示部106の表示領域における初期座標位置)から特別遊技のラウンドの進行に応じて、前記目的地画像202へ近づいていくように表示される。
このとき、移動体画像200と目的地画像202との初期の間隔は一定である。従って、移動体画像200の1ラウンド毎の移動速度が一定であれば、目的地画像202への到達時期が予測でき、その結果、ラウンド数が認識可能となる。
しかし、本実施の形態では、移動体画像200と目的地画像202とがある程度近づくと、その間隔が広がる方向に表示変更するようにした。
なお、本実施の形態では、目的地画像202の表示を移動体画像200から遠ざかるように制御している。
これは、遊技者から見ると、特別遊技が終了すると感じていたときに、突然、目的地画像202が移動体画像200から遠ざかるため、ラウンドの延長を意識させることができる。しかし実際には、初期の移動体画像200と目的地画像202との間隔並びに移動体画像200の移動速度が所謂「ガセ」であり、本来は最初から変更表示後に相当するラウンド数であるのに、特別遊技の開始時は、あたかもラウンド数が少なく、途中で昇格したようにみせる演出である。このように、本実施の形態では、遊技者に不明瞭にラウンド数を報知することで、比較的淡々と進行する特別遊技の遊技趣向性を高めている。
本実施の形態における、表示動作は、以下の表1に示すように2通りあり、それぞれラウンド予測度合い(難易度)が異なっている。
図4は、演出制御部152における、上記ラウンド案内表示のための制御を機能的に示したブロック図である。なお、この図4の機能ブロック図は、演出制御部152のハード構成を限定するものではない。
主制御部150からのコマンドは、コマンド受付部204によって受け付ける。コマンド受付部204では、通常遊技状態における情報(通常遊技情報)か、特別遊技状態における情報(特別遊技情報)なのかを仕分け、通常遊技情報は通常遊技情報内容判別部206へ送出され、特別遊技情報は特別遊技情報内容判別部208へ送出される。
通常遊技情報内容判別部206では、入力される通常遊技情報から、特図抽選結果(当選/落選)情報、演出時間指定情報等を判別する。この通常遊技情報内容判別部206は、図柄変動パターン種決定部210に接続され、前記判別された特図抽選結果(当選/落選)情報、演出時間指定情報等をこの図柄変動パターン種決定部210へ送出する。
図柄変動パターン種決定部210では、特図抽選結果(当選/落選)情報、演出時間指定情報等に基づいて、図柄変動パターン種を決定し、当該決定した種類を特定する情報を図柄変動パターン種読出部212へ送出する。
図柄変動パターン種読出部212は図柄変動パターン種記憶部214に接続され、前記種類を特定する情報に基づいて、図柄変動パターンを読み出し、表示指示部214へ送出する。
表示指示部214は、図柄制御部156に接続されており、図柄変動パターンを図柄制御部156へ送出する。図柄制御部156では、LCD表示部106を制御して、図柄変動パターン演出を実行する。
なお、本実施の形態では、図柄変動パターン種記憶部214に、LCD表示部106に表示する画像データが記憶するようにしたが、図柄変動パターン種記憶部214には、識別符号のみを記憶しておき、図柄制御部156に当該識別符号によって分類された画像データを記憶しておくようにしてもよい。
前記コマンド受付部204から特別遊技情報を受け取った特別遊技情報内容判別部208では、当該特別遊技情報から、大当たり用画像指定情報、当選総ラウンド数情報、ラウンド開始情報、ラウンド終了情報等を判別する。
この特別遊技情報内容判別部208は、画像読出部216、目的地画像表示初期座標確定部218、目的地画像表示変動座標確定部219、移動体画像初期座標確定部220に接続されている。
前記大当たり用画像指定情報は、前記画像読出部216に送出される。画像読出部216では、前記大当たり用画像情報が入力されると、大当たり画像データ記憶部222にアクセスして、大当たり画像データを読み出し、表示位置編集部224へ送出する。
また、前記当選総ラウンド数情報、ラウンド開始情報、ラウンド終了情報は、目的地画像表示初期座標確定部218及び目的地画像表示変動座標確定部219へ送出される。目的地画像表示初期座標確定部218では、前記情報が入力されると、特別遊技の総ラウンド数と、特別遊技の開始時期を認識して、目的地画像202を表示する初期位置としての座標(例えば、図6(A)のE点で示す地点を基準とした所定領域)を確定し、確定した目的地座標情報(初期位置)を前記表示位置編集部224へ送出すると共に、前記画像読出部216に対して目的地画像読出指示信号を出力する。この初期位置の設定は、総ラウンド数が最大(例えば、16R)のとき、それよりも少ないラウンド数を初期値として設定し、この設定されたラウンド数初期値に基づいて行っている。なお、初期値の設定は、予め定めた確率に基づく抽選を行ってもよいし、数回に1回等、規則性を持たせてもよいし、ランダムでもよい。
一方、目的地画像表示変動座標確定部219では、前記情報が入力されると、特別遊技が前記初期設定したラウンド数に到達(開始時でも終了時でも、その途中でもよい)したことを認識し、目的地画像202を総ラウンド数に対応する座標(例えば、図6(B)のE点で示す地点を基準とした所定領域)を確定し、確定した目的地座標情報(変更位置としての最終位置)を前記表示位置編集部224へ送出すると共に、前記画像読出部216に対して目的地画像読出指示信号を出力する。なお変更位置は、直接最終位置だけでなく、数回表示位置を変更しながら最終位置に表示するようにしてもよい。
画像読出部216では、前記目的地画像読出指示信号(初期位置、最終位置)を受けると、目的地画像データ記憶部226にアクセスして目的地画像データを読み出し、前記表示位置編集部224へ送出する。
また、前記当選総ラウンド数情報、ラウンド開始情報、ラウンド終了情報は、移動体画像表示座標確定部220へ送出される。移動体画像表示座標確定部220では、前記情報が入力されると、移動体画像200を表示する座標(例えば、図6(A)のS点で示す地点を基準とした所定領域)を確定し、確定した移動体座標情報を前記表示位置編集部224へ送出すると共に、前記画像読出部216に対して移動体画像読出指示信号を出力する。
画像読出部216では、前記移動体画像読出指示信号を受けると、移動体画像データ記憶部228にアクセスして移動体画像データを読み出し、前記表示位置編集部224へ送出する。
表示位置編集部224では、大当たり画像データ、並びに座標情報が付加された目的地画像データ及び移動体画像データのそれぞれを、表示指示部214へ送出する。
表示指示部214は、座標情報が付加された目的地画像データ及び移動体画像データのそれぞれを図柄制御部156へ送出する。図柄制御部156では、LCD表示部106を制御して、目的地画像データ及び移動体画像データのそれぞれに基づいて、ラウンド進行演出を実行する。
なお、本実施の形態では、大当たり画像データ記憶部222、移動体画像データ記憶部228、目的地画像データ記憶部226のそれぞれに、LCD表示部106に表示する画像データが記憶するようにしたが、各記憶部(大当たり画像データ記憶部222、移動体画像データ記憶部228、目的地画像データ記憶部226)には識別符号のみを記憶しておき、図柄制御部156に当該識別符号によって分類された図柄制御部156に画像データを記憶しておくようにしてもよい。
上記制御により、LCD表示部106では、特別遊技用の動画像が大当たり画像として表示される。また、目的地画像データによりLCD表示部106に表示される目的地画像202(図6参照)は、初期位置及び最終位置の何れかに固定的に表示されることになる(表1の動作表示1に相当)。一方、移動体画像データによる移動体画像200(図6参照)のLCD表示部106への表示は、前記ラウンド開始情報、ラウンド終了情報に基づき、適宜移動して表示される。なお、図6(A)及び(B)では、移動体画像200の初期位置に隣接して大当たり図柄を表示する表示領域106A(図6では、「6」が表示され図柄列「6・6・6」で大当たりしたことを示している。)が設けられているが、この表示領域106Aの位置はLCD表示部106の何れであってもよいし、表示しなくてもよい。
例えば、前記表1の「表示動作1」が適用された場合、図6(A)に示される如く、移動体画像200は、LCD表示部106の表示領域における右下角部を初期位置とされ、目的地画像202は、LCD表示部106の表示領域における下辺中央部を初期位置とされ表示される。
移動体画像200は、ラウンド開始情報によって目的地画像202の方向へ一定速度で移動し始め(図6(A)の矢印A、B参照)、ラウンド終了情報によって一旦停止状態となり、次のラウンド開始情報によって移動が再開される。これを特別図柄抽選の当選によって決定したラウンド数で移動体画像200が初期位置に表示されている目的地画像202へ到達する。
このとき、目的地画像202は、初期位置から、LCD表示部106の表示領域における左下角部である最終位置へ表示変更される。この初期位置から最終位置への目的地画像202の表示変更は、遊技者から見ると、ラウンド数が増加した(MAXラウンドに昇格した)と認識され、遊技意欲を増大させることができる。
なお、移動体画像200の初期位置の表示位置が前記下辺中央部及び右下角部に限定されず、移動体画像200の移動に伴って、目的地画像202が移動体画像200に徐々に追いつかれつつも逃げる(形態が前記表1の「表示動作2」に相当する。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
パチンコ機10による遊技では、遊技者がグリップユニット26を操作すると、一球ずつ発射装置165によって上方へ発射される。発射された遊技球PBは、外レール102に沿って遊技盤18の遊技領域19に打ち込まれ、遊技釘や風車に当たり方向を変えながら遊技領域19内を落下する。そして、入賞せずに遊技領域19の下端部に至った遊技球PBはアウト口40からパチンコ機10内に回収される。
また、遊技球PBが遊技領域19内に設けた始動入賞口20に入賞したり、通過ゲート22を通過すると、それぞれの遊技仕様に基づく処理(例えば、抽選等)が実行されると共に、LCD表示部106への画像表示演出、スピーカ60を用いた音演出等が実行される。また、図示は省略したが、普通入賞口に入賞すると、予め定めた賞球(払い出し)が実行される。
(遊技仕様の概要)
まず、主制御部150における抽選処理を中心とした遊技制御について説明する。
特別図柄始動入賞口(A)130又は特別図柄始動入賞口(B)134に、遊技球PBが入賞すると、有効始動入賞か否かが判断される。この有効始動入賞とは、保留球が満杯(例えば、1個の始動口に対して4個)ではなく、かつ特別図柄始動入賞口(A)130又は特別図柄始動入賞口(A)134へ遊技球PBが入賞したことを言い、これによって抽選権利を得ることになる。なお、無効始動入賞時は、抽選の権利は与えられないが、所定数(3〜5個程度)の賞球払出しがなされる場合もある。
上記始動入賞が有効始動入賞であった場合には、乱数を取得し、予め記憶されている当り値を読み出し、双方を比較して、抽選が当りか外れかを判定する。
なお、現在の遊技状態が大当たり処理中、或いは図柄変動パターン演出中の場合は、抽選の権利を保留にするべく、保留数を1つ加算(+1)し、現在の遊技状態が大当たり処理中ではなく、或いは図柄変動パターン演出中でもなくなったときに、保留数を1つ減算して抽選処理が実行される。
この抽選の当り/外れに基づいて、図柄変動パターン演出時間を設定し、抽選結果、図柄変動パターン時間を含むコマンドを副制御部152へ送出する。
副制御部152では、抽選の結果を、設定された演出時間を使って報知する。
この報知後、抽選の結果が当たりの場合には、特別遊技状態(大当たり処理)が実行される。通常遊技状態では常に閉止状態のアタッカー112を所定のラウンド数(例えば4〜16Rの内、特別図柄抽選の当選時に決定されるラウンド数)だけ開閉する。なお、アタッカー112の開放時間は最大30秒であり、アタッカー112が開放中に所定数(例えば、8〜10個)の遊技球の入賞があった時点で閉止し、所定の閉止時間をおいて、次のラウンド(開放)に移行する。これにより、遊技者は短時間で多くの遊技球の賞球を受けることができる。
ここで、従来は、前記特別遊技状態(大当たり処理)となったとき、すでに決定されているラウンド数を報知するようにしていた。なお、ラウンド中に報知される場合もある。
このとき、決定したラウンド数が最大ラウンド数に近い(例えば、15R、16R等)場合は問題ないが、ラウンド数が少ない(例えば、4R、5R等)の場合、遊技者に失望感を与え、遊技意欲を減退させる場合がある。
そこで、本実施の形態では、ラウンドの進行を意図的にあいまいに報知するべく、LCD表示部106に移動体画像200と目的地画像202とを表示し、移動体外200と目的地画像202の双方が同一の方向に移動し、徐々に移動体画像200が目的地画像202に近づきつつも、目的地画像202が逃げている様子を表現するようにし、追いついた時点で特別遊技終了(全ラウンド消化)を認識させるようにした。
移動体画像200、目的地画像202は、例えば、大当たり用画像のテーマに即した画像に設定してもよく、例えば、大当たり用画像のテーマが「追跡」の場合、移動体画像200がパトカー画像で、目的地画像202が逃走車両画像等が考えられる。
また、本実施の形態では、移動体画像200が目的地画像202に追いつく直前(追いついた直後でもよい)に、目的地画像202のみが加速して、遠ざかる演出を行っている。これは、一旦、全ラウンド消化であると思わせておいて、例えば、MAXラウンドへの昇格を案内するときに用いられ、比較的淡々と進む特別遊技中の遊技者の遊技意欲を増大させることができる。
以下、図5のフローチャートに従い、演出制御部152における、本実施の形態の特徴である移動体画像200が目的地画像202に接近する表示制御を含む、LCD表示部106の画像表示制御を示す。
ステップ250では、コマンドを受け付けたか否かが判断され、否定判定された場合はこのルーチンは終了する。
ステップ250で肯定判定されると、ステップ252へ移行して、受け付けたコマンドの情報種は通常遊技情報か特別遊技情報かを判定する。
ステップ252で通常遊技情報であると判定されると、ステップ252からステップ254へ移行する。
ステップ254では、特図抽選情報、演出時間指定情報に基づき、図柄変動パターン種を決定する。次いで、ステップ256では、決定した図柄変動パターンを図柄変動パターン種記憶部214から読み出し、ステップ258へ移行する。
ステップ258では、読み出した図柄変動パターンによる演出を開始するように、図柄制御部156へ指示する。
一方、前記ステップ252で特別遊技情報であると判定されると、ステップ252からステップ260へ移行する。
ステップ260では、特別遊技(大当たり処理)の実行中のラウンド数を示す変数nを1に設定し、ステップ262へ移行する。
ステップ262では、大当たり用画像指定情報に基づいて、大当たり用画像データ記憶部222から大当たり用画像をデータを読み出し、ステップ264へ移行する。
ステップ264では、当選総ラウンド数N情報、ラウンド開始情報、ラウンド終了情報
に基づき、移動体画像200の初期位置である初期位置S、並びに、目的地画像202の初期位置Eを確定する。
次のステップ265では、総ラウンド数Nは、予め定めた特定のラウンド数か否かが判断される。この特定のラウンド数は、最大ラウンド数(例えば16R)又はそれに近いラウンド数(例えば15R)が好ましいが、特に限定されるものではなく、理論的には、2R以上であれば良い。
このステップ265で肯定判定されると、ステップ267へ移行して、この総ラウンド数Nよりも少ないラウンド数N(m)(N>N(m))を設定し、ステップ268へ移行する。例えば、総ラウンド数Nが16Rであった場合、N(m)として「4」や「8」等を設定する。
次のステップ268では、大当たり画像の表示開始を指示し、次いで、ステップ270へ移行して移動体画像200及び目的地画像202の表示開始を図柄制御部156へ指示して、ステップ272へ移行する。
ステップ272では、nラウンド開始情報を受信したか否かが判断される。すなわち、1ラウンドからNラウンドまでのラウンド毎の開始情報の受信を確認する。
このステップ272で肯定判定されると、ステップ274へ移行して、図柄制御部156に対して、移動体画像200を速度Vで移動開始するように指示する。
次いで、ステップ276では、nラウンド終了情報を受信したか否かが判断される。すなわち、1ラウンドからNラウンドまでのラウンド毎の終了情報の受信を確認する。
このステップ276で肯定判定されると、ステップ278へ移行して変数nをインクリメント(n←n+1)して、ステップ280へ移行する。
ステップ280では、図柄制御部156に対して、移動体画像200の移動の停止を指示し、ステップ281へ移行する。
ステップ281では、N(m)の設定が有るか否か(ステップ265で肯定判定されたか否か)が判断され、肯定判定された場合は、ステップ282へ移行する。
ステップ282では、変数nが総ラウンド数(設定数)N(m)を超えたか(n>N(m))否かが判断され、否定判定された場合は、ラウンドが継続されると判断し、ステップ272へ戻り上記肯定を繰り返す。
また、ステップ282で肯定判定されると、ステップ283へ移行して、初期位置に表示されている目的地画像202を最終位置に表示変更する。すなわち、目的地画像202を移動体画像200から遠ざける。
これにより、遊技者に対して、一時的にラウンドが全て消化され特別遊技が終了するかのような演出をしたにも関わらず、目的地画像202が遠ざかることで、MAXラウンド等への昇格があったことを表現することができる。
ステップ283における目的地画像202の初期位置から最終位置への表示変更後は、ステップ284へ移行する。また、前記ステップ281で否定判定された場合は、ステップ284へ移行する。
ステップ284では、変数nが総ラウンド数Nを超えたか(n>N)否かが判断され、否定判定された場合は、ラウンドが継続されると判断し、ステップ272へ戻り上記肯定を繰り返す。
なお、上記ステップ272〜ステップ282(或いは、ステップ272〜ステップ285)の繰り返しでは、移動体画像200がラウンドの更新毎に一旦停止するように表示されるようにしたが、移動体画像200は、常に一定速度で目的地画像202に向けて移動させるようにしてもよい(目的値画像との間の追跡は、表1の表示動作2に相当)。
また、ステップ282で肯定判定されると、最終ラウンドが終了したと判断し、ステップ284へ移行して特別遊技状態の表示を終了するように図柄制御部156へ指示して、このルーチンは終了する。
図7は表1における動作表示1の実施例を示しており、当選時の総ラウンド数がMAXラウンド(例えば、16R)のときの移動体画像200(図7では符号Sで示す)と目的地画像202(図7では符号Eで示す)のラウンド消化に伴う遷移図を示している。
動作表示1の場合は、移動体画像200(S)の移動速度が一定であり、初期位置に表示されている目的地画像202までの到達時期(すなわち、ラウンド数)が予測し易くなっている。
ところが、移動体画像200が初期位置に表示されている目的地画像202に到達すると(或いは到達直前になると)、目的地画像202が最終位置へ表示変更される。この結果、移動体画像200と目的地画像202との間隔が広がり、遊技者から見ると、ラウンド数が増加(MAXラウンドに昇格)したと認識させることができる。
なお、実際には、当初から目的地画像202が最終位置に対応するラウンド数が付与されているが、擬似的に初期位置に表示することによって、比較的淡々と進む特別遊技の趣向性を高めることができ、遊技者の遊技意欲を増大させることができる。
図8は表1における動作表示2の実施例を示しており、当選時の総ラウンド数がMAXラウンド(例えば、16R)のときの移動体画像200(図8では符号Sで示す)と目的地画像202(図8では符号Eで示す)のラウンド消化に伴う遷移図を示している。
動作表示2の場合は、移動体画像200(S)と目的地画像200(E)が共に同一方向に移動している。このとき、目的地画像202が移動体画像200に対して、徐々に追いつかれつつも逃げる様子を表現する。
すなわち、移動体画像200(S)の表示遷移をS1→S2→S3→S4とし、これに応じた目的地画像202(E)の表示遷移をE1→E2→E3→E4とすると、S1−E1の間隔がS2−E2の間隔が狭くなり、S2−E2の間隔がS3−E3の間隔が狭くなっている。すなわち、移動体画像200が徐々に目的値画像202に追いついていることが表示されている。
ここで、S4−E4の間隔のように、移動体画像200が目的地画像202に追いつく(或いは、追いつきそうになる)と、目的地画像202は加速し、E5の位置に遷移する。言い換えれば、S1−E1〜S4−E4までは、移動体画像速度VS>目的地画像VEの関係であったのが、目的地画像202はE4からE5まで、移動体画像速度VS<目的地画像VEの関係で加速逃避する。
以上説明したように本実施の形態では、通常遊技において特図抽選によって当選し、特別遊技状態へ移行する際、特別遊技状態のラウンド数が確定すると、このラウンド数を積極的に遊技者に報知せず、移動体画像200が初期位置(偽ラウンド数)に表示されている目的地画像202へ徐々に移動する様子を表示すると共に、移動体画像200が初期位置に表示されている目的地画像202に追い付いた時点(或いは追い付く直前)で、目的地画像202を最終位置(真ラウンド数)に表示変更することで、所謂曖昧な表現でラウンド進行状況を報知するようにした。この結果、遊技者が特図抽選の当選時に獲得したラウンド数が最大ラウンド数に近いラウンド数(15R、16R等)ではなく、比較的少ないラウンド数(4R、5R、8R等)であった場合でも、その獲得したラウンド数が不詳であるので、失望感を持つことなく遊技を進行することができる。さらに、当初目的地画像202を、例えば、8Rを予測させる位置(初期位置)に表示し、これに追い付いた時点(追い付く直前)で、例えば、16Rを予測させる位置(最終位置)に表示することで、遊技者にラウンドの昇格を体感させることができるので、比較的淡々と進む特別遊技中の趣向性を向上することができる。
なお、本実施の形態では、総ラウンドの予測の難易度を、表1に基づいて変更することができる。
すなわち、目的地画像202が初期位置と最終位置に固定的に表示されている表示動作1と、移動体画像200の移動に伴って目的地画像202も移動することで移動体画像200が目的地画像202を追跡しているように表示する表示動作2の何れかを、難易度に基づいて選択することができる。この難易度の設定は、ランダムに実行してもよいし、店側における客層に合わせて実行してもよいし、遊技者が操作ボタン50(図1参照)等の操作で実行できるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、遊技機としてパチンコ機10を例にとり説明したが、大役ゲームに複数種類あり、遊技者にとって、有利不利の関係となるような遊技機、例えば、パチスロ機において、大役がビッグボーナス、レギュラーボーナス等に分類されているような遊技機の場合に、本発明のように、ゲーム趣向性を持ち、あいまいに報知する機能を持たせることは、遊技者の失望感を回避する、有効な手段となり得る。