JP5805182B2 - 合成杭の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、コンクリート強度が85N/mm2以上(好ましくは100N/mm2以上)の高強度を発揮するコンクリート杭(以下、PHC杭という。)と、同PHC杭の外周に隙間を確保して同心の配置に設けられる鋼管と、前記隙間に充填される充填材とからなる合成杭の製造方法の技術分野に属し、さらに言えば、高層構造物又は超高層構造物を支持するのに好適な合成杭の製造方法に関する。
コンクリート杭(PHC杭含む。)は、大きな軸応力(圧縮力)を保持できるものの、水平力(曲げ応力とせん断応力)に対しては脆性的に破壊するため、構造物(特には高層構造物、超高層建物)の基礎として使用した場合の水平抵抗に十分耐えるようにするのは難しい。
一方、鋼管杭は、曲げ強度とせん断強度は大きいが、大きな軸応力を保持するためには厚肉のものを使用しなければならず、経済的な問題がある。また、杭径が大きくなると局部座屈が発生するなどの問題もある。
そこで、これらの問題点を補う方法の一つとして、コンクリート杭と鋼管とを組み合わせてなる外殻鋼管付きコンクリート杭(以下適宜、SC杭という。)がある。
このSC杭は、高強度コンクリートを鋼管の中空部に注入し、遠心成形法(遠心締固め)によって一体的に製造され、軸応力と曲げ応力とせん断応力に対し一体として抵抗する。
このSC杭は、軸応力に強いコンクリート杭の長所と曲げ応力、せん断応力に強い鋼管の長所とを併せもち、大きな曲げ変形を生じても、コンクリートが鋼管の局部座屈を防止し、コンクリートは鋼管により拘束されているので大きな靭性を有する利点があり、近年その需要も増大している。
しかし、前記SC杭は、上述したように、軸応力と曲げ応力とせん断応力に対し一体として抵抗する構成であるが故に、必然的に、SC杭を構成するコンクリート杭に、軸応力のほか曲げ応力及びせん断応力も負担させることになる。具体的には、構造物に地震等の水平力(短期荷重)が作用した場合、前記コンクリート杭は、構造物の軸応力(長期鉛直荷重)を負担している状態で、曲げ応力及びせん断応力を負担することとなり、SC杭内部のコンクリート杭が、曲げ応力やせん断応力をどの程度負担しているのか不明であった。ひいては前記コンクリート杭の破壊性状が不明であった。
よって、前記SC杭は、軸応力はコンクリート杭が負担し、曲げ応力及びせん断応力は鋼管が負担するという役割分担(機能分担)が明確でないという問題があった。
建築構造物において、高層構造物又は超高層構造物は、2次設計(保有水平耐力法、時刻歴応答解析)が必須であり、構造物の許容応力度だけでなく終局耐力、靱性の評価等が設計上の重要項目となっている。そのため、杭の部材としての性能が不明(曖昧)なものは設計が難しく、且つ確たる設計方針での設計ができないという問題があった。
要するに、前記SC杭は、軸応力はコンクリート杭が負担し、曲げ応力及びせん断応力は鋼管が負担するという役割分担(機能分担)が明確でない以上、2次設計に十分対応できるだけの杭体の性能保証がされていない状況にあった。
ところで、上述したSC杭のほかに、コンクリート杭と鋼管とを併用して杭を施工する発明は、種々開示されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
しかしながら、前記特許文献1〜5に係る発明は、下記するように、軸応力、曲げ応力、及びせん断応力の役割分担を明確にすることを目的(課題)、構成としておらず、よって、軸応力はコンクリート杭が負担し、曲げ応力及びせん断応力は鋼管が負担するという役割分担を明確化できる構成の杭は、未だ存在しない。
特開平9−170232号公報 特開昭61−176717号公報 特開平5−280046号公報 特開平7−11636号公報 特開2010−265702号公報
上記特許文献1には、鋼管杭の中心部に、支持層に到達して先端抵抗力を受ける芯杭(コンクリート杭)が前記鋼管杭との間に若干の間隙をあけて設置され、プレロードを与えられた芯杭と鋼管杭との間隙に粘弾性体が充填されており、芯杭が上載荷重を受けた際の周面摩擦抵抗力は粘弾性体及び鋼管杭を介して地面に伝達される構成が開示されている(請求項1、図1の記載等参照)。
しかし、この特許文献1に係る技術は、杭の実際的な荷重支持機能に有効で経済的な設計、施工が可能な高信頼性の杭を提供することを目的とし、芯杭と鋼管杭との間に粘弾性体を介在させた構成で実施しているので、鋼管杭は、建物や地盤からの水平力に対し積極的に抵抗できる構成ではない。
よって、この特許文献1に係る杭は、前記鋼管杭に大きな曲げ変形が生じると局部座屈を起こす虞があり、曲げ強度及びせん断応力に強い鋼管杭の特性(長所)を活かした構成で実施されておらず、軸応力はコンクリート杭が負担し、曲げ応力及びせん断応力は鋼管が負担するという役割分担ができるほどの強度(耐力)を期待することなど到底できない。
上記特許文献2には、地表から地中に埋設した杭本体と、この杭本体の少なくとも上部の外周面を取り囲むように設けた枠体(鋼管)と、上記枠本体と枠体との間に介在させた粘性材料とを備えてなる免震杭が開示されている(請求項1、第1図の記載等参照)。
しかし、この特許文献2に係る技術は、杭本体と鋼管との間に粘性材料を介在させた構成で実施しているので、鋼管は、建物や地盤からの水平力に対し積極的に抵抗できる構成ではない。
よって、この特許文献2に係る免震杭も、上記特許文献1と同様に、前記鋼管に大きな曲げ変形が生じると局部座屈を起こす虞があり、曲げ強度及びせん断強度に強い鋼管の特性を活かした構成で実施されておらず、軸応力はコンクリート杭が負担し、曲げ応力及びせん断応力は鋼管が負担するという役割分担ができるほどの強度(耐力)を期待することなど到底できない。
上記特許文献3に係る基礎杭は、基礎杭と鋼管とが防振材を間に挟む構成で実施しているので、鋼管は、建物や地盤からの水平力に対し積極的に抵抗する構成ではないことは明らかである。
よって、この特許文献3に係る基礎杭も、上記特許文献1、2と同様に、前記鋼管に大きな曲げ変形が生じると局部座屈を起こす虞があり、曲げ強度及びせん断強度に強い鋼管杭の特性を活かした構成で実施されておらず、軸応力はコンクリート杭が負担し、曲げ応力及びせん断応力は鋼管が負担するという役割分担ができるほどの強度(耐力)を期待することなど到底できない。
上記特許文献4には、建造物の改造工事において、既存の建造物を取り除いた箇所に打設された既存杭に鋼管を被嵌し、該鋼管と既存杭との間隙部に高強度モルタルを充填せしめてこれらを一体化してなる既存杭を用いた杭が開示されている(請求項1の記載等参照)。
しかし、この特許文献4に係る技術は、既存杭を再利用する場合の杭の強度を増加する発明であり、前記間隙部に高強度モルタルを充填することから、鋼管は、杭の一部として機能することが求められている。よって、高強度モルタルを充填して完成した新設杭は、通常の杭の機能を期待したものにすぎない。
上記特許文献5には、鋼管の両端部にドーナツ状の端板を固定すると共に、鋼管の内面に剥離手段を形成した後、前記鋼管内にコンクリートを注入し遠心成形して前記剥離手段の内面側に円筒状コンクリート部を形成し、該円筒状コンクリート部の両端面を前記端板の内面に定着して成形してなる鋼管被覆コンクリート杭が開示されている(請求項1、図1の記載等参照)。
しかし、この特許文献5に係る技術は、コンクリートの外面と鋼管の内面との間に剥離手段が施されているものの、該コンクリートの両端部と鋼管の両端部とは、端板を介して固定されるので、軸応力と曲げ応力とせん断応力に対し一体として抵抗する前記SC杭と、性能においてほとんど差がない。
よって、この特許文献5に係る鋼管被覆コンクリート杭は、上述したSC杭の場合と同様に、軸応力はコンクリート杭が負担し、曲げ応力及びせん断応力は鋼管が負担するという役割分担(機能分担)ができない問題は、依然として解決されないままである。
以上、要するに、コンクリート杭と鋼管とを併用して杭を施工する技術は、SC杭のほか、上記特許文献1〜5のように種々開示されているが、軸応力と、曲げ応力及びせん断応力との役割分担を明確化できる杭は、未だ存在しない。
よって、前記役割分担が明確でない以上、前記2次設計(保有水平耐力法、時刻歴応答解析)に十分対応できるだけの杭体の性能保証ができなかった。
本発明の目的は、PHC杭と鋼管とを組み合わせた合成杭において、軸応力と、曲げ応力及びせん断応力との役割分担を明確化できる合成杭の製造方法を提供することにある。
本発明の更なる目的は、前記2次設計(保有水平耐力法、時刻歴応答解析)に十分対応できるだけの杭体の性能保証ができ、低層構造物はもとより、高層構造物あるいは超高層構造物の基礎杭にも適用できる合成杭の製造方法を提供することにある。
請求項に記載した発明に係る合成杭の製造方法は、PHC杭と、PHC杭の外周に隙間を確保して同心の配置に設けられる鋼管と、前記隙間に充填される充填材とからなる合成杭の製造方法であって、
前記PHC杭と前記鋼管とを、平坦部上に載置した剥離板の上面に同心の配置で鉛直方向に起立させ、前記PHC杭の外周面と前記鋼管の内周面との間に形成した隙間に、上方から、前記鋼管に曲げ変形が生じても当該鋼管の局部座屈を防止できる強度及び剛性を有し、かつ前記PHC杭よりも強度及び剛性が小さい材料からなる充填材を前記鋼管と同等高さまで充填し、当該充填材を養生させてなることを特徴とする。
請求項に記載した発明は、請求項に記載した合成杭の製造方法において、前記合成杭は、所定の広さと深さを備えた合成杭製造用ピット内の平坦部上に載置した剥離板の上面に、前記PHC杭と前記鋼管とを同心の配置で鉛直方向に起立させて製造することを特徴とする。
請求項に記載した発明は、請求項1又は2に記載した合成杭の製造方法において、前記PHC杭の外周面、又は前記鋼管の内周面には、同心の配置に位置決めするための間隔保持部材が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る合成杭の製造方法によれば、以下の効果を奏する。
1)PHC杭と鋼管とを鉛直方向に起立させた状態で、該PHC杭と鋼管とが形成する間隙に、上方から前記充填材を充填できるので、簡易、確実、かつ均等に充填することができる。よって、施工性に優れ、高品質の合成杭を製造できる。
2)また、前記合成杭を、所定の広さと深さを備えた合成杭製造用ピット内で製造すると、該ピットの深さ分だけ高所作業を低減化でき、充填材の充填作業、重機の吊り上げ作業等の作業効率を高めることができる。
Aは、実施例1に係る合成杭の製造方法により製造した合成杭を示した立面図であり、Bは、AのB−B線矢視断面図であり、Cは、Aの合成杭の平面図である。 A〜Cは、実施例1に係る合成杭の製造方法を段階的に示した作業工程図である
次に、本発明に係る合成杭の製造方法の実施例を図面に基づいて説明する。
図1A〜Cは、本発明に係る合成杭の製造方法により製造した合成杭の実施例を示している。
この合成杭10は、PHC杭1と、PHC杭1の外周に隙間を確保して同心の配置に設けられる鋼管2と、前記隙間に充填される充填材3とからなり、地盤6中に建て込まれ、その上に構造物の基礎(図示省略)が構築される。
前記鋼管2は、その上端部が構造物の基礎と水平力を伝達可能に接合され、その下端部が前記PHC杭1と縁切りされている。鋼管2の上端部を構造物の基礎に接合する手段は種々あるが、例えば、前記鋼管2の上端部の外周面に上方へ突き出す鉄筋(ひげ鉄筋)を溶接接合し、基礎コンクリートを打設して、鋼管2の上端部と構造物の基礎とを水平力を伝達可能に接合する。
前記充填材3は、前記鋼管2に曲げ変形が生じても当該鋼管2の局部座屈を防止できる強度及び剛性を有し、かつ前記PHC杭1よりも強度及び剛性が小さい材料からなる。
ちなみに図1は、合成杭10を、地盤6からの深さが深い(例えば30m程度の)支持層Sに支持杭として適用する場合の実施例を示している。この場合、前記合成杭10の下方には、通常のPHC杭1が継ぎ足されている。また、前記合成杭10を構成するPHC杭1と鋼管2の上端部は同等高さに揃えられ、地盤6の上面から突き出した構成で実施しているがこれに限定されない。その上部に構築される構造物の基礎の施工法に応じ、例えば地盤レベルの高さに揃えて実施することもできる。前記構造物は、低層構造物でも、高層構造物あるいは超高層構造物でもよい。前記合成杭10は、支持層Sに到達しない構成でも実施できる
前記合成杭10を構成するPHC杭1は、その軸方向両端部にリング状の端板1aを備えており、大きな鉛直荷重を支持できる100N/mm2以上の強度(Fc)を有するものが好適に用いられる。前記PHC杭1は、外径(D)が600〜1400mm程度、長さ(L)が10〜20m程度の大きさが好適とされる。
なお、前記PHC杭1の大きさは勿論これに限定されず、支持する構造物の形態、或いは地盤6の性状等に応じて適宜設計変更可能である。
前記合成杭10を構成する鋼管2は、外径(D)が620〜1600mm程度、厚さ(t)が9〜25mm程度、長さ(L)が5〜15m程度の大きさの市販品が好適に用いられる。
具体的には、外径が600mm程度のPHC杭1を用いるときは、外径が620〜800mm程度の鋼管2を、外径が1400mm程度のPHC杭1を用いるときは、外径が1420〜1600mm程度の鋼管2を、とPHC杭1の外周面から充填材3を充填する隙間(径)を10〜100mm程度確保した同心配置に鋼管2を配設する。
なお、前記鋼管2の長さは、合成杭10が支持する構造物の形態、或いは構造物に作用する水平力(曲げ応力及びせん断応力)に対し、効果的に抵抗できる長さとされる。目安として、PHC杭1の杭径の5倍程度が好ましいとされるが、地盤6の性状に応じて適宜設計変更される。
ただし、前記鋼管2の長さは、前記PHC杭1よりも短尺で実施することが好ましい。その理由は、経済的であることは勿論のこと、支持層Sまでの深さが深くて通常のPHC杭1と工場等で製造した合成杭10とを継ぎ足す必要がある場合、鋼管2が邪魔にならないスムーズな継ぎ足し作業を行い得るからである。
また、充填材3を充填する隙間は、前記10〜100mm程度に限定されるものではなく、当該合成杭10に作用する水平力(曲げ応力及びせん断応力)の大きさに応じて適宜設計変更される。
前記合成杭10を構成する充填材3は、前記PHC杭1の外周面と前記鋼管2の内周面とが形成する隙間に、当該鋼管2のほぼ全長にわたって密実に充填されている。
前記充填材3は、前記PHC杭1よりも強度及び剛性が低い材料(目安として20〜50N/mm2程度の強度)からなる。もちろん、一定の靱性をもち、鋼管2の局部座屈を防止できる程度の強度及び剛性を有する必要もある。
本実施例に係る充填材3は、セメントミルク、モルタル、樹脂モルタル、アスファルトコンクリート、又は相対密度が80%以上の密詰めの砂が好適に用いられる。前記充填材3として塑性性能を有する樹脂モルタルを用いれば、エネルギー吸収材としての機能をさらに期待できる。また、前記密詰めの砂であれば圧縮特性は高く、かつ鋼管2とPHC杭1の間で発生するせん断応力に対してダイレタンシー効果によって体積圧縮を防ぐこともできる。
その他、これらの充填材3は、充填する隙間の大きさ等に応じて適宜使い分けられる。例えば、10mm程度の狭い隙間のときはセメントミルクなどの流動性のよい材料が好適に用いられ、50mm程度の広い隙間のときはモルタルが好適に用いられる。
このような材料からなる前記充填材3は、PHC杭1の強度及び剛性よりも小さな材質を有することで鋼管2の曲げ応力(曲げモーメント)、及びせん断応力を効果的に吸収し、隣接するPHC杭1へ伝達し難くする構成を実現できる。また、前記充填材3は、PHC杭1よりも剛性(鉛直剛性)が小さいので、構造物の鉛直荷重の大部分をPHC杭1のみで負担させる構成を実現できる。
前記合成杭10は、現場で構築することもできるし、予め工場等で製造しておき現場へ搬入することもできる。ただし、合成杭10は通常、数十本程度用いられるので、現場作業の省力化、天候に作用されない点を考慮すると予め工場等で製造することが好ましい
前記合成杭10を工場等で製造する場合は、図2A〜Cに段階的に示したように、地盤やコンクリート等の平坦部7の上面に、鋼管2よりも大径の剥離板5を載置し、剥離板5の上面に、重機等で鋼管2を鉛直方向に起立させる(図2A)。続いて、1本のPHC杭1を、該鋼管2と同心の配置で、該鋼管2の内部に重機等で落とし込み前記剥離板5上に鉛直方向に起立させる(図2B)。続いて、前記鋼管2の内周面と前記PHC杭1の外周面との間に形成した隙間に、上方から、前記充填材3を前記鋼管2と同等高さまで充填し、当該充填材3を養生させて合成杭10を製造する(図3C)。養生後、前記合成杭10は、重機等で吊り上げると剥離板5から容易に引き剥がすことができる。なお、製造手順はこれに限定されず、前記PHC杭1を起立させた後に、鋼管2を起立させてもよい。
かくして、工場等で製造した前記合成杭10は現場へ搬入され、掘削機を用いた中掘り工法により建て込まれる。地盤6から支持層Sまでの深さが20〜40m程度と深い場合には、貫入されたPHC杭1の最上段に継ぎ足して設置する。しかる後、前記合成杭10を構成する鋼管2の上端部を、構造物の基礎と水平力を伝達可能に接合するのである。
従来、杭の製造は、横向きに置いた状態で製造することが多く、充填材を鋼管とPHC杭の間に均等に充填することは難しかった。このため、杭を傾斜させて充填性を高める工夫が施されてはいたが、杭の位置決め作業等に難渋し、製造効率を上げることができなかった。特に、充填材にセメントミルクやモルタル等のセメント系の材料を使う場合には均等な充填が難しく、流動性の確保が必要になったり、ブリージングによる空隙の発生も懸念された。
この点、上記構成の合成杭10の製造方法によれば、前記鋼管2とPHC杭1とを鉛直方向に起立させた状態で、該鋼管2とPHC杭1とが形成する隙間に、上方から充填材3を充填できるので、簡易、確実、かつ均等に充填することができる。よって、施工性に優れ、高品質の合成杭10を製造できる。
具体的に、充填材3を前記隙間に充填する手法について、例えば、前記隙間の上方から充填材3を単に落下させて充填することもできるし、前記隙間の下端部まで注入管を挿入して、より確実な充填を図ることもできる。また、前記隙間の内部にセンサーを設け、自動的な注入管理をすることも勿論できる。注入管の管径は、前記隙間の大きさに応じて使い分けることが作業上好ましい
前記PHC杭1と鋼管2とを同心の配置に位置決めする手法について、PHC杭1の外周面、又は前記鋼管2の内周面に、セパレータ、スペーサー等の間隔保持部材(図示省略)を設けるとスムーズな位置決め作業を行うことができる。例えば、図2A〜Cに示すように、鋼管2を先に起立させる場合は、前記間隔保持部材を、鋼管2の上端部の外周面、又はPHC杭1の下端部の外周面に設けて行う。PHC杭1を先に起立させる場合は、前記間隔保持部材を、PHC杭1の上端部の外周面、又は鋼管2の下端部の外周面に設けて行う
また、前記合成杭10を、所定の広さと深さを備えた合成杭製造用ピット内で製造すると、該ピットの深さ分だけ高所作業を低減化でき、充填材3の充填作業、重機の吊り上げ作業等の作業効率を高めることができる。この合成杭製造用ピットの広さは、製造する合成杭10の本数に応じて適宜設計変更され、深さは鋼管2の高さ程度が充填作業上好ましい
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
1 PHC杭
1a 端板
2 鋼
充填
剥離板
6 地盤
7 平坦部
10 合成杭
S 支持層

Claims (3)

  1. PHC杭と、PHC杭の外周に隙間を確保して同心の配置に設けられる鋼管と、前記隙間に充填される充填材とからなる合成杭の製造方法であって、
    前記PHC杭と前記鋼管とを、平坦部上に載置した剥離板の上面に同心の配置で鉛直方向に起立させ、前記PHC杭の外周面と前記鋼管の内周面との間に形成した隙間に、上方から、前記鋼管に曲げ変形が生じても当該鋼管の局部座屈を防止できる強度及び剛性を有し、かつ前記PHC杭よりも強度及び剛性が小さい材料からなる充填材を前記鋼管と同等高さまで充填し、当該充填材を養生させてなることを特徴とする、合成杭の製造方法。
  2. 前記合成杭は、所定の広さと深さを備えた合成杭製造用ピット内の平坦部上に載置した剥離板の上面に、前記PHC杭と前記鋼管とを同心の配置で鉛直方向に起立させて製造することを特徴とする、請求項に記載した合成杭の製造方法。
  3. 前記PHC杭の外周面、又は前記鋼管の内周面には、同心の配置に位置決めするための間隔保持部材が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した合成杭の製造方法。
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