JP5803737B2 - 扁平パイプの製造方法 - Google Patents
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このようなプレス成形法として、例えば、次のような順送りプレス加工方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ワークWを下側スライド金型106にセットする際、搬送ラインから上方に一端リフトする必要があり、搬送ラインでリフト量を確保する必要がある。
このような大きなプレスストロークの確保や搬送ラインにおけるリフト量の確保は、生産効率の低下を招いてしまうという問題がある。
また、図23(b)に示すように、上側スライド金型105の下降方向と、下側スライド金型106のスライド方向が直交するカム機構で金型が構成されるので、金型のコストが高くなり、ひいては製品の生産コストの増大を招いてしまうという問題がある。
すなわち、折り曲げ工程において、一方側面部および他方側面部の双方が所定の角度で起立するよう折り曲げられた被加工物に対して、姿勢変換工程を設けたので、被加工物の高さが著しく低減される。その結果、従来のプレス装置における大型で、カム機構を備えた金型によらなくても、被加工物を成形することができ、高い生産効率で扁平パイプを作製することができ、簡単な構造の金型を活用できる。したがって、金型のコストが著しく低減され、ひいては製品の生産コストが低減される。
本発明に係る扁平パイプの製造方法においては、O曲げの金型は、小型のものでプレス加工をすることができるようになり、従来の問題となっていたプレスストロークや搬送ラインでのリフト量を少なくすることができる。その結果、従来の生産効率の低下の問題が解消され、生産効率が高まる。
図1ないし図6に示すように、EGRクーラ1は、ケース11と、扁平パイプ12と、ガス流入ガイド13と、ガス排出ガイド14と、冷却水流入ガイド15と、冷却水排出ガイド16と、ケース11に設けられEGRクーラ1を図示しないエンジン本体に装着する一対のブラケットとを含んで構成されている。このEGRクーラ1は、エンジン本体から排気される排気ガスと冷却水との間で熱交換し、排気ガスの温度を低下させて吸入空気内に再循環させるよう構成されている。
ケース本体21は、コの字形状の断面を有し、対向する内壁面21a間の長さがL1で形成され、一方の内壁面21bと開口端21cとの間の長さがL1よりも長いL2で形成されている。このケース本体21には、方形の貫通孔21dが形成されており、この貫通孔21d内を冷却水が流通するようになっている。
ケースカバー22は、長方形の板金で形成されており、ケース本体21の開口端21cにろう付けなどの接合手段により接合されるようになっている。このケースカバー22には、方形の貫通孔22aが形成されており、この貫通孔22a内を冷却水が流通するようになっている。
一方側の短辺31aおよび短辺32aは、長辺31bから対向するように互いに屈曲し、所定の幅で重ね合わされており、いわゆるオーバーラップされた構成となっている。扁平パイプ12は、短辺31aおよび短辺32aのオーバーラップ部分で接合され、扁平なパイプとして形成されるようになっている。
連結部13bがケース11に連結された状態で、連結部13bの内壁面とケース11の外壁面との間の隙間は、連結する際の作業性やろう付けする際のろう付け性が最適になるよう設定されている。
連結部14bがケース11に連結された状態で、連結部14bの内壁面とケース11の外壁面との間の隙間は、連結する際の作業性やろう付けする際のろう付け性が最適になるよう設定されている。
この冷却水流入ガイド15は、連結部15aおよび連結部15bとの間で冷却水を流通させる流通部15cを有しており、各構成要素は一体的に形成されている。
連結部15bは、ケースカバー22にろう付けや溶接などの接合手段により連結されており、流通する冷却水が漏れないようになっている。
この冷却水排出ガイド16は、冷却水流通管104と連結される連結部16aと、ケース11のケース本体21と連結される連結部16bとを有している。
連結部16bは、図7に示すように、方形に形成された開口16dを有しており、流通した冷却水7個の扁平パイプ12により画成される各間隙から均一に排出させるよう、開口を大きくしている。
連結部16bは、ケース本体21にろう付けや溶接などの接合手段により連結されており、流通する冷却水が漏れないようになっている。
EGRクーラ1の製造方法は、次の製造工程によって構成されている。すなわち、EGRクーラ1の製造工程は、図9に示すように、準備工程と、扁平パイプ作製工程と、ケース作製工程と、ろう材内部塗布工程と、組付前仮付工程と、扁平パイプ組付工程と、治具挿入工程と、組付後仮付工程と、ろう材外部塗布工程と、ろう付け工程と、ブラケット類取付工程と、リーク検査工程とを含んで構成されている。
この扁平パイプ作製工程は、図示しない順送りプレス加工装置によるプレス成形法で各ステップが上記の記載の順に行われる。
この順送りプレス加工装置は、製品の形状、大きさ、構造、材質などの製品の特性によって異なるが、前述のSPMが30個ないし60個程の高い生産性を有している。
連結桟53は、縦桟51に連結する縦桟連結部53aと、ワークWと連結するワーク連結部53bと、縦桟連結部53aとワーク連結部53bとを縦桟51から離隔して繋げる離隔部53cとを有している。
ワークWは、一方側面部71および他方側面部72が、それぞれU曲げ前の平面から所定の角度、例えば、60°ないし80°程度で起立する姿勢となる。
このU曲げは、下側金型73および上側金型74によりプレス加工される。
実施形態に係る扁平パイプ12の製造方法におけるU曲げ成形ステップは、本発明に係る扁平パイプの製造方法における折り曲げ工程に対応する。
実施形態に係る扁平パイプの製造方法における姿勢変換ステップは、本発明に係る扁平パイプの製造方法における姿勢変換工程に対応する。
この突起81または突起82は、図示しない下側金型および上側金型によりプレス加工されて形成される。この突起81または突起82により、連結桟53、54の剛性が高まるので、姿勢変換ステップの後に、ワークWの姿勢が安定する。
このO曲げは、下側金型91および上側金型92によりプレス加工される。
実施形態に係る扁平パイプ12の製造方法におけるO曲げ成形ステップは、本発明に係る扁平パイプの製造方法における押圧成形工程に対応する。
なお、図10に示す扁平パイプ作製工程は、前述のように打ち抜きステップからワーク切断ステップまでの各ステップを経て行われ、扁平パイプが得られるが、説明の便宜上、いくつかのステップを省略して説明した。
この仮付けは、扁平パイプ12をケース本体21に組み付ける前に行われ、図18(a)に示すように、扁平パイプ12の短辺32aのkで示すオーバーラップ部分を接合するもので、TIG溶接やスポット溶接などの溶接により行われる。この仮付け工程により、扁平パイプ12はパイプとしての剛性が高められる。すなわち、外力が加わった際に変形し難いパイプとなる。
この治具110は、くさびの形に形成されており、扁平パイプ12に挿入することにより、ケース本体21と7個の扁平パイプ12との間の隙間を弾性変形させて詰めることができ、ろう付けに最適な隙間を得ることができる。
長辺31bの仮付けは、組付前仮付工程と同様、TIG溶接やスポット溶接などの溶接により行われ、例えば、2箇所が溶接される。
なお、ろう材外部塗布工程の前には、治具挿入工程により挿入された治具110は取り外される。
このろう付け工程により、塗布されたろう材が溶融して、部品同士が均一に隙間なく接合される。
公知の検査方法としては、例えば、ガス流入ガイド13、ガス排出ガイド14、冷却水流入ガイド15および冷却水排出ガイド16の各開口部分をキャップなどの閉塞部材で閉塞して行われる。そして、閉塞されたEGRクーラ1の内部に空気圧を加える圧力供給部材をEGRクーラ1に接続して、所定の圧力を加えて検査する。EGRクーラ1から空気もれが有るか否かを、例えば、EGRクーラ1全体を水中に浸漬して確認するようにしてもよい。
図示しないエンジンが始動され、運転状態に応じて、EGRクーラ1と図示しない吸気装置との間に設けられたEGRバルブが開状態となる。EGRバルブが開かれると、エンジンから排出された排気ガスは、排気ガス流通管101を通って、図1の矢印aに示すように、ガス流入ガイド13からケース11内に流入する。そして、排気ガスは、扁平パイプ12内を流通して、図1の矢印bに示すように、ガス排出ガイド14から排気ガス流通管102を通って吸気装置に還流される。
すなわち、実施形態における扁平パイプ12の製造方法は、打ち抜きステップと、両端部折り曲げステップと、U曲げ成形ステップと、姿勢変換ステップと、突起形成ステップと、O曲げ成形ステップと、ワーク切断ステップとを含んで構成されている。
この扁平パイプ作製工程は、順送りプレス加工装置によるプレス成形法で各ステップが順に行われるようになっている。
この点、図23(a)、(b)に示すカム面105aを有する上側スライド金型105とカム面106aを有する下側スライド金型106とを備えた従来のプレス加工装置の場合、大きなプレスストロークLを確保しなければならない。また、搬送ラインでリフト量を確保する必要があり、生産効率の低下を招いてしまうという問題があった。また、カム機構で金型が構成されるので、金型のコストが高くなり、ひいては製品の生産コストの増大を招いてしまうという問題があった。
しかしながら、EGRクーラ1の製造方法においては、7個以外の他の員数で構成するようにしてもよい。例えば、最小の3個であってもよく、8個ないし15個の員数であってもよく、また、それ以上の員数の扁平パイプで構成するようにしてもよい。
11 ケース
12 扁平パイプ
13 ガス流入ガイド
14 ガス排出ガイド
15 冷却水流入ガイド
16 冷却水排出ガイド
21 ケース本体
22 ケースカバー
31 中央部
31a、32a、33a 短辺
31b 長辺
32 一端開口部
33 他端開口部
51、52 縦桟
53、54 連結桟
53a、54a 縦桟連結部
53b、54b ワーク連結部(被加工物連結部)
53c、54c 離隔部
71 一方側面部
72 他方側面部
81、82 突起
W ワーク(被加工物)
Claims (3)
- 短辺および長辺からなる方形断面を有するとともに、一端開口部および他端開口部を有し、前記短辺で接合される扁平パイプの製造方法において、
平板状の被加工板を打ち抜いて、前記被加工板の長手方向の両端に延びる一対の縦桟と、被加工物と、前記一対の縦桟および前記被加工物を連結するよう、前記縦桟と連結する縦桟連結部と前記被加工物と連結する被加工物連結部と、前記縦桟連結部と前記被加工物連結部とを前記縦桟から離隔して繋げる離隔部とを有する連結桟と、を形成する打ち抜き工程であって、前記離隔部の長手方向は前記被加工板の長手方向と平行であり、前記離隔部は前記離隔部の長手方向一端部において前記縦桟連結部を有するとともに前記離隔部の長手方向他端部において前記被加工物連結部を有することを特徴とする打ち抜き工程と、
前記被加工物の中央部分および前記連結桟の前記離隔部を前記縦桟に直交する方向で折り曲げて、前記被加工物を、前記被加工物連結部が連結されている一方側面部および前記被加工物連結部が連結されていない他方側面部の双方が所定の角度で起立するよう形成する折り曲げ工程と、
前記折り曲げ工程により折り曲げられた前記一方側面部および前記連結桟の前記離隔部のみを、前記折り曲げ工程により折り曲げられる前の元の状態に戻すよう前記被加工物および前記連結桟の前記離隔部の姿勢を変換する姿勢変換工程と、
を含むことを特徴とする扁平パイプの製造方法。 - 前記姿勢変換工程の後に、前記連結桟の前記離隔部の平面から突出する突起を形成する突起形成工程が行われることを特徴とする請求項1に記載の扁平パイプの製造方法。
- 前記突起形成工程の後に、前記他方側面部を前記一方側面部の方向に押圧し、前記一方側面部と前記他方側面部とが略並行の状態で対向するよう成形する押圧成形工程が行われることを特徴とする請求項2に記載の扁平パイプの製造方法。
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