JP2004001053A - 金属製の管状体及びその製造方法 - Google Patents

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Hisao Nishikawa
西川 尚穂
Tetsuya Ooyanai
大谷内 哲也
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Abstract

【課題】小径であるにもかかわらず、内表面が滑らかであって、かつ、その表面の少なくとも一部にコート層が形成された金属製の管状体の提供。
【解決手段】内表面の表面粗さの最大高低差(Rf)が3μm以下で、内径が2.0mm以下で、かつ外側面の少なくとも一部にコート層を有する金属製の管状体。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製の管状体及びその製造方法に関する。より具体的には、ピン、注射針等の穿刺針、コネクタ、テレビ用液晶電子銃などに使用することができる小径で、その外側面の少なくとも一部にコート層が形成された金属製の管状体及びその製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療用のピン、注射針等の穿刺針、コネクタ、テレビ用電子銃などに使用される小径、例えば外径が1.3mm以下、の金属製の管状体を製造する場合、厚さ0.2mm以下の金属製の薄板を丸めながら引抜き、引抜きダイスに入る手前で薄板の端面が合わさったところを溶接し、そのまま引抜きダイスにより引抜き加工して外径4〜6mm程度の管状体に成形した後、引抜き加工を繰り返すことにより所望の外径の管状体に成形する。図11に引抜き加工の一例を示す。図11において、外径4〜6mm程度に成形した金属製の管状体12は、これより断面積の小さいダイス孔を有するダイス14に通して引っ張ることで、外径が収縮されダイス孔と同一の断面形状を有する管状体、例えば外径1.3mm以下に成形される。引抜き加工の際に管状体12の内表面に収縮によるしわが発生するのを防止するため、引抜き加工時に管状体12内にはその内径を規定するプラグ16が挿入されている。
しかし、引抜き加工を繰り返すことにより、管状体12の径が小さくなると、管状体12内にプラグ16を挿入することができず、プラグ16なしで引抜き加工することが必要となる。管状体12の内部にプラグ16を入れずに引抜き加工を実施した場合、管状体12の内表面にしわが生じ、内表面が粗くなる。このような内表面の粗さは、管状体内を流動体が通過する際の抵抗を増加させる。また、管状体の内表面の粗さは、その表面積を増加させて汚れや異物が付着しやすくなる。これは、衛生面が重視される医療用途の管状体の場合に重要な問題となる。しかしながら、従来は小さい径でありながら、内表面が粗くない管状体は存在しなかった。
その一方で、より小径の管状体への需要は現実に存在しており、例えば、インシュリン注射を定期的に行うことが必要な糖尿病患者のように、注射針の刺通を日常的に行うことが必要な者にとって、針の刺通時の苦痛が可能な限り少ないことが望ましい。針の刺通によって生じる苦痛は、刺通時抵抗の大きさと関連しており、刺通時抵抗の小さい、すなわち、より小径の注射針の開発が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上から、本発明は、小径であるにもかかわらず、内表面が滑らかであって、かつ、その外側面の少なくとも一部にコート層が形成された金属製の管状体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、内表面の表面粗さの最大高低差(Rf)が3μm以下で、内径が2.0mm以下で、かつ外側面の少なくとも一部にコート層を有することを特徴とする金属製の管状体を提供する。
本発明は、また、金属製の薄板をプレス加工することにより製造される内径が2.0mm以下で、外側面の少なくとも一部にコート層を有する金属製の管状体を提供する。
本発明の金属製の管状体において、コート層は管状体の外側面の一部にのみ形成されていてもよい。
本発明の金属製の管状体において、コート層は管状体の外側面の全体に形成されていてもよい。
本発明は、さらにまた、本発明の金属製の管状体から作製される穿刺針を提供する。
本発明は、さらにまた、金属製の薄板から管状体の展開形状をした板状体を、前記金属製の薄板と前記板状体とが部分的に接合した状態で打ち抜き、前記板状体を管形状にプレス加工した後、前記金属製の薄板と前記板状体との接合部を切断し、前記接合部の切断前または切断後に前記管形状の外側面上の少なくとも一部にコート層を形成して内径が2.0mm以下で、外側面上の少なくとも一部にコート層を有する金属製の管状体の製造方法を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の金属製の管状体及びその製造方法について図面を参照して説明する。
本発明の金属製の管状体は、内表面の表面粗さの最大高低差(Rf)が3μm以下で、内径が2.0mm以下の管状体で、かつ外側面の少なくとも一部にコート層が形成されていることを特徴とする。
本発明の管状体では、その外側面の一部にのみコート層が形成されているか、または外側面全体にコート層が形成されている。
本発明の管状体の第1の形態では、管状体の外側面の一部にのみコート層が形成されている。図1は、本発明の管状体の第1の形態の1例を示した斜視図であり、図2は、その左側面図である。本発明の管状体は、後で詳細に説明するプレス加工を用いた本発明の方法で製造される場合、外側面に管状体の長手方向に伸びる継ぎ目2が存在する。本発明の管状体の第1の形態では、管状体1の外側面の一部にのみコート層3が形成されている。管状体1の長手方向に伸びるコート層3は継ぎ目2を覆うように形成されている。
【0006】
このように形成されたコート層3は、主として継ぎ目2の接合に寄与する。管状体の用途が、例えば注射針のように管内に液体を流通させる場合、継ぎ目2を液密に接合させることが必要となる。管状体1の継ぎ目2を、金属材料の接合または結合に寄与する材料からなるコート層3で被覆すれば、継ぎ目2の液密な接合が確保される。
継ぎ目を液密に接合させることは、溶接によっても達成される。しかし、溶接による接合は、溶接される部分で熱収縮が起こり、製造される管状体に歪みが生じる可能性がある。そのため溶接された管状体は、実際に使用される形態にする前に、例えば、用途が注射器である場合、組立及び刃付け工程を行う前に管状体の歪みを取り除くことが必要になる。また、溶接は管状体を構成する金属の硬度を低下させるため、製造された管状体の品質管理も重要な問題となる。
これに対し、本発明の管状体は、コート層により継ぎ目を液密に接合するため、上記の問題が生じない。
【0007】
ただし、コート層3は、継ぎ目2を液密に接合する機能以外の、他の機能を有するものであってもよい。例えば、継ぎ目2の存在が管状体1の外表面にわずかながら凹凸を生じさせている場合、継ぎ目2を潤滑性を有する材料からなるコート層3で覆うことで、注射針等の穿刺針として使用した場合に刺通抵抗を低下させることができる。このように刺通抵抗が低下された注射針は、穿刺時の痛みを軽減することができる。さらに、コート層3は、詳しくは本発明の管状体の第2の形態についての説明に述べる他の機能を有するものであってもよい。
【0008】
本発明の管状体の第2の形態では、管状体の外側面全体にコート層が形成される。図3は、本発明の管状体の第2の形態の一例を示す斜視図であり、図4は、その左側面図である。図から明らかなように、管状体1は、その外側面全体にコート層3が形成されている。第2の形態の管状体において、コート層3の機能は、主として第1の形態の管状体と同様に、すなわち継ぎ目2の液密な接合の確保または管状体1の潤滑性の向上である。本発明の第2の形態の管状体は、管状体1の外側面全体にコート層3が形成されているため、コート層3に潤滑性を有する材料を使用した場合に、管状体の潤滑性を向上させる効果が高く、注射針として使用した場合に、刺通抵抗を低下させ、穿刺時の痛みを軽減させる点で優れている。ただし、コート層3の機能はこれらに限定されず、他の機能であってもよい。例えば、生体適合性または血液適合性を有する材料からなるコート層3が形成された管状体1は、たとえば注射針等の医療器具として使用した場合に、生体適合性または血液適合性が向上されている。また、耐薬品性を有する材料からなるコート層3が形成された管状体1は、耐薬品性が向上されている。さらに、管状体1を構成する金属材料以外の金属材料でコート層3を形成すれば、管状体1に他の金属特性を付与することができる。
【0009】
図1ないし図4において、管状体1は単層のコート層3が形成された状態で示されているが、これに限定されるものではなく、本発明の管状体は外側面の少なくとも一部にコート層が形成されていればよい。したがって、コート層は複数層からなるコート層であってもよい。複数層からなるコート層は、コート層に上記した異なる複数の機能を与える上で好ましい。このような複数層の組み合わせは、例えば、管状体の継ぎ目を液密に接合させる目的で第1のコート層を形成し、この第1のコート層上に、潤滑性の向上や生体適合性もしくは血液適合性の向上を目的とする第2のコート層が形成される場合が挙げられる。このような複数層からなるコート層は、上記した第1の形態のコート層及び第2の形態のコート層のいずれであってもよい。すなわち、継ぎ目を覆うように管状体の外側面の一部にのみ複数層からなるコート層が形成してもよく、または管状体の外側面全体に複数層からなるコート層が形成してもよい。また、複数層からなるコート層は、第1の形態のコート層と第2の形態のコート層との組み合わせであってもよい。このようなコート層の具体例としては、例えば、液密な接合の確保を目的とする第1の形態のコート層が継ぎ目を覆うように管状体の外側面上の一部にのみ形成され、この第1の形態のコート層と管状体の外側面全体を覆うように、潤滑性の向上や生体適合性若しくは血液適合性の向上を目的とする第2の形態のコート層が形成されたコート層が挙げられる。
【0010】
コート層3の厚さは、管状体の径にもよるが、通常100μm以下であり、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは0.1μm以上5μm以下である。コート層の厚さが上記範囲であれば、管状体の外径に影響を及ぼすことがなく、また第1の形態のコート層の場合、管状体の外側面上に有意な凹凸を生じることがなく、管状体の外側面が滑らかな状態に保たれる。なお、コート層が上記した多層構造である場合、コート層全体の厚さが上記範囲である。
【0011】
本発明の管状体において、コート層は、樹脂を含む有機材料、無機元素の単体及び化合物、または金属材料からなり、コート層に要求される目的に応じて、適宜所望の特性を有する材料を選択する。
例えば、コート層が継ぎ目の液密な接合を目的とする場合、例えば、フェノール樹脂、ビスフェノールエポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂、あるいはこれらの化合物等が挙げられる。また、上記樹脂を主成分とする接着剤や、瞬間接着剤として使用される湿気硬化性のシアノアクリレート、UV接着剤に代表される光硬化性樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、継ぎ目の接合目的のコート層は、金属層であってもよく、この目的で使用可能な金属としては、例えば、ステンレス鋼を含む鉄鋼材料、アルミニウム、銅、チタンのような非鉄材料、ニッケル、コバルト、モリブデンのような耐熱材料、錫、鉛等の低融点金属材料、金、銀、白金などの貴金属材料及びこれらの合金が挙げられる。
上記例示したもののうち、樹脂材料はコート層の形成が容易であり、かつ継ぎ目を液密に接合する点でも十分であるので好ましい。一方、金属材料は継ぎ目を液密に接合させるのに特に優れている。コート層が金属材料からなる場合に、耐食性、耐磨耗性に優れ、硬度が高く、かつ金属光沢のある白金族のロジウムが望ましい。
【0012】
コート層が管状体の潤滑性の向上を目的とする場合、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂、金属として、クロム、インジウム、錫が挙げられる。これらの中でも、コート層の形成が容易であり、かつ潤滑性の向上に優れていることから上記例示した樹脂材料でコート層が形成されることが好ましい。
【0013】
コート層が、管状体に異なる金属特性を付与することを目的とする場合、上記した金属材料から、所望される特性に応じた金属材料を適宜選択することができる。例えば、管状体がステンレス鋼等の鉄鋼材料製であって、コート層に、チタン、ニッケル、コバルト、モリブデン、金、銀、白金等の比較的高価な金属を用いた場合、これら高価な金属で管状体を製造した場合に比べてより低いコストで所望の特性を有する管状体を得ることができる。また、比較的硬く、プレス加工が困難な金属材料で管状体を製造することが必要な場合、プレス加工が容易な金属材料を用いて管状体を製造し、その外側面に所望の金属材料からなるコート層を形成すれば、所望の特性を有する管状体と容易に製造することができる。このような目的で金属材料でコート層を形成する場合、より望ましい金属材料は、耐食性、耐磨耗性に優れ、硬度が高く、かつ金属光沢のある白金族のロジウムである。
【0014】
なお、管状体の用途が注射器である場合、コート層に使用される材料は、以下に示すディスポーザル注射針の基準に準じた生物学的安全性試験や溶出性試験を満足しなければならない。
・「滅菌済み注射針基準」(平成10年12月11日付医薬発第1077号)
・ISO10993−1
・「医療用具及び医用材料の基礎的な生物学的試験のガイドライン」(厚生省薬務局医療機器開発課長通知(薬機第99号、1995.6.27)「医療用具の製造(輸入)承認申請に必要な生物学的試験のガイドライン」の別添)
さらに、管状体の用途が注射器の場合、継ぎ目からの薬液等の液体の漏出を防止し、該部分の液密な接合を保証するため、コート層はある程度の耐圧性を有することが必要となる。具体的には、コート層は、管状体の一端を封止し、別の一端から水圧を加えた場合の圧力で、通常0.2MPa以上の耐圧性を有することが必要である。コート層の耐圧性は、好ましくは0.4MPa以上、より好ましくは0.6MPa以上である。コート層の耐圧性が上記の範囲であれば、継ぎ目の液密な接合が保証される。なお、コート層が上記したような多層構造である場合、管状体の最も近くにある継ぎ目を直接覆うコート層の耐圧性が上記範囲を満足すればよい。
【0015】
本発明の管状体について、図1ないし図4を用いて説明したが、本発明の管状体はこれら図示したものに限定されず、その外表面の少なくとも一部にコート層が形成された内径2.0mm以下の管状体を広く含む。したがって、管状体は、図示した直管に限定されず、側面形状がテーパ形状、段付き形状のような曲管であってもよい。図5は、本発明に含まれる曲管の一例の正面図、側面図及び背面図である。図において、内径が小径側の端部を先端部、内径が大径側の端部を基端部とする。図5(a)の管状体1は、内径が小さい先端部と、内径が大きい基端部を有し、側面形状がテーパ形状で、断面形状が円形をした中空管であって、管状体1の外側面の一部にのみコート層3が形成されている。管状体1の長手方向に伸びるコート層3は継ぎ目を覆うように形成されている。図5(b)の管状体1は、内径が小さい先端部と、内径が大きい基端部とを有し、先端部と基端部の間に、先端部及び基端部とは内径が異なる中間部を有する側面形状が段差の付いた形状で、断面形状が円形をした中空管であって、管状体1の外側面全体にコート層3が形成されている。図5(c)の管状体1は、内径が小さい先端部と、内径が大きい基端部を有し、先端部と基端部の間に移行部を有する断面形状が円形の中空管であって、管状体1の外側面上の一部にのみコート層3が形成されている。管状体1の長手方向に伸びるコート層3は管状体1の継ぎ目を覆うように形成されている。図中10は管状体1の軸である。管状体が曲管の場合、最も小さい内径が2mm以下であればよい。
また、管状体の端面形状は、図示した真円形に限らず、四角形、六角形等の多角形であってもよく、また楕円等であってもよい。
【0016】
また、管状体は、その外側面に開口部を有していてもよい。図6は、その外側面上に開口部が形成された管状体の一例の斜視図である。図において、管状体1は、管状体1の長手方向に伸びるコート層3が継ぎ目を覆うように外側面の一部にのみ形成され、断面形状が円形をした直管であって、外側面上の継ぎ目2を含まない面に円形の開口部8が1個所形成されている。ここで開口部の大きさ、形状、数及び位置は図示したものに限定されない。例えば、開口部の形状は、円形以外に、三角形、四角形、六角形等の多角形であってもよく、開口部の数は複数であってもよい。さらに、開口部の位置は管状体上のより先端側若しくは基端側であってもよく、または継ぎ目上に形成されていてもよい。さらに、管状体の同一周上に互いに対向するように複数の側孔を設けて、管状体を貫通する構成としてもよい。
【0017】
本発明の管状体の外径は、側面形状や開口部の有無といった管状体の構成によって好適範囲が異なる。
図1及び図3に示すような直管の場合、管状体の外径は通常1.3mm以下であり、好ましくは1mm以下であり、より好ましくは0.4mm以下である。図5に示すような先端部と基端部とで外径が異なる曲管の場合、管状体の外径のうち最も大きい外径が、通常8mm以下であり、好ましくは5mm以下である。管状体の用途が注射針である場合は、管状体の最も大きい外径は2mm以下であり、好ましく1mm以下であり、より好ましくは0.4mm以下である。図6に示すような外側面に開口部を有する管状体の場合、その外径は通常5mm以下であり、好ましくは3mm以下であり、より好ましくは2mm以下であり、さらには外径が1mm以下であることが好ましい。さらに、用途が注射針である管状体では、外径が2mm以下であり、より好ましくは1mm以下であり、さらには0.4mm以下が特に好ましい。
管状体の外径が上記の範囲であると、注射針として使用した場合に、刺通抵抗が少なく、注射の際の苦痛が緩和される。
【0018】
管状体の内径についても、側面形状や開口部の有無といった管状体の構成によって好適範囲が異なる。図1及び図3に示すような直管の場合、管状体の内径は、1.0mm以下であり、好ましくは0.8mm以下であり、より好ましくは0.3mm以下である。図5に示すような、先端部と基端部とで内径が異なる曲管の場合、管状体の内径のうち、最も大きい内径が、5mm以下であり、好ましくは1.5mm以下であり、より好ましくは0.8mm以下である。図6に示すような外側面に開口部を有する管状体の場合、その内径は、2mm以下であり、好ましくは1.5mm以下であり、より好ましくは0.8mm以下であり、さらには0.3mm以下であることが好ましい。
管状体の内径が上記の範囲であれば、上記の範囲の外径の管状体であっても、管状体に要求される強度が損なわれない。
【0019】
本発明の管状体は、内表面の表面粗さの最大高低差(Rf)が3μm以下である。RfはJIS−B−0601−1994により、R(最大高さ)とも呼ばれ、基準長さについての、平均線に対する最大山頂から最低谷底までの高さをいう。Rfは、好ましくは2μm以下であり、より好ましくは1μm以下である。管状体の内表面のRfが上記の範囲であれば、内表面全体が滑らかであり、しかも大きな傷がないので管状体を医療器械として用いるのに好適である。
【0020】
管状体は金属製であれば、いずれであってもよく、例えばステンレス鋼を含む鉄鋼材料、アルミニウム、銅、チタンのような非鉄金属の構造材料、ニッケル、コバルト、モリブデンのような耐熱材料、鉛、錫のような低融点金属材料、金、銀、白金のような貴金属材料及びこれらの合金であってもよい。
【0021】
管状体の長さは、特に限定されない。ただし、本発明の管状体は、例えば注射針として使用する場合、外径が1.3mm以下で、内径が1.0mm以下であるため必然的に薄肉である。したがって、その長さは管状体に要求される強度に応じて適宜選択することが必要とされる。例えば、注射針として使用する場合、25〜33ゲージの注射針に相当する径の管状体は200ビッカース硬度以上を有することが必要とされる。
【0022】
このような管状体は、上記規定を満足することができればいずれの方法によって製造してもよい。本発明の管状体は、好ましくは、金属製の薄板からプレス加工により製造される。本発明の金属製の管状体は、金属製の薄板からプレス加工により製造される内径2.0mm以下で、外側面の少なくとも一部にコート層を有する管状体をも含み、この場合Rfは上記定義した範囲に限定されなくてもよい。
【0023】
図7及び図8は、本発明の方法による金属製の管状体を製造手順の一例を示す図であり、金属製の薄板から断面形状が円形をした直管を製造する場合を例示している。図7は、製造手順のうちプレス工程の前半部分を示し、図8は、プレス工程の後半部分を示しており、図7と図8とでプレス工程の全体像を示している。但し、図示した手順は、本発明の方法に関する理解を容易にするため、製造手順の一例を例示したものであり、本発明の方法はこれに限定されない。
【0024】
本発明の方法では、図7(a)に示すように、厚さ0.25mm以下の金属製の薄板4から管状体の展開形状をした板状体5を打ち抜く。ここで重要な点として、金属製の薄板4から板状体5を完全に切断された状態で打ち抜くのではなく、薄板4と板状体5とを部分的に接合させたままにしておく。図7(a)において、板状体5の短手側の切断線の中央部6が薄板と接合したままの状態になっている。
金属製の薄板から打ち抜かれる板状体5の形状は、製造される管状体の形状に応じて適宜選択される。例えば図5(a)に示す先端部の径が基端部の径よりも小さく、側面形状がテーパ形状をした管状体を製造する場合、図9に示すように、製造される管状体の先端部に対応する辺が、基端部に対応する辺に比べて短い台形の形状をした板状体を打ち抜く。また、図6に示す外側面に円形の開口部を有する管状体を製造する場合、図10に示すように、管状体の展開形状をした板状体を打ち抜くとともに、管状体の開口部に相当する孔8を板状体上に打ち抜く。
なお、金属製の薄板4から板状体5の打ち抜き、及び板状体から管状体の開口部に相当する孔の打ち抜きは、機械的に打ち抜いたのでもよく、レーザ等を用いて熱的に打ち抜いたのでもよい。
【0025】
次に、図7(b)に示すように、板状体5を上下方向から型7を用いてプレス加工する。図7(b)では、上方の型7に凸状の型を使用し、下方の型7に凹状の型を使用することで板状体5は、薄板との接合部6を軸とした湾曲形状にプレス加工される。図8(a)に、さらにプレス加工が進んだ板状体を示す。図8(a)において、板状体5はより湾曲が進んでU字形状になっている。このような形状に板状体をプレス加工するには、図7(b)に示す型7でそのままプレスしてもよく、または別の形状を型を使用してプレス加工してもよい。U字形状にプレス加工された板状体は、図8(b)に示すように上方の型7に凹状の型を使用して管形状にプレス加工する。当業者ならば容易に理解されるように、図8(b)に示すような管形状にプレス加工するまでには、異なる形状の型を使用したプレス加工をさらに数段階にわたって実施してもよい。
なお、図5(a)に示す管状体のように、先端部と基端部とで径が異なる管状体を成形する場合、好ましくは、プレス加工の際に、板状体5のうち、プレス加工後の管形状1の先端部または基端部に相当する部分を、金属製の薄板4がなす平面に対して上方または下方に移動させることにより、プレス加工される途中の管形状1の中心軸が、金属製の薄板4がなす平面に対して平行になるようにする。
【0026】
本発明の方法は、金属製の薄板からプレス加工で管形状に成形するため、プレス加工後の管形状の内面が滑らかな状態に保たれており、管形状の内表面の表面粗さの最大高低差(Rf)が3μm以下、好ましくは2μm以下であり、より好ましくは1μm以下に保たれている。
【0027】
本発明の方法では、図8(b)に示すプレス加工後の管形状の外側面の少なくとも一部にコート層を形成する。コート層を形成する方法は、金属材料上に樹脂コートまたは金属コートを形成するのに使用される公知の方法を広く使用でき、形成されるコート層の材料に応じて適宜選択する。例えば、樹脂材料でコート層を形成する場合、樹脂材料を有機溶剤で希釈したコート液を用いた浸漬法、塗布法、スプレー法、薄膜状の樹脂材料を貼布若しくは熱融着する方法等が挙げられる。金属材料でコート層を形成する場合、電解めっき、非電解めっき及び溶融めっきを含む各種めっき、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングを含む物理蒸着、化学蒸着等が挙げられる。
【0028】
樹脂材料でコート層を形成する場合に関して、具体的には、浸漬法では、コート液中に管形状を直接浸漬する。スプレー法では、コート液をスプレー等を用いて管形状の外側面に霧状に吹き付ける。塗布法では、例えばコート液で表面をぬらしたローラまたははけを用いて管形状の外表面にコート液を塗布する。上記した第1の形態のコート層のように、継ぎ目を覆うコート層を外側面の一部にのみ形成する場合、継ぎ目の幅と同程度またはそれ以下の幅の開口部を有する管形状をしたコート液塗布具(ディスペンサー)を用いて、開口部からコート液を吐出しながら継ぎ目をなぞるようにしてコート液を塗布してもよい。薄膜状の樹脂材料を用いる方法では、樹脂フィルムを接着剤等を用いて管形状の外側面に貼布するか、または熱可塑性の樹脂フィルムを管形状の外側面に密着させた状態で加熱して、管形状の外側面に樹脂フィルムを熱融着させる。
コート層を形成する方法は、コート層を形成する部位に応じてこれらの方法から好適な方法を適宜選択すればよい。例えば、第2の形態のコート層のように、すなわち管形状の外側面全体にコート層を形成する場合、コート液の塗布操作が容易であることから浸漬法及びスプレー法が好ましい。一方、第1の形態のコート層のように、管形状の外側面の一部にのみコート層を形成する場合、局所的な部位に選択的にコート液を塗布するのが容易であることからローラやはけ若しくは上記したディスペンサーによる塗布が好ましい。
【0029】
コート液中の樹脂材料の固形分濃度は、使用する樹脂材料及び有機材料の種類にもよるが1質量%から50質量%になるように希釈されていることが好ましい。コート液中の樹脂材料の固形分濃度は、より好ましくは10質量%から30質量%である。コート液の濃度が上記範囲であれば、粘性が十分低く、コート液を均一に塗布することができ、樹脂材料の硬化に要する時間が短くてすむ。希釈に使用する有機溶媒は、キシレン、トルエンのような芳香族系有機溶剤、メタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類、酢酸ビニル、ソルベントナフサ等が挙げられるが、これら使用する樹脂に応じて適宜選択すればよい。
なお、コート液の塗布後、管形状の外側面及び内側面に余剰のコート液が付着している場合、エアー噴射等により余分なコート液を除去する。
【0030】
管形状の外側面にコート液を塗布した後、樹脂材料を硬化させることで管形状の外側面上にコート層が好ましく形成される。樹脂材料の硬化は、樹脂の種類に応じた方法で実施すればよく、熱硬化性樹脂の場合、コート液を塗布した管状体をオーブン等で例えば70℃〜100℃程度まで加熱して、樹脂材料を熱硬化させる。一方、熱可塑性樹脂の場合、熱を加えて溶融状態にした樹脂材料をノズルから吐出させ、ノズルで継ぎ目をなぞるようにしてコートを行い、その後樹脂を室温まで冷却することで樹脂材料を硬化させることができる。さらに、光硬化性の樹脂材料を用いる場合、紫外線、γ線等を照射して樹脂を光硬化させてもよい。
コート液中には、樹脂材料の硬化を促進するため硬化促進剤、硬化促進補助剤等を含んでいてもよい。
【0031】
一方、コート層が金属材料である場合、上に挙げた本発明に使用可能な金属材料のコート層を形成する方法の中でも、めっき法は、操作が容易であり、比較的単純な構造の装置で実施できる。一方、物理蒸着法は、めっき法で必要とされる前処理、めっき後の洗浄のような工程の前後に実施される付加的な工程を必要としない。
【0032】
このようにして外側面にコート層が形成された管形状は、金属製の薄板との接合部を切断することで本発明の管状体を得ることができる。ただし、本発明の方法はこれに限定されず、製造時に管状体の外側面の少なくとも一部にコート層が形成されていればよい。したがって、管形状の外側面へのコート層の形成は、管形状を金属製の薄板から切断した後で実施したのでもよい。
管形状を金属製の薄板と接合したままコート層を形成すると、図7(a)に示した例のように、1枚の金属製の薄板から複数の管形状を同時にプレス加工する場合に、一度の処理でより複数の管形状にコート層を形成することができ、作業効率上好ましい。一方、管形状を金属製の薄板から切断した後でコート層を形成すれば、金属製の薄板自体にコート層が形成されないためコート材料の無駄が少なくてすむ。
【0033】
このようにして製造された管状体は、その用途に応じてさらに加工してから使用してもよい。例えば、注射針等の穿刺針として使用する場合、従来の方法で刃先を付ける等の加工を施す。この場合、刃先は、先端部または基端部のいずれか一方のみ形成してもよく、またはその両方に形成してもよい。先端部または基端部のうちいずれか一方にのみ刃先を有する管状体は、生体内に穿刺する穿刺部を有する通常の注射針である。一方、先端部及び基端部の両方に刃先を有する管状体は、生体内に穿刺する穿刺部と、薬瓶等のゴム栓に穿刺される穿刺部とを有する両頭針である。本発明の方法で製造される注射針は、小径であるため刺通抵抗が小さく、穿刺時の痛みが少ない。さらに、潤滑性の向上を目的とするコート層が形成されている場合、この効果がさらに高められている。また、両頭針の注射針の場合、薬瓶等のゴム栓に穿刺する際の抵抗も小さく、医療従事者及び患者が簡単にミスなく注射針をゴム栓等に穿刺することができる。
【0034】
本発明の方法によれば、引抜き加工を行わないので、小径で、かつ内表面が滑らかな管状体を収率よく製造することができ、また、長尺の引抜き装置が不要である。
また、管状体の長手方向の幅を持ち、長尺の薄板を用いれば、1枚の薄板から複数の管状体を一度に製造することができ、かつ管状体が金属製の薄板に接合した状態でコート層を形成すれば、一度に複数の管状体にコート層を形成することができる。このため、小径で内表面が滑らかな管状体を低コストで製造することができる。
【0035】
【実施例】
以下実施例を用いて本発明をさらに説明する。
(実施例1)
厚さ0.05mmのステンレス鋼(SUS304)製の薄板を、図7及び図8に示す手順でプレス加工することにより、外径0.35mm、内径0.25mm、長さ18mmの直管形状に成形し、該直管形状の外側面全体にエポキシ樹脂をトルエンで希釈したコート液(希釈率 エポキシ樹脂(製品に関する指定通りに主剤と硬化剤を混合させたもの)10質量%、トルエン90質量%)を塗布し、その後管形状を加熱してエポキシ樹脂を熱硬化させ、管形状を金属製の薄板から切断することで外側面全体に厚さ2μmのコート層を有する管状体を作製した。実施例で使用したエポキシ樹脂は以下の通りである。
DP125クリア(住友スリーエム)
EP−007(セメダイン)
得られた管状体について、コート層の耐圧性試験を以下の手順で実施した。
コート層の耐圧性試験
図12に示すように、その外側面の少なくとも一部にコート層が形成された管状体1の一端を、通常の注射針で針の基端を固定するのに使用されるハブに相当する形状をした針基20に接着剤21を用いて固定した。接着剤21は、管状体1に圧力を加えた際に、針基20から管状体1が外れないようにエポキシ系の接着剤(商品名エコボンド)を使用した。針基20に管状体1の一端を固定した後、図13に示すように、管状体の別の一端をエポキシ系接着剤25を用いて封止し、針基20と、水圧を印加するポンプ23とを配管24を介して液密に接続させた。このようにて針基20とポンプ23を接続した後、ポンプ23から管状体1の内部に水圧を印加して、0.6Mpaまで圧力を印加して管状体1の継ぎ目からの水の漏洩の有無を確認した。
耐圧性試験の結果、実施例1のいずれの管状体についてもコート層の耐圧性は、0.6MPa以上であった。
【0036】
(実施例2)
実施例1と同様の手順でステンレス鋼製の直管形状を成形し、電解めっき法を用いて直管形状の外側面全体に厚さ約2μmのロジウムからなるコート層を形成した。なお、電解めっきは以下の手順で実施した。
めっき液(K−RHS1(小島化学薬品(株)、ロジウム濃度100g/l、硫酸濃度300g/l))を40〜50℃に加温し攪拌する。このめっき液中に白金またはチタン製の電極板を陽極として挿入し、作製された管形状を陰極として挿入した。この状態で単位面積当たり1〜4A/dmの電気量を印加することで管形状の外側面にロジウムが析出し、厚さ約2μmのロジウム膜が形成された。なお、この方法によれば、厚さ0.1μm程度の金属薄膜を形成することも可能である。
得られた外側面上にロジウムコート層を有する管状体に対して耐圧性試験を実施した。その結果、ロジウムコート層の耐圧性が0.6MPa以上であることが確認された。
【0037】
(実施例3)
実施例1と同様の手順でステンレス鋼製の直管形状を成形し、管形状の継ぎ目の幅と同程度の幅(20μm)の開口部を有するディスペンサーを用いて、該開口部からエポキシ樹脂をトルエンで希釈したコート液(希釈率 エポキシ樹脂(製品に関する指定通りに主剤と硬化剤を混合させたもの)20質量%、トルエン80質量%)から吐出しながら管形状の継ぎ目をなぞるようにして、コート液を塗布した。コート後、管形状の外側面および内側面にエアーを吹き付けて余分なコート液を除去し、継ぎ目部分のコート層が極端に管状体の外径方向に突出しないようにした。その後管形状を加熱してエポキシ樹脂を熱硬化させ、管形状を金属製の薄板から切断することで、外側面上に、継ぎ目を覆うように形成された厚さ2μmのコート層を有する管状体1を作製した。本実施例で使用したエポキシ樹脂は、実施例1のエポキシ樹脂と同一である。
得られた管状体に対して耐圧性試験を実施した。その結果、いずれの管状体についても、コート層の耐圧性が0.6MPa以上であることが確認された。
【0038】
【発明の効果】
本発明の金属製の管状体は、小径であるにもかかわらず内表面が滑らかな状態に保たれており、管内を流動体が通過する際の抵抗が小さく、また、汚れや異物が付着しにくい。このため、小径の管状体を必要とする種々の用途、例えば、注射針に加工して好ましく使用することができる。
継ぎ目を液密に接合することを目的とするコート層がその外側面に形成された本発明の金属製の管状体は、継ぎ目を溶接で接合した場合に懸念される管状体の熱収縮による歪み問題が解消されている。
潤滑性の向上を目的とするコート層がその外側面に形成された本発明の金属製の管状体は、小径であることと相まって、穿刺針として使用する場合に、刺通抵抗が大きく低減され、穿刺時の痛みが少ない。
本発明の金属製の管状体の製造方法は、プレス加工のみで所望の寸法の管状体を成形できるので、引抜きを用いた従来の製造方法のように管状体の内表面にしわが生じることがなく、内表面が滑らかな状態に保たれた管状体を製造することができる。また、本発明の金属製の管状体の製造方法は、プレス加工された複数の管形状が金属製の薄板に接合した状態でコート層を形成するため、一度に複数の管状体を製造することができ、かつこれらに対して一度にコート層を形成することができ、外側面上にコート層を有する金属製の管状体を低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】外側面上に第1の形態のコート層が形成された本発明の金属製の管状体の一例を示す斜視図であり、コート層は管状体の外側面の一部にのみ形成され、管状体の継ぎ目を覆っている。
【図2】図1の管状体の左側面図である。
【図3】外側面上に第2の形態のコート層が形成された本発明の金属製の管状体の一例を示す斜視図であり、コート層は管状体の外側面全体に形成されている。
【図4】図3の管状体の左側面図である。
【図5】(a)ないし(c)は、曲管形状をした本発明の金属製の管状体の一例を示す正面図、側面図及び背面図である。
【図6】外側面に第1の形態のコート層と円形の開口部が形成された本発明の金属製の管状体の一例を示す斜視図である。
【図7】本発明の方法による管状体の製造手順を示す図であり、(a)は金属製の薄板から管状体の展開形状をした板状体を打ち抜いた状態を示しており、(b)は板状体を湾曲形状にプレス加工した状態を示している。
【図8】本発明の方法による管状体の製造手順を示す図であり、(a)は板状体をU字形状にプレス加工した状態を示しており、(b)は板状体を管形状にプレス加工した状態を示している。
【図9】図5(a)に示す管状体を製造する場合の図7(a)に相当する段階を示す図である。
【図10】図6に示す管状体を製造する場合の図7(a)に相当する段階を示す図である。
【図11】従来の管状体の製造方法における引抜き加工を示す図である。
【図12】耐圧性試験のために、管状体の一端を針基に固定した状態を示す側面断面図である。
【図13】耐圧性試験に使用する装置の概念図である。
【符号の説明】
1:管状体
2:継ぎ目
3:コート層
4:薄板
5:板状体
6:接合部
7:型
8:開口部
10:軸
12:管状体
14:ダイス
16:プラグ
20:針基
21、25:接着剤
23:ポンプ
24:配管

Claims (4)

  1. 内表面の表面粗さの最大高低差(Rf)が3μm以下で、内径が2.0mm以下で、かつ外側面の少なくとも一部にコート層を有する金属製の管状体。
  2. 金属製の薄板をプレス加工することにより製造される内径が2.0mm以下で、外側面の少なくとも一部にコート層を有する金属製の管状体。
  3. 請求項1または2に記載の管状体から作製される穿刺針。
  4. 金属製の薄板から管状体の展開形状をした板状体を、前記金属製の薄板と前記板状体とが部分的に接合した状態で打ち抜き、
    前記板状体を管形状にプレス加工した後、
    前記金属製の薄板と前記板状体との接合部を切断し、
    前記接合部の切断前または切断後に前記管形状の外側面上の少なくとも一部にコート層を形成して内径が2.0mm以下で、外側面上の少なくとも一部にコート層を有する金属製の管状体を製造する方法。
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