JP5802078B2 - プッシュスイッチ - Google Patents
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Description
ところで、プッシュスイッチの操作時には各接点の対向面同士が垂直に接近、離反するが、この可動側接点と固定側接点の対向面間には作動に伴う磨耗粉が介在したり、接点間にアークが飛んで、炭化物や酸化物が堆積して絶縁膜を形成することが多く、この場合には、いわゆる接触不良を呈して動作不安定となる。
そして、上記接点同士が弾接する際に、接触片の片持ち形状部分が接圧ばねの付勢力により撓んで、可動接点が固定接点上で外方へ微少距離だけ摺動する。これにより接点同士の接触面のワイピングを行い、磨耗粉や炭化物、酸化物などの異物を除去するようになっている。
上記可動接点を備えて軸線に沿ってストロークする可動接点盤と、
軸線上においてストロークし可動接点盤と当接可能なムービングブロックと、
可動接点盤とムービングブロックを互いに当接する方向に付勢する付勢手段と、
可動接点が固定接点と接触する所定位置で可動接点盤のストロークを阻止するストッパと、
可動接点盤とムービングブロックの少なくも一方に設けられて、互いの当接状態において可動接点盤を軸線に関して傾斜状態に保持する傾斜手段と、
ストッパによりストロークを阻止されたあと、可動接点盤をムービングブロックのストロークによる離間に応じて傾斜状態から姿勢変化させる姿勢変化手段とを有するものとした。
図1は実施の形態を示す断面図である。図1は、とくにブレーキペダルに適用した場合における、ブレーキ解除状態のブレーキペダル側部材によってプッシュロッドがケーシング内に押し込まれた初期状態を示している。
プッシュスイッチ1は、プッシュロッド2を保持するほか、可動接点板50を保持する可動接点盤40、ムービングブロック60、固定接点板31をケーシング10内に収納して構成される。
ケーシング10は第1ケース11と第2ケース24からなり、第1ケース11は金属製又は樹脂製で主としてプッシュロッド2を収容し、第2ケース24は樹脂製で可動接点盤40と固定接点板31を収容するとともに、コネクタ部を形成している。
なお、以下では便宜上、第1ケース11側を上方、第2ケース24側を下方として説明する。
なお、このプッシュスイッチ1は、ケーシング10に押し込まれたプッシュロッド2を突出させることによりONするタイプのスイッチである。
嵌め合い部12は断面が略四角形で、対向する側壁15a、15bには第2ケース24に設けられた爪30と係合する係合穴16を設けてある。また、嵌め合い部12の上壁14には段部21が形成してある。
筒部13内には、先端に開口してプッシュロッド2の操作部3をガイドする第1穴17と、第1穴17に連通してつば部4を収容する第2穴18とが形成され、嵌め合い部12に連通している。操作部3はつば部4が第1穴17と第2穴18の段差部に当接するまで筒部13から突出可能である。
なお、以下では第1穴17、第2穴18をスライドするプッシュロッド2の中心線を軸線(または軸心)Sと呼び、位置関係を説明する際の参照基準とする。
接点収容室Rsは横断面が四角形で、側壁25a、25bには前述の爪30が設けてある。
接点収容室Rsの底壁26には、プッシュロッド2の軸線S上に相当する中心に後述する第1コイルスプリング7の一端(下端)を受ける突起状のスプリング受け27が設けられるとともに、第2コイルスプリング8の一端(下端)を受けるリング溝状のスプリング受け28がスプリング受け27と同心に設けられている。
舌片接触部37と舌片53の接触範囲を確保するため、底壁26には舌片接触部37の内側面(軸心S側)に沿って掘り下げた凹部29が形成され、凹部29内まで舌片接触部37の内側面を露出させている。
なお、第1ケース11と第2ケース24との軸方向位置決めは、第1ケース11の係合穴16と第2ケース24の爪30の係合、および第1ケース11の段部21と第2ケース24の側壁25cの当接により行われる。
プッシュロッド2はその初期状態において、操作部3の先端がケーシング10の筒部13の先端と一致する位置にあって、つば部4の突部5がムービングブロック60を押し下げ、これにより、上方へ付勢されている可動接点盤40はムービングブロック60に当接している。
可動接点盤40は、ベース41と、可動接点板50と、押さえ部材57とからなる組立体である。
ベース41は樹脂または金属製で、円盤部42を主体とし、その一部を外方に拡大して形成した可動接点板支持部43を備える。
円盤部42は中心に貫通穴44を有し、貫通穴44の穴縁からは下方に筒部45(後掲の図6参照)がフランジ状に突出している。円盤部42の下面は筒部45で位置決めした第2コイルスプリング8の上端を受けるスプリング受けとなる。
円盤部42の外周上面46は貫通穴44の中心に関し径方向所定幅の平滑な平面をなし、円盤部42の外周上面46から筒部45へ移る角部は滑らかな円弧曲面となっている。円盤部42に連なる可動接点板支持部43の上面も同一平面上にある。
舌片53は根元から下方斜めに曲げられ、可動接点板50はこの舌片53が外方に向かうようにベース41に取り付けられる。
脚部52はその外側辺が基部51の長手方向に対して垂直であるが、基部51側の根元が広幅で、先端が細幅となっている。
脚部52は根元で円盤部42側へ折り返されて、外側辺を基部51の長手方向に対して垂直に保持しながら基部51の上方を斜め上方に延びるように設定してあり、先端には上面となる側に可動接点55を備えている。
基部51の両端部には可動接点板支持部43の丸突起47に対応する丸穴56が設けられており、丸穴56を丸突起47に押し込むことにより可動接点板50がベース41に対して位置決めされる。
ベース41、可動接点板50および押さえ部材57は、それぞれ可動接点板支持部43、基部51および取付け基部58に形成された互いに整合する不図示のリベット穴を通して、リベット48により一体に結合されている。
ムービングブロック60は樹脂または金属製で、可動接点盤40と当接可能な接点盤連係部61と、接点盤連係部61とつながったガイド部62とからなる。
ガイド部62は可動接点板支持部43と同程度の長さを有し、その両端部に軸線Sと平行に下方へ延びてムービングブロック60を上下方向にガタなくガイドするレール63を備えている。接点盤連係部61はガイド部62の中間位置から延びる形態となっている。
接点盤連係部61(ブロックベース65)とガイド部62の上面は面一で、軸線Sに垂直な平滑な平面となっている。
突出軸部66のブロックベース65につながる上部にはガイド部62から遠い側と近い側とにそれぞれ張り出し部70、71が設けられている。
ガイド部62に近い側の張り出し部71は軸心Sを挟んで遠い側の張り出し部70と対称位置に、遠い側の張り出し部70と同一外径および同一周方向長さをもってブロックベース65の下面から膨出した形態となっている。
ここで、両張り出し部71、70の下端面は、ガイド部62側で高く、ガイド部62から離れるほど低くなるように傾斜した共通の一平面(傾斜面)上にあるように設定してある。
なお、突出軸部66における張り出し部70、71間の周壁はわずかに削られて小径となっている。
ケーシング2の接点収容室Rsには、可動接点盤40のベース41における可動接点板支持部43とムービングブロック60のガイド部62とが軸心(S)を挟んで対向するように配置され、ムービングブロック60はそのレール63が接点収容室Rsに形成されたガイド溝にそってスライドすることにより、軸線Sと平行に上下移動可能となっている。
ストッパ20は、ムービングブロック60の平面部68に沿ったスペースを通過して、可動接点盤40の円盤部42の外周上面46に対向している。
初期状態では、ムービングブロック60がプッシュロッド2で押さえられるとともに、可動接点盤40が第2コイルスプリング8で上方に付勢されているので、図6に示すように、ムービングブロック60の突出軸部66の先端が可動接点盤40における円盤部42の貫通穴44に進入する一方、円盤部42の外周上面46が突出軸部66の張り出し部70、71に当接している。張り出し部70、71の下端面が傾斜しているので、可動接点盤40はムービングブロック60に対して傾斜状態、したがって軸線Sに対しても傾斜状態となっている。
初期状態ではベース41の円盤部42とストッパ20とは離間している。
円盤部42に対向するストッパ20の下端縁は軸線Sに対して垂直に設定してある。
図1に示すように、可動接点盤40の舌片53がその先端を通電板35の舌片接触部37の下平行部37aに接触させて、これにより可動接点55とコネクタ端子36を電気的に接続している。舌片53は、可動接点盤40の移動の間、常時舌片接触部37に接触して、この電気的接続を保持する。
初期状態において、下方位置にある可動接点盤40の可動接点55は接点収容室Rsの上端に位置する固定接点33から離間している。
また、第2コイルスプリング8の上端の着座面(スプリング受け)は可動接点盤40の傾斜により傾いているので、第2コイルスプリング8の付勢力には可動接点盤40を回転させようとする成分を含んでいる。
まず、図1の初期状態において、プッシュロッド2は、押し込まれて操作部3の先端が筒部13の先端と面一になっているが、第1コイルスプリング7と第2コイルスプリング8によりムービングブロック60とさらに可動接点盤40を介して、筒部13から突出方向に付勢されている。したがって、プッシュロッド2を押し込んでいたブレーキペダル側部材がブレーキペダル踏み込みにより押し込み方向と逆方向に変位すると、これに追随して操作部3の先端(上端)がケーシング2の筒部13先端から突出するとともに、つば部4の突部5が上方に退避する。
図6に示したように、可動接点盤40は第2コイルスプリング8の付勢力により突出軸部66の張り出し部70、71に円盤部42を当接させた傾斜状態で、ムービングブロック60と一体となって、ムービングブロック60の上面を突部5に押し付けたまま上方に移動する。ムービングブロック60の上面を突部5に押し付ける力には第1コイルスプリング7の付勢力も加わっている。
なお、図8において上段は図7と同様にベース41とストッパ20との関係を示し、下段は可動接点盤40およびムービングブロック60の動きを示す。
可動接点55と固定接点33の接触により、舌片接触部37、舌片53、可動接点55および固定接点33を介してコネクタ端子36、32間が導通開始してプッシュスイッチ1はONとなる。
可動接点盤40はまだ傾斜状態である。舌片53は通電板35の舌片接触部37上をスライドして、その先端が下平行部37aから傾斜部37b(図1参照)への移行点に移動している。
そして可動接点55を支持する可動接点板50の脚部52は押さえ部材57のアーム部59から離れることになる。
そして、図8の(B)に示すように、ベース41におけるストッパ20の角に当接していた部位はストッパ20で止められたまま、ムービングブロック60の上昇にしたがって、可動接点盤40は第2コイルスプリング8の付勢力、とくに回転させようとする成分により、ベース41(円盤部42)における下端面が低い張り出し部70に押し下げられていた側が上がるように回転する。図8の(B)では、可動接点盤40のベース41が軸線Sに対して垂直になるまで回転し、ストッパ20の下端全縁と当接した状態を示している。
この際、可動接点盤40から延びる舌片53の先端は舌片接触部37の傾斜部37bを外方へ滑るので、舌片53による突っ張りが可動接点盤40の回転に影響を与えないようになっている。
さらに、可動接点板50の脚部52はアーム部59によってあらかじめ初期撓みを与えて所定の反力をもたせてあるので、可動接点55と固定接点33間には接触と同時に上記反力に対応する初期圧から開始する高い接圧が生じる。
ムービングブロック60は第1コイルスプリング7で付勢されているので、プッシュロッド2に押し付けられたまま上昇し、とくに上段に示されるように、張り出し部70がベース41から離間する。一方、可動接点盤40はそのベース41がストッパ20に当接して軸線Sに対して垂直になった後は上昇を規制される。
すなわち、ムービングブロック60の張り出し部70が可動接点盤40から離間するだけで、可動接点盤40の可動接点55とケーシング10側の固定接点33との接触状態は(B)の状態と同一に保持される。
可動接点55が固定接点33に接触する瞬間より前にベース41がストッパ20に当接すれば、可動接点盤40が先に回転を始めるので、可動接点55は摺動方向の変位途中で固定接点33に接触し、接触してからの摺動距離は比較的に短くなる一方、可動接点55が固定接点33に接触した瞬間より後にベース41がストッパ20に当接すれば、接触より遅く摺動が開始するので、ムービングブロック60の退避距離が短いと比較的短い摺動距離で終わることになるから、これらの関係を勘案して、所望の摺動距離が得られるように、所定範囲で設定すればよい。
また、ストッパ20の可動接点盤40におけるムービングブロック60との対向面に当接し軸線Sに対して垂直に延びる端縁が、姿勢変化手段も構成している。
また、プッシュロッド2をムービングブロック60に当接させ、第1スプリング7でプッシュロッド2にムービングブロック60を押し付けるので、プッシュロッド2を伸縮(ケーシングから突出、押し込み)方向に操作することでこれに追従して可動接点盤40とムービングブロック60をストロークさせることができる。
とくに、可動接点盤40はさらに押さえ部材57を有して、可動接点板50(脚部52)に初期撓みを与えるので、可動接点55と固定接点33間には接触と同時に初期撓みに基づく初期圧から開始する高い接圧が生じ、両接点33、55間に格段のワイピングが作用する。また、両接点33、55間の接触時にふらつきがなくアークの発生を抑制できる。
例えば軸心を挟んで、ベース41の張り出し部70に当接する部位側の端部に当接するように配置した第1のストッパと、張り出し部71に当接する部位側の端部に当接するように配置した第2のストッパとに分けて設けてもよい。
あるいはまた、傾斜手段としての張り出し部70、71についても、ムービングブロックではなく、可動接点盤40側に同様のものを設けてもよい。
さらに、姿勢変化の角度についても、ストッパの端縁を軸線Sに対して垂直に延ばすことにより可動接点盤40を垂直姿勢にするものとしたが、所望の摺動変位が得られれば、垂直でなくても傾斜手段による可動接点盤40の傾斜とは異なる角度に変化させれば十分である。
この場合、ムービングブロック、可動接点盤および第2コイルスプリングの配置を図1において上下反転するが、第1コイルスプリングはムービングブロックを上向きに付勢するように、実施の形態と同配置にすればよい。なお、プッシュロッドは可動接点盤(ベース)の貫通孔を通してムービングブロックに当接させることができる。
また、プッシュスイッチを操作する操作部材としてムービングブロック60に当接させたプッシュロッド2を備えるものとしたが、ムービングブロック自体にケーシングから突出する操作部を形成することにより、プッシュロッドを省くこともできる。
その他、各部材の形状、サイズ等は図示のものに限定されず、設置場所や使用態様等に応じて、本発明の作用効果を奏する範囲で任意に設定される。
2 プッシュロッド
3 操作部
4 つば部4
5 突部
7 第1コイルスプリング
8 第2コイルスプリング
10 ケーシング
11 第1ケース
12 嵌め合い部
13 筒部
14 上壁
15a、15b 側壁
16 係合穴
17 第1穴
18 第2穴
20 ストッパ
21 段部
24 第2ケース
25a、25b、25c 側壁
26 底壁
27 スプリング受け
28 スプリング受け
29 凹部
30 爪
31 固定接点板
32、36 コネクタ端子
33 固定接点
35 通電板
37 舌片接触部
37a 下平行部
37b 傾斜部
37c 上平行部
40 可動接点盤
41 ベース
42 円盤部
43 可動接点板支持部
44 貫通穴
45 筒部
46 外周上面
47 丸突起
48 リベット
50 可動接点板
51 基部
52 脚部
53 舌片
55 可動接点
56 丸穴
57 押さえ部材
58 取付け基部
59 アーム部
60 ムービングブロック
61 接点盤連係部
62 ガイド部
63 レール
65 ブロックベース
66 突出軸部
67 円筒面
68 平面部
69 スプリング受け
70、71 張り出し部
Rs 接点収容室
Rr レセプト凹部
Claims (9)
- 可動接点を所定の軸線方向にストロークさせて固定接点と接触させるプッシュスイッチであって、
前記可動接点を備えて前記軸線に沿ってストロークする可動接点盤と、
前記軸線上においてストロークし前記可動接点盤と当接可能なムービングブロックと、
前記可動接点盤とムービングブロックを互いに当接する方向に付勢する付勢手段と、
前記可動接点が固定接点と接触する所定位置で前記可動接点盤のストロークを阻止するストッパと、
前記可動接点盤とムービングブロックの少なくも一方に設けられて、互いの当接状態において前記可動接点盤を前記軸線に関して傾斜状態に保持する傾斜手段と、
前記ストッパによりストロークを阻止されたあと、前記可動接点盤を前記ムービングブロックのストロークによる離間に応じて前記傾斜状態から姿勢変化させる姿勢変化手段とを有することを特徴とするプッシュスイッチ。 - 固定側に対してストローク可能で前記ムービングブロックに当接するプッシュロッドと、
該プッシュロッドに前記ムービングブロックを押し付ける第1スプリングとを備えることを特徴とする請求項1に記載のプッシュスイッチ。 - 前記付勢手段は、前記可動接点盤と固定側との間に設けられて前記可動接点盤を前記ムービングブロックに押し付ける第2スプリングであることを特徴とする請求項2に記載のプッシュスイッチ。
- 前記プッシュロッドと、前記ムービングブロックと、前記可動接点盤とが当該順番で軸線方向に並び、
前記第1スプリングと第2スプリングとが前記ムービングブロックと前記可動接点盤とを同方向に付勢していることを特徴とする請求項3に記載のプッシュスイッチ。 - 前記傾斜手段が、前記ムービングブロックの前記可動接点盤との対向部に設けられた傾斜面であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載のプッシュスイッチ。
- 前記姿勢変化手段が、前記ストッパにおける前記可動接点盤の前記ムービングブロックとの対向面に当接し前記傾斜手段による傾斜とは異なる角度に延びる端縁であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1に記載のプッシュスイッチ。
- 前記可動接点、固定接点およびストッパが、それぞれ前記軸線を挟んで両側に配置してあることを特徴とする請求項1から6のいずれか1に記載のプッシュスイッチ。
- 前記可動接点盤が、前記ムービングブロックとの当接面を有するベースと、該ベースに取り付けられて前記固定接点に対応する方向に延びる弾性金属製の可動接点板を有して、
該可動接点板に前記可動接点が設けてあることを特徴とする請求項1から7のいずれか1に記載のプッシュスイッチ。 - 前記可動接点盤はさらに押さえ部材を有して、前記可動接点板に初期撓みを与えていることを特徴とする請求項8に記載のプッシュスイッチ。
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