JP5800209B2 - 酸化物スパッタリングターゲットおよびその製造方法 - Google Patents

酸化物スパッタリングターゲットおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光記録媒体の保護膜を成膜するための酸化物スパッタリングターゲットおよびその製造方法に関するものである。
近年、写真や動画の高画質化に伴い、光記録媒体等へ記録する際のデジタルデータが増大し、記録媒体の高容量化が求められ、既に、高記録容量の光記録媒体として二層記録方式により50GBの容量を有したBlu−ray(登録商標) Discが販売されている。このBlu−ray(登録商標) Discは、今後もさらなる高容量化が望まれており、記録層の多層化による高容量化の研究が盛んに行われている。
Blu−ray(登録商標) Discを構成する誘電体保護膜用の材料としては、Zrを主成分とし、さらにIn,Si,Cr,Al,Ce,Ti,Sn,Ga,Laのうち1種または2種以上と酸素とを含む酸化物系材料が提案されている(特許文献1参照)。
また、そのような膜を成膜するスパッタリングターゲット材料として、上記組成においてZrの90%以上がZrとInとの複合酸化物相となってターゲット素地中に分散している耐割れ性に優れたZrO−In系光記録媒体保護膜形成用スパッタリングターゲットが提案されている(特許文献2参照)。
特開2005−56545号公報 特開2009−62585号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
記録層に有機色素を用いた安価な光記録媒体の保護膜を形成する材料には高い生産性が求められているが、上記従来のスパッタリングターゲットでは、使用時の割れを防止するためにZrOとInとを粉砕混合、乾燥、焼成、粉砕し、さらにその他の酸化物を加えた後、粉砕混合、乾燥、成形、焼成するといった多数の工程が必要であり、生産性が悪いという問題があった。
また、上記従来のスパッタリングターゲットを簡便に作製する目的でホットプレスにて作製を行った場合、ZrOを高温でホットプレスすると、冷却の際にZrOの相転移により体積が膨張して割れる問題やInが溶出するという問題があり、高密度なスパッタリングターゲットを得ることができなかった。また、Inの溶出しない温度で作製したスパッタリングターゲットは密度が低く、スパッタ時に割れが生じたり、パーティクルが発生する問題もあった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、光記録媒体保護膜形成用として、ホットプレスにて製造する際の割れやInの溶出がなく製造工程を簡素化でき、高密度の酸化物スパッタリングターゲットおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ZrO−In系のスパッタリングターゲットについて研究を進めたところ、原料にZnO(酸化亜鉛)とGa(酸化ガリウム)とを加えることにより、ホットプレスにて製造する際の割れやInの溶出なしに高密度なスパッタリングターゲットをホットプレス等の加圧焼結で作製可能なことを見出した。
したがって、本発明は、上記知見から得られたものであり、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の酸化物スパッタリングターゲットは、Zr,In,Ga,Zn及び酸素からなり、ZrO相の周囲がInとZnとGaとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相で囲まれた組織を有することを特徴とする。
すなわち、この酸化物スパッタリングターゲットは、ZrO相の周囲がInとZnとGaとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相で囲まれた組織を有するので、比抵抗が下がり、高密度となる。
また、本発明の酸化物スパッタリングターゲットは、不可避不純物を除いた全金属成分量に対する原子比で、Zr:A%,In:B%,Ga:C%およびZn:D%とされており、これらの成分組成が、0<A≦45.5、9.1≦B≦31.0、9.1≦C≦31.0、B+C≦2D、A+B+C+D=100の関係を満たすことを特徴とする。
この酸化物スパッタリングターゲットでは、Zr,In,Gaの成分組成が、上記の関係を満たすので、ホットプレス等の加圧焼結で製造可能になり、生産性に優れていると共に、ターゲットは比抵抗が低く高密度であり、スパッタ中において割れやパーティクルの発生も低減することができる。また、ターゲットの比抵抗が低くなるため、DCスパッタが可能になる。なお、DCスパッタの場合、成膜速度が高いと共に、酸素雰囲気中で行うことにより、酸素欠損を防ぎ、膜の透明度を維持することができる。また、特許文献1に記載のようなZrO,InにSiOを添加した従来の膜と比較しても、同等の屈折率と消衰係数とを有する膜が得られる。
ここで、本発明の金属成分元素の含有割合を上記のごとく限定した理由は、以下のとおりである。
Zr:
Zrが45.5原子%を超えるとスパッタリングターゲットの比抵抗が上昇するためDCスパッタが困難となるためである。なお、特許文献1の段落番号[0085]などに記載のようなZrO添加による効果(保護膜としての保存特性)を十分に得るためには、Zrが6.9原子%以上であることが好ましい。
In:
Inが31.0原子%を超えると焼結中に金属Inが溶出してしまい、また、9.1原子%未満であるとスパッタリングターゲットの比抵抗が上昇し、DCスパッタが困難となる。
Ga:
Gaが31.0原子%を超えると金属が溶出してしまうと共に、9.1原子%未満であるとスパッタリングターゲットの導電性が低下してしまうためである。
Zn:
Inの含有量B%およびGaの含有量C%との関係において、Znの含有量D%がB+C≦2Dを満たすことが好ましい。B+C>2Dであると、金属(In、Ga、またはその両方)が溶出するおそれがあるためである。
また、本発明の酸化物スパッタリングターゲットは、C≦Bの関係を満たすことが好ましい。
C≦Bを満たさない場合、ZnとGaの複合酸化物ZnGaが生成され得る。ZnGaは電気抵抗が高いため、多量に生成するとターゲットの抵抗値が上がりDCスパッタ不能となる可能性がある。また、大きなZnGaの粒子がターゲット内に生成した場合、異常放電の原因となるおそれがある。
また、本発明の酸化物スパッタリングターゲットは、相対密度が91%以上であることを特徴とする。
本発明の酸化物スパッタリングターゲットの製造方法は、上記本発明の酸化物スパッタリングターゲットを製造する方法であって、ZrO粉とIn粉とGa粉とZnO粉とを混合して混合粉末を作製する工程と、該混合粉末を加圧焼結する工程と、を有していることを特徴とする。
また、本発明の酸化物スパッタリングターゲットの製造方法は、上記本発明の酸化物スパッタリングターゲットを製造する方法であって、In粉とGa粉とZnO粉とを混合し、この混合粉末を仮焼して一次混合粉末を作製する工程と、該一次混合粉末とZrO粉とを混合して二次混合粉末を作製する工程と、該二次混合粉末を加圧焼結する工程と、を有していることを特徴とする。
すなわち、これらの酸化物スパッタリングターゲットの製造方法では、ZrO粉とIn粉とGa粉とZnO粉とを用いるので、InとZnOとGaとが反応して焼結中に金属Inとして溶け出さなくなると共に、ZrOが他の金属と反応せずにそのまま残ることで、比較的低温でZrO相の周囲をInとZnとGaとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相が囲んだ組織が得られる。さらに、GaとZnOとを入れることにより、Inとの反応を促進してInとZnとGaとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相を形成し、焼結密度が向上すると共に導電性も高くなる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る酸化物スパッタリングターゲットによれば、Zr,In,Gaの成分組成が、上記の関係を満たすので、ホットプレス等の加圧焼結で製造可能になり、生産性に優れていると共に、比抵抗が低く高密度が得られ、スパッタ中において割れやパーティクルの発生も低減することができる。
また、本発明に係る酸化物スパッタリングターゲットの製造方法によれば、ZrO粉とIn粉とGa粉とZnO粉とを用いることで、焼結中に金属Inとして溶け出さなくなると共に、比較的低温でZrO相の周囲をInとZnとGaとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相が囲んだ高密度で比抵抗の低い組織のターゲットが得られる。
したがって、本発明の酸化物スパッタリングターゲットを用いることで、直流マグネトロンスパッタにて高い成膜速度で透明度が高く屈折率等光学特性の良好な膜を成膜することができ、高記録容量の光記録媒体を構成する誘電体保護膜を作製するスパッタリングターゲットとして好適である。
本発明に係る酸化物スパッタリングターゲットおよびその製造方法の実施例において、作製したスパッタリングターゲットのX線回折(XRD)結果を示すグラフである。 本発明に係る酸化物スパッタリングターゲットおよびその製造方法の実施例において、作製したスパッタリングターゲットの断面組織をEPMAにより測定した各元素の元素分布像である。
以下、本発明の酸化物スパッタリングターゲットおよびその製造方法の一実施形態を説明する。
本実施形態の酸化物スパッタリングターゲットは、高記録容量の光記録媒体を構成する誘電体保護膜を作製するためのスパッタリングターゲットであって、Zr,In,Ga,Zn及び酸素からなり、ZrO相の周囲がInとZnとGaとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相で囲まれた組織を有している。
また、この酸化物スパッタリングターゲットは、不可避不純物を除いた全金属成分量に対する原子比で、Zr:A%,In:B%,Ga:C%およびZn:D%とされており、これらの成分組成が、
0<A≦45.5、
9.1≦B≦31.0、
9.1≦C≦31.0、
B=C≦D、
A+B+C+D=100
の関係を満たしている。
この本実施形態の酸化物スパッタリングターゲットを製造する方法は、ZrO粉とIn粉とGa粉とZnO粉とを混合して混合粉末を作製する工程と、該混合粉末を加圧焼結する工程と、を有している。
この製法の一例について詳述すれば、まず酸化ジルコニウム(化学式:ZrO)、酸化インジウム(化学式:In)、酸化亜鉛(化学式:ZnO)、酸化ガリウム(化学式:Ga)の各原料粉末を、含有金属が所定の比率になるように秤量する。なお、原料の酸化ジルコニウムを部分安定化ジルコニアとしても構わない。
この秤量した原料粉末とその3倍量(重量比)のジルコニアボール(直径5mm)とをポリ容器に入れ、ボールミル装置にて18時間湿式混合する。なお、この際の溶媒には、例えばアルコールを用いる。次に、得られた混合粉末を乾燥後、例えば目開き:500μmの篩にかけ、800〜1200℃、望ましくは950〜1100℃にて2〜9時間、200〜400kgf/cmの圧力にて真空または不活性ガス雰囲気中でホットプレスし、スパッタリングターゲットとする。
また、本実施形態の酸化物スパッタリングターゲットを製造する別の方法は、In粉とGa粉とZnO粉とを混合し、この混合粉末を仮焼して一次混合粉末を作製する工程と、該一次混合粉末とZrO粉とを混合して二次混合粉末を作製する工程と、該二次混合粉末を加圧焼結する工程と、を有している。
この製法の一例について詳述すれば、まず酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムの各原料粉末を、含有金属が所定の比率になるように秤量する。この秤量した原料粉末とその3倍量(重量比)のジルコニアボール(直径5mm)とをポリ容器に入れ、ボールミル装置にて18時間湿式混合する。なお、この際の溶媒には、例えばアルコールを用いる。次に、得られた混合粉末を乾燥後、例えば目開き:500μmの篩にかけ、1000℃にて3時間焼成し、仮焼粉の一次混合粉末とする。
さらに、得られた一次混合粉末に酸化ジルコニウムを所定原子比になるように加え、この混合粉末とその5倍量(重量比)のジルコニアボール(直径5mm)とをポリ容器に入れ、ボールミル装置にて24時間湿式混合して二次混合粉末とする。なお、この際の溶媒には、例えばアルコールを用いる。得られた二次混合粉末を乾燥後、例えば目開き:500μmの篩にかけ、1050℃にて3時間、350kgf/cmの圧力にて真空または不活性ガス雰囲気中でホットプレスし、スパッタリングターゲットとする。
このように本実施形態の酸化物スパッタリングターゲットでは、Zr,In,Gaの成分組成が、上記の関係を満たすので、ホットプレス等の加圧焼結で製造可能になり、生産性に優れていると共に、比抵抗が低く高密度が得られ、割れやパーティクルの発生も低減することができる。特に、ZrO相の周囲がInとZnとGaとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相で囲まれた組織を有するので、比抵抗が低く高密度のターゲットを得ることができる。また、比抵抗が低くなるため、RFスパッタだけでなく、DCスパッタも可能になる。なお、DCスパッタの場合、成膜速度が高いと共に、酸素雰囲気中で行うことにより、酸素欠損を防ぎ、膜の透明度を維持することができる。また、従来のSiOを入れた場合と同等の屈折率と消衰係数とを有する膜が得られる。
また、本実施形態の酸化物スパッタリングターゲットの製造方法では、ZrO粉とIn粉とGa粉とZnO粉とを用いるので、InとZnOとGaとが反応して焼結中に金属Inとして溶け出さなくなると共に、ZrOが他の金属と反応せずにそのまま残ることで、比較的低温でZrO相の周囲をInとZnとGaとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相が囲んだ組織が得られる。さらに、GaとZnOとを入れることにより、Inとの反応を促進してInとZnとGaとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相を形成し、焼結密度が向上すると共にターゲットの比抵抗を低減することができる。
上記本実施形態に基づいて実際に作製した酸化物スパッタリングターゲットおよびその製造方法の実施例について、評価を行った結果を説明する。
[実施例1]
酸化ジルコニウム(純度:3N、平均粒径:10μm)、酸化インジウム(純度:3N、平均粒径:6μm)、酸化亜鉛(純度:3N、平均粒径:1.4μm)、酸化ガリウム(純度:4N、平均粒径:0.5μm)の各原料粉末を、含有金属の比率がZr:In:Zn:Ga=40.0:20.0:20.0:20.0(原子%)になるように秤量した。
この秤量した原料粉末とその3倍量(重量比)のジルコニアボール(直径5mm)とをポリ容器に入れ、ボールミル装置にて18時間湿式混合する。なお、この際の溶媒には、アルコールを用いた。次に、得られた混合粉末を乾燥後、目開き:500μmの篩にかけ、1050℃にて3時間、350kgf/cmの圧力にて真空ホットプレスし、実施例1のスパッタリングターゲットを得た。
[実施例2]
実施例1と同様の原料粉であって、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムの各原料粉末を、含有金属の比率がIn:Zn:Ga=1:1:1(原子比)になるように秤量した。
この秤量した原料粉末とその3倍量(重量比)のジルコニアボール(直径5mm)とをポリ容器に入れ、ボールミル装置にて18時間湿式混合する。なお、この際の溶媒には、アルコールを用いた。次に、得られた混合粉末を乾燥後、目開き:500μmの篩にかけ、1000℃にて3時間焼成し、仮焼粉の一次混合粉末とした。
さらに、得られた一次混合粉末に酸化ジルコニウムを原子比にてZr:In:Zn:Ga=40.0:20.0:20.0:20.0(原子%)になるように加え、この混合粉末とその5倍量(重量比)のジルコニアボール(直径5mm)とをポリ容器に入れ、ボールミル装置にて24時間湿式混合して二次混合粉末とした。なお、この際の溶媒には、アルコールを用いた。得られた二次混合粉末を乾燥後、目開き:500μmの篩にかけ、1050℃にて3時間、350kgf/cmの圧力にて真空ホットプレスし、実施例2のスパッタリングターゲットを得た。
実施例1と同様の原料粉であって、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムの各原料粉末を、含有金属の比率がZr:In:Zn:Ga=20.0:9.1:39.9:31.0(原子%)になるように秤量し、実施例1と同様の方法で実施例3のスパッタリングターゲットを得た。
実施例1と同様の原料粉であって、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムの各原料粉末を、含有金属の比率がZr:In:Zn:Ga=6.9:31.0:53.0:9.1(原子%)になるように秤量し、実施例1と同様の方法で実施例4のスパッタリングターゲットを得た。
実施例1と同様の原料粉であって、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムの各原料粉末を、含有金属の比率がZr:In:Zn:Ga=46.0:8.5:37.0:8.5(原子%)になるように秤量し、実施例1と同様の方法で比較例1のスパッタリングターゲットを得た。
実施例1と同様の原料粉であって、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムの各原料粉末を、含有金属の比率がZr:In:Zn:Ga=20.0:32.0:16.0:32.0(原子%)になるように秤量し、実施例1と同様の方法で比較例2のスパッタリングターゲットを得た。
[従来例1]
酸化ジルコニウム(純度:3N、平均粒径:10μm)、酸化インジウム(純度:3N、平均粒径:6μm)、酸化ケイ素(純度:4N、平均粒径:0.2μm)の各粉末を、原子比にてZr:In:Si=33.4:33.3:33.3(原子%)になるように秤量した。秤量した粉末とその3倍量(重量比)のジルコニアボール(直径5mm)とをポリ容器に入れ、ボールミル装置にて18時間湿式混合した。なお、この際の溶媒には、アルコールを用いた。得られた混合物を乾燥後、目開き:500μmの篩にかけ、1050℃にて3時間、350Kgf/cmの圧力で真空ホットプレスし、従来例1のスパッタリングターゲットとした。
[従来例2]
酸化ジルコニウム(純度:3N、平均粒径:10μm)、酸化インジウム(純度:3N、平均粒径:6μm)の各粉末を、原子比にてZr:In=33.3:66.7(原子%)になるように秤量した。秤量した粉末とその3倍量(重量比)のジルコニアボール(直径5mm)とをポリ容器に入れ、ボールミル装置にて18時間湿式混合した。なお、この際の溶媒には、アルコールを用いた。得られた混合物を乾燥後、目開き:500μmの篩にかけ、1050℃にて3時間、350Kgf/cmの圧力で真空ホットプレスし、従来例2のスパッタリングターゲットとした。
<評価>
各実施例・比較例のスパッタリングターゲットについて、ホットプレス後の金属溶出の有無を確認し、相対密度を求めた。
相対密度は、焼結体の嵩密度を理論密度で割り、算出した。尚、理論密度は以下のようにして求めた。
金属溶出の有無は、X線回折測定の結果、金属の回折ピークが見られるか否かにより確認した。X線回折の測定条件は次のとおりである。
試料の準備:試料はSiC−Paper(grit 180)にて湿式研磨、乾燥の後、測定試料とした。
装置:理学電気社製(RINT−Ultima/PC)
管球:Cu
管電圧:40kV
管電流:40mA
走査範囲(2θ):5°〜90°
スリットサイズ:発散(DS)2/3度、散乱(SS)2/3度、受光(RS)0.8mm
測定ステップ幅:2θで0.02度
スキャンスピード:毎分2度
試料台回転スピード:30rpm
評価の結果を表1に示す。また、実施例1のスパッタリングターゲットのX線回折測定結果を図1に示す。
表1より、ZnOとGaとを含有させた実施例1〜4では、金属の溶出がない高密度なスパッタリングターゲットが得られることがわかる。また、図1に示すように、実施例のスパッタリングターゲットでは、InGaZnOに帰属する回折ピークとZrOに帰属する回折ピークとが確認された。
また、本発明の実施例は、いずれも相対密度が91%以上であった。
<EPMA分析>
実施例1のスパッタリングターゲットについて、その組織観察をEPMA(フィールドエミッション型電子線プローブ)にて、反射電子像(CP)および各元素の組成分布を示す元素分布像を用いて実施した。上記反射電子像および元素分布像を図2に示す。
なお、EPMAによる元素分布像は、本来カラー像であるが、白黒像に変換して記載しているため、濃淡の淡い部分(比較的白い部分)が所定元素の濃度が高い部分となっている。
これら画像から、実施例1のスパッタリングターゲットは、InとZnとGaとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相がZrO相を囲んだ組織を有していることがわかる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態および上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態および上記実施例では、加圧焼結をホットプレスによって行っているが、他の方法としてHIP法(熱間等方加圧式焼結法)等を採用しても構わない。

Claims (6)

  1. Zr,In,Ga,Zn及び酸素からなり、
    ZrO相の周囲がInとZnとGaとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相で囲まれた組織を有することを特徴とする酸化物スパッタリングターゲット。
  2. 請求項1に記載の酸化物スパッタリングターゲットにおいて、
    不可避不純物を除いた全金属成分量に対する原子比で、Zr:A%,In:B%,Ga:C%およびZn:D%とされており、これらの成分組成が、
    0<A≦45.5、
    9.1≦B≦31.0、
    9.1≦C≦31.0、
    B+C≦2D、
    A+B+C+D=100
    の関係を満たすことを特徴とする酸化物スパッタリングターゲット。
  3. 請求項2に記載の酸化物スパッタリングターゲットにおいて、
    C≦B
    の関係を満たすことを特徴とする酸化物スパッタリングターゲット。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の酸化物スパッタリングターゲットにおいて、
    相対密度が91%以上であることを特徴とする酸化物スパッタリングターゲット。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の酸化物スパッタリングターゲットを製造する方法であって、
    ZrO粉とIn粉とGa粉とZnO粉とを混合して混合粉末を作製する工程と、
    該混合粉末を加圧焼結する工程と、を有していることを特徴とする酸化物スパッタリングターゲットの製造方法。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載の酸化物スパッタリングターゲットを製造する方法であって、
    In粉とGa粉とZnO粉とを混合し、この混合粉末を仮焼して一次混合粉末を作製する工程と、
    該一次混合粉末とZrO粉とを混合して二次混合粉末を作製する工程と、
    該二次混合粉末を加圧焼結する工程と、を有していることを特徴とする酸化物スパッタリングターゲットの製造方法。
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