JP2012224903A - 酸化物スパッタリングターゲットおよびその製造方法 - Google Patents

酸化物スパッタリングターゲットおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光記録媒体保護膜形成用として、割れやInの溶出がなく製造工程を簡素化でき、高密度が得られる酸化物スパッタリングターゲットおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】酸化物スパッタリングターゲットが、ZrO,InおよびZnOを含有し、ZrO相の周囲がInとZnとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相で囲まれた組織を有する。さらに、不可避不純物を除いた全金属成分量に対する原子比で、Zr:A%,InおよびZn:残とされており、これらの成分組成が、0<A≦47.6、0.22≦In(原子比)/Zn(原子比)≦4.68、の関係を満たすことが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、光記録媒体の保護膜を成膜するための酸化物スパッタリングターゲットおよびその製造方法に関するものである。
近年、写真や動画の高画質化に伴い、光記録媒体等へ記録する際のデジタルデータが増大し、記録媒体の高容量化が求められ、既に、高記録容量の光記録媒体として二層記録方式により50GBの容量を有したBlu−ray Disc(登録商標)が販売されている。このBlu−ray Disc(登録商標)は、今後もさらなる高容量化が望まれており、記録層の多層化による高容量化の研究が盛んに行われている。
Blu−ray Disc(登録商標)を構成する誘電体保護膜用の材料としては、Zrを主成分とし、さらにIn,Si,Cr,Al,Ce,Ti,Sn,Ga,Laのうち1種または2種以上と酸素とを含む酸化物系材料が提案されている(特許文献1参照)。
また、そのような膜を成膜するスパッタリングターゲット材料として、上記組成においてZrの90%以上がZrとInとの複合酸化物相となってターゲット素地中に分散している耐割れ性に優れたZrO−In系光記録媒体保護膜形成用スパッタリングターゲットが提案されている(特許文献2参照)。
特開2005−56545号公報 特開2009−62585号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
記録層に有機色素を用いた安価な光記録媒体の保護膜を形成する材料には高い生産性が求められているが、上記従来のスパッタリングターゲットでは、使用時の割れを防止するためにZrOとInとを粉砕混合、乾燥、焼成、壊砕し、更にその他の酸化物を加えた後、粉砕混合、乾燥、成形、焼成するといった多数の工程が必要であり、生産性が悪いという問題があった。
また、上記従来のスパッタリングターゲットを簡便に作製する目的でホットプレスにて作製を行った場合、ZrOを高温でホットプレスすると、冷却の際にZrOの相転移により体積が膨張して割れる問題やInが溶出するという問題があり、高密度なスパッタリングターゲットを得ることができなかった。また、Inの溶出しない温度で作製したスパッタリングターゲットは比抵抗が高く、スパッタ時に割れが生じたり、パーティクルが発生する問題もあった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、光記録媒体保護膜形成用として、ホットプレスにて製造する際の割れやInの溶出がなく製造工程を簡素化でき、高密度の酸化物スパッタリングターゲットおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ZrO−In系のスパッタリングターゲットについて研究を進めたところ、原料にZnO(酸化亜鉛)を加えることにより、ホットプレスにて製造する際の割れやInの溶出なしに高密度なスパッタリングターゲットをホットプレス等の加圧焼結で作製可能なことを見出した。
したがって、本発明は、上記知見から得られたものであり、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の酸化物スパッタリングターゲットは、ZrO,InおよびZnOを含有し、ZrO相の周囲がInとZnとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相で囲まれた組織を有することを特徴とする。
この酸化物スパッタリングターゲットでは、ZrO,InおよびZnOを含有し、ZrO相の周囲がInとZnとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相で囲まれた組織を有するので、比抵抗が下がり、高密度となる。
また、本発明の酸化物スパッタリングターゲットは、不可避不純物を除いた全金属成分量に対する原子比で、Zr:A%,InおよびZn:残とされており、これらの成分組成が、0<A≦47.6、0.22≦In(原子比)/Zn(原子比)≦4.68、の関係を満たすことを特徴とする。
この酸化物スパッタリングターゲットでは、ZrO,InおよびZnOを含有し、Zr,In,Znの成分組成が、上記の関係を満たすので、ホットプレス等の加圧焼結で製造可能になり、生産性に優れていると共に、ターゲットは比抵抗が低く高密度であり、スパッタ中において割れやパーティクルの発生も低減することができる。また、ターゲットの比抵抗が低くなるため、RFスパッタだけでなく、DCスパッタも可能になる。なお、DCスパッタの場合、成膜速度が高いと共に、酸素雰囲気中で行うことにより、酸素欠損を防ぎ、膜の透明度を維持することができる。また、特許文献1に記載のようなZrO,InにSiOを添加した従来の膜と比較しても、同等の屈折率と消衰係数を有する膜が得られる。
ここで、本発明の金属成分元素の含有割合を上記のごとく限定した理由は、以下のとおりである。
Zr:
Zrが、不可避不純物を除いた全金属成分量に対する原子比で47.6原子%を超えるとスパッタリングターゲットの比抵抗が上昇し、DCスパッタが困難となる。なお、特許文献1の段落番号[0085]などに記載のようなZrO添加による効果(保護膜としての保存特性)を十分に得るためには、Zrは6.1原子%以上であることが好ましい。
In(原子比)/Zn(原子比):
In/Znが、4.68を超えると焼結中に金属Inが溶出する場合がある。また、0.22未満であると、「Semiconductor FPD World 2010.2 pp.38〜40」に記載のように、スパッタ膜が結晶化するおそれがある。スパッタ膜が結晶化すると、結晶粒界を経路とし水蒸気等が膜を通り抜けてしまうため、保護膜としての機能が低下するおそれがある。
本発明の酸化物スパッタリングターゲットの製造方法は、上記本発明の酸化物スパッタリングターゲットを製造する方法であって、ZrO粉とIn粉とZnO粉とを混合して混合粉末を作製する工程と、該混合粉末を加圧焼結する工程と、を有していることを特徴とする。
また、本発明の酸化物スパッタリングターゲットの製造方法は、上記本発明の酸化物スパッタリングターゲットを製造する方法であって、In粉とZnO粉とを混合し、この混合粉末を仮焼して一次混合粉末を作製する工程と、該一次混合粉末とZrO粉とを混合して二次混合粉末を作製する工程と、該二次混合粉末を加圧焼結する工程と、を有していることを特徴とする。
すなわち、これらの酸化物スパッタリングターゲットの製造方法では、ZrO粉とIn粉とZnO粉とを用いるので、InとZnOとが部分的に反応してInが安定化され溶け出し難くなると共に、ZrOが他の金属酸化物と反応せずにそのまま残ることで、ZrO相の周囲を少なくともIn酸化物とZn酸化物とからなる相が囲んだ組織が得られる。このように半導体的な性質をもつ酸化物が導電経路を形成する組織を有した酸化物スパッタリングターゲットは比抵抗が小さくなり易く、DCスパッタが可能となる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る酸化物スパッタリングターゲットによれば、ZrO,InおよびZnOを含有し、ZrO相の周囲がInとZnとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相で囲まれた組織を有し、特にZrO,InおよびZnOを含有し、Zr,In,Znの成分組成が、上記の関係を満たすので、ホットプレス等の加圧焼結で製造可能になり、生産性に優れていると共に、比抵抗が低く高密度が得られ、スパッタ中において割れやパーティクルの発生も低減することができる。
また、本発明に係る酸化物スパッタリングターゲットの製造方法によれば、ZrO粉とIn粉とZnO粉とを用いることで、InとZnOとが部分的に反応してInが安定化され溶け出し難くなると共に、ZrOが他の金属酸化物と反応せずにそのまま残ることで、ZrO相の周囲を少なくともIn酸化物とZn酸化物とからなる相が囲んだ組織が得られる。
したがって、本発明の酸化物スパッタリングターゲットを用いることで、直流マグネトロンスパッタにて高い成膜速度で透明度が高く屈折率の良好な膜を安定して成膜することができ、高記録容量の光記録媒体を構成する誘電体保護膜を作製するスパッタリングターゲットとして好適である。
本発明に係る酸化物スパッタリングターゲットおよびその製造方法の実施例において、作製したスパッタリングターゲットのX線回折(XRD)結果を示すグラフである。 本発明に係る酸化物スパッタリングターゲットおよびその製造方法の実施例において、作製したスパッタリングターゲットの断面組織をEPMAにより測定した各元素の元素分布像である。
以下、本発明の酸化物スパッタリングターゲットおよびその製造方法の一実施形態を説明する。
本実施形態の酸化物スパッタリングターゲットは、高記録容量の光記録媒体を構成する誘電体保護膜を作製するためのスパッタリングターゲットであって、ZrO,InおよびZnOを含有し、ZrO相の周囲がInとZnとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相で囲まれた組織を有する。
また、本実施形態の酸化物スパッタリングターゲットは、ZrO,InおよびZnOを含有し、不可避不純物を除いた全金属成分量に対する原子比で、Zr:A%,InおよびZn:残とされており、これらの成分組成が、0<A≦47.6、0.22≦In(原子比)/Zn(原子比)≦4.68、の関係を満たしている。
この本実施形態の酸化物スパッタリングターゲットを製造する方法は、ZrO粉とIn粉とZnO粉とを混合して混合粉末を作製する工程と、該混合粉末を加圧焼結する工程と、を有している。
この製法の一例について詳述すれば、まず酸化ジルコニウム(化学式:ZrO)、酸化インジウム(化学式:In)、酸化亜鉛(化学式:ZnO)の各原料粉末を、含有金属が所定の比率になるように秤量する。なお、原料の酸化ジルコニウムを部分安定化ジルコニア(例えば、YやCaOを5〜10wt%添加して製造された酸化ジルコニウム)としても構わない。
この秤量した原料粉末とその3倍量(重量比)のジルコニアボール(直径5mm)とをポリ容器に入れ、ボールミル装置にて18時間湿式混合する。なお、この際の溶媒には、例えばアルコールを用いる。次に、得られた混合粉末を乾燥後、例えば目開き:500μmの篩にかけ、焼結体形成用の原料粉末とし、黒鉛製のモールドに充填した後、800〜1200℃、望ましくは950〜1100℃にて2〜9時間、200〜400kgf/cmの圧力にて真空または不活性ガス雰囲気中でホットプレスし、スパッタリングターゲットとする。
また、本実施形態の酸化物スパッタリングターゲットを製造する別の方法は、In粉とZnO粉とを混合し、この混合粉末を仮焼して一次混合粉末を作製する工程と、該一次混合粉末とZrO粉とを混合して二次混合粉末を作製する工程と、該二次混合粉末を加圧焼結する工程と、を有している。
この製法の一例について詳述すれば、まず酸化インジウム、酸化亜鉛の各原料粉末を、含有金属が所定の比率になるように秤量する。この秤量した原料粉末とその3倍量(重量比)のジルコニアボール(直径5mm)とをポリ容器に入れ、ボールミル装置にて18時間湿式混合する。なお、この際の溶媒には、例えばアルコールを用いる。次に、得られた混合粉末を乾燥後、例えば目開き:500μmの篩にかけ、950〜1100℃にて2〜20時間、大気中または酸素雰囲気中で焼成し、仮焼粉の一次混合粉末とする。
さらに、得られた一次混合粉末に酸化ジルコニウムを所定原子比になるように加え、この混合粉末とその5倍量(重量比)のジルコニアボール(直径5mm)とをポリ容器に入れ、ボールミル装置にて24時間湿式混合して二次混合粉末とする。なお、この際の溶媒には、例えばアルコールを用いる。得られた二次混合粉末を乾燥後、例えば目開き:500μmの篩にかけ、焼結体形成用の原料粉末とし、黒鉛製のモールドに充填した後、800〜1200℃、望ましくは950〜1100℃にて2〜9時間、200〜400kgf/cmの圧力にて真空または不活性ガス雰囲気中でホットプレスし、スパッタリングターゲットとする。
このように本実施形態の酸化物スパッタリングターゲットでは、ZrO,InおよびZnOを含有し、ZrO相の周囲がInとZnとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相で囲まれた組織を有するので、比抵抗が下がり、高密度となる。
特に、ZrO,InおよびZnOを含有し、Zr,In,Znの成分組成が、上記の関係を満たすので、ホットプレス等の加圧焼結で製造可能になり、生産性に優れていると共に、比抵抗が低く高密度が得られ、割れやパーティクルの発生も低減することができる。また、比抵抗が低くなるため、RFスパッタだけでなく、DCスパッタも可能になる。なお、DCスパッタの場合、成膜速度が高いと共に、スパッタ中に酸素を混合した雰囲気中でスパッタすることにより、酸素欠損を防ぎ、膜の透明度を維持することができる。また、従来のSiOを入れた場合と同等の屈折率と消衰係数を有する膜が得られる。
また、本実施形態の酸化物スパッタリングターゲットの製造方法では、ZrO粉とIn粉とZnO粉とを用いるので、InとZnとが部分的に反応してInが安定化され溶け出し難くなると共に、Zrが他の金属と反応せずにそのまま残ることで、ZrO相の周囲を少なくともIn酸化物とZn酸化物とからなる相が囲んだ組織が得られる。
上記本実施形態に基づいて実際に作製した酸化物スパッタリングターゲットおよびその製造方法の実施例について、評価を行った結果を説明する。
[実施例1]
酸化ジルコニウム(純度:3N、平均粒径:10μm)、酸化インジウム(純度:3N、平均粒径:6μm)、酸化亜鉛(純度:3N、平均粒径:1.4μm)の各原料粉末を、Zrが0.6原子%、In/Znが2.5(原子比)になるように秤量した。
この秤量した原料粉末とその3倍量(重量比)のジルコニアボール(直径5mm)とをポリ容器に入れ、ボールミル装置にて18時間湿式混合する。なお、この際の溶媒には、アルコールを用いた。次に、得られた混合粉末を乾燥後、目開き:500μmの篩にかけ、焼結体形成用の原料粉末とし、黒鉛製のモールドに充填した後、1050℃にて3時間、350kgf/cmの圧力にて真空ホットプレスし、実施例1のスパッタリングターゲットを得た。
[実施例2]
実施例1と同様の原料粉であって、Zrが6.1原子%、In/Znが4.68(原子比)になるように秤量した。秤量後の各工程は、実施例1と同様にして、実施例2のスパッタリングターゲットを作製した。
[実施例3]
実施例1と同様の原料粉であって、Zrが47.6原子%、In/Znが0.22(原子比)になるように秤量した。秤量後の各工程は、実施例1と同様にして、実施例3のスパッタリングターゲットを作製した。
[実施例4]
実施例1と同様の原料粉であって、酸化インジウム、酸化亜鉛の各原料粉末を、In/Znが0.22(原子比)になるように秤量した。この秤量した原料粉末とその3倍量(重量比)のジルコニアボール(直径5mm)とをポリ容器に入れ、ボールミル装置にて18時間湿式混合する。なお、この際の溶媒には、アルコールを用いた。次に、得られた混合粉末を乾燥後、目開き:500μmの篩にかけ、焼結体形成用の原料粉末とし、黒鉛製のモールドに充填した後、1100℃にて3時間、大気中にて焼成し、仮焼粉の一次混合粉末とした。
さらに、得られた一次混合粉末に酸化ジルコニウムが47.6原子%になるように加え、この混合粉末とその5倍量(重量比)のジルコニアボール(直径5mm)とをポリ容器に入れ、ボールミル装置にて24時間湿式混合して二次混合粉末とした。なお、この際の溶媒には、アルコールを用いた。得られた二次混合粉末を乾燥後、目開き:500μmの篩にかけ、1050℃にて3時間、350kgf/cmの圧力にて真空ホットプレスし、実施例4のスパッタリングターゲットを得た。
[比較例1]
実施例1と同様の原料粉であって、酸化インジウム、酸化亜鉛の各原料粉末を、In/Znが0.15(原子比)になるように秤量した。秤量後の各工程は、実施例1と同様にして、比較例1のスパッタリングターゲットを作製した。
[比較例2]
実施例1と同様の原料粉であって、Zrが49.0原子%、In/Znが4.9(原子比)になるように秤量した。秤量後の各工程は、実施例1と同様にして、比較例2のスパッタリングターゲットを作製した。
[従来例]
酸化ジルコニウム(純度:3N、平均粒径:10μm)、酸化インジウム(純度:3N、平均粒径:6μm)、酸化ケイ素(純度:4N、平均粒径:0.2μm)の各原料粉末を、Zrが16.9原子%、In/Siが3.03(原子比)になるように秤量した。秤量後の各工程は、実施例1と同様にして、従来例のスパッタリングターゲットを作製した。
<評価>
各実施例・比較例のスパッタリングターゲットについて、ホットプレス後の金属溶出の有無を確認し、相対密度を求めた。
相対密度は、焼結体を所定寸法に機械加工した後、重量を測定し、嵩密度を求めた後、理論密度で割ることで、算出した。尚、理論密度は以下のようにして求めた。
金属溶出の有無は、X線回折測定の結果、金属の回折ピークが見られるか否かにより確認した。X線回折の測定条件は次のとおりである。
試料の準備:試料はSiC−Paper(grit 180)にて湿式研磨、乾燥の後、測定試料とした。
装置:理学電気社製(RINT−Ultima/PC)
管球:Cu
管電圧:40kV
管電流:40mA
走査範囲(2θ):5°〜90°
スリットサイズ:発散(DS)2/3度、散乱(SS)2/3度、受光(RS)0.8mm
測定ステップ幅:2θで0.02度
スキャンスピード:毎分2度
試料台回転スピード:30rpm
評価の結果を表1に示す。また、実施例1のスパッタリングターゲットのX線回折測定結果を図1に示す。
表1より、ZnOを含有させた実施例1では、金属の溶出がない高密度なスパッタリングターゲットが得られることがわかる。また、図1に示すように、実施例のスパッタリングターゲットでは、ZrOに帰属する回折ピークが確認された。
<EPMA分析>
実施例1のスパッタリングターゲットについて、その組織観察をEPMA(フィールドエミッション型電子線プローブ)にて、反射電子像(CP)および各元素の組成分布を示す元素分布像を用いて実施した。上記反射電子像および元素分布像を図2に示す。
なお、EPMAによる元素分布像は、本来カラー像であるが、白黒像に変換して記載しているため、濃淡の淡い部分(比較的白い部分)が所定元素の濃度が高い部分となっている。
これら画像から、実施例1のスパッタリングターゲットは、ZrOがそのまま残っており、その周囲をIn酸化物とZn酸化物とからなる相が囲んだ組織を有していることがわかる。
<比抵抗測定>
スパッタリングターゲットの比抵抗測定は、三菱化学製抵抗測定器ロレスタGPを用いて測定した。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態および上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態および上記実施例では、加圧焼結をホットプレスによって行っているが、他の方法としてHIP法(熱間等方加圧式焼結法)等を採用しても構わない。

Claims (4)

  1. ZrO,InおよびZnOを含有し、
    ZrO相の周囲がInとZnとの酸化物からなる複合酸化物相を含む相で囲まれた組織を有することを特徴とする酸化物スパッタリングターゲット。
  2. 請求項1に記載の酸化物スパッタリングターゲットにおいて、
    不可避不純物を除いた全金属成分量に対する原子比で、Zr:A%,InおよびZn:残とされており、これらの成分組成が、
    0<A≦47.6、
    0.22≦In(原子比)/Zn(原子比)≦4.68、
    の関係を満たすことを特徴とする酸化物スパッタリングターゲット。
  3. 請求項1または2に記載の酸化物スパッタリングターゲットを製造する方法であって、
    ZrO粉とIn粉とZnO粉とを混合して混合粉末を作製する工程と、
    該混合粉末を加圧焼結する工程と、を有していることを特徴とする酸化物スパッタリングターゲットの製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の酸化物スパッタリングターゲットを製造する方法であって、
    In粉とZnO粉とを混合し、この混合粉末を仮焼して一次混合粉末を作製する工程と、
    該一次混合粉末とZrO粉とを混合して二次混合粉末を作製する工程と、
    該二次混合粉末を加圧焼結する工程と、を有していることを特徴とする酸化物スパッタリングターゲットの製造方法。
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